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JP2018182228A - 基板処理方法および基板処理装置 - Google Patents

基板処理方法および基板処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】リン酸タンクにリン酸水溶液を補充するタイミングとその量を変更でき、リン酸タンク内のリン酸水溶液のシリコン濃度を安定させることができる基板処理方法および基板処理装置を提供する。
【解決手段】リン酸タンク内のリン酸水溶液のシリコン濃度が規定濃度範囲の上限値に達すると、リン酸タンクからリン酸水溶液を排出する、および/または、リン酸タンクに戻るリン酸水溶液の量を減少させることにより、リン酸タンク内の液量を規定液量範囲の下限値以下の値まで減少させる。リン酸タンク内の液量が規定液量範囲の下限値以下の値まで減少すると、リン酸水溶液をリン酸タンクに補充することにより、リン酸タンク内の液量を規定液量範囲内の値まで増加させると共に、リン酸タンク内のリン酸水溶液のシリコン濃度を規定濃度範囲内の値まで低下させる。
【選択図】図7A

Description

本発明は、基板を処理する基板処理方法および基板処理装置に関する。処理対象の基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などが含まれる。
半導体装置や液晶表示装置などの製造工程では、半導体ウエハや液晶表示装置用ガラス基板などの基板を処理する基板処理装置が用いられる。特許文献1には、基板を一枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置が開示されている。
この基板処理装置は、基板を水平に保持しながら回転させるスピンチャックと、スピンチャックに保持されている基板に向けてリン酸水溶液を吐出する処理液ノズルと、基板から振り切られたリン酸水溶液を受け止めるカップとを備えている。基板に供給されるリン酸水溶液は、第1タンク、第2タンク、および第3タンクに貯留される。
第1タンクおよび第2タンクは、基準リン酸濃度および基準シリコン濃度のリン酸水溶液を貯留している。第1タンク内のリン酸水溶液は、処理液ノズルから吐出され、基板に供給される。第2タンク内のリン酸水溶液は、第1タンクに補充される。これにより、第1タンク内の液量が一定に維持される。基板から振り切られたリン酸水溶液は、カップによって受け止められ、第3タンクに案内される。
第3タンクに回収できなかったリン酸水溶液を補充するために、所定のリン酸濃度に調整された新しいリン酸水溶液が第3タンクに供給される。これにより、3つのタンクに貯留されているリン酸水溶液の総量が一定に維持される。さらに、第3タンクに供給される新しいリン酸水溶液のシリコン濃度は、第3タンク内のリン酸水溶液のシリコン濃度が基準シリコン濃度になるように調整されている。第2タンク内のリン酸水溶液が少なくなると、第3タンク内のリン酸水溶液が第1タンクに補充され、基板に供給されたリン酸水溶液が第2タンクに回収される。
特開2016−32029号公報
シリコン酸化膜のエッチングを抑制しながら、シリコン窒化膜をエッチングする選択エッチングにおいて、リン酸水溶液に含まれるシリコンの濃度を規定濃度範囲内に維持することは、選択比(シリコン窒化膜のエッチング量/シリコン酸化膜のエッチング量)を安定および向上させる点で重要である。
その一方で、枚葉式の基板処理装置では、基板に供給された全ての処理液を回収することができない。これは、一部の処理液が基板やカップに残ったり蒸発したりするからである。特許文献1では、3つのタンクに貯留されているリン酸水溶液の総量を一定に維持するために、新しいリン酸水溶液を第2タンクまたは第3タンクに補充する。さらに、第2タンクまたは第3タンク内のリン酸水溶液のシリコン濃度を基準シリコン濃度に調整するために、補充されるリン酸水溶液のシリコン濃度を変更する。
しかしながら、特許文献1の発明は、回収できなかったリン酸水溶液に相当する量のリン酸水溶液を補充しているだけで、リン酸水溶液の補充を促すために、リン酸水溶液の総量を意図的に減らしているのではない。そのため、特許文献1の発明では、リン酸水溶液を補充するタイミングやリン酸水溶液の補充量を意図的に変更することができない。
そこで、本発明の目的の一つは、リン酸タンクにリン酸水溶液を補充するタイミングとその量を変更でき、リン酸タンク内のリン酸水溶液のシリコン濃度を安定させることができる基板処理方法および基板処理装置を提供することである。
前記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜とが表面で露出した基板にシリコンを含むリン酸水溶液を供給して、前記シリコン窒化膜を選択的にエッチングする基板処理方法であって、前記基板に供給される前記リン酸水溶液をリン酸タンクに貯留するリン酸貯留工程と、前記リン酸タンクからリン酸ノズルに前記リン酸水溶液を案内するリン酸案内工程と、前記基板の表面に向けて前記リン酸ノズルに前記リン酸水溶液を吐出させるリン酸吐出工程と、前記リン酸吐出工程と並行して、前記基板を水平に保持しながら前記基板の中央部を通る鉛直な回転軸線まわりに回転させる基板回転工程と、前記リン酸ノズルから前記基板に供給された前記リン酸水溶液をリン酸回収手段によって前記リン酸タンクに回収するリン酸回収工程と、前記リン酸タンク内の前記リン酸水溶液のシリコン濃度を検出する濃度検出工程と、前記リン酸タンク内の前記リン酸水溶液のシリコン濃度が規定濃度範囲の上限値に達すると、前記リン酸タンクから前記リン酸水溶液を排出する、および/または、前記リン酸タンクに戻る前記リン酸水溶液の量を減少させることにより、前記リン酸タンク内のリン酸水溶液の液量を規定液量範囲の下限値以下の値まで減少させる液量減少工程と、前記液量減少工程で前記リン酸タンク内のリン酸水溶液の液量が前記規定液量範囲の下限値以下の値まで減少すると、前記リン酸回収手段とは異なるリン酸補充手段からリン酸水溶液を前記リン酸タンクに補充することにより、前記リン酸タンク内のリン酸水溶液の液量を前記規定液量範囲内の値まで増加させると共に、前記リン酸タンク内の前記リン酸水溶液のシリコン濃度を前記規定濃度範囲内の値まで低下させるリン酸補充工程とを含む、基板処理方法である。
この構成によれば、リン酸タンクに貯留されているリン酸水溶液を、リン酸ノズルに案内し、リン酸ノズルに吐出させる。リン酸ノズルから吐出されたリン酸水溶液は、回転している基板の表面(上面または下面)に着液し、基板の表面に沿って外方に流れる。これにより、基板の表面全域にリン酸水溶液が供給され、シリコン窒化膜が選択的にエッチングされる。
基板に供給されたリン酸水溶液は、リン酸回収手段によってリン酸タンクに回収される。回収されたリン酸水溶液には基板に含まれるシリコンが溶け込んでいる。したがって、基板へのリン酸水溶液の供給を続けると、リン酸タンク内のリン酸水溶液のシリコン濃度が上昇していく。リン酸タンク内のリン酸水溶液のシリコン濃度は、シリコン濃度計によって検出される。
リン酸タンク内のリン酸水溶液のシリコン濃度が規定濃度範囲の上限値に達すると、リン酸タンク内のリン酸水溶液の液量が減らされる。つまり、リン酸タンク内のリン酸水溶液およびリン酸タンクに戻るリン酸水溶液の少なくとも一方が減らされる。これらのリン酸水溶液は、回収できなかったリン酸水溶液とは別のリン酸水溶液である。リン酸タンク内のリン酸水溶液の液量が規定液量範囲の下限値以下の値まで減少すると、リン酸回収手段とは別のリン酸補充手段からリン酸水溶液がリン酸タンクに補充される。
リン酸補充手段からリン酸水溶液がリン酸タンクに補充されると、リン酸タンク内のリン酸水溶液の液量が規定液量範囲内の値まで増加する。さらに、基板に含まれるシリコンが溶け込んだリン酸水溶液に別のリン酸水溶液が加わるので、リン酸水溶液の補充によってリン酸タンク内のリン酸水溶液のシリコン濃度が低下していく。これにより、リン酸水溶液のシリコン濃度が規定濃度範囲内の値に調整される。したがって、基板に供給されるリン酸水溶液のシリコン濃度を安定させることができる。
このように、リン酸タンク内のリン酸水溶液の液量は、回収できなかったリン酸水溶液の分だけ減っていくのではなく、リン酸水溶液のシリコン濃度を調節するために意図的に減らされる。したがって、リン酸水溶液を補充するタイミングやリン酸水溶液の補充量を意図的に変更できる。さらに、補充されるリン酸水溶液の液量等を変更することにより、リン酸水溶液補充後のシリコン濃度を調節できる。これにより、リン酸タンク内のリン酸水溶液のシリコン濃度を安定させることができ、基板に供給されるリン酸水溶液のシリコン濃度を安定させることができる。
請求項2に記載の発明は、前記リン酸補充工程は、前記リン酸補充手段から前記リン酸タンクに補充されるリン酸水溶液のシリコン濃度を変更する濃度変更工程を含む、請求項1に記載の基板処理方法である。
