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JP2018176044A - 重合性単量体の微小乳化物の製造方法及び微小樹脂乳化物の製造方法 - Google Patents

重合性単量体の微小乳化物の製造方法及び微小樹脂乳化物の製造方法 Download PDF

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JP2018176044A JP2017077260A JP2017077260A JP2018176044A JP 2018176044 A JP2018176044 A JP 2018176044A JP 2017077260 A JP2017077260 A JP 2017077260A JP 2017077260 A JP2017077260 A JP 2017077260A JP 2018176044 A JP2018176044 A JP 2018176044A
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Abstract

【課題】超臨界水が油滴を溶解する特性を利用し、よりマイルドな条件でモノマーを水中に微細化、乳化し、粒子径が揃った状態の乳化物を得る「臨界点乳化法」を確立して、モノマーの微小乳化物の製造方法を提供すること、及び、このモノマーの臨界点乳化物を樹脂粒子化する「臨界点乳化重合法」を確立し、提供すること。【解決手段】1種以上の油溶性の重合性単量体を含む油滴が水に微細に乳化してなる重合性単量体の微小乳化物の製造方法であって、油滴原料である1種以上の油溶性の重合性単量体と、水とを、それぞれ連続的又は断続的に混合器内に流入させ、その後、高温高圧にして水の比誘電率を40以下に低下させて、油溶性の重合性単量体と水とを相溶させる相溶工程と、その後に冷却することで、重合性単量体の粒子径が20nm〜400nmの乳化物を得る冷却工程とを有する重合性単量体の微小乳化物の製造方法及び微小樹脂乳化物の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、重合性単量体のナノサイズの微小乳化物(以下、ナノ乳化物とも呼ぶ)の製造方法、及び、該製造方法で得られるナノ乳化物から、ナノサイズの微小樹脂粒子の乳化物を得る微小樹脂乳化物(以下、ナノ樹脂乳化物とも呼ぶ)の製造方法に関する。さらに詳しくは、超臨界水を得る際の、水を高温高圧の状態にする手法を利用し、中間体として有用な、微細で粒子径の揃った重合性単量体のナノ乳化物を得る製造方法、該ナノ乳化物に含有された重合性単量体(以下、モノマーとも呼ぶ)を重合させることで、微細で粒子径の揃ったナノ樹脂乳化物を得る製造方法を提供する技術に関する。なお、本発明では「重合性単量体(モノマー)の微小乳化物」と記載したが、微細に乳化された油滴の形態は、モノマーのみからなる油滴に限定されるものではなく、モノマーと、非重合性の油滴成分との複合油滴である場合を含む。
溶媒に不溶性の物質を、該溶媒中に微細な状態にして混合させたエマルション(乳化物)を得る方法としては、ホモミキサー等による機械的撹拌が一般的である。例えば、油(オイル)を溶媒である水に混合する場合、水と油成分と乳化剤との混合物を、機械的に撹拌することにより、大きな油滴を微細化し、乳化物を得ることが行われている。しかし、近年、より微細でより均一な状態で水中に油滴が分散した水中油(O/W)型エマルションが求められているのに対して、上記した従来の機械的な乳化方法で、エマルションの平均粒子径をナノサイズまで微細化するのは困難である。また、機械的な乳化方法によってナノサイズまで微細化を行った場合は、長時間の処理や膨大なエネルギーを必要とし、エマルションの平均粒子径をナノサイズまで工業的に微細化できる方法が要望されている。
これに対し、近年、下記の理由から、水の特性を利用した新しい技術の検討がなされている。水の場合、臨界点(臨界温度は374℃、臨界圧力は22.1Mpa(218気圧))の近くでは、僅かな圧力変化により密度が連続的に大きく変化する。例えば、溶媒として「ものを溶かす」能力(溶解力)は、水の密度と密接に相関することから、同じ温度であっても、ほんの少し圧力を変えるだけで、溶解力を急激に変化させることができる。原理的には、圧力と温度だけを操作因子として、様々な水の物性を幅広くコントロールすることが可能である。特に、気体と液体の中間である超臨界状態の水、「超臨界水」は、有機物を溶かすことができるため、工業的にも重要な、従来のその利用が問題となっている有機溶媒に代替する新しい溶媒としても期待されている。また、何より、水自体は、自然界に豊富に存在する無毒で安価な溶媒であり、今後、環境調和型技術への指向がより一層強まっていくことが予想されることから、上記に限らず、「超臨界水」を利用した技術は、極めて有用なものになり得る。このように、高温高圧という特殊な環境であるとはいえ、「水」でありながら、固体、液体、気体とは全く異なる性格を発現する「超臨界水」は十分魅力的であり、持続的社会を実現するための基盤技術の一つとして大いに期待される。
「超臨界水」を利用した技術としては、例えば、水の気/液臨界点近傍の高温・高圧条件下で得られる、水と水不溶性物質の均一溶液を利用した乳化物の製造方法が提案されている(特許文献1)。この技術は、一般的なホモミキサー等による機械的撹拌を必要としない乳化技術で、極限下での水の特性を利用した従来にない新しい乳化技術であり、その利用が期待されている。
