以下、実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
〔基板処理システム〕
基板処理システム1は、基板に対し、感光性被膜の形成、当該感光性被膜の露光、及び当該感光性被膜の現像を施すシステムである。処理対象の基板は、例えば半導体のウェハWである。感光性被膜は、例えばレジスト膜である。
基板処理システム1は、塗布・現像装置2と露光装置3とを備える。露光装置3は、ウェハW上に形成されたレジスト膜の露光処理を行う。具体的には、液浸露光等の方法によりレジスト膜の露光対象部分にエネルギー線を照射する。塗布・現像装置2は、露光装置3による露光処理の前に、ウェハWの表面にレジスト膜を形成する処理を行い、露光処理後にレジスト膜の現像処理を行う。
(塗布・現像装置)
以下、基板処理装置の一例として、塗布・現像装置2の構成を説明する。図1〜図3に示すように、塗布・現像装置2は、キャリアブロック4と、処理ブロック5と、インタフェースブロック6と、コントローラ100とを備える。
キャリアブロック4は、塗布・現像装置2内へのウェハWの導入及び塗布・現像装置2内からのウェハWの導出を行う。例えばキャリアブロック4は、ウェハW用の複数のキャリア11を支持可能であり、受け渡しアームA1を内蔵している。キャリア11は、例えば円形の複数枚のウェハWを収容する。受け渡しアームA1は、キャリア11からウェハWを取り出して処理ブロック5に渡し、処理ブロック5からウェハWを受け取ってキャリア11内に戻す。
処理ブロック5は、複数の処理モジュール14,15,16,17を有する。図2及び図3に示すように、処理モジュール14,15,16,17は、複数の液処理ユニットU1と、複数の熱処理ユニットU2と、これらのユニットにウェハWを搬送する搬送アームA3とを内蔵している。処理モジュール17は、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2を経ずにウェハWを搬送する直接搬送アームA6を更に内蔵している。液処理ユニットU1は、処理液をウェハWの表面に塗布する。熱処理ユニットU2は、例えば熱板及び冷却板を内蔵しており、熱板によりウェハWを加熱し、加熱後のウェハWを冷却板により冷却して熱処理を行う。
処理モジュール14は、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2によりウェハWの表面上に下層膜を形成する。処理モジュール14の液処理ユニットU1は、下層膜形成用の処理液をウェハW上に塗布する。処理モジュール14の熱処理ユニットU2は、下層膜の形成に伴う各種熱処理を行う。
処理モジュール15は、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2により下層膜上にレジスト膜を形成する。処理モジュール15の液処理ユニットU1は、レジスト膜形成用の処理液(塗布液)を下層膜の上に塗布する。処理モジュール15の熱処理ユニットU2は、レジスト膜の形成に伴う各種熱処理を行う。処理モジュール15の液処理ユニットU1についての詳細は後述する。
処理モジュール16は、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2によりレジスト膜上に上層膜を形成する。処理モジュール16の液処理ユニットU1は、上層膜形成用の処理液をレジスト膜の上に塗布する。処理モジュール16の熱処理ユニットU2は、上層膜の形成に伴う各種熱処理を行う。
処理モジュール17は、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2により、露光後のレジスト膜の現像処理を行う。処理モジュール17の液処理ユニットU1は、露光済みのウェハWの表面上に現像用の処理液(現像液)を塗布した後、これを洗浄用の処理液(リンス液)により洗い流すことで、レジスト膜の現像処理を行う。処理モジュール17の熱処理ユニットU2は、現像処理に伴う各種熱処理を行う。熱処理の具体例としては、現像処理前の加熱処理(PEB:Post Exposure Bake)、現像処理後の加熱処理(PB:Post Bake)等が挙げられる。
処理ブロック5内におけるキャリアブロック4側には棚ユニットU10が設けられている。棚ユニットU10は、上下方向に並ぶ複数のセルに区画されている。棚ユニットU10の近傍には昇降アームA7が設けられている。昇降アームA7は、棚ユニットU10のセル同士の間でウェハWを昇降させる。処理ブロック5内におけるインタフェースブロック6側には棚ユニットU11が設けられている。棚ユニットU11は、上下方向に並ぶ複数のセルに区画されている。
インタフェースブロック6は、露光装置3との間でウェハWの受け渡しを行う。例えばインタフェースブロック6は、受け渡しアームA8を内蔵しており、露光装置3に接続される。受け渡しアームA8は、棚ユニットU11に配置されたウェハWを露光装置3に渡し、露光装置3からウェハWを受け取って棚ユニットU11に戻す。
