以下、本発明の実施の形態について説明する。ただし、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、本明細書で説明する各図において、陽極、EL層、中間層、陰極などの大きさや厚さは、個々に説明の明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしも各構成要素はその大きさに限定されず、また各構成要素間での相対的な大きさに限定されない。
また、本明細書等において、第1、第2、第3などとして付される序数詞は、便宜上用いるものであって工程の順番や上下の位置関係などを示すものではない。そのため、例えば、「第1の」を「第2の」又は「第3の」などと適宜置き換えて説明することができる。また、本明細書等に記載されている序数詞と、本発明の一態様を特定するために用いられる序数詞は一致しない場合がある。
また、本明細書等で説明する本発明の構成において、同一部分又は同様の機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を有する部分を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
また、本明細書において色とは、色相(単色光の波長に相当)、彩度(あざやかさ即ち白みを帯びていない度合)及び明度(明るさ即ち光の強弱)の三要素によって規定されたものである。また、本明細書において色とは、上述の三要素のうちのいずれか一つの要素のみ、または任意で選んだ2つの要素のみを示してもよい。また、本明細書において、2つの光の色が異なるとは、上述の三要素のうちいずれか少なくとも一つが異なることをいい、さらに、2つの光のスペクトルの形状若しくは各ピークの相対強度比の分布が異なることをも含む。
なお、本明細書において、「膜」という言葉と、「層」という言葉とは、場合によっては、または、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
なお、本明細書において、縮合環とは2個以上の炭素環化合物どうし、または、2個以上の複素環化合物どうし、または、2個以上の炭素環化合物と複素環化合物が、互いに2個以上の原子を共有して結合した有機化合物である。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る有機化合物について、以下説明する。
本発明の一態様に係る有機化合物は、下記一般式(G0)で表される。
一般式(G0)において、Aは、一つまたは二つの縮合環を含む置換基を、少なくとも有するベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン骨格、もしくは、一つまたは二つの縮合環を含む置換基を少なくとも有するベンゾチエノ[3,2−d]ピリミジン骨格を表し、R1乃至R15は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6乃至13のアリール基、のいずれかを表し、Arは、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリーレン基、または単結合を表す。
この場合、一般式(G0)におけるArは、該ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン骨格または該ベンゾチエノ[3,2−d]ピリミジン骨格の4位に結合することが好ましい。
ビカルバゾール骨格が、ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン骨格またはベンゾチエノ[3,2−d]ピリミジン骨格の4位において、直接もしくはアリーレン基を介して結合する構造は、電気化学的な安定性が高く、キャリア輸送性が高く、信頼性が高く、駆動電圧が低い発光素子を提供できるため好ましい。さらに、該ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン骨格またはベンゾチエノ[3,2−d]ピリミジン骨格が、一つまたは二つの縮合環を含む置換基を有することにより、電気化学的な安定性向上及び膜質の改善に効果的であり、発光素子の信頼性を向上させることができる。
また、本発明の一態様に係る有機化合物は、下記一般式(G1)で表される。
一般式(G1)において、Qは、酸素または硫黄を表し、R1乃至R15は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6乃至13のアリール基、のいずれかを表し、R16乃至R20のいずれか一は、一つまたは二つの縮合環を含む置換基を表し、その他はそれぞれ独立に、水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6乃至13のアリール基、のいずれかを表し、Arは、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリーレン基、または単結合を表す。
また、本発明の一態様に係る有機化合物は、下記一般式(G2)で表される。
一般式(G2)において、Qは、酸素または硫黄を表し、R1乃至R19は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6乃至13のアリール基、のいずれかを表し、Arは、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリーレン基、または単結合を表し、Bは一つまたは二つの縮合環を含む置換基を表す。
一般式(G1)及び(G2)で示したように、ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン骨格またはベンゾチエノ[3,2−d]ピリミジン骨格の6乃至9位に一つまたは二つの縮合環を含む置換基を有する構造は、特に電気化学的な安定性の向上及び膜質の改善に効果的であり、発光素子の信頼性を飛躍的に向上させることができる。
また、本発明の一態様に係る有機化合物は、下記一般式(G3)で表される。一般式(G3)で示す通り、上述した一つまたは二つの縮合環を含む置換基は、ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン骨格またはベンゾチエノ[3,2−d]ピリミジン骨格の8位に結合することが好ましい。このような構造は、電気化学的な安定性や膜質に優れるだけでなく、高いT1準位を発現することができる。
一般式(G3)において、Qは、酸素または硫黄を表し、R1乃至R19はそれぞれ独立に、水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6乃至13のアリール基、のいずれかを表し、Arは、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリーレン基、または単結合を表し、Bは一つまたは二つの縮合環を含む置換基を表す。
上記構成において、該縮合環が小さすぎると効果が小さく、大きすぎると昇華性や溶解性を低下させてしまう。したがって、縮合環を形成する炭素数は10乃至20であることが好ましい。このような縮合環としては、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、トリフェニレン環のような縮合芳香環や、カルバゾール環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ベンゾナフトフラン環、ベンゾナフトチオフェン環、インドロカルバゾール環、ベンゾフロカルバゾール環、ベンゾチエノカルバゾール環、インデノカルバゾール環、ジベンゾカルバゾール環のような縮合複素芳香環が挙げられる。なお、一つまたは二つの縮合環を含む置換基(一般式(G2)(G3)におけるB)は、これらの縮合芳香環や縮合複素芳香環のみならず、ベンゼン環を含んでいても良い。すなわち、置換もしくは無置換の該縮合芳香環、置換もしくは無置換の該縮合複素芳香環、及び置換もしくは無置換のベンゼン環を組み合わせて、一つまたは二つの縮合環を含む置換基(一般式(G2)(G3)におけるB)を構成しても良い。例えば、該縮合複素芳香環が、フェニレン基やビフェニルジイル基を介してベンゾフロピリミジン骨格やベンゾチエノピリミジン骨格に結合しても良い。
上記構成において、縮合環がカルバゾール骨格、ジベンゾチオフェン骨格、ジベンゾフラン骨格のいずれか一を含むと、本発明の一態様に係る有機化合物は電気化学的安定性が高く、キャリア輸送性も高いため好ましい。また、これらの骨格であれば、高いT1準位を保つことが容易となる。
また、本発明の一態様に係る有機化合物は、下記一般式(G4)で表される。ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン骨格またはベンゾチエノ[3,2−d]ピリミジン骨格の8位にカルバゾール骨格を有する置換基を有する構造は、特に高いT1準位を有するため好ましい。
一般式(G4)において、Qは、酸素または硫黄を表し、R1乃至R27はそれぞれ独立に、水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6乃至13のアリール基、のいずれかを表し、Arは、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリーレン基、または単結合を表す
また、本発明の一態様に係る有機化合物は、下記一般式(G5)で表される。ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン骨格またはベンゾチエノ[3,2−d]ピリミジン骨格の8位にカルバゾール骨格を有する置換基を有する構造は、特に高いT1準位を有するため好ましい。
一般式(G5)において、Qは、酸素または硫黄を表し、R1乃至R34はそれぞれ独立に、水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6乃至13のアリール基、のいずれかを表し、Arは、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリーレン基、または単結合を表す。
また、本発明の一態様に係る有機化合物は、下記一般式(G6)で表される。ビカルバゾール骨格が、2,3’−ビ−9H−カルバゾール骨格であると、特に高いキャリア輸送性を有するため好ましい。
一般式(G6)において、Qは、酸素または硫黄を表し、R15は、水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6乃至13のアリール基、のいずれかを表し、Arは、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリーレン基、または単結合を表す。
また、本発明の一態様に係る有機化合物は、下記一般式(G7)で表される。ビカルバゾール骨格が、2,3’−ビ−9H−カルバゾール骨格であると、特に高いキャリア輸送性を有するため好ましい。
一般式(G7)において、Qは、酸素または硫黄を表し、R15及びR34はそれぞれ独立に、水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6乃至13のアリール基、のいずれかを表し、Arは、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリーレン基、または単結合を表す。
また、一般式(G0)乃至(G7)において、Arは置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリーレン基を表すが、該アリーレン基としては例えば、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニルジイル基、フルオレンジイル基、スピロフルオレンジイル基などが挙げられる。より具体的には例えば、下記構造式(Ar−1)乃至(Ar−27)で表される基を適用することができる。なお、Arで表される基はこれらに限定されず、置換基を有していても良い。
また、一般式(G0)乃至(G7)において、R1乃至R34は水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6乃至13のアリール基を表す。該アルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができ、該シクロアルキル基としては例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができ、該アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、フルオレニル基などを挙げることができる。例えば、下記構造式(R−1)乃至(R−27)で表される基が挙げられる。なお、R1乃至R34で表される基はこれらに限定されない。
また、縮合環が置換基を有する場合、その置換基としては、例えば、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至7のシクロアルキル基、炭素数6乃至13のアリール基を挙げることができる。例えば下記構造式(R−1)乃至(R−27)で表される基が挙げられるが、これらに限定されない。
<化合物の具体例>
一般式(G0)乃至(G7)として表される化合物の具体的な構造としては、下記構造式(101)乃至(152)で表される化合物等を挙げることができる。なお、一般式(G0)乃至(G7)として表される化合物は、下記例示に限られない。
本発明の一態様に係る有機化合物は、ビカルバゾール骨格を有し、ベンゾフロピリミジン骨格またはベンゾチエノピリミジン骨格と、一つまたは二つの縮合環を有する置換基とを有する。本発明の一態様に係る有機化合物は、広いバンドギャップを有することから、当該化合物を発光素子に用いることで、発光効率の良好な発光素子を提供することができる。また、本発明の一態様に係る有機化合物は、キャリア輸送性に優れることから、当該化合物を発光素子に用いることで、駆動電圧の低減された発光素子を提供することができる。また、本発明の一態様に係る有機化合物は、酸化及び還元の繰返しに良好な耐性を有することから、当該化合物を発光素子に用いることで、信頼性の良好な発光素子を提供することができる。
発光素子のホスト材料や電子輸送性材料は一般に芳香族化合物に代表される、π共役系が分子全体に広がった化合物が用いられる。特に、π電子不足化合物が好適に用いられる。π電子不足化合物の中でも、ジアジン骨格を有する縮合複素環骨格は高いT1準位を有し、安定で信頼性が良好なため好ましい。さらに、ベンゾフロピリミジン骨格及びベンゾチエノピリミジン骨格は、アクセプター性が高いため特に好ましい。
ここで、本発明者らは、ビカルバゾール骨格を有し、ベンゾフロピリミジン骨格またはベンゾチエノピリミジン骨格と、一つまたは二つの縮合環を有する置換基と、を有する有機化合物は高いT1準位を有し、発光素子のホスト材料として好適に用いることができ、さらに、該有機化合物をホスト材料に用いた発光素子は良好な信頼性を有することを見出した。
ベンゾフロピリミジン骨格としては、ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン骨格が安価に手に入るため好ましい。また、ベンゾチエノピリミジン骨格としては、ベンゾチエノ[3,2−d]ピリミジン骨格が安価に手に入るため好ましい。
また、ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン骨格またはベンゾチエノ[3,2−d]ピリミジン骨格が、一つまたは二つの縮合環を含む置換基を有する構造は、電気化学的な安定性向上及び膜質の改善に効果的であり、発光素子の信頼性を向上させることができるため好ましい。
ビカルバゾール骨格が、ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン骨格またはベンゾチエノ[3,2−d]ピリミジン骨格の4位において、直接もしくはアリーレン基を介して結合する構造は、電気化学的な安定性が高く、キャリア輸送性が高く、信頼性が高く、駆動電圧が低い発光素子を提供できるため好ましい。
また、ビカルバゾール骨格と、ベンゾフロピリミジン骨格またはベンゾチエノピリミジン骨格とが直接結合する場合、比較的低分子量の化合物となるため、真空蒸着に適した構造となるため、発光素子材料として好ましい。なお、一般には、分子量が低いと成膜後の耐熱性が低くなることが多いが、本発明の一態様の化合物は、ベンゾフロピリミジン骨格、ベンゾチエノピリミジン骨格、及びビカルバゾール骨格が剛直な骨格であるため、分子量が比較的低くても十分な耐熱性を有することが可能となる。また、当該構造は、バンドギャップが大きくなり励起エネルギー準位が高くなるため、好ましい。
また、ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン骨格またはベンゾチエノ[3,2−d]ピリミジン骨格の6乃至9位に一つまたは二つの縮合環を含む置換基を有する構造は、特に電気化学的な安定性の向上及び膜質の改善に効果的であり、発光素子の信頼性を飛躍的に向上させることができるため好ましい。
該縮合環を形成する炭素数が過剰な場合、キャリア輸送性を阻害する場合がある。そのため、該縮合環骨格は炭素数が10乃至20であると好ましい。
このような縮合環としては上述の通り、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、トリフェニレン環のような縮合芳香環や、カルバゾール環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ベンゾナフトフラン環、ベンゾナフトチオフェン環、インドロカルバゾール環、ベンゾフロカルバゾール環、ベンゾチエノカルバゾール環、インデノカルバゾール環、ジベンゾカルバゾール環のような縮合複素芳香環が挙げられる。なお、一つまたは二つの縮合環を含む置換基(一般式(G2)(G3)におけるB)は、これらの縮合芳香環や縮合複素芳香環のみならず、ベンゼン環を含んでいても良い。すなわち、置換もしくは無置換の該縮合芳香環、置換もしくは無置換の該縮合複素芳香環、及び置換もしくは無置換のベンゼン環を組み合わせて、一つまたは二つの縮合環を含む置換基(一般式(G2)(G3)におけるB)を構成しても良い。例えば、該縮合複素芳香環が、フェニレン基やビフェニルジイル基を介してベンゾフロピリミジン骨格やベンゾチエノピリミジン骨格に結合しても良い。
また、該縮合環がカルバゾール骨格、ベンゾチオフェン骨格、ジベンゾフラン骨格のいずれか一を含むと、本発明の一態様に係る有機化合物はT1準位が高く、電気化学的安定性が高く、キャリア輸送性も高いため好ましい。
また、本発明の一態様に係る有機化合物は、一分子内に電子輸送性を有するベンゾフロピリミジン骨格と、正孔輸送性を有するカルバゾール骨格の両方を含むため、バイポーラ材料と見なすことができる。このような材料は良好なキャリア輸送性を有するため、発光素子のホスト材料として用いることによって、駆動電圧が低い発光素子を提供できるため好ましい。
また、本発明の一態様に係る有機化合物は、π電子過剰型複素芳香環(ビカルバゾール骨格)とπ電子不足型複素芳香環(ベンゾフロピリミジン骨格またはベンゾチエノピリミジン骨格)とを有する。そのため、分子内でドナー−アクセプター型の励起状態を形成しやすい。さらに、π電子過剰型複素芳香環(ビカルバゾール骨格)とπ電子不足型複素芳香環(ベンゾフロピリミジン骨格またはベンゾチエノピリミジン骨格)とが、直接またはアリーレン基を介して結合する構造とすることで、ドナー性とアクセプター性とを共に強くすることができる。分子内でのドナー性とアクセプター性を共に強くすることで、化合物におけるHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital、最高被占軌道ともいう)の分子軌道が分布する領域と、LUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital、最低空軌道ともいう)の分子軌道が分布する領域との重なりを小さくすることができ、化合物の一重項励起エネルギー準位と三重項励起エネルギー準位との励起エネルギー差を小さくすることが可能となる。また、化合物の三重項励起エネルギー準位を高いエネルギーに保つことが可能となる。なお、分子軌道は、分子中の電子の空間分布を表し、電子を見出す確率を表すことができる。分子軌道によって、分子の電子配置(電子の空間的分布ならびにエネルギー)を詳細に記述することが可能である。
一重項励起エネルギー準位と三重項励起エネルギー準位とのエネルギー差が小さい場合、100℃以下、好ましくは室温程度のわずかな熱エネルギーによって、三重項励起エネルギーを一重項励起エネルギーへアップコンバージョン(逆項間交差)することが可能となる。すなわち、本発明の一態様の化合物は、三重項励起エネルギーを一重項励起エネルギーに変換する機能を有する化合物として好適である。また、三重項励起エネルギーを一重項励起エネルギーに変換し、発光に変換する機能を有する化合物として好適である。効率よく逆項間交差が生じるためには、一重項励起エネルギー準位と三重項励起エネルギー準位とのエネルギー差が、好ましくは0eVより大きく0.3eV以下、より好ましくは0eVより大きく0.2eV以下、さらに好ましくは0eVより大きく0.1eV以下であればよい。
なお、HOMOの分子軌道が分布する領域と、LUMOの分子軌道が分布する領域と、が重なりを有し、HOMO準位とLUMO準位との間の遷移双極子モーメントが0より大きい場合、HOMO準位とLUMO準位とが係わる励起状態(例えば最低励起一重項状態)から発光を得ることが可能となる。以上のことから、本発明の一態様の化合物は、三重項励起エネルギーを一重項励起エネルギーに変換する機能を有する発光材料として好適であり、すなわち、熱活性化遅延蛍光材料として好ましい。
なお、本実施の形態における有機化合物は、蒸着法(真空蒸着法を含む)、インクジェット法、塗布法、グラビア印刷法等の方法を用いて成膜することができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様である一般式(G0)で表される有機化合物の合成方法について説明する。なお、本発明の一態様である化合物の合成方法は、以下の合成方法に限定されない。
