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JP2018188589A - ベンゾトリアゾール系共重合体およびこれを用いた紫外線吸収剤 - Google Patents

ベンゾトリアゾール系共重合体およびこれを用いた紫外線吸収剤 Download PDF

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JP2018188589A
JP2018188589A JP2017094187A JP2017094187A JP2018188589A JP 2018188589 A JP2018188589 A JP 2018188589A JP 2017094187 A JP2017094187 A JP 2017094187A JP 2017094187 A JP2017094187 A JP 2017094187A JP 2018188589 A JP2018188589 A JP 2018188589A
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benzotriazol
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壽一 阪口
Juichi Sakaguchi
壽一 阪口
加菜 荻野
Kana Ogino
加菜 荻野
橋本 保
Tamotsu Hashimoto
保 橋本
敏之 上坂
Toshiyuki Uesaka
敏之 上坂
岩本 拓也
Takuya Iwamoto
拓也 岩本
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University of Fukui NUC
Shipro Kasei Kaisha Ltd
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Abstract

【課題】樹脂加工時における紫外線吸収性成分の揮散や分解がなく、さらに他の樹脂との相溶性が高い高分子紫外線吸収剤を提供する。【解決手段】下記の一般式(1)で表されるベンゾトリアゾール誘導体化合物と、構成単位として1,2−ビニル構造を必須として含むポリブタジエンとを重合してなる新規のベンゾトリアゾール系共重合体を用いた高分子紫外線吸収剤とする。[好ましくはR1が炭素数2〜8のアルキル基、R2がエチレン基]【選択図】図1

Description

本発明は、新規なベンゾトリアゾール系共重合体に関する。さらにはこれを用いた紫外線吸収剤に関し、詳しくは、高温状態でも揮散や分解が起こりにくい高い耐熱性を示し、樹脂と高い相溶性を示す紫外線吸収剤に関する。
樹脂は自然光の紫外線の作用によって劣化を生じて、軟化、脆化または変色などの現象を伴ってその機械的強度が著しく低下することはよく知られている。このような光による劣化を防ぐため、従来より各種の紫外線吸収剤が樹脂の加工工程中に添加され、使用されている。このような紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、サリシレート系またはトリアジン系の化合物が知られている。
しかし、従来より使用されている紫外線吸収剤は、樹脂加工時の高温状態でそれ自身の揮散や分解が起こることから、樹脂加工時における紫外線吸収剤の揮散による樹脂成型金型の汚染、紫外線吸収剤の熱分解による樹脂の着色等の問題があった。
これらの問題を解決するため、上記の紫外線吸収性化合物を二量化したり、紫外線吸収性化合物に嵩高い置換基を付加することによって、分子量を向上させた高耐熱性の紫外線吸収剤として、揮散や分解を防ぐ提案がされているが、このような化合物は一般的に樹脂との相溶性が不十分であることが多く、樹脂を加工後に紫外線吸収剤が樹脂表面にブリードアウトしてくるという問題があった。
また、特許文献1および2では、(メタ)アクリロイル基を含有するベンゾトリアゾール誘導体と(メタ)アクリル酸エステルを共重合した高分子紫外線吸収剤が提案されており、紫外線吸収性の構造を高分子体の成分として組み込むことで、加工時の高温状態で紫外線吸収性成分の揮散や分解がなく、さらに加工後の紫外線吸収性成分のブリードアウトを防ぐ提案がされている。
特開2012−25811号公報 特開昭60−38411号公報
これらに記載された高分子紫外線吸収剤には、コンタクトレンズ、フィルム、塗料等の用途が示されているが、いずれもこれら高分子紫外線吸収剤が単独で成型または成膜されており、他の樹脂との相溶性が不十分であることが予想され、樹脂にこれら高分子紫外線吸収剤を添加するような使用方法が出来ず、汎用性がない問題があった。そこで本発明における課題は、他の樹脂との相溶性に優れている高分子紫外線吸収剤を提供することであり、そのための新規な共重合体を提供することにある。
本発明では、下記の一般式(1)で表されるベンゾトリアゾール誘導体化合物と、下記の一般式(2)もしくは下記の一般式(3)である構成単位によってその骨格が構成されるとともに前記構成単位として前記一般式(2)が1以上含まれるポリブタジエンとを重合してなる新規なベンゾトリアゾール系共重合体を、高分子紫外線吸収剤として用いることを上記課題の主要な解決手段とする。
Figure 2018188589

一般式(1)
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基、トリル基、ホルミル基、アルキル炭素数1〜7のアルキルカルボニル基、ベンゾイル基、またはトルオイル基を表し、Rは炭素数1〜8のアルキレン基を表し、Rは水素原子、またはメチル基を表す]
Figure 2018188589

