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JP2018185471A - トナー - Google Patents

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JP2018185471A
JP2018185471A JP2017088489A JP2017088489A JP2018185471A JP 2018185471 A JP2018185471 A JP 2018185471A JP 2017088489 A JP2017088489 A JP 2017088489A JP 2017088489 A JP2017088489 A JP 2017088489A JP 2018185471 A JP2018185471 A JP 2018185471A
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隆穂 柴田
Takao Shibata
隆穂 柴田
隼人 井田
Hayato Ida
隼人 井田
田村 順一
Junichi Tamura
順一 田村
裕也 千本
Hironari Senbon
裕也 千本
紅一郎 越智
Koichiro Ochi
紅一郎 越智
隆二 村山
Ryuji Murayama
隆二 村山
山下 大輔
Daisuke Yamashita
大輔 山下
智代 宮階
Tomoyo Miyagai
智代 宮階
崇 平佐
Takashi Hirasa
崇 平佐
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Abstract

【課題】 低温定着性と保存性を両立させ、かつ高温高湿度環境下においても帯電性が良好なトナーを提供すること。
【解決手段】 芳香環を有する非晶性樹脂および結晶性ポリエステルを含有するトナーであって、該結晶性ポリエステルが、構造単位として下記式(1)を有し、式(1)記載のAおよびBの一方が式2の構造を有し、且つAおよびBの他方が炭素数4以上12以下のアルキレンであることを特徴とするトナー。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法などに用いられる静電荷像を現像するためのトナーに関するものである。
近年、画像形成に際して、省エネルギー化への要求の高まりに伴い、トナーの定着温度をより低温化させる取り組みが採られるようになってきている。その一手段として、軟化温度の低いポリエステル樹脂を結着樹脂として用いることで、さらに定着温度を下げることができる技術が、提案されている。ところが、ポリエステル樹脂の軟化温度が低いために、保存時や輸送時等の静置状態下でトナー同士が融着してしまいブロッキングが発生することがある。
そこで、特許文献1〜3には、ブロッキング耐性と低温定着性の両立の手段として、融点を超えると粘度が大きく低下するシャープメルト性を有した結晶性化合物を用いる技術が提案されている。しかしながら、結着樹脂として結晶性化合物である結晶性ポリエステルを単独で用いる場合、結晶性ポリエステルの電気抵抗の低さに起因して、摩擦帯電後に徐々にトナーから電荷が逃げてしまうことが大きな課題であった。
そこで、特許文献4には、トナーの低温定着性と電荷保持性とを両立させる手段として、結着樹脂として非晶性樹脂と結晶性化合物を混合して用いる技術が報告されている。
上記の方法において更なる低温定着性を実現させるために、特許文献5には、結晶性化合物として、低融点化された結晶性ポリエステルを用いる技術が報告されている。
また、特許文献6には、ジカルボン酸成分として芳香環を有するモノマー成分をポリエステルに導入することにより、非晶性樹脂との相溶性が向上し、低温定着性が向上した例が報告されている。
一方、特許文献7には、帯電性を向上させる方法として、構成モノマーである脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジオールのアルキレン基の炭素数を長くし、極性基であるエステル基の割合を低減させた結晶性ポリエステルを用いる技術が報告されている。
特公昭56−13943号公報 特公昭62−39428号公報 特開平4−120554号公報 特開2003−50478号公報 特開2009−180931号公報 特開2002−284866号公報 特開2011−81355号公報
上記特許文献5に記載されているような低融点の結晶性ポリエステルを用いた場合、トナーの定着温度を低下させることが可能である。しかしながら、低い温度で結晶性ポリエステルが溶融してしまい、トナーの低粘度化が起こってしまうことから、保存安定性が悪化するといった課題があった。
上記特許文献6に記載されているような芳香環を有するモノマー成分を結晶性ポリエステルの構成成分として増加させた場合、極性基であるエステル基の割合が増加しないため、帯電性を悪化させることなく非晶性樹脂との相溶性を向上させることが可能である。しかしながら、相溶性向上のために芳香環の導入率を高くした場合、導入率に伴い融点が上昇してしまうため、結果としてトナーの低温定着性が十分ではないといった課題があった。
また、上記特許文献7のように、構成単位として長鎖のアルキレン基を有し、エステル基濃度の低い結晶性ポリエステルを用いた場合、極性が下がることで結晶性ポリエステルが高抵抗化し、帯電性が向上する。しかしながら、一般に結晶性ポリエステルよりも極性の高い非晶性樹脂との相溶性が悪化してしまう。そのため、低温定着性が十分ではない場合があった。
すなわち、従来提案されてきた結晶性ポリエステルでは、非晶性樹脂との十分な相溶性を有した上で、低温定着性に十分な融点にすること、及びエステル基などの極性基濃度を低減させることが困難であった。そのため、トナーとして高いレベルで低温定着性と帯電性を両立するには十分ではなかった。
本願発明は、
芳香環を有する非晶性樹脂および結晶性ポリエステルを含有するトナー粒子を有するトナーであって、
前記結晶性ポリエステルが、下記式(1)で示されるユニットを有し、
前記式(1)中のAおよびBの一方が、下記式(2)で示される2価の基であり、
前記Aおよび前記Bの他方が、炭素数4以上12以下のアルキレン基である
ことを特徴とするトナーに関する。
Figure 2018185471
Figure 2018185471
本発明の結晶性ポリエステルは、式(2)の構造を有し、テレフタル酸のような従来の芳香環を有する構造単位とは異なり、芳香環とエステル結合の間にアルキレン骨格を有している。そのため、従来の芳香環を有する結晶性ポリエステルよりも平面性が弱まり、分子間相互作用が低下することで、低融点化が誘起されたものと考えられる。芳香環を有する非晶性樹脂と、上記構造の結晶性ポリエステルとを併用することで、極性基濃度を高めることなく、化学構造の類似性から相溶性を高め、低温定着性と帯電性と保存性に優れたトナーが得られることが明らかとなった。
即ち、本発明のトナーは、芳香環を有する非晶性樹脂および結晶性ポリエステルを含有するトナーであって、該結晶性ポリエステルが、構造単位として少なくとも式(1)を有し、式(1)記載のAおよびBの一方が式(2)の構造を有する。且つ、AおよびBの他方が炭素数4以上12以下のアルキレンであることを特徴とするトナーである。
本発明によれば、低温定着性、帯電性、保存性に優れたトナーを提供することができる。
本発明において、数値範囲を表す「○○以上××以下」や「○○〜××」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
先ず、本発明において用いられる結晶性ポリエステルについて説明する。
<結晶性ポリエステル>
結晶性ポリエステルとは、分子鎖が規則正しく配列し、ガラス転移温度及び融点を有する樹脂である。本発明で用いられる結晶性ポリエステルは、少なくとも1種のジカルボン酸成分と少なくとも1種のジアルコール成分を縮重合して得られ、構造単位として少なくとも式(1)を有する。前記結晶性ポリエステルは、式(1)記載のAおよびBの一方が式(2)の構造を有し、且つAおよびBの他方が炭素数4以上12以下のアルキレン基であることを特徴とする。又、式(2)中の構造に記載のRおよびRは炭素数1以上4以下のアルキレン基であり、式(2)中の構造に記載のRおよびRが、メチレンであることが好ましい。
前記結晶性ポリエステルは、テレフタル酸のような従来の芳香環を有する構造単位とは異なり、芳香環とエステル結合の間にアルキル骨格を有している。そのため、従来の芳香環を有する結晶性ポリエステルよりも平面性が弱まり、分子間相互作用が低下することで、低融点化が誘起されたものと考えられる。芳香環を有する非晶性樹脂と、上記構造の結晶性ポリエステルとを併用することで、極性基濃度を高めることなく、化学構造の類似性から相溶性を高め、低温定着性と帯電性と保存性に優れたトナーが得られる。
式(1)記載のAが式(2)の構造を有する場合に用いられるジアルコール成分として、具体的には、1,4−ベンゼンジメタノール、1,3−ベンゼンジメタノール、1,2−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジエタノール、1,3−ベンゼンジエタノール、1,2−ベンゼンジエタノール、1,4−ベンゼンジプロパノール、1,3−ベンゼンジプロパノール、1,2−ベンゼンジプロパノール、1,4−ベンゼンジブタノール、1,3−ベンゼンジブタノール、1,2−ベンゼンジブタノールなどが挙げられる。これらは単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。
式(1)記載のBが式(2)の構造を有する場合に用いられるジカルボン酸成分として、具体的には、1,4−フェニレン二酢酸、1,3−フェニレン二酢酸、1,2−フェニレン二酢酸、1,4−フェニレン二プロピオン酸、1,3−フェニレン二プロピオン酸、1,2−フェニレン二プロピオン酸、1,4−フェニレン二酪酸、1,3−フェニレン二酪酸、1,2−フェニレン二酪酸などが挙げられる。これらは単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。
式(1)記載のAが炭素数4以上12以下のアルキレン構造を有する場合に用いられるジアルコール成分として、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどの2価のアルコールが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
式(1)記載のBが炭素数4以上12以下のアルキレン構造を有する場合に用いられるジカルボン酸成分として、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,1−シクロペンテンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸などの2価のカルボン酸が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
