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JP2018185494A - 表示装置 - Google Patents

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JP2018185494A
JP2018185494A JP2017088914A JP2017088914A JP2018185494A JP 2018185494 A JP2018185494 A JP 2018185494A JP 2017088914 A JP2017088914 A JP 2017088914A JP 2017088914 A JP2017088914 A JP 2017088914A JP 2018185494 A JP2018185494 A JP 2018185494A
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JP2017088914A
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翔 吾 久保田
Shogo Kubota
翔 吾 久保田
重 牧 夫 倉
Makio Kurashige
重 牧 夫 倉
夏 織 中津川
Kaori Nakatsugawa
夏 織 中津川
田 一 敏 石
Kazutoshi Ishida
田 一 敏 石
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

【課題】観察者の要求に応じて、スクリーンの表示内容を切り替える。【解決手段】表示装置1は、スクリーン40と、光をスクリーンに投射する投射装置20と、外表面の少なくとも一部にスクリーンが配置される筐体1aと、筐体に取り付けられ、スクリーンよりも観察者に近い側に配置されるハーフミラー11と、投射装置がスクリーンへの投射を行うか否かと、投射装置によるスクリーンへの投射光強度と、の少なくとも一方を制御する投射制御部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、光が投射されるスクリーンを備えた表示装置に関する。
ドライブシミュレータやフライトシミュレータ等において、フロントガラスや風防などの透明物体の影響を模擬した映像をスクリーン等に表示する表示装置が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1では、透明物体の影響を画像化した幻惑画像を生成する液晶ディスプレイを設けて、幻惑画像をスクリーン上に投影された前景画像と合成して観察者に提供している。また、特許文献1には、観察者に近い側にハーフミラーを配置し、観察者から遠い側に液晶ディスプレイを配置し、液晶ディスプレイ上で合成画像を生成する例も開示されている。
特開2016−170306号公報
特許文献1では、スクリーンやハーフミラーを投影画像を視認する目的でしか使用していない。ハーフミラーは、透過性と反射性という相反する特徴を有する。この特徴を生かせば、ハーフミラーを投影画像の視認だけでなく、観察者自らの姿を映し出すことも可能である。しかしながら、特許文献1には、ハーフミラーを観察者自らの姿を映し出す目的に使用するという着想は何ら開示されていない。
例えば、化粧品店では、化粧品の試供品を使用した状態を確認できるように、複数の鏡が用意されていることが多い。ところが、売り場に鏡を配置すると、商品や値札、広告ポスター、商品説明札等の置き場所が制限されてしまい、目的とする商品を見つけにくくなったり、値段等がわかりにくくなったりする。
このような課題を解決するために、本発明は、観察者の要求に応じて、スクリーンの表示内容を切り替えることができる表示装置を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様によれば、スクリーンと、
光を前記スクリーンに投射する投射装置と、
外表面の少なくとも一部に前記スクリーンが配置される筐体と、
前記筐体に取り付けられ、前記スクリーンよりも観察者に近い側に配置されるハーフミラーと、
前記投射装置が前記スクリーンへの投射を行うか否かと、前記投射装置による前記スクリーンへの投射光強度と、の少なくとも一方を制御する投射制御部と、を備える表示装置が提供される。
前記投射制御部は、観察者が前記スクリーンを鏡として使用する場合には、前記投射装置による前記スクリーンへの投射を停止させてもよい。
前記投射制御部は、観察者が自らの姿と前記投射装置による投射画像との合成表示を望む場合には、前記投射装置に対して前記スクリーンへの投射を行わせてもよい。
前記投射装置は、前記スクリーンの投射光強度を複数通りに切替可能であり、
前記投射制御部は、観察者の要求に応じて、前記投射装置の投射光強度の切替を制御してもよい。
前記投射装置は、前記スクリーンの投射光強度を、第1光強度と、前記第1光強度よりも光強度の高い第2光強度とに切替可能であり、
前記投射制御部は、観察者の要求に応じて、観察者が前記スクリーンを鏡として使用する第1表示モードと、前記投射装置による投射光強度を前記第1光強度に設定する第2表示モードと、前記投射装置による投射光強度を前記第2光強度に設定する第3表示モードと、のいずれかに切替制御してもよい。
本発明の他の一態様によれば、スクリーンと、
光を前記スクリーンに投射する投射装置と、
前記スクリーンを透過した観察者の姿を撮影して第1画像を生成する撮影部と、
前記第1画像を前記スクリーンに投射するか否かと、前記第1画像とは異なる第2画像を前記第1画像と合成させた第3画像を前記スクリーンに投射するか否かと、を切替制御する投射制御部と、を備える、表示装置が提供される。
前記投射制御部は、前記第3画像を前記スクリーンに投射する際に、前記第3画像における前記第1画像と前記第2画像との輝度比を複数段階に切替制御してもよい。
前記スクリーンの表示態様に関する複数の表示モードの中からいずれかの表示モードを観察者に選択させる選択部を備え、
前記投射制御部は、前記選択部により観察者が選択した表示モードに基づいて、前記投射装置による前記スクリーンへの投射を制御してもよい。
前記選択部は、前記筐体に設けられる選択ボタンと、前記スクリーン上の所定位置をタッチした否かを検出するタッチセンサとの少なくとも一方を有してもよい。
前記スクリーンは、1以上の特定の波長域の光を透過させ、前記特定の波長域以外の光を反射させる波長選択反射層を有し、
前記特定の波長域は、前記投射装置から出射される光の波長域であってもよい。
前記スクリーンは、複数の粒子または所定の液体を含む制御層と、前記制御層に電圧を印加して前記複数の粒子または前記所定の液体を駆動する電極と、を有するシート部材を備え、
前記複数の粒子または前記所定の液体は、所定箇所に配置された光源から照射された光を透過または反射させ、
前記電極は、前記電圧に応じて前記制御層の内部で前記複数の粒子の移動および回転の少なくとも一方を生じさせるか、または前記電圧に応じて前記制御層の内部で前記所定の液体を移動させてもよい。
前記筐体は棚であってもよい。
前記投射装置は、前記筐体に内蔵されていてもよい。
本発明によれば、観察者の要求に応じて、スクリーンの表示内容を切り替えることができる。
第1の実施形態による表示装置の斜視図。 3台のプロジェクタでスクリーンの投射を行う例を示す図。 スクリーンの断面構造の一例を示す図。 第1表示モードにおける表示装置内の光の進行方向を示す図。 第1表示モードにおけるスクリーンの一表示例を示す図。 第2表示モードにおける表示装置内の光の進行方向を示す図。 第2表示モードにおけるスクリーンの一表示例を示す図。 第2表示モードにおけるスクリーンの一表示例を示す図。 第3表示モードにおける表示装置内の光の進行方向を示す図。 第3表示モードにおけるスクリーンの一表示例を示す図。 光進行方向変更部材を設けた例を示す平面図。 図7Aの矢印方向から見た平面図。 第1の実施形態による表示装置の制御系のブロック図。 スペックル低減シートの断面構造を示す断面図。 粒子の拡大図。 一対の電極に印加される電圧波形を示す図。 図9とは異なる構造の粒子を用いたスペックル低減シートの断面図。 図9と図12とは異なる構造の粒子を用いたスペックル低減シートの断面図。 図9、図12および図13とは異なる構造の粒子を用いたスペックル低減シートの断面図。 図14から粒子を回転させた例を示す図。 第1電極と第2電極がストライプ状に形成されている例を示す図。 キャビティが単一の粒子を含むように構成されている例を示す図。 電気泳動方式のスペックル低減シートの一例を示す模式図。 図18Aとは異なる電気泳動方式のスペックル低減シートの一例を示す模式図。 マイクロカプセルを2つの電極間に多数配置した例を示す図。 各セル部ごとに粒子の移動を制御する例を示す図。 図19Aとは異なる構造で各セル部ごとに粒子の移動を制御する例を示す図。 隔壁構造の各セル部に気体と複数の粉粒体を充填する例を示す図。 エレクトロウェッティング方式を採用する例を示す図。 スペックル低減シートとハーフミラーの間に透過拡散層を設けた例を示す図。 第2の実施形態による表示装置の概略構成を示す図。 自らの姿である第1画像と第2画像とが合成された第3画像を視認する例を示す図。 自らの姿である第1画像よりも第2画像をより鮮明に視認する例を示す図。 図23の表示装置の制御系のブロック図。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
