JP2018178014A - インク、インクカートリッジ、及び画像記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】保存安定性に優れているとともに、光学濃度が高く、耐擦過性に優れた画像を記録することが可能なインクを提供する。
【解決手段】樹脂分散顔料、樹脂粒子A、樹脂粒子B、界面活性剤、水溶性有機溶剤、及び水と含有するインクである。樹脂粒子Aの表面アニオン性官能基量が、0.20mmol/g以下であり、樹脂粒子Bの表面アニオン性官能基量が、0.21mmol/g以上0.60mmol/g以下であり、界面活性剤が、下記一般式(1)で表される、グリフィン法により算出されるHLB値が11以下のフッ素系界面活性剤である。
R1(CR2R3)nCH2CH2(OCH2CH2)mOH ・・・(1)
(R1は、フッ素原子又は水素原子を表し、R2及びR3は、それぞれ独立にフッ素原子又は水素原子を表し、R2及びR3の少なくともいずれかはフッ素原子である)
【選択図】なし
【解決手段】樹脂分散顔料、樹脂粒子A、樹脂粒子B、界面活性剤、水溶性有機溶剤、及び水と含有するインクである。樹脂粒子Aの表面アニオン性官能基量が、0.20mmol/g以下であり、樹脂粒子Bの表面アニオン性官能基量が、0.21mmol/g以上0.60mmol/g以下であり、界面活性剤が、下記一般式(1)で表される、グリフィン法により算出されるHLB値が11以下のフッ素系界面活性剤である。
R1(CR2R3)nCH2CH2(OCH2CH2)mOH ・・・(1)
(R1は、フッ素原子又は水素原子を表し、R2及びR3は、それぞれ独立にフッ素原子又は水素原子を表し、R2及びR3の少なくともいずれかはフッ素原子である)
【選択図】なし
Description
本発明は、インク、インクカートリッジ、及び画像記録方法に関する。
画像記録方法においては、従来、記録される画像の耐擦過性を向上させることを目的として、樹脂分散剤によって分散された顔料(以下、「樹脂分散顔料」とも記す)を含有するインクが用いられている。但し、樹脂分散顔料を含有するインクで記録される画像の耐擦過性は比較的高いが、光学濃度がさほど高くないという課題があった。
このような課題を解決すべく、例えば、その表面のアニオン性官能基量の少ない樹脂粒子、特定構造を有するフッ素系界面活性剤、及び所定の水溶性有機溶剤を含有する、光学濃度が向上した画像を記録しうるインクが提案されている(特許文献1)。
本発明者らは、特許文献1で提案されたインクについて検討した。その結果、特許文献2で提案されたインクで記録した画像の光学濃度は比較的高いが、インク自体の保存安定性が乏しいという課題を有することが判明した。
したがって、本発明の目的は、保存安定性に優れているとともに、光学濃度が高く、耐擦過性に優れた画像を記録することが可能なインクを提供することにある。また、本発明の目的は、前記インクを用いたインクカートリッジ、及び画像記録方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明によれば、顔料及び前記顔料を分散させる樹脂分散剤を含む樹脂分散顔料と、樹脂粒子Aと、樹脂粒子Bと、界面活性剤と、水溶性有機溶剤と、水とを含有するインクであって、前記樹脂粒子Aの表面アニオン性官能基量が、0.20mmol/g以下であり、前記樹脂粒子Bの表面アニオン性官能基量が、0.21mmol/g以上0.60mmol/g以下であり、前記樹脂粒子Bの含有量が、前記樹脂粒子Aの含有量に対して、1質量%以上20質量%以下であり、前記界面活性剤が、下記一般式(1)で表される、グリフィン法により算出されるHLB値が11以下のフッ素系界面活性剤であることを特徴とするインクが提供される。
R1(CR2R3)nCH2CH2(OCH2CH2)mOH ・・・(1)
(前記一般式(1)中、R1は、フッ素原子又は水素原子を表し、R2及びR3は、それぞれ独立にフッ素原子又は水素原子を表し、R2及びR3の少なくともいずれかはフッ素原子である。nは、1以上30以下の数を表し、mは、1以上60以下の数を表す)
R1(CR2R3)nCH2CH2(OCH2CH2)mOH ・・・(1)
(前記一般式(1)中、R1は、フッ素原子又は水素原子を表し、R2及びR3は、それぞれ独立にフッ素原子又は水素原子を表し、R2及びR3の少なくともいずれかはフッ素原子である。nは、1以上30以下の数を表し、mは、1以上60以下の数を表す)
本発明によれば、保存安定性に優れているとともに、光学濃度が高く、耐擦過性に優れた画像を記録することが可能なインクを提供することができる。また、本発明によれば、前記インクを用いたインクカートリッジ、及び画像記録方法を提供することができる。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。なお、本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。また、インクジェット用の水性インクのことを、単に「インク」と記載することがある。また、物性値は、特に断りのない限り、常温(25℃)における値とする。
本発明者らは、保存安定性に優れているとともに、光学濃度が高く、耐擦過性に優れた画像を記録することが可能な、樹脂分散顔料を含有するインクについて検討した。その結果、表面アニオン性官能基量がそれぞれ所定の範囲内にある2種の樹脂粒子と、特定の構造を有するフッ素系界面活性剤とを組み合わせて用いることで、光学濃度が高く、耐擦過性に優れた画像を記録することが可能となることを見出した。このような構成を採用することで上記の効果が得られるメカニズムについて、本発明者らは以下のように推測している。
樹脂分散顔料及び表面アニオン性官能基量が0.20mmol/g以下の樹脂粒子Aを含有するインクに、特定の構造を有するフッ素系界面活性剤を添加すると、樹脂分散顔料と樹脂粒子Aとの経時による凝集が抑制される。これは、特定の構造を有するフッ素系界面活性剤が、樹脂分散顔料又は樹脂粒子Aの表面に吸着し、樹脂分散顔料と樹脂粒子Aの粒子間距離が短くなりすぎることを抑制するためであると考えられる。しかし、一定の凝集抑制効果を示すものの、樹脂分散顔料と樹脂粒子Aとの凝集を完全に抑制することはできなかった。また、高温条件下におけるインクの保存安定性を満足するものではなかった。
ここで、樹脂分散顔料、樹脂粒子A、及び特定の構造を有するフッ素系界面活性剤を含有するインクに、表面アニオン性官能基量が、0.21mmol/g以上0.60mmol/g以下の樹脂粒子Bをさらに添加した場合を想定する。この場合、疎水性の高い樹脂粒子Aの表面に親水性の高い樹脂粒子Bが吸着するとともに、樹脂粒子Bの表面に、特定の構造を有するフッ素系界面活性剤がさらに吸着する。これにより、樹脂分散顔料と樹脂粒子Aとの凝集が有効に抑制されると考えられる。さらなる検討の結果、下記一般式(1)で表される、グリフィン法により算出されるHLB(Hydrophile−Lipophile Balance)値が11以下のフッ素系界面活性剤が特に有効であることがわかった。
R1(CR2R3)nCH2CH2(OCH2CH2)mOH ・・・(1)
(前記一般式(1)中、R1は、フッ素原子又は水素原子を表し、R2及びR3は、それぞれ独立にフッ素原子又は水素原子を表し、R2及びR3の少なくともいずれかはフッ素原子である。nは、1以上30以下の数を表し、mは、1以上60以下の数を表す)
R1(CR2R3)nCH2CH2(OCH2CH2)mOH ・・・(1)
(前記一般式(1)中、R1は、フッ素原子又は水素原子を表し、R2及びR3は、それぞれ独立にフッ素原子又は水素原子を表し、R2及びR3の少なくともいずれかはフッ素原子である。nは、1以上30以下の数を表し、mは、1以上60以下の数を表す)
但し、樹脂粒子Bの含有量によっては、インクの保存安定性がさほど向上しない場合や、画像の光学濃度がさほど向上しない場合などがある。具体的には、樹脂粒子Bの含有量が、樹脂粒子Aの含有量に対して1質量%未満であると、画像の光学濃度は十分に高いが、インクの保存安定性が向上しない。一方、樹脂粒子Bの含有量が、樹脂粒子Aの含有量に20質量%超であると、インクの保存安定性は十分に向上するが、画像の光学濃度が向上しない。すなわち、樹脂粒子Bの含有量は、樹脂粒子Aの含有量に対して、1質量%以上20質量%以下、好ましくは1.5質量%以上10質量%以下、さらに好ましくは2質量%以上6質量%以下であることがわかった。
以上の通り、本発明者らは、樹脂分散顔料、表面アニオン性官能基量が異なる二種類の樹脂粒子、及び特定の構造を有するフッ素系界面活性剤を含有させるとともに、二種類の樹脂粒子を所定の割合で含有させたインクの構成を見出した。かかる構成とすることで、保存安定性を高いレベルに維持しつつ、樹脂分散顔料及び樹脂粒子を記録媒体の表面近傍に留まらせることができ、光学濃度が高く、耐擦過性に優れた画像を記録可能なインクとすることができる。
<インク>
本発明のインクは、樹脂分散顔料、樹脂粒子A、樹脂粒子B、界面活性剤、水溶性有機溶剤、及び水を含有するインクである。以下、本発明のインクを構成する成分やインクの物性などについて詳細に説明する。
本発明のインクは、樹脂分散顔料、樹脂粒子A、樹脂粒子B、界面活性剤、水溶性有機溶剤、及び水を含有するインクである。以下、本発明のインクを構成する成分やインクの物性などについて詳細に説明する。
(樹脂分散顔料)
樹脂分散顔料は、顔料と、顔料を分散させる樹脂分散剤とを含む。
樹脂分散顔料は、顔料と、顔料を分散させる樹脂分散剤とを含む。
[顔料]
顔料としては、例えば、カーボンブラックなどの無機顔料や有機顔料を挙げることができる。顔料としては、インクジェット用のインクに使用可能なものであれば、いずれも用いることができる。インク中の顔料の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上8.0質量%以下であることがさらに好ましい。顔料の含有量が0.1質量%未満であると、記録される画像の光学濃度がやや不足することがある。一方、顔料の含有量が15.0質量%超であると、耐固着性などのインクジェット特性が不十分になる場合がある。
顔料としては、例えば、カーボンブラックなどの無機顔料や有機顔料を挙げることができる。顔料としては、インクジェット用のインクに使用可能なものであれば、いずれも用いることができる。インク中の顔料の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上8.0質量%以下であることがさらに好ましい。顔料の含有量が0.1質量%未満であると、記録される画像の光学濃度がやや不足することがある。一方、顔料の含有量が15.0質量%超であると、耐固着性などのインクジェット特性が不十分になる場合がある。
[樹脂分散剤]
樹脂分散剤としては、インクジェット用のインクに使用可能なものであれば、いずれも用いることができる。なかでも、水溶性樹脂を樹脂分散剤として用いることが好ましい。すなわち、顔料は、水溶性樹脂によってインク中に分散されていることが好ましい。本発明における「水溶性樹脂」とは、酸価と当量のアルカリで中和した場合に、水中において粒径を有しない状態で存在する樹脂をいう。すなわち、本発明における「水溶性樹脂」は、後述する樹脂粒子(水中において粒径を有する状態で存在しうる樹脂)とは異なる。
