以下、本発明の実施の態様について図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
ガラス基板など、作製基板上に形成された素子類を当該基板から分離し、異なる基板に接着する方法に関しては、様々な方法が提唱されている。一般に、樹脂層や無機層による剥離層を用い、その界面や内部において密着性の弱い部分を形成し、作製基板上に形成された素子類を作製基板から分離する方法が採られているが、容易に分離可能なほど作製基板との密着性を弱めてしまうと当該素子類の形成過程においての剥がれが生じてしまい、一方で、密着性が強すぎると分離する際にかかる力による破損の可能性が大きくなる。
そこで、本発明では非剥離層に形成された素子類を、歩留まり良く作製基板から分離することができる剥離方法を提供する。素子類を歩留まり良く分離することができることで、製品の不良によるコスト増加を抑えることが可能となり、安価に製品を提供できるようになる。
本発明の一態様では、ポリイミド樹脂を用いた剥離層を利用して分離を行う。ポリイミド樹脂は比較的熱に強い為に、上層に形成する素子の加熱に対する制限温度を高く設定することができる。十分な加熱を行うことが可能であるため、素子類の信頼性を高めることができる。また、作製温度のより高い素子を利用することが可能となる。具体的には350℃での加熱も可能となることから、金属酸化物を用いた良好な特性を有する半導体素子を形成することも容易となる。
まず、作製基板上に酸化チタンの層を形成する。酸化チタンの層の形成については、その作製方法を問わない。例えば、チタンの膜を形成し、それを参加することで形成することができる。続いて、酸化チタン層の上にポリイミド樹脂からなる剥離層を形成する。ポリイミド樹脂は、可用性のポリイミドを塗布して形成することが好ましい。
続いて、当該剥離層の上に、被剥離層を形成する。被剥離層は単層でも複数層からなる層でも良いが、当該作製基板から分離し、他の基板や素子上に移し替えて利用したい素子類を形成する。例えばトランジスタや表示素子、発光素子などがこれにあたる。被剥離層には複数種類の素子が同時に含まれていても良い。その他作製基板上に形成することが可能なものであれば被剥離層として形成することができる。
被剥離層を形成した後、被剥離層のガラス基板側と反対側にシール材や接着材などにより支持基板を張り付ける。支持基板は、その後そのまま分離せずに用いても良いし、もう一度分離工程を行うことを前提に仮の基板を用いても良い。
支持基板を取り付けた後、作製基板を介して酸化チタン層にレーザ光を照射する。作製基板はレーザ光を透過し、且つ被剥離層に含まれる素子を形成するに十分に大きな耐熱性、剛性、十分に小さな膨張率を備えているものとする。具体的にはガラス基板などが好ましい。
レーザ光を照射することによって酸化チタンがレーザ光を吸収し、発熱が起きる。当該発熱によって剥離層であるポリイミド膜における酸化チタン層との接触面においてポリイミド分子を始め、含まれる分子の分解が引き起こされる。これにより、分解が起こった部分における膜の強度が低下し、十分に小さい力で被剥離層を支持基板から分離することが可能となる。また、この際、酸化チタン層と剥離層との間に空隙が形成される場合もある。
このような剥離層界面には、ポリイミド膜を形成する際の材料である可溶性ポリイミドの抽出液からは検出されない値の、LC/MS分析(液体クロマトグラフィー質量分析)における質量電荷比1000以上1200以下の物質が複数存在する。また、剥離界面に存在する物質を任意の有機溶剤で洗い流し、得られた溶液をLC/MSで分析するとポリイミド膜を形成する際の材料である可溶性ポリイミドの抽出液からは検出されない値の、質量電荷比(m/z)1000以上1200以下の値を示す物質が複数検出される。
一方で、本発明におけるポリイミド側の剥離層界面では、酸化チタン層の発熱によりポリイミドが分解するたが、ポリイミドではなく酸化チタン層が主にレーザ吸収するためポリイミドの激しい分解は起こらず、質量電荷比(m/z)において1000より小さい値を示す物質は殆ど存在しない。存在しても少数(5以下)であることも特徴の一つである。
剥離界面から検出するこれらの物質又はイオンは、いずれもレーザ照射により加熱された酸化チタン層に接するポリイミドが分解した結果生成する物質であって、ガラス基板や剥離に用いるフィルムに由来する物質またはイオンは数に含まないものとする。
このように、酸化チタン層上にポリイミドからなる剥離層を形成した構造を用いた剥離方法は、酸化チタン層にガラス基板側からレーザ光を照射することによって酸化チタン層が当該レーザ光を吸収し、発熱する。これにより、酸化チタン層に接するポリイミド層が分解されてLC/MS分析における質量電荷比(m/z)で1000乃至1200の物質が生成する。酸化チタン層に接するポリイミド層が分解してできた物質は、元々の材料に含まれる物質ではない質量電荷比(m/z)を有する。このような分解生成物が形成された剥離界面では良好な剥離性能を示し、レーザ光を照射することによって剥離法を必要とする製品を歩留まり良く製造することができるようになり、安価にそれらを提供できるようになる。
ガラス基板を用い、1μm程度のポリイミド膜を剥離層として用いた場合においては、例えば、
レーザ光のレーザ発振器として、波長308nmのXeClエキシマレーザを用い、発振器の設定エネルギーは980mJ、繰り返し周波数は60Hz、スキャン速度は11.7mm/秒とし、光学系を調節することで、レーザ光の断面を0.6mm×300mmの線状に成形し、また、光学系にアッテネータを使用し、アッテネータによる照射エネルギーの減衰率は10%とする方法が挙げられるもちろん、その他のレーザを用いても良い。
なお、被剥離層には、トランジスタが形成されていることが好ましい。また、当該トランジスタのチャネル形成領域に、金属酸化物を有することが好ましい。金属酸化物は、酸化物半導体として機能することができる。
トランジスタのチャネル形成領域に低温ポリシリコン(LTPS(Low Temperature Poly−Silicon))を用いる場合、500℃から550℃程度の温度をかける必要があるため、剥離層には高い耐熱性が求められる。
しかし、チャネル形成領域に金属酸化物を用いたトランジスタは、350℃以下、さらには300℃以下で形成することができる。そのため、被剥離層に高い耐熱性は求められない。したがって、被剥離層の耐熱温度を低くすることができ、材料の選択の幅が広がる。また、LTPSを用いる場合に比べて、工程が簡略化でき好ましい。
本実施の形態では、剥離層の内部に分離領域が形成されるため、剥離層の厚さは、15nm以上50μm以下であることが好ましい。なお、剥離層の厚さは50nm以上20μm以下であることが好ましい。前記膜厚の範囲内で可能な限り剥離層を薄膜化することで、軽量化、薄膜化、コストダウン、可とう性の向上を実現することができる。
以下では、本実施の形態の素子、半導体装置、発光装置、表示装置を、それらの作製方法と共に具体的に説明する。
なお、これら素子や装置を構成する薄膜(絶縁膜、半導体膜、導電膜等)は、スパッタリング法、化学気相堆積(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、真空蒸着法、パルスレーザー堆積(PLD:Pulse Laser Deposition)法、原子層成膜(ALD:Atomic Layer Deposition)法等を用いて形成することができる。CVD法としては、プラズマ化学気相堆積(PECVD)法や、熱CVD法でもよい。熱CVD法の例として、有機金属化学気相堆積(MOCVD:Metal Organic CVD)法を使ってもよい。
表示装置を構成する薄膜(絶縁膜、半導体膜、導電膜等)は、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、インクジェット、ディスペンス、スクリーン印刷、オフセット印刷、ドクターナイフ、スリットコート、ロールコート、カーテンコート、ナイフコート等により形成することができる。
薄膜を加工する際には、リソグラフィ法等を用いて加工することができる。または、遮蔽マスクを用いた成膜方法により、島状の薄膜を形成してもよい。または、ナノインプリント法、サンドブラスト法、リフトオフ法などにより薄膜を加工してもよい。フォトリソグラフィ法としては、加工したい薄膜上にレジストマスクを形成して、エッチング等により当該薄膜を加工し、レジストマスクを除去する方法と、感光性を有する薄膜を成膜した後に、露光、現像を行って、当該薄膜を所望の形状に加工する方法と、がある。
リソグラフィ法において光を用いる場合、露光に用いる光は、例えばi線(波長365nm)、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)、またはこれらを混合させた光を用いることができる。そのほか、紫外線やKrFレーザ光、またはArFレーザ光等を用いることもできる。また、液浸露光技術により露光を行ってもよい。また、露光に用いる光として、極端紫外光(EUV:Extreme Ultra−violet)やX線を用いてもよい。また、露光に用いる光に換えて、電子ビームを用いることもできる。極端紫外光、X線または電子ビームを用いると、極めて微細な加工が可能となるため好ましい。なお、電子ビームなどのビームを走査することにより露光を行う場合には、フォトマスクは不要である。
薄膜のエッチングには、ドライエッチング法、ウエットエッチング法、サンドブラスト法などを用いることができる。
[作製方法例1]
以下、表示装置を例に、本発明の一態様の剥離方法について説明する。
まず、作製基板14上に、酸化チタン層15を形成し、その上に剥離層23を形成する(図1)。
酸化チタン層はスパッタ法を用いて作製基板14の一面全体にチタンからなる層を形成した後、当該チタン層を参加することによって酸化チタン層15を形成すればよい。
樹脂層24は酸化チタン層15上に、塗布法を用いて形成することができる。樹脂層24の形成方法はこれに限られず、印刷法等を用いても良い。
樹脂層24は、各種樹脂材料(樹脂前駆体を含む)を用いて形成することができる。樹脂層24は、熱硬化性を有する材料を用いて形成することが好ましい。本実施の形態では、樹脂層24は、感光性を有さない材料(非感光性の材料ともいう)を用いて形成する。
樹脂層24は、ポリイミド樹脂またはポリイミド樹脂前駆体を含む材料を用いて形成されることが好ましい。樹脂層24は、例えば、可溶性のポリイミドを塗布することによって形成できる。
樹脂層24は、スピンコータを用いて形成することが好ましい。スピンコート法を用いることで、大判基板に薄い膜を均一に形成することができる。
剥離層23は、粘度が5cP以上500cP未満、好ましくは5cP以上100cP未満、より好ましくは10cP以上50cP以下の溶液を用いて形成することが好ましい。溶液の粘度が低いほど、塗布が容易となる。また、溶液の粘度が低いほど、気泡の混入を抑制でき、良質な膜を形成できる。
そのほか、樹脂層24の形成方法としては、ディップ、スプレー塗布、インクジェット、ディスペンス、スクリーン印刷、オフセット印刷、ドクターナイフ、スリットコート、ロールコート、カーテンコート、ナイフコート等が挙げられる。