コントローラ100は、例えば以下の手順で塗布・現像処理を実行するように塗布・現像装置2を制御する。
まずコントローラ100は、キャリア11内のウェハWを棚ユニットU10に搬送するように受け渡しアームA1を制御し、このウェハWを処理モジュール14用のセルに配置するように昇降アームA7を制御する。
次にコントローラ100は、棚ユニットU10のウェハWを処理モジュール14内の液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2に搬送するように搬送アームA3を制御し、このウェハWの表面上に下層膜を形成するように液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2を制御する。その後コントローラ100は、下層膜が形成されたウェハWを棚ユニットU10に戻すように搬送アームA3を制御し、このウェハWを処理モジュール15用のセルに配置するように昇降アームA7を制御する。
次にコントローラ100は、棚ユニットU10のウェハWを処理モジュール15内の液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2に搬送するように搬送アームA3を制御し、このウェハWの下層膜上にレジスト膜を形成するように液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2を制御する。その後コントローラ100は、ウェハWを棚ユニットU10に戻すように搬送アームA3を制御し、このウェハWを処理モジュール16用のセルに配置するように昇降アームA7を制御する。
次にコントローラ100は、棚ユニットU10のウェハWを処理モジュール16内の各ユニットに搬送するように搬送アームA3を制御し、このウェハWのレジスト膜上に上層膜を形成するように液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2を制御する。その後コントローラ100は、ウェハWを棚ユニットU10に戻すように搬送アームA3を制御し、このウェハWを処理モジュール17用のセルに配置するように昇降アームA7を制御する。
次にコントローラ100は、棚ユニットU10のウェハWを棚ユニットU11に搬送するように直接搬送アームA6を制御し、このウェハWを露光装置3に送り出すように受け渡しアームA8を制御する。その後コントローラ100は、露光処理が施されたウェハWを露光装置3から受け入れて棚ユニットU11に戻すように受け渡しアームA8を制御する。
次にコントローラ100は、棚ユニットU11のウェハWを処理モジュール17内の各ユニットに搬送するように搬送アームA3を制御し、このウェハWのレジスト膜に現像処理を施すように液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2を制御する。その後コントローラ100は、ウェハWを棚ユニットU10に戻すように搬送アームA3を制御し、このウェハWをキャリア11内に戻すように昇降アームA7及び受け渡しアームA1を制御する。以上で塗布・現像処理が完了する。
なお、基板処理装置の具体的な構成は、以上に例示した塗布・現像装置2の構成に限られない。基板処理装置は、被膜形成用の液処理ユニットU1(処理モジュール14,15,16の液処理ユニットU1)と、これを制御可能なコントローラ100とを備えていればどのようなものであってもよい。
〔熱処理ユニット〕
続いて、処理モジュール15の熱処理ユニットU2について詳細に説明する。図4に示すように、熱処理ユニットU2は、筐体90と、加熱機構30と、温度調整機構50と、開閉機構70(図7(a),(b)及び図8参照)と、コントローラ100(制御部)とを有する。
筐体90は、加熱機構30及び温度調整機構50を収容する処理容器である。筐体90の側壁にはウェハWの搬入口91が開口されている。また、筐体90内には、筐体90内をウェハWの移動領域である上方領域と、下方領域とに区画する床板92が設けられている。
加熱機構30は、ウェハWを加熱処理する構成である。加熱機構30は、支持台31と、天板部32と、昇降機構33と、加熱プレート34と、支持ピン35と、昇降機構36と、排気ダクト37と、を有する。
支持台31は、中央部分に凹部が形成された円筒形状を呈する部材である。支持台31は、加熱プレート34を支持する。天板部32は、支持台31と同程度の直径の円板状の部材である。天板部32は、例えば筐体90の天井部分に支持された状態で、支持台31と隙間を介して対向する。天板部32の上部には排気ダクト37が接続されている。排気ダクト37は、チャンバ内の排気を行う。
