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JP2018191601A - 果汁含有飲料 - Google Patents

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香澄 名倉
実歩 谷
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実歩 谷
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Abstract

【課題】果汁率が1〜5%である果汁含有飲料であって、飲んだときに感じられる果汁感を高められた果汁含有飲料、その製造方法、及び果汁感の増強方法の提供。【解決手段】果汁率が1〜5%である果汁含有飲料であって、飲料中の酪酸エチル含有量が0.75〜1.5ppmである果汁含有飲料。柑橘類の果汁を含有することが好ましい果汁含有飲料。炭酸飲料であり、ガス圧が0.25〜0.34MPaであることが、更に好ましい果汁含有飲料。液体原料に果汁率1〜5%となるように果汁を配合し、且つ飲料中の酪酸エチル含有量を0.75〜1.5ppmに調整することを含む果汁含有飲料の製造方法。果汁率が1〜5%である果汁含有飲料の製造において飲料中の酪酸エチル含有量を0.75〜1.5ppmに調整することを含む、前記果汁含有飲料を飲んだときに感じられる果汁感の増強方法。【選択図】なし

Description

本発明は飲料に関し、特に例えば柑橘類などの果汁を果汁率1〜5%で含有する、果汁含有飲料に関する。
果実風味を有する飲料の中には、液性やコストなどの理由により、果汁を1%程度でしか配合できない飲料や、原料果汁の選択を制約される飲料が多く存在する。
例えば、近年ニーズが高まっているニアウォーターのようなペットボトルに容器詰されて販売される外観が無色透明の飲料の設計では、すっきりした味わいを外観からも想起させることが好ましいため、果汁率を1%程度とし、且つ透明果汁が使用されている。
しかしながら、これら果汁率が低い(具体的には果汁率が1〜5%程度)飲料、特に透明果汁を使用して製造される飲料では果汁感(飲んだときに果汁の含有が想起されること)が感じられにくく、嗜好性が十分であるとはいえない。
そのため、果汁感の向上に係る技術も提案されている(例えば特許文献1、2)。
特表2007−504833号公報 特開2014−60956号公報
商品設計の自由度の観点から様々な方法により果汁感を高められることが好ましく、そのため、さらなる新規な方法が求められている。また、特許文献1は高果汁率(30〜70%)の飲料に関するものであり、果汁率1〜5%のような低果汁率の飲料に関するものではない。
本発明は、果汁率が1〜5%である果汁含有飲料の、飲んだときに感じられる果汁感を高めることのできる新規な技術を提供することを目的とする。
上述のとおり、果汁率が1〜5%の果汁含有飲料において飲んだときに感じられる果汁感を高めることのできる方法については従来技術では何ら示されていない。
本発明者は鋭意研究の結果、飲料中の酪酸エチルの含有量を所定の範囲とすることで、果汁率が1〜5%の果汁含有飲料において果汁感を増強できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] 果汁率が1〜5%である果汁含有飲料であって、
飲料中の酪酸エチル含有量が0.75〜1.5ppmである果汁含有飲料。
[2] 柑橘類の果汁を含有する[1]に記載の果汁含有飲料。
[3] 炭酸飲料であり、ガス圧が0.25〜0.34MPaである[2]に記載の果汁含有飲料。
[4] 外観が透明である[1]から[3]のいずれか一つに記載の果汁含有飲料。
[5] 液体原料に果汁率1〜5%となるように果汁を配合し、且つ飲料中の酪酸エチル含有量を0.75〜1.5ppmに調整することを含む、果汁含有飲料の製造方法。
[6] 果汁率が1〜5%である果汁含有飲料の製造において飲料中の酪酸エチル含有量を0.75〜1.5ppmに調整することを含む、前記果汁含有飲料を飲んだときに感じられる果汁感の増強方法。
本発明によれば、果汁率が1〜5%である果汁含有飲料の、飲んだときに感じられる果汁感を高めることができる新規な技術を提供することができる。
試験例1に係る酪酸エチル含有量と評点との関係を示すグラフである。
以下、本発明の1つの実施形態について、詳細に説明する。
本実施形態に係る飲料は果汁率が1〜5%である果汁含有飲料であって、飲料中の酪酸エチル含有量が0.75〜1.5ppmである。
本明細書において果汁含有飲料とは、果汁を原料として配合した飲料を意味する。
また、果汁とは果物を搾汁した際に得られる液体成分をいう。搾汁は果物から液体成分を搾って分離する操作をいう。例えば、果物を適当な大ききに破砕し、当該破砕物を搾汁することにより、果汁が得られる。搾汁は、通常の搾汁機を用いて常法により行うことができ、例えば、ブラウン型(パドル型)又はバタフライ型のパルパーフィニッシャーなどを用いて行うことができる。