この構成によれば、リン酸水溶液がリン酸タンクに補充されるタイミングとリン酸タンクに補充されるリン酸水溶液の液量だけでなく、リン酸タンクに補充されるリン酸水溶液のシリコン濃度も意図的に変更できる。これにより、リン酸の補充直後に発生する温度の変動やむらを抑えることができる。もしくは、リン酸水溶液の補充直後に発生するシリコン濃度の変動やむらを抑えることができる。
具体的には、補充するリン酸水溶液のシリコン濃度を十分に低くすれば、少量のリン酸水溶液を補充するだけで、リン酸タンク内のリン酸水溶液のシリコン濃度を規定濃度範囲内の値まで低下させることができる。この場合、補充するリン酸水溶液の温度がリン酸タンク内のリン酸水溶液の温度と異なっていても、リン酸水溶液の補充直後にリン酸タンク内で発生するリン酸水溶液の温度の変動やむらを抑えることができる。
また、補充するリン酸水溶液のシリコン濃度が極端に低くなくても、補充するリン酸水溶液の量を増やせば、リン酸タンク内のリン酸水溶液のシリコン濃度を規定濃度範囲内の値まで低下させることができる。この場合、リン酸タンク内のリン酸水溶液とシリコン濃度が概ね等しいリン酸水溶液がリン酸タンクに補充されるので、リン酸水溶液の補充直後に発生するシリコン濃度の変動やむらを抑えることができる。
請求項3に記載の発明は、前記リン酸回収工程は、前記リン酸吐出工程において前記リン酸ノズルからのリン酸水溶液の吐出が開始された後に、前記リン酸タンクへの前記リン酸水溶液の回収を開始する吐出開始後回収工程を含む、請求項1または2に記載の基板処理方法である。
この構成によれば、リン酸水溶液の吐出が開始されてからある程度の時間が経過した後に、リン酸水溶液の回収を開始する。基板からリン酸水溶液に溶け込むシリコンの量は、通常、基板へのリン酸水溶液の供給を開始した直後が最も多く、時間の経過に伴って減少していく。したがって、リン酸水溶液の供給を開始した直後に基板から回収されたリン酸水溶液を、リン酸タンクに回収するのではなく、排液配管に排出することにより、リン酸タンク内のリン酸水溶液のシリコン濃度の上昇を抑えることができる。
請求項4に記載の発明は、前記液量減少工程は、前記リン酸タンク内の前記リン酸水溶液のシリコン濃度が前記規定濃度範囲の上限値に達すると、前記基板から前記リン酸タンクに戻る前記リン酸水溶液の液量を減少させる回収量減少工程を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理方法である。
この構成によれば、リン酸タンク内のリン酸水溶液のシリコン濃度が規定濃度範囲の上限値に達すると、基板に供給されたリン酸水溶液の一部が、リン酸タンクに回収されるのではなく、排液配管に排出される。これにより、基板からリン酸タンクに戻るリン酸水溶液の液量が減少し、リン酸タンク内のリン酸水溶液の液量が減少する。基板に供給されたリン酸水溶液は、シリコン濃度が上昇している。したがって、リン酸タンク内のリン酸水溶液のシリコン濃度の上昇を抑えながら、リン酸タンク内のリン酸水溶液の液量を減少させることができる。
請求項5に記載の発明は、前記リン酸貯留工程は、前記リン酸タンクの石英製の接液部に前記リン酸水溶液を接触させる工程を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板処理方法である。
この構成によれば、リン酸水溶液に接触する接液部がリン酸タンクに設けられており、この接液部の少なくとも一部が石英で作られている。石英に含まれるシリコンは、リン酸タンク内のリン酸水溶液に溶け込む。したがって、リン酸タンク内のリン酸水溶液のシリコン濃度は、基板に供給されたリン酸水溶液がリン酸タンクに回収される処理時だけでなく、リン酸水溶液が基板に供給されていない非処理時も上昇する。非処理時にリン酸タンク内のリン酸水溶液のシリコン濃度が規定濃度範囲の上限値に達すると、リン酸タンク内のリン酸水溶液の液量が意図的に減らされ、別のリン酸水溶液がリン酸タンクに補充される。したがって、非処理時もリン酸タンク内のリン酸水溶液のシリコン濃度を安定させることができる。
請求項6に記載の発明は、前記基板処理方法は、前記リン酸水溶液が前記リン酸ノズルに供給される前に前記リン酸水溶液をヒータで加熱するリン酸加熱工程をさらに含み、前記リン酸加熱工程は、前記ヒータの石英製の接液部に前記リン酸水溶液を接触させる工程を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理方法である。
この構成によれば、リン酸水溶液に接触する接液部がヒータに設けられており、この接液部の少なくとも一部が石英で作られている。石英に含まれるシリコンは、基板に供給される前にリン酸水溶液に溶け込む。非処理時にリン酸タンク内のリン酸水溶液のシリコン濃度が規定濃度範囲の上限値に達すると、リン酸タンク内のリン酸水溶液の液量が意図的に減らされ、別のリン酸水溶液がリン酸タンクに補充される。したがって、非処理時もリン酸タンク内のリン酸水溶液のシリコン濃度を安定させることができる。
請求項7に記載の発明は、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜とが表面で露出した基板にシリコンを含むリン酸水溶液を供給して、前記シリコン窒化膜を選択的にエッチングする基板処理装置である。前記基板処理装置は、前記基板を水平に保持しながら前記基板の中央部を通る鉛直な回転軸線まわりに回転させる基板保持手段と、前記基板保持手段に保持されている前記基板の表面に向けて前記リン酸水溶液を吐出するリン酸ノズルと、前記リン酸ノズルから吐出される前記リン酸水溶液を貯留するリン酸タンクと、前記リン酸タンクから前記リン酸ノズルに前記リン酸水溶液を案内するリン酸案内手段と、前記リン酸ノズルから前記基板に供給された前記リン酸水溶液を前記リン酸タンクに回収するリン酸回収手段と、リン酸水溶液を前記リン酸タンクに補充することにより、前記リン酸タンク内の前記リン酸水溶液の液量を規定液量範囲内に維持する、前記リン酸回収手段とは異なるリン酸補充手段と、前記リン酸タンクから前記リン酸水溶液を排出する、および/または、前記リン酸タンクに戻る前記リン酸水溶液の量を減少させることにより、前記リン酸タンク内の前記リン酸水溶液の液量を減少させる液量減少手段と、前記リン酸タンク内の前記リン酸水溶液のシリコン濃度を検出するシリコン濃度計と、基板処理装置を制御する制御装置とを備える。
前記制御装置は、前記基板に供給される前記リン酸水溶液を前記リン酸タンクに貯留させるリン酸貯留工程と、前記リン酸案内手段に前記リン酸タンクからリン酸ノズルに前記リン酸水溶液を案内させるリン酸案内工程と、前記基板の表面に向けて前記リン酸ノズルに前記リン酸水溶液を吐出させるリン酸吐出工程と、前記リン酸吐出工程と並行して、前記基板保持手段に前記基板を前記回転軸線まわりに回転させる基板回転工程と、前記リン酸回収手段に前記リン酸ノズルから前記基板に供給された前記リン酸水溶液を前記リン酸タンクに回収させるリン酸回収工程と、前記シリコン濃度計に前記リン酸タンク内の前記リン酸水溶液のシリコン濃度を検出させる濃度検出工程と、前記リン酸タンク内の前記リン酸水溶液のシリコン濃度が規定濃度範囲の上限値に達すると、前記液量減少手段に前記リン酸タンク内の前記リン酸水溶液の液量を前記規定液量範囲の下限値以下の値まで減少させる液量減少工程と、前記液量減少工程で前記リン酸タンク内の前記リン酸水溶液の液量が前記規定液量範囲の下限値以下の値まで減少すると、前記リン酸補充手段にリン酸水溶液を前記リン酸タンクに補充させることにより、前記リン酸タンク内の前記リン酸水溶液の液量を前記規定液量範囲内の値まで増加させると共に、前記リン酸タンク内の前記リン酸水溶液のシリコン濃度を前記規定濃度範囲内の値まで低下させるリン酸補充工程とを実行する。この構成によれば、請求項1に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
請求項8に記載の発明は、前記リン酸補充手段は、前記リン酸タンクに補充されるリン酸水溶液のシリコン濃度を変更する濃度変更手段を含み、前記リン酸補充工程は、前記リン酸タンクに補充されるリン酸水溶液のシリコン濃度を前記濃度変更手段に変更させる濃度変更工程を含む、請求項7に記載の基板処理装置である。この構成によれば、請求項2に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
請求項9に記載の発明は、前記リン酸回収工程は、前記リン酸吐出工程において前記リン酸ノズルからのリン酸水溶液の吐出が開始された後に、前記リン酸回収手段に前記リン酸タンクへの前記リン酸水溶液の回収を開始させる吐出開始後回収工程を含む、請求項7または8に記載の基板処理装置である。この構成によれば、請求項3に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
