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JP2018195683A - 固体撮像素子 - Google Patents

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JP2018195683A
JP2018195683A JP2017097852A JP2017097852A JP2018195683A JP 2018195683 A JP2018195683 A JP 2018195683A JP 2017097852 A JP2017097852 A JP 2017097852A JP 2017097852 A JP2017097852 A JP 2017097852A JP 2018195683 A JP2018195683 A JP 2018195683A
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香里 櫻井
Kaori Sakurai
香里 櫻井
崇志 山本
Takashi Yamamoto
崇志 山本
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

【課題】量子効率が高く、光吸収性が良好であり、かつ広範な光強度において光応答速度が速い、固体撮像素子を提供する。【解決手段】入射光を光電変換する光電変換層と、前記光電変換層に対して正孔を輸送する正孔輸送層と、前記光電変換層に対して電子を輸送する電子輸送層と、一対の電極と、を含む光電変換素子を備える固体撮像素子であって、前記光電変換層、前記正孔輸送層、及び前記電子輸送層は、前記一対の電極の間に積層され、前記光電変換層は、三次元ペロブスカイト型の構造を有する材料を含む、固体撮像素子。【選択図】 図1

Description

本発明は、固体撮像素子に関する。
従来、半導体のイメージセンサである固体撮像素子として、シリコンなどの半導体基板上にフォトダイオードを2次元的に配列し、各フォトダイオードで発生した信号電荷を回路で読み出す平面型固体撮像素子が広く用いられている。
カラーの固体撮像素子を実現するには、平面型固体撮像素子の光入射面側に、特定の波長の光を透過するカラーフィルタを配した構造が一般的である。例えば、デジタルカメラなどに広く用いられている2次元的に配列した各フォトダイオード上に、青色(B)光、緑色(G)光及び赤色(R)光を透過するカラーフィルタを規則的に配した単板式固体撮像素子がよく知られている。
近年、更なるイメージセンサの発展に寄与する固体撮像素子の画素微細化が求められている。しかしながら、シリコンフォトダイオードは、信号読み出し部であるトランジスタ等が存在することに伴い、そのトランジスタ等に光が入らないよう、受光面積を狭める結果、感度が低下してしまうという課題がある。また、シリコンフォトダイオードは、長波長側の吸光感度が低いという欠点を補うために深さ方向の厚みが必要となり、その結果、深部まで届くよう光線の入射角が制限されて、光を効率良く利用することができず、画素を微細化することを妨げていた。さらに、近年、有機光電変換膜を信号読み出し用基板上に形成した構造を有する固体撮像素子の開発が進んでいる。このような有機光電変換膜を用いた固体撮像素子では、特に光電変換効率、応答速度の向上、及び暗電流の低減が課題とされている。
また、素子を種々の用途に応用するというニーズの中で、高温環境下(例えば90℃)に長時間置かれたとしても、固体撮像素子としての各種特性が維持されることも求められる場合がある。すなわち、固体撮像素子に対して、優れた耐熱性が求められる場合もある。
例えば、特許文献1では、応答性及び高温保存性に優れた光電変換素子の提供を意図して、導電性膜と、光電変換材料を含有する光電変換膜と、透明導電性膜とをこの順に備え、光電変換材料が、アミン部位と酸性核部位とがチオフェンを含む連結部位によって連結され、上記アミン部位と上記連結部位とが縮環した構造を有する所定の化合物(A)を含む光電変換素子、並びにその光電変換素子を含む撮像素子が提案されている。
特開2014−82483号公報
しかしながら、本発明者らが上記特許文献1に記載の撮像素子を始めとする従来の固体撮像素子について検討したところ、従来の固体撮像素子は、高い量子効率、良好な光吸収性、及び、広範な光強度における速い光応答速度という観点から、更に改善の余地があることを見出した。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、量子効率が高く、光吸収性が良好であり、かつ広範な光強度において光応答速度が速い、固体撮像素子を提供することを目的とある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、光電変換層に特定の物質を用いることで、量子効率が高くなり、光吸収性が良好となり、かつ広範な光強度において光応答速度が速くなることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の固体撮像素子は下記のとおりである。
[1]入射光を光電変換する光電変換層と、前記光電変換層に対して正孔を輸送する正孔輸送層と、前記光電変換層に対して電子を輸送する電子輸送層と、一対の電極と、を含む光電変換素子を備える固体撮像素子であって、前記光電変換層、前記正孔輸送層、及び前記電子輸送層は、前記一対の電極の間に積層され、前記光電変換層は、三次元ペロブスカイト型の構造を有する材料を含む、固体撮像素子。
[2]前記一対の電極のうち少なくとも一方を二次元状に複数配列することにより、複数の画素を構成する、[1]記載の固体撮像素子。
[3]一層の前記光電変換層に対して、前記一対の電極のうち一方を二次元状に複数配列することにより、複数の画素を構成する、[1]又は[2]に記載の固体撮像素子。
