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JP2018191548A - 天敵生物の定着促進・移動促進用補助器具及びこれを用いた天敵生物の分散方法 - Google Patents

天敵生物の定着促進・移動促進用補助器具及びこれを用いた天敵生物の分散方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、飛翔能力がない捕食性天敵生物を生物農薬として用いる場合でも、放飼された栽培植物の株から他の栽培植物の株への分散を可能とし、給餌による定着率も高めることを可能とした、天敵生物の定着促進・移動促進用補助器具を用いた天敵生物の分散方法を提供することを目的とする。【解決手段】複数の栽培植物Pの株間に架け渡されて天敵生物Eが外面を伝わって移動することができる天敵生物の定着促進・移動促進用補助器具1を用いた天敵生物の分散方法であって、複数の栽培植物Pの株のうちの任意に選択された栽培植物Pの株に天敵生物Eを放飼する工程と、接着剤で食餌材3を付加した紐状部材2を、複数の栽培植物Pの株のうちの天敵生物Eが放飼された栽培植物Pの株と、天敵生物Eが放飼されていない栽培植物Pの株との間に架け渡す工程とを含むことを特徴としている。【選択図】図6

Description

本発明は、天敵生物の定着を高め、さらに天敵生物の、農作物や園芸用植物等の栽培植物の株間の移動を補助するための器具、並びにこの器具を用いて天敵生物の分散を高める方法に関する。
近年において、例えば特許文献1から3に示されるように、ナス等の農作物やバーベナ等の園芸用植物に、有害な害虫を捕食する捕食性天敵生物を放飼する生物農薬が用いられている。この捕食性天敵生物には、カブリダニ類のように飛翔を行わないタイプと、カメムシ類、テントウムシ類等のように幼虫の時期には飛翔することができず、成虫になると飛翔可能になるタイプとが存在する。
捕食性天敵生物は、害虫の発生数が少ない発生初期に、生物農薬として農園、畑、庭園やビニールハウス等に放飼する必要がある。しかし、餌となる害虫が少ないので、飛翔可能な捕食性天敵生物は簡易に飛んで他の場所に移動するおそれがある。また、飛翔を行わない捕食性天敵生物や、成虫になると飛翔可能になる捕食性天敵生物を幼虫の状態で放飼した場合でも、歩行することで他の場所に移動する場合がある。このため、捕食性天敵生物は、そのままでは農園、畑、庭園やビニールハウス等への成虫段階の定着率が悪いので、生物農薬として十分な効果を得るための対策が必要となる。
従って、害虫の発生初期でも捕食性天敵生物の農園、畑、庭園やビニールハウス等への定着率を高めるために、害虫の代用となる代用餌、例えばスジコナマダラメイガの冷凍卵、アルテミア(ブラインシュリンプ)の耐久卵、ガマの花粉などを農作物や園芸用植物の葉の上に散布し、これを摂食させることで移動を防ぐという方法が採られている。また、捕食性天敵生物の成虫段階の定着率を高めるために、例えば特許文献2、3に示されるように、成虫になっても飛翔能力のないテントウムシ類を放飼する方法が開発されている。
特開2007−297293号公報 国際公開第2007/148567号 特開2010−183902号公報
もっとも、農作物や園芸用植物の葉は、幅が細いものや、先端が基端に対し水平よりも上方又は下方に向けて延びたものがある。このような葉の上に代用餌を散布しても地面に落下してしまい、放飼された捕食性天敵生物の定着率を高めるための餌量として十分に供給されないことがある。さらに代用餌を農作物や園芸用植物の1株ずつ散布するのも煩雑であるため、実際には普及していない。
また、捕食性天敵生物を、農園、畑、庭園やビニールハウス等の全体で生物農薬として機能させるためには、農作物や園芸用植物の全ての株に少量ずつ均一に放飼することが好ましいが実際には難しい。このため、所定の本数を空けつつ、ある程度まとめて放飼するのが現実である。農作物や園芸用植物の株間が離れていると、隣り合う農作物や園芸用植物の葉等が隣接した状態になく、捕食性天敵生物は、葉等の重なった部分を伝わって隣の農作物や園芸用植物に移動することができない。
