JP2018199597A - 焼結体の製造方法および立方晶窒化ホウ素粒子 - Google Patents
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Abstract
【課題】より過酷な条件で切削を可能とする焼結体を製造する。【解決手段】立方晶窒化ホウ素粒子からなる第1相と、第1材料からなる第2相とを含む焼結体の製造方法であって、前記第1材料で前記立方晶窒化ホウ素粒子を被覆することにより焼結前駆体を得る第1工程と、前記焼結前駆体を0.01GPa以上1GPa以下の圧力で焼結することにより焼結体を得る第2工程とを含み、前記焼結体は、85%以上の緻密度を示し、前記第1材料は、Al2O3が結晶粒界および結晶粒内の両方またはいずれか一方に分散した部分安定化ZrO2である。【選択図】なし
Description
本発明は、焼結体の製造方法および立方晶窒化ホウ素粒子に関する。
国際公開第2016/171155号(特許文献1)は、立方晶窒化ホウ素(以下、「cBN」とも記す)と、Al2O3が結晶粒界および結晶粒内の両方またはいずれか一方に分散した部分安定化ジルコニア(以下、「ATZ」とも記す)とを含む焼結体を開示している。この焼結体は、切削工具に適用された場合、高速切削における耐欠損性において優れた特性を示す。
しかしながら切削工具に係る技術分野では、遠心鋳造鋳鉄などの難削材に対し、切削速度などにおいてより過酷な条件で切削することが求められる場合がある。その場合、特許文献1に開示の焼結体は、その強度および寿命の観点から改善の余地があった。
本開示は、上記実情に鑑みてなされ、強度および寿命が改善されることにより、より過酷な条件での切削を可能とした焼結体を製造するための焼結体の製造方法および立方晶窒化ホウ素粒子を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る焼結体の製造方法は、立方晶窒化ホウ素粒子からなる第1相と、第1材料からなる第2相とを含む焼結体の製造方法であって、上記第1材料で上記立方晶窒化ホウ素粒子を被覆することにより焼結前駆体を得る第1工程と、上記焼結前駆体を0.01GPa以上1GPa以下の圧力で焼結することにより焼結体を得る第2工程とを含み、上記焼結体は、85%以上の緻密度を示し、上記第1材料は、Al2O3が結晶粒界および結晶粒内の両方またはいずれか一方に分散した部分安定化ZrO2である。
本開示の一態様に係る立方晶窒化ホウ素粒子は、Alを含有する部分安定化ZrO2で被覆された立方晶窒化ホウ素粒子である。
上記によれば、強度および寿命が改善されることにより、より過酷な条件での切削を可能とした焼結体を製造することができる。さらに、そのための立方晶窒化ホウ素粒子を提供することができる。
[本願発明の実施形態の説明]
本発明者らは、より過酷な条件で切削することが可能な焼結体を検討する中で、ATZで被覆されたcBN粒子を焼結することにより製造される焼結体が、その強度および寿命において性能向上することを知見した。これにより、本開示に係る焼結体の製造方法に到達した。
本発明者らは、より過酷な条件で切削することが可能な焼結体を検討する中で、ATZで被覆されたcBN粒子を焼結することにより製造される焼結体が、その強度および寿命において性能向上することを知見した。これにより、本開示に係る焼結体の製造方法に到達した。
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
[1]本開示の一態様に係る焼結体の製造方法は、立方晶窒化ホウ素粒子からなる第1相と、第1材料からなる第2相とを含む焼結体の製造方法であって、上記第1材料で上記立方晶窒化ホウ素粒子を被覆することにより焼結前駆体を得る第1工程と、上記焼結前駆体を0.01GPa以上1GPa以下の圧力で焼結することにより焼結体を得る第2工程とを含み、上記焼結体は、85%以上の緻密度を示し、上記第1材料は、Al2O3が結晶粒界および結晶粒内の両方またはいずれか一方に分散した部分安定化ZrO2である。このような構成により、強度および寿命が向上する焼結体を製造することができる。
[1]本開示の一態様に係る焼結体の製造方法は、立方晶窒化ホウ素粒子からなる第1相と、第1材料からなる第2相とを含む焼結体の製造方法であって、上記第1材料で上記立方晶窒化ホウ素粒子を被覆することにより焼結前駆体を得る第1工程と、上記焼結前駆体を0.01GPa以上1GPa以下の圧力で焼結することにより焼結体を得る第2工程とを含み、上記焼結体は、85%以上の緻密度を示し、上記第1材料は、Al2O3が結晶粒界および結晶粒内の両方またはいずれか一方に分散した部分安定化ZrO2である。このような構成により、強度および寿命が向上する焼結体を製造することができる。
[2]上記第1工程は、上記立方晶窒化ホウ素粒子と上記第1材料とを含む粒状の混合体を得る第1プレ工程を含み、上記第1工程において、上記立方晶窒化ホウ素粒子に代えて上記第1プレ工程により得た上記混合体を上記第1材料で被覆することにより上記焼結前駆体を得、上記焼結体は、上記第1材料からなる第3相をさらに含むことが好ましい。これにより強度および寿命とともに、靱性についても性能が向上する焼結体を製造することができる。
[3]上記第2工程は、上記焼結前駆体と上記第1材料とを混合することにより混合前駆体を得る第2プレ工程を含み、上記第2工程において、上記焼結前駆体に代えて上記第2プレ工程により得た上記混合前駆体を0.01GPa以上1GPa以下の圧力で焼結することにより上記焼結体を得ることが好ましい。これにより、靱性についてその性能がさらに向上する焼結体を製造することができる。
[4]本開示の一態様に係る立方晶窒化ホウ素粒子は、Alを含有する部分安定化ZrO2で被覆された立方晶窒化ホウ素粒子である。このような構成により、強度および寿命が向上する焼結体を製造するための立方晶窒化ホウ素粒子を提供することができる。
[本願発明の実施形態の説明]
