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JP2018172268A - カーボンナノチューブ集合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、銅やアルミニウムからなる線材に匹敵する低い抵抗率と、優れた熱的安定性を有するCNT集合体を提供することを目的とする。【解決手段】1層以上の層構造を有する複数のカーボンナノチューブで構成されるカーボンナノチューブ集合体であって、カーボンナノチューブ集合体を構成する全カーボンナノチューブの個数に占める、2〜6層のいずれかの層構造を有する各多層カーボンナノチューブの総数の比率が70%以上であり、カーボンナノチューブ集合体は、ホウ素および窒素の少なくとも一方の添加元素を含み、その含有比率が、前記カーボンナノチューブ集合体に含まれる炭素原子に対する原子数比率で、1〜10%であり、150℃1時間の熱処理後の抵抗上昇率が35%以下であることを特徴とする、カーボンナノチューブ集合体。【選択図】図1

Description

本発明は、複数のカーボンナノチューブで構成されるカーボンナノチューブ集合体に関する。
従来、自動車や産業機器などの様々な分野における電力線や信号線として、一又は複数の線材からなる芯線と、該芯線を被覆する絶縁被覆とからなる電線が用いられている。芯線を構成する線材の材料としては、通常、電気特性の観点から銅又は銅合金が使用されるが、近年、軽量化の観点からアルミニウム又はアルミニウム合金が提案されている。例えば、アルミニウムの比重は銅の比重の約1/3、アルミニウムの導電率は銅の導電率の約2/3(純銅を100%IACSの基準とした場合、純アルミニウムは約66%IACS)であり、アルミニウム線材に、銅線材と同じ電流を流すためには、アルミニウム線材の断面積を、銅の線材の断面積の約1.5倍と大きくする必要があるが、そのように断面積を大きくしたアルミニウム線材を用いたとしても、アルミニウム線材の質量は、純銅の線材の質量の半分程度であることから、アルミニウム線材を使用することは、軽量化の観点から有利である。
上記のような背景のもと、昨今では、自動車、産業機器等の高性能化・高機能化が進められており、これに伴い、各種電気機器、制御機器などの配設数が増加するとともに、これら機器に使用される電気配線体の配線数も増加する傾向にある。また、その一方で、環境対応のために自動車等の移動体の燃費を向上させるため、線材の軽量化が強く望まれている。
こうした更なる軽量化を達成するための新たな手段の一つとして、カーボンナノチューブ(以下、Carbon Nano Tubeの略称として「CNT」と標記することがある。)を線材として活用する技術が新たに提案されている。CNTは、六角形格子の網目構造を有する筒状体の単層、あるいは略同軸で配された多層で構成される3次元網目構造体であり、軽量であると共に、導電性、電流容量、弾性、機械的強度等の特性に優れるため、電力線や信号線に使用されている金属に代替する材料として注目されている。
CNTの比重は、銅の比重の約1/5(アルミニウムの約1/2)であり、また、CNT単体は、理論上銅(抵抗率1.68×10−6Ω・cm)よりも高導電性を示す。したがって理論的には、複数のCNTを撚り合わせてCNT集合体を形成すれば、更なる軽量化、高導電率の実現が可能となる。しかしながら、nm単位のCNTを撚り合わせて、μm〜mm単位のCNT集合体を作製した場合、CNT間の接触抵抗や内部欠陥形成が要因となり、線材全体の抵抗値が増大してしまうという問題があることから、CNTをそのまま線材として使用することが困難であった。
そこで、CNT集合体の導電性を向上させる方法の一つとして、構成単位であるCNTの網目構造(カイラリティ)を制御し、CNTにドーピング処理を施す方法が提案されている。
例えば、2層及び多層のCNTに、少なくとも1種のドーパントを用いてドーピング処理を施す方法がある。本方法では、CNTを形成する際、或いはCNT集合体を形成した後に、スパッタリング、噴霧、浸漬あるいは気相導入によりドーピング処理を施し、ヨウ素、銀、塩素、臭素、フッ素、金、銅、アルミニウム、ナトリウム、鉄、アンチモン、ヒ素、あるいはこれらの組み合わせを含むドーパントを有するCNT集合体(線材)を作製する。これにより、高い比導電率、低い抵抗率、高い導体許容電流などの電気的特性を得ることができるとされている(例えば、特許文献1)。
しかし、上記のようなドーパントを有するCNT線材は、その使用過程において熱処理等の加熱(200〜100℃程度)を受けると、CNTの網目構造内に物理的に存在していたドーパントが、CNTの網目構造から離脱してしまい、抵抗率が著しく上昇する問題がある。
特表2014−517797号公報
本発明の目的は、銅やアルミニウムからなる線材に匹敵する低い抵抗率と、優れた熱的安定性を有するCNT集合体を提供することである。