[4]前記一対の電極のうち一方の電極上にカラーフィルタを備える、[1]〜[3]のいずれか一つに記載の固体撮像素子。
本発明によれば、量子効率が高く、光吸収性が良好であり、かつ広範な光強度において光応答速度が速い、固体撮像素子を提供することができる。
本発明の固体撮像素子の一例を部分的に示す断面模式図である。 本発明の固体撮像素子の別の一例を部分的に示す断面模式図である。 本発明の固体撮像素子のさらに別の一例を部分的に示す断面模式図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明は下記本実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
(固体撮像素子)
本実施形態の固体撮像素子は、入射光を光電変換する光電変換層と、光電変換層に対して正孔を輸送する正孔輸送層と、光電変換層に対して電子を輸送する電子輸送層と、一対の電極とを含む光電変換素子を備える固体撮像素子であって、光電変換層、正孔輸送層、及び電子輸送層は、前記一対の電極の間に積層され、光電変換層は、三次元ペロブスカイト型の構造を有する材料を含むものである。固体撮像素子は、画像の光情報を電気信号に変換する素子である。本実施形態の固体撮像素子は、光電変換層が三次元ペロブスカイト型の構造を有する材料を含むことを主因として、量子効率を高くし、光吸収性を良好にし、かつ広範な光強度において光応答速度を速くすることができる。その要因は詳細には明らかにされてないが、本発明者らは下記のように考えている。ただし要因は下記のものに限定されない。
すなわち、ペロブスカイト型の構造を有する材料は、その結晶が化合物半導体としてバンドギャップ励起による強い光吸収を示すこと、及びペロブスカイト結晶中において光励起で生じる自由キャリアが安定(長寿命)でありかつキャリア移動距離が長いことにより、熱として失われる電圧損失の割合が小さいことが、特許文献1に記載のような従来の素子と比較して優れた特性につながったものと考えられる。特に本実施形態における三次元ペロブスカイト型の構造を有する材料は、光電変換膜の積層方向に直交する方向に連続した結晶構造を有することにより、層内でのキャリア移動の損失を抑制し、より優れた特性を示すものと考えられる。
図1は、本実施形態の固体撮像素子の一例を部分的に示す断面模式図である。図1に示す固体撮像素子100は、三次元ペロブスカイト型の構造を有する材料を含む光電変換層110と、その光電変換層110を挟むように積層される正孔輸送層120及び電子輸送層130と、それらを更に挟むように積層される透明電極140及び対向電極150とを備える。この固体撮像素子100は、光電変換層が三次元ペロブスカイト型の構造を有する材料を含むことを主因として、量子効率を高くし、光吸収性を良好にし、かつ広範な光強度において光応答速度を速くすることができる。以下、固体撮像素子100に備えられる各部材について詳細に説明する。
(光電変換層)
本実施形態に係る光電変換層は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する層である。この光電変換層は、三次元ペロブスカイト型の構造を有する材料を含むものであれば特に限定されない。この材料は、いわゆる層状(二次元)のペロブスカイト型構造を有するものとは区別される。二次元のペロブスカイト型構造を有する材料は、その構造において、あるカチオンの層と別のカチオンの層とが交互に積層した構造の自己組織的な構造を有する。一方、三次元ペロブスカイト型の構造を有する材料は、2種類のカチオンの層が明確に区別されずに存在する。
三次元ペロブスカイト型の構造を有する材料としては、特に限定されないが、本発明による作用効果をより有効かつ確実に奏する観点から、ハライド系ペロブスカイト化合物が好ましい。ハライド系ペロブスカイト化合物は光吸収剤として機能すると共に、強誘電体として自己誘電して電荷分離が起きるため、単独で光電変換層としての特性を示す。
ハライド系ペロブスカイト化合物とは、アニオンとしてハロゲン化物イオンを有し、かつカチオンとして少なくとも2種類のカチオンを有するペロブスカイト化合物をいう。ペロブスカイトの基本的構造形態は、ABX3構造であり、頂点共有BX6八面体の三次元ネットワークを有する。ABX3構造におけるB成分は、Xアニオンの八面体配位をとることができる金属カチオンである。Aカチオンは、BX6八面体間の12の配位孔に位置する。Aを適切なカチオンとすることにより、三次元ペロブスカイト型の構造を有する材料が形成される。
本実施形態に係るハライド系ペロブスカイト化合物は、下記式(1)で表される化合物である。
RM13 (1)
ここで、式(1)中、Rは、上記式(1)で表される化合物が三次元ペロブスカイト型の構造を有するような1価のカチオンを示し、M1は2価の金属イオンを示し、Xは、フッ化物イオン(F-)、塩化物イオン(Cl-)、臭化物イオン(Br-)及びヨウ化物イオン(I-)からなる群より選ばれる1種以上を示す。
Rは、本発明による作用効果をより有効かつ確実に奏する観点から、CH3NH3 +、NH2CH=NH2 +、Cs+及びRb+からなる群より選ばれる1種又は2種以上であると好ましく、CH3NH3 +、NH2CH=NH2 +、Cs+、Rb+、CH3NH3 +とNH2CH=NH2 +との組み合わせ、CH3NH3 +とCs+との組み合わせ、NH2CH=NH2 +とCs+との組み合わせ、CH3NH3 +とNH2CH=NH2 +とCs+との組み合わせ、CH3NH3 +とRb+との組み合わせ、NH2CH=NH2 +とRb+との組み合わせ、又はCH3NH3 +とNH2CH=NH2 +とRb+との組み合わせであるとより好ましい。
本実施形態に係るハライド系ペロブスカイト化合物における構造は、頂点を共有する金属ハロゲン化物八面体の層を有する。陽イオン性有機層からの正の電荷と平衡をとるため、陰イオン性金属ハロゲン化物層(例えば、M13 -,M14 2-)におけるM1は、通常2価の金属イオンである。
