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JP2018113280A - 太陽電池モジュール、導電コネクター付き太陽電池セル、太陽電池モジュール配線用粘着シート、太陽電池モジュール用配線構造体および太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents

太陽電池モジュール、導電コネクター付き太陽電池セル、太陽電池モジュール配線用粘着シート、太陽電池モジュール用配線構造体および太陽電池モジュールの製造方法 Download PDF

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JP2018113280A
JP2018113280A JP2017001240A JP2017001240A JP2018113280A JP 2018113280 A JP2018113280 A JP 2018113280A JP 2017001240 A JP2017001240 A JP 2017001240A JP 2017001240 A JP2017001240 A JP 2017001240A JP 2018113280 A JP2018113280 A JP 2018113280A
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conductive connector
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pressure
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JP2017001240A
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達也 北原
Tatsuya Kitahara
達也 北原
有史 上田
Yuji Ueda
有史 上田
正孝 上田
Masataka Ueda
正孝 上田
久成 尾之内
Hisanari Onouchi
久成 尾之内
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Nitto Denko Corp
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Nitto Denko Corp
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

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Abstract

【課題】発電効率および生産性を高レベルで両立することができ、かつリサイクル性にも優れる太陽電池モジュールを提供する。【解決手段】太陽電池モジュールは、太陽電池セルと、該太陽電池セルの少なくとも一方の面に部分的に配置された導電コネクター30と、該導電コネクターを該太陽電池セルに固定する粘着シート50と、を備える。前記粘着シートは、基材と、該基材の少なくとも一方の面に設けられた粘着剤層と、を含む。また、前記粘着シートは、前記導電コネクターを外方から覆い、かつ該導電コネクターが配置された前記太陽電池セルの面に該導電コネクター越しに接着している。【選択図】図4

Description

本発明は、太陽電池モジュール、導電コネクター付き太陽電池セル、太陽電池モジュール配線用粘着シート、太陽電池モジュール用配線構造体および太陽電池モジュールの製造方法に関する。
光エネルギーを電力に変換する太陽電池モジュールは、クリーンな発電装置として幅広く利用されている。太陽電池モジュールは、太陽電池セルと、該セルに接続した配線とを備えており、この配線を通って上記セルにて発電された電力は外部に供給されるように構成されている。この種の従来技術を開示する文献として特許文献1〜3が挙げられる。
特開2013−232496号公報 特表2005−536894号公報 特開2014−63978号公報
太陽電池モジュールにおける配線に関して、例えば特許文献1で提案されている太陽電池モジュールでは、太陽電池セルと配線とをはんだ等を用いて個別に接合している。そのため、配線作業に手間と時間を要し、生産性の改善に限度がある。また、太陽電池モジュールの修理や解体時に配線の取外しが容易でなく、その取外し時に太陽電池セル表面を損傷しやすい等、リサイクル性の問題を有する。特許文献2に記載の太陽電池モジュールも、導電経路となるワイヤーをはんだ接合しており、特許文献1と同様、リサイクル性の問題を抱えている。また上記ワイヤーは、樹脂膜上の接着剤層に埋め込むという方法によって配置されている。この方法は部品点数や工程数が多く、生産効率の点で不利益が大きい。
特許文献3では、金属配線を表面に有する封止シートを一対用意し、この一対の封止シートで複数の太陽電池セルを挟んで、上記金属配線と太陽電池セルとを当接させた状態で押圧および加熱することによって、はんだ接合を必要とすることなく複数の太陽電池セルを電気的に接続するとしている。しかし、特許文献3の方法では、実際には、太陽電池セル電極と金属配線とを導電性接着剤等を用いて固定しているため、発電効率の点ではんだ接合タイプに劣る傾向がある。また、上下の金属配線の導通は、接触面積の確保、位置合わせの精度等の要素を含み、さらにその導通状態(当接状態)は封止樹脂の流動等によって損なわれるおそれがある。これらは、導通信頼性の低下要因であり、発電効率の低下をもたらし得る。さらに、金属配線を太陽電池セルから除去する際には、上記接着剤が金属配線側ではなく太陽電池セル側に残存する場合がある。その場合、残存接着剤の除去のために追加の作業を要するなどリサイクル作業にも問題がある。
本発明は、上記の事情に鑑みて創出されたものであり、発電効率および生産性を高レベルで両立することができ、かつリサイクル性にも優れる太陽電池モジュールを提供することを目的とする。関連する他の目的は、導電コネクター付き太陽電池セル、太陽電池モジュール配線用粘着シート、太陽電池モジュール用配線構造体および太陽電池モジュールの製造方法を提供することである。
本明細書によると、太陽電池モジュールが提供される。この太陽電池モジュールは、太陽電池セルと、該太陽電池セルの少なくとも一方の面に部分的に配置された導電コネクターと、該導電コネクターを該太陽電池セルに固定する粘着シートと、を備える。前記粘着シートは、基材と、該基材の少なくとも一方の面に設けられた粘着剤層と、を含む。そして、前記粘着シートは、前記導電コネクターを外方から覆い、かつ該導電コネクターが配置された前記太陽電池セルの面に該導電コネクター越しに接着している。
このように、導電コネクターの外方から該導電コネクターを覆うようにして粘着シートを太陽電池セルに貼り付けることで、太陽電池セルと導電コネクターとが密着し、かつその密着状態は安定的に保持される。上記粘着シートは、基材の存在により熱収縮が抑制され得るので、優れた高温耐久性を好ましく発揮し得る。また、上記粘着シートは、基材を有することにより、被着体に貼り付けやすく、かつ再剥離もしやすい。したがって、上記構成によると、太陽電池モジュールの導通信頼性ひいては発電効率と、生産性とを高レベルで両立することができる。また、太陽電池モジュールの修理、解体等を目的として、太陽電池セルから導電コネクターを除去する際には、導電コネクターの外方に位置する粘着シートを剥がすことで除去作業が完了するので、リサイクル性に優れる。
ここに開示される技術(太陽電池モジュール、その製造方法、導電コネクター付き太陽電池セルおよび太陽電池モジュール配線用粘着シートを包含する。以下同じ。)の好ましい一態様では、前記粘着シートは、ガラス板に貼り付けてホットプレート上にて50℃から10℃間隔で160℃まで昇温する各温度設定で10分間保持する一連の加熱プログラムで加熱して行われる熱収縮試験において、初期寸法に対する最終的な寸法の維持率が90%以上である。上記寸法維持率を満足する粘着シートは、高温耐久性に優れるので、モジュール内が高温状態となるような場合においても、抵抗上昇を抑制することができる。
ここに開示される技術の好ましい一態様では、前記粘着剤層を構成する粘着剤は、150℃における貯蔵弾性率が1,000Pa以上(例えば1,000Pa以上100,000Pa以下)である。基材を有する粘着シートにおいて、150℃における貯蔵弾性率が所定の範囲にあることにより、加熱に対する粘着剤層自体の寸法維持性と、該粘着剤層の導電コネクターおよび太陽電池セル表面に対する密着性とが好ましく両立され得る。かかる粘着剤層を有する粘着シートによると、太陽電池セルに接着した状態における粘着シート全体としての熱収縮が好ましく抑制されて、導電コネクターを太陽電池セルに良好に密着させた状態を好適に維持することができ、その結果、優れた高温耐久性を示す太陽電池モジュールが得られやすい。
ここに開示される技術の好ましい一態様では、前記基材は樹脂フィルム基材である。基材として樹脂フィルムを用いることにより、ここに開示される技術による効果を好ましく実現することができる。
上記基材の厚さとしては、特に限定されないが、機械的強度の観点から、通常は25μm以上が好ましい。また、段差追従性(ひいては、粘着シートの導電コネクターおよび太陽電池セル表面への密着性)の観点から100μm以下が好ましい。このような厚さの基材を用いることにより、ここに開示される技術による効果を好ましく実現することができる。
ここに開示される技術の好ましい一態様では、前記導電コネクターは金属線からなる。太陽電池モジュールにおける配線部材として金属線を用いることにより、受光面積と集電効率とが好ましく両立され、かつ耐久性に優れた太陽電池モジュールを構築することができる。
ここに開示される技術の好ましい一態様では、前記金属線の0.2%耐力値は300MPa以下である。上記特性を満足する金属線を使用することにより、太陽電池モジュールの耐久性はより向上する。ここに開示される技術は、例えば、上記0.2%耐力値が90MPaより大きく300MPa以下の金属線を導電コネクターとして使用する態様で好ましく実施され得る。
上記金属線は、めっきされていてもよく、めっきされていなくてもよい。いくつかの態様において、前記金属線は、芯材と、該芯材を覆うめっき層とを有する。例えば、前記めっき層が銀からなるもの、ニッケルからなるもの等を好ましく採用し得る。金属線のめっき種として銀またはニッケルを採用することにより、太陽電池モジュール使用時の抵抗上昇をよりよく抑制することができる。
ここに開示される技術の好ましい一態様では、前記粘着シートは、前記太陽電池セルの面に部分的に配置されている。このように構成することで、太陽電池セルの粘着シート非配置領域、すなわち前記太陽電池セルの面のうち前記粘着シートが配置されていない領域に、例えば、通常は導電コネクターの外方に配置され得る封止樹脂を直接接触させることができる。その結果、前記導電コネクターを外方から覆う粘着シートを利用して封止樹脂の流動による導通性への悪影響を阻止しつつ、上記封止樹脂の固着作用を利用して太陽電池モジュールの耐久性をさらに向上させることができる。
ここに開示される技術の好ましい一態様では、前記粘着シートは、前記太陽電池セルの面全体に配置されている。このように構成することで、より優れた生産性、リサイクル性が実現される。
また、本明細書によると、導電コネクター付き太陽電池セルが提供される。この導電コネクター付き太陽電池セルは、太陽電池セルと、該太陽電池セルの少なくとも一方の面に部分的に配置された導電コネクターと、該導電コネクターを該太陽電池セルに固定する粘着シートと、を備える。前記粘着シートは、基材と、該基材の少なくとも一方の面に設けられた粘着剤層と、を含む。また、前記粘着シートは、前記導電コネクターを外方から覆い、かつ該導電コネクターが配置された前記太陽電池セルの面に該導電コネクター越しに接着している。粘着シートを用いて導電コネクターの外方から太陽電池セルと導電コネクターとを固定することで、生産性よく導通信頼性に優れた構成を得ることができる。すなわち、上記構成によると、発電効率と生産性とを高レベルで両立することができる。また、かかる構成は、リサイクル性にも優れる。
また、本明細書によると、太陽電池モジュール配線用粘着シートが提供される。この粘着シートは、基材と該基材の少なくとも一方の面に設けられた粘着剤層とを含み、太陽電池セルを備える太陽電池モジュールにおいて、該太陽電池セルの少なくとも一方の面に部分的に配置された導電コネクターを外方から覆って該太陽電池セルに固定するものである。上記粘着シートを使用することで、導通信頼性ひいては発電効率と生産性とを高レベルで両立することができ、かつリサイクル性にも優れた太陽電池モジュールを作製することができる。
また、本明細書によると、太陽電池モジュールを製造する方法が提供される。前記方法は:太陽電池セルの少なくとも一方の面に導電コネクターを部分的に配置する工程と;基材と該基材の少なくとも一方の面に設けられた粘着剤層とを含む粘着シートを用いて前記導電コネクターを前記太陽電池セルに固定する工程と;を含む。また、前記導電コネクターを固定する工程は、前記粘着シートで該導電コネクターを外方から覆い、かつ該導電コネクターが配置された前記太陽電池セルの面に該導電コネクター越しに該粘着シートを接着する工程である。
上記の方法によると、基材と該基材の少なくとも一方の面に設けられた粘着剤層とを含む粘着シートで導電コネクターを外方から覆って該導電コネクターを太陽電池セルに固定するので、太陽電池セルと導電コネクターとが密着し、かつその密着状態は安定的に保持される。その結果、導通信頼性ひいては発電効率に優れた太陽電池モジュールを生産性よく製造することができる。また、上記方法で製造された太陽電池モジュールは、その修理、解体等を目的として太陽電池セルから導電コネクターを除去する際に、導電コネクターの外方に位置する粘着シートを剥がすことで除去作業が完了するので、リサイクル性に優れる。上記の方法は、ここに開示されるいずれかの太陽電池モジュールを製造する一方法として好ましく採用され得る。
また、本明細書によると、太陽電池セルを備える太陽電池モジュールにおいて、該太陽電池セルの少なくとも一方の面に配置される、太陽電池モジュール用配線構造体が提供される。その配線構造体は、基材と該基材の少なくとも一方の面に設けられた粘着剤層とを含む粘着シートと、該粘着シートの粘着面に部分的に配置された導電コネクターと、を含む。上記配線構造体は、該配線構造体を前記太陽電池セルの面に配置して前記粘着シートを前記導電コネクター越しに前記太陽電池セルの面に接着させることにより、前記導電コネクターが前記太陽電池セルの面に部分的に配置され、かつ該導電コネクターを外方から覆う前記粘着シートにより前記導電コネクターが前記太陽電池セルに固定されるように構成されている。このように、粘着シートと導電コネクターとを組み合わせた配線構造体を用いることにより、導通信頼性ひいては発電効率に優れた太陽電池モジュールを生産性よく製造することができる。
また、本明細書によると、太陽電池モジュールを製造する他の方法が提供される。その方法は:基材と該基材の少なくとも一方の面に設けられた粘着剤層とを含む粘着シートと、前記粘着シートの粘着面に部分的に配置された導電コネクターと、を含む配線構造体を用意する工程と;太陽電池セルの少なくとも一方の面に前記配線構造体を配置して前記粘着シートを前記導電コネクター越しに前記太陽電池セルの面に接着させることにより、前記導電コネクターを前記太陽電池セルの面に部分的に配置し、かつ前記粘着シートにより前記導電コネクターを外方から覆って前記太陽電池セルに固定する工程と;を含む。かかる方法によると、導通信頼性ひいては発電効率に優れた太陽電池モジュールを生産性よく製造することができる。また、上記方法で製造された太陽電池モジュールは、その修理、解体等を目的として太陽電池セルから導電コネクターを除去する際に、導電コネクターの外方に位置する粘着シートを剥がすことで除去作業が完了するので、リサイクル性に優れる。上記の方法は、ここに開示されるいずれかの太陽電池モジュールを製造する他の一方法として好ましく採用され得る。
第1実施形態に係る太陽電池モジュールの主要部を模式的に示す断面図である。 第1実施形態に係る太陽電池モジュールを構成する2つの太陽電池セルの配線状態を拡大して示す模式的側面図である。 図2の上面図である。 図3の太陽電池セルのIV−IV線における断面図である。 第1実施形態に係る太陽電池セル上面における導電コネクターと第1粘着シートとを拡大して示す模式的断面図である。 第2実施形態に係る太陽電池セル上面における配線状態を抜き出して示す断面図であって、図4に対応する模式的断面図である。 加熱抵抗評価試験に使用した試験用太陽電池モジュールの模式的上面図である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、本明細書に記載された発明の実施についての教示と出願時の技術常識とに基づいて当業者に理解され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明し、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、図面に記載の実施形態は、本発明を明瞭に説明するために模式化されており、実際に提供される製品のサイズや縮尺を必ずしも正確に表したものではない。
≪太陽電池モジュールの構造≫