本発明者らは、他元素を添加するCNTについて鋭意研究を重ねた結果、1層以上の層構造を有する複数のCNTで構成されるCNT集合体であって、該CNT集合体を構成する全CNTの個数に占める、2〜6層のいずれかの層構造を有する各多層CNTの総数の比率が70%以上であり、該CNT集合体がホウ素および窒素の少なくとも一方の添加元素を含み、その含有比率が、該CNT集合体に含まれる炭素原子に対する原子数比率で、1〜10%であり、150℃1時間の熱処理後の抵抗上昇率が35%以下であることによって、特に優れた導電性と熱的安定性を同時に実現できることを見出し、かかる知見に基づき本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨構成は、以下のとおりである。
[1] 1層以上の層構造を有する複数のカーボンナノチューブで構成されるカーボンナノチューブ集合体であって、
前記カーボンナノチューブ集合体を構成する全カーボンナノチューブの個数に占める、2〜6層のいずれかの層構造を有する各多層カーボンナノチューブの総数の比率が70%以上であり、
前記カーボンナノチューブ集合体は、ホウ素および窒素の少なくとも一方の添加元素を含み、その含有比率が、前記カーボンナノチューブ集合体に含まれる炭素原子に対する原子数比率で、1〜10%であり、
150℃1時間の熱処理後の抵抗上昇率が35%以下であることを特徴とする、カーボンナノチューブ集合体。
[2] 1層以上の層構造を有する複数のカーボンナノチューブで構成されるカーボンナノチューブ集合体であって、
前記カーボンナノチューブ集合体を構成する全カーボンナノチューブの個数に占める、2〜6層のいずれかの層構造を有する各多層カーボンナノチューブの総数の比率が70%以上であり、
前記カーボンナノチューブ集合体は、ホウ素および窒素の少なくとも一方の添加元素を含み、その含有比率が、前記カーボンナノチューブ集合体に含まれる炭素原子に対する原子数比率で、1〜10%であり、
前記添加元素は、少なくともその一部が前記カーボンナノチューブを構成する炭素原子と共有結合していることを特徴とする、カーボンナノチューブ集合体。
[3] 前記カーボンナノチューブ集合体を構成する全カーボンナノチューブの個数に占める、2〜6層のいずれかの層構造を有する各多層カーボンナノチューブの総数の比率が90%以上である、上記[1]又は[2]に記載のカーボンナノチューブ集合体。
[4] 前記カーボンナノチューブ集合体を構成する全カーボンナノチューブの個数に占める、2層構造または3層構造を有する各多層カーボンナノチューブの総数の比率が70%以上である、上記[1]から[3]のいずれか1つに記載のカーボンナノチューブ集合体。
[5] 前記カーボンナノチューブ集合体を構成する全カーボンナノチューブの個数に占める、2層構造または3層構造を有する各多層カーボンナノチューブの総数の比率が90%以上である、上記[4]に記載のカーボンナノチューブ集合体。
[6] 前記添加元素は、少なくともその一部が前記多層カーボンナノチューブの層構造の層間に存在し、かつ前記炭素原子と共有結合している、上記[1]から[5]のいずれか1つに記載のカーボンナノチューブ集合体。
[7] 前記多層カーボンナノチューブの長手方向に沿って測った、前記層構造の層間に存在する前記添加元素の平均最近接原子間距離が50〜500nmである、上記[6]に記載のカーボンナノチューブ集合体。
本発明によれば、従来のCNT集合体と比較して熱的安定性が格段に向上すると共に、銅やアルミニウムと同等の抵抗率を実現することができ、電気的特性および熱的安定性を大幅に向上させたCNT集合体を提供することが可能となる。
図1は、本発明の実施形態に係るCNT集合体の構成を概略的に示す図であり、(a)及び(b)は、集合体の斜視図と電子顕微鏡画像、(c)及び(d)は、CNTの束の拡大図とその電子顕微鏡画像、(e)及び(f)は、CNTの束を構成するCNTの斜視図とその電子顕微鏡画像を示す。 図2は、本発明の実施形態に係るCNT集合体のX線吸収スペクトルである。 図3は、図1(e)のCNTの拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1(a)〜(f)は、本発明の実施形態に係るCNT集合体の構成を概略的に示す図である。なお、図1におけるCNT集合体は、その一例を示すものであり、本発明に係る各構成の形状、寸法等は、図1のものに限られないものとする。
本実施形態に係るCNT集合体1は、図1(a)及び(b)に示すように、1層以上の層構造を有する複数のCNTの束11,11,・・・で構成されており、これら複数のCNTの束が撚り合わされてなる。CNT集合体1の外径は、好ましくは0.01〜1mmである。
CNTの束11は、図1(c)及び(d)の拡大図で示すように、複数のCNT11a,11a,・・・が纏められた束状体となっており、これら複数のCNTの軸方向がほぼ揃って配されている。
また、CNTの束11を構成するCNT11aは、単層構造又は多層構造を有する筒状体であり、それぞれSWNT(single-walled nanotube)、MWNT(multi-walled nanotube)と呼ばれる。図1(c)〜(f)では便宜上、2層構造を有する多層CNTのみを記載しているが、実際には、1層の層構造を有する単層CNTや、3層以上の各層構造を有する多層CNTが存在してもよい。なお、本明細書において、単に「CNT」と記載する場合には、単層構造のCNTと2層以上の多層構造を有するCNTを区別しない場合であり、「多層CNT」と記載する場合には、2層以上の多層構造を有するCNTに限定する場合である。