また、本実施形態において配合される果汁は、透明果汁などとも称される、精密濾過法、酵素処理法、限外濾過法などの清澄化処理が行われた果汁であってもよい。当該透明果汁を配合した外観が透明、例えば無色透明である飲料の場合は、果汁率が1〜5%である果汁飲料の中でも特に飲んだときに感じられる果汁感が低い傾向がある。そのため、果汁率が1〜5%である透明な果汁飲料においては、本実施形態に係る酪酸エチルの含有量が適用されることが好ましい。
なお、本明細書において、透明とは720nmの吸光度が0.01以下である飲料をいう。また、無色透明とは、透けて見え、特定の色もなく、水と同様の外観である状態をいう。720nmの吸光度は、例えば、分光光度計を用い、光路長1cmとして測定することができる。
本実施形態に係る果汁としては市販のジュースや濃縮ジュース、ペーストなどを用いるようにしてもよい。具体的には、JAS規格(果実飲料の日本農林規格)で指定されたジュースや濃縮ジュースを挙げることができ、例えばこれらのうち1種または2種以上を本実施形態の果汁含有飲料調製のために用いることができる。
本実施形態において、含有される果汁が由来する果物の種類(果実種)については特に限定されず当業者が適宜設定できるが、本実施形態に係る酪酸エチルの含有量とすることで他の果実種の場合と比較してより果汁感を高めることができるため、柑橘類の果汁が含有されることが好ましい。
本明細書において柑橘類とは、ミカン科ミカン亜科に属する植物の果実を意味する。具体的な柑橘類としては、ネーブルオレンジ、バレンシアオレンジ、ブラッドオレンジなどのオレンジ類、うんしゅうみかん、マンダリンオレンジ、ぽんかん、紀州みかん、アンコール、ダンゼリン、コウジ、シークワーサー、タチバナ、不知火などのみかん類、ナツダイダイ、はっさく、ヒュウガナツ、サンボウカン、河内晩柑、キヌカワ、ナルトなどの雑柑類、タンカン、いよかん、マーコット、清見、オーランド、ミネオラ、セミノール等のタンゴール・タンゼロ類、メキシカンライム、タヒチライム等のライム類、リスボンレモン、ユーレカレモン、ディアマンテ、エトローグ等のレモン類、バンペイユ、土佐ブンタン等のブンタン、ダンカン、マーシュ、トムソン、ルビーレッド等のグレープフルーツ類、ゆず、カボス、スダチ、ハナユ、キズ等のユズ類、キンカン、カラタチが挙げられ、例えばこれらのうち1種または2種以上の柑橘類の果汁が含有されるようにすることができる。
本実施形態の果汁含有飲料における果汁率は、上述のとおり1〜5%である。
果汁率とは、柑橘類を搾汁して得られ、濃縮等の処理を行っていない果物の搾汁(ストレート果汁)のBrix値または酸度を100%としたときの、相対濃度である。また、本明細書においてBrix値は、JAS規格に基づき、試料の温度(液温度)20℃における糖用屈折計の示度をいう。Brix値の測定は、公知の方法、装置を用いて行うことができる。また、酸度は、100g中に含まれる有機酸量をクエン酸に換算した場合のグラム数(無水クエン酸g/100g)で表すことができる。酸度もまた、JAS規格の酸度測定法で定められた方法、具体的には0.1mol/L水酸化ナトリウム標準液をアルカリ溶液として使用した中和滴定法(定量式)により測定できる。
果汁率をBrix値または酸度のいずれに基づいて算出するかはJAS規格に基づき果実種ごとに定められている。また、果汁の果汁率をJAS規格のBrix値に基づいて換算する場合、果汁に加えられた糖類、はちみつ等のBrix値は除いて算出される。
例えば、グレープフルーツについてはBrix値(Bx9°)に基づいて算出することができ、Brix値がBx45°であるグレープフルーツ透明濃縮果汁を飲料中0.2重量%配合した場合、1%の果汁率の飲料を得ることができる。
本実施形態の飲料においては、上述のとおり、飲料中に果汁とともに酪酸エチルを含有しており、飲料あたりの酪酸エチルの含有量は0.75〜1.5ppmである。酪酸エチルはC3H7COOC2H5で表される酪酸エステルの一種である。酪酸エチルを0.75〜1.5ppm含有することで、飲料の果汁率が1〜5%であっても、酪酸エチル非含有の場合と比較して飲んだときに感じられる果汁感を高めることができる。
なお酪酸エチルを上述の範囲で含有することで果汁率が1〜5%である果汁含有飲料(特に柑橘類果汁含有飲料)の果汁感を高めることができる理由については現在のところ必ずしも明確ではないが、元来乳製品に含まれる香気成分であるため飲料の香味にコクを付与する結果であると考えられる。
また、酪酸エチルの含有量は、例えば製造に用いられる原材料に基づき算出することができるほか、ガスクロマトグラフ質量分析装置(GC/MS)など公知の測定技術を使用することにより測定することもできる。
本実施形態の飲料は、果汁、酪酸エチルに加えて本発明の目的を達成できる範囲で他の成分を含んでもよく、特に限定されない。具体的な他の成分としては、甘味料、香料、色素成分、pH調整剤、抗酸化剤(酸化防止剤)、保存料、調味料、酸味料、ビタミン、アミノ酸等を挙げることができる。また、アルコールが添加され、アルコール飲料として製造されるようにしてもよい。
