JP2018180488A - 電子写真用の定着部材、定着装置および電子写真画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
このような現象を抑制するために、特許文献1では、定着ローラと、加圧ローラと、定着ローラの表面へのオイル塗布機構と、加圧ローラに当接するクリーニング手段とを有する定着装置を開示している。
そこで、本発明の一態様は、トナー離型性に優れ、長期に亘って高品位な定着画像を形成し得る電子写真用の定着部材の提供に向けたものである。
また、本発明の他の態様は、高品位な電子写真画像を、安定して形成し得る定着装置および電子写真画像形成装置の提供に向けたものである。
該弾性層は、パーフルオロポリエーテル構造を有するフッ素オイルと、フッ素ゴムと、を含み、
該表面層は、フッ素樹脂と、パーフルオロポリエーテル構造を有するフッ素オイルと、を含み、かつ、複数の孔を有する多孔質構造を有し、
該定着部材は、下記の条件(i)を満たす電子写真用の定着部材が提供される:
[条件(i)]該表面層の表面から、少なくとも、該表面層に含まれているパーフルオロポリエーテル構造を有するフッ素オイルの質量に相当する質量のパーフルオロポリエーテル構造を有するフッ素オイルを吸収して除去し、引き続いて、該表面層の表面に対して、水晶振動子マイクロバランス(QCM)センサの検出面を0.4MPaの圧力で、温度180℃にて、50msec間、押圧したときに該検出面の単位面積(1cm2)に付着する、パーフルオロポリエーテル構造を有するフッ素オイルを含む付着物の質量が、1.0×102ng以上5.0×103ng未満である。
本発明のさらに他の態様によれば、像担持体と、該像担持体を帯電させる帯電装置と、該帯電した像担持体に露光光を照射して静電潜像を形成する露光装置と、該像担持体に形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像装置と、該像担持体に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、該記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着装置と、を有し、該定着装置が上記定着装置である電子写真画像形成装置が提供される。
また、本発明の他の態様によれば、高品位な電子写真画像を、安定して形成し得る定着装置および電子写真画像形成装置を得ることができる。
すなわち、弾性層は、フッ素オイルがその層中に適度に保持されるような構成とすることでオイルの貯蔵層としての機能を有する。また、表面層は、弾性層の外表面上に設けられてなり、複数の孔を有する多孔質構造を備えることで、該弾性層中に含まれるフッ素オイルを定着部材の表面側に徐々に移行し得る、オイル透過性を有する層としての機能を有する。
これらの機能を有する弾性層および表面層を備える定着部材によれば、弾性層に貯蔵されたフッ素オイルが表面層中を移行して定着部材の表面に徐々に放出されるため、フッ素オイルを長期に亘って定着部材の表面に供給することができることがわかった。
以下、本発明の一実施形態に係る電子写真用の定着部材について図1を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の一態様にかかる、ローラ形状を有する定着部材10(以下、「定着ローラ」ともいう)の長手方向に直交する方向の断面図である。なお、定着部材の形状はローラ形状に限定されるものではなく、ベルト形状であってもよい。
定着ローラ10は、円筒形状の基層11と、弾性層12と、表面層13と、を有する。弾性層12は、パーフルオロポリエーテル構造を有するフッ素オイルと、フッ素ゴムと、を含んでいる。また、表面層13は、フッ素樹脂と、パーフルオロポリエーテル構造を有するフッ素オイルと、を含み、かつ、複数の孔を有する多孔質構造を有している。
[条件(i)]該表面層13の表面から、少なくとも、該表面層13が含む該フッ素オイルの全質量に相当する質量の、パーフルオロポリエーテル構造を有するフッ素オイルを吸収して除去し、引き続いて、該表面層の表面に対して、水晶振動子マイクロバランス(QCM)センサの検出面を0.4MPaの圧力で、温度180℃にて、50msec間、押圧したときに該検出面の単位面積(1cm2)に付着する、パーフルオロポリエーテル構造を有するフッ素オイルを含む付着物の質量が、1.0×102ng以上5.0×103ng未満である。