作製基板14は、搬送が容易となる程度の剛性と、後に形成される素子類の作製工程に係る温度に耐えうる程度の耐熱性を有し、且つ、剥離工程で照射されるレーザ光に対する透光性を備えるものを用いる。作製基板14に用いることができる材料としては、例えば、ガラス、石英、サファイヤ、樹脂などが挙げられる。この中でガラスが汎用性もあり、価格や大面積化の観点からも好ましい。ガラスとしては、例えば、無アルカリガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス等が挙げられる。
次に、樹脂層24に対して第1の加熱処理を行うことで、剥離層23を形成する(図1(B))。
第1の加熱処理により、剥離層23中の脱ガス成分(例えば、水素、水等)を低減することができる。特に、剥離層23上に形成する各層の作製温度以上の温度で加熱することが好ましい。これにより、トランジスタの作製工程における、剥離層23からの脱ガスを大幅に抑制することができる。
例えば、トランジスタの作製温度が350℃までである場合、剥離層23となる膜を350℃以上450℃以下で加熱することが好ましく、400℃以下がより好ましく、375℃以下で加熱することがさらに好ましい。これにより、トランジスタの作製工程における、剥離層23からの脱ガスを大幅に抑制することができる。
トランジスタの作製における最高温度と、第1の加熱処理の温度を等しくすると、第1の加熱処理を行うことで表示装置の作製における最高温度が高くなることを防止できるため、好ましい。
処理時間を長くすることで、加熱温度が比較的低い場合であっても、加熱温度がより高い条件の場合と同等の剥離性を実現できる場合がある。そのため、加熱装置の構成により加熱温度を高められない場合には、処理時間を長くすることが好ましい。
第1の加熱処理の時間は、例えば、5分以上24時間以下が好ましく、30分以上12時間以下がより好ましく、1時間以上6時間以下がさらに好ましい。なお、第1の加熱処理の時間はこれに限定されない。例えば、第1の加熱処理を、RTA(Rapid Thermal Annealing)法を用いて行う場合などは、5分未満としてもよい。
加熱装置としては、電気炉や、抵抗発熱体などの発熱体からの熱伝導または熱輻射によって被処理物を加熱する装置等、様々な装置を用いることができる。例えば、GRTA(Gas Rapid Thermal Anneal)装置、LRTA(Lamp Rapid Thermal Anneal)装置等のRTA装置を用いることができる。LRTA装置は、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウムランプ、高圧水銀ランプなどのランプから発する光(電磁波)の輻射により、被処理物を加熱する装置である。GRTA装置は、高温のガスを用いて加熱処理を行う装置である。RTA装置を用いることによって、処理時間が短縮することができるので、量産する上で好ましい。また、加熱処理はインライン型の加熱装置を用いて行ってもよい。
なお、加熱処理により、剥離層23の厚さは、樹脂層24の厚さから変化する場合がある。例えば、樹脂層24に含まれていた溶媒が除去されることや、硬化が進行し密度が増大することにより、体積が減少し、樹脂層24よりも剥離層23が薄くなる場合がある。または、加熱処理時に加熱雰囲気成分が含まれることにより、体積が増大し、樹脂層24よりも剥離層23が厚くなる場合もある。
第1の加熱処理を行う前に樹脂層24に含まれる溶媒を除去するための熱処理(プリベーク処理ともいう)を行ってもよい。プリベーク処理の温度は用いる材料に応じて適宜決定することができる。例えば、50℃以上180℃以下、80℃以上150℃以下、または90℃以上120℃以下で行うことができる。または、第1の加熱処理がプリベーク処理を兼ねてもよく、第1の加熱処理によって、樹脂層24に含まれる溶媒を除去してもよい。
剥離層23は、可撓性を有する。作製基板14は、剥離層23よりも可撓性が低い。
剥離層23の熱膨張係数は、0.1ppm/℃以上50ppm/℃以下であることが好ましく、0.1ppm/℃以上20ppm/℃以下であることがより好ましく、0.1ppm/℃以上10ppm/℃以下であることがさらに好ましい。剥離層23の熱膨張係数が低いほど、加熱を原因とする、トランジスタ等の破損やトランジスタ等を構成する層等へのクラック発生を抑制することができる。
なお、最終的に表示装置の表示面側に剥離層23が位置することになる場合、表示素子からの光が当該剥離層23を透過して観察されることになるため、剥離層23は、可視光に対する透光性が高いことが好ましい。
次に、剥離層23上に被剥離層21を形成する。被剥離層21に形成する素子として、本実施の形態ではトランジスタと表示素子を形成する例を示したが、本発明の一態様はこれに限られることなく、作製基板14から分離して用いたい任意の素子を形成すれば良い。
被剥離層21としてまず、剥離層23上に、絶縁層31を形成する(図1(C))。
絶縁層31は、剥離層23の耐熱温度以下の温度で形成する。第1の加熱処理の温度より低い温度で形成することが好ましい。
絶縁層31は、剥離層23に含まれる不純物が、後に形成する被剥離層内のトランジスタや表示素子に拡散することを防ぐバリア層として用いることができる。例えば、絶縁層31は、剥離層23を加熱した際に、剥離層23に含まれる水分等がトランジスタや表示素子に拡散することを防ぐ機能を有することが好ましい。そのため、絶縁層31は、バリア性が高いことが好ましい。
絶縁層31としては、例えば、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、窒化アルミニウム膜などの無機絶縁膜を用いることができる。また、酸化ハフニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ガリウム膜、酸化タンタル膜、酸化マグネシウム膜、酸化ランタン膜、酸化セリウム膜、及び酸化ネオジム膜等を用いてもよい。また、上述の絶縁膜を2以上積層して用いてもよい。特に、剥離層23上に窒化シリコン膜を形成し、窒化シリコン膜上に酸化シリコン膜を形成することが好ましい。
なお、本明細書などにおいて、酸化窒化シリコンとは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化シリコンとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を指す。
無機絶縁膜は、成膜温度が高いほど緻密でバリア性の高い膜となるため、高温で形成することが好ましい。
絶縁層31の成膜時の基板温度は、室温(25℃)以上350℃以下が好ましく、100℃以上300℃以下がさらに好ましい。
次に、絶縁層31上に、トランジスタ40を形成する(図1(C))。
表示装置が有するトランジスタの構造は特に限定されない。例えば、プレーナ型のトランジスタとしてもよいし、スタガ型のトランジスタとしてもよいし、逆スタガ型のトランジスタとしてもよい。また、トップゲート構造またはボトムゲート構造のいずれのトランジスタ構造としてもよい。または、チャネルの上下にゲート電極が設けられていてもよい。
ここではトランジスタ40として、金属酸化物層44を有する、ボトムゲート構造のトランジスタを作製する場合を示す。金属酸化物層44は、トランジスタ40の半導体層として機能することができる。金属酸化物は、酸化物半導体として機能することができる。
本実施の形態において、トランジスタの半導体には、酸化物半導体を用いる。シリコンよりもバンドギャップが広く、且つキャリア密度の小さい半導体材料を用いると、トランジスタのオフ状態における電流を低減できるため好ましい。
トランジスタ40は、剥離層23の耐熱温度以下の温度で形成する。トランジスタ40は、第1の加熱処理の温度より低い温度で形成することが好ましい。
具体的には、まず、絶縁層31上に導電層41を形成する。導電層41は、導電膜を成膜した後、レジストマスクを形成し、当該導電膜をエッチングした後にレジストマスクを除去することで形成できる。
導電膜の成膜時の基板温度は、室温以上350℃以下が好ましく、室温以上300℃以下がさらに好ましい。
表示装置が有する導電層には、それぞれ、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、もしくはタングステン等の金属、またはこれを主成分とする合金を単層構造または積層構造として用いることができる。または、酸化インジウム、インジウム錫酸化物(ITO)、タングステンを含むインジウム酸化物、タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、チタンを含むインジウム酸化物、チタンを含むITO、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛(ZnO)、ガリウムを含むZnO、またはシリコンを含むITO等の透光性を有する導電性材料を用いてもよい。また、不純物元素を含有させる等して低抵抗化させた、多結晶シリコンもしくは酸化物半導体等の半導体、またはニッケルシリサイド等のシリサイドを用いてもよい。また、グラフェンを含む膜を用いることもできる。グラフェンを含む膜は、例えば膜状に形成された酸化グラフェンを含む膜を還元して形成することができる。また、不純物元素を含有させた酸化物半導体等の半導体を用いてもよい。または、銀、カーボン、もしくは銅等の導電性ペースト、またはポリチオフェン等の導電性ポリマーを用いて形成してもよい。導電性ペーストは、安価であり、好ましい。導電性ポリマーは、塗布しやすく、好ましい。
続いて、絶縁層32を形成する。絶縁層32は、絶縁層31に用いることのできる無機絶縁膜を援用できる。
続いて、金属酸化物層44を形成する。金属酸化物層44は、金属酸化物膜を成膜した後、レジストマスクを形成し、当該金属酸化物膜をエッチングした後にレジストマスクを除去することで形成できる。
金属酸化物膜の成膜時の基板温度は、350℃以下が好ましく、室温以上200℃以下がより好ましく、室温以上130℃以下がさらに好ましい。
金属酸化物膜は、不活性ガス及び酸素ガスのいずれか一方または双方を用いて成膜することができる。なお、金属酸化物膜の成膜時における酸素の流量比(酸素分圧)に、特に限定はない。ただし、電界効果移動度が高いトランジスタを得る場合においては、金属酸化物膜の成膜時における酸素の流量比(酸素分圧)は、0%以上30%以下が好ましく、5%以上30%以下がより好ましく、7%以上15%以下がさらに好ましい。
金属酸化物膜は、少なくともインジウムまたは亜鉛を含むことが好ましい。特にインジウム及び亜鉛を含むことが好ましい。
金属酸化物は、エネルギーギャップが2.0eV以上であることが好ましく、2.5eV以上であることがより好ましく。3.0eV以上であることがさらに好ましい。このように、エネルギーギャップの広い金属酸化物を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
