以下、本発明の実施の態様について図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることが可能である。従って、本発明は以下に示す実施の形態及び実施例の記載内容に限定して解釈されない。
なお、図面等において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
また、本明細書等において、第1、第2等として付される序数詞は便宜上用いており、工程順又は積層順を示さない場合がある。そのため、例えば、「第1の」を「第2の」又は「第3の」などと適宜置き換えて説明することができる。また、本明細書等に記載されている序数詞と、本発明の一態様を特定するために用いられる序数詞は一致しない場合がある。
また、本明細書等において、図面を用いて発明の構成を説明するにあたり、同じものを指す符号は異なる図面間でも共通して用いる場合がある。
また、本明細書等において、「膜」という用語と、「層」という用語とは、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
なお、本明細書等において、一重項励起状態(S*)は、励起エネルギーを有する一重項状態のことである。また、S1準位は、一重項励起エネルギー準位の最も低い準位であり、最も低い一重項励起状態(S1状態)の励起エネルギー準位のことである。また、三重項励起状態(T*)は、励起エネルギーを有する三重項状態のことである。また、T1準位は、三重項励起エネルギー準位の最も低い準位であり、最も低い三重項励起状態(T1状態)の励起エネルギー準位のことである。なお、本明細書等において、単に一重項励起状態及び一重項励起エネルギー準位と表記した場合であっても、S1状態及びS1準位を表す場合がある。また、三重項励起状態及び三重項励起エネルギー準位と表記した場合であっても、T1状態及びT1準位を表す場合がある。
また、本明細書等において、蛍光性化合物とは、一重項励起状態から基底状態へ緩和する際に可視光領域に発光を与える物質である。一方、燐光性化合物とは、三重項励起状態から基底状態へ緩和する際に、室温において可視光領域に発光を与える物質である。換言すると燐光性化合物とは、三重項励起エネルギーを可視光へ変換可能な物質の一つである。
なお、本明細書等において、室温とは、0℃以上40℃以下のいずれかの温度をいう。
また、本明細書等において、青色の波長領域とは、400nm以上500nm未満の波長領域であり、青色の発光とは該領域に少なくとも一つの発光スペクトルピークを有する発光である。また、緑色の波長領域とは、500nm以上580nm未満の波長領域であり、緑色の発光とは該領域に少なくとも一つの発光スペクトルピークを有する発光である。また、赤色の波長領域とは、580nm以上680nm以下の波長領域であり、赤色の発光とは該領域に少なくとも一つの発光スペクトルピークを有する発光である。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光素子について、図1乃至図3を用いて以下説明する。
<発光素子の構成例>
まず、本発明の一態様の発光素子の構成について、図1(A)及び(B)を用いて、以下説明する。
図1(A)は、本発明の一態様の発光素子150の断面模式図である。
発光素子150は、一対の電極(電極101及び電極102)を有し、該一対の電極間に設けられたEL層100を有する。EL層100は、少なくとも発光層130を有する。
また、図1(A)に示すEL層100は、発光層130の他に、正孔注入層111、正孔輸送層112、電子輸送層118、及び電子注入層119等の機能層を有する。
なお、本実施の形態においては、一対の電極のうち、電極101を陽極として、電極102を陰極として説明するが、発光素子150の構成としては、その限りではない。つまり、電極101を陰極とし、電極102を陽極とし、当該電極間の各層の積層を、逆の順番にしてもよい。すなわち、陽極側から、正孔注入層111と、正孔輸送層112と、発光層130と、電子輸送層118と、電子注入層119と、が積層する順番とすればよい。
なお、EL層100の構成は、図1(A)に示す構成に限定されず、少なくとも発光層130を有し、正孔注入層111、正孔輸送層112、電子輸送層118、及び電子注入層119はそれぞれ有していても、有していなくても良い。また、EL層100は、正孔または電子の注入障壁を低減する、正孔または電子の輸送性を向上する、正孔または電子の輸送性を阻害する、または電極による消光現象を抑制する、励起子拡散を抑制する、ことができる等の機能を有する機能層を有する構成としてもよい。なお、機能層はそれぞれ単層であっても、複数の層が積層された構成であってもよい。
図1(B)は、図1(A)に示す発光層130の一例を示す断面模式図である。図1(B)に示す発光層130は、ホスト材料131と、ゲスト材料132と、を有する。
ホスト材料131としては、少なくとも有機化合物131_1を有すればよい。有機化合物131_1としては、電子を輸送する機能を有する(電子輸送性を有する)化合物が好ましく、含窒素複素芳香族骨格を有する化合物であると好ましい。含窒素六員複素芳香族骨格を有するとさらに好ましい。含窒素六員複素芳香族骨格は電子輸送性が高く安定であり好ましい。
また、ホスト材料131は、さらに、有機化合物131_2を有すると好ましい。有機化合物131_2としては、正孔を輸送する機能を有する(正孔輸送性を有する)化合物が好ましい。
また、有機化合物131_1と有機化合物131_2との組み合わせが、電子輸送性を有する化合物と正孔輸送性を有する化合物との組み合わせである場合、その混合比によってキャリアバランスを容易に制御することが可能となる。具体的には、電子輸送性を有する化合物:正孔輸送性を有する化合物=1:9から9:1(重量比)の範囲が好ましい。また、該構成を有することで、容易にキャリアバランスやキャリア再結合領域(励起子生成領域)の制御も簡便に行うことができる。
また、ゲスト材料132としては、発光性の有機化合物を用いればよく、蛍光を発することができる物質(以下、蛍光性化合物)または燐光を発することができる物質(以下、燐光性化合物ともいう)であると好適である。以下では、ゲスト材料132として、蛍光性化合物または燐光性化合物を用いる構成について説明する。
発光素子150に求められる特性として、高い発光効率であることが求められている。また、長期の保存もしくは長期の駆動に伴う発光効率の低下が少ないこと、すなわち、長寿命であること、信頼性が高いこと、が求められている。発光素子150が高い発光効率及び高い信頼性を有するためには、EL層100に、特に発光層130には不純物の含有量が少ない有機化合物を用いることが好ましい。不純物としては、例えば、有機材料中の水素原子が炭化水素基やハロゲンに置き換わったものが挙げられる。特に、EL層100に用いる有機化合物では、該有機化合物のハロゲン化物の含有量が少ないと好ましい。
不純物の含有量が少ない発光素子を作製するためには、発光素子に用いる有機化合物の純度を高くすると好ましい。そのため、該有機化合物の合成は、不純物の少ない試薬や純度の高い溶媒を用いて合成されることが好ましい。合成時に用いた試薬の不純物が目的の有機化合物中に含まれる場合があるためである。また、該有機化合物の精製は、昇華精製を行うのが一般的である。昇華精製により、合成時の残存溶媒や、微量の不純物(例えば、ハロゲン化物)の分離を行うことができる。
しかしながら、例えば、EL層100に用いる有機化合物と分子構造が近いため、有機化合物の精製過程で分離することが難しく、含有量を低減することが困難な不純物が含まれてしまう場合がある。また、発光素子の作製中に不純物が混入し、発光素子中に不純物が含まれる場合がある。例えば、真空蒸着における有機化合物の分解により生成する物質が不純物として発光素子中に混入する場合がある。また、例えば、塗布法、インクジェット法、及び印刷法等の溶媒を用いる作製方法では、溶媒もしくは溶媒中の不純物が発光素子に混入する場合がある。また、発光素子を駆動する際に、有機化合物が分解することで生成する物質が、不純物として発光素子中に含まれる場合がある。そのため、発光素子が有する全ての不純物を無くすことは困難である。
上述のように、不純物が含まれないようにEL層100を形成するのは困難であるが、ある不純物が一定の濃度以下ならば、発光素子の特性に影響を与えないことを本発明者らは見出した。具体的に、本発明の一態様に係る発光素子は、発光層130にホスト材料として、カルバゾール骨格を有する有機化合物とゲスト材料を含み、不純物として発光層130に含まれる該ホスト材料における水素原子の少なくとも一つが炭素数1乃至6の炭化水素基で置換された構造を有する炭化水素基置換体の含有量が、該ホスト材料に対する重量比で0より大きく0.1以下である発光素子である。
なお、炭化水素基置換体がメチル基置換体であるとき、このメチル基置換体はおよそ、ホスト材料のm/z+14n(nは自然数)で表されるm/zを有する。
好ましくは、炭化水素基置換体の含有量が、該ホスト材料に対する重量比で0より大きく0.05以下であり、さらに好ましくは0より大きく0.025以下である。
カルバゾール骨格を有する有機化合物は高いT1準位と、高いキャリア輸送性を有することから、発光素子に好適に用いられる。
発光素子に用いられるカルバゾール骨格を有する有機化合物の原料となる、カルバゾール誘導体は、カルバゾール骨格中の水素原子が炭素数1乃至6の炭化水素基、多くの場合は炭素数1乃至4のアルキル基、特にメチル基に、置換された炭化水素基置換体を不純物として含む場合がある。該炭化水素基置換体は、目的物(カルバゾール骨格を有する有機化合物またはその原料となるカルバゾール誘導体)との物性が似ているため、精製し、除去することが困難なためである。
上記のように、カルバゾール骨格を有する有機化合物には、炭化水素基置換体が不純物として含まれる場合があるため、発光素子の特性に悪影響を与える恐れがある。
<量子化学計算を用いた不純物の影響の解析>
ここで、カルバゾール骨格を有する有機化合物の炭化水素基置換体の発光素子中での影響について、量子化学計算を用いて以下説明する。
以下に解析に用いたカルバゾール骨格を有する有機化合物とその名称を示す。
35DCzPPyは発光素子において、電子輸送層や発光層の材料として用いられる。Me−35DCzPPyは35DCzPPyに含まれる不純物として考えられる物質であり、35DCzPPyのメチル基置換体と言える。
35DCzPPyとMe−35DCzPPyの三重項励起状態(T1)に関して、T1準位が最も低くなる最安定構造と準安定構造それぞれにおける振動(スピン密度)解析を行った。計算方法は密度汎関数法(DFT)を用いた。図2にその結果を示す。DFTの全エネルギーは、ポテンシャルエネルギー、電子間静電エネルギー、電子の運動エネルギーと複雑な電子間の相互作用を全て含む交換相関エネルギーの和で表される。DFTでは、電子密度で表現された一電子ポテンシャルの汎関数(関数の関数の意)で交換相関相互作用を近似しているため、計算は高速である。ここでは、混合汎関数であるB3LYPを用いて、交換と相関エネルギーに係る各パラメータの重みを規定した。また、基底関数として、6−311G(d,p)を用いた。計算プログラムには、Gaussian 09を用いた。
図2中、分子中につけた影は、T1励起状態時のスピンを示している。35DCzPPyとMe−35DCzPPyそれぞれのT1最安定構造におけるスピン密度分布に大きな差は見られず、ピリジン環及びフェニレン基にスピンが広がりやすいことが分かる。一方、T1準安定構造におけるスピンは主に、35DCzPPyとMe−35DCzPPy共に、カルバゾール環に広がっているが、Me−35DCzPPyでは、スピンがメチル基にまで広がっていることが分かる。なお、メチル基のスピン密度は全体の3%程である。なお、スピン密度の割合は、各原子のスピン密度の絶対値の和より求めた。
なお計算の手順としては、まず基底状態(S0状態)の最安定化構造を初期構造として、T1の最安定化構造を再計算したものがT1準安定構造となった。T1最安定構造は、ピリジン環及びフェニレン基にT1励起状態時のスピンの電子が存在しやすいように初期構造を設定したものである。励起エネルギーはS0の最安定化構造のエネルギーとそれぞれのT1の安定化構造のエネルギーの差を求めている。なおT1最安定構造を初期構造として、再度S0最安定化構造を再計算しても、先に計算したS0最安定化構造と同様の構造、エネルギー値となった。
つまり、Me−35DCzPPyの基底状態(S0状態)からT1励起状態への、励起による構造変化を考慮すると、基底状態−T1最安定構造間の構造変化の方が、基底状態−T1準安定構造間の構造変化よりも分子のねじれが大きく、起こりにくいといえる。また、Me−35DCzPPyのT1最安定構造とT1準安定構造間のエネルギー差は0.09eVと小さいため、Me−35DCzPPyのT1励起状態は35DCzPPyよりもT1準安定構造になりやすいと言える。上述の通り、Me−35DCzPPyのT1準安定状態では、スピンがメチル基まで広がっているため、メチル基を起点とする反応が起こる場合がある。
次に、量子化学計算によって、2分子間におけるMe−35DCzPPy中のメチル基とピリジン環が相互作用をすることで、メチル基の水素原子がピリジン環へ移動し、CH2−35DCzPPyとMe−35DCzPPy−Hが生成する、水素原子移動反応を解析した。以下に解析に用いた反応式と有機化合物の名称を示す。
三重項最低励起状態における水素原子移動反応の解析で得られた反応経路とエネルギーダイアグラムを図3に示す。
図3では、T1状態のMe−35DCzPPy及び基底状態(S0状態)のMe−35DCzPPyが、無限遠に解離した状態のエネルギーを基準とした。このメチル基の水素原子がピリジン環に移動する反応の活性化エネルギーは0.54eVであり、室温下で起こり得る。さらに、水素原子移動後の終状態ではCH2−35DCzPPyとMe−35DCzPPy−Hとはそれぞれラジカル状態になっており、終状態のエネルギーは始状態のエネルギーよりも低く安定化しており、この反応は発熱反応である。このことから、発光素子を駆動させた状態での発光層中(励起状態)において、2分子間におけるMe−35DCzPPyのメチル基とピリジン環が相互作用するような分子配置にある場合には、水素原子の移動反応が起こる可能性がある。
生成したラジカル状態のCH2−35DCzPPy及びラジカル状態のMe−35DCzPPy−Hは発光素子の駆動中において、電子またはホールを受け取り、それぞれ一重項基底状態になる。電子を受け取りアニオン状態となったCH2−35DCzPPyのT1準位及びホールを受け取りカチオン状態となったMe−35DCzPPy−HのT1準位の計算値をそれぞれ表1に示す。Me−35DCzPPyのT1準位の実測値も併せて示す。
なお計算は先のMe−35DCzPPyのT1準位の計算法と同様に行った。
表1に示すように、水素原子移動反応によって生じた、アニオン状態のCH2−35DCzPPyのT1準位及びカチオン状態のMe−35DCzPPy−HのT1準位は非常に小さい値となっている。そのため、これらは発光素子において失活の要因になり得る。すなわち、励起状態のゲスト材料またはホスト材料からアニオン状態のCH2−35DCzPPy及びカチオン状態のMe−35DCzPPy−Hへ励起エネルギーの移動が起きてしまう。そのため、ゲスト材料から発光が得られなくなり、発光素子の発光効率が低下する。
上記の通り、カルバゾール骨格中の水素原子がメチル基で置き換わった化合物が発光素子中に存在する場合、発光素子を駆動すると素子内部で失活の要因になり得る物質が生成する場合があるため、信頼性に悪影響を与える場合がある。そのため、カルバゾール骨格中の水素原子がメチル基で置き換わった化合物の含有量は少ない方が好ましい。上述の通り、Me−35DCzPPyのT1状態におけるメチル基のスピン密度は全体の3%程であり、失活の要因になり得る物質はゲスト材料程度含まれていると影響を及ぼすと予想されることから、ホスト材料に対する重量比で0より大きく0.1以下の含有量であると好ましく、より好ましくは0より大きく0.05以下であり、さらに好ましくは0より大きく0.025以下である。
なお、本計算では、カルバゾール骨格中の置換基がメチル基の場合の計算を行ったが、上記反応はメチル基に限られない。置換基が炭化水素基、少なくとも、脂肪族炭化水素基の場合、同様の反応が起こると言える。
なお、本計算では、ピリジン骨格の窒素との反応の計算を行ったが、上記反応はピリジン骨格に限られない。含窒素複素芳香環化合物の場合も同様の反応が起こると予想される。少なくとも、含窒素6員環複素芳香環を有する化合物では、同様な反応が起こると言える。すなわち、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環を有する化合物では、同様な反応が起こると言える。別言すれば、非共有電子対を有する複素芳香族化合物の場合に生じる現象である。
また、炭化水素基置換体は発光層中のホスト材料中の水素原子が少なくとも炭化水素基に置き換わった構造を有しているとき、上記の反応が起こると言える。
したがって、本発明の一態様においては、発光層が上述した置換または無置換のカルバゾール骨格を有する第1の有機化合物を含み、該第1の有機化合物が、含窒素6員環複素芳香環を有する化合物であるか、または、非共有電子対を有する複素芳香族化合物である発光素子である。あるいは、発光層が、該第1の有機化合物のみならず、さらに第2の有機化合物を有し、該第2の有機化合物が含窒素6員環複素芳香環を有する化合物であるか、または、非共有電子対を有する複素芳香族化合物である発光素子である。
なお、本計算で生成したラジカル分子は電子もしくはホールを受け取り、一重項基底状態になる場合の解析を行ったが、ラジカルは一般に反応性が高いため、発光素子中に生成すると、他の有機材料(ホスト材料やゲスト材料等)と反応し、劣化の要因になる場合がある。またラジカルそのものの励起エネルギーも低く、消光因子となりやすいと考えられる。
なお、上記計算では、Me−35DCzPPy同士の水素原子移動反応の量子化学計算を行ったが、同様の反応を、励起状態すなわちT1状態またはS1状態のMe−35DCzPPyのと基底状態(S0状態)の35DCzPPyで起こると想定し、量子化学計算を行った場合、上記計算結果と同様な結果が得られると言える。これは、カルバゾール骨格に結合したメチル基とピリジン骨格の窒素との反応だからである。
また、上記水素原子移動反応は、異なる2分子間でも起こり得る。発光層中に、カルバゾール骨格の水素原子の少なくとも一つが炭素数1乃至6の炭化水素基に置き換わった有機化合物と含窒素複素芳香環を有する有機化合物が同時に存在する場合、上記水素原子移動反応が起こる場合がある。
また、上記計算ではカルバゾール骨格に結合したメチル基の反応に関して量子化学計算を行ったが、上記反応はカルバゾール骨格上の置換基に限られない。スピンが広がっている骨格上に置換基として炭化水素基が含まれる場合、同様の反応が起こると予想される。
また、上記計算では水素原子移動反応の量子化学計算を行ったが、上述の通り、Me−35DCzPPyのT1状態におけるメチル基上にはスピンが広がっている。そのため、メチル基を起点とした上記水素原子移動反応以外の反応も起こる場合がある。この場合、上記水素原子移動反応と同様にMe−35DCzPPyがラジカル分子に変換され、該ラジカル分子が消光要因となり、素子劣化につながる場合がある。そのため、カルバゾール骨格中の水素原子がメチル基で置き換わった化合物の含有量は少ない方が好ましく、ホスト材料に対する重量比で0より大きく0.1以下の含有量であると好ましく、より好ましくは0より大きく0.05以下であり、さらに好ましくは0より大きく0.025以下である。
<材料>
次に、本発明の一態様に係る発光素子の構成要素の詳細について、以下説明を行う。
≪発光層≫
発光層130は少なくとも、ホスト材料131を有し、さらにゲスト材料132を有すると好ましい。また、ホスト材料131は有機化合物131_1及び有機化合物131_2を有していても良い。発光層130中では、ホスト材料131が重量比で最も多く存在し、ゲスト材料132は、ホスト材料131中に分散される。ゲスト材料132が蛍光性化合物の場合、発光層130のホスト材料131(有機化合物131_1及び有機化合物131_2)のS1準位は、発光層130のゲスト材料(ゲスト材料132)のS1準位よりも高いことが好ましい。また、ゲスト材料132が燐光性化合物の場合、発光層130のホスト材料131(有機化合物131_1及び有機化合物131_2)のT1準位は、発光層130のゲスト材料(ゲスト材料132)のT1準位よりも高いことが好ましい。
ホスト材料131としては、カルバゾール骨格を有する化合物であると好ましい。カルバゾール誘導体としては、具体的には、3−[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzDPA1)、3,6−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzDPA2)、3,6−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−(1−ナフチル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzTPN2)、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)、N,N−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:CzA1PA)、4−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:DPhPA)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)、N,9−ジフェニル−N−{4−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]フェニル}−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPBA)、N,9−ジフェニル−N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、9−フェニル−3−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:PCzPA)、3,6−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:DPCzPA)等を用いることができる。
またホスト材料131が有機化合物131_1及び有機化合物131_2を有する場合、有機化合物131_1としては、カルバゾール骨格を有し、さらに、含窒素六員複素芳香族骨格を有する化合物であると好ましい。含窒素六員複素芳香族骨格として具体的には、ピリジン骨格、ジアジン骨格(ピラジン骨格、ピリミジン骨格、及びピリダジン骨格)、及びトリアジン骨格を有する化合物が挙げられる。これらの塩基性を有する含窒素複素芳香族骨格を有する化合物としては、例えば、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、キノキサリン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、フェナントロリン誘導体、プリン誘導体などの化合物が挙げられる。また、有機化合物131_1としては、正孔よりも電子の輸送性の高い材料(電子輸送性材料)を用いることができ、1×10−6cm2/Vs以上の電子移動度を有する材料であることが好ましい。尚、これらの材料はホスト材料131、すなわち、発光層のホスト材料が1種類からなる場合にも好適に用いることができる。
具体的には、例えば、2−[3−(3,9’−ビ−9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mCzCzPDBq)、4,6−ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mCzP2Pm)などのジアジン骨格を有する複素環化合物や、2−{4−[3−(N−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−9H−カルバゾール−9−イル]フェニル}−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(略称:PCCzPTzn)などのトリアジン骨格を有する複素環化合物や、3,5−ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ピリジン(略称:35DCzPPy)、などのピリジン骨格を有する複素環化合物も用いることができる。上述した複素環化合物の中でも、トリアジン骨格、ジアジン(ピリミジン、ピラジン、ピリダジン)骨格、またはピリジン骨格を有する複素環化合物は、安定で信頼性が良好であり好ましい。また、当該骨格を有する複素環化合物は、電子輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与する。
また、有機化合物131_1としては、上述した複素芳香環化合物に加えて、下記に示す複素芳香環化合物も用いることができる。
バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)などのピリジン骨格を有する複素環化合物や、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTPDBq−II)、2−[3’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTBPDBq−II)、2−[3’−(9H−カルバゾール−9−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mCzBPDBq)、2−[4−(3,6−ジフェニル−9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2CzPDBq−III)、7−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:7mDBTPDBq−II)、及び、6−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:6mDBTPDBq−II)、4,6−ビス[3−(フェナントレン−9−イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mPnP2Pm)、4,6−ビス[3−(4−ジベンゾチエニル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mDBTP2Pm−II)、1,3,5−トリ[3−(3−ピリジル)フェニル]ベンゼン(略称:TmPyPB)等のジアジン骨格を有する複素環化合物が挙げられる。また、ポリ(2,5−ピリジンジイル)(略称:PPy)、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(ピリジン−3,5−ジイル)](略称:PF−Py)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,2’−ビピリジン−6,6’−ジイル)](略称:PF−BPy)のような高分子化合物を用いることもできる。ここに述べた物質は、主に1×10−6cm2/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を用いても構わない。
有機化合物131_2としては、含窒素五員複素環骨格または3級アミン骨格を有する化合物を用いることができるが、含窒素五員複素環骨格を有すると好ましい。具体的には、ピロール骨格または芳香族アミン骨格が挙げられる。具体的には、インドール誘導体、カルバゾール誘導体、トリアリールアミン誘導体などが挙げられる。また、含窒素五員複素環骨格としては、イミダゾール骨格、トリアゾール骨格、及びテトラゾール骨格が挙げられる。また、有機化合物131_2としては、電子よりも正孔の輸送性の高い材料(正孔輸送性材料)を用いることができ、1×10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する材料であることが好ましい。また、該正孔輸送性材料は高分子化合物であっても良い。また、上述したカルバゾール骨格を有する化合物中、1×10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する材料も好適に用いることができる。
これら正孔輸送性の高い材料として、具体的には、芳香族アミン化合物としては、N,N’−ジ(p−トリル)−N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(略称:DTDPPA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、N,N’−ビス{4−[ビス(3−メチルフェニル)アミノ]フェニル}−N,N’−ジフェニル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)等を挙げることができる。
また、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)等の高分子化合物を用いることもできる。
さらに、正孔輸送性の高い材料としては、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα−NPD)やN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、4,4’,4’’−トリス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:1’−TNATA)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)、4−フェニル−3’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:mBPAFLP)、N−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−N−{9,9−ジメチル−2−[N’−フェニル−N’−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)アミノ]−9H−フルオレン−7−イル}フェニルアミン(略称:DFLADFL)、N−(9,9−ジメチル−2−ジフェニルアミノ−9H−フルオレン−7−イル)ジフェニルアミン(略称:DPNF)、2−[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:DPASF)、4−フェニル−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)、4,4’−ジフェニル−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBBi1BP)、4−(1−ナフチル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBANB)、4,4’−ジ(1−ナフチル)−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBNBB)、4−フェニルジフェニル−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)アミン(略称:PCA1BP)、N,N’−ビス(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N,N’−ジフェニルベンゼン−1,3−ジアミン(略称:PCA2B)、N,N’,N’’−トリフェニル−N,N’,N’’−トリス(9−フェニルカルバゾール−3−イル)ベンゼン−1,3,5−トリアミン(略称:PCA3B)、N−(4−ビフェニル)−N−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−9−フェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCBiF)、N−(1,1’−ビフェニル−4−イル)−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]−9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−アミン(略称:PCBBiF)、9,9−ジメチル−N−フェニル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]フルオレン−2−アミン(略称:PCBAF)、N−フェニル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−アミン(略称:PCBASF)、2−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:PCASF)、2,7−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:DPA2SF)、N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−(4−フェニル)フェニルアニリン(略称:YGA1BP)、N,N’−ビス[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニル−9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジアミン(略称:YGA2F)などの芳香族アミン化合物等を用いることができる。また、3−[4−(1−ナフチル)−フェニル]−9−フェニル−9H−カルバゾール(略称:PCPN)、3−[4−(9−フェナントリル)−フェニル]−9−フェニル−9H−カルバゾール(略称:PCPPn)、3,3’−ビス(9−フェニル−9H−カルバゾール)(略称:PCCP)、1,3−ビス(N−カルバゾリル)ベンゼン(略称:mCP)、3,6−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)−9−フェニルカルバゾール(略称:CzTP)、3,6−ジ(9H−カルバゾール−9−イル)−9−フェニル−9H−カルバゾール(略称:PhCzGI)、2,8−ジ(9H−カルバゾール−9−イル)−ジベンゾチオフェン(略称:Cz2DBT)等のアミン化合物、カルバゾール化合物等を用いることができる。上述した化合物の中でも、ピロール骨格、芳香族アミン骨格を有する化合物は、安定で信頼性が良好であり好ましい。また、当該骨格を有する化合物は、正孔輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与する。
また、有機化合物131_2としては、イミダゾール骨格、トリアゾール骨格、及びテトラゾール骨格等の含窒素五員複素環骨格を有する化合物を用いることができる。具体的には、例えば、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、9−[4−(4,5−ジフェニル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzTAZ1)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール(略称:mDBTBIm−II)等を用いることができる。
また、発光層130において、ゲスト材料132としては、特に限定はないが、蛍光性化合物としては、アントラセン誘導体、テトラセン誘導体、クリセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、スチルベン誘導体、アクリドン誘導体、クマリン誘導体、フェノキサジン誘導体、フェノチアジン誘導体などが好ましく、例えば以下の物質を用いることができる。
具体的には、5,6−ビス[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−2,2’−ビピリジン(略称:PAP2BPy)、5,6−ビス[4’−(10−フェニル−9−アントリル)ビフェニル−4−イル]−2,2’−ビピリジン(略称:PAPP2BPy)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6FLPAPrn)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス[3−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6mMemFLPAPrn)、N,N’−ビス[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]−N,N’−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−ピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6tBu−FLPAPrn)、N,N’−ビス[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニル−3,8−ジシクロヘキシルピレン−1,6−ジアミン(略称:ch−1,6FLPAPrn)、N,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)トリフェニルアミン(略称:2YGAPPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン(略称:TBP)、4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)、N,N’’−(2−tert−ブチルアントラセン−9,10−ジイルジ−4,1−フェニレン)ビス[N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン](略称:DPABPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPPA)、N−[4−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPPA)、N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’’,N’’’−オクタフェニルジベンゾ[g,p]クリセン−2,7,10,15−テトラアミン(略称:DBC1)、クマリン30、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCABPhA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPABPhA)、9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フェニルアントラセン−2−アミン(略称:2YGABPhA)、N,N,9−トリフェニルアントラセン−9−アミン(略称:DPhAPhA)、クマリン6、クマリン545T、N,N’−ジフェニルキナクリドン(略称:DPQd)、ルブレン、2,8−ジ−tert−ブチル−5,11−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6,12−ジフェニルテトラセン(略称:TBRb)、ナイルレッド、5,12−ビス(1,1’−ビフェニル−4−イル)−6,11−ジフェニルテトラセン(略称:BPT)、2−(2−{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}−6−メチル−4H−ピラン−4−イリデン)プロパンジニトリル(略称:DCM1)、2−{2−メチル−6−[2−(2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCM2)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)テトラセン−5,11−ジアミン(略称:p−mPhTD)、7,14−ジフェニル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)アセナフト[1,2−a]フルオランテン−3,10−ジアミン(略称:p−mPhAFD)、2−{2−イソプロピル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTI)、2−{2−tert−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTB)、2−(2,6−ビス{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}−4H−ピラン−4−イリデン)プロパンジニトリル(略称:BisDCM)、2−{2,6−ビス[2−(8−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:BisDCJTM)、5,10,15,20−テトラフェニルビスベンゾ[5,6]インデノ[1,2,3−cd:1’,2’,3’−lm]ペリレン、などが挙げられる。
なお、表1で示した通り、上述した第1の有機化合物の炭化水素基置換体は、T1準位の低下に影響する。したがって、ゲスト材料が三重項励起エネルギーを発光に変換することができる機能を有する材料の場合、本発明の一態様はより効果的である。三重項励起エネルギーを発光に変換することができる機能を有する材料としては、燐光材料や熱活性化遅延蛍光(Thermally activated delayed fluorescence:TADF)材料が挙げられ、以下にこれらについて説明する。なお、これらのゲスト材料のT1準位が高い場合、具体的には、これらのゲスト材料が呈する発光ピークが450nm以上530nm以下の場合、本発明の一態様は特に効果的である。
ゲスト材料132(燐光性化合物)としては、イリジウム、ロジウム、または白金系の有機金属錯体、あるいは金属錯体が挙げられ、中でも有機イリジウム錯体、例えばイリジウム系オルトメタル錯体が好ましい。オルトメタル化する配位子としては4H−トリアゾール配位子、1H−トリアゾール配位子、イミダゾール配位子、ピリジン配位子、ピリミジン配位子、ピラジン配位子、あるいはイソキノリン配位子などが挙げられる。金属錯体としては、ポルフィリン配位子を有する白金錯体などが挙げられる。
青色または緑色に発光ピークを有する物質としては、例えば、トリス{2−[5−(2−メチルフェニル)−4−(2,6−ジメチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル−κN2]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:Ir(mpptz−dmp)3)、トリス(5−メチル−3,4−ジフェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:Ir(Mptz)3)、トリス[4−(3−ビフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(iPrptz−3b)3)、トリス[3−(5−ビフェニル)−5−イソプロピル−4−フェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(iPr5btz)3)、のような4H−トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス[3−メチル−1−(2−メチルフェニル)−5−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(Mptz1−mp)3)、トリス(1−メチル−5−フェニル−3−プロピル−1H−1,2,4−トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:Ir(Prptz1−Me)3)のような1H−トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、fac−トリス[1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2−フェニル−1H−イミダゾール]イリジウム(III)(略称:Ir(iPrpmi)3)、トリス[3−(2,6−ジメチルフェニル)−7−メチルイミダゾ[1,2−f]フェナントリジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(dmpimpt−Me)3)のようなイミダゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)テトラキス(1−ピラゾリル)ボラート(略称:FIr6)、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:FIrpic)、ビス{2−[3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジナト−N,C2’}イリジウム(III)ピコリナート(略称:Ir(CF3ppy)2(pic))、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIr(acac))のような電子吸引基を有するフェニルピリジン誘導体を配位子とする有機金属イリジウム錯体が挙げられる。上述した中でも、4H−トリアゾール骨格、1H−トリアゾール骨格及びイミダゾール骨格のような含窒素五員複素環骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、高い三重項励起エネルギーを有し、信頼性や発光効率にも優れるため、特に好ましい。
また、緑色または黄色に発光ピークを有する物質としては、例えば、トリス(4−メチル−6−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppm)3)、トリス(4−t−ブチル−6−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tBuppm)3)、(アセチルアセトナト)ビス(6−メチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppm)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(6−tert−ブチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tBuppm)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[4−(2−ノルボルニル)−6−フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(nbppm)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[5−メチル−6−(2−メチルフェニル)−4−フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(mpmppm)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス{4,6−ジメチル−2−[6−(2,6−ジメチルフェニル)−4−ピリミジニル−κN3]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:Ir(dmppm−dmp)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(4,6−ジフェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(dppm)2(acac))のようなピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、(アセチルアセトナト)ビス(3,5−ジメチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppr−Me)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(5−イソプロピル−3−メチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppr−iPr)2(acac))のようなピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(ppy)3)、ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(ppy)2(acac))、ビス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bzq)2(acac))、トリス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)(略称:Ir(bzq)3)、トリス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(pq)3)、ビス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(pq)2(acac))のようなピリジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、ビス(2,4−ジフェニル−1,3−オキサゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(dpo)2(acac))、ビス{2−[4’−(パーフルオロフェニル)フェニル]ピリジナト−N,C2’}イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(p−PF−ph)2(acac))、ビス(2−フェニルベンゾチアゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bt)2(acac))など有機金属イリジウム錯体の他、トリス(アセチルアセトナト)(モノフェナントロリン)テルビウム(III)(略称:Tb(acac)3(Phen))のような希土類金属錯体が挙げられる。上述した中でも、ピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、信頼性や発光効率にも際だって優れるため、特に好ましい。