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る太陽電池モジュールの主要部を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、太陽電池モジュール1は、太陽電池セル10a,10b,10c,10dを含む複数の太陽電池セルと、上記複数の太陽電池セルを覆う(取り囲む)封止樹脂80と、封止樹脂80を挟むように配置された表面被覆部材90および裏面被覆部材94と、を備える。太陽電池セル10a,10b,10c,10dを含む複数の太陽電池セルは、所定の間隔をおいて直線状に一列に配列されており、太陽電池セル群を構成している。太陽電池セル10a,10b,10c,10dの上面(表(おもて)面)にはn型電極(表面電極)が部分的に形成されており、下面(裏面)にはp型電極(裏面電極)が形成されている。なお、本明細書における太陽電池セルの上下は、太陽電池セルの表裏に対応し、ひいては太陽電池モジュールの表裏(上下)に対応する。太陽電池モジュールの表面は入光面(受光面ともいう。)である。太陽電池モジュールは、その設置の仕方によっては表裏が必ずしも厳密な上下とはならないことがあるため、太陽電池セルの上下も厳密な上下に限定されず、相対的な位置関係を示すものとして把握される。また、この実施形態では、太陽電池セル10a,10b,10c,10dとして結晶系Siセル(凡そ15.6cm×15.6cm)を使用し、封止樹脂80としてエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を使用し、表面被覆部材90として厚さ3.2mmのガラス板を使用し、裏面被覆部材94として市販のバックシートを使用している。
上記太陽電池セル群において、隣りあう2つの太陽電池セル(例えば太陽電池セル10aと太陽電池セル10b)は、一の導電コネクター30によって電気的に接続されている。この導電コネクター30の一つは、太陽電池セル10aの表面上に部分的に配置されており、太陽電池セル10aの上面から太陽電池セル10bの下面にかけ渡されている。導電コネクター30は、太陽電池セル10bの裏面上においても部分的に配置されている。より具体的には、一の導電コネクター30は、太陽電池セル群の上方(上面の外方。以下同じ。)では太陽電池セル10aの上面に配置されており、太陽電池セル10aと太陽電池セル10bとの間の空間を通って、太陽電池セル群の下方(下面の外方。以下同じ。)に延びて、太陽電池セル10bの下面に配置されている。当該導電コネクター30は、太陽電池セル10aの端(太陽電池セル10b側とは反対側の端)から太陽電池セル10bの端(太陽電池セル10a側とは反対側の端)まで延びており、太陽電池セル10aの上面および太陽電池セル10bの下面に当接している。このように、導電コネクター30は一部材で太陽電池セル10aの上面から太陽電池セル10bの下面まで連続している。
太陽電池セル群の上方には、第1粘着シート50が配置されている。具体的には、一の第1粘着シート50は、一の太陽電池セル10aの上方にのみ配置されており、他の太陽電池セル(例えば太陽電池セル10b)の上方には配置されていない。他の太陽電池セル(例えば太陽電池セル10b)の上方には、異なる第1粘着シート50が配置されている。また、第1粘着シート50は、太陽電池セル10aの上方に位置する導電コネクター30よりも上方に配置されている。換言すると、導電コネクター30は、太陽電池セル10aと第1粘着シート50との間に配置されている。第1粘着シート50は、導電コネクター30を上方から覆い、導電コネクター30の非存在領域にて太陽電池セル10aの上面に接着している。要するに、第1粘着シート50は、導電コネクター30越しに太陽電池セル10aの上面に接着している。これによって、導電コネクター30を太陽電池セル10aの上面に密着させ、かつその密着状態を安定的に保持している。
一方、太陽電池セル群の下方には、第2粘着シート60が配置されている。具体的には、一の第2粘着シート60は、一の太陽電池セル10bの下方にのみ配置されており、他の太陽電池セル(例えば太陽電池セル10a,10c)の下方には配置されていない。他の太陽電池セル(例えば太陽電池セル10a,10c)の下方には、異なる第2粘着シート60が配置されている。また、第2粘着シート60は、太陽電池セル10bの下方に位置する導電コネクター30よりも下方に配置されている。換言すると、導電コネクター30は、太陽電池セル10bと第2粘着シート60との間に配置されている。第2粘着シート60は、導電コネクター30を下方から覆い、導電コネクター30の非存在領域にて太陽電池セル10bの下面に接着している。要するに、第2粘着シート60は、導電コネクター30越しに太陽電池セル10bの下面に接着している。これによって、導電コネクター30を太陽電池セル10bの下面に密着させ、かつその密着状態を安定的に保持している。
図2は、第1実施形態に係る太陽電池モジュールを構成する2つの太陽電池セルの配線状態を拡大して示す模式的側面図である。図3は、図2の上面図である。図4は、図3の太陽電池セルのIV−IV線における断面図である。これらの図を参照して、太陽電池モジュール1における配線について、太陽電池セル10a,10bの配線を例に、より具体的に説明する。なお、図2〜4では、説明の便宜上、太陽電池セル10aの下面に配置される導電コネクターおよび第2粘着シート、太陽電池セル10bの上面に配置される導電コネクターおよび第1粘着シートを省略している。
図2,3に示すように、2つの太陽電池セル10a、10bを電気的に接続する導電コネクター30は、太陽電池セル10aの上面から太陽電池セル10bの下面まで延びる複数の金属線40から構成されている。上記複数の金属線40は、太陽電池セル10a,10bの配列方向に沿って延びており、互いに間隔をおいて配置されている。これら金属線40は、互いに平行するように直線状に配置されており、太陽電池セル10a,10bの配列方向において、太陽電池セル10a,10bのほぼ両端(太陽電池セル10aの端(太陽電池セル10b側とは反対側の端)から太陽電池セル10bの端(太陽電池セル10a側とは反対側の端))まで延びている。したがって、複数の金属線40は、太陽電池セル10aの上面および太陽電池セル10bの下面において、互いに間隔をおいて平行するように直線状に配置されている。なお、この実施形態では、金属線40として、幅0.8mmで厚さ0.25mmの銅線が用いられている。
導電コネクター30が配置される太陽電池セル10aの上方では、第1粘着シート50が、導電コネクター30としての複数の金属線40を覆って、金属線40越しに太陽電池セル10aの上面に接着している。つまり、第1粘着シート50の下面(太陽電池セル側の表面)は、導電コネクター30(具体的には複数の金属線40)と接着し、かつ、導電コネクター30と接着していない箇所にて太陽電池セル10aの上面に接着している。また、第1粘着シート50は、太陽電池セル10aの上面において部分的に配置されている。そのため、太陽電池セル10aの上面には、粘着シート非配置領域12aが存在している。この粘着シート非配置領域12aには、硬化前の封止樹脂80が流動して太陽電池セル10aの上面と接触後、硬化する。このような封止樹脂80の固着(硬化接着)と、第1粘着シート50による被覆接着によって、太陽電池セル10aと導電コネクター30(具体的には複数の金属線40)との密着状態は、より安定する。なお、導電コネクター30の上面は、第1粘着シート50に覆われているので、粘着シート非配置領域12aには導電コネクター30は存在しない。
より具体的には、図3,4に示すように、この実施形態の第1粘着シート50は、複数の帯状部材52からなる。これらの帯状部材52は、互いに分離した状態で、太陽電池セル10aの上方に配置されている。これらの帯状部材52の数は金属線40と同数であり、それぞれ、太陽電池セル10aの上面にて、当該上面に配置された金属線40越しに太陽電池セル10aの上面に接着している。帯状部材52の各々は、太陽電池セル10aの上面において、各金属線40と重なりつつ、互いに平行するように直線状に配置されている。また、帯状部材52の各々の幅は、対応する金属線40の幅よりも大きいので、各帯状部材52は、太陽電池セル10aの上面に配置された金属線40の各々を太陽電池セル10aの上方から覆いつつ、金属線40の幅方向の両外側にて、太陽電池セル10aの上面と接着している。また、複数の帯状部材52は、太陽電池セル10aの上面にて互いに間隔をおいて配置されており、この帯状部材52間の帯状領域は、粘着シート非配置領域12aとなっている。このように第1粘着シート50を配置することにより、導通信頼性に優れた配線が好ましく実現される。なお、各帯状部材52の長さは、太陽電池セル10aの一辺の長さとほぼ同じである。
一方、太陽電池セル10a上方からの導電コネクター30がかけ渡される太陽電池セル10bの下方では、第2粘着シート60が、導電コネクター30としての複数の金属線40を覆って、金属線40越しに太陽電池セル10bの下面に接着している。つまり、第2粘着シート60の上面(太陽電池セル側の表面)は、導電コネクター30(具体的には複数の金属線40)と接着し、かつ、導電コネクター30と接着していない箇所にて太陽電池セル10bの下面に接着している。また、第2粘着シート60は、太陽電池セル10bの下面において部分的に配置されている。そのため、太陽電池セル10bの下面には、粘着シート非配置領域12bが存在している。この粘着シート非配置領域12bには、硬化前の封止樹脂80が流動して太陽電池セル10bの下面と接触後、硬化する。このような封止樹脂80の固着(硬化接着)と、第2粘着シート60による被覆接着によって、太陽電池セル10bと導電コネクター30(具体的には複数の金属線40)との密着状態は、より安定する。なお、導電コネクター30の下面は、第2粘着シート60に覆われているので、粘着シート非配置領域12bには導電コネクター30は存在しない。
より具体的には、図3に示すように、この実施形態の第2粘着シート60は、第1粘着シート50と同様に、複数の帯状部材62からなる。これらの帯状部材62は、互いに分離した状態で、太陽電池セル10bの下方に配置されている。これらの帯状部材62の数は金属線40と同数であり、それぞれ、太陽電池セル10bの下面において、当該下面に配置された金属線40越しに太陽電池セル10bの下面に接着している。帯状部材62の各々は、太陽電池セル10bの下面において、各金属線40と重なりつつ、互いに平行するように直線状に配置されている。また、帯状部材62の各々の幅は、対応する金属線40の幅よりも大きいので、各帯状部材62は、太陽電池セル10bの下面に配置された金属線40の各々を太陽電池セル10bの下方から覆いつつ、金属線40の幅方向の両外側にて、太陽電池セル10bの下面と接着している。また、複数の帯状部材62は、太陽電池セル10bの下面にて互いに間隔をおいて配置されており、この帯状部材62間の帯状領域は、粘着シート非配置領域12bとなっている。このように第2粘着シート60を配置することにより、導通信頼性に優れた配線が好ましく実現される。なお、各帯状部材62の長さは、太陽電池セル10bの一辺の長さとほぼ同じである。
なお、太陽電池セル10aの下方に配置される第2粘着シート60についても、太陽電池セル10a上面に配置される導電コネクター30(具体的には金属線40)とは異なる導電コネクター30(具体的には金属線40)を覆って、金属線40越しに太陽電池セル10aの下面に接着している。同様に、太陽電池セル10bの上方に配置される第1粘着シート50についても、太陽電池セル10b下面に配置される導電コネクター30(具体的には金属線40)とは異なる導電コネクター30(具体的には金属線40)を覆って、金属線40越しに太陽電池セル10bの上面に接着している。これらの配置、構成等については、太陽電池セル10b下方における第2粘着シート60、太陽電池セル10a上方における第1粘着シート50と、それぞれ基本的に同じであるので、重複する説明は省略する。
図5は、第1実施形態に係る太陽電池セル上面における導電コネクターと第1粘着シートとを拡大して示す模式的断面図である。図5は、図4の断面図における導電コネクター30(具体的には、一の金属線40)と第1粘着シート50(具体的には、一の帯状部材52)とを部分的に拡大した図に対応する。
図5に示すように、この実施形態の第1粘着シート50(具体的には帯状部材52)は、基材54と、基材54の一方の表面に配置された粘着剤層56と、を備える片面接着性の粘着シートである。第1粘着シート50の粘着剤層56の表面(粘着性表面)は、導電コネクター30(典型的には金属線40)越しに太陽電池セル10aの上面に接着しており、第1粘着シート50の基材54は太陽電池セル10aの外方(上方)に配置されている。これにより、粘着剤層56による粘着特性を利用して、導通信頼性に優れた配線を得つつ、基材54の剛性を利用して、上記配線の耐久性をさらに向上させることができる。この実施形態では、第1粘着シート50として、樹脂フィルム基材の片面に粘着剤層が設けられた片面接着性の透明粘着シートが用いられている。したがって、基材および粘着剤層は透明である。
この実施形態では、第1粘着シート50を構成する帯状部材52は、幅が約2mm〜10mm程度であり、長さは15.6cm程度である。また、第2粘着シート60としては、第1粘着シート50と同じ構成のものが用いられており、第2粘着シート60を構成する帯状部材62も、第1粘着シート50の帯状部材52と同じ形状およびサイズを有するが、ここに開示される技術は、これに限定されない。セル表面と金属線40との密着状態を良好に保持する観点から、帯状部材52,62の幅Wは、金属線40の幅Wcよりも1mm以上大きいことが適当である。帯状部材の幅Wと金属線の幅Wcとの差(W−Wc)は、好ましくは2mm以上、より好ましくは3mm以上である。いくつかの態様において、W−Wcは、例えば7mm以上であってもよい。同様の理由から、金属線の幅Wcに対する帯状部材の幅Wの比(W/Wc)は1よりも大きいことが適当であり、好ましくは3以上、より好ましくは5以上である。いくつかの態様において、W/Wcは、例えば10以上であってもよい。また、耐久性、生産性、透光性等の観点から、上記差(W−Wc)は、凡そ20mm以下とすることが適当であり、好ましくは15mm以下、より好ましくは10mm以下、さらに好ましくは7mm以下(例えば5mm以下)である。同様の理由から、金属線の幅Wcに対する帯状部材の幅Wの比(W/Wc)は20以下が適当であり、好ましくは15以下(例えば8以下)である。具体的には、帯状部材の幅Wは、1.5mm以上であることが適当であり、好ましくは3mm以上、より好ましくは4mm以上である。いくつかの態様において、帯状部材の幅Wは、例えば8mm以上であってもよい。また、上記幅Wは、25mm以下であることが適当であり、好ましくは18mm以下、より好ましくは12mm以下(例えば7mm以下)である。上記差(W−Wc)および比(W/Wc)は、帯状部材52と帯状部材62とで同じであってもよく、異なっていてもよい。帯状部材52,62のそれぞれが独立して上記範囲内の値をとり得る。
また、帯状部材52,62の間隔は、太陽電池セル10aの上面、太陽電池セル10bの下面にそれぞれに配置される金属線40の間隔と同程度であることが好ましいが、これに限定されない。例えば、帯状部材の間隔は、好ましくは0.3cm以上であり、より好ましくは0.8cm以上であり、さらに好ましくは1.5cm以上である。また上記間隔は、好ましくは4.0cm未満であり、より好ましくは3.0cm未満であり、さらに好ましくは2.8cm以下である。帯状部材52,62のそれぞれが独立して上記範囲内の値をとり得る。なお、上記間隔はピッチであり、帯状部材の幅方向における中心線間の距離を指す。
また、太陽電池セル(例えば太陽電池セル10a)の上面において第1粘着シート50の帯状部材52の間に存在する帯状の粘着シート非配置領域12aの各々の幅、および太陽電池セル(例えば太陽電池セル10b)の下面において第2粘着シート60の帯状部材62の間に存在する帯状の粘着シート非配置領域12bの各々の幅は、耐久性向上の観点から、1mm以上とすることが適当であり、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上、さらに好ましくは8mm以上、特に好ましくは10mm以上(例えば12mm以上、さらには15mm以上)である。上記帯状の粘着シート非配置領域12a,12bの各々の幅は、第1粘着シート50、第2粘着シート60による導電コネクター30被覆の観点から、凡そ25mm以下であることが適当であり、好ましくは22mm以下(例えば16mm以下)程度である。粘着シート非配置領域12a,12bのそれぞれが独立して上記範囲内の値をとり得る。
また、太陽電池セル(例えば太陽電池セル10a)の上面における粘着シート非配置領域12aの面積比率、および太陽電池セル(例えば太陽電池セル10b)の下面における粘着シート非配置領域12bの面積比率は、特定の比率に限定されるものではなく、凡そ10%以上とすることが適当であり、耐久性、透光性等の観点から、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上、さらに好ましくは50%以上、特に好ましくは60%以上(例えば70%以上)である。第1粘着シート50、第2粘着シート60による導電コネクター30被覆の観点から、上記面積比率は凡そ90%以下が適当であり、好ましくは85%以下(例えば65%以下)である。他の一態様では、上記面積比率は、凡そ75%以下(例えば70%以下)であることが好ましく、60%以下であってもよい。粘着シート非配置領域12a,12bのそれぞれが独立して上記範囲内の面積比率をとり得る。
上記の構成を断面構造で説明すると下記のとおりである。すなわち、太陽電池セル10aの配置箇所においては、太陽電池モジュール1は、上方から、表面被覆部材90/封止樹脂80/第1粘着シート50/導電コネクター(表面側導電コネクター)30/太陽電池セル10a/導電コネクター(裏面側導電コネクター)30/第2粘着シート60/封止樹脂80/裏面被覆部材94がこの順で積層された断面構造を有する。上記断面構造において、導電コネクター(表面側導電コネクター)30と第1粘着シート50とは、太陽電池セル10aの上面に部分的に積層されている。また、太陽電池セル10aの上面において、導電コネクター(表面側導電コネクター)30の上面は、その全体が第1粘着シート50に覆われている。同様に、導電コネクター(裏面側導電コネクター)30と第2粘着シート60とは、太陽電池セル10aの下面に部分的に積層されている。また、太陽電池セル10aの下面において、導電コネクター(裏面側導電コネクター)30の下面は、その全体が第2粘着シート60に覆われている。
