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JP2018195768A - 光電変換素子、太陽電池、光電変換素子の製造方法及び光電変換素子用組成物 - Google Patents

光電変換素子、太陽電池、光電変換素子の製造方法及び光電変換素子用組成物 Download PDF

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JP2018195768A JP2017100283A JP2017100283A JP2018195768A JP 2018195768 A JP2018195768 A JP 2018195768A JP 2017100283 A JP2017100283 A JP 2017100283A JP 2017100283 A JP2017100283 A JP 2017100283A JP 2018195768 A JP2018195768 A JP 2018195768A
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Hirotaka Sato
寛敬 佐藤
野村 公篤
Kimiatsu Nomura
公篤 野村
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Abstract

【課題】感光層にペロブスカイト化合物を含有しながらも高いフィルファクターを示す光電変換素子及び太陽電池、並びに、光電変換素子の製造方法及び光電変換素子用組成物を提供する。【解決手段】第一電極を形成する導電性支持体と第一電極に対向する第二電極との間に、導電性支持体側の多環化合物含有層と、多環化合物含有層の第二電極側に隣接する正孔輸送層と、多環化合物含有層又は正孔輸送層に隣接する感光層とを有する光電変換素子であって、多環化合物含有層が特定の多環化合物を含む光電変換素子及び太陽電池、並びに、光電変換素子の製造方法、及び特定の多環化合物を含む光電変換素子用組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換素子、太陽電池、光電変換素子の製造方法及び光電変換素子用組成物に関する。
光電変換素子は、各種の光センサー、複写機、太陽電池等に用いられている。太陽電池は、非枯渇性の太陽エネルギーを利用するものとして、その実用化が進められている。この中でも、増感剤として有機色素又はRuビピリジル錯体等を用いた色素増感太陽電池は、研究開発が盛んに進められ、光電変換効率が11%程度に到達している。
その一方で、近年、ペロブスカイト型結晶構造を有する化合物として金属ハロゲン化物を用いた太陽電池が、比較的高い光電変換効率を達成できるとの研究成果が報告され、注目を集めている。例えば、特許文献1には、光吸収剤として、ペロブスカイト型結晶構造を有する化合物とフタロシアニン色素とを含有する光電変換素子が記載されている。特許文献2には、光吸収剤としてペロブスカイト型結晶構造を有する化合物を用いた光電変換素子であって、第一電極の表面にp−フェニレンジアミン等の化合物を有する光電変換素子が記載されている。
特開2015−046585号公報 国際公開第2015/163233号
上述のように、ペロブスカイト型結晶構造を有する化合物(以下、「ペロブスカイト化合物」ともいう。)を用いた光電変換素子は、試験的には光電変換効率の向上において一定の成果が得られている。しかし、実用に際して光電変換素子から外部に取り出せる電気エネルギー量の増大が求められており、光電変換効率の更なる性能向上が期待されている。
本発明は、感光層にペロブスカイト化合物を含有しながらも高いフィルファクターを示す光電変換素子、及びこの光電変換素子を用いた太陽電池を提供することを課題とする。
また、本発明は、上記光電変換素子の製造方法、及び、この製造方法に好ましく用いることのできる光電変換素子用組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、ペロブスカイト化合物を光吸収剤として含有する感光層を有する光電変換素子に、下記群Gから選択される少なくとも2つの基又は塩を有する特定の多環化合物を含有する層(多環化合物含有層)を正孔輸送層に隣接させ、更に多環化合物含有層又は正孔輸送層を上記感光層に隣接させた層構造を構築することにより、高いフィルファクターを示すことを見出した。本発明はこれらの知見に基づき更に検討を重ね、完成されるに至ったものである。
すなわち、本発明の上記の課題は以下の手段により解決された。
<1>第一電極を形成する導電性支持体と第一電極に対向する第二電極との間に、導電性支持体側の多環化合物含有層と、多環化合物含有層の第二電極側に隣接する正孔輸送層と、多環化合物含有層又は正孔輸送層に隣接する感光層とを有する光電変換素子であって、
多環化合物含有層が、下記式(BS−1)〜式(BS−9)のいずれかで表される部分構造を含む多環構造と、多環構造に結合した、下記群Gから選択される少なくとも2つの基又は塩とを有する多環化合物を含む光電変換素子。
Figure 2018195768
式中、YはCR又は窒素原子を示す。XはCR、SiR、NR、硫黄原子、セレン原子又は酸素原子を示す。R〜R及びRは水素原子又は置換基を示す。Mは金属原子又は金属酸化物を示す。但し、式(BS−8)及び式(BS−9)中のピロール由来の環が置換基を有する場合、置換基は互いに結合して環を形成することはない。
[群G]−OR、−OYa、−SR、−SYa、−NR、−(NRYa、−COOR、−COOYa、−SO、−OSO、−SO Ya、−OSO Ya、−P(=O)(OR、−OP(=O)(OR、−P(=O)(OYa、−OP(=O)(OYa、−B(OR及び−B(OR Ya
ここで、R、R及びRは水素原子又は置換基を示し、Yaは対塩を示す。
<2>第一電極が導電性支持体上に感光層を有してなり、感光層の表面に多環化合物含有層と正孔輸送層とをこの順で有する<1>に記載の光電変換素子。
<3>第一電極が、導電性支持体上に多環化合物含有層と正孔輸送層と感光層とをこの順で有する<1>に記載の光電変換素子。
<4>群Gから選択される基又は塩が、下記式(PG−1)〜式(PG−3)のいずれかで表される部分構造を形成して多環構造に結合している<1>〜<3>のいずれか1つに記載の光電変換素子。
Figure 2018195768
式中、Ga〜Gcは上記の基又は塩を示す。R〜R10は水素原子又は置換基を示す。naは1以上の整数である。環Zは炭化水素環又は複素環を示す。*は多環構造との結合部位を示す。
<5>上記基又は塩の少なくとも1つが、−NR又は−P(=O)(ORである<1>〜<4>のいずれか1つに記載の光電変換素子。
<6>多環構造と、正孔輸送層中の正孔輸送材料が有する環構造とが共通する<1>〜<5>のいずれか1つに記載の光電変換素子。
<7>多環化合物含有層が、1〜10nmの膜厚を有する<1>〜<6>のいずれか1つに記載の光電変換素子。
<8>正孔輸送層が、10〜50nmの膜厚を有する<1>〜<7>のいずれか1つに記載の光電変換素子。
<9>感光層が、周期表第1族元素又はカチオン性有機基のカチオン、周期表第1族元素以外の金属原子のカチオン、及び、アニオン性原子又は原子団のアニオンを含むペロブスカイト型結晶構造を有する化合物を含有する<1>〜<8>のいずれか1つに記載の光電変換素子。
<10>上記<1>〜<9>のいずれか1つに記載の光電変換素子を用いた太陽電池。
<11>上記<1>〜<10>のいずれか1つに記載の光電変換素子を製造する方法であって、
導電性支持体上に、多環化合物含有層を設ける工程と、多環化合物含有層の表面に正孔輸送層を設ける工程とを有する光電変換素子の製造方法。
<12>下記式(BS−1)〜式(BS−9)のいずれかで表される部分構造を含む多環構造に、下記群G3から選択される少なくとも2つの基が結合した多環化合物と、非プロトン性溶媒とを含有する光電変換素子用組成物。
Figure 2018195768
式中、YはCR又は窒素原子を示す。XはCR、SiR、NR、硫黄原子、セレン原子又は酸素原子を示す。R〜R及びRは水素原子又は置換基を示す。Mは金属原子又は金属酸化物を示す。但し、式(BS−8)及び式(BS−9)中のピロール由来の環が置換基を有する場合、置換基は互いに結合して環を形成することはない。
[群G3]−NR及び−P(=O)(OR
ここで、R及びRは水素原子又は置換基を示す。
本明細書において、各式の表記は、化合物の化学構造の理解のために、一部を示性式として表記することもある。これに伴い、各式において、部分構造を、(置換)基、イオン又は原子等と称するが、本明細書において、これらは、(置換)基、イオン又は原子等の他に、上記式で表される(置換)基若しくはイオンを構成する元素団、又は、元素を意味することがある。
本明細書において、化合物(錯体、色素を含む)の表示については、化合物そのもののほか、その塩、そのイオンを含む意味に用いる。また、置換又は無置換を明記していない化合物については、目的とする効果を損なわない範囲で、任意の置換基を有する化合物を含む意味である。このことは、置換基及び連結基等(以下、置換基等という)についても同様である。
本明細書において、特定の符号で表示された置換基が複数あるとき、又は複数の置換基等を同時に規定するときには、特段の断りがない限り、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよい。このことは、置換基等の数の規定についても同様である。また、複数の置換基等が近接するとき(特に、隣接するとき)には、特段の断りがない限り、それらが互いに連結して環を形成してもよい。また、環、例えば脂肪族環、芳香族環、ヘテロ環は更に縮環して縮合環を形成していてもよい。
また、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本発明の光電変換素子及び太陽電池は、高いフィルファクターを示す。また、本発明の光電変換素子の製造方法及び光電変換素子用組成物は、上述の優れた特性を有する本発明の光電変換素子及び太陽電池を好適に製造することができる。
図1は本発明の光電変換素子の好ましい態様について、層中の円部分の拡大図も含めて模式的に示した断面図である。 図2は本発明の光電変換素子の別の好ましい態様について模式的に示す断面図である。 図3は本発明の光電変換素子のまた別の好ましい態様について、層中の円部分の拡大図も含めて模式的に示した断面図である。 図4は本発明の光電変換素子の更に別の好ましい態様について模式的に示した断面図である。 図5は本発明の光電変換素子の更にまた別の好ましい態様について模式的に示した断面図である。
[光電変換素子]
本発明の光電変換素子は、導電性支持体上に感光層が設けられた形態の第一電極と、この第一電極に対向する第二電極とを有する。ここで、第一電極と第二電極が対向するとは、第一電極と第二電極が互いに接した状態で積層された形態と、第一電極と第二電極とが他の層を介して積層された形態(すなわち第一電極と第二電極が他の層を挟んで互いに対向して設けられた形態)との両形態を意味する。また、第一電極において、上記感光層は、導電性支持体よりも第二電極側に配される。
本発明において、導電性支持体上に感光層を有するとは、導電性支持体の表面に接して感光層を設ける(直接設ける)態様、及び、導電性支持体の表面上方に他の層を介して感光層を設ける態様を含む意味である。
導電性支持体の表面上方に他の層を介して感光層を有する態様において、導電性支持体と感光層との間に設けられる他の層としては、太陽電池の電池性能を低下させないものであれば特に限定されない。例えば、多孔質層、ブロッキング層、電子輸送層、正孔輸送層、及び、後述する多環化合物含有層等が挙げられる。
本発明において、導電性支持体の表面上方に他の層を介して感光層を有する態様としては、例えば、感光層が、多孔質層の表面に薄い膜状(図1参照)又は厚い膜状(図2参照)に設けられる態様、ブロッキング層の表面に薄い膜状又は厚い膜状に設けられる態様(図3参照)、電子輸送層の表面に薄い膜状又は厚い膜状(図4参照)に設けられる態様、及び、正孔輸送層の表面に薄い膜状又は厚い膜状(図5参照)に設けられる態様が挙げられる。感光層は、線状又は分散状に設けられてもよいが、好ましくは膜状に設けられる。
本発明の光電変換素子は、第一電極を形成する導電性支持体と、この第一電極に対向する第二電極との間に、導電性支持体側の多環化合物含有層と、この多環化合物含有層の第二電極側に隣接する正孔輸送層と、多環化合物含有層又は正孔輸送層に隣接する感光層とを有している。本発明の光電変換素子において、導電性支持体と第二電極との間に、感光層、多環化合物含有層及び正孔輸送層が互いに隣接して積層される層構造は、下記の2つの態様を包含する
すなわち、層構造の第一態様は、感光層、多環化合物含有層及び正孔輸送層がこの順で隣接してなる層構造である。第一態様の層構造を有する光電変換素子は、言い換えると、第一電極が導電性支持体上に感光層を有してなり、第一電極と第二電極との間であって、感光層の表面に多環化合物含有層と正孔輸送層とをこの順で有している。
また、層構造の第二態様は、多環化合物含有層、正孔輸送層及び感光層がこの順で隣接してなる積層構造である。第二態様の層構造を有する光電変換素子は、言い換えると、第一電極が、導電性支持体上に多環化合物含有層と正孔輸送層と感光層とをこの順で有している。
上記両態様において、感光層、多環化合物含有層及び正孔輸送層は、上述のように、互いに隣接している。
本発明の光電変換素子は、多環化合物含有層を上記所定の層に隣接して有することにより、高いフィルファクターを示す。その理由の詳細は、まだ定かではないが、次のように推定される。すなわち、多環化合物が有する後記多環構造中の共役系が所定の層構造に組み込まれた際に優れた電荷移送経路を構築して電荷移動、電荷分離を高め、素子の内部損失を低減できると考えられる。更には、多環化合物層は正孔輸送層の下地層としても機能し、正孔輸送材料の配向性、正孔輸送層と多環化合物含有層との界面状態を電荷移動に適したものに改質できると考えられる。以上により、本発明の光電変換素子は高いフィルファクターを示す。
本発明の光電変換素子は、本発明で規定する構成以外の構成は特に限定されず、光電変換素子及び太陽電池に関する公知の構成を採用できる。本発明の光電変換素子を構成する各層は、目的に応じて設計され、例えば、単層に形成されても、複層に形成されてもよい。例えば、多孔質層を導電性支持体と感光層との間に設けることもできる(図1及び図2参照)。
以下、本発明の光電変換素子の好ましい態様について説明する。
図1〜図5において、同じ符号は同じ構成要素(部材)を意味する。
なお、図1及び図2は、多孔質層12を形成する微粒子の大きさを強調して示してある。これらの微粒子は、好ましくは、導電性支持体11に対して水平方向及び垂直方向に詰まり(堆積又は密着して)、多孔質構造を形成している。
本明細書において、単に光電変換素子10という場合は、特に断らない限り、光電変換素子10A〜10Eを意味する。このことは、システム100、第一電極1についても同様である。また、単に感光層13又は多環化合物含有層5という場合は、特に断らない限り、感光層13A〜13C又は多環化合物含有層5A〜5Cを意味する。同様に、正孔輸送層3という場合は、特に断らない限り、正孔輸送層3A及び3Bを意味する。
本発明の光電変換素子の好ましい態様として、例えば、図1に示す光電変換素子10Aが挙げられる。図1に示されるシステム100Aは、光電変換素子10Aを外部回路6で動作手段M(例えば電動モーター)に仕事をさせる電池用途に応用したシステムである。
この光電変換素子10Aは、上記第一態様の層構造を有している。具体的には、第一電極1Aと、第一電極1Aの感光層13Aの表面上に、図1において断面領域aを拡大した拡大断面領域aに模式的に示されるように多環化合物含有層5Aと正孔輸送層3Aとをこの順で有し、正孔輸送層3A上に第二電極2とを有している。
第一電極1Aは、支持体11a及び透明電極11bからなる導電性支持体11と、多孔質層12と、多孔質層12の表面に、ペロブスカイト化合物を含む感光層13Aとを有している。また透明電極11b上にブロッキング層14を有し、ブロッキング層14上に多孔質層12が形成される。このように多孔質層12を有する光電変換素子10Aは、感光層13Aの表面積が大きくなるため、電荷分離及び電荷移動効率が向上すると推定される。
図2に示す光電変換素子10Bは、図1に示す光電変換素子10Aの感光層13Aを厚く設けた好ましい態様を模式的に示したものである。図2において、光電変換素子10Bの多環化合物含有層は、図1に示す光電変換素子10Aの多環化合物含有層5Aと同じであるので、多環化合物含有層の拡大断面領域の図示を省略する。この光電変換素子10Bにおいて、正孔輸送層3Bは薄く設けられている。光電変換素子10Bは、図1で示した光電変換素子10Aに対して感光層13B及び正孔輸送層3Bの膜厚の点で異なるが、これらの点以外は光電変換素子10Aと同様に構成されている。