特許第5943455号公報
本発明者らは、上記の技術で開示された超臨界水が油滴を溶解する特性を利用し、モノマーを水中に微細化することができ、しかも微細で且つ粒子径の揃った乳化物が得られれば、極めて有用であるとの認識をもった。上記したように、従来の機械的な乳化方法では得ることができなかった微細で且つ均一な粒子径の乳化物が得られれば、その活用が期待される。例えば、従来は、モノマー等の原料と水とを釜に仕込み、長時間かけて撹拌乳化後、撹拌しながら重合処理することで微細な水系樹脂粒子を製造していたが、上記技術を利用してモノマーを水中に均一な粒子径に微細化、乳化することができれば、釜も、撹拌機も不要になり、また、従来のような乳化にかかる撹拌時間も基本必要なくなる。さらに、連続フロー方式によって、一連の流れ作業で、モノマー等の原料の乳化工程、得られた複合油滴を重合処理する重合工程ができれば、短時間で微細な水系樹脂粒子を製造することが可能になると考えられる。
しかしながら、前記した特許文献1で実際に検討しているのは、水と、デカン、ドデカン、テトラデカンといった、炭素鎖長が10〜14の直鎖の飽和炭化水素で、耐熱性の比較的安定な物質であり、この技術をラジカル重合性の不飽和基を有する物質であるモノマーにそのまま適用することはできない。例えば、特許文献1の技術では、水とデカン等の飽和炭化水素の処理温度が、水と飽和炭化水素が混合する点は440℃、水と飽和炭化水素と界面活性剤が混合する点は445℃で、極めて高温であり、このようなドデカン等に比して、耐熱性に劣る反応性を有するモノマーのような物質では分解等が生じると考えられる。換言すれば、上記した新たな乳化技術(以下、「臨界点乳化法」とも呼ぶ)を、多くの種類の油溶性の有機化合物に適用するための検討はなされておらず、少なくとも、モノマーのような、ドデカンに比して耐熱性に劣る物質に適用するためには、より低い処理温度で、水中に微細化、乳化することを実現させるという課題がある。さらに、工業的な利用を可能にするためには、臨界点乳化法によって得られる微細で且つ粒子径が揃ったナノ乳化物の特性を維持し、その後の利用や処理を行うことを可能にすることが要望され、微細で且つ均一な乳化物をより安定した状態で得ることも課題である。
したがって、本発明の目的は、超臨界水が油滴を溶解する特性を利用し、よりマイルドな条件でモノマーを水中に微細化、乳化し、粒子径が揃った状態の乳化物を得ることができる「臨界点乳化法」を確立して、モノマーのナノ乳化物の製造方法を提供することである。また、本発明の目的は、上記した臨界点乳化法を確立することで、従来の技術では困難であった、微細でしかも粒子径が揃ったモノマーのナノ乳化物の実現、さらに、その後の重合工程で利用可能な濃度の油滴からなるモノマーのナノ乳化物の提供を可能にし、これにより、微細な水系樹脂粒子を製造するための基礎技術を確立することにある。本発明のさらなる目的は、工業的な利用可能性を高めるべく、臨界点乳化法によって得られる、微細で且つ粒子径が揃ったモノマーのナノ乳化物を作製し、このナノ乳化物からナノサイズの微小樹脂粒子の乳化物の特性を維持するための基礎的な技術を見出すことにある。
上記した課題は、下記の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、[1]1種以上の油溶性の重合性単量体を含む油滴が水に微細に乳化してなる重合性単量体の微小乳化物の製造方法であって、前記油滴の原料である前記1種以上の油溶性の重合性単量体と、水とを、それぞれ連続的又は断続的に混合器内に流入させ、その後、高温高圧にして水の比誘電率を40以下に低下させて、前記油溶性の重合性単量体と水とを相溶させる相溶工程と、その後に冷却することで、前記重合性単量体の粒子径が20nm〜400nmの乳化物を得る冷却工程とを有することを特徴とする重合性単量体の微小乳化物の製造方法を提供する。
本発明の重合性単量体のナノ乳化物の製造方法の好ましい形態としては、下記のことが挙げられる。
[2]前記油滴原料が、前記重合性単量体を1種又は2種以上を含み、単独の、或いは2種以上を混合した単量体の下記式より算出されるSP値が8.0〜10.0であるように調整されている前記[1]の製造方法。
δ(SP値)=(ΣEcoh/ΣV)1/2
[3]前記油滴原料が、前記重合性単量体を1種又は2種以上を含み、単独の、或いは2種以上を混合した単量体の下記式より算出されるSP値が8.5〜9.5であるように調整されている前記[1]の製造方法。
δ(SP値)=(ΣEcoh/ΣV)1/2
[4]前記水の比誘電率を40以下に低下させるために、水を、20MPa以上で200℃以上の高温高圧の状態にする前記[1]〜[3]のいずれかの製造方法。
[5]前記水の比誘電率を25以下に低下させるために、水を、20MPa以上で250℃以上の高温高圧の状態にする前記[1]〜[3]のいずれかの製造方法。
[6]前記油滴原料中の前記1種以上の油溶性の重合性単量体は、その50質量%以上が、(メタ)アクリル系単量体である前記[1]〜[5]のいずれかの製造方法。
[7]前記油滴原料が、親水性官能基を含有する重合性単量体を0.1質量%以上含有する前記[1]〜[6]のいずれか1項に記載の重合性単量体の微小乳化物の製造方法。親水性官能基を含有する重合性単量体としては、例えば、メタクリル酸等のカルボキシ基含有の重合性単量体や、ヒドロキシ基含有の重合性単量体が挙げられる。
[8]前記乳化物を得る冷却工程で、乳化剤を添加して粒子の成長を抑制させる前記[1]〜[7]のいずれかの製造方法。