樹脂分散剤としては、インクジェット用のインクに使用可能なものであれば、いずれも用いることができる。なかでも、水溶性樹脂を樹脂分散剤として用いることが好ましい。すなわち、顔料は、水溶性樹脂によってインク中に分散されていることが好ましい。本発明における「水溶性樹脂」とは、酸価と当量のアルカリで中和した場合に、水中において粒径を有しない状態で存在する樹脂をいう。すなわち、本発明における「水溶性樹脂」は、後述する樹脂粒子(水中において粒径を有する状態で存在しうる樹脂)とは異なる。
樹脂分散剤を構成するモノマーとしては、スチレン、ビニルナフタレン、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、アクリルアミド、及びこれらの誘導体などを挙げることができる。これらのモノマーの少なくとも2つを用いて得られる樹脂が好ましく、少なくとも1つは親水性モノマーであることが好ましい。また、親水性モノマーとしては、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくともいずれかが好ましい。樹脂分散剤は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、及びこれらの塩などのいずれであってもよい。さらに、ロジン、シェラック、デンプンなどの天然樹脂を樹脂分散剤として用いることもできる。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される樹脂分散剤のポリスチレン換算の重量平均分子量は、1,000以上30,000以下であることが好ましく、3,000以上15,000以下であることがさらに好ましい。樹脂分散剤の酸価は、50mgKOH/g以上350mgKOH/g以下であることが好ましく、80mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。酸価が上記範囲内にある樹脂分散剤を用いることで、顔料の分散安定性を向上させることができ、インクの吐出安定性を高めることができる。なお、樹脂分散剤の酸価は、電位差滴定法により測定することができる。
インク中の樹脂分散剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上3.0質量%以下であることがさらに好ましい。また、インク中の顔料の含有量(質量%)が、樹脂分散剤の含有量(質量%)に対する質量比率で、3.3倍以上であることが好ましく、4倍以上10倍以下であることがさらに好ましい。上記の質量比率とすることで、さらなる高発色を得ることができる。上記の質量比率を算出する際の各成分の含有量は、インク全質量を基準として算出される値である。
樹脂分散顔料の表面アニオン性官能基量は、0.18mmol/g以下であることが好ましい。表面アニオン性官能基量が上記の範囲内にある樹脂分散顔料を用いることで、インクの保存安定性をさらに向上させることができるとともに、画像の光学濃度をより高めることができる。
樹脂分散顔料の表面アニオン性官能基量は、コロイド滴定により測定することができる。後述の実施例においては、流動電位滴定ユニット(商品名「PCD−500」)を搭載した電位差自動滴定装置(商品名「AT−510」、京都電子工業製)を使用し、電位差を利用したコロイド滴定により樹脂分散顔料の表面アニオン性官能基量を測定した。なお、滴定試薬としてはメチルグリコールキトサンを用いた。
インク中の樹脂分散顔料の表面アニオン性官能基量を測定するには、樹脂分散顔料と樹脂粒子を分離する必要がある。例えば、23℃、440,000g、2時間の条件でインクを遠心分離すると、樹脂分散顔料が沈殿する。そして、沈殿した樹脂分散顔料を採取し、上記の測定方法により表面アニオン性官能基量を測定することができる。
インク中の樹脂分散顔料の含有量(顔料と樹脂分散剤の合計含有量)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上6.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上5.0質量%以下であることがさらに好ましい。樹脂分散顔料の含有量が0.1質量%未満であると、画像の光学濃度の向上効果がやや不足することがある。一方、樹脂分散剤の含有量が6.0質量%超であると、インクの耐固着性などが不十分になる場合がある。
インク中の樹脂分散顔料(顔料と樹脂分散剤の合計)と、樹脂粒子(樹脂粒子Aと樹脂粒子Bの合計)との合計含有量は、インク全質量を基準として、12質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましい。上記の合計含有量が12質量%超であると、インクの吐出安定性などが不十分になる場合がある。
インク中の樹脂粒子(樹脂粒子Aと樹脂粒子Bの合計)の含有量(質量%)が、樹脂分散剤の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.2倍以上14.0倍以下であることが好ましく、0.4倍以上8.0倍以下であることがさらに好ましい。上記の質量比率が0.2倍未満であると、画像の光学濃度の向上効果がやや不足することがある。一方、上記の質量比率が14.0倍超であると、インクの吐出安定性などが不十分になる場合がある。
インク中の顔料の含有量(質量%)が、樹脂分散剤と樹脂粒子(樹脂粒子Aと樹脂粒子Bの合計)の合計含有量(質量%)に対する質量比率で、0.30倍以上4.50倍以下であることが好ましく、0.60倍以上4.00倍以下であることがさらに好ましい。上記の質量比率が0.30倍未満であると、画像の光学濃度の向上効果がやや不足することがある。一方、上記の質量比率が4.50倍超であると、画像の耐擦過性の向上効果がやや不足することがある。
インク中の樹脂分散顔料(顔料と樹脂分散剤の合計)の含有量(質量%)が、樹脂粒子(樹脂粒子Aと樹脂粒子Bの合計)の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.6倍以上14.0倍以下であることが好ましい。また、1.0倍以上10.0倍以下であることがさらに好ましく、1.0倍以上2.0倍以下であることが特に好ましい。上記の質量比率が0.6倍未満であると、樹脂分散顔料の含有量が少ないため、画像の光学濃度の向上効果がやや不足することがある。一方、上記の質量比率が14.0倍超であると、樹脂粒子の含有量が少ないため、画像の耐擦過性の向上効果がやや不足することがある。
[樹脂分散剤によって分散された顔料か否かの判断方法]
樹脂分散剤によって分散された顔料か否かを判断する方法は、以下に示す通りである。まず、インクを濃縮又は希釈して全固形分の含有量が10質量%程度になるように調製した液体を、12,000rpmで1時間遠心分離する。これにより、水溶性有機溶剤や分散に寄与しない樹脂などが液層に含まれることになるため、顔料を含む沈降成分を回収する。そして、顔料を含む沈降成分に樹脂が含まれている場合は、樹脂によって分散された顔料であると判断することができる。さらに、顔料を含む沈降成分に主成分として含まれている樹脂が、顔料の分散に寄与する樹脂(樹脂分散剤)であり、液層に主成分として含まれている樹脂が、顔料の分散に寄与しない樹脂であると判断することができる。
樹脂分散剤によって分散された顔料か否かを判断する方法は、以下に示す通りである。まず、インクを濃縮又は希釈して全固形分の含有量が10質量%程度になるように調製した液体を、12,000rpmで1時間遠心分離する。これにより、水溶性有機溶剤や分散に寄与しない樹脂などが液層に含まれることになるため、顔料を含む沈降成分を回収する。そして、顔料を含む沈降成分に樹脂が含まれている場合は、樹脂によって分散された顔料であると判断することができる。さらに、顔料を含む沈降成分に主成分として含まれている樹脂が、顔料の分散に寄与する樹脂(樹脂分散剤)であり、液層に主成分として含まれている樹脂が、顔料の分散に寄与しない樹脂であると判断することができる。
(樹脂粒子)
本発明のインクは、表面アニオン性官能基量が0.20mmol/g以下である樹脂粒子Aを含有する。樹脂粒子Aの表面アニオン性官能基量は、0.15mmol/g以下であることが好ましく、0.10mmol/g以下であることがさらに好ましい。また、樹脂粒子Aの表面アニオン性官能基量は、0mmol/g超であることが好ましく、0.03mmol/g以上であることがさらに好ましい。樹脂粒子Aの表面アニオン性官能基量が0mmol/gであると、インクの保存安定性がやや不足することがある。一方、樹脂粒子Aの表面アニオン性官能基量が0.15mmol/g超であると、画像の光学濃度(発色性)がやや不足することがある。
本発明のインクは、表面アニオン性官能基量が0.20mmol/g以下である樹脂粒子Aを含有する。樹脂粒子Aの表面アニオン性官能基量は、0.15mmol/g以下であることが好ましく、0.10mmol/g以下であることがさらに好ましい。また、樹脂粒子Aの表面アニオン性官能基量は、0mmol/g超であることが好ましく、0.03mmol/g以上であることがさらに好ましい。樹脂粒子Aの表面アニオン性官能基量が0mmol/gであると、インクの保存安定性がやや不足することがある。一方、樹脂粒子Aの表面アニオン性官能基量が0.15mmol/g超であると、画像の光学濃度(発色性)がやや不足することがある。
インク中の樹脂粒子Aの含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、1.0質量%以上10.0質量%以下であることが好ましく、2.5質量%以上8.0質量%以下であることがさらに好ましい。インク中の樹脂粒子Aの含有量を上記の範囲とすることで、、画像の耐擦過性をさらに向上させることができる。樹脂粒子Aの含有量が1.0質量%未満であると、画像の耐擦過性の向上効果がやや不足することがある。一方、樹脂粒子Aの含有量が10質量%超であると、インクの吐出安定性などが不足することがある。
本発明のインクは、表面アニオン性官能基量が0.21mmol/g以上0.60mmol/g以下である樹脂粒子Bを含有する。樹脂粒子Bの表面アニオン性官能基量は、0.50mmol/g以下であることが好ましく、0.40mmol/g以下であることがさらに好ましい。また、樹脂粒子Bの表面アニオン性官能基量は、0.24mmol/g以上であることが好ましく、0.30mmol/g以上であることがさらに好ましい。樹脂粒子Bの表面アニオン性官能基量が0.24mmol/g未満であると、インクの保存安定性がやや不足することがある。一方、樹脂粒子Bの表面アニオン性官能基量が0.50mmol/g超であると、画像の光学濃度(発色性)がやや不足することがある。