金属酸化物膜は、スパッタリング法により形成することができる。そのほか、PLD法、PECVD法、熱CVD法、ALD法、真空蒸着法などを用いてもよい。
続いて、導電層43a及び導電層43bを形成する。導電層43a及び導電層43bは、導電膜を成膜した後、レジストマスクを形成し、当該導電膜をエッチングした後にレジストマスクを除去することにより形成できる。導電層43a及び導電層43bは、それぞれ、金属酸化物層44と接続される。
なお、導電層43a及び導電層43bの加工の際に、レジストマスクに覆われていない金属酸化物層44の一部がエッチングにより薄膜化する場合がある。
導電膜の成膜時の基板温度は、室温以上350℃以下が好ましく、室温以上300℃以下がさらに好ましい。
以上のようにして、トランジスタ40を作製できる(図1(C))。トランジスタ40において、導電層41の一部はゲートとして機能し、絶縁層32の一部はゲート絶縁層として機能し、導電層43a及び導電層43bは、それぞれソースまたはドレインのいずれか一方として機能する。
次に、トランジスタ40を覆う絶縁層33を形成する(図1(D))。絶縁層33は、絶縁層31と同様の方法により形成することができる。
また、絶縁層33として、酸素を含む雰囲気下で成膜した酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜等の酸化物絶縁膜を用いることが好ましい。さらに、当該酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜上に窒化シリコン膜などの酸素を拡散、透過しにくい絶縁膜を積層することが好ましい。酸素を含む雰囲気下で形成した酸化物絶縁膜は、加熱により多くの酸素を放出しやすい絶縁膜とすることができる。このような酸素を放出する酸化絶縁膜と、酸素を拡散、透過しにくい絶縁膜を積層した状態で、加熱処理を行うことにより、金属酸化物層44に酸素を供給することができる。その結果、金属酸化物層44中の酸素欠損、及び金属酸化物層44と絶縁層33の界面の欠陥を修復し、欠陥準位を低減することができる。これにより、極めて信頼性の高い表示装置を実現できる。
以上の工程により、剥離層23上に絶縁層31、トランジスタ40、及び絶縁層33を形成することができる(図1(D))。
絶縁層34に有機絶縁膜を用いる場合、絶縁層34の形成時に剥離層23にかかる温度は、室温以上350℃以下が好ましく、室温以上300℃以下がさらに好ましい。
絶縁層34に無機絶縁膜を用いる場合、成膜時の基板温度は、室温以上350℃以下が好ましく、100℃以上300℃以下がさらに好ましい。
次に、絶縁層34及び絶縁層33に、導電層43bに達する開口を形成する。
その後、導電層61を形成する(図1(E))。導電層61は、その一部が発光素子60の画素電極として機能する。導電層61は、導電膜を成膜した後、レジストマスクを形成し、当該導電膜をエッチングした後にレジストマスクを除去することにより形成できる。
導電層61は、剥離層23の耐熱温度以下の温度で形成する。導電層61は、第1の加熱処理の温度より低い温度で形成することが好ましい。
導電膜の成膜時の基板温度は、室温以上350℃以下が好ましく、室温以上300℃以下がさらに好ましい。
次に、導電層61の端部を覆う絶縁層35を形成する(図1(E))。絶縁層35は、絶縁層31に用いることのできる有機絶縁膜または無機絶縁膜を援用できる。
絶縁層35は、剥離層23の耐熱温度以下の温度で形成する。絶縁層35は、第1の加熱処理の温度より低い温度で形成することが好ましい。
絶縁層35に有機絶縁膜を用いる場合、絶縁層35の形成時に剥離層にかかる温度は、室温以上350℃以下が好ましく、室温以上300℃以下がさらに好ましい。
絶縁層35に無機絶縁膜を用いる場合、成膜時の基板温度は、室温以上350℃以下が好ましく、100℃以上300℃以下がさらに好ましい。
次に、EL層62及び導電層63を形成する(図2(A))。導電層63は、その一部が発光素子60の共通電極として機能する。
EL層62は、蒸着法、塗布法、印刷法、吐出法などの方法で形成することができる。EL層62を画素毎に作り分ける場合、メタルマスクなどのシャドウマスクを用いた蒸着法、またはインクジェット法等により形成することができる。
EL層62には、低分子系化合物及び高分子系化合物のいずれを用いることもでき、無機化合物を含んでいてもよい。
導電層63は、蒸着法やスパッタリング法等を用いて形成することができる。
導電層63は、剥離層23の耐熱温度以下の温度かつEL層62の耐熱温度以下の温度で形成する。また、第1の加熱処理の温度より低い温度で形成することが好ましい。
以上のようにして、発光素子60を形成することができる(図2(A))。発光素子60は、一部が画素電極として機能する導電層61、EL層62、及び一部が共通電極として機能する導電層63が積層された構成を有する。
発光素子は、トップエミッション型、ボトムエミッション型、デュアルエミッション型のいずれであってもよい。光を取り出す側の電極には、可視光を透過する導電膜を用いる。また、光を取り出さない側の電極には、可視光を反射する導電膜を用いることが好ましい。ここでは、トップエミッション型の発光素子を作製することを想定している。
次に、導電層63を覆って絶縁層74を形成する(図2(B))。絶縁層74は、発光素子60に水などの不純物が拡散することを抑制する保護層として機能する。発光素子60は、絶縁層74によって封止される。導電層63を形成した後、大気に曝すことなく、絶縁層74を形成することが好ましい。
絶縁層74は、剥離層23の耐熱温度以下の温度かつ発光素子60の耐熱温度以下の温度で形成する。絶縁層74は、第1の加熱処理の温度より低い温度で形成することが好ましい。
絶縁層74は、例えば、上述した絶縁層31に用いることのできるバリア性の高い無機絶縁膜が含まれる構成とすることが好ましい。また、無機絶縁膜と有機絶縁膜を積層して用いてもよい。
絶縁層74は、ALD法やスパッタリング法等を用いて形成することができる。ALD法及びスパッタリング法は低温成膜が可能であるため好ましい。ALD法を用いると絶縁層74のカバレッジが良好となり好ましい。
次に、絶縁層74上に保護層75を形成する(図2(C))。保護層75は、表示装置の最表面に位置する層として用いることができる。保護層75は、可視光に対する透過性が高いことが好ましい。
保護層75として、上述した絶縁層31に用いることのできる有機絶縁膜を用いると、表示装置の表面に傷がつくことや、クラックが生じてしまうことを抑制できるため好ましい。
図3(A)には、保護層75の代わりに、接着層75bを用いて絶縁層74上に基板75aを貼り合わせた例を示す。
接着層75bには、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、嫌気型接着剤等の各種硬化型接着剤の各種樹脂を用いることができる。また、接着シート等を用いてもよい。
基板75aには、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン、アラミド等)、ポリシロキサン樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、ABS樹脂、セルロースナノファイバー等を用いることができる。基板75aには、ガラス、石英、樹脂、金属、合金、半導体等の各種材料を用いてもよい。なお、再度剥離を行って異なる基板に張り付ける場合には、基板75aはどのような基板を用いても良い。また、可とう性を有せしめる為には、基板75aの厚さや材質により、必要とする程度の可とう性を有する材質、形状の基板を用いれば良い。
次に、作製基板14と剥離層23とを分離する。分離する為に、作製基板14側から、当該作製基板14を介して酸化チタン層15にレーザ光を照射し、酸化チタン層15と剥離層23との界面に分離領域25を形成する(図3(B))。分離領域25は、レーザ光を照射することによって酸化チタン層15が発熱し、それにより剥離層23を構成する分子が分解し、脆くなった部分である。剥離層23をポリイミド樹脂で形成した場合には、当該分離領域25には、ポリイミド膜を形成する際の材料である可溶性ポリイミドの抽出液からは検出されない値の、LC/MS分析(液体クロマトグラフィー質量分析)における質量電荷比1000以上1200以下の物質が複数存在する。このような分子は、いずれもレーザ照射により加熱された酸化チタン層に接するポリイミドが分解した結果生成されたものであり、このような物質が存在する表面を有する剥離層23は適度な力で容易に酸化チタン層15が形成された作製基板14から分離することができる。なお、最終製品においては、分離した面に、当該分子が残存しているため、測定によりその存在を確認することができる。
照射するレーザは、例えば、レーザ光のレーザ発振器として、波長308nmのXeClエキシマレーザを用い、発振器の設定エネルギーは980mJ、繰り返し周波数は60Hz、スキャン速度は11.7mm/秒とし、光学系を調節することで、レーザ光の断面を0.6mm×300mmの線状に成形し、また、光学系にアッテネータを使用し、アッテネータによる照射エネルギーの減衰率は10%とする方法が挙げられるもちろん、その他のレーザを用いても良い。
この後、例えば、分離領域25に垂直方向に引っ張る力をかけることにより、酸化チタン層15が形成された作製基板14から被剥離層を剥離することができる(図3(C))。具体的には、基板75aの上面の一部を吸着し、上方に引っ張ることにより、酸化チタン層15が形成された作製基板14から被剥離層を容易に引き剥がすことができる。
ここで、剥離時に、剥離界面に水や水溶液など、水を含む液体を添加し、該液体が剥離界面に浸透するように剥離を行うことで、剥離性を向上させることができる。また、剥離時に生じる静電気が、トランジスタなどの機能素子に悪影響を及ぼすこと(半導体素子が静電気により破壊されるなど)を抑制できる。
分離前に、剥離層23の一部を酸化チタン層15が形成された作製基板14から分離することで、分離の起点を形成してもよい。例えば、分離領域25に、刃物などの鋭利な形状の器具を差し込むことで分離の起点を形成してもよい。または、基板75a側から鋭利な形状の器具で剥離層23に切り込みを入れ、分離の起点を形成してもよい。または、レーザアブレーション法等のレーザを用いた方法で、分離の起点を形成してもよい。
酸化チタン層15が形成された作製基板14から分離することで露出した分離領域25と、基板29とを、接着層28を用いて貼り合わせてもよい(図3(D))。基板29は、表示装置の支持基板として機能することができる。
接着層28には、接着層75bに用いることができる材料を適用することができる。基板29には、基板75aに用いることができる材料を適用することができる。
以上の工程により、トランジスタのチャネル形成領域に金属酸化物が適用され、EL素子が適用された表示装置を作製することができる。
このように作製された表示装置の接着層28と剥離層23との界面には、LC/MS測定において、質量電荷比が1000以上1200以下で、且つ剥離層の材料においては含まれない質量電荷比のイオンに由来する物質が複数含まれることになる。LC/MS測定において、質量電荷比が1000以上1200以下で、且つ剥離層の材料においては含まれない質量電荷比のイオンに由来する物質はレーザ照射による酸化チタンの発熱が引き起こす分解で生じたものであって、その他の部分、すなわち、剥離層23と被剥離層との界面(絶縁層31との界面)には検出されないものである。