CNT11aは、六角形格子の網目構造を有する2つの筒状体T1,T2が略同軸で配された3次元網目構造体となっており、DWNT(Double-walled nanotube)と呼ばれる。構成単位である六角形格子は、その頂点に炭素原子が配された六員環であり、他の六員環と隣接してこれらが連続的に結合している。
CNT11aの性質は、上記のような筒状体のカイラリティ(chirality)に依存する。カイラリティは、アームチェア型、ジグザグ型、及びそれ以外のカイラル型に大別され、アームチェア型は金属性、カイラル型は半導体性、ジグザグ型はその中間の挙動を示す。よってCNTの導電性はいずれのカイラリティを有するかによって大きく異なり、CNT集合体の導電性を向上させるには、金属性の挙動を示すアームチェア型のCNTの割合を増大させることが重要とされてきた。一方、半導体性を有するカイラル型のCNTに電子供与性もしくは電子受容性を持つ物質(異種元素)をドープすることにより、金属的挙動を示すことが分かっている。また、一般的な金属では、異種元素をドープすることによって金属内部での伝導電子の散乱が起こって導電性が低下するが、これと同様に、金属性CNTに異種元素をドープした場合には、導電性の低下を引き起こす。
このように、金属性CNT及び半導体性CNTへのドーピング効果は、導電性の観点からはトレードオフの関係にあると言えることから、理論的には金属性CNTと半導体性CNTとを別個に作製し、半導体性CNTにのみドーピング処理を施した後、これらを組み合わせることが望ましい。しかし、現状の製法技術では金属性CNTと半導体性CNTとを選択的に作り分けることは困難であり、金属性CNTと半導体性CNTが混在した状態で作製される。このため、金属性CNTと半導体性CNTの混合物からなるCNT集合体の導電性を向上させるには、異種元素・分子によるドーピング処理が効果的となるCNT構造を選択することが不可欠となる。
そこで本実施形態では、低抵抗率のCNT集合体を得るために、ドーピング処理の効果を最大限に引き出すことができる層数を有するCNTが所定比率となるように構成し、且つ、CNT集合体に所定の添加元素を適量含有させ、該添加元素の少なくとも一部がCNTを構成する炭素原子と共有結合している構成とする。
本実施形態では、複数のCNT11a,11a,・・・の集合体で構成されるCNT集合体11において、全CNT11a、11a,・・・の個数に占める、2〜6層のいずれかの層構造を有する各多層CNTの総数の比率が70%以上であり、好ましくは90%以上である。すなわち、一のCNT集合体を構成する全CNTの総数をNTOTAL、上記全CNTのうち2〜6層のいずれかの層構造を有する各多層CNTの数の和を、それぞれNCNT(2)、NCNT(3)、NCNT(4)、NCNT(5)およびNCNT(6)としたとき、下記式(1)で表すことができる。
(NCNT(2)+NCNT(3)+NCNT(4)+NCNT(5)+NCNT(6))/NTOTAL×100(%)≧70(%) ・・・(1)
また、2層構造又は3層構造のような層数が少ない多層CNTは、それより層数の多い多層CNTよりも比較的導電性が高い。そのため、本実施形態では、複数のCNT11a,11a,・・・の集合体で構成されるCNT集合体11において、全CNT11a、11a,・・・の個数に占める、2層構造または3層構造を有する各多層CNTの総数の比率は、70%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上である。この場合、当該比率は、下記式(2)で表すことができる。
(NCNT(2)+NCNT(3))/NTOTAL×100(%)≧70(%) ・・・(2)
従来用いられていたヨウ素等のドーパントは、通常、多層CNTの最内層の内部、もしくは複数のCNTで形成されるCNT間の隙間に導入される。多層CNTの層間距離はグラファイトの層間距離である0.335nmと同等であり、多層CNTの層間にドーパントが入り込むことはサイズ的に困難である。そのため、従来のドーパントを用いたCNTでは、ドーピング効果はCNTの内部および外部にドーパントが導入されることで発現するが、特に多層CNTの場合、最外層および最内層に接していない内部に位置するチューブでは、ドープ効果が発現しにくくなる。
これに対し、本発明で添加元素としている窒素およびホウ素は、上記従来のドーパントとは全く考え方が異なる。すなわち、従来のドーパントは、CNTの内部および外部に物理的に介在または付着することでドーピング効果を発現しているが、本発明で用いる窒素およびホウ素は、CNTを構成する炭素原子の一部を置換して、周囲の炭素原子と化学的な結合(共有結合)を伴うことで、より安定的にドーピング効果を発現するものと考えられる。さらに、窒素および炭素は、ヨウ素のような従来のドーパントに比べて、原子サイズが小さいため、多層CNTの層間にも介在できる可能性があり、多層CNTの内部に位置するチューブでも、ドープ効果の発現が期待される。