また、黄色または赤色に発光ピークを有する物質としては、例えば、(ジイソブチリルメタナト)ビス[4,6−ビス(3−メチルフェニル)ピリミジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(5mdppm)2(dibm))、ビス[4,6−ビス(3−メチルフェニル)ピリミジナト](ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(5mdppm)2(dpm))、ビス[4,6−ジ(ナフタレン−1−イル)ピリミジナト](ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(d1npm)2(dpm))のようなピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、(アセチルアセトナト)ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr)2(acac))、ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)(ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr)2(dpm))、(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:Ir(Fdpq)2(acac))のようなピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(piq)3)、ビス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(piq)2(acac))のようなピリジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体の他、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金(II)(略称:PtOEP)のような白金錯体や、トリス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(DBM)3(Phen))、トリス[1−(2−テノイル)−3,3,3−トリフルオロアセトナト](モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(TTA)3(Phen))のような希土類金属錯体が挙げられる。上述した中でも、ピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、信頼性や発光効率にも際だって優れるため、特に好ましい。また、ピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、色度の良い赤色発光が得られる。
発光層130に含まれる発光材料としては、三重項励起エネルギーを発光に変換できる材料であれば好ましい。該三重項励起エネルギーを発光に変換できる材料としては、燐光性化合物の他に、TADF材料が挙げられる。したがって、燐光性化合物と記載した部分に関しては、熱活性化遅延蛍光材料と読み替えても構わない。なお、熱活性化遅延蛍光材料とは、三重項励起エネルギー準位と一重項励起エネルギー準位との差が小さく、逆項間交差によって三重項励起状態から一重項励起状態へエネルギーを変換する機能を有する材料である。そのため、三重項励起状態をわずかな熱エネルギーによって一重項励起状態にアップコンバート(逆項間交差)が可能で、一重項励起状態からの発光(蛍光)を効率よく呈することができる。また、熱活性化遅延蛍光が効率良く得られる条件としては、三重項励起エネルギー準位と一重項励起エネルギー準位のエネルギー差が好ましくは0eVより大きく0.2eV以下、さらに好ましくは0eVより大きく0.1eV以下であることが挙げられる。
熱活性化遅延蛍光材料が、一種類の材料から構成される場合、例えば以下の材料を用いることができる。
まず、フラーレンやその誘導体、プロフラビン等のアクリジン誘導体、エオシン等が挙げられる。また、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、スズ(Sn)、白金(Pt)、インジウム(In)、もしくはパラジウム(Pd)等を含む金属含有ポルフィリンが挙げられる。該金属含有ポルフィリンとしては、例えば、プロトポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(Proto IX))、メソポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(Meso IX))、ヘマトポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(Hemato IX))、コプロポルフィリンテトラメチルエステル−フッ化スズ錯体(SnF2(Copro III−4Me))、オクタエチルポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(OEP))、エチオポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(Etio I))、オクタエチルポルフィリン−塩化白金錯体(PtCl2OEP)等が挙げられる。
また、一種の材料から構成される熱活性化遅延蛍光材料としては、π電子過剰型複素芳香環及びπ電子不足型複素芳香環を有する複素環化合物も用いることができる。具体的には、2−(ビフェニル−4−イル)−4,6−ビス(12−フェニルインドロ[2,3−a]カルバゾール−11−イル)−1,3,5−トリアジン(略称:PIC−TRZ)、2−{4−[3−(N−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−9H−カルバゾール−9−イル]フェニル}−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(略称:PCCzPTzn)、2−[4−(10H−フェノキサジン−10−イル)フェニル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(略称:PXZ−TRZ)、3−[4−(5−フェニル−5,10−ジヒドロフェナジン−10−イル)フェニル]−4,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾール(略称:PPZ−3TPT)、3−(9,9−ジメチル−9H−アクリジン−10−イル)−9H−キサンテン−9−オン(略称:ACRXTN)、ビス[4−(9,9−ジメチル−9,10−ジヒドロアクリジン)フェニル]スルホン(略称:DMAC−DPS)、10−フェニル−10H,10’H−スピロ[アクリジン−9,9’−アントラセン]−10’−オン(略称:ACRSA)等が挙げられる。該複素環化合物は、π電子過剰型複素芳香環及びπ電子不足型複素芳香環を有するため、電子輸送性及び正孔輸送性が高く、好ましい。中でも、π電子不足型複素芳香環を有する骨格のうち、ジアジン骨格(ピリミジン骨格、ピラジン骨格、ピリダジン骨格)、またはトリアジン骨格は、安定で信頼性が良好なため、好ましい。また、π電子過剰型複素芳香環を有する骨格の中でも、アクリジン骨格、フェノキサジン骨格、チオフェン骨格、フラン骨格、及びピロール骨格は、安定で信頼性が良好なため、当該骨格の中から選ばれるいずれか一つまたは複数を有することが、好ましい。なお、ピロール骨格としては、インドール骨格、カルバゾール骨格、及び3−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−9H−カルバゾール骨格、が特に好ましい。なお、π電子過剰型複素芳香環とπ電子不足型複素芳香環とが直接結合した物質は、π電子過剰型複素芳香環のドナー性とπ電子不足型複素芳香環のアクセプター性が共に強く、一重項励起状態のエネルギー準位と三重項励起状態のエネルギー準位との差が小さくなるため、特に好ましい。
また、発光層130において、ホスト材料131及びゲスト材料132以外の材料を有していても良い。
発光層130に用いることが可能な材料としては、特に限定はないが、例えば、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、クリセン誘導体、ジベンゾ[g,p]クリセン誘導体等の縮合多環芳香族化合物が挙げられ、具体的には、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、6,12−ジメトキシ−5,11−ジフェニルクリセン、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、9,9’−ビアントリル(略称:BANT)、9,9’−(スチルベン−3,3’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS)、9,9’−(スチルベン−4,4’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS2)、1,3,5−トリ(1−ピレニル)ベンゼン(略称:TPB3)などを挙げることができる。また、これら及び公知の物質の中から、上記ゲスト材料132の励起エネルギー準位より高い一重項励起エネルギー準位または三重項励起エネルギー準位を有する物質を、一種もしくは複数種選択して用いればよい。
また、例えば、オキサジアゾール誘導体等の複素芳香族骨格を有する化合物を発光層130に用いることができる。具体的には、例えば、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)や、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、9−[4−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CO11)、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)などの複素環化合物が挙げられる。
また、複素環を有する金属錯体(例えば亜鉛及びアルミニウム系金属錯体)などを発光層130に用いることができる。例えば、キノリン配位子、ベンゾキノリン配位子、オキサゾール配位子、あるいはチアゾール配位子を有する金属錯体が挙げられる。具体的には、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)など、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等が挙げられる。また、この他ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などのオキサゾール系、またはチアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。
なお、発光層130は2層以上の複数層でもって構成することもできる。例えば、第1の発光層と第2の発光層を正孔輸送層側から順に積層して発光層130とする場合、第1の発光層のホスト材料として正孔輸送性を有する物質を用い、第2の発光層のホスト材料として電子輸送性を有する物質を用いる構成などがある。また、第1の発光層と第2の発光層とが有する発光材料は、同じ材料であっても異なる材料であってもよく、同じ色の発光を呈する機能を有する材料であっても、異なる色の発光を呈する機能を有する材料であってもよい。2層の発光層に、互いに異なる色の発光を呈する機能を有する発光材料をそれぞれ用いることで、複数の発光を同時に得ることができる。特に、2層の発光層が呈する発光により、白色になるよう、各発光層に用いる発光材料を選択すると好ましい。
なお、発光層130は、蒸着法(真空蒸着法を含む)、インクジェット法、塗布法、グラビア印刷等の方法で形成することができる。また、上述した材料の他、量子ドットなどの無機化合物または高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を有してもよい。
≪正孔注入層≫
正孔注入層111は、一対の電極の一方(電極101または電極102)からのホール注入障壁を低減することでホール注入を促進する機能を有し、例えば遷移金属酸化物、フタロシアニン誘導体、あるいは芳香族アミンなどによって形成される。遷移金属酸化物としては、モリブデン酸化物やバナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物などが挙げられる。フタロシアニン誘導体としては、フタロシアニンや金属フタロシアニンなどが挙げられる。芳香族アミンとしてはベンジジン誘導体やフェニレンジアミン誘導体などが挙げられる。ポリチオフェンやポリアニリンなどの高分子化合物を用いることもでき、例えば自己ドープされたポリチオフェンであるポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)などがその代表例である。
正孔注入層111として、正孔輸送性材料と、これに対して電子受容性を示す材料の複合材料を有する層を用いることもできる。あるいは、電子受容性を示す材料を含む層と正孔輸送性材料を含む層の積層を用いても良い。これらの材料間では定常状態、あるいは電界存在下において電荷の授受が可能である。電子受容性を示す材料としては、キノジメタン誘導体やクロラニル誘導体、ヘキサアザトリフェニレン誘導体などの有機アクセプターを挙げることができる。具体的には、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F4−TCNQ)、クロラニル、2,3,6,7,10,11−ヘキサシアノ−1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレン(略称:HAT−CN)等の電子吸引基(ハロゲン基やシアノ基)を有する化合物である。また、遷移金属酸化物、例えば第4族から第8族金属の酸化物を用いることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムなどである。中でも酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。
正孔輸送性材料としては、電子よりも正孔の輸送性の高い材料を用いることができ、1×10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する材料であることが好ましい。具体的には、発光層130に用いることができる正孔輸送性材料として挙げた芳香族アミン、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、スチルベン誘導体などを用いることができる。また、該正孔輸送性材料は高分子化合物であっても良い。
また、正孔輸送性材料として他には芳香族炭化水素が挙げられ、例えば、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス(4−フェニルフェニル)アントラセン(略称:t−BuDBA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuAnth)、9,10−ビス(4−メチル−1−ナフチル)アントラセン(略称:DMNA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、9,9’−ビアントリル、10,10’−ジフェニル−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス(2−フェニルフェニル)−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス[(2,3,4,5,6−ペンタフェニル)フェニル]−9,9’−ビアントリル、アントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン等が挙げられる。また、この他、ペンタセン、コロネン等も用いることができる。このように、1×10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有し、炭素数14乃至炭素数42である芳香族炭化水素を用いることがより好ましい。
なお、芳香族炭化水素は、ビニル骨格を有していてもよい。ビニル基を有している芳香族炭化水素としては、例えば、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、9,10−ビス[4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル]アントラセン(略称:DPVPA)等が挙げられる。
また、4−{3−[3−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]フェニル}ジベンゾフラン(略称:mmDBFFLBi−II)、4,4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾフラン)(略称:DBF3P−II)、1,3,5−トリ(ジベンゾチオフェン−4−イル)ベンゼン(略称:DBT3P−II)、2,8−ジフェニル−4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−III)、4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]−6−フェニルジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−IV)、4−[3−(トリフェニレン−2−イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:mDBTPTp−II)等のチオフェン化合物、フラン化合物、フルオレン化合物、トリフェニレン化合物、フェナントレン化合物等を用いることができる。上述した化合物の中でも、ピロール骨格、フラン骨格、チオフェン骨格、芳香族アミン骨格を有する化合物は、安定で信頼性が良好であり好ましい。また、当該骨格を有する化合物は、正孔輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与する。
≪正孔輸送層≫
正孔輸送層112は正孔輸送性材料を含む層であり、正孔注入層111の材料として例示した正孔輸送性材料を使用することができる。正孔輸送層112は正孔注入層111に注入された正孔を発光層130へ輸送する機能を有するため、正孔注入層111のHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital、最高被占軌道ともいう)準位と同じ、あるいは近いHOMO準位を有することが好ましい。
また、1×10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質であることが好ましい。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外の物質を用いてもよい。なお、正孔輸送性の高い物質を含む層は、単層だけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層してもよい。
≪電子輸送層≫
電子輸送層118は、電子注入層119を経て一対の電極の他方(電極101または電極102)から注入された電子を発光層130へ輸送する機能を有する。電子輸送性材料としては、正孔よりも電子の輸送性の高い材料を用いることができ、1×10−6cm2/Vs以上の電子移動度を有する材料であることが好ましい。電子を受け取りやすい化合物(電子輸送性を有する材料)としては、含窒素複素芳香族化合物のようなπ電子不足型複素芳香族や金属錯体などを用いることができる。具体的には、発光層130に用いることができる電子輸送性材料として挙げたピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、キノキサリン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、フェナントロリン誘導体、トリアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体などが挙げられる。また、1×10−6cm2/Vs以上の電子移動度を有する物質であることが好ましい。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層として用いても構わない。また、電子輸送層118は、単層だけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層してもよい。
また、複素環を有する金属錯体が挙げられ、例えば、キノリン配位子、ベンゾキノリン配位子、オキサゾール配位子、あるいはチアゾール配位子を有する金属錯体が挙げられる。具体的には、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)など、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等が挙げられる。また、この他ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などのオキサゾール系、またはチアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。
また、電子輸送層118と発光層130との間に電子キャリアの移動を制御する層を設けても良い。これは上述したような電子輸送性の高い材料に、電子トラップ性の高い物質を少量添加した層であって、電子キャリアの移動を抑制することによって、キャリアバランスを調節することが可能となる。このような構成は、電子輸送性材料の電子輸送性が正孔輸送性材料の正孔輸送性と比べて著しく高い場合に発生する問題(例えば素子寿命の低下)の抑制に大きな効果を発揮する。
≪電子注入層≫
電子注入層119は電極102からの電子注入障壁を低減することで電子注入を促進する機能を有し、例えば第1族金属、第2族金属、あるいはこれらの酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩などを用いることができる。また、先に示す電子輸送性材料と、これに対して電子供与性を示す材料の複合材料を用いることもできる。電子供与性を示す材料としては、第1族金属、第2族金属、あるいはこれらの酸化物などを挙げることができる。具体的には、フッ化リチウム(LiF)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF2)、リチウム酸化物(LiOx)等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。また、フッ化エルビウム(ErF3)のような希土類金属化合物を用いることができる。また、電子注入層119にエレクトライドを用いてもよい。該エレクトライドとしては、例えば、カルシウムとアルミニウムの混合酸化物に電子を高濃度添加した物質等が挙げられる。また、電子注入層119に、電子輸送層118で用いることが出来る物質を用いても良い。
また、電子注入層119に、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子供与体によって有機化合物に電子が発生するため、電子注入性及び電子輸送性に優れている。この場合、有機化合物としては、発生した電子の輸送に優れた材料であることが好ましく、具体的には、例えば上述した電子輸送層118を構成する物質(金属錯体や複素芳香族化合物等)を用いることができる。電子供与体としては、有機化合物に対し電子供与性を示す物質であればよい。具体的には、アルカリ金属やアルカリ土類金属や希土類金属が好ましく、リチウム、ナトリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、エルビウム、イッテルビウム等が挙げられる。また、アルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物が好ましく、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物等が挙げられる。また、酸化マグネシウムのようなルイス塩基を用いることもできる。また、テトラチアフルバレン(略称:TTF)等の有機化合物を用いることもできる。
なお、上述した、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、及び電子注入層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、インクジェット法、塗布法、グラビア印刷等の方法で形成することができる。また、上述した、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、及び電子注入層には、上述した材料の他、量子ドットなどの無機化合物や、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を用いてもよい。
≪量子ドット≫
量子ドットは、数nmから数十nmサイズの半導体ナノ結晶であり、1×103個から1×106個程度の原子から構成されている。量子ドットはサイズに依存してエネルギーシフトするため、同じ物質から構成される量子ドットであっても、サイズによって発光波長が異なる。そのため、用いる量子ドットのサイズを変更することによって、容易に発光波長を変更することができる。
また、量子ドットは、発光スペクトルのピーク幅が狭いため、色純度のよい発光を得ることができる。さらに、量子ドットの理論的な内部量子効率はほぼ100%であると言われており、蛍光発光を呈する有機化合物の25%を大きく上回り、燐光発光を呈する有機化合物と同等となっている。このことから、量子ドットを発光材料として用いることによって発光効率の高い発光素子を得ることができる。その上、無機材料である量子ドットは、その本質的な安定性にも優れているため、寿命の観点からも好ましい発光素子を得ることができる。
量子ドットを構成する材料としては、第14族元素、第15族元素、第16族元素、複数の第14族元素からなる化合物、第4族から第14族に属する元素と第16族元素との化合物、第2族元素と第16族元素との化合物、第13族元素と第15族元素との化合物、第13族元素と第17族元素との化合物、第14族元素と第15族元素との化合物、第11族元素と第17族元素との化合物、酸化鉄類、酸化チタン類、カルコゲナイドスピネル類、半導体クラスターなどを挙げることができる。
