JP2018189933A - 格子及びx線タルボ撮影装置、格子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、従来、X線タルボ撮影装置による撮影範囲を広げるために格子の面積を大きくしたいという要望があった。ところが、X線タルボ撮影装置においては、X線源から照射されたX線が、通常、コーンビーム状に拡がるため、格子が平板状に形成されていると、格子の周縁部ではX線の透過率が悪化し、いわゆるケラレの問題が生じる。
このような問題を解決するため、格子を、X線源の一点を中心とし、かつX線の入射角度に対応する円弧状に湾曲させた状態とした上で撮影を行う技術が知られている(例えば特許文献1参照。)。
以上の点に鑑みると、格子ホルダーによって格子を保持するに当たっては、格子の損傷に十分注意を払いながら、弾性部材と共に受け部と押さえ部との間に挟み込ませ、その上で格子を湾曲させなければならず、作業の精密さが求められていた。
しかしながら、このような精密な作業を、格子を格子ホルダーに装着させるたびに行うとなると手間であるため、上述のようなケラレの問題を解消しつつ、格子をもっと取り扱いやすいものにしたいという要望がある。
さらに、格子の材料としてシリコンウエハーを用いる場合は、割れ等の損傷を防ぐために極力薄くして湾曲させやすくすることが求められているが、シリコンウエハーを薄く加工する場合のコストが高いという問題もあった。
撮影有効範囲内に複数のスリットが配列された格子母材と、
前記格子母材における撮影有効範囲外に一体的に接合されて、かつ塑性変形領域を持つ塑性変形部材と、を備え、
前記格子母材と前記塑性変形部材は略等しい曲率で湾曲形成されていることを特徴とする。
前記複数の塑性変形部材は、前記撮影有効範囲を挟み込む位置関係で互いに離間し、かつ湾曲方向に沿って配置されていることを特徴とする。
請求項1〜9のいずれか一項に記載の格子を備えることを特徴とする。
前記格子ホルダーは、前記格子を受ける受け面を有する受け部と、前記格子を前記受け面側に押さえる押さえ面を有する押さえ部と、を含んで構成され、
前記受け面及び前記押さえ面は、X線の照射角度に対応するように湾曲形成され、
前記格子母材及び前記塑性変形部材の曲率は、前記格子ホルダーにおける前記受け面及び前記押さえ面の曲率よりも小さく設定されていることを特徴とする。
複数のスリットが配列された格子母材の撮影有効範囲外に、塑性変形領域を持つ塑性変形部材を一体的に接合し、
その後、前記格子母材と前記塑性変形部材とを同時にプレス成型し、前記塑性変形部材を塑性変形させて、前記格子母材と前記塑性変形部材を略等しい曲率となるように湾曲形成することを特徴とする。
なお、X線タルボ撮影装置1で撮影されたモアレ画像Moを、図示しない画像処理装置によって再構成することで、少なくとも吸収画像と微分位相画像と小角散乱画像の3種類の再構成画像を含む複数種類の再構成画像を生成することができる。
図1は、本実施形態に係るX線タルボ撮影装置1の全体像を表す概略図である。本実施形態に係るX線タルボ撮影装置1は、X線発生装置11と、線源格子12と、被写体台13と、第1格子14と、第2格子15と、X線検出器16と、支柱17と、基台部18と、を備えている。
このように複数のスリットSが形成された箇所を含む一定の範囲が、X線源11aから照射されたX線が入射するX線入射面となる撮影有効範囲Aとされている。また、各格子14,15(12)における撮影有効範囲Aの裏側は、X線出射面とされている。撮影有効範囲Aは、X線の透過する範囲を指すものとし、各格子14,15(12)の表裏に亘って設定されているものとする。
なお、図3においては撮影有効範囲Aを一点鎖線(図4,図5では実線)で示したが、実際に使用される各格子14,15(12)には、このような撮影有効範囲Aを示す線がなくてもよいし、あってもよい。
そして、本実施形態においては、これら各格子14,15(12)が、X線源11aの一点を中心とする円弧状に湾曲形成されている。
格子ホルダーは、各格子の位置に対応して配置されており、格子14,15(12)を受ける受け面を有する受け部と、格子14,15(12)を受け面側に押さえる押さえ面を有する押さえ部と、を含んで構成されている。そして、これら受け面及び押さえ面は、X線の照射角度に対応するように湾曲形成されている。
なお、格子ホルダーは、各格子14,15(12)における撮影有効範囲A外の箇所を保持するように形成されているものとする。
なお、本実施形態では、コントローラー19と画像処理装置とは別の装置として構成されているが、両者を同じ装置として構成することも可能である。また、X線発生装置11を制御する図示しないジェネレーターを、コントローラー19とは別に設けるように構成することも可能である。すなわち、コントローラー19、画像処理装置およびX線発生装置11のジェネレーター等のうちのいずれか或いは複数を1つの装置として構成し、或いはそれぞれを別体の装置として構成するかは適宜任意に変更可能である。