以下、図面を参照して本開示の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
さらに、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態による表示装置1の斜視図である。図1の表示装置1は、箱形の筐体1aを備えている。図1の表示装置1のより具体的な使用例としては、種々の商品34を並べる商品陳列棚や、飾り物等を載置する意匠棚などである。なお、図1の表示装置1は、棚以外の目的にも適用可能であり、筐体1aの外形形状も必ずしも箱形に限定されない。
図1の表示装置1の筐体1aの内部には、プロジェクタ(投射装置)20と、プロジェクタ20の電力源、電力制御部および制御装置35等を内蔵した駆動装置36と、が設けられている。筐体1aの外表面の少なくとも一部にはスクリーン40が配置されている。図1では、箱形の筐体1aの一側面にスクリーン40を配置する例を示しているが、スクリーン40の配置場所とサイズは、図1に示したものには限定されない。また、スクリーン40は、必ずしも平面形状である必要はなく、曲面形状や折れ面形状等の非平面形状でもよい。
駆動装置36は、複数の場所に分離して配置されていてもよい。例えば、駆動装置36内の一部の部材、例えば制御装置35をその他の部材とは別個の場所に設けてもよい。より具体的には、制御装置35をプロジェクタ20に内蔵させてもよい。制御装置35は、後述する投射制御部を有する。また、駆動装置36内の一部の構成部品は、筐体1aの外側に配置されていてもよい。
プロジェクタ20は、コヒーレント光を射出する光源と、光源から射出されたコヒーレント光をスクリーン40上で走査させる走査デバイスとを有する。プロジェクタ20から出力されるコヒーレント光は、いわゆるフォーカスフリーであり、任意の場所に設けられたスクリーン40に対して鮮明な画像を投射することができる。プロジェクタ20の光出射口からスクリーン40までの光路長によって、スクリーン40上の投射サイズが変化する。
なお、光源は、必ずしもレーザ光等のコヒーレント光を射出するものである必要はなく、LED(Light Emitting Device)光などの非コヒーレント光を射出する光源でもよい。以下では、主にコヒーレント光を射出する光源を用いたプロジェクタ20について説明する。
走査デバイスとしては、例えばMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーなどが用いられる。
図1は、1台のプロジェクタ20でスクリーン40の投射を行う例を示しているが、複数台のプロジェクタ20でスクリーン40の投射を行ってもよい。図2は3台のプロジェクタ20でスクリーン40の投射を行う例を示している。この場合、各プロジェクタ20は、スクリーン40内の部分的な投射領域の投射を行う。理想的には、各プロジェクタ20の投射範囲は、スクリーン40の水平方向に連続的に繋がっており、かつ鉛直方向の高さ位置も一致している。
スクリーン40は透過型であり、観察者は筐体1aの外側から図示の矢印の向きにスクリーン40を観察する。以下では、観察者がスクリーン40に正対する側を表示装置1の正面側とする。
図3はスクリーン40の断面構造の一例を示す図である。図3のスクリーン40は、観察者に近い側、すなわち表示装置1の正面側から順に、ハーフミラー11と、スペックル低減シート12と、レンチキュラ層13と、フレネルレンズ層14と、を有する。スクリーン40には、これらの層以外の層が含まれていてもよいし、図示された一部の層が含まれていなくてもよい。
ハーフミラー11は、観察者側からの入射光の一部を透過させるとともに、残りの少なくとも一部を反射させる。これにより、観察者は、ハーフミラー11に映し出された自らの姿を視認可能となる。
ハーフミラー11は、特定の波長域の光を透過させて、特定の波長域以外の波長域の光を反射させる光学特性を持った波長選択膜で形成されていてもよい。このような波長選択膜は、例えば誘電体多層膜にて実現可能である。特定の波長域とは、プロジェクタ20から射出される光の波長域である。コヒーレント光を射出するプロジェクタ20は、RGBの3色に対応する3種類の狭小な波長域の光を射出する。波長選択膜がプロジェクタ20からの射出光を通過する光学特性を持っている場合には、プロジェクタ20から射出された光は、波長選択膜からなるハーフミラー11を透過して観察者の目に届くことになる。
また、波長選択膜は、特定の波長域以外の波長域の光を反射させるため、観察者側から入射された光のうち、特定の波長域以外の波長域の光は、波長選択膜からなるハーフミラー11で反射されて、同様に観察者の目に届くことになる。よって、特定の波長域の光を透過させて、それ以外の波長域の光を反射させる光学特性を持った波長選択膜をハーフミラー11として用いることで、観察者は、自らの姿をハーフミラー11で反射させた画像と、プロジェクタ20からハーフミラー11を透過した投射画像とを視認可能となる。
なお、ハーフミラー11とスペックル低減シート12との間に、特定の波長域の光を透過させて、特定の波長域以外の波長域の光を反射させる光学特性を持った波長選択膜を配置してもよい。すなわち、ハーフミラー11を波長選択膜にするのではなく、ハーフミラー11とは別個に波長選択膜を設けてもよい。この場合、観察者は、自らの姿を、ハーフミラー11で反射された画像と、ハーフミラー11を透過して波長選択膜で反射された画像との合成画像によって視認することになり、ハーフミラー11を波長選択膜にする場合よりも、より自然な色合いで、かつより鮮明な明るさで自らの姿を視認できる。
スペックル低減シート12は、観察者がスクリーン40を見たときにスペックルを視認しにくくする処理を施したシートである。プロジェクタ20がコヒーレント光を射出する場合には、スペックルが目立ちやすくなるため、スペックル低減シート12を設けた方が望ましいが、プロジェクタ20がLED光などの非コヒーレント光を射出する場合には、スペックル低減シート12はなくてもよい。このように、スペックル低減シート12は、必須の構成部品ではない。スペックル低減シート12の具体的な構成には複数通りが考えられるため、後に詳述する。
フレネルレンズ層14は、プロジェクタ20から射出された光を平行化するために設けられている。フレネルレンズ層14を設けることで、スクリーン40の厚さを抑制しつつ、プロジェクタ20から射出された光を平行化できる。
レンチキュラ層13は、フレネルレンズ層14を通過した光を拡散させて、スクリーン40の視野角を拡大するために設けられている。
図1の表示装置1は、上述したように、例えば箱形の筐体1aであり、スクリーン40の配置場所を除いて、例えばアクリル板で形成されている。アクリル板は、例えば着色処理または不透明処理がなされており、筐体1aに内蔵された駆動装置36とプロジェクタ20が外側から視認されないようにしている。
図1の表示装置1は、観察者の要求に応じて、スクリーン40の表示態様を切替可能としている。観察者は、筐体1aに設けられた物理的な選択ボタンやスクリーン40上のタッチボタンなどにより、例えば第1〜第3表示モードのいずれかを選択することができる。
図4Aおよび図4Bは観察者が第1表示モードを選択した場合のスクリーン40の表示態様を説明する図である。図4Aは第1表示モードにおける表示装置1内の光の進行方向を示す図、図4Bは第1表示モードにおけるスクリーン40の一表示例を示す図である。
観察者が第1表示モードを選択した場合、プロジェクタ20によるスクリーン40への投射は停止状態となり、プロジェクタ20内は暗くなる。この場合、スクリーン40の後方側が暗くなるため、図4Aに示すように、観察者側からの入射光のうち、ハーフミラー11で反射された光が観察者の目に入る。ハーフミラー11の後方は暗いため、ハーフミラー11で反射された光が目立ちやすくなり、観察者は、自らの姿を鮮明に視認することができる。このように、第1表示モードでは、表示装置1を鏡として使用可能である。
