JP2018101760A - 熱処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スループットを低下させることなく基板の反りを抑制することができる熱処理方法を提供する。【解決手段】チャンバー内に搬入した半導体ウェハーWをリフトピン12によってサセプタ74から間隔dを隔てて離間させた状態にてハロゲンランプHLから光照射を行って半導体ウェハーWの温度をサセプタ74よりも高温の中間温度に加熱する(第1予備加熱)。続いて、半導体ウェハーWが中間温度に昇温した時点でリフトピン12が下降して半導体ウェハーWがリフトピン12からサセプタ74に受け渡されてサセプタ74に載置され、その状態にてハロゲンランプHLからの光照射を継続して半導体ウェハーWの温度を予備加熱温度に加熱する(第2予備加熱)。その後、予備加熱温度に昇温した半導体ウェハーWの表面にフラッシュランプFLからフラッシュ光を照射する。【選択図】図10
Description
本発明は、半導体ウェハー等の薄板状精密電子基板(以下、単に「基板」と称する)にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理方法に関する。
半導体デバイスの製造プロセスにおいて、極めて短時間で半導体ウェハーを加熱するフラッシュランプアニール(FLA)が注目されている。フラッシュランプアニールは、キセノンフラッシュランプ(以下、単に「フラッシュランプ」とするときにはキセノンフラッシュランプを意味する)を使用して半導体ウェハーの表面にフラッシュ光を照射することにより、半導体ウェハーの表面のみを極めて短時間(数ミリ秒以下)に昇温させる熱処理技術である。
キセノンフラッシュランプの放射分光分布は紫外域から近赤外域であり、従来のハロゲンランプよりも波長が短く、シリコンの半導体ウェハーの基礎吸収帯とほぼ一致している。よって、キセノンフラッシュランプから半導体ウェハーにフラッシュ光を照射したときには、透過光が少なく半導体ウェハーを急速に昇温することが可能である。また、数ミリ秒以下の極めて短時間のフラッシュ光照射であれば、半導体ウェハーの表面近傍のみを選択的に昇温できることも判明している。
このようなフラッシュランプアニールは、極短時間の加熱が必要とされる処理、例えば典型的には半導体ウェハーに注入された不純物の活性化に利用される。イオン注入法によって不純物が注入された半導体ウェハーの表面にフラッシュランプからフラッシュ光を照射すれば、当該半導体ウェハーの表面を極短時間だけ活性化温度にまで昇温することができ、不純物を深く拡散させることなく、不純物活性化のみを実行することができるのである。
典型的なフラッシュランプアニール装置においては、フラッシュ光照射のみによって半導体ウェハーを目的の処理温度にまで昇温することが難しいため、予め所定温度にまで予備加熱を行った後に、フラッシュランプからのフラッシュ光照射を行っている。例えば、特許文献1には、チャンバー内に搬入した半導体ウェハーを石英のサセプタ上に載置してハロゲンランプからの光照射によって予備加熱を行った後に、フラッシュランプから当該半導体ウェハーの表面にフラッシュ光を照射することが開示されている。
ところで、フラッシュ加熱処理の目的によってはチャンバー内を大気圧未満に減圧することがある(例えば、高誘電率ゲート絶縁膜の熱処理)。減圧処理に対応したフラッシュランプアニール装置においては、チャンバーの耐圧性を増すために常圧対応のものよりもフラッシュ光やハロゲン光を透過する石英のチャンバー窓を厚くしている。その結果、チャンバー系全体の熱容量が増大することとなり、半導体ウェハーの熱処理を行った後のサセプタを含むチャンバー内構造物が冷えにくくなる。
熱処理後にサセプタ等がほとんど降温していない状態にて新たな常温の半導体ウェハーがチャンバー内に搬入されてサセプタに載置されると、半導体ウェハーとサセプタとの温度差が大きいために、半導体ウェハーをサセプタに載置した時点でウェハー反りが生じることがあった。ウェハー反りがある状態でハロゲンランプによる予備加熱を行うと半導体ウェハーの面内温度分布が顕著に悪化するという問題が生じる。また、ウェハー反りがある状態でフラッシュランプによるフラッシュ加熱を行うとウェハー割れを発生することもある。
このような問題を解決するために、半導体ウェハーの熱処理が終了した後に、長時間の冷却時間を設けてサセプタの温度が十分に降温してから新たな半導体ウェハーをチャンバー内に搬入してサセプタに載置することも考えられる。しかしながら、長時間の冷却時間を設けると、上述したような半導体ウェハーの反りは抑制することができるものの、1枚の半導体ウェハーの処理に長時間を要することとなりスループットが大きく低下するという問題が生じる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、スループットを低下させることなく基板の反りを抑制することができる熱処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理方法において、基板をチャンバーに搬入する搬入工程と、搬入した前記基板を前記チャンバー内に設置されたサセプタから離間させた状態にてハロゲンランプから光照射を行って前記基板を第1の温度に加熱する第1予備加熱工程と、前記第1の温度に昇温した前記基板を前記サセプタに載置した状態にて前記ハロゲンランプから光照射を行って前記基板を前記第1の温度よりも高温の第2の温度に加熱する第2予備加熱工程と、前記第2の温度に昇温した前記基板の表面にフラッシュランプからフラッシュ光を照射するフラッシュ加熱工程と、を備えることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る熱処理方法において、前記搬入工程にて前記基板を受け取ったリフトピンが前記基板を支持した状態にて前記第1予備加熱工程を実行するとともに、前記第1予備加熱工程から前記第2予備加熱工程に移行するときに前記リフトピンから前記サセプタに前記基板が渡されることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る熱処理方法において、前記第1の温度は前記サセプタの温度よりも高温であることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項3の発明に係る熱処理方法において、前記第1の温度は350℃以上500℃以下であることを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれかの発明に係る熱処理方法において、前記搬入工程の後、前記チャンバー内が大気圧未満に減圧されることを特徴とする。