特に、本発明では、2〜6層のいずれかの層構造を有する多層CNTの層間で、各層を構成する炭素−炭素間を、窒素またはホウ素が共有結合で橋渡しすることで、層間に安定した電導パスを形成できると考えられる。さらに、2層構造又は3層構造を有する多層CNTの場合には、CNT同士が六方稠密構造を取ったバンドルを形成に寄与すると考えられる。このような構造は、導電性をさらに向上すると考えられ、2層構造又は3層構造を有する多層CNTでのドーピング効果が最も高いと推察される。よって本発明ではCNT集合体に含まれる2〜6層のいずれかの層構造を有する多層CNTの総数、さらには、2層構造又は3層構造を有する多層CNTの総数に着目している。
なお、CNT集合体を構成する全CNTの個数に占める、2〜6層のいずれかの層構造を有する各多層CNTの総数の比率が70%未満であると、単層構造或いは7層以上の多層構造を有するCNTの比率が高くなり、CNT集合体全体としてドーピング効果が小さくなり、抵抗率が上昇する傾向にある。
また、本実施形態では、CNT集合体は、ホウ素および窒素の少なくとも一方の添加元素を含む。また、このような添加元素の含有比率は、CNT集合体に含まれる炭素原子に対する原子数比率で、1〜10%である。これにより、N型もしくP型のCNTが得られ導電性が増す。
添加元素の含有比率は、X線光電子分光法(X−ray Photoelectron Spectroscopy)による半定量分析により評価することができる。なお、具体的な測定条件は実施例の頁にて説明する。
特に、本実施形態のCNT集合体では、上記添加元素の少なくとも一部が、各CNT11aを構成する炭素原子と共有結合していることを特徴とする。すなわち、添加元素の少なくとも一部は、CNTの構成単位である六員環を構成する炭素の一部、あるいは欠陥部分を置換している。
従来のドーパントを有するCNT集合体では、ドーパントが、CNTの構造単位である網目構造体の内部あるいは外部(表面)に物理的に介在または付着して、保持されているだけであり、共有結合のような化学的に強固な結合を伴うものではなかった。そのため、このような従来のドーパントを有するCNT集合体は、例えば200〜100℃程度の熱処理を受けると、ドーパントが、CNTの網目構造体の内部または外部から離脱してしまい、抵抗率の急激な上昇を招いていた。
これに対し、本実施形態のCNT集合体は、従来のドーパントを有するCNT集合体とは異なり、添加元素の少なくとも一部が、CNTの構成単位である六員環を構成する炭素の一部、あるいは欠陥部分を置換する形で、隣接する炭素原子と共有結合しており、CNTの網目構造を構成する元素としてCNTの分子鎖中に組み込まれている。そのため、上記のような熱処理を経ても、添加元素がCNTの網目構造体から容易に離脱するということはなく、優れた導電性を良好に維持でき、従来のCNT集合体と比較して熱的安定性を大幅に向上できる。
なお、添加元素の少なくとも一部がCNTの網目構造を構成する炭素原子と共有結合していることは、例えば、窒素元素のX線吸収エネルギーの吸収エネルギー位置から窒素―炭素の共有結合を有することを確認できる。
具体的には、10−9Paの高真空下にCNTを設置し、X線のエネルギー:385〜430eVを試料に照射する。入射したX線の強度をI0として試料に流れた電流値をI1とし、I1/I0の比をとる。横軸:X線のエネルギー、縦軸:I1/I0をとると図2の様なX線吸収スペクトルが得られる。
図2では、0〜4の番号を付した複数の吸収ピークが確認できる。これらの吸収ピークの内、0〜1に関しては、炭化ケイ素(SiC)に窒素(N)をドープした試料で観察される窒素の吸収スペクトルと比較して、近しい値を示す。ここで、炭化ケイ素は、炭素およびケイ素が共有結合でダイヤモンド構造を形成している化合物で、炭化ケイ素にドープされた窒素も炭化ケイ素の中で四配位を取っていると推察される。したがって、上記0〜1の窒素の吸収スペクトルは、CNT中に、炭化ケイ素のダイヤモンド構造のような四配位を取った構造体が含まれること、すなわち、CNT中の一部の窒素が、多層CNTの層間でCNTの網目構造を構成する炭素原子と三次元的な共有結合を形成していることを示している、と判断できる。このような三次元的な結合は、多層CNTの内層と外層とをつなげる役目を果たしているものと考えられる。なお、このような三次元的な結合は、例えば図3に示されるような窒素―炭素の共有結合である。ここで、図3は、図1(e)のCNTのI−I断面の拡大図である。
また、図2に示される吸収ピークのうち2〜4に関しては、ピリジンの窒素の吸収スペクトルと類似している。このことは、CNT中に、ピリジン分子のような二次平面構造体が含まれる、すなわち、CNT中の一部の窒素が、CNTの網目構造を構成する炭素の一部を置換して、周囲の炭素原子と二次元的な共有結合をしていると判断できる。
また、本実施形態のCNT集合体では、上記添加元素の少なくとも一部が、多層CNTの層構造の層間に存在していることが好ましい。多層CNTの場合、層間の導電性を高めることで、導電経路として利用できるCNT層を増やすことができる。すなわち、添加元素は、特に多層CNTの層間に存在することで、層間の導電性を高めることができ、これにより、CNT集合体として、特に優れた導電性を発現することができる。さらに、多層CNTの層間に存在する添加元素の少なくとも一部は、多層CNTを構成している炭素原子と共有結合していることがより好ましい。これにより、多層CNTの層間の導電性をさらに高めることができる。