インク中の樹脂粒子Bの含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上0.4質量%以下であることが好ましい。樹脂粒子Bの含有量が0.1質量%未満であると、保存安定性の向上効果がやや不足することがある。一方、樹脂粒子Bの含有量が0.4質量%超であると、画像の光学濃度がやや不足することがある。
樹脂粒子Aの表面アニオン性官能基量と、樹脂粒子Bの表面アニオン性官能基量の差は、0.17mmol/g以上0.58mmol/g以下であることが好ましい。表面アニオン性官能基量の差が0.17mmol/g未満であると、インクの保存安定性がやや不足することがある。一方、表面アニオン性官能基量の差が0.58mmol/g超であると、インクの保存安定性がやや不足することがある。樹脂粒子の表面に存在するアニオン性基としては、−COOM、−SO3M、−PO3HM、−PO3M2などを挙げることができる。なお、「M」は、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。
樹脂粒子の表面アニオン性官能基量は、コロイド滴定により測定することができる。後述の実施例においては、流動電位滴定ユニット(商品名「PCD−500」)を搭載した電位差自動滴定装置(商品名「AT−510」、京都電子工業製)を使用し、電位差を利用したコロイド滴定により樹脂粒子の表面アニオン性官能基量を測定した。なお、滴定試薬としてはメチルグリコールキトサンを用いた。
インク中の樹脂粒子の表面アニオン性官能基量を測定するには、顔料と樹脂粒子を分離する必要がある。例えば、23℃、440,000g、2時間の条件でインクを遠心分離すると、顔料が沈殿する。そして、樹脂粒子が含まれる上澄みを採取し、上記の測定方法により表面アニオン性官能基量を測定することができる。
本発明における「樹脂粒子」とは、「粒径を有する状態で水系媒体中に分散して存在しうる樹脂からなる粒子」を意味する。樹脂粒子の50%累積体積平均粒径(D50)は、1nm以上100nm以下であることが好ましく、5nm以上50nm以下であることがさらに好ましい。樹脂粒子のD50は、樹脂粒子分散体を純水で50倍(体積基準)に希釈して調製した水分散液を測定用試料とし、粒度分布測定装置(商品名「UPA−EX150」、日機装製)を使用して以下に示す測定条件にしたがって測定することができる。
[測定条件]
SetZero:30秒
測定回数:3回
測定時間:180秒
屈折率:1.5
[測定条件]
SetZero:30秒
測定回数:3回
測定時間:180秒
屈折率:1.5
樹脂粒子としては、公知のものをいずれも用いることができる。なかでも、ポリウレタン樹脂粒子及びアクリル樹脂粒子から選択される少なくとも2種を用いることが好ましい。
[ポリウレタン樹脂粒子]
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリウレタン樹脂粒子のポリスチレン換算の重量平均分子量は、5,000以上150,000以下であることが好ましく、8,000以上100,000以下であることがさらに好ましい。ポリウレタン樹脂粒子の重量平均分子量が5,000未満であると、ポリウレタン樹脂粒子の強度が低くなるため、画像の耐擦過性の向上効果がやや不足することがある。一方、ポリウレタン樹脂粒子の重量平均分子量が150,000超であると、インクの保存安定性や吐出安定性などがやや不足することがある。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリウレタン樹脂粒子のポリスチレン換算の重量平均分子量は、5,000以上150,000以下であることが好ましく、8,000以上100,000以下であることがさらに好ましい。ポリウレタン樹脂粒子の重量平均分子量が5,000未満であると、ポリウレタン樹脂粒子の強度が低くなるため、画像の耐擦過性の向上効果がやや不足することがある。一方、ポリウレタン樹脂粒子の重量平均分子量が150,000超であると、インクの保存安定性や吐出安定性などがやや不足することがある。
ポリウレタン樹脂粒子の重量平均分子量は、ポリスチレン標準試料を使用し、GPCにより測定することができる。GPCの装置などは、例えば、以下に示すものを使用することができる。また、ポリスチレン標準試料としては、商品名「PS−1」、「PS−2」(Polymer Laboratories製)を用いることができる。
装置:Alliance GPC 2695(Waters製)
カラム:Shodex KF−806Mの4連カラム(昭和電工製)
検出器:RI(屈折率)
装置:Alliance GPC 2695(Waters製)
カラム:Shodex KF−806Mの4連カラム(昭和電工製)
検出器:RI(屈折率)
ポリウレタン樹脂粒子の酸価は、100mgKOH/g以下であることが好ましく、5mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。ポリウレタン樹脂粒子の酸価は、滴定法により測定することができる。例えば、ポリウレタン樹脂粒子をTHFに溶解し、電位差自動滴定装置(例えば、商品名「AT510」、京都電子工業製)を使用して、水酸化カリウム−エタノール滴定液を用いた電位差滴定法によって酸価を測定することができる。
ポリウレタン樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)は、−80℃以上であることが好ましく、−50℃以上であることがさらに好ましい。また、ポリウレタン樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)は、120℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがさらに好ましい。
インク中のポリウレタン樹脂粒子の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。ポリウレタン樹脂粒子の含有量が0.1質量%未満であると、画像の耐擦過性の向上効果がやや不足することがある。一方、ポリウレタン樹脂粒子の含有量が10.0質量%超であると、インクの吐出安定性などが不足することがある。
インク中のポリウレタン樹脂粒子の含有量(質量%)が、後述するフッ素系界面活性剤の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.5倍以上30.0倍以下であることが好ましく、1.0倍以上10.0倍以下であることがさらに好ましい。上記の質量比率が0.5倍未満であると、ポリウレタン樹脂粒子の含有量が少ないため、画像の耐擦過性の向上効果がやや不足することがある。一方、上記の質量比率が30.0倍超であると、フッ素系界面活性剤の含有量が少ないため、記録媒体の表面近傍に樹脂粒子を留める効果がやや不十分となる。このため、画像の光学濃度及び耐擦過性の向上効果がやや不足することがある。
ポリウレタン樹脂粒子は、一般的に用いられている従来の方法によって製造することができる。具体的には、酸基を有しないポリオールをメチルエチルケトンなどの有機溶剤中で十分に撹拌して溶解させた後、ポリイソシアネート及び酸基を有するジオールを加えて反応させ、ウレタンプレポリマー溶液を得る。得られたウレタンプレポリマー溶液を中和した後、イオン交換水を添加し、ホモミキサーで高速撹拌して乳化する。乳化後、鎖延長剤を添加して鎖延長反応を行えば、ポリウレタン樹脂粒子を製造することができる。
(1)ポリイソシアネート
ポリウレタン樹脂粒子を構成するポリウレタンは、通常、ポリイソシアネートに由来するユニットを有する。本明細書における「ポリイソシアネート」とは、2以上のイソシアネート基を有する化合物を意味する。ポリイソシアネートとしては、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネートを挙げることができる。ポリウレタンに占める、ポリイソシアネートに由来するユニットの割合は、10.0質量%以上80.0質量%以下であることが好ましい。
ポリウレタン樹脂粒子を構成するポリウレタンは、通常、ポリイソシアネートに由来するユニットを有する。本明細書における「ポリイソシアネート」とは、2以上のイソシアネート基を有する化合物を意味する。ポリイソシアネートとしては、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネートを挙げることができる。ポリウレタンに占める、ポリイソシアネートに由来するユニットの割合は、10.0質量%以上80.0質量%以下であることが好ましい。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネートを挙げることができる。脂環族ポリイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン4,4’−ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンを挙げることができる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加ジフェニルジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネートを挙げることができる。芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、α,α,α,α−テトラメチルキシリレンジイソシアネートを挙げることができる。これらのポリイソシアネートは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記のポリイソシアネートのなかでも、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、及びジシクロヘキシルメタン4,4’−ジイソシアネートから選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
(2)酸基を有しないポリオール
ポリウレタン樹脂粒子を構成するポリウレタンは、通常、酸基を有しないポリオールに由来するユニットを有する。ポリウレタンに占める、酸基を有しないポリオールに由来するユニットの割合は、0.1質量%以上80.0質量%以下であることが好ましい。
ポリウレタン樹脂粒子を構成するポリウレタンは、通常、酸基を有しないポリオールに由来するユニットを有する。ポリウレタンに占める、酸基を有しないポリオールに由来するユニットの割合は、0.1質量%以上80.0質量%以下であることが好ましい。