図5A、図5Bおよび図5Cは観察者が第2表示モードを選択した場合のスクリーン40の表示態様を説明する図である。図5Aは第2表示モードにおける表示装置1内の光の進行方向を示す図、図5Bと図5Cは第2表示モードにおけるスクリーン40の一表示例を示す図である。
観察者が第2表示モードを選択した場合、プロジェクタ20によるスクリーン40への投射が行われる。その際の投射光強度は、第1光強度に設定される。第1光強度は、観察者側の環境光強度と同程度の光強度に設定されている。第2表示モードでは、観察者側からの入射光の一部は、第1表示モードと同様に、ハーフミラー11で反射されて、観察者の目に入る。これに加えて、プロジェクタ20からの投射光がハーフミラー11を透過して観察者の目に入る。よって、第2表示モードでは、観察者は、みずからの姿とプロジェクタ20による投射画像とが合成された画像を視認することになる。図5Bでは、プロジェクタ20の投射画像として、帽子の画像、帽子の商品名および価格を表示する例を示しているが、投射画像の具体的な内容は任意である。なお、図5Bと図5Cの違いは、図5Bでは商品を半透明画像にしているのに対し、図5Cでは商品を不透明画像にしている。実際には、図5Bと図5Cのいずれの商品画像を採用してもよい。
第2表示モードは、例えば、観察者が口紅等の化粧品やかつら、衣服、装飾品などを身につけたときにどのような印象になるのかを、観察者自身で確認する目的で利用できる。すなわち、第2表示モードは、いわゆるバーチャルフィッティングに適用可能である。一例として、バーチャルフィッティングの対象となる商品ごとに、予めその商品の投影画像を生成しておき、各商品ごとに別々の表示装置1を設けることが考えられる。観察者は、バーチャルフィッティングを行いたい商品に対応した表示装置1の正面に立って、まずは第1表示モードを選択して、自らの姿を確認した後、第2表示モードに切り替えることで、自らの姿とその商品の投影画像との合成画像をスクリーン40上で視認でき、その商品を着用した姿を簡易かつ手軽に確認できる。よって、観察者は、実際に商品を手に取って着用することなく、その商品を着用した印象を簡易かつ手軽に確認できる。
なお、一台の表示装置1で、複数の商品の投影画像を切り替えてスクリーン40に投射できるようにしてもよい。この場合、観察者が、選択ボタンやタッチボタン等で、希望する商品を選択することで、その選択した商品に対応する投影画像をスクリーン40に投射でき、観察者は場所を変更せずに種々の商品の仮想的な着用を手軽に行うことができる。
図6Aおよび図6Bは観察者が第3表示モードを選択した場合のスクリーン40の表示態様を説明する図である。図6Aは第3表示モードにおける表示装置1内の光の進行方向を示す図、図6Bは第3表示モードにおけるスクリーン40の一表示例を示す図である。
観察者が第3表示モードを選択した場合、プロジェクタ20の投射光強度は、第1光強度よりも高い第2光強度に設定される。第2光強度は、観察者側の環境光強度よりも高い光強度である。この場合、観察者側からの入射光の一部は、第1および第2表示モードと同様に、ハーフミラー11で反射されて、観察者の目に入るが、プロジェクタ20からの投射光強度が第2表示モードよりも高いため、プロジェクタ20からの投射画像の強い光強度の影響で、観察者は、ハーフミラー11で反射された反射画像を視認しにくくなる。
第2表示モードとは別個に第3表示モードを設けることで、観察者は、商品の画像をより鮮明な明るさで確認することができる。
なお、上述した説明では、第1〜第3表示モードを設ける例を説明したが、例えば第1表示モードと第2表示モードだけを設けてもよいし、あるいはプロジェクタ20の投射光強度を3種類以上に切替可能として、4種類以上の表示モードを設けてもよい。また、図5Bや図6Bの例では、プロジェクタ20が商品の画像、商品名、価格をスクリーン40に投射する例を示したが、これは一例であり、スクリーン40に投射する画像は任意に変更してもよい。例えば、通常は、スクリーン40を広告宣伝目的の画像や文字等の表示に用いて、観察者が何らかのボタン操作を行うと、上述した第1〜第3表示モード用の画像に切り替わるようにしてもよい。
図1では、プロジェクタ20から射出された光を直接スクリーン40に入射しているが、スクリーン40の投射面積を大きくするには、プロジェクタ20からスクリーン40までの光路長を長くする必要がある。ところが、筐体1aのサイズに制限があって、筐体1aの奥行きを長くできない場合には、プロジェクタ20から射出された光を折り返して、光路長を長くすればよい。
図7Aはプロジェクタ20とスクリーン40との間に、例えば反射ミラー72からなる光進行方向変更部材73を設けた例を示す平面図である。図7Aの反射ミラー72は、プロジェクタ20から射出されたコヒーレント光の進行方向を変化させてスクリーン40に導く。図7Aのような反射ミラー72を設けることで、プロジェクタ20からスクリーン40までの光路長を長くしつつ、プロジェクタ20からスクリーン40までの直線距離を短縮でき、筐体1aの奥行きを短くできる。
図7Aにおいて、プロジェクタ20は、反射ミラー72と概略同一平面上に配置されていてもよいし、ミラーよりも上方、下方、右側または左側にプロジェクタ20を配置してもよい。
図7Bは図7Aの矢印方向から見た平面図である。図7Bでは、プロジェクタ20を筐体1aの底面側に配置し、プロジェクタ20から斜め上方にコヒーレント光を出力して、反射ミラー72に入射させる例を示している。この場合、反射ミラー72で反射されたコヒーレント光は、プロジェクタ20の上方を通過してスクリーン40に入射される。よって、プロジェクタ20は、反射ミラー72からスクリーン40に向かうコヒーレント光の光路を遮らなくなる。なお、プロジェクタ20を筐体1aの天面側に配置し、プロジェクタ20から斜め下方にコヒーレント光を出力して、反射ミラー72に入射してもよい。
プロジェクタ20と反射ミラー72の配置場所は、図7Aや図7Bに図示したものに限定されない。また、反射ミラー72は、図7Aや図7Bのように平面形状であってもよいし、曲面等の非平面形状であってもよい。さらに、スクリーン40は、筐体1aの一側面だけでなく、筐体1aの外表面の複数箇所に配置されていてもよい。このとき、各スクリーン40ごとに別個にプロジェクタ20を設けてもよいし、複数のスクリーン40に一台のプロジェクタ20で投射を行ってもよい。
図8は第1の実施形態による表示装置1の制御系のブロック図である。図8の表示装置1の制御系は、選択部15と、投射制御部16と、制御装置35とを備えている。選択部15は、上述したように、筐体1aに設けられた物理的な選択ボタンまたはスクリーン40のタッチボタン等により構成され、スクリーン40の表示モードを選択する。
投射制御部16は、選択部15が選択した表示モードに基づいて、プロジェクタ20がスクリーン40への投射を行うか否かと、プロジェクタ20によるスクリーン40への投射光強度との少なくとも一方を制御する。制御装置35内の投射制御部16は、観察者がスクリーン40を鏡として使用したい場合(上述した第1表示モードの場合)には、プロジェクタ20によるスクリーン40への投射を停止させる。投射制御部16は、観察者が自らの姿とプロジェクタ20による投射画像との合成表示を望む場合(上述した第2表示モードの場合)には、プロジェクタ20に対してスクリーン40への投射を行わせる。投射制御部16は、プロジェクタ20がスクリーン40の投射光強度を複数通りに切替可能な場合には、観察者の要求に応じて、プロジェクタ20の投射光強度の切替を制御する。より具体的には、投射制御部16は、観察者の要求に応じて、観察者がスクリーン40を鏡として使用する第1表示モードと、プロジェクタ20による投射光強度を第1光強度に設定する第2表示モードと、プロジェクタ20による投射光強度を第2光強度に設定する第3表示モードとのいずれかに切替制御する。
投射制御部16は、観察者が選択した表示モードに基づいて、プロジェクタ20内の光源の点灯制御と走査デバイスの走査制御とを行うとともに、図1に示した駆動装置36の駆動制御も行う。駆動装置36は、スクリーン40がスペックル低減シート12を有する場合には、投射制御部16からの制御信号に基づいて、スペックル低減シート12に電源電圧を供給するか否かを切替制御する。
(スペックル低減シート12)