本実施形態に係るハライド系ペロブスカイト化合物の陰イオン性金属ハロゲン化物層を構成する金属イオン(M1)としては、例えば、Cu2+、Ni2+、Mn2+、Fe2+、Co2+、Pd2+、Ge2+、Sn2+、Pb2+、Bi2+及びEu2+が挙げられる。これらの中では、本発明による作用効果をより有効かつ確実に奏する観点から、Pb2+、Sn2+及びBi2+が好ましく、Pb2+がより好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
本実施形態に係るハライド系ペロブスカイト化合物の陰イオン性金属ハロゲン化物層を構成するハロゲン化物イオンとしては、上述のとおり、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン及びヨウ化物イオンが挙げられ、これらの中では、本発明による作用効果をより有効かつ確実に奏する観点から、臭化物イオン及びヨウ化物イオンが好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
本実施形態に係るハライド系ペロブスカイト化合物の具体例としては、MAPbX3、FAPbX3、(FAPbX3y(MAPbX31-y及びCsx(MA0.17FA0.831-xPb(X1 0.832 0.173が挙げられる。ここで、「MA」はCH3NH3 +を示し、「FA」はNH2CH=NH2 +を示し、X、X1及びX2はフッ化物イオン(F-)、塩化物イオン(Cl-)、臭化物イオン(Br-)及びヨウ化物イオン(I-)からなる群より選ばれる1種以上を示し、X1及びX2は互いに異なるものである。より具体的には、MAPbI3、MAPbBr3、FAPbI3、(FAPbI30.95(MAPbBr30.05及びCsx(MA0.17FA0.831-xPb(I0.83Br0.173が挙げられる。
光電変換層の厚さは、特に限定されないが、本発明による作用効果をより有効かつ確実に奏する観点から、1nm以上1000nm以下であると好ましく、100nm以上700nm以下であるとより好ましく、200nm以上600nm以下であると更に好ましい。
本実施形態に係る光電変換層は、固体撮像素子が獲得できる光情報量の多さ及び光量の多さの観点から、可視光域に加えてより赤外波長域の光を吸収できることが望ましい。すなわち、光吸収波長の長波長側の吸収端波長が800nm以上であることが好ましく、900nm以上であることがより好ましく、1000nm以上であることが更に好ましい。
光吸収波長の長波長側の吸収端は、上述の光電変換層に含まれる各イオンの組成及びその組成比を適宜変更することにより、上記の範囲に制御することが可能となる。
光電変換層の形成方法は特に限定されないが、三次元ペロブスカイト型の構造を有する材料がハライド系ペロブスカイト化合物である場合、その化合物を、前駆体溶液を用いた自己組織化反応により合成することができる。この場合の光電変換層は、ハライド系ペロブスカイト化合物を有機溶剤に溶解した後、グラビア塗布法、バー塗布法、スクリーン印刷法、スプレー法、スピンコーティング法、ディップ法及びダイコート法等の塗布方法によって形成できる。また、真空蒸着法により被膜を形成することも可能である。
ハライド系ペロブスカイト化合物の溶液を調製するための溶剤としては、その化合物を溶解できるものであれば特に限定されない。そのような溶剤としては、例えば、エステル類(例、メチルホルメート、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテート、ペンチルアセテート等)、ケトン類(例、γ−ブチロラクトン、Nメチル−2−ピロリドン、アセトン、ジメチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール等)、アルコール類(例、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、メトキシプロパノール、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノール、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール等)、グリコールエーテル(セロソルブ)類(例、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル等)、アミド系溶剤(例、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、ニトリル系溶剤(例、アセトニトリル、イソブチロニトリル、プロピオニトリル、メトキシアセトニトリル等)、カーボート系剤(例、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等)、ハロゲン化炭化水素(例、塩化メチレン、ジクロロメタン、クロロホルム等)、炭化水素(例、n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、及びジメチルスルホキシドが挙げられる。これらの溶剤に用いられる化合物は、分岐構造若しくは環状構造を有していてもよい。また、溶剤に用いられる化合物は、エステル類、ケトン類、エーテル類及びアルコール類の官能基(すなわち、−O−、−CO−、−COO−及び−OH)のいずれかを2つ以上有していてもよい。エステル類、ケトン類、エーテル類及びアルコール類の炭化水素部分における水素原子は、ハロゲン原子(特に、フッ素原子)で置換されていてもよい。
(正孔輸送層)