すなわち、条件(i)を満たすことは、初期状態の表面層13に含まれるパーフルオロポリエーテル構造を有するフッ素オイルに相当する量が定着ローラ10から失われた場合であっても、圧力0.4MPa、温度180℃、押圧時間50msec間の如き一般的な定着条件で定着することで、弾性層12に貯蔵されているパーフルオロポリエーテル構造を有するフッ素オイルが表面層13に移行し、その際に表面層13の表面から被定着物(定着画像)に付着するパーフルオロポリエーテル構造を有するフッ素オイルの量が、適切な範囲内に制御されているという技術的意味を有する。
(基層)
ローラ形状の定着部材の場合、円筒形状の基層を構成する材料としては特に限定されないが、アルミニウム、ステンレス鋼、真鍮、銅等の金属、ガラス、セラミックス等が挙げられる。
また、シームレスベルト形状の定着部材の場合、ベルト状の基層を構成する材料としては特に限定されないが、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の樹脂;ニッケル、ステンレス鋼等の金属が挙げられる。
弾性層および表面層に含まれるフッ素オイルは、パーフルオロポリエーテル構造を有する。パーフルオロポリエーテル構造を有するフッ素オイル(以下、単にフッ素オイルと称する場合もある。)は、パーフルオロポリエーテル構造を有していれば特に制限はない。例えば、F(CF2CF2CF2O)mRf、F(CF(CF3)CF2O)mRf、Rf(OCF2CF2)m(OCF2)nORf、Rf(OCF(CF3)CF2)m(OCF2)nORfのような、直鎖構造のみ、もしくは分岐構造を一部有するものから適宜選択される。ここで、Rfはそれぞれ任意のパーフルオロアルキル基を表す。m、nはそれぞれ独立に1〜200の任意の整数を表す。この中でも耐熱性を有するものが特に好ましい。例えば、大気中、250℃で1時間加熱した後の重量減少率が、10%未満のフッ素オイルが好ましく、5.0%未満であることがより好ましく、1.0%未満であることが特に好ましい。
表面層は、フッ素樹脂と、パーフルオロポリエーテル構造を有するフッ素オイルと、を含み、かつ、複数の孔を有する多孔質構造を備えている。フッ素オイルは多孔質構造の孔内に保持されていて、その一部は定着の際に表面層の表面に移行し、被定着物(定着画像)に付着することで表面層から失われる。一方、定着の際には弾性層に貯蔵されているフッ素オイルの一部が表面層に移行するため、多孔質構造の孔内に新たなフッ素オイルが供給され、孔内に保持される。したがって、初期状態(未使用時)において多孔質構造の孔内に保持されているフッ素オイルは、使用に伴って徐々に失われていくが、弾性層から新たなフッ素オイルが補充されるため、長期に亘って多孔質構造の孔内にフッ素オイルが保持された状態が維持される。
この測定方法は、水晶振動子マイクロバランス(Quartz Crystal Microbalance:QCM)法とも称される。
具体的には、まず、タック試験機TAC−1000(株式会社レスカ製)のステージ部に水晶振動子を載せて、タック試験機のプローブ部に取り付けた定着部材を上部から振動子に押し付ける。定着部材を押し付ける際には、圧力を0.4MPa、押付時間50msec、押し込み量一定モード、押付および引き上げ速度1.0mm/sec、プローブ設定温度180℃の条件で押圧した。そして、このときに水晶振動子検出面の単位面積(1cm2)に付着する、パーフルオロポリエーテル構造を有するフッ素オイルの付着量が、1.0×102ng以上5.0×103ng未満である。
弾性層は、パーフルオロポリエーテル構造を有するフッ素オイルと、フッ素ゴムと、を含む。
フッ素ゴムは、フッ素オイルとの親和性が高く、耐熱性を有するものであることが好ましい。具体的には二元系、三元系のフッ化ビニリデン系フッ素ゴム(FKM)の如き一般的なフッ素ゴムや、これらをシリコーン変性したシリコーン変性フッ素ゴム(フロロシリコーンゴムともいう。)が好適に用いられる。二元系、三元系のフッ化ビニリデン系フッ素ゴムとしては、例えば、ダイエル(ダイキン工業社製)、ヴァイトン(Viton)、カルレッツ(以上、デュポン社製)等が挙げられる。シリコーン変性フッ素ゴムとしては、例えば、SIFEL(信越化学工業社製)等が挙げられる。
また、弾性層を形成する際の成型のしやすさや加熱硬化性を考慮して、液状付加型のフッ素ゴムから形成されることが好ましい。なお、これらのフッ素ゴムは1液および2液いずれのタイプから形成されてもよい。
SP値=(δD 2+δP 2+δH 2)0.5 (b)