請求項10に記載の発明は、前記リン酸回収手段は、前記基板保持手段に保持されている前記基板から飛散するリン酸水溶液を受け止める筒状の処理カップと、前記処理カップ内のリン酸水溶液を前記リン酸タンクに案内する回収配管とを含み、前記液量減少手段は、前記処理カップおよび回収配管の少なくとも一方から前記リン酸水溶液を排出する排液配管と、前記処理カップによって受け止められた前記リン酸水溶液が前記回収配管を介して前記リン酸タンクに戻る回収状態と、前記処理カップによって受け止められたリン酸水溶液が前記排液配管に排出される排液状態と、を含む複数の状態に切り替わる回収排液切替バルブとを含み、前記液量減少工程は、前記リン酸タンク内の前記リン酸水溶液のシリコン濃度が前記規定濃度範囲の上限値に達すると、前記回収排液切替バルブを前記回収状態から前記排液状態に切り替え、前記基板から前記リン酸タンクに戻る前記リン酸水溶液の液量を減少させる回収量減少工程を含む、請求項7〜9のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、基板から飛散したリン酸水溶液が処理カップによって受け止められる。回収排液切替バルブが回収状態のとき、処理カップによって受け止められたリン酸水溶液は、回収配管によってリン酸タンクに案内される。回収排液切替バルブが排液状態のとき、処理カップによって受け止められたリン酸水溶液は、リン酸タンクに回収されずに、排液配管に排出される。したがって、回収排液切替バルブが排液状態のときは、処理カップからリン酸タンクに戻るリン酸水溶液の液量が減少する。
リン酸水溶液が基板に供給されると、基板に含まれるシリコンがリン酸水溶液に溶け込み、シリコン濃度が上昇する。処理カップによって受け止められたリン酸水溶液は、基板に供給されたリン酸水溶液であるから、シリコン濃度が上昇している。このリン酸水溶液がリン酸タンクに回収されると、リン酸タンク内のリン酸水溶液のシリコン濃度が上昇する。したがって、処理カップからリン酸タンクに回収されるべきリン酸水溶液を排液配管に排出ことにより、このようなシリコン濃度の上昇を防止でき、シリコン濃度の変動を抑えることができる。
請求項11に記載の発明は、前記リン酸タンクは、リン酸水溶液に接触する石英製の接液部を含む、請求項7〜10のいずれか一項に記載の基板処理装置である。この構成によれば、請求項5に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
請求項12に記載の発明は、前記基板処理装置は、前記リン酸水溶液が前記リン酸ノズルに供給される前に前記リン酸水溶液を加熱するヒータをさらに備え、前記ヒータは、前記リン酸水溶液に接触する石英製の接液部を含む、請求項7〜11のいずれか一項に記載の基板処理装置である。この構成によれば、請求項6に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
本発明の一実施形態に係る基板処理装置に備えられた処理ユニットを水平に見た模式図である。 基板処理装置に備えられたリン酸供給システム等を示す模式図である。 基板処理装置の電気的構成を示すブロック図である。 基板処理装置によって処理される基板の断面の一例を示す断面図である。 基板処理装置によって行われる基板の処理の一例を説明するための工程図である。 制御装置の機能ブロックを示すブロック図である。 リン酸タンク内のリン酸水溶液のシリコン濃度の時間的変化とリン酸タンク内の液量の時間的変化とを示すタイムチャートである。 リン酸タンク内のリン酸水溶液のシリコン濃度の時間的変化とリン酸タンク内の液量の時間的変化とを示すタイムチャートである。 本発明の他の実施形態に係るリン酸タンク内のリン酸水溶液のシリコン濃度の時間的変化とリン酸タンク内の液量の時間的変化とを示すタイムチャートである。
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置1に備えられた処理ユニット2を水平に見た模式図である。
基板処理装置1は、半導体ウエハなどの円板状の基板Wを枚ずつ処理する枚葉式の装置である。基板処理装置1は、処理液や処理ガスなどの処理流体で基板Wを処理する複数の処理ユニット2と、複数の処理ユニット2に基板Wを搬送する搬送ロボット(図示せず)と、基板処理装置1を制御する制御装置3とを含む。
処理ユニット2は、チャンバー4内で基板Wを水平に保持しながら基板Wの中央部を通る鉛直な回転軸線A1まわりに回転させるスピンチャック5と、基板Wから外方に飛散した処理液を受け止める筒状の処理カップ10とを含む。
スピンチャック5は、水平な姿勢で保持された円板状のスピンベース7と、スピンベース7の上方で基板Wを水平な姿勢で保持する複数のチャックピン6と、スピンベース7の中央部から下方に延びるスピン軸8と、スピン軸8を回転させることによりスピンベース7および複数のチャックピン6を回転させるスピンモータ9とを含む。スピンチャック5は、複数のチャックピン6を基板Wの外周面に接触させる挟持式のチャックに限らず、非デバイス形成面である基板Wの裏面(下面)をスピンベース7の上面に吸着させることにより基板Wを水平に保持するバキューム式のチャックであってもよい。
処理カップ10は、基板Wから外方に排出された液体を受け止める複数のガード11と、ガード11によって下方に案内された液体を受け止める複数のカップ12とを含む。ガード11は、スピンチャック5を取り囲む円筒状の筒状部11bと、筒状部11bの上端部から回転軸線A1に向かって斜め上方に延びる円環状の天井部11aとを含む。複数の天井部11aは、上下方向に重なっており、複数の筒状部11bは、同心円状に配置されている。複数のカップ12は、それぞれ、複数の筒状部11bの下方に配置されている。カップ12は、上向きに開いた環状の受液溝12aを形成している。
処理ユニット2は、複数のガード11を個別に昇降させるガード昇降ユニット13を含む。ガード昇降ユニット13は、上位置と下位置との間でガード11を鉛直に昇降させる。上位置は、スピンチャック5が基板Wを保持する基板保持位置よりもガード11の上端が上方に位置する位置である。下位置は、ガード11の上端が基板保持位置よりも下方に位置する位置である。天井部11aの円環状の上端は、ガード11の上端に相当する。ガード11の上端は、平面視で基板Wおよびスピンベース7を取り囲んでいる。
スピンチャック5が基板Wを回転させている状態で、処理液が基板Wに供給されると、基板Wに供給された処理液が基板Wの周囲に振り切られる。処理液が基板Wに供給されるとき、少なくとも一つのガード11の上端が、基板Wよりも上方に配置される。したがって、基板Wの周囲に排出された薬液やリンス液などの処理液は、いずれかのガード11に受け止められ、このガード11に対応するカップ12に案内される。
処理ユニット2は、基板Wの上面に向けてリン酸水溶液を下方に吐出するリン酸ノズル14を含む。リン酸ノズル14は、第1薬液の一例であるリン酸水溶液を吐出する第1薬液ノズルの一例である。リン酸ノズル14は、リン酸水溶液を案内するリン酸配管15に接続されている。リン酸配管15に介装されたリン酸バルブ16が開かれると、リン酸水溶液が、リン酸ノズル14の吐出口から下方に連続的に吐出される。
リン酸水溶液は、リン酸(HPO)を主成分とする水溶液である。リン酸水溶液中のリン酸の濃度は、たとえば、50%〜100%の範囲、好ましくは90%前後である。リン酸水溶液の沸点は、リン酸水溶液中のリン酸濃度によって異なるが、概略140℃〜195℃の範囲である。リン酸水溶液は、シリコンを含む。リン酸水溶液のシリコンの濃度は、たとえば15〜150ppm、好ましくは40〜60ppmである。リン酸水溶液に含まれるシリコンは、シリコン単体またはシリコン化合物であってもよいし、シリコン単体およびシリコン化合物の両方であってもよい。また、リン酸水溶液に含まれるシリコンは、リン酸水溶液の供給によって基板Wから溶け出したシリコンであってもよいし、リン酸水溶液に添加されたシリコンであってもよい。
図示はしないが、リン酸バルブ16は、流路を形成するバルブボディと、流路内に配置された弁体と、弁体を移動させるアクチュエータとを含む。他のバルブについても同様である。アクチュエータは、空圧アクチュエータまたは電動アクチュエータであってもよいし、これら以外のアクチュエータであってもよい。制御装置3は、アクチュエータを制御することにより、リン酸バルブ16の開度を変更する。
リン酸ノズル14は、チャンバー4内で移動可能なスキャンノズルである。リン酸ノズル14は、リン酸ノズル14を鉛直方向および水平方向の少なくとも一方に移動させる第1ノズル移動ユニット17に接続されている。第1ノズル移動ユニット17は、リン酸ノズル14から吐出されたリン酸水溶液が基板Wの上面に着液する処理位置と、平面視でリン酸ノズル14がスピンチャック5のまわりに位置する退避位置との間で、リン酸ノズル14を水平に移動させる。