この場合に、特許文献2、3に示されるように、捕食性天敵生物の飛翔能力をなくすと、農作物や園芸用植物から地面に降りる必要が生ずるので、放飼された農作物若しくは園芸用植物から隣の農作物若しくは園芸用植物に移動することが困難となる。このため、捕食性天敵生物が放飼された農作物若しくは園芸用植物の株から他の農作物若しくは園芸用植物の株に分散できず、農園、畑、庭園やビニールハウス等の全体では生物農薬として十分に機能しない不具合が考えられる。この不具合は、飛翔可能な捕食性天敵生物の幼虫やカブリダニ類等の最初から非飛翔性の捕食性天敵生物でも同様に考えられる。
そこで、本発明は、農作物若しくは園芸用植物等の葉の状態にかかわらず、安定的に代用餌を給餌することで、餌となる害虫の発生数が少ない発生初期であっても捕食性天敵生物の移動を防ぎ、定着率を高めることを可能とし、さらに、飛翔能力がない捕食性天敵生物を生物農薬として用いる場合でも、放飼された農作物若しくは園芸用植物等の栽培植物の株から他の栽培植物の株への分散を可能とした、天敵生物の定着促進・移動促進用補助器具及びこれを用いた天敵生物の分散方法を提供することを目的としている。
請求項1の発明に係る天敵生物の定着促進・移動促進用補助器具は、複数の栽培植物の株間に架け渡されて天敵生物が外面を伝わって移動することができる天敵生物の定着促進・移動促進用補助器具であって、紐状部材と、前記紐状部材の外面に接着剤により付着された天敵生物の食餌材とで構成されていることで天敵生物の定着を向上させることができることを特徴とする。
天敵生物は、例えば、捕食性カメムシ類やテントウムシ類等の昆虫であって、その幼虫や成虫段階でも飛翔能力が失われたもの、また、カブリダニ類等の生物であって最初から飛翔能力を有しないものが該当する。栽培植物は、例えば、キュウリ、ナス、トマト等の多種多様な農作物や、バーベナ、カーネーション、バラ等の園芸用植物が該当する。
これにより、定着促進・移動促進用補助器具の外面に付着された食餌材により天敵生物への給餌が可能になるので、天敵生物の捕食対象となる害虫の発生が少ない初期段階でも、天敵生物が放飼する場所への定着率が上昇する。食餌材が付着した定着促進・移動促進用補助器具を複数の栽培植物に架け渡らせることで、栽培植物1株ずつに食餌材を配置したのと同様の効果を得ることができる。
また、ある農作物若しくは園芸用植物の株に放飼された天敵生物は、定着促進・移動促進用補助器具を伝わって、隣の農作物若しくは園芸用植物の株に、株間に渡らせた定着促進・移動促進用補助器具の紐状部材を伝わって移動する。しかも、定着促進・移動促進用補助器具の紐状部材の外面に食餌材を付着したことで、食餌材に誘引されて天敵生物の移動率が上昇する。
請求項2の発明に係る天敵生物の定着促進・移動促進用補助器具は、前記紐状部材の外周に装着された筒状部材を有することを特徴としている。前記紐状部材に装着された筒状部材間に隙間が形成されて、前記筒状部材間の隙間から前記紐状部材及び前記紐状部材に付着された前記食餌材が露出している(請求項3)。前記筒状部材の内径は、前記紐状部材との間に隙間ができるように、前記紐状部材の外径よりも大きい(請求項4)。筒状部材の素材は、例えばポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂や紙等である。筒状部材は、例えば、軸方向から見た形状が楕円状若しくは長円状となって、紐状部材を軸心に回転しないようにしても良い。
これにより、天敵生物のうちのある種のものは、筒状部材と筒状部材との間から筒状部材と紐状部材との隙間に入り込んで、筒状部材内を隠れ場所とするので、天敵生物の定着率が更に上昇する。また、筒状部材をプラスチック等の耐水性に優れた素材で形成し或いは耐水加工を施すことで、栽培用に散布される水、雨水や、結露から紐状部材や紐状部材に付着した食餌材を保護することが可能となる。更に、農薬を栽培植物の株に散布する場合にも、天敵生物が暴露するおそれを小さくすることが可能である。