また、太陽電池セル10bの配置箇所においては、太陽電池モジュール1は、上方から、表面被覆部材90/封止樹脂80/第1粘着シート50/導電コネクター(表面側導電コネクター)30/太陽電池セル10b/導電コネクター(裏面側導電コネクター)30/第2粘着シート60/封止樹脂80/裏面被覆部材94がこの順で積層された断面構造を有する。上記断面構造において、導電コネクター(表面側導電コネクター)30と第1粘着シート50とは、太陽電池セル10bの上面に部分的に積層されている。また、太陽電池セル10bの上面において、導電コネクター(表面側導電コネクター)30の上面は、その全体が第1粘着シート50に覆われている。同様に、導電コネクター(裏面側導電コネクター)30と第2粘着シート60とは、太陽電池セル10bの下面に部分的に積層されている。また、太陽電池セル10bの下面において、導電コネクター(裏面側導電コネクター)30の下面は、その全体が第2粘着シート60に覆われている。
さらに、太陽電池セル10a,10bの間においては、太陽電池モジュール1は、上方から、表面被覆部材90/封止樹脂80/導電コネクター30/封止樹脂80/裏面被覆部材94がこの順で積層された断面構造を有する。なお、上述の構造において、太陽電池セル10aの表面(上面)側に配置される導電コネクター(表面側導電コネクター)30と、太陽電池セル10aの裏面(下面)側に配置される導電コネクター(裏面側導電コネクター)30とは、分離した別部材である。また、太陽電池セル10bの表面(上面)側に配置される導電コネクター(表面側導電コネクター)30と、太陽電池セル10bの裏面(下面)側に配置される導電コネクター(裏面側導電コネクター)30も、分離した別部材である。しかし、太陽電池セル10aにおける表面側導電コネクター30と、太陽電池セル10bにおける裏面側導電コネクター30とは、連続した一部材である。
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態に係る太陽電池セル上面における配線状態を抜き出して示す断面図であって、図4に対応する模式的断面図である。第2実施形態に係る太陽電池モジュールは、粘着シートを除いては第1実施形態に係る太陽電池モジュールと基本的に同じ構成を有する。したがって、この実施形態については、粘着シート(第1粘着シート)を中心に説明し、その他の点についての説明は省略する。
図6に示すように、この実施形態では、第1粘着シート150が太陽電池セル10aの上面全体に配置されている点が上記第1実施形態と異なる。具体的には、太陽電池セル10aの上面とほぼ同形状を有する四角形状の第1粘着シート150一枚が、導電コネクター30としての複数の金属線40を上方から覆っている。第1粘着シート150の下面(太陽電池セル側の表面)は、導電コネクター30(具体的には複数の金属線40)と接着し、かつ、導電コネクター30(金属線40)の非存在領域にて太陽電池セル10aの上面に接着している。この実施形態では、太陽電池セル10a上面に粘着シート非配置領域は存在しない。特に図示しないが、他の太陽電池セルの上面に配置される第1粘着シートも同様に構成されており、太陽電池セル10aの下面および他の太陽電池セルの下面に配置される第2粘着シートも上記と同様に構成されている。かかる構成によると、貼り付けや引き剥がし作業性が改善されるので、より優れた生産性、リサイクル性が実現される。
なお、上記実施形態の導電コネクターは、直線状に延びて且つ互いに平行に配置された複数の金属線であったが、導電コネクターは、上記実施形態の形状、構造等に限定されない。導電コネクターとしては、太陽電池セルの少なくとも上面(典型的には上面および下面)に部分的に配置されており、導電コネクターを利用して太陽電池セルの電気的接続が実現できる種々の形状、構造等を採用することが可能である。例えば、導電コネクターとして金属線を使用する場合、当該金属線は曲線状に延びるものであってもよい。複数の金属線を有する場合には、複数の金属線は互いに分離していてもよく、接続していてもよい。また、互いに非平行(例えば交差していてもよく、あるいは互いに接触しない程度に非平行)であり得る。複数の金属線が接続していることは、平行する複数の金属線が他の金属線によってかけ渡されて連続した形状(非分離形状)を有する態様を包含する。一典型例としては、網目状に配置された金属線が挙げられる。導電コネクターを金属線で構成する場合、一の太陽電池セルに対して配置される金属線の数は、1本であってもよく、好ましくは2本以上(より好ましくは4本以上、さらに好ましくは6本以上)であり、また20本以下(より好ましくは12本以下、さらに好ましくは10本以下)であることが好ましい。
また、上記実施形態では、第1粘着シートおよび第2粘着シート(以下、まとめて「粘着シート」ともいう。)として、複数の帯状部材からなるもの、あるいは太陽電池セル表面とほぼ同形状の一枚の四角形状部材が用いられていたが、これに限定されない。粘着シートは、太陽電池セルの表面を導電コネクター越しに覆い、かつ太陽電池セルの表面と接着することができる範囲で様々な変更が可能である。例えば、粘着シートは、太陽電池セルの表面と同形状を有するシート状部材であって、部分的に孔やスリット(切り込み)が設けられたものであってもよい。
また、第1実施形態のように粘着シートを帯状部材から構成する場合、当該帯状部材は曲線状に延びるものであってもよい。複数の帯状部材を有する場合には、複数の帯状部材は互いに分離していてもよく、接続していてもよい。また、互いに非平行(例えば交差していてもよく、あるいは互いに接触しない程度に非平行)であり得る。複数の帯状部材が接続していることは、平行する複数の帯状部材が他の帯状部材によってかけ渡されて連続した形状(非分離形状)を有する態様を包含する。一典型例としては、網目状に配置された帯状部材が挙げられる。なお、帯状部材の幅は、全体的にまたは部分的に変化(例えば細幅化)するものであってもよい。その場合、帯状部材の幅は、その長手方向の複数点(例えば5点以上)にて測定した幅の平均値が採用される。
上記第1実施形態のように、導電コネクターを複数の金属線で構成し、粘着シートを複数の帯状部材で構成する場合、金属線と帯状部材とは同数とすることが好ましいが、帯状部材の数を金属線の本数よりも少なくして、一の帯状部材で、2本以上の金属線を覆うように構成してもよい。例えば、複数の帯状部材のうち一の帯状部材が、複数の金属線のうち一部の金属線を覆い、上記複数の帯状部材のうち他の一の帯状部材が、複数の金属線のうち他の一部の金属線を覆うように構成することも可能である。したがって、太陽電池セル表面における粘着シート非配置領域の形状も、粘着シート配置領域の形状に対応して、帯状、ストライプ状、島状、円形状、四角形状等の種々のパターンをとり得る。
また、上記実施形態では、第1粘着シートと第2粘着シートの形状および配置は基本的に同じであったが、ここに開示される技術はこれに限定されない。例えば、太陽電池セルの上面および下面において、第1粘着シート、第2粘着シートのいずれか一方はなくてもよい。その場合、粘着シートを配置しない太陽電池セルの表面には、従来の配線構造を採用することができる。また、太陽電池セルの上面および下面にそれぞれ第1粘着シートおよび第2粘着シートを配置する場合においても、第1粘着シートおよび第2粘着シートの形状、配置、構造、材料は異なっていてもよい。例えば、第1粘着シートを上記第1実施形態の構成(複数の帯状部材からなる粘着シート)とし、第2粘着シートを上記第2実施形態の構成(太陽電池セル表面とほぼ同形状の一枚の四角形状部材からなる粘着シート)とすることができる。各粘着シートは、太陽電池セルの形状や導電コネクターの形状等にあわせて種々の形状をとることが可能である。
また、上記実施形態では、粘着シートは、基材付き片面接着性の粘着シートであったが、これに限定されない。ここに開示される技術では、粘着シートとして、少なくとも太陽電池セル側の表面が接着性を有するものを用いることができる。例えば、粘着シートとして、基材の一方の面および他方の面に粘着剤層を有する粘着シート、すなわち基材付きの両面接着性の粘着シートを用いてもよい。基材付きの片面接着性の粘着シートを使用する場合において、上記基材は、粘着剤層から剥離可能な剥離性支持体であってもよい。また、基材付きの両面接着性の粘着シートを使用する場合において、上記基材は、一方または両方の粘着剤層から剥離可能な剥離性支持体であってもよい。
また、第1粘着シートおよび第2粘着シートは、同じ材料(同一組成)からなるものであってもよく、異なる材料からなるもの(異なる組成を有するもの)であってもよい。例えば、太陽電池セルが片面受光型の場合は、第1粘着シートのみが透明であり、第2粘着シートは透明でなくてもよい。その場合、第2粘着シートは、後述する全光線透過率が70%未満(例えば50%未満、典型的には30%未満)であり得る。第1粘着シートと第2粘着シートとは、異なる全光線透過率を有するものであり得る。太陽電池セルが両面受光型の場合は、上記実施形態のように第1粘着シートおよび第2粘着シートとはともに透明であり、後述する所定以上の全光線透過率を有することが好ましい。用いられる粘着剤、基材材料についても、第1粘着シートおよび第2粘着シートはそれぞれ独立して、後述する範囲で種々の設計変更が可能である。
また、一の太陽電池モジュールに配置される太陽電池セルの個数は、特に限定されず、少なくとも1であり、通常は5以上(例えば10以上、典型的には30以上)であり、典型的には50以上(50〜70)程度であり得る。太陽電池セル群の両端に位置する太陽電池セルでは、その表(おもて)面または裏面に、図示しない取出し電極(端子バー)に接続する導電コネクターが配置され得る。また、上記実施形態では、複数の太陽電池セルは一列に配列された太陽電池セル群として構成されていたが、複数の太陽電池セルの配列(配置)はこれに限定されず、直線状、曲線状、規則的なパターン、あるいは不規則的なパターンであってもよい。また、太陽電池セルの間隔は一定でなくてもよい。
≪太陽電池モジュールの製造方法≫
次に、図1〜3を参照して、上記のような構成を有する太陽電池モジュールの製造方法の好適例について、2つの太陽電池セル10a,10の配線を中心に説明する。この太陽電池モジュールの製造方法は、典型的には、太陽電池セル10aの少なくとも一方の面に、導電コネクター30を部分的に配置する工程(導電コネクター配置工程)と;粘着シート(第1粘着シート50および/または第2粘着シート60)を用いて導電コネクター30を太陽電池セルに固定する工程(導電コネクター固定工程)と;を含む。上記導電コネクター固定工程は、粘着シートで導電コネクター30を外方から覆い、かつ導電コネクター30が配置された太陽電池セル10aの面に導電コネクター30越しに粘着シートを接着する工程である。より好ましい一態様に係る製造方法は、太陽電池セル10aの上面(受光面)に、導電コネクター30を部分的に配置する工程と;第1粘着シート50を用いて導電コネクター30を太陽電池セルの上面に固定する工程と;を含む。また、太陽電池セル10aの隣に位置する太陽電池セル10bの下面(裏面)に、導電コネクター30を部分的に配置する工程と;第2粘着シート60を用いて導電コネクター30を太陽電池セル10bの下面に固定する工程と;を含み得る。
具体的には、まず、太陽電池セル10a,10bを用意する。そして、太陽電池セル10aをその上面(表面。受光面)が上方を向くようにセットし、当該上面に、導電コネクター30としての複数の金属線40を配置する。これによって、導電コネクター30の一部(具体的には、金属線40の長手方向の一部)が太陽電池セル10aの上面に部分的に配置される。金属線40の配置は、ディスペンサ等の公知の手段を用いて行うことができる。
次に、上記導電コネクター30としての金属線40が配置された太陽電池セル10aの上面に、第1粘着シート50を導電コネクター30と重なるように導電コネクター30越しに接着し、これによって、導電コネクター30を太陽電池セル10aの上面に固定する。具体的には、第1粘着シート50は、金属線40と同数の複数の帯状部材52から構成されており、それら複数の帯状部材52の各々を、金属線40の上に重なるように配置する。これにより、各帯状部材52は、金属線40を覆い、かつ金属線40の幅方向の両端よりも外側にて太陽電池セル10aの上面に接着する。第1粘着シート50の供給(帯状部材52の配置)は、ディスペンサ等の公知の手段を用いて行うことができる。
次いで、太陽電池セル10bの下面(裏面)に、導電コネクター30を配置する。具体的には、太陽電池モジュール1において太陽電池セル10aの隣に配置される太陽電池セル10bを、その下面が上方を向くようにセットする。そこに、導電コネクター30としての金属線40の長手方向の一部が取り付けられた太陽電池セル10aを上下反転させ、その金属線40の残りの部分を、太陽電池セル10bの上方に向けられた下面に配置する。
そして、金属線40が配置された太陽電池セル10bの下面に、第2粘着シート60を、導電コネクター30と重なるように導電コネクター30越しに接着させる。具体的には、第2粘着シート60は、第1粘着シート50と同様、金属線40と同数の複数の帯状部材62から構成されており、それら複数の帯状部材62の各々を、金属線40の上に重なるように配置する。これにより、各帯状部材62は、金属線40を覆い、かつ金属線40の幅方向の両端よりも外側にて太陽電池セル10bの下面に接着する。第2粘着シート60の供給(帯状部材62の配置)は、第1粘着シート50の場合と同様、ディスペンサ等の公知の手段を用いて行うことができる。この作業を他の太陽電池セル(例えば太陽電池セル10c,10d)に対して行うことで、導電コネクター30付き太陽電池セル10a,10b,10c,10dが作製され、図1に示すような複数の太陽電池セル10a,10b,10c,10dの上下配線が完了する。
さらに、上記のようにして導電コネクター30、第1粘着シート50および第2粘着シート60が取り付けられた太陽電池セル10a,10b,10c,10d(配線済み太陽電池セル群)を、2枚のシート状封止樹脂80で挟み、さらにその外方に表面被覆部材90および裏面被覆部材94を配置することで、複数の太陽電池セル10a,10b,10c,10dを、それらを導通した状態で内蔵した太陽電池モジュール1が構築される。なお、2枚のシート状封止樹脂80は、表面被覆部材90および裏面被覆部材94で挟まれ、さらに図示しない枠体が取り付けられた後、加熱硬化することにより、一体化して図1に示す封止樹脂80となる。このようにして得られる太陽電池モジュール1には、太陽電池モジュール1の表(おもて)面を構成する表面被覆部材90と裏面を構成する裏面被覆部材94との間に、封止樹脂80に覆われた状態で、上記配線済み太陽電池セル群が収容されている。
上記構成および製法による生産性やリサイクル性改善については上述のとおりであるが、ここに開示される技術による他の利点として、はんだ接合による不具合(セルの反りや割れ、特性低下、フラックス汚染、リーチング、クレータリング等)の回避が挙げられる。ここに開示される技術は、上述のとおり、はんだ接合や導電性接着剤等の接着手段(直接的接着手段。以下同じ。)を必要としない「物理接触」によって配線を実現することができる。かかる配線は、非加熱で導通可能であるので、加熱によるセル特性の低下を防止することができる。また、粘着シートで覆う形態の物理接触による太陽電池セルと導電コネクターとの密着状態は、はんだ接合等の固定方法と比べて自由度が高いので、耐衝撃性に優れ、耐久性にも優れる。なお、物理接触とは、接着手段を介在させることなく当接のみで接触し導通が実現された接触状態や接触方法を指す。ここに開示される粘着シートは接着性を有するが、その接着作用は、上記物理接触を補助および保持するための作用である。粘着シートは導通要素間に介在するものではないので、上記直接的接着手段とは異なる。ここに開示される技術によると、上記のような利点を有する物理接触型配線によって構築された太陽電池モジュール(物理接触型太陽電池モジュール)が提供される。
なお、上記方法では、太陽電池セル10aの上面(受光面)に導電コネクター30と第1粘着シート50を配置した後、太陽電池セル10bの下面(裏面)に導電コネクター30と第2粘着シート60を配置したが、これに限定されない。これらの工程は、連続的に実施され得るので、いずれの工程を先にしても、太陽電池セルを効率よく配線することが可能である。
また、ここに開示される太陽電池モジュールの製造方法は、上記実施形態の方法に限定されず、ここに開示される太陽電池モジュールの構造を実現し得る方法を制限なく採用することが可能である。例えば、粘着シートに導電コネクターを積層した後、当該導電コネクター付き粘着シートの導電コネクター配置面を太陽電池セルの表面や裏面に配置する方法を採用することも可能である。
≪太陽電池モジュールの構成要素≫
太陽電池モジュールを構成する導電コネクターや粘着シート(第1粘着シートおよび第2粘着シートを包含する。)は、上記実施形態のものに限定されず、発明の効果を発揮する範囲で種々の変更が可能である。太陽電池モジュールの他の構成要素についても同様である。以下、太陽電池モジュールを構成する各要素について説明する。
<太陽電池セル>
使用される太陽電池セルの種類は特に限定されない。単結晶型や多結晶型の結晶系Siセルが好ましく用いられる。結晶系Siセルは、p型セル(p型基板にn型が付加されたセル)であってもよく、n型セル(n型基板にp型が付加されたセル)であってもよい。また、太陽電池セルは、アモルファス系Siセル、化合物系、有機系等の太陽電池セルであってもよい。また、太陽電池セルは片面受光型、両面受光型のいずれであってもよい。太陽電池セルの形状も特に限定されず、ほぼ四角形状平面を有するウエハであってもよく、帯状等であってもよい。太陽電池セルの厚さは、軽量性等の観点から、好ましくは0.5mm以下程度であり、より好ましくは0.3mm以下(例えば200μm以下、さらには160μm以下)程度であり得る。