昇降機構33は、コントローラ100の制御に応じて天板部32を昇降させる構成である。昇降機構33によって天板部32が上昇させられることにより、ウェハWの加熱処理を行う空間であるチャンバが開かれた状態となり、天板部32が下降させられることにより、チャンバが閉じられた状態となる。
加熱プレート34は、支持台31の凹部に嵌合されると共に、ウェハWを載置し該ウェハWを加熱する。加熱プレート34は、ウェハWを加熱処理するためのヒータを有している。当該ヒータは例えば抵抗発熱体から構成されている。
支持ピン35は、支持台31及び加熱プレート34を貫通するように延びウェハWを下方から支持する部材である。支持ピン35は、上下方向に昇降することにより、ウェハWを所定の位置に配置する。支持ピン35は、ウェハWを搬送する温度調整プレート51との間でウェハWの、受け渡しを行う構成である。支持ピン35は、例えば周方向等間隔に3本設けられている。昇降機構36は、コントローラ100の制御に応じて支持ピン35を昇降させる構成である。
温度調整機構50は、加熱プレート34と外部の搬送アームA3(図3及び図6(a),(b)参照)との間でウェハWを受け渡す(搬送する)と共に、ウェハWの温度を所定温度に調整する構成である。温度調整機構50は、温度調整プレート51と、連結ブラケット52とを有する。
温度調整プレート51は、載置されたウェハWの温度調整を行うプレートであり、詳細には、加熱プレート34により加熱されたウェハWを載置し該ウェハWを所定温度に冷却するプレートである。本実施形態では、温度調整プレート51は、略円盤状に形成されている。温度調整プレート51は、例えば熱伝導率の高い、アルミ、銀、又は銅等の金属によって構成されており、熱による変形を防止する観点等から同一の材料で構成されることが好ましい。温度調整プレート51の内部には、冷却水及び(又は)冷却気体を流通させるための冷却流路(不図示)が形成されている。
また、図5に示されるように、温度調整プレート51の周縁部には、複数の切欠き部51a(切欠き)が形成されている。切欠き部51aは、温度調整プレート51の周方向に沿って略等間隔となる位置に4つ形成されている。切欠き部51aは、温度調整プレート51を厚さ方向に貫通するように形成されている。各切欠き部51aの形状及び位置は、後述する搬送アームA3の突片Az(図6(b)参照)が上下方向に通過可能となるような、形状及び位置とされている。更に、温度調整プレート51には、周縁部から中心方向に向かって2つのガイド溝51d,51d(切欠き)が形成されている。当該2つのガイド溝51d,51dは互いに略平行に延びている。ガイド溝51dは、温度調整プレート51を厚さ方向に貫通するように形成された溝部である。ガイド溝51dは、温度調整プレート51から加熱プレート34にウェハWが受け渡される際に、加熱プレート34の支持ピン35が通過するためのガイド溝(すなわち、支持ピン35の逃げ部)である。
連結ブラケット52は、温度調整プレート51に連結されると共に、コントローラ100によって制御される駆動機構53によって駆動させられ、筐体90内を移動する。より詳細には、連結ブラケット52は、筐体90の搬入口91から加熱機構30の近傍にまで延びるガイドレール(不図示)に沿って移動可能とされている。連結ブラケット52がガイドレール(不図示)に沿って移動することにより、温度調整プレート51が搬入口91から加熱機構30まで移動可能となっている。連結ブラケット52は、例えば熱伝導率の高い、アルミ、銀、又は銅等の金属によって構成されている。
ここで、上述した温度調整プレート51にウェハWを受け渡す搬送アームA3の構成について、図6(a)及び(b)を参照して説明する。なお、図6(a)及び(b)は、搬送アームA3の構成のうち、温度調整プレート51とのウェハWの受け渡しの説明において必要となる構成のみを示している。図6(a)及び(b)に示されるように、搬送アームA3は、平面視略C字状のフォークAxと、フォークAxを支持する基体Ayとを有する。フォークAxの内周の大きさは温度調整プレート51の直径よりもやや大きく形成されている(図6(a)参照)。また、フォークAxの内周には、内側に張り出した突片Azが設けられている。突片Azは、フォークAxの内周面に沿って略等間隔となる位置に4つ形成されている。突片Azは、ウェハWを保持する部分である(図6(b)参照)。そして、フォークAxは、例えば昇降機構(不図示)によって基体Ayを介して昇降自在に構成されている。搬送アームA3から温度調整プレート51にウェハWが受け渡される際には、ウェハWを保持したフォークAxが搬入口91から筐体90内に進入し、フォークAxが図6(a)に示されるように温度調整プレート51に対して上方から覆いかぶさるように下降する。上述したように、温度調整プレート51の切欠き部51aの形状及び位置は突片Azの形状及び位置に対応しているので、フォークAxが温度調整プレート51に覆いかぶさることにより、ウェハWを温度調整プレート51に残して(受け渡して)フォークAxが温度調整プレート51の下方側に通過する。以上のようにして、搬送アームA3から温度調整プレート51へのウェハWの受け渡しが行われる。