処理ユニット2は、基板Wの上面に向けてSC1(NHOHとHとを含む混合液)を下方に吐出するSC1ノズル18を含む。SC1ノズル18は、第2薬液の一例であるSC1を吐出する第2薬液ノズルの一例である。SC1ノズル18は、SC1を案内するSC1配管19に接続されている。SC1配管19に介装されたSC1バルブ20が開かれると、SC1が、SC1ノズル18の吐出口から下方に連続的に吐出される。
SC1ノズル18は、チャンバー4内で移動可能なスキャンノズルである。SC1ノズル18は、SC1ノズル18を鉛直方向および水平方向の少なくとも一方に移動させる第2ノズル移動ユニット21に接続されている。第2ノズル移動ユニット21は、SC1ノズル18から吐出されたSC1が基板Wの上面に着液する処理位置と、平面視でSC1ノズル18がスピンチャック5のまわりに位置する退避位置との間で、SC1ノズル18を水平に移動させる。
処理ユニット2は、基板Wの上面に向けてリンス液を下方に吐出するリンス液ノズル22を含む。リンス液ノズル22は、リンス液を案内するリンス液配管23に接続されている。リンス液配管23に介装されたリンス液バルブ24が開かれると、リンス液が、リンス液ノズル22の吐出口から下方に連続的に吐出される。リンス液は、たとえば、純水(脱イオン水:Deionized water)である。リンス液は、純水に限らず、電解イオン水、水素水、オゾン水、および希釈濃度(たとえば、10〜100ppm程度)の塩酸水のいずれかであってもよい。
リンス液ノズル22は、リンス液ノズル22の吐出口が静止された状態でリンス液を吐出する固定ノズルである。リンス液ノズル22は、チャンバー4の底部に対して固定されている。処理ユニット2は、リンス液ノズル22から吐出されたリンス液が基板Wの上面に着液する処理位置と、平面視でリンス液ノズル22がスピンチャック5のまわりに位置する退避位置との間で、リンス液ノズル22を水平に移動させるノズル移動ユニットを備えていてもよい。
図2は、基板処理装置1に備えられたリン酸供給システム等を示す模式図である。
基板処理装置1のリン酸供給システムは、リン酸ノズル14から吐出されるリン酸水溶液を貯留するリン酸タンク31と、リン酸タンク31内のリン酸水溶液を循環させる循環配管32とを含む。リン酸供給システムは、さらに、リン酸タンク31内のリン酸水溶液を循環配管32に送るポンプ33と、リン酸タンク31および循環配管32によって形成された環状の循環路でリン酸水溶液を加熱するヒータ34と、循環配管32内を流れるリン酸水溶液から異物を除去するフィルター35とを含む。
ポンプ33、フィルター35、およびヒータ34は、循環配管32に介装されている。リン酸ノズル14にリン酸水溶液を案内するリン酸配管15は、循環配管32に接続されている。ポンプ33は、常時、リン酸タンク31内のリン酸水溶液を循環配管32に送る。リン酸供給システムは、ポンプ33に代えて、リン酸タンク31内の気圧を上昇させることによりリン酸タンク31内のリン酸水溶液を循環配管32に押し出す加圧装置を備えていてもよい。ポンプ33および加圧装置は、いずれも、リン酸タンク31内のリン酸水溶液を循環配管32に送る送液装置の一例である。
循環配管32の上流端および下流端は、リン酸タンク31に接続されている。リン酸水溶液は、リン酸タンク31から循環配管32の上流端に送られ、循環配管32の下流端からリン酸タンク31に戻る。これにより、リン酸タンク31内のリン酸水溶液が循環路を循環する。リン酸水溶液が循環路を循環している間に、リン酸水溶液に含まれる異物がフィルター35によって除去され、リン酸水溶液がヒータ34によって加熱される。これにより、リン酸タンク31内のリン酸水溶液は、室温(たとえば20〜30℃)よりも高い一定の温度に維持される。ヒータ34によって加熱されたリン酸水溶液の温度は、その濃度における沸点であってもよいし、沸点未満の温度であってもよい。
基板処理装置1の回収システムは、処理カップ10に加えて、処理カップ10によって受け止められたリン酸水溶液をリン酸タンク31に案内する回収配管36と、回収配管36を開閉する回収バルブ37とを含む。基板処理装置1の排液システムは、処理カップ10または回収配管36に接続された排液配管38と、排液配管38を開閉する排液バルブ39と、排液配管38に排出されるリン酸水溶液の流量を変更する排液流量調整バルブ40とを含む。図2では、排液配管38が回収バルブ37の上流で回収配管36に接続されている。
回収排液バルブは、回収バルブ37および排液バルブ39を含む。回収排液バルブは、回収バルブ37および排液バルブ39に代わりに、回収配管36と排液配管38との接続位置に配置された三方弁を備えていてもよい。回収バルブ37が開かれ、排液バルブ39が閉じられた回収状態のとき、処理カップ10によって受け止められたリン酸水溶液は、回収配管36によってリン酸タンク31に回収される。回収バルブ37が閉じられ、排液バルブ39が開かれた排液状態のとき、処理カップ10によって受け止められたリン酸水溶液は、排液流量調整バルブ40の開度に対応する流量で排液配管38に排出される。
基板処理装置1のドレインシステムは、リン酸タンク31内のリン酸水溶液を排出するドレイン配管41と、ドレイン配管41に介装されたドレインバルブ42と、ドレイン配管41に排出されるリン酸水溶液の流量を変更するドレイン流量調整バルブ43とを含む。ドレインバルブ42が開かれると、リン酸タンク31内のリン酸水溶液は、ドレイン流量調整バルブ43の開度に対応する流量でドレイン配管41に排出される。これにより、リン酸タンク31内のリン酸水溶液の液量が減少する。リン酸タンク31内のリン酸水溶液の液量は、複数の液量センサー44によって検出される。
複数の液量センサー44は、リン酸タンク31内のリン酸水溶液の液量が規定液量範囲の上限値未満であるか否かを検出する上限センサー44hと、リン酸タンク31内のリン酸水溶液の液量が規定液量範囲の下限値未満であるか否かを検出する下限センサー44Lと、リン酸タンク31内のリン酸水溶液の液量が上限値と下限値との間の目標値未満であるか否かを検出する目標センサー44tとを含む。リン酸タンク31内のリン酸水溶液の液量が規定液量範囲の下限値まで減少すると、基板処理装置1の補充システムからリン酸タンク31に未使用の新しいリン酸水溶液が補充される。これにより、リン酸タンク31内のリン酸水溶液の液量が規定液量範囲内の値に維持される。
基板処理装置1の補充システムは、前述の回収システムによって回収されるリン酸水溶液とは異なるリン酸水溶液をリン酸タンク31に補充する。以下では、補充システムにより補充されるリン酸水溶液を、回収システムにより回収されるリン酸水溶液と区別するために、未使用のリン酸水溶液または新しいリン酸水溶液という。補充システムは、回収システムとは別のシステムである。
補充システムは、未使用のリン酸水溶液をリン酸タンク31に供給する補充配管45と、補充配管45を開閉する補充バルブ46とを含む。補充システムは、さらに、第1シリコン濃度の未使用のリン酸水溶液を補充配管45に供給する第1個別配管47Aと、第2シリコン濃度の未使用のリン酸水溶液を補充配管45に供給する第2個別配管47Bとを含む。第1補充バルブ48Aおよび第1補充流量調整バルブ49Aは、第1個別配管47Aに介装されている。第2補充バルブ48Bおよび第2補充流量調整バルブ49Bは、第2個別配管47Bに介装されている。
第1シリコン濃度は、第2シリコン濃度よりも大きい値である。第1シリコン濃度は、たとえば、リン酸水溶液の循環および加熱が開始される前のリン酸タンク31内のリン酸水溶液のシリコン濃度と等しい値である。第1シリコン濃度は、たとえば、50ppmであり、第2シリコン濃度は、たとえば、0ppmである。第1個別配管47Aおよび第2個別配管47Bは、いずれも、室温のリン酸水溶液を補充配管45に供給する。補充システムは、リン酸タンク31に補充される未使用のリン酸水溶液を加熱する新液用ヒータを備えていてもよい。
第1補充バルブ48Aが開かれると、第1シリコン濃度のリン酸水溶液が補充配管45に供給される。同様に、第2補充バルブ48Bが開かれると、第2シリコン濃度のリン酸水溶液が補充配管45に供給される。第1補充バルブ48Aおよび第2補充バルブ48Bの両方が開かれると、第1シリコン濃度と第2シリコン濃度との間のシリコン濃度のリン酸水溶液が、リン酸タンク31に補充される。リン酸タンク31に補充されるリン酸水溶液の液量およびシリコン濃度は、第1補充流量調整バルブ49Aおよび第2補充流量調整バルブ49Bの開度によって調節される。