具体的には、セレン化カドミウム、硫化カドミウム、テルル化カドミウム、セレン化亜鉛、酸化亜鉛、硫化亜鉛、テルル化亜鉛、硫化水銀、セレン化水銀、テルル化水銀、砒化インジウム、リン化インジウム、砒化ガリウム、リン化ガリウム、窒化インジウム、窒化ガリウム、アンチモン化インジウム、アンチモン化ガリウム、リン化アルミニウム、砒化アルミニウム、アンチモン化アルミニウム、セレン化鉛、テルル化鉛、硫化鉛、セレン化インジウム、テルル化インジウム、硫化インジウム、セレン化ガリウム、硫化砒素、セレン化砒素、テルル化砒素、硫化アンチモン、セレン化アンチモン、テルル化アンチモン、硫化ビスマス、セレン化ビスマス、テルル化ビスマス、ケイ素、炭化ケイ素、ゲルマニウム、錫、セレン、テルル、ホウ素、炭素、リン、窒化ホウ素、リン化ホウ素、砒化ホウ素、窒化アルミニウム、硫化アルミニウム、硫化バリウム、セレン化バリウム、テルル化バリウム、硫化カルシウム、セレン化カルシウム、テルル化カルシウム、硫化ベリリウム、セレン化ベリリウム、テルル化ベリリウム、硫化マグネシウム、セレン化マグネシウム、硫化ゲルマニウム、セレン化ゲルマニウム、テルル化ゲルマニウム、硫化錫、セレン化錫、テルル化錫、酸化鉛、フッ化銅、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅、酸化銅、セレン化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、硫化コバルト、酸化鉄、硫化鉄、酸化マンガン、硫化モリブデン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化タンタル、酸化チタン、酸化ジルコニウム、窒化ケイ素、窒化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、セレンと亜鉛とカドミウムの化合物、インジウムと砒素とリンの化合物、カドミウムとセレンと硫黄の化合物、カドミウムとセレンとテルルの化合物、インジウムとガリウムと砒素の化合物、インジウムとガリウムとセレンの化合物、インジウムとセレンと硫黄の化合物、銅とインジウムと硫黄の化合物、及びこれらの組合せなどを挙げることができるが、これらに限定されない。また、組成が任意の比率で表される、いわゆる合金型量子ドットを用いても良い。例えば、カドミウムとセレンと硫黄の合金型量子ドットは、元素の含有比率を変化させることで発光波長を変えることができるため、青色発光を得るには有効な手段の一つである。
量子ドットの構造としては、コア型、コア−シェル型、コア−マルチシェル型などがあり、そのいずれを用いても良いが、コアを覆ってより広いバンドギャップを持つ別の無機材料でシェルを形成することによって、ナノ結晶表面に存在する欠陥やダングリングボンドの影響を低減することができる。これにより、発光の量子効率が大きく改善するためコア−シェル型やコア−マルチシェル型の量子ドットを用いることが好ましい。シェルの材料の例としては、硫化亜鉛や酸化亜鉛が挙げられる。
また、量子ドットは、表面原子の割合が高いことから、反応性が高く、凝集が起こりやすい。そのため、量子ドットの表面には保護剤が付着している又は保護基が設けられていることが好ましい。当該保護剤が付着している又は保護基が設けられていることによって、凝集を防ぎ、溶媒への溶解性を高めることができる。また、反応性を低減させ、電気的安定性を向上させることも可能である。保護剤(又は保護基)としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン等のトリアルキルホスフィン類、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、トリ(n−ヘキシル)アミン、トリ(n−オクチル)アミン、トリ(n−デシル)アミン等の第3級アミン類、トリプロピルホスフィンオキシド、トリブチルホスフィンオキシド、トリヘキシルホスフィンオキシド、トリオクチルホスフィンオキシド、トリデシルホスフィンオキシド等の有機リン化合物、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジエステル類、また、ピリジン、ルチジン、コリジン、キノリン類等の含窒素芳香族化合物等の有機窒素化合物、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン等のアミノアルカン類、ジブチルスルフィド等のジアルキルスルフィド類、ジメチルスルホキシドやジブチルスルホキシド等のジアルキルスルホキシド類、チオフェン等の含硫黄芳香族化合物等の有機硫黄化合物、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸、アルコール類、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリエステル類、3級アミン変性ポリウレタン類、ポリエチレンイミン類等が挙げられる。
量子ドットは、サイズが小さくなるに従いバンドギャップが大きくなるため、所望の波長の光が得られるように、そのサイズを適宜調整する。結晶のサイズが小さくなるにつれて、量子ドットの発光は青色側へ、つまり、高エネルギー側へシフトするため、量子ドットのサイズを変更させることにより、紫外領域、可視領域、赤外領域のスペクトルの波長領域にわたって、その発光波長を調整することができる。量子ドットのサイズ(直径)は、0.5nm乃至20nm、好ましくは1nm乃至10nmの範囲のものが通常良く用いられる。なお、量子ドットはそのサイズ分布が狭いほど、より発光スペクトルが狭線化し、色純度の良好な発光を得ることができる。また、量子ドットの形状は特に限定されず、球状、棒状、円盤状、その他の形状であってもよい。なお、棒状の量子ドットである量子ロッドは、指向性を有する光を呈する機能を有するため、量子ロッドを発光材料として用いることにより、より外部量子効率が良好な発光素子を得ることができる。
ところで、有機EL素子では多くの場合、発光材料をホスト材料に分散し、発光材料の濃度消光を抑制することによって発光効率を高めている。ホスト材料は発光材料以上の一重項励起エネルギー準位または三重項励起エネルギー準位を有する材料であることが必要である。特に、青色燐光材料を発光材料に用いる場合、それ以上の三重項励起エネルギー準位を有し、且つ、寿命の観点で優れたホスト材料が必要であり、その開発は困難を極めている。ここで、量子ドットは、ホスト材料を用いずに量子ドットのみで発光層を構成しても発光効率を保つことができるため、この点でも寿命という観点から好ましい発光素子を得ることができる。量子ドットのみで発光層を形成する場合には、量子ドットはコア−シェル構造(コア−マルチシェル構造を含む)であることが好ましい。
発光層の発光材料に量子ドットを用いる場合、当該発光層の膜厚は3nm乃至100nm、好ましくは10nm乃至100nmとし、発光層中の量子ドットの含有率は1乃至100体積%とする。ただし、量子ドットのみで発光層を形成することが好ましい。なお、当該量子ドットを発光材料としてホストに分散した発光層を形成する場合は、ホスト材料に量子ドットを分散させる、またはホスト材料と量子ドットとを適当な液媒体に溶解または分散させてウェットプロセス(スピンコート法、キャスト法、ダイコート法、ブレードコート法、ロールコート法、インクジェット法、印刷法、スプレーコート法、カーテンコート法、ラングミュア・ブロジェット法など)により形成すればよい。燐光性の発光材料を用いた発光層については、上記ウェットプロセスの他、真空蒸着法も好適に利用することができる。
ウェットプロセスに用いる液媒体としては、たとえば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル等の脂肪酸エステル類、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素類、シクロヘキサン、デカリン、ドデカン等の脂肪族炭化水素類、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の有機溶媒を用いることができる。
≪一対の電極≫
電極101及び電極102は、発光素子の陽極または陰極としての機能を有する。電極101及び電極102は、金属、合金、導電性化合物、及びこれらの混合物や積層体などを用いて形成することができる。
電極101または電極102の一方は、光を反射する機能を有する導電性材料により形成されると好ましい。該導電性材料としては、アルミニウム(Al)またはAlを含む合金等が挙げられる。Alを含む合金としては、AlとL(Lは、チタン(Ti)、ネオジム(Nd)、ニッケル(Ni)、及びランタン(La)の一つまたは複数を表す)とを含む合金等が挙げられ、例えばAlとTi、またはAlとNiとLaを含む合金等である。アルミニウムは、抵抗値が低く、光の反射率が高い。また、アルミニウムは、地殻における存在量が多く、安価であるため、アルミニウムを用いることによる発光素子の作製コストを低減することができる。また、銀(Ag)、またはAgとN(Nは、イットリウム(Y)、Nd、マグネシウム(Mg)、イッテルビウム(Yb)、Al、Ti、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、スズ(Sn)、鉄(Fe)、Ni、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、または金(Au)の一つまたは複数を表す)とを含む合金等を用いても良い。銀を含む合金としては、例えば、銀とパラジウムと銅を含む合金、銀と銅を含む合金、銀とマグネシウムを含む合金、銀とニッケルを含む合金、銀と金を含む合金、銀とイッテルビウムを含む合金等が挙げられる。その他、タングステン、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、銅、チタンなどの遷移金属を用いることができる。
また、発光層から得られる発光は、電極101及び電極102の一方または双方を通して取り出される。したがって、電極101または電極102の少なくとも一方は、光を透過する機能を有する導電性材料により形成されると好ましい。該導電性材料としては、可視光の透過率が40%以上100%以下、好ましくは60%以上100%以下であり、かつその抵抗率が1×10−2Ω・cm以下の導電性材料が挙げられる。
また、電極101及び電極102は、光を透過する機能と、光を反射する機能と、を有する導電性材料により形成されても良い。該導電性材料としては、可視光の反射率が20%以上80%以下、好ましくは40%以上70%以下であり、かつその抵抗率が1×10−2Ω・cm以下の導電性材料が挙げられる。例えば、導電性を有する金属、合金、導電性化合物などを1種又は複数種用いて形成することができる。具体的には、例えば、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide、以下ITO)、珪素または酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(略称:ITSO)、酸化インジウム−酸化亜鉛(Indium Zinc Oxide)、チタンを含有した酸化インジウム−錫酸化物、インジウム−チタン酸化物、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウムなどの金属酸化物を用いることができる。また、光を透過する程度(好ましくは、1nm以上30nm以下の厚さ)の金属薄膜を用いることができる。金属としては、例えば、Ag、またはAgとAl、AgとMg、AgとAu、AgとYbなどの合金等を用いることができる。
なお、本明細書等において、光を透過する機能を有する材料は、可視光を透過する機能を有し、且つ導電性を有する材料であればよく、例えば上記のようなITOに代表される酸化物導電体に加えて、酸化物半導体、または有機物を含む有機導電体を含む。有機物を含む有機導電体としては、例えば、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料、有機化合物と電子受容体(アクセプター)とを混合してなる複合材料等が挙げられる。また、グラフェンなどの無機炭素系材料を用いても良い。また、当該材料の抵抗率としては、好ましくは1×105Ω・cm以下、さらに好ましくは1×104Ω・cm以下である。
また、上記の材料の複数を積層することによって電極101及び電極102の一方または双方を形成してもよい。
また、光取り出し効率を向上させるため、光を透過する機能を有する電極と接して、該電極より屈折率の高い材料を形成してもよい。このような材料としては、可視光を透過する機能を有する材料であればよく、導電性を有する材料であっても有さない材料であってもよい。例えば、上記のような酸化物導電体に加えて、酸化物半導体、有機物が挙げられる。有機物としては、例えば、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、または電子注入層に例示した材料が挙げられる。また、無機炭素系材料や光が透過する程度の金属薄膜も用いることができ、数nm乃至数十nmの層を複数積層させてもよい。
電極101または電極102が陰極としての機能を有する場合には、仕事関数が小さい(3.8eV以下)材料を有することが好ましい。例えば、元素周期表の第1族又は第2族に属する元素(リチウム、ナトリウム、セシウム等のアルカリ金属、カルシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属、マグネシウム等)、これら元素を含む合金(例えば、AgとMg、AlとLi)、ユーロピウム(Eu)、Yb等の希土類金属、これら希土類金属を含む合金、アルミニウム、銀を含む合金等を用いることができる。
また、電極101または電極102を陽極として用いる場合、仕事関数の大きい(4.0eV以上)材料を用いることが好ましい。
また、電極101及び電極102は、光を反射する機能を有する導電性材料と、光を透過する機能を有する導電性材料との積層としてもよい。その場合、電極101及び電極102は、各発光層からの所望の波長の光を共振させ、所望の波長の光を強めることができるように、光学距離を調整する機能を有することができるため好ましい。
電極101及び電極102の成膜方法は、スパッタリング法、蒸着法、印刷法、塗布法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法、CVD法、パルスレーザ堆積法、ALD(Atomic Layer Deposition)法等を適宜用いることができる。
≪基板≫
また、本発明の一態様に係る発光素子は、ガラス、プラスチックなどからなる基板上に作製すればよい。基板上に作製する順番としては、電極101側から順に積層しても、電極102側から順に積層しても良い。
なお、本発明の一態様に係る発光素子を形成できる基板としては、例えばガラス、石英、又はプラスチックなどを用いることができる。また可撓性基板を用いてもよい。可撓性基板とは、曲げることができる(フレキシブル)基板のことであり、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレート、からなるプラスチック基板等が挙げられる。また、フィルム、無機蒸着フィルムなどを用いることもできる。なお、発光素子、及び光学素子の作製工程において支持体として機能するものであれば、これら以外のものでもよい。あるいは、発光素子、及び光学素子を保護する機能を有するものであればよい。
例えば、本発明等においては、様々な基板を用いて発光素子を形成することが出来る。基板の種類は、特に限定されない。その基板の一例としては、半導体基板(例えば単結晶基板又はシリコン基板)、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、金属基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板、タングステン基板、タングステン・ホイルを有する基板、可撓性基板、貼り合わせフィルム、繊維状の材料を含む紙、又は基材フィルムなどがある。ガラス基板の一例としては、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、又はソーダライムガラスなどがある。可撓性基板、貼り合わせフィルム、基材フィルムなどの一例としては、以下が挙げられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に代表されるプラスチックがある。または、一例としては、アクリル等の樹脂などがある。または、一例としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、又はポリ塩化ビニルなどがある。または、一例としては、ポリアミド、ポリイミド、アラミド、エポキシ、無機蒸着フィルム、又は紙類などがある。
また、基板として、可撓性基板を用い、可撓性基板上に直接、発光素子を形成してもよい。または、基板と発光素子との間に剥離層を設けてもよい。剥離層は、その上に発光素子を一部あるいは全部完成させた後、基板より分離し、他の基板に転載するために用いることができる。その際、耐熱性の劣る基板や可撓性の基板にも発光素子を転載できる。なお、上述の剥離層には、例えば、タングステン膜と酸化シリコン膜との無機膜の積層構造の構成や、基板上にポリイミド等の樹脂膜が形成された構成等を用いることができる。
つまり、ある基板を用いて発光素子を形成し、その後、別の基板に発光素子を転置し、別の基板上に発光素子を配置してもよい。発光素子が転置される基板の一例としては、上述した基板に加え、セロファン基板、石材基板、木材基板、布基板(天然繊維(絹、綿、麻)、合成繊維(ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル)若しくは再生繊維(アセテート、キュプラ、レーヨン、再生ポリエステル)などを含む)、皮革基板、又はゴム基板などがある。これらの基板を用いることにより、壊れにくい発光素子、耐熱性の高い発光素子、軽量化された発光素子、または薄型化された発光素子とすることができる。
また、上述した基板上に、例えば電界効果トランジスタ(FET)を形成し、FETと電気的に接続された電極上に発光素子150を作製してもよい。これにより、FETによって発光素子150の駆動を制御するアクティブマトリクス型の表示装置を作製できる。
以上、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態においては、実施の形態1に示す発光素子の構成と異なる構成の発光素子、及び当該発光素子の発光機構について、図4(A)乃至図4(C)を用いて、以下説明を行う。なお、図4(A)乃至図4(C)において、図1(A)に示す符号と同様の機能を有する箇所には、同様のハッチパターンとし、符号を省略する場合がある。また、同様の機能を有する箇所には、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する場合がある。
<発光素子の構成例1>
図4(A)は、発光素子252の断面模式図である。
図4(A)に示す発光素子252は、一対の電極(電極101及び電極102)の間に、複数の発光ユニット(図4(A)においては、発光ユニット106及び発光ユニット110)を有する。少なくとも1つの発光ユニットは、EL層100と同様な構成を有する。なお、発光ユニット106と発光ユニット110は、同じ構成でも異なる構成でもよい。
また、図4(A)に示す発光素子252において、発光ユニット106と発光ユニット110とが積層されており、発光ユニット106と発光ユニット110との間には電荷発生層115が設けられる。例えば、発光ユニット106に、EL層100と同様な構成を用いると好ましい。
また、発光素子252は、発光層140と、発光層170と、を有する。また、発光ユニット106は、発光層170の他に、正孔注入層111、正孔輸送層112、電子輸送層113、及び電子注入層114を有する。また、発光ユニット110は、発光層140の他に、正孔注入層116、正孔輸送層117、電子輸送層118、及び電子注入層119を有する。
電荷発生層115は、正孔輸送性材料に電子受容体であるアクセプター性物質が添加された構成であっても、電子輸送性材料に電子供与体であるドナー性物質が添加された構成であってもよい。また、これらの両方の構成が積層されていても良い。
電荷発生層115に、有機化合物とアクセプター性物質の複合材料が含まれる場合、該複合材料には実施の形態1に示す正孔注入層111に用いることができる複合材料を用いればよい。有機化合物としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール化合物、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種々の化合物を用いることができる。なお、有機化合物としては、正孔移動度が1×10−6cm2/Vs以上であるものを適用することが好ましい。ただし、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。有機化合物とアクセプター性物質の複合材料は、キャリア注入性、キャリア輸送性に優れているため、低電圧駆動、低電流駆動を実現することができる。なお、発光ユニットの陽極側の面が電荷発生層115に接している場合は、電荷発生層115が該発光ユニットの正孔注入層または正孔輸送層の役割も担うことができるため、該発光ユニットには正孔注入層または正孔輸送層を設けない構成であっても良い。あるいは、発光ユニットの陰極側の面が電荷発生層115に接している場合は、電荷発生層115が該発光ユニットの電子注入層または電子輸送層の役割も担うことができるため、該発光ユニットには電子注入層または電子輸送層を設けない構成であっても良い。
なお、電荷発生層115は、有機化合物とアクセプター性物質の複合材料を含む層と他の材料により構成される層を組み合わせた積層構造として形成してもよい。例えば、有機化合物とアクセプター性物質の複合材料を含む層と、電子供与性物質の中から選ばれた一の化合物と電子輸送性の高い化合物とを含む層とを組み合わせて形成してもよい。また、有機化合物とアクセプター性物質の複合材料を含む層と、透明導電膜を含む層とを組み合わせて形成してもよい。
なお、発光ユニット106と発光ユニット108とに挟まれる電荷発生層115は、電極101と電極102とに電圧を印加したときに、一方の発光ユニットに電子を注入し、他方の発光ユニットに正孔を注入するものであれば良い。例えば、図6(A)において、電極101の電位の方が電極102の電位よりも高くなるように電圧を印加した場合、電荷発生層115は、発光ユニット106に電子を注入し、発光ユニット108に正孔を注入する。
なお、電荷発生層115は、光取出し効率の点から、可視光に対して透光性(具体的には、電荷発生層115に対する可視光の透過率が40%以上)を有することが好ましい。また、電荷発生層115は、一対の電極(電極101及び電極102)よりも低い導電率であっても機能する。
上述した材料を用いて電荷発生層115を形成することにより、発光層が積層された場合における駆動電圧の上昇を抑制することができる。
また、図4(A)においては、2つの発光ユニットを有する発光素子について説明したが、3つ以上の発光ユニットを積層した発光素子についても、同様に適用することが可能である。発光素子252に示すように、一対の電極間に複数の発光ユニットを電荷発生層で仕切って配置することで、電流密度を低く保ったまま、高輝度発光を可能とし、さらに長寿命な発光素子を実現できる。また、消費電力が低い発光素子を実現することができる。
なお、複数のユニットのうち、少なくとも一つのユニットに、実施の形態1で示した構成を適用することによって、発光効率の高い発光素子及び信頼性が高い発光素子を提供することができる。
また、発光ユニット110の発光層が燐光性化合物を有すると好適である。すなわち、発光ユニット110が有する発光層140は、燐光性化合物を有し、発光ユニット106が有する発光層170は、実施の形態1で示した発光層130の構成を有すると好ましい。この場合の発光素子252の構成例について、以下説明を行う。
発光ユニット110が有する発光層140は、図4(B)で示すように、ホスト材料141と、ゲスト材料142とを有する。また、ホスト材料141は、有機化合物141_1と、有機化合物141_2と、を有する。なお、発光層140が有するゲスト材料142が燐光性化合物として、以下説明する。
≪発光層140の発光機構≫
次に、発光層140の発光機構及び材料構成について、以下説明を行う。
発光層140が有する、有機化合物141_1と、有機化合物141_2とは励起錯体を形成すると好ましい。
有機化合物141_1と有機化合物141_2との組み合わせは、互いに励起錯体を形成することが可能な組み合わせであればよいが、一方が正孔輸送性を有する化合物であり、他方が電子輸送性を有する化合物であることが、より好ましい。
発光層140における有機化合物141_1と、有機化合物141_2と、ゲスト材料142とのエネルギー準位の相関を図4(C)に示す。なお、図4(C)における表記及び符号は、以下の通りである。
・Host(141_1):有機化合物141_1(ホスト材料)
・Host(141_2):有機化合物141_2(ホスト材料)
・Guest(142):ゲスト材料142(燐光性化合物)
・SPH1:有機化合物141_1(ホスト材料)のS1準位
・TPH1:有機化合物141_1(ホスト材料)のT1準位
・SPH2:有機化合物141_2(ホスト材料)のS1準位
・TPH2:有機化合物141_2(ホスト材料)のT1準位
・TPG:ゲスト材料142(燐光性化合物)のT1準位
・SPE:励起錯体のS1準位
・TPE:励起錯体のT1準位