開閉機構70は、図7(a),(b)及び図8に示されるように、開閉プレート71,72(開閉部)と、駆動機構73(駆動部)とを有する。
開閉プレート71は、図7(a)及び(b)に示されるように、温度調整プレート51上に(すなわち、温度調整プレート51の上面と接するように)設けられている。開閉プレート71は、温度調整プレート51の切欠き部51a(図7(b)参照)を開閉可能に構成された部材である。切欠き部51aを開閉可能とは、切欠き部51aが開放された状態と、切欠き部51aが閉じられた状態とを切り替え可能であることをいう。切欠き部51aが開放された状態とは、図7(b)に示されるように、切欠き部51a上に開閉プレート71が設けられていない(平面視において、切欠き部51aの領域と開閉プレート71の領域とが重複していない)状態をいう。切欠き部51aが閉じられた状態とは、図7(a)に示されるように、切欠き部51a上に開閉プレート71が設けられている(平面視において、切欠き部51aの領域と開閉プレート71の領域とが重複している)状態をいう。開閉プレート71は、4つの切欠き部51aに1対1で対応するように、4つ設けられている。開閉プレート71は、温度調整プレート51の移動に追従して切欠き部51aを開閉する(詳細は後述)。また、開閉プレート71は、切欠き部51aの開閉状態に関わらず、温度調整プレート51に追従して移動するように設けられている。
開閉プレート71は、切欠き部51aを閉じることにより、切欠き部51aに対応する領域と、温度調整プレート51における切欠き部51aの周囲の領域との間で熱を伝導させるように構成されている。すなわち、開閉プレート71は、温度調整プレート51における切欠き部51aの周囲の領域に接しているため、切欠き部51aを閉じた状態において、切欠き部51a及びその上方(ウェハWと対向する側)の領域に、切欠き部51aの周囲の領域の熱を伝導させることができる。
開閉プレート72は、図7(a)及び(b)に示されるように、温度調整プレート51上に(すなわち、温度調整プレート51と接するように)設けられている。開閉プレート72は、温度調整プレート51のガイド溝51dを開閉可能に構成された部材である。ガイド溝51dを開閉可能とは、ガイド溝51dが開放された状態と、ガイド溝51dが閉じられた状態とを切り替え可能であることをいう。ガイド溝51dが開放された状態とは、図7(b)に示されるように、ガイド溝51d上に開閉プレート72が設けられていない(平面視において、ガイド溝51dの領域と開閉プレート72の領域とが重複していない)状態をいう。ガイド溝51dが閉じられた状態とは、図7(a)に示されるように、ガイド溝51d上に開閉プレート72が設けられている(平面視において、ガイド溝51dの領域と開閉プレート72の領域とが重複している)状態をいう。開閉プレート72は、2つのガイド溝51dに1対1で対応するように、2つ設けられている。開閉プレート72は、温度調整プレート51の移動に追従してガイド溝51dを開閉する。また、開閉プレート72は、ガイド溝51dの開閉状態に関わらず、温度調整プレート51に追従して移動するように設けられている。
開閉プレート72は、ガイド溝51dを閉じることにより、ガイド溝51dに対応する領域と、温度調整プレート51におけるガイド溝51dの周囲の領域との間で熱を伝導させるように構成されている。すなわち、開閉プレート72は、温度調整プレート51におけるガイド溝51dの周囲の領域に接しているため、ガイド溝51dを閉じた状態において、ガイド溝51d及びその上方(ウェハWと対向する側)の領域に、ガイド溝51dの周囲の領域の熱を伝導させることができる。
開閉プレート71,72は、少なくとも空気よりも熱伝導率の高い部材で構成されており、例えば温度調整プレート51と同じか、温度調整プレート51よりも熱伝導率の高い部材で構成されている。具体的には、開閉プレート71,72は、例えばアルミ、銀、又は銅等の金属によって構成されている。
駆動機構73は、コントローラ100の制御に応じて、開閉プレート71,72を駆動させる構成である。駆動機構73は、温度調整プレート51に設けられている。駆動機構73の構成の一例について、図8及び図9(a),(b)を参照して説明する。
