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JP2018177876A - インクセット、インクジェット捺染方法、インクカートリッジ、及びインクジェットプリンタ - Google Patents

インクセット、インクジェット捺染方法、インクカートリッジ、及びインクジェットプリンタ Download PDF

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JP2018177876A
JP2018177876A JP2017075457A JP2017075457A JP2018177876A JP 2018177876 A JP2018177876 A JP 2018177876A JP 2017075457 A JP2017075457 A JP 2017075457A JP 2017075457 A JP2017075457 A JP 2017075457A JP 2018177876 A JP2018177876 A JP 2018177876A
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dye
water
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inkjet
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JP2017075457A
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小林 博美
Hiromi Kobayashi
博美 小林
藤江 賀彦
Yoshihiko Fujie
賀彦 藤江
未奈子 原
Minako Hara
未奈子 原
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Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
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Abstract

【課題】様々な種類の布帛に対して鮮明性に優れた画像を形成でき、かつ風合いに優れた着色布を提供することができるインクセット、上記インクセットを用いたインクジェット捺染方法、上記インクセットを有するインクカートリッジ、及びインクジェットプリンタを提供すること。【解決手段】染料に由来する構造を有するポリマーの水分散体を含むインクジェットインクと、非水溶性染料の水分散体を含むインクジェットインクとを含むインクセット、上記インクセットを用いたインクジェット捺染方法、上記インクセットを有するインクカートリッジ、及びインクジェットプリンタ。【選択図】なし

Description

本発明は、インクセット、インクジェット捺染方法、インクカートリッジ、及びインクジェットプリンタに関する。
インクジェット捺染は、版を作製する必要がなく、手早く階調性に優れた画像を形成でき、更に、形成画像として必要な量のインクのみを使用するため、廃液が少ないなどの環境的な利点を有する優れた捺染方法であると言える。
たとえば、特許文献1には、非水溶性染料を含む水性分散液を含有するインクを用いたインクジェット捺染方法が記載されている。
また、特許文献2及び3には染料が連結したポリマーを含有するインクジェットインクが記載されている。
特開2015−91907号公報 特表2004−534106号公報 特表2002−509957号公報
しかしながら、特許文献1に記載された非水溶性染料を含むインクを用いたインクジェット捺染は、主にポリエステル布帛の着色にしか対応していないし、樹脂を用いるため、着色布(着色した布帛)の風合いについても改善の余地がある。
また、特許文献2及び3には、捺染については具体的な開示はなく、上記問題点についても一切記載されていない。
本発明の課題は、様々な種類の布帛に対して鮮明性に優れた画像を形成でき、かつ風合いに優れた着色布を提供することができるインクセット、上記インクセットを用いたインクジェット捺染方法、上記インクセットを有するインクカートリッジ、及びインクジェットプリンタを提供することにある。
本発明の課題は、以下の手段によって達成された。本発明のインクセットにより、上記課題が解決された理由の詳細は明らかになっていないが、染料に由来する構造を有するポリマーは様々な種類の布帛を着色できるものであり、非水溶性染料が染料に由来する構造を有するポリマーへ拡散していることが有効にはたらいていると考えられる。
<1>
染料に由来する構造を有するポリマーの水分散体を含むインクジェットインクと、非水溶性染料の水分散体を含むインクジェットインクとを含むインクセット。
<2>
インクジェット捺染用である<1>に記載のインクセット。
<3>
上記非水溶性染料が、
C.I.Disperse Yellow 3,7,8,23,39,51,54,60,71,86、
C.I.Solvent Yellow 2,14,16,21,33,43,44,56,82,85,93,98,114,131,135,157,160,163,167,176,179,185,189、
C.I.Disperse Red 11,50,53,55,55:1,59,60,65,70,75,93,146,158,190,190:1,207,239,240、
C.I.Solvent Red 8,23,24,25,49,52,109,111,119,122,124,135,146,149,150,168,169,172,179,195,196,197,207,222,227,312,313、
C.I.Disperse Blue 3,5,19,26,26:1,35,55,56,58,64,64:1,72,72:1,79,81,81:1,91,95,108,131,141,145,359,360、
C.I.Solvent Blue 3,4,5,35,36,38,45,59,63,67,68,70,78,83,97,101,102,104,105,111,122、
C.I.Disperse Orange 1,1:1,5,7,20,23,25,25:1,33,56,76、
C.I.Solvent Orange 3,14,54,60,62,63,67,86,107、
C.I.Disperse Violet 8,11,17,23,26,27,28,29,36,57、
C.I.Solvent Violet 8,9,11,13,14,26,28,31,36,59、
C.I.Solvent Green 3,5,7,28、
C.I.Disperse Brown 2,4、
C.I.Solvent Brown 53、
C.I.Solvent Black 3,5,7,27,29,34
から選ばれる少なくとも1種である<1>又は<2>に記載のインクセット。
<4>
上記染料に由来する構造が、アゾ化合物、スチルベン、トリアリールメタン、キサンテン、インドアニリン、インドフェノール、ニグロシン、アントラキノン、キノフタロン、ジシアノスチリル化合物、及びフタロシアニンから選択されるいずれかの染料に由来する構造を含む、<1>〜<3>のいずれか1項に記載のインクセット。
<5>