<導電コネクター>
導電コネクターとしては、太陽電池モジュールにおいて配線機能を発揮する種々の部材、材料を制限なく使用することができ、典型的には導電性材料を含む。導電コネクターを構成する材料として、金、銀、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、錫、クロム、ビスマス、インジウム、亜鉛、それらの合金等の金属材料や、カーボン等の非金属材料が挙げられる。なかでも、金属材料が好ましく、銀、銅、アルミニウム、鉄がより好ましく、銅、アルミニウムがさらに好ましい。実質的に金属から構成された導電経路は、より低抵抗であるという利点を有する。
ここに開示される導電コネクターとしては、その表面の拡散反射率が凡そ60%以上のものを使用することが好ましい。これによって、発電効率が向上する。ここで拡散反射率とは、波長550nmの光に対する拡散反射率(入射光に対する拡散反射の割合(%))をいう。上記拡散反射率は、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは85%以上、殊に好ましくは87%以上、特に好ましくは90%以上である。また、導電コネクター表面における全反射に占める拡散反射の割合(拡散反射比率)は、凡そ80%以上であることが好ましい。拡散反射比率とは、具体的には、波長550nmの光に対する全反射(正反射(鏡面反射ともいう。)と拡散反射との和)に占める拡散反射の割合(%)をいう。上記拡散反射比率は、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、特に好ましくは99%以上である。
上記拡散反射率および拡散反射比率は、市販の分光光度計を用いて測定することができる。例えば、JASCO社製の積分球ユニット(例えば製品名「ISV−722」)、同社製の分光光度計(例えば製品名「V−660」)、およびラブスフェア社製の標準白板(例えば、スペクトラロン(登録商標)6916−H422A)を用いて測定される。測定は、導電コネクターにおいて太陽電池モジュールの入光面側の表面となる部分に対して行うものとする。また、測定対象である導電コネクター(例えば金属線)の照射面積が不十分の場合には、複数の材料(典型的には金属線)を密接するよう並べて測定を行うものとする。
また、導電コネクター表面の算術平均粗さ(Ra)は、60nm以上であることが好ましい。これによって、拡散反射率が高まり発電効率が向上する傾向がある。上記Raは、より好ましくは70nm以上、さらに好ましくは80nm以上(例えば110nm以上、さらに例えば140nm以上)であり、特に好ましくは200nm以上(例えば220nm以上、さらに例えば250nm以上)である。上記Raは、導電コネクター表面の金属材料種の選択、エンボスロールを利用した粗化処理、エッチング処理等の表面処理等によって調節することができる。
上記Raの測定は、下記の方法で測定される。まず、導電コネクターの表面につき、光干渉型形状測定装置を用いて形状プロファイルを計測する。計測する範囲は約600μm×450μmとする。光干渉型形状測定装置としては、Veeco社製の光干渉型形状測定装置、型式「Wyko NT9100」またはその相当品を使用するとよい。得られた計測結果に含まれるうねりをGaussian処理で除去した後、導電コネクター表面のRaは算出される。導電コネクターが複数(例えば3本以上)の金属線からなる場合、導電コネクターを構成する任意の3本につき、上記の方法でRaを算出し、それらを算術平均した値を導電コネクター表面のRaとして採用するとよい。
好ましい一態様では、導電コネクターの表面(少なくとも太陽電池モジュール入光面側表面。典型的には表層部分。例えば、導電コネクターの表面から深さ1μm以下までの部分。以下同じ。)は銀からなる。そのような導電コネクターとして、銀めっきが施された金属材料(例えば銅線)が挙げられる。導電コネクターの表面が銀で構成されている場合、当該表面における銀の純度(例えば、銀めっきの純度)は特に制限されず、凡そ95重量%以上(例えば99重量%以上)であることが適当である。上記銀の純度は、好ましくは99.7重量%以上であり、より好ましくは99.9重量%以上である。このように高純度の銀を導電コネクターの表面に配することで、拡散反射率が高まり発電効率が向上する。導電コネクターの表面における添加成分(セレン、アンチモン等の銀以外の成分)の濃度は、凡そ0.3重量%以下(好ましくは0.1重量%以下)であることが好ましい。銀の純度および銀以外の成分の濃度は、誘導結合プラズマ質量分析計(ICP−MS)および誘導結合プラズマ発光分光分析計(ICP−AES)を利用して測定することができる。より好ましい一態様に係る導電コネクターは、その表面が銀(典型的には銀めっき層)で構成されており、その純度が99.7重量%以上(好ましくは99.9重量%以上)であり、銀の膜厚が1.0μm以上(好ましくは1.5μm以上)であり、かつ、その表面粗さRaが上述の範囲(例えば、好ましくは60nm以上等)である。これにより、拡散反射率が有意に向上する。
好ましい一態様では、導電コネクターは、少なくとも1本以上の金属線から構成されている。金属線としては、金属線(典型的にはワイヤー)をそのまま用いてもよく、導電性ペーストや低融点合金を硬化することによって形成してもよい。導電性ペーストは、典型的には、上述の導電性材料と、ポリエステルやエポキシ樹脂等の樹脂成分とを適当な溶媒を用いて混合してなるペースト状の組成物であり、公知のディスペンサを用いて対象物(太陽電池セル、粘着シート等)に塗布することによって金属線として形成される。低融点合金からなる金属線は、例えば融点300℃以下(好ましくは250℃以下)の合金を公知のホットメルトディスペンサー等を用いてホットメルト塗工することにより形成することができる。導電性ペーストや低融点合金の塗布には、スクリーン印刷等の各種印刷法を採用することも可能である。強度、ハンドリング性等の観点から、JIS Z 2241:2011にしたがって測定される引張強度が200N/mm以上の金属線(好適にはワイヤー)がより好ましい。
好ましい一態様に係る金属線(好適にはワイヤー)の0.2%耐力値は、300MPa以下である。これにより、太陽電池モジュールの耐久性は向上する。上記0.2%耐力値は、より好ましくは200MPa以下、さらに好ましくは150MPa以下であり、125MPa以下であってもよい。上記0.2%耐力値の下限は特に限定されず、例えば30MPa以上であってよく、通常は50MPa以上であることが適当である。いくつかの態様において、0.2%耐力値が90MPaよりも大きい金属線(好適にはワイヤー)を好ましく用いることができる。上記0.2%耐力値は、例えば100MPa以上であってよく、110MPa以上であってもよい。ここに開示される技術によると、上記のような比較的耐力値の大きい金属線を用いた場合でも、良好な耐久性を得ることができる。上記0.2%耐力値は、金属線の種類や延伸量、延伸のタイミング、めっき種、めっき厚等によって調節することができる。金属線の0.2%耐力値は、JIS Z 2241:2011に基づいて測定することができる。後述の実施例においても同様である。
また、金属線(典型的にはワイヤ−)の好適例として、銅線(銅製ワイヤー)が挙げられる。なかでも、銅線を芯材として、被覆部(典型的にはめっき層)として錫(Sn)や銀(Ag)、ニッケル(Ni)等のめっきが施された金属線がより好ましい。そのめっき層の膜厚(例えばめっき厚)は10μm以下(例えば5μm以下、さらに例えば3μm以下)程度であり得る。上記膜厚は凡そ0.1μm以上(例えば0.5μm以上)であることが適当であり、拡散反射率向上の観点からは、好ましくは1.0μm以上、さらに好ましくは1.5μm以上(例えば2μm以上、さらに例えば3μm以上)である。被覆部の形成方法としては、上述のめっき法以外にもクラッド法等の従来公知の方法が採用され得る。他の好適例としては、防錆処理が施された金属線(ワイヤー)が挙げられる。
他の一態様では、導電コネクターは導電シートから形成したものであり得る。導電シートは、典型的には金属シート(例えば金属箔)である。上記金属シートとしては、粗化処理や防錆処理、密着性向上処理の少なくとも1種の表面処理を施したものが好ましく用いられる。金属シートの好適例としては銅箔(なかでも電解銅箔)が挙げられる。導電コネクターは、パターン化された金属シートから形成されたものであり得る。上記金属シートは、エッチング処理や蒸着法によって所望の形状に加工することができる。
導電コネクター(典型的には金属線)は、その長手方向に直交する断面における高さ(H)と幅(W)との比(H/W)が1/2以下に設定されていることが好ましい。これによって、優れた性能を発揮することができる。上記比(H/W)は、配線作業性や導通信頼性の観点から、好ましくは1/3以下程度であり、また発電効率の観点から、好ましくは1/5以上(例えば1/4以上)である。また、導電コネクターが金属線を有する場合、金属線は、その長手方向に直交する断面において長方形状を有することが好ましい。これによって、金属線の一面のほぼ全域が太陽電池セル表面と面接触することができる。上記長方形状は、各角にアール等の面取りが施されていてもよい。なお、金属線の断面形状はこれに限定されず、円形、楕円形、半円形、台形、三角形等の形状であってもよい。太陽電池セルとの接触面積の観点から、導電コネクター(典型的には金属線)は、太陽電池セルと接触する部分(典型的には面)が平面となっていることが好ましい。
導電コネクターが金属線を有する場合、金属線の幅(複数の金属線を有する場合は各々の幅)は、集電ロス低減、強度、ハンドリング性および作業性の観点から、好ましくは0.03mm以上であり、より好ましくは0.1mm以上であり、さらに好ましくは0.2mm以上である。また上記幅は、シャドーロス低減等の観点から、好ましくは1.5mm以下であり、より好ましくは1.2mm以下であり、さらに好ましくは1.0mm以下である。なお、上記幅は、金属線の長手方向に直交する長さ(幅)を指す。
また、線状に延びる複数の金属線を間隔をおいて配置する場合、金属線の間隔は、シャドーロス低減等の観点から、好ましくは0.1cm以上であり、より好ましくは0.8cm以上であり、さらに好ましくは1.5cm以上である。また上記間隔は、集電ロス低減の観点からは、好ましくは4.0cm未満であり、より好ましくは3.0cm未満であり、さらに好ましくは2.8cm以下(例えば2.5cm以下)である。なお、上記間隔はピッチであり、金属線の幅方向における中心線間の距離を指す。
導電コネクターの厚さ(高さ)は、導電性、強度、ハンドリング性および作業性の観点から、0.01mm以上(例えば0.02mm以上、典型的には0.05mm以上)程度とすることが好ましく、また1mm以下(例えば0.5mm以下、典型的には0.3mm以下)程度とすることが好ましい。金属線の厚さも同様の範囲から好ましく選定される。
<粘着シート>
ここに開示される粘着シートは、太陽電池モジュールの配線用粘着シートとして用いられて、太陽電池セルと導電コネクターとの密着状態を良好に保持する機能を発揮することができる。ここに開示される粘着シートとしては、上述のとおり、基材と、該基材の少なくとも一方の面に設けられた粘着剤層とを含むものが用いられる。粘着シートは、基材付き片面接着性の粘着シートであってもよく、基材付きの両面接着性の粘着シートであってもよい。また、粘着シートに含まれる基材および粘着剤層は、それぞれ、単層構造であってもよく、2層以上の多層構造であってもよい。粘着シートは、典型的には非導電性または絶縁性である。なお、本明細書において「絶縁性である」とは、25℃における比抵抗が1×10Ω・cm以上(好ましくは1×108Ω・cm以上、典型的には1×1010Ω・cm以上)であることをいう。また、本明細書において電気抵抗(例えば比抵抗)は、特記しない限り25℃における値をいうものとする。
(粘着シートの特性)
ここに開示される粘着シートは、ガラス板に貼り付けてホットプレート上にて50℃から10℃間隔で160℃までの各温度設定で10分間保持する一連の加熱プログラムで加熱して行われる熱収縮評価試験において寸法維持率が90%以上であることが好ましい。上記寸法維持率が高い粘着シートは、高温耐久性に優れる傾向にある。上記寸法維持率は、90%より大きいことがより好ましく、93%以上であることがさらに好ましく、95%以上であることが特に好ましい。ここに開示される技術は、上記寸法維持率が97%以上(例えば99%〜100%)である態様で好適に実施され得る。上記寸法維持率は、粘着シート構成材料(典型的には基材の種類や厚さ)の選択、粘着力等によって調整することができる。上記寸法維持率は、後述の実施例に記載の方法で測定される。
ここに開示される粘着シートは、太陽電池セルや導電コネクターに対して良好な接着性を発揮する観点から、ステンレス鋼板に対する180°剥離強度が3N/20mm以上であることが好ましい。上記180°剥離強度は、より好ましくは5N/20mm以上、さらに好ましくは10N/20mm以上、特に好ましくは15N/20mm以上(例えば20N/20mm以上)である。また、上記180°剥離強度は、貼り直し(リワーク)等の作業性やリサイクル性の観点から、30N/20mm以下(例えば25N/20mm以下)程度とすることが好ましい。上記180°剥離強度は、JIS Z 0237:2009に準じて、SUS304ステンレス鋼板を被着体とし、23℃の測定環境下において2kgのローラを1往復させて上記被着体に圧着してから30分後に引張速度300mm/分の条件で180°方向に剥離したときの剥離強度である。
粘着シートは、典型的には透光性を有する。好ましい一態様では、粘着シートの全光線透過率は70%以上である。太陽電池セルの発電効率の観点から、粘着シートの全光線透過率は、より好ましくは85%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。太陽電池セルの裏面側に配置される粘着シートは、透光性を有していなくてもよい。その場合、粘着シートの全光線透過率は70%未満(例えば30%以下程度)であり得る。なお、本明細書において「透光性を有する」とは、JIS K 7375:2008で規定される全光線透過率が50%以上であることをいう。また、上記全光線透過率は、市販のヘーズメーター(例えば、商品名「HR−100」、村上色彩技術研究所社製)を用いて測定することができる。
(粘着剤層)
ここに開示される粘着シートは粘着剤層を含む。なお、本明細書において「粘着剤」とは、室温付近の温度域において柔らかい固体(粘弾性体)の状態を呈し、圧力により簡単に被着体に接着する性質を有する材料をいう。ここでいう粘着剤は、「C. A. Dahlquist, “Adhesion : Fundamental and Practice”, McLaren & Sons, (1966) P. 143」に定義されているとおり、一般的に、複素引張弾性率E(1Hz)<10dyne/cmを満たす性質を有する材料(典型的には、25℃において上記性質を有する材料)として定義され得る。
ここに開示される粘着シートにおいて、粘着剤層を構成する粘着剤の貯蔵弾性率は、用途に合わせて適切に設定することができ、特定の範囲に限定されない。上記粘着剤は、150℃における貯蔵弾性率(周波数1Hz、歪み0.1%、150℃;以下、150℃貯蔵弾性率ともいう。)が、例えば凡そ500Pa以上凡そ200,000Pa以下の範囲であり得る。加熱寸法維持率を高める観点から、上記粘着剤の150℃貯蔵弾性率は、通常、1,000Pa以上であることが適当であり、例えば2,000Pa以上であってよく、2,500Pa以上でもよく、3,000Pa以上でもよい。いくつかの態様において、上記粘着剤の150℃貯蔵弾性率は、5,000Pa以上であってもよく、10,000Pa以上であってもよい。また、高温耐久性の観点から、上記粘着剤の150℃貯蔵弾性率は、例えば150,000Pa以下であってよく、100,000Pa以下でもよく、70,000Pa以下でもよく、40,000Pa以下でもよく、25,000Pa以下でもよい。いくつかの好適な態様において、上記粘着剤の150℃貯蔵弾性率は、25,000Pa未満(例えば2,000Pa以上25,000Pa未満)であってよく、23,000Pa以下(例えば2,500Pa以上23,000Pa以下)であってもよい。ここに開示される技術は、上記粘着剤の150℃貯蔵弾性率が5,000Pa未満(例えば2,000Pa以上4,500Pa以下)である態様でも好適に実施することができる。基材付きの両面接着性の粘着シートでは、少なくとも一方の面に設けられた粘着剤層が上記の150℃貯蔵弾性率を満たすことが好ましく、一方の面および他方の面に設けられた粘着剤層がいずれも上記の150℃貯蔵弾性率を満たすことが好ましい。
特に限定するものではないが、上記粘着剤層を構成する粘着剤は、80℃〜150℃の温度域におけるtanδの最大値が0.4未満であることが好ましい。高温域におけるtanδが所定値以下の粘着剤を用いることで、高温時においても太陽電池セルと導電コネクターとの密着状態を良好に維持することができる。なお、tanδは、損失弾性率G”/貯蔵弾性率G’から求められる値(G”/G’)である。80℃〜150℃の温度域における粘着剤のtanδの最大値は、より好ましくは0.3未満である。また、上記温度域におけるtanδの最小値は、通常は0.01以上(例えば0.1以上)であり得る。基材付きの両面接着性の粘着シートでは、少なくとも一方の面に設けられた粘着剤層が上記のtanδの最大値を満たすことが好ましく、一方の面および他方の面に設けられた粘着剤層がいずれも上記のtanδの最大値を満たすことが好ましい。
粘着剤の150℃貯蔵弾性率(周波数1Hz、歪み0.1%、150℃)およびtanδ(G”/G’)は、市販のレオメーターを用いて、周波数1Hz、歪み0.1%の条件で、所定の温度範囲(80℃〜150℃を含む温度域)で測定すればよい。測定温度域および昇温速度は、測定装置の機種等に応じて適切に設定すればよい。例えば、30℃〜160℃の温度域、0.5℃〜20℃/分(例えば10℃/分)程度の昇温速度とすることができる。測定サンプルとしては、厚さ約2mmのシート形状とした粘着剤を直径8mm程度に打ち抜いたものを使用することが望ましい。粘着剤の150℃貯蔵弾性率およびtanδは、粘着剤組成や、ベースポリマーのモノマー組成、分子量等によって調節することができる。粘着剤の150℃貯蔵弾性率は、具体的には、後述の実施例に記載の方法で測定される。