請求項1から請求項5の発明によれば、基板をサセプタから離間させた状態にてハロゲンランプから光照射を行って基板を第1の温度に加熱し、第1の温度に昇温した基板をサセプタに載置した状態にてハロゲンランプから光照射を行って基板を第2の温度に加熱するため、基板がサセプタに接触する時点での基板とサセプタとの温度差が小さくなり、スループットを低下させることなく基板の反りを抑制することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、本発明に係る熱処理方法を実施するための熱処理装置について説明する。図1は、本発明に係る熱処理方法に使用する熱処理装置1の構成を示す縦断面図である。図1の熱処理装置1は、基板として円板形状の半導体ウェハーWに対してフラッシュ光照射を行うことによってその半導体ウェハーWを加熱するフラッシュランプアニール装置である。処理対象となる半導体ウェハーWのサイズは特に限定されるものではないが、例えばφ300mmやφ450mmである。なお、図1および以降の各図においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数を誇張または簡略化して描いている。
熱処理装置1は、半導体ウェハーWを収容するチャンバー6と、複数のフラッシュランプFLを内蔵するフラッシュ加熱部5と、複数のハロゲンランプHLを内蔵するハロゲン加熱部4と、を備える。チャンバー6の上側にフラッシュ加熱部5が設けられるとともに、下側にハロゲン加熱部4が設けられている。また、熱処理装置1は、チャンバー6の内部に、半導体ウェハーWを水平姿勢に保持する保持部7と、保持部7と装置外部との間で半導体ウェハーWの受け渡しを行う移載機構10と、を備える。さらに、熱処理装置1は、ハロゲン加熱部4、フラッシュ加熱部5およびチャンバー6に設けられた各動作機構を制御して半導体ウェハーWの熱処理を実行させる制御部3を備える。
チャンバー6は、筒状のチャンバー側部61の上下に石英製のチャンバー窓を装着して構成されている。チャンバー側部61は上下が開口された概略筒形状を有しており、上側開口には上側チャンバー窓63が装着されて閉塞され、下側開口には下側チャンバー窓64が装着されて閉塞されている。チャンバー6の天井部を構成する上側チャンバー窓63は、石英により形成された円板形状部材であり、フラッシュ加熱部5から出射されたフラッシュ光をチャンバー6内に透過する石英窓として機能する。また、チャンバー6の床部を構成する下側チャンバー窓64も、石英により形成された円板形状部材であり、ハロゲン加熱部4からの光をチャンバー6内に透過する石英窓として機能する。
本実施形態のチャンバー6は、内部を大気圧未満に減圧することができる減圧対応であるため、耐圧性を増すために上側チャンバー窓63および下側チャンバー窓64の厚さを常圧対応のものよりも厚くしている。例えば、常圧対応であればチャンバー窓の厚さが8mmであるところ、本実施形態の上側チャンバー窓63および下側チャンバー窓64の厚さは28mmとしている。
また、チャンバー側部61の内側の壁面の上部には反射リング68が装着され、下部には反射リング69が装着されている。反射リング68,69は、ともに円環状に形成されている。上側の反射リング68は、チャンバー側部61の上側から嵌め込むことによって装着される。一方、下側の反射リング69は、チャンバー側部61の下側から嵌め込んで図示省略のビスで留めることによって装着される。すなわち、反射リング68,69は、ともに着脱自在にチャンバー側部61に装着されるものである。チャンバー6の内側空間、すなわち上側チャンバー窓63、下側チャンバー窓64、チャンバー側部61および反射リング68,69によって囲まれる空間が熱処理空間65として規定される。
チャンバー側部61に反射リング68,69が装着されることによって、チャンバー6の内壁面に凹部62が形成される。すなわち、チャンバー側部61の内壁面のうち反射リング68,69が装着されていない中央部分と、反射リング68の下端面と、反射リング69の上端面とで囲まれた凹部62が形成される。凹部62は、チャンバー6の内壁面に水平方向に沿って円環状に形成され、半導体ウェハーWを保持する保持部7を囲繞する。チャンバー側部61および反射リング68,69は、強度と耐熱性に優れた金属材料(例えば、ステンレススチール)にて形成されている。
また、チャンバー側部61には、チャンバー6に対して半導体ウェハーWの搬入および搬出を行うための搬送開口部(炉口)66が形設されている。搬送開口部66は、ゲートバルブ185によって開閉可能とされている。搬送開口部66は凹部62の外周面に連通接続されている。このため、ゲートバルブ185が搬送開口部66を開放しているときには、搬送開口部66から凹部62を通過して熱処理空間65への半導体ウェハーWの搬入および熱処理空間65からの半導体ウェハーWの搬出を行うことができる。また、ゲートバルブ185が搬送開口部66を閉鎖するとチャンバー6内の熱処理空間65が密閉空間とされる。
また、チャンバー6の内壁上部には熱処理空間65に処理ガスを供給するガス供給孔81が形設されている。ガス供給孔81は、凹部62よりも上側位置に形設されており、反射リング68に設けられていても良い。ガス供給孔81はチャンバー6の側壁内部に円環状に形成された緩衝空間82を介してガス供給管83に連通接続されている。ガス供給管83は処理ガス供給源85に接続されている。また、ガス供給管83の経路途中にはバルブ84が介挿されている。バルブ84が開放されると、処理ガス供給源85から緩衝空間82に処理ガスが送給される。緩衝空間82に流入した処理ガスは、ガス供給孔81よりも流体抵抗の小さい緩衝空間82内を拡がるように流れてガス供給孔81から熱処理空間65内へと供給される。処理ガスとしては、例えば窒素(N2)等の不活性ガス、または、水素(H2)、アンモニア(NH3)等の反応性ガス、或いはそれらを混合した混合ガスを用いることができる(本実施形態では窒素ガスとアンモニアとの混合ガス)。
一方、チャンバー6の内壁下部には熱処理空間65内の気体を排気するガス排気孔86が形設されている。ガス排気孔86は、凹部62よりも下側位置に形設されており、反射リング69に設けられていても良い。ガス排気孔86はチャンバー6の側壁内部に円環状に形成された緩衝空間87を介してガス排気管88に連通接続されている。ガス排気管88は排気部190に接続されている。また、ガス排気管88の経路途中にはバルブ89が介挿されている。バルブ89が開放されると、熱処理空間65の気体がガス排気孔86から緩衝空間87を経てガス排気管88へと排出される。なお、ガス供給孔81およびガス排気孔86は、チャンバー6の周方向に沿って複数設けられていても良いし、スリット状のものであっても良い。
また、搬送開口部66の先端にも熱処理空間65内の気体を排出するガス排気管191が接続されている。ガス排気管191はバルブ192を介して排気部190に接続されている。バルブ192を開放することによって、搬送開口部66を介してチャンバー6内の気体が排気される。