なお、添加元素が多層CNTの層間に存在していることおよびその結合状態は、例えば以下の方法により確認することができる。
まず、多層CNTの観察には、透過型電子顕微鏡を用いる。さらに、CNTの内部に存在する窒素またはホウ素は、電子エネルギー損失分光法(ElectronEnergyLossSpectroscopy, EELS)により確認することができる。EELSは、入射電子が、試料物質との相互作用することにより、エネルギーを失った状態となり、この非弾性散乱電子を分光することで、試料の元素組成や化学結合状態を解析する手法である。上記の電子顕微鏡に設置されている走査透過型電子顕微鏡(STEM)と組み合わせることにより、微小領域を高い空間分解能で測定できる。これらの手法により、CNTの構造内に存在する窒素原子またはホウ素原子のマッピングを行うことができる。
また、多層CNTの層構造の層間に存在する添加元素の平均最近接原子間距離が50〜500nmであることが好ましく、より好ましくは50〜250nmである。測定は透過型電子顕微鏡を用いて行うことができる。なお、この測定では、上述の組成や結合状態の解析の場合に比べて、広範囲のマッピングが必要なため、STEMに加え、エネルギー分散型X線分光法(EDX: Energy Dispersive X−ray Spectroscopy)を用いてマッピングを行う。
なお、上記マッピング分析では、表面だけでなく奥行き方向の情報も含まれる。そのため、本発明では、例えば窒素の蛍光X線測定の場合、CNTの長手方向に平行な面から元素マッピングを行い、バックグランドよりも明らかに窒素に由来するX線強度が強い部分を、任意の点Oとし、CNTの長手方向に沿って、点Oと同程度の強度が確認できる次の部分を点Aとして観察するときに、点Oと点Aの間の距離を最近接原子間距離と定義する。また、EELS分析を行うことで、多層CNTの層構造の層間に存在する添加元素と、CNTの層を構成する添加元素とを区別することも可能である。
また本実施形態では、ラマンスペクトルのGバンドと、結晶性に由来するDバンドとの比であるG/D比が、所定の範囲に制御されていることが好ましい。ここで、Dバンドは、ラマンシフト1350cm−1付近に現れ、欠陥に由来するスペクトルのピークとも言える。このGバンドに対するDバンドの比(G/D比)は、CNT中の欠陥量の指標として用いられ、G/D比が大きい程、CNT中の欠陥が少ないと判断される。
本実施形態のCNT集合体11においては、ラマンスペクトルのGバンドと結晶性に由来するDバンドとの比であるG/D比が50以上であることが好ましい。
<カーボンナノチューブ集合体の製造方法>
本実施形態のCNT集合体は、以下の方法で製造される。
(1)CNTの合成
CNTは、例えば浮遊触媒気相成長(CCVD)法を用いて作製することができる。具体的には、反応炉上部から出発物質を供給し、反応路下部より生成したCNTを回収する。
出発物質としては、カーボン源、窒素またはホウ素源、触媒およびCNT成長促進剤を少なくとも含む混合液を用いることが好ましい。
ここで、カーボン源としては、例えば、デカリン、ベンゼン、ヘキサン、トルエン等を用いることができる。
窒素源としては、例えば、ピリジン、ベンジルアミン等を用いることができる。
ホウ素源としては、例えば、デカボラン、ホウ素酸トリイソピロピル等を用いることができる。
触媒としては、例えば、フェロセン、コバルトセン、ニッケロセン等の有機金属錯体を原料とする金属触媒を用いることができる。
CNT成長促進材としては、例えば、チオフェン等を用いることができる。
上記混合液は、反応路に供給される前に、50〜80度に保温された超音波洗浄機にて、攪拌されることが好ましい。
また、反応炉内は、1200〜1500度に加熱されていることが好ましい。また、上記出発原料を反応炉内に供給する際のキャリアガスとしては、水素ガスを用いることが好ましい。反応炉は、例えば、縦型に設置され、炉上部から出発物質が供給され、炉下部から生成したCNTが排出、回収される。
(2)CNT集合体の作製
回収された粉末状のCNTからCNT集合体を作製する。CNT集合体の形態は、限定されず、例えば、生成したCNTを、シート状に回収してCNT集合体とし、さらにこれを束ねてCNT線材としてもよい。また、得られたCNT線材は、例えば大気中、300〜700℃で加熱し、さらに酸処理を施すことで高純度化することが好ましい。そして、このようにして得られたCNT線は、さらに撚り集め長手方向に引っ張りながら、撚り線としてもよい。
<カーボンナノチューブ集合体の電気的特性>
本実施形態のCNT集合体は、CNT集合体製造時の抵抗率が7.5×10−5Ω・cm以下であることが好ましい。なお、このようなCNT集合体は、銅の抵抗率1.68×10−6Ω・cmやアルミニウムの抵抗率2.65×10−6Ω・cmと比較すると若干抵抗率が高いものの、良好な10−5オーダー以下の抵抗率を達成している。よって、本実施形態のCNT集合体を、銅あるいはアルミニウム線材に代わる線材として使用すれば、銅やアルミニウムと同等の抵抗率を維持しつつ、軽量化を実現することができる。