以下、本発明の実施形態(以下「本実施形態」とも記す)についてさらに詳細に説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
以下、本発明の実施形態(以下「本実施形態」とも記す)についてさらに詳細に説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
ここで、本明細書において「A〜B」という形式の表記は、範囲の上限下限(すなわちA以上B以下)を意味し、Aにおいて単位の記載がなく、Bにおいてのみ単位が記載されている場合、Aの単位とBの単位とは同じである。
[焼結体の製造方法]
本実施形態に係る焼結体の製造方法は、立方晶窒化ホウ素粒子からなる第1相と、第1材料からなる第2相とを含む焼結体の製造方法である。焼結体の製造方法は、第1材料で立方晶窒化ホウ素粒子を被覆することにより焼結前駆体を得る第1工程と、焼結前駆体を0.01GPa以上1GPa以下の圧力で焼結することにより焼結体を得る第2工程とを含む。
本実施形態に係る焼結体の製造方法は、立方晶窒化ホウ素粒子からなる第1相と、第1材料からなる第2相とを含む焼結体の製造方法である。焼結体の製造方法は、第1材料で立方晶窒化ホウ素粒子を被覆することにより焼結前駆体を得る第1工程と、焼結前駆体を0.01GPa以上1GPa以下の圧力で焼結することにより焼結体を得る第2工程とを含む。
≪第1工程≫
第1工程は、第1材料で立方晶窒化ホウ素粒子を被覆することにより焼結前駆体を得る工程である。
第1工程は、第1材料で立方晶窒化ホウ素粒子を被覆することにより焼結前駆体を得る工程である。
<第1材料>
第1材料は、Al2O3が結晶粒界および結晶粒内の両方またはいずれか一方に分散した部分安定化ZrO2である。部分安定化ZrO2とは、従来公知の意味を有するものであり、典型的には、ジルコニア以外の酸化物を固溶させて構造中の酸素空孔を減少させることにより、その結晶構造である立方晶および正方晶が室温でも安定または準安定となるZrO2をいう。上記酸化物として、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化イットリウムなどの希土類酸化物を挙げることができる。部分安定化ZrO2は、上記酸化物を1種または2種以上含むことができる。ジルコニア以外の酸化物の固溶量は、ZrO2に対して1〜4mol%程度であることが好ましい。
第1材料は、Al2O3が結晶粒界および結晶粒内の両方またはいずれか一方に分散した部分安定化ZrO2である。部分安定化ZrO2とは、従来公知の意味を有するものであり、典型的には、ジルコニア以外の酸化物を固溶させて構造中の酸素空孔を減少させることにより、その結晶構造である立方晶および正方晶が室温でも安定または準安定となるZrO2をいう。上記酸化物として、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化イットリウムなどの希土類酸化物を挙げることができる。部分安定化ZrO2は、上記酸化物を1種または2種以上含むことができる。ジルコニア以外の酸化物の固溶量は、ZrO2に対して1〜4mol%程度であることが好ましい。
第1材料は、Al2O3が部分安定化ZrO2に対して90体積%以下含まれることが好ましい。より好ましくは、Al2O3は部分安定化ZrO2に対して50体積%以下含まれることである。第1材料がこのような構成を有することにより、高硬度、高強度、および高靭性の特性を備えて難削材の高速切削が可能となる。Al2O3が部分安定化ZrO2に対して90体積%を超える場合、靱性が低下する傾向がある。Al2O3の部分安定化ZrO2に対する体積比率の下限は、5体積%とすればよい。Al2O3が部分安定化ZrO2に対して5体積%未満となる場合、上記のような特性が得られなくなる傾向がある。
Al2O3は、部分安定化ZrO2の結晶粒界および結晶粒内の両方またはいずれか一方に分散して存在する。「分散して存在する」とは、微粒のAl2O3が結晶粒界および結晶粒内のどこかに存在することを意味する。すなわち、Al2O3の存在位置は、部分安定化ZrO2の特定箇所に限定されないことを意味する。
Al2O3は1μm以下の粒子(結晶粒)であることが好ましく、より好ましくは0.5μm以下の粒子であり、さらに好ましくは0.1μm以下の粒子である。粒径が小さくなればなる程、靭性を向上させる傾向にあるため、粒径の下限は特に限定されないが、微粉になり過ぎると物質そのものの靱性が低下する傾向があるため、0.005μm以上とすることが好ましい。Al2O3は、第1材料中に分散して存在することにより、靭性が飛躍的に向上したものとなるが、これはAl2O3による組織強靭化に起因するものと考えられる。
Al2O3の粒径、含有量(体積%)は、後述する立方晶窒化ホウ素粒子のそれらを特定する方法と同じ方法により求めることができる。すなわち、アルゴンのイオンビームを用いて焼結体をCP加工することにより得た平滑な断面に対し、後述するFE−SEMを用いて10000倍の倍率で観察し、かつ後述する画像解析ソフトを用いた2値化処理によりAl2O3の円相当径を算出し、それを平均粒径とすることができる。さらに、画像解析ソフトの2値化処理により算出したAl2O3の面積を、その含有量とすることができる。
第1材料についても上記断面に対し、FE−SEMを用いて10000倍の高倍率で観察し、上記画像解析ソフトを用いた2値化処理により第1材料の円相当径と面積とを算出し、この円相当径を平均粒径とし、面積を含有量(体積%)とすることができる。
第1材料は、焼結体中に10〜80体積%の割合で含有されることが好ましい。その割合が10体積%未満では、耐摩耗性および耐欠損性が低下する場合がある。その割合が80体積%を超えると、硬度が低下し耐摩耗性が低下する場合がある。第1材料のより好ましい割合は、20〜60体積%である。