一般式(G0)で表されるビカルバゾール化合物は、以下のような簡便な合成スキームにより合成できる。例えば、下記スキーム(a)に示すように、一つまたは二つの縮合環を含む置換基を有するベンゾフロピリミジンのハロゲン化合物、若しくは一つまたは二つの縮合環を含む置換基を有するベンゾチエノピリミジンのハロゲン化合物(A1)、あるいは置換もしくは無置換のベンゾフロピリミジンのジハロゲン化合物、または置換もしくは無置換のベンゾチエノピリミジンのジハロゲン化合物(A1’)とビカルバゾール誘導体のアリールボロン酸化合物(A2)またはビカルバゾール誘導体(A2’)を反応させることにより得られる。このとき、下記スキーム(b)に示すように、ハロゲンで置換されたアリールボロン酸(B1)との反応を経由し、中間体(B2)を得た後、ビカルバゾール誘導体(A2’)を反応させても良い。また、下記スキーム(c)に示すように、置換もしくは無置換のベンゾフロピリミジンのジハロゲン化合物、または置換もしくは無置換のベンゾチエノピリミジンのジハロゲン化合物(A1’)の一方のハロゲンと、ビカルバゾール誘導体のアリールボロン酸化合物(A2)またはビカルバゾール誘導体(A2’)との反応を経由し、中間体(C1)を得た後、一つまたは二つの縮合環を含む誘導体のボロン酸化合物(C2)を反応させても良い。
なお、式中Xはハロゲン元素を表す。また、D1はボロン酸またはボロン酸エステルまたは環状トリオールボレート塩等を表す。環状トリオールボレート塩はリチウム塩の他に、カリウム塩、ナトリウム塩を用いても良い。また、A1は、置換もしくは無置換のベンゾフロピリミジン骨格、もしくは、置換もしくは無置換のベンゾチエノピリミジン骨格にハロゲン元素が置換した化合物を表す。また、Bは一つまたは二つの縮合環を含む誘導体を表す。また、Aは、一つまたは二つの縮合環を含む置換基を少なくとも有するベンゾフロピリミジン骨格、もしくは、一つまたは二つの縮合環を含む置換基を少なくとも有するベンゾチエノピリミジン骨格を表し、また、Arは、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリーレン基、または単結合を表す。
上述の化合物(A1)、(A1’)、(A2)、(A2’)、(B1)、(B2)、(C1)、(C2)は、様々な種類が市販されているか、あるいは合成可能であるため、一般式(G0)で表されるビカルバゾール化合物は数多くの種類を合成することができる。したがって、本発明の一態様に係る有機化合物は、多様な化合物例を有する。
以上、本発明の一態様であるビカルバゾール化合物の合成方法の一例について説明したが、本発明はこれに限定されず、種々の合成方法によって合成されても良い。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様である有機化合物を有する発光素子の構成例を、図1、図2を用いて以下に説明する。
図1(A)は本発明の一態様である発光素子150の断面図である。発光素子150は少なくとも、一対の電極(電極101と、電極102)を有し、該電極間にEL層100を有する。
また、EL層100は少なくとも発光層130を有する。さらに正孔注入層111、正孔輸送層112、電子輸送層118、電子注入層119等の機能層を有する。
なお、本実施の形態では電極101を陽極、電極102を陰極として説明するが、発光素子の構成はこれに限定されない。すなわち、電極101を陰極、電極102を陽極とする構成であっても良い。その場合、積層順が逆となる。つまり、陽極側から正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層という順序で積層すれば良い。
また、EL層100の構成はこれに限定されず、電子または正孔の輸送性を向上または阻害する、励起子の拡散を抑制する、ことができる等の機能層を有していても良い。これら機能層はそれぞれ単層であっても、複数の層の積層構造であっても良い。
発光素子150はEL層100のいずれかの層に本発明の一態様に係る有機化合物が含まれていればよい。なお、該有機化合物が含まれる層として好ましくは電子輸送層118若しくは、正孔輸送層112であり、さらに好ましくは発光層130である。
本発明の一態様に係る有機化合物が発光層130に含まれている場合は、該有機化合物は良好な正孔輸送性及び広いバンドギャップを有することから、ホスト材料として好適に用いることができる。
また、本発明の一態様に係る有機化合物は、一重項励起エネルギー準位と三重項励起エネルギー準位とのエネルギー差を小さくすることができるため、熱活性化遅延蛍光材料に好適である。そのため、本発明の一態様に係る有機化合物を発光材料として用いることで、発光効率の高い発光素子を作製することができる。
また、該化合物は、キャリア輸送性に優れることから、発光素子のホスト材料やキャリア輸送材料として好適である。したがって、本実施の形態の構成を用いることで、駆動電圧の低い発光素子を作製することができる。
また、該化合物は、酸化及び還元の繰返しに良好な耐性を有することから、本実施の形態の構成を用いることで、駆動寿命の良好な発光素子を作製することができる。
<発光素子の構成例1>
図1(B)は、図1(A)に示す発光層130の一例を示す断面模式図である。図1(B)に示す発光層130は、材料131と、ホスト材料132と、を有する。
材料131としては、発光性の有機材料を用いればよく、該発光性の有機材料としては、蛍光を発することができる材料(以下、蛍光材料ともいう)であると好適である。
本発明の一態様の発光素子150においては、一対の電極(電極101及び電極102)間に電圧を印加することにより、陰極から電子が、陽極から正孔(ホール)が、それぞれEL層100に注入され、電流が流れる。そして、注入された電子及び正孔が再結合することによって、励起子が形成される。キャリア(電子及び正孔)の再結合によって生じる励起子のうち、一重項励起子と三重項励起子の比(以下、励起子生成確率)は、統計的確率により、1:3となる。そのため、蛍光材料を用いた発光素子において、発光に寄与する一重項励起子が生成する割合は25%であり、発光に寄与しない三重項励起子が生成する割合は75%となる。したがって、発光に寄与しない三重項励起子を、発光に寄与する一重項励起子へ変換することが、発光素子の発光効率を向上させるためには重要である。
そのため、材料131は、逆項間交差によって三重項励起子を一重項励起子に変換する機能を有すると好ましい。したがって、材料131は、熱活性化遅延蛍光材料であると好ましい。すなわち、ビカルバゾール骨格と、ベンゾフロピリミジン骨格またはベンゾチエノピリミジン骨格とを有する、本発明の一態様の化合物を、材料131に用いることができる。
材料131の一重項励起エネルギー準位と三重項励起エネルギー準位との差は、好ましくは0eVより大きく0.3eV以下であり、より好ましくは0eVより大きく0.2eV以下であり、さらに好ましくは0eVより大きく0.1eV以下である。
ここで、発光層130における材料131と、ホスト材料132とのエネルギー準位の相関を図1(C)に示す。なお、図1(C)における表記及び符号は、以下の通りである。
・TADF(131):材料131
・Host(132):ホスト材料132
・SA:材料131のS1準位
・TA:材料131のT1準位
・SH:ホスト材料132のS1準位
・TH:ホスト材料132のT1準位
発光層130でキャリアが再結合し、ホスト材料132において一重項励起状態と三重項励起状態とが生成する場合、生成した一重項励起状態のエネルギーは、ホスト材料132のS1準位(SH)から材料131のS1準位(SA)へエネルギー移動し、三重項励起状態のエネルギーは、ホスト材料132のT1準位(TH)から材料131のT1準位(TA)にエネルギー移動し、材料131の一重項励起状態及び三重項励起状態が形成される。
あるいは、材料131においてキャリアが再結合し、S1準位(SA)に相当する励起エネルギーを有する一重項励起状態、及びT1準位(TA)に相当する励起エネルギーを有する三重項励起状態がそれぞれ形成される。
したがって、いずれの場合においても、キャリアの再結合により、材料131の一重項励起状態及び三重項励起状態が形成される。
本発明の一態様の発光素子150においては、発光層130が有する材料131のS1準位(SA)とT1準位(TA)とは、互いに隣接したエネルギー準位となる。
材料131のS1準位(SA)とT1準位(TA)は、互いに隣接したエネルギー準位であるため、材料131は逆項間交差によって三重項励起エネルギーを一重項励起エネルギーに変換する機能を有する(図1(C) ルートA1参照)。したがって、発光層130で生成した三重項励起エネルギーの一部は、材料131により一重項励起エネルギーに変換される。そのためには、材料131のS1準位(SA)とT1準位(TA)とのエネルギー差は0eVより大きく0.3eV以下であると好ましい。また、一重項励起状態となった材料131からは、蛍光発光が得られる。
材料131の一重項励起状態から効率よく発光を得るためには、材料131の蛍光量子収率は高いことが好適であり、具体的には、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上であればよい。
なお、材料131において逆項間交差を効率よく生じさせるためには、材料131のT1準位(TA)が、ホスト材料132のT1準位(TH)よりも低いことが好ましい。これにより、ホスト材料132による材料131の三重項励起エネルギーのクエンチが生じにくくなり、材料131において効率よく逆項間交差を発生させることができる。また、材料131において効率よく発光を得るためには、材料131のS1準位(SA)が、ホスト材料132のS1準位(SH)よりも低いことが好ましい。これにより、材料131からホスト材料132への一重項励起エネルギーの移動を抑制することができる。
また、材料131がビカルバゾール骨格というドナー性が強い骨格を有する場合、発光層130に注入された正孔が、材料131に注入され輸送されやすくなり好ましい。また、材料131がベンゾフロピリミジン骨格またはベンゾチエノピリミジン骨格というアクセプター性が強い骨格を有する場合、発光層130に注入された電子が、材料131に注入され輸送されやすくなり好ましい。この場合、ホスト材料132は、材料131が有するドナー性骨格より弱いドナー性を有するドナー性骨格を有すると好ましく、材料131が有するアクセプター性骨格より弱いアクセプター性を有するアクセプター性骨格を有すると好ましい。そうすることで、材料131とホスト材料132とで励起錯体を形成する反応を抑制することができる。
また、例えば、材料131のHOMO準位がホスト材料132のHOMO準位より高く、且つ、材料131のLUMO準位がホスト材料132のLUMO準位より低い場合、発光層130に注入されたキャリアである電子及び正孔が共に材料131に注入され輸送されやすくなる。そのため、材料131においてキャリアの再結合が生じやすく好ましい。
なお、材料131とホスト材料132との組み合わせが、正孔輸送性を有する化合物と電子輸送性を有する化合物との組み合わせである場合、その混合比によってキャリアバランスを容易に制御することが可能となる。具体的には、正孔輸送性を有する化合物:電子輸送性を有する化合物=1:9から9:1(重量比)の範囲が好ましい。また、該構成を有することで、容易にキャリアバランスを制御することができることから、キャリア再結合領域の制御も簡便に行うことができる。
なお、発光層130において、材料131単体でキャリアバランスを制御することが可能であれば、発光層130は、ホスト材料132を有さなくても良い。あるいは、キャリアバランスの制御のために、発光層130が材料131及びホスト材料132以外の材料を有していても良い。
以上のように、上述のルートA1の逆項間交差過程が効率よく生じれば、材料131の三重項励起エネルギーが効率よく一重項励起エネルギーへ変換されるため、発光素子150は高い発光効率で発光することが可能となる。
発光層130を上述の構成とすることで、発光層130の材料131からの発光を効率よく得ることができる。
<発光素子の構成例2>
次に、上記構成と異なる構成の発光素子について、図2(A)(B)を用いて以下説明を行う。なお、本構成例において、先の構成と同様の構成についての詳細は、先の構成例を参酌すればよい。
図2(A)は、図1(A)に示す発光層130の一例を示す断面模式図である。発光層130は、材料131と、ゲスト材料134と、を有する。
また、ゲスト材料134としては、発光性の有機材料を用いればよく、該発光性の有機材料としては、燐光を発することができる材料(以下、燐光材料ともいう)であると好適である。以下の説明においては、ゲスト材料134として、燐光材料を用いる構成について説明する。なお、ゲスト材料134を燐光材料として読み替えてもよい。
ここで、材料131と、ゲスト材料134とのエネルギー準位の相関を図2(B)に示す。なお、図2(B)における表記及び符号は、以下の通りである。
・TADF(131):材料131
・Guest(134):ゲスト材料134(燐光材料)
・SA:材料131のS1準位
・TA:材料131のT1準位
・TPG:ゲスト材料134(燐光材料)のT1準位
発光層130でキャリアが再結合し、材料131において一重項励起状態と三重項励起状態とが生成する。
そして、材料131の一重項励起エネルギーと三重項励起エネルギーの双方を、ゲスト材料134(燐光材料)のT1準位(TPG)へ移動させることで、ゲスト材料134から発光が得られる(図2(B)ルートE1、E2参照)。
なお、材料131のT1準位(TA)は、ゲスト材料134のT1準位(TPG)より大きいことが好ましい。このようなT1準位の関係とすることで、材料131の一重項励起エネルギー及び三重項励起エネルギーを、材料131のS1準位(SA)及びT1準位(TA)からゲスト材料134のT1準位(TPG)へエネルギー移動することができる。
発光層130を上述の構成とすることで、発光層130のゲスト材料134(燐光材料)からの発光を、効率よく得ることが可能となる。
なお、材料131でキャリアの再結合が生じる場合、発光素子150の駆動電圧を低減するためには、本発明の一態様の化合物を、材料131に用いることが好ましい。なお、本実施の形態において、材料131は、必ずしもTAからSAへの逆項間交差効率が高い必要がなく、SAからの発光量子収率が高い必要もないため、熱活性化遅延蛍光を示さなくても良い。
<材料>
次に、本発明の一態様に係わる発光素子の構成要素の詳細について、以下説明を行う。
≪発光層≫
発光層130に用いることができる材料について、それぞれ以下に説明する。
≪材料131≫
材料131は、S1準位とT1準位とのエネルギー差が小さいことが好ましく、具体的には、S1準位とT1準位とのエネルギー差が、好ましくは0eVより大きく0.3eV以下であり、より好ましくは0eVより大きく0.2eV以下、さらに好ましくは0eVより大きく0.1eV以下である。このような材料としては、熱活性化遅延蛍光材料が挙げられる。熱活性化遅延蛍光材料としては、実施の形態1で示した化合物が好適である。
なお、材料131は、S1準位とT1準位とのエネルギー差が小さければよく、熱活性化遅延蛍光を呈する機能を有さなくてもよい。
≪ゲスト材料134≫
ゲスト材料134としては、イリジウム、ロジウム、または白金系の有機金属錯体、あるいは金属錯体が挙げられ、中でも有機イリジウム錯体、例えばイリジウム系オルトメタル錯体が好ましい。オルトメタル化する配位子としては4H−トリアゾール配位子、1H−トリアゾール配位子、イミダゾール配位子、ピリジン配位子、ピリミジン配位子、ピラジン配位子、あるいはイソキノリン配位子などが挙げられる。金属錯体としては、ポルフィリン配位子を有する白金錯体などが挙げられる。
青色または緑色に発光ピークを有する物質としては、例えば、トリス{2−[5−(2−メチルフェニル)−4−(2,6−ジメチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル−κN2]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:Ir(mpptz−dmp)3)、トリス(5−メチル−3,4−ジフェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:Ir(Mptz)3)、トリス[4−(3−ビフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(iPrptz−3b)3)、トリス[3−(5−ビフェニル)−5−イソプロピル−4−フェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(iPr5btz)3)、のような4H−トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス[3−メチル−1−(2−メチルフェニル)−5−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(Mptz1−mp)3)、トリス(1−メチル−5−フェニル−3−プロピル−1H−1,2,4−トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:Ir(Prptz1−Me)3)のような1H−トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、fac−トリス[1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2−フェニル−1H−イミダゾール]イリジウム(III)(略称:Ir(iPrpmi)3)、トリス[3−(2,6−ジメチルフェニル)−7−メチルイミダゾ[1,2−f]フェナントリジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(dmpimpt−Me)3)のようなイミダゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)テトラキス(1−ピラゾリル)ボラート(略称:FIr6)、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:FIrpic)、ビス{2−[3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジナト−N,C2’}イリジウム(III)ピコリナート(略称:Ir(CF3ppy)2(pic))、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIr(acac))のような電子吸引基を有するフェニルピリジン誘導体を配位子とする有機金属イリジウム錯体が挙げられる。上述した中でも、4H−トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、信頼性や発光効率にも優れるため、特に好ましい。
また、緑色または黄色に発光ピークを有する物質としては、例えば、トリス(4−メチル−6−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppm)3)、トリス(4−t−ブチル−6−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tBuppm)3)、(アセチルアセトナト)ビス(6−メチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppm)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(6−tert−ブチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tBuppm)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[4−(2−ノルボルニル)−6−フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(nbppm)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[5−メチル−6−(2−メチルフェニル)−4−フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(mpmppm)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス{4,6−ジメチル−2−[6−(2,6−ジメチルフェニル)−4−ピリミジニル−κN3]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:Ir(dmppm−dmp)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(4,6−ジフェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(dppm)2(acac))のようなピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、(アセチルアセトナト)ビス(3,5−ジメチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppr−Me)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(5−イソプロピル−3−メチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppr−iPr)2(acac))のようなピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(ppy)3)、ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(ppy)2(acac))、ビス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bzq)2(acac))、トリス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)(略称:Ir(bzq)3)、トリス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(pq)3)、ビス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(pq)2(acac))のようなピリジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、ビス(2,4−ジフェニル−1,3−オキサゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(dpo)2(acac))、ビス{2−[4’−(パーフルオロフェニル)フェニル]ピリジナト−N,C2’}イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(p−PF−ph)2(acac))、ビス(2−フェニルベンゾチアゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bt)2(acac))など有機金属イリジウム錯体の他、トリス(アセチルアセトナト)(モノフェナントロリン)テルビウム(III)(略称:Tb(acac)3(Phen))のような希土類金属錯体が挙げられる。上述した中でも、ピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、信頼性や発光効率にも際だって優れるため、特に好ましい。