次に、スクリーン40の一部を構成するスペックル低減シート12について説明する。図9はスペックル低減シート12の断面構造を示す断面図である。一実施形態によるスペックル低減シート12は、複数の粒子を有した粒子シート50と、電力源30と接続された第1電極41および第2電極42と、第1カバー層46および第2カバー層47とを有する。粒子シート50の一方の主面上に、第1電極41が面状に広がっており、粒子シート50の他方の主面上に、第2電極42が面状に広がっている。第1カバー層46は第1電極を覆っており、第2カバー層47は第2電極を覆っている。
図9のスペックル低減シート12は、透過型のスペックル低減シート12を構成している。プロジェクタ20は、図3に示すように、観察者とは反対側のフレネルレンズ層14に光を投射する。この光は、フレネルレンズ層14で平行化された後にレンチキュラ層13に入射されて拡散されて、スペックル低減シート12の第1電極に入射される。
プロジェクタ20からの投射光が透過するフレネルレンズ層14、レンチキュラ層13および第1電極は、可視光透過性を有する。フレネルレンズ層14、レンチキュラ層13および第1電極のそれぞれは、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、84%以上であることがより好ましい。なお、可視光透過率は、分光光度計((株)島津製作所製「UV−3100PC」、JISK0115準拠品)を用いて測定波長380nm〜780nmの範囲内で測定したときの、各波長における透過率の平均値として特定される。また、第2電極42は、第1電極41と同様の材料で構成することができる。
第1電極41と第2電極の導電材料として、ITO(Indium Tin Oxide;インジウム錫酸化物)、InZnO(Indium Zinc Oxide;インジウム亜鉛酸化物)、Agナノワイヤー、カーボンナノチューブ等を用いることができる。
次に、粒子シート50について説明する。図9に示すように、粒子シート50は、一対の基材層51,52と、一対の基材層51,52間に設けられた粒子層55と、を有する。第1基材層51は、第1電極41を支持し、第2基材層52は、第2電極42を支持する。粒子層55は、第1基材層51及び第2基材層52の間に封止されている。第1基材層51及び第2基材層52は、粒子層55を封止することができ、且つ電極41,42及び粒子層55の支持体として機能し得る強度を有した材料、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムで構成可能である。また、第1基材層51及び第2基材層52は、第1電極41及び第2電極42と同様の可視光透過性を有する。
次に、粒子層55について説明する。図9によく示されているように、粒子層55は、多数の粒子60と、粒子60を保持する保持部56と、を有する。保持部56は、粒子60を動作可能に保持している。図示された例において、保持部56は、多数のキャビティ56aを有しており、各キャビティ56a内に粒子60が収容されている。各キャビティ56aの内寸法は、当該キャビティ56a内の粒子60の外寸法よりも大きくなっている。したがって、粒子60は、キャビティ56a内で動作可能となっている。保持部56は、溶媒57によって膨潤している。キャビティ56a内において、保持部56と粒子60との間は溶媒57で満たされている。溶媒57によって膨潤した保持部56によれば、粒子60の円滑な動作を安定して確保することができる。以下、保持部56、溶媒57及び粒子60について、順に説明する。
まず、保持部56及び溶媒57について説明する。溶媒57は、粒子60の動作を円滑とするために用いられる。溶媒57は、保持部56が膨潤することによって、キャビティ56a内に保持されるようになる。溶媒57は、粒子60が電場に対応して動作することを阻害しないよう、低極性であることが好ましい。低極性の溶媒57として、粒子60の動作を円滑化させる種々の材料を用いることができる。溶媒57の一例として、ジメチルシリコーンオイル、イソパラフィン系溶媒、および直鎖パラフィン系溶媒、ドデカン、トリデカン等の直鎖アルカンを例示することができる。
次に、保持部56は、一例として、エラストマー材料からなるエラストマーシートを用いて構成され得る。エラストマーシートとしての保持部56は、前述の溶媒57を膨潤することが可能である。エラストマーシートの材料としては、シリコーン樹脂、(微架橋した)アクリル樹脂、(微架橋した)スチレン樹脂、およびポリオレフィン樹脂等を例示することができる。
図示された例において、保持部56内において、キャビティ56aは、スペックル低減シート12の面方向に高密度で分布している。また、キャビティ56aは、スペックル低減シート12の法線方向ndにも分布している。図示された例では、面状に広がったキャビティ56aの群が、スペックル低減シート12の厚み方向に三層並んでいる。
次に、粒子60について説明する。粒子60は、プロジェクタ20から投射される画像光の進行方向を変化させる機能を有する。図示された例において、粒子60は、画像光を拡散させる機能を有する。
粒子60は、比誘電率が異なる第1部分61及び第2部分62を含んでいる。したがって、この粒子60が電場内に置かれると、当該粒子60内に電子双極子モーメントが発生する。このとき、粒子60は、その双極子モーメントのベクトルが電場のベクトルと真逆を向く位置へ向けて動作するようになる。したがって、第1電極41及び第2電極42の間に電圧が印加され、第1電極41及び第2電極42の間に位置する粒子シート50に電場が発生すると、粒子60は、電場に対して安定した姿勢、すなわち電場に対して安定した位置および向きをとるよう、キャビティ56a内で動作する。このスペックル低減シート12は、光拡散機能を有した粒子60の動作にともなって、その拡散波面を変化させる。
図10は粒子60の拡大図である。粒子60は、球形状であり、第1部分61及び第2部分62は、それぞれ、半球状となっている。粒子60の第1部分61は、第1主部66a及び第1主部66a内に分散した第1拡散成分66bを有する。同様に、第2部分62は、第2主部67aと第2主部67a内に分散した第2拡散成分67bを有する。したがって、球状粒子60は、第1部分61の内部を進む光および第2部分62の内部を進む光に対して、拡散機能を発現することができる。ここで拡散成分66b,67bとは、粒子60内を進む光に対し、反射や屈折等によって、当該光の進路方向を変化させる作用を及ぼし得る成分のことである。このような拡散成分66b,67bの光拡散機能(光散乱機能)は、例えば、粒子60の主部66a,67aをなす材料とは異なる屈折率を有した材料から拡散成分66b,67bを構成することにより、あるいは、光に対して反射作用を及ぼし得る材料から拡散成分66b,67bを構成することにより、付与され得る。主部66a,67aをなす材料とは異なる屈折率を有する拡散成分66b,67bとして、樹脂ビーズ、ガラスビーズ、金属化合物、気体を含有した多孔質物質、さらには、単なる気泡が例示される。
図示された例において、粒子60は、単一色となっている。すなわち、第1部分61および第2部分62は、同一色となっている。第1部分61及び第2部分62の色は、第1部分61及び第2部分62に、顔料や染料等の色材を添加することにより、調整され得る。顔料や染料は、種々の公知の顔料や染料等を用いることができる。
粒子層55は、公知の製造方法により製造することができる。すなわち、まず、粒子60を重合性シリコーンゴムに分散させたインキを作製する。次に、このインキをコーターなどで延伸し、更に、加熱等で重合させ、シート化する。以上の手順により、粒子60を保持した保持部56が得られる。次に、保持部56を、シリコーンオイルなどの溶媒57に一定期間浸漬する。保持部56が膨潤することで、シリコーンゴムからなる保持部56と粒子60との間に、溶媒57で満たされた隙間が形成される。この結果、溶媒57及び粒子60を収容したキャビティ56aが、画成される。以上のようにして、粒子層55を製造することができる。
次に、JP2011−112792Aに開示された製造方法により、粒子層55を用いてスペックル低減シート12を作製することができる。まず、一対の基材層51,52によって粒子層55を覆い、ラミネート又は接着剤等を用いて粒子層55を封止する。これにより、粒子シート50が作製される。次に、粒子シート50上に第1電極41及び第2電極42を設け、更に、第1カバー層46及び第2カバー層4747を積層することで、スペックル低減シート12が得られる。
次に、この表示装置1を用いて画像を表示する際の作用について説明する。
まず、制御装置35からの制御によって、プロジェクタ20の光源がコヒーレント光を発振する。プロジェクタ20からの光は、図示しない走査装置によって光路を調整され、スペックル低減シート12に照射される。図2に示すように、図示しない走査装置は、スペックル低減シート12の一シート面上を光が走査するよう、当該光の光路を調整する。