本発明は別の実施形態として、微小樹脂粒子の乳化物を得る製造方法であって、前記[1]〜[7]のいずれかに記載の重合性単量体の微小乳化物の製造方法で得た重合性単量体の微小乳化物から、該微小乳化物に含有されている重合性単量体を重合することで微小樹脂粒子の乳化物を得る(以下、「臨界点乳化重合法」とも呼ぶ)ことを特徴とする微小樹脂乳化物の製造方法を提供する。
本発明によれば、従来の技術で用いていた釜や撹拌機が不要で、乳化操作にかかっていた長い撹拌時間も必要がなくなる、超臨界水が油滴を溶解する特性を利用した、モノマーを水中に微細化、乳化するモノマーのナノ乳化物の製造方法が提供される。また、本発明によって、モノマーのナノ乳化物を得る際に重要な、より低い温度での、モノマーを水中に微細化、乳化処理することや、本発明のモノマーのナノ乳化物に最適なモノマーの選出手法を確立し、その後にモノマーを重合する工程で利用可能な濃度の油滴からなる、モノマーのナノ乳化物の提供が可能になる。より具体的には、本発明によれば、塗料・接着剤等の原料であるアクリル系モノマーを、よりマイルドな条件下で処理することで、モノマーのナノ乳化物が迅速に得られ、さらに、得られたナノ乳化物中のモノマーを重合することでナノ樹脂乳化物が得られる新たな技術が実現される。また、本発明の好ましい形態によれば、臨界点乳化法によって得られる、微細で且つ粒子径が揃ったモノマーのナノ乳化物、及び、その重合物の特性を維持するための基礎技術が提供される。
本発明で使用した臨界点乳化法を実施するための装置の模式図である。 従来の機械的な撹拌・乳化(ミキサー乳化)で得たアクリル系モノマーのミクロサイズの粒子の粒度分布と、本発明の製造方法を実施して得た、アクリル系モノマーの乳化物の粒度分布の違いを示す図である。 実施例1で得られた2エチルヘキシルアクリレート(2EHA)モノマーのナノ乳化物の、処理温度と平均粒径との関係を示す図である。 実施例2で得られたブチルアクリレート(BA)モノマーのナノ乳化物の、処理温度と平均粒径との関係を示す図である。 実施例3で得られた、2EHAとBAとの2種モノマーのナノ乳化物の、処理温度と平均粒径との関係を示す図である。 実施例4で得られた、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)と2EHAとの2種モノマーのナノ乳化物の、処理温度と平均粒径との関係を示す図である。 実施例5で得られた、CHMAとBAとの2種モノマーのナノ乳化物の、処理温度と平均粒径との関係を示す図である。 実施例6で得られた、CHMAと2EHAとメタクリル酸(mAAc)との3種モノマーのナノ乳化物の、処理温度と平均粒径との関係を示す図である。 実施例7で得られた、BAとエチルアクリレート(EA)とスチレン(ST)との3種モノマーのナノ乳化物の、処理温度と平均粒径との関係を示す図である。 本発明の製造方法を実施して得た、各原料モノマーのSP値と、その最適な処理温度の関係をまとめて示す図である。
次に、発明を実施するための好ましい形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。まず、本発明の製造方法で使用することができる、重合性単量体(モノマー)、乳化剤及び重合開始剤等について説明する。なお、本明細書における「(メタ)アクリル」という用語は、「アクリル」および「メタクリル」の双方を意味し、また、「(メタ)アクリレート」という用語は、「アクリレート」および「メタクリレート」の双方を意味する。また、これらをまとめてアクリル系モノマー類と呼ぶ。
本発明の製造方法で使用する重合性単量体(モノマー)としては、ラジカル重合可能なものであればよく、下記に挙げるような、(メタ)アクリル系モノマー類や、カルボニル基含有単量体や、芳香族ビニル系単量体や、窒素含有重合性単量体等、をいずれも用いることができる。
(メタ)アクリル系モノマー類としては、特に限定されるものではないが、下記に挙げるものがいずれも使用できる。具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、i−アミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の、炭素数1〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート類;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、p−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の、シクロアルキル(メタ)アクリレート類;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートや2−(3−)ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等の、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;
ヒドロキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシポリプロピレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(ポリエチレンオキシド−プロピレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(ポリエチレンオキシド−ポリテトラメチレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(ポリエチレンオキシド−テトラメチレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(ポリプロピレンオキシド−ポリテトラメチレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(ポリプロピレンオキシド−ポリテトラメチレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、アリロキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、オクトキシ(ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシ(ポリエチレンオキシド−プロピレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート等の、ポリアルキレンオキシド基含有(メタ)アクリレート類;
p−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシシクロアルキル(メタ)アクリレート類;
ラクトン変性ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;
2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−アミノプロピル(メタ)アクリレート、2−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の、アミノアルキル(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有(メタ)アクリレート;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の、多官能性(メタ)アクリレート類;
ジ(メタ)アクリル酸亜鉛等の金属含有(メタ)アクリレート類;
γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等の、シリコン含有(メタ)アクリレート類;
2−(2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールや、1−(メタ)アクリロイル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−アミノ−4−シアノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等の、耐紫外線基含有(メタ)アクリリレート類;
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートメチルクロライド塩、アリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート等の、他の(メタ)アクリル系単量体;
アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ホルミルスチロール、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソブチルケトン、ピバリンアルデヒド、ジアセトン(メタ)アクリレート、アセトニトリルアクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等の、アルデヒド基又はケト基に基づくカルボニル基含有単量体;
スチレン(St)、メチルスチレン、クロロスチレン、メトキシスチレン等の芳香族ビニル系単量体;
1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエン等の、共役ジエン系単量体;
(メタ)アクリル酸、アクリル酸二量体、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートや4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸を反応させたモノマー等の、カルボキシ基含有重合性単量体;
エチレン、プロピオン酸ビニル等が挙げられるが、これらに限られるものではない。これらは、単独、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
後述するように、本明細書では、本発明の製造方法で得られるモノマーの微小乳化物について、アクリル系モノマー類を例に挙げて説明したが、本発明の技術は、これに限定されるものではない。本発明によれば、上記に挙げたような種々のモノマー或いは複数種のモノマーの、微細で粒子径の揃ったナノ乳化物を迅速に得ることができる。また、本発明の製造方法で得られるモノマーの微小乳化物は、これらのモノマーが含有されていればよく、例えば、ヘプタン等の直鎖アルカン類やオリゴマー類等々(例えば、ポリブテン系、ポリブタジエン系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系、ポリオレフィン系、ウレタン系、シリコーン系、フッ素系樹脂等々)をモノマーに溶解したような、複合油滴からなるナノ乳化物の製造も可能になる。複合油滴とする場合の直鎖アルカン類やオリゴマー類の比率としては、用途等によって異なるが、50質量%未満であることが好ましい。