また、黄色または赤色に発光ピークを有する物質としては、例えば、(ジイソブチリルメタナト)ビス[4,6−ビス(3−メチルフェニル)ピリミジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(5mdppm)2(dibm))、ビス[4,6−ビス(3−メチルフェニル)ピリミジナト](ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(5mdppm)2(dpm))、ビス[4,6−ジ(ナフタレン−1−イル)ピリミジナト](ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(d1npm)2(dpm))のようなピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、(アセチルアセトナト)ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr)2(acac))、ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)(ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr)2(dpm))、(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:Ir(Fdpq)2(acac))のようなピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(piq)3)、ビス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(piq)2(acac))のようなピリジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体の他、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金(II)(略称:PtOEP)のような白金錯体や、トリス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(DBM)3(Phen))、トリス[1−(2−テノイル)−3,3,3−トリフルオロアセトナト](モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(TTA)3(Phen))のような希土類金属錯体が挙げられる。上述した中でも、ピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、信頼性や発光効率にも際だって優れるため、特に好ましい。また、ピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、色度の良い赤色発光が得られる。
なお、発光層130に含まれる発光材料としては、三重項励起エネルギーを発光に変換できる材料であればよい。該三重項励起エネルギーを発光に変換できる材料としては、燐光材料の他に、熱活性化遅延蛍光(Thermally activated delayed fluorescence:TADF)材料が挙げられる。したがって、燐光材料と記載した部分に関しては、熱活性化遅延蛍光材料と読み替えても構わない。熱活性化遅延蛍光材料は、S1準位とT1準位とのエネルギー差が小さく、逆項間交差によって三重項励起エネルギーを一重項励起エネルギーへ変換する機能を有する材料である。そのため、わずかな熱エネルギーによって三重項励起状態を一重項励起状態にアップコンバート(逆項間交差)が可能で、一重項励起状態からの発光(蛍光)を効率よく呈することができる。熱活性化遅延蛍光が効率良く得られる条件としては、S1準位とT1準位とのエネルギー差が、好ましくは0eVより大きく0.3eV以下、より好ましくは0eVより大きく0.2eV以下、さらに好ましくは0eVより大きく0.1eV以下であることが挙げられる。
熱活性化遅延蛍光材料が、一種類の材料から構成される場合、例えば以下の材料を用いることができる。
まず、フラーレンやその誘導体、プロフラビン等のアクリジン誘導体、エオシン等が挙げられる。また、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、スズ(Sn)、白金(Pt)、インジウム(In)、もしくはパラジウム(Pd)等を含む金属含有ポルフィリンが挙げられる。該金属含有ポルフィリンとしては、例えば、プロトポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(Proto IX))、メソポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(Meso IX))、ヘマトポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(Hemato IX))、コプロポルフィリンテトラメチルエステル−フッ化スズ錯体(SnF2(Copro III−4Me))、オクタエチルポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(OEP))、エチオポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(Etio I))、オクタエチルポルフィリン−塩化白金錯体(PtCl2OEP)等が挙げられる。
また、一種の材料から構成される熱活性化遅延蛍光材料としては、π電子過剰型複素芳香環及びπ電子不足型複素芳香環を有する複素環化合物も用いることができる。具体的には、2−(ビフェニル−4−イル)−4,6−ビス(12−フェニルインドロ[2,3−a]カルバゾール−11−イル)−1,3,5−トリアジン(略称:PIC−TRZ)、2−{4−[3−(N−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−9H−カルバゾール−9−イル]フェニル}−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(略称:PCCzPTzn)、2−[4−(10H−フェノキサジン−10−イル)フェニル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(略称:PXZ−TRZ)、3−[4−(5−フェニル−5,10−ジヒドロフェナジン−10−イル)フェニル]−4,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾール(略称:PPZ−3TPT)、3−(9,9−ジメチル−9H−アクリジン−10−イル)−9H−キサンテン−9−オン(略称:ACRXTN)、ビス[4−(9,9−ジメチル−9,10−ジヒドロアクリジン)フェニル]スルホン(略称:DMAC−DPS)、10−フェニル−10H,10’H−スピロ[アクリジン−9,9’−アントラセン]−10’−オン(略称:ACRSA)等が挙げられる。該複素環化合物は、π電子過剰型複素芳香環及びπ電子不足型複素芳香環を有するため、電子輸送性及び正孔輸送性が高く、好ましい。中でも、π電子不足型複素芳香環を有する骨格のうち、ジアジン骨格(ピリミジン骨格、ピラジン骨格、ピリダジン骨格)、またはトリアジン骨格は、安定で信頼性が良好なため、好ましい。また、π電子過剰型複素芳香環を有する骨格の中でも、アクリジン骨格、フェノキサジン骨格、フェノチアジン骨格、フラン骨格、チオフェン骨格、及びピロール骨格は、安定で信頼性が良好なため、当該骨格の中から選ばれるいずれか一つまたは複数を有することが、好ましい。なお、ピロール骨格としては、インドール骨格、カルバゾール骨格、及び9−フェニル−3,3’−ビ−9H−カルバゾール骨格、が特に好ましい。なお、π電子過剰型複素芳香環とπ電子不足型複素芳香環とが直接結合した物質は、π電子過剰型複素芳香環のドナー性とπ電子不足型複素芳香環のアクセプター性が共に強く、一重項励起状態の準位と三重項励起状態の準位の差が小さくなるため、特に好ましい。
材料131の発光ピークが、ゲスト材料134(燐光材料)の三重項MLCT(Metal to Ligand Charge Transfer)遷移の吸収帯、より具体的には、最も長波長側の吸収帯と重なるように、材料131及びゲスト材料134(燐光材料)を選択することが好ましい。これにより、発光効率が飛躍的に向上した発光素子とすることができる。ただし、燐光材料に替えて熱活性化遅延蛍光材料を用いる場合においては、最も長波長側の吸収帯は一重項の吸収帯であることが好ましい。
ゲスト材料134には以下に例示する蛍光材料も用いることができる。特に限定はないが、アントラセン誘導体、テトラセン誘導体、クリセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、スチルベン誘導体、アクリドン誘導体、クマリン誘導体、フェノキサジン誘導体、フェノチアジン誘導体などが好ましく、例えば以下の材料を用いることができる。
具体的には、5,6−ビス[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−2,2’−ビピリジン(略称:PAP2BPy)、5,6−ビス[4’−(10−フェニル−9−アントリル)ビフェニル−4−イル]−2,2’−ビピリジン(略称:PAPP2BPy)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6FLPAPrn)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス[3−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6mMemFLPAPrn)、N,N’−ビス[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]−N,N’−ビス(4−tert−ブチルフェニル)ピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6tBu−FLPAPrn)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]−3,8−ジシクロヘキシルピレン−1,6−ジアミン(略称:ch−1,6FLPAPrn)、N,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)トリフェニルアミン(略称:2YGAPPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン(略称:TBP)、4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)、N,N’’−(2−tert−ブチルアントラセン−9,10−ジイルジ−4,1−フェニレン)ビス[N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン](略称:DPABPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPPA)、N−[4−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPPA)、N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’’,N’’’−オクタフェニルジベンゾ[g,p]クリセン−2,7,10,15−テトラアミン(略称:DBC1)、クマリン30、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCABPhA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPABPhA)、9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フェニルアントラセン−2−アミン(略称:2YGABPhA)、N,N,9−トリフェニルアントラセン−9−アミン(略称:DPhAPhA)、クマリン6、クマリン545T、N,N’−ジフェニルキナクリドン(略称:DPQd)、ルブレン、2,8−ジ−tert−ブチル−5,11−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6,12−ジフェニルテトラセン(略称:TBRb)、ナイルレッド、5,12−ビス(1,1’−ビフェニル−4−イル)−6,11−ジフェニルテトラセン(略称:BPT)、2−(2−{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}−6−メチル−4H−ピラン−4−イリデン)プロパンジニトリル(略称:DCM1)、2−{2−メチル−6−[2−(2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCM2)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)テトラセン−5,11−ジアミン(略称:p−mPhTD)、7,14−ジフェニル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)アセナフト[1,2−a]フルオランテン−3,10−ジアミン(略称:p−mPhAFD)、2−{2−イソプロピル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTI)、2−{2−tert−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTB)、2−(2,6−ビス{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}−4H−ピラン−4−イリデン)プロパンジニトリル(略称:BisDCM)、2−{2,6−ビス[2−(8−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:BisDCJTM)、5,10,15,20−テトラフェニルビスベンゾ[5,6]インデノ[1,2,3−cd:1’,2’,3’−lm]ペリレン、などが挙げられる。
また、材料131の発光ピークが、ゲスト材料134の最も長波長側(低エネルギー側)の吸収帯と重なるように、材料131及びゲスト材料134とを選択することが好ましい。これにより、発光効率が飛躍的に向上した発光素子とすることができる。
≪ホスト材料132≫
ホスト材料132に用いることができる化合物としては、特に限定はないが、亜鉛やアルミニウム系金属錯体の他、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、キノキサリン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、フェナントロリン誘導体などが挙げられる。他の例としては、芳香族アミンやカルバゾール誘導体などが挙げられる。
また、ホスト材料132としては、以下の正孔輸送性材料及び電子輸送性材料を用いることができる。また、本発明の一態様に係る有機化合物も好適に用いることができる。
正孔輸送性材料としては、電子よりも正孔の輸送性の高い材料を用いることができ、1×10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する材料であることが好ましい。具体的には、芳香族アミン、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、スチルベン誘導体などを用いることができる。また、該正孔輸送性材料は高分子化合物であっても良い。
これら正孔輸送性の高い材料として、例えば、芳香族アミン化合物としては、N,N’−ジ(p−トリル)−N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(略称:DTDPPA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、N,N’−ビス{4−[ビス(3−メチルフェニル)アミノ]フェニル}−N,N’−ジフェニル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)等を挙げることができる。
また、カルバゾール誘導体としては、具体的には、3−[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzDPA1)、3,6−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzDPA2)、3,6−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−(1−ナフチル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzTPN2)、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等を挙げることができる。
また、カルバゾール誘導体としては、他に、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5−トリス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、1,4−ビス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]−2,3,5,6−テトラフェニルベンゼン等を用いることができる。
また、芳香族炭化水素としては、例えば、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス(4−フェニルフェニル)アントラセン(略称:t−BuDBA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuAnth)、9,10−ビス(4−メチル−1−ナフチル)アントラセン(略称:DMNA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、9,9’−ビアントリル、10,10’−ジフェニル−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス(2−フェニルフェニル)−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス[(2,3,4,5,6−ペンタフェニル)フェニル]−9,9’−ビアントリル、アントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン等が挙げられる。また、この他、ペンタセン、コロネン等も用いることができる。このように、1×10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有し、炭素数14乃至炭素数42である芳香族炭化水素を用いることがより好ましい。
なお、芳香族炭化水素は、ビニル骨格を有していてもよい。ビニル基を有している芳香族炭化水素としては、例えば、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、9,10−ビス[4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル]アントラセン(略称:DPVPA)等が挙げられる。
また、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)等の高分子化合物を用いることもできる。