有機化合物141_1及び有機化合物141_2は、一方がホールを、他方が電子を受け取ることで速やかに励起錯体を形成する(図4(C) ルートE1参照)。あるいは、一方が励起状態となると、速やかに他方と相互作用することで励起錯体を形成する。励起錯体の励起エネルギー準位(SPEまたはTPE)は、励起錯体を形成するホスト材料(有機化合物141_1及び有機化合物141_2)のS1準位(SPH1及びSPH2)より低くなるため、より低い励起エネルギーでホスト材料141の励起状態を形成することが可能となる。これによって、発光素子の駆動電圧を下げることができる。
そして、励起錯体の(SPE)と(TPE)の双方のエネルギーを、ゲスト材料142(燐光性化合物)のT1準位へ移動させて発光が得られる(図4(C) ルートE2、E3参照)。
なお、励起錯体のT1準位(TPE)は、ゲスト材料142のT1準位(TPG)より大きいこと及び、励起錯体を形成する各有機化合物(有機化合物141_1及び有機化合物141_2)のT1準位(TPH1及びTPH2)と同等か、より小さいことが好ましい。そうすることで、生成した励起錯体の一重項励起エネルギー及び三重項励起エネルギーを、励起錯体のS1準位(SPE)及びT1準位(TPE)からゲスト材料142のT1準位(TPG)へ効率良くエネルギー移動することができる。
また、有機化合物141_1と有機化合物141_2とが、効率よく励起錯体を形成するためには、有機化合物141_1及び有機化合物141_2の一方のHOMO準位が他方のHOMO準位より高く、一方のLUMO準位が他方のLUMO準位より高いことが好ましい。
また、有機化合物141_1と有機化合物141_2との組み合わせが、正孔輸送性を有する化合物と電子輸送性を有する化合物との組み合わせである場合、その混合比によってキャリアバランスを容易に制御することが可能となる。具体的には、正孔輸送性を有する化合物:電子輸送性を有する化合物=1:9から9:1(重量比)の範囲が好ましい。また、該構成を有することで、容易にキャリアバランスを制御することができることから、キャリア再結合領域の制御も簡便に行うことができる。
なお、上記に示すルートE1乃至E3の過程を、本明細書等においてExTET(Exciplex−Triplet Energy Transfer)と呼称する場合がある。別言すると、発光層140は、励起錯体からゲスト材料142への励起エネルギーの供与がある。なお、この場合は必ずしもTPEからSPEへの逆項間交差効率が高い必要はなく、SPEからの発光量子収率が高い必要もないため、材料を幅広く選択することが可能となる。
ExTETを利用することで、発光効率が高く信頼性の良い発光素子を得ることができる。
また、発光層170は、実施の形態1で示した発光層130の構成と、発光層140の構成とを有することができる。
なお、上記各構成において、発光ユニット106及び発光ユニット110、に用いるゲスト材料が呈する発光色としては、互いに同じであっても異なっていてもよい。発光ユニット106及び発光ユニット110、で互いに同じ色の発光を呈する機能を有するゲスト材料を有する場合、発光素子252は少ない電流値で高い発光輝度を呈する発光素子となり好ましい。また、発光ユニット106及び発光ユニット110、で互いに異なる色の発光を呈する機能を有するゲスト材料を有する場合、発光素子252は多色発光を呈する発光素子となり好ましい。この場合、発光層140及び発光層170のいずれか一方もしくは双方、に発光波長の異なる複数の発光材料を用いることによって、発光素子252が呈する発光スペクトルは異なる発光ピークを有する発光が合成された光となるため、少なくとも二つの極大値を有する発光スペクトルとなる。
上記の構成は白色発光を得るためにも好適である。発光層140及び発光層170、の光を互いに補色の関係とすることによって、白色発光を得ることができる。特に、演色性の高い白色発光、あるいは少なくとも赤色と緑色と青色とを有する発光、になるようゲスト材料を選択することが好適である。
また、発光層140または発光層170の少なくとも一つを層状にさらに分割し、当該分割した層ごとに異なる発光材料を含有させるようにしても良い。すなわち、発光層140、または発光層170の少なくとも一つが2層以上の複数層でもって構成することもできる。例えば、第1の発光層と第2の発光層を正孔輸送層側から順に積層して発光層とする場合、第1の発光層のホスト材料として正孔輸送性を有する材料を用い、第2の発光層のホスト材料として電子輸送性を有する材料を用いる構成などがある。この場合、第1の発光層と第2の発光層とが有する発光材料は、同じ材料あっても異なる材料であってもよく、同じ色の発光を呈する機能を有する材料であっても、異なる色の発光を呈する機能を有する材料であってもよい。互いに異なる色の発光を呈する機能を有する複数の発光材料を有する構成により、三原色や、4色以上の発光色からなる演色性の高い白色発光を得ることもできる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態では実施の形態1及び実施の形態2で説明した発光素子を用いた発光装置について、図5(A)及び図5(B)を用いて説明する。
図5(A)は、発光装置を示す上面図、図5(B)は図5(A)をA−B及びC−Dで切断した断面図である。この発光装置は、発光素子の発光を制御するものとして、点線で示された駆動回路部(ソース側駆動回路)601、画素部602、駆動回路部(ゲート側駆動回路)603を含んでいる。また、604は封止基板、625は乾燥材、605はシール材であり、シール材605で囲まれた内側は、空間607になっている。
なお、引き回し配線608はソース側駆動回路601及びゲート側駆動回路603に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)609からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基板(PWB:Printed Wiring Board)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態を含むものとする。
次に、上記発光装置の断面構造について図5(B)を用いて説明する。素子基板610上に駆動回路部及び画素部が形成されているが、ここでは、駆動回路部であるソース側駆動回路601と画素部602中の一つの画素が示されている。
なお、ソース側駆動回路601はnチャネル型TFT623とpチャネル型TFT624とを組み合わせたCMOS回路が形成される。また、駆動回路は種々のCMOS回路、PMOS回路、NMOS回路で形成しても良い。また本実施の形では、基板上に駆動回路を形成したドライバー一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、駆動回路を基板上ではなく、外部に形成することもできる。
また、画素部602はスイッチング用TFT611と電流制御用TFT612とそのドレインに電気的に接続された第1の電極613とを含む画素により形成される。なお、第1の電極613の端部を覆うように絶縁物614が形成されている。絶縁物614は、ポジ型の感光性樹脂膜を用いることにより形成することができる。
また、絶縁物614上に形成される膜の被覆性を良好なものとするため、絶縁物614の上端部または下端部に曲率を有する面が形成されるようにする。例えば、絶縁物614の材料として感光性アクリルを用いた場合、絶縁物614の上端部のみに曲面をもたせることが好ましい。該曲面の曲率半径は0.2μm以上0.3μm以下が好ましい。また、絶縁物614として、ネガ型、ポジ型、いずれの感光材料も使用することができる。
第1の電極613上には、EL層616、及び第2の電極617がそれぞれ形成されている。ここで、陽極として機能する第1の電極613に用いる材料としては、仕事関数の大きい材料を用いることが望ましい。例えば、ITO膜、またはケイ素を含有したインジウム錫酸化物膜、2wt%以上20wt%以下の酸化亜鉛を含む酸化インジウム膜、窒化チタン膜、クロム膜、タングステン膜、Zn膜、Pt膜などの単層膜の他、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との3層構造等を用いることができる。なお、積層構造とすると、配線としての抵抗も低く、良好なオーミックコンタクトがとれ、さらに陽極として機能させることができる。
また、EL層616は、蒸着マスクを用いた蒸着法、インクジェット法、スピンコート法等の種々の方法によって形成される。EL層616を構成する材料としては、低分子化合物、または高分子化合物(オリゴマー、デンドリマーを含む)であっても良い。
さらに、EL層616上に形成され、陰極として機能する第2の電極617に用いる材料としては、仕事関数の小さい材料(Al、Mg、Li、Ca、またはこれらの合金や化合物、MgAg、MgIn、AlLi等)を用いることが好ましい。なお、EL層616で生じた光が第2の電極617を透過させる場合には、第2の電極617として、膜厚を薄くした金属薄膜と、透明導電膜(ITO、2wt%以上20wt%以下の酸化亜鉛を含む酸化インジウム、ケイ素を含有したインジウム錫酸化物、酸化亜鉛(ZnO)等)との積層を用いるのが良い。
なお、第1の電極613、EL層616、第2の電極617により、発光素子618が形成されている。発光素子618は実施の形態1及び実施の形態2の構成を有する発光素子であると好ましい。なお、画素部は複数の発光素子が形成されてなっているが、本実施の形態における発光装置では、実施の形態1及び実施の形態2で説明した構成を有する発光素子と、それ以外の構成を有する発光素子の両方が含まれていても良い。
さらにシール材605で封止基板604を素子基板610と貼り合わせることにより、素子基板610、封止基板604、及びシール材605で囲まれた空間607に発光素子618が備えられた構造になっている。なお、空間607には、充填材が充填されており、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、樹脂若しくは乾燥材又はその両方で充填される場合もある。
なお、シール材605にはエポキシ系樹脂やガラスフリットを用いるのが好ましい。また、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、封止基板604に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiber Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
以上のようにして、実施の形態1及び実施の形態2で説明した発光素子を用いた発光装置を得ることができる。
<発光装置の構成例2>
図6には表示装置の一例として、白色発光を呈する発光素子を形成し、着色層(カラーフィルタ)を形成した発光装置の例を示す。
図6(A)には基板1001、下地絶縁膜1002、ゲート絶縁膜1003、ゲート電極1006、1007、1008、第1の層間絶縁膜1020、第2の層間絶縁膜1021、周辺部1042、画素部1040、駆動回路部1041、発光素子の第1の電極1024W、1024R、1024G、1024B、隔壁1026、EL層1028、発光素子の第2の電極1029、封止基板1031、シール材1032などが図示されている。
また、図6(A)、図6(B)には着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)を透明な基材1033に設けている。また、黒色層(ブラックマトリックス)1035をさらに設けても良い。着色層及び黒色層が設けられた透明な基材1033は、位置合わせし、基板1001に固定する。なお、着色層、及び黒色層は、オーバーコート層1036で覆われている。また、図5(A)においては、光が着色層を透過せずに外部へと出る発光層と、各色の着色層を透過して外部に光が出る発光層とがあり、着色層を透過しない光は白、着色層を透過する光は赤、青、緑となることから、4色の画素で映像を表現することができる。
図6(B)では赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034Bをゲート絶縁膜1003と第1の層間絶縁膜1020との間に形成する例を示した。図6(B)に示すように着色層は基板1001と封止基板1031の間に設けられても良い。
また、以上に説明した発光装置では、TFTが形成されている基板1001側に光を取り出す構造(ボトムエミッション型)の発光装置としたが、封止基板1031側に発光を取り出す構造(トップエミッション型)の発光装置としても良い。
<発光装置の構成例3>
トップエミッション型の発光装置の断面図を図7に示す。この場合、基板1001は光を通さない基板を用いることができる。TFTと発光素子の陽極とを接続する接続電極を作製するまでは、ボトムエミッション型の発光装置と同様に形成する。その後、第3の層間絶縁膜1037を電極1022を覆って形成する。この絶縁膜は平坦化の役割を担っていても良い。第3の層間絶縁膜1037は第2の層間絶縁膜1021と同様の材料の他、他の様々な材料を用いて形成することができる。
発光素子の下部電極1025W、1025R、1025G、1025Bはここでは陽極とするが、陰極であっても構わない。また、図7のようなトップエミッション型の発光装置である場合、下部電極1025W、1025R、1025G、1025Bは反射電極とすることが好ましい。なお、第2の電極1029は光を反射する機能と、光を透過する機能を有しすると好ましい。また、第2の電極1029と下部電極1025W、1025R、1025G、1025Bとの間でマイクロキャビティ構造を適用し特定波長の光を増幅する機能を有すると好ましい。EL層1028の構成は、実施の形態2で説明したような構成とし、白色の発光が得られるような素子構造とする。
図6(A)、図6(B)、図7において、白色の発光が得られるEL層の構成としては、発光層を複数層用いること、複数の発光ユニットを用いることなどにより実現すればよい。なお、白色発光を得る構成はこれらに限られない。
図7のようなトップエミッション構造では着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)を設けた封止基板1031で封止を行うことができる。封止基板1031には画素と画素との間に位置するように黒色層(ブラックマトリックス)1035を設けても良い。着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)や黒色層(ブラックマトリックス)1035はオーバーコート層によって覆われていても良い。なお封止基板1031は透光性を有する基板を用いる。
また、ここでは赤、緑、青、白の4色でフルカラー表示を行う例を示したが特に限定されず、赤、緑、青の3色でフルカラー表示を行ってもよい。また、赤、緑、青、黄の4色でフルカラー表示を行ってもよい。
以上のようにして、実施の形態3及び実施の形態4で説明した発光素子を用いた発光装置を得ることができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態4)
本実施の形態では実施の形態1及び実施の形態2で説明した発光素子を用いた表示装置のより具体的な例について説明する。以下で例示する表示装置は、反射型の液晶素子と、発光素子の両方を有し、透過モードと反射モードの両方の表示を行うことのできる、表示装置である。発光素子に実施の形態1及び実施の形態2で説明した発光素子を適用すると好ましい。
[表示装置の構成例1]
図8(A)は、表示装置400の構成の一例を示すブロック図である。表示装置400は、表示部362にマトリクス状に配列した複数の画素410を有する。また表示装置400は、回路GDと、回路SDを有する。また方向Rに配列した複数の画素410、及び回路GDと電気的に接続する複数の配線G1、複数の配線G2、複数の配線ANO、及び複数の配線CSCOMを有する。また方向Cに配列した複数の画素410、及び回路SDと電気的に接続する複数の配線S1及び複数の配線S2を有する。
画素410は、反射型の液晶素子と、発光素子を有する。画素410において、液晶素子と発光素子とは、互いに重なる部分を有する。
図8(B1)は、画素410が有する電極311bの構成例を示す。電極311bは、画素410における液晶素子の反射電極として機能する。また電極311bには、開口451が設けられている。
図8(B1)には、電極311bと重なる領域に位置する発光素子360を破線で示している。発光素子360は、電極311bが有する開口451と重ねて配置されている。これにより、発光素子360が発する光は、開口451を介して表示面側に射出される。
図8(B1)では、方向Rに隣接する画素410が異なる色に対応する画素である。このとき、図8(B1)に示すように、方向Rに隣接する2つの画素において、開口451が一列に配列されないように、電極311bの異なる位置に設けられていることが好ましい。これにより、2つの発光素子360を離すことが可能で、発光素子360が発する光が隣接する画素410が有する着色層に入射してしまう現象(クロストークともいう)を抑制することができる。また、隣接する2つの発光素子360を離して配置することができるため、発光素子360のEL層をシャドウマスク等により作り分ける場合であっても、高い精細度の表示装置を実現できる。
また、図8(B2)に示すような配列としてもよい。
非開口部の総面積に対する開口451の総面積の比の値が大きすぎると、液晶素子を用いた表示が暗くなってしまう。また、非開口部の総面積に対する開口451の総面積の比の値が小さすぎると、発光素子360を用いた表示が暗くなってしまう。
また、反射電極として機能する電極311bに設ける開口451の面積が小さすぎると、発光素子360が射出する光から取り出せる光の効率が低下してしまう。
開口451の形状は、例えば多角形、四角形、楕円形、円形または十字等の形状とすることができる。また、細長い筋状、スリット状、市松模様状の形状としてもよい。また、開口451を隣接する画素に寄せて配置してもよい。好ましくは、開口451を同じ色を表示する他の画素に寄せて配置する。これにより、クロストークを抑制できる。
[回路構成例]
図9は、画素410の構成例を示す回路図である。図9では、隣接する2つの画素410を示している。
画素410は、スイッチSW1、容量素子C1、液晶素子340、スイッチSW2、トランジスタM、容量素子C2、及び発光素子360等を有する。また、画素410には、配線G1、配線G2、配線ANO、配線CSCOM、配線S1、及び配線S2が電気的に接続されている。また、図12では、液晶素子340と電気的に接続する配線VCOM1、及び発光素子360と電気的に接続する配線VCOM2を示している。
図9では、スイッチSW1及びスイッチSW2に、トランジスタを用いた場合の例を示している。
スイッチSW1は、ゲートが配線G1と接続され、ソース又はドレインの一方が配線S1と接続され、ソース又はドレインの他方が容量素子C1の一方の電極、及び液晶素子340の一方の電極と接続されている。容量素子C1は、他方の電極が配線CSCOMと接続されている。液晶素子340は、他方の電極が配線VCOM1と接続されている。
またスイッチSW2は、ゲートが配線G2と接続され、ソース又はドレインの一方が配線S2と接続され、ソース又はドレインの他方が、容量素子C2の一方の電極、トランジスタMのゲートと接続されている。容量素子C2は、他方の電極がトランジスタMのソース又はドレインの一方、及び配線ANOと接続されている。トランジスタMは、ソース又はドレインの他方が発光素子360の一方の電極と接続されている。発光素子360は、他方の電極が配線VCOM2と接続されている。
図10(A)では、トランジスタMが半導体を挟む2つのゲートを有し、これらが接続されている例を示している。これにより、トランジスタMが流すことのできる電流を増大させることができる。
配線G1には、スイッチSW1を導通状態または非導通状態に制御する信号を与えることができる。配線VCOM1には、所定の電位を与えることができる。配線S1には、液晶素子340が有する液晶の配向状態を制御する信号を与えることができる。配線CSCOMには、所定の電位を与えることができる。
配線G2には、スイッチSW2を導通状態または非導通状態に制御する信号を与えることができる。配線VCOM2及び配線ANOには、発光素子360が発光する電位差が生じる電位をそれぞれ与えることができる。配線S2には、トランジスタMの導通状態を制御する信号を与えることができる。
図10に示す画素410は、例えば反射モードの表示を行う場合には、配線G1及び配線S1に与える信号により駆動し、液晶素子340による光学変調を利用して表示することができる。また、透過モードで表示を行う場合には、配線G2及び配線S2に与える信号により駆動し、発光素子360を発光させて表示することができる。また両方のモードで駆動する場合には、配線G1、配線G2、配線S1及び配線S2のそれぞれに与える信号により駆動することができる。
なお、図9では一つの画素410に、一つの液晶素子340と一つの発光素子360とを有する例を示したが、これに限られない。図10(A)は、一つの画素410に一つの液晶素子340と4つの発光素子360(発光素子360r、360g、360b、360w)を有する例を示している。図10(A)に示す画素410は、図9とは異なり、1つの画素でフルカラーの表示が可能な画素である。
図10(A)では図9の例に加えて、画素410に配線G3及び配線S3が接続されている。
図10(A)に示す例では、例えば4つの発光素子360を、それぞれ赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、及び白色(W)を呈する発光素子を用いることができる。また液晶素子340として、白色を呈する反射型の液晶素子を用いることができる。これにより、反射モードの表示を行う場合には、反射率の高い白色の表示を行うことができる。また透過モードで表示を行う場合には、演色性の高い表示を低い電力で行うことができる。
また、図10(B)には、画素410の構成例を示している。画素410は、電極311が有する開口部と重なる発光素子360wと、電極311の周囲に配置された発光素子360r、発光素子360g、及び発光素子360bとを有する。発光素子360r、発光素子360g、及び発光素子360bは、発光面積がほぼ同等であることが好ましい。
[表示装置の構成例4]
図11は、本発明の一態様の表示装置300の斜視概略図である。表示装置300は、基板351と基板361とが貼り合わされた構成を有する。図11では、基板361を破線で明示している。
表示装置300は、表示部362、回路部364、配線365、回路部366、配線367等を有する。基板351には、例えば回路部364、配線365、回路部366、配線367及び画素電極として機能する電極311b等が設けられる。また図11では基板351上にIC373、FPC372、IC375及びFPC374が実装されている例を示している。そのため、図11に示す構成は、表示装置300とIC373、FPC372、IC375及びFPC374を有する表示モジュールと言うこともできる。
回路部364は、例えば走査線駆動回路として機能する回路を用いることができる。
配線365は、表示部や回路部364に信号や電力を供給する機能を有する。当該信号や電力は、FPC372を介して外部、またはIC373から配線365に入力される。
また、図11では、COG(Chip On Glass)方式等により、基板351にIC373が設けられている例を示している。IC373は、例えば走査線駆動回路、または信号線駆動回路などとしての機能を有するICを適用できる。なお表示装置300が走査線駆動回路及び信号線駆動回路として機能する回路を備える場合や、走査線駆動回路や信号線駆動回路として機能する回路を外部に設け、FPC372を介して表示装置300を駆動するための信号を入力する場合などでは、IC373を設けない構成としてもよい。また、IC373を、COF(Chip On Film)方式等により、FPC372に実装してもよい。
図12には、表示部362の一部の拡大図を示している。表示部362には、複数の表示素子が有する電極311bがマトリクス状に配置されている。電極311bは、可視光を反射する機能を有し、後述する液晶素子340の反射電極として機能する。
また、図12に示すように、電極311bは開口を有する。さらに電極311bよりも基板351側に、発光素子360を有する。発光素子360からの光は、電極311bの開口を介して基板361側に射出される。
図12に、図11で例示した表示装置の、FPC372を含む領域の一部、回路部364を含む領域の一部、表示部362を含む領域の一部、回路部366を含む領域の一部、及びFPC374を含む領域の一部をそれぞれ切断したときの断面の一例を示す。
図12に示す表示装置は、表示パネル700と、表示パネル800とが積層された構成を有する。表示パネル700は、樹脂層701と樹脂層702を有する。表示パネル800は、樹脂層201と樹脂層202を有する。樹脂層702と樹脂層201とは、接着層50によって接着されている。また樹脂層701は、接着層51により基板351と接着されている。また樹脂層202は、接着層52により基板361と接着されている。
〔表示パネル700〕
表示パネル700は、樹脂層701、絶縁層478、複数のトランジスタ、容量素子405、絶縁層411、絶縁層412、絶縁層413、絶縁層414、絶縁層415、発光素子360、スペーサ416、接着層417、着色層425、遮光層426、絶縁層476、及び樹脂層702を有する。
回路部364はトランジスタ401を有する。表示部362は、トランジスタ402及びトランジスタ403を有する。
各トランジスタは、ゲート、絶縁層411、半導体層、ソース、及びドレインを有する。ゲートと半導体層は、絶縁層411を介して重なる。絶縁層411の一部は、ゲート絶縁層としての機能を有し、他の一部は、容量素子405の誘電体としての機能を有する。トランジスタ402のソース又はドレインとして機能する導電層は、容量素子405の一方の電極を兼ねる。