図3に示す光電変換素子10Cは、本発明の光電変換素子の別の好ましい態様を模式的に示したものである(多環化合物含有層5Bを図3の拡大断面領域aに示す)。光電変換素子10Cは、図2に示す光電変換素子10Bに対して多孔質層12を設けていない点で異なるが、この点以外は光電変換素子10Bと同様に構成されている。すなわち、光電変換素子10Cにおいて、感光層13Cはブロッキング層14の表面に厚い膜状に形成され、多環化合物含有層5Bは感光層13Cの表面に形成されている。光電変換素子10Cにおいて、正孔輸送層3Bは正孔輸送層3Aと同様に厚く設けることもできる。
図4に示す光電変換素子10Dは、本発明の光電変換素子のまた別の好ましい態様を模式的に示したものである。図4において、光電変換素子10Dの多環化合物含有層は、図3に示す光電変換素子10Cの多環化合物含有層5Bと同じであるので、多環化合物含有層の拡大断面領域の図示を省略する。この光電変換素子10Dは、図3に示す光電変換素子10Cに対してブロッキング層14に代えて電子輸送層15を設けた点で異なるが、この点以外は光電変換素子10Cと同様に構成されている。すなわち、第一電極1Dは、導電性支持体11と、導電性支持体11上に順に形成された、電子輸送層15及び感光層13Cとを有している。この光電変換素子10Dは、各層を有機材料で形成できる点で、好ましい。これにより、光電変換素子の生産性が向上し、しかも薄型化又はフレキシブル化が可能になる。
図5に示す光電変換素子10Eは、本発明の光電変換素子の更に別の好ましい態様を模式的に示したものである。この光電変換素子10Eを含むシステム100Eは、システム100Aと同様に電池用途に応用したシステムである。
光電変換素子10Eは、上記第二態様の層構造を有している。具体的には、第一電極1Eと、第二電極2と、第一電極1E及び第二電極2の間に電子輸送層4とを有している。第一電極1Eは、導電性支持体11と、導電性支持体11上に順に形成された、多環化合物含有層5C、正孔輸送層16及び感光層13Cとを有している。この光電変換素子10Eは、光電変換素子10Dと同様に、各層を有機材料で形成できる点で、好ましい。
本発明において、光電変換素子10を応用したシステム100は、以下のようにして、太陽電池として機能する。
すなわち、光電変換素子10において、導電性支持体11を透過して、又は第二電極2を透過して、感光層13に入射した光は光吸収剤を励起する。励起された光吸収剤はエネルギーの高い電子を有しており、この電子を放出できる。エネルギーの高い電子を放出した光吸収剤は酸化体(カチオン)となる。
光電変換素子10A〜10Dにおいては、光吸収剤から放出された電子は、光吸収剤間を移動して導電性支持体11に到達する。導電性支持体11に到達した電子が外部回路6で仕事をした後、第二電極2及び正孔輸送層3を経由して、感光層13に戻る。感光層13に戻った電子により光吸収剤が還元される。一方、光電変換素子10Eにおいては、光吸収剤から放出された電子は、感光層13Cから電子輸送層4を経て第二電極2に到達し、外部回路6で仕事をした後に導電性支持体11、多環化合物含有層5C及び正孔輸送層16を経て、感光層13Cに戻る。感光層13Cに戻った電子により光吸収剤が還元される。
光電変換素子10においては、このような、上記光吸収剤の励起及び電子移動のサイクルを繰り返すことにより、システム100が太陽電池として機能する。
光電変換素子10A〜10Dにおいて、感光層13から導電性支持体11への電子の流れ方は、多孔質層12の有無及びその種類等により、異なる。本発明の光電変換素子10においては、光吸収剤間を電子が移動する電子伝導が起こる。したがって、本発明において、多孔質層12を設ける場合、多孔質層12は従来の半導体以外に絶縁体で形成することができる。多孔質層12が半導体で形成される場合、多孔質層12の半導体微粒子内部及び半導体微粒子間を電子が移動する電子伝導が起こる。一方、多孔質層12が絶縁体で形成される場合、多孔質層12での電子伝導は起こらない。多孔質層12が絶縁体で形成される場合、絶縁体微粒子に酸化アルミニウム(Al)の微粒子を用いると、比較的高い起電力(Voc)が得られる。
上記他の層としてのブロッキング層14が導体又は半導体により形成された場合もブロッキング層14での電子伝導が起こる。また、電子輸送層15でも電子伝導が起こる。
本発明の光電変換素子は、上記の好ましい態様に限定されず、各態様の構成等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各態様間で適宜組み合わせることができる。
本発明において、光電変換素子に用いられる材料及び各部材は、本発明で規定する材料及び部材を除いて、常法により調製することができる。ペロブスカイト化合物を用いた光電変換素子又は太陽電池については、例えば、特許文献1及び2、並びに、J.Am.Chem.Soc.,2009,131(17),p.6050−6051及びScience,338,p.643(2012)を参照することができる。
また、色素増感太陽電池に用いられる材料及び各部材についても参考にすることができる。色素増感太陽電池について、例えば、特開2001−291534号公報、米国特許第4,927,721号明細書、米国特許第4,684,537号明細書、米国特許第5,084,365号明細書、米国特許第5,350,644号明細書、米国特許第5,463,057号明細書、米国特許第5,525,440号明細書、特開平7−249790号公報、特開2004−220974号公報、特開2008−135197号公報を参照することができる。
以下、本発明の光電変換素子が備える部材及び化合物の好ましい態様について、説明する。
<第一電極1>
第一電極1は、導電性支持体11と感光層13とを有し、光電変換素子10において作用電極として機能する。
第一電極1は、図1〜図5に示されるように、多孔質層12、ブロッキング層14、電子輸送層15、並びに、正孔輸送層16及び多環化合物含有層5の少なくとも1つの層を有することが好ましい。
第一電極1は、短絡防止の点で少なくともブロッキング層14を有することが好ましく、光吸収効率の点及び短絡防止の点で多孔質層12及びブロッキング層14を有していることが更に好ましい。
また、第一電極1は、光電変換素子の生産性の向上、薄型化又はフレキシブル化の点で、有機材料で形成された、電子輸送層15又は正孔輸送層16を有することが好ましい。
− 導電性支持体11 −
導電性支持体11は、導電性を有し、感光層13等を支持できるものであれば特に限定されない。導電性支持体11は、導電性を有する材料、例えば金属で形成された構成、又は、ガラス若しくはプラスチックの支持体11aと、この支持体11aの表面に形成された導電膜としての透明電極11bとを有する構成が好ましい。
中でも、図1〜図5に示されるように、ガラス又はプラスチックの支持体11aの表面に導電性の金属酸化物を塗設して透明電極11bを成膜した導電性支持体11が更に好ましい。プラスチックで形成された支持体11aとしては、例えば、特開2001−291534号公報の段落番号0153に記載の透明ポリマーフィルムが挙げられる。支持体11aを形成する材料としては、ガラス及びプラスチックの他にも、セラミック(特開2005−135902号公報)、導電性樹脂(特開2001−160425号公報)を用いることができる。金属酸化物としては、スズ酸化物(TO)が好ましく、インジウム−スズ酸化物(スズドープ酸化インジウム:ITO)、フッ素をドープした酸化スズ(FTO)等のフッ素ドープスズ酸化物が特に好ましい。このときの金属酸化物の塗布量は、支持体11aの表面積1m当たり0.1〜100gが好ましい。導電性支持体11を用いる場合、光は支持体11a側から入射させることが好ましい。
導電性支持体11は、実質的に透明であることが好ましい。本発明において、「実質的に透明である」とは、光(波長300〜1200nm)の透過率が10%以上であることを意味し、50%以上が好ましく、80%以上が特に好ましい。
支持体11a及び導電性支持体11の厚みは、特に限定されず、適宜の厚みに設定される。例えば、0.01μm〜10mmであることが好ましく、0.1μm〜5mmであることが更に好ましく、0.3μm〜4mmであることが特に好ましい。
透明電極11bを設ける場合、透明電極11bの膜厚は、特に限定されず、例えば、0.01〜30μmであることが好ましく、0.02〜25μmであることが更に好ましく、0.025〜20μmであることが特に好ましい。
導電性支持体11又は支持体11aは、表面に光マネージメント機能を有してもよい。例えば、導電性支持体11又は支持体11aの表面に、特開2003−123859号公報に記載の、高屈折膜及び低屈折率の酸化物膜を交互に積層した反射防止膜を有してもよく、特開2002−260746号公報に記載のライトガイド機能を有してもよい。
− ブロッキング層14 −
本発明においては、光電変換素子10A〜10Cのように、好ましくは、透明電極11bの表面に、すなわち、導電性支持体11と、多孔質層12、感光層13又は正孔輸送層3等との間に、ブロッキング層14を有している。
光電変換素子において、例えば感光層13又は正孔輸送層3と、透明電極11b等とが電気的に接続すると逆電流を生じる。ブロッキング層14は、この逆電流を防止する機能を果たす。ブロッキング層14は短絡防止層ともいう。
ブロッキング層14を、光吸収剤を担持する足場として機能させることもできる。
このブロッキング層14は、光電変換素子が電子輸送層を有する場合にも設けられてもよい。例えば、光電変換素子10Dの場合、導電性支持体11と電子輸送層15との間に設けられてもよく、光電変換素子10Eの場合、第二電極2と電子輸送層4との間に設けられてもよい。
ブロッキング層14を形成する材料は、上記機能を果たすことのできる材料であれば特に限定されないが、可視光を透過する物質であって、導電性支持体11(透明電極11b)等に対する絶縁性物質であることが好ましい。「導電性支持体11(透明電極11b)に対する絶縁性物質」とは、具体的には、伝導帯のエネルギー準位が、導電性支持体11を形成する材料(透明電極11bを形成する金属酸化物)の伝導帯のエネルギー準位以上であり、かつ、多孔質層12を構成する材料の伝導帯や光吸収剤の基底状態のエネルギー準位より低い化合物(n型半導体化合物)をいう。
ブロッキング層14を形成する材料は、例えば、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウム、ポリビニルアルコール、ポリウレタン等が挙げられる。また、一般的に光電変換材料に用いられる材料でもよく、例えば、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ニオブ、酸化タングステン等も挙げられる。中でも、酸化チタン、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等が好ましい。
ブロッキング層14の膜厚は、0.001〜10μmが好ましく、0.005〜1μmが更に好ましく、0.01〜0.1μmが特に好ましい。
本発明において、各層の膜厚は、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)等を用いて光電変換素子10の断面を観察することにより、測定できる。
− 多孔質層12 −
本発明においては、光電変換素子10A及び10Bのように、好ましくは、透明電極11b上に多孔質層12を有している。ブロッキング層14を有している場合、多孔質層12はブロッキング層14上に形成されることが好ましい。
多孔質層12は、表面に感光層13を担持する足場として機能する層である。太陽電池において、光吸収効率を高めるためには、少なくとも太陽光等の光を受ける部分の表面積を大きくすることが好ましく、多孔質層12の全体としての表面積を大きくすることが好ましい。
多孔質層12は、多孔質層12を形成する材料の微粒子が堆積又は密着してなる、細孔を有する微粒子層であることが好ましい。多孔質層12は、2種以上の微粒子が堆積してなる微粒子層であってもよい。多孔質層12が細孔を有する微粒子層であると、光吸収剤の担持量(吸着量)を増量できる。
多孔質層12の表面積を大きくするには、多孔質層12を構成する個々の微粒子の表面積を大きくすることが好ましい。本発明では、多孔質層12を形成する微粒子を導電性支持体11等に塗設した状態で、この微粒子の表面積が投影面積に対して10倍以上であることが好ましく、100倍以上であることがより好ましい。この上限には特に制限はないが、通常5000倍程度である。多孔質層12を形成する微粒子の粒径は、投影面積を円に換算したときの直径を用いた平均粒径において、1次粒子として0.001〜1μmが好ましい。微粒子の分散物を用いて多孔質層12を形成する場合、微粒子の上記平均粒径は、分散物の平均粒径として0.01〜100μmが好ましい。
多孔質層12を形成する材料は、導電性に関しては特に限定されず、絶縁体(絶縁性の材料)であっても、導電性の材料又は半導体(半導電性の材料)であってもよい。
多孔質層12を形成する材料としては、例えば、金属のカルコゲニド(例えば酸化物、硫化物、セレン化物等)、ペロブスカイト型結晶構造を有する化合物(光吸収剤として用いるペロブスカイト化合物を除く。)、ケイ素の酸化物(例えば、二酸化ケイ素、ゼオライト)、又はカーボンナノチューブ(カーボンナノワイヤ及びカーボンナノロッド等を含む)を用いることができる。
金属のカルコゲニドとしては、特に限定されないが、好ましくは、チタン、スズ、亜鉛、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、アルミニウム又はタンタルの各酸化物、硫化カドミウム、セレン化カドミウム等が挙げられる。金属のカルコゲニドの結晶構造として、アナターゼ型、ブルッカイト型又はルチル型が挙げられ、アナターゼ型、ブルッカイト型が好ましい。
ペロブスカイト型結晶構造を有する化合物としては、特に限定されないが、遷移金属酸化物等が挙げられる。例えば、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、ジルコン酸バリウム、スズ酸バリウム、ジルコン酸鉛、ジルコン酸ストロンチウム、タンタル酸ストロンチウム、ニオブ酸カリウム、鉄酸ビスマス、チタン酸ストロンチウムバリウム、チタン酸バリウムランタン、チタン酸ナトリウム、チタン酸ビスマスが挙げられる。中でも、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム等が好ましい。
カーボンナノチューブは、炭素膜(グラフェンシート)を筒状に丸めた形状を有する。カーボンナノチューブは、1枚のグラフェンシートが円筒状に巻かれた単層カーボンナノチューブ(SWCNT)、2枚のグラフェンシートが同心円状に巻かれた2層カーボンナノチューブ(DWCNT)、複数のグラフェンシートが同心円状に巻かれた多層カーボンナノチューブ(MWCNT)に分類される。多孔質層12としては、いずれのカーボンナノチューブも特に限定されず、用いることができる。
多孔質層12を形成する材料は、中でも、チタン、スズ、亜鉛、ジルコニウム、アルミニウム若しくはケイ素の酸化物、又はカーボンナノチューブが好ましく、酸化チタン又は酸化アルミニウムが更に好ましい。
多孔質層12は、上述の、金属のカルコゲニド、ペロブスカイト型結晶構造を有する化合物、ケイ素の酸化物及びカーボンナノチューブのうち少なくとも1種で形成されていればよく、複数種で形成されていてもよい。
多孔質層12の膜厚は、特に限定されないが、通常0.05〜100μmの範囲であり、好ましくは0.1〜100μmの範囲である。太陽電池として用いる場合は、0.1〜50μmが好ましく、0.2〜30μmがより好ましい。
− 電子輸送層15−
本発明においては、光電変換素子10Dのように、好ましくは、透明電極11bの表面に電子輸送層15を有している。
電子輸送層15は、感光層13で発生した電子を導電性支持体11へと輸送する機能を有する。電子輸送層15は、この機能を発揮することができる電子輸送材料で形成される。電子輸送材料としては、特に限定されないが、有機材料(有機電子輸送材料)が好ましい。有機電子輸送材料としては、[6,6]−Phenyl−C61−Butyric Acid Methyl Ester(PC61BM)等のフラーレン化合物、ペリレンテトラカルボキシジイミド(PTCDI)等のペリレン化合物、その他、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)等の低分子化合物、又は、高分子化合物等が挙げられる。
電子輸送層15の膜厚は、特に限定されないが、0.001〜10μmが好ましく、0.01〜1μmがより好ましい。
− 多環化合物含有層5C−
本発明の光電変換素子が上記第二態様の層構造を有する場合、図5に示されるように、透明電極11bの表面に多環化合物含有層5Cを有する。この多環化合物含有層5Cは、形成される位置が異なること以外は、後述する多環化合物含有層5Aと同じである。
− 正孔輸送層16−
光電変換素子10Eは、透明電極11bの上方であって多環化合物含有層5Cの表面上に正孔輸送層16を有している。正孔輸送層16は、形成される位置が異なること以外は、後述する正孔輸送層3と同じである。
− 感光層(光吸収層)13 −