上記染料に由来する構造を有するポリマーの水分散体を含むインクジェットインクが、マゼンタインク、イエローインク、シアンインク、及びブラックインクのいずれか少なくとも1種であり、
上記非水溶性染料の水分散体を含むインクジェットインクが、マゼンタインク、イエローインク、シアンインク、及びブラックインクのいずれか少なくとも1種である、<1>〜<4>のいずれか1項に記載のインクセット。
<6>
<1>〜<5>のいずれか1項に記載のインクセットを用い、インクジェット方式で布帛に直接印捺する工程を有するインクジェット捺染方法。
<7>
凝集剤を含む水性前処理液を布帛に付与して、前処理された布帛を得る前処理工程、及び、<1>〜<5>のいずれか1項に記載のインクセットを用い、インクジェット方式で上記前処理された布帛に印捺する工程を有するインクジェット捺染方法。
<8>
更に、熱処理工程を含む、<6>又は<7>に記載のインクジェット捺染方法。
<9>
<1>〜<5>のいずれか1項に記載のインクセットを有するインクカートリッジ。
<10>
<1>〜<5>のいずれか1項に記載のインクセットを有するインクジェットプリンタ。
本発明によれば、様々な種類の布帛に対して鮮明性に優れた画像を形成でき、かつ風合いに優れた着色布を提供することができるインクセット、上記インクセットを用いたインクジェット捺染方法、上記インクセットを有するインクカートリッジ、及びインクジェットプリンタを提供することができる。
[染料に由来する構造を有するポリマーの水分散体を含むインクジェットインク]
染料に由来する構造を有するポリマーの水分散体を含むインクジェットインクを「インクジェットインク(P)」とも呼ぶ。以下、インクジェットインク(P)について説明する。
(染料に由来する構造を有するポリマー)
インクジェットインク(P)は、染料に由来する構造を有するポリマーの水分散体を含む。
本発明に用いられる、染料に由来する構造を有するポリマー(以下、「染料ポリマー」とも呼ぶ。)において、染料に由来する構造とは、染料として用いられる有機化合物から任意の水素原子を1個以上取り除いてなる基(染料残基)であり、好ましくは染料として用いられる有機化合物から任意の水素原子を1個又は2個取り除いてなる基である。
染料ポリマーは、染料に由来する構造を含む色素多量体であり、線状のポリマーであっても良いし、網目状のポリマーであっても良い。線状のポリマーである場合は、染料に由来する構造はポリマーの主鎖に有していても良いし、側鎖に有していても良い。
染料ポリマーは、染料に由来する構造を含む繰り返し単位を有するポリマーであることが好ましい。
染料ポリマーを得るための方法は任意であるが、染料に由来する構造を含む単量体を重合、または共重合させて染料ポリマーを得る方法、又は、予め染料に由来する構造を有さないポリマーを用意した後に、高分子反応などにより染料に由来する構造を導入して染料ポリマーとする方法が挙げられる。染料ポリマー又は染料に由来する構造を有さないポリマーの製造方法は、特に制限されないが、ラジカル重合、付加重合又は縮重合で合成したものが好ましく用いられる。
染料に由来する構造としては、カラーインデックス(略称は「C.I.」)で分類されているような染料に由来する構造、又はその構造に本発明の効果を奏する範囲内で任意の置換基を置換させた構造、若しくはその構造から本発明の効果を奏する範囲内で任意の置換基を取り除いた構造であることが好ましい。
染料に由来する構造としては、例えば、アゾ化合物(モノアゾ化合物、ジスアゾ化合物、トリスアゾ化合物、ポリアゾ化合物)、スチルベン、カロテノイド、ジアリールメタン、トリアリールメタン、キサンテン、アクリジン、キノリン、メチン(モノメチン、ポリメチン)、アゾメチン、アニリン、インドアニリン、インダミン、インドフェノール、アジン、オキサジン、チアジン、アントラキノン、インジゴ、キノフタロン、二グロシン、ポルフィリン、シアニン、及びフタロシアニンから選択されるいずれかの染料に由来する構造を含むものが挙げられる。
染料に由来する構造は、アゾ化合物、スチルベン、ジアリールメタン、トリアリールメタン、キサンテン、アクリジン、キノリン、ポリメチン、モノメチン、アゾメチン、インドアニリン、インドフェノール、ニグロシン、オキサジン、チアジン、アントラキノン、インジゴ、キノフタロン、ポルフィリン、ジシアノスチリル化合物、シアニン及びフタロシアニンから選択されるいずれかの染料に由来する構造を含むことが好ましく、着色力の観点から、アゾ化合物、スチルベン、トリアリールメタン、キサンテン、インドアニリン、インドフェノール、ニグロシン、アントラキノン、キノフタロン、ジシアノスチリル化合物、及びフタロシアニンから選択されるいずれかの染料に由来する構造を含むことがより好ましい。
染料としては、水に溶解する染料であってもよいし、水に不溶な染料であってもよいが、染料ポリマーの耐水性及び耐洗濯性の観点から、水に不溶な染料であることが好ましい。また、カルボキシル基、スルホ基、リン酸基、及びこれらの塩、アンモニウム基などのイオン性基を有さない染料であることが好ましい。このような染料としては、特に限定されないが、例えば分散染料など水に不溶な染料を用いてもよいし、水に可溶な染料からイオン性基を除いたものを用いてもよい。
染料ポリマーとしては、主鎖又は側鎖に染料に由来する構造を含むポリマーが好ましく用いられる。主鎖又は側鎖に染料に由来する構造を含むポリマーにおける主鎖を構成するポリマーとしては特に限定されないが、アクリルポリマー、ウレタンポリマー、又はスチレンポリマーが好ましく用いられ、特に、アクリルポリマー、ウレタンポリマーが好ましい。
本発明におけるアクリルポリマーとは、(メタ)アクリル酸に由来する繰り返し単位及び(メタ)アクリル酸エステルに由来する繰り返し単位からなる群のうち、少なくとも1種の繰り返し単位を有するポリマーである。本明細書において、「(メタ)アクリル酸」はアクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも一方を表し、「(メタ)アクリル酸エステル」はアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの少なくとも一方を表す。また、本発明におけるウレタンポリマーとは、ウレタン結合を主鎖に有するポリマーのことであり、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物の反応により形成される。ポリウレタンという場合もある。また、本発明におけるスチレンポリマーとは、スチレンに由来する繰り返し単位を有するポリマーのことをいう。
(染料ポリマーの分子量)
染料ポリマーの重量平均分子量(Mw)は3,000〜2,000,000が好ましく、3,000〜1,000,000がより好ましく、3,000〜200,000が特に好ましい。染料ポリマーの重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
(染料ポリマーの構造)
染料ポリマーは、必須の構造として、染料に由来する構造を有していればよいが、水への分散性の観点から疎水基(電気的に中性の非極性基で水と親和性が低い基)、及びイオン性基(電気的にイオン性の極性基で、水との親和性が高い基)の少なくとも1種を含む繰り返し単位を導入することがより好ましい。染料ポリマーの分子構造は、直鎖又は分岐したものいずれでもよく、ランダム、交互、周期、ブロックのいずれの構造でもよく、幹と枝の構造がデザインされたグラフトポリマーであってもよい。