次に、本実施形態に係るX線タルボ撮影装置1における各格子(線源格子12や第1格子14、第2格子15)そのものの構成と、各格子を湾曲させるための構成等について詳しく説明する。
なお、図2では、第1格子14等が平面状であるように記載されているが、本実施形態では、実際には、各格子12,14,15のX線入射面のどの部分においてもX線入射面の法線方向に入射するようにするために、各格子12,14,15が、X線源11aの一点(すなわちX線源11aの図示しない焦点或いはX線源11aの図示しない出射口の位置等)を中心とする円弧状に湾曲されている。
また、円弧状に湾曲形成された格子は、湾曲格子ともいい、図3で示すようなx方向中央部(湾曲中心)が最も下方(z方向:X線照射方向)に落ち込むように湾曲して形成された状態となっている。この場合、y方向における任意の二つの地点の高さ位置(z方向の位置)は同一であり、湾曲格子をy方向から見た場合には、湾曲格子の端面が円弧状となって見えることになる。湾曲中心の左右両側は対称的に湾曲しており、端部までの長さが等しい。
なお、本実施形態における格子母材20は一次元格子であるとしたが、これに限られるものではなく、図3のx軸方向とy軸方向に複数のスリットSが延在する二次元格子タイプであってもよい。
ただし、これに限られるものではなく、格子母材20は、塑性変形領域を持つアルミニウム又は酸化アルミニウム(いわゆるアルミナ)や、X線透過率の高い(X線吸収率の低い)ガラスで構成されていてもよい。
なお、本実施形態においては、塑性変形部材21が格子母材20の下面側(外側の湾曲面)に接合されている。ただし、これに限られるものではなく、上面側(内側の湾曲面)に接合されてもよいし、上下双方の面に接合されてもよい。
ただし、これに限られるものではなく、塑性変形部材21は、格子母材20と同一の材料で構成されていてもよい。例えば、格子母材20と塑性変形部材21の双方を、塑性変形領域を持つアルミニウムや酸化アルミニウムとしてもよい。
すなわち、図5に示すように、格子母材20の撮影有効範囲A外に接合された複数の塑性変形部材31を備える格子12,14,15を採用してもよい。
複数の塑性変形部材31は、撮影有効範囲Aを挟み込む位置関係で互いに離間し、かつ湾曲方向に沿って配置されている。換言すれば、複数の塑性変形部材31は、格子母材20の撮影有効範囲Aを挟んで平行な位置関係にあり、格子母材20と略等しい曲率で湾曲形成されている。
このような複数の塑性変形部材31を備えた格子12,14,15であっても、額縁状の塑性変形部材21を備えた格子12,14,15と同様に取り扱うことができる。そして、額縁状の塑性変形部材21を備えた格子12,14,15の説明で挙げられた機能や特性、効果等は、複数の塑性変形部材31を備えた格子12,14,15でも発揮されるものとする。
以下では、格子母材20に対して塑性変形部材21を接合して湾曲させる格子の製造方法について説明する。なお、格子母材20に対して複数のスリットSを形成する方法については、従来公知の技術(例えば、特開2015−022203号公報参照。)を利用して行うものとする。
材質の異なる格子母材20と塑性変形部材21とを一体的に接合する場合は、熱膨張係数が異なっていたり、物質の体積が異なっていたりするため、環境変動の影響を受けにくい常温接合方式が採られる。
表面活性化接合方式とは、物質の接合面を真空中で表面処理し、活性化することによって、接着剤や熱、圧力などを加えずに2つの部材を接合するものであり、格子母材20と塑性変形部材21とが材質の異なるものであっても原子レベルで接合することができる。
原子拡散接合方式は、接合面に超高真空中で微細結晶膜を形成し、それらの薄膜を真空中で重ね合わせることで、2つの部材を接合するものであり、格子母材20と塑性変形部材21とが材質の異なるものであっても原子レベルで接合することができる。
これらの方式は、格子母材20の材質や、塑性変形部材21の材質に合わせて適宜選択されるものとする。
なお、これら常温接合方式を採用しなくても十分な接着力が得られる場合は、接着剤を用いて、格子母材20と塑性変形部材21とを一体的に接着接合してもよい。
また、この時、格子母材20が塑性変形領域を持つ材質でなかった場合でも、格子母材20と塑性変形部材21は一体的に接合されているため、塑性変形部材21が塑性変形するのに合わせて、格子母材20も略等しい曲率で円弧状に湾曲することになる。ただし、この場合、格子母材20は、所望の曲率で破断しない程度の厚みに設定されているものとする。
また、格子12,14,15の剛性を向上することができれば、割れ等の損傷が生じにくいため、格子母材20を必要以上に薄く加工する必要もなく、格子12,14,15の製造に係るコストの上昇を抑えることができる。
そして、このような格子12,14,15を提供することができれば、X線タルボ撮影装置1による撮影範囲を広げるために格子の面積を大きくすることが可能となる。