排気部190としては、真空ポンプや熱処理装置1が設置される工場の排気ユーティリティを用いることができる。排気部190として真空ポンプを採用し、バルブ84を閉止してガス供給孔81から何らのガス供給を行うことなく密閉空間である熱処理空間65の雰囲気を排気すると、チャンバー6内を真空雰囲気にまで減圧することができる。また、排気部190として真空ポンプを用いていない場合であっても、ガス供給孔81からガス供給を行うことなく排気を行うことにより、チャンバー6内を大気圧未満の気圧に減圧することができる。
図2は、保持部7の全体外観を示す斜視図である。保持部7は、基台リング71、連結部72およびサセプタ74を備えて構成される。基台リング71、連結部72およびサセプタ74はいずれも石英にて形成されている。すなわち、保持部7の全体が石英にて形成されている。
基台リング71は円環形状から一部が欠落した円弧形状の石英部材である。この欠落部分は、後述する移載機構10の移載アーム11と基台リング71との干渉を防ぐために設けられている。基台リング71は凹部62の底面に載置されることによって、チャンバー6の壁面に支持されることとなる(図1参照)。基台リング71の上面に、その円環形状の周方向に沿って複数の連結部72(本実施形態では4個)が立設される。連結部72も石英の部材であり、溶接によって基台リング71に固着される。
サセプタ74は基台リング71に設けられた4個の連結部72によって支持される。図3は、サセプタ74の平面図である。また、図4は、サセプタ74の断面図である。サセプタ74は、保持プレート75、ガイドリング76および複数の基板支持ピン77を備える。保持プレート75は、石英にて形成された略円形の平板状部材である。保持プレート75の直径は半導体ウェハーWの直径よりも大きい。すなわち、保持プレート75は、半導体ウェハーWよりも大きな平面サイズを有する。
保持プレート75の上面周縁部にガイドリング76が設置されている。ガイドリング76は、半導体ウェハーWの直径よりも大きな内径を有する円環形状の部材である。例えば、半導体ウェハーWの直径がφ300mmの場合、ガイドリング76の内径はφ320mmである。ガイドリング76の内周は、保持プレート75から上方に向けて広くなるようなテーパ面とされている。ガイドリング76は、保持プレート75と同様の石英にて形成される。ガイドリング76は、保持プレート75の上面に溶着するようにしても良いし、別途加工したピンなどによって保持プレート75に固定するようにしても良い。或いは、保持プレート75とガイドリング76とを一体の部材として加工するようにしても良い。
保持プレート75の上面のうちガイドリング76よりも内側の領域が半導体ウェハーWを保持する平面状の保持面75aとされる。保持プレート75の保持面75aには、複数の基板支持ピン77が立設されている。本実施形態においては、保持面75aの外周円(ガイドリング76の内周円)と同心円の周上に沿って30°毎に計12個の基板支持ピン77が立設されている。12個の基板支持ピン77を配置した円の径(対向する基板支持ピン77間の距離)は半導体ウェハーWの径よりも小さく、半導体ウェハーWの径がφ300mmであればφ270mm〜φ280mm(本実施形態ではφ280mm)である。それぞれの基板支持ピン77は石英にて形成されている。複数の基板支持ピン77は、保持プレート75の上面に溶接によって設けるようにしても良いし、保持プレート75と一体に加工するようにしても良い。
図2に戻り、基台リング71に立設された4個の連結部72とサセプタ74の保持プレート75の周縁部とが溶接によって固着される。すなわち、サセプタ74と基台リング71とは連結部72によって固定的に連結されている。このような保持部7の基台リング71がチャンバー6の壁面に支持されることによって、保持部7がチャンバー6に装着される。保持部7がチャンバー6に装着された状態においては、サセプタ74の保持プレート75は水平姿勢(法線が鉛直方向と一致する姿勢)となる。すなわち、保持プレート75の保持面75aは水平面となる。
チャンバー6に搬入された半導体ウェハーWは、チャンバー6に装着された保持部7のサセプタ74の上に水平姿勢にて載置されて保持される。このとき、半導体ウェハーWは保持プレート75上に立設された12個の基板支持ピン77によって支持されてサセプタ74に保持される。より厳密には、12個の基板支持ピン77の上端部が半導体ウェハーWの下面に接触して当該半導体ウェハーWを支持する。12個の基板支持ピン77の高さ(基板支持ピン77の上端から保持プレート75の保持面75aまでの距離)は均一であるため、12個の基板支持ピン77によって半導体ウェハーWを水平姿勢に支持することができる。
また、半導体ウェハーWは複数の基板支持ピン77によって保持プレート75の保持面75aから所定の間隔を隔てて支持されることとなる。基板支持ピン77の高さよりもガイドリング76の厚さの方が大きい。従って、複数の基板支持ピン77によって支持された半導体ウェハーWの水平方向の位置ずれはガイドリング76によって防止される。
また、図2および図3に示すように、サセプタ74の保持プレート75には、上下に貫通して開口部78が形成されている。開口部78は、放射温度計120(図1参照)が半導体ウェハーWの下面から放射される放射光(赤外光)を受光するために設けられている。すなわち、放射温度計120が開口部78を介して半導体ウェハーWの下面から放射された光を受光し、別置のディテクタによってその半導体ウェハーWの温度が測定される。さらに、サセプタ74の保持プレート75には、後述する移載機構10のリフトピン12が半導体ウェハーWの受け渡しのために貫通する4個の貫通孔79が穿設されている。
図5は、移載機構10の平面図である。また、図6は、移載機構10の側面図である。移載機構10は、2本の移載アーム11を備える。移載アーム11は、概ね円環状の凹部62に沿うような円弧形状とされている。それぞれの移載アーム11には2本のリフトピン12が立設されている。移載アーム11およびリフトピン12は石英にて形成されている。各移載アーム11は水平移動機構13によって回動可能とされている。水平移動機構13は、一対の移載アーム11を保持部7に対して半導体ウェハーWの移載を行う移載動作位置(図5の実線位置)と保持部7に保持された半導体ウェハーWと平面視で重ならない退避位置(図5の二点鎖線位置)との間で水平移動させる。水平移動機構13としては、個別のモータによって各移載アーム11をそれぞれ回動させるものであっても良いし、リンク機構を用いて1個のモータによって一対の移載アーム11を連動させて回動させるものであっても良い。