(染料ポリマーの水分散体)
染料ポリマーの水分散体(染料ポリマー水分散体)は、少なくとも、水、及び染料ポリマーを含んでおり、好ましくは水性有機溶剤を含有する。また、染料ポリマーの水分散体の製造方法によっては、低分子型界面活性剤又は高分子型分散剤を併用する場合と、併用しない場合(いわゆる自己分散)のいずれの形態であってもよい。
染料ポリマーは1種のみを用いることもできるし、2種以上を任意の割合で混合して用いることもできる。
本発明では、上述の染料ポリマーを、水に溶解した状態ではなく、水に分散した状態(水分散体)として用いる。
染料ポリマーが水に分散した状態では、水に溶解した状態とは異なり、実質的に水に溶けないポリマーになっているので、耐洗濯性、耐汗性などの耐水性の面で優れる。本発明のインクジェット捺染方法では、印捺後に、水で洗い流す工程が不要であるため、染料ポリマーは実質的に水に溶けないポリマーである。染料ポリマーの水分散体において、水に溶けない染料ポリマーは粒子として分散しており、その平均粒子径が50〜500nmであることが好ましい。染料ポリマーが水に溶けている場合には染料ポリマーは水中で粒子として存在しない。染料ポリマーが水分散体となるためには、染料ポリマー中にスルホ基を有さないことが好ましい。
水としては超純水を用いることが好ましい。
染料ポリマーは、水分散時において、染料ポリマー自体の性質として、又は併用する低分子型界面活性剤若しくは高分子型分散剤との吸着により、水となじみやすく(濡れやすく)、静電反発(斥力)又は立体反発により染料ポリマーの微粒子の再凝集を防止し、沈降生成の抑制の機能を有する。
染料ポリマーは水分散体中で粒子状になっている。染料ポリマーの水分散体における粒子状の染料ポリマーの平均粒子径は50〜500nmであることが好ましく、50〜300nmであることがより好ましく、50〜200nmであることが特に好ましい。この範囲内であると、インクジェット法により布帛に印捺することができる。
本明細書における平均粒子径は、粒度分布測定装置(ナノトラックUPA EX150、日機装株式会社製、商品名)を用いて測定した値を用いた。
染料ポリマー水分散体中の染料ポリマーの含有量は、好ましくは0.1〜40質量%であり、より好ましくは1〜30質量%であり、特に好ましくは3〜25質量%である。この範囲であるとインクジェットインクとしての貯蔵安定性を確保しつつ、印刷において高濃度の着色布を得ることができる。
染料ポリマー水分散体中の水の含有量は、好ましくは50〜95質量%であり、より好ましくは55〜90質量%であり、特に好ましくは60〜90質量%である。この範囲であると、水分散体の安定性と、インクジェットインクとしての吐出安定性を付与することができるため好ましい。なお、水分散体の安定性とは沈降などが起こりにくいことを示す。
(水性有機溶剤)
水性有機溶剤としては、25℃における水溶解度として10g/100g−HO以上であるものが好ましく、20g/100g−HO以上であるものがより好ましく、水と任意の割合で混和するものが特に好ましい。水性有機溶剤としては、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、ニトリル系溶剤が挙げられる。
染料ポリマー水分散体中の水性有機溶剤の含有量は、好ましくは5〜50質量%であり、より好ましくは5〜40質量%であり、特に好ましくは、10〜30質量%である。この範囲であると、水分散体の安定性と、インクジェットインクとしての吐出安定性を付与することができるため好ましい。
(低分子界面活性剤又は高分子型分散剤)
低分子界面活性剤又は高分子型分散剤としては、好ましくは、疎水基とイオン性基を有する低分子界面活性剤又は高分子型分散剤であり、染料ポリマーを分散させる際に添加されることで、低分子界面活性剤又は高分子型分散剤が染料ポリマー表面に吸着し水となじませ(濡れさせる)、機械的作用により摩砕させた染料ポリマー微粒子を静電反発(斥力)又は立体反発により微粒子の再凝集を防止し、沈降生成の抑制の機能を有する。
低分子界面活性剤の含有量は、染料ポリマー水分散体の全質量に対して、0.001質量%〜5.0質量%の範囲であることが好ましく、かかる範囲で水分散体の表面張力を任意に調整することが好ましい。
高分子型分散剤の含有量は、染料ポリマー水分散体の全質量に対して、0.001質量%〜50質量%の範囲であることが好ましく、かかる範囲で水分散体の表面張力を任意に調整することが好ましい。
染料ポリマーの水分散体の製造方法は、
(i)染料ポリマーの粉体又はペースト、及び必要に応じて低分子型界面活性剤又は高分子型分散剤を、水又は水性有機溶剤中で混合した後に、ガラスビーズ、ジルコニアビーズ、チタニアビーズ、又はステンレス球などとともにアトライター又はミル機で微分散する方法、
(ii)有機溶媒中で染料ポリマーを合成した後、水、場合により界面活性剤又は溶媒を添加し、水以外の溶媒を除去して染料ポリマーの水分散体を得る方法、などがあり、これらを好適に用いることができる。
(その他の成分)
インクジェットインク(P)は、上記した以外のその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、たとえば、上記染料ポリマー以外の着色剤、架橋剤、有機溶媒、界面活性剤、pH調整剤、蛍光増白剤、表面張力調整剤、消泡剤、乾燥防止剤、潤滑剤、増粘剤、紫外線吸収剤、退色防止剤、帯電防止剤、マット剤、酸化防止剤、比抵抗調整剤、防錆剤、無機顔料、還元防止剤、防腐剤、防黴剤、及びキレート剤等が挙げられる。
(架橋剤)
着色布の耐摩擦性又は洗濯堅牢度を向上させる目的で、インクジェットインク(P)は架橋剤を含有してもよい。架橋剤としては、ブロックイソシアネート架橋剤(例えば、メイカネートCX、同TP−10、同DM−35HC、SU−268Aなど、いずれも明成工業株式会社製、商品名)や、多官能エポキシ架橋剤(例えば、デナコールEX−313、同314、同322、411など、いずれもナガセケムテクス株式会社製、商品名)が挙げられる。
インクジェットインク(P)は、少なくとも、染料ポリマーの水分散体を含むものであり、すなわち、インクジェットインク(P)は、水を含む液体中に染料ポリマーが分散した分散液である。なお、インクジェットインク(P)中で染料ポリマーは粒子状になっており、粒子状の染料ポリマーの好ましい平均粒子径は前述したものと同様である。
インクジェットインク(P)中の染料ポリマーの含有量は、0.1〜20質量%であることが好ましく、1〜15質量%であることがより好ましく、3〜12質量%であることが更に好ましい。
インクジェットインク(P)中の水の含有量は、40〜90質量%であることが好ましく、50〜85質量%であることがより好ましく、50〜80質量%であることが更に好ましい。
インクジェットインク(P)の調製方法は特に限定されないが、たとえば、染料ポリマーの水分散体と、必要に応じて水又はその他の成分とを混合することで調製することができる。
[非水溶性染料の水分散体を含むインクジェットインク]
非水溶性染料の水分散体を含むインクジェットインクを「インクジェットインク(Q)」とも呼ぶ。インクジェットインク(Q)について説明する。
(非水溶性染料の水分散体)
インクジェットインク(Q)は、非水溶性染料の水分散体を含む。