本実施形態の固体撮像素子は、光電変換層で発生した電荷(正孔)を透明電極により効率的に輸送することができるよう、光電変換層と透明電極との間に正孔輸送層を有する。正孔輸送層としては、固体撮像素子などの光電変換素子における正孔輸送層として知られているものであれば特に限定されず、例えば、ポリアニリン及びそのドープ材料、国際公開第2006/019270号に記載のシアン化合物が挙げられる。より具体的には、例えば、セレン、ヨウ化銅(CuI)等のヨウ化物、層状コバルト酸化物等のコバルト錯体、CuSCN、酸化モリブデン(MoO3等)、酸化ニッケル(NiO等)、4CuBr・3S(C49)及び有機正孔輸送材が挙げられる。これらのうち、ヨウ化物としては、例えば、ヨウ化銅(CuI)が挙げられる。層状コバルト酸化物としては、例えば、AxCoO2(ここで、Aは、Li、Na、K、Ca、Sr又はBaを示し、0≦X≦1である)が挙げられる。また、有機正孔輸送材としては、例えば、ポリ−3−ヘキシルチオフェン(P3HT)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、(PEDOT;例えば、スタルクヴイテック社製の商品名「BaytronP」)等のポリチオフェン誘導体、2,2’,7,7’−テトラキス−(N,N−ジ−p−メトキシフェニルアミン)−9,9’−スピロビフルオレン(spiro-MeO-TAD)等のフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、ジフェニルアミン誘導体、ポリシラン誘導体、及びポリアニリン誘導体が挙げられる。さらには、CuInSe2及び硫化銅(CuS)等の1価の銅を有する化合物半導体、リン化ガリウム(GaP)、酸化ニッケル(NiO)、酸化コバルト(CoO)、酸化鉄(FeO)、酸化ビスマス(Bi23)、酸化モリブデン(MoO2)、及び酸化クロム(Cr23)が挙げられる。
また、正孔輸送層が、光電変換層における三次元ペロブスカイト型の構造を有する材料のLUMO準位よりも浅いLUMO準位を有するものであると、光電変換層で生成した電子の透明電極側への移動を抑制する整流効果を有する、電子ブロック機能が付与されるので好ましい。このような正孔輸送層は電子ブロック層とも呼ばれる。電子ブロック層を構成する材料のうち、低分子の有機化合物としては、例えば、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)及び4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)等の芳香族ジアミン化合物、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、テトラヒドロイミダゾール、ポリアリールアルカン、ブタジエン、4,4’,4”トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、ポルフィリン、テトラフェニルポルフィリン銅、フタロシアニン、銅フタロシアニン及びチタニウムフタロシアニンオキサイド等のポルフィリン化合物、トリアゾール誘導体、オキサジザゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、並びにシラザン誘導体が挙げられる。また、高分子の有機化合物としては、例えば、フェニレンビニレン、フルオレン、カルバゾール、インドール、ピレン、ピロール、ピコリン、チオフェン、アセチレン及びジアセチレン等の重合体や、その誘導体が挙げられる。電子供与性化合物でなくとも、十分な正孔輸送性を有する化合物であれば用いることは可能である。さらに、無機化合物としては、例えば、酸化カルシウム、酸化クロム、酸化クロム銅、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅、酸化ガリウム銅、酸化ストロンチウム銅、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化インジウム銅、酸化インジウム銀及び酸化イリジウム等の金属酸化物、セレン、テルル及び硫化アンチモンが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
正孔輸送層の厚さは、暗電流を抑制し、かつ、光電変換効率の低下を防止する観点から、10nm以上300nm以下であると好ましく、30nm以上250nm以下であるとより好ましく、50nm以上200nm以下であると更に好ましい。
正孔輸送層を形成する方法としては従来知られているものであってもよく、真空蒸着法のような乾式成膜法、及び溶液塗布法のような湿式成膜法のいずれであってもよいが、塗布面をレベリングできる観点から、好ましくは湿式成膜法である。乾式製膜法としては、例えば、真空蒸着法のような蒸着法及びスパッタ法が挙げられる。蒸着は、物理蒸着(PVD)及び化学蒸着(CVD)のいずれでもよいが、真空蒸着等の物理蒸着が好ましい。湿式製膜法としては、例えば、インクジェット法、スプレー法、ノズルプリント法、スピンコート法、ディップコート法、キャスト法、ダイコート法、ロールコート法、バーコート法及びグラビアコート法が挙げられる。
(電子輸送層)
本実施形態の固体撮像素子は、光電変換層で発生した電荷(電子)を対向電極により効率的に輸送することができるよう、光電変換層と対向電極との間に電子輸送層を有する。電子輸送層としては、固体撮像素子などの光電変換素子における電子輸送層として知られているものであれば特に限定されず、例えばオクタアザポルフィリン、及びp型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)、フラーレン、フラーレン誘導体(例えば[6,6]-Phenyl−C61−Butyric Acid Methyl Ester;PCBMなど)、ペリレン、インデノインデン及びインデノインデン誘導体のような有機化合物、酸化チタン(TiO2等)、酸化ニッケル(NiO)、酸化スズ(SnO2)、酸化タングステン(WO2、WO3、W23等)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb25等)、酸化タンタル(Ta25等)、酸化イットリウム(Y23等)、及びチタン酸ストロンチウム(SrTiO3等)のような無機酸化物が挙げられる。電子輸送層は、多孔質のものであってもよく、緻密なものであってもよく、それらを積層する場合は、光電変換層の側から多孔質の電子輸送層及び緻密な電子輸送層の順に積層して設けられると好ましい。