ここに開示される技術において、粘着剤層を構成する粘着剤の種類は特に限定されない。上記粘着剤は、粘着剤の分野において公知のアクリル系ポリマー、ゴム系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、ポリエーテル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、フッ素系ポリマー等の各種ゴム状ポリマーの1種または2種以上をベースポリマーとして含むものであり得る。粘着性能やコスト等の観点から、アクリル系ポリマーをベースポリマーとして含む粘着剤(アクリル系粘着剤)を好ましく採用し得る。以下、アクリル系粘着剤により構成された粘着剤層について主に説明するが、ここに開示される粘着シートの粘着剤層をアクリル系粘着剤により構成されたものに限定する意図ではない。
なお、粘着剤の「ベースポリマー」とは、該粘着剤に含まれるゴム状ポリマーの主成分をいう。上記ゴム状ポリマーとは、室温付近の温度域においてゴム弾性を示すポリマーをいう。また、本明細書において「主成分」とは、特記しない場合、50重量%を超えて含まれる成分を指す。
また、「アクリル系ポリマー」とは、該ポリマーを構成するモノマー単位として、1分子中に少なくとも一つの(メタ)アクリロイル基を有するモノマーに由来するモノマー単位を含む重合物をいう。以下、1分子中に少なくとも一つの(メタ)アクリロイル基を有するモノマーを「アクリル系モノマー」ともいう。したがって、本明細書におけるアクリル系ポリマーは、アクリル系モノマーに由来するモノマー単位を含むポリマーとして定義される。アクリル系ポリマーの典型例として、該アクリル系ポリマーの合成に用いられる全モノマー成分のうちアクリル系モノマーの割合が50重量%より多いアクリル系ポリマーが挙げられる。
また、「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイルおよびメタクリロイルを包括的に指す意味である。同様に、「(メタ)アクリレート」とはアクリレートおよびメタクリレートを、「(メタ)アクリル」とはアクリルおよびメタクリルを、それぞれ包括的に指す意味である。
また、本明細書において「アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分」とは、アクリル系ポリマーを構成するモノマー単位をいう。モノマー成分は、粘着剤層を形成するために用いられる粘着剤組成物中に、未重合物の形態(すなわち、重合性官能基が未反応である原料モノマーの形態)で含まれてもよく、重合物の形態で含まれていてもよく、これらの両方の形態で含まれていてもよい。
ここに開示される粘着剤組成物は、上記アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分として(A)成分を含むことが好ましい。
上記(A)成分は、炭素数1〜20のアルキル基をエステル末端に有するアルキル(メタ)アクリレートである。以下、炭素数がX以上Y以下のアルキル基をエステル末端に有するアルキル(メタ)アクリレートを「CX−Yアルキル(メタ)アクリレート」と表記することがある。C1−20アルキル(メタ)アクリレートにおけるC1−20アルキル基の構造は特に限定されず、上記アルキル基が直鎖のものおよび分岐鎖のもののいずれも使用可能である。(A)成分としては、このようなC1−20アルキル(メタ)アクリレートの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
直鎖アルキル基をエステル末端に有するC1−20アルキル(メタ)アクリレートとして、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−へプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、n−ウンデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレート、n−ペンタデシル(メタ)アクリレート、n−ヘキサデシル(メタ)アクリレート、n−ヘプタデシル(メタ)アクリレート、n−オクタデシル(メタ)アクリレート、n−ノナデシル(メタ)アクリレート、n−エイコシル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、分岐鎖アルキル基をエステル末端に有するC3−20アルキル(メタ)アクリレートとして、イソプロピル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、t−ペンチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、イソヘキシル(メタ)アクリレート、イソへプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、2−プロピルヘプチル(メタ)アクリレート、イソウンデシル(メタ)アクリレート、イソドデシル(メタ)アクリレート、イソトリデシル(メタ)アクリレート、イソミスチリル(メタ)アクリレート、イソペンタデシル(メタ)アクリレート、イソヘキサデシル(メタ)アクリレート、イソヘプタデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソノナデシル(メタ)アクリレート、イソエイコシル(メタ)アクリレート等が例示される。これらアルキル(メタ)アクリレートは、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(A)成分は、(A1)成分としてC4−9アルキル(メタ)アクリレートを含む態様で好ましく実施され得る。アクリル系ポリマーがモノマー単位として(A1)成分を含むことで、所望の物性を有する粘着剤層が得られやすい傾向があり、また粘着性も得られやすい傾向がある。(A1)成分はC4−9アルキル(メタ)アクリレートから選択される1種または2種以上であり得る。他のモノマー成分(例えば環状窒素含有モノマー)との相溶性等の観点から、(A1)成分として、C4−9アルキルアクリレートが好ましく使用される。C4−9アルキルアクリレートの好適例としては、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレートおよびイソノニルアクリレートが挙げられる。
(A)成分が(A1)成分を含む場合、(A)成分に占める(A1)成分の割合は、20重量%以上とすることが適当であり、好ましくは30重量%以上であり、より好ましくは40重量%以上であり、また、80重量%以下とすることが適当であり、好ましくは70重量%以下であり、より好ましくは60重量%以下である。さらに好ましい一態様では、(A)成分に占める(A1)成分の割合は、50重量%以上(例えば80重量%以上、典型的には90〜100重量%)である。
また、(A)成分は、(A2)成分としてC10−18アルキル(メタ)アクリレートを含む態様でも好ましく実施され得る。アクリル系ポリマーがモノマー単位として(A2)成分を含むことで、所望の物性を有する粘着剤層がより得られやすい傾向がある。(A2)成分は、C10−18アルキル(メタ)アクリレートから選択される1種または2種以上であり得る。(A2)成分は、より好ましくはアルキル基が分岐鎖であるC10−18アルキル(メタ)アクリレートを含み、さらに好ましくは、他のモノマー成分(例えば環状窒素含有モノマー)との相溶性等の観点から、アルキル基が分岐鎖であるC10−18アルキルアクリレートを含む。C10−18アルキル(メタ)アクリレートの好適例としては、イソデシルアクリレート、イソデシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、イソミスチリルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレートが挙げられる。
(A)成分が(A2)成分を含む場合、(A)成分に占める(A2)成分の割合は、20重量%以上とすることが適当であり、好ましくは30重量%以上であり、より好ましくは40重量%以上であり、また、80重量%以下とすることが適当であり、好ましくは70重量%以下であり、より好ましくは60重量%以下である。あるいは、(A)成分に占める(A2)成分の割合は、50重量%以上(例えば80重量%以上、典型的には90〜100重量%)であってもよい。
(A)成分として、(A1)成分と(A2)成分とを併用する場合、(A1)成分と(A2)成分との重量比(A1:A2)は、特に限定されず、通常は1:9〜9:1とすることが適当であり、好ましくは2:8〜8:2(例えば3:7〜7:3、典型的には4:6〜6:4)である。
また、(A)成分は、(A3)成分としてC1−3アルキル(メタ)アクリレートおよびC19−20アルキル(メタ)アクリレートの1種または2種以上を含有してもよい。(A)成分が(A3)成分を含む場合、粘着剤層の物性の観点から、(A)成分に占める(A3)成分の割合は、30重量%以下(例えば15重量%以下、典型的には5重量%以下)程度とすることが好ましい。上記割合の下限値は特に限定されず、例えば1重量%以上程度であり得る。ここに開示される技術は、(A)成分が(A3)成分を実質的に含まない態様((A)成分に占める(A3)成分の割合が1重量%未満、さらには0.1重量%未満である態様)で好ましく実施される。
上記モノマー成分に占める(A)成分の割合は特に限定されない。粘着剤層の物性や、接着力等の粘着特性の観点から、上記(A)成分の割合は、通常は30重量%以上とすることが適当であり、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上(例えば75重量%以上)である。また、上記(A)成分の割合の上限は、後述の(B)成分や(C)成分含有による効果を十分に得る観点から、凡そ98重量%以下とすることが適当であり、95重量%以下(例えば90重量%以下、典型的には85重量%以下)とすることが好ましい。
好ましい一態様では、粘着剤組成物は、上記アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分として(B)成分を含む。上記(B)成分は、環状窒素含有モノマー、環状エーテル基含有モノマー等のヘテロ環含有モノマーである。上記(B)成分は、粘着剤層の形状安定性や透明性の向上に有利に寄与し得る。ヘテロ環含有モノマーは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
環状窒素含有モノマーとしては、(メタ)アクリロイル基またはビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性の官能基を有し、かつ環状窒素構造を有するものを特に制限なく用いることができる。環状窒素構造は、環状構造内に窒素原子を有するものが好ましい。環状窒素含有モノマーとしては、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタム、メチルビニルピロリドン等のラクタム系ビニルモノマー;2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンのようなオキサゾリン基含有モノマー;ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルモルホリン等の窒素含有複素環を有するビニル系モノマー等が挙げられる。また、モルホリン環、ピペリジン環、ピロリジン環、ピペラジン環、アジリジン環等の窒素含有複素環を含有する(メタ)アクリルモノマーが挙げられる。具体的には、N−アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルピペリジン、N−メタクリロイルピペリジン、N−アクリロイルピロリジン、N−アクリロイルアジリジン等が挙げられる。上記環状窒素含有モノマーのなかでも、凝集性等の点からは、ラクタム系ビニルモノマーが好ましく、N−ビニルピロリドンがより好ましい。
環状エーテル基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリロイル基またはビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性の官能基を有し、かつエポキシ基またはオキセタン基等の環状エーテル基を有するものを特に制限なく用いることができる。エポキシ基含有モノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等が挙げられる。オキセタン基含有モノマーとしては、例えば、3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3−メチル−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3−エチル−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3−ブチル−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3−ヘキシル−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
上記モノマー成分に占める(B)成分の割合は、粘着剤層の物性の観点から、通常は0.5重量%以上とすることが適当であり、好ましくは1重量%以上、より好ましくは3重量%以上、さらに好ましくは10重量%以上(例えば12重量%以上)である。また、上記(B)成分の割合は、(A)成分含有による効果を十分に得る観点から、凡そ50重量%以下とすることが適当であり、好ましくは40重量%以下(例えば30重量%以下、典型的には25重量%以下)とすることが好ましい。
好ましい一態様では、粘着剤組成物は、上記アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分として(C)成分を含む。上記(C)成分は、カルボキシ基およびヒドロキシ基の少なくともいずれかを有するモノマーである。
カルボキシ基含有モノマーとしては、(メタ)アクリロイル基またはビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性の官能基を有し、かつカルボキシ基を有するものを特に制限なく用いることができる。カルボキシ基含有モノマーの例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和モノカルボン酸;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸等のエチレン性不飽和ジカルボン酸;これらの金属塩(例えばアルカリ金属塩);無水マレイン酸、無水イタコン酸等の、上記エチレン性不飽和ジカルボン酸の無水物等;が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのなかでも、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
ヒドロキシ基含有モノマーとしては、(メタ)アクリロイル基またはビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性の官能基を有し、かつヒドロキシ基を有するものを特に制限なく用いることができる。ヒドロキシ基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;(4−ヒドロキシメチルシクロへキシル)メチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルシクロアルカン(メタ)アクリレートが挙げられる。その他、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、アリルアルコール、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル等が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのなかでもヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。例えば、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを好ましく使用し得る。なかでも、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートがより好ましい。
上記モノマー成分に占める(C)成分の割合は、粘着剤層の物性の観点から、通常は0.1重量%以上とすることが適当であり、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは0.8重量%以上である。(C)成分の割合は、3重量%以上であってもよく、5重量%以上(例えば8重量%以上、典型的には10重量%以上)であってもよい。また、上記(C)成分の割合は、凡そ35重量%以下とすることが適当であり、好ましくは30重量%以下、より好ましくは25重量%以下(典型的には5重量%以下、例えば3重量%以下)である。上記アクリル系ポリマーにカルボキシ基含有モノマーが共重合されている場合、粘着力と凝集力との両立の観点から、カルボキシ基含有モノマーの含有量は、アクリル系ポリマーの合成に使用する全モノマー成分中、凡そ0.1重量%以上(例えば0.2重量%以上、典型的には0.5重量%以上)とすることが好ましく、また凡そ10重量%以下(例えば8重量%以下、典型的には5重量%以下)とすることが好ましい。アクリル系ポリマーにヒドロキシ基含有モノマーが共重合されている場合、粘着力と凝集力との両立の観点から、ヒドロキシ基含有モノマーの含有量は、アクリル系ポリマーの合成に使用する全モノマー成分中、凡そ0.001重量%以上(例えば0.01重量%以上、典型的には0.02重量%以上)であることが好ましく、また凡そ10重量%以下(例えば5重量%以下、典型的には2重量%以下)であることが好ましい。
