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JP2018171901A - フィルム - Google Patents

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JP2018171901A
JP2018171901A JP2018043910A JP2018043910A JP2018171901A JP 2018171901 A JP2018171901 A JP 2018171901A JP 2018043910 A JP2018043910 A JP 2018043910A JP 2018043910 A JP2018043910 A JP 2018043910A JP 2018171901 A JP2018171901 A JP 2018171901A
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園田 和衛
Kazue Sonoda
和衛 園田
合田 亘
Wataru Goda
亘 合田
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Toray Industries Inc
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Abstract

【課題】耐熱白化性に優れ、高温成形などの加工を経ても透明性を阻害することがなく、多層構造に伴う干渉色や干渉縞などが少ないフィルムを提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂Aからなる層(A層)と熱可塑性樹脂Bからなる層(層B)が厚み方向に交互に5層以上積層された積層フィルムであって、示差走査熱量測定(DSC)にて25℃から300℃の温度まで20℃/分で昇温したときに得られるDSC曲線において、130〜300℃の範囲の中で最もピークトップの温度が高い吸熱ピークが160〜246℃の範囲にあり、前記DSC曲線から求められる130〜300℃の範囲の結晶融解エンタルピー(ΔHm)が5〜19J/gであるフィルムとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、フィルムに関する。
熱可塑性樹脂フィルム、中でも二軸延伸ポリエステルフィルムは、機械的性質、電気的性質、寸法安定性、透明性、耐薬品性などに優れた性質を有することから磁気記録材料、包装材料などの多くの用途において基材フィルムとして広く使用されている。特に近年、フラットパネルディスプレイやタッチパネル分野において偏光板保護フィルム(偏光子保護部材)や円偏光板位相差フィルム(円偏光板部材)、透明導電フィルムなど各種光学用フィルムの需要が高まっている。その中でも、偏光板保護フィルム用途では、低コスト化を目的として従来のTAC(トリアセチルセルロース)フィルムから二軸配向ポリエステルフィルムへの置き換えが盛んに検討されている。しかしながら二軸配向ポリエステルフィルムは延伸時のポリエステルの配向に起因する液晶ディスプレイとして組み立てた際に発生する干渉色を十分に制御できておらず、画面表示をした際の品位が低下する。そのため、二軸配向ポリエステルフィルムに用いるポリエステルは画面表示をした際の品位の観点からは、結晶性を低下させたポリエステルを使用することが好ましいが、結晶性を低下させたポリエステルは加熱工程において熱結晶化により白化が進行する課題がある。この解決方法のひとつとして二軸配向ポリエステルフィルムを多層積層構成とすることが挙げられ、これにより熱結晶化が抑制されることが知られている(例えば、特許文献1)。また、フィルムの多層積層化は他にもいろいろな効果を発現することが知られており、例えば結晶性熱可塑性樹脂であるポリエチレンテレフタレートと結晶性熱可塑性樹脂であるセバシン酸共重合ポリエチレンテレフタレートを積層することにより、耐引裂性が向上することが提案されている(例えば、特許文献2)。また、相溶性の異なる熱可塑性樹脂を多層積層することにより耐折れ性を向上することが提案されている(例えば、特許文献3)。また、屈折率の異なる樹脂を厚み方向に規則正しく多層積層させることにより干渉反射を生じさせることが提案されている(例えば、特許文献4)。また、ポリエチレンテレフタレートとナイロンを多層積層することにより耐ピンホール性とガスバリア性を向上することが提案されている(例えば、特許文献5)。また、互いの原料をブレンドした熱可塑性樹脂を多層積層することにより、ミシン目カット性や音響性に優れるなどである(例えば、特許文献6、7)。
特開2013−256110号公報 特開平6−190995号公報 特許第4175077号公報 特開2007−55258号公報 特許第4259049号公報 特開2007−55258号公報 特開2009−96116号公報
しかし、従来の多層積層フィルムは、熱結晶化により白化は一定程度抑制されるものの、屈折率の異なる樹脂の多層化により干渉色が生じるため、用途によっては使用できないといった問題があった。
本発明の課題は、上記した課題を解決することにある。すなわち、多層積層により樹脂の熱による白化を抑制(以降、熱による白化を抑制する特性を耐熱白化性と称する場合がある)しつつ干渉色や干渉縞を生じないフィルムを提供することにある。
上記した課題は、熱可塑性樹脂Aからなる層(A層)と熱可塑性樹脂Bからなる層(層B)が厚み方向に交互に5層以上積層された積層フィルムであって、示差走査熱量測定(DSC)にて25℃から300℃の温度まで20℃/分で昇温したときに得られるDSC曲線において、130〜300℃の範囲の中で最もピークトップの温度が高い吸熱ピークが160〜246℃の範囲にあり、前記DSC曲線から求められる130〜300℃の範囲の結晶融解エンタルピー(ΔHm)が5〜19J/gであるフィルムによって達成することができる。
本発明のフィルムは、多層積層化することにより耐熱白化性に優れるため、高温成形などの加工を経ても透明性を阻害することが少ない。また多層構造に伴う干渉色や干渉縞などが少ないため、光学部材として用いた場合、透明性を阻害することが少ない。
多層積層フィルムの分光反射曲線を示す図である。 多層積層フィルムの分光反射曲線をフーリエ変換したスペクトルを示す図である。
以下、本発明のフィルムについて詳細に説明する。