また、本発明の製造方法の好ましい形態で用いる乳化剤(界面活性剤)としては、特に限定されるものではないが、例えば、下記に挙げるようなものが使用できる。例えば、下記に挙げるような、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、両性乳化剤、高分子乳化剤等を使用することができる。
より具体的には、ラウリル硫酸ナトリウム等の脂肪酸塩や、高級アルコール硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシノニルフェニルエーテルスルホン酸塩、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールエーテル硫酸塩、スルホン酸基又は硫酸エステル基と重合性の不飽和二重結合を分子中に有するいわゆる反応性乳化剤等のアニオン性界面活性剤;
ポリオキシエチレンアルキルエーテルや、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、又は前述の骨格と重合性の不飽和二重結合を分子中に有する反応性ノニオン性界面活性剤等のノニオン性界面活性剤;
アルキルアミン塩や、第四級アンモニウム塩などのカチオン性界面活性剤;(変性)ポリビニルアルコールなどが挙げられる。これらの乳化剤は、単独で用いてもよいし、数種類を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明の微小樹脂乳化物の製造方法で用いることができる重合開始剤は、特に限定されるものでなく、従来公知のものをいずれも使用できる。例えば、下記に挙げるような、一般的にラジカル重合に使用される重合開始剤を適宜に用いることができる。
その具体例としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類;
アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等の油溶性アゾ化合物類;
2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシエチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]及びその塩類、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]及びその塩類、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]及びその塩類、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}及びその塩類、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)及びその塩類、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピンアミジン)及びその塩類、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]及びその塩類等の水溶性アゾ化合物;
過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物類等が挙げられる。
これらの重合開始剤は単独でも使用できるほか、2種類以上の混合物としても使用できる。また、重合速度の促進、70℃以下での低温の重合が望まれるときには、例えば、重亜硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄、アスコルビン酸塩等の還元剤をラジカル重合触媒と組み合わせて用いると有利である。
本発明者らは、本発明の目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、従来の機械的撹拌による乳化方法とは基本原理が全く異なる、超臨界水が油滴を溶解する特性を利用した、モノマーを水中に微細化、乳化する新規な乳化手法(臨界点乳化法)を見出して本発明に至った。すなわち、本発明では、水の極限下の状態である超臨界水を得る際の、水を高温高圧の状態にする手法を利用し、さらなる検討をすることで、本来、水に溶解性を有さず、耐熱性に劣るモノマーを水に溶解させ、その後に急冷することで、モノマーを安定して水中に粒子径が揃った油滴の状態で微細化、乳化することにより、微細なナノ樹脂乳化物を得るのに必要なモノマーのナノ乳化物の作成に成功した。
従来の機械的撹拌による乳化方法では、機械的撹拌力により、水と油を撹拌混合乳化させており、数分から数十分程度充分に撹拌したとしても、500nmから5000nm程度の油滴が作製できるに過ぎない。このため、これよりも微細化させるためには、より長時間にわたって、機械的撹拌を行う必要がある。また、より長時間の微細化したとしても、その微粒子の粒度分布はブロードなものになり、粒子が微細で且つ均一な乳化物にはならない。これに対し、特許文献1の技術によれば、その利用例が、炭素鎖長が10〜14の直鎖の飽和炭化水素であるものの、超臨界水を使用することで、超臨界水への混合から乳化物の調製まで、僅か十秒〜数十秒で、機械的撹拌を一切することなく、40nmから500nm程度の微小油滴が作成可能であるとしている。