図12では、ボトムゲート構造のトランジスタを示す。回路部364と表示部362とで、トランジスタの構造が異なっていてもよい。回路部364及び表示部362は、それぞれ、複数の種類のトランジスタを有していてもよい。
容量素子405は、一対の電極と、その間の誘電体とを有する。容量素子405は、トランジスタのゲートと同一の材料、及び同一の工程で形成した導電層と、トランジスタのソース及びドレインと同一の材料、及び同一の工程で形成した導電層と、を有する。
絶縁層412、絶縁層413、及び絶縁層414は、それぞれ、トランジスタ等を覆って設けられる。トランジスタ等を覆う絶縁層の数は特に限定されない。絶縁層414は、平坦化層としての機能を有する。絶縁層412、絶縁層413、及び絶縁層414のうち、少なくとも一層には、水又は水素などの不純物が拡散しにくい材料を用いることが好ましい。外部から不純物がトランジスタに拡散することを効果的に抑制することが可能となり、表示装置の信頼性を高めることができる。
絶縁層414として有機材料を用いる場合、表示装置の端部に露出した絶縁層414を通って発光素子360等に表示装置の外部から水分等の不純物が侵入する恐れがある。不純物の侵入により、発光素子360が劣化すると、表示装置の劣化につながる。そのため、図12に示すように、絶縁層414が、表示装置の端部に位置しないことが好ましい。図12の構成では、有機材料を用いた絶縁層が表示装置の端部に位置しないため、発光素子360に不純物が侵入することを抑制できる。
発光素子360は、電極421、EL層422、及び電極423を有する。発光素子360は、光学調整層424を有していてもよい。発光素子360は、着色層425側に光を射出する、トップエミッション構造である。
トランジスタ、容量素子、及び配線等を、発光素子360の発光領域と重ねて配置することで、表示部362の開口率を高めることができる。
電極421及び電極423のうち、一方は、陽極として機能し、他方は、陰極として機能する。電極421及び電極423の間に、発光素子360の閾値電圧より高い電圧を印加すると、EL層422に陽極側から正孔が注入され、陰極側から電子が注入される。注入された電子と正孔はEL層422において再結合し、EL層422に含まれる発光物質が発光する。
電極421は、トランジスタ403のソース又はドレインと電気的に接続される。これらは、直接接続されてもよいし、他の導電層を介して接続されてもよい。電極421は、画素電極として機能し、発光素子360ごとに設けられている。隣り合う2つの電極421は、絶縁層415によって電気的に絶縁されている。
電極423は、共通電極として機能し、複数の発光素子360にわたって設けられている。電極423には、定電位が供給される。
発光素子360は、接着層417を介して着色層425と重なる。スペーサ416は、接着層417を介して遮光層426と重なる。図12では、電極423と遮光層426との間に隙間がある場合を示しているが、これらが接していてもよい。図12では、スペーサ416を基板351側に設ける構成を示したが、基板361側(例えば遮光層426よりも基板361側)に設けてもよい。
カラーフィルタ(着色層425)とマイクロキャビティ構造(光学調整層424)との組み合わせにより、表示装置からは、色純度の高い光を取り出すことができる。光学調整層424の膜厚は、各画素の色に応じて変化させる。
着色層425は特定の波長域の光を透過する有色層である。例えば、赤色、緑色、青色、又は黄色の波長域の光を透過するカラーフィルタなどを用いることができる。
なお、本発明の一態様は、カラーフィルタ方式に限られず、塗り分け方式、色変換方式、又は量子ドット方式等を適用してもよい。
遮光層426は、隣接する着色層425の間に設けられている。遮光層426は隣接する発光素子360からの光を遮光し、隣接する発光素子360間における混色を抑制する。ここで、着色層425の端部を、遮光層426と重なるように設けることにより、光漏れを抑制することができる。遮光層426としては、発光素子360が発する光を遮る材料を用いることができる。なお、遮光層426は、回路部364などの表示部362以外の領域に設けると、導波光などによる意図しない光漏れを抑制できるため好ましい。
樹脂層701の一方の表面には絶縁層478が形成されている。また、樹脂層702の一方の表面には絶縁層476が形成されている。絶縁層476及び絶縁層478に防湿性の高い膜を用いることが好ましい。一対の防湿性の高い絶縁層の間に発光素子360及びトランジスタ等を配置することで、これらの素子に水等の不純物が侵入することを抑制でき、表示装置の信頼性が高くなるため好ましい。
防湿性の高い絶縁膜としては、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜等の窒素と珪素を含む膜、及び、窒化アルミニウム膜等の窒素とアルミニウムを含む膜等が挙げられる。また、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等を用いてもよい。
例えば、防湿性の高い絶縁膜の水蒸気透過量は、1×10−5[g/(m2・day)]以下、好ましくは1×10−6[g/(m2・day)]以下、より好ましくは1×10−7[g/(m2・day)]以下、さらに好ましくは1×10−8[g/(m2・day)]以下とする。
接続部406は、配線365を有する。配線365は、トランジスタのソース及びドレインと同一の材料、及び同一の工程で形成することができる。接続部406は、回路部364に外部からの信号や電位を伝達する外部入力端子と電気的に接続する。ここでは、外部入力端子としてFPC372を設ける例を示している。接続層419を介してFPC372と接続部406は電気的に接続する。
接続層419としては、様々な異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)及び異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)などを用いることができる。
以上が表示パネル700についての説明である。
〔表示パネル800〕
表示パネル800は、縦電界方式が適用された反射型液晶表示装置である。
表示パネル800は、樹脂層201、絶縁層578、複数のトランジスタ、容量素子505、配線367、絶縁層511、絶縁層512、絶縁層513、絶縁層514、液晶素子529、配向膜564a、配向膜564b、接着層517、絶縁層576、及び樹脂層202を有する。
樹脂層201と樹脂層202とは、接着層517によって貼り合わされている。樹脂層201、樹脂層202、及び接着層517に囲まれた領域に、液晶563が封止されている。基板361の外側の面には、偏光板599が位置する。
液晶素子529は、電極311b、電極562、及び液晶563を有する。電極311bは画素電極として機能する。電極562は共通電極として機能する。電極311bと電極562との間に生じる電界により、液晶563の配向を制御することができる。液晶563と電極311bの間には配向膜564aが設けられている。液晶563と電極562の間には、配向膜564bが設けられている。
樹脂層202には、絶縁層576、電極562、及び配向膜564b等が設けられている。
樹脂層201には、電極311b、配向膜564a、トランジスタ501、トランジスタ503、容量素子505、接続部506、及び配線367等が設けられている。
樹脂層201上には、絶縁層511、絶縁層512、絶縁層513、絶縁層514等の絶縁層が設けられている。
ここで、トランジスタ503のソース又はドレインのうち、電極311bと電気的に接続されていない方の導電層は、信号線の一部として機能してもよい。また、トランジスタ503のゲートとして機能する導電層は、走査線の一部として機能してもよい。
図12では、回路部366の例としてトランジスタ501が設けられている例を示している。
各トランジスタを覆う絶縁層512、絶縁層513のうち少なくとも一方は、水や水素などの不純物が拡散しにくい材料を用いることが好ましい。
絶縁層514上には、電極311bが設けられている。電極311bは、絶縁層514、絶縁層513、絶縁層512等に形成された開口を介して、トランジスタ503のソース又はドレインの一方と電気的に接続されている。また電極311bは、容量素子505の一方の電極と電気的に接続されている。
表示パネル800は、反射型の液晶表示装置であるため、電極311bに可視光を反射する導電性材料を用い、電極562に可視光を透過する導電性材料を用いる。
可視光を透過する導電性材料としては、例えば、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)の中から選ばれた一種を含む材料を用いるとよい。具体的には、酸化インジウム、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)、インジウム亜鉛酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、酸化シリコンを含むインジウム錫酸化物(ITSO)、酸化亜鉛、ガリウムを含む酸化亜鉛などが挙げられる。なお、グラフェンを含む膜を用いることもできる。グラフェンを含む膜は、例えば酸化グラフェンを含む膜を還元して形成することができる。
可視光を反射する導電性材料としては、例えば、アルミニウム、銀、またはこれらの金属材料を含む合金等が挙げられる。そのほか、金、白金、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、もしくはパラジウム等の金属材料、またはこれら金属材料を含む合金を用いることができる。また、上記金属材料または合金に、ランタン、ネオジム、またはゲルマニウム等が添加されていてもよい。アルミニウムとチタンの合金、アルミニウムとニッケルの合金、アルミニウムとネオジムの合金、アルミニウム、ニッケル、及びランタンの合金(Al−Ni−La)等のアルミニウムを含む合金(アルミニウム合金)、銀と銅の合金、銀とパラジウムと銅の合金(Ag−Pd−Cu、APCとも記す)、銀とマグネシウムの合金等の銀を含む合金を用いてもよい。
ここで、偏光板599として直線偏光板を用いてもよいが、円偏光板を用いることもできる。円偏光板としては、例えば直線偏光板と1/4波長位相差板を積層したものを用いることができる。これにより、外光反射を抑制することができる。また、偏光板599の種類に応じて、液晶素子529に用いる液晶素子のセルギャップ、配向、駆動電圧等を調整することで、所望のコントラストが実現されるようにすればよい。
電極562は、樹脂層202の端部に近い部分において、樹脂層201側に設けられた導電層と接続体543により電気的に接続されている。これにより、樹脂層201側に配置されるFPC374やIC等から電極562に電位や信号を供給することができる。
接続体543としては、例えば導電性の粒子を用いることができる。導電性の粒子としては、有機樹脂またはシリカなどの粒子の表面を金属材料で被覆したものを用いることができる。金属材料としてニッケルや金を用いると接触抵抗を低減できるため好ましい。またニッケルをさらに金で被覆するなど、2種類以上の金属材料を層状に被覆させた粒子を用いることが好ましい。また接続体543として、弾性変形、または塑性変形する材料を用いることが好ましい。このとき導電性の粒子である接続体543は、図12に示すように上下方向に潰れた形状となる場合がある。こうすることで、接続体543と、これと電気的に接続する導電層との接触面積が増大し、接触抵抗を低減できるほか、接続不良などの不具合の発生を抑制することができる。
接続体543は、接着層517に覆われるように配置することが好ましい。例えば硬化前の接着層517に、接続体543を分散させておけばよい。
樹脂層201の端部に近い領域には、接続部506が設けられている。接続部506は、接続層519を介してFPC374と電気的に接続されている。
以上が表示パネル800についての説明である。
〔表示素子について〕
表示面側に位置する第1の画素が有する表示素子には、外光を反射して表示する素子を用いることができる。このような素子は、光源を持たないため、表示の際の消費電力を極めて小さくすることが可能となる。第1の画素が有する表示素子には、代表的には反射型の液晶素子を用いることができる。または、第1の画素が有する表示素子として、シャッター方式のMEMS(Micro Electro Mechanical System)素子、光干渉方式のMEMS素子の他、マイクロカプセル方式、電気泳動方式、エレクトロウェッティング方式、電子粉流体(登録商標)方式等を適用した素子などを用いることができる。
また、表示面側とは反対側に位置する第2の画素が有する表示素子は光源を有し、その光源からの光を利用して表示する素子を用いることができる。このような画素が射出する光は、その輝度や色度が外光に左右されることがないため、色再現性が高く(色域が広く)、且つコントラストの高い、つまり鮮やかな表示を行うことができる。第2の画素が有する表示素子には、例えばOLED(Organic Light Emitting Diode)、LED(Light Emitting Diode)、QLED(Quantum−dot Light Emitting Diode)などの自発光性の発光素子を用いることができる。または、第2の画素が有する表示素子として、光源であるバックライトと、バックライトからの光の透過光の光量を制御する透過型の液晶素子とを組み合わせたものを用いてもよい。
〔液晶素子〕
液晶素子としては、例えば垂直配向(VA:Vertical Alignment)モードが適用された液晶素子を用いることができる。垂直配向モードとしては、MVA(Multi−Domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ASV(Advanced Super View)モードなどを用いることができる。
また、液晶素子には、様々なモードが適用された液晶素子を用いることができる。例えばVAモードのほかに、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード等が適用された液晶素子を用いることができる。
なお、液晶素子は、液晶の光学的変調作用によって光の透過または非透過を制御する素子である。なお、液晶の光学的変調作用は、液晶にかかる電界(横方向の電界、縦方向の電界又は斜め方向の電界を含む)によって制御される。なお、液晶素子に用いる液晶としては、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、ゲスト・ホスト型液晶等を用いることができる。これらの液晶材料は、条件により、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す。
また、液晶材料としては、ポジ型の液晶、またはネガ型の液晶のいずれを用いてもよく、適用するモードや設計に応じて最適な液晶材料を用いればよい。
また、液晶の配向を制御するため、配向膜を設けることができる。なお、横電界方式を採用する場合、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改善するために数重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を液晶層に用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が短く、光学的等方性である。また、ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。また配向膜を設けなくてもよいのでラビング処理も不要となるため、ラビング処理によって引き起こされる静電破壊を防止することができ、作製工程中の液晶表示装置の不良や破損を軽減することができる。
反射型の液晶素子を用いる場合には、表示面側に偏光板を設ける。またこれとは別に、表示面側に光拡散板を配置すると、視認性を向上させられるため好ましい。
〔発光素子〕
発光素子としては、自発光が可能な素子を用いることができ、電流又は電圧によって輝度が制御される素子をその範疇に含んでいる。例えば、LED、QLED、有機EL素子、無機EL素子等を用いることができるが、実施の形態1及び実施の形態2で説明した発光素子を用いることが好ましい。
本実施の形態では、特に発光素子は、トップエミッション型の発光素子を用いることが好ましい。光を取り出す側の電極には、可視光を透過する導電膜を用いる。また、光を取り出さない側の電極には、可視光を反射する導電膜を用いることが好ましい。また、発光素子は、EL層を1つ有するシングル素子であってもよいし、複数のEL層が電荷発生層を介して積層されたタンデム素子であってもよい。
EL層は少なくとも発光層を有する。EL層は、発光層以外の層として、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、又はバイポーラ性の物質(電子輸送性及び正孔輸送性が高い物質)等を含む層をさらに有していてもよい。
EL層には先の実施の形態1で挙げた低分子系化合物、高分子系化合物、無機化合物を用いることができる。EL層を構成する層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
〔接着層〕
接着層としては、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。これら接着剤としてはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等が挙げられる。特に、エポキシ樹脂等の透湿性が低い材料が好ましい。また、二液混合型の樹脂を用いてもよい。また、接着シート等を用いてもよい。
また、上記樹脂に乾燥剤を含んでいてもよい。例えば、アルカリ土類金属の酸化物(酸化カルシウムや酸化バリウム等)のように、化学吸着によって水分を吸着する物質を用いることができる。または、ゼオライトやシリカゲル等のように、物理吸着によって水分を吸着する物質を用いてもよい。乾燥剤が含まれていると、水分などの不純物が素子に侵入することを抑制でき、表示パネルの信頼性が向上するため好ましい。
また、上記樹脂に屈折率の高いフィラーや光散乱部材を混合することにより、光取り出し効率を向上させることができる。例えば、酸化チタン、酸化バリウム、ゼオライト、ジルコニウム等を用いることができる。
〔接続層〕
接続層としては、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)や、異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)などを用いることができる。
〔着色層〕
着色層に用いることのできる材料としては、金属材料、樹脂材料、顔料または染料が含まれた樹脂材料などが挙げられる。
〔遮光層〕
遮光層として用いることのできる材料としては、カーボンブラック、チタンブラック、金属、金属酸化物、複数の金属酸化物の固溶体を含む複合酸化物等が挙げられる。遮光層は、樹脂材料を含む膜であってもよいし、金属などの無機材料の薄膜であってもよい。また、遮光層に、着色層の材料を含む膜の積層膜を用いることもできる。例えば、ある色の光を透過する着色層に用いる材料を含む膜と、他の色の光を透過する着色層に用いる材料を含む膜との積層構造を用いることができる。着色層と遮光層の材料を共通化することで、装置を共通化できるほか工程を簡略化できるため好ましい。
以上、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態で示した構成と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、実施の形態1及び実施の形態2に示す発光素子をその一部に含む電子機器について説明する。実施の形態1及び実施の形態2記載の発光素子は、本発明の一態様に係る発光素子を含むことから、発光効率が高く、信頼性の良好な発光素子であり、その結果、本実施の形態に記載の電子機器は、消費電力が低減された、信頼性の良好な表示部を有する電子機器とすることが可能である。
<表示モジュールに関する説明>
図13(A)に示す表示モジュール6000は、上部カバー6001と下部カバー6002との間に、FPC6005に接続された表示パネル6006、フレーム6009、プリント基板6010、及びバッテリ6011を有する。
例えば、本発明の一態様を用いて作製された表示装置を、表示パネル6006に用いることができる。これにより、高い歩留まりで表示モジュールを作製することができる。
上部カバー6001及び下部カバー6002は、表示パネル6006のサイズに合わせて、形状や寸法を適宜変更することができる。
また、表示パネル6006に重ねてタッチパネルを設けてもよい。タッチパネルとしては、抵抗膜方式または静電容量方式のタッチパネルを表示パネル6006に重畳して用いることができる。また、タッチパネルを設けず、表示パネル6006に、タッチパネル機能を持たせるようにすることも可能である。
フレーム6009は、表示パネル6006の保護機能の他、プリント基板6010の動作により発生する電磁波を遮断するための電磁シールドとしての機能を有する。またフレーム6009は、放熱板としての機能を有していてもよい。
プリント基板6010は、電源回路、ビデオ信号及びクロック信号を出力するための信号処理回路を有する。電源回路に電力を供給する電源としては、外部の商用電源であっても良いし、別途設けたバッテリ6011による電源であってもよい。バッテリ6011は、商用電源を用いる場合には、省略可能である。
また、表示モジュール6000は、偏光板、位相差板、プリズムシートなどの部材を追加して設けてもよい。
図13(B)は、光学式のタッチセンサを備える表示モジュール6000の断面概略図である。
表示モジュール6000は、プリント基板6010に設けられた発光部6015及び受光部6016を有する。また、上部カバー6001と下部カバー6002により囲まれた領域に一対の導光部(導光部6017a、導光部6017b)を有する。
上部カバー6001と下部カバー6002は、例えばプラスチック等を用いることができる。また、上部カバー6001と下部カバー6002とは、それぞれ薄く(例えば0.5mm以上5mm以下)することが可能である。そのため、表示モジュール6000を極めて軽量にすることが可能となる。また少ない材料で上部カバー6001と下部カバー6002を作製できるため、作製コストを低減できる。
表示パネル6006は、フレーム6009を間に介してプリント基板6010やバッテリ6011と重ねて設けられている。表示パネル6006とフレーム6009は、導光部6017a、導光部6017bに固定されている。
発光部6015から発せられた光6018は、導光部6017aにより表示パネル6006の上部を経由し、導光部6017bを通って受光部6016に達する。例えば指やスタイラスなどの被検知体により、光6018が遮られることにより、タッチ操作を検出することができる。
発光部6015は、例えば表示パネル6006の隣接する2辺に沿って複数設けられる。受光部6016は、発光部6015を挟んで対向する位置に複数設けられる。これにより、タッチ操作がなされた位置の情報を取得することができる。
発光部6015は、例えばLED素子などの光源を用いることができる。特に、発光部6015として、使用者に視認されず、且つ使用者にとって無害である赤外線を発する光源を用いることが好ましい。
受光部6016は、発光部6015が発する光を受光し、電気信号に変換する光電素子を用いることができる。好適には、赤外線を受光可能なフォトダイオードを用いることができる。
導光部6017a、導光部6017bとしては、少なくとも光6018を透過する部材を用いることができる。導光部6017a及び導光部6017bを用いることで、発光部6015と受光部6016とを表示パネル6006の下側に配置することができ、外光が受光部6016に到達してタッチセンサが誤動作することを抑制できる。特に、可視光を吸収し、赤外線を透過する樹脂を用いることが好ましい。これにより、タッチセンサの誤動作をより効果的に抑制できる。
本発明の一態様は少なくとも、表示パネル6006に用いることができる。
<電子機器に関する説明>
図14(A)乃至図14(G)は、電子機器を示す図である。これらの電子機器は、筐体9000、表示部9001、スピーカ9003、操作キー9005(電源スイッチ、又は操作スイッチを含む)、接続端子9006、センサ9007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン9008、等を有することができる。また、センサ9007は、脈拍センサや指紋センサ等のように生体情報を測定する機能を有してもよい。
図14(A)乃至図14(G)に示す電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチセンサ機能、カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、無線通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能、無線通信機能を用いて様々なデータの送信または受信を行う機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出して表示部に表示する機能、等を有することができる。なお、図14(A)乃至図14(G)に示す電子機器が有することのできる機能はこれらに限定されず、様々な機能を有することができる。また、図14(A)乃至図14(G)には図示していないが、電子機器には、複数の表示部を有する構成としてもよい。また、該電子機器にカメラ等を設け、静止画を撮影する機能、動画を撮影する機能、撮影した画像を記録媒体(外部またはカメラに内蔵)に保存する機能、撮影した画像を表示部に表示する機能、等を有していてもよい。
図14(A)乃至図14(G)に示す電子機器の詳細について、以下説明を行う。