また、本実施形態のCNT集合体は、熱的安定性に優れる。例えば、大気中で150℃以上、1時間以上のような熱処理を施した場合であっても、熱処理の前後において抵抗率が著しく上昇することは無い。すなわち、本実施形態のCNT集合体は、150℃、1時間の熱処理後の抵抗率の上昇率[(熱処理後の抵抗率−熱処理前の抵抗率)×100/熱処理前の抵抗率]が、好ましくは35%以下であり、より好ましくは25%以下である。
以上、本発明の実施形態に係るCNT集合体について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の概念および特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含み、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
例えば、上記実施形態のCNT集合体と、該CNT集合体の外周を被覆する被覆層とを備えるCNT被覆電線を構成してもよい。
また、上記CNT被覆電線を少なくとも1つ有するワイヤハーネスを構成してもよい。
次に、本発明の効果をさらに明確にするために、実施例および比較例について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
CNT集合体の合成は、浮遊触媒気相成長(CCVD)法を用い行った。
まず、炭素源であるデカヒドロナフタレン(シグマアルドリッチジャパン合同会社製)、窒素源であるピリジン(和光純薬工業株式会社製)、触媒であるフェロセン(シグマアルドリッチジャパン合同会社製)、および反応促進剤であるチオフェン(シグマアルドリッチジャパン合同会社製)を、mol比率にて、それぞれ100:1.0:3.0:3.0で混合し、原料溶液を調製した。
次に、電気炉によって1200℃に加熱された、内径φ60mm、長さ1600mmのアルミナ管内部に、直前に50℃のウォータバスで超音波をかけた上記原料溶液を、スプレー噴霧により供給する。このとき、キャリアガスとして、水素を9.5L/minで供給した。
得られたCNTを回収機にてシート状に回収し、これらを集めてCNT集合体を製造し、更にCNT集合体を束ねてCNT線材を製造した。得られたCNT線材を、大気下において400〜650℃に加熱し、さらに酸処理を複数回施すことによって高純度化を行った。得られたCNTは、撚り集め長手方向に引張ながら線材化を行なった。
(実施例2〜4)
実施例2〜4では、得られるCNT集合体中の添加元素が、表1に示される炭素原子に対する原子数比率となるように、CCVDで用いる原料溶液におけるピリジンの配合比率を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法でCNTの合成から線材化まで行った。例えば、実施例2では、ピリジンの配合比率(mol比率)を、デカヒドロナフタレン100に対してピリジンが5.0となるように変更した。
(実施例5および6)
実施例5および6では、得られるCNT集合体において、CNT集合体を構成する全CNTの個数に占める、2層構造または3層構造を有する各多層CNTの総数の比率が、表1に示される比率となるように、CCVDで用いる原料溶液中のフェロセンおよびチオフェンの配合比率を変更し、さらに合成後の酸処理の工程数と処理時間を低減した以外は、実施例1と同様の方法でCNTの合成から線材化まで行った。
(実施例7および8)
実施例7および8では、CCVDで用いる原料溶液を、窒素源であるピリジンに替えて、ホウ素源であるホウ素酸トリイソピロピル(メルク株式会社製)とした以外は、実施例1と同様の方法でCNTの合成から線材化まで行った。
(実施例9および10)
実施例9および10では、CCVDで用いる原料溶液を、窒素源であるピリジンに替えて、ホウ素源であるデカボラン(シグマアルドリッチ社製)とした以外は、実施例1と同様の方法でCNTの合成から線材化まで行なった。
(比較例1)
比較例1では、CCVDで用いる原料溶液を、デカヒドロナフタレン、フェロセン及びチオフェンが、mol比率にて、それぞれ100:1.0:0.01となるように変更すると共に、合成後の酸処理の工程数と処理時間を低減し、さらに、酸処理後のCNT線を石英管に、固体のヨウ素と一緒に置き、封管し、100〜300℃の温度で1〜10時間加熱した以外は、実施例1と同様の方法でCNTの合成から線材化まで行った。
(比較例2)
比較例2では、酸処理後のCNT線を硝酸に浸漬した以外は、比較例1と同様の方法でCNTの合成から線材化まで行った。
(比較例3)
比較例3では、CCVDで用いる原料溶液におけるピリジンの配合比率(mol比率)を、デカヒドロナフタレン100に対してピリジンが0.2となるように変更した以外は、実施例1と同様の方法でCNTの合成から線材化まで行った。
(比較例4)
比較例4では、CCVDで用いる原料溶液におけるピリジンの配合比率(mol比率)を、デカヒドロナフタレン100に対してピリジンが5.0となるように変更すると共に、得られるCNT集合体において、CNT集合体を構成する全CNTの個数に占める、2層構造または3層構造を有する各多層CNTの総数の比率が、表1に示される比率となるように、CCVDで用いる原料溶液中のフェロセンおよびチオフェンの配合比率を変更し、さらに合成後の酸処理の工程数と処理時間を低減した以外は、実施例1と同様の方法でCNTの合成から線材化まで行った。