非水溶性染料とは、水に溶けない(水不溶性)染料である。ここで、水不溶性とは、25℃における水への溶解度が、1g/リットル以下、好ましくは500mg/リットル以下、より好ましくは100mg/リットル以下であることを意味する。
非水溶性染料は、分散染料又は油溶性染料であることが好ましい。
非水溶性染料の水分散体(「非水溶性染料水分散体」とも呼ぶ。)について説明する。
本発明における非水溶性染料水分散体の非水溶性染料は、
C.I.Disperse Yellow 3,7,8,23,39,51,54,60,71,86、
C.I.Solvent Yellow 2,14,16,21,33,43,44,56,82,85,93,98,114,131,135,157,160,163,167,176,179,185,189、
C.I.Disperse Red 11,50,53,55,55:1,59,60,65,70,75,93,146,158,190,190:1,207,239,240、
C.I.Solvent Red 8,23,24,25,49,52,109,111,119,122,124,135,146,149,150,168,169,172,179,195,196,197,207,222,227,312,313、
C.I.Disperse Blue 3,5,19,26,26:1,35,55,56,58,64,64:1,72,72:1,79,81,81:1,91,95,108,131,141,145,359,360、
C.I.Solvent Blue 3,4,5,35,36,38,45,59,63,67,68,70,78,83,97,101,102,104,105,111,122、
C.I.Disperse Orange 1,1:1,5,7,20,23,25,25:1,33,56,76、
C.I.Solvent Orange 3,14,54,60,62,63,67,86,107、
C.I.Disperse Violet 8,11,17,23,26,27,28,29,36,57、
C.I.Solvent Violet 8,9,11,13,14,26,28,31,36,59、
C.I.Solvent Green 3,5,7,28、
C.I.Disperse Brown 2,4、
C.I.Solvent Brown 53、
C.I.Solvent Black 3,5,7,27,29,34
から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明における非水溶性染料水分散体では、非水溶性染料が水中に分散して存在している。
非水溶性染料は、分散時において、好ましくは分散剤との吸着により、水となじみやすく(濡れやすく)、静電反発(斥力)又は立体反発により非水溶性染料の微粒子の再凝集を防止し、沈降生成の抑制の機能を有する。
非水溶性染料を分散させる方法としては公知の方法を用いることができる。
分散している非水溶性染料は粒子状であることが好ましい。分散している非水溶性染料は、平均粒子径200nm以下の粒子状であることが好ましく、20〜200nmの粒子状であることがより好ましく、40〜150nmの粒子状であることが更に好ましい。分散している非水溶性染料の平均粒子径が200nm以下であると、インクジェット法により布帛に印捺することが容易となる。
非水溶性染料の平均粒子径は、粒度分布測定装置(ナノトラックUPA EX150、日機装株式会社製、商品名)を用いて測定した値を用いた。
本発明における非水溶性染料水分散体中の非水溶性染料の含有量は、1.0〜30質量%が好ましく、3.0〜15質量%がより好ましい。非水溶性染料の含有量が1.0質量%以上であれば、印字濃度が高くなり好ましく、30質量%以下であれば、インクの粘度増加又は粘度特性に構造粘性が生じにくく、インクジェットヘッドからのインクの吐出安定性に優れるため好ましい。
非水溶性染料は、1種のみを用いることもできるし、2種以上を任意の割合で混合して用いることもできる。
本発明における非水溶性染料水分散体中の水の含有量は、40〜90質量%であることが好ましく、50〜80質量%であることがより好ましい。
(分散剤)
非水溶性染料水分散体は、分散剤を含むことが好ましい。
分散剤を用いることで、非水溶性染料の分散安定性に優れ、インクジェットインク(Q)の保存安定性、長期にわたる吐出安定性等を高めることができる。
分散剤としては、特に限定はなく、低分子型分散剤であっても、高分子型分散剤であってもよい。
低分子型分散剤としては、特に限定されないが、アニオン系分散剤、ノニオン系分散剤が挙げられる。
アニオン系分散剤としては、特に限定されないが、例えば、芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物、β−ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、及び、クレオソート油スルホン酸のホルマリン縮合物が挙げられる。
芳香族スルホン酸としては、特に限定されないが、例えば、クレオソート油スルホン酸、クレゾールスルホン酸、フェノールスルホン酸、β−ナフトールスルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸等のアルキルナフタレンスルホン酸、β−ナフタレンスルホン酸とβ−ナフトールスルホン酸との混合物、クレゾールスルホン酸と2−ナフトール−6−スルホン酸との混合物、リグニンスルホン酸等が挙げられる。
ノニオン系分散剤としては、特に限定されないが、例えば、フィトステロールのエチレンオキサイド付加物、コレスタノールのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
高分子型分散剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリアクリル酸部分アルキルエステル、ポリアルキレンポリアミン、ポリアクリル酸塩、スチレン−アクリル酸共重合物、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合物等が挙げられる。
非水溶性染料水分散体は分散剤を含有する場合は、非水溶性染料水分散体中の分散剤の含有量は、0.1〜10質量%が好ましく、0.2〜5質量%がより好ましい。
また、非水溶性染料水分散体としては、特開2015−91907号公報に記載された水不溶性色材(特に、分散染料又は油溶性染料)を含む水性分散液を用いることもできる。
非水溶性染料水分散体の調製方法は特に限定されない。例えば、非水溶性染料及び水、並びに必要に応じて分散剤を混合し、ガラスビーズ、ジルコニアビーズ、チタニアビーズ、又はステンレス球とともにアトライター又はミル機で微分散して、ガラスビーズ、ジルコニアビーズ、チタニアビーズ、又はステンレス球を取り除き、非水溶性染料水分散体を得る方法が挙げられる。
(樹脂)
インクジェットインク(Q)は、インク中に分散した状態の樹脂を含むことができる。
なお、上記樹脂は、分散剤として用い得る高分子型分散剤とは異なる成分である。
インクジェットインク(Q)が樹脂及び高分子型分散剤を含む場合、樹脂は、インクジェットインク(Q)中で単独で分散して存在するが、高分子型分散剤は、インクジェットインク(Q)中で非水溶性染料との混合物で分散して存在する。