光源によるコヒーレント光の射出は、制御装置35によって制御される。制御装置35は、スペックル低減シート12上に表示したい画像に対応して、光源からのコヒーレント光の射出を停止する。プロジェクタ20に含まれる走査装置の動作は、人間の目で分解不可能な程度にまで高速となっている。したがって、観察者は、時間を隔てて照射されるスペックル低減シート12上の各位置に照射された光を、同時に観察することになる。
スペックル低減シート12上に投射された光は、第1カバー層46及び第1電極41を透過して、粒子シート50に到達する。この光は、粒子シート50の粒子60で拡散されて、スペックル低減シート12の観察者側となる種々の方向へ向けて射出する。したがって、スペックル低減シート12の観察者側となる各位置において、スペックル低減シート12上の各位置からの光を観察することができる。この結果、スペックル低減シート12上のコヒーレント光を照射されている領域に対応した画像を観察することができる。
また、光源が、互いに異なる波長域のコヒーレント光を射出する複数の光源を含むようにしてもよい。この場合、制御装置35は、各波長域の光に対応した光源を、他の光源から独立して制御する。この結果、スペックル低減シート12上にカラー画像を表示することが可能となる。
ところで、コヒーレント光を用いてスペックル低減シート12上に画像を形成する場合、斑点模様のスペックルが観察されるようになる。スペックルの一原因は、レーザー光に代表されるコヒーレント光が、スペックル低減シート12上で拡散した後に、光センサ面上(人間の場合は網膜上)に干渉パターンを生じさせるためと考えられる。とりわけ、ラスタースキャンによってスペックル低減シート12にコヒーレント光を照射する場合、スペックル低減シート12上の各位置には一定の入射方向からコヒーレント光が入射する。したがって、ラスタースキャンを採用した場合、スペックル低減シート12の各点で発生するスペックル波面はスペックル低減シート12が搖動させるなど拡散波面を時間変化させない限り不動となり、スペックルパターンが画像とともに観察者に視認されると、表示画像の画質を著しく劣化させることになる。
一方、本実施形態における表示装置1のスペックル低減シート12は、拡散波面を経時的に変化させるようになっている。スペックル低減シート12での拡散波面が変化すれば、スペックル低減シート12上でのスペックルパターンが経時的に変化するようになる。そして、拡散波面の経時的な変化を十分に高速にすると、スペックルパターンが重ねられて平均化され、観察者に観察されるようになる。これにより、スペックルを目立たなくさせることができる。
図示されたスペックル低減シート12は、一対の電極41,42を有する。この一対の電極41,42は電力源30に電気的に接続している。電力源30は、一対の電極41,42に電圧を印加することができる。一対の電極41,42間に電圧が印加されると、一対の電極41,42間に位置する粒子シート50に電場が形成される。粒子シート50の粒子層55には、比誘電率の異なる複数の部分61,62を有した粒子60が、動作可能に保持されている。この粒子60は、そもそも帯電していることから、或いは、少なくとも粒子層55に電場が形成されると双極子モーメントが発生することから、形成された電場のベクトルに応じて、動作する。光の進行方向を変化させる機能、例えば反射、屈折または拡散機能を有した粒子60が動作すると、スペックル低減シート12の拡散特性が経時的に変化することになる。この結果、スペックルを目立たなくさせることができる。図10の符号「La」は、プロジェクタ20からスペックル低減シート12へ照射された画像光であり、符号「Lb」は、スペックル低減シート12で拡散された画像光である。
なお、粒子60の第1部分61及び第2部分62の間で比誘電率が異なるとは、スペックル低減機能を発現し得る程度に比誘電率が異なっていれば十分である。したがって、粒子60の第1部分61及び第2部分62の間で比誘電率が異なるか否かは、動作可能に保持された粒子60が、電場ベクトルの変化にともなって動作し得るか否かにより、判定することができる。
ここで、粒子60が保持部56に対して動作する原理は、粒子60の電荷または双極子モーメントが電場ベクトルに対して安定的な位置関係となるよう、粒子60の向き及び位置を変化させる、というものである。したがって、粒子層55に一定の電場が印加され続けると、粒子60の動作は一定期間後には停止する。その一方で、スペックルを目立たなくするには、粒子60の保持部56に対する動作が継続する必要がある。そこで、電力源30は、粒子層55に形成される電場が経時的に変化するよう、電圧を印加する。図示された例において、電力源30は、粒子シート50内に生成される電場のベクトルを反転させるよう、一対の電極41,42間に電圧を印加する。例えば、図11に示された例では、電力源30からスペックル低減シート12の一対の電極41,42に、X〔V〕の電圧と−Y〔V〕の電圧とを繰り返す交流電圧が印加される。
なお、粒子60は、保持部56に形成されたキャビティ56a内に収容されている。キャビティ56aは、略球状の内形を有する。したがって、粒子60は、図10の紙面に直交する方向に延びる回転軸線raを中心として、回転振動することができる。ただし、粒子60を収容するキャビティ56aの大きさに依存して、粒子60は、繰り返し回転運動だけでなく、並進運動も行うようになる。さらに、キャビティ56aには、溶媒57が充填されている。溶媒57は、粒子60の保持部56に対する動作を円滑にする。
粒子60は、図2に示すような、ほぼ半球状の第1部分61と第2部分62を含む構造に限定されない。以下では、粒子60の第1変形例〜第3変形例を順に説明する。
(粒子60の第1変形例)
図12は図9とは異なる構造の粒子60を用いたスペックル低減シート12の断面図である。図12に示す第1変形例による粒子60は、互いに体積が異なる第1部分61と第2部分62とを有する。図12は、第1部分61の体積が第2部分62の体積よりも大きい例を示している。図12の場合、第2部分62は、球体または楕円球体に近い形状であり、第2部分62の表面、すなわち第1部分61との界面は、凸面になっている。なお、粒子60は、必ずしも理想的な球体とは限らないし、第2部分62も理想的な球体または楕円体から少し歪んだ形状となることもありうる。
第1部分61は、透明部材である。第1部分61の具体的な材料としては、例えばシリコーンオイルや透明な樹脂部材である。第1部分61は、理想的には、図12に示すように、観察者側に配置される。第1部分61に入射された光は、そのまま第1部分61を通過して、第2部分62に到達する。第2部分62は、第1部分61とは比誘電率が異なっており、また、光の散乱または屈折機能を有する。さらに、第2部分62は、第1部分61とは異なる屈折率で構成されている。また、第2部分62の内部には、光を拡散させる拡散成分62cが含まれていてもよい。これら拡散成分62cは、粒子60内を進む光に対して、反射や屈折等によって、光の進路方向を変化させる作用を行う。
このように、第1部分61と第2部分62は光学特性が異なっており、さらに、第2部分62の表面は凸面形状である。これにより、第1部分61から第2部分62に到達した光は、第2部分62の表面の凸面形状に応じた方向に散乱または屈折される。よって、プロジェクタ20からの投射光が第2部分62で散乱または屈折されてスペックル低減シート12に映し出される。
第2部分62の表面が凸面形状で有るため、第1部分61を通過して第2部分62の表面に到達した光は、凸面の曲率に応じた方向に散乱または屈折される。凸面に入射された光は、凹面に入射された光よりも光の拡散範囲が広くなる。よって、本実施形態のように、第1部分61よりも第2部分62の体積が小さくて、第2部分62の表面が凸面になる場合には、各粒子60に入射された光の拡散範囲を広げることができる。
第1および第2電極41,42に電圧を印加していない状態では、粒子層55内の各粒子60は、種々の方向を向いていることがありうる。この場合、第1および第2電極間に所定の初期電圧を印加することで、図12に示すように、各粒子60の第1部分61が観察者側を向くように整列させることが可能となる。あるいは、第1部分61と第2部分62の比重を調整することで、図12のような向きに各粒子60を整列させることも可能である。