また、電子輸送層が、光電変換層における三次元ペロブスカイト型の構造を有する材料のHOMO準位よりも深いHOMO準位を有するものであると、光電変換層で生成した正孔の対向電極側への移動を抑制する整流効果を有する、正孔ブロック機能が付与されるので好ましい。このような電子輸送層は正孔ブロック層とも呼ばれる。正孔ブロック層を構成する材料としては、例えば、1,3−ビス(4−tert−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジアゾリル)フェニレン(OXD−7)等のオキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、バソクプロイン、バソフェナントロリン、及びこれらの誘導体、トリアゾール化合物、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体、ビス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、シロール化合物、ポルフィリン系化合物、DCM(4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(4−(ジメチルアミノスチリル))−4Hピラン)等のスチリル系化合物、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等のn型半導体材料、酸化チタン、酸化亜鉛及び酸化ガリウム等のn型無機酸化物、並びに、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム及びフッ化セシウム等のアルカリ金属フッ化物が挙げられる。さらには、アルカリ金属化合物に有機半導体分子をドープしたものも、対向電極との電気的接合を改善する機能を有するので好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
電子輸送層の厚さは、暗電流を抑制し、かつ、光電変換効率の低下を防止する観点から、10nm以上300nm以下であると好ましく、30nm以上250nm以下であるとより好ましく、50nm以上200nm以下であると更に好ましい。
電子輸送層を形成する方法としては従来知られているものであってもよく、真空蒸着法のような乾式成膜法、及び溶液塗布法のような湿式成膜法のいずれであってもよいが、塗布面をレベリングできる観点から、好ましくは湿式成膜法である。乾式製膜法としては、例えば、真空蒸着法のような蒸着法及びスパッタ法が挙げられる。蒸着は、物理蒸着(PVD)及び化学蒸着(CVD)のいずれでもよいが、真空蒸着等の物理蒸着が好ましい。湿式製膜法としては、例えば、インクジェット法、スプレー法、ノズルプリント法、スピンコート法、ディップコート法、キャスト法、ダイコート法、ロールコート法、バーコート法及びグラビアコート法が挙げられる。
(透明電極)
透明電極は、そこから固体撮像素子内に光が入射されるため、検知したい光に対し十分に透明であることが必要である。透明電極に用いる材料として具体的には、アンチモン又はフッ素等をドープした酸化スズ(ATO、FTO)、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)、及び酸化亜鉛インジウム(IZO)等の透明導電性金属酸化物、金、銀、クロム及びニッケル等の金属薄膜、更にこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物若しくは積層物、ヨウ化銅及び硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン及びポリピロールなどの有機導電性材料、並びにこれらとITOとの積層物が挙げられる。これらの中では、高い導電性と高い透明性とをよりバランス良く両立する観点から、透明導電性金属酸化物が好ましい。
透明電極の厚さは、特に限定されないが、リーク電流をより抑制し、抵抗値の増大をより防止し、透過率をより高める観点から、5nm以上100nm以下であると好ましく、5nm以上20nm以下であるとより好ましい。
透明電極を形成する方法は特に限定されず、電極材料との適性を考慮して適宜選択することができる。透明電極の形成方法として、具体的には、印刷方式及びコーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法及びイオンプレーティング法等の物理的方式、CVD及びプラズマCVD法等の化学的方式が挙げられる。また、電極の材料がITOのような透明導電性金属酸化物である場合は、その形成方法として、例えば、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、化学反応法(ゾル−ゲル法など)、及びその金属酸化物の分散物を塗布する方法が挙げられる。さらに、ITOのような透明導電性金属酸化物の膜に、UV−オゾン処理及びプラズマ処理などを施すこともできる。
(対向電極)