リン酸供給システムは、リン酸タンク31内のリン酸水溶液のシリコン濃度を検出するシリコン濃度計50と、リン酸タンク31内のリン酸水溶液のリン酸濃度を検出するリン酸濃度計51と、リン酸タンク31に純水を供給する給水配管52と、給水配管52に介装された給水バルブ53とを含む。ヒータ34は水の沸点以上の温度でリン酸水溶液を加熱する。リン酸水溶液に含まれる水が蒸発すると、リン酸水溶液中のリン酸の濃度が上昇する。制御装置3は、リン酸濃度計51の検出値に基づいて給水バルブ53を開き、リン酸タンク31に純水を補充する。これにより、リン酸水溶液中のリン酸の濃度が規定濃度範囲内に維持される。
図3は、基板処理装置1の電気的構成を示すブロック図である。
制御装置3は、コンピュータ本体3aと、コンピュータ本体3aに接続された周辺装置3bとを含む。コンピュータ本体3aは、各種の命令を実行するCPU61(central processing unit:中央処理装置)と、情報を記憶する主記憶装置62とを含む。周辺装置3bは、プログラムP等の情報を記憶する補助記憶装置63と、リムーバブルメディアMから情報を読み取る読取装置64と、ホストコンピュータHC等の制御装置3以外の装置と通信する通信装置65とを含む。
制御装置3は、入力装置66および表示装置67に接続されている。入力装置66は、ユーザーやメンテナンス担当者などの操作者が基板処理装置1に情報を入力するときに操作される。情報は、表示装置67の画面に表示される。入力装置66は、キーボード、ポインティングデバイス、およびタッチパネルのいずれかであってもよいし、これら以外の装置であってもよい。入力装置66および表示装置67を兼ねるタッチパネルディスプレイが基板処理装置1に設けられていてもよい。
CPU61は、補助記憶装置63に記憶されたプログラムPを実行する。補助記憶装置63内のプログラムPは、制御装置3に予めインストールされたものであってもよいし、読取装置64を通じてリムーバブルメディアMから補助記憶装置63に送られたものであってもよいし、ホストコンピュータHCなどの外部装置から通信装置65を通じて補助記憶装置63に送られたものであってもよい。
補助記憶装置63およびリムーバブルメディアMは、電力が供給されていなくても記憶を保持する不揮発性メモリーである。補助記憶装置63は、たとえば、ハードディスクドライブ等の磁気記憶装置である。リムーバブルメディアMは、たとえば、コンパクトディスクなどの光ディスクまたはメモリーカードなどの半導体メモリーである。リムーバブルメディアMは、プログラムPが記録されたコンピュータ読取可能な記録媒体の一例である。
制御装置3は、ホストコンピュータHCによって指定されたレシピにしたがって基板Wが処理されるように基板処理装置1を制御する。補助記憶装置63は、複数のレシピを記憶している。レシピは、基板Wの処理内容、処理条件、および処理手順を規定する情報である。複数のレシピは、基板Wの処理内容、処理条件、および処理手順の少なくとも一つにおいて互いに異なる。以下の各工程は、制御装置3が基板処理装置1を制御することにより実行される。言い換えると、制御装置3は、以下の各工程を実行するようにプログラムされている。
図4は、基板処理装置1によって処理される基板Wの断面の一例を示す断面図である。図5は、基板処理装置1によって行われる基板Wの処理の一例を説明するための工程図である。以下では、図1、図4、および図5を参照する。
図4に示すように、基板処理装置1によって処理される基板Wの一例は、シリコン酸化膜Fo(SiO2)とシリコン窒化膜Fn(SiN)とが露出した表面(デバイス形成面)を有するシリコンウエハである。後述する基板Wの処理の一例では、このような基板Wにリン酸水溶液が供給される。これにより、シリコン酸化膜Foのエッチングを抑えながら、シリコン窒化膜Fnを所定のエッチングレート(単位時間あたりのエッチング量)でエッチングすることができる。
基板処理装置1によって基板Wが処理されるときは、チャンバー4内に基板Wを搬入する搬入工程が行われる(図5のステップS1)。
具体的には、全てのノズルが基板Wの上方から退避しており、全てのガード11が下位置に位置している状態で、搬送ロボット(図示せず)が、基板Wをハンドで支持しながら、ハンドをチャンバー4内に進入させる。その後、搬送ロボットは、基板Wの表面が上に向けられた状態でハンド上の基板Wをスピンチャック5の上に置く。その後、搬送ロボットは、ハンドをチャンバー4の内部から退避させる。スピンモータ9は、基板Wがチャックピン6によって把持された後、基板Wの回転を開始させる。
次に、リン酸水溶液を基板Wに供給するリン酸供給工程が行われる(図5のステップS2)。
具体的には、第1ノズル移動ユニット17が、リン酸ノズル14を処理位置に移動させ、ガード昇降ユニット13が、いずれかのガード11を基板Wに対向させる。その後、リン酸バルブ16が開かれ、リン酸ノズル14がリン酸水溶液の吐出を開始する。リン酸ノズル14がリン酸水溶液を吐出しているとき、第1ノズル移動ユニット17は、リン酸ノズル14から吐出されたリン酸水溶液が基板Wの上面中央部に着液する中央処理位置と、リン酸ノズル14から吐出されたリン酸水溶液が基板Wの上面外周部に着液する外周処理位置と、の間でリン酸ノズル14を移動させてもよいし、リン酸水溶液の着液位置が基板Wの上面中央部に位置するようにリン酸ノズル14を静止させてもよい。
リン酸ノズル14から吐出されたリン酸水溶液は、基板Wの上面に着液した後、回転している基板Wの上面に沿って外方に流れる。これにより、基板Wの上面全域を覆うリン酸水溶液の液膜が形成され、基板Wの上面全域にリン酸水溶液が供給される。特に、第1ノズル移動ユニット17がリン酸ノズル14を中央処理位置と外周処理位置との間で移動させる場合は、基板Wの上面全域がリン酸水溶液の着液位置で走査されるので、リン酸水溶液が基板Wの上面全域に均一に供給される。これにより、基板Wの上面が均一に処理される。リン酸バルブ16が開かれてから所定時間が経過すると、リン酸バルブ16が閉じられ、リン酸ノズル14からのリン酸水溶液の吐出が停止される。その後、第1ノズル移動ユニット17がリン酸ノズル14を退避位置に移動させる。
次に、リンス液の一例である純水を基板Wの上面に供給する第1リンス液供給工程が行われる(図5のステップS3)。
具体的には、リンス液バルブ24が開かれ、リンス液ノズル22が純水の吐出を開始する。基板Wの上面に着液した純水は、回転している基板Wの上面に沿って外方に流れる。基板W上のリン酸水溶液は、リンス液ノズル22から吐出された純水によって洗い流される。これにより、基板Wの上面全域を覆う純水の液膜が形成される。リンス液バルブ24が開かれてから所定時間が経過すると、リンス液バルブ24が閉じられ、純水の吐出が停止される。
次に、SC1を基板Wに供給するSC1供給工程が行われる(図5のステップS4)。
具体的には、第2ノズル移動ユニット21が、リン酸ノズル14を処理位置に移動させ、ガード昇降ユニット13が、リン酸供給工程のときとは異なるガード11を基板Wに対向させる。その後、SC1バルブ20が開かれ、SC1ノズル18がSC1の吐出を開始する。SC1ノズル18がSC1を吐出しているとき、第2ノズル移動ユニット21は、SC1ノズル18から吐出されたSC1が基板Wの上面中央部に着液する中央処理位置と、SC1ノズル18から吐出されたSC1が基板Wの上面外周部に着液する外周処理位置と、の間でSC1ノズル18を移動させてもよいし、SC1の着液位置が基板Wの上面中央部に位置するようにSC1ノズル18を静止させてもよい。
SC1ノズル18から吐出されたSC1は、基板Wの上面に着液した後、回転している基板Wの上面に沿って外方に流れる。これにより、基板Wの上面全域を覆うSC1の液膜が形成され、基板Wの上面全域にSC1が供給される。特に、第2ノズル移動ユニット21がSC1ノズル18を中央処理位置と外周処理位置との間で移動させる場合は、基板Wの上面全域がSC1の着液位置で走査されるので、SC1が基板Wの上面全域に均一に供給される。これにより、基板Wの上面が均一に処理される。SC1バルブ20が開かれてから所定時間が経過すると、SC1バルブ20が閉じられ、SC1ノズル18からのSC1の吐出が停止される。その後、第2ノズル移動ユニット21がSC1ノズル18を退避位置に移動させる。
次に、リンス液の一例である純水を基板Wの上面に供給する第2リンス液供給工程が行われる(図5のステップS5)。
具体的には、リンス液バルブ24が開かれ、リンス液ノズル22が純水の吐出を開始する。基板Wの上面に着液した純水は、回転している基板Wの上面に沿って外方に流れる。基板W上のSC1は、リンス液ノズル22から吐出された純水によって洗い流される。これにより、基板Wの上面全域を覆う純水の液膜が形成される。リンス液バルブ24が開かれてから所定時間が経過すると、リンス液バルブ24が閉じられ、純水の吐出が停止される
次に、基板Wの高速回転によって基板Wを乾燥させる乾燥工程が行われる(図5のステップS6)。
具体的には、スピンモータ9が基板Wを回転方向に加速させ、これまでの基板Wの回転速度よりも大きい高回転速度(たとえば数千rpm)で基板Wを回転させる。これにより、液体が基板Wから除去され、基板Wが乾燥する。基板Wの高速回転が開始されてから所定時間が経過すると、スピンモータ9が回転を停止する。これにより、基板Wの回転が停止される。