図12の状態で、第1および第2電極41,42間に電圧が印加されると、第1および第2電極41,42間に電場が発生し、この電場により、粒子60内に電子双極子モーメントが発生する。このとき、粒子60は、その双極子モーメントのベクトルが電場のベクトルと真逆を向く位置へ向けて動作するようになる。したがって、第1電極41及び第2電極42の間に電圧が印加され、第1電極41及び第2電極42の間に位置する粒子シート50に電場が発生すると、粒子60は、電場に対して安定した姿勢、すなわち電場に対して安定した位置や向きをとるようキャビティ56a内で動作する。図12の状態では、粒子60内の第2部分62は、粒子層55の面方向に対向配置されているが、第1電極41および第2電極42間の電圧を変化させることで、粒子60の姿勢が変化し、これにより、粒子層55の面方向に対する第2部分62の表面方向が変化する。第2部分62は、第1部分61に入射された光を散乱または屈折させる機能を有するため、第2部分62の表面方向が変化することで、第2部分62の表面に入射される光の入射角度が変化し、第2部分62での光の散乱または屈折方向も変化する。これにより、スペックル低減シート12の拡散特性を変化させることができる。
(粒子60の第2変形例)
図13は図9および図12とは異なる構造の粒子60を用いたスペックル低減シート12の断面図である。図13に示す第2変形例による粒子60は、第1部分61と、第1部分61よりも体積が大きい第2部分62とを有する。第1部分61と第2部分62の材料は、第2の実施形態と同様であり、第1部分61は透明部材であり、第2部分62は光の散乱または屈折機能を有する。
第1部分61と第2部分62との界面は、第1部分61から見ると凸面であり、第2部分62から見ると凹面である。第1部分61から第2部分62に入射された光は、収束する方向に進行する。これにより、本実施形態による粒子60を有するスペックル低減シート12は、狭い範囲に光を拡散させることができる。したがって、スペックル低減シート12の正面側の特定の位置にいる観察者に集中的に拡散光を集めることができ、この観察者から見ると、高コントラストでスペックル低減シート12を視認できることになる。
(粒子60の第3変形例)
図14は図9、図12および図13とは異なる構造の粒子60を用いたスペックル低減シート12の断面図である。図14に示す第3変形例による粒子60は、第1部分61、第3部分63および第2部分62がこの順に並んだ3層構造であり、第1部分61が観察者側に配置されている。第3部分63は、第1部分61に面接触しており、第1部分61からの入射光を制御する。第2部分62は、第3部分63の第1部分61に面接触する第1面63aとは反対側の第2面63bに面接触しており、第1部分61とは比誘電率が異なっている。このように、第3部分63は、第1部分61と第2部分62によって挟まれており、第3部分63は第1部分61と第2部分62に面接触している。
第1部分61と第2部分62は透明部材である。第3部分63は、第1部分61に入射された光を散乱または反射させる機能を有する。第3部分63は、第1部分61とは異なる屈折率で構成されている。また、第3部分63の内部には、光を拡散させる拡散成分63cが含まれていてもよい。これら拡散成分63cは、粒子60内を進む光に対して、反射や屈折等によって、光の進路方向を変化させる作用を行う。このような拡散成分63cの光拡散機能(光散乱機能)は、例えば、粒子60の主部をなす材料とは異なる屈折率を有した材料から拡散成分63cを構成することにより、あるいは、光に対して反射作用を及ぼし得る材料から拡散成分63cを構成することにより、付与され得る。第3部分63の母材とは異なる屈折率を有する拡散成分63cとして、樹脂ビーズ、ガラスビーズ、金属化合物、気体を含有した多孔質物質、さらには、単なる気泡が例示される。
粒子60は、典型的には球形であり、その中心付近を通過する薄い層が第3部分63であり、第3部分63の両面(第1面63aと第2面63b)側に第1部分61と第2部分62が面接触している。なお、粒子60の形状は、理想的な球体であるとは限らない。よって、第1部分61、第3部分63および第2部分62の形状も、粒子60の形状に応じて変化する。
粒子60の第3部分63の第1面63aと第2面63bとの間の厚さは、第1部分61の第1面63aの法線方向における最大厚さよりも薄い。第3部分63の第1面63aと第2面63bとの間の厚さは、第3部分63の第2面63bの法線方向における最大厚さよりも薄い。第1面63aと第2面63bは、例えば円形または楕円形であり、第3部分63は、例えば円板、楕円板、円筒体、または楕円筒体の形状である。
第1および第2電極41,42に電圧を印加していない初期状態では、第3部分63の面方向は、粒子層55の面方向に略平行に配置されている。なお、初期状態で、第3部分63の面方向を粒子層55の面方向に略平行に配置するには、例えば、粒子60の第1部分61、第2部分62および第3部分63の比重を調整することで、実現可能である。あるいは、初期状態のときに第1および第2電極41,42に所定の初期電圧を印加して、粒子層55内の各粒子60の第3部分63の面方向が粒子層55の面方向に略平行になるようにしてもよい。
第1および第2電極41,42間に電圧が印加されると、第1および第2電極41,42間に電場が発生し、この電場により、粒子60内に電子双極子モーメントが発生する。このとき、粒子60は、その双極子モーメントのベクトルが電場のベクトルと真逆を向く位置へ向けて動作するようになる。したがって、第1電極41及び第2電極42の間に電圧が印加され、第1電極41及び第2電極42の間に位置する粒子シート50に電場が発生すると、粒子60は、電場に対して安定した姿勢、すなわち電場に対して安定した位置や向きをとるよう、キャビティ56a内で動作する。第1電極41および第2電極42間の電圧を変化させることで、粒子60の姿勢が変化し、これにより、粒子層55の面方向に対する第3部分63の面方向の角度が変化する。第3部分63は、第1部分61に入射された光を散乱または反射させる機能を有するため、第3部分63の角度が変化することで、スペックル低減シート12の拡散特性を変化させることができる。
図14に示す粒子を図15のように90度回転させて配置することで、透過型スペックル低減シート12として用いることもできる。図15のように粒子60を回転させるには、粒子層55の内部に、図14とは90度異なる方向に電場をかければよい。例えば、観察者とは反対側のみに第1電極41と第2電極42を交互にストライプ状に配置し、これら電極41,42にて粒子層55の面方向への電場、すなわち図14とは90度異なる方向の電場を形成する。より具体的には、本実施形態では、隣接する第1電極41および第2電極42間に交流電圧を印加することで、粒子層55の面方向に形成される電場を周期的に切り替える。これにより、対応する第1電極41および第2電極42間の近傍に位置する粒子60は、交流電圧の周波数に応じて回転する。
上述した各スペックル低減シート12では、第1電極41及び第2電極42が面状に形成され、粒子層55を挟むように配置される例を示したが、この例に限られない。第1電極41及び第2電極42の一以上がストライプ状に形成されるようにしてもよい。例えば、図16の例では、第1電極41及び第2電極42の両方がストライプ状に形成されている。すなわち、第1電極41は、線状に延びる複数の線状電極部41aを有し、複数の線状電極部41aは、その長手方向に直交する方向に配列されている。第2電極42も、第1電極41と同様に、線状に延びる複数の線状電極部42aを有し、複数の線状電極部42aは、その長手方向に直交する方向に配列されている。図16に示された例において、第1電極41をなす複数の線状電極部41aおよび第2電極42をなす複数の線状電極部42aは、ともに、粒子シート50の観察者とは反対側の面上に配置されている。そして、第1電極41をなす複数の線状電極部41aおよび第2電極42をなす複数の線状電極部42aは、同一の配列方向に沿って交互に配列されている。図16に示された第1電極41及び第2電極42によっても、電力源30から電圧を印加されることにより、粒子シート50の粒子層55に電場を形成することができる。
なお、図17(a)〜図17(c)に示されるように、粒子層55における各保持部56が有するキャビティ56aは単一の粒子60を含むように構成されていてもよい。図17(a)は、単一キャビティ56a内に単一の粒子60を含む保持部56を示す。図17(b)は、連結された2つキャビティ56a1、56a2内にそれぞれ単一の粒子60−1、60−2を含む保持部56を示している。粒子60−1、60−2は、対応するキャビティ56a1、56a2により可動範囲が規制されている。図17(c)は、連結された3つのキャビティ56a1、56a2、56a3内にそれぞれ単一の粒子60−1、60−2、60−3を含む保持部56を示している。粒子60−1、60−2、60−3は、対応するキャビティ56a1、56a2、56a3により可動範囲が規制されている。上記のように、複数のキャビティが連結していたとしても、複数の粒子の可動範囲が重なることなく配置される場合には、保持部56が有するキャビティは単一の粒子を含むように構成されているとみなすことができる。