酸基を有しないポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートジオールなどを挙げることができる。酸基を有しないポリオールの炭素数は、13以上250以下であることが好ましい。また、GPCにより測定される、酸基を有しないポリオールのポリスチレン換算の数平均分子量は、600以上4,000以下であることが好ましい。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、酸成分と、ポリアルキレングリコール、2価アルコール又は3価以上の多価アルコールとのエステルを挙げることができる。酸成分としては、芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸などを挙げることができる。芳香族ジカルボン酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸、オルトフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸などを挙げることができる。脂環族ジカルボン酸としては、上記の芳香族ジカルボン酸の水素添加物などを挙げることができる。脂肪族ジカルボン酸としては、マロン酸、琥珀酸、酒石酸、シュウ酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、アルキル琥珀酸、リノレイン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸などを挙げることができる。また、これらの酸成分の酸無水物、アルキルエステル、又は酸ハライドなどの反応性誘導体なども、ポリエステルポリオールを構成する酸成分として用いることができる。これらの酸成分は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレングリコール−プロピレングリコール共重合体などを挙げることができる。2価アルコールとしては、ヘキサメチレングリコール、テトラメチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、4,4’−ジヒドロキシフェニルプロパン、4,4’−ジヒドロキシフェニルメタンなどを挙げることができる。3価以上の多価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトールなどを挙げることができる。ポリエステルポリオールは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリアルキレングリコールと、アルキレンオキサイドと、2価アルコール又は3価以上の多価アルコールとの付加重合物を挙げることができる。ポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレングリコール−プロピレングリコール共重合体などを挙げることができる。2価アルコールとしては、ヘキサメチレングリコール、テトラメチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、4,4’−ジヒドロキシフェニルプロパン、4,4’−ジヒドロキシフェニルメタンなどを挙げることができる。3価以上の多価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトールなどを挙げることができる。アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、α−オレフィンオキサイドなどを挙げることができる。ポリエーテルポリオールは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリカーボネートジオールとしては、従来公知の方法で製造されるポリカーボネートジオールを用いることができる。ポリカーボネートジオールとしては、例えば、アルキレンカーボネート、ジアリールカーボネート、ジアルキルカーボネートなどのカーボネート成分又はホスゲンと、脂肪族ジオール成分とを反応させて得られるポリカーボネートジオールを挙げることができる。ポリカーボネートジオールは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸基を有しないポリオールのなかでも、ポリエーテルポリオールを用いることが好ましい。ポリエーテルポリオールを用いると、形成される樹脂膜の柔軟性が適度に発現するため、画像の耐擦過性が向上しやすい。さらに、ポリエーテルポリオールは親水性が比較的高いため、インクの吐出安定性を向上させることができる。ポリエーテルポリオールのなかでも、ポリプロピレングリコールを用いることが特に好ましい。
(3)酸基を有するジオール
ポリウレタン樹脂粒子を構成するポリウレタンは、酸基を有するジオールに由来するユニットを有することが好ましい。本明細書における「酸基を有するジオール」とは、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基などの酸基を有するジオールを意味する。酸基を有するジオールは、Li、Na、Kなどのアルカリ金属塩や、アンモニア、ジメチルアミンなどの有機アミン塩の状態で存在してもよい。酸基を有するジオールとしては、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸を用いることが好ましい。これらの酸基を有するジオールは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。ポリウレタンに占める、酸基を有するジオールに由来するユニットの割合は、5.0質量%以上40.0質量%以下であることが好ましい。
ポリウレタン樹脂粒子を構成するポリウレタンは、酸基を有するジオールに由来するユニットを有することが好ましい。本明細書における「酸基を有するジオール」とは、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基などの酸基を有するジオールを意味する。酸基を有するジオールは、Li、Na、Kなどのアルカリ金属塩や、アンモニア、ジメチルアミンなどの有機アミン塩の状態で存在してもよい。酸基を有するジオールとしては、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸を用いることが好ましい。これらの酸基を有するジオールは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。ポリウレタンに占める、酸基を有するジオールに由来するユニットの割合は、5.0質量%以上40.0質量%以下であることが好ましい。
(4)鎖延長剤
ポリウレタンにより形成された樹脂粒子を製造する際には、鎖延長剤を用いてもよい。鎖延長剤は、ウレタンプレポリマーに含まれるポリイソシアネートに由来するユニットのうち、ウレタン結合を形成しなかった残存イソシアネート基と反応しうる化合物である。鎖延長剤としては、トリメチロールメラミン及びその誘導体、ジメチロールウレア及びその誘導体、ジメチロールエチルアミン、ジエタノールメチルアミン、ジプロパノールエチルアミン、ジブタノールメチルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘキシレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イソホロンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、水素添加ジフェニルメタンジアミン、ヒドラジンなどの多価アミン化合物;ポリアミドポリアミン;ポリエチレンポリイミンを挙げることができる。
ポリウレタンにより形成された樹脂粒子を製造する際には、鎖延長剤を用いてもよい。鎖延長剤は、ウレタンプレポリマーに含まれるポリイソシアネートに由来するユニットのうち、ウレタン結合を形成しなかった残存イソシアネート基と反応しうる化合物である。鎖延長剤としては、トリメチロールメラミン及びその誘導体、ジメチロールウレア及びその誘導体、ジメチロールエチルアミン、ジエタノールメチルアミン、ジプロパノールエチルアミン、ジブタノールメチルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘキシレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イソホロンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、水素添加ジフェニルメタンジアミン、ヒドラジンなどの多価アミン化合物;ポリアミドポリアミン;ポリエチレンポリイミンを挙げることができる。
さらに、鎖延長剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールを挙げることができる。これらの鎖延長剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[アクリル樹脂粒子]
GPCにより測定されるアクリル樹脂粒子のポリスチレン換算の重量平均分子量は、100,000以上3,000,000以下であることが好ましく、300,000以上1,000,000以下であることがさらに好ましい。アクリル樹脂粒子の重量平均分子量が100,000未満であると、アクリル樹脂粒子の強度が低くなるため、画像の耐擦過性の向上効果がやや不足することがある。一方、アクリル樹脂粒子の重量平均分子量が3,000,000超であると、インクの保存安定性や吐出安定性などがやや不足することがある。
GPCにより測定されるアクリル樹脂粒子のポリスチレン換算の重量平均分子量は、100,000以上3,000,000以下であることが好ましく、300,000以上1,000,000以下であることがさらに好ましい。アクリル樹脂粒子の重量平均分子量が100,000未満であると、アクリル樹脂粒子の強度が低くなるため、画像の耐擦過性の向上効果がやや不足することがある。一方、アクリル樹脂粒子の重量平均分子量が3,000,000超であると、インクの保存安定性や吐出安定性などがやや不足することがある。
アクリル樹脂粒子の重量平均分子量は、ポリスチレン標準試料を使用し、GPCにより測定することができる。GPCの装置などは、例えば、以下に示すものを使用することができる。また、ポリスチレン標準試料としては、商品名「PS−1」、「PS−2」(Polymer Laboratories製)を用いることができる。
装置:Alliance GPC 2695(Waters製)
カラム:Shodex KF−806Mの4連カラム(昭和電工製)
検出器:RI(屈折率)
装置:Alliance GPC 2695(Waters製)
カラム:Shodex KF−806Mの4連カラム(昭和電工製)
検出器:RI(屈折率)
アクリル樹脂粒子の酸価は、150mgKOH/g以下であることが好ましく、25mgKOH/g以上140mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。アクリル樹脂粒子の酸価は、滴定法により測定することができる。例えば、アクリル樹脂粒子をTHFに溶解し、電位差自動滴定装置(例えば、商品名「AT510」、京都電子工業製)を使用して、水酸化カリウム−エタノール滴定液を用いた電位差滴定法によって酸価を測定することができる。