また、一対の移載アーム11は、昇降機構14によって水平移動機構13とともに昇降移動される。昇降機構14が一対の移載アーム11を移載動作位置にて上昇させると、計4本のリフトピン12がサセプタ74に穿設された貫通孔79(図2,3参照)を通過し、リフトピン12の上端がサセプタ74の上面から突き出る。一方、昇降機構14が一対の移載アーム11を移載動作位置にて下降させてリフトピン12を貫通孔79から抜き取り、水平移動機構13が一対の移載アーム11を開くように移動させると各移載アーム11が退避位置に移動する。一対の移載アーム11の退避位置は、保持部7の基台リング71の直上である。基台リング71は凹部62の底面に載置されているため、移載アーム11の退避位置は凹部62の内側となる。なお、移載機構10の駆動部(水平移動機構13および昇降機構14)が設けられている部位の近傍にも図示省略の排気機構が設けられており、移載機構10の駆動部周辺の雰囲気がチャンバー6の外部に排出されるように構成されている。
図1に戻り、チャンバー6の上方に設けられたフラッシュ加熱部5は、筐体51の内側に、複数本(本実施形態では30本)のキセノンフラッシュランプFLからなる光源と、その光源の上方を覆うように設けられたリフレクタ52と、を備えて構成される。また、フラッシュ加熱部5の筐体51の底部にはランプ光放射窓53が装着されている。フラッシュ加熱部5の床部を構成するランプ光放射窓53は、石英により形成された板状の石英窓である。フラッシュ加熱部5がチャンバー6の上方に設置されることにより、ランプ光放射窓53が上側チャンバー窓63と相対向することとなる。フラッシュランプFLはチャンバー6の上方からランプ光放射窓53および上側チャンバー窓63を介して熱処理空間65にフラッシュ光を照射する。
複数のフラッシュランプFLは、それぞれが長尺の円筒形状を有する棒状ランプであり、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように平面状に配列されている。よって、フラッシュランプFLの配列によって形成される平面も水平面である。
図8は、フラッシュランプFLの駆動回路を示す図である。同図に示すように、コンデンサ93と、コイル94と、フラッシュランプFLと、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)96とが直列に接続されている。また、図8に示すように、制御部3は、パルス発生器31および波形設定部32を備えるとともに、入力部33に接続されている。入力部33としては、キーボード、マウス、タッチパネル等の種々の公知の入力機器を採用することができる。入力部33からの入力内容に基づいて波形設定部32がパルス信号の波形を設定し、その波形に従ってパルス発生器31がパルス信号を発生する。
フラッシュランプFLは、その内部にキセノンガスが封入されその両端部に陽極および陰極が配設された棒状のガラス管(放電管)92と、該ガラス管92の外周面上に付設されたトリガー電極91とを備える。コンデンサ93には、電源ユニット95によって所定の電圧が印加され、その印加電圧(充電電圧)に応じた電荷が充電される。また、トリガー電極91にはトリガー回路97から高電圧を印加することができる。トリガー回路97がトリガー電極91に電圧を印加するタイミングは制御部3によって制御される。
IGBT96は、ゲート部にMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field effect transistor)を組み込んだバイポーラトランジスタであり、大電力を取り扱うのに適したスイッチング素子である。IGBT96のゲートには制御部3のパルス発生器31からパルス信号が印加される。IGBT96のゲートに所定値以上の電圧(Highの電圧)が印加されるとIGBT96がオン状態となり、所定値未満の電圧(Lowの電圧)が印加されるとIGBT96がオフ状態となる。このようにして、フラッシュランプFLを含む駆動回路はIGBT96によってオンオフされる。IGBT96がオンオフすることによってフラッシュランプFLと対応するコンデンサ93との接続が断続され、フラッシュランプFLに流れる電流がオンオフ制御される。
コンデンサ93が充電された状態でIGBT96がオン状態となってガラス管92の両端電極に高電圧が印加されたとしても、キセノンガスは電気的には絶縁体であることから、通常の状態ではガラス管92内に電気は流れない。しかしながら、トリガー回路97がトリガー電極91に高電圧を印加して絶縁を破壊した場合には両端電極間の放電によってガラス管92内に電流が瞬時に流れ、そのときのキセノンの原子あるいは分子の励起によって光が放出される。
図8に示すような駆動回路は、フラッシュ加熱部5に設けられた複数のフラッシュランプFLのそれぞれに個別に設けられている。本実施形態では、30本のフラッシュランプFLが平面状に配列されているため、それらに対応して図8に示す如き駆動回路が30個設けられている。よって、30本のフラッシュランプFLのそれぞれに流れる電流が対応するIGBT96によって個別にオンオフ制御されることとなる。
また、リフレクタ52は、複数のフラッシュランプFLの上方にそれら全体を覆うように設けられている。リフレクタ52の基本的な機能は、複数のフラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光を熱処理空間65の側に反射するというものである。リフレクタ52はアルミニウム合金板にて形成されており、その表面(フラッシュランプFLに臨む側の面)はブラスト処理により粗面化加工が施されている。
チャンバー6の下方に設けられたハロゲン加熱部4は、筐体41の内側に複数本(本実施形態では40本)のハロゲンランプHLを内蔵している。ハロゲン加熱部4は、複数のハロゲンランプHLによってチャンバー6の下方から下側チャンバー窓64を介して熱処理空間65への光照射を行って半導体ウェハーWを加熱する光照射部である。
図7は、複数のハロゲンランプHLの配置を示す平面図である。40本のハロゲンランプHLは上下2段に分けて配置されている。保持部7に近い上段に20本のハロゲンランプHLが配設されるとともに、上段よりも保持部7から遠い下段にも20本のハロゲンランプHLが配設されている。各ハロゲンランプHLは、長尺の円筒形状を有する棒状ランプである。上段、下段ともに20本のハロゲンランプHLは、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように配列されている。よって、上段、下段ともにハロゲンランプHLの配列によって形成される平面は水平面である。
また、図7に示すように、上段、下段ともに保持部7に保持される半導体ウェハーWの中央部に対向する領域よりも周縁部に対向する領域におけるハロゲンランプHLの配設密度が高くなっている。すなわち、上下段ともに、ランプ配列の中央部よりも周縁部の方がハロゲンランプHLの配設ピッチが短い。このため、ハロゲン加熱部4からの光照射による加熱時に温度低下が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部により多い光量の照射を行うことができる。