本発明のフィルムは、熱可塑性樹脂Aからなる層(A層)と熱可塑性樹脂Bからなる層(層B)が厚み方向に交互に5層以上積層された積層フィルムである。熱可塑性樹脂A、熱可塑性樹脂Bとして用いられる熱可塑性樹脂は、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶性ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、シンジオタクチックポリスチレンなどで代表されるものである。これらの中でも、特にポリエステルが好ましく、結晶性ポリエステルとしては、芳香族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸とジオールとを主たる構成成分とする単量体からの重合により得られるポリエステルが好ましい。ここで、芳香族ジカルボン酸として、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′-ジフェニルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルスルホンジカルボン酸などを挙げることができる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカンジオン酸、シクロヘキサンジカルボン酸とそれらのエステル誘導体などが挙げられる。中でも高い屈折率を発現するテレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。これらの酸成分は1種のみ用いてもよいが、2種以上併用してもよく、さらには、ヒドロキシ安息香酸等のオキシ酸などを一部共重合してもよい。
また、ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、イソソルビド、スピログリコールなどを挙げることができる。中でもエチレングリコールが好ましく用いられる。これらのジオール成分は1種のみ用いてもよいが、2種以上併用してもよい。
更に具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリメチレンテレフタレート、ポリエチレン−p−オキシベンゾエート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレートなどが用いられる。もちろん、これらのポリエステル等の樹脂としては、ホモポリマーであってもコポリマーであっても良く、ポリエステルの場合、共重合成分としては、例えば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物などのジオール成分、ダイマー酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸などのジカルボン酸成分が用いられる。
本発明のフィルムにおいて、熱可塑性樹脂Aおよび/または熱可塑性樹脂Bには、偏光板の熱処理によるカールやシワを抑制する観点で、スピログリコール、イソソルビド成分を含むと抑制されやすいことから好ましい。特にイソソルビド成分はコストも安く、前述の効果が得られやすいことから特に好ましい。
本発明のフィルムは、熱可塑性樹脂Aからなる層(A層)と熱可塑性樹脂Bからなる層(層B)が厚み方向に交互に5層以上積層された積層フィルムである。フィルムを多層積層化することにより、フィルムの結晶化度が低い場合においても熱結晶化を抑制することが可能となるため、高温加熱時にもフィルムの白化上昇が少ない。多層積層の効果は、上述する幅方向物性の均一性や耐熱白化性以外にも、組み合わせる樹脂の組み合わせや積層数によって異なる。積層数は、耐引裂性を高めたいのであれば、12〜85層、耐折れ性を高めたいのであれば積層数は20〜99層、幅方向物性の均一性を高めたいのであればであれば積層数は20〜1000層、耐熱白化性を高めたいのであれば100〜1000層の範囲が好ましい。層数がこの範囲から外れると所望の効果が十分に得られない場合がある。厚み方向への多層積層は、2台以上の押出機を用いて異なる流路から送り出し、多層積層装置に送り込まれる方法によって行われる。多層積層装置としては、マルチマニホールドダイやフィードブロックなどのように流路がそれぞれ独立している物およびそれの組み合わせが好ましい。スタティックミキサーやスクエアーミキサー等の、層を分断して再積層する装置は、エレメント数が多くなるほど積層厚み精度が悪くなるため、エレメント数は一つ以内に抑える必要がある。フィードブロックによる積層は、特開2007−307893号公報の〔0053〕〜〔0063〕段の記載の方法を応用すれば簡便に実現できる。但し、スリット板の間隙、長さは層厚みを決定する設計値のため異なる。層厚みは一定であっても構わないが、100層以上を超えると干渉反射による着色の影響が大きくなることから、表面から裏面までの層厚みが段階的に変化していく傾斜構造であることが好ましい。さらに、樹脂流の不安定現象による発生するフローマークを抑える観点から、最表層には厚み1μm以上の厚膜層があることが好ましい。
本発明のフィルムは、層厚みは特に限定されないが、最表層を除く層の1層あたりの厚みがいずれも60nm以下であることが好ましい。1層あたりの厚みがいずれも60nm以下であれば可視光領域に反射色が見られなくなるため好ましい。1層あたりの厚みがいずれも30nm以下であればよりその効果は高まるためさらに好ましい。一方で、最表層厚みが厚いと干渉縞が見られる場合があるため、最表層の厚みも60nm以下とするか、最表層の厚みを60nmを超える場合は、A層とB層の面内屈折率差を少なくする、具体的にはA層とB層の面内屈折率差を0.02以下以下とすること、より好ましくは、0.01以下、さらに好ましくは、0.005以下とすることにより干渉縞を低減することが可能となる。
本発明のフィルムは、示差走査熱量測定(DSC)にて25℃から300℃の温度まで20℃/分で昇温したときに得られるDSC曲線において、130〜300℃の範囲の中で最もピークトップの温度が高い吸熱ピークが160〜246℃の範囲にあり、前記DSC曲線から求められる130〜300℃の範囲の結晶融解エンタルピー(ΔHm)が5〜19J/gである。このような構成をとることにより、フィルムの位相差を低くすることができる。好ましくは130〜300℃の範囲の中で最もピークトップの温度が高い吸熱ピークが210〜246℃の範囲にあり、前記DSC曲線から求められる130〜300℃の範囲の結晶融解エンタルピー(ΔHm)が8〜15J/gである。結晶融解エンタルピー(ΔHm)がこの範囲を下回ると、耐熱不足により、フィルム製膜工程においてフィルムの平面性を損なう場合がある。フィルムの結晶融解エンタルピー(ΔHm)は、各層を構成する樹脂の結晶融解エンタルピーと積層比に依存しているため、A層および/またはB層を構成する樹脂として結晶性の低い樹脂を用いる、もしくはA層および/またはB層を構成する樹脂中の結晶性樹脂の比率を下げることによって調整できる。A層、B層のうちどちらか一方の層が結晶性樹脂からなり、もう片方の層が非晶性樹脂からなると干渉色が発生しやすくなるため、A層を構成する樹脂とB層を構成する樹脂の結晶性があまり乖離していないこと、具体的には結晶融解エンタルピーの差が30以下であることが好ましい。より好ましくは10以下である。また、低結晶性の樹脂を用いると、製膜工程において結晶化が不十分であることから耐熱白化性に劣る傾向にあるが、層数を100〜1000層とするとこの現象は抑制される。ここでいう結晶性樹脂、低結晶性樹脂および非晶性樹脂とは、示差熱量分析(DSC)において昇温速度20℃/分で昇温させたときの結晶融解熱量が26mJ/mg以上であれば結晶性樹脂、26mJ/mg未満1mJ/mg以上であれば低結晶性樹脂、1mJ/mg未満であれば非晶性樹脂である。また、A層を構成する樹脂、B層を構成する樹脂のいずれも低結晶性樹脂とする場合、フィルム製膜性の観点から結晶融解熱量が26mJ/mg未満5mJ/mg以上の範囲の低結晶性樹脂を用いることが好ましい。