感光層13は、好ましくは、多孔質層12(光電変換素子10A及び10B)、ブロッキング層14(光電変換素子10C)、電子輸送層15(光電変換素子10D)又は正孔輸送層16(光電変換素子10E)の各層の表面(感光層13が設けられる表面が凹凸の場合の凹部内表面を含む。)に設けられる。
本発明において、ペロブスカイト型光吸収剤は、後述する特定のペロブスカイト化合物を少なくとも1種含有していればよく、2種以上のペロブスカイト化合物を含有してもよい。
また、感光層13は、ペロブスカイト型光吸収剤と併せて、ペロブスカイト化合物以外の光吸収剤を含んでいてもよい。ペロブスカイト化合物以外の光吸収剤としては、例えば金属錯体色素及び有機色素が挙げられる。このとき、ペロブスカイト型光吸収剤と、それ以外の光吸収剤との割合は特に限定されない。
感光層13は、単層であっても2層以上の積層であってもよい。感光層13が2層以上の積層構造である場合、互いに異なった光吸収剤からなる層を積層してなる積層構造でもよく、また、感光層と感光層の間に、正孔輸送材料を含む中間層を有する積層構造でもよい。
感光層13を導電性支持体11上に有する態様は、上述した通りである。感光層13は、好ましくは、励起した電子が導電性支持体11又は第二電極2に流れるように、上記各層の表面に設けられる。このとき、感光層13は、上記各層の表面全体に設けられていてもよく、その表面の一部に設けられていてもよい。
感光層13の膜厚は、導電性支持体11上に感光層13を有する態様に応じて適宜に設定され、特に限定されない。通常、膜厚は、例えば、0.001〜100μmが好ましく、0.01〜10μmが更に好ましく、0.01〜5μmが特に好ましい。
多孔質層12を有する場合、多孔質層12の膜厚との合計膜厚は、0.01μm以上が好ましく、0.05μm以上がより好ましく、0.1μm以上が更に好ましく、0.3μm以上が特に好ましい。また、合計膜厚は、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、30μm以下が更に好ましい。合計膜厚は、上記値を適宜に組み合わせた範囲とすることができる。
本発明において、光電変換素子が多孔質層12及び正孔輸送層を有する場合、多孔質層12と感光層13と多環化合物含有層5と正孔輸送層との合計膜厚は、特に限定されないが、例えば、0.01μm以上が好ましく、0.05μm以上がより好ましく、0.1μm以上が更に好ましく、0.3μm以上が特に好ましい。また、この合計膜厚は、200μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、30μm以下が更に好ましく、5μm以下が特に好ましい。合計膜厚は、上記値を適宜に組み合わせた範囲とすることができる。
本発明において、感光層を厚い膜状に設ける場合、この感光層に含まれる光吸収剤は正孔輸送材料として機能することもある。
〔ペロブスカイト型光吸収剤〕
感光層13は、ペロブスカイト型光吸収剤として、「周期表第一族元素又はカチオン性有機基A」と、「周期表第一族元素以外の金属原子M」と、「アニオン性原子又は原子団X」とを有するペロブスカイト化合物を含有する。
ペロブスカイト化合物の周期表第一族元素又はカチオン性有機基A、金属原子M及びアニオン性原子又は原子団Xは、それぞれ、ペロブスカイト型結晶構造において、カチオン(便宜上、カチオンAということがある)、金属カチオン(便宜上、カチオンMということがある)及びアニオン(便宜上、アニオンXということがある)の各構成イオンとして存在する。
本発明において、カチオン性有機基とは、ペロブスカイト型結晶構造においてカチオンになる性質を有する有機基をいい、アニオン性原子又は原子団とはペロブスカイト型結晶構造においてアニオンになる性質を有する原子又は原子団をいう。
本発明に用いるペロブスカイト化合物において、カチオンAは、周期表第一族元素のカチオン又はカチオン性有機基Aからなる有機カチオンである。このカチオンAは、1種のカチオンであってもよく、2種以上のカチオンであってもよい。2種以上のカチオンである場合、2種以上の周期表第一族元素のカチオンでもよく、2種以上の有機カチオンでもよく、また、少なくとも1種の周期表第一族元素のカチオンと少なくとも1種の有機カチオンとを含むものでもよい。カチオンAは、有機カチオンを含むことが好ましく、有機カチオンであることがより好ましい。2種以上のカチオンである場合の各カチオンの混合比は特に限定されない。
周期表第一族元素のカチオンは、特に限定されず、例えば、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)又はセシウム(Cs)の各元素のカチオン(Li、Na、K、Cs)が挙げられ、特にセシウムのカチオン(Cs)が好ましい。
有機カチオンは、上記性質を有する有機基のカチオンであれば特に限定されないが、下記式(1)で表されるカチオン性有機基の有機カチオンであることが更に好ましい。
式(1):R1a−NH
式中、R1aは置換基を表す。R1aは、有機基であれば特に限定されないが、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、脂肪族へテロ環基又は下記式(2)で表すことができる基が好ましい。中でも、アルキル基又は下記式(2)で表すことができる基がより好ましい。
Figure 2018195768
式中、XはNR1c、酸素原子又は硫黄原子を表す。R1b及びR1cは各々独立に水素原子又は置換基を表す。***は式(1)の窒素原子との結合を表す。
本発明において、カチオン性有機基Aの有機カチオンは、上記式(1)中のR1aとNHとが結合してなるアンモニウムカチオン性有機基Aからなる有機アンモニウムカチオン(R1a−NH )が好ましい。この有機アンモニウムカチオンが共鳴構造を採り得る場合、有機カチオンは有機アンモニウムカチオンに加えて共鳴構造のカチオンを含む。例えば、上記式(2)で表すことができる基においてXがNH(R1cが水素原子)である場合、有機カチオンは、上記式(2)で表すことができる基とNHとが結合してなるアンモニウムカチオン性有機基の有機アンモニウムカチオンに加えて、この有機アンモニウムカチオンの共鳴構造の1つである有機アミジニウムカチオンをも包含する。アミジニウムカチオン性有機基からなる有機アミジニウムカチオンとしては、下記式(Aam)で表されるカチオンが挙げられる。本明細書において、下記式(Aam)で表されるカチオンを便宜上、「R1bC(=NH)−NH 」と表記することがある。
Figure 2018195768
1aとして採りうるアルキル基は、炭素数が1〜36のアルキル基が好ましく、1〜18のアルキル基がより好ましく、1〜6のアルキル基が更に好ましく、1〜3のアルキル基が特に好ましい。例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル又はヘキシル等が挙げられる。
1aとして採りうるシクロアルキル基は、炭素数が3〜10のシクロアルキル基が好ましく、3〜8のシクロアルキル基がより好ましく、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル又はシクロヘキシル等が挙げられる。
1aとして採りうるアルケニル基は、炭素数が2〜36のアルケニル基が好ましく、2〜18のアルケニル基がより好ましく、2〜6のアルケニル基がより好ましい。例えば、ビニル、アリル、ブテニル又はヘキセニル等が挙げられる。
1aとして採りうるアルキニル基は、炭素数が2〜36のアルキニル基が好ましく、2〜18のアルキニル基がより好ましく、2〜4のアルキニル基がより好ましい。例えば、エチニル、ブチニル又はヘキシニル等が挙げられる。
1aとして採りうるアリール基は、炭素数6〜14のアリール基が好ましく、炭素数6〜12のアリール基がより好ましく、例えば、フェニルが挙げられる。
1aとして採りうるヘテロアリール基は、芳香族ヘテロ環のみからなる基と、芳香族ヘテロ環に他の環、例えば、芳香環、脂肪族環又はヘテロ環が縮合した縮合ヘテロ環からなる基とを包含する。芳香族ヘテロ環を構成する環構成ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子が好ましい。また、芳香族ヘテロ環の環員数としては、3〜8員環が好ましく、5員環又は6員環がより好ましい。5員環の芳香族ヘテロ環及び5員環の芳香族ヘテロ環を含む縮合ヘテロ環としては、例えば、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、トリアゾール環、フラン環、チオフェン環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、インドリン環、インダゾール環の各環基が挙げられる。また、6員環の芳香族ヘテロ環及び6員環の芳香族ヘテロ環を含む縮合ヘテロ環としては、例えば、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キナゾリン環の各環基が挙げられる。
1aとして採りうる脂肪族ヘテロ環基は、脂肪族ヘテロ環のみからなる単環の基と、脂肪族ヘテロ環に他の環(例えば、脂肪族環)が縮合した脂肪族縮合ヘテロ環からなる基とを包含する。脂肪族ヘテロ環を構成する環構成ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子が好ましい。また、脂肪族ヘテロ環の環員数としては、3〜8員環が好ましく、5員環又は6員環がより好ましい。脂肪族ヘテロ環の炭素数は0〜24であることが好ましく、1〜18であることがより好ましく、更に好ましくは2〜10、特に好ましくは3〜5である。脂肪族ヘテロ環の好ましい具体例としては、ピロリジン環、オキソラン環、チオラン環、ピペリジン環、テトラヒドロフラン環、オキサン環(テトラヒドロピラン環)、チアン環、ピペラジン環、モルホリン環、キヌクリジン環、ピロリジン環、アゼチジン環、オキセタン環、アジリジン環、ジオキサン環、ペンタメチレンスルフィド環、γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。
1aとして採りうる、式(2)で表すことができる基において、XはNR1c、酸素原子又は硫黄原子を表し、NR1cが好ましい。ここで、R1cは、水素原子又は置換基を表し、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基又は脂肪族ヘテロ環基が好ましく、水素原子が更に好ましい。
1bは、水素原子又は置換基を表し、水素原子が好ましい。R1bとして採り得る置換基は、アミノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基又は脂肪族ヘテロ環基が挙げられる。
1b及びR1cがそれぞれ採り得る、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基又は脂肪族ヘテロ環基は、上記R1aの各基と同義であり、好ましいものも同じである。
式(2)で表すことができる基としては、例えば、(チオ)アシル基、(チオ)カルバモイル基、イミドイル基又はアミジノ基が挙げられる。
(チオ)アシル基は、アシル基及びチオアシル基を包含する。アシル基は、総炭素数が1〜7のアシル基が好ましく、例えば、ホルミル、アセチル(CHC(=O)−)、プロピオニル、ヘキサノイル等が挙げられる。チオアシル基は、総炭素数が1〜7のチオアシル基が好ましく、例えば、チオホルミル、チオアセチル(CHC(=S)−)、チオプロピオニル等が挙げられる。
(チオ)カルバモイル基は、カルバモイル基(HNC(=O)−)及びチオカルバモイル基(HNC(=S)−)を包含する。
イミドイル基は、R1b−C(=NR1c)−で表される基であり、R1b及びR1cはそれぞれ水素原子又はアルキル基が好ましく、アルキル基は上記R1aのアルキル基と同義であるのがより好ましい。例えば、ホルムイミドイル(HC(=NH)−)、アセトイミドイル(CHC(=NH)−)、プロピオンイミドイル(CHCHC(=NH)−)等が挙げられる。中でも、ホルムイミドイルが好ましい。
式(2)で表すことができる基としてのアミジノ基は、上記イミドイル基のR1bがアミノ基でR1cが水素原子である構造(−C(=NH)NH)を有する。
1aとして採り得る、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、脂肪族ヘテロ環基及び上記式(2)で表すことができる基は、いずれも、置換基を有していてもよい。R1aが有していてもよい置換基としては、特に限定されないが、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(ヘテロアリール基、脂肪族ヘテロ環基)、アルコキシ基、アルキルチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基又はカルボキシ基が挙げられる。R1aが有していてもよい各置換基は、更に置換基で置換されていてもよい。
本発明に用いるペロブスカイト化合物において、金属カチオンMは、周期表第一族元素以外の金属原子のカチオンであって、ペロブスカイト型結晶構造を採り得る金属原子のカチオンであれば、特に限定されない。このような金属原子としては、例えば、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、カドミウム(Cd)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、パラジウム(Pd)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、イッテルビウム(Yb)、ユウロピウム(Eu)、インジウム(In)、チタン(Ti)、ビスマス(Bi)等の金属原子が挙げられる。Mは1種の金属カチオンであってもよく、2種以上の金属カチオンであってもよい。中でも、金属カチオンMは、2価のカチオンであることが好ましく、2価の鉛カチオン(Pb2+)、2価の銅カチオン(Cu2+)、2価のゲルマニウムカチオン(Ge2+)及び2価のスズカチオン(Sn2+)からなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましく、Pb2+又はSn2+であることが更に好ましく、Pb2+であることが特に好ましい。2種以上の金属カチオンである場合、金属カチオンの割合は特に限定されない。
本発明に用いるペロブスカイト化合物において、アニオンXは、アニオン性原子又は原子団Xのアニオンを表す。このアニオンは、好ましくはハロゲン原子のアニオン、又は、NCS、NCO、HO-、NO 、CHCOO若しくはHCOOの、各原子団のアニオンが挙げられる。中でも、ハロゲン原子のアニオンであることが更に好ましい。ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
アニオンXは、1種のアニオン性原子又は原子団のアニオンであってもよく、2種以上のアニオン性原子又は原子団のアニオンであってもよい。1種のアニオン性原子又は原子団のアニオンである場合には、ヨウ素原子のアニオンが好ましい。一方、2種以上のアニオン性原子又は原子団のアニオンである場合には、2種のハロゲン原子のアニオン、特に塩素原子のアニオン及びヨウ素原子のアニオンが好ましい。2種以上のアニオンの割合は特に限定されない。
本発明に用いるペロブスカイト化合物は、上記の各構成イオンを有するペロブスカイト型結晶構造を有し、下記式(I)で表されるペロブスカイト化合物が好ましい。
式(I):A
式中、Aは周期表第一族元素又はカチオン性有機基を表す。Mは周期表第一族元素以外の金属原子を表す。Xはアニオン性原子又は原子団を表す。
aは1又は2を表し、mは1を表し、a、m及びxはa+2m=xを満たす。
式(I)において、周期表第一族元素又はカチオン性有機基Aは、ペロブスカイト型結晶構造の上記カチオンAを形成する。したがって、周期表第一族元素及びカチオン性有機基Aは、上記カチオンAとなってペロブスカイト型結晶構造を構成できる元素又は基であれば、特に限定されない。周期表第一族元素又はカチオン性有機基Aは、上記カチオンAで説明した上記周期表第一族元素又はカチオン性有機基と同義であり、好ましいものも同じである。Aは周期表第一族元素とカチオン性有機基とを含むものであってもよい。
金属原子Mは、ペロブスカイト型結晶構造の上記金属カチオンMを形成する金属原子である。したがって、金属原子Mは、周期表第一族元素以外の原子であって、上記金属カチオンMとなってペロブスカイト型結晶構造を構成できる原子であれば、特に限定されない。金属原子Mは、上記金属カチオンMで説明した上記金属原子と同義であり、好ましいものも同じである。
アニオン性原子又は原子団Xは、ペロブスカイト型結晶構造の上記アニオンXを形成する。したがって、アニオン性原子又は原子団Xは、上記アニオンXとなってペロブスカイト型結晶構造を構成できる原子又は原子団であれば、特に限定されない。アニオン性原子又は原子団Xは、上記アニオンXで説明したアニオン性原子又は原子団と同義であり、好ましいものも同じである。
式(I)で表されるペロブスカイト化合物は、aが1である場合、下記式(I−1)で表されるペロブスカイト化合物であり、aが2である場合、下記式(I−2)で表されるペロブスカイト化合物である。
式(I−1):AMX