ΔSP={4(δD1−δD2)2+(δP1−δP2)2+(δH1−δH2)2}0.5 (c)
次に、本発明の一実施形態に係る定着装置について説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る定着装置の一例を示す断面図である。本発明の定着装置は図2に示す例に限定されるものではない。
加圧ローラ20は、芯金21上に、耐熱性ゴムを含む弾性層22および離型層23が順次積層されている。加圧ローラ20は、定着ローラ10に圧接されており、ニップ部が形成されている。このとき、トナーTが付着している記録媒体Pがニップ部を通過する際に、記録媒体Pに付着しているトナーTは、定着ローラ10により加熱されて軟化すると共に、加圧されて、記録媒体Pに定着する。
また、図3は本発明の一実施形態に係る電子写真画像形成装置の一例を示す断面図であり、上述した電子写真用の定着部材が用いられた電子写真画像形成装置を示す。
図3において、円筒状の電子写真感光体(像担持体)301は、軸302を中心に矢印方向(時計回り方向)に所定の周速度で回転駆動される。
なお、実施例および比較例で作製した定着部材は、以下の測定方法・評価方法によって測定・評価を行った。
タック試験機TAC−1000(株式会社レスカ製)のステージ部に水晶振動子を載せて、タック試験機のプローブ部に取り付けた定着部材を上部から振動子に押し付けることにより、フッ素オイルの付着量を定量した。
純水、ヘキサデカン、ジヨードメタンに対する接触角を測定し、北崎−畑(kitazaki−hata)の式をベースに算出される値を用いた。接触角はDM−701(協和界面科学(株)製)を用いて、液滴1.8μL、液滴着弾時から1秒後の値を用いた。値の算出にはθ/2法を用いた。また、表面自由エネルギーは付属のソフト(FAMAS 3.5.5、協和界面科学(株)製)で上記3種液体に対する接触角より算出した。
膜厚は作製した定着部材の表面層を切り出し、切り出した膜断面をSEM(S−4800、日立ハイテクノロジーズ製)で観察することにより、算出した。
平均孔径は、作製した定着部材表面をSEM(S−4800、日立ハイテクノロジーズ製)観察することにより算出した。50,000倍で観察した画像の空孔部と非空孔部とで2値化し、空孔部の最大径を長軸方向として固定し、短軸を新たに設定して、空孔部の面積と等しい面積の楕円形を設定したときの、楕円形の長径と短径との平均値を孔径とした。30個の空孔部の平均値を求めて、これを定着部材(表面層中)の平均孔径とした。
耐熱性は、大気中、サンプルを250℃、1時間加熱した時の重量減少率を評価した。測定は、示差走査熱量分析装置(DSC823、メトラー・トレド(株)製)を用いて行った。耐熱性の評価の基準を以下に示す。
(評価基準)
A:重量減少率が1%未満
B:重量減少率が1%以上5%未満
C:重量減少率が5%以上10%未満
D:重量減少率が10%以上
実施例および比較例で得られた定着部材を、改造したキヤノン製複写機「iRC3200」に装着した。別途、A4サイズの紙上に10cm×10cmのトナー未定着画像(トナー量0.6g/cm2)を10,000枚分用意し、上記複写機において、オフセット性評価を行った。なお、トナーは離型剤(ワックス、オイル等)成分を含有していないものを用いた。試験条件は以下の通りである。
(試験条件)
トナー:iRC3200用Cyトナー(離型剤成分を含まない)
紙:キヤノン製ペーパーPB
定着温度:180℃
搬送速度:300mm/sec
(評価基準)
A:トナーオフセットおよび白紙上に転写されたトナーが共にない。
B:トナーオフセットおよび白紙上に転写されたトナーがいずれか一方に微量確認される。
C:トナーオフセットおよび白紙上に転写されたトナーが共に確認される。
D:定着枚数が1枚目からトナーオフセットおよび白紙上に転写されたトナーが共に確認される。
上記試験条件下、ハーフトーン未定着画像を作製し、初期状態の定着部材で定着した画像を目視観察し、ハーフトーン画像の均質性、ムラの程度を評価した。濃度ムラ評価の基準を以下に示す。
(評価基準)
A:ハーフトーン画像の濃度ムラは観察されない。
B:ハーフトーン画像の濃度ムラが画像の一部に軽微にみられる。
C:ハーフトーン画像の濃度ムラが画像の半分程度にみられる。
D:ハーフトーン画像の濃度ムラが画像のほぼ全面にみられる。
定着画像の光沢ムラの評価は、定着枚数10,000枚目のベタ定着画像の光沢ムラを目視により評価した。画像光沢ムラ評価の基準を以下に示す。
(評価基準)
A:ベタ画像に光沢ムラなし