対向電極は、透明性を有しても、透明性を有せずに光を反射させるようなものであってもよい。対向電極に用いる材料として具体的には、アンチモン又はフッ素等をドープした酸化スズ(ATO、FTO)、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)及び酸化亜鉛インジウム(IZO)等の透明導電性金属酸化物、金、銀、クロム、ニッケル、チタン、タングステン及びアルミニウム等の金属及びこれらの金属の酸化物及び窒化物などの導電性化合物(例えば窒化チタン(TiN))、更にこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物若しくは積層物、ヨウ化銅及び硫化銅などの無機導電性物質、並びに、ポリアニリン、ポリチオフェン及びポリピロールなどの有機導電性材料、及び、これらとITO若しくは窒化チタンとの積層物が挙げられる。
対向電極の厚さは、特に限定されないが、対向電極を形成する際の基材となる層をより十分に被覆することにより全体的に一層均一な性能を得る観点、及び対向電極と透明電極が局所的に短絡して暗電流が上昇することを防止する観点から、5nm以上30nm以下であると好ましい。
対向電極を形成する方法は特に限定されず、電極材料との適性を考慮して適宜選択することができる。対向電極の形成方法として、具体的には、印刷方式及びコーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法及びイオンプレーティング法等の物理的方式、CVD及びプラズマCVD法等の化学的方式が挙げられる。また、電極の材料がITOのような透明導電性金属酸化物である場合は、その形成方法として、例えば、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、化学反応法(ゾル−ゲル法など)、及びその金属酸化物の分散物を塗布する方法が挙げられる。さらに、ITOのような透明導電性金属酸化物の膜に、UV−オゾン処理及びプラズマ処理などを施すこともできる。
図2は、本実施形態の固体撮像素子の別の一例を部分的に示す断面模式図である。図2に示す固体撮像素子200は、三次元ペロブスカイト型の構造を有する材料を含む光電変換層210と、その光電変換層210を挟むように積層される正孔輸送層220及び電子輸送層230と、それらを更に挟むように積層される透明電極240及び対向電極250とを備える。固体撮像素子200は、さらに、透明電極240上にカラーフィルタ260を備えると共に、透明電極240とカラーフィルタ260との間に封止層280を備え、カラーフィルタ260及び封止層280上に保護層285を備え、保護層285上のカラーフィルタ260の各々に対応する位置にマイクロレンズ265を備える。また、固体撮像素子200は、対向電極250及び電子輸送層230の下側に絶縁層295及び基板275をこの順に備え、基板275内に読み出し回路270を備え、その読み出し回路270と対向電極250とを接続する接続部290を備える。カラーフィルタ260としては、例えば、青色光を透過するカラーフィルタ260b、赤色光を透過するカラーフィルタ260r、及び緑色光を透過するカラーフィルタ260gが挙げられる。また、対向電極250は、各々のカラーフィルタ260b、260r及び260gに対応するように、それらのカラーフィルタの下方に設けられる。
図2に示す固体撮像素子200は、図1に示す固体撮像素子100による作用効果の他、カラーフィルタ260を備えるので、所望の色彩の画像や映像をより容易に得ることが可能となる。
また、固体撮像素子200は、マイクロレンズ265を備えるので、より良好に集光をすることができる。さらに、固体撮像素子200は、保護層285を備えるので、固体撮像素子全体が保護され、絶縁層295を備えるので、複数の対向電極間の短絡を防止できる。カラーフィルタ260、マイクロレンズ265、保護層285及び絶縁層295としては特に限定されず、従来知られているものを用いることができる。
光電変換層210、正孔輸送層220、電子輸送層230、透明電極240及び対向電極250としては、図1に示す固体撮像素子100における光電変換層110、正孔輸送層120、電子輸送層130、透明電極140及び対向電極150と同様のものを用いることができるので、ここでは詳細な説明を省略する。
(封止層)
本実施形態の固体撮像素子は、さらに封止層を含んでいてもよい。光電変換層における三次元ペロブスカイト型の構造を有する材料は、水分子や大気などの劣化因子の存在で顕著にその性能が劣化してしまう場合がある。そこで、水分子や大気の透過を抑制するために、緻密な金属酸化物、金属窒化物及び金属窒化酸化物などのセラミックスやダイヤモンド状炭素(DLC)などの材料からなる封止層を、好ましくは光電変換層全体を被覆するように設けることで、上記の劣化をより有効かつ確実に防止することができる。封止層は、例えば、特開2011−082508号公報の段落[0210]乃至[0215]の記載に従って、その材料を選択したり、形成したりすることができる。
(基板)
本実施形態の固体撮像素子は、さらに基板を含んでいてもよい。基板は、その上に各層を積層して固体撮像素子を製造するために用いられたり、固体撮像素子の機械的強度を高めるために用いられたりする。基板の種類は特に制限されず、例えば、半導体基板、ガラス基板及びプラスチック基板が挙げられる。
(読み出し回路及び接続部)
読み出し回路は、光電変換層で発生した電荷に応じた信号を読み出すために設けられる。読み出し回路は、例えばCCD、CMOS回路、又はTFT回路等で構成されており、好ましくは絶縁層内に配置された図示しない遮光層によって遮光されている。読み出し回路は、それに対応する透明電極又は対向電極と接続部を介して電気的に接続されている。接続部は、絶縁層に埋設されており、透明電極又は対向電極と読み出し回路とを電気的に接続するためのプラグ等である。このように構成された固体撮像素子では、光が入射すると、この光が光電変換層に入射し、ここで電荷が発生する。発生した電荷のうちの電子は、対向電極で捕集され、その量に応じた電圧信号が読み出し回路によって固体撮像素子外部に出力される。