また、正孔輸送性の高い材料としては、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα−NPD)やN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、4,4’,4’’−トリス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:1’−TNATA)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)、4−フェニル−3’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:mBPAFLP)、N−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−N−{9,9−ジメチル−2−[N’−フェニル−N’−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)アミノ]−9H−フルオレン−7−イル}フェニルアミン(略称:DFLADFL)、N−(9,9−ジメチル−2−ジフェニルアミノ−9H−フルオレン−7−イル)ジフェニルアミン(略称:DPNF)、2−[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:DPASF)、4−フェニル−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)、4,4’−ジフェニル−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBBi1BP)、4−(1−ナフチル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBANB)、4,4’−ジ(1−ナフチル)−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBNBB)、4−フェニルジフェニル−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)アミン(略称:PCA1BP)、N,N’−ビス(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N,N’−ジフェニルベンゼン−1,3−ジアミン(略称:PCA2B)、N,N’,N’’−トリフェニル−N,N’,N’’−トリス(9−フェニルカルバゾール−3−イル)ベンゼン−1,3,5−トリアミン(略称:PCA3B)、N−(4−ビフェニル)−N−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−9−フェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCBiF)、N−(1,1’−ビフェニル−4−イル)−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]−9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−アミン(略称:PCBBiF)、9,9−ジメチル−N−フェニル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]フルオレン−2−アミン(略称:PCBAF)、N−フェニル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−アミン(略称:PCBASF)、2−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:PCASF)、2,7−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:DPA2SF)、N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−(4−フェニル)フェニルアニリン(略称:YGA1BP)、N,N’−ビス[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニル−9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジアミン(略称:YGA2F)などの芳香族アミン化合物等を用いることができる。また、3−[4−(1−ナフチル)−フェニル]−9−フェニル−9H−カルバゾール(略称:PCPN)、3−[4−(9−フェナントリル)−フェニル]−9−フェニル−9H−カルバゾール(略称:PCPPn)、3,3’−ビス(9−フェニル−9H−カルバゾール)(略称:PCCP)、1,3−ビス(N−カルバゾリル)ベンゼン(略称:mCP)、3,6−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)−9−フェニルカルバゾール(略称:CzTP)、3,6−ジ(9H−カルバゾール−9−イル)−9−フェニル−9H−カルバゾール(略称:PhCzGI)、2,8−ジ(9H−カルバゾール−9−イル)−ジベンゾチオフェン(略称:Cz2DBT)、4−{3−[3−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]フェニル}ジベンゾフラン(略称:mmDBFFLBi−II)、4,4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾフラン)(略称:DBF3P−II)、1,3,5−トリ(ジベンゾチオフェン−4−イル)ベンゼン(略称:DBT3P−II)、2,8−ジフェニル−4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−III)、4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]−6−フェニルジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−IV)、4−[3−(トリフェニレン−2−イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:mDBTPTp−II)等のアミン化合物、カルバゾール化合物、チオフェン化合物、フラン化合物、フルオレン化合物、トリフェニレン化合物、フェナントレン化合物等を用いることができる。ここに述べた物質は、主に1×10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外の物質を用いてもよい。
電子輸送性材料としては、正孔よりも電子の輸送性の高い材料を用いることができ、1×10−6cm2/Vs以上の電子移動度を有する材料であることが好ましい。電子を受け取りやすい材料(電子輸送性を有する材料)としては、含窒素複素芳香族化合物のようなπ電子不足型複素芳香族や金属錯体などを用いることができる。具体的には、キノリン配位子、ベンゾキノリン配位子、オキサゾール配位子、あるいはチアゾール配位子を有する金属錯体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、ピリミジン誘導体などが挙げられる。
例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)など、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等からなる層である。また、この他ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)や、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、9−[4−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CO11)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、9−[4−(4,5−ジフェニル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzTAZ1)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール(略称:mDBTBIm−II)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)などの複素環化合物や、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTPDBq−II)、2−[3’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTBPDBq−II)、2−[3’−(9H−カルバゾール−9−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mCzBPDBq)、2−[4−(3,6−ジフェニル−9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2CzPDBq−III)、7−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:7mDBTPDBq−II)、及び、6−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:6mDBTPDBq−II)、2−[3−(3,9’−ビ−9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mCzCzPDBq)、4,6−ビス[3−(フェナントレン−9−イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mPnP2Pm)、4,6−ビス[3−(4−ジベンゾチエニル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mDBTP2Pm−II)、4,6−ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mCzP2Pm)などのジアジン骨格を有する複素環化合物や、PCCzPTznなどのトリアジン骨格を有する複素環化合物や、3,5−ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ピリジン(略称:35DCzPPy)、1,3,5−トリ[3−(3−ピリジル)フェニル]ベンゼン(略称:TmPyPB)などのピリジン骨格を有する複素環化合物、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)などの複素芳香族化合物も用いることができる。上述した複素環化合物の中でも、ジアジン(ピリミジン、ピラジン、ピリダジン)骨格、またはピリジン骨格を有する複素環化合物は、安定で信頼性が良好であり好ましい。また、当該骨格を有する複素環化合物は、電子輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与する。また、ポリ(2,5−ピリジンジイル)(略称:PPy)、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(ピリジン−3,5−ジイル)](略称:PF−Py)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,2’−ビピリジン−6,6’−ジイル)](略称:PF−BPy)のような高分子化合物を用いることもできる。ここに述べた物質は、主に1×10−6cm2/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を用いても構わない。
なお、発光層130は2層以上の複数層でもって構成することもできる。例えば、第1の発光層と第2の発光層を正孔輸送層側から順に積層して発光層130とする場合、第1の発光層のホスト材料として正孔輸送性を有する物質を用い、第2の発光層のホスト材料として電子輸送性を有する物質を用いる構成などがある。
また、発光層130において、材料131、ホスト材料132、及びゲスト材料134以外の材料を有していても良い。
なお、発光層130は、蒸着法(真空蒸着法を含む)、インクジェット法、塗布法、グラビア印刷等の方法で形成することができる。また、上述した材料の他、量子ドットなどの無機化合物または高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を有してもよい。
量子ドットを構成する材料としては、第14族元素、第15族元素、第16族元素、複数の第14族元素からなる化合物、第4族から第14族に属する元素と第16族元素との化合物、第2族元素と第16族元素との化合物、第13族元素と第15族元素との化合物、第13族元素と第17族元素との化合物、第14族元素と第15族元素との化合物、第11族元素と第17族元素との化合物、酸化鉄類、酸化チタン類、カルコゲナイドスピネル類、各種半導体クラスターなどを挙げることができる。
具体的には、セレン化カドミウム(CdSe)、硫化カドミウム(CdS)、テルル化カドミウム(CdTe)、セレン化亜鉛(ZnSe)、酸化亜鉛(ZnO)、硫化亜鉛(ZnS)、テルル化亜鉛(ZnTe)、硫化水銀(HgS)、セレン化水銀(HgSe)、テルル化水銀(HgTe)、砒化インジウム(InAs)、リン化インジウム(InP)、砒化ガリウム(GaAs)、リン化ガリウム(GaP)、窒化インジウム(InN)、窒化ガリウム(GaN)、アンチモン化インジウム(InSb)、アンチモン化ガリウム(GaSb)、リン化アルミニウム(AlP)、砒化アルミニウム(AlAs)、アンチモン化アルミニウム(AlSb)、セレン化鉛(II)(PbSe)、テルル化鉛(II)(PbTe)、硫化鉛(II)(PbS)、セレン化インジウム(In2Se3)、テルル化インジウム(In2Te3)、硫化インジウム(In2S3)、セレン化ガリウム(Ga2Se3)、硫化砒素(III)(As2S3)、セレン化砒素(III)(As2Se3)、テルル化砒素(III)(As2Te3)、硫化アンチモン(III)(Sb2S3)、セレン化アンチモン(III)(Sb2Se3)、テルル化アンチモン(III)(Sb2Te3)、硫化ビスマス(III)(Bi2S3)、セレン化ビスマス(III)(Bi2Se3)、テルル化ビスマス(III)(Bi2Te3)、ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)、ゲルマニウム(Ge)、錫(Sn)、セレン(Se)、テルル(Te)、ホウ素(B)、炭素(C)、リン(P)、窒化ホウ素(BN)、リン化ホウ素(BP)、砒化ホウ素(BAs)、窒化アルミニウム(AlN)、硫化アルミニウム(Al2S3)、硫化バリウム(BaS)、セレン化バリウム(BaSe)、テルル化バリウム(BaTe)、硫化カルシウム(CaS)、セレン化カルシウム(CaSe)、テルル化カルシウム(CaTe)、硫化ベリリウム(BeS)、セレン化ベリリウム(BeSe)、テルル化ベリリウム(BeTe)、硫化マグネシウム(MgS)、セレン化マグネシウム(MgSe)、硫化ゲルマニウム(GeS)、セレン化ゲルマニウム(GeSe)、テルル化ゲルマニウム(GeTe)、硫化錫(IV)(SnS2)、硫化錫(II)(SnS)、セレン化錫(II)(SnSe)、テルル化錫(II)(SnTe)、酸化鉛(II)(PbO)、フッ化銅(I)(CuF)、塩化銅(I)(CuCl)、臭化銅(I)(CuBr)、ヨウ化銅(I)(CuI)、酸化銅(I)(Cu2O)、セレン化銅(I)(Cu2Se)、酸化ニッケル(II)(NiO)、酸化コバルト(II)(CoO)、硫化コバルト(II)(CoS)、四酸化三鉄(Fe3O4)、硫化鉄(II)(FeS)、酸化マンガン(II)(MnO)、硫化モリブデン(IV)(MoS2)、酸化バナジウム(II)(VO)、酸化バナジウム(IV)(VO2)、酸化タングステン(IV)(WO2)、酸化タンタル(V)(Ta2O5)、酸化チタン(TiO2、Ti2O5、Ti2O3、Ti5O9など)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、窒化ケイ素(Si3N4)、窒化ゲルマニウム(Ge3N4)、酸化アルミニウム(Al2O3)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、セレンと亜鉛とカドミウムの化合物(CdZnSe)、インジウムと砒素とリンの化合物(InAsP)、カドミウムとセレンと硫黄の化合物(CdSeS)、カドミウムとセレンとテルルの化合物(CdSeTe)、インジウムとガリウムと砒素の化合物(InGaAs)、インジウムとガリウムとセレンの化合物(InGaSe)、インジウムとセレンと硫黄の化合物(InSeS)、銅とインジウムと硫黄の化合物(例えばCuInS2)及びこれらの組合せなどを挙げることができるが、これらに限定されない。また、組成が任意の比率で表される、いわゆる合金型量子ドットを用いても良い。例えば、CdSxSe1−x(xは0から1の任意の数)で表される合金型量子ドットは、xの比率を変化させることで発光波長を変えることができるため、青色発光を得るには有効な手段の一つである。
量子ドットの構造としては、コア型、コア−シェル型、コア−マルチシェル型などがあり、そのいずれを用いても良いが、コアを覆ってより広いバンドギャップを持つ別の無機材料でシェルを形成することによって、ナノ結晶表面に存在する欠陥やダングリングボンドの影響を低減することができる。これにより、発光の量子効率が大きく改善するためコア−シェル型やコア−マルチシェル型の量子ドットを用いることが好ましい。シェルの材料の例としては、硫化亜鉛(ZnS)や酸化亜鉛(ZnO)が挙げられる。
また、量子ドットは、表面原子の割合が高いことから、反応性が高く、凝集が起こりやすい。そのため、量子ドットの表面には保護剤が付着している又は保護基が設けられていることが好ましい。当該保護剤が付着している又は保護基が設けられていることによって、凝集を防ぎ、溶媒への溶解性を高めることができる。また、反応性を低減させ、電気的安定性を向上させることも可能である。保護剤(又は保護基)としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン等のトリアルキルホスフィン類、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、トリ(n−ヘキシル)アミン、トリ(n−オクチル)アミン、トリ(n−デシル)アミン等の第3級アミン類、トリプロピルホスフィンオキシド、トリブチルホスフィンオキシド、トリヘキシルホスフィンオキシド、トリオクチルホスフィンオキシド、トリデシルホスフィンオキシド等の有機リン化合物、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジエステル類、また、ピリジン、ルチジン、コリジン、キノリン類等の含窒素芳香族化合物等の有機窒素化合物、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン等のアミノアルカン類、ジブチルスルフィド等のジアルキルスルフィド類、ジメチルスルホキシドやジブチルスルホキシド等のジアルキルスルホキシド類、チオフェン等の含硫黄芳香族化合物等の有機硫黄化合物、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸、アルコール類、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリエステル類、3級アミン変性ポリウレタン類、ポリエチレンイミン類等が挙げられる。
なお、量子ドットは棒状の量子ドットである量子ロッドであっても良い。量子ロッドはc軸方向に偏光した指向性を有する光を呈するため、量子ロッドを発光材料として用いることにより、より外部量子効率が良好な発光素子を得ることができる。また、ペロブスカイト構造の量子ドットであっても良い。
発光層の発光材料に量子ドットを用いる場合、当該発光層の膜厚は3nm乃至100nm、好ましくは10nm乃至100nmとし、発光層中の量子ドットの含有率は1乃至100体積%とする。ただし、量子ドットのみで発光層を形成することが好ましい。なお、当該量子ドットを発光材料としてホストに分散した発光層を形成する場合は、ホスト材料に量子ドットを分散させる、またはホスト材料と量子ドットとを適当な液媒体に溶解または分散させてウェットプロセス(スピンコート法、キャスト法、ダイコート法、ブレードコート法、ロールコート法、インクジェット法、印刷法、スプレーコート法、カーテンコート法、ラングミュア・ブロジェット法など)により形成すればよい。
ウェットプロセスに用いる液媒体としては、たとえば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル等の脂肪酸エステル類、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素類、シクロヘキサン、デカリン、ドデカン等の脂肪族炭化水素類、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の有機溶媒を用いることができる。
≪正孔注入層≫
正孔注入層111は、一対の電極の一方(電極101または電極102)からのホール注入障壁を低減することでホール注入を促進する機能を有し、例えば遷移金属酸化物、フタロシアニン誘導体、あるいは芳香族アミンなどによって形成される。遷移金属酸化物としては、モリブデン酸化物やバナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物などが挙げられる。フタロシアニン誘導体としては、フタロシアニンや金属フタロシアニンなどが挙げられる。芳香族アミンとしてはベンジジン誘導体やフェニレンジアミン誘導体などが挙げられる。ポリチオフェンやポリアニリンなどの高分子化合物を用いることもでき、例えば自己ドープされたポリチオフェンであるポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)などがその代表例である。
正孔注入層111として、正孔輸送性材料と、これに対して電子受容性を示す材料の複合材料を有する層を用いることもできる。あるいは、電子受容性を示す材料を含む層と正孔輸送性材料を含む層の積層を用いても良い。これらの材料間では定常状態、あるいは電界存在下において電荷の授受が可能である。電子受容性を示す材料としては、キノジメタン誘導体やクロラニル誘導体、ヘキサアザトリフェニレン誘導体などの有機アクセプターを挙げることができる。具体的には、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F4−TCNQ)、クロラニル、2,3,6,7,10,11−ヘキサシアノ−1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレン(略称:HAT−CN)等の電子吸引基(ハロゲン基やシアノ基)を有する化合物である。また、遷移金属酸化物、例えば第4族から第8族金属の酸化物を用いることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムなどである。中でも酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。
正孔輸送性材料としては、電子よりも正孔の輸送性の高い材料を用いることができ、1×10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する材料であることが好ましい。具体的には、発光層130に用いることができる正孔輸送性材料として挙げた芳香族アミン、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、スチルベン誘導体などを用いることができる。また、該正孔輸送性材料は高分子化合物であっても良い。
≪正孔輸送層≫
正孔輸送層112は正孔輸送性材料を含む層であり、正孔注入層111の材料として例示した正孔輸送性材料を使用することができる。正孔輸送層112は正孔注入層111に注入された正孔を発光層130へ輸送する機能を有するため、正孔注入層111の最高被占軌道(Highest Occupied Molecular Orbital、HOMOともいう)準位と同じ、あるいは近いHOMO準位を有することが好ましい。