図14(A)は、携帯情報端末9100を示す斜視図である。携帯情報端末9100が有する表示部9001は、可撓性を有する。そのため、湾曲した筐体9000の湾曲面に沿って表示部9001を組み込むことが可能である。また、表示部9001はタッチセンサを備え、指やスタイラスなどで画面に触れることで操作することができる。例えば、表示部9001に表示されたアイコンに触れることで、アプリケーションを起動することができる。
図14(B)は、携帯情報端末9101を示す斜視図である。携帯情報端末9101は、例えば電話機、手帳又は情報閲覧装置等から選ばれた一つ又は複数の機能を有する。具体的には、スマートフォンとして用いることができる。なお、携帯情報端末9101は、スピーカ9003、接続端子9006、センサ9007等を省略して図示しているが、図14(A)に示す携帯情報端末9100と同様の位置に設けることができる。また、携帯情報端末9101は、文字や画像情報をその複数の面に表示することができる。例えば、3つの操作ボタン9050(操作アイコンまたは単にアイコンともいう)を表示部9001の一の面に表示することができる。また、破線の矩形で示す情報9051を表示部9001の他の面に表示することができる。なお、情報9051の一例としては、電子メールやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)や電話などの着信を知らせる表示、電子メールやSNSなどの題名、電子メールやSNSなどの送信者名、日時、時刻、バッテリの残量、電波等の受信信号の強度を示す表示などがある。または、情報9051が表示されている位置に、情報9051の代わりに、操作ボタン9050などを表示してもよい。
筐体9000の材料としては、例えば、合金、プラスチック、セラミックス等を用いることができる。プラスチックとしては強化プラスチックを用いることもできる。強化プラスチックの一種である炭素繊維強化樹脂複合材(Carbon Fiber Reinforced Plastics:CFRP)は軽量であり、且つ、腐食しない利点がある。また、他の強化プラスチックとしては、ガラス繊維を用いた強化プラスチック、アラミド繊維を用い強化プラスチックをあげることができる。合金と比較して強い衝撃を受けた場合、繊維が樹脂から剥離する恐れがあるため、合金が好ましい。合金としては、アルミニウム合金やマグネシウム合金が挙げられるが、中でもジルコニウムと銅とニッケルとチタンを含む非晶質合金(金属ガラスとも呼ばれる)が弾性強度の点で優れている。この非晶質合金は、室温においてガラス遷移領域を有する非晶質合金であり、バルク凝固非晶質合金とも呼ばれ、実質的に非晶質原子構造を有する合金である。凝固鋳造法により、少なくとも一部の筐体の鋳型内に合金材料が鋳込まれ、凝固させて一部の筐体をバルク凝固非晶質合金で形成する。非晶質合金は、ジルコニウム、銅、ニッケル、チタン以外にもベリリウム、シリコン、ニオブ、ボロン、ガリウム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、コバルト、イットリウム、バナジウム、リン、炭素などを含んでもよい。また、非晶質合金は、凝固鋳造法に限定されず、真空蒸着法、スパッタ法、電解めっき法、無電解メッキ法などによって形成してもよい。また、非晶質合金は、全体として長距離秩序(周期構造)を持たない状態を維持するのであれば、微結晶またはナノ結晶を含んでもよい。なお、合金とは、単一の固体相構造を有する完全固溶体合金と、2つ以上の相を有する部分溶体の両方を含むこととする。筐体9000に非晶質合金を用いることで高い弾性を有する筐体を実現できる。従って、携帯情報端末9101を落下させても、筐体9000が非晶質合金であれば、衝撃が加えられた瞬間には一時的に変形しても元に戻るため、携帯情報端末9101の耐衝撃性を向上させることができる。
図14(C)は、携帯情報端末9102を示す斜視図である。携帯情報端末9102は、表示部9001の3面以上に情報を表示する機能を有する。ここでは、情報9052、情報9053、情報9054がそれぞれ異なる面に表示されている例を示す。例えば、携帯情報端末9102の使用者は、洋服の胸ポケットに携帯情報端末9102を収納した状態で、その表示(ここでは情報9053)を確認することができる。具体的には、着信した電話の発信者の電話番号又は氏名等を、携帯情報端末9102の上方から観察できる位置に表示する。使用者は、携帯情報端末9102をポケットから取り出すことなく、表示を確認し、電話を受けるか否かを判断できる。
図14(D)は、腕時計型の携帯情報端末9200を示す斜視図である。携帯情報端末9200は、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。また、表示部9001はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、携帯情報端末9200は、通信規格された近距離無線通信を実行することが可能である。例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。また、携帯情報端末9200は、接続端子9006を有し、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うことができる。また接続端子9006を介して充電を行うこともできる。なお、充電動作は接続端子9006を介さずに無線給電により行ってもよい。
図14(E)(F)(G)は、折り畳み可能な携帯情報端末9201を示す斜視図である。また、図14(E)が携帯情報端末9201を展開した状態の斜視図であり、図14(F)が携帯情報端末9201を展開した状態または折り畳んだ状態の一方から他方に変化する途中の状態の斜視図であり、図14(G)が携帯情報端末9201を折り畳んだ状態の斜視図である。携帯情報端末9201は、折り畳んだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では、継ぎ目のない広い表示領域により表示の一覧性に優れる。携帯情報端末9201が有する表示部9001は、ヒンジ9055によって連結された3つの筐体9000に支持されている。ヒンジ9055を介して2つの筐体9000間を屈曲させることにより、携帯情報端末9201を展開した状態から折りたたんだ状態に可逆的に変形させることができる。例えば、携帯情報端末9201は、曲率半径1mm以上150mm以下で曲げることができる。
また、電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、又はテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
また、本発明の一態様の電子機器は、二次電池を有していてもよく、非接触電力伝送を用いて、二次電池を充電することができると好ましい。
二次電池としては、例えば、ゲル状電解質を用いるリチウムポリマー電池(リチウムイオンポリマー電池)等のリチウムイオン二次電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、ニカド電池、有機ラジカル電池、鉛蓄電池、空気二次電池、ニッケル亜鉛電池、銀亜鉛電池などが挙げられる。
本発明の一態様の電子機器は、アンテナを有していてもよい。アンテナで信号を受信することで、表示部で映像や情報等の表示を行うことができる。また、電子機器が二次電池を有する場合、アンテナを、非接触電力伝送に用いてもよい。
図15(A)、(B)、(C)は、それぞれ折り畳みが可能な電子機器を示している。
図15(A)に示す電子機器900は、筐体901a、筐体901b、ヒンジ903、表示部902等を有する。表示部902は筐体901a及び筐体901bに、組み込まれている。
筐体901aと筐体901bとは、ヒンジ903で回転可能に連結されている。電子機器900は、筐体901aと筐体901bとが閉じた状態と、図15(A)に示すように開いた状態と、に変形することができる。これにより、持ち運ぶ際には可搬性に優れ、使用するときには大きな表示領域により、視認性に優れる。
また、ヒンジ903は、筐体901aと筐体901bとを開いたときに、これらの角度が所定の角度よりも大きい角度にならないように、ロック機構を有することが好ましい。例えば、ロックがかかる(それ以上に開かない)角度は、90度以上180度未満であることが好ましく、代表的には、90度、120度、135度、または150度、175度などとすることができる。これにより、利便性、安全性、及び信頼性を高めることができる。
表示部902は、タッチパネルとして機能し、指やスタイラスなどにより操作することができる。
筐体901aまたは筐体901bのいずれか一には、無線通信モジュールが設けられ、インターネットやLAN(Local Area Network)、Wi−Fi(登録商標)などのコンピュータネットワークを介して、データを送受信することが可能である。
表示部902には、一つのフレキシブルディスプレイで構成されていることが好ましい。これにより、筐体901aと筐体901bの間で途切れることのない連続した表示を行うことができる。なお、筐体901aと筐体901bのそれぞれに、ディスプレイが設けられる構成としてもよい。
図15(B)には、携帯型のゲーム機として機能する電子機器910を示している。電子機器910は、筐体911a、筐体911b、表示部912、ヒンジ913、操作ボタン914a、操作ボタン914b等を有する。
また、筐体911bには、カートリッジ915を挿入することができる。カートリッジ915は、例えばゲームなどのアプリケーションソフトが記憶されており、カートリッジ915を交換することにより、電子機器910で様々なアプリケーションを実行することができる。
また、図15(B)では、表示部912の筐体911aと重なる部分のサイズと、筐体911bと重なる部分のサイズが、それぞれ異なる例を示している。具体的には、操作ボタン914a及び操作ボタン914bの設けられる筐体911bと重なる表示部912の一部よりも、筐体911aに設けられる表示部912の一部が大きい。例えば、表示部912の筐体911a側に主画面となる表示を行い、筐体911b側には操作画面となる表示を行うなど、それぞれの表示部を使い分けることができる。
図15(C)に示す電子機器920は、ヒンジ923により連結された筐体921aと筐体921bに亘って、フレキシブルな表示部922が設けられている。
図15(C)では、筐体921aと筐体921bとを開いたときに、表示部922が大きく湾曲した形態で保持されている。例えば、曲率半径を1mm以上50mm以下、好ましくは5mm以上30mm以下の状態で、表示部922が保持された状態とすることができる。表示部922の一部は、筐体921aから筐体921bにかけて、連続的に画素が配置され、曲面状の表示を行うことができる。
ヒンジ923は、上述したロック機構を有しているため、表示部922に無理な力がかかることなく、表示部922が破損することを防ぐことができる。そのため、信頼性の高い電子機器を実現できる。
図16(A)はビデオカメラであり、筐体7701、筐体7702、表示部7703、操作キー7704、レンズ7705、接続部7706等を有する。操作キー7704及びレンズ7705は筐体7701に設けられており、表示部7703は筐体7702に設けられている。そして、筐体7701と筐体7702とは、接続部7706により接続されており、筐体7701と筐体7702の間の角度は、接続部7706により変更が可能である。表示部7703における映像を、接続部7706における筐体7701と筐体7702との間の角度にしたがって切り替える構成としてもよい。
図16(B)はノート型パーソナルコンピュータであり、筐体7121、表示部7122、キーボード7123、ポインティングデバイス7124等を有する。なお、表示部7122は、非常に画素密度が高く高精細とすることができるため、中小型でありながら8kの表示を行うことができ、非常に鮮明な画像を得ることができる。
図16(C)には、ヘッドマウントディスプレイ7200の外観を示している。
ヘッドマウントディスプレイ7200は、装着部7201、レンズ7202、本体7203、表示部7204、ケーブル7205等を有している。また装着部7201には、バッテリ7206が内蔵されている。
ケーブル7205は、バッテリ7206から本体7203に電力を供給する。本体7203は無線受信機等を備え、受信した画像データ等の映像情報を表示部7204に表示させることができる。また、本体7203に設けられたカメラで使用者の眼球やまぶたの動きを捉え、その情報をもとに使用者の視点の座標を算出することにより、使用者の視点を入力手段として用いることができる。
また、装着部7201には、使用者に触れる位置に複数の電極が設けられていてもよい。本体7203は使用者の眼球の動きに伴って電極に流れる電流を検知することにより、使用者の視点を認識する機能を有していてもよい。また、当該電極に流れる電流を検知することにより、使用者の脈拍をモニタする機能を有していてもよい。また、装着部7201には、温度センサ、圧力センサ、加速度センサ等の各種センサを有していてもよく、使用者の生体情報を表示部7204に表示する機能を有していてもよい。また、使用者の頭部の動きなどを検出し、表示部7204に表示する映像をその動きに合わせて変化させてもよい。
図16(D)に、カメラ7300の外観を示す。カメラ7300は、筐体7301、表示部7302、操作ボタン7303、シャッターボタン7304、結合部7305等を有する。またカメラ7300には、レンズ7306を取り付けることができる。
結合部7305は、電極を有し、後述するファインダー7400のほか、ストロボ装置等を接続することができる。
ここではカメラ7300として、レンズ7306を筐体7301から取り外して交換することが可能な構成としたが、レンズ7306と筐体7301が一体となっていてもよい。
シャッターボタン7304を押すことにより、撮像することができる。また、表示部7302はタッチセンサを有し、表示部7302を操作することにより撮像することも可能である。
表示部7302に、本発明の一態様の表示装置、またはタッチセンサを適用することができる。
図16(E)には、カメラ7300にファインダー7400を取り付けた場合の例を示している。
ファインダー7400は、筐体7401、表示部7402、ボタン7403等を有する。
筐体7401には、カメラ7300の結合部7305と係合する結合部を有しており、ファインダー7400をカメラ7300に取り付けることができる。また当該結合部には電極を有し、当該電極を介してカメラ7300から受信した映像等を表示部7402に表示させることができる。
ボタン7403は、電源ボタンとしての機能を有する。ボタン7403により、表示部7402の表示のオンとオフとを切り替えることができる。
なお、図16(D)(E)では、カメラ7300とファインダー7400とを別の電子機器とし、これらを脱着可能な構成としたが、カメラ7300の筐体7301に、本発明の一態様の表示装置、またはタッチセンサを備えるファインダーが内蔵されていてもよい。
図17(A)乃至(E)は、ヘッドマウントディスプレイ7500及び7510の外観を示す図である。
ヘッドマウントディスプレイ7500は、筐体7501、2つの表示部7502、操作ボタン7503、及びバンド状の固定具7504を有する。
ヘッドマウントディスプレイ7500は、上記ヘッドマウントディスプレイ7200が有する機能に加え、2つの表示部を備える。
2つの表示部7502を有することで、使用者は片方の目につき1つの表示部を見ることができる。これにより、視差を用いた3次元表示等を行う際であっても、高い解像度の映像を表示することができる。また、表示部7502は使用者の目を概略中心とした円弧状に湾曲している。これにより、使用者の目から表示部の表示面までの距離が一定となるため、使用者はより自然な映像を見ることができる。また、表示部からの光の輝度や色度が見る角度によって変化してしまうような場合であっても、表示部の表示面の法線方向に使用者の目が位置するため、実質的にその影響を無視することができるため、より現実感のある映像を表示することができる。
操作ボタン7503は、電源ボタンなどの機能を有する。また操作ボタン7503の他にボタンを有していてもよい。
また、ヘッドマウントディスプレイ7510は、筐体7501、表示部7502、バンド状の固定具7504、及び一対のレンズ7505を有する。
使用者は、レンズ7505を通して、表示部7502の表示を視認することができる。なお、表示部7502を湾曲して配置させると好適である。表示部7502を湾曲して配置することで、使用者が高い臨場感を感じることができる。
表示部7502に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。本発明の一態様の表示装置は、精細度を高くすることが可能なため、図17(E)のようにレンズ7505を用いて拡大したとしても、使用者に画素が視認されることなく、より現実感の高い映像を表示することができる。
図18(A)にテレビジョン装置の一例を示す。テレビジョン装置9300は、筐体9000に表示部9001が組み込まれている。ここでは、スタンド9301により筐体9000を支持した構成を示している。
図18(A)に示すテレビジョン装置9300の操作は、筐体9000が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機9311により行うことができる。または、表示部9001にタッチセンサを備えていてもよく、指等で表示部9001に触れることで操作してもよい。リモコン操作機9311は、当該リモコン操作機9311から出力する情報を表示する表示部を有していてもよい。リモコン操作機9311が備える操作キー又はタッチパネルにより、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部9001に表示される映像を操作することができる。
なお、テレビジョン装置9300は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができる。また、モデムを介して有線又は無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)又は双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
また、本発明の一態様の電子機器又は照明装置は可撓性を有するため、家屋やビルの内壁もしくは外壁、又は、自動車の内装もしくは外装の曲面に沿って組み込むことも可能である。
図18(B)に自動車9700の外観を示す。図18(C)に自動車9700の運転席を示す。自動車9700は、車体9701、車輪9702、ダッシュボード9703、ライト9704等を有する。本発明の一態様の表示装置又は発光装置等は、自動車9700の表示部などに用いることができる。例えば、図18(C)に示す表示部9710乃至表示部9715に本発明の一態様の表示装置又は発光装置等を設けることができる。
表示部9710と表示部9711は、自動車のフロントガラスに設けられた表示装置である。本発明の一態様の表示装置又は発光装置等は、電極や配線を、透光性を有する導電性材料で作製することによって、反対側が透けて見える、いわゆるシースルー状態とすることができる。表示部9710や表示部9711がシースルー状態であれば、自動車9700の運転時にも視界の妨げになることがない。よって、本発明の一態様の表示装置又は発光装置等を自動車9700のフロントガラスに設置することができる。なお、表示装置又は発光装置等を駆動するためのトランジスタなどを設ける場合には、有機半導体材料を用いた有機トランジスタや、酸化物半導体を用いたトランジスタなど、透光性を有するトランジスタを用いるとよい。
表示部9712はピラー部分に設けられた表示装置である。例えば、車体に設けられた撮像手段からの映像を表示部9712に映し出すことによって、ピラーで遮られた視界を補完することができる。表示部9713はダッシュボード部分に設けられた表示装置である。例えば、車体に設けられた撮像手段からの映像を表示部9713に映し出すことによって、ダッシュボードで遮られた視界を補完することができる。すなわち、自動車の外側に設けられた撮像手段からの映像を映し出すことによって、死角を補い、安全性を高めることができる。また、見えない部分を補完する映像を映すことによって、より自然に違和感なく安全確認を行うことができる。
また、図18(D)は、運転席と助手席にベンチシートを採用した自動車の室内を示している。表示部9721は、ドア部に設けられた表示装置である。例えば、車体に設けられた撮像手段からの映像を表示部9721に映し出すことによって、ドアで遮られた視界を補完することができる。また、表示部9722は、ハンドルに設けられた表示装置である。表示部9723は、ベンチシートの座面の中央部に設けられた表示装置である。なお、表示装置を座面や背もたれ部分などに設置して、当該表示装置を、当該表示装置の発熱を熱源としたシートヒーターとして利用することもできる。
表示部9714、表示部9715、または表示部9722はナビゲーション情報、スピードメーターやタコメーター、走行距離、給油量、ギア状態、エアコンの設定など、その他様々な情報を提供することができる。また、表示部に表示される表示項目やレイアウトなどは、使用者の好みに合わせて適宜変更することができる。なお、上記情報は、表示部9710乃至表示部9713、表示部9721、表示部9723にも表示することができる。また、表示部9710乃至表示部9715、表示部9721乃至表示部9723は照明装置として用いることも可能である。また、表示部9710乃至表示部9715、表示部9721乃至表示部9723は加熱装置として用いることも可能である。
図19(A)(B)に示す表示装置9500は、複数の表示パネル9501と、軸部9511と、軸受部9512と、を有する。また、複数の表示パネル9501は、表示領域9502と、透光性を有する領域9503と、を有する。
また、複数の表示パネル9501は、可撓性を有する。また、隣接する2つの表示パネル9501は、それらの一部が互いに重なるように設けられる。例えば、隣接する2つの表示パネル9501の透光性を有する領域9503を重ね合わせることができる。複数の表示パネル9501を用いることで、大画面の表示装置とすることができる。また、使用状況に応じて、表示パネル9501を巻き取ることが可能であるため、汎用性に優れた表示装置とすることができる。
また、図19(A)(B)においては、表示領域9502が隣接する表示パネル9501で離間する状態を図示しているが、これに限定されず、例えば、隣接する表示パネル9501の表示領域9502を隙間なく重ねあわせることで、連続した表示領域9502としてもよい。
本実施の形態において述べた電子機器は、何らかの情報を表示するための表示部を有する。ただし、本発明の一態様の発光素子は、表示部を有さない電子機器にも適用することができる。また、本実施の形態において述べた電子機器の表示部においては、可撓性を有し、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる構成、または折り畳み可能な表示部の構成について例示したが、これに限定されず、可撓性を有さず、平面部に表示を行う構成としてもよい。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光素子を有する発光装置について、図20及び図21を用いて説明する。
本実施の形態で示す、発光装置3000の斜視図を図20(A)に、図20(A)に示す一点鎖線E−F間に相当する断面図を図20(B)に、それぞれ示す。なお、図20(A)において、図面の煩雑さを避けるために、構成要素の一部を破線で表示している。
図20(A)(B)に示す発光装置3000は、基板3001と、基板3001上の発光素子3005と、発光素子3005の外周に設けられた第1の封止領域3007と、第1の封止領域3007の外周に設けられた第2の封止領域3009と、を有する。
また、発光素子3005からの発光は、基板3001及び基板3003のいずれか一方または双方から射出される。図20(A)(B)においては、発光素子3005からの発光が下方側(基板3001側)に射出される構成について説明する。
また、図20(A)(B)に示すように、発光装置3000は、発光素子3005が第1の封止領域3007と、第2の封止領域3009とに、囲まれて配置される二重封止構造である。二重封止構造とすることで、発光素子3005側に入り込む外部の不純物(例えば、水、酸素など)を、好適に抑制することができる。ただし、第1の封止領域3007及び第2の封止領域3009を、必ずしも設ける必要はない。例えば、第1封止領域3007のみの構成としてもよい。
なお、図20(B)において、第1の封止領域3007及び第2の封止領域3009は、基板3001及び基板3003と接して設けられる。ただし、これに限定されず、例えば、第1の封止領域3007及び第2の封止領域3009の一方または双方は、基板3001の上方に形成される絶縁膜、あるいは導電膜と接して設けられる構成としてもよい。または、第1の封止領域3007及び第2の封止領域3009の一方または双方は、基板3003の下方に形成される絶縁膜、あるいは導電膜と接して設けられる構成としてもよい。
基板3001及び基板3003としては、それぞれ先の実施の形態に記載の基板200と、基板220と同様の構成とすればよい。発光素子3005としては、先の実施の形態に記載の発光素子と同様の構成とすればよい。
第1の封止領域3007としては、ガラスを含む材料(例えば、ガラスフリット、ガラスリボン等)を用いればよい。また、第2の封止領域3009としては、樹脂を含む材料を用いればよい。第1の封止領域3007として、ガラスを含む材料を用いることで、生産性や封止性を高めることができる。また、第2の封止領域3009として、樹脂を含む材料を用いることで、耐衝撃性や耐熱性を高めることができる。ただし、第1の封止領域3007と、第2の封止領域3009とは、これに限定されず、第1の封止領域3007が樹脂を含む材料で形成され、第2の封止領域3009がガラスを含む材料で形成されてもよい。