一般式(2)
Figure 2018188589

一般式(3)
[一般式(3)中の炭素−炭素二重結合はシス構造、トランス構造のいずれであってもよい。]
好ましくは、上記一般式(1)で示されるベンゾトリアゾール誘導体化合物において、Rが炭素数2〜8のアルキル基であり、Rがエチレン基である表される化合物である。
本発明のベンゾトリアゾール系共重合体は、紫外線吸収性の構造が高分子体の成分として組み込まれていることから、樹脂加工時における紫外線吸収性成分の揮散や分解がなく、さらに他の樹脂との相溶性が高いことから、他の樹脂に添加してもブリードアウトが起こらず、従来技術の課題を解決し得る紫外線吸収剤として有用である。
以下に本発明につき詳細に説明する。本発明は紫外線吸収剤や樹脂組成物として、下記の一般式(1)で表されるベンゾトリアゾール誘導体化合物と、ポリブタジエンとを共重合したベンゾトリアゾール系共重合体を用いたものである。
Figure 2018188589

一般式(1)
一般式(1)中、Rは水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基等の炭素数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基;フェニル基;トリル基;ホルミル基;アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、オクタノイル基、2−エチルヘキサノイル基等のアルキル炭素数1〜7の直鎖又は分岐のアルキルカルボニル基;ベンゾイル基;トルオイル基が挙げられ、Rはメチレン基、エチレン基、トリエチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基等の炭素数1〜8の直鎖または分岐のアルキレン基が挙げられ、Rは水素原子;メチル基が挙げられる。
上記一般式(1)で示されるベンゾトリアゾール誘導体化合物は、好ましくはRが炭素数2〜8のアルキル基であり、Rがエチレン基である表される化合物である。
ベンゾトリアゾール誘導体化合物上記一般式(1)としては、例えば、次に示すものを挙げることができる。2−[2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレート、2−[2−(4−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレート、2−[2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレート、2−[2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレート、2−[2−(4−ベンゾイルオキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレート、4−[2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]ブチルメタクリレート、4−[2−(4−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]ブチルメタクリレート、4−[2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]ブチルメタクリレート、4−[2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]ブチルメタクリレート、4−[2−(4−ベンゾイルオキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]ブチルメタクリレート、2−[2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルアクリレート、2−[2−(4−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルアクリレート、2−[2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルアクリレート、2−[2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルアクリレート、2−[2−(4−ベンゾイルオキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルアクリレート等。
ここに例示する化合物の中で、特に2−[2−(4−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレート、2−[2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレート、2−[2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレート、2−[2−(4−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルアクリレート、2−[2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルアクリレート、2−[2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルアクリレートが好ましく用いられる。
ベンゾトリアゾール誘導体化合物一般式(1)を合成する方法に特に限定はなく、従来公知の反応原理を広く用いることができ、たとえば、下記(化4〜化7)に示した反応式を経て合成することができる。ただし、Xはハロゲン原子を表す。
Figure 2018188589

Figure 2018188589

Figure 2018188589

Figure 2018188589
ポリブタジエン(単重合体)は一般にブタジエンを開裂・重合させたものである。このためその骨格を構成する構成単位は、重合時の分子結合の開裂によって、下記の一般式(2)で示される1,2−ビニル構造か、下記の一般式(3)で示されるシス−1,4構造あるいはトランス−1,4構造のいずれかになる。
Figure 2018188589