アクリル樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)は、−20℃以上であることが好ましく、−10℃以上であることがさらに好ましく、25℃以上であることが特に好ましい。また、アクリル樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)は、120℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがさらに好ましい。
インク中のアクリル樹脂粒子の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。アクリル樹脂粒子の含有量が0.1質量%未満であると、画像の耐擦過性の向上効果がやや不足することがある。一方、アクリル樹脂粒子の含有量が10.0質量%超であると、インクの吐出安定性などが不足することがある。
インク中のアクリル樹脂粒子の含有量(質量%)が、後述するフッ素系界面活性剤の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.5倍以上4.0倍以下であることが好ましく、1.0倍以上3.0倍以下であることがさらに好ましい。上記の質量比率が0.5倍未満であると、アクリル樹脂粒子の含有量が少ないため、画像の耐擦過性の向上効果がやや不足することがある。一方、上記の質量比率が4.0倍超であると、フッ素系界面活性剤の含有量が少ないため、記録媒体の表面近傍に樹脂粒子を留める効果がやや不十分となる。このため、画像の光学濃度及び耐擦過性の向上効果がやや不足することがある。
アクリル樹脂粒子を構成するアクリル樹脂を得るために用いるモノマーとしては、(メタ)アクリル系モノマーを挙げることができる。(メタ)アクリル系モノマーの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル;アクリル酸、メタクリル酸などの(メタ)アクリル酸を挙げることができる。アクリル樹脂は、(メタ)アクリル系モノマーの単重合体であってもよく、(メタ)アクリル系モノマーとその他のモノマーとの共重合体であってもよい。その他のモノマーとしては、例えば、ビニルエステル類、オレフィン類、スチレン類、クロトン類、イタコン類、マレイン酸類、フマル酸類、アクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、グリシジルエステル類、不飽和ニトリル類などを挙げることができる。アクリル樹脂が共重合体である場合、共重合体中の(メタ)アクリル系モノマーに由来するユニットの含有割合は、共重合体全体を基準として、50モル%以上であることが好ましい。
(界面活性剤)
本発明のインクは、下記一般式(1)で表される界面活性剤を含有する。
R1(CR2R3)nCH2CH2(OCH2CH2)mOH ・・・(1)
(前記一般式(1)中、R1は、フッ素原子又は水素原子を表し、R2及びR3は、それぞれ独立にフッ素原子又は水素原子を表し、R2及びR3の少なくともいずれかはフッ素原子である。nは、1以上30以下の数を表し、mは、1以上60以下の数を表す)
本発明のインクは、下記一般式(1)で表される界面活性剤を含有する。
R1(CR2R3)nCH2CH2(OCH2CH2)mOH ・・・(1)
(前記一般式(1)中、R1は、フッ素原子又は水素原子を表し、R2及びR3は、それぞれ独立にフッ素原子又は水素原子を表し、R2及びR3の少なくともいずれかはフッ素原子である。nは、1以上30以下の数を表し、mは、1以上60以下の数を表す)
一般式(1)で表される界面活性剤は、グリフィン法により算出されるHLB値が11以下のフッ素系界面活性剤である。この界面活性剤のHLB値は、6以上11以下であることが好ましい。グリフィン法により算出されるHLB値は、「20×親水部の式量の総和/分子量」で定義される。本発明においては、一般式(1)中の「CH2CH2(OCH2CH2)mOH」の部分を「親水部」としてHLB値を算出する。
一般式(1)で表される、HLB値が11以下のフッ素系界面活性剤としては、以下商品名で、FS−3100、FS−30、FSO、FSN−100(以上、デュポン製);メガファックF−444(DIC製);DSN403N(ダイキン工業製)を挙げることができる。インク中の一般式(1)で表される界面活性剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上2.0質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明のインクには、一般式(1)で表される界面活性剤以外の界面活性剤(その他の界面活性剤)を含有させてもよい。その他の界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコール及びアセチレングリコールにエチレンオキシドを付加したノニオン性界面活性剤などを挙げることができる。インク中のその他の界面活性剤の含有量は、インク全質量を基準として、0.1質量%以下であることが好ましい。
(水及び水溶性有機溶剤)
本発明のインクは、水及び水溶性有機溶剤を含有する。水としては、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50質量%以上90質量%以下であることが好ましい。
本発明のインクは、水及び水溶性有機溶剤を含有する。水としては、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50質量%以上90質量%以下であることが好ましい。
本明細書における「水溶性有機溶剤」とは、「20℃の水への溶解度が500g/L以上である有機溶剤」を意味する。水溶性有機溶剤としては、一般的なインクに使用可能なものを用いることができる。水溶性有機溶剤としては、例えば、アルコール類、グリコール類、アルキレングリコール類、ポリエチレングリコール類、含窒素化合物類、含硫黄化合物類などを挙げることができる。これらの水溶性有機溶剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50質量%以下であることが好ましく、5質量%以上45質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明のインクは、下記[群A]より選択される少なくとも一種の水溶性有機溶剤を含有することが好ましい。また、[群A]に属する水溶性有機溶剤の合計含有量が、[群A]に属しない水溶性有機溶剤の合計含有量よりも多いことが好ましい。なお、インク中の[群A]に属する水溶性有機溶剤の合計含有量が、[群A]に属しない水溶性有機溶剤の合計含有量に対する質量比率で、4倍以上であることが好ましく、10倍以上であることがさらに好ましい。
[群A]:グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、重量平均分子量10,000以下のポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、及びジグリセロール
[群A]:グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、重量平均分子量10,000以下のポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、及びジグリセロール
インク中の[群A]に属する水溶性有機溶剤の合計含有量は、インク全質量を基準として、50質量%以下であることが好ましく、5質量%以上45質量%以下であることがさらに好ましく、10質量%以上40質量%以下であることが特に好ましい。
<インクカートリッジ>
本発明のインクカートリッジは、インクを収容するインク収容部を備える。そして、このインク収容部に、上記で説明した本発明のインクが収容されている。インクカートリッジの形態としては、(i)インク収容部内にインクを直接収容する形態;(ii)インク収容部に負圧を発生する部材や機構を収納し、これらの部材等によってインクを保持して収容する形態;などがある。(ii)の形態には、さらに、(ii−1)インク収容部全体に負圧を発生する部材や機構を収納した形態;(ii−2)インク収容部内を、インクを直接収容する室と、負圧を発生する部材等を収納する室とで区画した形態;などがある。
本発明のインクカートリッジは、インクを収容するインク収容部を備える。そして、このインク収容部に、上記で説明した本発明のインクが収容されている。インクカートリッジの形態としては、(i)インク収容部内にインクを直接収容する形態;(ii)インク収容部に負圧を発生する部材や機構を収納し、これらの部材等によってインクを保持して収容する形態;などがある。(ii)の形態には、さらに、(ii−1)インク収容部全体に負圧を発生する部材や機構を収納した形態;(ii−2)インク収容部内を、インクを直接収容する室と、負圧を発生する部材等を収納する室とで区画した形態;などがある。
(i)の形態では、記録ヘッドとインク収容部をチューブなどのインク供給部材によって連結し、水頭差又はポンプなどを利用して記録ヘッドにインクを供給する。また、(ii)の形態のインクカートリッジは、記録ヘッドの上部に着脱可能に接続され、負圧を発生する部材等によって発生させた負圧を利用してり記録ヘッドにインクを供給する。なお、記録ヘッドと一体化されたインクカートリッジについても、本発明のインクカートリッジの概念に包含される。
<画像記録方法>
本発明の画像記録方法は、上記で説明した本発明のインクを記録媒体に付与するインク付与工程を有する。また、本発明の画像記録方法は、さらに、記録媒体を搬送する搬送工程と、インクが付与された記録媒体を加熱する加熱工程と、を有することが好ましい。
本発明の画像記録方法は、上記で説明した本発明のインクを記録媒体に付与するインク付与工程を有する。また、本発明の画像記録方法は、さらに、記録媒体を搬送する搬送工程と、インクが付与された記録媒体を加熱する加熱工程と、を有することが好ましい。
図1は、本発明の画像記録方法に用いる画像記録装置の一例を示す模式図である。図1に示す画像記録装置においては、ロール状に巻かれた記録媒体を使用し、画像を記録した記録媒体を、再度ロール状に巻き取る形態が示されている。すなわち、図1に示す画像記録装置は、記録媒体供給手段1と、インク付与手段2と、加熱手段3と、記録媒体回収手段4と、を備える。記録媒体供給手段1は、ロール状に巻かれた記録媒体を保持して供給するためのユニットである。インク付与手段2は、記録媒体供給手段1から送出された記録媒体にインクを付与するためのユニットである。加熱手段3は、インクが付与された記録媒体を加熱するためのユニットである。そして、記録媒体回収手段4は、インクが付与されて画像が記録された記録媒体を巻き取るためのユニットである。記録媒体は、ローラー対やベルトなどの搬送部材を含む搬送手段により、図1中の実線で示した搬送経路に沿って搬送され、各ユニットにおいて処理される。なお、記録媒体回収手段4でロール状に巻き取された記録媒体を別の装置などに供給し、記録媒体を所望の大きさに切断したり、製本したりするなどの処理を行ってもよい。