請求項5の発明に係る天敵生物の分散方法は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の天敵生物の定着促進・移動促進用補助器具を用いた天敵生物の分散方法であって、複数の栽培植物の株のうちの任意に選択された1又は2以上の栽培植物の株に天敵生物を放飼する工程と、接着剤で食餌材を付加した紐状部材を、少なくとも、前記複数の栽培植物の株のうちの前記天敵生物が放飼された1又は2以上の栽培植物の株と、天敵生物が放飼されていない1又は2以上の栽培植物の株との間に架け渡す工程とを含むことを特徴としている。
これにより、定着促進・移動促進用補助器具の外面に付着された食餌材により天敵生物に給餌することが可能になるので、天敵生物の捕食対象となる害虫が少ない初期段階でも、その食餌材を天敵生物が摂食することから、天敵生物が放飼する場所への定着率の上昇を図ることができる。そして、ある農作物若しくは園芸用植物の株に放飼された天敵生物を、定着促進・移動促進用補助器具を伝わって、隣の農作物若しくは園芸用植物の株に、株間に渡らせた定着促進・移動促進用補助器具の紐状部材を伝わって移動させることができる。しかも、定着促進・移動促進用補助器具の紐状部材の外面に食餌材を付着することにより、天敵生物が食餌材に誘引されるので天敵生物の移動率を上昇させることができる。
以上に述べたように、請求項1から請求項5に係る発明によれば、定着促進・移動促進用補助器具の外面に付着された食餌材により天敵生物に給餌することが可能になるので、天敵生物の捕食対象となる害虫が少ない初期段階でも、その食餌材を天敵生物が摂食することから、天敵生物が放飼する場所への定着率の上昇を図ることができる。
食餌材が付着した定着促進・移動促進用補助器具を複数の栽培植物に架け渡らせることで、栽培植物1株ずつに食餌材を配置したのと同様の効果を得ることができる。
食餌材が最初から確保されているので、天敵生物は食餌材を摂食して繁殖することが見込まれることから、食餌材が給えられていない場合よりも、最初に放飼する天敵生物の頭数を少なくすることが可能であり、増殖も速やかに行われる。
また、ある農作物若しくは園芸用植物の株に放飼された天敵生物を、隣の農作物若しくは園芸用植物の株に、株間に架け渡らせた定着促進・移動促進用補助器具の紐状部材を伝わって移動させることができる。
しかも、定着促進・移動促進用補助器具の紐状部材の外面に食餌材を付着することにより、食餌材で天敵生物が誘引されるので、天敵生物の移動率を上昇させることができる。
よって、飛翔能力がない天敵生物であっても、農園、畑、庭園やビニールハウス等に拡散させることができ、生物農薬として有効に活用することが可能である。
特に請求項2から請求項5に係る発明によれば、筒状部材が天敵生物のうちのある種のものは、筒状部材と筒状部材との間から筒状部材と紐状部材との隙間に入り込んで、筒状部材内を隠れ場所とするので、天敵生物の定着率を更に上昇させることが可能である。
また、筒状部材をプラスチック等の耐水性に優れた素材で形成し或いは耐水加工を施すことで、栽培用に散布される水、雨水、結露から紐状部材や紐状部材に付着した食餌材を保護することが可能となる。
更に、農薬を栽培植物の株に散布する場合にも、天敵生物が暴露するおそれを小さくすることが可能である。
図1は、本発明の天敵生物の定着促進・移動促進用補助器具の構成を総称的に示した説明図である。 図2(a)は、麻紐にアルテミアの耐久卵を付着した天敵生物の定着促進・移動促進用補助器具の構成を示した説明図であり、図2(b)は、図2(a)に示される天敵生物の定着促進・移動促進用補助器具の拡大図である。 図3(a)は、毛糸の紐にアルテミアの耐久卵を付着した天敵生物の定着促進・移動促進用補助器具の構成を示した説明図であり、図3(b)は、図3(a)に示される天敵生物の定着促進・移動促進用補助器具の拡大図である。 図4(a)は、毛糸の紐にガマの花粉を付着した天敵生物の定着促進・移動促進用補助器具の構成を示した説明図であり、図4(b)は、図4(a)に示される天敵生物の定着促進・移動促進用補助器具の拡大図である。 図5(a)は、フェルト製の紐にガマの花粉を付着した天敵生物の定着促進・移動促進用補助器具の構成を示した説明図であり、図5(b)は、図5(a)に示される天敵生物の定着促進・移動促進用補助器具の拡大図である。 図6は、栽培用植物がキュウリの場合の天敵生物の定着促進・移動促進用補助器具の配置例を示した説明図である。 