また、本発明の結晶性樹脂の製造に際しては、必要に応じてその物性を損なわない程度に、その他のアルコール成分やカルボン酸成分を併用してもよい。
前記アルコール成分としては、具体的には以下のものが挙げられる。エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−イコサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどのジオールが挙げられる。
また、3価以上のアルコールを用いることも可能であり、グリセリン、ペンタエリスリトール、ヘキサメチロールメラミン、及びヘキサエチロールメラミンが挙げられる。
前記カルボン酸としては、具体的には以下のものを挙げられる。シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、グルタル酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸;1,1−シクロペンテンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−アダマンタンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸が挙げられる。また、3価以上の多価カルボン酸を用いることも可能であり、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ピレントリカルボン酸、及びピレンテトラカルボン酸等の3価以上の多価カルボン酸などが挙げられる。
芳香環を有する非晶性樹脂との相溶性の向上の観点から、前記結晶性ポリエステルが、構造単位として、式(1)で示されるユニットを前記結晶性ポリエステルが有する全ユニットに対して10モル%以上100モル%以下含むことが好ましい。25モル%以上100モル%以下含むことがさらに好ましい。
一般にトナーに用いられる結晶性ポリエステルは、従来の非晶性樹脂に比べ、体積抵抗が低い樹脂であることが知られている。この理由について、本発明者らは以下のように考えている。
結晶性樹脂は、一般に、分子鎖が規則的な配列を示した結晶構造を形成しており、マクロ的に見ると、融点未満の温度領域では分子運動が制限された状態を保持していると考えられる。しかしながら、結晶性樹脂は、ミクロ的に見ると、必ずしも100%結晶構造部から構成されている訳でなく、分子鎖が規則的な配列を示した結晶構造を有する結晶構造部と、それ以外のアモルファス構造部とから形成されている。通常トナーで使用される範囲の融点を有する結晶性ポリエステルの場合、結晶性ポリエステルのガラス転移温度(Tg)が室温よりもはるかに低いため、ミクロ的に見ると、室温下であっても、前記アモルファス構造部が分子運動を起こしていると考えられる。このように樹脂の分子運動性が高い環境下では、極性基であるエステル結合などを介して電荷の授受が可能であり、その結果、樹脂の体積抵抗が低下すると考えられる。従って、極性基であるエステル基の濃度を低く抑えることで、体積抵抗を増大させることが可能になると推察されることから、エステル基の濃度の低い樹脂が好ましく用いられる。エステル基の濃度の値は、主にはジオールおよびジカルボン酸の種類によって決まり、それぞれ炭素数の大きいものを選定することで低い値に設計することができる。
本発明におけるエステル基の濃度は、以下のようにして算出することができる。
エステル基の濃度(質量%)=[結晶性ポリエステルの構造単位のエステル基の分子量(分子量44)×2]/[結晶性ポリエステルの構造単位の全分子量]×100
本発明におけるエステル基の濃度は、20質量%以上35質量%以下であることが好ましい。帯電性向上の観点から35質量%以下であることが好ましく、32質量%以下であることがさらに好ましい。また、相溶性の観点からエステル基濃度は20質量%以上であることが好ましい。
本発明の結晶性ポリエステルの構造単位は、トナー中に含まれる樹脂から結晶性ポリエステル成分を単離し、NMRスペクトル測定により同定することができる。結晶性ポリエステル成分を単離する方法としては、トナーを酢酸エチル溶媒によるソックスレー抽出により結晶性ポリエステル成分を残渣として単離する方法が挙げられる。
本発明の結晶性ポリエステルのゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定された重量平均分子量(Mw)は5000以上、50000以下であり、好ましくは、5000以上、20000以下である。
結晶性ポリエステルの重量平均分子量(Mw)が5000より大きい場合は樹脂としての強度が向上しトナー強度が向上する。一方、結晶性ポリエステルの重量平均分子量(Mw)が50000以下にすることで、トナーとしての低温定着性が向上する。
なお、上記結晶性ポリエステルの重量平均分子量(Mw)は、結晶性ポリエステルの種々の公知の製造条件によって容易に制御が可能である。
また、上記結晶性ポリエステルの重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、以下のように測定する。
ゲルクロマトグラフ用のo−ジクロロベンゼンに、特級2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)を濃度が0.10wt/vol%となるように添加し、室温で溶解する。サンプルビンに結晶性ポリエステルと上記のBHTを添加したo−ジクロロベンゼンとを入れ、150℃に設定したホットプレート上で加熱し、結晶性ポリエステルを溶解する。結晶性ポリエステルが溶けたら、予め加熱しておいたフィルターユニットに入れ、本体に設置する。フィルターユニットを通過させたものをGPCサンプルとする。尚、サンプル溶液は、濃度が約0.15質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置: HLC−8121GPC/HT(東ソー社製)
検出器: 高温用RI
カラム: TSKgel GMHHR−H HT 2連(東ソー社製)
温度: 135.0℃
溶媒: ゲルクロマトグラフ用o−ジクロロベンゼン
(BHT 0.10wt/vol%添加)
流速: 1.0ml/min
注入量: 0.4ml
結晶性ポリエステルの分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
また、本発明の結晶性ポリエステルの融点は、40℃以上100℃以下であることが好ましい。低温定着性および保存性の観点から40℃以上、100℃以下であることが好ましい。融点が100℃以下になることによって低温定着が可能になる。また、融点が90℃以下であることがより低温定着の観点からより好ましい。一方、融点が40℃より高い場合は保存性が向上する。
なお、上記融点は示査走査熱量計(DSC)を用いて測定することができる。具体的には、試料を0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、室温から昇温速度10℃/minでサンプルを昇温しながら熱量測定を行う。次いで、得られたDSC曲線より、吸熱ピークのピーク温度を融点とする。また、トナー中に存在する結晶性ポリエステルの融点も同様の手法で測定できる。その際に、トナー中に存在する離型剤による融点が観察される場合がある。離型剤の融点と結晶性ポリエステルの融点の判別は、トナーからヘキサン溶媒を使用したソックスレー抽出によって離型剤を抽出し、離型剤単体の示査走査熱量測定を上記方法で行い、得られた融点とトナーの融点を比較することにより行う。
本発明において、トナーは、前記結晶性ポリエステルを1質量%以上40質量%以下含有することが好ましく、低温定着性と帯電性の両立の観点から、10質量%以上30質量%以下含有することが好ましい。トナーは、前記結晶性ポリエステルを1質量%以上含有すると、トナーの低温定着性が向上する。また、トナーは、前記結晶性ポリエステルを、40重量%以下にすることで、トナーの帯電性が向上する。
次に本発明において用いられる、芳香環を有する非晶性樹脂について説明する。
<芳香環を有する非晶性樹脂>
本発明において、芳香環を有する非晶性樹脂は、芳香環を有し、前記結晶性ポリエステルとの相溶性が高い非晶性樹脂であれば、トナーに通常用いられる公知の重合体を使用することが可能である。ここで、非晶性樹脂とは、分子鎖が不規則であって、ガラス転移温度を有するが、融点を有しない樹脂である。
具体的には、下記の重合体を用いることが可能である。
ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、などが挙げられる。これらの中で、前記結晶性ポリエステルとの相溶性が高く、且つ低分子量であっても強度に優れるポリエステルが好ましい。
芳香環を有するポリエステル樹脂としては、少なくとも芳香環を有する、アルコールモノマーおよび/またはカルボン酸モノマーが縮重合したものが用いられる。
芳香環を有するアルコールモノマーとしては以下のものが挙げられる。ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、1,4−ベンゼンジメタノール、1,3−ベンゼンジメタノール、1,2−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジエタノール、1,3−ベンゼンジエタノール、1,2−ベンゼンジエタノール、1,4−ベンゼンジプロパノール、1,3−ベンゼンジプロパノール、1,2−ベンゼンジプロパノール、1,4−ベンゼンジブタノール、1,3−ベンゼンジブタノール、1,2−ベンゼンジブタノール。これらは単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。
一方、芳香環を有するカルボン酸モノマーとしては、以下のものが挙げられる。フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸、1,4−フェニレン二酢酸、1,3−フェニレン二酢酸、1,2−フェニレン二酢酸、1,4−フェニレン二プロピオン酸、1,3−フェニレン二プロピオン酸、1,2−フェニレン二プロピオン酸、1,4−フェニレン二酪酸、1,3−フェニレン二酪酸、1,2−フェニレン二酪酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその無水物。これらは単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。