また、ポリエステル樹脂は混合するとエステル交換が始まり、結晶性樹脂同士であっても結晶性が低下して結晶融解エンタルピー(ΔHm)が低下する。その低下の度合いは原料種や相溶性、原料触媒によって異なるが、溶融製膜時に複数種類のポリエステル樹脂を溶融混練する場合、混練時間を10分以上にすると結晶融解エンタルピー(ΔHm)の低下は顕著となる。そのため、混練時間を長くする方法を用いれば、複数の結晶性樹脂を用いた場合であっても結晶性を低下させ、結晶融解エンタルピー(ΔHm)を小さくすることができる。特に、一度の溶融混練ではなく、二軸の押出機などで溶融混練速度を上げて得たチップを用いて複数回に分けて溶融製膜する方法が好ましい。
本発明のフィルムは、波長300〜2300nmの反射率を測定し、縦軸を反射率、横軸を波長としてプロットして得られる分光反射曲線が、以下(3)、(4)を満たしていることが好ましい。
(3)波長300〜2300nmの範囲において最大となる反射率が21%以下であること。
(4)波長300〜2300nmの範囲における波長と反射率の積分値(I)が30000以下であること。
分光反射曲線は、分光光度計(日立製作所製U−4100 Spectrophotomater)を用いて、300nm〜2300nmの波長範囲における反射率の測定結果を用いて求められる。(3)の反射率は、多層積層フィルムの層間の干渉強度を表したものであり、この値が21%より高いと干渉縞が見えやすくなる。特にオフィスの照明として用いられる、特定波長の発光強度の強い三波長蛍光灯の下では、この傾向が顕著である。また、300nm〜2300nmの波長範囲において反射率が全体的に低いことが同様の理由で好ましく、それを表しているのが(4)の積分値(I)である。とくに、(3)の反射率が21%以下でかつ(4)の積分値(I)が30000以下であると、フィルム透明性が優れ、干渉色および干渉縞が生じにくく好ましい。(3)は好ましくは18%以下でかつ(4)の積分値が25000以下であるとより効果的である。上記積分値の下限は特に限定されない。なお、上記積分値は、実施例の測定方法に詳細に記載される。多層積層フィルムにおいて、A層とB層の面内屈折率差と層数に依存して反射率は増大するため、(3)(4)を達成するには、層数を少なくすること、A層とB層の面内屈折率差を低くする方法が挙げられる。一方で、耐熱白化性などの、多層積層による効果を発現するためにはある程度の層数(5層以上)が必要である。そのため、本発明のフィルムにおいては、A層とB層の面内屈折率差は低くすることが好ましく、A層とB層の屈折率差を0.02以下、より好ましくは、0.01以下、さらに好ましくは、0.005以下となる樹脂の組合せが好ましい。また、二軸延伸・熱処理の経過で屈折率が変化することも考慮に入れる必要がある。例えば、結晶性樹脂と低結晶性樹脂の場合だと二軸延伸によって生じる屈折率の度合いがそれぞれ異なり、また、熱処理によって屈折率増減の挙動が異なるため、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bはともに結晶性樹脂同士であるか、低結晶性樹脂同士の組み合わせであることにより、両者の屈折率が近似させやすくなるため好ましい。また、特に低結晶樹脂同士の組み合わせであると位相差が低くなり、また、延伸による3軸方向の異方性が少なくなるため、液晶や有機EL画面表示フィルムに使用したときに干渉ムラや虹ムラが少なくなる。低結晶性樹脂は結晶化が十分に進行していないことにより耐熱白化性に劣る欠点があるが、多僧籍層化することにその欠点も抑制される。また、耐熱白化性は同一の樹脂同士の積層でも発揮されるので、完全に同一の低結晶性樹脂を多層積層する方法が干渉ムラ抑制の点から好ましいが、完全に同一の樹脂よりも、溶融粘度が0.05〜0.2さらに好ましくは溶融粘度が0.1〜0.15の範囲で異なる同一組成の樹脂の組み合わせのほうが、より耐熱白化性に優れる。低屈折率の結晶性樹脂と高屈折率の低結晶性樹脂を組み合わせることにより、最終的に屈折率を近似させた二軸延伸フィルムを得ることも可能であるが、延伸条件の合わせ込みが精細となるため困難である。
本発明のフィルムは、後述する条件で、面倍率1.5倍に延伸後、波長300〜2300nmの反射率を測定し、縦軸を反射率、横軸を波長としてプロットして得られる分光反射曲線において、波長300〜2300nmの範囲における波長と反射率の積分値(I)としたとき、前記(I)と(I)の差が2000以下であることが好ましい。ここに示す面倍率とは、延伸前のフィルム厚みを延伸後のフィルム厚みで除した値である(面倍率=延伸前のフィルム厚み/延伸後のフィルム厚み)。(I)と(I)の差が2000以下であると成形加工においてフィルム厚みが変化しても外観が変化しないため好ましい。
本発明のフィルムは、波長313〜800nmの反射率を測定し、縦軸を反射率、横軸を波長としてプロットして得られる分光反射曲線をフーリエ解析して得られるスペクトルを、縦軸に周波数成分の強度、横軸に周波数成分をプロットしたとき、周波数成分が0.05以上0.3以下の範囲の周波数成分の強度和が12以下であることが好ましい。多層積層フィルムは、一方の層ともう一方の層との間で屈折率差があると反射率において層界面で干渉が生じることにより干渉縞が生じる。その結果、分光反射曲線においては波長の変化に伴って反射率が上下に振動するうねりが表れ(図1)、このうねりの振幅が大きいほど干渉縞が目立たちやすくなる。特に多層積層膜フィルムの場合は、層厚みの増加や屈折率差の増大に伴い、いくつもの周期を伴ったうねりを発生するため、多元的な干渉縞が観察される。この分光反射曲線をフーリエ変換したスペクトルでは、うねりの振幅と数に応じていくつものピークが観察される(図2)。人間が視認する干渉縞は、このスペクトルのうち、特に周波数成分が0.05以上0.3の範囲の周波数成分の強度和に依存する。この値を12以下にすると、多層積層フィルムの干渉縞は低くなるため好ましく、特に8以下であればより好ましい。
多層積層フィルムの分光反射曲線は上述の分光光度計(日立製作所製U−4100 Spectrophotomater)を用いて得ることができ、フーリエ変換は、例えばEXCELのデータ処理にて行う事が出来る。もちろん、フーリエ変換に関しては同様の機能を持つ公知の機器・ソフトは多数存在するため本法に限定される必要はない。
本発明のフィルムは、彩度Cが4以下であることが好ましい。4を越えるとフィルムの透過および反射において変色が見られる場合がある。2以下であると無彩色となるためより好ましく、1.5以下であると干渉ムラも抑制されるためさらに好ましい。その達成方法は特に限られるものでは無いが、A層とB層の面内屈折率差を低くすることが好ましく、A層とB層の屈折率差を0.02以下、より好ましくは、0.01以下、さらに好ましくは、0.005以下となる樹脂の組合せが好ましい。