水は、気体、液体、固体の状態で存在するが、温度と圧力を上昇させると、374℃、22MPaの、高温、高圧下(臨界点)にて、液体と気体の境界線がなくなり、超臨界水となる。超臨界水では、液体でありながら、気体特性も両存し、密度が小さくなり、比誘導率も低下するという特異な現象が見られる。超臨界水では比誘電率が低下するので、溶剤と類似した溶解力が発生し、超臨界水が油を溶解した状態になる。水の比誘電率は、室温では79程度であり、油成分であるモノマー類の比誘電率は約40以下であるので、常温常圧下で、水とモノマー類とを混合しても、均一な相にすることは不可能であり、2相に分離した状態になる。これに対し、温度の上昇とともに、比誘電率は徐々に減少し、例えば、温度400℃、圧力25MPaの超臨界状態では、水の比誘電率が6と低下して油成分と同程度になるので、常温常圧では水相と有機(油)相に分かれていたものが、上記した超臨界状態では、水と油が相溶した均一相になる。このことは、超臨界状態でなくても、水を高温高圧にして比誘電率を低下させた状態にすれば、油成分であるモノマー類との相溶性を高めることができることを意味している。
上記した認識の下、本発明者らは鋭意検討した結果、モノマー類と水とを、それぞれ連続的又は断続的に混合器内に流入させ、その状態で水の比誘電率を40以下(例えば25以下)に低下させることで、常温常圧では決して均一な相にならなかったモノマー類と水とを相溶させることができることを見出した。具体的には、例えば、水を、20MPa以上、好ましくは、22MPa以上で、200℃以上の状態にする(水を亜臨界〜超臨界の状態にする)ことで、水の比誘電率は40以下になり、このことを利用することで、本発明が目的としている、機械的手段を用いることなく、より低い乳化処理温度で、モノマーを水中に、粒子径が揃った油滴の状態で微細化、乳化することが可能になることを見出した。
本発明者らは、モノマーとして、広く塗料や接着剤に用いられているアクリル系モノマー類を用いて、図1に概略フロー図を模式的に示した、臨界点乳化法を実施するための装置を用い、種々の検討を行った。この装置は、図1に示したように、水とモノマーとの2つの液をそれぞれに流入するための流入路と、流入した液が合流する混合器とからなる混合部と、該混合部に続いて配置された、高温高圧にすることで、水を亜臨界〜超臨界の状態にして、水の比誘電率を40以下に低下させるための亜臨界工程部と、該工程からでた液を急冷して水の比誘電率を上昇させて水とモノマーとを相分離させることで乳化物にする冷却部とを有してなる。この装置は、乳化物を得る冷却工程で、乳化剤を添加して粒子の成長を抑制することができるように、乳化剤の液を添加可能に構成されている。上記では、便宜上、亜臨界工程部と呼んだが、正しくは、水の比誘電率を40以下に低下させるための工程であって、水を亜臨界〜超臨界の状態にさせる工程である。
上記のように構成した装置を用いることで、それぞれに導入した水とモノマーが、亜臨界工程部で水の比誘電率が40以下に低下すると、瞬時にモノマーと水が相溶した均一相を形成し、これを次の冷却部で急速に冷却することにより、粒子径が揃った状態のナノ粒子が速やかに形成され、本発明が目的とするモノマーのナノ乳化物が得られる。つまり、上記構成の装置によれば、高温・高圧の極限環境(超臨界や亜臨界状態)で現れる、比誘電率が40以下である特異な性質の水が得られる。本発明では、この特異な性質を示す水を利用して、よりマイルドな条件で、本発明が目的とする工業上利用することが可能になる、粒子径が揃った状態で微細化、乳化してなるモノマーのナノ乳化物を得る方法についての検討を行った。本発明では、AKICO社が設計製造した超臨界乳化装置「SFW−E40S」を使用してそれぞれの実験を行った。
従来の機械的な撹拌乳化(ミキサー乳化)でアクリル系モノマーのミクロサイズの粒子を得た場合と、本発明の臨界点乳化法でアクリル系モノマーの乳化物(油滴)を得た場合の、粒度分布の違いを図2に示した。具体的には、原料モノマーには、メタクリル酸シクロヘキシル(CHMA)とアクリル酸2エチルヘキシル(2EHA)との1:1の混合物溶液を用いた。乳化剤の使用量は、原料モノマーに対して25%となるようにして使用した。臨界点乳化法を実施する前記した装置での乳化条件は、温度350℃×圧力25MPaであり、その乳化時間は5秒とした。また、従来法である機械的な撹拌乳化の乳化条件は、5000rpm×30分とした。
図2に示したように、従来法での30分間程度の時間では、得られる乳化物は、4000〜10000nmのブロードのピークと、500〜600nmにシャープなピークのものになり、大きな粒径のものを広い粒度分布で含む、種々の粒子径のモノマーの乳化物となることがわかった。これに対し、本発明で行う臨界点乳化法では、大きな粒径のものは全く含まれず、100nm近傍にシャープなピークをもつモノマーの乳化物が得られることが確認できた。
本発明者らは、検討を進める過程で、モノマーの種類の違いによって、或いは、同じモノマーにおいても、より微細化された良好なナノ乳化物が得られる処理温度が異なるとの知見を得た。そこで、この点を明らかにするため、前記した装置で、種々のモノマーを用いて試験を行い、この点について検討した。その結果、1種又は2種以上を含み、下記式より算出されるSP値が8.0〜10.0、より好ましくは8.5〜9.5であるように調整されているモノマーを用いた場合に、低温のマイルドな条件で、より微細なナノ乳化物を得ることができることを見出した。
δ(SP値)=(ΣEcoh/ΣV)1/2
ここで、有機化合物のSP値には、その分子構造からFedorsの推算法により算出できる。すなわち、物質の各官能基の凝集エネルギー密度の合計ΣEcohと、モル分子容の合計ΣVより、上記式のように定義することができる。凝集エネルギーの単位はJ/molの場合が多いが、本明細書では4.19の係数で除してcal/molを用いた。