図2に示す固体撮像素子200は、従来のシリコンフォトダイオードを用いたものと比較して、読み出し回路270等を受光面側とは反対側に設けるので、受光面積を広くすることができる。また、深さ方向の厚さが必要ないので、光線の入射角が制限されず、その結果、光を効率良く利用することができ、画素の更なる微細化が可能となる。
図3は、本実施形態の固体撮像素子のさらに別の一例を部分的に示す断面模式図である。図3に示す固体撮像素子300は、三次元ペロブスカイト型の構造を有する材料を含む光電変換層310と、その光電変換層を挟むように積層される正孔輸送層320及び電子輸送層330と、正孔輸送層上に積層される透明電極340と、電子輸送層の下側に積層される対向電極350とを備える。固体撮像素子300は、さらに、透明電極340上にカラーフィルタ360を備えると共に、透明電極340とカラーフィルタ360との間に封止層380を備え、カラーフィルタ360及び封止層380上に保護層385を備える。また、固体撮像素子300は、対向電極350及び電子輸送層330の下側に絶縁層395及び基板375をこの順に備え、基板375内に読み出し回路370を備え、その読み出し回路370と対向電極350とを接続する接続部390を備える。カラーフィルタ360としては、例えば、青色光を透過するカラーフィルタ360b、赤色光を透過するカラーフィルタ360r、及び緑色光を透過するカラーフィルタ360gであり、カラーフィルタ360は固体撮像素子300における各層の積層方向とは直交する方向に二次元状に複数配列される。また、対向電極350は、各々のカラーフィルタ360に対応するように設けられるので、カラーフィルタ360と同様に、上記積層方向とは直交する方向に二次元状に複数配列される。さらに、各対向電極350間には可視光を遮断するための遮光膜355が形成されている。
遮光膜355はアクリル樹脂のようなブラックレジスト材からなるものであってもよく、互いに屈折率が異なる複数の材料を積層して形成されたものであってもよく、例えば、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との積層構造及びシリコン酸化膜と酸化チタン膜との積層構造であってもよい。
図3に示す固体撮像素子300は、図1及び2に示す固体撮像素子100,200による作用効果の他、カラーフィルタ360及び対向電極350を二次元状に複数配列して、より具体的にはマトリックス状に備える。これにより、各々のカラーフィルタ360及び対向電極350が存在する領域で1つの光電変換素子として作用し、その1つの光電変換素子が1つの画素を構成する。よって、固体撮像素子300は、複数の画素を構成する。その結果、各々の光電変換素子(画素)において、光信号を電気信号に変換し、その電気信号を画素毎に逐次撮像素子外部に出力することができる。
以上、本実施形態の固体撮像素子について詳細に説明したが、本発明は上記本実施形態に限定されるものではない。本発明の固体撮像素子は、本発明の目的の達成を阻害しない範囲で、上記以外の点で従来の固体撮像素子が有する構成を有していてもよい。例えば、上記では絶縁層を介して下部電極及び基板が積層され、絶縁層に接続部、基板に読み出し回路が埋め込まれたように構成されているが、絶縁層が省略されて、下部電極の下層に直接基板が設けられ、その基板に接続部と読み出し回路の両方が埋め込まれていてもよい。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
下記のようにして、図1に示すのと同様の構成を備える固体撮像素子を作製した。まず25mm×25mmの寸法を有するフッ素ドープ酸化スズ透明導電性ガラス(Aldrich製、製品名「735159−EA」、以下、「FTOガラス」と表記する。)を2M塩酸水溶液と亜鉛粉末とを用いてエッチングした。エッチング後のFTOガラスに対して、エタノール、アセトン及びイソプロピルアルコールの順に5分間ずつ超音波洗浄を行い、エアダスターで乾燥し、5分間UVオゾン洗浄を行い、透明電極としてのFTOガラスを得た。
また、75質量%のチタンジイソプロポキシドビス(アセチルアセトナート)のイソプロピルアルコール溶液(Aldrich製)を更にブタノールで希釈した溶液(0.4M)を、FTOガラスにスピンコートにより塗布した。次いで、溶液を塗布したFTOガラスを130℃のホットプレートで5分間、加熱した。その加熱後のFTOガラスを電気炉に移し、更に500℃で15分間加熱した後、電気炉から取り出し、放冷した。上記塗布から放冷までの操作を4回繰り返した。次いで、純水40mLとTiCl4水溶液1.5mLから調製したTiCl4水溶液に放冷後の基板を浸漬し、70℃のオーブンで15分間加熱した。こうして、FTOガラス上に電子輸送層である酸化チタンからなる層を形成した積層体を得た。オーブンから取り出した積層体を純水で洗浄した後、窒素ブローにて乾燥し、グローブボックス(Arガス雰囲気下)の中に移した。
次に、PbCl2(和光純薬製)490mgとヨウ化メチルアンモニウム840mgとの混合物にジメチルホルムアミド2.0mLを加え、100℃に加熱してスピンコート用溶液を得た。この溶液を、グローブボックス内の積層体における酸化チタンからなる層にスピンコートにより塗布し、さらにスピンコートの途中でクロロベンゼンを基板に滴下した。スピンコート後の積層体を100℃のホットプレートで2時間加熱した。こうして、酸化チタンからなる層上に光電変換層であるMAPbI3からなる層を形成した積層体を得た。
次いで、ポリ−3−ヘキシルチオフェン(P3HT、Aldrich製)15mgにクロロベンゼン1mLを加え、100℃に加熱してスピンコート用溶液を得た。この溶液を、上記積層体におけるMAPbI3からなる層にスピンコートにより塗布した。こうして、MAPbI3からなる層上に正孔輸送層であるポリ−3−ヘキシルチオフェンからなる層を形成した積層体を得た。