(比較例5)
比較例5では、CCVDで用いる原料溶液におけるピラジン(和光純薬工業株式会社製)の配合比率(mol比率)を、デカヒドロナフタレン100に対してピラジンを120として得られるCNT集合体において、CNT集合体を構成する全CNTの個数に占める、2層構造または3層構造を有する各多層CNTの総数の比率が、表1に示される比率となるように、CCVDで用いる原料溶液中のフェロセンおよびチオフェンの配合比率を変更し、さらに合成後の酸処理の工程数と処理時間を低減した以外は、実施例1と同様の方法でCNTの合成から線材化まで行った。
(比較例6または8)
比較例6または8では、CCVDで用いる原料溶液を、窒素源であるピリジンに替えて、ホウ素源であるデカボラン(シグマアルドリッチ社製)とし、デカヒドロナフタレン100に対してデカボランを4もしくは15とした以外は、実施例1と同様の方法でCNTの合成から線材化まで行なった。
(比較例7)
比較例7は、CCVDで用いる原料として、カーボン源をメタノール(和光純薬工業株式会社製)として、ホウ素源をデカボランとして、その配合比率をメタノール100に対してデカボランを0.5とした以外は、実施例1と同様の方法でCNTの合成から線材化まで行なった。
[評価]
上記実施例および比較例に係るカーボンナノチューブ集合体を用いて、下記に示す測定、評価を行った。各測定、評価の条件は下記の通りである。結果を表1に示す。
(a)添加元素の炭素原子に対する原子数比率の測定
CNT集合体内の窒素またはホウ素の含有比率に関して、X線光電子分光法(X−ray Photoelectron Spectroscopy)による半定量分析により評価した。以下、詳しく説明する。
まず、合成直後の(撚る前の)、粉末状で回収されたCNTを、アセトンにさらし、薬包紙の上に置き、スライドガラスで平らにし、乾燥する。乾燥後のCNT試料は、1×1cm程度で、厚さ2mm程度の、CNTの凝集体となる。
上記凝集体を酸処理して、不純物を除いた後、XPS分析を行なう。XPS分析では、試料にX線を入射し、表面より放出された光電子を検出する。測定は、多機能走査型X線光電子分光分析装置(PHI5000 Versaprobe、アルバック・ファイ株式
会社製)を用い、入射したX線の線源を単色化 Al−Kα線とし、脱出角90°にて行った。さらに、半定量を行なうために、1350〜0eVまでの結合エネルギーについて、Wide−scanを行なった。1試料につき、任意の5箇所を選択して測定し(N=5)、その平均値を窒素またはホウ素の、炭素原子に対する原子数比率とした。
なお、CNT集合体内のヨウ素の含有比率に関しても、XPS分析よる半定量分析により評価した。XPS分析の測定条件および解析手法は、上記窒素またはホウ素の場合と同様とした。
(b)添加元素と炭素原子との共有結合の確認
透過型電子顕微鏡(TEM)によりCNT層間の構造体を確認後、EELSスペクトルマッピングで該構造体が窒素、ホウ素またはヨウ素であることを確認した。さらに、得られたEELSスペクトルのスペクトルエネルギーから共有結合性の判断を行った。TEMによる観察は、原子分解能分析電子顕微鏡(JEM−ARM200F、日本電子株式会社製)を用いて行った。さらにEELSスペクトルマッピングは、上記の電子顕微鏡に設置されている走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いた。
なお、観察用試料は、合成したCNTをエタノール中で、超音波で分散した分散液とした。この分散液をTEM観察用のメッシュに垂らし、観察した。
(c)添加元素の最近接原子間距離の測定
添加元素の最近接原子間距離は、走査透過型電子顕微鏡(STEM、同上)を用いたEELSスペクトルマッピングと、上記STEMを用いたエネルギー分散型X線分光法(EDX: Energy Dispersive X−ray Spectroscopy)分析を行って確認した。なお、観察用試料は、合成したCNTをエタノール中で、超音波で分散した分散液とした。この分散液をTEM観察用のメッシュに垂らし、観察した。
(d)CNTの層構造の観察
CNTの層構造は、透過型電子顕微鏡(TEM)により確認を行なった。TEM観察は、原子分解能分析電子顕微鏡(同上)を用いた。また、観察用試料は、合成したCNTをエタノール中で、超音波で分散した分散液とした。この分散液をTEM観察用のメッシュに垂らし、観察した。
(e)抵抗率
抵抗測定機(ケースレー社製、装置名「DMM2000」)にCNT集合体を接続し、4端子法により抵抗測定を実施した。抵抗率は、r=RA/L(R::抵抗、A:CNT
集合体の断面積、L:測定長さ)の計算式に基づいて抵抗率を算出した。試験片は、長さ
40mmとした。なお、上記試験は、150℃、1時間の加熱処理の前後において、各CNT集合体3本ずつについて行い(N=3)、その平均値を求め、それぞれのCNT集合体の加熱前後の抵抗率(Ω・cm)とした。抵抗率は、小さいほど好ましく、本実施例では、上記加熱前においては7.5×10−5Ω・cm以下を合格レベルとし、上記熱処理後の抵抗率の上昇率(%)[(熱処理後の抵抗率−熱処理前の抵抗率)×100/熱処理前の抵抗率]は、35%以下を合格レベルとした。