また、前記芳香環を有するモノマー以外に、以下の脂肪族モノマーを併用することが可能である。脂肪族アルコールモノマーとしては、以下のものが挙げられる。エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール。
脂肪族カルボン酸モノマーとしては、以下のものが挙げられる。コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6〜18のアルキル基又はアルケニル基で置換されたコハク酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物。
また、その他にも以下のモノマーを使用することが可能である。グリセリン、ソルビット、ソルビタン、さらには例えばノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテル等の多価アルコール類;トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等の多価カルボン酸類。
それらの中でも、特に、下記一般式(3)で表されるビスフェノール誘導体を2価アルコールモノマー成分とし、2価以上のカルボン酸又はその酸無水物、又はその低級アルキルエステルとからなるカルボン酸成分(例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等)を酸モノマー成分として、これらのポリエステルユニット成分で縮重合した樹脂が好ましい。
Figure 2018185471
(式中、Rはエチレン基又はプロピレン基を示し、x及びyはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2〜10である。)
本発明における非晶性樹脂中の芳香環濃度は、以下のようにして算出することができる。
芳香環の濃度(質量%)=[非晶性ポリエステルの構造単位の芳香環部位の全分子量]/[非晶性ポリエステルの構造単位の全分子量]×100
本発明における非晶性樹脂中の芳香環の濃度は、20質量%以上70質量%以下であることが好ましい。非晶性樹脂中の芳香環の濃度は、結晶性ポリエステルとの相溶性の観点から20質量%以上であることが好ましく、25質量%以上であることがさらに好ましい。また、非晶性樹脂中の芳香環の濃度は、後述する非晶性樹脂のガラス転移温度の観点から、70質量%以下であることが好ましく、65質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明の非晶性樹脂の構造単位は、トナー中に含まれる樹脂から非晶性樹脂成分を単離し、NMRスペクトル測定により同定することができる。非晶性樹脂成分を単離する方法としては、トナーを酢酸エチル溶媒によるソックスレー抽出により非晶性樹脂成分を抽出液として単離する方法が挙げられる。
前記芳香環を有する非晶性樹脂と前記結晶性ポリエステルの相溶性の指標としては、各樹脂のソルビリティパラメータ値(SP値)の差の絶対値(ΔSP値)が挙げられる。ΔSP値は、0以上1.5以下であることが好ましく、0以上1.0以下であることがより好ましく、0以上0.90以下であることがさらに好ましい
上記SP値は、Fedorsの式を用いて求めることができる。ここで、Δei、及びΔviの値は、「コーティングの基礎科学」(1986年(槇書店))の54〜57頁に記載された表3〜9による原子および原子団の蒸発エネルギーとモル体積(25℃)」を参照した。
式:δi=[Ev/V]1/2=[Δei/Δvi]1/2
Ev:蒸発エネルギー
V:モル体積
Δei:i成分の原子または原子団の蒸発エネルギー
Δvi:i成分の原子または原子団のモル体積
例えば、ノナンジオールとセバシン酸からなる結晶性ポリエステルは、繰り返し単位として、原子団(−COO)×2+(−CH)×17から構成され、計算SP値は下記式で求められる。
δi=[Δei/Δvi]^(1/2)=[{(4300)×2+(1180)×17}/{(18)×2+(16.1)×17}]^(1/2)
SP値(δi)は9.63となる。
本発明の芳香環を有する非晶性樹脂のガラス転移温度は、30℃以上、80℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度が30℃より高い場合は、保存性が良化する。一方、ガラス転移温度が80℃より低い場合は定着性が向上する。また、本発明の芳香環を有する非晶性樹脂のガラス転移温度は40℃以上であることが保存性の観点からより好まく、70℃以下であることが定着性の観点からより好ましい。
なお、上記ガラス転移温度(Tg)は、DSC(メトラートレド製:DSC822/EK90)を用いて測定する。具体的には、試料を0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで、−100℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/minで昇温しながら熱量測定を行う。次いで、得られたDSC曲線より、低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線のこう配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度とする。
本発明において、芳香環を有する非晶性樹脂の軟化温度(Tm)は、70℃以上150℃以下であることが好ましく、80℃以上140℃以下であることがより好ましく、80℃以上130℃以下であることがさらに好ましい。Tmが上記の温度範囲内であれば、耐ブロッキング性と耐オフセット性との両立が良好に図られ、さらに、高温時において定着時のトナー溶融成分の紙への染込みが程度となり、良好な表面平滑性が得られる。
本発明において、芳香環を有する非晶性樹脂の軟化温度の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」(島津製作所社製)を用いて行った。尚、CFT−500Dは、上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させながら溶融してシリンダ底部の細管孔から押し出し、この際のピストンの降下量(mm)と温度(℃)から流動曲線をグラフ化できる装置である。
本発明においては、「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」に付属のマニュアルに記載の「1/2法における溶融温度」を軟化温度(Tm)とした。
尚、1/2法における溶融温度とは、次のようにして算出されたものである。
まず、流出が終了した時点におけるピストンの降下量(流出終了点、Smaxとする)と、流出が開始した時点におけるピストンの降下量(最低点、Sminとする)との差の1/2を求めた(これをXとする。X=(Smax−Smin)/2)。そして、ピストンの降下量がXとSminの和となるときの流動曲線の温度を、1/2法における溶融温度とした。
測定試料は、芳香環を有する非晶性樹脂を約1.2g、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(例えば、標準手動式ニュートンプレス NT−100H、エヌピーエーシステム社製)を用いて約10MPaで、約60秒間圧縮成型した。直径約8mmの円柱状としたものを用いた。測定における具体的な操作は、装置に付属のマニュアルに従って行なった。
CFT−500Dの測定条件は、以下の通りである。
試験モード:昇温法
開始温度:60℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/min
ピストン断面積:1.000cm2
試験荷重(ピストン荷重):5.0kgf
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
本発明のトナーは、少なくとも前記結晶性ポリエスエルと前記芳香環を有する非晶性樹脂とを含有するトナー粒子を有する。
本発明のトナーは、粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法などの公知の製造方法で製造することが可能であり、製造方法は特に限定されるものではない。以下、懸濁重合法および乳化凝集法における、上記トナーの製造方法について具体的に例示するが、これらに限定されるものではない。
<懸濁重合法>
懸濁重合法では、芳香環を有する非晶性樹脂を構成する重合性単量体及び結晶性ポリエステル、並びに、必要に応じて、着色剤、及び離型剤などその他材料を均一に溶解又は分散して重合性単量体組成物を得る。その後、この重合性単量体組成物を必要に応じて分散安定剤を含有させた水系媒体中に適当な撹拌器を用いて分散する。その後、該重合性単量体を重合することにより、所望の粒径を有する粒子を得る。得られた粒子を、公知の方法によって濾過、洗浄、乾燥することで、トナーを得ることができる。
芳香環を有する非晶性樹脂を構成する重合性単量体として、具体的に以下に例示するが、これらに限定されるものではない。
スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンのようなスチレン誘導体類、ビニルナフタレン、p−クロロスチレン。これらは単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。
上記重合性単量体以外にも以下に挙げる脂肪族重合性単量体を併用することができる。具体的には、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェート、エチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートのようなアクリル系重合性単量体類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートのようなメタクリル系重合性単量体類。
<乳化凝集法>
乳化凝集法とは、目的の粒子径に対して、十分に小さい、トナーの構成材料から成る微粒子の水系分散液を前もって準備し、その微粒子を水系媒体中でトナーの粒子径になるまで凝集し、加熱により樹脂を融着させてトナーを製造する方法である。
具体的には、少なくとも、前記結晶性ポリエステルが水系媒体中に分散した結晶性ポリエステル分散液、前記芳香環を有する非晶性樹脂が水系媒体中に分散した非晶性樹脂分散液、および着色剤が水系媒体中に分散した着色剤分散液準備する。更に、必要に応じて離型剤が水系媒体中に分散した離型剤分散液をそれぞれ作製する分散工程、各分散液を混合し、混合液を得る混合工程、混合液中の各微粒子を凝集させて、所望の粒子径を有する凝集粒子を形成する凝集工程を経てトナー粒子が製造される。凝集工程後には、得られた凝集粒子に含まれる樹脂を溶融して融着する融合工程、及び冷却工程が行われる。
以下、乳化凝集法の各工程についてさらに説明する。
<分散工程>