次に、上記積層体をグローブボックスから取り出し、蒸着装置を用いて、上記積層体におけるポリ−3−ヘキシルチオフェンからなる層に銀を100nm蒸着した。こうして、ポリ−3−ヘキシルチオフェンからなる層上に対向電極である銀からなる層を形成した積層体を得た。さらに、その積層体をグローブボックス内に入れ、ガラス(イソプロパノールに浸漬して超音波洗浄した後、更にUVオゾン洗浄を施したもの)とUV硬化樹脂(モレスコ製の製品名「モイスチャーカットWB90US−HV」)とを用いて積層体の封止を行い、固体撮像素子を得た。
上述のようにして得られた固体撮像素子における各層の厚さをSEM観察により測定した結果、電子輸送層の厚さは180nm、光電変換層の厚さは400nm、正孔輸送層の厚さは170nmであった。
(比較例1)
従来のシリコンフォトダイオードとして、SHARP製の製品名「BS−520」(アモルファスシリコン)を準備した。
(光電変換効率の評価)
温度25℃の環境下で、固体撮像素子に対して、分光分布:AM1.5、放射照度:1000W/m2の条件にて太陽光を照射し、出力特性としてのI−V曲線を作成した。測定装置は、ソーラーシミュレーターとして分光計器(株)製の製品名「OTENTO−SUN V」、計測装置としてケースレ社製のI−V測定システムである製品名「IV−2400」(ソースメーター)を用いた。そのI−V曲線に基づいて、下記式により光電変換効率を求めた。実施例1の固体撮像素子での光電変換効率を1とした場合の相対評価とし、0.9を超える場合を「A」、0.8を超え、0.9以下である場合を「B」、0.7を超え0.8以下である場合を「C」、0.7以下である場合を「D]と評価した。その結果、比較例1の固体撮像素子について、光電変換効率の評価はBであった。
η=Pmax÷(E×A)×100
ここで、ηは光電変換効率(%)、Pmaxは最適動作点での出力(W)、Eは放射照度(W/m2)、Aは受光面積(m2)を示す。
(量子効率の評価)
固体撮像素子における光電変換層に毎秒吸収された光子に対して何個の電子を発生させるかの比率(%)として表される量子効率を測定した。測定装置として、分光計器(株)製の分光感度測定装置である製品名「CEP−2000MLQR」を用いた。量子効率は、青色の波長(460nm付近)、緑色の波長(520nm付近)及び赤色の波長(680nm付近)で求めた。実施例1の固体撮像素子での量子効率を1とした場合の相対評価とし、0.9以上のものを「A」、0.8以上0.9未満である場合を「B」、0.7以上0.8未満である場合を「C」、0.7未満である場合を「D]と評価した。その結果、比較例1の固体撮像素子について、量子効率の評価は、青色の波長でB、緑色の波長でB、赤色の波長でDであった。
(光吸収係数の測定)
固体撮像素子における光電変換層について、青色の波長(460nm付近)、緑色の波長(520nm付近)及び赤色の波長(680nm付近)の光を吸収した際の光吸収係数を求めた。測定装置は、UV−Vis−NIR測定装置である(株)島津製作所製の製品名「SolidSpec−3700」を用いた。実施例1の固体撮像素子での光吸収係数は、青色、緑色及び赤色のいずれの波長においても高いものであった。
(光応答速度の評価)
固体撮像素子における光電変換層について応答性を確認した。光電変換層にパルス周期でレーザー光(波長639nm、強度は10mW及び30mWの2種類)を照射し、その時の光電流をオシロスコープで測定して、10%から90%の信号強度までの立ち上がり時間を求めた。実施例1の固体撮像素子の立ち上がり時間を1としたときの相対値が1.5未満のものを「A」、1.5以上2.0未満のものを「B」、2.0以上3.0未満のものを「C」、3.0以上のものを「D」とした。その結果、比較例1の固体撮像素子について、応答性の評価は、10mWのレーザー光強度でA、30mWのレーザー光強度でCであった。
本発明の固体撮像素子は、量子効率が高く、光吸収性が良好であり、かつ広範な光強度において光応答速度が速いものである。したがって、それらの特性が要求される分野において、本発明の固体撮像素子は産業上の利用可能性がある。具体的には、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話用カメラ、内視鏡用カメラのような医療用カメラ、車載用カメラ、上記以外のモバイル機器用カメラ、ゲーム機用カメラ及び産業用カメラにおける撮像素子;ファクシミリ、スキャナー及びコピー機等における画像読み取り素子;並びに、バイオ及び化学センサ等における光センサとして、利用可能性がある。
100、200、300…固体撮像素子、110、210、310…光電変換層、120、220、320…正孔輸送層、130、230、330…電子輸送層、140、240、340…透明電極、150、250、350…対向電極。

Claims (4)

  1. 入射光を光電変換する光電変換層と、
    前記光電変換層に対して正孔を輸送する正孔輸送層と、
    前記光電変換層に対して電子を輸送する電子輸送層と、
    一対の電極と、を含む光電変換素子を備える固体撮像素子であって、
    前記光電変換層、前記正孔輸送層、及び前記電子輸送層は、前記一対の電極の間に積層され、
    前記光電変換層は、三次元ペロブスカイト型の構造を有する材料を含む、
    固体撮像素子。
  2. 前記一対の電極のうち少なくとも一方を二次元状に複数配列することにより、複数の画素を構成する、請求項1記載の固体撮像素子。
  3. 一層の前記光電変換層に対して、前記一対の電極のうち一方を二次元状に複数配列することにより、複数の画素を構成する、請求項1又は2に記載の固体撮像素子。
  4. 前記一対の電極のうち一方の電極上にカラーフィルタを備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の固体撮像素子。
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