また、1×10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質であることが好ましい。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外の物質を用いてもよい。なお、正孔輸送性の高い物質を含む層は、単層だけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層してもよい。
≪電子輸送層≫
電子輸送層118は、電子注入層119を経て一対の電極の他方(電極101または電極102)から注入された電子を発光層130へ輸送する機能を有する。電子輸送性材料としては、正孔よりも電子の輸送性の高い材料を用いることができ、1×10−6cm2/Vs以上の電子移動度を有する材料であることが好ましい。電子を受け取りやすい化合物(電子輸送性を有する材料)としては、含窒素複素芳香族化合物のようなπ電子不足型複素芳香族化合物や金属錯体などを用いることができる。具体的には、発光層130に用いることができる電子輸送性材料として挙げたキノリン配位子、ベンゾキノリン配位子、オキサゾール配位子、あるいはチアゾール配位子を有する金属錯体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、ピリミジン誘導体などが挙げられる。また、1×10−6cm2/Vs以上の電子移動度を有する物質であることが好ましい。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層として用いても構わない。また、電子輸送層118は、単層だけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層してもよい。
また、電子輸送層118と発光層130との間に電子キャリアの移動を制御する層を設けても良い。電子キャリアの移動を制御する層は上述したような電子輸送性の高い材料に、電子トラップ性の高い物質を少量添加した層であって、電子キャリアの移動を抑制することによって、キャリアバランスを調節することが可能となる。このような構成は、発光層を電子が突き抜けてしまうことにより発生する問題(例えば素子寿命の低下)の抑制に大きな効果を発揮する。
また、n型の化合物半導体を用いても良く、例えば、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化錫(SnO2)、酸化タングステン(WO3)、酸化タンタル(Ta2O3)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、ジルコン酸バリウム(BaZrO3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化イットリウム(Y2O3)、ケイ酸ジルコニウム(ZrSiO4)のような酸化物、窒化ケイ素(Si3N4)のような窒化物、硫化カドミウム(CdS)、セレン化亜鉛(ZnSe)及び硫化亜鉛(ZnS)等も用いることができる。
≪電子注入層≫
電子注入層119は電極102からの電子注入障壁を低減することで電子注入を促進する機能を有し、例えば第1族金属、第2族金属、あるいはこれらの酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩などを用いることができる。また、先に示す電子輸送性材料と、これに対して電子供与性を示す材料の複合材料を用いることもできる。電子供与性を示す材料としては、第1族金属、第2族金属、あるいはこれらの酸化物などを挙げることができる。具体的には、フッ化リチウム(LiF)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF2)、リチウム酸化物(LiOx)等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。また、フッ化エルビウム(ErF3)のような希土類金属化合物を用いることができる。また、電子注入層119にエレクトライドを用いてもよい。該エレクトライドとしては、例えば、カルシウムとアルミニウムの混合酸化物に電子を高濃度添加した物質等が挙げられる。また、電子注入層119に、電子輸送層118で用いることが出来る物質を用いても良い。
また、電子注入層119に、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子供与体によって有機化合物に電子が発生するため、電子注入性及び電子輸送性に優れている。この場合、有機化合物としては、発生した電子の輸送に優れた材料であることが好ましく、具体的には、例えば上述した電子輸送層118を構成する物質(金属錯体や複素芳香族化合物等)を用いることができる。電子供与体としては、有機化合物に対し電子供与性を示す物質であればよい。具体的には、アルカリ金属やアルカリ土類金属や希土類金属が好ましく、リチウム、ナトリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、エルビウム、イッテルビウム等が挙げられる。また、アルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物が好ましく、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物等が挙げられる。また、酸化マグネシウムのようなルイス塩基を用いることもできる。また、テトラチアフルバレン(略称:TTF)等の有機化合物を用いることもできる。
なお、上述した、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、及び電子注入層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、インクジェット法、塗布法、グラビア印刷等の方法で形成することができる。また、上述した、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、及び電子注入層には、上述した材料の他、量子ドットなどの無機化合物や、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を用いてもよい。
≪一対の電極≫
電極101及び電極102は、発光素子の陽極または陰極としての機能を有する。電極101及び電極102は、金属、合金、導電性化合物、及びこれらの混合物や積層体などを用いて形成することができる。
電極101または電極102の一方は、光を反射する機能を有する導電性材料により形成されると好ましい。該導電性材料としては、アルミニウム(Al)またはAlを含む合金等が挙げられる。Alを含む合金としては、AlとL(Lは、チタン(Ti)、ネオジム(Nd)、ニッケル(Ni)、及びランタン(La)の一つまたは複数を表す)とを含む合金等が挙げられ、例えばAlとTi、またはAlとNiとLaを含む合金等である。アルミニウムは、抵抗値が低く、光の反射率が高い。また、アルミニウムは、地殻における存在量が多く、安価であるため、アルミニウムを用いることによる発光素子の作製コストを低減することができる。また、銀(Ag)またはAgと、N(Nは、イットリウム(Y)、Nd、マグネシウム(Mg)、イッテルビウム(Yb)、Al、Ti、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、スズ(Sn)、鉄(Fe)、Ni、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、または金(Au)の一つまたは複数を表す)とを含む合金等を用いても良い。銀を含む合金としては、例えば、銀とパラジウムと銅を含む合金、銀と銅を含む合金、銀とマグネシウムを含む合金、銀とニッケルを含む合金、銀と金を含む合金、銀とイッテルビウムを含む合金等が挙げられる。その他、タングステン、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、銅、チタンなどの遷移金属を用いることができる。
また、発光層から得られる発光は、電極101及び電極102の一方または双方を通して取り出される。したがって、電極101及び電極102の少なくとも一方は、光を透過する機能を有する導電性材料により形成されると好ましい。該導電性材料としては、可視光の透過率が40%以上100%以下、好ましくは60%以上100%以下であり、かつその抵抗率が1×10−2Ω・cm以下の導電性材料が挙げられる。
また、電極101及び電極102は、光を透過する機能と、光を反射する機能と、を有する導電性材料により形成されても良い。該導電性材料としては、可視光の反射率が20%以上80%以下、好ましくは40%以上70%以下であり、かつその抵抗率が1×10−2Ω・cm以下の導電性材料が挙げられる。例えば、導電性を有する金属、合金、導電性化合物などを1種又は複数種用いて形成することができる。具体的には、例えば、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide、以下ITO)、珪素または酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(略称:ITSO)、酸化インジウム−酸化亜鉛(Indium Zinc Oxide)、チタンを含有した酸化インジウム−錫酸化物、インジウム−チタン酸化物、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウムなどの金属酸化物を用いることができる。また、光を透過する程度(好ましくは、1nm以上30nm以下の厚さ)の金属薄膜を用いることができる。金属としては、例えば、AgまたはAgとAl、AgとMg、AgとAu、AgとYbなどの合金等を用いることができる。
なお、本明細書等において、光を透過する機能を有する材料は、可視光を透過する機能を有し、且つ導電性を有する材料であればよく、例えば上記のようなITOに代表される酸化物導電体に加えて、酸化物半導体、または有機物を含む有機導電体を含む。有機物を含む有機導電体としては、例えば、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料、有機化合物と電子受容体(アクセプター)とを混合してなる複合材料等が挙げられる。また、グラフェンなどの無機炭素系材料を用いても良い。また、当該材料の抵抗率としては、好ましくは1×105Ω・cm以下、さらに好ましくは1×104Ω・cm以下である。
また、上記の材料の複数を積層することによって電極101及び電極102の一方または双方を形成してもよい。
また、光取り出し効率を向上させるため、光を透過する機能を有する電極と接して、該電極より屈折率の高い材料を形成してもよい。このような材料としては、可視光を透過する機能を有する材料であればよく、導電性を有する材料であっても有さない材料であってもよい。例えば、上記のような酸化物導電体に加えて、酸化物半導体、有機物が挙げられる。有機物としては、例えば、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、または電子注入層に例示した材料が挙げられる。また、無機炭素系材料や光が透過する程度の薄膜の金属も用いることができる。これら屈折率の高い材料を用いて、数nm乃至数十nmの層を複数積層させてもよい。
電極101または電極102が陰極としての機能を有する場合には、仕事関数が小さい(3.8eV以下)材料を有することが好ましい。例えば、元素周期表の第1族又は第2族に属する元素(リチウム、ナトリウム、セシウム等のアルカリ金属、カルシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属、マグネシウム等)、これら元素を含む合金(例えば、AgとMg、AlとLi)、ユーロピウム(Eu)、Yb等の希土類金属、これら希土類金属を含む合金、アルミニウム、銀を含む合金等を用いることができる。
また、電極101または電極102を陽極として用いる場合、仕事関数の大きい(4.0eV以上)材料を用いることが好ましい。
また、電極101及び電極102は、光を反射する機能を有する導電性材料と、光を透過する機能を有する導電性材料との積層としてもよい。その場合、電極101及び電極102は、各発光層からの所望の光を共振させ、その波長の光を強めることができるように、光学距離を調整する機能を有することができるため好ましい。
電極101及び電極102の成膜方法は、スパッタリング法、蒸着法、印刷法、塗布法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法、CVD法、パルスレーザ堆積法、ALD(Atomic Layer Deposition)法等を適宜用いることができる。
≪基板≫
また、本発明の一態様に係る発光素子は、ガラス、プラスチックなどからなる基板上に作製すればよい。基板上に作製する順番としては、電極101側から順に積層しても、電極102側から順に積層しても良い。
なお、本発明の一態様に係る発光素子を形成できる基板としては、例えばガラス、石英、又はプラスチックなどを用いることができる。また可撓性基板を用いてもよい。可撓性基板とは、曲げることができる(フレキシブル)基板のことであり、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレート、からなるプラスチック基板等が挙げられる。また、フィルム、無機蒸着フィルムなどを用いることもできる。なお、発光素子、及び光学素子の作製工程において支持体として機能するものであれば、これら以外のものでもよい。あるいは、発光素子、及び光学素子を保護する機能を有するものであればよい。
例えば、本発明等においては、様々な基板を用いて発光素子を形成することが出来る。基板の種類は、特に限定されない。その基板の一例としては、半導体基板(例えば単結晶基板又はシリコン基板)、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、金属基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板、タングステン基板、タングステン・ホイルを有する基板、可撓性基板、貼り合わせフィルム、繊維状の材料を含む紙、又は基材フィルムなどがある。ガラス基板の一例としては、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、又はソーダライムガラスなどがある。可撓性基板、貼り合わせフィルム、基材フィルムなどの一例としては、以下が挙げられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に代表されるプラスチックがある。または、一例としては、アクリル等の樹脂などがある。または、一例としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、又はポリ塩化ビニルなどがある。または、一例としては、ポリアミド、ポリイミド、アラミド、エポキシ、無機蒸着フィルム、又は紙類などがある。
また、基板として、可撓性基板を用い、可撓性基板上に直接、発光素子を形成してもよい。または、基板と発光素子との間に剥離層を設けてもよい。剥離層は、その上に発光素子を一部あるいは全部完成させた後、基板より分離し、他の基板に転載するために用いることができる。その際、耐熱性の劣る基板や可撓性の基板にも発光素子を転載できる。なお、上述の剥離層には、例えば、タングステン膜と酸化シリコン膜との無機膜の積層構造の構成や、基板上にポリイミド等の樹脂膜が形成された構成等を用いることができる。
つまり、ある基板を用いて発光素子を形成し、その後、別の基板に発光素子を転置し、別の基板上に発光素子を配置してもよい。発光素子が転置される基板の一例としては、上述した基板に加え、セロファン基板、石材基板、木材基板、布基板(天然繊維(絹、綿、麻)、合成繊維(ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル)若しくは再生繊維(アセテート、キュプラ、レーヨン、再生ポリエステル)などを含む)、皮革基板、又はゴム基板などがある。これらの基板を用いることにより、壊れにくい発光素子、耐熱性の高い発光素子、軽量化された発光素子、または薄型化された発光素子とすることができる。
また、上述した基板上に、例えば電界効果トランジスタ(FET)を形成し、FETと電気的に接続された電極上に発光素子150を作製してもよい。これにより、FETによって発光素子150の駆動を制御するアクティブマトリクス型の表示装置を作製できる。
以上、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態においては、実施の形態3に示す発光素子の構成と異なる構成の発光素子、及び該発光素子の発光機構について、図3(A)乃至図3(C)を用いて、以下説明を行う。なお、図3(A)、図3(B)において、図1(A)乃至図1(C)に示す符号と同様の機能を有する箇所には、同様のハッチパターンとし、符号を省略する場合がある。また、同様の機能を有する箇所には、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する場合がある。
<発光素子の構成例3>
図3(A)は、発光素子250の断面模式図である。
図3(A)に示す発光素子250は、一対の電極(電極101及び電極102)の間に、複数の発光ユニット(発光ユニット106及び発光ユニット110)を有する。複数の発光ユニットのうちいずれか一つの発光ユニットは、図1(A)に示した、EL層100と同様な構成を有すると好ましい。つまり、図1(A)で示した発光素子150は、1つの発光ユニットを有し、発光素子250は、複数の発光ユニットを有すると好ましい。なお、発光素子250において、電極101が陽極として機能し、電極102が陰極として機能するとして、以下説明するが、発光素子250の構成としては、逆であっても構わない。
また、図3(A)に示す発光素子250において、発光ユニット106と発光ユニット110とが積層されており、発光ユニット106と発光ユニット110との間には電荷発生層115が設けられる。なお、発光ユニット106と発光ユニット110は、同じ構成でも異なる構成でもよい。例えば、発光ユニット110に、EL層100と同様な構成を用いると好ましい。
また、発光素子250は、発光層120と、発光層170と、を有する。また、発光ユニット106は、発光層170の他に、正孔注入層111、正孔輸送層112、電子輸送層113、及び電子注入層114を有する。また、発光ユニット110は、発光層120の他に、正孔注入層116、正孔輸送層117、電子輸送層118、及び電子注入層119を有する。
電荷発生層115は、正孔輸送性材料に電子受容体であるアクセプター性物質が添加された構成であっても、電子輸送性材料に電子供与体であるドナー性物質が添加された構成であってもよい。また、これらの両方の構成が積層されていても良い。
電荷発生層115に、有機化合物とアクセプター性物質の複合材料が含まれる場合、該複合材料には実施の形態3に示す正孔注入層111に用いることができる複合材料を用いればよい。有機化合物としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール化合物、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種々の化合物を用いることができる。なお、有機化合物としては、正孔移動度が1×10−6cm2/Vs以上であるものを適用することが好ましい。ただし、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。有機化合物とアクセプター性物質の複合材料は、キャリア注入性、キャリア輸送性に優れているため、低電圧駆動、低電流駆動を実現することができる。なお、発光ユニットの陽極側の面が電荷発生層115に接している場合は、電荷発生層115が該発光ユニットの正孔注入層または正孔輸送層の役割も担うことができるため、該発光ユニットには正孔注入層または正孔輸送層を設けない構成であっても良い。あるいは、発光ユニットの陰極側の面が電荷発生層115に接している場合は、電荷発生層115が該発光ユニットの電子注入層または電子輸送層の役割も担うことができるため、該発光ユニットには電子注入層または電子輸送層を設けない構成であっても良い。
なお、電荷発生層115は、有機化合物とアクセプター性物質の複合材料を含む層と他の材料により構成される層を組み合わせた積層構造として形成してもよい。例えば、有機化合物とアクセプター性物質の複合材料を含む層と、電子供与性物質の中から選ばれた一の化合物と電子輸送性の高い化合物とを含む層とを組み合わせて形成してもよい。また、有機化合物とアクセプター性物質の複合材料を含む層と、透明導電膜を含む層とを組み合わせて形成してもよい。
なお、発光ユニット106と発光ユニット110とに挟まれる電荷発生層115は、電極101と電極102とに電圧を印加したときに、一方の発光ユニットに電子を注入し、他方の発光ユニットに正孔を注入するものであれば良い。例えば、図3(A)において、電極101の電位の方が電極102の電位よりも高くなるように電圧を印加した場合、電荷発生層115は、発光ユニット106に電子を注入し、発光ユニット110に正孔を注入する。
なお、電荷発生層115は、光取出し効率の点から、可視光に対して透光性(具体的には、電荷発生層115に対する可視光の透過率が40%以上)を有することが好ましい。また、電荷発生層115は、一対の電極(電極101及び電極102)よりも低い導電率であっても機能する。
上述した材料を用いて電荷発生層115を形成することにより、発光層が積層された場合における駆動電圧の上昇を抑制することができる。
また、図3(A)においては、2つの発光ユニットを有する発光素子について説明したが、3つ以上の発光ユニットを積層した発光素子についても、同様に適用することが可能である。発光素子250に示すように、一対の電極間に複数の発光ユニットを電荷発生層で仕切って配置することで、電流密度を低く保ったまま、高輝度発光を可能とし、さらに長寿命な発光素子を実現できる。また、消費電力が低い発光素子を実現することができる。