本発明のフィルムは、正面位相差Reが400nm以下であることが好ましい。ここでの位相差とは、面内方向の位相差を意味する。また、正面位相差(以下、Reとも言う)とは、入射角度が0°の時の位相差をあらわし、入射角度0°とは、面直方位からの光入射のことである。正面位相差は、一般にクロスニコルおよびパラレルニコル観察による干渉色、およびポリエステルフィルムのような複屈折体起因で液晶ディスプレイ上に裸眼で観察される虹ムラを抑制する観点から、0〜200nmであれば好ましく、0〜150nmであればより好ましく、0〜100nmであれば更に好ましく、0〜50nmであれば特に好ましい。一般的に位相差は、フィルムの面内における直交する2方向の屈折率差の最大値とフィルム厚みの積から算出されるものであるが、本発明において正面位相差は、王子計測機器株式会社製位相差測定装置KOBRAシリーズにて計測された値を用いるものとする。正面位相差が400nmを超える場合、偏光板保護フィルムとして液晶ディスプレイに実装した際に干渉色が生じる場合がある。正面位相差が200nm以下であれば、干渉色はなくなり最も好ましい。達成手段として、熱可塑性樹脂AまたはBもしくは両方ともに結晶性の低い樹脂を用いることが好ましい。
本発明のフィルムは、正面位相差Re(nm)、厚み位相差Rt(nm)およびフィルム厚みT(μm)が以下の式を満たしていることが好ましい。
Re/T≦5・・・(1)
Rt/T≦12・・・(2)
厚み位相差(以下、Rtとも言う)は、入射角度が50°の時の位相差を表し、この値が400nm以下であれば虹ムラが少なく干渉色が無色に近くなるため好ましい。Rtが300nm以下であれば完全に近く干渉色が無色となるため特に好ましい。Rtが400nmを超える場合、偏光板保護フィルムとして液晶ディスプレイに実装した際に角度を付けて観察すると干渉色が見えやすくなり、ディスプレイの品位を低下させる場合がある。
Rtは、面内方向の屈折率と厚み方向の屈折率の異方性とフィルム厚みの積に依存する。従来、Rtを小さくするための方法として、フィルムを薄膜化(15μm以下に)する方法が採られてきた。しかしながら、フィルムを薄膜化すると偏光板化の難易度が上がること、ハードコートなどの二次加工においてハンドリングが悪いという課題があった。かかる課題に対して、本発明者らが鋭意検討したところ、多層積層フィルムを構成する熱可塑性樹脂として、分子鎖ができるだけ面配向し難いポリマー材料を選択することにより、フィルム厚みが15μmを超えるフィルムであってもRtを小さくすることが可能となることを見出した。さらに、Rtとフィルム厚みの関係式(2)を満たすことにより、厚み位相差とハンドリング性を合わせ持つフィルムを得ることができる。(2)式を達成するためには、多層積層フィルムを構成する樹脂の非晶性樹脂の比率を上げる方法が挙げられる。例えば、一方の層に低結晶性樹脂を用いるか非晶性樹脂をブレンドしたものを用い、もう一方の層に非晶性樹脂を用い、非晶性樹脂を用いた層の比率を上げる方法(低結晶性樹脂の層の比率/非晶性樹脂の層の比率が0.4以下、好ましくは0.3以下、最も好ましくは0.2以下にする)が好ましい。Rt/Tは11以下であることがより好ましい。
Reは、上述したように入射角度が0°の時の位相差をあらわすものであり、フィルムの面内における直交する2方向の屈折率差の最大値とフィルム厚みの積からなるため、二軸延伸のバランス化とフィルム厚みによって調整が可能である。Reとフィルム厚みの関係式(1)を満たすことにより、正面位相差とハンドリング性を合わせ持つフィルムを得ることができる。
本発明のフィルムは、温度100℃、相対湿度35RH%以下の雰囲気下に12時間保持した前後のヘイズ変化が1.0%以下であることが好ましい。上記特性を満たすと、耐熱白化性に優れ、高温雰囲気下での使用や高温成形でも問題なく使用することができる。その達成方法は特に限られるものでは無いが、結晶化度の低い樹脂を使用するか、層厚みを1層あたりの層厚みを150nm以下とすることにより、結晶化速度を抑制する方法が挙げられる。示差走査熱量測定(DSC)において、100℃に1時間保持したときの結晶化エンタルピー(ΔHTc)が0.5J/g以下であると、十分に結晶化速度が抑制され、耐熱白化性に特に優れるため好ましい。
本発明のフィルムは、曲げ強度が2.5g/5mm以下であることが好ましい。フィルムの曲げ強度が上記値よりも低いと制振性能に優れる。曲げ強度を低くする方法としては、例えばA層およびB層を構成する樹脂に、エラストマーもしくは融点200℃以下の樹脂を含有させる方法が挙げられ、特に、5重量%から60重量%の範囲で含有していることが好ましい。エラストマーもしくは融点200℃以下の樹脂は、ポリエステルからなるハードセグメント及び脂肪族ポリカーボネートからなるソフトセグメントが結合されてなるポリエステルエラストマーが挙げられる。ここで、結合されてなるとは、ハードセグメントとソフトセグメントがイソシアネート化合物などの鎖延長剤で結合されるのではなく、ハードセグメントやソフトセグメントを構成する単位が直接エステル結合やカーボネート結合で結合されている状態をいう。たとえば、ハードセグメントを構成するポリエステル、ソフトセグメントを構成するポリカーボネート及び必要であれば各種共重合成分を溶融下、一定時間のエステル交換反応及び解重合反応を繰返しながら得ることが好ましい(以下ブロック化反応と称することもある)。主たるハードセグメントがポリブチレンナフタレート/ブチレンイソフタレート単位である場合、得られる熱可塑性ポリエステルエラストマーの融点が180〜225℃であることが好ましい。さらに好ましくは190〜225℃である。
本発明のフィルムは、弾性率が2700MPa以下であることが好ましい。フィルムの弾性率は分子の配向・結晶化の指標であり、低いほど柔軟となる。弾性率が2700MPa以下であると制振性が高く制振材料や偏光板保護フィルムにも適用できることから好ましい。一方であまり低すぎると耐熱性と寸法安定の面で不安定となる場合ため、1800MPa以上であることが好ましい。
本発明のフィルムは、車輌、鉄道、航空機、船舶、家電・OA機器、精密機器、建築機械、土木建築物、住宅設備、医療機器、靴、スポーツ用品などの振動の発生する箇所に、制振材料として広く用いることができる。また、カセットテープラベル、ハードディスク、ハンディカメラ、デジタルカメラなどの制振材料にも使用することができる。
本発明のフィルムの少なくとも片面に酸化インジウムスズ(ITO)膜を設けた積層体は、導電性フィルムを製造する際の工程フィルムに好適に用いることができる。導電性フィルムは、ITO膜結晶化のために高温で熱処理を行う工程があるが、本発明のフィルムであれば耐熱白化性に優れるため、フィルム外観の白化による視認性の低下といった問題の発生を抑制できる。また、タッチパネルなどのディスプレイ部材に用いた際には、正面位相差が、低いことが求められるが、本発明のある構成のフィルムであればその問題も解決することができる。