図7は、栽培用植物がナスの場合の天敵生物の定着促進・移動促進用補助器具の配置例を示した説明図である。 図8は、栽培用植物がトマトの場合の天敵生物の定着促進・移動促進用補助器具の配置例を示した説明図である。 図9は、キュウリにタバコカスミカメを放飼した場合の実験結果を示した特性線図である。 図10は、トマトにタバコカスミカメを放飼した場合の実験結果を示した特性線図である。 図11は、ナスにタバコカスミカメを放飼した場合の実験結果を示した特性線図である。 図12は、バーベナにタバコカスミカメを放飼した場合の実験結果を示した特性線図である。 図13は、キュウリにクロヒョウタンカスミカメを放飼した場合の実験結果を示した特性線図である。 図14は、トマトにクロヒョウタンカスミカメを放飼した場合の実験結果を示した特性線図である。 図15は、ナスにクロヒョウタンカスミカメを放飼した場合の実験結果を示した特性線図である。 図16は、バーベナにクロヒョウタンカスミカメを放飼した場合の実験結果を示した特性線図である。 図17は、ナスにタバコカスミカメの幼虫を放飼した場合の実験結果を示した特性線図である。 図18は、バーベナにナミテントウの幼虫を放飼した場合の実験結果を示した特性線図である。 図19(a)は、紐状部材に筒状部材を複数に装着した天敵生物の定着促進・移動促進用補助器具の構成を示した説明図であり、図19(b)は、図19(a)に示される天敵生物の定着促進・移動促進用補助器具の拡大図である。
以下、この発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
本発明の天敵生物の定着促進・移動促進用補助器具(以下、定着促進・移動促進用補助器具という。)1は、図1に示されるように、紐状部材2とこの紐状部材2に付着された食餌材3とで少なくとも構成されている。
紐状部材2は、例えば、図2(a)、(b)に示されるような麻紐、図3(a)、(b)や図4(a)、(b)に示されるような羊毛等から成る毛糸の紐、図5(a)、(b)に示されるようなフェルト製の紐や、図示しないビニール紐等がある。紐状部材2として、麻紐や、毛糸の紐を用いた場合には、土中で分解しやすいので、植物の栽培後に、植物残さと一緒に土中に鋤込み処理することが可能である。また、紐状部材2として、ビニール紐等の吸水性を有しない素材を用いた場合には、散布用の水や雨水が掛っても腐食せず、長期に用いることが可能である。紐状部材2の全長は、例えば2〜3mのものから10mのものまであり、栽培植物の種類や農園、畑、庭園やビニールハウス等の天敵生物の放飼場所等の諸条件により使い分ける。
食餌材3は、天敵生物の捕食する害虫に代わって給付される代用餌と称されるもので、捕食性昆虫用には、例えば、図2(b)、図3(b)及び、図5(b)に示されるような、アルテミア(ブラインシュリンプ)の耐久卵が使用される。図示しないが、スジコナマダラメイガの卵であって孵化しないように処理(例えば冷凍処理等。)されたものも使用される。捕食性ダニ類用には、例えば、図4(b)に示されるような、ガマの花粉や図示しないがマツの花粉などが使用される。その他、粉状に加工した人工飼料等、放飼する天敵生物が摂食することができれば、特に限定されない。また、孵化しないように処理(例えば冷凍処理等)されたスジコナマダラメイガの卵とアルテミアの耐久卵との混合されたもの等、2種類以上混合したものを使用しても良い。
食餌材3を紐状部材2に付着するための接着剤は、その性質上図示されないが、例えば、でんぷん系の接着剤、アクリル樹脂系の接着剤、ゴム系の接着剤、松脂、膠等、多様なものが使用される。散布用の水や雨水が掛るおそれがある場所では、ゴム系等の非水溶性の接着剤の使用が好ましい。
次に、定着促進・移動促進用補助器具1の製造工程の一例及び農園、畑、庭園やビニールハウス等への配置について説明する。
定着促進・移動促進用補助器具1の製造工程は、例えば、接着剤に紐状部材2を浸した後、接着剤が乾く前に紐状部材2を食餌材3に通すことで、紐状部材2の外面に食餌材3を付着させることで行う。このような製造工程においては、紐状部材2の全長は、例えば2〜3mとすることが好適である。