上述のとおり、第1材料は、Al2O3が結晶粒界および結晶粒内の両方またはいずれか一方に分散した部分安定化ZrO2であり、焼結体中で第2相を形成するものである。しかしながら、後述するように通常ATZは、機能的に結合材としても作用するため、第1材料も機能的に結合材として作用する場合がある。この場合であっても第1材料は、作用の如何にかかわらず焼結体中で10〜80体積%の割合で含有されることが好ましい。
<第1材料の製造方法>
第1材料は、たとえば以下のような中和共沈法またはゾルゲル法によって得ることができる。
第1材料は、たとえば以下のような中和共沈法またはゾルゲル法によって得ることができる。
(中和共沈法)
中和共沈法とは、以下の工程Aおよび工程Bを含む方法である。このような方法は、たとえば2013年に発表された論文(J. Jpn. Soc. Powder Powder Metallurgy,Vol.60,No.10,P428-435)に記載されている。
中和共沈法とは、以下の工程Aおよび工程Bを含む方法である。このような方法は、たとえば2013年に発表された論文(J. Jpn. Soc. Powder Powder Metallurgy,Vol.60,No.10,P428-435)に記載されている。
(工程A)
ジルコニウム塩とイットリウム塩とアルミニウム塩を用い、ジルコニア(ZrO2)およびイットリア(Y2O3)としてのモル比率を95:5〜99.5:0.5で、しかもイットリアを添加したジルコニアおよびアルミナ(Al2O3)としてのモル比率を10:90〜95:5となるように混合し、混合溶液を調製する。上記において、ジルコニア(ZrO2)に固溶される酸化物としてイットリア(Y2O3)を例示しているが、酸化物はこれのみに限られるものではない。
ジルコニウム塩とイットリウム塩とアルミニウム塩を用い、ジルコニア(ZrO2)およびイットリア(Y2O3)としてのモル比率を95:5〜99.5:0.5で、しかもイットリアを添加したジルコニアおよびアルミナ(Al2O3)としてのモル比率を10:90〜95:5となるように混合し、混合溶液を調製する。上記において、ジルコニア(ZrO2)に固溶される酸化物としてイットリア(Y2O3)を例示しているが、酸化物はこれのみに限られるものではない。
(工程B)
上記工程Aで得られた混合溶液にアルカリを添加することにより中和を行ない、ジルコニウムとイットリウムとアルミニウムとを共沈させて沈殿物としての第1材料を得る。当該沈殿物を乾燥させた後、650〜750℃で7〜12時間熱処理し、更に850〜950℃で0.5〜3時間仮焼し、かつボールミルなどによって粉砕する。これにより、Y2O3安定化ZrO2−Al2O3固溶体粉末からなる第1材料の粉末を製造することができる。
上記工程Aで得られた混合溶液にアルカリを添加することにより中和を行ない、ジルコニウムとイットリウムとアルミニウムとを共沈させて沈殿物としての第1材料を得る。当該沈殿物を乾燥させた後、650〜750℃で7〜12時間熱処理し、更に850〜950℃で0.5〜3時間仮焼し、かつボールミルなどによって粉砕する。これにより、Y2O3安定化ZrO2−Al2O3固溶体粉末からなる第1材料の粉末を製造することができる。
ここで、上記工程Aのジルコニウム塩としては、オキシ塩化ジルコニウム(ZrOCl2)、オキシ硝酸ジルコニウム(ZrO(NO3)2)などを挙げることができる。イットリウム塩としては、塩化イットリウム(YCl3)、硝酸イットリウム(Y(NO3)3)などを挙げることができる。アルミニウム塩としては、塩化アルミニウム(AlCl3)などを挙げることができる。混合溶液とする溶媒としては、硝酸、塩酸などを挙げることができる。
(ゾルゲル法)
ゾルゲル法とは、以下の工程Xを含む方法である。このような方法は、たとえば2011年に発表された論文(J. Jpn. Soc. Powder Powder Metallurgy,Vol.58,No.12,P727-732)に記載されている。
ゾルゲル法とは、以下の工程Xを含む方法である。このような方法は、たとえば2011年に発表された論文(J. Jpn. Soc. Powder Powder Metallurgy,Vol.58,No.12,P727-732)に記載されている。
(工程X)
ゾルゲル法を用いてZrO2に対して0.3〜3.5mol%のY2O3を添加したZrO270〜80mol%に対し、20〜30mol%のAl2O3を添加してなる固溶体粉体としての第1材料を調製する。次いで、この固溶体粉体を結晶化温度以上で仮焼し、かつボールミルなどによって粉砕することにより、結晶質のZrO2固溶体粉末からなる第1材料の粉末を調製することができる。
ゾルゲル法を用いてZrO2に対して0.3〜3.5mol%のY2O3を添加したZrO270〜80mol%に対し、20〜30mol%のAl2O3を添加してなる固溶体粉体としての第1材料を調製する。次いで、この固溶体粉体を結晶化温度以上で仮焼し、かつボールミルなどによって粉砕することにより、結晶質のZrO2固溶体粉末からなる第1材料の粉末を調製することができる。
(その他の方法)
第1材料は、上記の2方法以外の方法によっても得ることができる。すなわち、部分安定化ZrO2とAl2O3とをビーズミルまたはボールミルのような粉砕機を用いてエタノールなどの溶媒中で混合することによりスラリーを得る。次いで、このスラリーを用いて造粒することにより造粒物としての第1材料を得ることができる。造粒手段は特に限定されず、溶融造粒、噴霧造粒などを挙げることができる。
第1材料は、上記の2方法以外の方法によっても得ることができる。すなわち、部分安定化ZrO2とAl2O3とをビーズミルまたはボールミルのような粉砕機を用いてエタノールなどの溶媒中で混合することによりスラリーを得る。次いで、このスラリーを用いて造粒することにより造粒物としての第1材料を得ることができる。造粒手段は特に限定されず、溶融造粒、噴霧造粒などを挙げることができる。
この造粒物に対し、次のような方法で強度を向上させる。さらにボールミルなどによって粉砕することにより、第1材料の粉末を調製することができる。
