JP2018176096A - 排泄物処理剤 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、クエン酸と、リン酸二水素ナトリウムと、ミョウバンと、リグニンとを含む、造粒物からなる、排泄物処理剤である。本発明の実施形態によれば、排泄物処理剤は、ウロストミーまたは導尿バッグに用いられることが特に好適である。また、本発明の実施形態によれば、排泄物処理剤の粒子径は、ウロストミーにおける排出口や、導尿バッグにおける排出口や開口部よりも小さいことが好ましく、より好ましくは10μm以上5mm以下であり、さらに好ましくは50μm以上2mm以下であり、よりさらに好ましくは100μm超1mm以下である。また、本発明の実施形態によれば、排泄物処理剤の粒子径分布測定における体積平均粒子径(D50)は、200〜800μmであることが好ましく、300〜700μmであることがより好ましく、400〜600μmであることがさらに好ましい。かような範囲であることによって、ウロストミーにおける排出口や、導尿バッグにおける排出口や開口部を通じて、ウロストミーパウチまたは導尿バッグに、排泄物処理剤をスムーズに導入することができる。ここで、本発明の排泄物処理剤を構成する成分を、造粒の形態ではなく、粉末の形態で導入すればよいのではないかとも考えられる。しかしながら、本発明の排泄物処理剤を構成する成分が粉末のままであると、導入時に、ウロストミーにおける排出口や、導尿バッグにおける排出口や開口部に付着してしまうという問題があることが判明した。これに対し、本発明の排泄物処理剤を構成する造粒物は、いわゆる、顆粒状であるため、ウロストミーにおける排出口や、導尿バッグにおける排出口や開口部を通じて容易に導入することができる。
本発明の排泄物処理剤は、クエン酸を含む。クエン酸は、示性式C(OH)(CH2COOH)2COOHで、柑橘類などに含まれる有機化合物で、ヒドロキシ酸のひとつである。クエン酸は、人体に接触しても薬傷を生じさせる可能性が極めて低いため、使用者の患部等近傍に配置された状態で使用される処理剤として適している。本発明の排泄物処理剤において、クエン酸は、pHを下げてアンモニアを除去し、またはアンモニアの発生を抑制することができる。特に、病気の影響で、膀胱からの排出直後から、pHが高く、高濃度のアンモニアを発生させている高臭気小便に対して、クエン酸や、後述する本発明の排泄物処理剤を構成する成分は好適である。
本発明の排泄物処理剤は、リン酸二水素ナトリウムを含む。リン酸二水素ナトリウムは、ナトリウムイオン(Na+)と、リン酸水素イオン(H2PO4−)とからなり、化学式はNaH2PO4で表される。本発明の排泄物処理剤において、リン酸二水素ナトリウムは、クエン酸と相互作用することによって、本発明の造粒効果を示す。それと同時にアンモニアを除去し、またはアンモニアの発生を抑制することができる。
本発明は、クエン酸と、リン酸二水素ナトリウムと、ミョウバンと、リグニンとを含む、造粒物からなる、排泄物処理剤である。本発明の排泄物処理剤において、クエン酸と、リン酸二水素ナトリウムとが、排泄物処理剤を構成する他の成分を結着するためのバインダとして機能しているものと推測される。
本発明の排泄物処理剤は、ミョウバンを含む。ミョウバンは、R3R1(SO4)2・12H2Oの組成式で表されるAl、Feなどの3価の金属(R3)と、K、Naなどの1価の金属(R1)や、NH4 +の硫酸塩の総称であると好ましい(空気中の水分を吸収して、12水和物に近づく)。具体的には、AlK(SO4)2・12H2Oなどがよい。あるいは、粉末硫酸アルミニウム:Al2(SO4)3・14H2O(Al2O3=17%程度)であることも好ましい。特に、具体的には、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウムカリウム乾燥物(焼ミョウバン)、硫酸アルミニウムアンモニウムが好ましい。本発明の排泄物処理剤において、ミョウバンは、アンモニアおよびその他臭気物質の吸着との作用効果を発揮しているものと推測される。
本発明の排泄物処理剤は、リグニンを含む。リグニンは、高等植物の木化に関与する高分子のフェノール性化合物であり、木質素とも呼ばれる。本発明の排泄物処理剤において、リグニンは、アンモニアおよびその他臭気物質の吸着および分解の作用効果を発揮しているものと推測される。リグニンは、茶色であるため、排泄物処理用途に用いられることに対して一般的に忌避される傾向にある。これに対し、本発明では、リグニンが排泄物処理剤においてアンモニアおよびその他臭気物質の吸着および分解の作用効果を有することを見出し、必須の成分としている。
本発明の排泄物処理剤は、ベントナイトを含みうる。ベントナイトは、層状のフィロケイ酸アルミニウムを多く含み、高い粘性、粘着性、吸水性や吸着性などの性質を有する。本発明の排泄物処理剤において、ベントナイトは、アンモニア等の陽イオンを吸着し、アンモニアおよびその他臭気物質の発生を抑制し、吸着し、分解する。また、本発明者は、リグニンと、ベントナイトとを組み合わせることによって、アンモニアおよびその他臭気物質の発生を抑制し、吸着し、分解する効果をより発揮することを見出している。