[作製方法例2]
以降の作製方法例では、先に説明した作製方法例と同様の部分について、説明を省略することがある。
まず、作製方法例1と同様に、絶縁層33から保護層75までを形成する。なお、これら各構成要素を作製する際には、剥離層23の耐熱温度以下で形成する。これら各構成要素は、第1の加熱処理の温度及び第2の加熱処理の温度の双方より低い温度で形成することが好ましい。
そして、レーザ光を照射して、酸化チタン層15が形成された作製基板14の少なくとも剥離したい素子が形成されている部分の酸化チタン層15と剥離層23の界面に分離領域25を形成する。(図4(A))レーザの種類、波長、出力などは作製方法1に準拠する。この際、酸化チタン層15に、レーザ光を照射しない部分を設ける。レーザ光を照射しない位置に対応する部分には分離領域25が形成されないため、運搬などにより誤って剥離してしまうことを防ぐことができる。
次に、剥離層23に分離の起点を形成する(図4(B1)、(B2))。
例えば、保護層75側から、分離領域25の端部よりも内側に刃物などの鋭利な形状の器具65を差し込み、枠状に切れ目64を入れる。この切れ目64が分離の起点となる。
または、剥離層23における分離領域25の内側において、枠状にレーザ光を照射し、それを分離の起点としてもよい。
なお、1枚の作製基板で複数の表示装置を形成する(多面取りする)場合、図4(B2)のように、分離領域25のように切れ目64の内側に、複数の表示装置を配置するとよい。これにより、複数の表示装置を一度にまとめて作製基板から剥離することができる。
または、複数の分離領域25を一つの作製基板上に形成して、表示装置ごとの分離領域25となる位置に表示素子や半導体素子を作り分けてもよい。図4(B3)では、作製基板上に、4つの分離領域を形成する例を示す。4つの分離領域それぞれに、枠状に切れ目64を入れることで、各表示装置を異なるタイミングで剥離することができる。
作製方法例2では、作製基板14上に、分離領域25が形成される部分と、分離領域25が形成されない部分と、を設ける。分離領域25が形成されない部分は剥離層23が脆くなっていないので作製基板14から剥離しにくい状態である。そのため、被剥離層21が作製基板14から意図しないタイミングで剥離してしまうことを抑制することができる。そして、分離の起点を形成することで、所望のタイミングで、作製基板14と被剥離層21とを分離することができる。したがって、剥離のタイミングを制御でき、かつ、高い剥離性を実現できる。これにより、剥離工程、及び表示装置の作製工程の歩留まりを高めることができる。
次に、酸化チタン層15が形成された作製基板14とトランジスタ40とを分離する(図5(A))。
作製方法例2では、酸化チタン層15にレーザ光を照射することによって、剥離層23に含まれる樹脂の分子を分解し、脆くなった領域である分離領域25を形成し、当該分離領域25より分離することで酸化チタン層15が形成された作製基板14から被剥離層21を剥離することができる。
次に、酸化チタン層15が形成された作製基板14から分離することで露出した分離領域25と、基板29とを、接着層28を用いて貼り合わせる(図5(B))。基板29は、表示装置の支持基板として機能することができる。
以上の工程により、トランジスタのチャネル形成領域に金属酸化物が適用され、EL素子が適用された表示装置を作製することができる。
[表示装置の構成例1]
図6(A)は、表示装置10Aの上面図である。図6(B)、(C)は、それぞれ、表示装置10Aの表示部381の断面図及びFPC372との接続部の断面図の一例である。
表示装置10Aは、上記の作製方法例2を用いて作製することができる。表示装置10Aは、曲がった状態に保持することや、繰り返し曲げることなどが可能である。
表示装置10Aは、保護層75及び基板29を有する。保護層75側が表示装置の表示面側である。表示装置10Aは、表示部381及び駆動回路部382を有する。表示装置10AにはFPC372が貼り付けられている。
接続体76を介して、導電層43cとFPC372とが電気的に接続されている(図6(B)、(C))。導電層43cは、トランジスタのソース及びドレインと同一の材料及び同一の工程で形成することができる。
接続体76としては、様々な異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)及び異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)等を用いることができる。
図6(C)に示す表示装置は、トランジスタ40の代わりに、トランジスタ49を有している点、及び、絶縁層33上に着色層97を有する点で、図6(B)の構成と異なる。ボトムエミッション型の発光素子60を用いる場合、発光素子60と基板29との間に着色層97を有していてもよい。
図6(C)に示すトランジスタ49は、図6(B)に示すトランジスタ40の構成に加えて、ゲート電極として機能する導電層45を有する。
トランジスタ49には、チャネルが形成される半導体層を2つのゲートで挟持する構成が適用されている。このような構成とすることで、トランジスタの閾値電圧を制御することができる。2つのゲートを接続し、これらに同一の信号を供給することによりトランジスタを駆動してもよい。このようなトランジスタは他のトランジスタと比較して電界効果移動度を高めることが可能であり、オン電流を増大させることができる。その結果、高速駆動が可能な回路を作製することができる。さらには、回路部の占有面積を縮小することが可能となる。オン電流の大きなトランジスタを適用することで、表示装置を大型化、または高精細化したときに配線数が増大したとしても、各配線における信号遅延を低減することが可能であり、表示ムラを抑制することができる。
または、2つのゲートのうち、一方に閾値電圧を制御するための電位を与え、他方に駆動のための電位を与えることで、トランジスタの閾値電圧を制御することができる。
上述の通り、これら表示装置を作製する際には、酸化チタン層15にレーザ光を照射することによって、剥離層23に含まれる樹脂の分子を分解し、脆くなった領域である分離領域25を形成し、当該分離領域より分離することで酸化チタン層15が形成された作製基板14から被剥離層21を剥離することができるそのため、本実施の形態の表示装置の作製方法を適用して作製された表示装置が有する接着層28と剥離層23との間の領域(接着層28と剥離層23との界面)には、レーザ光が照射されたことによって剥離層23が分解して生成したLC/MS測定において、質量電荷比が1000以上1200以下で、且つ剥離層の材料においては含まれない質量電荷比の物質の少なくともいずれかが存在する。これらの物質が存在する剥離層23は、適度に分子が分解されることによって、意図せず被剥離層21が剥離してしまったりすることを抑制しつつ、良好な剥離性能を有するため、歩留まり良く表示装置を製造することができる。
フーリエ変換赤外分光法(Fourier Transform Infrared Spectroscopy、FTIR)、核磁気共鳴分光法(1H−NMR)、ガスクロマトグラフ質量分析法(GC/MS)、液体クロマトグラフ質量分析法(LC/MS)、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)、及びマトリックス支援レーザ脱離イオン化飛行時間型質量分析法(MALDI−TOFMS)などの分析法を1種以上用いて、分離した剥離層23の表面(分離領域25)または接着層28の表面を分析することによって、剥離層23と接着層28の界面に存在する分子を確認することができる。
LC/MSにより分析を行うには、剥離後の剥離層界面を任意の溶媒(トルエン、クロロホルム、1,1,3,3−ヘキサフルオロー2−プロパノール(略称:HFIP)等)で洗い流し、得られた洗浄液を任意の溶剤(アセトニトリル等、LC/MS測定に用いる有機溶媒が好ましい)で希釈して、測定サンプルを作成する。
表示装置を分析する場合は、まず、表示装置のトランジスタ構造において、剥離界面となる層、例えばポリイミドと接着剤(エポキシ樹脂等)が接している層等、の特定を行う。剥離界面の特定に用いる分析手法はTEM−EDX(透過電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分析等)が挙げられる。特定した界面付近をTOF−SIMS(飛行時間型二次イオン質量分析)等の深さ方向の分子量分布情報が得られる分析手法にて分析する方法や、MALDI−MS(マトリックス支援レーザ脱離イオン化質量分析)など横方向の分子量分布情報が得られる分析手法を用いて分析することができる。また、前記の方法にて剥離界面を特定した後、剥離界面にて剥離し、表面を露出させた後に、両剥離界面の表面を任意の溶剤(トルエン、クロロホルム、HFIP等)で洗い流し、得られた洗浄液を任意の溶剤(アセトニトリル等、LC/MS測定に用いる有機溶媒が好ましい)で希釈して、測定サンプルを作成し、LC/MS分析を行う事ができる。
[作製方法例3]
まず、作製方法例2と同様に、酸化チタン層15が形成された作製基板14上に、剥離層23から絶縁層31までを形成する(図7(A))。
次に、絶縁層31上にトランジスタ80を形成する(図7(B))。
ここではトランジスタ80として、金属酸化物層83と2つのゲートを有するトランジスタを作製する場合を示す。
トランジスタ80は、剥離層23の耐熱温度以下の温度で形成する。第1の加熱処理の温度及び第2の加熱処理の温度の双方より低い温度で形成することが好ましい。
具体的には、まず、絶縁層31上に導電層81を形成する。導電層81は、導電膜を成膜した後、レジストマスクを形成し、当該導電膜をエッチングした後にレジストマスクを除去することで形成できる。
続いて、絶縁層82を形成する。絶縁層82は、絶縁層31に用いることのできる無機絶縁膜を援用できる。
続いて、金属酸化物層83を形成する。金属酸化物層83は、金属酸化物膜を成膜した後、レジストマスクを形成し、当該金属酸化物膜をエッチングした後にレジストマスクを除去することで形成できる。金属酸化物層83は、金属酸化物層44に用いることのできる材料を援用できる。
続いて、絶縁層84及び導電層85を形成する。絶縁層84は、絶縁層31に用いることのできる無機絶縁膜を援用できる。絶縁層84及び導電層85は、絶縁層84となる絶縁膜と、導電層85となる導電膜とを成膜した後、レジストマスクを形成し、当該絶縁膜及び当該導電膜をエッチングした後にレジストマスクを除去することにより形成できる。
次に、金属酸化物層83、絶縁層84、及び導電層85を覆う絶縁層33を形成する。絶縁層33は、絶縁層31と同様の方法により形成することができる。
絶縁層33は、水素を含むことが好ましい。絶縁層33に含まれる水素が、絶縁層33と接する金属酸化物層83に拡散し、金属酸化物層83の一部が低抵抗化する。絶縁層33に接する金属酸化物層83は低抵抗領域として機能するため、トランジスタ80のオン電流の増大及び電界効果移動度の向上が可能である。