B:ベタ画像の一部に軽微な光沢ムラあり
C:ベタ画像の半分程度の領域に光沢ムラあり
D:ベタ画像の全面に亘って光沢ムラあり
とした。
上記条件で耐久試験中、定着部材の表面層における周方向に発生するシワの有無を目視により評価した。表層のシワ評価の基準を以下に示す。
(評価基準)
A:10,000枚定着後もシワが確認できなかった。
B:10,000枚定着後に軽微なシワが発生していた。
C:1,000枚未満の定着でシワが発生した。
D:1枚定着した段階でシワが発生、もしくは表面層が剥離した。
[弾性層の作製]
液状フッ素エラストマー(SIFEL2662、信越化学工業(株)製)100質量部、フッ素オイル(デムナムS−200、ダイキン工業(株)製、動粘度=500cSt(20℃))10質量部を混合し、撹拌脱泡装置(AR−250、(株)シンキー)を用いて撹拌を10分間、脱泡を1分間実施して弾性層材料液を得た。
SUS(ステンレス鋼)で形成された基体(厚み35μm、径24mm)上に、得られた弾性層材料液を硬化後のゴムの厚さが300μmの厚みになるように塗布した後、200℃・4時間の条件で硬化することで弾性層を形成した。
式(1)の構造を有する非晶性フッ素樹脂溶液(ソマフロンB1、ソマール(株)製)を、スプレー塗布法により、上記弾性層上に塗布した。その後、乾燥炉に入れ、110℃で10分加熱した。さらに250℃で10分加熱することにより表面層を形成した。なお、表面層の形成過程において、弾性層中のフッ素オイルが、表面層の形成に伴って表面層中に形成される連通孔に移行していく。その結果、作製した表面層の膜厚は95nm、孔径は90nm、表面自由エネルギーは12.1mJ/m2であった。また、付着量を測定したところ、7.4×102ngであった。なお、用いたフッ素オイルの耐熱性を確認したところ、重量減少率は0.4%であった。
実施例1における非晶性フッ素樹脂溶液の樹脂濃度をフッ素溶剤(バートレルスープリオン、三井デュポンフロロケミカル(株)製)を用いて半分にして用いた以外は、実施例1と同様にして定着部材を作製した。
作製した表面層の膜厚は93nm、孔径は186nmであった。表面自由エネルギーは11.8mJ/m2であった。また、付着量を測定したところ、2.3×103ngであった。
実施例1における表面層の作製における非晶性フッ素樹脂溶液として、ソマフロンB1に代わり、式(2)の構造を有する非晶性フッ素樹脂(ALGOFLON AD40H、ソルベイ(株)製)溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして定着部材を作製した。作製した表面層の膜厚は87nm、孔径は93nmであった。表面自由エネルギーは12.4mJ/m2であった。また、付着量を測定したところ、8.4×102ngであった。
実施例1における表面層の作製における非晶性フッ素樹脂溶液として、ソマフロンB1に代わり、式(3)の構造を有する非晶性フッ素樹脂溶液(サイトップ Atype、旭硝子(株)製)溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして定着部材を作製した。作製した表面層の膜厚は89nm、孔径は93nmであった。表面自由エネルギーは12.3mJ/m2であった。また、付着量を測定したところ、6.4×102ngであった。
実施例1におけるフッ素オイルとして、デムナムS−200に代わり、Fomblin M60(ソルベイ(株)製、動粘度=550cSt(20℃))を用いた以外は、実施例1と同様にして定着部材を作製した。作製した表面層の膜厚は97nm、孔径は89nmであった。表面自由エネルギーは11.5mJ/m2であった。また、付着量を測定したところ、4.1×103ngであった。なお、用いたフッ素オイルの耐熱性を確認したところ、重量減少率は0.2%であった。
実施例1におけるフッ素オイルとして、デムナムS−200に代わり、Krytox107(ケマーズ(株)、動粘度=1600cSt(20℃))を用いた以外は、実施例1と同様にして定着部材を作製した。作製した表面層の膜厚は90nm、孔径は96nmであった。表面自由エネルギーは12.1mJ/m2であった。また、付着量を測定したところ、3.9×102ngであった。なお、用いたフッ素オイルの耐熱性を確認したところ、重量減少率は0.6%であった。
実施例1において、フッ素オイルを2質量部とした以外は、実施例1と同様に定着部材を作製した。作製した表面層の膜厚は94nm、孔径は88nmであった。表面自由エネルギーは12.6mJ/m2であった。また、付着量を測定したところ、1.7×102ngであった。