本発明の排泄物処理剤の製造方法は、クエン酸と、リン酸二水素ナトリウムと、ミョウバンと、リグニンとを含む、造粒物を製造できる方法であれば、特に制限はなく、これらの成分を造粒することができればよい。本発明の好ましい実施形態である、排泄物処理剤の製造方法は、クエン酸と、リン酸二水素ナトリウムと、ミョウバンと、リグニンとを含む混合物にバインダとして実質的に水のみを接触させ、攪拌することを有して、含水塊状物を得る工程(含水塊状物を得る工程)と、前記含水塊状物を乾燥する、乾燥工程と、を有する。かかる実施形態であることによって、ウロストミーパウチまたは導尿バッグに、スムーズに導入することができる造粒物を作製できる。
本発明の実施形態の排泄物処理剤の製造方法は、含水塊状物を得る工程を有する。
本発明の実施形態の排泄物処理剤の製造方法は、乾燥工程を有する。本発明の実施形態の乾燥温度、乾燥時間等の乾燥条件も、含水塊状物が乾燥される条件であれば特に制限はない。
本発明の実施形態の排泄物処理剤の製造方法は、上記の乾燥工程にて得られた排泄物処理剤(乾燥物)を分級する、分級工程を有することが好ましい。分級工程としても特に制限はないが、一般的な篩を用いて、目的とする造粒物(本発明の実施形態の排泄物処理剤)が、好ましくは10μm以上5mm以下、より好ましくは50μm以上2mm以下、さらに好ましくは100μm超1mm以下となるように篩い分けできればよい。
続いて、排泄物処理剤の好ましい使用方法について説明を行う。図1は、ウロストミー用パウチの一例を示す概略斜視図である。図1に示されるように、ウロストミー用パウチ10は、パウチ11(通常、容量300〜750ml程度)と、瘻孔部に脱着可能なフランジ12と、排泄物が排出される排出口13と、排泄物が必要なときまで排出されないようにする封止部材14とを備える。市販のウロストミー用パウチにおける排出口13の径は、通常、内径8〜12mm程度、あるいは10mm程度である。なお、図1のウロストミー用パウチは、いわゆるツーピース装具であるが、本発明の処理剤は、ワンピース装具のウロストミー用パウチにも用いることができる。無論、他の形態のウロストミー用パウチにも適用できる。また、排出口13に、チューブ型の排泄口(図示せず)がさらに設けられてもよい。ここで、ウロストミー患者の排泄物(尿)は、コロストミー患者の排泄物(大便)とは異なり、絶えず瘻孔部から流出を続ける。つまり、ウロストミー用パウチの装着を外すと、瘻孔部から絶えず排泄物(尿)が流れ出てしまうので、患者は、なるべく(外出時は特に)ウロストミー用パウチの装着を外したくない。よって、患者が、ウロストミー用パウチを装着した状態では、排泄物処理剤を導入できる箇所は、径が小さな、排泄物が排出される排出口13に制限される。本発明の好ましい実施形態である排泄物処理剤であれば、小さな径の排出口からもスムーズに排泄物処理剤を導入することができる。なお、具体的な使用方法としては、患者は、ウロストミー用パウチ10を装着した状態で、ウロストミー用パウチ10の排出口13を一方の手で持ち、もう一方の手で、例えば携帯用の漏斗を排出口13に差込み、予め封を切っておいた、袋に封入されていた排泄物処理剤を漏斗から流し入れればよい。
(実施例1)
表1に示される、バインダ以外の各成分を、表1に示される組成となるように、セイシン企業製造粒混合機(ニューグラマシンSEG100)に投入した。始めに、回転数400rpmに設定し、バインダ(水)4gを1分間かけて添加した。その後、回転数1200rpmにして15分混合することによって、含水造粒物を得た。当該含水造粒物をバッドに開け、乾燥機にて100℃で1時間乾燥し、排泄物処理剤を得た。
組成を表1に示されるように変更し、回転(1200rpm)の時間を15分から10分に変更した以外は、実施例1と同様にして排泄物処理剤を作製した。
組成を表3に示されるように変更し、回転(1200rpm)の時間を15分から、比較例1は5分、比較例2は5分、比較例3は20分、比較例4は20分、比較例5は10分に変更した以外は、実施例1と同様にして排泄物処理剤を作製した。
回転数1200rpmを回転数900rpmに変更した以外は、比較例5と同様にして排泄物処理剤を作製した。
組成を表4に示されるように変更し、回転(1200rpm)の時間を15分から、比較例7は10分、比較例8は15分、比較例9は10分に変更する以外は、実施例1と同様にして排泄物処理剤を作製する。
(実施例3)