定着促進・移動促進用補助器具1の配置は、栽培用植物Pが農作物の場合には畑やビニールハウス等の条状の畝に沿って栽培用植物Pの株が一列に並んでいるので、例えば図6から図8に示されるように、それぞれの株の葉や茎に這わせ、必要に応じて巻き付けるかたちで株間に渡らせる。栽培用植物Pの各株の間隔は、例えば45cmである。このため、下記に示す実験でも、栽培用植物Pの各株の間隔は45cmに設定されている。
定着促進・移動促進用補助器具1の配置の仕方は、栽培用植物Pの葉の付き方や形状、栽培用植物の高さ等によって変えていく。図6は、栽培用植物Pがキュウリの場合の定着促進・移動促進用補助器具1の配置例であり、図7は、栽培用植物Pがナスの場合の定着促進・移動促進用補助器具1の配置例であり、図8は、栽培用植物Pがトマトの場合の定着促進・移動促進用補助器具1の配置例である。
上記の工程で製造される定着促進・移動促進用補助器具1を用いる場合に、天敵生物の定着率が高まることについて、定着促進・移動促進用補助器具1を用いない場合との対比で、図9から図16 に示される8つの実験結果に基づいて説明する。各実験は、一方においては、15mのビニールハウス内に栽培用植物Pの2つの株を置き、栽培用植物Pの2つの株間に定着促進・移動促進用補助器具1を架け渡らせた状態で、2つの株間に合計で10頭の天敵生物を放飼し、他方においては、15mのビニールハウス内に栽培用植物Pの2つの株を置き、栽培植物Pの2つの株間に定着促進・移動促進用補助器具1を架け渡らせない状態で、2つの株に合計で10頭の天敵生物を放飼し、1週間ごとに、それぞれの株にいる天敵生物の個体数を数える観察をするという実験を複数回行って平均化したものである。
図9は、キュウリにタバコカスミカメ(カメムシの一種)を放飼した場合の実験結果を示している。栽培用植物Pの2つの株間に定着促進・移動促進用補助器具1を架け渡らせない場合(定着促進・移動促進用補助器具1なしの場合)には、実験開始日から1週間後(‘16/7/24)には既にタバコカスミカメの個体数が0頭になっている。栽培用植物Pの2つの株間に移定着促進・移動促進用補助器具1を架け渡らせた場合(定着促進・移動促進用補助器具1ありの場合)には、実験開始日から1週間後(‘16/7/24)ではタバコカスミカメの個体数が10頭から2頭まで減るが、その後の1週間ごと(‘16/7/31、‘16/8/1))の観察日の計測では個体数が0頭になることはない。
図10は、トマトにタバコカスミカメを放飼した場合の実験結果を示している。定着促進・移動促進用補助器具1なしの場合には、実験開始日から1週間後(‘16/7/1)には既にタバコカスミカメの個体数が0頭になっている。定着促進・移動促進用補助器具1ありの場合には、実験開始日から1週間後(‘16/7/1)ではタバコカスミカメの個体数が10頭から減るが、その後の1週間ごと(‘16/7/8、‘16/7/15)に観察した際の計測では個体数は4頭から6頭の間を推移している。
図11は、ナスにタバコカスミカメを放飼した場合の実験結果を示している。定着促進・移動促進用補助器具1なしの場合には、実験開始日から2週間後(‘16/6/17)にはタバコカスミカメの個体数が0頭になっている。定着促進・移動促進用補助器具1ありの場合には、実験開始日から2週間後(‘16/6/17)の計測でも個体数は2頭以上となっており、しかも、3週間後(‘16/6/24)には逆に個体数が増加している。
図12は、バーベナにタバコカスミカメを放飼した場合の実験結果を示している。定着促進・移動促進用補助器具1なしの場合と定着促進・移動促進用補助器具1ありの場合とを対比した場合に、実験開始日から1週間後(‘16/6/3)、2週間後(‘16/6/10)、及び3週間後(‘16/6/17)の全てにおいて、定着促進・移動促進用補助器具1ありの場合の方が定着促進・移動促進用補助器具1なしの場合よりも、観察日に計測された個体数が多くなっている。