搬送工程における記録媒体の搬送速度は、50m/分以上であることが好ましく、100m/分以上であることが好ましい。
搬送工程においては、記録媒体に張力を付与することが好ましい。すなわち、張力を生じさせる張力付与手段を画像記録装置に設けることが好ましい。具体的には、記録媒体供給手段1と記録媒体回収手段4との間の搬送機構に、記録媒体に張力を付与する張力付与部や、記録媒体の張力を調整する張力調整部などを設けることができる(図1)。記録媒体に張力を付与しておく(かけておく)と、インク中の水による記録媒体を構成する繊維の膨潤を抑制することができる。記録媒体を構成する繊維が膨潤すると、繊維間の空隙が増加するためにインクの浸透速度は上昇する。インクの浸透速度が上昇すると、インクが記録媒体の厚さ方向に深く浸透しやすくなるため、画像の光学濃度が不足する傾向にある。したがって、張力をかけた記録媒体にインクを付与することで、より光学濃度の高い画像を記録することができる。
好ましくは20N/m以上、さらに好ましくは30N/m以上、特に好ましくは40N/m以上100N/m以下の張力をかけた記録媒体にインクを付与する。記録媒体に付与する張力を20N/m以上とすることで、インク中の水による記録媒体を構成する繊維の膨潤をより効率的に抑制することができる。
(インク付与工程)
インク付与工程は、記録媒体にインクを付与する工程である。記録媒体にインクを付与する方式としては、インクジェット方式を採用することが好ましい。すなわち、本発明の画像記録方法は、インクジェット記録方法であることが好ましい。インクジェット方式としては、サーマルインクジェット方式であっても、ピエゾインクジェット方式であってもよい。サーマルインクジェット方式は、インクに熱エネルギーを付与して記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させる方式である。また、ピエゾインクジェット方式は、ピエゾ素子を用いて記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させる方式である。
インク付与工程は、記録媒体にインクを付与する工程である。記録媒体にインクを付与する方式としては、インクジェット方式を採用することが好ましい。すなわち、本発明の画像記録方法は、インクジェット記録方法であることが好ましい。インクジェット方式としては、サーマルインクジェット方式であっても、ピエゾインクジェット方式であってもよい。サーマルインクジェット方式は、インクに熱エネルギーを付与して記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させる方式である。また、ピエゾインクジェット方式は、ピエゾ素子を用いて記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させる方式である。
記録ヘッドは、シリアルタイプの記録ヘッドであっても、フルラインタイプの記録ヘッドであってもよい。シリアルタイプの記録ヘッドは、記録媒体の搬送方向と交差する方向に記録ヘッドを走査して画像を記録する記録ヘッドである。また、フルラインタイプの記録ヘッドは、複数のノズルが記録媒体の最大幅をカバーする範囲に配列された記録ヘッドである。より高速に画像を記録できることから、フルラインタイプのインクジェット記録ヘッドを使用することが好ましい。フルラインタイプのインクジェット記録ヘッドは、記録媒体の搬送方向に対して直行する方向にノズル列が配列されたものであることが好ましい。また、フルラインタイプのインクジェット記録ヘッドは、通常、インクの色ごとに複数設けられているとともに、それぞれの記録ヘッドが記録媒体の搬送方向に沿って順に平行に配列されていることが好ましい。
(加熱工程)
加熱工程は、インクが付与された記録媒体の表面温度が70℃以上となるように加熱する工程である。本発明における「インクが付与された記録媒体の表面温度」とは、インクが記録媒体に付与された時点を0秒とした場合に、0.5秒搬送された位置における記録媒体の表面温度を意味する。例えば、記録媒体の搬送速度を「V」m/分と仮定する。このように仮定した場合、記録媒体におけるインクの付与領域Xが、インクが付与された位置から搬送方向に沿って「(V×0.5)/60」m移動した位置における付与領域Xの表面温度を測定すればよい。なお、フルラインタイプのインクジェット記録ヘッドの場合における「インクが付与された位置」とは、記録ヘッドの直下の位置を意味する。実施例においては、非接触赤外温度計(商品名「デジタル放射温度センサーFT−H20」、キーエンス製)を使用し、表面から略垂直方向に10cm離れた位置から記録媒体の表面温度を測定した。
加熱工程は、インクが付与された記録媒体の表面温度が70℃以上となるように加熱する工程である。本発明における「インクが付与された記録媒体の表面温度」とは、インクが記録媒体に付与された時点を0秒とした場合に、0.5秒搬送された位置における記録媒体の表面温度を意味する。例えば、記録媒体の搬送速度を「V」m/分と仮定する。このように仮定した場合、記録媒体におけるインクの付与領域Xが、インクが付与された位置から搬送方向に沿って「(V×0.5)/60」m移動した位置における付与領域Xの表面温度を測定すればよい。なお、フルラインタイプのインクジェット記録ヘッドの場合における「インクが付与された位置」とは、記録ヘッドの直下の位置を意味する。実施例においては、非接触赤外温度計(商品名「デジタル放射温度センサーFT−H20」、キーエンス製)を使用し、表面から略垂直方向に10cm離れた位置から記録媒体の表面温度を測定した。
加熱工程においては、インクが付与された記録媒体の表面温度が80℃以上となるように加熱することが好ましい。また、記録媒体が熱によって変形することを防止する観点から、表面温度が140℃以下となるように加熱することが好ましい。記録媒体を加熱する方法としては、ヒーターを設けて記録媒体の表面側(インクが付与される側)から加熱する方法、裏面側から加熱する方法、及び両面を加熱する方法などを挙げることができる。
インクの付与前から付与後にかけて連続して記録媒体を加熱してもよい。インクの付与前は、記録媒体が加熱されていない、又は表面温度70℃未満に加熱されていることが好ましく、60℃以下に加熱されていることがさらに好ましく、40℃以下に加熱されていることが特に好ましい。
記録媒体を加熱する際には、例えば、加圧ローラーなどを使用して記録媒体を加圧してもよい。記録媒体を加圧することで、画像の定着性を向上させることができる。記録媒体を加圧する際には、加熱工程のすべての過程にわたって加圧しなくてもよく、加熱工程の一部の過程でのみ加圧してもよい。また、記録媒体を多段階で加圧してもよく、加熱工程の後にさらに加圧工程を有していてもよい。
(記録媒体)
記録媒体としては、従来、一般的に用いられている記録媒体をいずれも使用することができる。記録媒体としては、例えば、浸透性の記録媒体である普通紙や光沢紙;難浸透性の記録媒体である印刷用紙;非浸透性の記録媒体であるガラス、プラスチック、フィルムなどを挙げることができる。なかでも、水の吸収係数Kaが0.3mL・m-2・ms-1/2以上である浸透性の高い記録媒体を用いることが好ましい。
記録媒体としては、従来、一般的に用いられている記録媒体をいずれも使用することができる。記録媒体としては、例えば、浸透性の記録媒体である普通紙や光沢紙;難浸透性の記録媒体である印刷用紙;非浸透性の記録媒体であるガラス、プラスチック、フィルムなどを挙げることができる。なかでも、水の吸収係数Kaが0.3mL・m-2・ms-1/2以上である浸透性の高い記録媒体を用いることが好ましい。
記録媒体の水の吸収係数Kaを導出する方法としては、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.51の「紙及び板紙の液体吸収性試験方法」に記載されたブリストー法を用いる。ブリストー法については多くの市販図書に説明があるため、詳細な説明は省略するが、濡れ時間Tw及び粗さ指数Vr(mL/m2)により、吸収係数Ka(mL・m-2・ms-1/2)が定義される。図2は、記録媒体の水の吸収係数Kaを説明する吸収曲線の一例を示す図である。図2に示す吸収曲線は、液体が記録媒体に接触した後、濡れ時間Twを経て記録媒体の内部への浸透が始まるという浸透モデルに基づく。濡れ時間Tw後における直線の傾きが吸収係数Kaである。この吸収係数Kaは、記録媒体の内部への液体の浸透速度に対応する。濡れ時間Twは、図2に示すように、吸収係数Kaを算出するための最小二乗法による近似直線Aと、液体の転移量V及び粗さ指数Vrで表される「V=Vr」の直線Bとの交点ABを求め、この交点ABまでの時間として算出される。なお、記録媒体に浸透させる液体(水)の温度は25℃とする。すなわち、本発明における水の吸収係数Kaは、25℃の水の吸収係数Kaである。
記録媒体は、所望のサイズに予めカットされたものであってもよく、ロール状に巻かれた長尺であって、画像記録後に所望のサイズにカットされるものであってもよい。なかでも、張力を付与しやすいため、ロール状に巻かれた長尺の記録媒体を用いることが好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<顔料分散体の調製>
(顔料分散体A)
機械的撹拌装置を備えた500mLナスフラスコを超音波発生装置の槽内に入れた。このナスフラスコ内に、樹脂分散剤(スチレン−アクリル酸ランダム共重合体、酸価:80mgKOH/g)1g、及びテトラヒドロフラン120mLを入れ、超音波をかけながら撹拌した。別の容器に、カーボンブラック(商品名「FW18PS」、キャボット製)5g、及びテトラヒドロフラン120mLを入れ、顔料(カーボンブラック)表面が十分濡れるまで遊星式撹拌機(クラボウ製)を用いて混合した。得られた混合物を上記のナスフラスコ内に添加してよく混合した。樹脂分散剤の中和率が100%になる量の水酸化カリウム水溶液を滴下注入して転相させた後、60分間プレミキシングした。次いで、微粒化装置(商品名「ナノマイザNM2−L200AR」、吉田機械興業製)を使用し、2時間分散させて分散液を得た。ロータリエバポレータを用いて得られた分散液からテトラヒドロフランを留去して濃度調整し、顔料の含有量が6.0質量%であり、樹脂分散剤の含有量に対する顔料の含有量の質量比率(顔料の含有量/樹脂分散剤)が5.0倍である顔料分散体Aを得た。顔料分散体A中の樹脂分散顔料の表面アニオン性官能基量は、0.150mmol/gであった。
(顔料分散体A)