また、上述のガラスフリットとしては、例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化セシウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化ホウ素、酸化バナジウム、酸化亜鉛、酸化テルル、酸化アルミニウム、二酸化珪素、酸化鉛、酸化スズ、酸化リン、酸化ルテニウム、酸化ロジウム、酸化鉄、酸化銅、二酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化タングステン、酸化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化リチウム、酸化アンチモン、ホウ酸鉛ガラス、リン酸スズガラス、バナジン酸塩ガラス又はホウケイ酸ガラス等を含む。赤外光を吸収させるため、少なくとも一種類以上の遷移金属を含むことが好ましい。
また、上述のガラスフリットとしては、例えば、基板上にフリットペーストを塗布し、これに加熱処理、またはレーザ照射などを行う。フリットペーストには、上記ガラスフリットと、有機溶媒で希釈した樹脂(バインダとも呼ぶ)とが含まれる。また、ガラスフリットにレーザ光の波長の光を吸収する吸収剤を添加したものを用いても良い。また、レーザとして、例えば、Nd:YAGレーザや半導体レーザなどを用いることが好ましい。また、レーザ照射の際のレーザの照射形状は、円形でも四角形でもよい。
また、上述の樹脂を含む材料としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミド等)、ポリイミド、ポリカーボネートまたはアクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂を用いることができる。もしくは、シリコーンなどのシロキサン結合を有する樹脂を含む材料を用いることができる。
なお、第1の封止領域3007及び第2の封止領域3009のいずれか一方または双方にガラスを含む材料を用いる場合、当該ガラスを含む材料と、基板3001との熱膨張率が近いことが好ましい。上記構成とすることで、熱応力によりガラスを含む材料または基板3001にクラックが入るのを抑制することができる。
例えば、第1の封止領域3007にガラスを含む材料を用い、第2の封止領域3009に樹脂を含む材料を用いる場合、以下の優れた効果を有する。
第2の封止領域3009は、第1の封止領域3007よりも、発光装置3000の外周部に近い側に設けられる。発光装置3000は、外周部に向かうにつれ、外力等による歪みが大きくなる。よって、歪みが大きくなる発光装置3000の外周部側、すなわち第2の封止領域3009に、樹脂を含む材料によって封止し、第2の封止領域3009よりも内側に設けられる第1の封止領域3007にガラスを含む材料を用いて封止することで、外力等の歪みが生じても発光装置3000が壊れにくくなる。
また、図20(B)に示すように、基板3001、基板3003、第1の封止領域3007、及び第2の封止領域3009に囲まれた領域には、第1の領域3011が形成される。また、基板3001、基板3003、発光素子3005、及び第1の封止領域3007に囲まれた領域には、第2の領域3013が形成される。
第1の領域3011及び第2の領域3013としては、例えば、希ガスまたは窒素ガス等の不活性ガスが充填されていると好ましい。あるいは、アクリルやエポキシ等の樹脂が充填されていると好ましい。なお、第1の領域3011及び第2の領域3013としては、大気圧状態よりも減圧状態であると好ましい。
また、図20(B)に示す構成の変形例を図20(C)に示す。図20(C)は、発光装置3000の変形例を示す断面図である。
図20(C)は、基板3003の一部に凹部を設け、該凹部に乾燥剤3018を設ける構成である。それ以外の構成については、図20(B)に示す構成と同じである。
乾燥剤3018としては、化学吸着によって水分等を吸着する物質、または物理吸着によって水分等を吸着する物質を用いることができる。例えば、乾燥剤3018として用いることができる物質としては、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類金属の酸化物(酸化カルシウムや酸化バリウム等)、硫酸塩、金属ハロゲン化物、過塩素酸塩、ゼオライト、シリカゲル等が挙げられる。
次に、図20(B)に示す発光装置3000の変形例について、図21(A)(B)(C)(D)を用いて説明する。なお、図21(A)(B)(C)(D)は、図20(B)に示す発光装置3000の変形例を説明する断面図である。
図21(A)(B)(C)(D)に示す発光装置は、第2の封止領域3009を設けずに、第1の封止領域3007とした構成である。また、図21(A)(B)(C)(D)に示す発光装置は、図20(B)に示す第2の領域3013の代わりに領域3014を有する。
領域3014としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミド等)、ポリイミド、ポリカーボネートまたはアクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂を用いることができる。もしくは、シリコーンなどのシロキサン結合を有する樹脂を含む材料を用いることができる。
領域3014として、上述の材料を用いることで、いわゆる固体封止の発光装置とすることができる。
また、図21(B)に示す発光装置は、図21(A)に示す発光装置の基板3001側に、基板3015を設ける構成である。
基板3015は、図21(B)に示すように凹凸を有する。凹凸を有する基板3015を、発光素子3005の光を取り出す側に設ける構成とすることで、発光素子3005からの光の取出し効率を向上させることができる。なお、図21(B)に示すような凹凸を有する構造の代わりに、拡散板として機能する基板を設けてもよい。
また、図21(C)に示す発光装置は、図21(A)に示す発光装置が基板3001側から光を取り出す構造であったのに対し、基板3003側から光を取り出す構造である。
図21(C)に示す発光装置は、基板3003側に基板3015を有する。それ以外の構成は、図21(B)に示す発光装置と同様である。
また、図21(D)に示す発光装置は、図21(C)に示す発光装置の基板3003、3015を設けずに、基板3016を設ける構成である。
基板3016は、発光素子3005の近い側に位置する第1の凹凸と、発光素子3005の遠い側に位置する第2の凹凸と、を有する。図21(D)に示す構成とすることで、発光素子3005からの光の取出し効率をさらに、向上させることができる。
したがって、本実施の形態に示す構成を実施することにより、水分や酸素などの不純物による発光素子の劣化が抑制された発光装置を実現することができる。または、本実施の形態に示す構成を実施することにより、光取出し効率の高い発光装置を実現することができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光素子を様々な照明装置及び電子機器に適用する一例について、図22及び図23を用いて説明する。
本発明の一態様の発光素子を、可撓性を有する基板上に作製することで、曲面を有する発光領域を有する電子機器、照明装置を実現することができる。
また、本発明の一態様の発光素子を適用した発光装置は、自動車の照明にも適用することができ、例えば、ダッシュボードや、フロントガラス、天井等に照明を設置することもできる。
図22(A)は、多機能端末3500の一方の面の斜視図を示し、図22(B)は、多機能端末3500の他方の面の斜視図を示している。多機能端末3500は、筐体3502に表示部3504、カメラ3506、照明3508等が組み込まれている。本発明の一態様の発光装置を照明3508に用いることができる。
照明3508は、本発明の一態様の発光装置を用いることで、面光源として機能する。したがって、LEDに代表される点光源と異なり、指向性が少ない発光が得られる。例えば、照明3508とカメラ3506とを組み合わせて用いる場合、照明3508を点灯または点滅させて、カメラ3506により撮像することができる。照明3508としては、面光源としての機能を有するため、自然光の下で撮影したような写真を撮影することができる。
なお、図22(A)、(B)に示す多機能端末3500は、図14(A)乃至図14(G)に示す電子機器と同様に、様々な機能を有することができる。
また、筐体3502の内部に、スピーカ、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン等を有することができる。また、多機能端末3500の内部に、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサを有する検出装置を設けることで、多機能端末3500の向き(縦か横か)を判断して、表示部3504の画面表示を自動的に切り替えるようにすることができる。
表示部3504は、イメージセンサとして機能させることもできる。例えば、表示部3504に掌や指で触れ、掌紋、指紋等を撮像することで、本人認証を行うことができる。また、表示部3504に近赤外光を発光するバックライト又は近赤外光を発光するセンシング用光源を用いれば、指静脈、掌静脈などを撮像することもできる。なお、表示部3504に本発明の一態様の発光装置を適用してもよい。
図22(C)は、防犯用のライト3600の斜視図を示している。ライト3600は、筐体3602の外側に照明3608を有し、筐体3602には、スピーカ3610等が組み込まれている。本発明の一態様の発光素子を照明3608に用いることができる。
ライト3600としては、例えば、照明3608を握持する、掴持する、または保持することで発光することができる。また、筐体3602の内部には、ライト3600からの発光方法を制御できる電子回路を備えていてもよい。該電子回路としては、例えば、1回または間欠的に複数回、発光が可能なような回路としてもよいし、発光の電流値を制御することで発光の光量が調整可能なような回路としてもよい。また、照明3608の発光と同時に、スピーカ3610から大音量の警報音が出力されるような回路を組み込んでもよい。
ライト3600としては、あらゆる方向に発光することが可能なため、例えば、暴漢等に向けて光、または光と音で威嚇することができる。また、ライト3600にデジタルスチルカメラ等のカメラ、撮影機能を有する機能を備えてもよい。
図23は、発光素子を室内の照明装置8501として用いた例である。なお、発光素子は大面積化も可能であるため、大面積の照明装置を形成することもできる。その他、曲面を有する筐体を用いることで、発光領域が曲面を有する照明装置8502を形成することもできる。本実施の形態で示す発光素子は薄膜状であり、筐体のデザインの自由度が高い。したがって、様々な意匠を凝らした照明装置を形成することができる。さらに、室内の壁面に大型の照明装置8503を備えても良い。また、照明装置8501、8502、8503に、タッチセンサを設けて、電源のオンまたはオフを行ってもよい。
また、発光素子をテーブルの表面側に用いることによりテーブルとしての機能を備えた照明装置8504とすることができる。なお、その他の家具の一部に発光素子を用いることにより、家具としての機能を備えた照明装置とすることができる。
以上のようにして、本発明の一態様の発光装置を適用して照明装置及び電子機器を得ることができる。なお、適用できる照明装置及び電子機器は、本実施の形態に示したものに限らず、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
また、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
本実施例では、本発明の一態様に係る有機化合物の一つである、3,5−ビス[3−(9H−2−メチルカルバゾール−9−イル)フェニル]ピリジン(略称:Me−35DCzPPy)(構造式(100))の合成方法と該化合物の物性について説明する。
<合成例1>
200mL三口フラスコに3,5−ジブロモピリジン1.5g(6.4mmol)、3−(2−メチルー9Hーカルバゾール−9−イル)フェニルボロン酸4.3g(14mmol)、トリ(オルトートリル)ホスフィン0.39g(1.3mmol)、炭酸カリウム3.5g(26mmol)、トルエン60mL、エタノール12mL、水6.0mLを加えた。この混合物を、減圧下で攪拌することで脱気し、フラスコ内を窒素置換した。この混合物に、酢酸パラジウム(II)58mg(0.26mmol)を加え、窒素気流下、80℃で44時間攪拌した。所定時間経過後、トルエンによる抽出を行い、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン)で精製し、黄色粉末を得た。この黄色粉末を酢酸エチルを用いて再結晶したところ、目的物の白色粉末を収量2.0g、収率54%で得た。本合成スキームを下式(A−1)に示す。
得られた白色粉末2.0gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は、圧力2.2Pa、アルゴン流量10ml/min、310℃で加熱して行った。昇華精製後に目的物の白色固体1.2g、回収率60%で得た。
得られた固体の核磁気共鳴分光法(1H NMR)による分析データを以下に示す。
1H NMR(クロロホルム−d,300MHz):δ=8.94(d、J=2.0Hz、2H)、8.14(t、J=1.9Hz、1H)、8.08−8.12(m、2H)、8.02(d、J=7.8Hz、2H)、7.83−7.86(m、2H)、7.72−7.77(m、4H)、7.60−7.67(m、2H)、7.33−7.44(m、4H)、7.27−7.31(m、2H)、7.20−7.24(m、2H)、7.10−7.14(m、2H).
また、得られた固体の1H NMRチャートを図24(A)及び図24(B)に示す。なお、図24(B)は図24(A)における7.0ppmから9.0ppmの範囲の拡大図である。測定結果から目的物である、Me−35DCzPPyが得られたことが分かった。
<Me−35DCzPPyの特性>
次に、本実施例で得られたMe−35DCzPPyを液体クロマトグラフ質量分析(Liquid Chromatography Mass Spectrometry,略称:LC/MS分析)によって分析した。
LC/MS分析は、LC(液体クロマトグラフィー)分離をウォーターズ社製Acquity UPLCにより、MS分析(質量分析)をウォーターズ社製Xevo G2 Tof MSにより行った。LC分離で用いたカラムはAcquity UPLC BEH C8 (2.1×100mm 1.7μm)、カラム温度は40℃とした。移動相は移動相Aをアセトニトリル、移動相Bを0.1%ギ酸水溶液とした。また、サンプルは任意の濃度のMe−35DCzPPyをトルエンに溶解し、アセトニトリルで希釈して調整し、注入量は5.0μLとした。
LC分離には移動相の組成を変化させるグラジエント法を用い、測定開始後0分から1分までが、移動相A:移動相B=65:35、その後組成を変化させ、10分における移動相Aと移動相Bとの比が移動相A:移動相B=95:5となるようにした。組成はリニアに変化させた。
MS分析では、エレクトロスプレーイオン化法(ElectroSpray Ionization(略称:ESI))によるイオン化を行った。この時のキャピラリー電圧は3.0kV、サンプルコーン電圧は30Vとし、検出はポジティブモードで行った。さらに、以上の条件でイオン化された成分を衝突室(コリジョンセル)内でアルゴンガスに衝突させてプロダクトイオンに解離させた。アルゴンを衝突させる際のエネルギー(コリジョンエネルギー)は70eVとした。なお、測定する質量範囲はm/z=100〜1200とした。図25に、解離させたプロダクトイオンを飛行時間(TOF)型MSで検出した結果を示す。
図25の結果から、Me−35DCzPPyは、主としてm/z=574付近、409付近、180付近にプロダクトイオンが検出されることがわかった。なお、図25に示す結果は、Me−35DCzPPyに由来する特徴的な結果を示すものであることから、混合物中に含まれるMe−35DCzPPyを同定する上での重要なデータであるといえる。
なお、m/z=574付近のプロダクトイオンは、C42H28N3・+(・+はラジカルカチオンを表す。)で表される、Me−35DCzPPyにおけるメチル基が脱離した状態のラジカルカチオンと推定され、m/z=409付近のプロダクトイオンは、C30H21N2・+で表される、Me−35DCzPPyにおける2−メチルカルバゾールが脱離した状態のラジカルカチオンと推定され、m/z=180付近のプロダクトイオンは、C13H10N・+で表される、Me−35DCzPPyにおける2−メチルカルバゾールのラジカルカチオンと推定され、Me−35DCzPPyが2−メチルカルバゾール骨格を含んでいることを示唆するものである。なお、プロトンの付加、脱離体として、プロダクトイオンの±1が検出される可能性もある。
次に、トルエン溶液中のMe−35DCzPPyの吸収スペクトル及び発光スペクトルを図26に示す。また、薄膜の吸収スペクトルと発光スペクトルを図27に示す。固体薄膜は石英基板上に真空蒸着法にて作成した。トルエン溶液の吸収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計((株)日本分光製 V550型)を用いた。トルエンのみを石英セルに入れて測定したトルエンの吸収スペクトルを、Me−35DCzPPyのトルエン溶液の吸収スペクトルから差し引くことで、図26に示すMe−35DCzPPy溶液の吸収スペクトルを得た。また、薄膜の吸収スペクトルの測定には、分光光度計((株)日立ハイテクノロジーズ製 分光光度計U4100)を用いた。また、発光スペクトルの測定には、蛍光光度計((株)浜松ホトニクス製 FS920)を用いた。
図26より、Me−35DCzPPyのトルエン溶液は323nm、338nm付近に吸収ピークが見られ、同様に図26より、発光波長のピークは373nm(励起波長333nm)であった。また、図27より、Me−35DCzPPyの薄膜は210nm、243nm、295nm、326nm、338nm付近に吸収ピークが見られ、同様に図27より、発光波長のピークは350nm、382nm付近(励起波長300nm)に見られた。よって本発明の一態様であるMe−35DCzPPyは発光するため、発光材料としても用いることができることがわかった。
またMe−35DCzPPyの薄膜の燐光スペクトルを測定し、T1準位を求めた。測定には、顕微PL装置 LabRAM HR−PL ((株)堀場製作所)を用い、測定温度は10K、励起光としてHe−Cdレーザー(325nm)を用い、検出器にはCCD検出器を用いた。この燐光の短波長側の第一ピークは451nm(2.75eV)であり、高いT1準位を有し、青色の燐光発光中心材料のホストとして好適であることが分かった。
本実施例では、本発明の一態様に係る有機化合物を含む発光素子の作製例と、当該発光素子の特性について説明する。本実施例で作製した素子構造の断面図を図28に示す。また、素子構造の詳細を表2及び表3に示す。また、使用した化合物の構造と略称を以下に示す。なお、他の有機化合物については先の実施例及び実施の形態1を参照すればよい。
本実施例では発光素子1乃至発光素子6を作製し、発光素子1には発光層のホスト材料及び電子輸送層として35DCzPPyのみを使用し、発光素子2乃至発光素子6には発光層のホスト材料及び電子輸送層材料の蒸着源として35DCzPPyとMe−35DCzPPyをそれぞれ使用した。各素子における35DCzPPyとMe−35DCzPPyの混合比率は表2及び表3に示す通りである。
本実施例でホスト材料及び電子輸送層材料として用いた35DCzPPyとMe−35DCzPPyの物性値を表4に示す。物性値はHOMO準位に小さな差が見られる程度である。
<発光素子の作製>
≪発光素子1乃至発光素子6の作製≫
ガラス基板上に電極101として、ITSO膜を厚さが70nmになるように形成した。なお、電極101の電極面積は、4mm2(2mm×2mm)とした。
次に、電極101上に正孔注入層111として、1,3,5−トリ(ジベンゾチオフェン−4−イル)ベンゼン(略称:DBT3P−II)と、MoO3と、を重量比(DBT3P−II:MoO3)が1:0.5になるように、且つ厚さが20nmになるように共蒸着した。
次に、正孔注入層111上に正孔輸送層112として、9−フェニル−9H−3−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)カルバゾール(略称:PCCP)を厚さが20nmになるように蒸着した。
次に、正孔輸送層112上に発光層160(1)として、PCCPと、35DCzPPy、Me−35DCzPPyと、トリス{2−[5−(2−メチルフェニル)−4−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル−κN2]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:Ir(mpptz−diPrp)3を重量比が1:0.3×(1−x):0.3x:0.06になるように、且つ厚さが30nmになるように共蒸着し、続いて発光層160(2)として、重量比(35DCzPPy:Me−35DCzPPy:Ir(mpptz−diPrp)3)が1−x:x:0.06になるように、且つ厚さが10nmになるように共蒸着した。なお、発光層160(1)及び発光層160(2)において、Ir(mpptz−diPrp)3が燐光発光を呈するゲスト材料である。なお、xの値は各発光素子によって異なり、各発光素子におけるxの値は表3に示す値である。
次に、発光層160(2)上に、第1の電子輸送層118(1)として、35DCzPPy:Me−35DCzPPyを重量比が1−x:xになるように、且つ厚さが10nmになるように共蒸着した。続けて、第1の電子輸送層118(1)上に第2の電子輸送層118(2)として、バソフェナントロリン(略称:BPhen)を膜厚15nmとなるように、蒸着した。なお、xの値は各発光素子によって異なり、各発光素子におけるxの値は表3に示す値である。
次に、第2の電子輸送層118(2)上に、電子注入層119として、フッ化リチウム(LiF)を厚さが1nmになるように蒸着した。
次に、電子注入層119上に、電極102として、アルミニウム(Al)を厚さが200nmになるように形成した。
次に、窒素雰囲気のグローブボックス内において、有機EL用封止材を用いて封止するためのガラス基板を、有機材料を形成したガラス基板に固定することで、発光素子1乃至6を封止した。具体的には、有機材料を形成したガラス基板上の有機材料の周囲に封止材を塗布し、該基板と封止するためのガラス基板とを貼り合わせ、波長が365nmの紫外光を6J/cm2照射し、80℃にて1時間熱処理した。以上の工程により発光素子1乃至発光素子6を得た。
<発光素子の特性>
次に、上記作製した発光素子1乃至発光素子6の特性を測定した。輝度及びCIE色度の測定には色彩輝度計(トプコン社製、BM−5A)を用い、電界発光スペクトルの測定にはマルチチャンネル分光器(浜松ホトニクス社製、PMA−11)を用いた。
発光素子1乃至発光素子6の電流効率−輝度特性を図29に示す。また、輝度−電圧特性を図30に示す。また、外部量子効率−輝度特性を図31に示す。なお、各発光素子の測定は室温(23℃に保たれた雰囲気)で行った。
また、1000cd/m2付近における、発光素子1乃至発光素子6の素子特性を表5に示す。
また、発光素子1乃至発光素子6の2.5mA/cm2の電流密度で電流を流した際の電界発光スペクトルを図32示す。
図29乃至図32及び表3で示すように、発光素子1乃至発光素子6の外部量子効率の最大値はそれぞれ26%以上であり、発光素子1乃至発光素子6はそれぞれ非常に高い外部量子効率を示した。中でも、Me−35DCzPPyの含有率が0である発光素子1の外部量子効率が特に高い値を示した。
また、表5より発光素子1乃至発光素子6はそれぞれ1000cd/m2付近で4.6V以下と青色燐光素子としては駆動電圧が低く、良好な電力効率を示した。35DCzPPyとMe−35DCzPPyの混合比で駆動電圧に大きな差は見られなかった。
また、図32より発光素子1乃至発光素子6の電界発光スペクトルはそれぞれ、474nm及び501nm付近にスペクトルピークを有し、半値全幅はそれぞれ68nm程度であったため、発光素子1乃至発光素子6は水色の発光を示した。35DCzPPyとMe−35DCzPPyの混合比で電界発光スペクトルに大きな差は見られなかった。
<発光素子の信頼性>
次に、発光素子1乃至発光素子6の2.5mA/cm2における定電流駆動試験を行った。その結果を図33に示す。図33から分かるように発光素子1乃至発光素子4の劣化曲線はほぼ同一であり、その輝度半減寿命はいずれも500時間程度の良好な信頼性を示すことが分かった。一方、発光素子5及び発光素子6では35DCzPPyに対するMe−35DCzPPyの比率が高い素子ほど、輝度半減寿命が短くなっており、発光素子1乃至発光素子4と比較して輝度半減寿命が短くなっている。すなわち、発光素子中のMe−35DCzPPyの含有率が35DCzPPyに対して10%までは信頼性に大きな差は見られないが、10%より大きくなると、発光素子の信頼性に影響を与えることが分かった。これは、上述の水素原子移動反応の影響がMe−35DCzPPyの含有率が35DCzPPyに対して10%より大きい濃度において影響が出てくるためと考えられる。
従って、カルバゾール骨格中の水素原子がアルキル基で置き換わった有機化合物の含有率をホスト材料の10%より少なくすることが、良好な信頼性を有する発光素子を得るために好適であることが示された。