図13は、キュウリにクロヒョウタンカスミカメ(カメムシの一種)を放飼した場合の実験結果を示している。2つの株間に定着促進・移動促進用補助器具1を架け渡らせない場合(定着促進・移動促進用補助器具1なしの場合)には、実験開始日から2週間後(‘16/7/31)にはクロヒョウタンカスミカメの個体数が0頭になっている。2つの株間に定着促進・移動促進用補助器具1を架け渡らせた場合(定着促進・移動促進用補助器具1ありの場合)には、実験開始日から1週間後(‘16/7/24)ではクロヒョウタンカスミカメの個体数が10頭から2頭未満まで減るが、2週間後(‘16/7/31)、3週間後(‘16/8/7)でも計測された個体数が0頭となることがない。
図14は、トマトにクロヒョウタンカスミカメを放飼した場合の実験結果を示している。定着促進・移動促進用補助器具1なしの場合と定着促進・移動促進用補助器具1ありの場合とを対比した場合に、実験開始日から1週間後(‘16/7/1)、2週間後(‘16/7/8)、及び約3週間後(‘16/7/18)の全ての観測日において、定着促進・移動促進用補助器具1ありの場合の方が定着促進・移動促進用補助器具1なしの場合よりも、計測された個体数が多くなっている。
図15は、ナスにクロヒョウタンカスミカメを放飼する場合の実験結果を示している。定着促進・移動促進用補助器具1なしの場合には、実験開始日から2週間後(‘16/6/10)にはクロヒョウタンカスミカメの個体数が既に0頭になっている。定着促進・移動促進用補助器具1ありの場合には、実験開始日から2週間後(‘16/6/17)の計測でも個体数は4頭以上となっており、しかも、3週間後(‘16/6/24)には逆に計測された個体数が増加している。
図16は、バーベナにクロヒョウタンカスミカメを放飼する場合の実験結果を示している。定着促進・移動促進用補助器具1なしの場合には、実験開始日から1週間後(‘16/6/3)、2週間後(‘16/6/10)、3週間後(‘16/6/17)と、計測されるクロヒョウタンカスミカメの個体数が暫時減少している。定着促進・移動促進用補助器具1ありの場合には、実験開始日から1週間後(‘16/6/3)、2週間後(‘16/6/10)のいずれの計測においても、定着促進・移動促進用補助器具1なしの場合よりも計測された個体数が多く、しかも、3週間後(‘16/6/17)には2週間後(‘16/6/10)の時よりも計測された個体数が増加している。
これらの実験結果から、様々なパターンの実験を行っても、定着促進・移動促進用補助器具1を用いた場合の方が定着促進・移動促進用補助器具1を用いない場合よりも、いずれも天敵生物の定着性が高いことが判る。
ある栽培植物から他の栽培植物への天敵生物の移動率の実験結果として、定着促進・移動促進用補助器具1を架け渡らせた場合(定着促進・移動促進用補助器具1ありの場合)の方が、定着促進・移動促進用補助器具1を架け渡らせない場合(定着促進・移動促進用補助器具1なしの場合)よりも移動率が高いことについて、図17及び図18を用いて説明する。この実験で用いる天敵生物は、飛翔できないものである必要があるから、図17ではタバコカスミカメの幼虫が用いられ、図18ではナミテントウの幼虫が用いられている。この実験は、2つの栽培植物の株のうちの一方の株に10頭の天敵生物を放飼し、放飼した日から1週間後に、放飼した一方の株から他方の株にどのくらい移動したかの実験を複数回にわたって行い平均化したものである。
図17は、ナスにタバコカスミカメの幼虫を放飼した場合の実験結果を示している。ナスの2つの株間に定着促進・移動促進用補助器具1なしの場合と定着促進・移動促進用補助器具1ありの場合とを対比した場合に、定着促進・移動促進用補助器具1なしの場合には移動率が0パーセントであるのに対し、定着促進・移動促進用補助器具1ありの場合には、12パーセントから13パーセントの間の移動率となっている。
図18は、バーベナにナミテントウの幼虫を放飼した場合の実験結果を示している。バーベナの2つの株間に定着促進・移動促進用補助器具1なしの場合と定着促進・移動促進用補助器具1ありの場合とを対比した場合に、定着促進・移動促進用補助器具1なしの場合には移動率が0パーセントであるのに対し、定着促進・移動促進用補助器具1ありの場合には、10パーセントから11パーセントの間の移動率となっている。