また、キャビティの内径は、内包される粒子の外径よりも大きければ制限はない。例えば、キャビティの内径は、内包される粒子の外径の1.1倍以上1.3倍以下に設定されていてもよい。
上述した各スペックル低減シート12は、粒子層55内の粒子60を電極に印加した交流電圧に応じて回転させることで、スペックルが視認されないようにしている。これに対して、粒子層55内の粒子60を電極に印加した交流電圧に応じて移動させることで、スペックルが視認されないようにしてもよい。
図18Aおよび図18Bは、電気泳動方式のスペックル低減シート12の一例を示す模式図である。図18Aのスペックル低減シート12は、対向する2つの電極41,42間に、溶媒の中を泳動する2種類の粒子60を封止した構造である。2種類の粒子60は、互いに極性が相違している。2つの電極41,42間には交流電圧が印加される。交流電圧の印加により、一方の粒子60は一方の電極の方向に移動し、他方の粒子60は他方の電極の方向に移動する。2つの電極41,42間に印加する交流電圧の正負が逆になると、2種類の粒子60はそれぞれ逆方向の電極に移動する。
電子ペーパーでは、2種類の粒子60を互いに異なる色に着色して、粒子60の移動に応じて表示色を可変させているが、透過型のスペックル低減シート12として用いる場合は、2種類の粒子60はともに透明にしておくのが望ましい。交流電圧の電圧極性が切り替わるたびに、2種類の粒子60の移動方向が変化するため、これにより、スペックル低減シート12の透過特性が変化し、スペックルが目立たなくなる。
また、図18Aの構造を透過型のスペックル低減シート12として用いる場合は、2種類の粒子60をともに例えば白色にすればよい。これにより、スペックル低減シート12に照射されたプロジェクタ20からの画像光は、粒子60にて反射されることになる。図18Aの透過型のスペックル低減シート12であっても、2種類の粒子60は交流電圧の電圧極性が切り替わるたびに移動するため、粒子60での反射特性が変化し、やはりスペックルが目立たなくなる。
図18Aのように極性の異なる2種類の粒子60を設ける代わりに、図18Bのように双極子からなる粒子60を設けてもよい。この場合、2つの電極41,42間に印加される交流電圧の電圧極性が変化するたびに、各粒子60は振動する。これにより、やはりスペックル低減シート12の透過特性や反射特性が変化し、スペックルが目立たなくなる。
図18Aと図18Bでは、2つの電極41,42間を粒子60が自由に移動するようにしているが、電極の面積が大きい場合等には、一部の粒子60が1箇所に留まってしまうおそれがある。このため、電極を細かい単位で分割したパターン電極にしてもよい。
図18Aや図18Bは、複数の粒子60が2つの電極41,42間で自由に移動できるようにしているが、図18Cに示すように、極性の異なる2種類の粒子60を収納するマイクロカプセル64を設けて、このマイクロカプセル64を2つの電極41,42間に多数配置してもよい。また、一方の電極をパターン電極とすることで、各電極ごとにマイクロカプセル64内の粒子60の向きを可変させることができる。
図18A、図18Bおよび図18Cの一変形例として、図19Aや図19Bのように、スペックル低減シート12のシート面に沿って複数のセル部43を設けて、各セル部43ごとに電極41を設けることで、各セル部43ごとに粒子60の移動を制御してもよい。図19Aのような隔壁構造は、対向する二つの基板44,45と、隔壁部46とによって、各セル部43を形成している。このような構造は、フォトリソグラフィや転写の技術を利用して、比較的容易に形成することができる。各セル部43の内部には、粒子60を収納してもよいし、図18Cのようなマイクロカプセル64を収納してもよい。
図19Bの隔壁構造は、一方の電極42上に配置される絶縁層47に賦型工程などで凹凸を形成し、凹部48内に粒子60と溶媒49とを充填して、その上を基板44で封止して、マイクロカップアレイを作製するものである。例えば、各マイクロカップごとに電極41を配置することで、各マイクロカップごとにその内部の粒子60の移動を制御することができる。
また、本実施形態によるスペックル低減シート12は、複数の粒子60を液体状の媒体中で移動させる電気泳動方式を採用する代わりに、複数の粒子60を気体中で移動させる電子粉粒体方式を採用してもよい。例えば、図20に示すように、隔壁構造の各セル部43に気体53と複数の粉粒体54を充填してもよい。ここで、粉粒体54とは、気体の力も液体の力も借りずに、みずから流動性を示す物質である。すなわち、粉粒体54は、粒子と液体の両特性を兼ね備えた中間的な状態であり、重力の影響を受けにくく、高流動性を示す特異な状態の物質である。図20の場合も、例えば各セル部43ごとに電極を設けることで、各セルごとに複数の粒子60の移動方向を可変させることができ、スペックルが目立たなくなる。
また、スペックル低減シート12は、図21に示すように、エレクトロウェッティング方式を採用してもよい。図21の場合、隔壁構造の各セル部43に水68と油膜69が充填されており、油膜69は誘電体層70の上に配置されている。各セル部43に対応した電極41,42の印加電圧に応じて油膜69の接触角が変化し、油膜69の表面積を可変させることができる。これにより、スペックル低減シート12の透過特性や反射特性が変化し、やはりスペックルが視認されにくくなる。
上述した各スペックル低減シート12は、コヒーレント光を光源として用いることを前提としているものの、光源側でスペックルの対策を行わなくても、スペックル低減シート12上でスペックルが目立たないという利点を有する。このため、上述した各スペックル低減シート12は、様々な用途で使われることが想定される。以下では、上述した各スペックル低減シート12の代表的な使用形態を説明する。なお、以下で説明する各使用形態で用いられるスペックル低減シート12は、上述した図9〜図21のいずれかの断面構造を備えていてもよい。あるいは、図9〜図21以外の断面構造を備えていてもよい。ただし、以下の各使用形態で用いられるスペックル低減シート12は、スペックル低減シート12内の粒子60の回転と移動の少なくとも一方を生じさせて、スペックルを低減する機能を備えていることを前提としている。
図22はスペックル低減シート12とハーフミラー11の間に、透過拡散層17を設けた例を示している。図22の透過拡散層17は、プロジェクタ20からの投射光を透過させる際に拡散させる機能を有する。この透過拡散層17は、上述した波長選択膜で構成してもよいし、上述した波長選択膜とは別個に設けてもよい。例えば、透過拡散層17を、スペックル低減シート12内に設けてもよい。より具体的な一例として、スペックル低減シート12内の第2基材層52と第2電極42との間に透過拡散層17を設けてもよい。また、透過拡散層17を設ける代わりに、例えば第2基材層52に拡散微粒子を含有させて、第2基材層52に透過拡散層17としての機能を持たせてもよい。あるいは、粒子層55の保持部56や溶媒57に拡散微粒子を含有させて、粒子層55に拡散透過層としての機能を持たせてもよい。
このように、第1の実施形態では、スクリーン40の最前面にハーフミラー11を設けて、観察者の要求に応じて、プロジェクタ20からスクリーン40への投射を行うか否かを制御するため、観察者は、必要に応じて、自らの姿をスクリーン40に映し出す鏡としてスクリーン40を使用したり、自らの姿とプロジェクタ20からの投射画像とを合成した合成画像をスクリーン40に映し出すこともできる。また、プロジェクタ20からスクリーン40に投射する投射光強度を複数通りに切り替えられるようにすることで、スクリーン40に合成画像を映し出す際に、自らの姿と投影画像とのどちらを鮮明に表示させるかを段間的に変更できる。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、スクリーン40の最前面にハーフミラー11を設けて、スクリーン40の表示モードの切替を行っていたが、以下に説明する第2の実施形態は、カメラを用いて表示モードの切替を行うものである。
図23は第2の実施形態による表示装置1の概略構成を示す図である。図23の表示装置1は、筐体1aの内部にカメラ18を備えている。また、図23の表示装置1のスクリーン40は、図3のスクリーン40の層構成から少なくともハーフミラー11を省略した層構成になっている。また、図23の表示装置1のスクリーン40は、図3のスクリーン40の層構成からハーフミラー11と拡散層を省略した層構成であってもよい。