また、上段のハロゲンランプHLからなるランプ群と下段のハロゲンランプHLからなるランプ群とが格子状に交差するように配列されている。すなわち、上段に配置された20本のハロゲンランプHLの長手方向と下段に配置された20本のハロゲンランプHLの長手方向とが互いに直交するように計40本のハロゲンランプHLが配設されている。
ハロゲンランプHLは、ガラス管内部に配設されたフィラメントに通電することでフィラメントを白熱化させて発光させるフィラメント方式の光源である。ガラス管の内部には、窒素やアルゴン等の不活性ガスにハロゲン元素(ヨウ素、臭素等)を微量導入した気体が封入されている。ハロゲン元素を導入することによって、フィラメントの折損を抑制しつつフィラメントの温度を高温に設定することが可能となる。したがって、ハロゲンランプHLは、通常の白熱電球に比べて寿命が長くかつ強い光を連続的に照射できるという特性を有する。すなわち、ハロゲンランプHLは少なくとも1秒以上連続して発光する連続点灯ランプである。また、ハロゲンランプHLは棒状ランプであるため長寿命であり、ハロゲンランプHLを水平方向に沿わせて配置することにより上方の半導体ウェハーWへの放射効率が優れたものとなる。
また、ハロゲン加熱部4の筐体41内にも、2段のハロゲンランプHLの下側にリフレクタ43が設けられている(図1)。リフレクタ43は、複数のハロゲンランプHLから出射された光を熱処理空間65の側に反射する。
制御部3は、熱処理装置1に設けられた上記の種々の動作機構を制御する。制御部3のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部3は、各種演算処理を行う回路であるCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく磁気ディスクを備えている。制御部3のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって熱処理装置1における処理が進行する。また、図8に示したように、制御部3は、パルス発生器31および波形設定部32を備える。上述のように、入力部33からの入力内容に基づいて、波形設定部32がパルス信号の波形を設定し、それに従ってパルス発生器31がIGBT96のゲートにパルス信号を出力する。
上記の構成以外にも熱処理装置1は、半導体ウェハーWの熱処理時にハロゲンランプHLおよびフラッシュランプFLから発生する熱エネルギーによるハロゲン加熱部4、フラッシュ加熱部5およびチャンバー6の過剰な温度上昇を防止するため、様々な冷却用の構造を備えている。例えば、チャンバー6の壁体には水冷管(図示省略)が設けられている。また、ハロゲン加熱部4およびフラッシュ加熱部5は、内部に気体流を形成して排熱する空冷構造とされている。また、上側チャンバー窓63とランプ光放射窓53との間隙にも空気が供給され、フラッシュ加熱部5および上側チャンバー窓63を冷却する。
次に、本発明に係る熱処理方法について説明する。本実施形態において処理対象となる半導体ウェハーWは、ゲート絶縁膜として高誘電率膜が形成されたシリコンの半導体基板である。その半導体ウェハーWに対して熱処理装置1がフラッシュ光を照射して高誘電率膜の成膜後熱処理(PDA:Post Deposition Annealing)を行う。以下に説明する熱処理装置1の処理手順は、制御部3が熱処理装置1の各動作機構を制御することにより進行する。
まず、ゲートバルブ185が開いて搬送開口部66が開放され、装置外部の搬送ロボットにより搬送開口部66を介して半導体ウェハーWがチャンバー6内の熱処理空間65に搬入される。この際に、チャンバー6内に窒素ガスを供給し続けることによって搬送開口部66から窒素ガス流を流出させ、装置外部の雰囲気がチャンバー6内の流入するのを最小限に抑制するようにしても良い。搬送ロボットによって搬入された半導体ウェハーWは保持部7の直上位置まで進出して停止する。そして、移載機構10の一対の移載アーム11が退避位置から移載動作位置に水平移動して上昇することにより、リフトピン12が貫通孔79を通ってサセプタ74の保持プレート75の上面から突き出て半導体ウェハーWを受け取る。このとき、リフトピン12は基板支持ピン77の上端よりも上方にまで上昇する。
図10は、移載機構10のリフトピン12に半導体ウェハーWが支持された状態を模式的に示す図である。移載機構10の計4本のリフトピン12は、サセプタ74の貫通孔79を通ってサセプタ74の上面から突き出て半導体ウェハーWの下面を支持する。半導体ウェハーWは、サセプタ74の上面から所定の間隔dを隔てて移載機構10のリフトピン12によって水平姿勢に支持されることとなる。半導体ウェハーWの下面とサセプタ74の上面との間隔dは例えば5mm〜10mmである。
半導体ウェハーWがリフトピン12に支持された後、搬送ロボットが熱処理空間65から退出し、ゲートバルブ185によって搬送開口部66が閉鎖される。また、ゲートバルブ185によって搬送開口部66が閉鎖されて熱処理空間65が密閉空間とされた後、チャンバー6内の雰囲気調整が行われる。具体的には、まず、バルブ84を閉止してチャンバー6内にガス供給を行うことなく、バルブ89を開放してチャンバー6内の雰囲気を排気することによってチャンバー6内を大気圧未満に減圧する。その後、バルブ84を開放してチャンバー6内に処理ガスとして窒素ガスとアンモニアとの混合ガスを供給する。これにより、チャンバー6内の熱処理空間65にはアンモニア雰囲気が形成される。バルブ84を開放した後も、処理ガスの供給流量よりも排気流量の方が大きいため、チャンバー6内は大気圧未満の減圧雰囲気に維持される。
図9は、半導体ウェハーWの表面温度の変化を示す図である。半導体ウェハーWが移載機構10のリフトピン12によって支持され、チャンバー6内がアンモニア雰囲気に置換された後、半導体ウェハーWがリフトピン12に支持された状態のまま時刻t1にハロゲン加熱部4の40本のハロゲンランプHLが一斉に点灯して半導体ウェハーWの予備加熱(第1予備加熱)が開始される。ハロゲンランプHLから出射されたハロゲン光は、石英にて形成された下側チャンバー窓64およびサセプタ74を透過して半導体ウェハーWの下面から照射される。ハロゲンランプHLからの光照射を受けることによって半導体ウェハーWが予備加熱されて温度が上昇する。この際に、移載機構10の移載アーム11およびリフトピン12は石英にて形成されているため、ハロゲンランプHLからの光照射の障害となることはない。