なお、上記各構成において、発光ユニット106及び発光ユニット110、に用いるゲスト材料が呈する発光色としては、互いに同じであっても異なっていてもよい。発光ユニット106及び発光ユニット110、で互いに同じ色の発光を呈する機能を有するゲスト材料を有する場合、発光素子250は少ない電流値で高い発光輝度を呈する発光素子となり好ましい。また、発光ユニット106及び発光ユニット110、で互いに異なる色の発光を呈する機能を有するゲスト材料を有する場合、発光素子250は多色発光を呈する発光素子となり好ましい。この場合、発光層120及び発光層170のいずれか一方もしくは双方、に発光波長の異なる複数の発光材料を用いることによって、発光素子250が呈する発光スペクトルは異なる発光ピークを有する発光が合成された光となるため、少なくとも二つの極大値を有する発光スペクトルとなる。
上記の構成は白色発光を得るためにも好適である。発光層120及び発光層170、の光を互いに補色の関係とすることによって、白色発光を得ることができる。特に、演色性の高い白色発光、あるいは少なくとも赤色と緑色と青色とを有する発光、になるようゲスト材料を選択することが好適である。
また、3つ以上の発光ユニットを積層した発光素子の場合、それぞれの発光ユニットに用いるゲスト材料が呈する発光色は、互いに同じであっても異なっていてもよい。同色の発光を呈する発光ユニットを複数有する場合、この複数の発光ユニットが呈する発光色は、その他の色と比較して、少ない電流値で高い発光輝度を得ることができる。このような構成は、発光色の調整に好適に用いることができる。特に、発光効率が異なり且つ、異なる発光色を呈するゲスト材料を用いる場合に好適である。例えば、3層の発光ユニットを有する場合、同色の蛍光材料を有する発光ユニットを2層、該蛍光材料とは異なる発光色を呈する燐光材料を有する発光ユニットを1層とすることで、蛍光発光と燐光発光の発光強度を調整することができる。すなわち、発光ユニットの数によって各発光色の強度を調整することが可能である。
また、発光層120または発光層170の少なくとも一つを層状にさらに分割し、当該分割した層ごとに異なる発光材料を含有させるようにしても良い。すなわち、発光層120、または発光層170の少なくとも一つが2層以上の複数層でもって構成することもできる。例えば、第1の発光層と第2の発光層を正孔輸送層側から順に積層して発光層とする場合、第1の発光層のホスト材料として正孔輸送性を有する材料を用い、第2の発光層のホスト材料として電子輸送性を有する材料を用いる構成などがある。この場合、第1の発光層と第2の発光層とが有する発光材料は、同じ材料あっても異なる材料であってもよく、同じ色の発光を呈する機能を有する材料であっても、異なる色の発光を呈する機能を有する材料であってもよい。互いに異なる色の発光を呈する機能を有する複数の発光材料を有する構成により、三原色や、4色以上の発光色からなる演色性の高い白色発光を得ることもできる。
また、発光ユニット110の発光層が燐光性化合物を有すると好適である。なお、複数のユニットのうち、少なくとも一つのユニットに、本発明の一態様に係る有機化合物を適用することによって、信頼性、発光効率が良好な発光素子を提供することができる。
発光ユニット110が有する発光層120は、図3(B)で示すように、ホスト材料121と、発光性材料122とを有する。また、ホスト材料121は、有機化合物121_1と、有機化合物121_2と、を有する。なお、発光層120が有する発光性材料122が燐光性化合物として、以下説明する。
≪発光層120の発光機構≫
次に、発光層120の発光機構及び材料構成について、以下説明を行う。
発光層120が有する、有機化合物121_1と、有機化合物121_2とは励起錯体を形成すると好ましい。
有機化合物121_1と有機化合物121_2との組み合わせは、互いに励起錯体を形成することが可能な組み合わせであればよいが、一方が正孔輸送性を有する化合物であり、他方が電子輸送性を有する化合物であることが、より好ましい。
発光層120における有機化合物121_1と、有機化合物121_2と、発光性材料122とのエネルギー準位の相関を図3(C)に示す。なお、図3(C)における表記及び符号は、以下の通りである。
・Host(121_1):有機化合物121_1(ホスト材料)
・Host(121_2):有機化合物121_2(ホスト材料)
・Guest(122):発光性材料122(燐光性化合物)
・SPH1:有機化合物121_1(ホスト材料)のS1準位
・TPH1:有機化合物121_1(ホスト材料)のT1準位
・SPH2:有機化合物121_2(ホスト材料)のS1準位
・TPH2:有機化合物121_2(ホスト材料)のT1準位
・TPG:発光性材料122(燐光性化合物)のT1準位
・SPE:励起錯体のS1準位
・TPE:励起錯体のT1準位
有機化合物121_1及び有機化合物121_2は、一方がホールを、他方が電子を受け取ることで速やかに励起錯体を形成する(図3(C) ルートE3参照)。あるいは、一方が励起状態となると、速やかに他方と相互作用することで励起錯体を形成する。励起錯体の励起エネルギー準位(SPEまたはTPE)は、励起錯体を形成するホスト材料(有機化合物121_1及び有機化合物121_2)のS1準位(SPH1及びSPH2)より低くなるため、より低い励起エネルギーでホスト材料121の励起状態を形成することが可能となる。これによって、発光素子の駆動電圧を下げることができる。
そして、励起錯体の(SPE)と(TPE)の双方のエネルギーを、発光性材料122(燐光性化合物)のT1準位へ移動させて発光が得られる(図3(C) ルートE4、E5参照)。
なお、励起錯体のT1準位(TPE)は、発光性材料122のT1準位(TPG)より大きいこと及び、励起錯体を形成する各有機化合物(有機化合物121_1及び有機化合物121_2)のT1準位(TPH1及びTPH2)と同等か、より小さいことが好ましい。そうすることで、生成した励起錯体の一重項励起エネルギー及び三重項励起エネルギーを、励起錯体のS1準位(SPE)及びT1準位(TPE)から発光性材料122のT1準位(TPG)へ効率良くエネルギー移動することができる。
また、有機化合物121_1と有機化合物121_2とが、効率よく励起錯体を形成するためには、有機化合物121_1及び有機化合物121_2の一方のHOMO準位が他方のHOMO準位より高く、一方のLUMO準位が他方のLUMO準位より高いことが好ましい。
また、有機化合物121_1と有機化合物121_2との組み合わせが、正孔輸送性を有する化合物と電子輸送性を有する化合物との組み合わせである場合、その混合比によってキャリアバランスを容易に制御することが可能となる。具体的には、正孔輸送性を有する化合物:電子輸送性を有する化合物=1:9から9:1(重量比)の範囲が好ましい。また、該構成を有することで、容易にキャリアバランスを制御することができることから、キャリア再結合領域の制御も簡便に行うことができる。
なお、上記に示すルートE3乃至E5の過程を、本明細書等においてExTET(Exciplex−Triplet Energy Transfer)と呼称する場合がある。別言すると、発光層120は、励起錯体から発光性材料122への励起エネルギーの供与がある。なお、この場合は必ずしもTPEからSPEへの逆項間交差効率が高い必要はなく、SPEからの発光量子収率が高い必要もないため、材料を幅広く選択することが可能となる。
ExTETを利用することで、発光効率が高く信頼性の良い発光素子を得ることができる。
なお、本実施の形態では、説明のため発光層120が1層の場合について例示したが、実施の形態1で示した発光素子のように、複数の発光層の積層構造であっても良い。この場合、全ての燐光発光層にExTETを適用することが好ましい。そうすることで、発光効率が高く、信頼性の良い発光素子を得ることができる。本発明の一態様に係る有機化合物は有機化合物121_1または有機化合物121_2として好適に用いることができる。
以上、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では実施の形態3及び実施の形態4で説明した発光素子を用いた発光装置について、図4(A)及び図4(B)を用いて説明する。
図4(A)は、発光装置を示す上面図、図4(B)は図4(A)をA−B及びC−Dで切断した断面図である。この発光装置は、発光素子の発光を制御するものとして、点線で示された駆動回路部(ソース側駆動回路)601、画素部602、駆動回路部(ゲート側駆動回路)603を含んでいる。また、604は封止基板、625は乾燥材、605はシール材であり、シール材605で囲まれた内側は、空間607になっている。
なお、引き回し配線608はソース側駆動回路601及びゲート側駆動回路603に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)609からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基板(PWB:Printed Wiring Board)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態を含むものとする。
次に、上記発光装置の断面構造について図4(B)を用いて説明する。素子基板610上に駆動回路部及び画素部が形成されているが、ここでは、駆動回路部であるソース側駆動回路601と画素部602中の一つの画素が示されている。
なお、ソース側駆動回路601はnチャネル型TFT623とpチャネル型TFT624とを組み合わせたCMOS回路が形成される。また、駆動回路は種々のCMOS回路、PMOS回路、NMOS回路で形成しても良い。また本実施の形態では、基板上に駆動回路を形成したドライバー一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、駆動回路を基板上ではなく、外部に形成することもできる。
また、画素部602はスイッチング用TFT611と電流制御用TFT612とそのドレインに電気的に接続された第1の電極613とを含む画素により形成される。なお、第1の電極613の端部を覆うように絶縁物614が形成されている。絶縁物614は、ポジ型の感光性樹脂膜を用いることにより形成することができる。
また、絶縁物614上に形成される膜の被覆性を良好なものとするため、絶縁物614の上端部または下端部に曲率を有する面が形成されるようにする。例えば、絶縁物614の材料として感光性アクリルを用いた場合、絶縁物614の上端部のみに曲面をもたせることが好ましい。該曲面の曲率半径は0.2μm以上0.3μm以下が好ましい。また、絶縁物614として、ネガ型、ポジ型、いずれの感光材料も使用することができる。
第1の電極613上には、EL層616、及び第2の電極617がそれぞれ形成されている。ここで、陽極として機能する第1の電極613に用いる材料としては、仕事関数の大きい材料を用いることが望ましい。例えば、ITO膜、またはケイ素を含有したインジウム錫酸化物膜、2wt%以上20wt%以下の酸化亜鉛を含む酸化インジウム膜、窒化チタン膜、クロム膜、タングステン膜、Zn膜、Pt膜などの単層膜の他、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との3層構造等を用いることができる。なお、積層構造とすると、配線としての抵抗も低く、良好なオーミックコンタクトがとれ、さらに陽極として機能させることができる。
また、EL層616は、蒸着マスクを用いた蒸着法、インクジェット法、スピンコート法等の種々の方法によって形成される。EL層616を構成する材料としては、低分子化合物、または高分子化合物(オリゴマー、デンドリマーを含む)であっても良い。
さらに、EL層616上に形成され、陰極として機能する第2の電極617に用いる材料としては、仕事関数の小さい材料(Al、Mg、Li、Ca、またはこれらの合金や化合物、MgAg、MgIn、AlLi等)を用いることが好ましい。なお、EL層616で生じた光が第2の電極617を透過する場合には、第2の電極617として、膜厚を薄くした金属薄膜と、透明導電膜(ITO、2wt%以上20wt%以下の酸化亜鉛を含む酸化インジウム、ケイ素を含有したインジウム錫酸化物、酸化亜鉛(ZnO)等)との積層を用いるのが良い。
なお、第1の電極613、EL層616、第2の電極617により、発光素子618が形成されている。発光素子618は実施の形態3及び実施の形態4の構成を有する発光素子であると好ましい。なお、画素部は複数の発光素子が形成されてなっているが、本実施の形態における発光装置では、実施の形態3及び実施の形態4で説明した構成を有する発光素子と、それ以外の構成を有する発光素子の両方が含まれていても良い。
さらにシール材605で封止基板604を素子基板610と貼り合わせることにより、素子基板610、封止基板604、及びシール材605で囲まれた空間607に発光素子618が備えられた構造になっている。なお、空間607には、充填材が充填されており、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、樹脂若しくは乾燥材又はその両方で充填される場合もある。
なお、シール材605にはエポキシ系樹脂やガラスフリットを用いるのが好ましい。また、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、封止基板604に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiber Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
以上のようにして、実施の形態3及び実施の形態4で説明した発光素子を用いた発光装置を得ることができる。
<発光装置の構成例1>
図5には発光装置の一例として、白色発光を呈する発光素子を形成し、着色層(カラーフィルタ)を形成した発光装置の例を示す。
図5(A)には基板1001、下地絶縁膜1002、ゲート絶縁膜1003、ゲート電極1006、1007、1008、第1の層間絶縁膜1020、第2の層間絶縁膜1021、周辺部1042、画素部1040、駆動回路部1041、発光素子の第1の電極1024W、1024R、1024G、1024B、隔壁1025、EL層1028、発光素子の第2の電極1029、封止基板1031、シール材1032などが図示されている。
また、図5(A)には着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)を透明な基材1033に設けている。また、黒色層(ブラックマトリックス)1035をさらに設けても良い。着色層及び黒色層が設けられた透明な基材1033は、位置合わせし、基板1001に固定する。なお、着色層、及び黒色層は、オーバーコート層1036で覆われている。また、図5(A)においては、光が着色層を透過せずに外部へと出る発光層と、各色の着色層を透過して外部に光が出る発光層とがあり、着色層を透過しない光は白、着色層を透過する光は赤、青、緑となることから、4色の画素で映像を表現することができる。
図5(B)では赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034Bをゲート絶縁膜1003と第1の層間絶縁膜1020との間に形成する例を示した。図5(B)に示すように着色層は基板1001と封止基板1031の間に設けられても良い。
また、以上に説明した発光装置では、TFTが形成されている基板1001側に光を取り出す構造(ボトムエミッション型)の発光装置としたが、封止基板1031側に発光を取り出す構造(トップエミッション型)の発光装置としても良い。
<発光装置の構成例2>
トップエミッション型の発光装置の断面図を図6に示す。この場合、基板1001は光を通さない基板を用いることができる。TFTと発光素子の陽極とを接続する接続電極を作製するまでは、ボトムエミッション型の発光装置と同様に形成する。その後、第3の層間絶縁膜1037を電極1022を覆って形成する。この絶縁膜は平坦化の役割を担っていても良い。第3の層間絶縁膜1037は第2の層間絶縁膜1021と同様の材料の他、他の様々な材料を用いて形成することができる。
発光素子の下部電極1025W、1025R、1025G、1025Bはここでは陽極とするが、陰極であっても構わない。また、図6のようなトップエミッション型の発光装置である場合、下部電極1025W、1025R、1025G、1025Bは反射電極とすることが好ましい。なお、第2の電極1029は光を反射する機能と、光を透過する機能を有すると好ましい。また、第2の電極1029と下部電極1025W、1025R、1025G、1025Bとの間でマイクロキャビティ構造を適用し特定波長の光を増幅する機能を有すると好ましい。EL層1028の構成は、実施の形態2で説明したような構成とし、白色の発光が得られる素子構造とする。
図5(A)、図5(B)、図6において、白色の発光が得られるEL層の構成としては、発光層を複数層用いること、複数の発光ユニットを用いることなどにより実現すればよい。なお、白色発光を得る構成はこれらに限られない。
図6のようなトップエミッション構造では着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)を設けた封止基板1031で封止を行うことができる。封止基板1031には画素と画素との間に位置するように黒色層(ブラックマトリックス)を設けても良い。着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)や黒色層(ブラックマトリックス)はオーバーコート層によって覆われていても良い。なお封止基板1031は透光性を有する基板を用いる。
また、ここでは赤、緑、青、白の4色でフルカラー表示を行う例を示したが特に限定されず、赤、緑、青の3色でフルカラー表示を行ってもよい。また、赤、緑、青、黄の4色でフルカラー表示を行ってもよい。
以上のようにして、実施の形態3及び実施の形態4で説明した発光素子を用いた発光装置を得ることができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器について説明する。
本発明の一態様により、平面を有し、信頼性の高い電子機器を作製できる。また、本発明の一態様により、曲面を有し、信頼性の高い電子機器を作製できる。また、本発明の一態様により、可撓性を有し、信頼性の高い電子機器を作製できる。
電子機器としては、例えば、テレビジョン装置、デスクトップ型もしくはノート型のパーソナルコンピュータ、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
また、本発明の一態様の発光装置は、外光の強さによらず、高い視認性を実現することができる。そのため、携帯型の電子機器、装着型の電子機器(ウェアラブル機器)、及び電子書籍端末などに好適に用いることができる。
図7(A)、(B)に示す携帯情報端末900は、筐体901、筐体902、表示部903、及びヒンジ部905等を有する。
筐体901と筐体902は、ヒンジ部905で連結されている。携帯情報端末900は、折り畳んだ状態(図7(A))から、図7(B)に示すように展開させることができる。これにより、持ち運ぶ際には可搬性に優れ、使用するときには大きな表示領域により、視認性に優れる。
携帯情報端末900には、ヒンジ部905により連結された筐体901と筐体902に亘って、フレキシブルな表示部903が設けられている。
本発明の一態様を用いて作製された発光装置を、表示部903に用いることができる。これにより、高い歩留まりで携帯情報端末を作製することができる。
表示部903は、文書情報、静止画像、及び動画像等のうち少なくとも一つを表示することができる。表示部に文書情報を表示させる場合、携帯情報端末900を電子書籍端末として用いることができる。
携帯情報端末900を展開すると、表示部903が大きく湾曲した形態で保持される。例えば、曲率半径1mm以上50mm以下、好ましくは5mm以上30mm以下に湾曲した部分を含んで、表示部903が保持される。表示部903の一部は、筐体901から筐体902にかけて、連続的に画素が配置され、曲面状の表示を行うことができる。
表示部903は、タッチパネルとして機能し、指やスタイラスなどにより操作することができる。
表示部903は、一つのフレキシブルディスプレイで構成されていることが好ましい。これにより、筐体901と筐体902の間で途切れることのない連続した表示を行うことができる。なお、筐体901と筐体902のそれぞれに、ディスプレイが設けられる構成としてもよい。
ヒンジ部905は、携帯情報端末900を展開したときに、筐体901と筐体902との角度が所定の角度よりも大きい角度にならないように、ロック機構を有することが好ましい。例えば、ロックがかかる(それ以上に開かない)角度は、90度以上180度未満であることが好ましく、代表的には、90度、120度、135度、150度、または175度などとすることができる。これにより、携帯情報端末900の利便性、安全性、及び信頼性を高めることができる。
ヒンジ部905がロック機構を有すると、表示部903に無理な力がかかることなく、表示部903が破損することを防ぐことができる。そのため、信頼性の高い携帯情報端末を実現できる。
筐体901及び筐体902は、電源ボタン、操作ボタン、外部接続ポート、スピーカ、マイク等を有していてもよい。
筐体901または筐体902のいずれか一方には、無線通信モジュールが設けられ、インターネットやLAN(Local Area Network)、Wi−Fi(登録商標)などのコンピュータネットワークを介して、データを送受信することが可能である。
図7(C)に示す携帯情報端末910は、筐体911、表示部912、操作ボタン913、外部接続ポート914、スピーカ915、マイク916、カメラ917等を有する。
本発明の一態様を用いて作製された発光装置を、表示部912に用いることができる。これにより、高い歩留まりで携帯情報端末を作製することができる。
携帯情報端末910は、表示部912にタッチセンサを備える。電話を掛ける、或いは文字を入力するなどのあらゆる操作は、指やスタイラスなどで表示部912に触れることで行うことができる。
また、操作ボタン913の操作により、電源のON、OFF動作や、表示部912に表示される画像の種類の切り替えを行うことができる。例えば、メール作成画面から、メインメニュー画面に切り替えることができる。
また、携帯情報端末910の内部に、ジャイロセンサまたは加速度センサ等の検出装置を設けることで、携帯情報端末910の向き(縦か横か)を判断して、表示部912の画面表示の向きを自動的に切り替えることができる。また、画面表示の向きの切り替えは、表示部912に触れること、操作ボタン913の操作、またはマイク916を用いた音声入力等により行うこともできる。