また、飲料のpHなども特に限定されず当業者が適宜設定できる。
また、本実施形態の飲料は、炭酸ガスが溶解している発泡性の飲料(炭酸飲料)であってもよい。
ここで、本実施形態の飲料が炭酸飲料であり、柑橘類の果汁を果汁率1〜5%で含有する場合に、そのガス圧は0.25〜0.34MPaであることが好ましい。ガス圧を当該範囲内とすることで、範囲外にある場合と比較して、飲んだときに感じられる柑橘感(飲んだときに柑橘類の果実の味または香りを想起できること)をより高めることができる。
なお、本明細書において、ガス圧とは、1気圧、20℃における、容器詰め炭酸飲料のガス内圧力を言う。その測定は、試料を20℃とした後、ガス内圧力計を取り付け、一度活栓を開いてガス抜き(スニフト)操作を行い、直ちに活栓を閉じてから激しく振とうし、圧力が一定の値になった時の値をMPaに換算することにより行うことができる。
本実施形態の飲料は、例えば、水や他の含有成分の溶液等である液体原料に果汁率1〜5%となるように果汁を配合し、且つその含有量が0.75〜1.3ppmとなるように酪酸エチルを液体原料に配合することを含む工程によって製造することができる。
果汁、酪酸エチルの配合の順序や配合方法などは特に限定されず、当業者が適宜設定することができる。例えば、酪酸エチルを配合しその含有量を調整するにあたっては化合物単独で、あるいは飲料に含まれる他の成分(例えば、香料など)との混合物の状態で配合されるようにすることができる。
また、本実施形態の飲料が炭酸飲料である場合に、飲料中に二酸化炭素を溶存させる処理も特に限定されず、例えば、液体原料に果汁や酪酸エチル等を混合して得られた混合液に二酸化炭素を溶存させた水を混合して炭酸飲料とする方法(ポストミックス法)や、上述の混合液に二酸化炭素を直接噴き込んで溶解させる方法(プレミックス法)が挙げられる。
本実施形態においては飲料を例えば容器に封入し、容器詰飲料とすることができる。
容器への封入方法なども特に限定されず、例えば常法に従って行うことができる。容器も公知のものを適宜選択して用いることができ、素材や形状など特に限定されない。容器の具体例としては、例えば、透明又は半透明のビン、PETボトル等の透明又は半透明のプラスチック容器、スチール缶やアルミニウム缶等の金属缶等が挙げられる。
以上、本実施形態によれば、果汁率が1〜5%である果汁含有飲料において、酪酸エチルを0.75〜1.5ppmの含有量で含有することにより、飲んだときに感じられる果汁感を高めることができる。そのため、例えば透明果汁を使用して製造される透明な果汁含有飲料の、その果汁感が高まることによる嗜好性の向上に寄与することができる。
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
[飲料の調製1]
糖酸液(果糖ぶどう糖液糖、砂糖、クエン酸に加水して得られる溶液)、グレープフルーツ透明濃縮果汁、グレープフルーツ香料(0.25g/L)を混合して得られた溶液に二酸化炭素を溶存させた水を混合するポストミックス法にて炭酸飲料をPETボトル(500mL)へ充填、封入した。得られた各ボトルに表1に示す含有量となるように酪酸エチルを滴下し、容器詰飲料である実施例および比較例の飲料を得た。得られた飲料は、いずれも糖度(Bx):8.5°、酸度:0.15 クエン酸g/100ml、果汁率:1%となるように設計した。ガス圧は0.31MPaであった。
[試験例1]
表1に示す実施例、比較例の飲料について、評価パネル5名による、おいしさ、果汁感の強さ、柑橘感の強さに関する評価を行った。評価は比較例1を3点とした1〜5点の5段階評価で行った(最もおいしい、最も果汁感が強い、または最も柑橘感が強いと評価されたものを5点とした。)。
結果を表1、図1に示す。
表1、図1から、酪酸エチルを0.75〜1.5ppm含有することにより、飲んだときに感じられる果汁感が強くなり、また、柑橘感も強くなることが理解できる。

Claims (6)

  1. 果汁率が1〜5%である果汁含有飲料であって、
    飲料中の酪酸エチル含有量が0.75〜1.5ppmである果汁含有飲料。
  2. 柑橘類の果汁を含有する請求項1に記載の果汁含有飲料。
  3. 炭酸飲料であり、ガス圧が0.25〜0.34MPaである請求項2に記載の果汁含有飲料。
  4. 外観が透明である請求項1から3のいずれか一つに記載の果汁含有飲料。
  5. 液体原料に果汁率1〜5%となるように果汁を配合し、且つ飲料中の酪酸エチル含有量を0.75〜1.5ppmに調整することを含む果汁含有飲料の製造方法。
  6. 果汁率が1〜5%である果汁含有飲料の製造において飲料中の酪酸エチル含有量を0.75〜1.5ppmに調整することを含む、前記果汁含有飲料を飲んだときに感じられる果汁感の増強方法。

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