前記結晶性ポリエステルの水系分散液は、公知の方法により調製できる。公知の方法としては、例えば、自己乳化法、親水性の有機溶剤に溶解させた樹脂溶液に水系媒体を添加していくことで樹脂を乳化する転相乳化法が挙げられる。又、疎水性の有機溶剤に溶解させた樹脂溶液を機械的なせん断により水系媒体中に分散させ、樹脂を乳化する溶解懸濁法、又は、有機溶剤を用いず、水系媒体中で高温処理することで強制的に樹脂を乳化する強制乳化法が挙げられる。
具体的には、前記結晶性ポリエステルが、融点以上の温度で溶解する有機溶媒に加熱溶解した後、界面活性剤が溶解した水系媒体と混合する。前記結晶性ポリエステルが、カルボン酸などの酸性極性基を有する場合は、必要に応じて中和剤としてアンモニアなどの塩基を添加しても良い。続いて、強い剪断付与能力を有するホモジナイザー(例えば、エム・テクニック社製の「クレアミックスWモーション」)や圧力吐出型分散機(例えば、ゴーリン社製の「ゴーリンホモジナイザー」)で樹脂溶液を微粒子状に分散させる。その後加熱又は減圧して溶剤を除去することにより、結晶性ポリエステル微粒子の水系分散液を作製する。前記結晶性ポリエステルを溶解するために使用する有機溶媒としては、融点以上の温度において、該結晶性ポリエステルを溶解できるものであればどのようなものでも使用可能である。該結晶性ポリエステルに対する溶解性や溶剤の沸点の観点からテトラヒドロフラン、アセトン、トルエン、およびクロロホルムが好ましい。
乳化時に使用する界面活性剤としては、特に限定されるものでは無いが、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、カルボン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤が挙げられる。又、アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤などが挙げられる。該界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記結晶性ポリエステル微粒子の体積基準の50%粒径(d50)は0.05〜1.0μmであることが好ましく、0.05〜0.4μmであることがより好ましい。
体積基準の50%粒径(d50)を上記範囲に調整することで、トナー粒子として適切な体積平均粒径である3μm以上10μm以下のトナー粒子を得ることが容易になる。なお、体積基準の50%粒径(d50)は動的光散乱式粒度分布計(ナノトラックUPA−EX150:日機装製)を使用することで測定可能である。
前記芳香環を有する非晶性樹脂の水系分散液は、公知の方法により調製できる。公知の方法としては、例えば、乳化重合法、自己乳化法、親水性の有機溶剤に溶解させた樹脂溶液に水系媒体を添加していくことで樹脂を乳化する転相乳化法が挙げられる。更に、疎水性の有機溶剤に溶解させた樹脂溶液を機械的なせん断により水系媒体中に分散させ、樹脂を乳化する溶解懸濁法、又は、有機溶剤を用いず、水系媒体中で高温処理することで強制的に樹脂を乳化する強制乳化法が挙げられる。
具体的には、前記芳香環を有する非晶性樹脂が溶解する有機溶媒に溶解して、界面活性剤が溶解した水系媒体と混合する。前記芳香環を有する非晶性樹脂が、カルボン酸などの酸性極性基を有する場合は、必要に応じて中和剤として塩基を添加しても良い。続いて、強い剪断付与能力を有するホモジナイザー(例えば、エム・テクニック社製の「クレアミックスWモーション」)や圧力吐出型分散機(例えば、ゴーリン社製の「ゴーリンホモジナイザー」)で樹脂溶液を微粒子状に分散させる。その後、加熱又は減圧して溶剤を除去することにより、樹脂微粒子の水系分散液を作製する。前記芳香環を有する非晶性樹脂を溶解するために使用する有機溶媒としては、該非晶性樹脂を溶解できるものであればどのようなものでも使用可能である。例えば、非晶性樹脂に対する溶解性や溶剤の沸点の観点からテトラヒドロフラン、アセトン、トルエン、およびクロロホルムが好ましい。
乳化時に使用する界面活性剤としては、特に限定されるものでは無いが、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、カルボン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤が挙げられる。又、アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤が挙げられる。又、ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤などが挙げられる。該界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記芳香環を有する非晶性樹脂の微粒子の体積基準の50%粒径(d50)は0.05〜1.0μmであることが好ましく、0.05〜0.4μmであることがより好ましい。
体積基準の50%粒径(d50)を上記範囲に調整することで、トナー粒子として適切な体積平均粒径である3μm以上10μm以下のトナー粒子を得ることが容易になる。なお、体積基準の50%粒径(d50)は動的光散乱式粒度分布計(ナノトラックUPA−EX150:日機装製)を使用することで測定可能である。
着色剤微粒子の水系分散液は、以下に挙げる公知の方法により調製できるが、これらの手法に限定されるものではない。
着色剤、水系媒体及び分散剤を公知の撹拌機、乳化機、及び分散機のような混合機により混合することで調製できる。ここで用いる分散剤は、界面活性剤及び高分子分散剤といった公知のものを使用できる。
界面活性剤及び高分子分散剤のいずれの分散剤も後述する洗浄工程において除去できるが、洗浄効率の観点から、界面活性剤が好ましい。
界面活性剤としては、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、及びせっけん系等のアニオン界面活性剤が挙げられる。又、アミン塩型、及び4級アンモニウム塩型のようなカチオン界面活性剤が挙げられる。又、ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、及び多価アルコール系のようなノニオン界面活性剤が挙げられる。
これらの中でもノニオン界面活性剤又はアニオン界面活性剤が好ましい。また、ノニオン界面活性剤とアニオン界面活性剤とを併用してもよい。該界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。該界面活性剤の水系媒体中における濃度は、0.5〜5質量%になるようにするとよい。
着色剤微粒子の水系分散液における着色剤の含有量は特に制限はないが、着色剤微粒子の水系分散液の全質量に対して1〜30質量%であることが好ましい。
また、水系分散液中における着色剤微粒子の分散粒径は、最終的に得られるトナー粒子中での着色剤の分散性の観点から、体積基準の50%粒径(d50)が0.5μm以下であることが好ましい。また、同様の理由で、体積基準の90%粒径(d90)が2.0μm以下であることが好ましい。なお、水系媒体中に分散した着色剤微粒子の分散粒径は、動的光散乱式粒度分布径(ナノトラック:日機装製)などで測定することができる。
着色剤を水系媒体中に分散させる際に用いる公知の撹拌機、乳化機、及び分散機のような混合機としては、超音波ホモジナイザー、ジェットミル、圧力式ホモジナイザー、コロイドミル、ボールミル、サンドミル、及びペイントシェーカーが挙げられる。これらを単独もしくは組み合わせて用いてもよい。
必要に応じて用いられる離型剤微粒子の水系分散液は、以下に挙げる公知の方法により調製できるが、これらの手法に限定されるものではない。
離型剤微粒子の水系分散液は、界面活性剤を含有した水系媒体に離型剤を加え、離型剤の融点以上に加熱することによって作成する。強い剪断付与能力を有するホモジナイザー(例えば、エム・テクニック社製の「クレアミックスWモーション」)や圧力吐出型分散機(例えば、ゴーリン社製の「ゴーリンホモジナイザー」)を用いることができる。これらの装置で、粒子状に分散させた後、融点以下まで冷却することで作製することができる。
水系分散液中における離型剤微粒子の分散粒径は、体積基準の50%粒径(d50)が0.03〜1.0μmであることが好ましく、0.1〜0.5μmであることがより好ましい。また、1.0μmより大きな粗大粒子が存在しないことがより好ましい。
離型剤微粒子の分散粒径が上記範囲内であることで、定着時の離型剤の溶出が良好となり、ホットオフセット温度を上昇させることができ、かつ、感光体へのフィルミングの発生を抑制することが可能となる。なお、水系媒体中に分散した離型剤微粒子の分散粒径は、動的光散乱式粒度分布径(ナノトラック:日機装製)などで測定することができる。
<混合工程>
混合工程では、前記結晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液、前記芳香環を有する非晶性樹脂微粒子の水系分散液、着色剤微粒子の水系分散液、並びに、必要に応じて離型剤微粒子の水系分散液を混合した混合液を調製する。上記微粒子の混合する順序はいずれの順序でも良く、一度に全材料を混合しても良い。上記微粒子の混合は、ホモジナイザー、及びミキサーのような公知の混合装置を用いて行うことができる。
<凝集工程>
凝集工程では、混合工程で調製された混合液中に含まれる各微粒子を凝集し、目的とする粒径の凝集粒子を形成させる。このとき、凝集剤を添加混合し、必要に応じて加熱及び/または機械的動力を適宜加えることにより、結晶性ポリエステル樹脂微粒子、芳香環を有する非晶性樹脂微粒子、着色剤微粒子、及び離型剤粒子が凝集した凝集粒子を形成させる。
凝集剤としては、2価以上の金属イオンを含有する凝集剤を用いることが好ましい。
2価以上の金属イオンを含有する凝集剤は、凝集力が高く、少量の添加により効果を発揮することができる。この凝集剤は、結晶性ポリエステル樹脂微粒子、芳香環を有する非晶性樹脂微粒子、着色剤微粒子、及び離型剤微粒子の水系分散液の粒子をイオン的に中和することができる。更に、この凝集剤は、イオン性界面活性剤および樹脂中に含まれるカルボン酸成分をイオン的に中和することができる。その結果、塩析及びイオン架橋の効果により、結晶性ポリエステル樹脂微粒子、芳香環を有する非晶性樹脂微粒子、着色剤微粒子、及び離型剤微粒子を凝集させる。
2価以上の金属イオンを含有する凝集剤としては、2価以上の金属塩または金属塩の重合体が挙げられる。具体的には、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、及び塩化亜鉛のような2価の無機金属塩が挙げられる。又、塩化鉄(III)、硫酸鉄(III)、硫酸アルミニウム、及び塩化アルミニウムのような3価の金属塩、及びポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、及び多硫化カルシウムのような無機金属塩重合体が挙げられる。しかし、これらに限定されるものではない。これらは1種単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