インクジェットインク(Q)が樹脂を含む場合、樹脂が布帛上で膜を形成し、この膜に非水溶性染料が拡散することで着色画像を形成することができるが、この際、布帛と樹脂との密着性をより強固にして、画像の堅牢性を向上させるために、架橋剤を用いることができる。したがって、樹脂が、架橋剤の架橋性基と反応できる基としてカルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、アミド基等を有することが好ましい。
樹脂としては、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、又は塩化ビニル樹脂であることが好ましく、単独で使用しても混合で使用してもよい。
樹脂は公知の方法で合成してもよいし、市販品を用いてもよい。
染色物の良好な風合いを保つ理由から、樹脂のTg(ガラス転移温度)は150℃以下であることが好ましく、120℃以下であることがより好ましく、100℃未満であることが更に好ましい。また、樹脂の分子量は、15万以下であることが好ましく、10万以下であることがより好ましく、7万以下であることが更に好ましい。分子量が15万以下であれば、長期的に吐出安定性を確保することが出来る。
インクジェットインク(Q)では、樹脂が分散して存在していることが好ましい。
樹脂は、分散時において、樹脂自体の性質として、又は分散剤を併用することにより、水となじみやすく(濡れやすく)、静電反発(斥力)又は立体反発により樹脂の微粒子の再凝集を防止し、沈降生成の抑制の機能を有する。
樹脂を分散させる方法としては公知の方法を用いることができる。
分散している樹脂は粒子状であることが好ましい。分散している樹脂は、平均粒子径200nm以下の粒子状であることが好ましく、20〜200nmの粒子状であることがより好ましく、40〜150nmの粒子状であることが更に好ましい。分散している樹脂の平均粒子径が200nm以下であると、インクジェット法により布帛に印捺することが容易となる。
樹脂の平均粒子径は、粒度分布測定装置(ナノトラックUPA EX150、日機装株式会社製、商品名)を用いて測定することができる。
インクジェットインク(Q)が樹脂を含む場合、インクジェットインク(Q)中の樹脂の含有量は、非水溶性染料を樹脂中に均一に拡散、溶解させ、かつ染色物の風合いを損なわない理由から、1〜20質量%が好ましく、2〜15質量%がより好ましく、3〜10質量%が更に好ましい。
インクジェットインク(Q)中、非水溶性染料を樹脂中に均一に拡散、溶解させ、高い発色性を実現するという理由から、非水溶性染料の含有量に対する樹脂の含有量の比(樹脂の含有量/非水溶性染料の含有量)が質量基準で1/1〜5/1であることが好ましく、1/1〜4/1であることがより好ましく、1/1〜3/1であることが更に好ましい。
(その他の成分)
インクジェットインク(Q)は、高分子微粒子を含んでいてもよい。高分子微粒子としては、特開2012−7148号公報に記載された高分子微粒子を用いることができる。高分子微粒子は、架橋性ポリウレタンおよび/または架橋性ポリウレタン−ポリウレアが好ましく用いられる。
インクジェットインク(Q)は、1,2−アルキレングリコール、グリコールエーテル、又は水性有機溶剤を含んでいてもよい。1,2−アルキレングリコール、グリコールエーテルについての好ましい形態は、特開2012−7148号公報に記載された形態である。水性有機溶剤としては前述したものの他、特開2012−7148号公報に記載された水溶性有機溶媒も好ましく用いることができる。
インクジェットインク(Q)は、上記した以外のその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、たとえば、上記非水溶性染料以外の着色剤、架橋剤、有機溶媒、界面活性剤、浸透抑制剤、pH調整剤、蛍光増白剤、表面張力調整剤、消泡剤、乾燥防止剤、潤滑剤、増粘剤、紫外線吸収剤、退色防止剤、帯電防止剤、マット剤、酸化防止剤、比抵抗調整剤、防錆剤、無機顔料、還元防止剤、防腐剤、防黴剤、及びキレート剤等が挙げられる。
インクジェットインク(Q)が含んでもよい架橋剤としては、前述のインクジェットインク(P)が含んでもよい架橋剤として記載したものと同様である。
インクジェットインク(Q)は、少なくとも、非水溶性染料の水分散体を含むものであり、すなわち、インクジェットインク(Q)は、水を含む液体中に非水溶性染料が分散した分散液である。
インクジェットインク(Q)中の非水溶性染料の含有量は、1.0〜30質量%であることが好ましく、3.0〜15質量%であることがより好ましい。
インクジェットインク(Q)中の水の含有量は、40〜90質量%であることが好ましく、50〜80質量%であることがより好ましい。
インクジェットインク(Q)の調製方法は特に限定されないが、たとえば、非水溶性染料の水分散体と、必要に応じて水又はその他の成分とを混合することで調製することができる。
[インクセット]
本発明のインクセットは、インクジェットインク(P)及びインクジェットインク(Q)を含む。
本発明のインクセットは、インクジェットインク(P)を2種以上含んでいても良く、インクジェットインク(Q)を2種以上含んでいても良い。すなわち、本発明のインクセットは、少なくとも1種のインクジェットインク(P)と、少なくとも1種のインクジェットインク(Q)を含むものであれば良い。
また、本発明のインクセットは、少なくとも2色の着色インクを含むことが好ましく、例えば、マゼンタインク、イエローインク、シアンインク、及びブラックインクから選ばれる少なくとも2種の着色インクを含むことが好ましい。
より具体的な態様としては下記(1)に示すものが挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
(1)インクジェットインク(P)が、マゼンタインク、イエローインク、シアンインク、及びブラックインクのいずれか少なくとも1種であり、インクジェットインク(Q)が、マゼンタインク、イエローインク、シアンインク、及びブラックインクのいずれか少なくとも1種である。
本発明のインクセットは、インクジェット捺染用であることが好ましい。
[インクジェット捺染方法]
本発明のインクジェット捺染方法は、本発明のインクセットを用い、インクジェット方式で布帛に印捺する工程を有するインクジェット捺染方法であるが、好ましい態様として下記2つの態様がある。
第1態様:本発明のインクセットを用い、インクジェット方式で布帛に直接印捺する工程を有するインクジェット捺染方法。
第2態様:凝集剤を含む水性前処理液を布帛に付与して、前処理された布帛を得る前処理工程、及び、本発明のインクセットを用い、インクジェット方式で前処理された布帛に印捺する工程を有するインクジェット捺染方法。
なお、本発明において、インクジェット方式で布帛に「直接印捺する」とは、転写工程が不要であり、インクジェットインクが直接布帛に印捺されること、及び、前処理工程が不要でインクジェットインクが直接布帛に印捺されることの両方を指す。
本発明のインクジェット捺染方法は、廃水及び転写紙などの廃材を出さず、簡便な作業性で、着色布の品質(風合い)、画像鮮明性及び湿摩擦堅牢度に優れるという効果を奏する。
(前処理工程)
上記第2態様における前処理工程は、凝集剤を含む水性前処理液を布帛に付与して、前処理された布帛を得る工程である。水性前処理液を布帛に付与する方法としては、特に限定されるものではないが、コーティング法、パディング法、インクジェット法、スプレー法、スクリーン印刷法などが挙げられる。