実施例1において、フッ素オイルを6質量部とした以外は、実施例1と同様に定着部材を作製した。作製した表面層の膜厚は96nm、孔径は91nmであった。表面自由エネルギーは12.2mJ/m2であった。また、付着量を測定したところ、6.5×102ngであった。
実施例1において、フッ素オイルを35質量部とした以外は、実施例1と同様に定着部材を作製した。作製した表面層の膜厚は95nm、孔径は85nmであった。表面自由エネルギーは12.0mJ/m2であった。また、付着量を測定したところ、7.9×102ngであった。
実施例1において、フッ素オイルを48質量部とした以外は、実施例1と同様に定着部材を作製した。作製した表面層の膜厚は97nm、孔径は98nmであった。表面自由エネルギーは11.9mJ/m2であった。また、付着量を測定したところ、1.4×103ngであった。
実施例1におけるフッ素オイルとして、デムナムS−200に代わり、デムナムS−65(ダイキン工業(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にして定着部材を作製した。作製した表面層の膜厚は92nm、孔径は93nmであった。表面自由エネルギーは12.4mJ/m2であった。また、付着量を測定したところ、7.8×102ngであった。用いたフッ素オイルの耐熱性を確認したところ、重量減少率は8.3%であった。
[弾性層の作製]
SUSで形成された基体(厚み35μm、径24mm)上に、液状フッ素エラストマー(SIFEL2662、信越化学工業(株)製)を硬化後の厚さが300μmの厚みになるように塗布した後、200℃・4時間の条件で硬化することで弾性層を形成した。
式(1)の構造を有する非晶性フッ素樹脂溶液(ソマフロンB1、ソマール(株)製)を、スプレー塗布法により、上記弾性層に塗布した。その後、乾燥炉に入れ、110℃で10分加熱した。さらに250℃で10分加熱することにより表面層を形成した。本比較例においては、弾性層が、フッ素オイルを含んでいないため、表面層の形成過程における弾性層から表面層へのフッ素オイルの移行が生じない。作製した表面層の膜厚は95nm、孔径は99nmであった。表面自由エネルギーは13.1mJ/m2であった。
比較例1における表面層の作製における非晶性フッ素樹脂溶液として、ソマフロンB1に代わり、式(3)の構造を有する非晶性フッ素樹脂溶液(サイトップ Atype、旭硝子(株)製)溶液を用いた以外は、比較例1と同様にして定着部材を作製した。作製した表面層の膜厚は91nm、孔径は91nmであった。表面自由エネルギーは13.4mJ/m2であった。
実施例1において、表面層を形成せずに弾性層のみを作製した以外は実施例1と同様にして定着部材を作製した。表面自由エネルギーは12.1mJ/m2であった。付着量を測定したところ、9.3×103ngであった。
比較例3において、フッ素オイルとして、デムナムS−200に代わり、Fomblin M60(ソルベイ(株)製)を用いた以外は、比較例3と同様にして定着部材を作製した。表面自由エネルギーは12.2mJ/m2であった。また、付着量を測定したところ、21.8×103ngであった。
実施例1において、フッ素オイル(デムナムS−200、ダイキン(株)製)を定着部材作製後に表面層にのみ塗布・含浸させた以外は実施例1と同様にして定着部材を作製した。作製した表面層の膜厚は96nm、孔径は91nmであった。表面自由エネルギーは12.3mJ/m2であった。また、付着量を測定したところ、7.6×102ngであった。
実施例1におけるフッ素オイルとして、デムナムS−200に代わり、Fluorolink MD700(ソルベイ(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にして定着部材を作製した。作製した表面層の膜厚は97nm、孔径は90nmであった。表面自由エネルギーは12.0mJ/m2であった。また、付着量を測定したところ、5.8×103ngであった。
実施例1における表面層として、PFA粒子の分散塗料(AW−5000L、ダイキン工業(株)製)を加熱硬化して積層した以外は、実施例1と同様にして定着部材を作製した。作製した表面層の膜厚は99nm、空孔は確認できなかった。表面自由エネルギーは18.1mJ/m2であった。付着量は測定限界以下であった。