図8及び図9(a),(b)は、切欠き部51aを開閉する開閉プレート71を駆動させる駆動機構73の一例を示している。図8に示されるように、駆動機構73は、エアシリンダーであり、より詳細には、エアの切り替えにより回転方向を変化させるロータリーシリンダーである。駆動機構73は、温度調整プレート51の厚さ方向に伸びる回転軸73aと、該回転軸を内部に収容した円筒状の円筒部73bと、円筒部73bの下端に設けられたエアの入口である流入ポート73c,73dと、配管81,82を介して流入ポート73c,73dにエアを供給するエア供給源73eと、を有する。エア供給源73eは、コントローラ100の制御に応じて、配管81又は配管82の一方に(すなわち、流入ポート73c,73dの一方に)エアを供給する。駆動機構73では、円筒部73bに対していずれの流入ポート73c,73dからエアが流入したかに応じて、回転軸73aの回転方向が変化するように設定されている。そして、回転軸73aには開閉プレート71が接続されており、開閉プレート71は、回転軸73aと共に回転可能とされている。なお、温度調整プレート51には、開閉プレート71が回転する領域を確保すべく、開閉プレート71が設けられる領域に凹部が形成されていてもよい。
例えば、駆動機構73においては、流入ポート73cからエアが流入した場合に、図9(a)に示されるように、平面視で時計回りに回転軸73aが回転するように、予め設定される。これにより、例えば、切欠き部51aに対して反時計回り側で隣り合っていた開閉プレート71を、回転軸73a回りに時計回りに回転させて、切欠き部51aを閉じる位置に移動させることができる(図9(a)参照)。また、駆動機構73においては、例えば、流入ポート73dからエアが流入した場合に、図9(b)に示されるように、平面視で反時計回りに回転軸73aが回転するように、予め設定される。これにより、例えば、切欠き部51aを閉じていた開閉プレート71を、回転軸73a回りに反時計回りに回転させて、切欠き部51aを開放する位置に移動させることができる(図9(b)参照)。
なお、駆動機構73の一例として、開閉プレート71を駆動させる構成について説明したが、開閉プレート72を駆動させる構成についても、同様の構成により実現可能である。また、駆動機構73の構成は、上述したロータリーシリンダーの構成に限定されず、開閉プレート71を回転、スライド等、駆動させる各種のアクチュエータを用いた構成を採用することができる。
コントローラ100は、温度調整プレート51の移動に応じて開閉プレート71による切欠き部51aの開閉(又は、開閉プレート72によるガイド溝51dの開閉)が行われるように、駆動機構73を制御する。
コントローラ100は、温度調整プレート51にウェハWが受け渡しされる際に、開閉プレート71によって切欠き部51aが開放されるように(又は、開閉プレート72によってガイド溝51dが開放されるように)、駆動機構73を制御することと、ウェハWの受け渡し後におけるウェハWの温度調整期間の少なくとも一部において、開閉プレート71によって切欠き部51aが閉じられるように(又は、開閉プレート72によってガイド溝51dが閉じられるように)、駆動機構73を制御することと、を実行するように構成されている。
コントローラ100は、温度調整期間後、温度調整プレート51からウェハWが離間した後に、開閉プレート71によって切欠き部51aが閉じられるように(又は、開閉プレート72によってガイド溝51dが閉じられるように)、駆動機構73を制御すること、を更に実行するように構成されている。
図4に示すように、コントローラ100は、機能モジュールとして、チャンバ開閉制御部101と、支持ピン昇降制御部102と、プレート移動制御部103と、開放制御部104と、閉鎖制御部105とを有する。
チャンバ開閉制御部101は、天板部32の昇降によってチャンバが開閉するように、昇降機構33を制御する。
支持ピン昇降制御部102は、支持ピン35の昇降によって温度調整プレート51と支持ピン35との間でウェハWの受け渡しが行われるように、昇降機構36を制御する。
プレート移動制御部103は、温度調整プレート51が筐体90内を移動するように、駆動機構53を制御する。
開放制御部104は、温度調整プレート51の移動に応じて開閉プレート71によって切欠き部51aが開放されるように(又は、開閉プレート72によってガイド溝51dが開放されるように)、駆動機構73を制御する。開放制御部104は、温度調整プレート51にウェハWが受け渡しされる際に、開閉プレート71によって切欠き部51aが開放されるように(又は、開閉プレート72によってガイド溝51dが開放されるように)、駆動機構73を制御する。
具体的には、開放制御部104は、プレート移動制御部103によって温度調整プレート51が加熱機構30方向に移動するタイミングを、加熱プレート34から温度調整プレート51にウェハWが受け渡しされる処理の開始タイミングであると判定し、開閉プレート72によってガイド溝51dが開放されるように駆動機構73を制御する。なお、当該タイミングは、例えば加熱機構30による熱処理が終了するタイミングである。また、開放制御部104は、プレート移動制御部103によって温度調整プレート51が搬送アームA3方向に移動するタイミングを、搬送アームA3から温度調整プレート51にウェハWが受け渡しされる処理の開始タイミングであると判定し、開閉プレート71によって切欠き部51aが開放されるように駆動機構73を制御する。