本発明のフィルムは、フィルム厚みは特に限定されない。正面位相差を400nm以下としたい場合や、薄膜化の進む偏光子保護フィルムや少なくとも片面に酸化インジウムスズ(ITO)膜を設けた積層体として使用する場合は40μm以下であることが好ましい。正面位相差は、厚みと複屈折Δnの積で表されるため、フィルム厚みを40μmより厚くすると、位相差を低くするのが困難となる場合がある。一方で、車載ディスプレイなど、それほどフィルム薄膜化の要求が高くない分野や、後加工工程の多い用途などはハンドリングの観点からは、フィルムの厚みは25μm以上75μmであることが好ましい。
次に、本発明のフィルムの好ましい製造方法を以下に説明する。もちろん本発明は係る例に限定して解釈されるものではない。また、本発明に用いるフィルムの積層構造は、特開2007−307893号公報の〔0053〕〜〔0063〕段に記載の内容と同様の方法により簡便に実現できるものである。なお、本発明では層数を少なくすることによりスリット板を1枚で用いて多層化することができ、スリット板を3枚使用することに比べて幅方向の積層精度の観点から好ましいことである。
熱可塑性樹脂をペレットなどの形態で用意する。ペレットは、必要に応じて、熱風中あるいは真空下で乾燥された後、別々の押出機に供給される。押出機内において、融点以上に加熱溶融された樹脂は、ギアポンプ等で樹脂の押出量を均一化され、フィルター等を介して異物や変性した樹脂などを取り除かれる。これらの樹脂はダイにて目的の形状に成形された後、吐出される。そして、ダイから吐出されたシートは、キャスティングドラム等の冷却体上に押し出され、冷却固化され、キャスティングフィルムが得られる。この際、ワイヤー状、テープ状、針状あるいはナイフ状等の電極を用いて、静電気力によりキャスティングドラム等の冷却体に密着させ急冷固化させることが好ましい。また、スリット状、スポット状、面状の装置からエアーを吹き出してキャスティングドラム等の冷却体に密着させ急冷固化させたり、ニップロールにて冷却体に密着させ急冷固化させたりする方法も好ましい。
熱可塑性樹脂Aとそれとは異なる熱可塑性樹脂Bの複数の樹脂を2台以上の押出機を用いて異なる流路から送り出し、多層積層装置に送り込まれる。多層積層装置としては、マルチマニホールドダイやフィードブロック等を用いることができるが、特に、本発明の構成を効率よく得るためには、3個以上の微細スリットを有するフィードブロックを用いることが好ましい。このようなフィードブロックを用いると、装置が極端に大型化することがないため、熱劣化による異物が少なく、積層数が極端に多い場合でも、高精度な積層が可能となる。また、幅方向の積層精度も従来技術に比較して格段に向上する。また、この装置では、各層の厚みをスリットの形状(長さ、幅)で調整できるため、任意の層厚みを達成することが可能となったものである。また、流路にスタティックミキサーなどを入れて、層数を倍増させることは可能であるが、積層精度を乱す原因になることから、エレメント数は一つまでが限界である。
このようにして所望の層構成に形成した溶融多層積層体をダイへと導き、上述の通りキャスティングフィルムが得られる。
このようにして得られたキャスティングフィルムは、二軸延伸することが好ましい。ここで、二軸延伸とは、長手方向および幅方向に延伸することをいう。延伸は、逐次に二方向に延伸しても良いし、同時に二方向に延伸してもよい。また、さらに長手方向および/または幅方向に再延伸を行ってもよい。
逐次二軸延伸の場合についてまず説明する。ここで、長手方向への延伸とは、フィルムに長手方向の分子配向を与えるための延伸を言い、通常は、ロールの周速差により施され、この延伸は1段階で行ってもよく、また、複数本のロール対を使用して多段階に行っても良い。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、2〜15倍が好ましく、積層フィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、2〜7倍が好ましく用いられ、より好ましくは3〜5倍、更に好ましくは3〜4倍、幅方向のReのバラツキ抑制の観点で3〜3.5倍が特に好ましい。また、延伸温度としてはフィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+100℃が好ましく、具体的には80〜120℃がより好ましく、90〜110℃が更に好ましい。
このようにして得られた一軸延伸されたフィルムに、必要に応じてコロナ処理やフレーム処理、プラズマ処理などの表面処理を施した後、易滑性、易接着性、帯電防止性などの機能をインラインコーティングにより付与してもよい。
続いて幅方向の延伸とは、フィルムに幅方向の配向を与えるための延伸を言い、通常は、テンターを用いて、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、幅方向に延伸する。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、2〜15倍が好ましく、フィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、2〜6倍が好ましく用いられ、より好ましくは3〜6倍、更に好ましくは3〜5.5倍、ReやRthの絶対値、Reのバラツキ抑制の観点で3.5〜5倍が特に好ましく、縦延伸倍率よりも高い倍率で延伸することは尚好ましいことである。また、延伸温度としてはフィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+120℃が好ましく、幅方向のReのバラツキ抑制の観点で温度に傾斜を持たせることが好ましく、上流から下流に行くに従って温度が高くなっていくことが好ましく、具体的には、横延伸区間を2分割した場合、上流の温度と下流の温度の差が20℃以上であることが好ましい。より好ましくは30℃以上、更に好ましくは35℃以上、特に好ましくは40℃以上である。1段目の延伸温度は80〜120℃がより好ましく、90〜110℃が更に好ましく、95〜105℃が特に好ましい。