次に、基板Wをチャンバー4から搬出する搬出工程が行われる(図5のステップS7)。
具体的には、ガード昇降ユニット13が、全てのガード11を下位置まで下降させる。その後、搬送ロボット(図示せず)が、ハンドをチャンバー4内に進入させる。搬送ロボットは、複数のチャックピン6が基板Wの把持を解除した後、スピンチャック5上の基板Wをハンドで支持する。その後、搬送ロボットは、基板Wをハンドで支持しながら、ハンドをチャンバー4の内部から退避させる。これにより、処理済みの基板Wがチャンバー4から搬出される。
図6は、制御装置3の機能ブロックを示すブロック図である。以下では、図2、図3、および図6を参照する。
制御装置3は、リン酸タンク31内のリン酸水溶液のシリコン濃度を安定させるシリコン濃度制御部71を含む。シリコン濃度制御部71は、制御装置3にインストールされたプログラムPをCPU61が実行することにより実現される機能ブロックである。
シリコン濃度制御部71は、シリコン濃度計50の検出値に基づいてリン酸タンク31内のリン酸水溶液のシリコン濃度を監視する濃度監視部72と、濃度監視部72からの液量減少指令にしたがってリン酸タンク31内のリン酸水溶液の液量を規定液量範囲の下限値以下の値まで減少させる液量減少部73と、未使用の新しいリン酸水溶液をリン酸タンク31に補充することによりリン酸タンク31内のリン酸水溶液の液量を規定液量範囲内の値まで増加させる新液補充部76とを含む。
液量減少部73は、ドレインバルブ42を開閉することにより、リン酸タンク31内の液体を減少させるタンク液減少部74と、回収バルブ37および排液バルブ39を開閉することにより、カップ12からリン酸タンク31に回収されるリン酸水溶液の液量を減少させる回収量減少部75とを含む。ドレイン流量調整バルブ43の開度は、タンク液減少部74によって変更され、排液流量調整バルブ40の開度は、回収量減少部75によって変更される。
新液補充部76は、液量センサー44の検出値に基づいてリン酸タンク31内のリン酸水溶液の液量を監視する液量監視部77と、液量監視部77からの補充指令にしたがって補充バルブ46を開き、リン酸タンク31にリン酸水溶液を補充する補充実行部78と、第1補充流量調整バルブ49Aおよび第2補充流量調整バルブ49Bの開度を変更することにより、リン酸タンク31に補充されるリン酸水溶液のシリコン濃度を変更する濃度変更部79を含む。
リン酸タンク31に補充するリン酸水溶液の液量が同じ場合、補充するリン酸水溶液のシリコン濃度を変化させると、リン酸水溶液の補充前後におけるリン酸タンク31内のリン酸水溶液のシリコン濃度の変化量も変化する。したがって、シリコン濃度制御部71は、補充するリン酸水溶液のシリコン濃度を新液補充部76に変化させることにより、リン酸水溶液の補充前後におけるリン酸タンク31内のリン酸水溶液のシリコン濃度の変化量を変更することができる。
図7Aおよび図7Bは、リン酸タンク31内のリン酸水溶液のシリコン濃度の時間的変化とリン酸タンク31内のリン酸水溶液の液量の時間的変化とを示すタイムチャートである。図7Bは、図7Aの続きを示している。以下では、図2、図6、図7A、および図7Bを参照する。
リン酸バルブ16が開かれると(図7Aの時刻T1)、リン酸タンク31内のリン酸水溶液が、リン酸ノズル14に送られ、リン酸ノズル14から基板Wに向けて吐出される。回収バルブ37は、リン酸バルブ16が開く前または後に開かれてもよいし、リン酸バルブ16が開かれるのと同時に開かれてもよい。図7Aは、リン酸バルブ16が開かれた後に回収バルブ37が開かれる例を示している(図7Aの時刻T2)。排液バルブ39は、回収バルブ37が開かれると閉じられ、回収バルブ37が閉じられると開かれる。
回収バルブ37が開いているときは、基板Wに供給されたリン酸水溶液がリン酸タンク31に回収される。リン酸水溶液が基板Wに供給されると、基板Wに含まれるシリコンがリン酸水溶液に溶け込み、シリコン濃度が上昇する。このリン酸水溶液がリン酸タンク31に回収されると、リン酸タンク31内のリン酸水溶液のシリコン濃度が上昇する。制御装置3の濃度監視部72は、シリコン濃度計50の検出値に基づいてリン酸タンク31内のリン酸水溶液のシリコン濃度を監視している。
リン酸タンク31内のリン酸水溶液のシリコン濃度が規定濃度範囲の上限値に達すると(図7Aの時刻T3)、濃度監視部72は、リン酸タンク31内のリン酸水溶液の液量を減少させる液量減少指令を制御装置3の液量減少部73に伝える。液量減少部73は、液量減少指令を受けて、リン酸タンク31内のリン酸水溶液の液量を規定液量範囲の下限値以下の値まで減少させる(時刻T3〜時刻T5)。図7Aは、リン酸タンク31内のリン酸水溶液をドレイン配管41に排出することにより、リン酸タンク31内のリン酸水溶液の液量を減少させる例を示している。この場合、液量減少部73は、ドレインバルブ42を所定時間(時刻T3〜時刻T5)開く。
ドレインバルブ42が開かれると、リン酸タンク31内のリン酸水溶液の液量が減少していく。リン酸タンク31内のリン酸水溶液の液量が規定液量範囲の下限値に達すると(図7Aの時刻T4)、制御装置3の新液補充部76は、補充バルブ46を開き(図7Aの時刻T4)、未使用の新しいリン酸水溶液をリン酸タンク31に補充する。このとき、回収バルブ37およびドレインバルブ42も開かれている。したがって、基板Wに供給されたリン酸水溶液と未使用の新しいリン酸水溶液とがリン酸タンク31に供給される一方で、リン酸タンク31内のリン酸水溶液の一部がドレイン配管41に排出される。
ドレイン配管41に排出されるリン酸水溶液の流量が、リン酸タンク31に補充されるリン酸水溶液の流量よりも多ければ、リン酸タンク31内のリン酸水溶液の液量の減少率が緩やかになる。図7Aは、この例を示している。これとは反対に、ドレイン配管41に排出されるリン酸水溶液の流量が、リン酸タンク31に補充されるリン酸水溶液の流量よりも少なければ、リン酸タンク31内のリン酸水溶液の液量は増加する。両者が等しければ、リン酸タンク31内の液量は概ね一定に維持される。
リン酸タンク31内のリン酸水溶液の液量が上限値と下限値との間の目標値に達すると、新液補充部76は、補充バルブ46を閉じ(図7Aの時刻T6)、リン酸水溶液の補充を停止する。このようにして、リン酸タンク31内のリン酸水溶液の液量が規定液量範囲内の値まで回復する。さらに、リン酸タンク31に補充される未使用のリン酸リン酸水溶液は、リン酸タンク31内のリン酸水溶液よりもシリコン濃度が低いので、未使用のリン酸水溶液がリン酸タンク31に補充されている間(図7Aの時刻T4〜時刻T6)は、リン酸タンク31内のリン酸水溶液のシリコン濃度が低下する。これにより、リン酸タンク31内のリン酸水溶液のシリコン濃度が規定濃度範囲内の値まで低下する(図7Aの時刻T6)。
図7Aの時刻T6で補充バルブ46が閉じられた後は、基板Wに供給されたリン酸水溶液が回収され続けるのに対して、リン酸水溶液の補充が停止されるので、リン酸タンク31内のリン酸水溶液のシリコン濃度は再び上昇し続ける。リン酸水溶液のシリコン濃度が規定濃度範囲の上限値に達すると(図7Aの時刻T7)、前述と同様に、リン酸水溶液の排出とリン酸水溶液の補充とが行われる(図7Aの時刻T7〜時刻T8)。これにより、基板Wに供給されるリン酸水溶液のシリコン濃度の変動を抑えることができる。
リン酸バルブ16が開かれてから所定時間が経過すると、リン酸バルブ16が閉じられ(図7Bの時刻T9)、リン酸ノズル14からのリン酸水溶液の吐出が停止される。その後、回収バルブ37が閉じられ、排液バルブ39が開かれる(図7Bの時刻T10)。リン酸水溶液の吐出が停止されると、カップ12からリン酸タンク31に戻るリン酸水溶液がなくなる。しかしながら、リン酸タンク31やヒータ34に含まれるシリコンがリン酸タンク31内のリン酸水溶液に溶け込むので、リン酸タンク31内のリン酸水溶液のシリコン濃度は、これまでよりも小さい割合で上昇し続ける(図7Bの時刻T10〜時刻T11)。
基板Wへのリン酸水溶液の供給が停止されているときに、リン酸タンク31内のリン酸水溶液のシリコン濃度が規定濃度範囲の上限値に達すると、前述と同様に、リン酸水溶液の排出とリン酸水溶液の補充とが行われる(図7Aの時刻T11〜時刻T12)。したがって、基板Wに供給されたリン酸水溶液がリン酸タンク31に回収される処理時だけでなく、リン酸水溶液が基板Wに供給されていない非処理時も、リン酸タンク31内のリン酸水溶液のシリコン濃度が規定濃度範囲内に維持される。
以上のように本実施形態では、リン酸タンク31に貯留されているリン酸水溶液を、リン酸ノズル14に案内し、リン酸ノズル14に吐出させる。リン酸ノズル14から吐出されたリン酸水溶液は、回転している基板Wの表面に着液し、基板Wの表面に沿って外方に流れる。これにより、基板Wの表面全域にリン酸水溶液が供給され、シリコン窒化膜が選択的にエッチングされる。