水性前処理液に含まれる凝集剤としては、染料ポリマーを凝集させる作用を有するものであれば、特に限定されないが、有機酸、多価金属塩、及びカチオン性化合物から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明のインクジェット捺染方法は、更に、加熱工程を加えることにより、布帛の繊維に対して染料ポリマーが融着することで、繊維とより一体化し、風合いを損ねることなく、耐摩擦性などを更に付与できるという利点がある。
(熱処理工程)
本発明のインクジェット捺染方法は、更に、熱処理工程を含むことが好ましい。特に、布帛に印捺した後に、熱処理工程を行うことで、染料ポリマー粒子を溶融(もしくは軟化)させ、繊維との密着性を高めることができる(すなわち、熱処理することにより、溶融染着させることができる)。着色布は乾燥後、上記溶融染着させることを目的として熱処理を行うことが好ましく、通常100〜250℃で行うことが好ましく、より好ましくは100℃〜200℃であり、特に好ましくは120℃〜200℃である。熱処理時間としては、30秒〜3分間の熱処理を行うことが好ましい。また、染料ポリマーに反応性基(例えばブロックイソシアネート基)を導入した場合、又は添加剤として架橋剤(例えばブロックイソシアネート架橋剤又は多官能エポキシ架橋剤)を併用した場合は、この熱処理工程において、染料ポリマーに導入した反応性基(例えばブロックイソシアネート基)、又は添加剤として併用した架橋剤(例えばブロックイソシアネート架橋剤又は多官能エポキシ架橋剤)を用いて、架橋反応させることが耐摩擦性の観点で好ましい。
(後処理)
本発明のインクジェット捺染方法により着色した布帛(着色布)は、風合いの柔軟性及び堅牢性(耐摩擦性)に優れるが、必要に応じて、着色布に後処理剤を全面にパディング処理することで、風合いの柔軟性及び堅牢性(特に耐摩擦性)が、更に向上した着色布を得ることができる。
(布帛)
本発明のインクジェット捺染方法を適用し得る布帛としては、以下のものがある。生地布帛(繊維種)としては、ナイロン、ポリエステル、アクリロニトリル等の合成繊維、アセテート、レーヨン等の半合成繊維、綿、絹、毛等の天然繊維、及びこれらの混合繊維、織物、編み物、不織布等が挙げられる。
布帛としては、前処理した布帛を用いることもできる。前処理液は、コーティング法、パディング法、インクジェット法、スプレー法、スクリーン印刷法などにより、付与できる。前処理液は、色素ポリマーを凝集させる凝集剤を含み、水溶液であることが好ましい。凝集剤としては、例えば、有機酸、多価金属塩、及びカチオン性化合物などが挙げられる。
衣料品としては、Tシャツ、トレーナー、ジャージ、パンツ、スウェットスーツ、ワンピース、ブラウスなどが挙げられる。また、寝具、ハンカチ、クッションカバー、カーテンなどにも好適である。
[インクカートリッジ、及びインクジェットプリンタ]
本発明は、本発明のインクセットを有するインクカートリッジ、及び本発明のインクセットを有するインクジェットプリンタにも関する。
〔染料ポリマー(R−2−1)の合成〕
染料ポリマー(R−2−1)は以下のスキームにより合成した。下記繰り返し単位の比率の単位は質量%である。Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表する。
Figure 2018177876
100mL三ツ口フラスコにプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセタート(PGMEA)10mLを加え、内温を85℃に昇温した。上記PGMEAに、重合性モノマーであるRDW R−13(和光純薬製、商品名)9.0g、重合性モノマーである2−エチルヘキシルメタクリリレート(EHMA)1.0g、V−601(和光純薬製、商品名)0.057g、及び1−ドデカンチオール0.20gを13.24gのPGMEAに溶解させた溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、85℃で1時間反応させて反応液Aを得た。その後、反応液Aに、V−601(0.057g)を添加し、さらに85℃で2時間反応させ、反応液Bを得た。反応液Bを室温(20℃)まで放冷し、水300mL/メタノール200mLに注ぎ入れ、結晶を析出させ、ろ過により結晶をろ別した後に、ろ別した結晶を60℃の送風乾燥機で1日間乾燥させ、染料ポリマー(R−2−1)の赤色粉末を得た。染料ポリマー(R−2−1)の収量は8.0gであった。染料ポリマー(R−2−1)のテトラヒドロフラン(THF)希薄溶液での紫外可視吸収スペクトルの吸収極大波長は562nmであった。また、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定での重量平均分子量(Mw)は8,900(ポリスチレン換算)であり、分散度(Mw/Mn)は1.7であった。Mnは数平均分子量を表す。GPCはHLC−8220GPC(東ソー(株)製)を用いた。
〔染料ポリマー(B−4−3)の合成〕
染料ポリマー(B−4−3)は以下のスキームにより合成した。下記繰り返し単位の比率の単位は質量%である。
Figure 2018177876
(中間体(BM−1)の合成)
C.I.アシッドブルー1(東京化成製)67.65gをクロロホルム1.2L中で撹拌し、内温を0℃に冷却する。ここへ内温を0℃に保ったまま、塩化オキサリル69.5mLを滴下し、次いでDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)6mLを滴下し、その後、室温で24時間反応させた後に、35〜40℃で2時間反応させ、反応液Cを得た。反応液Cをロータリーエバポレータを用いて濃縮した後に、アセトニトリル400mLを加え、2−アミノエチルメタクリレート塩酸塩29.8gを加えた後、内温を10℃に冷却した。ここへトリエチルアミン58.2mLをゆっくりと滴下し、その後室温で2時間反応させ、反応液Dを得た。反応液Dを水1200mLに注ぎ入れ、析出した結晶をろ別した。得られた結晶をメタノールで加熱撹拌洗浄し、中間体(BM−1)の粉末を得た(収量65.6g)。
100mL三ツ口フラスコに、中間体(BM−1)3.0g、2−エチルヘキシルメタクリレート2.0g、1−ドデカンチオール0.237g、N−メチルピロリドン(NMP)27.8gを加え、内温を85℃に昇温した。V−601(和光純薬製、商品名)0.3gずつを2時間ごとに4回加えた。反応終了後、反応液を室温まで放冷し、水500mLに注ぎ入れ、結晶を析出させ、ろ過により結晶をろ別した後に、60℃の送風乾燥機で1日間乾燥させ、染料ポリマー(B−4−3)の青黄色粉末を得た。染料ポリマー(B−4−3)の収量は4.2gであった。染料ポリマー(B−4−3)のテトラヒドロフラン(THF)希薄溶液での紫外可視吸収スペクトルの吸収極大波長は610nmであった。また、染料ポリマー(B−4−3)のGPC測定での重量平均分子量(Mw)は9,100(ポリスチレン換算)であり、分散度(Mw/Mn)は2.3であった。GPCはHLC−8220GPC(東ソー(株)製)を用いた。
(染料ポリマー(Br−1)の合成)
特表2002−509957号公報の実施例1にしたがって、染料ポリマーであるポリウレタン化合物(Br−1)を合成した。