式(I−2):AMX
式(I−1)及び式(I−2)において、Aは周期表第一族元素又はカチオン性有機基を表し、上記式(I)のAと同義であり、好ましいものも同じである。
Mは、周期表第一族元素以外の金属原子を表し、上記式(I)のMと同義であり、好ましいものも同じである。
Xは、アニオン性原子又は原子団を表し、上記式(I)のXと同義であり、好ましいものも同じである。
本発明に用いるペロブスカイト化合物は、式(I−1)で表される化合物及び式(I−2)で表される化合物のいずれでもよく、これらの混合物でもよい。したがって、本発明において、ペロブスカイト化合物は、光吸収剤として少なくとも1種が存在していればよく、組成式、分子式及び結晶構造等により、厳密にいかなる化合物であるかを明確に区別する必要はない。
以下に、本発明に用いうるペロブスカイト化合物の具体例を例示するが、これによって本発明が制限されるものではない。下記においては、式(I−1)で表される化合物と、式(I−2)で表される化合物とを分けて記載する。但し、式(I−1)で表される化合物として例示した化合物であっても、合成条件等によっては、式(I−2)で表される化合物となる場合もあり、また、式(I−1)で表される化合物と式(I−2)で表される化合物との混合物となる場合もある。同様に、式(I−2)で表される化合物として例示した化合物であっても、式(I−1)で表される化合物となる場合もあり、また、式(I−1)で表される化合物と式(I−2)で表される化合物との混合物となる場合もある。
式(I−1)で表される化合物の具体例として、例えば、CHNHPbCl、CHNHPbBr、CHNHPbI、CHNHPbBrI、CHNHPbBrI、CHNHSnBr、CHNHSnI、CHNHGeCl、CH(=NH)NHPbI、CsSnI、CsGeIが挙げられる。
式(I−2)で表される化合物の具体例として、例えば、(CNHPbI、(C1021NHPbI、(CH=CHNHPbI、(CH≡CNHPbI、(n−CNHPbI、(n−CNHPbI、(CNHPbI、(CCHCHNHPbI、(CNHPbI、(CNHPbI、(CSNHPbI、(CHNHCuCl、(CNHGeI、(CNHFeBrが挙げられる。ここで、(CSNHPbIにおけるCSNHはアミノチオフェンである。
ペロブスカイト化合物は、下記式(II)で表される化合物と下記式(III)で表される化合物とから合成することができる。
式(II):AX
式(III):MX
式(II)中、Aは周期表第一族元素又はカチオン性有機基を表し、式(I)のAと同義であり、好ましいものも同じである。式(II)中、Xはアニオン性原子又は原子団を表し、式(I)のXと同義であり、好ましいものも同じである。式(II)で表される化合物は、通常、周期表第一族元素又はカチオン性有機基のカチオンAと、アニオン性原子又は原子団のXとがイオン結合してなる化合物である。
式(III)中、Mは周期表第一族元素以外の金属原子を表し、式(I)のMと同義であり、好ましいものも同じである。式(III)中、Xはアニオン性原子又は原子団を表し、式(I)のXと同義であり、好ましいものも同じである。式(III)で表される化合物は、通常、周期表第一族元素以外の金属原子のカチオンMと、アニオン性原子又は原子団のXとがイオン結合してなる化合物である。
ペロブスカイト化合物の合成方法については、例えば、特許文献1及び2に記載の方法が挙げられる。また、Akihiro Kojima, Kenjiro Teshima, Yasuo Shirai, and Tsutomu Miyasaka, “Organometal Halide Perovskites as Visible−Light Sensitizers for Photovoltaic Cells”, J.Am.Chem.Soc.,2009,131(17),p.6050−6051に記載の方法も挙げられる。
ペロブスカイト光吸収剤の使用量は、第一電極1の表面の少なくとも一部を覆う量であればよく、表面全体を覆う量が好ましい。
感光層13中、ペロブスカイト化合物の含有量は、通常1〜100質量%である。
<多環化合物含有層5>
本発明の光電変換素子は、多環化合物含有層を有する。多環化合物含有層を設ける位置(層構造)は上述の通りである。
本発明においては、多環化合物がその下層表面に存在する状態にかかわらず、下層表面に存在する多環化合物の集合を多環化合物含有層という。すなわち、多環化合物含有層5は、通常、層(膜)を形成するが、多環化合物を含有していれば、必ずしも下層表面の全体を被覆する層状(膜状)でなくてもよい。例えば、膜状、線状及び分散状のいずれの状態でもよく、またこれらが混在した状態でもよい。
多環化合物は、下記式(BS−1)〜式(BS−9)のいずれかで表される部分構造を含む多環構造と、下記群Gから選択される少なくとも2つの基又は塩とを有する。すなわち、この多環化合物は、下記式(BS−1)〜式(BS−9)のいずれかで表される部分構造を含み、かつ下記群Gから選択される少なくとも2つの基又は塩を有する多環構造を含む化合物ということもできる。
Figure 2018195768
上記式中、YはCR又は窒素原子を示す。各式中、Yが複数存在する場合、複数のYは同一でも異なっていてもよく、同一であることが好ましい。
は、CR、SiR、NR、硫黄原子、セレン原子又は酸素原子を示し、好ましくは、NR、硫黄原子又は酸素原子であり、より好ましくはNR又は硫黄原子である。各式中、Xが複数存在する場合、複数のXは同一でも異なっていてもよく、同一であることが好ましい。
式(BS−1)〜式(BS−3)において、XとYとの組み合わせは、特に限定されないが、X及びYを含む環がチオフェン環又はチアゾール環となる組み合わせが好ましい。
〜R及びR、それぞれ、水素原子又は置換基を示し、水素原子が好ましい。R〜R及びRとして採りうる置換基としては、特に限定されないが、好ましくは、後述する置換基群Tから選択される。好ましい置換基としては、後述する「置換基群Tから選ばれるより好ましい基」が挙げられる。各式中、R〜R及びRが複数存在する場合、複数のR〜R及びRは互いに同一でも異なっていてもよい。
は金属原子又は金属酸化物を示す。金属原子としては、ポルフィリン錯体を形成可能な金属原子であれば特に限定されないが、例えば、Fe、Mn、Co、Ni、Cu、Zn又はPbが好ましい。金属酸化物としても、ポルフィリン錯体を形成可能な金属酸化物であれば特に限定されないが、例えば、チタニルオキシ、バナジルオキシ又はモリブジルオキシが好ましい。
上記部分構造は、フィルファクターの向上の点で、式(BS−1)〜式(BS−5)のいずれかで表される部分構造が好ましく、式(BS−1)又は式(BS−5)で表される部分構造がより好ましい。
多環化合物の多環構造は、上記部分構造を含む。本発明において、部分構造を含むとは、部分構造そのものが多環構造を形成する態様と、部分構造と他の環とが縮合してなる多環構造を形成する態様との両態様を包含する。
部分構造と縮合する他の環としては、脂肪族環でも芳香族環でも、また単環でも縮合環でもよく、更には炭化水素環でもヘテロ環でもよい。他の環が縮合環である場合、縮合環には上記各式で表される部分構造からなる環を含む。他の環としては、単環若しくは縮合環の芳香族炭化水素環、又は、単環若しくは縮合環の芳香族ヘテロ環が好ましい。芳香族炭化水素環としては、特に限定されず、例えば、後述する置換基群Tにおけるアリール基を形成する環が挙げられる。また、芳香族ヘテロ環としては、特に限定されず、例えば、後述する置換基群Tにおけるヘテロアリール基を形成する環が挙げられる。中でも、芳香族炭化水素環又は芳香族ヘテロ環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、フラン環又はこれらを2個以上組み合わせてなる縮合環等が好ましい。部分構造と他の環とが縮合してなる多環構造としては、例えば、後述する化合物例a−15〜a−23が挙げられる。
本発明においては、部分構造そのものが多環構造を形成する態様が好ましい。
上記多環構造は、後述する正孔輸送層に含有される正孔輸送材料の環構造と共通していることが好ましい。ここで、環構造が共通するとは、多環構造及び正孔輸送材料の環構造が一致する態様に加えて、いずれか一方の環構造が他方の環構造に含まれる(一部が一致する)態様を含む。例えば、上記式(BS−1)で表される多環構造は、後述する式(H−12)で表される正孔輸送材料の環構造(式中の構造Dが、式(D−1)で表される構造(環Aがベンゼン環))と一致している。また、上記式(BS−1)で表される多環構造は、後述する式(H−7)で表される正孔輸送材料の環構造の一部となっており、両環構造は、式(BS−1)で表される多環構造の点で、共通している。
上記多環構造は、置換基を有していてもよい。多環構造が有していてもよい置換基としては、特に限定されないが、好ましくは、後述する置換基群Tから選択される。好ましい置換基としては、後述する「置換基群Tから選ばれるより好ましい基」が挙げられる。多環構造が複数の置換基を有する場合、複数の置換基は同一でも異なっていてもよい。
但し、上記式(BS−8)及び式(BS−9)中のピロール由来の環が置換基を有する場合、置換基がピロール由来の環と結合して環(特にベンゼン環)を形成することはない。
上記多環構造は、下記群Gから選択される少なくとも2つの基又は塩(以下、基Gということがある。)を有する。多環構造が有する基Gの数は、好ましくは、2〜8つであり、より好ましくは2〜4つであり、更に好ましくは2つである。
[群G]−OR、−OYa、−SR、−SYa、−NR、−(NRYa、−COOR、−COOYa、−SO、−OSO、−SO Ya、−OSO Ya、−P(=O)(OR、−OP(=O)(OR、−P(=O)(OYa、−OP(=O)(OYa、−B(OR及び−B(OR Ya
上記各基又は各塩において、R、R及びRは水素原子又は置換基を示し、水素原子が好ましい。R、R及びRとして採りうる置換基としては、特に限定されないが、好ましくは、後述する置換基群Tから選択される。好ましい置換基としては、後述する「置換基群Tから選ばれるより好ましい基」が挙げられ、より好ましい置換基として、アルキル基(炭素数は特に好ましくは1又は2)が挙げられる。各式中、R、R及びRは互いに同一でも異なっていてもよい。−P(=O)(OR、−OP(=O)(OR及び−B(ORにおいて、1つのRは対塩Yaを採ることもできる。
Yaは対塩を示す。対塩Yaとしては、特に限定されず、各種のカチオン又はアニオンが挙げられる。カチオンとしては、例えば、リチウムイオン(Li)、セシウムイオン(Cs)、ナトリウムイオン(Na)、カリウムイオン(K)、銀イオン(Ag)、銅イオン(Cu)、アンモニウムイオン(NR )、ホスホニウムイオン(PR )等が挙げられる。Rは水素原子又は置換基を表す。Rとして採りうる置換基は上記Rとして採りうる置換基と同義である。アニオンとしては、ハロゲン化物イオン(フッ化物イオン(F)、ヨウ化物イオン(I)、臭素化物イオン(Br)、塩素化物イオン(Cl)等)、O2−等が挙げられる。中でも、ハロゲン化物イオンが好ましく、ヨウ化物イオン(I)がより好ましい。R、R、R及びYaは、それぞれ、解離した形を採っていてもよく、塩の形態であってもよい。
基Gの少なくとも1つは、好ましくは下記群G1から選択される基又は塩であり、より好ましくは下記群G2から選択される基又は塩であり、更に好ましくは下記群G3から選択される基又は塩である。
2つ以上の基Gは、いずれも、下記群G1から選択される基又は塩であることが好ましく、下記群G2から選択される基又は塩であることがより好ましく、下記群G3から選択される基又は塩であることが更に好ましい。
[群G1]−OR、−OYa、−COOR、−COOYa、−NR、−(NRYa、−P(=O)(OR、−OP(=O)(OR
[群G2]−OR、−COOR、−NR、−P(=O)(OR
[群G3]−NR及び−P(=O)(OR
多環化合物において、多環構造と基Gとの組み合わせは、特に限定されない。例えば、多環構造の好ましいものと基Gの好ましいものとの組み合わせが挙げられる。
基Gは、多環構造(環構成原子)に直接又は連結基を介して結合している。
多環化合物の多環構造は、上記部分構造を含み、更にこの部分構造に縮合する他の環を含むこともある。本発明において、基Gが多環構造に結合する態様は、上記部分構造を形成する環構成原子に結合する態様と、上記他の環を形成する環構成原子に結合する態様と、上記部分構造及び上記他の環を形成する環構成原子にそれぞれ結合する態様とを包含する。基Gは、通常、水素原子を取り除いた環構成原子に結合する。なお、これら以外の環構成原子に置換基が結合していてもよい。
連結基としては、多環構造と基Gとを連結するものであれば特に限定されず、例えば、後述する置換基群Tにおける基から更に水素原子を除去した2価の基、又はこの2価の基を複数組み合わせてなる基等が挙げられる。
基Gが結合した連結基としては、下記式(PG−1)〜式(PG−3)のいずれかで表される部分構造を有する基が挙げられる。すなわち、基Gは、下記式(PG−1)〜式(PG−3)のいずれかで表される部分構造を形成して上記多環構造に結合していることが好ましい。
Figure 2018195768
式中、*は、多環構造との結合部位を示す。この結合部位は、後述する態様により、多環構造と直接結合するか、又は、他の基を介して多環構造と結合する。
Ga〜Gcは、上記基Gを示す。
〜R10は、水素原子又は置換基を示し、R、R、R及びR10は水素原子が好ましく、Rは置換基が好ましい。R〜R10として採りうる置換基としては、特に限定されないが、好ましくは、後述する置換基群Tから選択される。好ましい置換基としては、後述する「置換基群Tから選ばれるより好ましい基」が挙げられる。各式中、RとR、及びRとRは互いに同一でも異なっていてもよい。
naは、1以上の整数であり、好ましくは1〜18の整数であり、より好ましくは1〜8の整数であり、更に好ましくは1又は2である。
環Zは、炭化水素環又は複素環を示す。環Zは式(PG−3)中の「C」を環構成原子として含む環である。炭化水素環としては、脂肪族環でも芳香族環でもよく、また単環でも縮合環でもよい。例えば、炭化水素環としては、後述する置換基群Tにおけるアリール基を形成する環、又は、これらの環を2つ以上縮合してなる縮合環が挙げられる。
複素環としては、脂肪族環でも芳香族環でもよく、また単環でも縮合環でもよい。例えば、芳香族複素環としては、特に限定されないが、置換基群Tにおけるヘテロアリール基を形成する環、これらの環を2つ以上縮合してなる縮合環、又は、ヘテロアリール基を形成する環の1つ以上と置換基群Tにおけるアリール基を形成する環とが縮合した縮合環が挙げられる。脂肪族複素環としては、特に限定されないが、置換基群Tにおけるヘテロ環のうち脂肪族複素環、これらの2つ以上が縮合した縮合環、又は、脂肪族複素環の1つ以上と置換基群Tにおけるアリール基とが縮合した縮合環が挙げられる。
複素環としては、脂肪族複素環が好ましく、5員環又は6員環の脂肪族複素環がより好ましい。具体的には、チアゾリジン環、オキサゾリジン環、環状エーテル環(例えばテトラヒドロチオフェン環)等が挙げられる。
環Zは、環構成原子、通常、環を構成する少なくとも1つの−CH−が、−C(=O)−、−C(=S)−、−C(=NR11)−及び−C(=CR1213)−からなる群より選択されるいずれかにより置換されていてもよい。本発明において、上記群に含まれる各構造要素を、便宜上、不飽和結合形成原子ということがある。中でも、不飽和結合形成原子は−C(=O)−又は−C(=S)−が好ましい。環Zを形成する複数の環構成原子が不飽和結合形成原子で置換される場合、複数の不飽和結合形成原子は同一でも異なっていてもよい。例えば、環を構成する2つCH−がそれぞれ−C(=O)−と−C(=S)−とで置換される態様が挙げられる。
11、R12及びR13は、それぞれ、水素原子又は置換基を示す。R11、R12及びR13として採りうる置換基としては、特に限定されず、例えば、後述する置換基群Tに含まれる各基が挙げられる。R12及びR13が置換基を採る場合、互いに結合して環を形成していてもよい。
環Z(炭化水素環及び複素環)は、置換基(上記不飽和結合形成原子が有する、=O、=S、=NR11及び=CR1213を除く。)を有していてもよい。環Zが有していてもよい置換基としては、特に限定されないが、好ましくは、後述する置換基群Tから選択される。環Zが複数の置換基を有する場合、複数の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
上記式(PG−3)で表される部分構造において、Gcは、環Z上(環Zの環構成原子)に直接結合していてもよく、また環Zに連結基を介して結合していてもよい。更に、環Zが上記不飽和結合形成原子を有する場合、R11、R12又はR13に結合していてもよい。環ZとGcを連結する連結基としては、特に限定されず、例えば、後述する置換基群Tにおける基から更に水素原子を除去した2価の基、又はこの2価の基を複数組み合わせてなる基が挙げられる。例えば、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基又はヘテロ環基が挙げられ、アルキレン基(例えば炭素数1〜6)が好ましい。