比較例6における表面層として、多孔質PTFE樹脂(ポアフロン、住友電工ファインポリマー(株)製、孔径220nm)を積層した以外は、実施例1と同様にして定着部材を作製した。作製した表面層の膜厚は1.2μm、孔径は220nmであった。表面自由エネルギーは12.3mJ/m2であった。また、付着量を測定したところ、6.2×103ngであった。
比較例6における表面層として、多孔質PTFE樹脂(ポアフロン、住友電工ファインポリマー(株)製、孔径1210nm)を積層した以外は、実施例1と同様にして定着部材を作製した。作製した表面層の膜厚は7.8μm、孔径は1200nmであった。表面自由エネルギーは12.1mJ/m2であった。また、付着量を測定したところ、28.5×103ngであった。
実施例1において、フッ素オイルを0.80質量部とした以外は、実施例1と同様に定着部材を作製した。作製した表面層の膜厚は93nm、孔径は89nmであった。表面自由エネルギーは13.0mJ/m2であった。また、付着量を測定したところ、0.98×102ngであった。
実施例1において、フッ素オイルを55質量部とした以外は、実施例1と同様に定着部材を作製した。均一な表面層を作製することができず、以降の評価ができなかった。
11 基層
12 弾性層
13 表面層
15 ハロゲンヒータ
20 加圧ローラ
21 芯金
22 弾性層
23 離型層
100 定着装置
T トナー
P 記録媒体
Claims (8)
- 基層と、弾性層と、表面層と、を有する電子写真用の定着部材であって、
該弾性層は、パーフルオロポリエーテル構造を有するフッ素オイルと、フッ素ゴムと、を含み、
該表面層は、フッ素樹脂と、パーフルオロポリエーテル構造を有するフッ素オイルと、を含み、かつ、複数の孔を有する多孔質構造を有し、
該定着部材は、下記の条件(i)を満たすことを特徴とする電子写真用の定着部材:
[条件(i)]該表面層の表面から、少なくとも、該表面層が含む該フッ素オイルの全質量に相当する質量の、パーフルオロポリエーテル構造を有するフッ素オイルを吸収して除去し、引き続いて、該表面層の表面に対して、水晶振動子マイクロバランス(QCM)センサの検出面を0.4MPaの圧力で、温度180℃にて、50msec間、押圧したときに該検出面の単位面積(1cm2)に付着する、パーフルオロポリエーテル構造を有するフッ素オイルを含む付着物の質量が、1.0×102ng以上5.0×103ng未満である。 - 前記表面層が有する多孔質構造が、前記検出面に付着した前記付着物が、前記弾性層中に含まれていたパーフルオロポリエーテル構造を有するフッ素オイルを含むように、該弾性層中に含まれている該フッ素オイルを該表面層の厚み方向に通過させるものである、請求項1に記載の定着部材。
- 前記表面層が含むフッ素樹脂が、環状パーフルオロポリエーテル樹脂を含む、請求項1または2に記載の定着部材。
- 前記表面層中の孔の平均孔径が1nm以上200nm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の定着部材。
- 前記弾性層が含む前記フッ素ゴムと、前記弾性層が含む前記フッ素オイルとの溶解度パラメータの差の絶対値が1(MPa)0.5以上13(MPa)0.5以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の定着部材。
- 前記フッ素オイルが、大気中、250℃で1時間加熱した後の重量減少率が1.0%未満である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の定着部材。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の定着部材を有することを特徴とする定着装置。
- 像担持体と、
該像担持体を帯電させる帯電装置と、
該帯電した像担持体に露光光を照射して静電潜像を形成する露光装置と、
該像担持体に形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像装置と、
該像担持体に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
該記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着装置と、を有し、
該定着装置が請求項7に記載の定着装置であることを特徴とする電子写真画像形成装置。
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