次に、絶縁層33に、金属酸化物層83に達する開口を形成する。
続いて、導電層86a及び導電層86bを形成する。導電層86a及び導電層86bは、導電膜を成膜した後、レジストマスクを形成し、当該導電膜をエッチングした後にレジストマスクを除去することにより形成できる。導電層86a及び導電層86bは、それぞれ、絶縁層33の開口を介して金属酸化物層83と電気的に接続される。
以上のようにして、トランジスタ80を作製できる(図7(B))。トランジスタ80において、導電層81の一部はゲートとして機能し、絶縁層84の一部はゲート絶縁層として機能し、絶縁層82の一部はゲート絶縁層として機能し、導電層85の一部はゲートとして機能する。金属酸化物層83はチャネル領域と低抵抗領域とを有する。チャネル領域は絶縁層84を介して導電層85と重なる。低抵抗領域は導電層86aと接続される部分と、導電層86bと接続される部分と、を有する。
次に、絶縁層33上に絶縁層34から発光素子60までを形成する(図7(C))。これらの工程は作製方法例1を参照できる。
また、図7(A)〜(C)までの工程とは独立して、図8(A)、(B)の工程を行う。作製基板14上に、剥離層23を形成する工程と同様に、作製基板91上に、酸化チタン層92を形成し、剥離層93を形成する。
次に、剥離層93上に絶縁層95を形成する。次に、絶縁層95上に、着色層97及び遮光層98を形成する(図8(B))。
絶縁層95については、絶縁層31の記載を援用できる。
着色層97として、カラーフィルタ等を用いることができる。着色層97は発光素子60の表示領域と重なるように配置する。
遮光層98として、ブラックマトリクス等を用いることができる。遮光層98は、絶縁層35と重なるように配置する。
次に、作製基板14のトランジスタ80等が形成されている面と、作製基板91の着色層97等が形成されている面とを、接着層99を用いて貼り合わせる(図8(C))。
次に、酸化チタン層15にレーザ光を照射して、分離領域25を形成し(図9(A))、その後分離の起点を形成する(図9(B))。作製基板14と作製基板91はどちらを先に分離してもよい。ここでは、作製基板91よりも先に作製基板14を分離する例を示す。
分離領域25を形成するためのレーザ照射条件については、作製方法例1に記載した方法と同様に行えばよい。
分離の起点を形成する方法としては、例えば、作製基板14側から、剥離層23aにおける分離領域25の内側に、枠状にレーザ光66を照射する方法がある(図9(C)に示すレーザ光の照射一67参照)。この方法は、作製基板14及び作製基板91にガラスなどの硬質基板を用いる場合に好適である。
分離の起点を形成するために用いるレーザには特に限定はない。例えば、連続発振型のレーザやパルス発振型のレーザを用いることができる。レーザ光の照射条件(周波数、パワー密度、エネルギー密度、ビームプロファイル等)は、作製基板、酸化チタン層および剥離層23の厚さ、分離領域25の位置、材料等を考慮して適宜制御する。
作製方法例4では、分離領域25を形成するためのレーザ光照射の際に、酸化チタン層15にレーザ光を照射する部分と照射しない部分とを設ける。分離領域25を形成する為にレーザ光を照射した部分には分離領域25が形成され、剥離層23は作製基板14から分離しやすい状態となる。一方、分離領域25が形成されていない部分については、剥離層23に脆い部分は存在しないため、剥離層23は作製基板14から分離しにくい状態のままである。これにより、被剥離層21が作製基板14から意図しないタイミングで剥離してしまうことを抑制することができる。同様に、作製基板91上から、分離領域94を形成するためのレーザ光照射を行う際に、レーザ光を照射する部分と照射しない部分とを設けることによって剥離層93が作製基板91から意図しないタイミングで分離してしまうことを抑制することができる。
そして、剥離層23または剥離層93の一方のみに分離の起点を形成することで、作製基板14と作製基板91をそれぞれ別工程で剥離することができる。これにより、剥離工程および表示装置の作製工程の歩留まりを高めることができる。
次に、作製基板14側から剥離層23(分離領域25)に分離の起点を形成したら、作製基板14とトランジスタ80とを分離する(図10(A))。ここでは、枠状にレーザ光66を照射した内側の部分(図9(B)に示すレーザ光の照射領域67の内側の部分ともいえる。)が、作製基板14から剥離される例を示す。また、図10(A)では、枠状にレーザ光66を照射した外側の部分において、接着層99中で分離が生じる(接着層99が凝集破壊する)例を示すが、これに限られない。例えば、照射領域67の外側において、接着層99は絶縁層95または絶縁層35との間で分離が生じる(界面破壊または接着破壊が生じるともいう)場合がある。
次に、作製基板14から分離することで露出した剥離層23と、基板29とを、接着層28を用いて貼り合わせる(図10(B))。基板29は、表示装置の支持基板として機能する。
次に、剥離層93(分離領域94)に分離の起点を形成する(図11(A))。
図11(A)では、基板29側から、剥離層93における分離領域94の端部よりも内側に刃物などの鋭利な形状の器具65を差し込み、枠状に切れ目を入れる。基板29に樹脂を用いる場合に好適である。
または、剥離層23に分離の起点を形成した際と同様に、作製基板91側から、酸化チタン層92に、枠状にレーザ光を照射してもよい。
分離の起点を形成することで、所望のタイミングで、作製基板91と剥離層93とを分離することができる。したがって、剥離のタイミングを制御でき、かつ、高い剥離性を実現できる。これにより、剥離工程、及び表示装置の作製工程の歩留まりを高めることができる。
次に、作製基板91とトランジスタ80とを分離する(図11(B))。ここでは、枠状に切れ目を入れた内側の部分が、作製基板91から剥離される例を示す。
次に、作製基板91から分離することで露出した剥離層93と、基板22とを、接着層13を用いて貼り合わせる(図12(A))。基板22は、表示装置の支持基板として機能することができる。
図12(A)において、発光素子60の発光は、着色層97、剥離層93を通して、表示装置の外部に取り出される。そのため、剥離層93の可視光の透過率はそれぞれ高いことが好ましい。
剥離層93を除去してもよい。これにより、発光素子60の光取り出し効率をさらに高めることができる。図12(B)では、剥離層93を除去し、接着層13を用いて絶縁層95に基板22を貼り合わせた例を示す。
接着層13には、接着層75bに用いることができる材料を適用できる。
基板22には、基板75aに用いることができる材料を適用できる。
作製方法例4は、本発明の一態様の剥離方法を2回行って表示装置を作製する例である。本発明の一態様では、表示装置を構成する機能素子等は、全て作製基板上で形成するため、精細度の高い表示装置を作製する場合においても、可撓性を有する基板には、高い位置合わせ精度が要求されない。よって、簡便に可撓性を有する基板を貼り付けることができる。
上述の通り、これら表示装置を作製する際には、酸化チタン層15および酸化チタン層92にレーザ光を照射することによって、剥離層23および剥離層93に含まれる樹脂の分子を分解し、脆くなった領域である分離領域25および分離領域94を形成し、当該分離領域より分離することで作製基板14および作製基板91から素子形成領域を剥離することができるそのため、本実施の形態の表示装置の作製方法を適用して作製された表示装置が有する接着層28と剥離層23との間の領域(接着層28と剥離層23との界面)及び接着層13と剥離層93との間の領域(接着層13と剥離層93との界面)には、レーザ光が照射されたことによって剥離層23または剥離層93が分解して生成したLC/MS測定において、質量電荷比が1000以上1200以下で、且つ剥離層の材料においては含まれない質量電荷比の物質が複数存在する。これらの分子量の分子が存在する剥離層23および剥離層93は、適度に分子が分解されることによって、意図しない剥離が起こることを抑制しつつ、良好な剥離性能を有するため、歩留まり良く表示装置を製造することができる。
[変形例]
作製方法例4(図18(C))では、接着層99が、分離領域25および分離領域94の外側にも形成されている場合を示した。分離領域の外側の密着性は高く、このまま分離を行うと、剥離不良が生じるなど、剥離の歩留まりが低下することがある。
そこで、図13(A)、(B)に示すように、接着層99を、分離領域25の外側および分離領域94の外側とは重ねない構成とすることで、剥離不良を低減させることが可能となる。
例えば、流動性の低い接着剤、または接着シートなどを接着層99に用いると、接着層99を島状に形成することが容易である(図13(A))。
または、枠状の隔壁96を形成し、隔壁96に囲まれた内側に接着層99を充填し硬化してもよい(図13(B))。
隔壁96を表示装置の構成要素として用いる場合、隔壁96には、硬化した樹脂を用いることが好ましい。このとき、隔壁96も、分離領域25の外側および分離領域94の外側とは重ねないことが好ましい。
隔壁96を表示装置の構成要素として用いない場合、隔壁96には、未硬化または半硬化の樹脂を用いることが好ましい。このとき、隔壁96は分離領域25の外側および分離領域94の外側の一方または双方と重ねてもよい。
本実施の形態では、隔壁96に未硬化の樹脂を用い、隔壁96が、分離領域25の外側および分離領域94の外側と重ならない例を示す。
接着層99が、分離領域25の外側および分離領域94の外側と重ならない構成における分離の起点の形成方法について説明する。以下では、作製基板91を剥離する例を示す。作製基板14を剥離する場合にも同様の方法を用いることができる。
図14(A)〜(E)では、作製基板91と剥離層93とを分離する場合のレーザ光66の照射位置を説明する。
図14(A)に示すように、剥離層93における分離領域94と接着層99とが重なる領域の少なくとも1か所に、レーザ光66を照射することで、分離の起点を形成できる。
分離の起点に、作製基板91と剥離層93を引き離す力が集中することが好ましいため、接着層99の中央部よりも端部近傍に分離の起点を形成することが好ましい。特に、端部近傍の中でも、辺部近傍に比べて、角部近傍に分離の起点を形成することが好ましい。
図14(B)〜(E)に、レーザ光の照射領域67の一例を示す。
図14(B)では、接着層99の角部に1か所、レーザ光の照射領域67を示す。
連続的もしくは断続的にレーザ光を照射することで、実線状もしくは破線状の剥離の起点を形成することができる。図14(C)では、接着層99の角部に3か所、レーザ光の照射領域67を示す。図16(D)では、レーザ光の照射領域67が、接着層99の一辺に接し、かつ接着層99の一辺に沿って伸びている例を示す。図14(E)に示すように、レーザ光の照射領域67が、接着層99と分離領域94とが重なる領域だけでなく、硬化状態でない隔壁96と分離領域94とが重なる領域に位置してもよい。