前記凝集剤は、乾燥粉末及び水系媒体に溶解させた水溶液のいずれの形態で添加してもよいが、均一な凝集を起こさせるためには、水溶液の形態で添加するのが好ましい。
また、前記凝集剤の添加及び混合は、混合液中に含まれる樹脂のガラス転移温度または融点以下の温度で行うことが好ましい。この温度条件下で混合を行うことで、比較的に均一に凝集が進行する。混合液への凝集剤の混合は、ホモジナイザー、及びミキサーのような公知の混合装置を用いて行うことができる。
凝集工程において形成される凝集粒子の平均粒径としては、上述のように、体積平均粒径が3μm以上10μm以下になるように制御することが好ましい。なお、凝集粒子の粒径制御は、温度、固形分濃度、凝集剤の濃度及び撹拌の条件を適宜調整することにより容易に行うことができる。
また、上記凝集工程で得られた凝集粒子の分散液に、さらにシェル相を形成するための樹脂微粒子を添加することによって、凝集粒子の表面に樹脂微粒子を付着させることができる。シェル相を形成する場合には、シェル付着工程、及び、樹脂微粒子を表面に付着させた凝集粒子を後述する融合工程を経させることによって、コアシェル構造を有するトナー粒子を製造することができる。ここで添加するシェル相を形成するための樹脂微粒子は凝集粒子に含まれる樹脂と同一の構造を有する樹脂微粒子でも良いし、異なる構造を有する樹脂微粒子でも良い。
<融合工程>
融合工程においては、凝集工程で得られた凝集粒子を含む分散液に、凝集工程と同様の撹拌下で、凝集停止剤が添加される。凝集停止剤としては、結晶性ポリエステルまたは芳香環を有する非晶性樹脂の酸性極性基、および界面活性剤の酸性極性基を解離側へ平衡を移動させ、凝集粒子を安定化する塩基性化合物が挙げられる。又、界面活性剤の酸性極性基と凝集剤である金属イオンとのイオン架橋を部分的に解離し、金属イオンと配位結合を形成させることで、凝集粒子を安定化するキレート剤などが挙げられる。これらのうち、凝集停止の効果がより大きいキレート剤が好ましい。
凝集停止剤の作用により、分散液中での凝集粒子の分散状態が安定となった後、芳香環を有する非晶性樹脂のガラス転移温度または結晶性ポリエステルの融点以上に加熱し、凝集粒子を融合する。
キレート剤としては、公知の水溶性キレート剤であれば特に限定されない。具体的には、酒石酸、クエン酸、及びグルコン酸のようなオキシカルボン酸、並びに、これらのナトリウム塩;イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、及びエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、並びに、これらのナトリウム塩;が挙げられる。
キレート剤は、凝集粒子の分散液中に存在する凝集剤の金属イオンに配位することで、この分散液中の環境を、静電的に不安定で凝集しやすい状態から、静電的に安定で更なる凝集が生じにくい状態へと変化させることができる。これにより、分散液中の凝集粒子の更なる凝集を抑え、凝集粒子を安定化させることができる。
キレート化剤は、添加量が少量でも効果があり、粒度分布もシャープなトナー粒子が得られることから、3価以上のカルボン酸を有する有機金属塩であることが好ましい。
融合工程を経て作製した粒子を、洗浄、ろ過、乾燥等することにより、トナー粒子を得ることができる。その後、必要に応じて、シリカ、アルミナ、チタニア、及び炭酸カルシウム等の無機微粒子や、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、及びシリコーン樹脂等の樹脂微粒子を、乾燥状態で剪断力を印加して添加してもよい。これらの無機微粒子や樹脂微粒子は、流動性助剤やクリーニング助剤等の外添剤として機能する。
<着色剤>
本発明の着色剤は、公知の有機顔料または染料、カーボンブラック、磁性粉体などが挙げられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー7、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド169、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド254が挙げられる。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー62、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー111、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー176、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー181、C.I.ピグメントイエロー191、C.I.ピグメントイエロー194が挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性粉体、あるいは、前記イエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤を用い黒色に調色されたものが挙げられる。
これらの着色剤は、単独または混合して、さらには固溶体の状態で用いることができる。本発明に用いる着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、トナーへの分散性の点から選択される。
シアン着色剤、マゼンタ着色剤、イエロー着色剤又は黒色着色剤の含有量は、トナー粒子を構成する樹脂である結晶性ポリエステルおよび非晶性樹脂100質量部に対し1乃至20質量部であることが好ましい。
<離型剤>
本発明の離型剤としては、ポリエチレンの如き低分子量ポリオレフィン類;加熱により融点(軟化点)を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミドの如き脂肪酸アミド類;ステアリン酸ステアリルの如きエステルワックス類;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油の如き植物系ワックス;ミツロウの如き動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、エステルワックスの如き鉱物・石油系ワックス;及びそれらの変性物が挙げられる。
離型剤の含有量は、トナー粒子を構成する樹脂である結晶性ポリエステルおよび非晶性樹脂100質量部に対し1乃至25質量部であることが好ましい。1質量部未満である場合、高温での定着性が不十分となり、25質量部を超えるとトナー表層に露出する場合がある。
[実施例]
以下、本発明を実施例と比較例を用いて更に詳細に説明するが、本発明の態様はこれらに限定されない。なお、実施例及び比較例の部数及び%は特に断りが無い場合、すべて質量基準である。
(樹脂の製造)
<結晶性ポリエステル1の製造>
ジカルボン酸成分:
1,8−オクタンジカルボン酸 100モル部
ジオール成分:
1,4−ベンゼンジメタノール 200モル部
十分に加熱乾燥した二口フラスコに、上記のモノマー成分を投入し、上記混合物100質量部に対しオルトチタン酸テトライソプロピル0.10質量部を加え、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ちながら昇温した後、230℃で縮重合反応させた。さらに減圧して250℃に昇温することで結晶性ポリエステル1(重量平均分子量[Mw]:21000、融点[Mp]:85℃)を得た。得られた結晶性ポリエステル1の物性値を表1に記載する。
<結晶性ポリエステル2の製造>
1,8−ヘキサンジカルボン酸を1,6−オクタンジカルボン酸に変えた以外は結晶性ポリエステル1の製造と同様にして結晶性ポリエステル2(Mw:21500、融点:79℃)を得た。得られた結晶性ポリエステル2の物性値を表1に記載する。
<結晶性ポリエステル3の製造>
1,8−オクタンジカルボン酸を1,10−デカンジカルボン酸に変えた以外は結晶性ポリエステル1の製造と同様にして結晶性ポリエステル3(Mw:20500、融点:91℃)を得た。得られた結晶性ポリエステル3の物性値を表1に記載する。
<結晶性ポリエステル4の製造>
1,8−オクタンジカルボン酸を1,12−ドデカンジカルボン酸に変えた以外は結晶性ポリエステル1の製造と同様にして結晶性ポリエステル4(Mw:19500、融点:102℃)を得た。得られた結晶性ポリエステル4の物性値を表1に記載する。
<結晶性ポリエステル5の製造>
1,8−オクタンジカルボン酸をアジピン酸に変えた以外は結晶性ポリエステル1の製造と同様にして結晶性ポリエステル5(Mw:22500、融点:70℃)を得た。得られた結晶性ポリエステル5の物性値を表1に記載する。
<結晶性ポリエステル6の製造>
1,8−オクタンジカルボン酸をアジピン酸に変え、1,4−ベンゼンジメタノールを1,4−ベンゼンジエタノールに変えた以外は結晶性ポリエステル1の製造と同様にして結晶性ポリエステル6(Mw:17900、融点:76℃)を得た。得られた結晶性ポリエステル6の物性値を表1に記載する。
<結晶性ポリエステル7の製造>
1,8−オクタンジカルボン酸をフェニレン二酢酸に変え、1,4−ベンゼンジメタノールを1,6−ヘキサンジオールに変えた以外は結晶性ポリエステル1の製造と同様にして結晶性ポリエステル7(Mw:16600、融点:77℃)を得た。得られた結晶性ポリエステル7の物性値を表1に記載する。
<結晶性ポリエステル8の製造>
ジカルボン酸成分:
1,8−オクタンジカルボン酸 100モル部
ジオール成分:
1,4−ベンゼンジメタノール 150モル部
1,8−オクタンジオール 50モル部
十分に加熱乾燥した二口フラスコに、上記のモノマー成分を投入し、上記混合物100質量部に対しオルトチタン酸テトライソプロピル0.10質量部を加え、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ちながら昇温した後、230℃で縮重合反応させた。さらに減圧して250℃に昇温することで結晶性ポリエステル8(重量平均分子量[Mw]:20900、融点[Mp]:83℃)を得た。得られた結晶性ポリエステル1の物性値を表1に記載する。
<結晶性ポリエステル9の製造>
1,4−ベンゼンジメタノール150モル部を100モル部に変え、1,8−オクタンジオール50モル部を100モル部に変えた以外は結晶性ポリエステル8の製造と同様にして結晶性ポリエステル9(Mw:17000、融点:81℃)を得た。得られた結晶性ポリエステル9の物性値を表1に記載する。
<結晶性ポリエステル10の製造>