図23の表示装置1は、第1の実施形態による表示装置1と同様に、例えば、第1表示モードと第2表示モードとを有する。観察者が第1表示モードを選択すると、観察者側からの入射光は、スクリーン40を透過してカメラ18で撮影される。カメラ18は、スクリーン40の位置に焦点が合うように位置決めされている。プロジェクタ20は、カメラ18の撮影画像を投射画像光として射出する。この投射画像光はスクリーン40に投射され、スクリーン40の正面側に位置する観察者は、スクリーン40上の投射画像によって、自らの姿を視認することができる。
観察者が第2表示モードを選択すると、観察者側からの入射光はスクリーン40を透過してカメラ18で撮影される。プロジェクタ20は、カメラ18の撮影画像(以下、第1画像)とは別個に生成した第2画像を第1画像と合成した第3画像を投射画像光として射出する。この投射画像光は、スクリーン40に投射され、スクリーン40の正面側に位置する観察者は、図24Aに示すように、スクリーン40上の投射画像によって、自らの姿である第1画像と第2画像とが合成された第3画像を視認することができる。
図23の表示装置1では、第1の実施形態と同様に、観察者が第3表示モードを選択できるようにすることも可能である。観察者が第3表示モードを選択した場合には、カメラ18が撮影した観察者自らの姿を写した第1画像と、第1画像とは別に新たに生成した第2画像とを合成する際に、第1画像よりも第2画像の輝度を高くした第3画像を生成し、プロジェクタ20は第3画像用の投射画像光を射出する。この投射画像光は、スクリーン40に投射され、スクリーン40の正面側に位置する観察者は、図24Bに示すように、スクリーン40上の投射画像によって、自らの姿である第1画像よりも第2画像をより鮮明に視認することができる。観察者の要求により、第1画像と第2画像との輝度比を2段階以上に切替可能な第3画像を生成してもよい。
図25は図23の表示装置1の制御系のブロック図である。図25の表示装置1の制御系は、選択部15と、撮影部19と、制御装置35とを備えており、制御装置35は、画像合成部22と、投射制御部16とを有する。
選択部15は、筐体1aに設けられた物理的な選択ボタンまたはスクリーン40のタッチボタンの観察者による操作情報により、スクリーン40の表示モードを選択する。撮影部19は、カメラ18に内蔵されるものであり、スクリーン40を透過した観察者の姿を撮影して第1画像を生成する。画像合成部22は、観察者が選択した表示モードに応じて、第1画像だけを出力するか、あるいは第1画像とは別個に生成した第2画像を第1画像と合成した第3画像を出力する。
投射制御部16は、観察者が選択した表示モードに応じて、第1画像をスクリーン40に投射するか否かと、第1画像と第2画像とを合成した第3画像をスクリーン40に投射するか否かとを切替制御する。また、投射制御部16は、第3画像をスクリーン40に投射する際に、第3画像における第1画像と第2画像との輝度比を複数段階に切替制御してもよい。すなわち、画像合成部22は、観察者が選択した表示モードに応じて第1画像と第2画像との輝度比を設定して第3画像を生成し、投射制御部16は、観察者の選択に応じて画像合成部22が生成した第3画像を出力してもよい。
このように、第2の実施形態では、筐体1aに内蔵されたカメラ18により、スクリーン40を透過した観察者の姿を撮影して第1画像を生成し、この第1画像のみを投射するか、第1画像と第2画像とを合成した第3画像を投射するかを、観察者の要求に応じて選択するため、ハーフミラー11なしで、スクリーン40の表示態様を切り替えることができる。
本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
1 表示装置、1a 筐体、11 ハーフミラー、12 スペックル低減シート、13 レンチキュラ層、14 フレネルレンズ層、20 プロジェクタ、35 制御装置、36 駆動装置、40 スクリーン

Claims (13)

  1. スクリーンと、
    光を前記スクリーンに投射する投射装置と、
    外表面の少なくとも一部に前記スクリーンが配置される筐体と、
    前記筐体に取り付けられ、前記スクリーンよりも観察者に近い側に配置されるハーフミラーと、
    前記投射装置が前記スクリーンへの投射を行うか否かと、前記投射装置による前記スクリーンへの投射光強度と、の少なくとも一方を制御する投射制御部と、を備える表示装置。
  2. 前記投射制御部は、観察者が前記スクリーンを鏡として使用する場合には、前記投射装置による前記スクリーンへの投射を停止させる、請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記投射制御部は、観察者が自らの姿と前記投射装置による投射画像との合成表示を望む場合には、前記投射装置に対して前記スクリーンへの投射を行わせる、請求項1に記載の表示装置。
  4. 前記投射装置は、前記スクリーンの投射光強度を複数通りに切替可能であり、
    前記投射制御部は、観察者の要求に応じて、前記投射装置の投射光強度の切替を制御する、請求項3に記載の表示装置。
  5. 前記投射装置は、前記スクリーンの投射光強度を、第1光強度と、前記第1光強度よりも光強度の高い第2光強度とに切替可能であり、
    前記投射制御部は、観察者の要求に応じて、観察者が前記スクリーンを鏡として使用する第1表示モードと、前記投射装置による投射光強度を前記第1光強度に設定する第2表示モードと、前記投射装置による投射光強度を前記第2光強度に設定する第3表示モードと、のいずれかに切替制御する、請求項4に記載の表示装置。
  6. スクリーンと、
    光を前記スクリーンに投射する投射装置と、
    外表面の少なくとも一部に前記スクリーンが配置される筐体と、
    前記スクリーンを透過した観察者の姿を撮影して第1画像を生成する撮影部と、
    前記第1画像を前記スクリーンに投射するか否かと、前記第1画像とは異なる第2画像を前記第1画像と合成させた第3画像を前記スクリーンに投射するか否かと、を切替制御する投射制御部と、を備える、表示装置。
  7. 前記投射制御部は、前記第3画像を前記スクリーンに投射する際に、前記第3画像における前記第1画像と前記第2画像との輝度比を複数段階に切替制御する、請求項6に記載の表示装置。
  8. 前記スクリーンの表示態様に関する複数の表示モードの中からいずれかの表示モードを観察者に選択させる選択部を備え、
    前記投射制御部は、前記選択部により観察者が選択した表示モードに基づいて、前記投射装置による前記スクリーンへの投射を制御する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の表示装置。
  9. 前記選択部は、前記筐体に設けられる選択ボタンと、前記スクリーン上の所定位置をタッチした否かを検出するタッチセンサとの少なくとも一方を有する、請求項8に記載の表示装置。
  10. 前記スクリーンは、1以上の特定の波長域の光を透過させ、前記特定の波長域以外の光を反射させる波長選択反射層を有し、
    前記特定の波長域は、前記投射装置から出射される光の波長域である、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の表示装置。
  11. 前記スクリーンは、複数の粒子または所定の液体を含む制御層と、前記制御層に電圧を印加して前記複数の粒子または前記所定の液体を駆動する電極と、を有するシート部材を備え、
    前記複数の粒子または前記所定の液体は、所定箇所に配置された光源から照射された光を透過または反射させ、
    前記電極は、前記電圧に応じて前記制御層の内部で前記複数の粒子の移動および回転の少なくとも一方を生じさせるか、または前記電圧に応じて前記制御層の内部で前記所定の液体を移動させる、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の表示装置。
  12. 前記筐体は棚である、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の表示装置。
  13. 前記投射装置は、前記筐体に内蔵されている、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の表示装置。
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