開放制御部104は、図8に示されるように、配管82を介して流入ポート73dからエアが供給されるように、エア供給源73eを制御する。これにより、図9(b)に示されるように、切欠き部51aを閉じていた開閉プレート71が回転軸73a回りに反時計回りに回転し、切欠き部51aが開放される。
閉鎖制御部105は、温度調整プレート51の移動に応じて開閉プレート71によって切欠き部51aが閉じられるように(又は、開閉プレート72によってガイド溝51dが閉じられるように)駆動機構73を制御する。閉鎖制御部105は、ウェハWの引き受け後におけるウェハWの温度調整期間において、開閉プレート71,72によって切欠き部51a及びガイド溝51dが閉じられるように駆動機構73を制御する。具体的には、閉鎖制御部105は、プレート移動制御部103によって温度調整プレート51が加熱機構30から離れるタイミングを、温度調整期間の開始タイミングであると判定し、開閉プレート71,72によって切欠き部51a及びガイド溝51dが閉じられるように駆動機構73を制御する。
また、閉鎖制御部105は、温度調整期間後、温度調整プレート51からウェハWが離間した後(すなわち、温度調整プレート51から搬送アームA3にウェハWが受け渡しされた後)に、開閉プレート71,72によって切欠き部51a及びガイド溝51dが閉じられるように駆動機構73を制御する。具体的には、閉鎖制御部105は、プレート移動制御部103によって温度調整プレート51が搬送アームA3方向に移動し所定の時間が経過した際に、温度調整プレート51から搬送アームA3へのウェハWの受け渡しが完了した(ウェハWが離間した)と判定し、開閉プレート71,72によって切欠き部51a及びガイド溝51dが閉じられるように駆動機構73を制御する。
開放制御部104は、図8に示されるように、配管81を介して流入ポート73cからエアが供給されるように、エア供給源73eを制御する。これにより、図9(a)に示されるように、開閉プレート71が回転軸73a回りに時計回りに回転し、切欠き部51aが閉じられる。
コントローラ100は、一つ又は複数の制御用コンピュータにより構成される。例えばコントローラ100は、図10に示す回路120を有する。回路120は、一つ又は複数のプロセッサ121と、メモリ122と、ストレージ123と、入出力ポート124と、タイマー125とを有する。
入出力ポート124は、昇降機構33、昇降機構36、駆動機構53、及び駆動機構73との間で電気信号の入出力を行う。タイマー125は、例えば一定周期の基準パルスをカウントすることで経過時間を計測する。ストレージ123は、例えばハードディスク等、コンピュータによって読み取り可能な記録媒体を有する。記録媒体は、後述の基板処理手順を実行させるためのプログラムを記録している。記録媒体は、不揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク及び光ディスク等の取り出し可能な媒体であってもよい。メモリ122は、ストレージ123の記録媒体からロードしたプログラム及びプロセッサ121による演算結果を一時的に記録する。プロセッサ121は、メモリ122と協働して上記プログラムを実行することで、上述した各機能モジュールを構成する。
なお、コントローラ100のハードウェア構成は、必ずしもプログラムにより各機能モジュールを構成するものに限られない。例えばコントローラ100の各機能モジュールは、専用の論理回路又はこれを集積したASIC(Application Specific Integrated Circuit)により構成されていてもよい。
〔基板処理手順〕
次に、基板処理方法の一例として、コントローラ100の制御に応じて熱処理ユニットU2が実行する基板処理手順を、図11を参照して説明する。図11に示す基板処理のシーケンスは、加熱プレート34におけるウェハWの加熱処理(熱処理)が実行されている状態から開始している。所定の加熱時間が経過すると、時刻t1において、チャンバ開閉制御部101が昇降機構33を制御することにより、天板部32が上昇しチャンバが開かれる(チャンバーUP)。更に、時刻t2において、支持ピン昇降制御部102が昇降機構36を制御することにより、支持ピン35が上昇し(支持ピンUP)、ウェハWが支持ピン35によって支持される。
そして、時刻t3において、プレート移動制御部103の制御により温度調整プレート51が加熱機構30方向に向かって移動を開始し、開放制御部104が、開閉プレート72によってガイド溝51dが開放されるように駆動機構73を制御する(開閉プレートOFF)。時刻t3までの処理で、熱処理が完了する。