基板Wに供給されたリン酸水溶液は、リン酸タンク31に回収される。回収されたリン酸水溶液には基板Wに含まれるシリコンが溶け込んでいる。したがって、基板Wへのリン酸水溶液の供給を続けると、リン酸タンク31内のリン酸水溶液のシリコン濃度が上昇していく。リン酸タンク31内のリン酸水溶液のシリコン濃度は、シリコン濃度計50によって検出される。
リン酸タンク31内のリン酸水溶液のシリコン濃度が規定濃度範囲の上限値に達すると、リン酸タンク31内のリン酸水溶液の液量が減らされる。つまり、リン酸タンク31内のリン酸水溶液およびリン酸タンク31に戻るリン酸水溶液の少なくとも一方が減らされる。これらのリン酸水溶液は、回収できなかったリン酸水溶液とは別のリン酸水溶液である。リン酸タンク31内の液量が規定液量範囲の下限値以下の値まで減少すると、未使用の新しいリン酸水溶液がリン酸タンク31に補充される。
新しいリン酸水溶液がリン酸タンク31に補充されると、リン酸タンク31内のリン酸水溶液の液量が規定液量範囲内の値まで増加する。さらに、基板Wに含まれるシリコンが溶け込んだリン酸水溶液に新しいリン酸水溶液が加わるので、リン酸水溶液の補充によってリン酸タンク31内のリン酸水溶液のシリコン濃度が低下していく。これにより、リン酸タンク31内のリン酸水溶液のシリコン濃度が規定濃度範囲内の値に調整される。したがって、基板Wに供給されるリン酸水溶液のシリコン濃度を安定させることができる。
このように、リン酸タンク31内のリン酸水溶液の液量は、回収できなかったリン酸水溶液の分だけ減っていくのではなく、リン酸水溶液のシリコン濃度を調節するために意図的に減らされる。したがって、リン酸水溶液を補充するタイミングやリン酸水溶液の補充量を意図的に変更できる。さらに、補充されるリン酸水溶液の液量等を変更することにより、リン酸水溶液補充後のリン酸水溶液のシリコン濃度を調節できる。これにより、リン酸タンク31内のリン酸水溶液のシリコン濃度を安定させることができ、基板Wに供給されるリン酸水溶液のシリコン濃度を安定させることができる。
シリコン濃度の規定濃度範囲の上限値および下限値の差は、たとえば、10〜100ppm程度である。リン酸タンク13内のリン酸水溶液のシリコン濃度が、規定濃度範囲の上限値よりも高濃度の交換濃度に達すると、リン酸タンク13内の全てのリン酸水溶液がドレイン配管41を通じて排出され、新しいリン酸水溶液に交換される。本実施形態では、リン酸水溶液のシリコン濃度を安定させることができるので、リン酸水溶液の交換頻度を低下させることができる。これにより、基板処理装置1のランニングコストを低減することができる。
本実施形態では、リン酸水溶液がリン酸タンク31に補充されるタイミングとリン酸タンク31に補充されるリン酸水溶液の液量だけでなく、リン酸タンク31に補充されるリン酸水溶液のシリコン濃度も意図的に変更できる。これにより、リン酸水溶液の補充直後に発生する温度の変動やむらを抑えることができる。もしくは、リン酸水溶液の補充直後に発生するシリコン濃度の変動やむらを抑えることができる。
具体的には、補充するリン酸水溶液のシリコン濃度を十分に低くすれば、少量のリン酸水溶液を補充するだけで、リン酸タンク31内のリン酸水溶液のシリコン濃度を規定濃度範囲内の値まで低下させることができる。この場合、補充するリン酸水溶液の温度がリン酸タンク31内のリン酸水溶液の温度と異なっていても、リン酸水溶液の補充直後にリン酸タンク31内で発生するリン酸水溶液の温度の変動やむらを抑えることができる。
また、補充するリン酸水溶液のシリコン濃度が極端に低くなくても、補充するリン酸水溶液の量を増やせば、リン酸タンク31内のリン酸水溶液のシリコン濃度を規定濃度範囲内の値まで低下させることができる。この場合、リン酸タンク31内のリン酸水溶液とシリコン濃度が概ね等しいリン酸水溶液がリン酸タンク31に補充されるので、リン酸水溶液の補充直後に発生するシリコン濃度の変動やむらを抑えることができる。
本実施形態では、リン酸水溶液の吐出が開始されてからある程度の時間が経過した後に、リン酸水溶液の回収を開始する。基板Wからリン酸水溶液に溶け込むシリコンの量は、通常、基板Wへのリン酸水溶液の供給を開始した直後が最も多く、時間の経過に伴って減少していく。したがって、リン酸水溶液の供給を開始した直後に基板Wから回収されたリン酸水溶液を、リン酸タンク31に回収するのではなく、排液配管38に排出することにより、リン酸タンク31内のリン酸水溶液のシリコン濃度の上昇を抑えることができる。
本実施形態では、リン酸タンク31の接液部31a(図2参照)とヒータ34の接液部34a(図2参照)とが石英で作られている。石英に含まれるシリコンは、基板Wに供給される前にリン酸水溶液に溶け込む。したがって、リン酸タンク31内のリン酸水溶液のシリコン濃度は、基板Wに供給されたリン酸水溶液がリン酸タンク31に回収される処理時だけでなく、リン酸水溶液が基板Wに供給されていない非処理時も上昇する。非処理時にリン酸タンク31内のリン酸水溶液のシリコン濃度が規定濃度範囲の上限値に達すると、リン酸タンク31内のリン酸水溶液の液量が意図的に減らされ、新しいリン酸水溶液がリン酸タンク31に補充される。したがって、非処理時もリン酸タンク31内のリン酸水溶液のシリコン濃度を安定させることができる。
他の実施形態
本発明は、前述の実施形態の内容に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
たとえば、リン酸タンク31内のリン酸水溶液のシリコン濃度が規定濃度範囲の上限値に達したとき、リン酸タンク31内のリン酸水溶液をドレイン配管41に排出するのではなく、処理カップ10からリン酸タンク31に回収されるリン酸水溶液の一部を排液配管38に排出することにより、リン酸タンク31内のリン酸水溶液の液量を減少させてもよい。
具体的には、図8において二点鎖線の四角で示すように、リン酸水溶液のシリコン濃度にかかわらずドレインバルブ42を閉じた状態にし、リン酸タンク31内のリン酸水溶液のシリコン濃度が規定濃度範囲の上限値に達すると、回収バルブ37を一時的に閉じ、排液バルブ39を一時的に開いてもよい。
この構成によれば、リン酸タンク31内のリン酸水溶液よりもシリコン濃度が高いリン酸水溶液、つまり、基板Wに供給されたリン酸水溶液をリン酸タンク31に回収せずに、リン酸タンク31内のリン酸水溶液の液量を減少させるので、リン酸タンク31内のリン酸水溶液のシリコン濃度の上昇を抑えながら、リン酸タンク31内のリン酸水溶液の液量を規定液量範囲の下限値以下の値まで減少させることができる。
排液配管38を、回収配管36ではなく、カップ12に接続してもよい。また、排液配管38を、循環配管32に接続してもよい。この場合、排液バルブ39を開けば、循環配管32からリン酸タンク31に戻るリン酸水溶液の一部を排液配管38に排出することができる。これにより、リン酸タンク31内のリン酸水溶液の液量を減少させることができる。
リン酸タンク31に補充されるリン酸水溶液のシリコン濃度を変更する必要がなければ、第1個別配管47Aおよび第2個別配管47Bの一方を省略してもよい。
前述の実施形態では、第1個別配管47Aおよび第2個別配管47Bからリン酸タンク31にリン酸水溶液を補充した。しかし、リン酸タンク31に対してリン酸と水とを個別に補充し、補充されたリン酸および水をリン酸タンク31の内部で混合してもよい。
基板処理装置1は、円板状の基板Wを処理する装置に限らず、多角形の基板Wを処理する装置であってもよい。
前述の全ての構成の2つ以上が組み合わされてもよい。前述の全ての工程の2つ以上が組み合わされてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 :基板処理装置
3 :制御装置
5 :スピンチャック(基板保持手段)
10 :処理カップ(リン酸回収手段)
11 :ガード(リン酸回収手段)
12 :カップ(リン酸回収手段)
14 :リン酸ノズル
15 :リン酸配管(リン酸案内手段)
16 :リン酸バルブ
31 :リン酸タンク
31a :リン酸タンクの接液部
32 :循環配管(リン酸案内手段)
33 :ポンプ(リン酸案内手段)
34 :ヒータ
34a :ヒータの接液部
36 :回収配管(リン酸回収手段)
37 :回収バルブ(リン酸回収手段、回収排液切替バルブ)
38 :排液配管(液量減少手段)
39 :排液バルブ(液量減少手段、回収排液切替バルブ)
40 :排液流量調整バルブ(液量減少手段)
41 :ドレイン配管(液量減少手段)
42 :ドレインバルブ(液量減少手段)
43 :ドレイン流量調整バルブ(液量減少手段)
44 :液量センサー
45 :補充配管(リン酸補充手段)
46 :補充バルブ(リン酸補充手段)
47A :第1個別配管(リン酸補充手段)