(1)熱処理炉(たとえば1000℃、真空中、3時間)で焼結する。
(2)造粒物の前駆段階の上記スラリーにバインダー(たとえば一般的バインダーであるPVB(ポリビニルブチラール))を10質量%添加する。
(1)熱処理炉(たとえば1000℃、真空中、3時間)で焼結する。
(2)造粒物の前駆段階の上記スラリーにバインダー(たとえば一般的バインダーであるPVB(ポリビニルブチラール))を10質量%添加する。
<立方晶窒化ホウ素粒子>
立方晶窒化ホウ素粒子は、その平均粒径が0.1〜5μmであることが好ましい。0.1μm未満の場合、他の粉末と混合する際に凝集しやすいため焼結不良となる傾向があり、5μmを超えると、焼結時に粒成長によって強度が低下する傾向がある。
立方晶窒化ホウ素粒子は、その平均粒径が0.1〜5μmであることが好ましい。0.1μm未満の場合、他の粉末と混合する際に凝集しやすいため焼結不良となる傾向があり、5μmを超えると、焼結時に粒成長によって強度が低下する傾向がある。
立方晶窒化ホウ素粒子の粒径は、応力集中がなく高強度になるという観点から均一であることが好ましい。さらに立方晶窒化ホウ素粒子の粒径は、正規分布を示すことが好ましい。立方晶窒化ホウ素粒子は、二峰性の粒径分布を示すことも好ましい。
このような立方晶窒化ホウ素粒子は、焼結体中に30体積%以上100体積%未満の割合で含有されることが好ましい。その割合が30体積%未満では、硬度が低下し耐摩耗性が低下する場合がある。その割合が100体積%になると第1材料を含まないため、第1材料に基づく特性が得られなくなる。
立方晶窒化ホウ素粒子の平均粒径、含有量(体積%)は、次のようにして確認することができる。すなわち、アルゴンのイオンビームを用いて焼結体をCP(Cross Section Polisher)加工することにより、平滑な断面を得る。この断面に対し、電界放出型走査電子顕微鏡(Field Emission−type Scanning Electron Microscope(FE−SEM)、商品名:「JSM−7800F」、日本電子株式会社製)を用いて10000倍の高倍率で観察することにより、視野中の立方晶窒化ホウ素粒子を特定する。さらに、視野中の立方晶窒化ホウ素粒子すべてについて、画像解析ソフト(商品名:「WinRooF ver.6.5.3」、三谷商事株式会社製)を用いた2値化処理によりこれらの円相当径と面積とを算出し、この円相当径の平均値を平均粒径とし、面積の平均値を含有量とする。ここで本明細書において、CP加工により得た断面から求められる面積は、その奥行き方向にその面積が連続するものとみなすことにより、上記面積を、体積%を単位とする含有量として表すものとする。
本実施形態に係る立方晶窒化ホウ素粒子は、Alを含有する部分安定化ZrO2で被覆された立方晶窒化ホウ素粒子である場合を含む。ここで「Alを含有する部分安定化ZrO2で被覆された立方晶窒化ホウ素粒子」は、具体的には、たとえば後述するゾルゲル法を用いることによって得られる立方晶窒化ホウ素粒子をいう。ただし、「Alを含有する部分安定化ZrO2」としては、部分安定化ZrO2中にAlが、Alイオンの状態で含まれていてもよく、Al2O3といった酸化物の状態で含まれていてもよいものとする。
<第1工程の具体的方法>
本実施形態では第1工程において、上述のように第1材料で立方晶窒化ホウ素粒子(cBN粒子)を被覆することにより焼結前駆体を得ることができる。焼結前駆体は、たとえばゾルゲル法を用いた以下の方法によって得ることができる。
本実施形態では第1工程において、上述のように第1材料で立方晶窒化ホウ素粒子(cBN粒子)を被覆することにより焼結前駆体を得ることができる。焼結前駆体は、たとえばゾルゲル法を用いた以下の方法によって得ることができる。
すなわち、まずZr−i−(OC3H7)4、Al(OC3H7)3、Y(OC3H7)3、および焼結体中の含有量が30体積%以上100体積%未満となるように調整した所定量のcBN粒子をキシレン中で2時間混合処理した後、NH4OHを添加することにより第1混合液を得る。次いで、第1混合液を70℃で24時間還流することによって第1加水分解生成物を得る。この第1加水分解生成物を遠心分離した後、熱水で洗浄し、続いて真空中120℃で乾燥することにより焼結前駆体を得る。本ゾルゲル法により、ZrO2に対して0.3〜3.5mol%のY2O3を含むZrO270〜80mol%に、20〜30mol%のAl2O3が固溶してなる固溶体粉体(ATZ)としての第1材料でcBN粒子を被覆した焼結前駆体を調製することができる。
<第1プレ工程>
さらに第1工程は、立方晶窒化ホウ素粒子と第1材料とを含む粒状の混合体を得る第1プレ工程を含むことが好ましい。この場合、上記第1工程において立方晶窒化ホウ素粒子に代えて、第1プレ工程により得た混合体を第1材料で被覆することにより焼結前駆体を得ることとなる。
さらに第1工程は、立方晶窒化ホウ素粒子と第1材料とを含む粒状の混合体を得る第1プレ工程を含むことが好ましい。この場合、上記第1工程において立方晶窒化ホウ素粒子に代えて、第1プレ工程により得た混合体を第1材料で被覆することにより焼結前駆体を得ることとなる。
第1プレ工程では、具体的には、まず上述した中和共沈法などの公知の方法を用いることにより、第1材料の粉末を調製する。この第1材料の粉末は、結合材としても機能する。次に、第1材料の粉末と、立方晶窒化ホウ素粒子とを所定の容器に添加し、混合することにより粒状の混合体を得る。この粒状の混合体(所定量)、Zr−i−(OC3H7)4、Al(OC3H7)3およびY(OC3H7)3をキシレン中で2時間混合処理した後、NH4OHを添加することにより第2混合液を得る。次いで、第2混合液を70℃で24時間還流することによって第2加水分解生成物を得る。この第2加水分解生成物を遠心分離した後、熱水で洗浄し、続いて真空中120℃で乾燥することにより焼結前駆体を得る。本ゾルゲル法により、ZrO2に対して0.3〜3.5mol%のY2O3を含むZrO270〜80mol%に、20〜30mol%のAl2O3が固溶してなる固溶体粉体(ATZ)としての第1材料でcBN粒子を被覆した焼結前駆体を調製することができる。