基Gが結合した連結基は、上記部分構造を有する基であり、上記部分構造そのものにより形成される態様と、上記部分構造と他の基とが結合して形成される態様との両態様を包含する。基Gが結合した連結基は、上記態様に応じて、上記多環構造に、直接結合してもよく、他の基を介して結合してもよい。特に式(PG−3)で表される部分構造は他の基を介して上記多環構造に結合していることが好ましい。上記の他の基としては、特に限定されず、例えば、後述する置換基群Tにおける基から更に水素原子を除去した2価の基、又はこの2価の基を複数組み合わせてなる基が挙げられる。具体的には、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基又はヘテロ環基が挙げられ、ヘテロアリーレン基が好ましい。他の基は、1つでも複数でもよく、適宜に設定される。
基Gが多環構造に結合する原子(位置)は、特に限定されないが、多環構造を形成する環のうち両端に位置する各環を形成する環構成原子であることが好ましい。
以下に、本発明に用いうる多環化合物の具体例を例示するが、これによって本発明が制限されるものではない。下記例において、Etはエチルを示す。
Figure 2018195768
Figure 2018195768
本明細書において、単に置換基としてしか記載されていない場合は、下記置換基群Tを参照するものであり、また、各々の基、例えば、アルキル基、が記載されているのみの場合は、この置換基群Tの対応する基における好ましい範囲、具体例が適用される。
また、本明細書において、アルキル基を環状(シクロ)アルキル基と区別して記載している場合、アルキル基は、直鎖アルキル基及び分岐アルキル基を包含する意味で用いる。一方、アルキル基を環状アルキル基と区別して記載していない場合(単に、アルキル基と記載されている場合)、及び、特段の断りがない場合、アルキル基は、直鎖アルキル基、分岐アルキル基及びシクロアルキル基を包含する意味で用いる。このことは、環状構造を採りうる基を含む基若しくは連結基、環状構造を採りうる基を含む化合物についても同様である。基が環状骨格を形成しうる場合、環状骨格を形成する基の原子数の下限は、この基について具体的に記載した原子数の下限にかかわらず、3以上であり、5以上が好ましい。
なお、下記置換基群Tの説明においては、例えば、アルキル基とシクロアルキル基のように、直鎖又は分岐構造の基と環状構造の基とを明確にするため、これらを分けて記載している。
<置換基群T>
本発明において、好ましい置換基としては、下記の基、及び、下記の基を複数組み合わせてなる基が挙げられる。
アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜12、更に好ましくは1〜6)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜12、更に好ましくは1〜6)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜12、更に好ましくは1〜6)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20、更に好ましくは3〜6)、シクロアルケニル基(好ましくは炭素数5〜20)、アリール基(芳香族炭化水素環基、好ましくは炭素数6〜26、更に好ましくは6〜10)、ヘテロ環基(環構成原子として少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有し、好ましくは炭素数2〜20である。5員環又は6員環がより好ましい。ヘテロ環基には芳香族ヘテロ環基(ヘテロアリール基という)及び脂肪族ヘテロ環基を含む。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜12、更に好ましくは1〜6)、アルケニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜12)、アルキニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜12)、シクロアルキルオキシ基(好ましくは炭素数3〜20、更に好ましくは3〜6)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜26)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数2〜20)、
アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20)、シクロアルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数4〜20)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数6〜20)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20で、アルキルアミノ基、アルケニルアミノ基、アルキニルアミノ基、シクロアルキルアミノ基、シクロアルケニルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20で、アルキル、シクロアルキル若しくはアリールのスルファモイル基が好ましい)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数1〜20)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20で、アルキル、シクロアルキル若しくはアリールのカルバモイル基が好ましく、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−シクロヘキシルカルバモイル又はN−フェニルカルバモイル)、
アシルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20)、スルホンアミド基(好ましくは炭素数0〜20で、アルキル、シクロアルキル若しくはアリールのスルホンアミド基が好ましい)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜12、更に好ましくは1〜6)、シクロアルキルチオ基(好ましくは炭素数3〜20、更に好ましくは31〜6)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜26、更に好ましくは6〜10)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜20)、アルキル、シクロアルキル若しくはアリールスルホニル基(好ましくは炭素数1〜20)、
シリル基(好ましくは炭素数1〜20で、アルキル、アリール、アルコキシ及びアリールオキシが置換したシリル基が好ましい)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数1〜20で、アルキル、アリール、アルコキシ及びアリールオキシが置換したシリルオキシ基が好ましい)、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、又は、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子)が挙げられる。
置換基群Tから選ばれるより好ましい基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、シクロアルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基、シアノ基若しくはハロゲン原子、又は、これらの基を複数組み合わせてなる基が挙げられる。
多環化合物含有層5は、上記多環化合物を少なくとも1種含有していればよく、複数種を含有していてもよい。また、多環化合物含有層5中の多環化合物の含有量は、上記本発明の効果を奏する限り特に限定されず、例えば0.1〜100質量%とすることができ、また、10〜100質量%とすることもできる。
多環化合物含有層5の膜厚は、特に限定されず、0.01〜1000nmが好ましく、0.1〜100nmがより好ましく、1〜10nmが更に好ましい。
<正孔輸送層3>
本発明の光電変換素子は、多環化合物含有層5上に正孔輸送層3を有する。
正孔輸送層3は、光吸収剤の酸化体に電子を補充する機能を有し、好ましくは固体状の層(固体正孔輸送層)である。
正孔輸送層3を形成する正孔輸送材料は、上記機能を奏するものであれば、公知のものを特に限定されずに用いることができる。用いる正孔輸送材料は、液体材料でも固体材料でもよいが、溶液塗布可能な固体材料が好ましい。例えば、特開2001−291534号公報の段落番号0209〜0212に記載の有機正孔輸送材料等が挙げられる。有機正孔輸送材料としては、好ましくは、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール及びポリシラン等の導電性高分子、2個の環がC、Siなど四面体構造をとる中心原子を共有するスピロ化合物、トリアリールアミノ基等を有する芳香族アミン化合物、トリフェニレン化合物、含窒素複素環化合物、ポルフィリン、フタロシアニン、ナフタロシアニン等の環状化合物、液晶性シアノ化合物等が挙げられる。これ以外にも、国際公開第2015/107454号、同2015/114521号又は同2014/111365号に記載の正孔輸送材料が挙げられる。
好ましい正孔輸送材料としては、例えば、下記式(H−1)〜式(H−12)のいずれかで表されるものが挙げられる。
Figure 2018195768
式(H−1)中、環A〜Dは芳香族環又は芳香族へテロ環を示し、Lは連結基を表す。
芳香族環としては、特に限定されないが、単環でも縮合環でもよく、上記置換基群Tにおけるアリール基、又は、これらの2つ以上が縮合した縮合環が挙げられる。芳香族ヘテロ環としては、特に限定されないが、単環でも縮合環でもよく、上記置換基群Tにおけるヘテロアリール基、これらの2つ以上が縮合した縮合環、又は、ヘテロアリール基の1つ以上と上記アリール基とが縮合した縮合環が挙げられる。芳香族環又は芳香族へテロ環としては、具体的には、ベンゼン環、フルオレン環、カルバゾール環、ナフタレン環、ピリジン環、チオフェン環、ピロール環、フラン環、チアゾール環、オキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環等が挙げられる。
環A〜Dは、同一でも異なっていてもよい。
連結基Lとしては、特に限定されないが、例えば、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、ヘテロ環基が挙げられる。
Figure 2018195768
式(H−2)〜式(H−7)中、Aは、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、NR、SiR又はCRを示す。中でも、NR、CR又は硫黄原子が好ましい。各式中、Aが複数存在する場合、複数のAは同一でも異なっていてもよい。
BはCR又は窒素原子を示す。各式中、Bが複数存在する場合、複数のBは同一でも異なっていてもよい。
各式中のR、上記A中のR及び上記B中のRは、それぞれ、水素原子又は置換基を表し、水素原子が好ましい。Rとして採りうる置換基としては、特に限定されないが、好ましくは、上記置換基群Tから選択される。より好ましい置換基としては、後述する「置換基群Tから選ばれるより好ましい基」が挙げられる。各式中、Rが複数存在する場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。
nは0〜4の整数であり、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは0又は1である。
Figure 2018195768
式(H−8)〜式(H−11)中、Z〜Zは、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、セレン原子及びケイ素原子から選ばれる、環を形成しうる非金属原子群を示す。Z〜Zが各式中の炭素原子とともに形成する環としては、特に限定されないが、5員環若しくは6員環又はこれらを含む縮環が挙げられる。形成される環としては、上記置換基群Tにおけるアリール基又はヘテロアリール基が挙げられる。中でも、ベンゼン環、フルオレン環、カルバゾール環、ピリジン環、チオフェン環、ジチオフェン環、ピロール環、フラン環、チアゾール環、オキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環等が好ましい。
及びZ、Z及びZ、Z及びZ、並びに、Z及びZは、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。
〜Zが形成する環は置換基を有していてもよい。これらの環が有していてもよい置換基としては、特に限定されないが、好ましくは、上記置換基群Tから選択される。より好ましい置換基としては、後述する「置換基群Tから選ばれるより好ましい基」が挙げられる。これらの環が複数の置換基を有する場合、複数の置換基は同一でも異なっていてもよい。
各式中のRは水素原子又は置換基を表し、水素原子が好ましい。Rとして採りうる置換基としては、特に限定されないが、好ましくは、上記置換基群Tから選択される。より好ましい置換基としては、後述する「置換基群Tから選ばれるより好ましい基」が挙げられる。各式中、Rが複数存在する場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。
nは0〜4の整数である。式(H−8)〜式(H−10)中のnは、好ましくは1〜3の整数であり、より好ましくは1である。式(H−11)中のnは、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは0又は1である。
Figure 2018195768
式(H−12)中、Dは二つ以上の環が縮環した構造を表す。
Dは上記構造であれば特に限定されず、例えば、下記式(D−1)又は式(D−2)で表される構造が挙げられる。
Figure 2018195768
式(D−1)及び式(D−2)中、*は、L、L、A、A又はDとの結合部位を表す。
〜Xは、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、NR、SiR又はCRを表す。中でも、硫黄原子又はNRが好ましい。XとX、及び、XとXとは、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。Z〜Zは、窒素原子又はCRを表す。ZとZ、及び、ZとZとは、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。Rは水素原子又は置換基を表し、水素原子が好ましい。X〜X及びZ〜Z中のRとして採りうる置換基としては、特に限定されないが、好ましくは、上記置換基群Tから選択される。より好ましい置換基としては、後述する「置換基群Tから選ばれるより好ましい基」が挙げられる。各式中、Rが複数存在する場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。
環A及び環Bは、環構造を表し、各式中の2つの5員環と縮合している。
環A及び環Bとして採りうる環構造としては、特に限定されず、脂肪族環でもよいが芳香族環が好ましい。この環構造は、単環でも縮合環でもよく、例えば、上記置換基群Tにおけるアリール基若しくはヘテロアリール基を形成する環、又は、これらの環を2つ以上縮合してなる縮合環が挙げられる。中でも、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等が好ましい。
式(H−12)において、L及びLは単結合又は連結基を表す。連結基としては、特に限定されないが、例えば、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基等が挙げられる。L及びLは同一でも異なっていてもよい。L及びLが連結基を採る場合、連結基は1つに限られず、2以上が結合した連結基を採ることもできる。例えば、テルチオフェンからなる連結基が挙げられる。
及びAは複素環、炭化水素環又はアクセプター性を有する基を表す。
複素環としては、脂肪族環でも芳香族環でもよく、また単環でも縮合環でもよい。例えば、芳香族複素環としては、上記置換基群Tにおけるヘテロアリール基を形成する環、これらの環を2つ以上縮合してなる縮合環、又は、ヘテロアリール基を形成する環の1つ以上と上記置換基群Tにおけるアリール基を形成する環とが縮合してなる縮合環が挙げられる。脂肪族複素環としては、特に限定されないが、置換基群Tにおけるヘテロ環のうち脂肪族複素環、これらの2つ以上が縮合した縮合環、又は、脂肪族複素環の1つ以上と置換基群Tにおけるアリール基とが縮合した縮合環が挙げられる。複素環としては、芳香族複素環が好ましく、チオフェン環、フラン環、ピロール環、チアゾール環、オキサゾール環、イミダゾール環、ピリジン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾピロール環等が挙げられる。