こうして二軸延伸されたフィルムは、平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内で延伸温度以上融点以下の熱処理を行うのが好ましい。具体的には、160〜240℃が好ましく、160〜235℃がより好ましく、180〜225℃が更に好ましい。熱処理温度が240℃を超えるとテンター内でフィルム幅方向の物性ムラで知られるボーイング現象が発生し易くなり、また複屈折が大きくなるため、正面位相差や幅方向の物性バラツキが大きくなる。故に、これらの抑制の観点で190〜210℃が特に好ましい。熱処理を行うことにより、フィルムの寸法安定性が向上する。また、厚み位相差Rtを下げるためにフィルムの非晶性樹脂の比率を多くする場合、テンターの加熱風圧で破れや裂けが発生するようになる。そのため、従来の製膜条件と比べて、加熱風の風速は低くすることが好ましく、2m/秒以下とすることが好ましい。このようにして熱処理された後、均一に徐冷後、室温まで冷やして巻き取られる。なお、偏光板化などの工程熱処理によるカールやシワの発生を抑制できる観点から熱処理や徐冷の際に弛緩処理などを併用してすることが好ましい。弛緩処理の方法としては、幅方向の弛緩方法はテンター幅を狭めることにより可能であり、長手方向は長手方向にクリップが縮まる機構が具備されたテンターを使用したり、ロール間の周速差を利用して実施することが可能である。弛緩処理の順序としては、幅方向の弛緩の後に長手方向の弛緩を実施しても、長手方向の弛緩の後に幅方向の弛緩を実施しても、幅方向、長手方向、幅方向のように段階的に実施してもかまわないが、工程がシンプルになる観点で幅方向の弛緩の後に長手方向の弛緩を実施することが好ましい。熱処理時の幅方向弛緩率は0.5〜5%が好ましく、0.5〜3%がより好ましく、0.8〜2.5%が更に好ましく、寸法安定性と幅方向のReのバラツキ抑制の両立の観点で1〜2%が特に好ましい。また、徐冷時の幅方向弛緩率は0.5〜3%が好ましく、0.5〜2%がより好ましく、0.5〜1.5%が更に好ましく、寸法安定性と幅方向のReのバラツキ抑制の両立の観点で0.5〜1%が特に好ましい。徐冷時の温度は90〜180℃が好ましく、90〜170℃がより好ましく、100〜160℃が更に好ましく、寸法安定性とフィルム平面性の観点で100〜150℃が特に好ましい。長手方向弛緩時の温度は90〜180℃が好ましく、90〜170℃がより好ましく、100〜160℃が更に好ましく、寸法安定性とフィルム平面性の観点で100〜150℃が特に好ましい。長手方向弛緩率は0.5〜5%が好ましく、1〜4%がより好ましく、1.5〜3.5%が更に好ましく、寸法安定性と幅方向のReのバラツキ抑制の両立の観点で2〜3.5%が特に好ましい。フィルム温度85℃近傍で長手方向の弛緩処理をすることで、85℃熱収が大きく低減する効果がある。
以上のようにして得られた本発明のフィルムは、多層積層による様々な効果を発現し、かつ外観や耐熱白化性に優れる。特に両層とも低結晶性樹脂を使用することにより位相差が低く、干渉ムラの発生を抑制できるため、例えば偏光板保護フィルムとして好適に用いることができる。さらに、ITOのフィルム基板用途に用いた場合、その加工工程においても白化の発生を抑制することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。なお、特性は以下の方法により測定、評価を行った。
(1)層数、最大層厚み
フィルムの積層数は、ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求めた。すなわち、透過型電子顕微鏡H−7100FA型((株)日立製作所製)を用い、加速電圧75kVの条件でフィルムの断面を観察し、断面写真を撮影、積層数を測定した。尚、場合によっては、コントラストを高く得るために、RuOやOsOなどを使用した染色技術を用いた。また、1枚の画像に取り込められるすべての層の中で最も厚みの薄い層(薄膜層)の厚みにあわせて、薄膜層厚みが50nm未満の場合は10万倍、薄膜層厚みが50nm以上500nm未満である場合は4万倍、500nm以上である場合は1万倍の拡大倍率にて観察を実施した。また全層数を確認した後に、最表層厚みを除いたもっとも厚い層の厚みを最大層厚みとした。
(2)フィルム厚み
テクロック製定圧厚さ測定器PG−02Jにてn5測定し、その平均値をとった。
(3)正面位相差(Re)および厚み位相差(Rt)
王子計測機器(株)製 位相差測定装置(KOBRA−21ADH)を用いた。サンプルをフィルム幅方向中央部から3.5cm×3.5cmで切り出し、フィルム幅方向が本測定装置にて定義されている角度0°となるように装置に設置し、波長590nmにおけるReを測定した。なお、Rtは、入射角50°とした以外は、Reと同様の方法で測定した。
(4)フィルムの吸熱ピーク、結晶融解エンタルピー(ΔHm)
示差熱量分析(DSC)を用いて25℃から300℃の温度まで20℃/分で昇温したときに得られるDSC曲線において、130〜300℃の範囲の中で最もピークトップの温度が高い吸熱ピークの温度を読み取った。また、130〜300℃の範囲の結晶融解エンタルピーはJIS−K−7122(1987年)に従って測定・算出した。
装置:セイコーインスツルメンツ(株)製” EXSTAR DSC6200”
データ解析” MuseStandard Analysisソフトウェア、バージョン6.1U”
サンプル質量:5mg。
(5)最大反射率、積分値I
フィルムの5cm四方のサンプルについて、日立製作所製 分光光度計(U−4100 Spectrophotomater)を用いて、入射角度φ=10度における相対反射率を測定した。付属の積分球の内壁は、硫酸バリウムであり、標準板は、酸化アルミニウムである。測定波長は、300nm〜2300nm、スリットは5nm(可視)/10nm(赤外)とし、ゲインは2と設定し、1nm刻みで、走査速度を600nm/分で測定した。サンプル測定時は、サンプルの裏面からの反射による干渉をなくすために、サンプルの裏面を日東電工製の黒のビニルテープ(登録商標)を貼り合わせた。なお、可視光と赤外光の検出器の切替波長は、850nmとする。得られた分光曲線の中で極大値を、波長300nm〜2300nmの範囲において最大となる反射率とした。縦軸を反射率、横軸を波長としてプロットして得られる分光反射曲線の300〜2300nmの範囲の積分値をIとした。
(6)面倍率1.5倍延伸後の積分値I
フィルムを、東京食品機械(株)製成形機“ムルチバック”R095で、縦10cm、横11cm、深さ20〜40mmの大きさに面倍率が1.5倍となるよう(成形前のフィルム厚み/成形後のフィルム厚み=1.5となるよう)に深絞り成形を行った。この時の温度条件は120℃、20秒加熱であった。成形後のフィルムを(5)と同様にして積分値I、IとIの差を求めた。
(7)彩度C*
フィルムの幅方向中央部から5cm×5cmで切り出し、フィルムの裏面からの反射光をなくすために、次いでサンプルの裏面を日東電工製の黒のビニルテープ(登録商標)を貼り合わせ、コニカミノルタ(株)製CM−3600dを用いて、測定径φ8mmのターゲットマスク(CM−A106)条件下で、正反射光を含めたSCI方式でそれぞれ、L*、a*、b*値を測定し、彩度C*は、SCIのa*、b*値のそれぞれの2乗の和の平方根として求めた。n数は3で行いその平均値を求めた。なお、白色校正板、およびゼロ校正ボックスは下記のものを用いて校正を行った。さらになお、測色値の計算に用いる光源はD65を選択した。
白色校正板 :CM−A103
ゼロ校正ボックス:CM−A104。
(8)耐熱白化性