その後、上記焼結前駆体に対しては、後述する第2工程を行なう前に所定の形状に成型するとともに乾燥させ、かつ700〜900℃で仮焼することが好ましい。
<第3相>
ここで焼結体の製造方法に関し、第1工程において第1プレ工程を含む場合、上述のとおり第1プレ工程により得た混合体を第1材料で被覆することにより焼結前駆体を得ることとなる。この場合、この焼結前駆体を焼結することにより得られる焼結体は、立方晶窒化ホウ素粒子からなる第1相と、第1材料からなる第2相とともに、第1材料からなる第3相とを含むこととなる。
ここで焼結体の製造方法に関し、第1工程において第1プレ工程を含む場合、上述のとおり第1プレ工程により得た混合体を第1材料で被覆することにより焼結前駆体を得ることとなる。この場合、この焼結前駆体を焼結することにより得られる焼結体は、立方晶窒化ホウ素粒子からなる第1相と、第1材料からなる第2相とともに、第1材料からなる第3相とを含むこととなる。
第3相としての第1材料は、0.05〜5μmの平均粒径を有することが好ましい。0.05μm未満の場合、他の粉末と混合する際、凝集しやすいため焼結不良となる傾向があり、5μmを超えると、焼結時粒成長により強度が低下する傾向がある。
さらに第1材料は、第3相として焼結体中に5〜50体積%の割合で含有されることが好ましい。その割合が5体積%未満では、焼結体の強度が十分に向上しない場合がある。その割合が50体積%を超えると、cBN粒子の割合が低下するため焼結体の硬度が低下する場合がある。第1材料(第3相)のより好ましい割合は、10〜30体積%である。第3相としての第1材料の平均粒径についてもcBN粒子と同じ方法により求めることができる。
≪第2工程≫
第2工程は、焼結前駆体を0.01GPa以上1GPa以下の圧力で焼結することにより焼結体を得る工程である。
第2工程は、焼結前駆体を0.01GPa以上1GPa以下の圧力で焼結することにより焼結体を得る工程である。
第2工程における具体的な焼結条件は以下のとおりである。まず焼結方法として公知のパルス通電加圧焼結法または放電プラズマ法を用いることができる。パルス通電加圧焼結法とは、一軸加圧下において低電圧でパルス状直流電流を流し、火花放電現象により瞬時に高エネルギーを発生させて対象物(焼結前駆体)の焼結を行う方法をいう。パルス通電加圧焼結法は、急激なジュール加熱によって溶解と高速拡散とを起こすため、短時間で高速焼結することができる。このため、比較的粒成長を抑えた緻密な焼結体(緻密度85%以上)を得ることができる。放電プラズマ法を用いる場合も同様な利点がある。
ガス雰囲気としては、アルゴンガスまたは窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気とすることが好ましい。このようなガス雰囲気の下、0.01GPa以上1GPa以下の圧力で焼結する。このとき、昇温速度を50℃/min以上とし、焼結温度を1250〜1350℃とすることが好ましい。焼結時間は30〜60分とすることが好ましい。
<第2プレ工程>
第2工程は、焼結前駆体と第1材料とを混合することにより混合前駆体を得る第2プレ工程を含むことが好ましい。この場合、第2工程において焼結前駆体に代えて、上記第2プレ工程により得た混合前駆体を0.01GPa以上1GPa以下の圧力で焼結することにより焼結体を得ることとなる。
第2工程は、焼結前駆体と第1材料とを混合することにより混合前駆体を得る第2プレ工程を含むことが好ましい。この場合、第2工程において焼結前駆体に代えて、上記第2プレ工程により得た混合前駆体を0.01GPa以上1GPa以下の圧力で焼結することにより焼結体を得ることとなる。
混合前駆体の焼結条件は、上述した焼結前駆体と同じであってよい。すなわちパルス通電加圧焼結法または放電プラズマ法を用い、アルゴンガスまたは窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気の下、0.01GPa以上1GPa以下の圧力で焼結する。このとき、昇温速度を50℃/min以上とし、焼結温度を1250〜1350℃とする。焼結時間は30〜60分とする。
第2プレ工程において用いる第1材料は、第1プレ工程に用いる第1材料として説明したものと同じである。
以上により、本実施形態に係る焼結体の製造方法は、強度および寿命が向上する焼結体を製造することができる。
[焼結体]
本実施形態に係る焼結体は、上述した焼結体の製造方法により製造され、立方晶窒化ホウ素粒子からなる第1相と、第1材料からなる第2相とを含む。焼結体は、85%以上の緻密度を示す。焼結体は、上記第1材料からなる第3相をさらに含むことが好ましい。このような焼結体は、遠心鋳造鋳鉄などの難削材に対し、切削速度などにおいてより過酷な条件で切削した場合にも寿命を向上させることができる。
本実施形態に係る焼結体は、上述した焼結体の製造方法により製造され、立方晶窒化ホウ素粒子からなる第1相と、第1材料からなる第2相とを含む。焼結体は、85%以上の緻密度を示す。焼結体は、上記第1材料からなる第3相をさらに含むことが好ましい。このような焼結体は、遠心鋳造鋳鉄などの難削材に対し、切削速度などにおいてより過酷な条件で切削した場合にも寿命を向上させることができる。
焼結体は、95%以上の緻密度を示すことが好ましい。最も好ましい緻密度は、100%である。本明細書において焼結体の「緻密度」とは、焼結体の「相対密度」を指す。焼結体の「相対密度」とは、焼結体の実測の密度である「かさ密度」を、焼結体に含まれる各成分比に基づいて算出される「理論密度」で除した値の百分率をいう。「かさ密度」の測定は、アルキメデス法を用いた質量センサー(商品名:「AUW220D」、株式会社島津製作所製)を用いることにより行なうことができる。