一般式(2)
Figure 2018188589
一般式(3)
ただし、本発明のベンゾトリアゾール系共重合体の原材料として用いるポリブタジエンは、上記の一般式(2)の1,2−ビニル構造を必須の構成単位として含むものである。すなわち、構成単位として一般式(2)のみで構成されるポリブタジエンでもよいし、構成単位として一般式(2)と一般式(3)とが混合して構成されるポリブタジエンであってもよい。なお、構成単位として一般式(3)を含む場合に、その構造がシス−1,4構造のみ、あるいはトランス−1,4構造のみであってもよいし、両者が混合して構成されていてもよい。
従って本発明に用いるポリブタジエンの具体例としては、1,2−ポリブタジエン;1,2−ビニル構造とシス−1,4構造の混在ポリブタジエン;1,2−ビニル構造とトランス−1,4構造の混在ポリブタジエン;1,2−ビニル構造、シス−1,4構造、およびトランス−1,4構造の混在ポリブタジエンが挙げられる。
本発明のベンゾトリアゾール系共重合体の重合に用いる、ベンゾトリアゾール誘導体化合物とポリブタジエンとの重合方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の種々の重合方法、例えば、ラジカル重合、イオン重合による連鎖重合反応を用いた溶液重合法、塊状(バルク)重合法、懸濁(パール)重合法、光重合法等を採用することができる。
溶液重合法を採用して共重合体を得る場合において用いることができる溶媒としては、具体的には、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、その他の高沸点の芳香族系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート等のエステル系溶媒;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら溶媒は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。また、溶媒の使用量は、特に限定されるものではない。
懸濁(パール)重合法を採用して共重合体を得る場合において用いることができる分散剤としては、具体的には、例えば、ポリビニルアルコール、 ポリ(メタ)アクリル酸またはその塩、スチレンとマレイン酸共重合体の塩、α−メチルスチレンとアクリル酸共重合体の塩、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリルアミド、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、デンプン、トラガント、ペクチン、グルー、アルギン酸またはその塩等の高分子界面活性剤;ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド等のポリオキシアルキレン系分散剤;ポリオキシエチレン−アルキルエーテル、ポリオキシエチレン−アルキルフェノール、ポリオキシエチレン−多価アルコールエステル、多価アルコールと脂肪酸とのエステル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロック縮合物等の非イオン系界面活性剤等が挙げられる。また、これら分散剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。また、分散剤の使用量は、特に限定されるものではない。
また、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法を採用して共重合体を得る際には、重合開始剤を用いることができる。重合開始剤としては、具体的には、例えば、 2,2'−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル) 、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’ −アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t− ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の油溶性のラジカル重合開始剤;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、t−ブチルパーオキサイド、2,2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]・二塩酸塩、2,2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]・二硫酸・二水和物、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)・二塩酸塩 、2,2−アゾビス〔N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物、2,2−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}・二塩酸塩、2,2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−エチルプロパン)・二塩酸塩、2、2−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2−アゾビス(N−ヒドロキシエチルイソブチルアミド)、4,4−アゾビス(4−シアノペンタン酸)等の水溶性のラジカル重合開始剤;過硫酸塩類や有機過酸化物類の重合開始剤にナトリウムスルホオキシレートホルムアルデヒド、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素アンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、過酸化水素、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸、およびその塩、第一銅塩、第一鉄塩などの還元剤を重合開始剤に組み合わせて用いるレドックス系開始剤;ベンゾフェノン、N,N′−テトラアルキル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパノン−1、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等の芳香族ケトン類、アルキルアントラキノン、フェナントレンキノン等のキノン類、ベンゾイン、アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンゾインアルキルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、9−フェニルアクリジン等のアクリジン誘導体、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(o−ベンゾイルオキシム)]等のオキシムエステル類、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン等のクマリン系化合物、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系化合物等の光(主として紫外線)開裂型ラジカル重合開始剤が挙げられるが、特に限定されるものではない。また、これら重合開始剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。また、重合開始剤の使用量は、特に限定されるものではない。
反応温度は、特に限定されるものではないが、室温〜200℃の範囲が好ましく、50℃〜150℃の範囲がより好ましい。尚、反応時間は、反応温度、或いは、用いる原材料の種類等に応じて、重合反応が完結するように、適宜設定すればよい。
光重合法を採用して共重合体を得る場合において用いる光重合開始剤としては、活性エネルギー線の照射によって光重合開始作用を示す公知の光重合開始剤のいずれもが使用できる。例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどを挙げることができ、また、ベンゾフェノンおよび/または2−イソプロピルチオキサントンと重合促進剤の2−エチルヘキシル−4−ジメチルアミノベンゾエートおよび/またはエチル−4−ジメチルアミノベンゾエートといった組み合わせも使用できる。本発明で、これらの光重合開始剤を単独で用いてもよいし、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のベンゾトリアゾール系共重合体を添加可能な樹脂は特に限定されるわけではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン、ポリ-3−メチルブチレン、ポリメチルペンテンなどのα−オレフィン重合体またはエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ臭化ビニル、ポリフッ化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、臭素化ポリエチレン、塩化ゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル三元共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、内部可塑性ポリ塩化ビニルなどの含ハロゲン合成樹脂、石油樹脂、クマロン樹脂、ポリスチレン、スチレンと他の単量体(無水マレイン酸、ブタジエン、アクリロニトリルなど)との共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、アクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン樹脂、メタクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン樹脂などのスチレン系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂、メタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンオキシド、ポリアセタール、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、強化ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリオキシベンゾイル、ポリイミド、ポリマレイミド、ポリアミドイミド、アルキド樹脂、アミノ樹脂、ビニル樹脂、水溶性樹脂、粉体塗料用樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリチオウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を挙げることができる。
本発明のベンゾトリアゾール系共重合体を樹脂に添加する場合、紫外線吸収剤としては本発明のベンゾトリアゾール系共重合体のみ、あるいは他の紫外線吸収剤と組み合わせて使用できる。本発明のベンゾトリアゾール系共重合体以外の紫外線吸収剤としては、一般に市場で入手できるもので紫外領域を吸収できるものであれば特に限定されない。例えば、ベンゾトリアゾール誘導体、ベンゾフェノン誘導体、サリシレート誘導体、シアノアクリレート誘導体、トリアジン誘導体等が用いられる。これらの紫外線吸収剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
本発明のベンゾトリアゾール系共重合体は、樹脂に対して0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜2重量%の範囲で使用されることが好ましい。
以下に本発明で実施したベンゾトリアゾール系共重合体の合成法及び特性を示す。ただし合成方法はこれに限定されるものではない。
(中間体合成例1)
[前駆体;2−[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−5−オクチルオキシフェノールの合成]
Figure 2018188589
1000mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、常法にて合成した4−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオールを176.0g(0.684モル)、メチルイソブチルケトン350ml、1−クロロオクタン142.0g(0.955モル)、炭酸ナトリウム62.0g(0.585モル)、ヨウ化カリウム5.2gを入れて、120〜130℃で12時間還流脱水した。水200mlを加え、静置して下層部の水層を分離して除去し、温水200mlで洗浄した。メチルイソブチルケトン350mlを減圧で回収し、イソプロピルアルコール450mlを加え、析出した結晶をろ過し、イソプロピルアルコール200mlで洗浄し、乾燥して、2−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−オクチルオキシフェノールを216.9g得た。
10Lの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、2−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−オクチルオキシフェノールを216.9g(0.587モル)、47%臭化水素酸125.8g(0.731モル)、スルホラン1800mlを入れて100〜105℃で48時間撹拌した。トルエン800ml、水3500mlを加えて、静置して下層の水層を分離して除去し、温水1300mlで2回洗浄し、トルエン800mlを減圧で回収した。イソプロピルアルコール800ml、水200mlを加えて、5℃まで冷却し、析出する結晶をろ過し、イソプロピルアルコール水溶液(80% V/V)200mlで洗浄し、乾燥して、2−(5−ヒドロキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−オクチルオキシフェノールを126.6g得た。
1000mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、2−(5−ヒドロキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−オクチルオキシフェノールを126.6g(0.356モル)、メチルイソブチルケトン450ml、2−クロロエタノール35.8g(0.445モル)、炭酸ナトリウム23.5g(0.222モル)、ヨウ化カリウム17.8gを入れて、113〜118℃で10時間還流脱水した。250mlの水を加え、静置して下層部の水層を分離して除去し、温水150mlで洗浄した。メチルイソブチルケトン450mlを減圧で回収後にイソプロピルアルコール500mlを加えて10℃まで冷却し、析出した結晶をろ過し、イソプロピルアルコール50mlで洗浄し、乾燥して、2−[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−5−オクチルオキシフェノールを95.3g得た。収率35%(4−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオールから)であった。
(中間体合成例2)
[化合物(a);2−[2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレートの合成]
Figure 2018188589