1,4−ベンゼンジメタノール150モル部を100モル部に変え、1,8−オクタンジオール50モル部を1,2−オクタンジオール100モル部に変えた。それら以外は結晶性ポリエステル8の製造と同様にして結晶性ポリエステル10(Mw:10000、融点:53℃)を得た。得られた結晶性ポリエステル10の物性値を表1に記載する。
<結晶性ポリエステル11の製造>
ジカルボン酸成分:
アジピン酸 100モル部
ジオール成分:
1,6−ヘキサンジオール 200モル部
十分に加熱乾燥した二口フラスコに、上記のモノマー成分を投入し、上記混合物100質量部に対しオルトチタン酸テトライソプロピル0.10質量部を加え、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ちながら昇温した後、230℃で縮重合反応させた。さらに減圧して250℃に昇温することで結晶性ポリエステル11(重量平均分子量[Mw]:15600、融点[Mp]:60℃)を得た。得られた結晶性ポリエステル11の物性値を表1に記載する。
<結晶性ポリエステル12の製造>
アジピン酸を1,12−ドデカンジカルボン酸に変え、1,6−ヘキサンジオールを1,8−オクタンジオールに変更した以外は結晶性ポリエステル11の製造と同様にして結晶性ポリエステル11(Mw:18900、融点:89℃)を得た。得られた結晶性ポリエステル12の物性値を表1に記載する。
<結晶性ポリエステル13の製造>
アジピン酸をテレフタル酸に変え、1,6−ヘキサンジオールを1,8−オクタンジオールに変更した以外は結晶性ポリエステル11の製造と同様にして結晶性ポリエステル12(Mw:14900、融点:128℃)を得た。得られた結晶性ポリエステル13の物性値を表1に記載する。
<結晶性ポリエステル14の製造>
ジカルボン酸成分:
1,12−ドデカンジカルボン酸 90モル部
テレフタル酸 10モル部
ジオール成分:
1,8−オクタンジオール 200モル部
十分に加熱乾燥した二口フラスコに、上記のモノマー成分を投入し、上記混合物100質量部に対しオルトチタン酸テトライソプロピル0.10質量部を加え、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ちながら昇温した後、230℃で縮重合反応させた。さらに減圧して250℃に昇温することで結晶性ポリエステル14(重量平均分子量[Mw]:18600、融点[Mp]:95℃)を得た。得られた結晶性ポリエステル14の物性値を表1に記載する。
<芳香環を有する非晶性ポリエステル樹脂1の製造>
ジカルボン酸成分:
テレフタル酸ジメチル 100モル部
ジオール成分:
ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
100モル部
十分に加熱乾燥した二口フラスコに、上記のモノマー成分を投入し、上記混合物100質量部に対しオルトチタン酸テトライソプロピル0.10質量部を加え、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ちながら昇温した後、230℃で縮重合反応させた。さらに減圧して250℃に昇温することで芳香環を有する非晶性ポリエステル樹脂1(重量平均分子量[Mw]:18600、ガラス転移温度[Tg]:60℃)を得た。
<芳香環を有する非晶性ポリエステル樹脂2の製造>
ジカルボン酸成分:
フマル酸ジメチル 100モル部
ジオール成分:
ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
100モル部
十分に加熱乾燥した二口フラスコに、上記のモノマー成分を投入し、上記混合物100質量部に対しオルトチタン酸テトライソプロピル0.10質量部を加え、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ちながら昇温した後、230℃で縮重合反応させた。さらに減圧して250℃に昇温することで芳香環を有する非晶性ポリエステル樹脂2(重量平均分子量[Mw]:25200、ガラス転移温度[Tg]:55℃)を得た。
<結晶性ポリエステル1の分散液の製造>
トルエン(和光純薬製)200質量部に結晶性ポリエステル1を120質量部加え、95℃に昇温した後、3時間攪拌し、溶解させた。結晶性ポリエステル1が溶解したトルエン溶液に、アニオン界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンRK)12質量部およびアニオン界面活性剤(日本油脂製:ノンサールLN1)6質量部が溶解した80℃のイオン交換水360質量部を添加した。その後、この分散液を超高速攪拌装置T.K.ロボミックス((株)プライミクス製)を用いて4000rpmで十分攪拌した。その後、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)を用いて約1時間分散した後、エバポレーターを用いて、トルエンを除去し、結晶性ポリエステル1の分散液を得た。
結晶性ポリエステル1微粒子の体積基準の50%粒径(d50)を動的光散乱式粒度分布径(ナノトラック:日機装製)を用いて測定したところ、0.19μmであった。
<結晶性ポリエステル2〜14の分散液の製造>
結晶性ポリエステル1を結晶性ポリエステル2〜14とした以外は、結晶性ポリエステル1の分散液の製造と同様にして結晶性ポリエステル2〜14の分散液を得た。
<芳香環を有する非晶性ポリエステル樹脂1の分散液の製造>
テトラヒドロフラン(和光純薬製) 200質量部
芳香環を有する非晶性ポリエステル樹脂1 120質量部
アニオン界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンRK) 0.6質量部
上記を混合後、12時間攪拌し、溶解させた。
次いで、1mol/Lアンモニア水溶液を25質量部加え、超高速攪拌装置T.K.ロボミックス((株)プライミクス製)を用いて4000rpmで攪拌した。
さらに、イオン交換水360質量部を1g/minの速度で添加し、樹脂微粒子を析出させた。その後、エバポレーターを用いて、テトラヒドロフランを除去し、芳香環を有する非晶性ポリエステル樹脂1の分散液を得た。
前記芳香環を有する非晶性ポリエステル樹脂1の微粒子の体積分布基準の50%粒径(d50)を、動的光散乱式粒度分布計(ナノトラック:日機装製)を用いて測定したところ、0.13μmであった。
<芳香環を有する非晶性ポリエステル樹脂2の分散液の製造>
芳香環を有する非晶性ポリエステル樹脂1を、芳香環を有する非晶性ポリエステル樹脂2とした以外は、芳香環を有する非晶性ポリエステル樹脂1の分散液の製造と同様にして非晶性ポリエステル樹脂2の分散液を得た。
<環状ポリオレフィン樹脂(芳香環を含有しない非晶性樹脂)の分散液の製造>
トルエン(和光純薬製)200質量部に芳香環を含有しない非晶性樹脂として、環状ポリオレフィン樹脂(ポリプラスチック製:TOPAS TM)120質量部を加え、3時間攪拌し、溶解させた。環状ポリオレフィン樹脂が溶解したトルエン溶液に、アニオン界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンRK)12質量部およびアニオン界面活性剤(日本油脂製:ノンサールLN1)6質量部が溶解したイオン交換水360質量部を添加した。その後、超高速攪拌装置T.K.ロボミックス((株)プライミクス製)を用いて4000rpmで十分攪拌した。その後、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)を用いて約1時間分散した後、エバポレーターを用いて、トルエンを除去し、環状ポリオレフィン樹脂の分散液を得た。
環状ポリオレフィン樹脂微粒子の体積基準の50%粒径(d50)を動的光散乱式粒度分布径(ナノトラック:日機装製)を用いて測定したところ、0.19μmであった。
<着色剤微粒子の製造>
・着色剤 10.0質量部
(シアン顔料 大日精化製:Pigment Blue 15:3)
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンRK) 1.5質量部
・イオン交換水 88.5質量部
以上を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)を用いて約1時間分散して、着色剤を分散させてなる着色剤微粒子の分散液を調製した。
得られた着色剤微粒子の体積分布基準の50%粒径(d50)は動的光散乱式粒度分布計(ナノトラック:日機装製)を用いて測定し、0.20μmであった。
<離型剤微粒子の製造>
・離型剤(HNP−51、融点78℃、日本精蝋製) 20.0質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンRK) 1.0質量部
・イオン交換水 79.0質量部
以上を攪拌装置付きの混合容器に投入した後、90℃に加熱し、クレアミックスWモーション(エム・テクニック製)へ循環させた。ローター外径が3cm、クリアランスが0.3mmの剪断攪拌部位にて、ローター回転数19000r/min、スクリーン回転数19000r/minの条件にて攪拌し、60分間分散処理した。
その後、ローター回転数1000r/min、スクリーン回転数0r/min、冷却速度10℃/minの冷却処理条件にて40℃まで冷却することで、離型剤微粒子の分散液を得た。
前記離型剤微粒子の体積分布基準の50%粒径(d50)は動的光散乱式粒度分布計(ナノトラック:日機装製)を用いて測定し、0.15μmであった。
<トナー粒子の製造例1>
・非晶性ポリエステル樹脂1の分散液 320質量部
・結晶性ポリエステル1の分散液 80質量部
・着色剤微粒子の分散液 50質量部
・離型剤微粒子の分散液 50質量部
・イオン交換水 400質量部
上記の各材料を丸型ステンレス製フラスコに投入、混合した後、ここに98質量部のイオン交換水に対し、硫酸マグネシウム2質量部を溶解させた水溶液を添加した。そしてこの溶液をホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて5000r/minで10分間分散した。
その後、加熱用ウォーターバス中で撹拌翼を用いて、混合液が撹拌されるような回転数を適宜調節しながらで55℃まで加熱した。55℃で1時間保持し、体積平均粒径が約6.0μmの凝集粒子を得た。該凝集粒子を含む分散液に、380質量部のイオン交換水に対し、クエン酸三ナトリウム20質量部を溶解させた水溶液を追加した後、85℃まで加熱した。90℃で2時間保持した後、得られた粒子は、体積平均粒径が約5.8μm、平均円形度が0.968で、十分に融合したトナー粒子が得られた。
なお、平均円形度は、フロー式粒子像測定装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)を用い、該装置の操作マニュアルに従って測定を行い、算出した。