さらに焼結体は、その強度が1.5GPa以上であることが好ましい。この強度は、曲げ強度σを意味する。曲げ強度σは、スパン長さ8mm、クロスヘッドの送り0.5mm/minの条件の下、三点曲げ強度測定機(商品名:「AG−Xplus」、株式会社島津製作所製)により測定された三点曲げ強度の値で示される。焼結体の強度は、1.55GPa以上であることがより好ましい。焼結体の強度の上限は、特に限定すべきではないが、焼結体の原料に基づけば2.5GPa以下であることが妥当である。
焼結体は、上述のとおり第1材料からなる第3相を含むことが好ましい。この場合、焼結体は靱性にも優れたものとなり、寿命がさらに向上する。第3相は、上述した第1材料からなる。したがって第3相は、Al2O3が結晶粒界および結晶粒内の両方またはいずれか一方に分散した部分安定化ZrO2であることが好ましい。
本実施形態により製造される焼結体を構成する第1相(cBN)、第2相(第1材料)、第3相(第1材料)などの各成分組成およびその含有割合は、上記断面に対してFE−SEMを用いて10000倍の高倍率で観察した観察像を対象とし、FE−SEMに付帯するエネルギー分散型X線検出器(EDX)の一種であるシリコンドリフト検出器(SDD、商品名:「Apollo XF」、EDAX Inc社製)を用いて分析することにより求めることもできる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の説明では、試料1、試料2が実施例に相当し、試料3が比較例に相当する。
≪焼結体の製造≫
<試料1>
(第1工程)
原料として、cBN粒子と第1材料の粉末とを準備する。まずcBN粒子を、焼結体中に占める含有量が75体積%となる量準備する。特にcBN粒子を、超音波分散装置を用いて30分間、分散することにより均一な状態として準備する。なぜなら、このcBN粒子は、3μmの平均粒径を有するものが全体の70質量%を占め、0.5μmの平均粒径を有するものが全体の30質量%を占める。このため、上記cBN粒子は二峰性の粒径分布を有するからである。
<試料1>
(第1工程)
原料として、cBN粒子と第1材料の粉末とを準備する。まずcBN粒子を、焼結体中に占める含有量が75体積%となる量準備する。特にcBN粒子を、超音波分散装置を用いて30分間、分散することにより均一な状態として準備する。なぜなら、このcBN粒子は、3μmの平均粒径を有するものが全体の70質量%を占め、0.5μmの平均粒径を有するものが全体の30質量%を占める。このため、上記cBN粒子は二峰性の粒径分布を有するからである。
次に、このcBN粒子、Zr−i−(OC3H7)4、Al(OC3H7)3およびY(OC3H7)3をキシレン中で2時間混合処理した後、NH4OHを添加することにより混合液を得る。次いで、窒素ガスフロー100mL/分、水温70℃の条件で24時間還流することによって、加水分解生成物を得る。この加水分解生成物を遠心分離した後、熱水で洗浄し、真空中120℃で乾燥することにより焼結前駆体を得る。これにより、ZrO2に対して1.5mol%のY2O3を含むZrO275mol%に、25mol%のAl2O3が固溶してなる固溶体粉体としての第1材料で、cBN粒子を被覆した焼結前駆体を調製する。ZrO2に対して1.5mol%のY2O3を含むZrO275mol%に、25mol%のAl2O3が固溶してなる固溶体粉体としての第1材料は、焼結体中において第2相(第1材料)となり、その含有量は焼結体中で10体積%を占める。その後、この焼結前駆体を70℃で乾燥し、続いて350℃、1時間の条件および850℃、1時間の条件でそれぞれ仮焼する。
(第2工程)
さらに仮焼した焼結前駆体と、上述した中和共沈法を用いて製造された第1材料の粉末(ATZ粉末、商品名:「DSZ−90」、第一稀元素化学工業株式会社製)とを混合した上で(第1プレ工程)、後述する切削工具の形状となるように70MPaの圧力で圧粉体成型し、次いで1000MPaの圧力で冷間等方圧法(CIP)成型をする。その後、パルス通電加圧焼焼結法を用い、アルゴンガス雰囲気下、昇温速度100℃/分、圧力0.1GPa、焼結温度1300℃および保持時間30分とする条件で焼結することにより試料1の焼結体を得る。
さらに仮焼した焼結前駆体と、上述した中和共沈法を用いて製造された第1材料の粉末(ATZ粉末、商品名:「DSZ−90」、第一稀元素化学工業株式会社製)とを混合した上で(第1プレ工程)、後述する切削工具の形状となるように70MPaの圧力で圧粉体成型し、次いで1000MPaの圧力で冷間等方圧法(CIP)成型をする。その後、パルス通電加圧焼焼結法を用い、アルゴンガス雰囲気下、昇温速度100℃/分、圧力0.1GPa、焼結温度1300℃および保持時間30分とする条件で焼結することにより試料1の焼結体を得る。
<試料2>
(第1工程)
原料として、試料1で用いたのと同じcBN粒子を、焼結体中に占める含有量が65体積%となる量準備する。さらに、試料1で用いたのと同じ第1材料の粉末(ATZ粉末、商品名:「DSZ−90」、第一稀元素化学工業株式会社製)も焼結体中に占める含有量が25体積%となる量準備する。この第1材料の粉末に対しては予め350℃、1時間の条件および850℃、1時間の条件でそれぞれ仮焼し、粉砕した上で上述の量を準備する。
(第1工程)
原料として、試料1で用いたのと同じcBN粒子を、焼結体中に占める含有量が65体積%となる量準備する。さらに、試料1で用いたのと同じ第1材料の粉末(ATZ粉末、商品名:「DSZ−90」、第一稀元素化学工業株式会社製)も焼結体中に占める含有量が25体積%となる量準備する。この第1材料の粉末に対しては予め350℃、1時間の条件および850℃、1時間の条件でそれぞれ仮焼し、粉砕した上で上述の量を準備する。