その後、作製基板91と剥離層93とを分離することができる。なお、作製基板14側に隔壁96の一部が残存することがある。隔壁96は、除去してもよいし、除去せず、次の工程に進んでもよい。
[表示装置の構成例2]
図15(A)は、表示装置10Bの上面図である。図15(B)は、表示装置10Bの表示部381の断面図及びFPC372との接続部の断面図の一例である。
表示装置10Bは、上記の作製方法例5を用いて作製することができる。表示装置10Bは、曲がった状態に保持することや、繰り返し曲げることなどが可能である。
表示装置10Bは、基板22及び基板29を有する。基板22側が表示装置10Bの表示面側である。表示装置10Bは、表示部381及び駆動回路部382を有する。表示装置10BにはFPC372が貼り付けられている。
接続体76を介して、導電層86cとFPC372とが電気的に接続されている(図15(B))。導電層86cは、トランジスタのソース及びドレインと同一の材料及び同一の工程で形成することができる。
上述の通り、これら表示装置を作製する際には、酸化チタン層15にレーザ光を照射することによって、剥離層23に含まれる樹脂の分子を分解し、脆くなった領域である分離領域25を形成し、当該分離領域より剥離層23を分離することで作製基板14から素子形成領域を剥離することができる。そのため、本実施の形態の表示装置の作製方法を適用して作製された表示装置が有する接着層28と剥離層23との間の領域(接着層28と剥離層23との界面)には、レーザ光が照射されたことによって剥離層23が分解して生成したLC/MS測定において質量電荷比が1000以上1200以下で、且つ剥離層の材料においては含まれない質量電荷比の物質が複数存在する。これらの分子量の分子が存在する剥離層23は、適度に分子が分解されることによって、意図しない剥離が起こることを抑制しつつ、良好な剥離性能を有するため、歩留まり良く表示装置を製造することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。また、本明細書において、1つの実施の形態の中に、複数の構成例が示される場合は、構成例を適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置とその作製方法について図面を用いて説明する。
本実施の形態の表示装置は、可視光を反射する第1の表示素子と、可視光を発する第2の表示素子とを有する。
本実施の形態の表示装置は、第1の表示素子が反射する光と、第2の表示素子が発する光のうち、いずれか一方、または両方により、画像を表示する機能を有する。
第1の表示素子には、外光を反射して表示する素子を用いることができる。このような素子は光源を持たないため、表示の際の消費電力を極めて小さくすることが可能となる。
第1の表示素子には、代表的には反射型の液晶素子を用いることができる。または、第1の表示素子として、シャッター方式のMEMS(Micro Electro Mechanical System)素子、光干渉方式のMEMS素子の他、マイクロカプセル方式、電気泳動方式、エレクトロウェッティング方式、電子粉流体(登録商標)方式等を適用した素子などを用いることができる。
第2の表示素子には、発光素子を用いることが好ましい。このような表示素子が射出する光は、その輝度や色度が外光に左右されることがないため、色再現性が高く(色域が広く)、コントラストの高い、鮮やかな表示を行うことができる。
第2の表示素子には、例えばOLED(Organic Light Emitting Diode)、LED(Light Emitting Diode)、QLED(Quantum−dot Light Emitting Diode)などの自発光性の発光素子を用いることができる。
本実施の形態の表示装置は、第1の表示素子のみを用いて画像を表示する第1のモード、第2の表示素子のみを用いて画像を表示する第2のモード、並びに、第1の表示素子及び第2の表示素子を用いて画像を表示する第3のモードを有し、これらのモードを自動または手動で切り替えて使用することができる。
第1のモードでは、第1の表示素子と外光を用いて画像を表示する。第1のモードは光源が不要であるため、極めて低消費電力なモードである。例えば、表示装置に外光が十分に入射されるとき(明るい環境下など)は、第1の表示素子が反射した光を用いて表示を行うことができる。例えば、外光が十分に強く、かつ外光が白色光またはその近傍の光である場合に有効である。第1のモードは、文字を表示することに適したモードである。また、第1のモードは、外光を反射した光を用いるため、目に優しい表示を行うことができ、目が疲れにくいという効果を奏する。
第2のモードでは、第2の表示素子による発光を利用して画像を表示する。そのため、照度や外光の色度によらず、極めて鮮やかな(コントラストが高く、且つ色再現性の高い)表示を行うことができる。例えば、夜間や暗い室内など、照度が極めて低い場合などに有効である。また周囲が暗い場合、明るい表示を行うと使用者が眩しく感じてしまう場合がある。これを防ぐために、第2のモードでは輝度を抑えた表示を行うことが好ましい。これにより、眩しさを抑えることに加え、消費電力も低減することができる。第2のモードは、鮮やかな画像(静止画及び動画)などを表示することに適したモードである。
第3のモードでは、第1の表示素子による反射光と、第2の表示素子による発光の両方を利用して表示を行う。第1のモードよりも鮮やかな表示をしつつ、第2のモードよりも消費電力を抑えることができる。例えば、室内照明下や、朝方や夕方の時間帯など、照度が比較的低い場合、外光の色度が白色ではない場合などに有効である。また、反射光と発光とを混合させた光を用いることで、まるで絵画を見ているかのように感じさせる画像を表示することが可能となる。
このような構成とすることで、周囲の明るさによらず、視認性が高く利便性の高い表示装置または全天候型の表示装置を実現できる。
本実施の形態の表示装置は、第1の表示素子を有する第1の画素と、第2の表示素子を有する第2の画素とをそれぞれ複数有する。第1の画素と第2の画素は、それぞれ、マトリクス状に配置されることが好ましい。
第1の画素及び第2の画素は、それぞれ、1つ以上の副画素を有する構成とすることができる。例えば、画素には、副画素を1つ有する構成(白色(W)など)、副画素を3つ有する構成(赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)の3色、または、黄色(Y)、シアン(C)、及びマゼンタ(M)の3色など)、または、副画素を4つ有する構成(赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、白色(W)の4色、または、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、黄色(Y)の4色など)を適用できる。
本実施の形態の表示装置は、第1の画素と第2の画素のどちらでも、フルカラー表示を行う構成とすることができる。または、本実施の形態の表示装置は、第1の画素では白黒表示またはグレースケールでの表示を行い、第2の画素ではフルカラー表示を行う構成とすることができる。第1の画素を用いた白黒表示またはグレースケールでの表示は、文書情報など、カラー表示を必要としない情報を表示することに適している。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様で開示されるトランジスタに用いることができるCAC(Cloud−Aligned Composite)−OSの構成について説明する。
CAC−OSとは、例えば、金属酸化物を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、またはその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、金属酸化物において、一つあるいはそれ以上の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、またはその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、またはパッチ状ともいう。
なお、金属酸化物は、少なくともインジウムを含むことが好ましい。特にインジウムおよび亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、元素M(Mは、ガリウム、アルミニウム、シリコン、ホウ素、イットリウム、スズ、銅、バナジウム、ベリリウム、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウム)が含まれていてもよい。
例えば、CAC−OSの構成を有するIn−M−Zn酸化物とは、インジウム酸化物(以下、InOX1(X1は0よりも大きい実数)とする。)、またはインジウム亜鉛酸化物(以下、InX2ZnY2OZ2(X2、Y2、およびZ2は0よりも大きい実数)とする。)と、元素Mの酸化物(以下、MOX3(X3は0よりも大きい実数)とする。)、または元素Mの亜鉛酸化物(以下、MX4ZnY4OZ4(X4、Y4、およびZ4は0よりも大きい実数)とする。)などと、に材料が分離することでモザイク状となり、モザイク状のInOX1、またはInX2ZnY2OZ2が、膜中に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。
つまり、CAC−OSの構成を有するIn−M−Zn酸化物は、MOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とが、混合している金属酸化物である。従って、金属酸化物を複合金属酸化物と記載する場合がある。なお、本明細書において、例えば、第1の領域の元素Mに対するInの原子数比が、第2の領域の元素Mに対するInの原子数比よりも大きいことを、第1の領域は、第2の領域と比較して、Inの濃度が高いとする。
なお、CAC−OSの構成を有する金属酸化物とは、組成の異なる二種類以上の膜の積層構造は含まないものとする。例えば、Inを主成分とする膜と、Gaを主成分とする膜との2層からなる構造は、含まない。
具体的に、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OS(CAC−OSの中でもIn−Ga−Zn酸化物を、特にCAC−IGZOと呼称してもよい。)について説明する。In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OSは、InOX1、またはInX2ZnY2OZ2と、ガリウム酸化物(以下、GaOX5(X5は0よりも大きい実数)とする。)、またはガリウム亜鉛酸化物(以下、GaX6ZnY6OZ6(X6、Y6、およびZ6は0よりも大きい実数)とする。)などと、に材料が分離することでモザイク状となり、モザイク状のInOX1、またはInX2ZnY2OZ2がクラウド状である金属酸化物である。