化合物(a)
1000mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、2−[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−5−オクチルオキシフェノールを95.3g(0.239モル)、トルエン550ml、メタクリル酸50.6g(0.588モル)、メタンスルホン酸29.8g(0.310モル)を入れて、110〜115℃で4時間還流脱水した。水200ml、炭酸ナトリウム32.8g(0.309モル)を加え、静置して下層部の水層を分離して除去し、活性炭1.8gを加え、還流撹拌して脱色させた。熱時にろ過し、そのろ液からトルエン550mlを減圧で回収した後にイソプロピルアルコール750mlを加え、析出した結晶をろ過し、イソプロピルアルコール100mlで洗浄した後、減圧下40℃で乾燥し、白色結晶を88.1g得た。全量をイソプロピルアルコールで再結晶して、減圧下40℃で乾燥し、化合物(a)を77.8g得た。収率70%(2−[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−5−オクチルオキシフェノールから)であった。融点は92℃。
また、HPLC分析により、化合物(a)の純度を測定した。
<測定条件>
装置:L−2130((株)日立ハイテクノロジーズ製)
使用カラム:SUMIPAX ODS A−212 6×150mm 5μm
カラム温度:40℃
移動相: メタノール/水=99/1
流速:1.0ml/min
<測定結果>
HPLC面百純度:99.9%
なお、以下の化合物(b)も化合物(a)と同様の測定条件でHPLC分析を行った。
また、化合物(a)の紫外〜可視吸収スペクトルを測定したところ、最大吸収波長λmaxは350nmであり、この時の吸光度εは30900であった。スペクトルの測定条件は次のとおりである。
<測定条件>
装置:UV−2450((株)島津製作所製)
測定波長:250〜 450nm
溶媒:クロロホルム
濃度:10ppm
セル:1cm石英
なお、以下の化合物(b)、(c)、(d)も化合物(a)と同様の測定条件で紫外〜可視吸収スペクトルの測定を行った。
また、化合物(a)のNMR解析を行った結果、上記構造を支持する結果が得られた。測定条件は次のとおりである。
<測定条件>
装置:JEOL AL−300
共振周波数:300MHz(1H−NMR)
溶媒:クロロホルム−d
1H−NMRの内部標準物質として、テトラメチルシランを用い、ケミカルシフト値はδ値(ppm)、カップリング定数はHertzで示した。またsはsinglet、dはdoublet、tはtriplet、ddはdouble doublet、mはmultiplet、bはbroadの略とする。以下の化合物(b)、(c)、(d)においても同様である。得られたNMRスペクトルの内容は以下のとおりである。
δ=11.3(s,OH),8.19(d,1H,J=9.9Hz,benzotriazole−H),7.78(dd,1H,J=9.92Hz,J=0.96Hz,J=0.87Hz,benzotriazole−H),7.0−7.3(m,2H,benzotriazole−H,phenol−H),6.67(d,1H,J=2.91Hz,phenol−H),6.59(dd,1H,J=10.2Hz,J=2.94Hz,J=3.06Hz,=CH−H),6.17(s,1H,phenol−H),5.61(t,1H,=CH−H),4.57(t,2H,O−CH−CH−O−H),4.32(t,2H,O−CH−CH−O−H),4.00(t,2H,pH−O−CH−H),1.80(m,2H,CH−H),1.2−1.6(m,10H,(CH)5−H),0.89(s,3H,CH−H)
(中間体合成例3)
[化合物(b);2−[2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルアクリレートの合成]
Figure 2018188589