携帯情報端末910は、例えば、電話機、手帳または情報閲覧装置等から選ばれた一つまたは複数の機能を有する。具体的には、スマートフォンとして用いることができる。携帯情報端末910は、例えば、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、動画再生、インターネット通信、ゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。
図7(D)に示すカメラ920は、筐体921、表示部922、操作ボタン923、シャッターボタン924等を有する。またカメラ920には、着脱可能なレンズ926が取り付けられている。
本発明の一態様を用いて作製された発光装置を、表示部922に用いることができる。これにより、高い歩留まりでカメラを作製することができる。
ここではカメラ920を、レンズ926を筐体921から取り外して交換することが可能な構成としたが、レンズ926と筐体921とが一体となっていてもよい。
カメラ920は、シャッターボタン924を押すことにより、静止画または動画を撮像することができる。また、表示部922はタッチパネルとしての機能を有し、表示部922をタッチすることにより撮像することも可能である。
なお、カメラ920は、ストロボ装置や、ビューファインダーなどを別途装着することができる。または、これらが筐体921に組み込まれていてもよい。
図8(A)乃至(E)は、電子機器を示す図である。これらの電子機器は、筐体9000、表示部9001、スピーカ9003、操作キー9005(電源スイッチまたは操作スイッチを含む)、接続端子9006、センサ9007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、においまたは赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン9008等を有する。
本発明の一態様を用いて作製された発光装置を、表示部9001に好適に用いることができる。これにより、高い歩留まりで電子機器を作製することができる。
図8(A)乃至(E)に示す電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、無線通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能、無線通信機能を用いて様々なデータの送信または受信を行う機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出して表示部に表示する機能、等を有することができる。なお、図8(A)乃至(E)に示す電子機器が有する機能はこれらに限定されず、その他の機能を有していてもよい。
図8(A)は腕時計型の携帯情報端末9200を、図8(B)は腕時計型の携帯情報端末9201を、それぞれ示す斜視図である。
図8(A)に示す携帯情報端末9200は、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。また、表示部9001はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、携帯情報端末9200は、通信規格された近距離無線通信を実行することが可能である。例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。また、携帯情報端末9200は、接続端子9006を有し、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うことができる。また接続端子9006を介して充電を行うこともできる。なお、充電動作は接続端子9006を介さずに無線給電により行ってもよい。
図8(B)に示す携帯情報端末9201は、図8(A)に示す携帯情報端末と異なり、表示部9001の表示面が湾曲していない。また、携帯情報端末9201の表示部の外形が非矩形状(図8(B)においては円形状)である。
図8(C)乃至(E)は、折り畳み可能な携帯情報端末9202を示す斜視図である。なお、図8(C)が携帯情報端末9202を展開した状態の斜視図であり、図8(D)が携帯情報端末9202を展開した状態または折り畳んだ状態の一方から他方に変化する途中の状態の斜視図であり、図8(E)が携帯情報端末9202を折り畳んだ状態の斜視図である。
携帯情報端末9202は、折り畳んだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では、継ぎ目のない広い表示領域により表示の一覧性に優れる。携帯情報端末9202が有する表示部9001は、ヒンジ9055によって連結された3つの筐体9000に支持されている。ヒンジ9055を介して2つの筐体9000間を屈曲させることにより、携帯情報端末9202を展開した状態から折りたたんだ状態に可逆的に変形させることができる。例えば、携帯情報端末9202は、曲率半径1mm以上150mm以下で曲げることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光素子を様々な照明装置に適用する一例について、図9及び図10を用いて説明する。
本発明の一態様の発光素子を、可撓性を有する基板上に作製することで、曲面を有する発光領域を有する電子機器、照明装置を実現することができる。
また、本発明の一態様の発光素子を適用した発光装置は、自動車の照明にも適用することができ、例えば、フロントガラス、天井等に照明を設置することもできる。
図9(A)は、多機能端末3500の一方の面の斜視図を示し、図9(B)は、多機能端末3500の他方の面の斜視図を示している。多機能端末3500は、筐体3502に表示部3504、カメラ3506、照明3508等が組み込まれている。本発明の一態様の発光装置を照明3508に用いることができる。
照明3508は、本発明の一態様の発光装置を用いることで、面光源として機能する。したがって、LEDに代表される点光源と異なり、指向性が少ない発光が得られる。例えば、照明3508とカメラ3506とを組み合わせて用いる場合、照明3508を点灯または点滅させて、カメラ3506により撮像することができる。照明3508としては、面光源としての機能を有するため、自然光の下で撮影したような写真を撮影することができる。
なお、図9(A)、(B)に示す多機能端末3500は、図7(A)乃至図7(C)に示す電子機器と同様に、様々な機能を有することができる。
また、筐体3502の内部に、スピーカ、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン等を有することができる。また、多機能端末3500の内部に、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサを有する検出装置を設けることで、多機能端末3500の向き(縦か横か)を判断して、表示部3504の画面表示を自動的に切り替えるようにすることができる。
表示部3504は、イメージセンサとして機能させることもできる。例えば、表示部3504に掌や指で触れ、掌紋、指紋等を撮像することで、本人認証を行うことができる。また、表示部3504に近赤外光を発光するバックライト又は近赤外光を発光するセンシング用光源を用いれば、指静脈、掌静脈などを撮像することもできる。なお、表示部3504に本発明の一態様の発光装置を適用してもよい。
図9(C)は、防犯用のライト3600の斜視図を示している。ライト3600は、筐体3602の外側に照明3608を有し、筐体3602には、スピーカ3610等が組み込まれている。本発明の一態様の発光素子を照明3608に用いることができる。
ライト3600としては、例えば、照明3608を握持する、掴持する、または保持することで発光することができる。また、筐体3602の内部には、ライト3600からの発光方法を制御できる電子回路を備えていてもよい。該電子回路としては、例えば、1回または間欠的に複数回、発光が可能なような回路としてもよいし、発光の電流値を制御することで発光の光量が調整可能な回路としてもよい。また、照明3608の発光と同時に、スピーカ3610から大音量の警報音が出力される回路を組み込んでもよい。
ライト3600としては、あらゆる方向に発光することが可能なため、例えば、暴漢等に向けて光、または光と音で威嚇することができる。また、ライト3600にデジタルスチルカメラ等のカメラ、撮影機能を有する機能を備えてもよい。
図10は、発光素子を室内の照明装置8501として用いた例である。なお、発光素子は大面積化も可能であるため、大面積の照明装置を形成することもできる。その他、曲面を有する筐体を用いることで、発光領域が曲面を有する照明装置8502を形成することもできる。本実施の形態で示す発光素子は薄膜状であり、筐体のデザインの自由度が高い。したがって、様々な意匠を凝らした照明装置を形成することができる。さらに、室内の壁面に大型の照明装置8503を備えても良い。また、照明装置8501、8502、8503に、タッチセンサを設けて、電源のオンまたはオフを行ってもよい。
また、発光素子をテーブルの表面側に用いることによりテーブルとしての機能を備えた照明装置8504とすることができる。なお、その他の家具の一部に発光素子を用いることにより、家具としての機能を備えた照明装置とすることができる。
以上のようにして、本発明の一態様の発光装置を適用して照明装置及び電子機器を得ることができる。なお、適用できる照明装置及び電子機器は、本実施の形態に示したものに限らず、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
また、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
本実施例では、本発明の一態様である、一般式(G0)で表される化合物の一つである、8−(9H−カルバゾール−9−イル)−4−(9’−フェニル−2,3’−ビ−9H−カルバゾール−9−イル)ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン(略称:8Cz−4PCCzBfpm−02)(構造式(100))の合成方法と、該化合物の特性について説明する。
<合成例1>
<ステップ1:8−クロロ−4−(9’−フェニル−2,3’−ビ−9H−カルバゾール−9−イル)ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジンの合成>
窒素で置換した200mLの三口フラスコに水素化ナトリウム(60%)0.30gを入れ、攪拌しながらN,N−ジメチルホルムアミド(略称:DMF)30mLを滴下した。三口フラスコを0℃に氷冷し、9’−フェニル−2,3’−ビ−9H−カルバゾール1.8gと、DMF15mlとの溶液を滴下して加え、室温に昇温し、1時間攪拌した。攪拌後、反応容器を0℃に氷冷し、4,8−ジクロロ[1]ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン0.82gと、DMF20mLとの溶液を滴下して加え、室温に昇温し、20時間攪拌した。得られた反応液を氷水に入れ、これをトルエンにて抽出し、抽出液を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸マグネシウムを加え、ろ過した。得られたろ液の溶媒を留去した。得られた反応混合物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。展開溶媒はヘキサン:トルエン=1:1から始め、徐々にトルエンの割合を増やすことで精製を行った。得られたろ液を濃縮することで、目的物である8−クロロ−4−(9’−フェニル−2,3’−ビ−9H−カルバゾール−9−イル)ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジンの黄色固体を1.1g、収率45%で得た。ステップ1の合成スキームを下記式(A−1)に示す。
<ステップ2:8−(9H−カルバゾール−9−イル)−4−(9’−フェニル−2,3’−ビ−9H−カルバゾール−9−イル)ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン(略称:8Cz−4PCCzBfpm−02)の合成>
200mL三口フラスコに、上記ステップ1で得た8−クロロ−4−(9’−フェニル−2,3’−ビ−9H−カルバゾール−9−イル)ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン1.6g、9H−カルバゾール0.53g、ナトリウム−t−ブトキシド0.61g、メシチレン50mlを加え、フラスコ内を窒素置換し、ジ−tert−ブチル(1−メチル−2,2−ジフェニルシクロプロピル)ホスフィン(略称:cBRIDP)37mg、アリルパラジウム(II)クロリドダイマー10mgを加え、窒素気流下にて160℃にて4時間加熱した。得られた反応混合物をろ過し、水、次いでエタノールにて洗浄し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。展開溶媒はトルエンのみから始め、酢酸エチルの割合を徐々に上げ、トルエン:酢酸エチル=10:1で精製を行った。得られたろ液を濃縮することで固体を得て、この固体をトルエンとエタノールにて再結晶することにより、目的物である、8Cz−4PCCzBfpm−02の黄色固体を0.98g、収率50%で得た。本ステップの合成スキームを下記式(A−2)に示す。
この黄色固体0.98gを、トレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製条件は、圧力を2.6Paとし、アルゴンガスの流量を5mL/minで流しながら、330℃で黄色固体を加熱した。昇華精製後、目的物の褐色固体を0.68g、回収率69%で得た。
得られた固体の核磁気共鳴分光法(1H NMR)による分析データを以下に示す。
1H−NMR δ(CDCl3):7.27−7.31(dt,1H)、7.32−7.36(t,2H)、7.42−7.51(m,9H)、7.54−7.64(m,5H)、7.77(d,1H)、7.81(d,1H)、7.90(d,1H)、7.96−8.01(m,2H)、8.15−8.22(m,5H)、8.26(d,1H)、8.42(1,1H)、8.57(s,1H)、9.33(s,1H)。
なお、2.33、7.13−7.17及び7.23−7.26付近のピークはトルエン由来である。
また、得られた固体の1H NMRチャートを図11(A)及び図11(B)に示す。なお、図11(B)は図11(A)における7.0ppmから9.6ppmの範囲の拡大図である。測定結果から目的物である、8Cz−4PCCzBfpm−02が得られたことが分かった。
<8Cz−4PCCzBfpm−02の特性>
次に、本実施例で得られた8Cz−4PCCzBfpm−02を液体クロマトグラフ質量分析(Liquid Chromatography Mass Spectrometry,略称:LC/MS分析)によって分析した。
LC/MS分析は、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製Ultimate3000によりLC(液体クロマトグラフィー)分離を行い、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製Q ExactiveによりMS分析(質量分析)を行った。
LC分離は、任意のカラムを用いてカラム温度は40℃とし、送液条件は溶媒を適宜選択し、サンプルは任意の濃度の8Cz−4PCCzBfpm−02を有機溶媒に溶かして調整し、注入量は5.0μLとした。
MS分析は、8Cz−4PCCzBfpm−02由来のイオンである、m/z=741.25の成分をTargeted−MS2法を用いて測定を行なった。Targeted−MS2の設定は、質量幅を±4.0m/zとし、検出はポジティブモードで行った。イオンを加速するエネルギーNCE(Normalized Collision Energy)を60として測定した。得られたMSスペクトルを図12に示す。
図12の結果から、8Cz−4PCCzBfpm−02は、主としてm/z=715、665、575、548、457、434、408、330、241、166付近にプロダクトイオンが検出されることがわかった。なお、図12に示す結果は、8Cz−4PCCzBfpm−02に由来する特徴的な結果を示すものであることから、混合物中に含まれる8Cz−4PCCzBfpm−02を同定する上での重要なデータであるといえる。
なお、m/z=715付近のプロダクトイオンは、8Cz−4PCCzBfpm−02におけるピリミジン骨格が開裂しニトリルの脱離より生成したカチオンと推定され、m/z=548付近のプロダクトイオンは、さらにカルバゾリル基の脱離より生成したカチオンと推定され、m/z=458付近のプロダクトイオンは、さらにベンゾフラン骨格が開裂しフェノールの脱離より生成したカチオンと推定され、m/z=434付近のプロダクトイオンは、さらにエチル基の脱離より生成したカチオンと推定され、m/z=408付近のプロダクトイオンは、さらにニトリルの脱離より生成したカチオンと推定され、8Cz−4PCCzBfpm−02が、カルバゾリル基とベンゾフロピリミジニル基を含んでいることを示唆するものである。
また、m/z=665付近のプロダクトイオンは、8Cz−4PCCzBfpm−02におけるフェニルの脱離より生成したカチオンと推定され、8Cz−4PCCzBfpm−02がフェニル基を含んでいることを示唆するものである。
また、m/z=575付近のプロダクトイオンは、8Cz−4PCCzBfpm−02におけるカルバゾールの脱離より生成したカチオンと推定され、8Cz−4PCCzBfpm−02がカルバゾリル基を含んでいることを示唆するものである。
また、m/z=241付近のプロダクトイオンは、フェニルカルバゾール基のカチオンと推定され、8Cz−4PCCzBfpm−02が、フェニルカルバゾール基を含んでいることを示唆するものである。
また、m/z=166付近のプロダクトイオンは、カルバゾリル基のカチオンと推定され、8Cz−4PCCzBfpm−02が、カルバゾリル基を含んでいることを示唆するものである。
次に、トルエン溶液中の8Cz−4PCCzBfpm−02の吸収スペクトル及び発光スペクトルを図13に示す。
吸収スペクトルの測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。トルエン溶液中の8Cz−4PCCzBfpm−02の吸収スペクトルは、8Cz−4PCCzBfpm−02のトルエン溶液を石英セルに入れて測定し、この吸収スペクトルから、石英セルを用いて測定した溶媒であるトルエンの吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを示した。発光スペクトルの測定にはPL−EL測定装置(浜松ホトニクス社製)を用いた。トルエン溶液中における8Cz−4PCCzBfpm−02の発光スペクトルは、8Cz−4PCCzBfpm−02のトルエン溶液を石英セルに入れて測定した。
これにより、8Cz−4PCCzBfpm−02のトルエン溶液中における吸収ピーク波長は、292nm、302nm、305nm、327nm付近及び366nm付近にあり、発光ピーク波長は462nm付近及び481nm付近(励起波長354nm)にあることがわかった。
本実施例では、本発明の一態様である、一般式(G0)で表される化合物の一つである、4,8−ビス(9’−フェニル−2,3’−ビ−9H−カルバゾール−9−イル)ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン(略称:4,8PCCz2Bfpm−02)(構造式(102))の合成方法と、該化合物の特性について説明する。
<合成例2>
<4,8−ビス(9’−フェニル−2,3’−ビ−9H−カルバゾール−9−イル)ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン(略称:4,8PCCz2Bfpm−02)の合成>
還流管を付けた200mLの三口フラスコに、4,8−ジクロロ[1]ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン1.0g、9’−フェニル−2,3’−ビ−9H−カルバゾール3.8g、ナトリウム−t−ブトキシド1.8g、メシチレン130mlを入れ、フラスコ内を窒素置換し、cBRIDP(略称)120mg、アリルパラジウム(II)クロリドダイマー31mgを加え、140℃にて7時間加熱撹拌した。得られた反応混合物から溶媒を留去した後、濃縮した反応混合物をトルエンに溶解し、セライト・アルミナ・セライトを通してろ過した。得られたろ液を濃縮することにより、目的物である4,8PCCz2Bfpm−02の黄色固体を1.8g、収率41%で得た。本ステップの合成スキームを下記式(B−1)に示す。
この黄色固体1.8gを、トレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製条件は、圧力を8.2×10−3Paとし、390℃で黄色固体を加熱した。昇華精製後、目的物の褐色固体を0.67g、回収率37%で得た。
得られた固体の核磁気共鳴分光法(1H NMR)による分析データを以下に示す。
1H−NMR δ(TCE−d2):7.22−7.26(m,2H)、7.36−7.61(m,21H)、7.68−7.73(m,3H)、7.77(d,1H)、7.81(d,1H)、7.88(d,1H)、8.01−8.05(t,2H)、8.11(d,1H)、8.14(d,1H)、8.20−8.29(m,5H)、8.35(s,1H)、8.42(s,1H)、8.65(s,1H)、9.33(s,1H)。
また、得られた固体の1H NMRチャートを図14(A)及び図14(B)に示す。なお、図14(B)は図14(A)における7.0ppmから9.6ppmの範囲の拡大図である。測定結果から目的物である、4,8PCCz2Bfpm−02が得られたことが分かった。
<4,8PCCz2Bfpm−02の特性>
次に、本実施例で得られた4,8PCCz2Bfpm−02をLC/MS分析によって分析した。その結果を図15に示す。なお、分析方法は先の実施例と同様である。m/z=987.34の成分をTargeted−MS2法を用いて測定を行った。
図15の結果から、4,8PCCz2Bfpm−02は、主としてm/z=906、575、548、434、408付近にプロダクトイオンが検出されることがわかった。なお、図15に示す結果は、4,8PCCz2Bfpm−02に由来する特徴的な結果を示すものであることから、混合物中に含まれる4,8PCCz2Bfpm−02を同定する上での重要なデータであるといえる。