Figure 2018177876
(染料ポリマー(B−5)の合成)
特表2002−509957号公報の実施例11にしたがって、染料ポリマーであるポリウレタン化合物(B−5)を合成した。
Figure 2018177876
〔染料ポリマー水分散体(1)の作成〕
染料ポリマー(R−2−1)0.4g、ジルコニアビーズ(ニッカトー製、商品名YTZボール、直径0.1μm)10g、オレイン酸ナトリウム10質量%水溶液0.8g、グリセリン0.5g、及び超純水4.2gを加え、遊星型微粒粉砕機(フリッチュ製Pulverlsette7)を用いて、回転数400rpm(revolution per minute)で、10時間分散させた。得られた分散液から、ろ布を用いてジルコニアビーズを除き、染料ポリマー水分散体(1)を得た。染料ポリマー水分散体(1)における粒子状の染料ポリマーの平均粒子径は98nmであった。
〔染料ポリマー水分散体(2)の作成〕
染料ポリマー(R−2−1)に代えて染料ポリマー(B−4−3)を用いた以外は、染料ポリマー水分散体(1)の作成と同様にして、染料ポリマー水分散体(2)を作成した。染料ポリマー水分散体(2)における粒子状の染料ポリマーの平均粒子径は81nmであった。
〔染料ポリマー水分散体(3)の作成〕
染料ポリマー(Br−1)2.0g、ジルコニアビーズ(ニッカトー製、商品名YTZボール、直径0.1μm)20g、及び超純水8.0gを加え、遊星型微粒粉砕機(フリッチュ製Pulverlsette7)を用いて、回転数400rpm(revolution per minute)で、5時間分散させた。得られた分散液から、ろ布を用いてジルコニアビーズを除き、染料ポリマー水分散体(3)を得た。染料ポリマー水分散体(3)における粒子状の染料ポリマーの平均粒子径は130nmであった。
〔染料ポリマー水分散体(4)の作成〕
染料ポリマー(Br−1)に代えて染料ポリマー(B−5)を用いた以外は、染料ポリマー水分散体(3)の作成同様にして、染料ポリマー水分散体(4)を作成した。染料ポリマー水分散体(4)中の粒子状の染料ポリマーの平均粒子径は150nmであった。
〔インクジェットインク(Pm)の作成〕
以下の成分を、室温で混合し、15分間撹拌したのちに、メンブランフィルター(平均孔径0.8μm)でろ過して、インクジェットインク(Pm)を作成した。インクジェットインク(Pm)はマゼンタインクである。
染料ポリマー水分散体(1) 3.0g
トリメチロールプロパン 0.056g
超純水 0.913g
1,2−ヘキサンジオール 0.112g
グリセリン 0.560g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 0.112g
2−ピロリドン 0.168g
プロピレングリコール 0.028g
サーフィノール465(日信化学工業製、商品名) 0.056g
〔インクジェットインク(Pc)の作成〕
染料ポリマー水分散体(1)に代えて、染料ポリマー水分散体(2)を用いた以外は、インクジェットインク(Pm)の作成と同様にして、インクジェットインク(Pc)を作成した。インクジェットインク(Pc)はシアンインクである。
〔インクジェットインク(Pb)の作成〕
染料ポリマー水分散体(1)3.0gに代えて、染料ポリマー水分散体(3)1.5g及び染料ポリマー水分散体(4)1.5gを用いた以外は、インクジェットインク(Pm)の作成と同様にして、インクジェットインク(Pb)を作成した。インクジェットインク(Pb)はブラックインクである。
〔インクジェットインク(Qm)の作成〕
(非水溶性染料水分散体1の調製)
非水溶性染料であるC.I.Disperse Red 60(10質量部)、デモールNL(花王株式会社製)(6質量部)、水(84質量部)、及び直径0.1mmのジルコニアビーズを混合し、遊星型微粒子粉砕機(フリッチュ社製Pulverlsette7)を用いて、回転数400rpm(revolution per minute)で、10時間分散させて分散液を得た。得られた分散液からろ布を用いてジルコニアビーズを取り除き、非水溶性染料水分散体1を得た。非水溶性染料水分散体1中の非水溶性染料の平均粒子径は90nmであった。
なお、デモールNLは分散剤である。
上記で得られた非水溶性染料水分散体1(30質量部)、グリセリン(10質量部)、プロピレングリコール(20質量部)、BYK−348(ビックケミー・ジャパン社製)(0.4質量部)、ポリエステル樹脂バイロナールMD−1480(「MD1480」とも記載する)(東洋紡株式会社製, 固形分30質量%(固形分以外は水)、体積平均粒子径(Mv):110nm)(30質量部)、及び水(9.6質量部)を混合し、メンブレンフィルター(孔径:0.8μm)でろ過し、インクジェットインク(Qm)を調製した。
なお、グリセリン及びプロピレングリコールは水性有機溶剤であり、BYK−348は界面活性剤である。
インクジェットインク(Qm)はマゼンタインクである。
〔インクジェットインク(Qc)の作成〕
非水溶性染料として、C.I.Disperse Red 60に代えて、C.I.Disperse Blue 359を用いた以外は、インクジェットインク(Qm)の作成と同様にして、インクジェットインク(Qc)を作成した。インク中の非水溶性染料の平均粒子径は115nmであった。インクジェットインク(Qc)はシアンインクである。
〔インクジェットインク(Qy)の作成〕
非水溶性染料として、C.I.Disperse Blue 359に代えて、C.I.Disperse Yellow 54を用いた以外は、インクジェットインク(Qc)の作成と同様にして、インクジェットインク(Qy)を作成した。インク中の非水溶性染料の平均粒子径は103nmであった。インクジェットインク(Qy)はイエローインクである。
〔インクジェットインク(Qb)の作成〕
非水溶性染料として、C.I.Disperse Red 60(15質量部)に代えて、C.I.Disperse Brown 4(7.5質量部)及びC.I.Disperse Blue 79(7.5質量部)を用いた以外は、インクジェットインク(Qm)の作成と同様にして、インクジェットインク(Qb)を作成した。インク中の非水溶性染料の平均粒子径は122nmであった。インクジェットインク(Qb)はブラックインクである。
〔インクジェット捺染用インクセットの作成〕
下記表1に示すインクジェットインクの組み合わせで、インクジェット捺染用インクセット1〜6を作成した。
(実施例1)
インクジェット捺染用インクセット1を、インクカートリッジに装填し、インクジェットプリンタ(セイコーエプソン株式会社製カラリオPX−045A、商品名)を用いて、ポリエステル布帛(ポリエステルトロピカル(帝人株式会社製)、株式会社色染社製、商品コードA02−01019)、コットン布帛(綿ブロードシル付、株式会社色染社製、商品コードA02−01002)、及びポリエステル65%コットン35%混紡(混紡ポリエステル65/綿35ブロード、株式会社色染社製、商品コードA02−01030)にそれぞれ画像を印捺し、室温で12時間乾燥させた。乾燥後、ヒートプレス(アサヒ繊維機械株式会社製、商品名:卓上自動平プレス機AF−54TEN型)を用いて、温度200℃、圧力0.20N/cm、時間60秒間、熱処理を行い、着色布を得た。
(実施例2〜5)