ここに開示される技術における上記構成モノマー成分は、上記(A)、(B)成分および(C)成分以外のモノマー(以下「任意モノマー」ともいう。)を必要に応じて含有し得る。上記任意モノマーの例として、ヒドロキシ基およびカルボキシ基以外の官能基を含有するモノマーが挙げられる。このような官能基含有モノマーは、アクリル系ポリマーに架橋点を導入したり、アクリル系ポリマーの凝集力を高めたりする目的で使用され得る。官能基含有モノマーとしては、例えば(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有モノマー;例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノ基含有モノマー; 例えばスチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含有モノマー;例えば2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等のリン酸基含有モノマー;例えばジアセトン(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリレート、ビニルメチルケトン、ビニルアセトアセテート等のケト基含有モノマー;例えば2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基含有モノマー;例えばメトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ基含有モノマー;例えば3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシリル基含有モノマー;等が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記任意モノマーの他の例として、脂環式モノマーが挙げられる。脂環式モノマーとしては、(メタ)アクリロイル基またはビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性の官能基を有し、かつ脂環構造含有基を有するものを、特に制限なく用いることができる。ここで「脂環構造含有基」とは、少なくとも一つの脂環構造を含む部分をいう。また、「脂環構造」とは、芳香族性を有しない飽和または不飽和の炭素環構造をいう。本明細書では、脂環構造含有基を単に「脂環式基」ということがある。脂環式基の好適例としては、脂環構造を含む炭化水素基や炭化水素オキシ基が挙げられる。
好ましい脂環式モノマーの例として、脂環式基と(メタ)アクリロイル基とを有する脂環式(メタ)アクリレートが挙げられる。脂環式(メタ)アクリレートの具体例としては、シクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロブチル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ここに開示される技術におけるモノマー成分は、アクリル系ポリマーのTgの調整や凝集力の向上等の目的で、上記任意モノマーとして、上記(A),(B),(C)成分と共重合可能であって上記で例示した以外の共重合性モノマーを含んでいてもよい。そのような共重合性モノマーとしては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル;例えばスチレン、置換スチレン(α−メチルスチレン等)、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物;例えばアリール(メタ)アクリレート(例えばフェニル(メタ)アクリレート)、アリールオキシアルキル(メタ)アクリレート(例えばフェノキシエチル(メタ)アクリレート)、アリールアルキル(メタ)アクリレート(例えばベンジル(メタ)アクリレート)等の芳香族性環含有(メタ)アクリレート;例えばエチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、イソブチレン等のオレフィン系モノマー;例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン等の塩素含有モノマー;例えばメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル系モノマー;その他、ビニル基を重合したモノマー末端にラジカル重合性ビニル基を有するマクロモノマー等が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの任意モノマーの使用量は特に限定されず、適宜決定することができる。通常、任意モノマーの合計使用量は、モノマー成分の50重量%未満とすることが適当であり、30重量%以下とすることが好ましく、20重量%以下とすることがより好ましい。ここに開示される技術は、任意モノマーの合計使用量がモノマー成分の10重量%以下(例えば5重量%以下)である態様で好ましく実施され得る。ここに開示される技術は、任意モノマーを実質的に使用しない態様(例えば、任意モノマーの使用量がモノマー成分の0.3重量%以下、典型的には0.1重量%以下である態様)でも好ましく実施され得る。
上述した(A)成分、(B)成分、(C)成分および任意モノマーは、典型的には単官能モノマーである。ここに開示される技術におけるモノマー成分は、このような単官能モノマーの他に、粘着剤層の凝集力調整等の目的で、必要に応じて多官能モノマーを含有することができる。ここで、本明細書において単官能モノマーとは、(メタ)アクリロイル基またはビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性の官能基を1つ有するモノマーを指し、これに対して多官能モノマーとは、後述するように、上記重合性の官能基を少なくとも2つ有するモノマーを指す。
多官能モノマーは、(メタ)アクリロイル基またはビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性の官能基を少なくとも2つ有するモノマーである。多官能モノマーの例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2−エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート,1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート等の、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル;アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート等が挙げられる。多官能性モノマーは、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらのなかでも、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートを好ましく使用することができる。反応性等の観点から、通常は、2以上のアクリロイル基を有する多官能モノマーが好ましい。
多官能モノマーの使用量は、その分子量や官能基数等により異なるが、凝集力と接着力とをバランスよく両立する観点から、上記モノマー成分の3重量%以下とすることが好ましく、2重量%以下がより好ましく、1重量%以下(例えば0.5重量%以下)がさらに好ましい。また、多官能モノマーを使用する場合における使用量の下限値は、0重量%より大きければよく、特に限定されない。通常は、多官能モノマーの使用量をモノマー成分の0.001重量%以上(例えば0.01重量%以上)とすることにより、凝集力を向上させる効果が適切に発揮され得る。
特に限定するものではないが、上記モノマー成分に占める(A)成分、(B)成分および(C)成分の合計量の割合は、典型的には50重量%超であり、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上である。ここに開示される技術は、上記合計量の割合が95重量%以上(例えば99重量%以上)である態様で好ましく実施され得る。ここに開示される技術は、上記モノマー成分に占める上記合計量の割合が99.999重量%以下(例えば99.99重量%以下)である態様で好ましく実施され得る。
特に限定するものではないが、上記モノマー成分の組成に対応する重合体のTgは、粘着剤層の物性、接着性等の観点から、−20℃以下であることが好ましく、−25℃以下であることがより好ましく、また−80℃以上であることが適当であり、−60℃以上であることが好ましく、−50℃以上(例えば−40℃以上、典型的には−35℃以上)であることがより好ましい。
ここで、モノマー成分の組成に対応する重合体のTgとは、上記モノマー成分に含まれる各モノマーの単独重合体(ホモポリマー)のTgおよび該モノマーの重量分率に基づいて、フォックス(Fox)の式から計算される値をいう。Foxの式とは、以下に示すように、共重合体のTgと、該共重合体を構成するモノマーのそれぞれを単独重合したホモポリマーのガラス転移温度Tgiとの関係式である。
1/Tg=Σ(Wi/Tgi)
なお、上記Foxの式において、Tgは共重合体のガラス転移温度(単位:K)、Wiは該共重合体におけるモノマーiの重量分率(重量基準の共重合割合)、Tgiはモノマーiのホモポリマーのガラス転移温度(単位:K)を表す。ただし、本明細書において、Tgの計算は単官能モノマーのみを考慮して行うものとする。したがって、モノマー成分が多官能モノマーを含む場合には、該モノマー成分に含まれる単官能モノマーの合計量を100重量%として、各単官能モノマーのホモポリマーのTgおよび該単官能モノマーの上記合計量に対する重量分率に基づいてTgを算出する。
ホモポリマーのTgとしては、以下に示すモノマーについては下記の値を採用するものとする。
2−エチルヘキシルアクリレート −70℃
n−ブチルアクリレート −55℃
イソステアリルアクリレート −18℃
シクロヘキシルアクリレート 15℃
イソボルニルアクリレート 94℃
N−ビニル−2−ピロリドン 54℃
2−ヒドロキシエチルアクリレート −15℃
4−ヒドロキシブチルアクリレート −40℃
アクリル酸 106℃
上記で例示した以外のモノマーについては、ホモポリマーのTgとして、「Polymer Handbook」(第3版、John Wiley & Sons, Inc., 1989)に記載の数値を用いるものとする。本文献に複数種類の値が記載されているモノマーについては、最も高い値が採用される。上記Polymer Handbookにも記載されていない場合には、特開2007−51271号公報に記載の測定方法により得られる値を用いるものとする。
上記モノマー組成を有するアクリル系ポリマーを得る方法は特に限定されず、溶液重合法、乳化重合法、塊状重合法、懸濁重合法等の、アクリル系ポリマーの合成手法として知られている各種の重合方法を適宜採用することができる。また、紫外線(UV)等の光を照射して行う光重合(典型的には、光重合開始剤の存在下で行われる。)や、β線、γ線等の放射線を照射して行う放射線重合等の活性エネルギー線照射重合を採用することも可能である。なかでも、溶液重合法を好ましく用いることができる。溶液重合を行う際のモノマー供給方法としては、全モノマー原料を一度に供給する一括仕込み方式、連続供給(滴下)方式、分割供給(滴下)方式等を適宜採用することができる。重合温度は、使用するモノマーおよび溶媒の種類、重合開始剤の種類等に応じて適宜選択することができ、例えば20℃〜170℃(典型的には40℃〜140℃)程度とすることができる。
溶液重合に用いる溶媒(重合溶媒)は、従来公知の有機溶媒から適宜選択することができる。例えば、トルエン等の芳香族化合物類(典型的には芳香族炭化水素類)や、酢酸エチル等の酢酸エステル類、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族または脂環式炭化水素類等が好ましく用いられる。
重合に用いる開始剤は、重合方法の種類に応じて、公知または慣用の熱重合開始剤や光重合開始剤から適宜選択することができる。熱重合開始剤としては、特に限定されるものではないが、例えばアゾ系重合開始剤、過酸化物系開始剤、過酸化物と還元剤との組合せによるレドックス系開始剤、置換エタン系開始剤等を使用することができる。より具体的には、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート等のアゾ系開始剤;例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素等の過酸化物系開始剤;例えばフェニル置換エタン等の置換エタン系開始剤;例えば過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムとの組合せ、過酸化物とアスコルビン酸ナトリウムとの組合せ等のレドックス系開始剤;等が例示されるが、これらに限定されない。なお、熱重合は、例えば20〜100℃(典型的には40〜80℃)程度の温度で好ましく実施され得る。
光重合開始剤としては、特に限定されるものではないが、例えばケタール系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤等を用いることができる。
このような熱重合開始剤または光重合開始剤の使用量は、重合方法や重合態様等に応じた通常の使用量とすることができ、特に限定されない。例えば、重合対象のモノマー成分100重量部に対して重合開始剤を0.001重量部以上(典型的には0.01重量部以上)を用いることができる。重合開始剤の使用量の上限は特に限定されず、モノマー成分100重量部に対して、凡そ5重量部以下(典型的には2重量部以下、例えば1重量部以下)程度とすることができる。
ここに開示されるアクリル系ポリマー(典型的には完全重合物)の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されない。粘着力と凝集力とをバランスよく両立する観点から、上記Mwは、好ましくは10×10以上、より好ましくは20×10以上、さらに好ましくは50×10以上(例えば100×10以上、典型的には150×10以上)である。同様の理由から、上記Mwは、好ましくは500×10以下、より好ましくは300×10以下(例えば250×10以下)である。なお、本明細書においてMwとは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により得られた標準ポリスチレン換算の値をいう。
ここに開示される粘着剤組成物は、有機溶媒中に粘着成分を含む形態の組成物(溶剤型粘着剤組成物)、粘着成分が水性溶媒に分散した形態の組成物(水分散型粘着剤組成物)、紫外線や放射線等の活性エネルギー線により硬化して粘着成分を形成するように調製された組成物(活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物)、加熱溶融状態で塗工され、室温付近まで冷えると粘着剤層を形成するホットメルト型粘着剤組成物等の、種々の形態であり得る。また、ここに開示される粘着剤組成物は、上述のような組成のモノマー成分を、重合物、未重合物(すなわち、重合性官能基が未反応である形態)、あるいはこれらの混合物の形態で含み得る。好ましい一態様に係る粘着剤組成物は、該組成物のモノマー成分を完全重合物の形態で含む。このような粘着剤組成物は、例えば、モノマー成分の完全重合物であるアクリル系ポリマーを有機溶媒中に含む溶剤型粘着剤組成物、上記アクリル系ポリマーが水性溶媒に分散した水分散型粘着剤組成物、等の形態であり得る。他の好ましい一態様に係る粘着剤組成物は、該組成物のモノマー成分(原料モノマー)の少なくとも一部を含むモノマー混合物の重合反応物を含む。
ここに開示される粘着剤組成物は、架橋剤を含有することができる。架橋剤としては、例えば、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、シリコーン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、シラン系架橋剤、アルキルエーテル化メラミン系架橋剤、金属キレート系架橋剤等が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。架橋剤の好適例としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤が挙げられる。架橋剤の使用量は特に制限されず、例えば、アクリル系ポリマー100重量部に対して凡そ10重量部以下(例えば5重量部以下)とすることができ、また、0.005重量部以上(好ましくは凡そ0.01重量部以上)とすることができる。
さらに、ここに開示される粘着剤組成物は、シランカップリング剤を含有することができる。好ましく用いられ得るシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有シランカップリング剤;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シランカップリング剤;3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等の(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤;3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基含有シランカップリング剤;等が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。シランカップリング剤の配合量は、アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分100重量部に対して、好ましくは1重量部以下、より好ましくは0.6重量部以下であり、また好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.02重量部以上である。