つまり、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OSは、GaOX5が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とが、混合している構成を有する複合金属酸化物である。また、GaOX5が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
なお、IGZOは通称であり、In、Ga、Zn、およびOによる1つの化合物をいう場合がある。代表例として、InGaO3(ZnO)m1(m1は自然数)、またはIn(1+x0)Ga(1−x0)O3(ZnO)m0(−1≦x0≦1、m0は任意数)で表される結晶性の化合物が挙げられる。
上記結晶性の化合物は、単結晶構造、多結晶構造、またはCAAC構造を有する。なお、CAAC構造とは、複数のIGZOのナノ結晶がc軸配向を有し、かつa−b面においては配向せずに連結した層状の結晶構造である。
本明細書等において、CAC−IGZOとは、In、Ga、Zn、およびOを含む金属酸化物において、Gaを主成分とする複数の領域と、Inを主成分とする複数の領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している状態の金属酸化物と定義することができる。
In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OSにおける結晶性は、電子線回折で評価することができる。例えば、電子線回折パターン像において、リング状に輝度の高い領域が観察される。また、リング状の領域に複数のスポットが観察される場合がある。
In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OSは、金属元素が均一に分布したIGZO化合物とは異なる構造であり、IGZO化合物と異なる性質を有する。つまり、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OSは、GaOX5などが主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域と、に互いに分離し、各元素を主成分とする領域がモザイク状である構造を有する。
なお、ガリウムの代わりに、アルミニウム、シリコン、ホウ素、イットリウム、スズ、銅、バナジウム、ベリリウム、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムが含まれている場合、CAC−OSは、一部に該金属元素を主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。
ここで、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域は、GaOX5などが主成分である領域と比較して、導電性が高い領域である。つまり、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域を、キャリアが流れることにより、導電性が発現する。従って、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域が、金属酸化物中にクラウド状に分布することで、高い電界効果移動度(μ)が実現できる。
一方、GaOX5などが主成分である領域は、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域と比較して、絶縁性が高い領域である。つまり、GaOX5などが主成分である領域が、金属酸化物中に分布することで、リーク電流を抑制し、良好なスイッチング動作を実現できる。
従って、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OSを半導体素子に用いた場合、GaOX5などに起因する絶縁性と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1に起因する導電性とが、相補的に作用することにより、高いオン電流(Ion)、高い電界効果移動度(μ)、及び低いオフ電流(Ioff)を実現することができる。
In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OSを用いた半導体素子は、信頼性が高い。従って、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OSは、ディスプレイをはじめとするさまざまな半導体装置に最適である。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示モジュール及び電子機器について説明する。
図16に示す表示モジュール8000は、上部カバー8001と下部カバー8002との間に、FPC8003に接続されたタッチパネル8004、FPC8005に接続された表示パネル8006、フレーム8009、プリント基板8010、及びバッテリ8011を有する。
例えば、本発明の一態様の剥離方法を用いて作製された表示装置を、表示パネル8006に用いることができる。これにより、高い歩留まりで表示モジュールを作製することができる。
上部カバー8001及び下部カバー8002は、タッチパネル8004及び表示パネル8006のサイズに合わせて、形状や寸法を適宜変更することができる。
タッチパネル8004としては、抵抗膜方式または静電容量方式のタッチパネルを表示パネル8006に重畳して用いることができる。また、タッチパネル8004を設けず、表示パネル8006に、タッチパネル機能を持たせるようにすることも可能である。
フレーム8009は、表示パネル8006の保護機能の他、プリント基板8010の動作により発生する電磁波を遮断するための電磁シールドとしての機能を有する。またフレーム8009は、放熱板としての機能を有していてもよい。
プリント基板8010は、電源回路、ビデオ信号及びクロック信号を出力するための信号処理回路を有する。電源回路に電力を供給する電源としては、外部の商用電源であっても良いし、別途設けたバッテリ8011による電源であってもよい。バッテリ8011は、商用電源を用いる場合には、省略可能である。
また、表示モジュール8000は、偏光板、位相差板、プリズムシートなどの部材を追加して設けてもよい。
本発明の一態様により、曲面を有し、信頼性の高い電子機器を作製できる。また、本発明の一態様により、可撓性を有し、信頼性の高い電子機器を作製できる。
電子機器としては、例えば、テレビジョン装置、デスクトップ型もしくはノート型のパーソナルコンピュータ、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
また、本発明の一態様の表示装置は、外光の強さによらず、高い視認性を実現することができる。そのため、携帯型の電子機器、装着型の電子機器(ウェアラブル機器)、及び電子書籍端末などに好適に用いることができる。
図17(A)、(B)に示す携帯情報端末800は、筐体801、筐体802、表示部803、表示部804、及びヒンジ部805等を有する。
筐体801と筐体802は、ヒンジ部805で連結されている。携帯情報端末800は、折り畳んだ状態(図17(A))から、図17(B)に示すように展開させることができる。
本発明の一態様の剥離方法を用いて作製された表示装置を、表示部803及び表示部804のうち少なくとも一方に用いることができる。これにより、高い歩留まりで携帯情報端末を作製することができる。
表示部803及び表示部804は、それぞれ、文書情報、静止画像、及び動画像等のうち少なくとも一つを表示することができる。表示部に文書情報を表示させる場合、携帯情報端末800を電子書籍端末として用いることができる。
携帯情報端末800は折り畳むことができるため、可搬性が高く、汎用性に優れる。
筐体801及び筐体802は、電源ボタン、操作ボタン、外部接続ポート、スピーカ、マイク等を有していてもよい。
図17(C)に示す携帯情報端末810は、筐体811、表示部812、操作ボタン813、外部接続ポート814、スピーカ815、マイク816、カメラ817等を有する。
本発明の一態様の剥離方法を用いて作製された表示装置を、表示部812に用いることができる。これにより、高い歩留まりで携帯情報端末を作製することができる。
携帯情報端末810は、表示部812にタッチセンサを備える。電話を掛ける、或いは文字を入力するなどのあらゆる操作は、指やスタイラスなどで表示部812に触れることで行うことができる。
また、操作ボタン813の操作により、電源のON、OFF動作や、表示部812に表示される画像の種類の切り替えを行うことができる。例えば、メール作成画面から、メインメニュー画面に切り替えることができる。
また、携帯情報端末810の内部に、ジャイロセンサまたは加速度センサ等の検出装置を設けることで、携帯情報端末810の向き(縦か横か)を判断して、表示部812の画面表示の向きを自動的に切り替えることができる。また、画面表示の向きの切り替えは、表示部812に触れること、操作ボタン813の操作、またはマイク816を用いた音声入力等により行うこともできる。
携帯情報端末810は、例えば、電話機、手帳または情報閲覧装置等から選ばれた一つまたは複数の機能を有する。具体的には、スマートフォンとして用いることができる。携帯情報端末810は、例えば、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、動画再生、インターネット通信、ゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。
図17(D)に示すカメラ820は、筐体821、表示部822、操作ボタン823、シャッターボタン824等を有する。またカメラ820には、着脱可能なレンズ826が取り付けられている。
本発明の一態様の剥離方法を用いて作製された表示装置を、表示部822に用いることができる。これにより、高い歩留まりでカメラを作製することができる。
ここではカメラ820を、レンズ826を筐体821から取り外して交換することが可能な構成としたが、レンズ826と筐体821とが一体となっていてもよい。
カメラ820は、シャッターボタン824を押すことにより、静止画、または動画を撮像することができる。また、表示部822はタッチパネルとしての機能を有し、表示部822をタッチすることにより撮像することも可能である。
なお、カメラ820は、ストロボ装置や、ビューファインダーなどを別途装着することができる。または、これらが筐体821に組み込まれていてもよい。
図18(A)〜(E)は、電子機器を示す図である。これらの電子機器は、筐体9000、表示部9001、スピーカ9003、操作キー9005(電源スイッチ、または操作スイッチを含む)、接続端子9006、センサ9007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、においまたは赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン9008等を有する。
本発明の一態様の剥離方法を用いて作製された表示装置を、表示部9001に好適に用いることができる。これにより、高い歩留まりで電子機器を作製することができる。