47B :第2個別配管(リン酸補充手段)
48A :第1補充バルブ(リン酸補充手段)
48B :第2補充バルブ(リン酸補充手段)
49A :第1補充流量調整バルブ(リン酸補充手段、濃度変更手段)
49B :第2補充流量調整バルブ(リン酸補充手段、濃度変更手段)
A1 :回転軸線
Fn :シリコン窒化膜
Fo :シリコン酸化膜
W :基板

Claims (12)

  1. シリコン酸化膜とシリコン窒化膜とが表面で露出した基板にシリコンを含むリン酸水溶液を供給して、前記シリコン窒化膜を選択的にエッチングする基板処理方法であって、
    前記基板に供給される前記リン酸水溶液をリン酸タンクに貯留するリン酸貯留工程と、
    前記リン酸タンクからリン酸ノズルに前記リン酸水溶液を案内するリン酸案内工程と、
    前記基板の表面に向けて前記リン酸ノズルに前記リン酸水溶液を吐出させるリン酸吐出工程と、
    前記リン酸吐出工程と並行して、前記基板を水平に保持しながら前記基板の中央部を通る鉛直な回転軸線まわりに回転させる基板回転工程と、
    前記リン酸ノズルから前記基板に供給された前記リン酸水溶液をリン酸回収手段によって前記リン酸タンクに回収するリン酸回収工程と、
    前記リン酸タンク内の前記リン酸水溶液のシリコン濃度を検出する濃度検出工程と、
    前記リン酸タンク内の前記リン酸水溶液のシリコン濃度が規定濃度範囲の上限値に達すると、前記リン酸タンクから前記リン酸水溶液を排出する、および/または、前記リン酸タンクに戻る前記リン酸水溶液の量を減少させることにより、前記リン酸タンク内の前記リン酸水溶液の液量を規定液量範囲の下限値以下の値まで減少させる液量減少工程と、
    前記液量減少工程で前記リン酸タンク内の前記リン酸水溶液の液量が前記規定液量範囲の下限値以下の値まで減少すると、前記リン酸回収手段とは異なるリン酸補充手段からリン酸水溶液を前記リン酸タンクに補充することにより、前記リン酸タンク内の前記リン酸水溶液の液量を前記規定液量範囲内の値まで増加させると共に、前記リン酸タンク内の前記リン酸水溶液のシリコン濃度を前記規定濃度範囲内の値まで低下させるリン酸補充工程とを含む、基板処理方法。
  2. 前記リン酸補充工程は、前記リン酸補充手段から前記リン酸タンクに補充されるリン酸水溶液のシリコン濃度を変更する濃度変更工程を含む、請求項1に記載の基板処理方法。
  3. 前記リン酸回収工程は、前記リン酸吐出工程において前記リン酸ノズルからのリン酸水溶液の吐出が開始された後に、前記リン酸タンクへの前記リン酸水溶液の回収を開始する吐出開始後回収工程を含む、請求項1または2に記載の基板処理方法。
  4. 前記液量減少工程は、前記リン酸タンク内の前記リン酸水溶液のシリコン濃度が前記規定濃度範囲の上限値に達すると、前記基板から前記リン酸タンクに戻る前記リン酸水溶液の液量を減少させる回収量減少工程を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  5. 前記リン酸貯留工程は、前記リン酸タンクの石英製の接液部に前記リン酸水溶液を接触させる工程を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  6. 前記基板処理方法は、前記リン酸水溶液が前記リン酸ノズルに供給される前に前記リン酸水溶液をヒータで加熱するリン酸加熱工程をさらに含み、
    前記リン酸加熱工程は、前記ヒータの石英製の接液部に前記リン酸水溶液を接触させる工程を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  7. シリコン酸化膜とシリコン窒化膜とが表面で露出した基板にシリコンを含むリン酸水溶液を供給して、前記シリコン窒化膜を選択的にエッチングする基板処理装置であって、
    前記基板を水平に保持しながら前記基板の中央部を通る鉛直な回転軸線まわりに回転させる基板保持手段と、
    前記基板保持手段に保持されている前記基板の表面に向けて前記リン酸水溶液を吐出するリン酸ノズルと、
    前記リン酸ノズルから吐出される前記リン酸水溶液を貯留するリン酸タンクと、
    前記リン酸タンクから前記リン酸ノズルに前記リン酸水溶液を案内するリン酸案内手段と、
    前記リン酸ノズルから前記基板に供給された前記リン酸水溶液を前記リン酸タンクに回収するリン酸回収手段と、
    リン酸水溶液を前記リン酸タンクに補充することにより、前記リン酸タンク内の前記リン酸水溶液の液量を規定液量範囲内に維持する、前記リン酸回収手段とは異なるリン酸補充手段と、
    前記リン酸タンクから前記リン酸水溶液を排出する、および/または、前記リン酸タンクに戻る前記リン酸水溶液の量を減少させることにより、前記リン酸タンク内の前記リン酸水溶液の液量を減少させる液量減少手段と、
    前記リン酸タンク内の前記リン酸水溶液のシリコン濃度を検出するシリコン濃度計と、
    基板処理装置を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記基板に供給される前記リン酸水溶液を前記リン酸タンクに貯留させるリン酸貯留工程と、
    前記リン酸案内手段に前記リン酸タンクからリン酸ノズルに前記リン酸水溶液を案内させるリン酸案内工程と、
    前記基板の表面に向けて前記リン酸ノズルに前記リン酸水溶液を吐出させるリン酸吐出工程と、
    前記リン酸吐出工程と並行して、前記基板保持手段に前記基板を前記回転軸線まわりに回転させる基板回転工程と、
    前記リン酸回収手段に前記リン酸ノズルから前記基板に供給された前記リン酸水溶液を前記リン酸タンクに回収させるリン酸回収工程と、
    前記シリコン濃度計に前記リン酸タンク内の前記リン酸水溶液のシリコン濃度を検出させる濃度検出工程と、
    前記リン酸タンク内の前記リン酸水溶液のシリコン濃度が規定濃度範囲の上限値に達すると、前記液量減少手段に前記リン酸タンク内の前記リン酸水溶液の液量を前記規定液量範囲の下限値以下の値まで減少させる液量減少工程と、
    前記液量減少工程で前記リン酸タンク内の前記リン酸水溶液の液量が前記規定液量範囲の下限値以下の値まで減少すると、前記リン酸補充手段にリン酸水溶液を前記リン酸タンクに補充させることにより、前記リン酸タンク内の前記リン酸水溶液の液量を前記規定液量範囲内の値まで増加させると共に、前記リン酸タンク内の前記リン酸水溶液のシリコン濃度を前記規定濃度範囲内の値まで低下させるリン酸補充工程とを実行する、基板処理装置。
  8. 前記リン酸補充手段は、前記リン酸タンクに補充されるリン酸水溶液のシリコン濃度を変更する濃度変更手段を含み、
    前記リン酸補充工程は、前記リン酸タンクに補充されるリン酸水溶液のシリコン濃度を前記濃度変更手段に変更させる濃度変更工程を含む、請求項7に記載の基板処理装置。
  9. 前記リン酸回収工程は、前記リン酸吐出工程において前記リン酸ノズルからのリン酸水溶液の吐出が開始された後に、前記リン酸回収手段に前記リン酸タンクへの前記リン酸水溶液の回収を開始させる吐出開始後回収工程を含む、請求項7または8に記載の基板処理装置。
  10. 前記リン酸回収手段は、前記基板保持手段に保持されている前記基板から飛散するリン酸水溶液を受け止める筒状の処理カップと、前記処理カップ内のリン酸水溶液を前記リン酸タンクに案内する回収配管とを含み、
    前記液量減少手段は、前記処理カップおよび回収配管の少なくとも一方から前記リン酸水溶液を排出する排液配管と、前記処理カップによって受け止められた前記リン酸水溶液が前記回収配管を介して前記リン酸タンクに戻る回収状態と、前記処理カップによって受け止められたリン酸水溶液が前記排液配管に排出される排液状態と、を含む複数の状態に切り替わる回収排液切替バルブとを含み、
    前記液量減少工程は、前記リン酸タンク内の前記リン酸水溶液のシリコン濃度が前記規定濃度範囲の上限値に達すると、前記回収排液切替バルブを前記回収状態から前記排液状態に切り替え、前記基板から前記リン酸タンクに戻る前記リン酸水溶液の液量を減少させる回収量減少工程を含む、請求項7〜9のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  11. 前記リン酸タンクは、リン酸水溶液に接触する石英製の接液部を含む、請求項7〜10のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  12. 前記基板処理装置は、前記リン酸水溶液が前記リン酸ノズルに供給される前に前記リン酸水溶液を加熱するヒータをさらに備え、
    前記ヒータは、前記リン酸水溶液に接触する石英製の接液部を含む、請求項7〜11のいずれか一項に記載の基板処理装置。
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