機械的撹拌装置を備えた500mLナスフラスコを超音波発生装置の槽内に入れた。このナスフラスコ内に、樹脂分散剤(スチレン−アクリル酸ランダム共重合体、酸価:80mgKOH/g)1g、及びテトラヒドロフラン120mLを入れ、超音波をかけながら撹拌した。別の容器に、カーボンブラック(商品名「FW18PS」、キャボット製)5g、及びテトラヒドロフラン120mLを入れ、顔料(カーボンブラック)表面が十分濡れるまで遊星式撹拌機(クラボウ製)を用いて混合した。得られた混合物を上記のナスフラスコ内に添加してよく混合した。樹脂分散剤の中和率が100%になる量の水酸化カリウム水溶液を滴下注入して転相させた後、60分間プレミキシングした。次いで、微粒化装置(商品名「ナノマイザNM2−L200AR」、吉田機械興業製)を使用し、2時間分散させて分散液を得た。ロータリエバポレータを用いて得られた分散液からテトラヒドロフランを留去して濃度調整し、顔料の含有量が6.0質量%であり、樹脂分散剤の含有量に対する顔料の含有量の質量比率(顔料の含有量/樹脂分散剤)が5.0倍である顔料分散体Aを得た。顔料分散体A中の樹脂分散顔料の表面アニオン性官能基量は、0.150mmol/gであった。
(顔料分散体B〜D)
樹脂分散剤の量を、それぞれ、1.5g、2.0g、及び2.5gとしたこと以外は、前述の顔料分散体Aの場合と同様にして、顔料分散体B〜Dを得た。顔料分散体B〜Dの、樹脂分散剤の含有量に対する顔料の含有量の質量比率(顔料の含有量/樹脂分散剤)は、それぞれ、3.3倍、2.0倍、及び1.0倍であった。また、顔料分散体B〜D中の樹脂分散顔料の表面アニオン性官能基量は、それぞれ、0.172mmol/g、0.181mmol/g、及び0.192mmol/gであった。
樹脂分散剤の量を、それぞれ、1.5g、2.0g、及び2.5gとしたこと以外は、前述の顔料分散体Aの場合と同様にして、顔料分散体B〜Dを得た。顔料分散体B〜Dの、樹脂分散剤の含有量に対する顔料の含有量の質量比率(顔料の含有量/樹脂分散剤)は、それぞれ、3.3倍、2.0倍、及び1.0倍であった。また、顔料分散体B〜D中の樹脂分散顔料の表面アニオン性官能基量は、それぞれ、0.172mmol/g、0.181mmol/g、及び0.192mmol/gであった。
<ポリウレタン樹脂粒子の合成>
(ポリウレタン樹脂粒子PU−E)
還流冷却管、窒素導入管、温度計、及び撹拌機を備えた4つ口フラスコを用意した。このフラスコに、イソホロンジイソシアネート(バイエル製)190g、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(三菱化学、数平均分子量1,000)500g、ジメチロールプロピオン酸(日本化成製)45g、及びアセトニトリル250gを入れた。窒素雰囲気下、反応液温度を75℃に調整し、反応触媒としてオクチル酸第一錫(APIコーポレーション製)微量を加え、反応率99%以上となるまで6時間反応させた。40℃まで冷却した後、トリエチルアミン37.5gを加えて十分に撹拌して中和した。水650gを添加して撹拌した後、減圧下、アセトニトリル及び水の一部を除去して、ウレタン樹脂粒子PU−Eを含有する固形分濃度30%の分散液を得た。ウレタン樹脂粒子PU−Eを構成するウレタン樹脂の重量平均分子量は10,000であった。
(ポリウレタン樹脂粒子PU−E)
還流冷却管、窒素導入管、温度計、及び撹拌機を備えた4つ口フラスコを用意した。このフラスコに、イソホロンジイソシアネート(バイエル製)190g、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(三菱化学、数平均分子量1,000)500g、ジメチロールプロピオン酸(日本化成製)45g、及びアセトニトリル250gを入れた。窒素雰囲気下、反応液温度を75℃に調整し、反応触媒としてオクチル酸第一錫(APIコーポレーション製)微量を加え、反応率99%以上となるまで6時間反応させた。40℃まで冷却した後、トリエチルアミン37.5gを加えて十分に撹拌して中和した。水650gを添加して撹拌した後、減圧下、アセトニトリル及び水の一部を除去して、ウレタン樹脂粒子PU−Eを含有する固形分濃度30%の分散液を得た。ウレタン樹脂粒子PU−Eを構成するウレタン樹脂の重量平均分子量は10,000であった。
(ポリウレタン樹脂粒子PU−F、PU−G)
ポリテトラメチレンエーテルグリコールの量を450g、ジメチロールプロピオン酸の量を45g、トリエチルアミンの量を42gに変更した。このこと以外は、前述のポリウレタン樹脂粒子PU−Eの場合と同様にして、ウレタン樹脂粒子PU−Fを含有する固形分濃度30%の分散液を得た。ウレタン樹脂粒子PU−Fを構成するウレタン樹脂の重量平均分子量は10,000であった。また、ポリテトラメチレンエーテルグリコールの量を310g、ジメチロールプロピオン酸の量を72g、トリエチルアミンの量を59.5gに変更した。このこと以外は、前述のポリウレタン樹脂粒子PU−Eの場合と同様にして、ウレタン樹脂粒子PU−Gを含有する固形分濃度30%の分散液を得た。ウレタン樹脂粒子PU−Gを構成するウレタン樹脂の重量平均分子量は10,000であった。
ポリテトラメチレンエーテルグリコールの量を450g、ジメチロールプロピオン酸の量を45g、トリエチルアミンの量を42gに変更した。このこと以外は、前述のポリウレタン樹脂粒子PU−Eの場合と同様にして、ウレタン樹脂粒子PU−Fを含有する固形分濃度30%の分散液を得た。ウレタン樹脂粒子PU−Fを構成するウレタン樹脂の重量平均分子量は10,000であった。また、ポリテトラメチレンエーテルグリコールの量を310g、ジメチロールプロピオン酸の量を72g、トリエチルアミンの量を59.5gに変更した。このこと以外は、前述のポリウレタン樹脂粒子PU−Eの場合と同様にして、ウレタン樹脂粒子PU−Gを含有する固形分濃度30%の分散液を得た。ウレタン樹脂粒子PU−Gを構成するウレタン樹脂の重量平均分子量は10,000であった。
<アクリル樹脂粒子の合成>
(アクリル樹脂粒子AC−H)
酸価78mgKOH/gのスチレン−アクリル酸ランダムコポリマー20gをナスフラスコに入れ、テトラヒドロフラン100gをさらに入れた。撹拌しながら0.1N KOH水溶液200gを加え、さらに1時間撹拌した。その後、テトラヒドロフラン及び水の一部を除去して、アクリル樹脂粒子AC−Hを含有する固形分濃度15%の分散液を得た。アクリル樹脂粒子AC−Hを構成するアクリル樹脂の重量平均分子量は14,000であった。
(アクリル樹脂粒子AC−H)
酸価78mgKOH/gのスチレン−アクリル酸ランダムコポリマー20gをナスフラスコに入れ、テトラヒドロフラン100gをさらに入れた。撹拌しながら0.1N KOH水溶液200gを加え、さらに1時間撹拌した。その後、テトラヒドロフラン及び水の一部を除去して、アクリル樹脂粒子AC−Hを含有する固形分濃度15%の分散液を得た。アクリル樹脂粒子AC−Hを構成するアクリル樹脂の重量平均分子量は14,000であった。
(アクリル樹脂粒子AC−I)
酸価170mgKOH/gのスチレン−アクリル酸ランダムコポリマーを用いるとともに、0.22N KOH水溶液を用いた。これらのこと以外は、前述のアクリル樹脂粒子AC−Hの場合と同様にして、アクリル樹脂粒子AC−H含有する固形分濃度15%の分散液を得た。アクリル樹脂粒子AC−Iを構成するアクリル樹脂の重量平均分子量は12,000であった。
酸価170mgKOH/gのスチレン−アクリル酸ランダムコポリマーを用いるとともに、0.22N KOH水溶液を用いた。これらのこと以外は、前述のアクリル樹脂粒子AC−Hの場合と同様にして、アクリル樹脂粒子AC−H含有する固形分濃度15%の分散液を得た。アクリル樹脂粒子AC−Iを構成するアクリル樹脂の重量平均分子量は12,000であった。
<インクの調製>
表2−1〜2−6に示す各成分(単位:質量%)を混合し、十分撹拌した後、ガラスフィルター(商品名「AP20」、MILLIPORE製)でろ過して各インクを調製した。表2−1〜2−6中、一般式(1)で表される界面活性剤を「一般式(1)」とし、一般式(1)で表されない界面活性剤を「一般式(1)以外」とした。また、表2−1〜2−6中、下記[群A]に属する水溶性有機溶剤を「群A」とし、下記[群A]に属しない水溶性有機溶剤を「群A以外」とした。
[群A]:グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、重量平均分子量10,000以下のポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、及びジグリセロール
表2−1〜2−6に示す各成分(単位:質量%)を混合し、十分撹拌した後、ガラスフィルター(商品名「AP20」、MILLIPORE製)でろ過して各インクを調製した。表2−1〜2−6中、一般式(1)で表される界面活性剤を「一般式(1)」とし、一般式(1)で表されない界面活性剤を「一般式(1)以外」とした。また、表2−1〜2−6中、下記[群A]に属する水溶性有機溶剤を「群A」とし、下記[群A]に属しない水溶性有機溶剤を「群A以外」とした。
[群A]:グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、重量平均分子量10,000以下のポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、及びジグリセロール
使用した樹脂粒子の種類(名称、製造元、及び表面アニオン性官能基量)を表1に示す。また、使用した界面活性剤の詳細を以下に示す。
(界面活性剤)
(1)一般式(1)で表される界面活性剤
(1−1)一般式(1)で表される、HLB値が11以下のフッ素系界面活性剤
・F−444:商品名「メガファックF−444」、DIC製、HLB値:8.5
・FS−3100:商品名「Capstone FS−3100」、デュポン製、HLB値:9.8
・FS−30:商品名「Capstone FS−30」、デュポン製、HLB値:11.0
(1−2)一般式(1)で表される、HLB値が11超のフッ素系界面活性剤
・S−243:商品名「サーフロンS−243」、AGCセイミケミカル製、HLB値:15.0
(1)一般式(1)で表される界面活性剤
(1−1)一般式(1)で表される、HLB値が11以下のフッ素系界面活性剤
・F−444:商品名「メガファックF−444」、DIC製、HLB値:8.5
・FS−3100:商品名「Capstone FS−3100」、デュポン製、HLB値:9.8
・FS−30:商品名「Capstone FS−30」、デュポン製、HLB値:11.0
(1−2)一般式(1)で表される、HLB値が11超のフッ素系界面活性剤
・S−243:商品名「サーフロンS−243」、AGCセイミケミカル製、HLB値:15.0
(2)一般式(1)で表されない界面活性剤
(2−1)一般式(1)で表されないフッ素系界面活性剤
・Ftergent250:商品名「フタージェント250」、ネオス製、HLB値:10.4
(2−2)フッ素系界面活性剤以外の界面活性剤
・AE100:アセチレングリコール系界面活性剤、商品名「アセチレノールE100」、川研ファインケミカル製、HLB値:16.3
(2−1)一般式(1)で表されないフッ素系界面活性剤
・Ftergent250:商品名「フタージェント250」、ネオス製、HLB値:10.4
(2−2)フッ素系界面活性剤以外の界面活性剤
・AE100:アセチレングリコール系界面活性剤、商品名「アセチレノールE100」、川研ファインケミカル製、HLB値:16.3
<評価>