実施例1で作製した排泄物処理剤を篩にかけ、1mm目をパスし、100μm目をオンしたもの(粒子径分布測定における体積平均粒子径(D50):550μm)300gを準備した。それを6ヶ月間放置したが、崩壊はないことが確認されたので、当該排泄物処理剤300gを、漏斗を用いて図1に示されるウロストミーパウチのシリコンチューブからなる排出口13(先端の内径9mm、長さ5cm)から導入した。その後、シリコンチューブの排出口13の先端を上に傾けることによってウロストミーパウチへ排泄物処理剤を滑り入れた。結果、排泄物処理剤がシリコンチューブの壁面に付着したことは視認されず、スムーズにパウチ内に導入することができた。
実施例2で作製した排泄物処理剤(平均粒子径D50:500μm)を使用した以外は、実施例3と同様にして排泄物処理剤を滑り入れた。実施例4も、実施例3と同様にスムーズにパウチ内に導入することができた。
比較例1、2、4で作製した排泄物処理剤を篩にかけようとしたが、1mm目は通過せず、また排出口13の径よりも大きかったため、処理剤をパウチ内に導入することができなかった。
(比較例13)
男性40代の2ヵ月以上放置した小便検体Aを準備した。そのpHは、9.23であった。pHは、pHメータ(佐藤商事社製のPHレコーダーSDカード記録計 型番PH−SD)を用いて測定した。当該小便検体Aのうち100gをガセット形の閉鎖系のアルミ蒸着袋に入れた。その後、60分放置させた後、I字コネクターにシリコンチューブを入れた先から検知管(アンモニア用ガス検知管(北川式)(光明理化学工業(株)社製))を入れた。検知管を入れて1時間後のアンモニア濃度を測定したところ190ppmであった。
実施例1で作製した排泄物処理剤6gを入れ、小便検体Aのうち300gをアルミ蒸着袋に入れた以外は、比較例13と同様に、消臭試験を行った。結果、1時間後のアンモニア濃度は検出限界以下であり、24時間後のアンモニア濃度は検出限界以下であり、pHは、4.61であった。
排泄物処理剤6gを排泄物処理剤4gにした以外は、実施例5と同様に消臭試験を行った。結果、1時間後のアンモニア濃度は0.1ppmであり、24時間後のアンモニア濃度は0.1ppmであり、pHは、5.53であった。
排泄物処理剤6gを排泄物処理剤3gにした以外は、実施例5と同様に消臭試験を行った。結果、1時間後のアンモニア濃度は4.0ppmであり、24時間後のアンモニア濃度は15.0ppmであり、pHは、6.48であった。
排泄物処理剤を比較例1〜9の処理剤とする以外は、実施例5と同様に消臭試験を行う。
参考実験として、試験管の中に表5に示される組成の成分を入れ、水(0.3ml)を霧吹きでかけて、2週間放置した。放置後の試験管を下に傾け、成分が滑り落ちるかどうかの実験を行った。結果を表5に示す。
×:成分が試験管に付着せず、または殆ど付着せず、そのため成分が下に落ちた。
11 パウチ、
12 フランジ、
13 排出口、
14 封止部材、
20 導尿バッグ、
21 バッグ、
22 開口部、
23 チューブ、
24 排出口、
25 封鎖部材。
Claims (12)
- クエン酸と、
リン酸二水素ナトリウムと、
ミョウバンと、
リグニンと、
を含む、造粒物からなる、排泄物処理剤。 - ベントナイトをさらに含む、請求項1に記載の排泄物処理剤。
- 粒子径が、100μm超1mm以下である、請求項1または2に記載の排泄物処理剤。
- ウロストミーまたは導尿バッグに用いられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の排泄物処理剤。
- 前記クエン酸が、5〜90質量%含まれる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の排泄物処理剤。
- 前記リン酸二水素ナトリウムが、1〜10質量%含まれる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の排泄物処理剤。
- 前記ミョウバンが、1〜60質量%含まれる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の排泄物処理剤。
- 前記リグニンが、0.01〜30質量%含まれる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の排泄物処理剤。
- 前記ベントナイトが、1〜60質量%含まれる、請求項2〜8のいずれか1項に記載の排泄物処理剤。
- 前記リン酸二水素ナトリウム1質量部に対する、前記クエン酸の含有量が、1.5〜30質量部である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の排泄物処理剤。
- クエン酸と、リン酸二水素ナトリウムと、ミョウバンと、リグニンとの混合物にバインダとして実質的に水のみを接触させ、攪拌することを有して、含水塊状物を得る工程と、
前記含水塊状物を乾燥する、乾燥工程と、
を有する、排泄物処理剤の製造方法。 - 前記排泄物処理剤の粒子径が、100μm超1mm以下である、請求項11に記載の製造方法。
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