炭化水素環としては、脂肪族環でも芳香族環でもよく、また単環でも縮合環でもよい。例えば、炭化水素環としては、上記置換基群Tにおけるアリール基を形成する環、又は、これらの環を2つ以上縮合してなる縮合環が挙げられる。炭化水素環としては、ベンゼン環等が挙げられる。
アクセプター性を有する基とは、電子吸引性基を有する基を意味する。ここで、電子求引性基とは、誘起効果及び/又はメソメリー効果により、上記D、L若しくはL又はこれらとの結合部位の電子密度を減少させる特性を持つ基をいう。
アクセプター性を有する基としては、上記特性を示すものであれば特に限定されず、例えば、下記式(A−1)又は式(A−2)で表される基が挙げられる。
Figure 2018195768
式(A−1)及び式(A−2)中、Yは、酸素原子、硫黄原子又はNRA1を表す。
A1〜RA4は水素原子又は置換基を表す。但し、RA3及びRA4のうち少なくとも一方は電子求引性基を表す。電子求引性基としては、上記性質を有するものであれば特に限定されず、例えば、上記式(A−1)で表される基、ニトロ基、シアノ基、スルホニル基、ホスホリル基、アジド基(−N)、アンモニウム基(−N(RN1)(RN2)(RN3))、イミニウム基(−C(RN4)=N(N(RN5)(RN6))又はハロゲン原子等が挙げられる。ここで、RN1〜RN6は、いずれも、水素原子、又は上記置換基群Tから選択される置換基を示す。
A1〜RA4として採りうる置換基としては、特に限定されないが、好ましくは、上記置換基群Tから選択される。より好ましい置換基としては、後述する「置換基群Tから選ばれるより好ましい基」が挙げられる。RA1とRA2、及び、RA3とRA4は、同一でも異なっていてもよい。
A1〜RA4は、互いに結合して環を形成していてもよく、また、環を構成する少なくとも1つの−CH−が不飽和結合形成原子で置換されていてもよい。このような不飽和結合形成原子で置換された環を有する、式(A−2)で表される基としては、好ましくは、実施例で用いた正孔輸送材料S1のチアゾリジン環を含む基が挙げられる。また、RA1〜RA4として採りうる置換基は、それぞれ更に置換基を有していてもよい。RA1〜RA4が更に有していてもよい置換基としては、特に限定されず、RA1として採りうる置換基と同義であり、好ましいものも同じである。
式(H−12)において、nは1〜4の整数を表し、好ましくは1〜2の整数であり、より好ましくは1である。nが2〜4の整数を表すとき、複数のDは同一でも異なっていてもよい。
正孔輸送材料としては、具体的には、2,2’,7,7’−テトラキス−(N,N−ジ−p−メトキシフェニルアミン)−9,9’−スピロビフルオレン(2,2’,7,7’−tetrakis−(N,N−di−p−methoxyphenylamine)−9,9’−spirobifluorene、spiro−OMeTAD、上記式(H−1)で表される正孔輸送材料)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル)、4−(ジエチルアミノ)ベンズアルデヒド ジフェニルヒドラゾン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(poly(3,4−ethylenedioxythiophene)、PEDOT)、poly[bis(4−phenyl)(2,4,6−trimethylphenyl)amine](PTAA)、2,6−Ditolylbenzo[1,2−b:4,5−b’]dithiophene(DT−BDT、上記式(H−8)で表される正孔輸送材料)、2,7−Dioctyl[1]benzothieno[3,2−b][1]benzothiophene(C8−BTBT、上記式(H−5)で表される正孔輸送材料)、6,13−Bis(triisopropylsilylethynyl)pentacene(TIPS ペンタセン、上記式(H−8)で表される正孔輸送材料)等が挙げられる。
正孔輸送材料は、公知の方法、例えば後述する実施例に示す方法に準じて適宜に合成してもよく、市販品を用いてもよい。
正孔輸送層3の膜厚は、特に限定されないが、50μm以下が好ましく、1nm〜10μmがより好ましく、5nm〜5μmが更に好ましく、10nm〜1μmが特に好ましく、10〜50nmが最も好ましい。
<電子輸送層4>
本発明の光電変換素子は、光電変換素子10Eのように、第一電極1と第二電極2との間に電子輸送層4を有することも好ましい態様の1つである。この態様において、電子輸送層4は感光層3Cと接触(積層)していることが好ましい。
電子輸送層4は、電子の輸送先が第二電極である点、及び、形成される位置が異なること以外は、上記電子輸送層15と同じである。
<第二電極2>
第二電極2は、太陽電池において正極として機能する。第二電極2は、導電性を有していれば特に限定されず、通常、導電性支持体11と同じ構成とすることができる。強度が十分に保たれる場合は、支持体11aは必ずしも必要ではない。
第二電極2の構造としては、集電効果が高い構造が好ましい。感光層13に光が到達するためには、導電性支持体11と第二電極2との少なくとも一方は実質的に透明でなければならない。本発明の太陽電池においては、導電性支持体11が透明であって太陽光等を支持体11a側から入射させるのが好ましい。この場合、第二電極2は光を反射する性質を有することが更に好ましい。
第二電極2を形成する材料としては、例えば、白金(Pt)、金(Au)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、インジウム(In)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、オスニウム(Os)、アルミニウム(Al)等の金属、上述の導電性の金属酸化物、炭素材料及び伝導性高分子等が挙げられる。炭素材料としては、炭素原子同士が結合してなる、導電性を有する材料であればよく、例えば、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイト、グラフェン等が挙げられる。
第二電極2としては、金属若しくは導電性の金属酸化物の薄膜(蒸着してなる薄膜を含む)、又は、この薄膜を有するガラス基板若しくはプラスチック基板が好ましい。ガラス基板若しくはプラスチック基板としては、金若しくは白金の薄膜を有するガラス、又は、白金を蒸着したガラスが好ましい。
第二電極2の膜厚は、特に限定されず、0.01〜100μmが好ましく、0.01〜10μmが更に好ましく、0.01〜1μmが特に好ましい。
<その他の構成>
本発明においては、第一電極1と第二電極2との接触を防ぐために、ブロッキング層14に代えて、又は、ブロッキング層14等とともに、スペーサーやセパレータを用いることもできる。
また、第二電極2と正孔輸送層3の間に正孔ブロッキング層を設けてもよい。
[太陽電池]
本発明の太陽電池は、本発明の光電変換素子を用いて構成される。例えば図1〜図5に示されるように、外部回路6に対して仕事させるように構成した光電変換素子10を太陽電池として用いることができる。第一電極1(導電性支持体11)及び第二電極2に接続される外部回路6は、公知のものを特に制限されることなく、用いることができる。
本発明は、例えば、特許文献1及び2、J.Am.Chem.Soc.,2009,131(17),p.6050−6051及びScience,338,p.643(2
012)に記載の各太陽電池に適用することができる。
本発明の太陽電池は、構成物の劣化及び蒸散等を防止するために、側面をポリマーや接着剤等で密封することが好ましい。
[光電変換素子及び太陽電池の製造方法]
本発明の光電変換素子及び太陽電池は、感光層、多環化合物含有層及び正孔輸送層の形成以外は、公知の製造方法、例えば、特許文献1及び2、J.Am.Chem.Soc.,2009,131(17),p.6050−6051、Science,338,p.643(2012)等に記載の方法によって製造できる。
本発明の光電変換素子は、導電性支持体上に、多環化合物含有層を設ける工程と、多環化合物含有層の表面に正孔輸送層を設ける工程とを有する本発明の光電変換素子の製造方法により、製造することが好ましい。本発明の光電変換素子の製造方法は、上記第一態様の層構造、及び上記第二態様の層構造のいずれの層構造を有する光電変換素子を、製造できる。
本発明の光電変換素子の製造方法において、導電性支持体上に多環化合物含有層を設けるとは、導電性支持体の表面に接して多環化合物含有層を設ける(直接設ける)態様、及び、導電性支持体の表面上方に他の層を介して多環化合物含有層を設ける態様を含む意味である。
導電性支持体の表面上方に他の層を介して多環化合物含有層を有する態様において、導電性支持体と多環化合物含有層との間に設けられる他の層としては、太陽電池の電池性能を低下させないものであれば特に限定されない。例えば、多孔質層、ブロッキング層、電子輸送層、正孔輸送層及び感光層等が挙げられる。
以下に、本発明の光電変換素子の製造方法及び太陽電池の製造方法を簡単に説明する。
第一態様の層構造の積層構造を有する本発明の光電変換素子においては、まず、導電性支持体11の表面に、所望によりブロッキング層14、多孔質層12、電子輸送層15及び正孔輸送層16の少なくとも一つを形成する。
ブロッキング層14は、例えば、上記絶縁性物質又はその前駆体化合物等を含有する分散物を導電性支持体11の表面に塗布し、焼成する方法又はスプレー熱分解法等によって、形成できる。
多孔質層12を形成する材料は、好ましくは微粒子として用いられ、更に好ましくは微粒子を含有する分散物として用いられる。
多孔質層12を形成する方法としては、特に限定されず、例えば、湿式法、乾式法、その他の方法(例えば、Chemical Review,第110巻,6595頁(2010年刊)に記載の方法)が挙げられる。これらの方法において、導電性支持体11の表面又はブロッキング層14の表面に分散物(ペースト)を塗布した後に、100〜800℃の温度で10分〜10時間、例えば空気中で焼成することが好ましい。これにより、微粒子同士を密着させることができる。
焼成を複数回行う場合、最後の焼成以外の焼成の温度(最後以外の焼成温度)を、最後の焼成の温度(最後の焼成温度)よりも低い温度で行うのがよい。例えば、酸化チタンペーストを用いる場合、最後以外の焼成温度を50〜300℃の範囲内に設定することができる。また、最後の焼成温度を、100〜600℃の範囲内において、最後以外の焼成温度よりも高くなるように、設定することができる。支持体11aとしてガラス支持体を用いる場合、焼成温度は60〜500℃が好ましい。
多孔質層12を形成するときの、多孔質材料の塗布量は、多孔質層12の膜厚及び塗布回数等に応じて適宜に設定され、特に限定されない。導電性支持体11の表面積1m当たりの、多孔質材料の塗布量は、例えば、0.5〜500gが好ましく、更には5〜100gが好ましい。
電子輸送層15又は正孔輸送層16を設ける場合、それぞれ、後述する正孔輸送層3又は電子輸送層4と同様にして、形成することができる。
次いで、感光層13を設ける。
感光層13を設ける方法は、湿式法及び乾式法が挙げられ、特に限定されない。本発明においては、湿式法が好ましく、例えば、ペロブスカイト型光吸収剤を含有する光吸収剤組成物(溶液)に接触させる方法が好ましい。この方法においては、まず、感光層を形成するための光吸収剤組成物を調製する。光吸収剤組成物は、上記ペロブスカイト化合物の原料であるMXとAXとを含有する。ここで、A、M及びXは上記式(I)のA、M及びXと同義である。この光吸収剤組成物において、MXとAXとのモル比は目的に応じて適宜に調整される。光吸収剤としてペロブスカイト化合物を形成する場合、AXとMXとのモル比は、1:1〜10:1であることが好ましい。この光吸収剤組成物は、MXとAXとを所定のモル比で混合した後に加熱することにより、調製できる。この形成液は通常溶液であるが、懸濁液でもよい。加熱する条件は、特に限定されないが、加熱温度は30〜200℃が好ましく、70〜150℃が更に好ましい。加熱時間は0.5〜100時間が好ましく、1〜3時間が更に好ましい。溶媒又は分散媒は後述するものを用いることができる。
次いで、調製した光吸収剤組成物を、その表面に感光層13を形成する層(多孔質層12、ブロッキング層14又は電子輸送層15のいずれかの層)の表面に接触させる。具体的には、光吸収剤組成物を塗布又は浸漬することが好ましい。接触させる温度は5〜100℃であることが好ましく、浸漬時間は5秒〜24時間であるのが好ましく、20秒〜1時間がより好ましい。塗布した光吸収剤組成物を乾燥させる場合、乾燥は熱による乾燥が好ましく、通常は、20〜300℃、好ましくは50〜170℃に加熱することで乾燥させる。
また、上記ペロブスカイト化合物の合成方法に準じて感光層を形成することもできる。
更に、上記AXを含有するAX組成物(アンモニウム塩組成物)と、上記MXを含有するMX組成物(金属塩組成物)とを、別々に塗布(浸漬法を含む)し、必要により乾燥する方法も挙げられる。この方法では、いずれの溶液を先に塗布してもよいが、好ましくはMX組成物を先に塗布する。この方法におけるAXとMXとのモル比、塗布条件及び乾燥条件は、上記方法と同じである。この方法では、上記AX組成物及び上記MX組成物の塗布に代えて、AX又はMXを、蒸着させることもできる。
更に他の方法として、上記光吸収剤組成物の溶剤を除去した化合物又は混合物を用いた、真空蒸着等の乾式法が挙げられる。例えば、上記AX及び上記MXを、同時又は順次、蒸着させる方法も挙げられる。
これらの方法等により、ペロブスカイト化合物が多孔質層12、ブロッキング層14又は電子輸送層15の表面に感光層として形成される。
このようにして設けられた感光層13の表面に、すなわち導電性支持体上に、多環化合物含有層5を形成する。
多環化合物含有層5を形成するには、多環化合物を含有する光電変換素子用組成物を調製する。多環化合物は上述の通りであり、1種又は2種以上を用いることができる。
多環化合物含有層5が、下記群G3から選択される少なくとも2つの基を有する多環化合物を含有する場合、後述する本発明の光電変換素子用組成物を好ましく用いることができる。
[群G3]−NR及び−P(=O)(OR (R及びRは上述の通り。)
光電変換素子用組成物は、溶媒を含有する。溶媒としては、特に限定されず、後述する溶媒又は分散剤が挙げられるが、非プロトン性溶媒を含むことが好ましい。
非プロトン性溶媒とは、活性水素を有しない溶媒であれば特に限定されない。例えば、後述する、炭化水素溶媒、ハロゲン溶媒、ニトリル溶媒等の他にも、エーテル溶媒、ケトン溶媒等が挙げられる。中でも、炭化水素溶媒又はハロゲン溶媒が好ましく、ハロゲン溶媒がより好ましい。炭化水素溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。ハロゲン溶媒としては、クロロベンゼン、クロロホルム、ベンジルクロライド、ジクロロメタン等が挙げられる。
光電変換素子用組成物は、上記多環化合物の溶解性、更には被塗面に対する塗れ性の点で、上記非プロトン性溶媒とアルコール溶媒とを併用することもできる。アルコール溶媒としては、後述する、メタノール、エタノール及びイソプロパノールの他にも、t−ブタノール、オクタノール等が挙げられる。非プロトン性溶媒とアルコール溶媒との組み合わせは、特に限定されず、互いに好ましいもの同士の組み合わせが挙げられる。
光電変換素子用組成物が、上記群G3から選択される少なくとも2つの基を有する多環化合物と、非プロトン性溶媒とを含有する場合、この光電変換素子用組成物を本発明の光電変換素子用組成物という。
光電変換素子用組成物中の、多環化合物の含有量は、特に限定されず、例えば、10mmol/L以下であることが好ましく、0.01〜10mmol/Lがより好ましく、1〜10mmol/Lが更に好ましい。
光電変換素子用組成物中の、非プロトン性溶媒の含有量は、特に限定されず、例えば、0質量%を越え、100質量%以下が好ましく、50〜99質量%がより好ましく、80〜95質量%が更に好ましい。
光電変換素子用組成物中の、アルコール溶媒の含有量は、特に限定されず、例えば、0〜100質量%が好ましく、1〜50質量%がより好ましく、5〜20質量%が更に好ましい。
光電変換素子用組成物がアルコール溶媒を含有する場合、光電変換素子用組成物中の、非プロトン性溶媒とアルコール溶媒との含有量の比[非プロトン性溶媒/アルコール溶媒]は、上記各溶媒の含有量を満たす限り特に限定されないが、例えば、50/50〜99/1であるのが好ましく、80/20〜95/5であるのがより好ましい。
次いで、調製した光電変換素子用組成物を用いて多環化合物含有層5を形成する。多環化合物含有層5を形成する方法は、光電変換素子用組成物と感光層13とを接触させる方法が挙げられる。これらを接触させる方法としては、感光層13を設ける方法と同じであり、好ましい方法も同じであり、感光層13に光電変換素子用組成物を塗布又は浸漬することが好ましい。接触させる温度は、特に限定されず、0〜150℃であることが好ましく、15〜50℃であることがより好ましい。浸漬時間も、特に限定されず、0.1秒〜24時間であるのが好ましく、5秒〜1時間がより好ましい。光電変換素子用組成物を乾燥させる場合、乾燥は熱による乾燥が好ましく、通常は、30〜200℃、好ましくは40〜110℃に加熱することで乾燥させる。