表1の結果より、本発明の実施例1〜8に係るCNT集合体は、各CNT集合体を構成する全CNTの個数に占める、2〜6層のいずれかの層構造を有する各多層CNTの総数の比率が70%以上であり、ホウ素および窒素の少なくとも一方の添加元素を含み、その含有比率が、CNT集合体に含まれる炭素原子に対する原子数比率で、1〜10%であり、上記添加元素の少なくとも一部が、CNTを構成する炭素と共有結合しており、低い抵抗率と優れた熱的安定性を示すことが確認された。
これに対し、比較例1に係るCNT集合体は、添加元素としてヨウ素を含んでおり、ヨウ素は炭素と共有結合していないため、加熱後の抵抗率が大幅に上昇しており、本発明の実施例1〜8のCNT集合体に比べて、熱的安定性が著しく劣る。また、比較例2に係るCNT集合体は、添加元素としての窒素がCNTを構成する炭素と共有結合していないため、加熱後の抵抗率が大幅に上昇しており、本発明の実施例1〜10のCNT集合体に比べて、熱的安定性が著しく劣る。
また、比較例3、6に係るCNT集合体は、添加元素の含有率がCNT集合体に含まれる炭素原子に対する原子数比率で、1%を下回るため、本発明の実施例1〜10のCNT集合体に比べて、抵抗率が高く、熱的安定性にも劣る。また、比較例4、7に係るCNT集合体は、各CNT集合体を構成する全CNTの個数に占める、2〜6層のいずれかの層構造を有する各多層CNTの総数の比率が70%を下回るため、本発明の実施例1〜10のCNT集合体に比べて、熱的安定性に劣る。また、比較例5、8に係るCNT集合体は、添加元素の含有率がCNT集合体に含まれる炭素原子に対する原子数比率で、10%を上回るため、本発明の実施例1〜10のCNT集合体に比べて、抵抗率が高く、熱的安定性にも劣る。このことは、共有結合されずにCNT表面に付着したホウ素や窒素含有の炭化物が加熱されることで、CNTの結晶性を下げ、抵抗が上昇したものと推察される。
1 カーボンナノチューブ集合体
11 カーボンナノチューブの束
11a カーボンナノチューブ
T1 筒状体
T2 筒状体

Claims (7)

  1. 1層以上の層構造を有する複数のカーボンナノチューブで構成されるカーボンナノチューブ集合体であって、
    前記カーボンナノチューブ集合体を構成する全カーボンナノチューブの個数に占める、2〜6層のいずれかの層構造を有する各多層カーボンナノチューブの総数の比率が70%以上であり、
    前記カーボンナノチューブ集合体は、ホウ素および窒素の少なくとも一方の添加元素を含み、その含有比率が、前記カーボンナノチューブ集合体に含まれる炭素原子に対する原子数比率で、1〜10%であり、
    150℃1時間の熱処理後の抵抗上昇率が35%以下であることを特徴とする、カーボンナノチューブ集合体。
  2. 1層以上の層構造を有する複数のカーボンナノチューブで構成されるカーボンナノチューブ集合体であって、
    前記カーボンナノチューブ集合体を構成する全カーボンナノチューブの個数に占める、2〜6層のいずれかの層構造を有する各多層カーボンナノチューブの総数の比率が70%以上であり、
    前記カーボンナノチューブ集合体は、ホウ素および窒素の少なくとも一方の添加元素を含み、その含有比率が、前記カーボンナノチューブ集合体に含まれる炭素原子に対する原子数比率で、1〜10%であり、
    前記添加元素は、少なくともその一部が前記カーボンナノチューブを構成する炭素原子と共有結合していることを特徴とする、カーボンナノチューブ集合体。
  3. 前記カーボンナノチューブ集合体を構成する全カーボンナノチューブの個数に占める、2〜6層のいずれかの層構造を有する各多層カーボンナノチューブの総数の比率が90%以上である、請求項1又は請求項2に記載のカーボンナノチューブ集合体。
  4. 前記カーボンナノチューブ集合体を構成する全カーボンナノチューブの個数に占める、2層構造または3層構造を有する各多層カーボンナノチューブの総数の比率が70%以上である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ集合体。
  5. 前記カーボンナノチューブ集合体を構成する全カーボンナノチューブの個数に占める、2層構造または3層構造を有する各多層カーボンナノチューブの総数の比率が90%以上である、請求項4に記載のカーボンナノチューブ集合体。
  6. 前記添加元素は、少なくともその一部が前記多層カーボンナノチューブの層構造の層間に存在し、かつ前記炭素原子と共有結合している、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ集合体。
  7. 前記多層カーボンナノチューブの長手方向に沿って測った、前記層構造の層間に存在する前記添加元素の平均最近接原子間距離が50〜500nmである、請求項6に記載のカーボンナノチューブ集合体。
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