フィルムをオーブン内で100℃、相対湿度35RH%以下で12時間保持した前後のヘイズ変化値が1.0以下であれば◎、ヘイズ変化値が1.0より大きく1.5以下であれば○、1.5より大きく3.0以下であれば△、3.1よりも大きい場合は×とした。ヘイズは、JIS−K7136に準拠し、ヘイズメータ(スガ試験機社製HGM−2DP)を用いて測定した。なお、測定は2回行い、その平均値を求めた。
(9)耐折れ性
JIS−P−8115に従って測定した。MIT試験機(東洋精機製作所(株)製)を用いて、MIT耐折回数を測定する。 試験片:110mm(長さ)×5mm(幅)
荷重:24.5MPa
(10)耐ピンホール性
テスター産業(株)製恒温槽付きゲルボテスターBE−1005を用いて、0℃、500回の繰り返し折り曲げテストを実施した後のピンホール個数を測定した。測定サンプルは180mm×260mmである。
(11)酸素透過率
モダンコントロール社製の酸素透過率計”OXTRAN”−100を用いて、湿度80%、温度20℃の条件下で測定した値をml/m・day・MPaの単位で示す。
(12)水蒸気透過率
モダンコントロール社製の水蒸気透過率計”PERMATRAN”W3/31を用いて、湿度90%、温度40℃の条件下で測定した値をg/m・dayの単位で示す。
(13)弾性率
ASTM−D882に規定された方法に従って、インストロンタイプの引張試験機を用いて測定する。測定は下記の条件とする。
測定装置:オリエンテック(株)製フィルム強伸度自動測定装置
“テンシロンAMF/RTA−100”
試料サイズ:幅10mm×試長間100mm、
引張り速度:200mm/分
測定環境:温度23℃、湿度65%RH。
(14)外観
フィルム幅方向中央部からA4サイズでサンプルを切り出した。次いで、CIEで定めるF10の発光スペクトルを有する蛍光灯、およびサンプルをのせる黒色の厚紙を準備した。準備した蛍光灯と黒色の厚紙の上のサンプルと目視方向の関係が正反射となるように設置して、干渉色および干渉縞の発生状況を観察した。以下の基準に基づいて、評価した。
◎:干渉色および干渉縞が確認できない。
○:干渉色は確認できないが、干渉縞は僅かに確認できる。
△:緑や赤の干渉縞がぼけて僅かに確認できる
×:干渉色が鮮明に見える。
(15)成形変色
(6)に示される成形方法で面倍率が1.5倍となるように深絞り成形を行い、成形後のフィルムを(14)に示される基準で外観評価を行った。
(16)周波数成分の強度和
(5)の測定方法で得た、波長313〜800nmの512点の分光反射データを、EXCEL(2013年版)でフーリエ解析を行った。出力データは複素数で表されるため、関数IMABSを使用して絶対値に変換し、この絶対値をデータ数/2の値(ここでは256)で割ることで各周波数成分の強度が得られる。また各測定点数(1,2,3・・・)をデータ数×サンリング間隔(ここでは512)で割った値が周波数成分となる。周波数成分を横軸、周波数成分の強度を縦軸に配して得られる曲線を、周波数成分が0.05以上0.3以下の範囲の周波数成分の強度の積分値を強度和とする。
(比較例1)
熱可塑性樹脂Aとして、固有粘度0.72のジカルボン酸成分全体に対してナトリウムスルホイソフタル酸を1.5mol%共重合したポリエチレンテレフタレート(ガラス転移温度78℃ 融点250℃)に凝集シリカ(平均凝集粒径2.0μm)を0.02重量%加えたものを用いた(表では、PET/SSIAと記載)。また熱可塑性樹脂Bとして融点が226℃の東レ製ナイロン6(Ny6)“アミラン(登録商標) 1010T”を用いた。これら熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれ乾燥した後、押出機に供給した。 熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれ、押出機にて270℃の溶融状態とし、ギヤポンプおよびフィルタを介した後、フィードブロックにて9層に積層した後合流させた。合流した熱可塑性樹脂AおよびBは、スタティックミキサーを5エレメント通過させ、厚み方向に交互に129層積層された構造とした。この際、流露内における厚み方向拡幅部の拡幅率Xの最大値は1.1であり、その流露形状は角状であった。積層厚み比(A層の総厚み/B層の総厚み)はA/B=3になるよう吐出量にて調整した。このようにして得られた計129層からなる積層体をTダイに供給しシート状に成形した後、静電印加しながら、表面温度20℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化した。得られたキャストフィルムは、90℃に設定したロール群で加熱し、縦方向に3.0倍延伸後、テンターに導き、100℃の熱風で予熱後、横方向に3.3倍延伸した。延伸したフィルムは、そのまま、テンター内で190℃の熱風にて熱処理を行い、室温まで徐冷後、巻き取った。得られたフィルムの厚みは、15μmであった。得られた結果を表1に示す。耐ピンホールとガスバリア性に優れる反面、干渉色による外観が悪いものである。
(実施例1)
熱可塑性樹脂Aとして、融点が226℃の東レ製ナイロン6(Ny6)“アミラン(登録商標) 1010T”を用いた。熱可塑性樹脂Bとして、ジカルボン酸成分全体に対して、5−ソジウムスルホイソフタル酸2mol%、シクロヘキサンジカルボン酸25mol%を共重合した、融点を持たない非晶性樹脂である、エチレンテレフタレート(PET/SSIA/CHDC)を用いた。それぞれ水分を含まないように十分真空高温下で乾燥した後、2台の単軸押出機に投入し270℃で溶融混練した。次いで、それぞれFSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、組成物Aからなる各層と組成物Bからなる各層の積層比(A層の総厚み/B層の総厚み)が0.33となるようにギアポンプにて計量しながら、スリット数101個の積層装置にて合流させて、厚み方向に交互に101層積層された積層体としてTダイから押出し、25℃に表面温度を制御したキャストドラム上にキャストしてキャスティングフィルムを得た。積層体とする方法は、特開2007−307893号公報〔0053〕〜〔0056〕段の記載に従って行った。ここでは、スリット長さ、間隔は全て一定とした。
得られたキャスティングフィルムを比較例1と同様の製膜条件にてフィルムを得た。得られた結果を表1に示す。比較例1と同等の物性を有しながら、耐熱白化性に優れ、A層とB層の屈折率差が低いため、外観は良化していた。
(比較例2)