この結果、「臨界点乳化法」を利用してナノ乳化物の製造をする場合、モノマー原料の選択に際し、SP値が上記した範囲内になるように調整することで、より低温のマイルドな条件でナノ乳化物を得ることが可能になることがわかった。
本発明者らは、さらに、本発明で規定する臨界点乳化法によって得たモノマーのナノ乳化物に重合開始剤を添加し、重合処理して得られる樹脂乳化物は、従来の機械的な撹拌等の方法で得たモノマーの乳化物を重合処理して得られる樹脂乳化物よりも、平均粒径が小さくなり、粒子径が揃ったものになることを見出した。
以下、上記結論を得るに至った実施例を示し、本発明を具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
<実施例1:モノマーのナノ乳化物の調製>
下記のA〜Cの液状原料を用意した。
A液(水) :イオン交換水
B液(油滴原料):アクリル酸2エチルヘキシル(2EHA、SP値=8.62)
C液(乳化剤) :ノイゲンXL−100(商品名、第一工業製薬社製、ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル、HLB14.7)の5%希釈水溶液
前記したAKICO社製の、亜臨界水〜超臨界水の供給ができる超臨界水供給装置「SFW−E40S」を使用して、図1に示したような構成の試験装置を用意した。この装置は、2つの原料の液の流入路と、流入した液が合流する混合器とからなる油滴原料の混合部と、該混合部に続いて配置した亜臨界〜超臨界の水が得られる高温高圧にする亜臨界工程部と、該工程から出た液を冷却することで粒子径がナノサイズの乳化物(油滴)を得る冷却部とを有する。
上記装置の流入路から、A液の水と、B液の油滴原料とをそれぞれ流入して、合流させながら混合器へと流し、得られたA液とB液との混合液を、上記装置内の亜臨界工程部で、高温高圧にして水の比誘電率を40以下に低下させて、溶媒であるA液の水に、B液の混合モノマーを溶解させる溶解処理(本発明で規定する相溶工程)が行われる。例示した装置では、図1に示したように、冷却工程で形成される粒子(油滴)の成長を抑制させてより粒径が小さく、且つ、乳化物を安定したものにするために、C液の乳化剤を添加する構成とした。上記装置の亜臨界工程部の運転条件は、水温350〜440℃、圧力:25MPaとした。
上記A液を7.8ml/分、B液を2.2ml/分となる速度で流入させ、亜臨界工程部において、水温350〜440℃、圧力:25MPaで相溶化処理後、冷却工程の、油滴が形成され始めた初期段階でC液の乳化剤溶液を10ml/分の速度で添加した。その結果、水温370℃の条件で、平均粒子径が最小である191nmの油滴が得られた。その粒度分布は、シャープな正規分布を示すものであり、微細で均一な乳化物が得られたことが確認できた。得られた油滴の平均粒子径及び粒度分布の測定は、動的光散乱法によって求めた。動的光散乱法による平均粒子径(直径)の測定は、乳化物を水で適当な濃度に希釈した後、FPAR−1000(商品名、大塚電子社製)を用いて、25℃で行った。
<実施例2〜7:モノマーのナノ乳化物の調製>
実施例2〜7も、先に説明した実施例1に準じて行った。実施例2〜7では、水温の条件は300〜440℃の範囲で行った。表1に、実施例1〜7に用いた原料モノマーの種類と組成と、原料モノマーのSP値をまとめて示した。また、表1に、これらの原料モノマーを用いた場合における最小の平均粒子径と、この最小の平均粒子径の乳化物が得られた温度をまとめて示した。
Figure 2018176044
<実施例1〜7で得たモノマーのナノ乳化物の粒子径と処理温度>
図3a〜図3gに、上記した実施例1〜7で使用した各原料モノマーについて、処理温度(相溶工程の温度)と、各温度において得られたそれぞれのモノマーを含んでなる、ナノ乳化物の平均粒径の関係をまとめて示した。また、図4に、実施例1〜7で使用した各原料モノマーのSP値と、その場合の最適な処理温度をプロットしたものを示した。この結果、SP値が8.0〜10.0、より好ましくは8.5〜9.5、であるように調整されている原料モノマーを用いた場合に、より低温のマイルドな条件で、微粒で均一な、モノマーのナノ乳化物を得ることができることがわかった。
<実施例8、9:臨界点乳化物の重合>
実施例1〜7に準じた方法で、2種のモノマーを含んでなる液状のナノ乳化物(乳化液)を作製した。この際、上記のC液(乳化剤)として、ノイゲンTDS−80(商品名、第一工業製薬社製、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、HLB13.3)の1%希釈水溶液(実施例8)または0.5%希釈水溶液(実施例9)を使用した。各液の流入速度はA液を9.8ml/分、B液を0.2ml/分、C液を10ml/分とし、水温350℃、圧力:25MPaで臨界点乳化を行った。これにより得られた乳化液250gに、重合開始剤として、パーブチルHの5%希釈水溶液1gとエリソルビン酸の5%希釈水溶液1gとを添加し、80℃で2時間撹拌することで重合処理し、樹脂乳化物を得た。
表2に、上記の実施例8、9で得られた、重合処理して得られたナノ樹脂乳化物の平均粒子径をまとめて示した。
Figure 2018176044
<比較例1、2:従来の機械的撹拌で作製した乳化物の重合>