なお、複数のスリットSが直交方向(x軸方向とy軸方向のそれぞれ)に延在する二次元格子タイプの格子母材が採用された格子(図示せず)であっても、一次元格子タイプの格子母材20が採用された格子12,14,15と同様の効果を得ることができる。
図5に示すような複数の塑性変形部材31を備えた形態によれば、撮影有効範囲Aを挟み込む位置関係で互いに離間し、かつ湾曲方向に沿って配置されているので、これら複数の塑性変形部材31によって格子母材20の剛性を向上しつつ、接合された箇所が部分的である分、格子12,14,15の製造に係るコストの上昇を抑えることができる。
また、格子母材20が、塑性変形領域を持つアルミニウム又は酸化アルミニウム(いわゆるアルミナ)で構成されていれば、塑性変形部材21と共に塑性変形後に、格子12,14,15の湾曲状態を維持できるので、従来に比して取り扱いやすくなる。
そして、このように製造された格子12,14,15によれば、格子母材20が塑性変形領域を持たなくても湾曲状態を維持することができ、剛性も向上させることができ、従来に比して取り扱いやすくなる。さらに、格子12,14,15の製造に係るコストの上昇を抑えることができる。その結果、X線タルボ撮影装置1による撮影範囲を広げるために格子の面積を大きくすることが可能となる。
11 X線発生装置
12 線源格子(G0格子)
13 被写体台
14 第1格子(G1格子)
15 第2格子(G2格子)
16 X線検出器(FPD)
17 支柱
18 基台部
19 コントローラー
20 格子母材
21 塑性変形部材
22 プレス機
23 プレス治具
24 プレス治具
30 格子母材
31 塑性変形部材
Claims (14)
- 撮影有効範囲内に複数のスリットが配列された格子母材と、
前記格子母材における撮影有効範囲外に一体的に接合されて、かつ塑性変形領域を持つ塑性変形部材と、を備え、
前記格子母材と前記塑性変形部材は略等しい曲率で湾曲形成されていることを特徴とする格子。 - 前記格子母材は、前記複数のスリットが一定の方向に延在して形成された一次元格子であることを特徴とする請求項1に記載の格子。
- 前記塑性変形部材は、前記格子母材の撮影有効範囲を取り囲むような枠状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の格子。
- 複数の前記塑性変形部材が、前記格子母材の撮影有効範囲外に接合されており、
前記複数の塑性変形部材は、前記撮影有効範囲を挟み込む位置関係で互いに離間し、かつ湾曲方向に沿って配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の格子。 - 前記格子母材は、シリコンウエハーで構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の格子。
- 前記格子母材は、アルミニウム又は酸化アルミニウムで構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の格子。
- 前記格子母材は、ガラスで構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の格子。
- 前記塑性変形部材は、前記格子母材と同一の材料で構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の格子。
- 前記塑性変形部材は、前記格子母材と異なる材料で構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の格子。
- タルボ干渉計又はタルボ・ロー干渉計を用いたX線タルボ撮影装置であって、
請求項1〜9のいずれか一項に記載の格子を備えることを特徴とするX線タルボ撮影装置。 - 前記格子を保持する格子ホルダーを更に備え、
前記格子ホルダーは、前記格子を受ける受け面を有する受け部と、前記格子を前記受け面側に押さえる押さえ面を有する押さえ部と、を含んで構成され、
前記受け面及び前記押さえ面は、X線の照射角度に対応するように湾曲形成され、
前記格子母材及び前記塑性変形部材の曲率は、前記格子ホルダーにおける前記受け面及び前記押さえ面の曲率よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項10に記載のX線タルボ撮影装置。 - 複数のスリットが配列された格子母材の撮影有効範囲外に、塑性変形領域を持つ塑性変形部材を一体的に接合し、
その後、前記格子母材と前記塑性変形部材とを同時にプレス成型し、前記塑性変形部材を塑性変形させて、前記格子母材と前記塑性変形部材を略等しい曲率となるように湾曲形成することを特徴とする格子の製造方法。 - 前記格子母材と前記塑性変形部材とを常温接合することを特徴とする請求項12に記載の格子の製造方法。
- 前記格子母材と前記塑性変形部材とを、表面活性化接合方式又は原子拡散接合方式により常温接合することを特徴とする請求項13に記載の格子の製造方法。
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