その後、攪拌下、25℃まで冷却し、ろ過・固液分離した後、濾物をイオン交換水で十分に洗浄し、真空乾燥機を用いて乾燥することにより、体積平均粒径が5.5μmのトナー粒子1を得た。トナー粒子1の処方及び特性を、表2に示す。
<トナー粒子の製造例2>
結晶性ポリエステル1の分散液を結晶性ポリエステル2の分散液へと変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー粒子2を得た。得られたトナー粒子2の体積平均粒径が5.5μmであった。トナー粒子2の処方及び特性を、表2に示す。
<トナー粒子の製造例3>
結晶性ポリエステル1の分散液を結晶性ポリエステル3の分散液へと変更し、融合工程における加熱温度を90℃から95℃へと変更した以外は、以外は、実施例1と同様にして、トナー粒子3を得た。得られたトナー粒子3の体積平均粒径が5.4μmであった。トナー粒子3の処方及び特性を、表2に示す。
<トナー粒子の製造例4>
結晶性ポリエステル1の分散液を結晶性ポリエステル4の分散液へと変更し、融合工程における加熱温度を90℃から100℃へと変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー粒子4を得た。得られたトナー粒子4の体積平均粒径が5.4μmであった。トナー粒子3の処方及び特性を、表2に示す。
<トナー粒子の製造例5>
結晶性ポリエステル1の分散液を結晶性ポリエステル5の分散液へと変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー粒子5を得た。得られたトナー粒子5の体積平均粒径が5.5μmであった。トナー粒子5の処方及び特性を、表2に示す。
<トナー粒子の製造例6>
結晶性ポリエステル1の分散液を結晶性ポリエステル6の分散液へと変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー粒子6を得た。得られたトナー粒子6の体積平均粒径が5.5μmであった。トナー粒子6の処方及び特性を、表2に示す。
<トナー粒子の製造例7>
結晶性ポリエステル1の分散液を結晶性ポリエステル7の分散液へと変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー粒子7を得た。得られたトナー粒子7の体積平均粒径が5.5μmであった。トナー粒子7の処方及び特性を、表2に示す。
<トナー粒子の製造例8>
結晶性ポリエステル1の分散液を結晶性ポリエステル8の分散液へと変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー粒子8を得た。得られたトナー粒子8の体積平均粒径が5.5μmであった。トナー粒子8の処方及び特性を、表2に示す。
<トナー粒子の製造例9>
結晶性ポリエステル1の分散液を結晶性ポリエステル9の分散液へと変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー粒子9を得た。得られたトナー粒子9の体積平均粒径が5.5μmであった。トナー粒子9の処方及び特性を、表2に示す。
<トナー粒子の製造例10>
結晶性ポリエステル1の分散液を結晶性ポリエステル10の分散液へと変更し、凝集工程の温度を55℃から48℃へと変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー粒子10を得た。得られたトナー粒子9の体積平均粒径が5.5μmであった。トナー粒子10の処方及び特性を、表2に示す。
<トナー粒子の製造例11>
非晶性ポリエステル1の分散液を非晶性ポリエステル2の分散液へと変更し、凝集工程の温度を55℃から53℃へと変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー粒子11を得た。得られたトナー粒子11の体積平均粒径が5.5μmであった。トナー粒子11の処方及び特性を、表2に示す。
<トナー粒子の製造例12>
・非晶性ポリエステル樹脂1の分散液 285質量部
・結晶性ポリエステル1の分散液 115質量部
・着色剤微粒子の分散液 50質量部
・離型剤微粒子の分散液 50質量部
・イオン交換水 400質量部
上記の各材料を丸型ステンレス製フラスコに投入、混合した後、ここに98質量部のイオン交換水に対し、硫酸マグネシウム2質量部を溶解させた水溶液を添加した。そして、この分散水溶液をホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて5000r/minで10分間分散した。
その後、加熱用ウォーターバス中で撹拌翼を用いて、混合液が撹拌されるような回転数を適宜調節しながらで55℃まで加熱した。55℃で1時間保持し、体積平均粒径が約6.0μmの凝集粒子を得た。該凝集粒子を含む分散液に、380質量部のイオン交換水に対し、クエン酸三ナトリウム20質量部を溶解させた水溶液を追加した後、85℃まで加熱した。90℃で2時間保持した後、得られた粒子は、体積平均粒径が約5.8μm、平均円形度が0.968で、十分に融合したトナー粒子が得られた。
なお、平均円形度は、フロー式粒子像測定装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)を用い、該装置の操作マニュアルに従って測定を行い、算出した。
その後、ろ過・固液分離した後、濾物をイオン交換水で十分に洗浄し、真空乾燥機を用いて乾燥することにより、体積平均粒径が5.5μmのトナー粒子12を得た。トナー粒子12の処方及び特性を、表2に示す。
<トナー粒子の製造例13>
・非晶性ポリエステル樹脂1の分散液 350質量部
・結晶性ポリエステル1の分散液 50質量部
・着色剤微粒子の分散液 50質量部
・離型剤微粒子の分散液 50質量部
・イオン交換水 400質量部
上記の各材料を丸型ステンレス製フラスコに投入、混合した後、ここに98質量部のイオン交換水に対し、硫酸マグネシウム2質量部を溶解させた水溶液を添加した。そして、この分散液を、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて5000r/minで10分間分散した。
その後、加熱用ウォーターバス中で撹拌翼を用いて、混合液が撹拌されるような回転数を適宜調節しながらで55℃まで加熱した。55℃で1時間保持し、体積平均粒径が約6.0μmの凝集粒子を得た。該凝集粒子を含む分散液に、380質量部のイオン交換水に対し、クエン酸三ナトリウム20質量部を溶解させた水溶液を追加した後、90℃まで加熱した。90℃で4時間保持した後、得られた粒子は、体積平均粒径が約5.8μm、平均円形度が0.968で、十分に融合したトナー粒子が得られた。
なお、平均円形度は、フロー式粒子像測定装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)を用い、該装置の操作マニュアルに従って測定を行い、算出した。
その後、攪拌下、25℃まで冷却し、ろ過・固液分離した後、濾物をイオン交換水で十分に洗浄し、真空乾燥機を用いて乾燥することにより、体積平均粒径が5.5μmのトナー粒子13を得た。トナー粒子13の処方及び特性を、表2に示す。
<トナー粒子の製造例14>
着色剤としてシアン顔料(大日精化製:Pigment Blue 15:3)18.0質量部、重合性単量体としてスチレン180質量部、ガラスビーズ(直径1mm)130質量部をアトライター中で混合した。アトライター[日本コークス工業(株)製]で3時間分散させ、メッシュで濾過し、着色剤が重合性単量体中に分散した着色剤分散液を得た。
・着色剤分散液 132質量部
・スチレン 44質量部
・n−ブチルアクリレート 36質量部
・離型剤(HNP−51、融点78℃、日本精蝋製) 25質量部
・サリチル酸アルミニウム化合物 2質量部
(ボントロンE−88、オリエント化学社製)
・ジビニルベンゼン 0.1質量部
・非晶性ポリエステル樹脂1 10質量部
・結晶性ポリエステル1 36質量部
続いて、高速撹拌装置T.K.ホモミクサー[プライミクス(株)製]を備えた2リットル用4つ口フラスコ中にイオン交換水710質量部と0.1mol/L−NaPO水溶液450質量部を添加し回転数を12000rpmに調整し、60℃に加温した。
ここに1.0mol/L−CaCl水溶液68質量部を徐々に添加し、微小な難水溶性分散安定剤Ca(POを含む水系媒体を調製した。
次に上記組成物を60℃に加温し、高速撹拌装置T.K.ホモミクサー[プライミクス(株)製]を用いて5000rpmにて均一に溶解・分散した。
これに重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10質量部を加え、上記水系媒体中に投入し、回転数12000rpmを維持しつつ15分間造粒した。その後、高速撹拌器からプロペラ撹拌羽根に撹拌器を変え、液温を60℃で重合を5時間継続させた後、液温を80℃に昇温させ8時間重合を継続させてトナー粒子を得た。その後、撹拌をしながら25℃まで冷却し、十分に冷えたら希塩酸を添加し、pH1.5で2時間撹拌し、Ca(POを含むリン酸とカルシウムの化合物を溶解させた。その後、濾過器で固液分離し、トナー粒子を得た。
これを水中に投入して撹拌し、再び分散液とした後に、濾過器で固液分離した。トナー粒子の水への再分散と固液分離とを、Ca(POを含むリン酸とカルシウムの化合物が十分に除去されるまで繰り返し行った。
その後、最終的に固液分離したトナー粒子を、乾燥機で十分に乾燥し体積平均粒径が7.2μmのトナー粒子14を得た。トナー粒子14の処方及び特性を、表2に示す。
<トナー粒子の製造例15>
・非晶性ポリエステル樹脂1の分散液 320質量部
・結晶性ポリエステル11の分散液 80質量部
・着色剤微粒子の分散液 50質量部
・離型剤微粒子の分散液 50質量部
・イオン交換水 400質量部
上記の各材料を丸型ステンレス製フラスコに投入、混合した後、ここに98質量部のイオン交換水に対し、硫酸マグネシウム2質量部を溶解させた水溶液を添加した。そして、この分散水溶液をホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて5000r/minで10分間分散した。
その後、加熱用ウォーターバス中で撹拌翼を用いて、混合液が撹拌されるような回転数を適宜調節しながらで55℃まで加熱した。55℃で1時間保持し、体積平均粒径が約6.0μmの凝集粒子を得た。該凝集粒子を含む分散液に、380質量部のイオン交換水に対し、クエン酸三ナトリウム20質量部を溶解させた水溶液を追加した後、85℃まで加熱した。75℃で2時間保持した後、得られた粒子は、体積平均粒径が約5.8μm、平均円形度が0.968で、十分に融合したトナー粒子が得られた。
なお、平均円形度は、フロー式粒子像測定装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)を用い、該装置の操作マニュアルに従って測定を行い、算出した。