ハロゲンランプHLによる予備加熱を行うときには、半導体ウェハーWの温度が放射温度計120によって測定されている。すなわち、リフトピン12に支持された半導体ウェハーWの下面から放射されてサセプタ74の開口部78を通過した赤外光を放射温度計120が受光して昇温中のウェハー温度を測定する。測定された半導体ウェハーWの温度は制御部3に伝達される。制御部3は、ハロゲンランプHLからの光照射によって昇温する半導体ウェハーWの温度が所定の中間温度(第1の温度)T1に到達したか否かを監視しつつ、ハロゲンランプHLの出力を制御する。中間温度T1は、サセプタ74の温度よりも高温の350℃以上500℃以下である。半導体ウェハーWの温度が中間温度T1に昇温するまでの第1予備加熱においては、半導体ウェハーWは移載機構10のリフトピン12によって支持されており、半導体ウェハーWはサセプタ74から間隔dを隔てて離間した状態(つまり図10の状態)にてハロゲンランプHLからの光照射によって加熱される。
時刻t2に半導体ウェハーWの温度が中間温度T1に到達した時点で、制御部3の制御によって移載機構10の一対の移載アーム11が下降することにより、半導体ウェハーWは移載機構10のリフトピン12からサセプタ74に受け渡される。図11は、サセプタ74に半導体ウェハーWが載置された状態を模式的に示す図である。一対の移載アーム11が下降してリフトピン12の上端が貫通孔79を通ってサセプタ74の下方にまで下降することにより、半導体ウェハーWはリフトピン12からサセプタ74に受け渡されてサセプタ74上に水平姿勢で載置される。詳細には、半導体ウェハーWは、保持プレート75上に立設された複数の基板支持ピン77によって水平姿勢に支持されてサセプタ74に載置される。サセプタ74の下方にまで下降した一対の移載アーム11は水平移動機構13によって退避位置に退避する。図9に示すように、ハロゲンランプHLによって中間温度T1にまで昇温された半導体ウェハーWが時刻t2にそれよりも低温のサセプタ74に接触することによって、半導体ウェハーWの温度は僅かに降温する。
続いて、サセプタ74に載置された半導体ウェハーWに対してハロゲンランプHLによる予備加熱(第2予備加熱)が継続して行われる。ハロゲンランプHLから出射されたハロゲン光は、石英にて形成された下側チャンバー窓64およびサセプタ74を透過して半導体ウェハーWの下面から照射される。ハロゲンランプHLからの光照射によって半導体ウェハーWの温度はさらに上昇する。この第2予備加熱を行うときにも、サセプタ74に保持された半導体ウェハーWの下面から開口部78を介して放射された赤外光を放射温度計120が受光して昇温中のウェハー温度を測定する。制御部3は、放射温度計120による測定値に基づいて、半導体ウェハーWの温度が所定の予備加熱温度(第2の温度)T2となるようにハロゲンランプHLの出力をフィードバック制御する。予備加熱温度T2は中間温度T1よりも高温である。半導体ウェハーWの温度が中間温度T1から予備加熱温度T2に昇温するまでの第2予備加熱においては、半導体ウェハーWはサセプタ74に載置された状態(つまり図11の状態)にてハロゲンランプHLからの光照射によって加熱される。
時刻t3に半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T2に到達した後、制御部3は半導体ウェハーWをその予備加熱温度T2に暫時維持する。具体的には、放射温度計120によって測定される半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T2に到達した時点にて制御部3がハロゲンランプHLの出力を調整し、半導体ウェハーWの温度をほぼ予備加熱温度T2に維持している。
このようなハロゲンランプHLによる予備加熱を行うことによって、半導体ウェハーWの全体を予備加熱温度T2に均一に昇温している。ハロゲンランプHLによる予備加熱の段階においては、より放熱が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部の温度が中央部よりも低下する傾向にあるが、ハロゲン加熱部4におけるハロゲンランプHLの配設密度は、半導体ウェハーWの中央部に対向する領域よりも周縁部に対向する領域の方が高くなっている。このため、放熱が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部に照射される光量が多くなり、予備加熱段階における半導体ウェハーWの面内温度分布を均一なものとすることができる。
半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T2に到達して所定時間が経過した時刻t4にフラッシュ加熱部5のフラッシュランプFLから半導体ウェハーWの表面にフラッシュ光照射を行う。このとき、フラッシュランプFLから放射されるフラッシュ光の一部は直接にチャンバー6内へと向かい、他の一部は一旦リフレクタ52により反射されてからチャンバー6内へと向かい、これらのフラッシュ光の照射により半導体ウェハーWのフラッシュ加熱が行われる。
フラッシュランプFLがフラッシュ光照射を行うに際しては、予め電源ユニット95によってコンデンサ93に電荷を蓄積しておく。そして、コンデンサ93に電荷が蓄積された状態にて、制御部3のパルス発生器31からIGBT96にパルス信号を出力してIGBT96をオンオフ駆動する。
パルス信号の波形は、パルス幅の時間(オン時間)とパルス間隔の時間(オフ時間)とをパラメータとして順次設定したレシピを入力部33から入力することによって規定することができる。このようなレシピをオペレータが入力部33から制御部3に入力すると、それに従って制御部3の波形設定部32はオンオフを繰り返すパルス波形を設定する。そして、波形設定部32によって設定されたパルス波形に従ってパルス発生器31がパルス信号を出力する。その結果、IGBT96のゲートには設定された波形のパルス信号が印加され、IGBT96のオンオフ駆動が制御されることとなる。具体的には、IGBT96のゲートに入力されるパルス信号がオンのときにはIGBT96がオン状態となり、パルス信号がオフのときにはIGBT96がオフ状態となる。
また、パルス発生器31から出力するパルス信号がオンになるタイミングと同期して制御部3がトリガー回路97を制御してトリガー電極91に高電圧(トリガー電圧)を印加する。コンデンサ93に電荷が蓄積された状態にてIGBT96のゲートにパルス信号が入力され、かつ、そのパルス信号がオンになるタイミングと同期してトリガー電極91に高電圧が印加されることにより、パルス信号がオンのときにはガラス管92内の両端電極間で必ず電流が流れ、そのときのキセノンの原子あるいは分子の励起によって光が放出される。