以下に示す各評価を行った。以下に示す評価基準において、「AA」、「A」、及び「B」を好ましいレベルとし、「C」を許容できないレベルとした。結果を表3−1及び3−2に示す。
以下に示す各評価を行った。以下に示す評価基準において、「AA」、「A」、及び「B」を好ましいレベルとし、「C」を許容できないレベルとした。結果を表3−1及び3−2に示す。
(画像の記録)
図1に示す構成を有する、記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置を使用し、表3−1及び3−2に示す記録条件にしたがって、3cm×3cmのベタ画像(記録デューティー100%)を記録媒体に記録して画像サンプル1を得た。記録ヘッドとしては、ピエゾインクジェット方式の記録ヘッド(商品名「KJ4」、京セラ製、ノズル密度600dpi)を使用した。また、記録媒体としては、商品名「OKプリンス上質」(王子製紙製、坪量64g/m2)を使用した。さらに、幅3mmの線3本及び幅17mmの線1本(いずれも記録デューティー100%)を記録媒体(商品名「DL9084、三菱製紙製、坪量91g/m2)に平行に記録して画像サンプル2を得た。
図1に示す構成を有する、記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置を使用し、表3−1及び3−2に示す記録条件にしたがって、3cm×3cmのベタ画像(記録デューティー100%)を記録媒体に記録して画像サンプル1を得た。記録ヘッドとしては、ピエゾインクジェット方式の記録ヘッド(商品名「KJ4」、京セラ製、ノズル密度600dpi)を使用した。また、記録媒体としては、商品名「OKプリンス上質」(王子製紙製、坪量64g/m2)を使用した。さらに、幅3mmの線3本及び幅17mmの線1本(いずれも記録デューティー100%)を記録媒体(商品名「DL9084、三菱製紙製、坪量91g/m2)に平行に記録して画像サンプル2を得た。
記録条件は、温度25℃、相対湿度55%、インク吐出周波数39kHzとした。また、記録媒体の搬送速度は100m/sとし、1ドット当たりのインクの吐出体積は約13pLとした。なお、表3−1及び3−2中、「記録媒体にかける張力」が「−」となっているものは、搬送時にかかる張力以上の張力を張力付与手段によって記録媒体に付与する操作を行わなかったことを意味する。
上記のインクジェット記録装置では、解像度600dpi×600dpiで1/600インチ×1/600インチの単位領域に13ngのインク滴を1ドット付与する条件を「記録デューティー100%」であると定義する。インクを付与する際の記録媒体の表面温度は、非接触赤外温度計(商品名「デジタル放射温度センサーFT−H20」、キーエンス製)を使用し、記録媒体の表面に対して概垂直方向に10cmの位置から測定した。
(画像の光学濃度)
反射濃度計(商品名「RD19I」、グレタグマクベス製)を使用して画像サンプル1のベタ画像の光学濃度を測定し、以下に示す評価基準にしたがって画像の光学濃度を評価した。
AA:光学濃度が、1.5以上であった。
A:光学濃度が、1.4以上1.5未満であった。
B:光学濃度が、1.3以上1.4未満であった。
C:光学濃度が、1.3未満であった。
反射濃度計(商品名「RD19I」、グレタグマクベス製)を使用して画像サンプル1のベタ画像の光学濃度を測定し、以下に示す評価基準にしたがって画像の光学濃度を評価した。
AA:光学濃度が、1.5以上であった。
A:光学濃度が、1.4以上1.5未満であった。
B:光学濃度が、1.3以上1.4未満であった。
C:光学濃度が、1.3未満であった。
(画像の耐擦過性)
画像サンプル2を得てから3分以内に、画像サンプル2上に紙(商品名「OKトップコート+」、王子製紙製、坪量105g/m2)を重ねるとともに、その上に500gの錘を接地面積が12.6cm2となるように乗せた。そして、画像を記録した記録媒体と重ねた紙との相対速度が10cm/sの速さとなるように1回擦る耐擦過性試験を行った。その後、紙の12.6cm2の領域内(錘が乗っていた領域内)に付着したインクをスキャナ複合機(商品名「iR3245F」、キヤノン製、600dpi、グレイスケール、写真モード)で読み取った。そして、256階調の輝度の128より低い部分の面積が占める割合(インク付着面積割合)を算出し、以下に示す評価基準にしたがって画像の耐擦過性を評価した。
AA:インク付着面積割合が1%以下であった。
A:インク付着面積割合が1%より大きく3%以下であった。
B:インク付着面積割合が3%より大きく5%以下であった。
C:インク付着面積割合が5%より大きかった。
画像サンプル2を得てから3分以内に、画像サンプル2上に紙(商品名「OKトップコート+」、王子製紙製、坪量105g/m2)を重ねるとともに、その上に500gの錘を接地面積が12.6cm2となるように乗せた。そして、画像を記録した記録媒体と重ねた紙との相対速度が10cm/sの速さとなるように1回擦る耐擦過性試験を行った。その後、紙の12.6cm2の領域内(錘が乗っていた領域内)に付着したインクをスキャナ複合機(商品名「iR3245F」、キヤノン製、600dpi、グレイスケール、写真モード)で読み取った。そして、256階調の輝度の128より低い部分の面積が占める割合(インク付着面積割合)を算出し、以下に示す評価基準にしたがって画像の耐擦過性を評価した。
AA:インク付着面積割合が1%以下であった。
A:インク付着面積割合が1%より大きく3%以下であった。
B:インク付着面積割合が3%より大きく5%以下であった。
C:インク付着面積割合が5%より大きかった。
(インクの保存安定性)
E型粘度計を使用して調製したインクの粘度を測定した。測定後、温度60℃に設定した恒温槽内にインクを所定期間静置した。E型粘度計を使用してインクの粘度を測定し、以下に示す評価基準にしたがって保存安定性を評価した。
AA:恒温槽内に60日間静置後の粘度の変化割合が10%以下であった。
A:恒温槽内に30日間静置後の粘度の変化割合が10%以下であった。
B:恒温槽内に10日間静置後の粘度の変化割合が10%以下であった。
C:恒温槽内に10日間静置後の粘度の変化割合が10%超であった。
E型粘度計を使用して調製したインクの粘度を測定した。測定後、温度60℃に設定した恒温槽内にインクを所定期間静置した。E型粘度計を使用してインクの粘度を測定し、以下に示す評価基準にしたがって保存安定性を評価した。
AA:恒温槽内に60日間静置後の粘度の変化割合が10%以下であった。
A:恒温槽内に30日間静置後の粘度の変化割合が10%以下であった。
B:恒温槽内に10日間静置後の粘度の変化割合が10%以下であった。
C:恒温槽内に10日間静置後の粘度の変化割合が10%超であった。
Claims (15)
- 顔料及び前記顔料を分散させる樹脂分散剤を含む樹脂分散顔料と、樹脂粒子Aと、樹脂粒子Bと、界面活性剤と、水溶性有機溶剤と、水とを含有するインクであって、
前記樹脂粒子Aの表面アニオン性官能基量が、0.20mmol/g以下であり、
前記樹脂粒子Bの表面アニオン性官能基量が、0.21mmol/g以上0.60mmol/g以下であり、
前記樹脂粒子Bの含有量が、前記樹脂粒子Aの含有量に対して、1質量%以上20質量%以下であり、
前記界面活性剤が、下記一般式(1)で表される、グリフィン法により算出されるHLB値が11以下のフッ素系界面活性剤であることを特徴とするインク。
R1(CR2R3)nCH2CH2(OCH2CH2)mOH ・・・(1)
(前記一般式(1)中、R1は、フッ素原子又は水素原子を表し、R2及びR3は、それぞれ独立にフッ素原子又は水素原子を表し、R2及びR3の少なくともいずれかはフッ素原子である。nは、1以上30以下の数を表し、mは、1以上60以下の数を表す) - 前記顔料の含有量(質量%)が、前記樹脂分散剤の含有量(質量%)に対する質量比率で、3.3倍以上である請求項1に記載のインク。
- 前記水溶性有機溶剤が、下記[群A]より選択される少なくとも一種である請求項1又は2に記載のインク。
[群A]:グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、重量平均分子量10,000以下のポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、及びジグリセロール - 前記[群A]に属する水溶性有機溶剤の含有量(質量%)が、前記[群A]の属しない水溶性有機溶剤の含有量(質量%)に対する質量比率で、4倍超である請求項3に記載のインク。
- 前記樹脂粒子Aの含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、1.0質量%以上10.0質量%以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインク。
- 前記樹脂粒子Bの含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、0.1質量%以上0.4質量%以下である請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインク。
- 前記樹脂粒子Bの表面アニオン性官能基量が、0.24mmol/g以上0.40mmol/g以下である請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインク。
- 前記樹脂粒子Aの表面アニオン性官能基量と、前記樹脂粒子Bの表面アニオン性官能基量との差が、0.17mmol/g以上0.58mmol/g以下である請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインク。
- 前記界面活性剤の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、0.5質量%以上2.0質量%以下である請求項1乃至8のいずれか1項に記載のインク。
- 前記樹脂分散顔料の表面アニオン性官能基量が、0.18mmol/g以下である請求項1乃至9のいずれか1項に記載のインク。
- インクと、前記インクを収容するインク収容部と備えたインクカートリッジであって、
前記インクが、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクカートリッジ。 - 記録媒体にインクを付与するインク付与工程を有する画像記録方法であって、
前記インクが、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とする画像記録方法。 - さらに、前記インクが付与された前記記録媒体の表面温度が70℃以上となるように加熱する加熱工程を有する請求項12に記載の画像記録方法。
- 20N/m以上の張力をかけた前記記録媒体に前記インクを付与する請求項12又は13に記載の画像記録方法。
- さらに、前記記録媒体を50m/分以上の速度で搬送する搬送工程を有する請求項12乃至14のいずれか1項に記載の画像記録方法。
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