このcBN粒子および第1材料の粉末を混合することにより粒状の混合体を得る(第1プレ工程)。この粒状の混合体(焼結体中に占める含有量は90体積%)、Zr−i−(OC3H7)4、Al(OC3H7)3およびY(OC3H7)3をキシレン中で2時間混合処理した後、NH4OHを添加することにより混合液を得る。次いで、窒素ガスフロー100mL/分、水温70℃の条件で24時間還流することによって、加水分解生成物を得る。この加水分解生成物を遠心分離した後、熱水で洗浄し、真空中120℃で乾燥することにより焼結前駆体を得る。これにより、ZrO2に対して1.5mol%のY2O3を含むZrO275mol%に、25mol%のAl2O3が固溶してなる固溶体粉体としての第1材料で、cBN粒子を被覆した焼結前駆体を調製する。
ZrO2に対して1.5mol%のY2O3を含むZrO275mol%に、25mol%のAl2O3が固溶してなる固溶体粉体としての第1材料は、焼結体中において第2相(第1材料)となり、その含有量は焼結体中で10体積%を占める。その後、この焼結前駆体を70℃で乾燥し、続いて350℃、1時間の条件および850℃、1時間の条件でそれぞれ仮焼する。
(第2工程)
さらに、上記焼結前駆体に対して後述する切削工具の形状となるように70MPaの圧力で圧粉体成型し、次いで1000MPaの圧力で冷間等方圧法(CIP)成型をする。その後、パルス通電加圧焼焼結法を用い、アルゴンガス雰囲気下、昇温速度100℃/分、圧力0.1GPa、焼結温度1300℃および保持時間30分とする条件で焼結することにより試料2の焼結体を得る。
さらに、上記焼結前駆体に対して後述する切削工具の形状となるように70MPaの圧力で圧粉体成型し、次いで1000MPaの圧力で冷間等方圧法(CIP)成型をする。その後、パルス通電加圧焼焼結法を用い、アルゴンガス雰囲気下、昇温速度100℃/分、圧力0.1GPa、焼結温度1300℃および保持時間30分とする条件で焼結することにより試料2の焼結体を得る。
<試料3>
原料として、試料1で用いたのと同じcBN粒子を、焼結体中に占める含有量が75体積%となる量準備する。さらに、試料1で用いたのと同じ第1材料の粉末(ATZ粉末、商品名:「DSZ−90」、第一稀元素化学工業株式会社製)を、焼結体中に占める含有量が25体積%となる量準備する。
原料として、試料1で用いたのと同じcBN粒子を、焼結体中に占める含有量が75体積%となる量準備する。さらに、試料1で用いたのと同じ第1材料の粉末(ATZ粉末、商品名:「DSZ−90」、第一稀元素化学工業株式会社製)を、焼結体中に占める含有量が25体積%となる量準備する。
このcBN粒子および第1材料の粉末を混合した後、この混合体を70℃で乾燥し、続いて350℃、1時間の条件および850℃、1時間の条件でそれぞれ仮焼する。さらに後述する切削工具の形状となるように70MPaの圧力で圧粉体成型し、次いで1000MPaの圧力で冷間等方圧法(CIP)成型をする。その後、パルス通電加圧焼焼結法を用い、アルゴンガス雰囲気下、昇温速度100℃/分、圧力0.1GPa、焼結温度1300℃および保持時間30分とする条件で焼結することにより試料3の焼結体を得る。したがって試料3の焼結体は、第1材料でcBN粒子を被覆する工程を経ていない。
≪試料1〜試料3の評価≫
<各成分の含有量>
試料1〜試料3の焼結体に対し、上述したようにCP加工を施し、その断面を上記FE−SEMで観察することにより、焼結体中における第1相(cBN)の領域と、第2相(第1材料)および第3相(第1材料)からなるATZの領域とを特定するとともに、上記画像解析ソフトを用いた2値化処理により第1相(cBN)の含有量と、第2相(第1材料)および第3相(第1材料)からなるATZ含有量とを算出する。その結果、試料1〜試料3の焼結体における第1相(cBN)、第2相(第1材料)および第3相(第1材料)の含有量は、表1に示すとおりであって原料と一致することを確認することができる。表1において「第2相(第1材料)の含有量」は、「第2相被覆ATZ量」として示されている。なお、第2相(第1材料)および第3相(第1材料)がいずれもATZであるので、表中の「第2相被覆ATZ量」および「第3相ATZ量」におけるATZの数値は、それぞれの含有量が原料と一致するものと推定して表した推定値である。
<各成分の含有量>
試料1〜試料3の焼結体に対し、上述したようにCP加工を施し、その断面を上記FE−SEMで観察することにより、焼結体中における第1相(cBN)の領域と、第2相(第1材料)および第3相(第1材料)からなるATZの領域とを特定するとともに、上記画像解析ソフトを用いた2値化処理により第1相(cBN)の含有量と、第2相(第1材料)および第3相(第1材料)からなるATZ含有量とを算出する。その結果、試料1〜試料3の焼結体における第1相(cBN)、第2相(第1材料)および第3相(第1材料)の含有量は、表1に示すとおりであって原料と一致することを確認することができる。表1において「第2相(第1材料)の含有量」は、「第2相被覆ATZ量」として示されている。なお、第2相(第1材料)および第3相(第1材料)がいずれもATZであるので、表中の「第2相被覆ATZ量」および「第3相ATZ量」におけるATZの数値は、それぞれの含有量が原料と一致するものと推定して表した推定値である。
<緻密度(かさ密度)>
試料1〜試料3の焼結体に対し、上述した方法を用いて緻密度を測定する。すなわち、試料1〜試料3の焼結体に対し、各成分の含有量に基づいて算出される理論密度と、上述した方法により算出されるかさ密度とから緻密度を求める。その結果についても表1に示す。表1では「緻密度」、「かさ密度」、「理論密度」の値をそれぞれ示している。
試料1〜試料3の焼結体に対し、上述した方法を用いて緻密度を測定する。すなわち、試料1〜試料3の焼結体に対し、各成分の含有量に基づいて算出される理論密度と、上述した方法により算出されるかさ密度とから緻密度を求める。その結果についても表1に示す。表1では「緻密度」、「かさ密度」、「理論密度」の値をそれぞれ示している。
<強度(曲げ強度σ)>
試料1〜試料3の焼結体に対し、上述した方法を用いて強度を測定する。すなわち、試料1〜試料3の焼結体に対し、スパン長さ8mm、クロスヘッドの送り0.5mm/minの条件の下、三点曲げ強度測定機(商品名:「AG−Xplus」、株式会社島津製作所製)により三点曲げ強度の値(単位はGPa)を求める。その結果についても表1に示す。