化合物(b)
メタクリル酸をアクリル酸とした以外は中間体合成例2と同様にして、化合物(b)を収率43%(2−[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−5−オクチルオキシフェノールから)で得た。融点86℃、HPLC面百純度98.7%、最大吸収波長λmaxが351nmの時の吸光度εは29700であった。
また、化合物(b)のNMR解析を行った結果、上記構造を支持する結果が得られた。測定条件は次のとおりである。
<測定条件>
装置: VARIAN Mercury300
共振周波数:300MHz(1H−NMR)
溶媒:クロロホルム−d
得られたNMRスペクトルの内容は以下のとおりである。なお、以下の化合物(c)、(d)も化合物(b)と同様の測定条件でNMR測定を行った。
δ=11.3(b,OH),8.21(d,1H,J=9.07Hz,benzotriazole−H),7.79(d,1H,J=9.07Hz,benzotriazole−H),7.18(d,1H,J=2.3Hz,phenol−H),7.16(d,1H,J=2.3Hz,phenol−H),7.15(d,1H,J=1.81,benzotriazole−H,),6.67(s,1H,phenol−H),6.60(m,1H,=CH−H),6.20(q,1H,CH=−H),5.89(dd,1H,J=10.5Hz,J=0.66Hz,J=0.75Hz,=CH−H),4.32(t,2H,O−CH−CH−O−H),4.00(t,2H,O−CH−CH−O−H),0.8−2(m,17H,n−C8H17−H)
(中間体合成例4)
[化合物(c);2−[2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレートの合成]
Figure 2018188589