このようにして、多環化合物含有層を設ける工程が行われ、感光層13に隣接する多環化合物含有層5が形成される。
次いで、多環化合物含有層5の表面に、正孔輸送層3を形成する。
正孔輸送層3は、正孔輸送材料を含有する正孔輸送材料溶液を塗布(接触)し、乾燥して、形成することができる。正孔輸送材料溶液は、塗布性に優れる点、及び多孔質層12を有する場合は多孔質層12の孔内部まで侵入しやすい点で、正孔輸送材料の濃度が0.1〜1.0M(mol/L)であるのが好ましい。塗布する温度は、特に限定されず、0〜150℃であることが好ましく、15〜50℃であることがより好ましい。塗布時間も、特に限定されず、1秒〜24時間であるのが好ましく、10秒〜1時間がより好ましい。正孔輸送材料溶液を乾燥させる場合、乾燥は熱による乾燥が好ましく、通常は、30〜200℃、好ましくは40〜110℃に加熱することで乾燥させる。
このようにして、正孔輸送層3を設ける工程が行われ、多環化合物含有層5に隣接する正孔輸送層3が形成される。多環化合物含有層5の表面に正孔輸送材料溶液を形成すると、上述のように、素子の内部損失を低減でき、更には正孔輸送材料の配向性、正孔輸送層と多環化合物含有層との界面状態を改質できると考えられる。
正孔輸送層3を形成した後に、第二電極2を形成して、第一態様の層構造の積層構造を有する光電変換素子が製造される。
第二態様の層構造の積層構造を有する本発明の光電変換素子においては、まず、導電性支持体11の表面に、多環化合物含有層5Cを形成する。多環化合物含有層5Cの形成方法は、上記多環化合物含有層5の形成方法と同じである。
次いで、多環化合物含有層5Cの表面に、正孔輸送層16及び感光層13Cを順次形成する。正孔輸送層16及び感光層13Cの形成方法は上述の通りである。こうして、多環化合物含有層5Cを設ける工程と、多環化合物含有層5Cの表面に正孔輸送層16を設ける工程とが行われ、多環化合物含有層5C、正孔輸送層16及び感光層13Cが互いに隣接した第二態様の層構造が形成される。これにより、上述のように、素子の内部損失を低減でき、更には正孔輸送材料の配向性、正孔輸送層と多環化合物含有層との界面状態を改質できると考えられる。
次いで、感光層13C上に、必要により電子輸送層4、第二電極2を形成して、第二態様の層構造の積層構造を有する光電変換素子が製造される。
光電変換素子の製造方法において、各層の膜厚は、各分散液又は組成物(溶液)の濃度、塗布回数を適宜に変更して、調整できる。例えば、膜厚が厚い感光層13B及び13Cを設ける場合には、光吸収剤組成物、又は、アンモニウム塩組成物若しくは金属塩組成物を複数回塗布、乾燥すればよい。
上述の各分散液及び組成物は、それぞれ、必要に応じて、分散助剤、界面活性剤等の添加剤を含有していてもよい。
光電変換素子の製造方法に使用する溶媒又は分散媒としては、特開2001−291534号公報に記載の溶媒が挙げられるが、特にこれに限定されない。本発明においては、有機溶媒が好ましく、更に、アルコール溶媒、アミド溶媒、ニトリル溶媒、炭化水素溶媒、ラクトン溶媒、ハロゲン溶媒及び、これらの2種以上の混合溶媒が好ましい。混合溶媒としては、アルコール溶媒と、アミド溶媒、ニトリル溶媒又は炭化水素溶媒から選ばれる溶媒との混合溶媒が好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、γ−ブチロラクトン、クロロベンゼン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、又は、これらの混合溶媒が好ましい。
各層を形成する組成物又は分散剤の塗布方法は、特に限定されず、スピンコート、エクストルージョンダイコート、ブレードコート、バーコート、スクリーン印刷、ステンシル印刷、ロールコート、カーテンコート、スプレーコート、ディップコート、インクジェット印刷法、浸漬法等、公知の塗布方法を用いることができる。中でも、スピンコート法、スクリーン印刷法等が好ましい。
本発明の光電変換素子は、必要に応じて、アニール、ライトソーキング、酸素雰囲気下での放置等の効率安定化処理を行ってもよい。
上記のようにして作製した光電変換素子は、第一電極1及び第二電極2に外部回路6を接続して、太陽電池として用いることができる。
以下に実施例に基づき本発明について更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。
実施例1
以下に示す手順により、図1に示される光電変換素子10Aを製造した。感光層13の膜厚が大きい場合は、図2に示される光電変換素子10Bに対応することになる。
[光電変換素子(試料No.101)の製造]
<導電性支持体11の作製>
ガラス基板(支持体11a、厚さ2mm)上にフッ素ドープされたSnO導電膜(透明電極11b、膜厚300nm)を形成し、導電性支持体11を作製した。
<ブロッキング層用溶液の調製>
チタニウム ジイソプロポキシド ビス(アセチルアセトナート)の15質量%イソプロパノール溶液(アルドリッチ社製)を1−ブタノールで希釈して、0.02M(mol/L)のブロッキング層用溶液を調製した。
<ブロッキング層14の形成>
調製した0.02Mのブロッキング層用溶液を用いてスプレー熱分解法により、450℃にて、導電性支持体11のSnO導電膜上に酸化チタンからなるブロッキング層14(膜厚50nm)を形成した。
<酸化チタンペーストの調製>
酸化チタン(アナターゼ、平均粒径20nm)のエタノール分散液に、エチルセルロース、ラウリン酸及びテルピネオールを加えて、酸化チタンペーストを調製した。
<多孔質層12の形成>
調製した酸化チタンペーストをブロッキング層14の上にスクリーン印刷法で塗布し、空気中、500℃で3時間焼成した。その後、得られた酸化チタンの焼成体を、40mMのTiCl水溶液に浸した後、60℃で1時間加熱し、続けて500℃で30分間加熱して、TiOからなる多孔質層12(膜厚250nm)を形成した。
<光吸収剤溶液Aの調製>
メチルアミンの40質量%メタノール溶液(27.86mL)と、57質量%のヨウ化水素の水溶液(ヨウ化水素酸、30mL)を、フラスコ中、0℃で2時間攪拌した後、濃縮して、CHNHIの粗体を得た。得られたCHNHIの粗体をエタノールに溶解し、ジエチルエーテルで再結晶した。析出した結晶をろ取し、60℃で5時間減圧乾燥して、精製CHNHIを得た。
次いで、精製CHNHIとPbIとをモル比3:1として、DMF中、60℃で12時間攪拌混合した後、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シリンジフィルターでろ過して、40質量%の光吸収剤溶液Aを調製した。
<感光層13Aの形成>
調製した光吸収剤溶液Aを導電性支持体11上に成膜した多孔質層12上に、スピンコート法(2000rpmで60秒)により塗布(塗布温度:60℃)した後、塗布した光吸収剤溶液Aをホットプレートにより100℃で60分間乾燥して、CHNHPbIのペロブスカイト化合物からなる感光層13A(膜厚300nm(多孔質層12の膜厚250nmを含む))を設けた。
こうして第一電極1Aを作製した。
<光電変換素子用組成物A1の調整>
上記の多環化合物a1(2.9mg、5mmol)をベンジルクロライド(2mL)に溶解させ、不溶分をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シリンジフィルターでろ過して、光電変換素子用組成物A1を調製した。
<多環化合物含有層5Aの形成>
次いで、第一電極の表面(25mm×25mm)に、光電変換素子用組成物A1を、スピンコート法(1000rpmで30秒)により塗布した。次いで、塗布した光電変換素子用組成物A1をホットプレートにより100℃で30分間乾燥した。こうして多環化合物含有層5A(膜厚は表1に示す。)を形成した。
<正孔輸送材料溶液H1の調製>
正孔輸送材料として下記に示すS1(20mg)をクロロホルム(1mL)に溶解して、正孔輸送層用溶液H1を調製した。この正孔輸送材料S1は上記式(H−12)で表される正孔輸送材料であり、中国特許出願公開第105218558号明細書(CN105218558A)、及び、Journal of the American Chemical Society,2013,vol.135,No.23,p.8484等を参考に合成した。
<正孔輸送層3Aの形成>
次いで、第一電極1Aの表面上に形成した多環化合物含有層5A上に、調製した正孔輸送層用溶液H1をスピンコート法により塗布、乾燥(60℃で30分間)して、固体状の正孔輸送層3A(膜厚は表1に示す。)を成膜した。
Figure 2018195768
<第二電極2の作製>
正孔輸送層3A上に蒸着法により金を蒸着して、第二電極2(膜厚100nm)を作製した。
こうして、光電変換素子10A(試料No.101)を製造した。
各膜厚は、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察して、測定した(実施例2〜4において同じ。)。
[光電変換素子(試料No.102〜122)の製造]
上述した試料No.101の光電変換素子10Aの製造において、表1に示すように、多環化合物、多環化合物含有層の膜厚及び正孔輸送層の膜厚を変更したこと以外は、試料No.101の光電変換素子10Aの製造と同様にして、試料No.102〜122の光電変換素子10Aをそれぞれ製造した。
多環化合物含有層の膜厚は、具体的には、光電変換素子用組成物A1中の多環化合物の含有量(濃度)を0.1〜50mMの範囲内で調整することで、変更した。また、正孔輸送層3Aの膜厚は、具体的には、スピンコート法により塗布条件(回転数)を調整することで、変更した。
[光電変換素子(試料No.c101〜c105)の製造]
上述した試料No.101の光電変換素子10Aの製造において、表1に示すように、多環化合物の有無又は種類を変更したこと以外は、試料No.101の光電変換素子10Aの製造と同様にして、試料No.c101〜c105の光電変換素子10Aをそれぞれ製造した。
なお、表1の「多環化合物」欄の「−」は多環化合物を用いていないことを意味し、「膜厚」欄の「−」は多環化合物含有層を形成していないことを意味する(表2〜表4において同じ。)。
用いた多環化合物を以下に示す(SS1は多環化合物ではないが、便宜上多環化合物と称する。)。下記SS2中、Buはブチルを表す。
Figure 2018195768
[光電変換素子の評価]
各試料No.の光電変換素子について、電池特性試験を行い、フィルファクター(FF)を求めた。その結果を表1の「FF」欄に示す。
電池特性試験は、ソーラーシミュレーター「PEC−L15」(ペクセル・テクノロジーズ社製)を用いて、AM1.5Gフィルタを通したキセノンランプから1000W/mの擬似太陽光を、各光電変換素子に照射することにより行った。フィルファクター(FF)は、ソースメーター「Keithley2401」(テクトロニクス社製)を用いて、擬似太陽光を照射した各光電変換素子の電流−電圧特性を測定することにより求めた。得られた電流−電圧特性から、開放電圧VOC、短絡電流値JSC、最大出力点(Imax及びVmax)を求め、式:FF=(Imax×Vmax)/(VOC×JSC)より、算出した。
次いで、試料No.c101の光電変換素子のフィルファクター(FFc101)に対する相対値(各試料No.の光電変換素子のフィルファクター(FF)/(FFc101))を求めた。
相対値が下記の評価基準のいずれに含まれるかを判定した。
本評価において、評価ランク「E」以上が実用上求められ、評価ランク「D」以上が好ましい。
− 評価基準 −
A:1.05以上
B:1.04以上1.05未満
C:1.03以上1.04未満
D:1.02以上1.03未満
E:1.01以上1.02未満
F:1.00以上1.01未満
G:1.00未満
Figure 2018195768
表1の結果から、以下のことが分かる。
本発明で規定する多環化合物含有層を備えていない、試料No.c102〜c105の光電変換素子は、いずれも、フィルファクターが十分ではなかった。すなわち、単環構造を有する化合物SS1又は本発明で規定する特定の多環構造を有しない化合物SS2は、基Gを2つ有していても、フィルファクターの向上効果は十分ではない。また、本発明で規定する特定の多環構造を有していても基Gを有していないと(試料No.c105)、やはり高いフィルファクターを示さない。また、本発明で規定する多環構造及び基Gのいずれも満たさない化合物SS3を用いても、同様に、フィルファクターの向上効果は示さない。
これに対して、本発明で規定する多環化合物含有層を備えている、試料No.101〜122の光電変換素子は、いずれも、高いフィルファクターを示す。特に、式(BS−1)又は式(BS−5)で表される部分構造を有する多環化合物、及び、基Gとして−NR又は−P(=O)(ORを有する多環化合物は、いずれも、フィルファクターについて高い向上効果がみられる。本発明で規定する多環化合物を含有し、膜厚が1〜10nmである多環化合物含有層を設けると、又は、本発明で規定する多環化合物含有層と膜厚が10〜50nmの正孔輸送層とを組み合わせて設けると、光電変換素子は高いフィルファクターを示す。
実施例2
実施例2(2−1〜2−4)においては、ペロブスカイト化合物を変更した感光層を有する光電変換素子を製造して、その特性を評価した。
実施例2−1
[光電変換素子(試料No.201及びc201)の製造]
実施例1における試料No.114の光電変換素子10Aの製造において、光吸収剤溶液Aに代えて下記光吸収剤溶液Bを用いて下記方法により感光層13Aを形成し、更に試料No.c201については多環化合物含有層を設けなかったこと以外は、試料No.114の光電変換素子10Aの製造と同様にして、試料No.201及びc201の光電変換素子10Aをそれぞれ製造した。
<光吸収剤溶液Bの調製>
ヨウ化セシウム(39mg)、ホルムアミジンヨウ化水素酸塩(Formamidine Hydroiodide、516mg)、CHNHBr(67mg)及びヨウ化鉛(1.73g)を、DMFとDMSO(ジメチルスルホキシド)との混合溶媒(DMF/DMSO=4/1(体積比))に溶解して、光吸収剤溶液Bを調製した。
<感光層13Aの形成>
調製した光吸収剤溶液Bを導電性支持体11上に成膜した多孔質層12上に、スピンコート法(5000rpmで50秒)により塗布した。また塗布中にクロロベンゼン(500μL)をピペッターで塗布層表面に吹きかけた。その後、塗布した光吸収剤溶液Bをホットプレートにより100℃で60分間乾燥して、Cs0.04FA0.8(CHNH0.16PbI2.84Br0.16のペロブスカイト化合物からなる感光層13A(膜厚300nm(多孔質層12の膜厚250nmを含む))を設けた。
ペロブスカイト化合物の化学式及び表2の「感光層」欄の「FA」はホルムアミジノ基(−C(=NH)NH)を示す(以下、同じ。)。
実施例2−2
[光電変換素子(試料No.202及びc202)の製造]
実施例1における試料No.114の光電変換素子10Aの製造において、光吸収剤溶液Aに代えて下記光吸収剤溶液Cを用いて下記方法により感光層13Aを形成し、更に試料No.c202については多環化合物含有層を設けなかったこと以外は、試料No.114の光電変換素子10Aの製造と同様にして、試料No.202及びc202の光電変換素子10Aをそれぞれ製造した。
<光吸収剤溶液Cの調製>
メチルアミンの40質量%メタノール溶液(27.86mL)と、57質量%のヨウ化水素の水溶液(ヨウ化水素酸、30mL)を、フラスコ中、0℃で2時間攪拌した後、濃縮して、CHNHIの粗体を得た。得られたCHNHIの粗体をエタノールに溶解し、ジエチルエーテルで再結晶した。析出した結晶をろ取し、60℃で5時間減圧乾燥して、精製CHNHIを得た。次いで、精製CHNHIとPbIとSnIをモル比3:0.9:0.1として、DMF中、60℃で12時間攪拌混合した後、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シリンジフィルターでろ過して、40質量%の光吸収剤溶液Cを調製した。
<感光層13Aの形成>
調製した光吸収剤溶液Cを導電性支持体11上に成膜した多孔質層12上に、スピンコート法(2000rpmで60秒)により塗布(塗布温度:60℃)した後、塗布した光吸収剤溶液Cをホットプレートにより100℃で60分間乾燥して、CHNHPb0.9Sn0.1のペロブスカイト化合物からなる感光層13A(膜厚300nm(多孔質層12の膜厚250nmを含む))を設けた。
実施例2−3
[光電変換素子(試料No.203及びc203)の製造]
実施例1における試料No.114の光電変換素子10Aの製造において、光吸収剤溶液Aに代えて下記光吸収剤溶液Dを用いて下記方法により感光層13Aを形成し、更に試料No.c203については多環化合物含有層を設けなかったこと以外は、試料No.114の光電変換素子10Aの製造と同様にして、試料No.203及びc203の光電変換素子10Aをそれぞれ製造した。
<光吸収剤溶液Dの調製>