そして、加熱機構30に到達した温度調整プレート51は、時刻t4においてチャンバ内に進入する(温度調整プレートIN)。チャンバ内においては、加熱プレート34から温度調整プレート51にウェハWが受け渡しされる。受け渡しの際には、ガイド溝51dが開放されているため、当該ガイド溝51dに支持ピン35を逃がす(支持ピン35を通過させる)ことが可能となっている。
ウェハWの受け渡しが完了すると、時刻t5において、支持ピン昇降制御部102が昇降機構36を制御することにより、支持ピン35が下降する(支持ピンDOWN)。そして、プレート移動制御部103の制御により温度調整プレート51がチャンバ外部に向かって移動を開始し、時刻t6において、温度調整プレート51がチャンバ外に出る(温度調整プレートOUT)。当該時刻t6においては、閉鎖制御部105が温度調整期間の開始のタイミングと判断し、開閉プレート71,72によって切欠き部51a及びガイド溝51dが閉じられるように駆動機構73を制御する。そして、時刻t7において、チャンバ開閉制御部101が昇降機構33を制御することにより、天板部32が下降しチャンバが閉じられ(チャンバーDOWN)、温度調整プレート51によるウェハWの温度調整(冷却)が開始される。
温度調整プレート51による冷却が行われている時刻t8において、プレート移動制御部103の制御により温度調整プレート51が搬送アームA3方向に向かって移動を開始し、開放制御部104が、開閉プレート71によって切欠き部51aが開放されるように駆動機構73を制御する(開閉プレートOFF)。時刻t8までの処理で、冷却処理が完了する。
そして、時刻t9において搬送アームA3が搬入口91に進入し(搬送アームIN)、温度調整プレート51から搬送アームA3にウェハWが受け渡し(払い出し)される。受け渡しの際には、切欠き部51aが開放されているため、当該切欠き部51aに突片Azを逃がす(突片Azを通過させる)ことが可能となっている。ウェハWの受け渡しが完了すると、時刻t10において、搬送アームA3が搬入口91から退出する(搬送アームOUT)。
搬送アームA3の退出後、時刻t11において、閉鎖制御部105が、開閉プレート71,72によって切欠き部51a及びガイド溝51dが閉じられるように駆動機構73を制御する(開閉プレートON)。所定時間が経過すると、時刻t12において、新たなウェハWの受け渡しをすべく、開放制御部104が、開閉プレート71によって切欠き部51aが開放されるように駆動機構73を制御する(開閉プレートOFF)。
そして、時刻t13において、新たなウェハWを保持した搬送アームA3が搬入口91に進入し(搬送アームIN)、搬送アームA3から温度調整プレート51にウェハWが受け渡しされる。受け渡しの際には、切欠き部51aが開放されているため、当該切欠き部51aに突片Azを逃がす(突片Azを通過させる)ことが可能となっている。ウェハWの受け渡しが完了すると、時刻t14において、搬送アームA3が搬入口91から退出し(搬送アームOUT)、当該新たなウェハWの熱処理が開始される。以上が、基板処理手順の一例である。
〔作用効果〕
熱処理ユニットU2は、載置されたウェハWの温度調整を行う、切欠き部51a,ガイド溝51dが形成された温度調整プレート51と、切欠き部51a,ガイド溝51dを開閉可能に構成された開閉プレート71,72と、を備え、開閉プレート71,72は、切欠き部51a,ガイド溝51dを閉じることにより、切欠き部51a,ガイド溝51dに対応する領域と、温度調整プレート51における切欠き部51a,ガイド溝51dの周囲の領域との間で熱を伝導させるように構成されている。
図12(a)に示すように、温度調整プレート51における切欠き部51a(ウェハW受け渡しのための切欠き)は、外気との連通部分となっており、エアが対流するので、温度調整プレート51における切欠き部51aの周囲の領域と比べて熱伝導率が低くなってしまう。このことにより、温度調整プレート51において面内温度の均一性が悪化するおそれがある。
この点、熱処理ユニットU2では、図12(b)に示すように、開閉プレート71によって切欠き部51aが閉じられることにより、切欠き部51aに対応する領域に、温度調整プレート51における切欠き部51aの周囲の領域の熱が伝導される。このことで、温度調整プレート51の水平面上(ウェハWに対向する面状)における温度分布を均一化することができる。
図13は、比較例と比べた本実施形態の効果を説明するグラフである。図13において、実線は温度調整プレートの温度(各領域の平均温度)を示している(図13中の左軸)。一点鎖線は、開閉プレート71を設けず切欠きが常に開放された比較例に係る温度調整プレートの温度の標準偏差(各領域毎のばらつき)を示している(図13中の右軸)。破線は、本実施形態に係る温度調整プレート51の温度の標準偏差を示している。図13に示す、時刻:63secにおいて、ウェハWの冷却が開始されたとする。ウェハWの冷却が開始された後、実線で示すように、温度調整プレートの温度は徐々に低下する。比較例に係る温度調整プレートにおいては、過渡状態にて、各領域の温度のばらつきが大きいことが確認できる。この点、比較例の温度調整プレートと比較すると、本実施形態に係る温度調整プレート51では、過渡状態において、各領域の温度のばらつきを小さく抑えることができている。すなわち、比較例の温度調整プレートと比較して、本実施形態に係る温度調整プレートでは面内温度の均一性を向上させることができている。