化合物(c)
200mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、4−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオールを17.0g(0.066モル)、メチルイソブチルケトン35ml、1−ブロモブタン9.2g(0.067モル)、炭酸ナトリウム5.6g(0.053モル)、ヨウ化カリウム4.9gを入れて105〜115℃で4時間還流撹拌した。水35mlを加え、静置して下層部の水層を分離して除去し、温水35mlで洗浄した。メチルイソブチルケトン35mlを減圧で回収後にイソプロピルアルコール100mlを加え、析出した結晶をろ過し、イソプロピルアルコール20mlで洗浄し、乾燥して、5−ブトキシ−2−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノールを15.0g得た。
500mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、5−ブトキシ−2−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノールを15.0g(0.048モル)、47%臭化水素酸9.9g(0.058モル)、スルホラン145mlを入れて100〜105℃で48時間撹拌した。トルエン70ml、水200mlを加えて、静置して下層の水層を分離して除去し、温水100mlで2回洗浄し、トルエン70mlを減圧で回収した。イソプロピルアルコール30ml、水15mlを加えて、5℃まで冷却し、析出する結晶をろ過し、イソプロピルアルコール水溶液(70% V/V)20mlで洗浄し、乾燥して、5−ブトキシ−2−(5−ヒドロキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノールを6.2g得た。
200mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、5−ブトキシ−2−(5−ヒドロキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノールを6.2g(0.021モル)、メチルイソブチルケトン50ml、2−クロロエタノール7.4g(0.092モル)、炭酸ナトリウム4.9g(0.046モル)、ヨウ化カリウム0.2gを入れて113〜118℃で10時間還流脱水した。水50mlを加え、静置して下層部の水層を分離して除去し、温水50mlで洗浄した。メチルイソブチルケトン50mlを減圧で回収後にイソプロピルアルコール25mlを加えて5℃まで冷却し、析出した結晶をろ過し、イソプロピルアルコール15mlで洗浄し、乾燥して、5−ブトキシ−2−(5−(2−ヒドロキシエトキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノールを3.4g得た。
200mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、5−ブトキシ−2−(5−(2−ヒドロキシエトキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノールを3.4g(0.010モル)、トルエン40ml、メタクリル酸1.7g(0.020モル)、メタンスルホン酸0.2g(0.002モル)を入れて、110〜115℃で4時間還流脱水した。水30ml、炭酸ナトリウム0.7g(0.007モル)を加え、静置して下層部の水層を分離して除去し、活性炭0.1gを加え、還流撹拌して脱色させた。熱時にろ過し、ろ液からトルエン40mlを減圧で回収した後にイソプロピルアルコール30mlを加え、析出した結晶をろ過し、イソプロピルアルコール15mlで洗浄した後、減圧下40℃で乾燥し、白色結晶を2.7g得た。この2.7gをイソプロピルアルコールで再結晶して、減圧下40℃で乾燥し、化合物(c)を2.2g得た。収率8%(4−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオールから)であった。融点101℃、最大吸収波長λmaxが351nmの時の吸光度εは29100であった。
また、HPLC分析により、化合物(c)の純度を測定した。
<測定条件>
装置:L−2130((株)日立ハイテクノロジーズ製)
使用カラム:Inertsil ODS−3 4.6×150mm 5μm
カラム温度:25℃
移動相: アセトニトリル/水=9/1(リン酸3ml/L)
流速:1.0ml/min
<測定結果>
HPLC面百純度:98.7%
なお、以下の化合物(d)も化合物(c)と同様の測定条件でHPLC測定を行った。
また、化合物(c)のNMR解析を行った結果、上記構造を支持する結果が得られた。得られたNMRスペクトルの内容は以下のとおりである。
δ=11.3(b,OH),8.21(d,1H,J=9.24Hz,benzotriazole−H),7.80(dd,1H,J=9.1Hz,J=0.66Hz,J=0.66Hz,benzotriazole−H),7.18(d,1H,J=2.31Hz,phenol−H),6.68(d,1H,J=2.64Hz,phenol−H),6.60(dd,1H,J=9.2Hz,J=2.64Hz,J=2.64Hz,benzotriazole−H,),6.18(s,1H,=CH−H),5.62(m,1H,=CH−H),0.9−2.1(m,3H,9H,CH,n−C4H9−H)
(中間体合成例5)
[化合物(d);2−[2−(4−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレートの合成]
Figure 2018188589