図18(A)〜(E)に示す電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、無線通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能、無線通信機能を用いて様々なデータの送信または受信を行う機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出して表示部に表示する機能、等を有することができる。なお、図18(A)〜(E)に示す電子機器が有する機能はこれらに限定されず、その他の機能を有していてもよい。
図18(A)は腕時計型の携帯情報端末9200を、図18(B)は腕時計型の携帯情報端末9201を、それぞれ示す斜視図である。
図18(A)に示す携帯情報端末9200は、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。また、表示部9001はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、携帯情報端末9200は、通信規格された近距離無線通信を実行することが可能である。例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。また、携帯情報端末9200は、接続端子9006を有し、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うことができる。また接続端子9006を介して充電を行うこともできる。なお、充電動作は接続端子9006を介さずに無線給電により行ってもよい。
図18(B)に示す携帯情報端末9201は、図18(A)に示す携帯情報端末と異なり、表示部9001の表示面が湾曲していない。また、携帯情報端末9201の表示部の外形が非矩形状(図18(B)においては円形状)である。
図18(C)〜(E)は、折り畳み可能な携帯情報端末9202を示す斜視図である。なお、図32(C)が携帯情報端末9202を展開した状態の斜視図であり、図18(D)が携帯情報端末9202を展開した状態または折り畳んだ状態の一方から他方に変化する途中の状態の斜視図であり、図18(E)が携帯情報端末9202を折り畳んだ状態の斜視図である。
携帯情報端末9202は、折り畳んだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では、継ぎ目のない広い表示領域により表示の一覧性に優れる。携帯情報端末9202が有する表示部9001は、ヒンジ9055によって連結された3つの筐体9000に支持されている。ヒンジ9055を介して2つの筐体9000間を屈曲させることにより、携帯情報端末9202を展開した状態から折りたたんだ状態に可逆的に変形させることができる。例えば、携帯情報端末9202は、曲率半径1mm以上150mm以下で曲げることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
本実施例では、ガラス基板上に酸化チタンの層を形成し、ついで酸化チタン層上にポリイミド薄膜を形成した後、剥離用フィルムをポリイミドに接着させてからガラス基板側からレーザ照射することにより剥離層を形成する方法について説明する。ガラス基板には、厚さ約0.7mmのガラス基板を用いた。ガラス基板上に、スパッタリング法を用いてチタン膜を形成した。チタン膜の形成時、プロセスガスには流量100mL/min(100sccm)のアルゴンガスを用い、圧力は0.3Pa、パワーは8kWとし、チタン膜の厚さは5nmとなるようにした。続けて製膜したチタン層を酸化する事で酸化チタンとした。チタン薄膜の酸化条件は、酸素と窒素の雰囲気下でガラス上にチタンを成膜した基板を450℃で1時間焼成する方法(サンプル1)と、チタン薄膜表面をH2Oプラズマ処理する方法の、2通りを行った。得られたガラス基板上に2通りの方法(サンプル2)で形成した酸化チタン薄膜の表面に、厚さに可溶性ポリイミドの溶液(栃木事業所における品番:SO0100001))を適量滴下し、スピンコートにより成膜した。成膜後、基板を400℃で1時間焼成し、焼成後剥離用フィルムを接着した。接着方法としては、ポリイミド上に接着剤(日新レジン社製、製品番号:CEP−5)を線状に塗布し、PETフィルム(パナック社製、製品名:CT100/ルミラー125UF83)125μmを置き、ラミネーターで延ばしポリイミド層と剥離用フィルムであるPETフィルムを接着した。ついで、ガラス基板側からエキシマレーザ(波長:308nm)をエネルギー密度440(mJ/cm2)となるように照射した。照射後、剥離フィルムに切欠を入れることで被剥離層を剥離した。
得られた被剥離層を有する剥離フィルムと剥離後のガラス基板について、ガラス基板側の剥離表面と、被剥離層側の剥離表面についてLC/MS分析を行った。分析対象である被剥離層を有する剥離フィルムと、被剥離層剥離後のガラス基板を任意の大きさに切り出し、剥離後のガラス基板の剥離界面側の表面と、被剥離層の剥離界面側の表面を、アセトニトリルとクロロホルムを体積比7対3の割合で混合した溶液15滴を用いて3回洗い流し、得られた洗浄液を測定サンプルとした。剥離表面の洗い流しに用いた溶媒としては、アセトニトリルと1,1,1,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐2‐プロパノールを体積比7対3の割合で混合した溶液も用いた。リファレンスとして、剥離フィルム(PET\CEP05)とガラス基板についても同様に、前記2種類の混合溶媒にて表面を洗い流し、リファレンスサンプルとした。
以上の様にして作成したサンプルとリファレンスサンプルを、LC/MS分析を行った。LC/MS分析は、LC(液体クロマトグラフィー)分離をウォーターズ社製Acquity UPLCにより、MS分析(質量分析)をウォーターズ社製Xevo G2 Tof MSにより行った。LC分離で用いたカラムはAcquity UPLC BEH C8 (2.1×100mm 1.7μm)、カラム温度は40℃とした。移動相は移動相Aをアセトニトリル、移動相Bを0.1%ギ酸水溶液とした。また、サンプルの注入量は5.0μLとした。
LC分離には移動相の組成を変化させるグラジエント法を用い、測定開始後0分から1分までが、移動相A:移動相B=30:70、その後組成を変化させ、9分における移動相Aと移動相Bとの比が移動相A:移動相B=95:5となるようにリニアでグラジエントをかけ、その後15分まで同割合で保持した。
MS分析では、エレクトロスプレーイオン化法(ElectroSpray Ionization、略称:ESI)によるイオン化を行い、キャピラリー電圧は3.01075kV、サンプルコーン電圧は30V、検出はポジティブモードおよび、ネガティブモードそれぞれについて測定を行った。なお、測定する質量範囲はm/z=100〜1200とした。
以上のようにして行ったLC/MS分析で得られた、PDA(フォトダイオードアレイ)検出器のクロマトグラフを図19(A)(B)に示す。なお、図19(A)はサンプル1、図19(B)はサンプル2の結果である。図19中に検出されたピークの面積比(%)と、検出された質量電荷比(m/z)を表1にまとめる。ポジティブモードではイオンが検出されなかったため、ネガティブモードで検出された質量電荷比のみを表1には示した。
なお、表1中、「剥離後PI表面」とは被剥離層の剥離界面側の表面のことであり、「剥離後TiOx表面」とは、ガラス基板の剥離界面側の表面のことである
表1からわかるように、被剥離層の剥離界面のポリイミド側表面からは複数の分子量1000から1800程度の分子量の化合物が検出された。一方で酸化チタン表面からは測定範囲ではイオンは殆ど検出されなかった。被剥離層の剥離界面のポリイミド側表面から検出された複数の分子量1000から1800程度の分子量の化合物は、酸化チタン層がレーザを吸収することにより発熱し、酸化チタンの発熱を切欠にポリイミドが分解生成したものである。
ここで、用いた可溶性ポリイミドの溶液(栃木事業所における品番:SO0100001)に含まれる低分子量成分のLC/MS分析について説明する。可溶性ポリイミドの溶液とクロロホルムとを体積比1:1となるように混合したところ、ポリイミドの析出が確認された。ポリイミドが沈殿するまで1時間放置し、得られた上澄み液と、アセトニトリルとを体積比10:1となるように希釈し、比較サンプル1とした。
同様に、クロロホルムの代わりに1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(略称:HFIP)を用いて作成したサンプルを比較サンプル2とした。
以上の様にして作成した2つの比較サンプルについて、LC/MS分析を行った。LC/MS分析に用いた装置や分析条件は上述の剥離層表面を分析した際と同様である。
LC/MS分析で得られた、PDA(フォトダイオードアレイ)検出器のクロマトグラフを図20に示す。なお、図20(A)は比較サンプル1、(B)は比較サンプル2の結果である。図20(A)(B)からわかるようにPDAクロマトグラフのからは何も検出されなかった。一方で、いくつかのイオンがMS検出器で検出された。検出された質量電荷比と保持時間を表2にまとめる。表2には、ポジティブモードではイオンが検出されなかったため、ネガティブモードで検出された質量電荷比のみを示した。
表2からわかるように、可溶性ポリイミドの溶液(ソマール株式会社製、製品名:SPIXAREA スピクセリア、品番:GRシリーズ)は、クロロホルム、HFIPに溶解する低分子量成分として、MSで検出が可能な程度、数種類含んでいることが確認された。
本比較サンプルと剥離を行ったサンプルとを比較すると、剥離を行ったサンプルでは、比較サンプルに検出されない質量電荷比(m/z)1000以上1200以下の成分が検出されていることがわかる。この成分は、可溶性ポリイミドの溶液に含まれていたものではなく、剥離工程で生じていることが確認できた。
図21に、ガラス基板上に酸化チタン層と、ポリイミド層とを積層し、波長308nmのXeClエキシマレーザを用い、エネルギー密度360mJ/cm2となるように照射した後の断面TEM観察結果を示す。図21に示したように、酸化チタン層とポリイミド層の界面においては酸化チタンにレーザ光が照射されて発熱が起こったことでポリイミドが分解し、空隙が形成されている様子が観察された。剥離前の断面TEM観察において、このような空隙は確認されないため、レーザ光の照射によってこの空隙は形成されたと考えられる。
このように、レーザ光の照射による酸化チタン層の発熱によってこれらの分解物が生成することで、発生箇所が脆化し、脆化した箇所を切欠に剥離が起こる。ポリイミドの劣化物由来で脆化層が出来る本発明の剥離方法は、剥離したいときに酸化チタンとポリイミドの界面のポリイミド側に剥離箇所を設けることが出来るため、基板作成工程において非常に優れた剥離方法であると言える。つまり剥離してはいけない工程においては、被剥離層を基板に保持することが出来ることを特徴とする。従って、本発明の剥離方法を用いて作成した基板は、低コストでタクトタイムが短く、高信頼性の被剥離層を得ることが出来る。