その他、ここに開示される粘着剤組成物には、例えば粘着剤の分野において公知の各種添加剤を含有させることができる。例えば、ロジン系粘着付与樹脂やアクリル系オリゴマー等の粘着付与剤、着色剤、顔料等の粉体、染料、界面活性剤、可塑剤、表面潤滑剤、レベリング剤、軟化剤、酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、無機または有機の充填剤、金属粉、粒子状、箔状物等を、用途に応じて適宜添加することができる。
ここに開示される粘着剤層は、例えば、ここに開示されるいずれかの粘着剤組成物を支持体に塗布して乾燥または硬化させることにより形成することができる。粘着剤組成物の塗布方法としては、従来公知の各種の方法を使用可能である。具体的には、例えば、ロールコート、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコート、ダイコーター等による押出しコート法等の方法が挙げられる。
粘着剤組成物の乾燥は加熱下で行うことができる。乾燥温度は、40℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましく、70℃以上がさらに好ましく、また200℃以下が好ましく、180℃以下がより好ましく、170℃以下がさらに好ましい。加熱温度を上記の範囲とすることによって、優れた物性を有する粘着剤層を得ることができる。乾燥時間は、適宜、適切な時間が採用され得る。上記乾燥時間は、5秒〜20分が好ましく、5秒〜10分がより好ましく、10秒〜5分がさらに好ましい。
粘着剤層の形成にあたっては、所望の物性を得るため、さらに架橋処理、熱硬化処理等が施され得る。例えば、凡そ80〜200℃(例えば100〜180℃、典型的には120〜160℃)で、5分以上の熱硬化処理が施され得る。熱硬化処理時間は、好ましくは10分以上、より好ましくは20分以上(例えば30分以上、典型的には40分〜120分)である。上記粘着剤層は、熱硬化処理前または処理中にプレス処理を行うことが好ましい。
粘着剤層の厚さは特に制限されず、凡そ1μm以上であり得る。接着性の観点から、粘着剤層の厚さは、好ましくは2μm以上、より好ましくは5μm以上であり、10μm以上でもよく、20μm以上でもよく、30μm以上でもよく、45μm以上でもよい。いくつかの態様において、粘着剤層の厚さは50μm以上でもよく、70μm以上でもよい。また、粘着剤層の厚さは、例えば凡そ400μm以下であってよく、好ましくは200μm以下、より好ましくは150μm以下である。いくつかの態様において、粘着剤層の厚さは、例えば120μm以下であってよく、100μm以下でもよく、75μm以下でもよい。粘着剤層の厚さが制限された粘着シートは、軽量化、省資源化等の点で有利なものとなり得る。基材の両面に粘着剤層(第一粘着剤層および第二粘着剤層)が設けられている場合、各粘着剤層の厚さは同じであってもよく、異なっていてもよい。
(基材)
好ましい一態様に係る粘着シートは基材を含む。かかる粘着シートは、基材と、該基材の少なくとも一方の表面に配置された粘着剤層と、を備える。その構成例としては、基材の片面に粘着剤層が設けられた片面接着性の粘着シート(基材付き片面粘着シート)、基材の両面に粘着剤層が設けられた両面接着性の粘着シート(基材付き両面粘着シート)が挙げられる。基材付き粘着シートを使用することで、粘着シートの貼り付け性や引き剥がし性が改善され、生産性およびリサイクル性が向上する。また、剥離ライナー不要の構成とすることが可能となり、太陽電池モジュール製造段階での剥離ライナーの剥離工程、剥離紙の処分等を省略することができる。
ここに開示される基材としては、例えば、樹脂フィルム、紙、布、ゴムフィルム、発泡体フィルム、これらの複合体や積層体等を用いることができる。なかでも、モジュールの耐久性や作業性等の観点から、樹脂材料を主成分(例えば、基材フィルム中に50重量%を超えて含まれる成分)とする樹脂フィルムを含む樹脂フィルム基材が好ましい。樹脂フィルムを含むことは、寸法安定性、厚さ精度、加工性、強度等の観点からも有利である。ここで「樹脂フィルム」は、非多孔質の構造であって、典型的には実質的に気泡を含まない(ボイドレスの)樹脂フィルムを意味する。したがって、上記樹脂フィルムは、発泡体フィルムや不織布とは区別される概念である。上記樹脂フィルムは、単層構造であってもよく、2層以上の多層構造であってもよい。
樹脂フィルムの例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂フィルム;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂フィルム;塩化ビニル系樹脂フィルム;酢酸ビニル系樹脂フィルム;ポリイミド系樹脂フィルム;ポリアミド系樹脂フィルム;フッ素系樹脂フィルム;セロハン;等が挙げられる。好適例としては、ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルムが挙げられる。なかでも、PE、PPから形成された樹脂フィルムが好ましく、機械特性の観点からPPフィルムがさらに好ましい。PPフィルムとしては、無延伸ポリプロピレンフィルム(CPPフィルム)、延伸(典型的には二軸延伸)ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)、インフレーションポリプロピレンフィルム(IPPフィルム)のいずれも使用可能である。強度の観点からOPPフィルムを好ましく採用し得る。
基材には、例えば粘着シートの基材に用いられ得る公知の添加剤を必要に応じて含有させることができる。例えば、紫外線吸収剤等の光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、充填材、可塑剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤等の添加剤を適宜配合することができる。これら添加剤は、それぞれ1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。添加剤の配合量は、上記基材における通常の配合量の範囲内から適宜設定すればよい。
基材の表面(例えば粘着剤層側表面)には、必要に応じて、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、酸処理、アルカリ処理、下塗り剤(プライマー)の塗布、帯電防止処理等の、従来公知の表面処理が施されていてもよい。このような表面処理は、基材と粘着剤層との密着性、言い換えると粘着剤層の基材への投錨性を向上させるための処理であり得る。また、基材の背面(粘着剤層が設けられる面とは反対側の面)には、必要に応じて、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系等の剥離処理剤による剥離処理が施されていてもよい。
基材は、機械的強度の観点から、30℃における引張弾性率(ヤング率)が10MPa以上であることが好ましい。なお、本明細書においてヤング率とは、特記しない場合、30℃におけるヤング率のことをいう。基材のヤング率は、例えば50MPa以上であってよく、100MPa以上でもよく、500MPa以上でもよい。いくつかの態様において、ヤング率が1,000MPa以上(例えば1,500MPa以上)の基材を好ましく採用し得る。基材のヤング率の上限は特に制限されない。粘着シートの段差追従性(ひいては、導電コネクターおよび太陽電池セル表面への密着性)の観点から、基材のヤング率は、例えば10,000MPa以下であってよく、7,000MPa以下でもよく、5,000MPa以下でもよい。いくつかの態様において、ヤング率が3,000MPa以下(例えば2,500MPa以下)の基材を好ましく採用し得る。ヤング率は、基材の構成材料や製造方法(例えば、延伸の有無およびその程度)等により調節することができる。
ヤング率は、動的粘弾性測定装置(例えば、TAインスツルメント社製「RSA−G2」)を使用し、30℃の測定環境において、ひずみ1%、周波数1Hzの条件で、圧縮モードで測定される。後述の試験においても同様の方法で測定される。
基材の厚さ(複数の層を有する場合には、それらの層の合計厚さ)は特に限定されず、目的に応じて適宜選択できる。基材の厚さは、例えば1μm以上とすることができ、通常は5μm以上が適当であり、所定以上の剛性を得て耐久性を向上させる観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは25μm以上、さらに好ましくは40μm以上(例えば60μm以上、典型的には80μm以上)である。基材が所定以上の厚さを有することで、粘着シートの加工性や取扱い性、作業性も向上する傾向がある。また、基材の厚さは、凡そ300μm以下であることが適当であり、凡そ200μm以下(例えば150μm以下)であることが好ましい。基材の厚さが制限された粘着シートは、軽量化、省資源化等の点で有利なものとなり得る。また、基材の厚さを小さくすることにより、粘着シートの段差追従性が向上し得る。いくつかの態様において、基材の厚さは、例えば100μm以下であってよく、70μm以下であってもよい。ここに開示される技術は、厚さ55μm以下または45μm以下の基材を用いる態様でも好適に実施され得る。
(粘着シートの総厚さ)
ここに開示される粘着シート(粘着剤層と基材とを含むが、剥離ライナーは含まない。)の総厚さは特に限定されない。粘着シートの総厚さは、通常、凡そ5μm以上とすることが適当であり、10μm以上であることが好ましい。いくつかの態様において、粘着シートの総厚さは、例えば30μm以上であってよく、50μm以上でもよく、80μm以上でもよい。いくつかの態様において、粘着シートの総厚さは、100μm以上でもよく、120μm以上でもよい。また、粘着シートの総厚さは、通常、凡そ1000μm以下とすることが適当であり、好ましくは500μm以下、より好ましくは300μm以下である。いくつかの態様において、粘着シートの総厚さは、例えば200μm以下であってよく、150μm以下でもよく、100μm以下でもよい。
(剥離ライナー)
太陽電池セルの表面に配置する前の粘着シートは、前面および背面の少なくとも一方がいずれも剥離面(剥離性の表面)である剥離ライナー(支持体)と重ね合わされて渦巻き状に巻回された形態であり得る。あるいは、前面および背面が2枚の独立した剥離ライナー(支持体)によりそれぞれ保護された形態であり得る。粘着シートの表面を保護する剥離ライナーとしては、慣用の剥離紙等を使用することができ、特に限定されない。例えば、プラスチックフィルムや紙等の基材の表面に剥離処理層を有する剥離ライナーや、フッ素系ポリマー(ポリテトラフルオロエチレン等)やポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)の低接着性材料からなる剥離ライナー等を用いることができる。上記剥離処理層は、上記基材を剥離処理剤により表面処理して形成されたものであり得る。剥離処理剤の例としては、シリコーン系剥離処理剤、長鎖アルキル系剥離処理剤、フッ素系剥離処理剤、硫化モリブデン(IV)等が挙げられる。
<封止樹脂>
ここに開示される封止樹脂は、絶縁性であり、かつ透光性を有するものであり得る。封止樹脂の25℃における比抵抗は、好ましくは1×108Ω・cm以上(典型的には1×1010Ω・cm以上)である。また、封止樹脂の全光線透過率は、好ましくは80%以上(典型的には95%以上)である。封止樹脂は、好ましくは熱硬化性樹脂であり得る。熱硬化性樹脂からなる封止樹脂は、例えば太陽電池セルに積層し加熱することで、太陽電池モジュールにおいて太陽電池セルを良好に封止することができる。上記樹脂としては、透光性、加工性、耐候性等の観点から、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が好ましく使用される。上記樹脂は、EVAに代表されるエチレン−ビニルエステル共重合体の他、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル等のエチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体、ポリメタクリル酸メチル等の不飽和カルボン酸エステル系重合体等であってもよい。あるいは、フッ化ビニリデン樹脂等のフッ素樹脂;直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等のポリオレフィン類;ポリブタジエン類;ポリビニルブチラール(PVB樹脂)、変性PVB等のポリビニルアセタール;ポリエチレンテレフタレート(PET);ポリイミド;非晶質ポリカーボネート;シロキサンゾル−ゲル;ポリウレタン;ポリスチレン;ポリエーテルサルフォン;ポリアリレート;エポキシ樹脂;シリコーン樹脂;アイオノマー;等であってもよい。これらの樹脂は単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。上記樹脂は、紫外線吸収剤や光安定剤等の、この分野に公知の各種添加剤を含み得る。また、封止樹脂の表面には、シランカップリング剤等の密着性向上剤や、コロナ処理、大気圧プラズマ処理等の各種表面処理を単独でまたは組み合わせて施すことができる。太陽電池モジュールの構築に用いられるシート状封止樹脂の厚さは、太陽電池セルの封止性等の観点から、100μm以上(例えば200μm以上、典型的には400μm以上)程度とすることが好ましく、また凡そ2000μm以下(例えば1000μm以下、典型的には800μm以下)程度とすることが好ましい。
<表面被覆部材>
表面被覆部材としては、透光性を有する各種材料が使用され得る。表面被覆部材は、ガラス板や、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、フッ素樹脂、アクリル樹脂等の材料から構成された樹脂シートであり得る。例えば、全光線透過率が70%以上(例えば90%以上、典型的には95%以上)の平板状部材またはシート状部材が好ましく用いられ得る。上記全光線透過率は、JIS K 7375:2008に基づいて測定すればよい。表面被覆部材の厚さは、保護性や軽量性等の観点から、0.5mm以上(例えば1mm以上、典型的には2mm以上)程度とすることが好ましく、また10mm以下(例えば8mm以下、典型的には5mm以下)程度とすることが好ましい。
<裏面被覆部材>
裏面被覆部材としては、表面被覆部材の材料として例示した各種材料からなる平板状部材またはシート状部材が好ましく使用される。なかでも、裏面被覆部材形成材料として、PETやPEN等のポリエステルを使用することがより好ましい。あるいは、裏面被覆部材として、耐食性を有する金属板(例えばアルミニウム板)や、エポキシ樹脂等の樹脂シート、シリカ蒸着樹脂等の複合シートを用いてもよい。裏面被覆部材の厚さは、取扱い性や軽量性等の観点から、0.1mm以上(例えば0.2mm以上)程度とすることが好ましく、また10mm以下(例えば5mm以下)程度とすることが好ましい。なお、裏面被覆部材は透光性を有していなくてもよい。
以下、本発明に関する効果確認実験について説明する。なお、以下の説明中の「部」および「%」は、特に断りがない限り重量基準である。
≪実験例≫
<粘着シートの作製>
(例1)
冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌装置を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート94.9部、アクリル酸5部および2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1部と、上記モノマー(固形分)100部に対してジベンゾイルパーオキサイド0.3部とを、酢酸エチルとともに加えて、窒素ガス気流下にて、60℃で7時間反応させた。その反応液に酢酸エチルを加えて、重量平均分子量約220万のアクリル系ポリマーを含有する溶液を得た。このアクリル系ポリマー溶液の固形分100部あたり0.6部のトリメチロールプロパントリレンジイソシアネート(商品名「コロネートL」、東ソー社製)と、0.075部のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名「KBM−403」、信越化学工業社製)を配合して、溶剤型のアクリル系粘着剤組成物Aを得た。
厚さ30μmのPPフィルム(基材)にコロナ処理(春日電気社製)を施して投錨性を高めた後、上記で得た粘着剤組成物Aを上記PPフィルムのコロナ処理面に塗布し、155℃で加熱処理して厚さ約100μmの粘着剤層を形成した。このようにして、本例に係る粘着シート(基材付き片面接着性粘着シート)を得た。上記粘着剤層の表面には、シリコーン系剥離剤で表面処理した厚さ38μmのポリエステルフィルム(商品名「ダイアホイルMRE」、三菱樹脂社製)からなる剥離ライナーを、当該フィルムの剥離処理面が上記粘着剤層側になるようにして被せた。この剥離ライナーは、粘着シートの使用時まで粘着剤層の保護に用いた。この粘着剤層を構成する粘着剤Aにつき、150℃貯蔵弾性率を測定したところ、2,000Paであった。なお、本例および以下の例6で使用したPPフィルムはいずれもOPPフィルムであり、それらのOPPフィルムのおけるヤング率はいずれも約1,800MPaであった。
(例2)