化合物(d)
200mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、4−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオールを10.0g(0.039モル)、メチルイソブチルケトン40ml、ブロモエタン6.4g(0.059モル)、炭酸ナトリウム3.3g(0.031モル)、ヨウ化カリウム3.0gを入れて95〜110℃で6時間還流撹拌した。水20mlを加え、静置して下層部の水層を分離して除去し、温水20mlで洗浄した。メチルイソブチルケトン40mlを減圧で回収後にイソプロピルアルコール100mlを加え、析出した結晶をろ過し、イソプロピルアルコール25mlで洗浄し、乾燥して、5−エトキシ−2−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノールを8.2g得た。
500mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、5−エトキシ−2−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノールを8.2g(0.029モル)、47%臭化水素酸6.2g(0.036モル)、スルホラン82mlを入れて100〜105℃で33時間撹拌させた。トルエン50ml、水165mlを加えて、静置して下層の水層を分離して除去し、温水80mlで洗浄し、トルエン50mlを減圧で回収した。イソプロピルアルコール35ml、水15mlを加えて、5℃まで冷却し、析出する結晶をろ過し、イソプロピルアルコール水溶液(70% V/V)20mlで洗浄し、乾燥して、5−エトキシ−2−(5−ヒドロキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノールを4.6g得た。
200mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、5−エトキシ−2−(5−ヒドロキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノールを4.6g(0.017モル)、メチルイソブチルケトン35ml、2−クロロエタノール1.7g(0.021モル)、炭酸ナトリウム1.1g(0.010モル)、ヨウ化カリウム0.9gを入れて、113〜118℃で8時間還流脱水した。水30mlを加え、静置して下層部の水層を分離して除去し、温水30mlで洗浄した。メチルイソブチルケトン35mlを減圧で回収し、5−エトキシ−2−[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]フェノールの固形分を5.0g得た。
300mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、5−エトキシ−2−[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]フェノールの固形分を5.0g(0.016モル)、トルエン100ml、メタクリル酸2.7g(0.031モル)、メタンスルホン酸2.0g(0.021モル)を入れて、110〜115℃で4時間還流脱水した。水80ml、炭酸ナトリウム1.9g(0.018モル)を加え、静置して下層部の水層を分離して除去し、活性炭0.1gを加え、還流撹拌して脱色させた。熱時ろ過し、ろ液からトルエン100mlを減圧で回収した後にイソプロピルアルコール30mlを加え、析出した結晶をろ過し、イソプロピルアルコール20mlで洗浄した後、減圧下40℃で乾燥し、白色結晶を3.2g得た。この3.2gをイソプロピルアルコールで再結晶して、減圧下40℃で乾燥し、化合物(d)を1.6g得た。収率11%(4−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオールから)であった。融点156℃、HPLC面百純度98.1%、最大吸収波長λmaxが350nmの時の吸光度εは29000であった。
また、化合物(d)のNMR解析を行った結果、上記構造を支持する結果が得られた。得られたNMRスペクトルの内容は以下のとおりである。
δ=11.3(b,OH),8.21(d,1H,J=9.07Hz,benzotriazole−H),7.79(d,1H,J=9.72,benzotriazole−H),7.16(m,1H,phenol−H),6.68(d,1H,J=2.64Hz,phenol−H),6.59(dd,1H,J=9.2,J=2.8,J=2.64,phenol−H,),6.17(s,1H,C=CH−H),5.61(t,1H,=CH−H),4.58(m,2H,O−CH−CH−O−H),4.32(t,2H,O−CH−CH−O−H),4.08(q,2H,−CH−CH−H),1.67(s,3H,C=CH−CH−H),1.57(t,3H,CH−CH−H)
(実施例1)
[共重合体(a);化合物(a)/1,2−ポリブタジエンの共重合]
100mlのガラス管に、化合物(a);2−[2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレートを1.87g(0.004モル)、ベンゼン20ml、1,2−ポリブタジエン1.30g(0.024モル)(Aldrich社製「製品番号466867−250ML」)、ベンゾイルパーオキサイド0.097g(0.0004モル)を入れて、凍結乾燥した後に封管した。ガラス管を90℃のオイルバスに入れて24時間重合させた。重合溶液を100mlフラスコへ移し、エバポレーターでベンゼンを留去した。そこへクロロホルム10mlを加えて生成物を溶解させ、その溶液を200mlのアセトンの中へ滴下した。析出したポリマーをろ過し、アセトン100mlで洗浄した後、減圧下室温で乾燥し、淡黄色固体の共重合体(a)を1.90g得た。
また、共重合体(a)の分子量を測定した結果、重量平均分子量(Mw)は28800、数平均分子量(Mn)は14600、多分散度(Mw/Mn)は1.97であった。測定条件は次のとおりである。
<測定条件>
装置:LC−10AD((株)島津製作所製)
溶離液:クロロホルム
カラム:Shodex K−807L、Shodex K805L、Shodex K−804L(昭和電工(株)製)
また、共重合体(a)の紫外〜可視吸収スペクトルを測定したところ、最大吸収波長λmaxは348.4nmであった。スペクトルを図1に示す。スペクトルの測定条件は次のとおりである。
<測定条件>
装置:UV−1850((株)島津製作所製)
測定波長:250〜 450nm
溶媒:クロロホルム
濃度:10ppm
セル:1cm石英
また、共重合体(a)の赤外線吸収スペクトルを測定した結果、化合物(a)とビニル基特有の吸収ピークが観測され、目的物が得られたことを支持した。得られた赤外線吸収スペクトルを図2に示す。なお、測定条件は次のとおりである。また、以下の実施例2も本実施例と同様の測定条件で赤外線吸収スペクトル測定を行った。
<測定条件>
装置:Nicolet iS5、Thermo Fisher
検体:ポリマー薄膜(ATR法)
(実施例2)
[共重合体(b);化合物(a)/1,2−ビニル構造、シス−1,4構造、およびトランス−1,4構造の混在ポリブタジエンの共重合]
100mlのガラス管に、化合物(a);2−[2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレートを2.81g(0.006モル)、ベンゼン20ml、1,2−ビニル構造9%、シス−1,4構造36%、およびトランス−1,4構造55%の混在ポリブタジエン2.17g(0.040モル)(Aldrich社製「製品番号181382−100G」)、ベンゾイルパーオキサイド0.097g(0.0004モル)を入れて、凍結乾燥した後に封管した。ガラス管を90℃のオイルバスに入れて24時間重合させた。重合溶液を100mlフラスコへ移し、エバポレーターでベンゼンを留去した。そこへクロロホルム10mlを加えて生成物を溶解させ、その溶液を200mlのアセトンの中へ滴下した。析出したポリマーをろ過し、アセトン100mlで洗浄した後、減圧下室温で乾燥し、淡黄色固体の共重合体(b)を2.80g得た。共重合体(b)の赤外線吸収スペクトルを測定した結果、化合物(a)とビニル基特有の吸収ピークが観測され、目的物が得られたことを支持した。得られた赤外線吸収スペクトルを図3に示す。
[耐熱性の測定]
実施例1で得られた共重合体(a)、および比較例として従来の一般的な紫外線吸収剤である化合物(e);2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチルフェノールの耐熱性を、示差熱熱重量同時測定装置を用いて測定した結果を表1に示す。
Figure 2018188589
[紫外線吸収フィルムの作製]
実施例1で得られた共重合体(a)または比較例の化合物(e)と、ポリスチレン、ポリカーボネート、またはポリメタクリル酸メチルと、ジクロロメタンを表2で示す比率で混合し、紫外線吸収剤を有した樹脂組成物の溶液を得た。得られた紫外線吸収剤を有した樹脂組成物の溶液20mlを、直径12cmのシャーレに移し、25℃での常圧乾燥を48時間、25℃での減圧乾燥を3時間実施して溶媒を除去し、膜厚20μmの紫外線吸収剤を1%含んだ紫外線吸収フィルムを得た。
Figure 2018188589
[光沢度の測定]
上記で得られた紫外線吸収フィルム表面の光沢度を表3に示す。樹脂素材と紫外線吸収剤の相溶性が不十分な場合、紫外線吸収剤がフィルム表面にブリードアウトしてくることから、フィルム表面にざらつきが出て、光沢度が低下する。よって、樹脂素材と紫外線吸収剤の相溶性の指標となる。
Figure 2018188589
表1より、本発明のベンゾトリアゾール系共重合体である共重合体(a)は、従来の一般的な紫外線吸収剤である化合物(e)より、5%重量減少温度が高く、高温時の揮散や分解が起こりにくい高い耐熱性があることがわかる。また、表3より、本発明のベンゾトリアゾール系共重合体である共重合体(a)を添加した紫外線吸収フィルムは、従来の一般的な紫外線吸収剤である化合物(e)を添加した紫外線吸収フィルムより、各種の樹脂素材で同等または優れた光沢度を示していることから、各種の樹脂でブリードアウトが起こりにくい性質をもつことがわかり、有用な紫外線吸収剤であることがわかる。なお、耐熱性、および光沢度の測定条件は、以下の通りである。
<耐熱性測定条件>
装置:TG/DTA6300(セイコーインスツル(株)製)
測定温度:60〜500℃
昇温速度:10℃/分
測定雰囲気:窒素
<光沢度測定条件>
装置:UNI GLOSS60(コニカミノルタセンシング(株)製)
測定角度:60℃
本発明のベンゾトリアゾール系共重合体は、紫外線吸収性の構造が高分子体の成分として組み込まれていることから、樹脂加工時における紫外線吸収性成分の揮散や分解がなく、さらに他の樹脂との相溶性が高いことから、他の樹脂に添加してもブリードアウトが起こらず、樹脂用の紫外線吸収剤として好適に利用できる。特に加工温度が高い樹脂に対して、好適に利用できる。
共重合体(a)の紫外〜可視吸収スペクトルである。 共重合体(a)の赤外線吸収スペクトルである。 共重合体(b)の赤外線吸収スペクトルである。