なお、m/z=905付近のプロダクトイオンは、4,8PCCz2Bfpm−02におけるフェニル基の脱離より生成したカチオンと推定され、m/z=575付近のプロダクトイオンは、さらにビカルバゾリル基の脱離より生成したカチオンと推定され、4,8PCCz2Bfpm−02が、フェニルビカルバゾリル基を含んでいることを示唆するものである。
また、m/z=434付近のプロダクトイオンは、m/z=575付近のプロダクトイオンからさらにベンゾフロピリミジン骨格が開裂し、ベンゾフラニル基とシアノ基の脱離より生成したカチオンと推定され、4,8PCCz2Bfpm−02がベンゾフロピリミジン骨格を含んでいることを示唆するものである。
また、m/z=408付近のプロダクトイオンは、フェニルビカルバゾリル基のカチオンと推定され、4,8PCCz2Bfpm−02が、フェニルビカルバゾリル基を含んでいることを示唆するものである。
次に、トルエン溶液中の4,8PCCz2Bfpm−02の吸収スペクトル及び発光スペクトルを図16に示す。なお、測定方法は先の実施例と同様に行った。
図16より、4,8PCCz2Bfpm−02のトルエン溶液中における吸収ピーク波長は、282nm、302nm付近及び321nm付近にあり、発光ピーク波長は473nm付近(励起波長344nm)にあることがわかった。
本実施例では、本発明の一態様に係る有機化合物を含む発光素子の作製例と、当該発光素子の特性について説明する。また、比較発光素子2も合わせて作製した。本実施例で作製した素子構造の断面図は図1(A)と同様である。また、素子構造の詳細を表1に示す。また、使用した化合物の構造と略称を以下に示す。なお、他の有機化合物については先の実施例を参照すればよい。
≪発光素子1の作製≫
基板200上に電極101として、ITSO膜を厚さが70nmになるように形成した。なお、電極101の電極面積は、4mm2(2mm×2mm)とした。
次に、電極101上に正孔注入層111として、4,4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾチオフェン)(略称:DBT3P−II)と、酸化モリブデン(MoO3)と、を重量比(DBT3P−II:MoO3)が1:0.5になるように、且つ厚さが50nmになるように共蒸着した。
次に、正孔注入層111上に正孔輸送層112として、3,3’−ビス(9−フェニル−9H−カルバゾール)(略称:PCCP)を厚さが20nmになるように蒸着した。
次に、正孔輸送層112上に発光層130として、8Cz−4PCCzBfpm−02と、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(ppy)3)と、を重量比(8Cz−4PCCzBfpm−02:Ir(ppy)3)が0.9:0.1になるように、且つ厚さが40nmになるように共蒸着した。なお、発光層130において、Ir(ppy)3が燐光発光を呈するゲスト材料である。
次に、発光層130上に、電子輸送層118として、8Cz−4PCCzBfpm−02を厚さが15nmになるように、及びバソフェナントロリン(略称:BPhen)を厚さが10nmになるように、順次蒸着した。次に、電子輸送層118上に、電子注入層119として、LiFを厚さが1nmになるように蒸着した。
次に、電子注入層119上に、電極102として、アルミニウム(Al)を厚さが200nmになるように形成した。
次に、窒素雰囲気のグローブボックス内において、有機EL用シール材を用いて封止するための基板220を、有機材料を形成した基板200に固定することで、発光素子1を封止した。具体的には、基板200に形成した有機材料の周囲にシール材を塗布し、該基板200と基板220とを貼り合わせ、波長が365nmの紫外光を6J/cm2照射し、80℃にて1時間熱処理した。以上の工程により発光素子1を得た。
≪比較発光素子2の作製≫
比較発光素子2は、先に示す発光素子1と、発光層130及び電子輸送層118の形成工程のみ異なり、それ以外の工程は発光素子1と同様の作製方法とした。
正孔輸送層112上に比較発光素子の発光層130として、4−{3−[3’−(9H−カルバゾール−9−イル)]ビフェニル−3−イル}ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン(略称:4mCzBPBfpm)とIr(ppy)3と、を重量比(4mCzBPBfpm:Ir(ppy)3)が0.9:0.1になるように、且つ厚さが40nmになるように共蒸着した。なお、発光層130において、Ir(ppy)3が燐光発光を呈するゲスト材料である。
次に、発光層130上に、電子輸送層118として、4mCzBPBfpmを厚さが15nmになるように、及びバソフェナントロリン(略称:BPhen)を厚さが10nmになるように、順次蒸着した。
<発光素子の特性>
作製した発光素子1及び比較発光素子2の電流効率−輝度特性を図17に示す。また、輝度−電圧特性を図18に示す。また、外部量子効率−輝度特性を図19に示す。なお、各発光素子の測定は室温(23℃に保たれた雰囲気)で行った。また、発光素子1及び比較発光素子2にそれぞれ2.5mA/cm2の電流密度で電流を流した際の電界発光スペクトルを図20に示す。なお、測定は室温で行った。
また、1000cd/m2付近における、発光素子1及び比較発光素子2の素子特性を表2に示す。
図17乃至図19、及び表2で示すように、発光素子1及び比較発光素子2は、高い電流効率及び外部量子効率を示した。また、高輝度側でも効率の低下(ロールオフ)が少ない優れた結果を示した。
また、図20に示すように、発光素子1及び比較発光素子2は、電界発光スペクトルのピーク波長がそれぞれ519nm、513nmであり、半値全幅がそれぞれ69nm、である緑色の発光を示した。得られた電界発光スペクトルから、ゲスト材料であるIr(ppy)3からの発光であることが分かる。
<発光素子の信頼性>
次に、発光素子1、比較発光素子2の2mAにおける定電流駆動試験を行った。その結果を図21に示す。図21から分かるように発光素子1の輝度半減寿命は比較発光素子2の輝度半減寿命と比較し、2倍程向上していることが分かった。これは、本発明の一態様である8Cz−4PCCzBfpm−02は、ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン骨格の6乃至9位に縮合環の一つであるカルバゾール骨格を有するため、電気化学的な安定性が高いためである。
本実施例では、本発明の一態様である、一般式(G0)で表される化合物の一つである、8−(9H−カルバゾール−9−イル)−4−[3−(9’−フェニル−2,3’−ビ−9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン(略称:8Cz−4mPCCzPBfpm)(構造式(104))の合成方法と、該化合物の特性について説明する。
<合成例3>
<ステップ1:9−(3−ブロモフェニル)−9’−フェニル−2,3’−ビ−9H−カルバゾールの合成>
9’−フェニル−2,3’−ビ−9H−カルバゾール16g、3ーブロモヨードベンゼン14g、リン酸三カリウム12gを、500mL三口フラスコに入れ、フラスコ内を窒素置換した。ここに1,4−ジオキサン190mL、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン0.65g、ヨウ化銅(I)0.54gを加え、窒素気流下で120℃にて8時間加熱した。さらに、リン酸三カリウム3.0g、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン0.16g、ヨウ化銅(I)0.13gを加え、窒素気流下で120℃にて14時間加熱した。得られた反応混合物に水とエタノールを加え、ろ過した。ろ液をトルエンにて抽出し、抽出液を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸マグネシウムを加え、ろ過した。ろ液の溶媒を留去し、残留物を熱トルエンに溶かした。これを、トルエン:ヘキサン=1:2を展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製することにより目的物の淡い黄色固体を16g、収率72%で得た。ステップ1の合成スキームを下記式(C−1)に示す。
<ステップ2:9−[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−9’−フェニル−2,3’−ビ−9H−カルバゾールの合成>
次に、上記ステップ1で得た9−(3−ブロモフェニル)−9’−フェニル−2,3’−ビ−9H−カルバゾール16g、ビス(ピナコラート)ジボロン9.1g、酢酸カリウム9.1gを500mL三口フラスコに入れ、フラスコ内を窒素置換した。ここに、ジメチルスルホキシド(略称:DMSO)150mL、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(略称:Pd(dppf)2Cl2)1.1gを加え、110℃で13時間加熱撹拌した。得られた反応混合物に水を加え、ろ過した。ろ液をトルエンにて抽出し、抽出液を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸マグネシウムを加え、ろ過した。得られたろ液の溶媒を留去し、残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。展開溶媒はトルエン:ヘキサン=1:10から、徐々にトルエンの割合を増やすことで精製を行った。得られたフラクションの溶媒を留去し、得られた固体をトルエンとヘキサンの混合溶媒にて再結晶することにより目的物の淡黄色固体を9.7g、収率58%で得た。ステップ2の合成スキームを下記式(C−2)に示す。
<ステップ3:8−クロロ−4−[3−(9’−フェニル−2,3’−ビ−9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジンの合成>
次に、4,8−ジクロロ[1]ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン1.1g、上記ステップ2で得た9−[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−9’−フェニル−2,3’−ビ−9H−カルバゾール3.7g、2Mフッ化セシウム水溶液1,7g、トルエン50mL、エタノール5mLを100mL三口フラスコに入れ、フラスコ内を窒素置換し、酢酸パラジウム(II)21mg、ジ(1−アダマンチル)−n−ブチルホスフィン67mgを加え、90℃で21時間加熱した。得られた反応混合物に水、エタノールを加え、ろ過し、ろ物をエタノールで洗浄した。このろ物を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。展開溶媒は、トルエンから徐々に酢酸エチルを加え最終的にトルエン:酢酸エチル=1:10にすることで精製を行った。得られたフラクションを乾固することで、目的物の淡黄色固体を1.9g、収率59%で得た。また、同様の合成法を行い、追加で目的物の淡黄色固体を1g合成した。ステップ3の合成スキームを下記式(C−3)に示す。
<ステップ4:8−(9H−カルバゾール−9−イル)−4−[3−(9’−フェニル−2,3’−ビ−9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン(略称:8Cz−4mPCCzPBfpm)の合成>
次に、上記ステップ3で得た8−クロロ−4−[3−(9’−フェニル−2,3’−ビ−9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン2.9g、9H−カルバゾール0.84g、ナトリウム−t−ブトキシド0.97g、メシチレン100mLを、200mL三口フラスコに入れ、フラスコ内を窒素置換した。これに、ジ−tert−ブチル(1−メチル−2,2−ジフェニルシクロプロピル)ホスフィン(略称:cBRIDP)59mg、アリルパラジウム(II)クロリドダイマー15mgを加え、160℃で21時間加熱した。得られた反応混合物に水を加え、ろ過した。ろ液をトルエンにて抽出し、抽出液を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸マグネシウムを加え、ろ過した。得られたろ液の溶媒を留去した。得られた反応混合物を、トルエンから徐々に酢酸エチルを加え、最終的にトルエン:酢酸エチル=1:10を展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。得られたフラクションの溶媒を留去し、得られた固体をトルエンとヘキサンの混合溶媒にて再結晶することにより目的物である8Cz−4mPCCzPBfpmの淡黄色固体を1.0g、収率29%で得た。ステップ4の合成スキームを下記式(C−4)に示す。
得られた淡黄色固体1.0gを、トレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製条件は、圧力を2.3Paとし、アルゴンガスの流量を10mL/minで流しながら、380℃で淡い黄色固体を加熱した。昇華精製後、目的物の黄色固体を0.77g、回収率76%で得た。
得られた固体の核磁気共鳴分光法(1H NMR)による分析データを以下に示す。
1H−NMR δ(TCE−d2):7.22−7.25(dt,1H)、7.30−7.32(m,4H)、7.37−7.56(m,12H)、7.62(dd,2H)、7.67(dd,1H)、7.74−7.78(dt,2H)、7.93−7.97(m,3H)、8.07(d,1H)、8.15(d,2H)、8.23(d,1H)、8.29(d,1H)、8.43(dd,1H)、8.72(td,1H)、8.95(s,1H)、9.32(s,1H)。
また、得られた固体の1H NMRチャートを図22(A)及び図22(B)に示す。なお、図22(B)は図22(A)における6.5ppmから9.5ppmの範囲の拡大図である。測定結果から目的物である、4Ph−2,8mDBtP2Bfpmが得られたことが分かった。
<8Cz−4mPCCzPBfpmの特性>
次に、トルエン溶液中の8Cz−4mPCCzPBfpmの吸収スペクトル及び発光スペクトルを図23に示す。横軸は波長、縦軸は吸収強度および発光強度を表す。なお、測定方法は先の実施例と同様に行った。
図23より、8Cz−4mPCCzPBfpmのトルエン溶液では、292nm及び303nm、323nm付近に吸収ピークが見られ、371nm、477nm(励起波長:341nm)付近に発光波長のピークが見られた。
次に、8Cz−4mPCCzPBfpmの固体薄膜の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを測定した。固体薄膜は石英基板上に真空蒸着法にて作製した。また、薄膜の吸収スペクトルは、基板を含めた透過率と反射率から求めた吸光度(−log10 [%T/(100−%R)])より算出した。なお%Tは透過率、%Rは反射率を表す。吸収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計((株)日立ハイテクノロジーズ製 U4100型)を用いた。また、発光スペクトルの測定には、蛍光光度計((株)浜松ホトニクス製 FS920)を用いた。得られた固体薄膜の吸収スペクトルおよび発光スペクトルの測定結果を図24に示す。横軸は波長、縦軸は吸収強度および発光強度を表す。
図24の結果より、8Cz−4mPCCzPBfpmの固体薄膜では、206nm、246nm、297nm及び332nm付近に吸収ピークが見られ、507nm(励起波長:370nm)付近に発光波長のピークが見られた。
本実施例では、本発明の一態様に係る有機化合物を含む実施例3に記載の発光素子とは異なる発光素子の作製例と、当該発光素子の特性について説明する。また、比較発光素子3も合わせて作製した。本実施例で作製した素子構造の断面図は図1(A)と同様である。また、素子構造の詳細を表3に示す。また、使用した化合物の構造と略称を以下に示す。なお、他の有機化合物については先の実施例を参照すればよい。
≪比較発光素子3の作製≫
基板200上に電極101として、ITSO膜を厚さが70nmになるように形成した。なお、電極101の電極面積は、4mm2(2mm×2mm)とした。
次に、電極101上に正孔注入層111として、4,4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾチオフェン)(略称:DBT3P−II)と、酸化モリブデン(MoO3)と、を重量比(DBT3P−II:MoO3)が1:0.5になるように、且つ厚さが45nmになるように共蒸着した。
次に、正孔注入層111上に正孔輸送層112として、4,4’−ジフェニル−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBBi1BP)を厚さが20nmになるように蒸着した。
次に、正孔輸送層112上に発光層130として、4−[3−(9’−フェニル−2,3’−ビ−9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン(略称:4mPCCzPBfpm−02)と、PCCPと、GD270(吉林OLED社製)と、を重量比(4mPCCzPBfpm−02:PCCP:GD270)が0.5:0.5:0.1になるように、且つ厚さが40nmになるように共蒸着した。なお、発光層130において、GD270が燐光発光を呈するゲスト材料である。
次に、発光層130上に、電子輸送層118として、4mPCCzPBfpm−02を厚さが20nmになるように、及びBPhenを厚さが15nmになるように、順次蒸着した。次に、電子輸送層118上に、電子注入層119として、LiFを厚さが1nmになるように蒸着した。
次に、電子注入層119上に、電極102として、アルミニウム(Al)を厚さが200nmになるように形成した。
次に、窒素雰囲気のグローブボックス内において、有機EL用シール材を用いて封止するための基板220を、有機材料を形成した基板200に固定することで、比較発光素子3を封止した。具体的には、基板200に形成した有機材料の周囲にシール材を塗布し、該基板200と基板220とを貼り合わせ、波長が365nmの紫外光を6J/cm2照射し、80℃にて1時間熱処理した。以上の工程により比較発光素子3を得た。
≪発光素子4の作製≫
発光素子4は、先に示す比較発光素子3と、発光層130及び電子輸送層118の形成工程のみ異なり、それ以外の工程は比較発光素子3と同様の作製方法とした。
次に、正孔輸送層112上に発光層130として、8Cz−4PCCzBfpm−02と、PCCPと、GD270(吉林OLED社製)と、を重量比(8Cz−4PCCzBfpm−02:PCCP:GD270)が0.5:0.5:0.1になるように、且つ厚さが40nmになるように共蒸着した。なお、発光層130において、GD270が燐光発光を呈するゲスト材料である。
次に、発光層130上に、電子輸送層118として、8Cz−4PCCzBfpm−02を厚さが20nmになるように、及びBPhenを厚さが15nmになるように、順次蒸着した。
≪発光素子5の作製≫
発光素子5は、先に示す比較発光素子3と、発光層130及び電子輸送層118の形成工程のみ異なり、それ以外の工程は比較発光素子3と同様の作製方法とした。
次に、正孔輸送層112上に発光層130として、8Cz−4mPCCzPBfpmと、PCCPと、GD270(吉林OLED社製)と、を重量比(8Cz−4mPCCzPBfpm:PCCP:GD270)が0.5:0.5:0.1になるように、且つ厚さが40nmになるように共蒸着した。なお、発光層130において、GD270が燐光発光を呈するゲスト材料である。
次に、発光層130上に、電子輸送層118として、8Cz−4mPCCzPBfpmを厚さが20nmになるように、及びBPhenを厚さが15nmになるように、順次蒸着した。
<発光素子の特性>
作製した比較発光素子3、発光素子4及び発光素子5の電流効率−輝度特性を図25に示す。また、電流密度−電圧特性を図26に示す。また、外部量子効率−輝度特性を図27に示す。なお、各発光素子の測定は室温(23℃に保たれた雰囲気)で行った。また、比較発光素子3、発光素子4及び発光素子5にそれぞれ2.5mA/cm2の電流密度で電流を流した際の電界発光スペクトルを図28に示す。なお、測定は室温で行った。
また、1000cd/m2付近における、比較発光素子3、発光素子4及び発光素子5の素子特性を表4に示す。
図25乃至図27、及び表4で示すように、比較発光素子3、発光素子4及び発光素子5は、いずれも同等の高い電流効率及び外部量子効率を示した。また、高輝度側でも効率の低下(ロールオフ)が少ない優れた結果を示した。同様に駆動電圧に関しても、いずれも同等の良好な駆動電圧を示した。
また、図28に示すように、比較発光素子3、発光素子4及び発光素子5は、電界発光スペクトルのピーク波長がそれぞれ525nm、525nm、530nmであり、半値全幅がそれぞれ80nm、78nm、88nmである緑色の発光を示した。得られた電界発光スペクトルから、ゲスト材料であるGD270からの発光であることが分かる。
<発光素子の信頼性>
次に、比較発光素子3、発光素子4及び発光素子5の2mAにおける定電流駆動試験を行った。その結果を図29に示す。図29から分かるように、比較発光素子3と比較し発光素子4、発光素子5は信頼性が向上していることが分かった。よって、ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン骨格の6乃至9位に縮合環を有する有機化合物は、ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン骨格の6乃至9位に縮合環を有さない有機化合物よりも信頼性が良好であることが示唆される。また、発光素子4よりも発光素子5の方が信頼性が良好であることが分かった。よって、ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン骨格の4位に直接正孔輸送性骨格であるカルバゾール骨格が結合するよりも、アリール基の一つであるフェニル基を介して、ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン骨格とカルバゾール骨格が結合した構造の方が信頼性が良好であることが示唆される。