試料1〜試料3の焼結体に対し、上述した方法を用いて強度を測定する。すなわち、試料1〜試料3の焼結体に対し、スパン長さ8mm、クロスヘッドの送り0.5mm/minの条件の下、三点曲げ強度測定機(商品名:「AG−Xplus」、株式会社島津製作所製)により三点曲げ強度の値(単位はGPa)を求める。その結果についても表1に示す。
<切削試験>
さらに試料1〜試料3の焼結体を用いて、CNGA120408、ネガランド角度15°、ネガランド幅0.12mmの形状の切削工具を作製し、以下の切削条件で高速切削の切削試験を行なう。
さらに試料1〜試料3の焼結体を用いて、CNGA120408、ネガランド角度15°、ネガランド幅0.12mmの形状の切削工具を作製し、以下の切削条件で高速切削の切削試験を行なう。
(切削条件)
切削速度:1000m/min
送り:0.3mm
切込み:0.8mm
湿式/乾式:湿式(クーラント:エマルジョン)
装置:LB4000(オークマ株式会社製、EWN68−150CKB6のホルダを使用)
被削材:遠心鋳造鋳鉄(緻密パーライトの組織を有し、ネズミ鋳鉄の化学組成を有する)
被削材の形状:円筒状(外径φ85mm)。
切削速度:1000m/min
送り:0.3mm
切込み:0.8mm
湿式/乾式:湿式(クーラント:エマルジョン)
装置:LB4000(オークマ株式会社製、EWN68−150CKB6のホルダを使用)
被削材:遠心鋳造鋳鉄(緻密パーライトの組織を有し、ネズミ鋳鉄の化学組成を有する)
被削材の形状:円筒状(外径φ85mm)。
(試験の内容)
試料1〜試料3の切削工具に対し、200μm以上の大きさの欠損が発生するまでに切削できる切削距離(km)を測定する。この切削距離が長い程、切削工具は長寿命であると評価することができる。その結果を表1に示す。
試料1〜試料3の切削工具に対し、200μm以上の大きさの欠損が発生するまでに切削できる切削距離(km)を測定する。この切削距離が長い程、切削工具は長寿命であると評価することができる。その結果を表1に示す。
(考察)
表1に示すように、本開示の焼結体の製造方法により製造される試料1および試料2を用いた切削工具は、第1材料でcBN粒子を被覆する工程を経て製造されることにより、試料3の焼結体を用いた切削工具に比して緻密度が高く、強度および寿命が向上することが理解される。
表1に示すように、本開示の焼結体の製造方法により製造される試料1および試料2を用いた切削工具は、第1材料でcBN粒子を被覆する工程を経て製造されることにより、試料3の焼結体を用いた切削工具に比して緻密度が高く、強度および寿命が向上することが理解される。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態および実施例ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
Claims (4)
- 立方晶窒化ホウ素粒子からなる第1相と、第1材料からなる第2相とを含む焼結体の製造方法であって、
前記第1材料で前記立方晶窒化ホウ素粒子を被覆することにより焼結前駆体を得る第1工程と、
前記焼結前駆体を0.01GPa以上1GPa以下の圧力で焼結することにより焼結体を得る第2工程とを含み、
前記焼結体は、85%以上の緻密度を示し、
前記第1材料は、Al2O3が結晶粒界および結晶粒内の両方またはいずれか一方に分散した部分安定化ZrO2である、焼結体の製造方法。 - 前記第1工程は、前記立方晶窒化ホウ素粒子と前記第1材料とを含む粒状の混合体を得る第1プレ工程を含み、
前記第1工程において、前記立方晶窒化ホウ素粒子に代えて前記第1プレ工程により得た前記混合体を前記第1材料で被覆することにより前記焼結前駆体を得、
前記焼結体は、前記第1材料からなる第3相をさらに含む、請求項1に記載の焼結体の製造方法。 - 前記第2工程は、前記焼結前駆体と前記第1材料とを混合することにより混合前駆体を得る第2プレ工程を含み、
前記第2工程において、前記焼結前駆体に代えて前記第2プレ工程により得た前記混合前駆体を0.01GPa以上1GPa以下の圧力で焼結することにより前記焼結体を得る、請求項1または請求項2に記載の焼結体の製造方法。 - Alを含有する部分安定化ZrO2で被覆された立方晶窒化ホウ素粒子。
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|---|---|---|---|
| JP2017104695A JP2018199597A (ja) | 2017-05-26 | 2017-05-26 | 焼結体の製造方法および立方晶窒化ホウ素粒子 |
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Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN113149661A (zh) * | 2021-04-27 | 2021-07-23 | 中国科学院兰州化学物理研究所 | 一种高致密氮化硼自润滑复合陶瓷的制备方法 |
| CN117776736A (zh) * | 2023-12-27 | 2024-03-29 | 清华大学深圳国际研究生院 | 氮化硼全陶瓷颗粒、其制备方法及应用 |
-
2017
- 2017-05-26 JP JP2017104695A patent/JP2018199597A/ja active Pending
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| CN117776736A (zh) * | 2023-12-27 | 2024-03-29 | 清华大学深圳国际研究生院 | 氮化硼全陶瓷颗粒、其制备方法及应用 |
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