このようにしてフラッシュ加熱部5の30本のフラッシュランプFLが発光し、サセプタ74に載置された半導体ウェハーWの表面にフラッシュ光が照射される。ここで、IGBT96を使用することなくフラッシュランプFLを発光させた場合には、コンデンサ93に蓄積されていた電荷が1回の発光で消費され、フラッシュランプFLからの出力波形は幅が0.1ミリセカンドないし10ミリセカンド程度の単純なシングルパルスとなる。これに対して、本実施の形態では、回路中にスイッチング素子たるIGBT96を接続してそのゲートにパルス信号を出力することにより、コンデンサ93からフラッシュランプFLへの電荷の供給をIGBT96によって断続してフラッシュランプFLに流れる電流をオンオフ制御している。その結果、いわばフラッシュランプFLの発光がチョッパ制御されることとなり、コンデンサ93に蓄積された電荷が分割して消費され、極めて短い時間の間にフラッシュランプFLが点滅を繰り返す。なお、回路を流れる電流値が完全に”0”になる前に次のパルスがIGBT96のゲートに印加されて電流値が再度増加するため、フラッシュランプFLが点滅を繰り返している間も発光出力が完全に”0”になるものではない。
IGBT96によってフラッシュランプFLに流れる電流をオンオフ制御することにより、フラッシュランプFLの発光パターン(発光出力の時間波形)を自在に規定することができ、発光時間および発光強度を自由に調整することができる。IGBT96のオンオフ駆動のパターンは、入力部33から入力するパルス幅の時間とパルス間隔の時間とによって規定される。すなわち、フラッシュランプFLの駆動回路にIGBT96を組み込むことによって、入力部33から入力するパルス幅の時間とパルス間隔の時間とを適宜に設定するだけで、フラッシュランプFLの発光パターンを自在に規定することができるのである。
具体的には、例えば、入力部33から入力するパルス間隔の時間に対するパルス幅の時間の比率を大きくすると、フラッシュランプFLに流れる電流が増大して発光強度が強くなる。逆に、入力部33から入力するパルス間隔の時間に対するパルス幅の時間の比率を小さくすると、フラッシュランプFLに流れる電流が減少して発光強度が弱くなる。また、入力部33から入力するパルス間隔の時間とパルス幅の時間の比率を適切に調整すれば、フラッシュランプFLの発光強度が一定に維持される。さらに、入力部33から入力するパルス幅の時間とパルス間隔の時間との組み合わせの総時間を長くすることによって、フラッシュランプFLに比較的長時間にわたって電流が流れ続けることとなり、フラッシュランプFLの発光時間が長くなる。本実施形態においては、フラッシュランプFLの発光時間が0.1ミリ秒〜100ミリ秒の間に設定される。
このようにしてフラッシュランプFLから半導体ウェハーWの表面に0.1ミリ秒以上100ミリ秒以下の照射時間にてフラッシュ光が照射されて半導体ウェハーWのフラッシュ加熱が行われる。照射時間が0.1ミリ秒以上100ミリ秒以下の極めて短く強いフラッシュ光が照射されることによって高誘電率膜を含む半導体ウェハーWの表面が瞬間的に処理温度T3にまで昇温し、高誘電率膜の成膜後熱処理が実行される。フラッシュ加熱処理も半導体ウェハーWがサセプタ74に載置された状態にて実行される。なお、処理温度T3は予備加熱温度T2よりも高温である。
フラッシュ加熱処理が終了した後、所定時間経過後にハロゲンランプHLが消灯する。これにより、半導体ウェハーWが予備加熱温度T1から急速に降温する。降温中の半導体ウェハーWの温度は放射温度計120によって測定され、その測定結果は制御部3に伝達される。制御部3は、放射温度計120の測定結果より半導体ウェハーWの温度が所定温度まで降温したか否かを監視する。そして、半導体ウェハーWの温度が所定以下にまで降温した後、移載機構10の一対の移載アーム11が再び退避位置から移載動作位置に水平移動して上昇することにより、リフトピン12がサセプタ74の上面から突き出て熱処理後の半導体ウェハーWをサセプタ74から受け取る。続いて、ゲートバルブ185により閉鎖されていた搬送開口部66が開放され、リフトピン12上に載置された半導体ウェハーWが装置外部の搬送ロボットにより搬出され、熱処理装置1における半導体ウェハーWの加熱処理が完了する。
ところで、半導体デバイスの製造プロセスにおいては、同じ処理条件および処理手順にて処理を行う複数(例えば、25枚)の半導体ウェハーWからなるロットの単位で処理を行うことが多い。上記の熱処理装置1においてもロットの単位で熱処理を行う。先のロットの処理が終了してからしばらく後に次のロットの最初の半導体ウェハーWを処理する段階では、サセプタ74を含むチャンバー6内の構造物の温度は常温近傍である。よって、ロットの最初の半導体ウェハーWについては、チャンバー6内に搬入して直ちにサセプタ74に載置したとしても、半導体ウェハーWとサセプタ74との温度差がほとんど無いため、ウェハー反りが生じることもない。
しかし、その最初の半導体ウェハーWの予備加熱およびフラッシュ加熱を行うことにより、半導体ウェハーWから熱伝導によってサセプタ74の温度も上昇する。このため、ロットの2枚目以降の半導体ウェハーWについては、チャンバー6内に搬入された時点で常温の半導体ウェハーWよりもサセプタ74の方が高温となっている。特に、本実施形態のように、減圧対応のチャンバー6の場合、上側チャンバー窓63および下側チャンバー窓64の厚さが常圧対応のものよりも厚くなっており、チャンバー6全体の熱容量が増大している。このため、サセプタ74を含むチャンバー6の構造物の降温速度が遅く、先行する半導体ウェハーWの熱処理が終了してからサセプタ74がほとんど降温していない状態のまま新たな常温の半導体ウェハーWがチャンバー6内に搬入されることとなる。既述したように、新たな常温の半導体ウェハーWを直接に高温のサセプタ74に載置すると、半導体ウェハーWとサセプタ74との温度差が大きいために、半導体ウェハーWをサセプタ74に載置しただけでウェハー反りが生じることがあった。
そこで、本実施形態においては、チャンバー6内に搬入した半導体ウェハーWを移載機構10のリフトピン12によってサセプタ74から間隔dを隔てて離間させた状態にてハロゲンランプHLから光照射を行って半導体ウェハーWの温度をサセプタ74よりも高温の中間温度T1に加熱している(第1予備加熱)。そして、半導体ウェハーWが中間温度T1に昇温した時点でリフトピン12が下降して半導体ウェハーWがリフトピン12からサセプタ74に受け渡されてサセプタ74に載置され、その状態にてハロゲンランプHLからの光照射を継続して半導体ウェハーWの温度を予備加熱温度T2に加熱している(第2予備加熱)。その後、予備加熱温度T2に昇温した半導体ウェハーWの表面にフラッシュランプFLからフラッシュ光を照射している。
チャンバー6内に搬入した常温の半導体ウェハーWを高温のサセプタ74に直接接触させることなく、サセプタ74から離間させた状態にて中間温度T1にまで加熱しているため、この第1予備加熱の段階でウェハー反りが生じることは防止される。そして、中間温度T1にまで昇温した半導体ウェハーWをサセプタ74に載置して予備加熱温度T2に加熱しているのであるが、中間温度T1に昇温された半導体ウェハーWとサセプタ74との温度差は小さく、その半導体ウェハーWをサセプタ74に載置して接触させてもウェハー反りが生じることは抑制される。すなわち、第2予備加熱の段階でのウェハー反りも防止されることとなる。