その後、攪拌下、25℃まで冷却し、ろ過・固液分離した後、ろ物をイオン交換水で十分に洗浄し、真空乾燥機を用いて乾燥することにより、体積平均粒径が5.5μmのトナー粒子15を得た。トナー粒子15の処方及び特性を、表2に示す。
<トナー粒子の製造例16>
結晶性ポリエステル11の分散液を結晶性ポリエステル12の分散液へと変更し、融合工程における加熱温度を75℃から90℃へと変更した。それ以外は、製造例15と同様にして、トナー粒子16を得た。得られたトナー粒子16の体積平均粒径が5.4μmであった。トナー粒子16の処方及び特性を、表2に示す。
<トナー粒子の製造例17>
・非晶性ポリエステル樹脂1の分散液 320質量部
・結晶性ポリエステル13の分散液 80質量部
・着色剤微粒子の分散液 50質量部
・離型剤微粒子の分散液 50質量部
・イオン交換水 400質量部
上記の各材料を耐圧丸底ステンレス容器に投入、混合した後、ここに98質量部のイオン交換水に対し、硫酸マグネシウム2質量部を溶解させた水溶液を添加した。そして、この分散水溶液をホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて5000r/minで10分間分散した。その後、加熱用ウォーターバス中で撹拌翼を用いて、混合液が撹拌されるような回転数を適宜調節しながらで58℃まで加熱した。58℃で1時間保持した後、形成された凝集粒子の体積平均粒径を、フロー式粒子像分析装置(シスメックス社製:FPIA−3000)を用い、該装置の操作マニュアルに従い測定した。その結果、体積平均粒径が約6.0μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。凝集工程で得られた凝集粒子の分散液に、380質量部のイオン交換水に対し、クエン酸三ナトリウム20質量部を溶解させた水溶液を追加した後、上記耐圧丸底ステンレス容器を密閉し、容器内の凝集粒子の分散液を、110℃、0.18MPaに加温加圧した。110℃で5時間保持した後、得られた粒子の体積平均粒径及び平均円形度を、フロー式粒子像分析装置(シスメックス社製:FPIA−3000)を用いて、該装置の操作マニュアルに従い測定した。その結果、体積平均粒径が約5.8μm、平均円形度が0.950で、十分に融合したトナーが得られた。その後、攪拌下、25℃まで冷却し、ろ過・固液分離した後、濾物をイオン交換水で十分に洗浄し、真空乾燥機を用いて乾燥することにより、体積基準のメジアン径が5.8μmのトナー粒子17を得た。得られたトナー粒子17の処方及び特性を、表2に示す。
<トナー粒子の製造例18>
結晶性ポリエステル11の分散液を結晶性ポリエステル14の分散液へと変更し、融合工程における加熱温度を75℃から100℃へと変更した。それ以外は、実施例14と同様にして、トナー粒子18を得た。得られたトナー粒子18の体積平均粒径が5.4μmであった。トナー粒子18の処方及び特性を、表2に示す。
<トナー製造例19(芳香環を含有しない非晶性樹脂を用いたトナー)>
・環状ポリオレフィン樹脂の分散液 320質量部
・結晶性ポリエステル1の分散液 80質量部
・着色剤微粒子の分散液 50質量部
・離型剤微粒子の分散液 50質量部
・イオン交換水 400質量部
上記の各材料を耐圧丸底ステンレス容器に投入、混合した後、ここに98質量部のイオン交換水に対し、硫酸マグネシウム8質量部を溶解させた水溶液を添加した。そして、この分散水溶液をホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて5000r/minで10分間分散した。その後、加熱用ウォーターバス中で撹拌翼を用いて、混合液が撹拌されるような回転数を適宜調節しながらで53℃まで加熱した。53℃で1時間保持した後、形成された凝集粒子の体積平均粒径を、フロー式粒子像分析装置(シスメックス社製:FPIA−3000)を用い、該装置の操作マニュアルに従い測定した。その結果、体積平均粒径が約6.0μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。凝集工程で得られた凝集粒子の分散液に、380質量部のイオン交換水に対し、クエン酸三ナトリウム20質量部を溶解させた水溶液を追加した後、100℃まで加温した。100℃で5時間保持した後、得られた粒子の体積平均粒径及び平均円形度を、フロー式粒子像分析装置(シスメックス社製:FPIA−3000)を用いて、該装置の操作マニュアルに従い測定した。その結果、体積平均粒径が約5.8μm、平均円形度が0.948で、十分に融合したトナーが得られた。その後、攪拌下、25℃まで冷却し、ろ過・固液分離した後、濾物をイオン交換水で十分に洗浄し、真空乾燥機を用いて乾燥することにより、体積基準のメジアン径が5.8μmのトナー粒子19を得た。得られたトナー粒子19の処方及び特性を、表2に示す。
<実施例1〜14>
上記トナー粒子1〜14を用いて、下記の評価を実施した。結果を表2に示す。
<比較例1〜5>
上記トナー粒子15〜19を用いて、下記の評価を実施した。結果を表2に示す。
<保存性の評価>
100質量部のトナー粒子に、BET法で測定した比表面積が200m/gであり、シリコーンオイルにより疎水化処理されたシリカ微粒子1.8質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山製)で乾式混合して、外添剤が添加されたトナーを調製した。
当該トナーを恒温恒湿槽中で3日間静置し、目開き75μmの篩を用いて、振とう幅1mmで300秒間篩がけを行った際に篩の上に残存するトナーの量を下記基準にて評価した。評価結果を表2に示す。
(評価基準)
A:温度50℃、湿度54%RHの恒温恒湿槽中で3日間静置後、篩処理した際、篩上に残存したトナー量が10%以下
B:温度50℃、湿度54%RHの恒温恒湿槽中で3日間静置後、篩処理した際、篩上に残存したトナー量が10%以上だが、温度50℃、湿度10%RHの恒温恒湿槽中で3日間静置後、篩処理した際、篩上に残存したトナー量は10%以下
C:温度50℃、湿度10%RHの恒温恒湿槽中で3日間静置後、篩処理した際、篩上に残存したトナー量は10%以上
<低温定着性の評価>
100質量部のトナー粒子に、BET法で測定した比表面積が200m/gであり、シリコーンオイルにより疎水化処理されたシリカ微粉体1.8質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山製)で乾式混合して、外添剤が添加されたトナーを調製した。
当該トナーと、シリコーン樹脂で表面コートしたフェライトキャリア(平均粒径42μm)とを、トナー濃度が8質量%になるように混合して、二成分現像剤を調製した。
当該二成分現像剤を市販のフルカラーデジタル複写機(CLC1100、キヤノン社製)に充填し、受像紙(64g/m)上に未定着のトナー画像(0.6mg/cm)を形成した。
市販のフルカラーデジタル複写機(imageRUNNER ADVANCE C5051、キヤノン製)から取り外した定着ユニットを定着温度が調節できるように改造し、これを用いて未定着画像の定着試験を行った。常温常湿下、プロセススピードを246mm/秒に設定し、前記未定着画像を定着させたときの様子を目視にて評価した。評価結果を表2に示す。
(評価基準)
A:120℃以下の温度領域で定着が可能
B:120℃より高く、130℃以下の温度領域で定着が可能
C:130℃より高く、140℃以下の温度領域で定着が可能
D:140℃より高い温度領域にしか定着可能領域がない
<帯電性の評価>
100質量部のトナー粒子に、BET法で測定した比表面積が200m/gであり、シリコーンオイルにより疎水化処理されたシリカ微粉体1.8質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山製)で乾式混合して、外添剤が添加されたトナーを調製した。
トナー0.01gをアルミパンに計量し、ストロコロン帯電装置を用いて−600Vに帯電させた。続いて、温度25℃、湿度50%RHの雰囲気下で表面電位計(トレックジャパン製:model347)を用いて表面電位の変化挙動を30分間測定した。測定結果を下記式に代入して電荷保持率を算出し、下記基準で評価した。評価結果を表2に示す。
30分後の電荷保持率(%)=[30分後の表面電位]/[初期表面電位]×100
(評価基準)
A:30分後の電荷保持率が80%以上
B:30分後の電荷保持率が80%未満かつ65%以上
C:30分後の電荷保持率が65%未満かつ50%以上
D:30分後の電荷保持率が50%未満
Figure 2018185471
Figure 2018185471

Claims (8)

  1. 芳香環を有する非晶性樹脂および結晶性ポリエステルを含有するトナー粒子を有するトナーであって、
    前記結晶性ポリエステルが、下記式(1)で示されるユニットを有し、
    前記式(1)中のAおよびBの一方が、下記式(2)で示される2価の基であり、
    前記Aおよび前記Bの他方が、炭素数4以上12以下のアルキレン基である
    ことを特徴とするトナー。
    Figure 2018185471

    Figure 2018185471
  2. 前記結晶性ポリエステルの融点が、40℃以上100℃以下である請求項1のトナー。
  3. 前記結晶性ポリエステルのエステル基の濃度が、前記結晶性ポリエステルの構造単位の全分子量に対して20質量%以上35質量%以下である請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 前記結晶性ポリエステルが、構造単位として、前記式(1)で示されるユニットを前記結晶性ポリエステルが有する全ユニットに対して25モル%以上100モル%以下含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー
  5. 前記芳香環を有する非晶性樹脂が、非晶性ポリエステルである請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー。
  6. 前記芳香環を有する非晶性樹脂の芳香環の濃度が、前記非晶性ポリエステルの構造単位の全分子量に対して20質量%以上70質量%以下である請求項1〜5記載のいずれか1項に記載のトナー。
  7. 前記トナーが、前記結晶性ポリエステルを1質量%以上40質量%以下含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載のトナー。
  8. 前記式(2)中の構造に記載のRおよびRが、メチレンである請求項1〜7のいずれか1項に記載のトナー。
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