また、開閉プレート71,72が切欠き部51a,ガイド溝51dを開閉可能に構成されていることにより、ウェハWの受け渡し時等、切欠き部51a,ガイド溝51dが開放されている必要がある場合には、切欠き部51a,ガイド溝51dを開放することができる。以上より、熱処理ユニットU2によれば、ウェハWの搬送を確実に実施しながら、温度調整の過渡状態における温度調整プレート51の面内温度の均一性を改善することができる。
上記熱処理ユニットU2は、開閉プレート71,72を駆動させる駆動機構73と、温度調整プレート51の移動に応じて開閉プレート71,72による切欠き部51a,ガイド溝51dの開閉が行われるように駆動機構73を制御するコントローラ100とを備えている。このように、温度調整プレート51の移動に追従して切欠き部51a,ガイド溝51dの開閉が行われることにより、例えば温度調整プレート51が移動してウェハWを受け渡すタイミングで切欠き部51a,ガイド溝51dを開放し、ウェハWの受け渡しが完了した後に切欠き部51a,ガイド溝51dを閉じる、等の、温度調整プレート51の動きに応じた切欠き部51a,ガイド溝51dの開閉が可能となる。
上記熱処理ユニットU2は、開閉プレート71が、切欠き部51aの開閉状態に関わらず、温度調整プレート51に追従して移動するように設けられている。これにより、温度調整プレート51に形成された切欠き部51aの開閉を簡易且つ確実に行うことができる。
駆動機構73は、温度調整プレート51に設けられている。温度調整プレート51に、開閉プレート71,72を駆動させる駆動機構73が設けられていることにより、切欠き部51a,ガイド溝51dが閉じられた状態と開放された状態とを、容易且つ確実に切り替えることができる。
コントローラ100は、温度調整プレート51にウェハWが受け渡しされる際に、開閉プレート71によって切欠き部51aが開放されるように(又は、開閉プレート72によってガイド溝51dが開放されるように)、駆動機構73を制御することと、ウェハWの受け渡し後におけるウェハWの温度調整期間の少なくとも一部において、開閉プレート71によって切欠き部51aが閉じられるように(又は、開閉プレート72によってガイド溝51dが閉じられるように)、駆動機構73を制御することと、を実行するように構成されている。これにより、ウェハWが受け渡しされる際には切欠きが開放され、ウェハWの温度調整を行う際には切欠きが閉じられることとなり、ウェハWの受け渡しを確実に実現しながら、温度調整の過渡状態における面内温度の均一性を改善することができる。
コントローラ100は、温度調整期間後、温度調整プレート51からウェハWが離間した後に、開閉プレート71によって切欠き部51aが閉じられるように(又は、開閉プレート72によってガイド溝51dが閉じられるように)、駆動機構73を制御すること、を更に実行するように構成されている。このように、温度調整期間以外であって切欠きを開放する必要がない期間(温度調整プレート51からウェハWが離間した後)において切欠きが閉じられることにより、当該期間において、温度調整プレート51の面内温度の均一性を向上させることができる。このことで、その後の温度調整期間において、過渡状態における面内温度の均一性の改善をより効果的(より早期)に行うことができる。
以上、実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、開閉プレート71は温度調整プレート51の上面側に設けられているとして説明したが、図14に示す開閉プレート171のように、温度調整プレート51の下面側に設けられて、切欠き部51aを開閉するものであってもよい。この場合においても、開閉プレート171によって、切欠き部51aに対応する領域と、切欠き部51aの周囲の領域との間で熱を伝導させることができる。
また、温度調整プレートとして、ウェハWを冷却する冷却プレートである温度調整プレート51を説明したが、本発明に係る温度調整プレートは、ウェハを加熱する加熱プレートであってもよい。この場合においては、加熱プレートに形成された切欠きを開閉可能に構成された開閉プレートが設けられる。温度調整プレートが加熱プレートである場合においても、切欠きに対応する領域と、その周囲の領域とで、温度均一性が担保されない場合がある。この点、加熱プレートの切欠きを開閉する開閉プレートを設けることにより、加熱プレートの面内温度均一性を向上させることができる。