このように、栽培植物の2つの株間に定着促進・移動促進用補助器具1なしの場合には、飛翔できない天敵生物の放飼された株から隣接した株への移動がないのに対し、栽培植物の2つの株間に定着促進・移動促進用補助器具1を架け渡らせた場合には、例えば図6、図7、図8で図示される飛翔できない天敵生物Eの移動形態のような、飛翔できない天敵生物の放飼された株から隣接した株への移動が認められる。
前記実験は、タバコカスミカメの幼虫、ナミテントウの幼虫の例であるが、飛翔できない天敵生物の全てにおいて前記した条件で実験した場合に同様の結果が得られるものと考える。
これらの実験結果から、栽培植物の2つの株間に定着促進・移動促進用補助器具1を架け渡らせた場合の方が定着促進・移動促進用補助器具1を用いない場合よりも、天敵生物の移動率が高いことが判る。
ところで、定着促進・移動促進用補助器具1は、図19に示されるように、更に、紐状部材2の外周に筒状部材4を装着するようにしても良い。筒状部材4は、例えば、図19に示されるように、軸方向から見た形状が円形状となっている。もっとも、紐状部材2に装着した際に回転しないように、軸方向から見た形状が楕円形状ないし長円形状としても良い。更には、四角形状、その他の多角形状としても良い。筒状部材4は、プラスチックで形成され或いは紙の外面をコーティングすることで、耐水性、防水性を有したものとすることが好ましい。
筒状部材4の軸方向の寸法は、例えば5cmのものであり、紐状部材2の全長が2mとすると、図19に示されるように、多数の筒状部材4が1つの紐状部材2に装着される。これに伴い、筒状部材4、4間に例えば2cmの間隔を空けることができ、この間隔から紐状部材2及びこの紐状部材2に付着された食餌材3が露出している。
筒状部材4は、紐状部材2の外周に装着したときに、紐状部材2との間に隙間Sが形成されるように、全部または一部の内径が紐状部材2の外径よりも大きくなっている。
これにより、天敵生物のうちのある種の生物は、筒状部材4、4間から筒状部材4と紐状部材2との隙間Sに入り込むので、筒状部材4が天敵生物の隠れ場所(シェルター)となり、先に示した図9から図16に示される8つの実験結果よりも天敵生物の定着性の向上を図ることが可能である。
1 天敵生物の定着促進・移動促進用補助器具(定着促進・移動促進用補助器具)
2 紐状部材
3 食餌材
4 筒状部材
P 栽培用植物
E 天敵生物
S 筒状部材と紐状部材との隙間

Claims (5)

  1. 複数の栽培植物の株間に架け渡されて天敵生物が外面を伝わって移動することができる天敵生物の移動用補助器具であって、
    紐状部材と、前記紐状部材の外面に接着剤により付着された天敵生物の食餌材とで構成されていることで天敵生物の定着を向上させることができることを特徴とする天敵生物の定着促進・移動促進用補助器具。
  2. 前記紐状部材の外周に前記紐状部材の全長よりも軸方向寸法の短い筒状部材が複数に装着されることを特徴とする請求項1に記載の天敵生物の定着促進・移動促進用補助器具。
  3. 前記紐状部材に装着された筒状部材間に隙間が形成されて、前記筒状部材間の隙間から前記紐状部材及び前記紐状部材に付着された前記食餌材が露出していることを特徴とする請求項2に記載の天敵生物の定着促進・移動促進用補助器具。
  4. 前記筒状部材の内径は、前記紐状部材との間に隙間ができるように、前記紐状部材の外径よりも大きいことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の天敵生物の定着促進・移動促進用補助器具。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の天敵生物の定着促進・移動促進用補助器具を用いた天敵生物の分散方法であって、
    複数の栽培植物の株のうちの任意に選択された1又は2以上の栽培植物の株に天敵生物を放飼する工程と、
    接着剤で食餌材を付加した紐状部材を、少なくとも、前記複数の栽培植物の株のうちの前記天敵生物が放飼された1又は2以上の栽培植物の株と、天敵生物が放飼されていない1又は2以上の栽培植物の株との間に架け渡す工程とを含むことを特徴とする天敵生物の分散方法。
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