これにより、第1予備加熱および第2予備加熱を含むハロゲンランプHLによる予備加熱の全工程において半導体ウェハーWのウェハー反りが防止されることとなり、半導体ウェハーWの面内温度分布の低下を抑制することができる。また、予備加熱時における半導体ウェハーWのウェハー反りを防止することによって、フラッシュランプFLによるフラッシュ加熱時のウェハー割れをも防止することが可能となる。
また、常温の半導体ウェハーWをサセプタ74から離間させた状態にて中間温度T1にまで第1予備加熱した後にサセプタ74に載置して第2予備加熱を継続しているため、サセプタ74が十分に降温するまで半導体ウェハーWの予備加熱を待機させる場合に比較してプロセス時間を約40秒短縮することができ、スループットの低下も抑制することができる。すなわち、上記実施形態のようにすれば、スループットを低下させることなく半導体ウェハーWの反りを抑制することができるのである。
ここで、リフトピン12によって半導体ウェハーWをサセプタ74から離間させた状態のまま500℃を超えて第1予備加熱を行うと(つまり、中間温度T1を500℃より高くすると)、半導体ウェハーWの面内温度分布が悪化する。すなわち、ハロゲンランプHLによる予備加熱の全工程を半導体ウェハーWをサセプタ74から離間させた状態で行うことはできず、面内温度分布を均一にするために、半導体ウェハーWの温度が中間温度T1に到達した後に半導体ウェハーWをサセプタ74に載置しての第2予備加熱は必要となる。そして、半導体ウェハーWの面内温度分布の悪化を防止するために、中間温度T1は500℃以下に限定される。
一方、中間温度T1が350℃よりも低いと、半導体ウェハーWをサセプタ74に載置したときの半導体ウェハーWとサセプタ74との温度差が大きくなり、ウェハー反りが生じるおそれがある。よって、中間温度T1は350℃以上に限定される。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記各実施形態においては、上側チャンバー窓63および下側チャンバー窓64の厚い減圧対応のチャンバー6としていたが、これに限定されるものではなく、チャンバー6は常圧対応であっても良い。チャンバー6が常圧対応であっても、半導体ウェハーWをサセプタ74から離間させた状態にて中間温度T1にまで加熱してからサセプタ74に載置させることにより、ウェハー反りを確実に防止することができる。もっとも、熱容量の大きな減圧対応のチャンバー6であればサセプタ74の降温速度が遅いために常温の半導体ウェハーWとサセプタ74と温度差が大きくなりやすく、本発明をより好適に適用することができる。
また、中間温度T1はサセプタ74よりも高温に限定されるものではなく、サセプタ74より低温であっても良い。要するに、中間温度T1に昇温した半導体ウェハーWがサセプタ74に載置された時点で、半導体ウェハーWとサセプタ74との温度差が小さければウェハー反りを防止することはできる。
また、上記実施形態においては、リフトピン12が半導体ウェハーWを受け取ったときの半導体ウェハーWとサセプタ74との間隔dを隔てたまま第1予備加熱を行っていたが、第1予備加熱を行う前に多少リフトピン12を昇降させて間隔dを変更するようにしても良い。
また、上記実施形態においては、フラッシュ加熱部5に30本のフラッシュランプFLを備えるようにしていたが、これに限定されるものではなく、フラッシュランプFLの本数は任意の数とすることができる。また、フラッシュランプFLはキセノンフラッシュランプに限定されるものではなく、クリプトンフラッシュランプであっても良い。また、ハロゲン加熱部4に備えるハロゲンランプHLの本数も40本に限定されるものではなく、任意の数とすることができる。
また、上記実施形態においては、高誘電率膜が形成された半導体ウェハーWにフラッシュ加熱を行って高誘電率膜の成膜後熱処理を行うようにしていたが、これに限定されるものではなく、フラッシュ加熱によりドーパントの活性化やシリサイド形成を行うようにしても良い。
1 熱処理装置
3 制御部
4 ハロゲン加熱部
5 フラッシュ加熱部
6 チャンバー
7 保持部
10 移載機構
11 移載アーム
12 リフトピン
65 熱処理空間
74 サセプタ
75 保持プレート
77 基板支持ピン
93 コンデンサ
95 電源ユニット
96 IGBT
120 放射温度計
FL フラッシュランプ
HL ハロゲンランプ
W 半導体ウェハー
3 制御部
4 ハロゲン加熱部
5 フラッシュ加熱部
6 チャンバー
7 保持部
10 移載機構
11 移載アーム
12 リフトピン
65 熱処理空間
74 サセプタ
75 保持プレート
77 基板支持ピン
93 コンデンサ
95 電源ユニット
96 IGBT
120 放射温度計
FL フラッシュランプ
HL ハロゲンランプ
W 半導体ウェハー
Claims (5)
- 基板にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理方法であって、
基板をチャンバーに搬入する搬入工程と、
搬入した前記基板を前記チャンバー内に設置されたサセプタから離間させた状態にてハロゲンランプから光照射を行って前記基板を第1の温度に加熱する第1予備加熱工程と、
前記第1の温度に昇温した前記基板を前記サセプタに載置した状態にて前記ハロゲンランプから光照射を行って前記基板を前記第1の温度よりも高温の第2の温度に加熱する第2予備加熱工程と、
前記第2の温度に昇温した前記基板の表面にフラッシュランプからフラッシュ光を照射するフラッシュ加熱工程と、
を備えることを特徴とする熱処理方法。 - 請求項1記載の熱処理方法において、
前記搬入工程にて前記基板を受け取ったリフトピンが前記基板を支持した状態にて前記第1予備加熱工程を実行するとともに、前記第1予備加熱工程から前記第2予備加熱工程に移行するときに前記リフトピンから前記サセプタに前記基板が渡されることを特徴とする熱処理方法。 - 請求項1または請求項2に記載の熱処理方法において、
前記第1の温度は前記サセプタの温度よりも高温であることを特徴とする熱処理方法。 - 請求項3記載の熱処理方法において、
前記第1の温度は350℃以上500℃以下であることを特徴とする熱処理方法。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の熱処理方法において、
前記搬入工程の後、前記チャンバー内が大気圧未満に減圧されることを特徴とする熱処理方法。
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