インクジェット捺染用インクセット1に代えて、インクジェット捺染用インクセット2〜5を用いた以外は、実施例1と同様にインクジェット捺染を行い、着色布を得た。
(比較例1)
インクジェット捺染用インクセット1に代えて、インクジェット捺染用インクセット6を用いた以外は、実施例1と同様にインクジェット捺染を行い、着色布を得た。
(実施例6)
〔凝集剤を含む水性前処理液A(1)の調製〕
以下の成分を混合し、攪拌することにより、水性前処理液A(1)を調製した。
カチオマスターPD−7(含凝集剤;四日市合成製、固形分50質量%)
50g
BYK348(ビックケミー・ジャパン製) 5g
グリセリン 100g
水 845g
〔前処理工程〕
ポリエステル布帛(ポリエステルトロピカル(帝人株式会社製)、株式会社色染社製、商品コードA02−01019)、コットン布帛(綿ブロードシル付、株式会社色染社製、商品コードA02−01002)、及びポリエステル65%コットン35%混紡(混紡ポリエステル65/綿35ブロード、株式会社色染社製、商品コードA02−01030)にそれぞれ、上記調製した水性前処理液A(1)を、パディング法により付与し、絞り率70%で絞って24時間乾燥させた。なお、絞り率(%)は、水性処理液A(1)を含んだ布帛を絞った後の、布帛に対する水性処理液A(1)の残存量(質量比率)を表す。
〔インクジェット捺染工程〕
布帛として前処理された布帛を用いた以外は、実施例1のインクセット1を用いて実施例1と同様にインクジェット捺染を行い、着色布を得た。
(比較例2)
布帛として上記前処理された布帛を用いた以外は、比較例1のインクセット6を用いて比較例1と同様にインクジェット捺染を行い、着色布を得た。
実施例1〜6、比較例1及び2で得られた着色布について、以下の評価を行った。
なお風合いの評価では、3種類布帛のうち、コットン布帛を使用した。
・画像鮮明性:目視による官能評価を行った。3種類の布帛とも鮮明な場合をA、2種類で鮮明な場合をB、1種類のみ鮮明な場合をC、鮮明な画像なしをDの4段階で評価した。結果を下記表1に記載した。
・風合い:染色前の未処理布と、染色後の着色布とを手で触り、着色布の風合いを官能評価した。着色布の風合いが未処理布に近い優れたものを10点、それ以外を0点とし、この評価を10人で行い、その総点の数値を下記表1に記載した。数値が大きい方が未処理布(100(点))に近い優れた風合いであることを示す。
Figure 2018177876
上記結果から明らかなように、本発明の実施例のインクジェット捺染用インクセットにより、生地汎用性(各種生地で鮮明な画像を与える性能)を有し、かつ良好な風合いを有する着色布を与えることがわかる。また、本発明の実施例によるインクジェット捺染方法は前処理工程が不要で、かつ廃水、廃材が出ないため環境負荷に優れ、作業性に問題がない。

Claims (10)

  1. 染料に由来する構造を有するポリマーの水分散体を含むインクジェットインクと、非水溶性染料の水分散体を含むインクジェットインクとを含むインクセット。
  2. インクジェット捺染用である請求項1に記載のインクセット。
  3. 前記非水溶性染料が、
    C.I.Disperse Yellow 3,7,8,23,39,51,54,60,71,86、
    C.I.Solvent Yellow 2,14,16,21,33,43,44,56,82,85,93,98,114,131,135,157,160,163,167,176,179,185,189、
    C.I.Disperse Red 11,50,53,55,55:1,59,60,65,70,75,93,146,158,190,190:1,207,239,240、
    C.I.Solvent Red 8,23,24,25,49,52,109,111,119,122,124,135,146,149,150,168,169,172,179,195,196,197,207,222,227,312,313、
    C.I.Disperse Blue 3,5,19,26,26:1,35,55,56,58,64,64:1,72,72:1,79,81,81:1,91,95,108,131,141,145,359,360、
    C.I.Solvent Blue 3,4,5,35,36,38,45,59,63,67,68,70,78,83,97,101,102,104,105,111,122、
    C.I.Disperse Orange 1,1:1,5,7,20,23,25,25:1,33,56,76、
    C.I.Solvent Orange 3,14,54,60,62,63,67,86,107、
    C.I.Disperse Violet 8,11,17,23,26,27,28,29,36,57、
    C.I.Solvent Violet 8,9,11,13,14,26,28,31,36,59、
    C.I.Solvent Green 3,5,7,28、
    C.I.Disperse Brown 2,4、
    C.I.Solvent Brown 53、
    C.I.Solvent Black 3,5,7,27,29,34
    から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載のインクセット。
  4. 前記染料に由来する構造が、アゾ化合物、スチルベン、トリアリールメタン、キサンテン、インドアニリン、インドフェノール、ニグロシン、アントラキノン、キノフタロン、ジシアノスチリル化合物、及びフタロシアニンから選択されるいずれかの染料に由来する構造を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクセット。
  5. 前記染料に由来する構造を有するポリマーの水分散体を含むインクジェットインクが、マゼンタインク、イエローインク、シアンインク、及びブラックインクのいずれか少なくとも1種であり、
    前記非水溶性染料の水分散体を含むインクジェットインクが、マゼンタインク、イエローインク、シアンインク、及びブラックインクのいずれか少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクセット。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクセットを用い、インクジェット方式で布帛に直接印捺する工程を有するインクジェット捺染方法。
  7. 凝集剤を含む水性前処理液を布帛に付与して、前処理された布帛を得る前処理工程、及び、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクセットを用い、インクジェット方式で前記前処理された布帛に印捺する工程を有するインクジェット捺染方法。
  8. 更に、熱処理工程を含む、請求項6又は7に記載のインクジェット捺染方法。
  9. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクセットを有するインクカートリッジ。
  10. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクセットを有するインクジェットプリンタ。
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