2−ヒドロキシエチルアクリレート78部、N−ビニルピロリドン18部、2−ヒドロキエチルアクリレート21.6部と、(メタ)アクリル系オリゴマー11.8部と、光重合開始剤としての2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名「イルガキュア651」、BASF社製)0.035部および1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)0.035部とを混合し、窒素雰囲気下で紫外線を照射して部分重合物(モノマーシロップ)を作製した。得られたモノマーシロップに、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名「KBM−403」、信越化学工業社製)0.353部および1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.294部を添加し、均一に混合して、紫外線硬化型のアクリル系粘着剤組成物Bを調製した。
上記(メタ)アクリル系オリゴマーとしては、下記の方法で調製したものを使用した。ジシクロペンタニルメタクリレート(商品名「FA−513M」、日立化成工業社製)34.8部およびメチルメタクリレート23.3部に、連鎖移動剤としてのチオグリコール酸2部と、重合溶媒としての酢酸エチルとを配合し、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を除去した。次いで、この混合物を70℃に昇温し、70℃で1時間攪拌した後、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル0.172部を加えた。これを70℃で2時間、次いで80℃で2時間の条件で反応させた。その後、130℃で重合溶媒、連鎖移動剤、残留モノマーを除去して、Mwが凡そ4000でTgが凡そ130℃の(メタ)アクリル系オリゴマーを得た。
片面がシリコーン系剥離処理剤で剥離処理されている厚さ38μmのポリエステルフィルム(商品名「ダイアホイルMRF」、三菱樹脂社製)の剥離処理面に、上記で調製した粘着剤組成物Bを、最終的な厚さが50μmになるように塗布して塗布層を形成した。次いで、上記塗布層の表面に、片面がシリコーンで剥離処理されている厚み38μmのポリエステルフィルム(商品名「ダイアホイルMRE」、三菱樹脂社製)を、当該フィルムの剥離処理面が上記塗布層側になるようにして被せた。これにより上記塗布層を酸素から遮断した。このようにして得られた塗布層を有するシートにケミカルライトランプ(東芝社製)を用いて照度5mW/cmの紫外線を150秒間照射することにより、上記塗布層を硬化させて粘着剤層を形成した。この粘着剤層を二層貼り重ねることにより、厚さ100μmの粘着剤層を形成した。なお、上記照度の値は、ピーク感度波長約350nmの工業用UVチェッカー(商品名「UVR−T1」、受光部型式UD−T36、トプコン社製)による測定値である。
厚さ30μmのPPフィルム(基材)にコロナ処理(春日電気社製)を施して投錨性を高めた後、該PPフィルムのコロナ処理面に上記粘着剤層の片面を貼り合わせることにより、本例に係る粘着シート(基材付き片面接着性粘着シート)を得た。この例に係る粘着剤層を構成する粘着剤Bにつき、150℃貯蔵弾性率を測定したところ、20,000Paであった。
(例3)
紫外線の照射時間を1200秒間に変更した他は例2と同様にして、厚さ50μmの粘着剤層を形成した。この粘着剤層を二層貼り重ねることにより、厚さ100μmの粘着剤層を形成した。厚さ30μmのPPフィルム(基材)にコロナ処理(春日電気社製)を施して投錨性を高めた後、該PPフィルムのコロナ処理面に上記粘着剤層の片面を貼り合わせることにより、本例に係る粘着シート(基材付き片面接着性粘着シート)を得た。この例に係る粘着剤層を構成する粘着剤Cにつき、150℃貯蔵弾性率を測定したところ、90,000Paであった。
(例4)
例3と同様にして、厚さ50μmの粘着剤層を形成した。厚さ30μmのPPフィルム(基材)にコロナ処理(春日電気社製)を施して投錨性を高めた後、該PPフィルムのコロナ処理面に上記粘着剤層の片面を貼り合わせることにより、本例に係る粘着シート(基材付き片面接着性粘着シート)を得た。
(例5)
基材として厚さ50μmのPPフィルムを使用した他は例4と同様にして、本例に係る粘着シート(基材付き片面接着性粘着シート)を得た。
(例6)
紫外線の照射時間を360秒間に変更した他は例2と同様にして、厚さ50μmの粘着剤層を形成した。本例に係る粘着シートとしては、この粘着剤層(基材レスの両面接着性粘着シート)を使用した。上記粘着剤層を構成する粘着剤Dにつき、150℃貯蔵弾性率を測定したところ、88,000Paであった。
<試験用太陽電池モジュールの構築(1)>
(導電コネクター)
銅線(幅0.8mm、厚さ0.25mm)を用意し、22cmの長さにカットして直線矯正機(例えばWITELS ALBERT社製)で矯正したものを使用した。銅線としては、幅公差±10%、厚さ公差±4%、めっき種がAgであり、めっき厚さ1μm(公差±15%)、引張強度が200N/mm以上であり、断面が長方形状のものを用いた。上記銅線の0.2%耐力値は100MPaであった。
(封止樹脂)
EVAシート(商品名「EVASKY」、ブリヂストン社製、厚さ450μm)
(太陽電池セル)
Si系太陽電池セル(多結晶Siセル、GINTECH社製、15.6cm角)
(表面被覆部材)
ガラス板(白板熱処理ガラス、旭硝子社製、厚さ3.2mm)
(裏面被覆部材)
バックシート(商品名「コバテックPV KB−Z1−3」、コバヤシ社製、厚さ200μm)
例1〜6に係る粘着シートと上記材料とを用いて、試験用太陽電池モジュールを構築した。具体的には、図7に示すように、太陽電池セル210の上面(受光面)に、導電コネクター(表面側導電コネクター)230として2本の銅線を平行に配置した。銅線の間隔は2cmとした。また、上記の各例で得た粘着シート252を長さ15.6cm、幅5mmにカットした帯状部材を2つ用意し、剥離ライナーを除去した後、それぞれ、2本の銅線に重ね、銅線越しに太陽電池セル210の上面に貼り付けて、導電コネクター230を太陽電池セル210上面に固定した。
次いで、裏面被覆部材294を用意し、その表面にシート状封止樹脂280を配置した。その封止樹脂280上に、導電コネクター230を固定した太陽電池セル210を、太陽電池セル210の上面(受光面)が上方を向くように(すなわち導電コネクター230配置面が上側となるように)配置した。その上に、別のシート状封止樹脂280をさらに配置した後、該封止樹脂280上に表面被覆部材290を重ね合わせた。この積層物に対して、市販のラミネータ(NPC社製)を用いて150℃、100kPa、5分間の条件でラミネートを行い、15分間のキュアを実施し、さらに、市販の送風定温恒温器(ヤマト科学社製)を用いて150℃、15分間の乾燥処理を行うことにより、試験用太陽電池モジュール200を構築した。この試験用太陽電池モジュール200では、上面(受光面)に導電コネクター230と粘着シート252とが配置された太陽電池セル210が、その上下で封止樹脂280に覆われており、それらが表面被覆部材(ガラス板)290と裏面被覆部材(バックシート)294とで挟み込まれている。また、太陽電池セル210の上面(受光面)に配置された導電コネクター230としての2本の銅線は、それらの両端が試験用太陽電池モジュール200の外部にはみ出している。
<測定および評価(1)>
(150℃貯蔵弾性率)
各例に係る粘着剤組成物を用いて厚さ2mmのシート状の粘着剤層を形成し、これを直径8mmに打ち抜き、レオメーター(装置名「ARES 2KFRT」、TAインスツルメント社製)のチャックに装着した。そして、周波数1Hz、歪み0.1%の条件で、10℃/分の昇温速度で30℃から160℃まで温度を上昇させる温度分散試験を行い、150℃における貯蔵弾性率を求めた。
(熱収縮試験)
各例に係る粘着シートを1cm×1cmの正方形状にカットし、その粘着面を露出させ、ガラス板に貼り付けた。ガラス板に貼りつけた粘着シートを、ホットプレート上にて50℃から10℃間隔で160℃まで昇温する各温度設定で10分間保持する一連の加熱プログラムで加熱した。加熱前後の粘着シート四辺の合計長さの変化量から、寸法維持率(%)を求めた。結果を表1に示す。
(加熱抵抗評価試験)
各例に係る試験用太陽電池モジュールにつき、ホットプレート上で約23℃から200℃までの加熱試験を行った。試験中、試験用太陽電池モジュールから露出した一方の銅線の一端(図7中、符号Aで示す端部)から他方の銅線の他端(上記一端とは反対側に位置する端部。図7中、符号Bで示す端部)にかけて、金めっきされたワニ口クリップ付きのコードを使用して、外部に設置した直流電源(モデル名「PMC−185A」、KIKUSUI社製)から定電流(2A)を流した。さらに、上記一方の銅線の一端および他方の銅線の他端であって上記A−B間の内側の部分に、金めっきされたワニ口クリップをそれぞれ取り付けて、商品名「VOAC7522」(IWATSU社製)を用いて電圧を計測した。計測データを抵抗値に変換してモニターし、各温度における抵抗値のデータを得た。そして、150℃まで昇温したときの抵抗値R150および初期抵抗値(23℃における抵抗値)R23から、以下の式により加熱抵抗上昇率を算出した。この加熱抵抗上昇率が低いほど、高温耐久性に優れるとみなすことができる。
加熱抵抗上昇率(%)=((R150−R23)/R23)×100
<試験用太陽電池モジュールの構築(2)>
例1,3,5,6の粘着シートと、上記試験用太陽電池モジュールの構築(1)で使用したものと同じ導電コネクター、封止樹脂、太陽電池セル、表面被覆部材および裏面被覆部材とを用いて、試験用太陽電池モジュールを構築した。具体的には、太陽電池セルの上面(受光面)に、表面側導電コネクターとして8本の銅線を2cm間隔で平行に配置し、各例に係る粘着シートを長さ15.6cm、幅5mmにカットした帯状部材を各銅線に重ね、銅線越しに太陽電池セルの上面に貼り付けて、上記表面側導電コネクターを太陽電池セル上面に固定した。同様に、上記太陽電池セルの下面(裏面)に、裏面側導電コネクターとして8本の銅線を2cm間隔で平行に配置し、上記帯状部材を各銅線に重ね、銅線越しに太陽電池セルの下面に貼り付けて、上記裏面側導電コネクターを太陽電池セル下面に固定した。その他の点は上述した試験用太陽電池モジュールの構築(1)と同様にして、試験用太陽電池モジュールを構築した。
この試験用太陽電池モジュールにおいて、表面側導電コネクターを構成する8本の銅線の一端は、上記試験用太陽電池モジュール内において太陽電池セルの一端から外部にはみ出し、表面用取出しタブ電極に接続されている。また、裏面側導電コネクターを構成する8本の銅線の一端は、上記試験用太陽電池モジュール内において太陽電池セルの他端から外部にはみ出し、裏面用取出しタブ電極に接続されている。
<測定および評価(2)>
(温度サイクル試験)
各例に係る試験用太陽電池モジュールにつき、恒温恒湿器(装置名「PSL−2J」、エスペック社製)を用いて、JIS C 8990:2009の10.11項(温度サイクル試験)に準拠して、モジュールの温度を−40℃と85℃との間で周期的に変化させる温度サイクル試験を200サイクル実施した。そして、初期変換効率に対する200サイクル後の変換効率(100−(200サイクル後の変換効率/初期変換効率)×100)を変換効率低下率(%)として記録した。結果を表1に示す。
Figure 2018113280
表1に示されるように、基材レスの粘着シートを用いた例6に比べて、基材付きの粘着シートを用いた例1〜5によると、加熱抵抗上昇率が顕著に抑制された。また、例1,3,5と例6との対比からわかるように、基材付きの粘着シートによると変換効率低下率も低減された。これらの結果から、基材付きの粘着シートで導電コネクターを外方から覆って固定することにより、高温耐久性に優れる太陽電池モジュールが得られることがわかる。また、例1〜4の対比において、粘着剤の150℃貯蔵弾性率が高くなると、粘着シートの寸法維持率が向上する傾向が認められた。一方、加熱抵抗上昇率を抑制する観点からは、粘着剤層の150℃貯蔵弾性率は高すぎないほうがよいことが示唆された。
なお、粘着シートの代わりに厚さ約150μmのEVAシート(常温において非粘着性)を用いて同様の測定および評価を行ったところ、加熱抵抗上昇率は757%、変換効率低下率は14%という結果であった。上記EVAシートとしては、ブリヂストン社製の商品名「EVASKY」をプレスし、150℃で15分間ポストキュアを行ったものを使用した。このEVAシートのヤング率は4.2MPaであり、例6に係る基材レスの粘着シートのヤング率は0.33MPaであった。これらの結果から、所定以上のヤング率を有する基材を備えた基材付き粘着シートの使用により、より高温耐久性に優れる太陽電池モジュールが得られることがわかる。また、例5の基材をPPフィルムから厚さ10μmのPETフィルム(ヤング率 3,430MPa)に変更した粘着シートを用いて同様の評価を行ったところ、粘着シートの寸法維持率は例5と同等であったが、加熱抵抗上昇率は例5よりやや高めであった。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
1 太陽電池モジュール
10a、10b、10c、10d 太陽電池セル
12a、12b 粘着シート非配置領域
30 導電コネクター
40 金属線
50,150 第1粘着シート
52 帯状部材
54 基材
56 粘着剤層
60 第2粘着シート
62 帯状部材
80 封止樹脂
90 表面被覆部材
94 裏面被覆部材

Claims (12)

  1. 太陽電池セルと、該太陽電池セルの少なくとも一方の面に部分的に配置された導電コネクターと、該導電コネクターを該太陽電池セルに固定する粘着シートと、を備え、
    前記粘着シートは、基材と、該基材の少なくとも一方の面に設けられた粘着剤層と、を含み、
    前記粘着シートは、前記導電コネクターを外方から覆い、かつ該導電コネクターが配置された前記太陽電池セルの面に該導電コネクター越しに接着している、太陽電池モジュール。
  2. 前記基材は樹脂フィルム基材である、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記導電コネクターは金属線からなる、請求項1または2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記金属線の0.2%耐力値は300MPa以下である、請求項3に記載の太陽電池モジュール。
  5. 前記金属線は、芯材と、該芯材を覆うめっき層とを有し、
    前記めっき層は、銀またはニッケルからなる、請求項3または4に記載の太陽電池モジュール。
  6. 前記粘着シートは、前記太陽電池セルの面に部分的に配置されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール。
  7. 前記粘着シートは、前記太陽電池セルの面全体に配置されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール。
  8. 太陽電池セルと、該太陽電池セルの少なくとも一方の面に部分的に配置された導電コネクターと、該導電コネクターを該太陽電池セルに固定する粘着シートと、を備え、
    前記粘着シートは、基材と、該基材の少なくとも一方の面に設けられた粘着剤層と、を含み、
    前記粘着シートは、前記導電コネクターを外方から覆い、かつ該導電コネクターが配置された前記太陽電池セルの面に該導電コネクター越しに接着している、導電コネクター付き太陽電池セル。
  9. 基材と該基材の少なくとも一方の面に設けられた粘着剤層とを含み、太陽電池セルを備える太陽電池モジュールにおいて該太陽電池セルの少なくとも一方の面に部分的に配置された導電コネクターを外方から覆って該太陽電池セルに固定する、太陽電池モジュール配線用粘着シート。
  10. 太陽電池モジュールを製造する方法であって、
    前記方法は:
    太陽電池セルの少なくとも一方の面に導電コネクターを部分的に配置する工程と;
    基材と該基材の少なくとも一方の面に設けられた粘着剤層とを含む粘着シートを用いて前記導電コネクターを前記太陽電池セルに固定する工程と;
    を含み、
    前記導電コネクターを固定する工程は、前記粘着シートで該導電コネクターを外方から覆い、かつ該導電コネクターが配置された前記太陽電池セルの面に該導電コネクター越しに該粘着シートを接着する工程である、太陽電池モジュールの製造方法。
  11. 太陽電池セルを備える太陽電池モジュールにおいて該太陽電池セルの少なくとも一方の面に配置される配線構造体であって、
    基材と該基材の少なくとも一方の面に設けられた粘着剤層とを含む粘着シートと、該粘着シートの粘着面に部分的に配置された導電コネクターと、を含み、
    前記太陽電池セルの面に前記配線構造体を配置して前記粘着シートを前記導電コネクター越しに前記太陽電池セルの面に接着させることにより、前記導電コネクターが前記太陽電池セルの面に部分的に配置され、かつ該導電コネクターを外方から覆う前記粘着シートにより前記導電コネクターが前記太陽電池セルに固定されるように構成されている、太陽電池モジュール用配線構造体。
  12. 太陽電池モジュールを製造する方法であって、
    前記方法は:
    基材と該基材の少なくとも一方の面に設けられた粘着剤層とを含む粘着シートと、前記粘着シートの粘着面に部分的に配置された導電コネクターと、を含む配線構造体を用意する工程と;
    太陽電池セルの少なくとも一方の面に前記配線構造体を配置して前記粘着シートを前記導電コネクター越しに前記太陽電池セルの面に接着させることにより、前記導電コネクターを前記太陽電池セルの面に部分的に配置し、かつ前記粘着シートにより前記導電コネクターを外方から覆って前記太陽電池セルに固定する工程と;
    を含む、太陽電池モジュールの製造方法。
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