Formamidine HydroiodideとPbIとをモル比1:1として、DMF中、60℃で12時間攪拌混合した後、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シリンジフィルターでろ過して、40質量%の光吸収剤溶液Dを調製した。
<感光層13Aの形成>
調製した光吸収剤溶液Dを導電性支持体11上に成膜した多孔質層12上に、スピンコート法(2000rpmで60秒)により塗布(塗布温度:60℃)した後、塗布した光吸収剤溶液Dをホットプレートにより100℃で60分間乾燥して、FAPbIのペロブスカイト化合物からなる感光層13A(膜厚300nm(多孔質層12の膜厚250nmを含む))を設けた。
実施例2−4
[光電変換素子(試料No.204及びc204)の製造]
実施例1における試料No.114の光電変換素子10Aの製造において、光吸収剤溶液Aに代えて下記光吸収剤溶液Eを用いて下記方法により感光層13Aを形成し、更に試料No.c204については多環化合物含有層を設けなかったこと以外は、試料No.114の光電変換素子10Aの製造と同様にして、試料No.204及びc204の光電変換素子10Aをそれぞれ製造した。
<光吸収剤溶液Eの調製>
CHNHI、BuNHI(n−ブチルアンモニウムアイオダイド)、PbI及びSnIをモル比0.95:0.05:0.9:0.1として、DMF中、60℃で12時間攪拌混合した後、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シリンジフィルターでろ過して、40質量%の光吸収剤溶液Eを調製した。
BuNHIは、精製CHNHIと同様にして、合成した。
<感光層13Aの形成>
調製した光吸収剤溶液Eを導電性支持体11上に成膜した多孔質層12上に、スピンコート法(2000rpmで60秒)により塗布(塗布温度:60℃)した後、塗布した光吸収剤溶液Eをホットプレートにより100℃で60分間乾燥して、(CHNH0.95(BuNH0.05Pb0.9Sn0.1のペロブスカイト化合物からなる感光層13A(膜厚300nm(多孔質層12の膜厚250nmを含む))を設けた。
[光電変換素子の評価]
製造した各光電変換素子について、実施例1と同様にして、フィルファクター(FF)を測定して、評価した。
試料No.201の光電変換素子は、試料No.c201の光電変換素子のフィルファクター(FFc201)に対する相対値を算出して、評価した。試料No.202の光電変換素子は、試料No.c202の光電変換素子のフィルファクター(FFc202)に対する相対値を算出して、評価した。試料No.203の光電変換素子は、試料No.c203の光電変換素子のフィルファクター(FFc203)に対する相対値を算出して、評価した。試料No.204の光電変換素子は、試料No.c204の光電変換素子のフィルファクター(FFc204)に対する相対値を算出して、評価した。結果を表2の「FF」欄に示す。
Figure 2018195768
表2の結果から、ペロブスカイト化合物を光吸収剤として用いた光電変換素子が本発明で規定する多環化合物含有層を備えていると、ペロブスカイト化合物の種類によらずに、高いフィルファクターを示すことが分かる。
実施例3
実施例3(3−1〜3−4)においては、正孔輸送材料を変更した正孔輸送層を有する光電変換素子を製造して、その特性を評価した。
実施例3−1
[光電変換素子(試料No.301A、301B及びc301)の製造]
実施例1における試料No.101の光電変換素子10Aの製造において、多環化合物、上記正孔輸送溶液H1及び正孔輸送層の膜厚を、表3に示す多環化合物、下記正孔輸送溶液H2及び表3に示す膜厚に変更したこと以外は、試料No.101の光電変換素子10Aの製造と同様にして、試料No.301A、301B及びc301の光電変換素子10Aをそれぞれ製造した。
<正孔輸送材料溶液H2の調製>
正孔輸送材料としてのspiro−MeOTAD(180mg)をクロロベンゼン(1mL)に溶解した。このクロロベンゼン溶液に、リチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(170mg)をアセトニトリル(1mL)に溶解させたアセトニトリル溶液(37.5μL)と、t−ブチルピリジン(TBP、17.5μL)とを加えて混合し、正孔輸送層用溶液H2を調製した。この正孔輸送材料spiro−MeOTADは上記式(H−1)で表される正孔輸送材料であり、市販品(Merk社製)を用いた。
実施例3−2
[光電変換素子(試料No.302及びc302)の製造]
実施例1における試料No.114の光電変換素子10Aの製造において、上記正孔輸送溶液H1を下記正孔輸送溶液H3に変更し、更に試料No.c302については多環化合物含有層を設けなかったこと以外は、試料No.114の光電変換素子10Aの製造と同様にして、試料No.302及びc302の光電変換素子10Aをそれぞれ製造した。
<正孔輸送材料溶液H3の調製>
正孔輸送材料として下記に示すS2(20mg)をクロロホルム(1mL)に溶解して、正孔輸送層用溶液H3を調製した。この正孔輸送材料S2は上記式(H−8)で表される正孔輸送材料であり、市販品(SIGMA−ALDRICH社製)を用いた。
Figure 2018195768
実施例3−3
[光電変換素子(試料No.303及びc303)の製造]
実施例1における試料No.114の光電変換素子10Aの製造において、上記正孔輸送溶液H1を下記正孔輸送溶液H4に変更し、更に試料No.c303については多環化合物含有層を設けなかったこと以外は、試料No.114の光電変換素子10Aの製造と同様にして、試料No.303及びc303の光電変換素子10Aをそれぞれ製造した。
<正孔輸送材料溶液H4の調製>
正孔輸送材料として下記に示すS3(20mg)をクロロベンゼン(1mL)に溶解して、正孔輸送層用溶液H4を調製した。この正孔輸送材料S3は、上記式(H−5)で表される正孔輸送材料であり、Chem.Sci.,2017,8,734−741に記載の方法に従って合成した。
Figure 2018195768
実施例3−4
[光電変換素子(試料No.304及びc304)の製造]
実施例1における試料No.114の光電変換素子10Aの製造において、上記正孔輸送溶液H1を下記正孔輸送溶液H5に変更し、更に試料No.c304については多環化合物含有層を設けなかったこと以外は、試料No.114の光電変換素子10Aの製造と同様にして、試料No.304及びc304の光電変換素子10Aをそれぞれ製造した。
<正孔輸送材料溶液H5の調製>
正孔輸送材料として下記に示すS4(20mg)をクロロホルム(1mL)に溶解して、正孔輸送層用溶液H5を調製した。この正孔輸送材料S3は、上記式(H−11)で表される正孔輸送材料であり、J.Am.Chem.Soc.,2013,135,19087−19090に記載の方法に従って合成した。
Figure 2018195768
[光電変換素子の評価]
製造した各光電変換素子について、実施例1と同様にして、フィルファクター(FF)を測定して、評価した。
試料No.301A及び301Bの光電変換素子は、試料No.c301の光電変換素子のフィルファクター(FFc301)に対する相対値を算出して、評価した。試料No.302の光電変換素子は、試料No.c302の光電変換素子のフィルファクター(FFc302)に対する相対値を算出して、評価した。試料No.303の光電変換素子は、試料No.c303の光電変換素子のフィルファクター(FFc303)に対する相対値を算出して、評価した。試料No.304の光電変換素子は、試料No.c304の光電変換素子のフィルファクター(FFc304)に対する相対値を算出して、評価した。結果を表3の「FF」欄に示す。
Figure 2018195768
表3の結果から、ペロブスカイト化合物を光吸収剤として用いた光電変換素子が本発明で規定する多環化合物含有層を備えていると、正孔輸送材料の種類を変更しても、高いフィルファクターを示すことが分かる。
実施例4
以下に示す手順により、第二態様の層構造を有する、図5に示される光電変換素子10Eを製造して、その特性を評価した。
[光電変換素子(試料No.401)の製造]
<光電変換素子用組成物の調整>
上記の多環化合物a8(4.8mg、5mol)をクロロベンゼン(2mL)に溶解させ、不溶分をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シリンジフィルターでろ過して、光電変換素子用組成物A2を調製した。
<多環化合物含有層5Cの形成>
ITO基板(導電性基板11、透明電極11bの膜厚300nm)上に、光電変換素子用組成物A2を、スピンコート法(1000rpmで30秒)により塗布した。次いで、塗布した光電変換素子用組成物A2をホットプレートにより100℃で30分間乾燥した。こうして多環化合物含有層5C(膜厚は表4に示す。)を形成した。
<正孔輸送材料溶液H6の調製>
正孔輸送材料としての上記S1(10mg)をクロロホルム(1mL)に溶解して、正孔輸送層用溶液H6を調製した。
<正孔輸送層16の形成>
次いで、導電性基板11上に形成した多環化合物含有層5C上に、調製した正孔輸送層用溶液H6をスピンコート法により塗布、乾燥(100℃で10分間)して、固体状の正孔輸送層16(膜厚は表4に示す。)を成膜した。
<光吸収剤溶液Fの調製>
実施例1で得た精製CHNHIとPbIとをモル比1:1として、DMSO中、60℃で12時間攪拌混合した後、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シリンジフィルターでろ過して、40質量%の光吸収剤溶液Fを調製した。
<感光層13Cの形成>
調製した光吸収剤溶液Fを正孔輸送層16上に、スピンコート法(2000rpmで60秒)により塗布(塗布温度:20℃)した後、塗布した光吸収剤溶液Fをホットプレートにより100℃で60分間乾燥し、CHNHPbIのペロブスカイト化合物からなる感光層(膜厚200nm)13Cを設けた。
こうして第一電極1Eを作製した。
<電子輸輸送材料溶液E1の調製>
[6,6]−phenyl−C61−butyric acid methyl ester(PC61BM、20mg/mL)をクロロベンゼン(1mL)に溶解して、電子輸送材料溶液E1を調整した。
<電子輸送層4の形成>
次いで、感光層13C上に、調製した電子輸送層用溶液E1をスピンコート法により塗布、乾燥(120℃で30分間)して、固体状の電子輸送層4(膜厚100nm)を成膜した。
<第二電極2の作製>
電子輸送層4上に蒸着法によりアルミニウムを蒸着して、第二電極2(膜厚100nm)を作製した。
こうして、光電変換素子10E(試料No.401)を製造した。
[光電変換素子(試料No.c401)の製造]
上述した試料No.401の光電変換素子10Eの製造において、多環化合物含有層5Cを形成しないこと以外は、試料No.401の光電変換素子10Eの製造と同様にして、試料No.c401の光電変換素子10Eを製造した。
[光電変換素子の評価]
製造した各光電変換素子について、実施例1と同様にして、フィルファクター(FF)を測定して、評価した。評価は、試料No.c401の光電変換素子のフィルファクター(FFc401)に対する相対値を算出して、行った。その結果を表4の「FF」欄に示す。
Figure 2018195768
表4の結果から、ペロブスカイト化合物を光吸収剤として用いた光電変換素子が本発明で規定する多環化合物含有層を備えていると、その層構造が、正孔輸送層、多環化合物含有層及び感光層をこの順で設けた第2態様の層構造であっても、第一態様の層構造を有する実施例1〜3の光電変換素子と同様に、高いフィルファクターを示すことが分かる。
以上のように、本発明で規定する多環化合物含有層を備えた光電変換素子及び太陽電池は、感光層にペロブスカイト化合物を含有しながらも、高いフィルファクターを示す。また、本発明の光電変換素子の製造方法及び光電変換素子用組成物は、上述の優れた特性を有する本発明の光電変換素子及び太陽電池を好適に製造することができる。
1A〜1E 第一電極
11 導電性支持体
11a 支持体
11b 透明電極
12 多孔質層
13A〜13C 感光層
14 ブロッキング層
2 第二電極
3A、3B、16 正孔輸送層
4、15 電子輸送層
5A〜5C 多環化合物含有層
6 外部回路(リード)
10A〜10E 光電変換素子
100A〜100E 太陽電池を利用したシステム
M 電動モーター

Claims (12)

  1. 第一電極を形成する導電性支持体と前記第一電極に対向する第二電極との間に、前記導電性支持体側の多環化合物含有層と、前記多環化合物含有層の前記第二電極側に隣接する正孔輸送層と、前記多環化合物含有層又は前記正孔輸送層に隣接する感光層とを有する光電変換素子であって、
    前記多環化合物含有層が、下記式(BS−1)〜式(BS−9)のいずれかで表される部分構造を含む多環構造と、前記多環構造に結合した、下記群Gから選択される少なくとも2つの基又は塩とを有する多環化合物を含む光電変換素子。
    Figure 2018195768
    式中、YはCR又は窒素原子を示す。XはCR、SiR、NR、硫黄原子、セレン原子又は酸素原子を示す。R〜R及びRは水素原子又は置換基を示す。Mは金属原子又は金属酸化物を示す。但し、前記式(BS−8)及び式(BS−9)中のピロール由来の環が置換基を有する場合、置換基は互いに結合して環を形成することはない。
    [群G]−OR、−OYa、−SR、−SYa、−NR、−(NRYa、−COOR、−COOYa、−SO、−OSO、−SO Ya、−OSO Ya、−P(=O)(OR、−OP(=O)(OR、−P(=O)(OYa、−OP(=O)(OYa、−B(OR及び−B(OR Ya
    ここで、R、R及びRは水素原子又は置換基を示し、Yaは対塩を示す。
  2. 前記第一電極が前記導電性支持体上に前記感光層を有してなり、前記感光層の表面に前記多環化合物含有層と前記正孔輸送層とをこの順で有する請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記第一電極が、前記導電性支持体上に前記多環化合物含有層と前記正孔輸送層と前記感光層とをこの順で有する請求項1に記載の光電変換素子。
  4. 前記群Gから選択される基又は塩が、下記式(PG−1)〜式(PG−3)のいずれかで表される部分構造を形成して前記多環構造に結合している請求項1〜3のいずれか1項に記載の光電変換素子。
    Figure 2018195768
    式中、Ga〜Gcは前記基又は塩前記を示す。R〜R10は水素原子又は置換基を示す。naは1以上の整数である。環Zは、炭化水素環又は複素環を示す。*は前記多環構造との結合部位を示す。
  5. 前記基又は塩の少なくとも1つが、前記−NR又は前記−P(=O)(ORである請求項1〜4のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  6. 前記多環構造と、前記正孔輸送層中の正孔輸送材料が有する環構造とが共通する請求項1〜5のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  7. 前記多環化合物含有層が、1〜10nmの膜厚を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  8. 前記正孔輸送層が、10〜50nmの膜厚を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  9. 前記感光層が、周期表第1族元素又はカチオン性有機基のカチオン、周期表第1族元素以外の金属原子のカチオン、及び、アニオン性原子又は原子団のアニオンを含むペロブスカイト型結晶構造を有する化合物を含有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の光電変換素子を用いた太陽電池。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の光電変換素子を製造する方法であって、
    導電性支持体上に、多環化合物含有層を設ける工程と、前記多環化合物含有層の表面に正孔輸送層を設ける工程とを有する光電変換素子の製造方法。
  12. 下記式(BS−1)〜式(BS−9)のいずれかで表される部分構造を含む多環構造に、下記群G3から選択される少なくとも2つの基が結合した多環化合物と、非プロトン性溶媒とを含有する光電変換素子用組成物。
    Figure 2018195768
    式中、YはCR又は窒素原子を示す。XはCR、SiR、NR、硫黄原子、セレン原子又は酸素原子を示す。R〜R及びRは水素原子又は置換基を示す。Mは金属原子又は金属酸化物を示す。但し、前記式(BS−8)及び式(BS−9)中のピロール由来の環が置換基を有する場合、置換基は互いに結合して環を形成することはない。
    [群G3]−NR及び−P(=O)(OR
    ここで、R及びRは水素原子又は置換基を示す。
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