Claims (4)

  1. 下記の一般式(1)で表されるベンゾトリアゾール誘導体化合物と、
    下記の一般式(2)もしくは下記の一般式(3)である構成単位によってその骨格が構成されるとともに前記構成単位として前記一般式(2)が1以上含まれるポリブタジエンとを
    重合してなることを特徴とするベンゾトリアゾール系共重合体。
    Figure 2018188589
    一般式(1)
    [式中、Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基、トリル基、ホルミル基、アルキル炭素数1〜7のアルキルカルボニル基、ベンゾイル基、またはトルオイル基を表し、Rは炭素数1〜8のアルキレン基を表し、Rは水素原子、またはメチル基を表す]
    Figure 2018188589

    一般式(2)
    Figure 2018188589

    一般式(3)
    [一般式(3)中の炭素−炭素二重結合はシス構造、トランス構造のいずれであってもよい。]
  2. 前記一般式(1)のベンゾトリアゾール誘導体化合物において、前記一般式(1)式中、Rが炭素数2〜8のアルキル基であり、Rがエチレン基である請求項1記載のベンゾトリアゾール系共重合体。
  3. 請求項1または請求項2に記載のベンゾトリアゾール系共重合体を含有する紫外線吸収剤。
  4. 樹脂に、請求項1または請求項2に記載のベンゾトリアゾール系共重合体を配合した紫外線吸収性樹脂組成物。
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