実施例8、9の比較として、従来の機械的撹拌で作製したモノマーの乳化物(乳化液)の重合を行った。比較例では、前記した実施例8、9の方法で行ったのと、モノマー濃度、乳化剤濃度が同一になるように、モノマーと乳化剤をイオン交換水に添加し、ミキサーで5000rpm×5分撹拌して乳化液を作製した。この乳化液250gに、重合開始剤として、パーブチルHの5%希釈水溶液1gとエリソルビン酸の5%希釈水溶液1gを添加し、80℃で2時間撹拌することで重合処理して、比較例1、2の樹脂乳化物を得た。
表3に、上記の比較例1、2で得られた樹脂乳化物の平均粒子径を示した。その結果、表2に示した実施例8、9と、表3に示した比較例1、2の結果から、臨界点乳化法によって得たモノマーのナノ乳化物に重合開始剤を添加し、重合処理して得られる樹脂乳化物の方が、従来法で得たモノマー乳化物を重合処理して得られる樹脂乳化物よりも、平均粒径が小さくなることがわかった。
Figure 2018176044
上記した通り、本発明によれば、油滴原料として本発明で規定するモノマー或いは該モノマーを含む複合原料を用いることで、臨界点乳化法を使用して乳化処理を行った場合に、よりマイルドな条件で安定して乳化することができるようになり、耐熱性に劣るモノマーが分解することなく、より微細で且つ均一な粒度分布をもつモノマーを含む油滴からなるナノ乳化物が得られる。本発明の製造方法は、水の臨界点である374℃よりも低い温度のマイルドな条件でアクリル系モノマー類の乳化物を得た初めての事例である。すなわち、先に挙げた特許文献1の技術では、先述したように、油滴として飽和炭化水素であるドデカン等を用い、440℃以上で超臨界水にして処理しており、この点が全く異なる。
水とモノマーの相溶工程における処理温度を低下させることができたことは、本発明で目的としている耐熱性に劣るモノマー類のナノ乳化物を得るためには極めて重要である。すなわち、本発明で目的としている、アクリル系モノマー類等の油溶性の重合性単量体を油滴成分としたナノ乳化物は、その後に、一連の操作で重合させて微細で均一なポリマー粒子を得ることを想定しており、ナノ乳化物を得る工程でモノマー類が熱分解したのではポリマー設計ができなくなる。本発明の製造方法で行う、油滴原料のモノマーと水との相溶化処理する時間は、数秒から数十秒であり、極めて短時間である。しかし、その場合でもモノマーの分解が起こることは予想され、できるだけ低温のマイルドな条件でナノ乳化物を得ることが望まれるのに対し、本発明の製造方法によれば、よりマイルドな条件で、従来の製造方法では実現することができなかったモノマーを含む微細で均一なナノ乳化物(油滴)が得られ、その状態を安定に維持できるようになるので、これに続く一連の操作でナノ乳化物(油滴)を簡便に重合させることが可能である。このため、本発明の臨界点乳化法を利用すれば、従来の技術では実現することができなかった、より微細で均一な粒度分布を示すポリマー粒子を得ることが期待され、その利用の展開が期待される。

Claims (9)

  1. 1種以上の油溶性の重合性単量体を含む油滴が水に微細に乳化してなる重合性単量体の微小乳化物の製造方法であって、
    前記油滴の原料である前記1種以上の油溶性の重合性単量体と、水とを、それぞれ連続的又は断続的に混合器内に流入させ、その後、高温高圧にして水の比誘電率を40以下に低下させて、前記油溶性の重合性単量体と水とを相溶させる相溶工程と、その後に冷却することで、前記重合性単量体の粒子径が20nm〜400nmの乳化物を得る冷却工程とを有することを特徴とする重合性単量体の微小乳化物の製造方法。
  2. 前記油滴原料が、前記重合性単量体を1種又は2種以上を含み、単独の、或いは2種以上を混合した単量体の下記式より算出されるSP値が8.0〜10.0であるように調整されている請求項1に記載の重合性単量体の微小乳化物の製造方法。
    δ(SP値)=(ΣEcoh/ΣV)1/2
  3. 前記油滴原料が、前記重合性単量体を1種又は2種以上を含み、単独の、或いは2種以上を混合した単量体の下記式より算出されるSP値が8.5〜9.5であるように調整されている請求項1に記載の重合性単量体の微小乳化物の製造方法。
    δ(SP値)=(ΣEcoh/ΣV)1/2
  4. 前記水の比誘電率を40以下に低下させるために、水を、20MPa以上で200℃以上の高温高圧の状態にする請求項1〜3のいずれか1項に記載の重合性単量体の微小乳化物の製造方法。
  5. 前記水の比誘電率を25以下に低下させるために、水を、20MPa以上で250℃以上の高温高圧の状態にする請求項1〜3のいずれか1項に記載の重合性単量体の微小乳化物の製造方法。
  6. 前記油滴原料中の前記1種以上の油溶性の重合性単量体は、その50質量%以上が、(メタ)アクリル系単量体である請求項1〜5のいずれか1項に記載の重合性単量体の微小乳化物の製造方法。
  7. 前記油滴原料が、親水性官能基を含有する重合性単量体を0.1質量%以上含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の重合性単量体の微小乳化物の製造方法。
  8. 前記乳化物を得る冷却工程で、乳化剤を添加して粒子の成長を抑制させる請求項1〜7のいずれか1項に記載の重合性単量体の微小乳化物の製造方法。
  9. 微小樹脂粒子の乳化物を得る微小樹脂乳化物の製造方法であって、請求項1〜8のいずれか1項に記載の重合性単量体の微小乳化物の製造方法で得た重合性単量体の微小乳化物から、該微小乳化物に含有されている重合性単量体を重合することで微小樹脂粒子の乳化物を得ることを特徴とする微小樹脂乳化物の製造方法。
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