熱可塑性樹脂Aとして、極限粘度0.65のポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた。また熱可塑性樹脂Bとしてポリカーボネート(PC)を用いた。これら熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれ乾燥した後、押出機に供給した。熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれ、押出機にて280℃の溶融状態とし、ギアポンプおよびフィルタを介した後、フィードブロックにて合流させた。合流した熱可塑性樹脂AおよびBは、スタティックミキサーに供給し、熱可塑性樹脂Aが13層、熱可塑性樹脂Bが12層からなる厚み方向に交互に積層された構造とした。ここで、積層厚み比がA/B=2/1になるよう、吐出量にて調整した。又、熱可塑性樹脂AおよびBの層の最大偏厚比は2以下に調整した。この様にして得られた計25層からなる積層対をTダイに供給しシート状に成型した後、静電印可しながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを、90℃に加熱した複数のロール群に導き予熱した後、延伸倍率3.0倍で縦延伸を行い、両端部をクリップで把持するテンターに導き100℃にて3.2倍横延伸した後、210℃で風速5m/秒で熱処理を施し、室温まで徐冷後、巻き取った。得られたフィルムの厚みは、100μmであった。得られた結果を表1に示す。オリゴマーの析出により、耐熱白化性は悪いものである。
(実施例2)
熱可塑性樹脂Aとして、ジカルボン酸成分全体に対してイソフタル酸が5mol%共重合された極限粘度0.72のポリエチレンテレフタレート(PET/I5)を用いた。また、熱可塑性樹脂Bとしてポリカーボネート(PC)を用いた。また、未延伸フィルムをテンター同時二軸延伸機にて、倍率3.0倍で縦延伸を行い、引き続き100℃にて3.2倍横延伸した後、210℃で熱処理を施し、室温まで徐冷後、巻き取った。それ以外の条件は比較例2と同様の製膜条件にてフィルムを得た。得られた結果を表1に示す。比較例2と同等の物性を有しながら、耐熱白化性に優れ、A層とB層の屈折率差が低いため、外観は良化していた。また、耐熱白化性も改良していた。
(比較例3)
熱可塑性樹脂Aとして、固有粘度0.65のPETを用いた。また熱可塑性樹脂Bとして固有粘度1.26のポリブチレンテレフタレート(以下PBTと称す)(ガラス転移温度55℃ 融点215℃)を用いた。これら熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれ乾燥した後、押出機に供給した。熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれ、押出機にて270℃の溶融状態とし、ギヤポンプおよびフィルタを介した後、フィードブロックにて合流させた。合流した熱可塑性樹脂AおよびBは、スタティックミキサーに供給し、熱可塑性樹脂Aが9層、熱可塑性樹脂Bが8層からなる厚み方向に交互に積層された構造とした。この際、その流露形状は角状であった。具体的な積層方法としては、フィーブロックにて9層に積層した後、スクエアーミキサーを用いて129層になるよう設計した。また、熱可塑性樹脂Aが両表層であり、総積層厚み比はA/B=1になるよう吐出量にて調整した。このようにして得られた129層からなる積層体をTダイに供給しシート状に成形した後、静電印加しながら、表面温度20℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化した。得られたキャストフィルムは、90℃に設定したロール群で加熱し、縦方向に3.0倍延伸後、テンターに導き、100℃の熱風で予熱後、横方向に3.3倍延伸した。延伸したフィルムは、そのまま、テンター内で190℃の熱風にて熱処理を行い、室温まで徐冷後、巻き取った。得られた積層フィルムの厚みは、6μmであった。得られた積層フィルムの評価結果を表1に示す。得られた積層フィルムはガスバリア性、耐ピンホール性、耐面衝撃性に優れていたが、わずかに干渉縞が見られた。また、オリゴマーの析出により、耐熱白化性は悪いものである。
(比較例4)
熱可塑性樹脂として、固有粘度0.65のPETと固有粘度1.26のPBTを重量比率で60/40で混合し、10分以上溶融混合してチップ化したものを用いた。比較例3と同様の製膜条件にて行ったが、積層装置は使用しておらず単膜フィルムを得た(PETとPBT混合体の総溶融時間は20分以上である)。得られた結果を表1に示す。比較例3と原料の比率は同じである物の、機械物性、耐熱白化性において悪化していた。
(実施例3)
熱可塑性樹脂Aとして、固有粘度0.65のPETと固有粘度1.26のPBTを重量比率で70/30で混合し、10分以上溶融混合してチップ化したものを用いた。熱可塑性樹脂Bとして、PETとPBTを重量比率で50/50で混合し、10分以上溶融混合してチップ化したものを用いた。スリット数201個の積層装置にて合流させて、比較例3と同様の製膜条件にてフィルムを得た(PETとPBT混合体の総溶融時間は20分以上である)。得られた結果を表1に示す。比較例4と比べて原料の比率は同じであるものの、耐熱白化性に優れており、A層とB層の屈折率差が低いため、外観は良好であった。
(比較例5)
熱可塑性樹脂として、ジカルボン酸成分全体に対してイソフタル酸が10mol%共重合された極限粘度0.72のポリエチレンテレフタレート(PET/I10)と、ジカルボン酸成分全体に対してイソフタル酸が12mol%共重合された極限粘度0.72のポリエチレンテレフタレート(PET/I12)を重量比率で50/50で混合し、10分以上溶融混合してチップ化したものを用いた。比較例3と同様の製膜条件にて行ったが、積層装置は使用しておらず単膜フィルムを得た。得られた結果を表1に示す。結晶性が低いため、耐熱白化性において悪いものである。
(実施例4)
熱可塑性樹脂Aとして、PET/I10を、熱可塑性樹脂Bとして、PET/I12を使用した以外は、実施例3と同様の製膜条件にてフィルムを得た。得られた結果を表1に示す(層厚み評価において、A層とB層に染色の違いが認められず、最大層厚みは不明であった)。比較例5と比べて原料の比率は同じであるものの、耐熱白化性に優れており、A層とB層の屈折率差が低いため、外観は良好であった。
(比較例6)
熱可塑性樹脂としてPETを用い、積層装置は使用しておらず単膜フィルムとした以外は比較例3と同様の製膜条件にてフィルムを得た。得られた結果を表1に示す。機械物性、耐熱白化性において悪化していた。
(比較例7)
熱可塑性樹脂として、ジカルボン酸成分全体に対してイソフタル酸が12mol%共重合された極限粘度0.75のポリエチレンテレフタレート(PET/I12−1)と、ジカルボン酸成分全体に対してイソフタル酸が12mol%共重合された極限粘度0.62のポリエチレンテレフタレート(PET/I12−2)を重量比率で50/50で混合し、10分以上溶融混合してチップ化したものを用いた(PET/I12−3)。比較例3と同様の製膜条件にて行ったが、積層装置は使用しておらず単膜フィルムを得た。得られた結果を表1に示す。結晶性が低いため、耐熱白化性において悪いものである。
(実施例5)
熱可塑性樹脂Aとして、PET/I12−1を、熱可塑性樹脂Bとして、PET/I12−2を使用した以外は、実施例3と同様の製膜条件にてフィルムを得た。得られた結果を表1に示す(層厚み評価において、A層とB層に染色の違いが認められず、最大層厚みは不明であった)。比較例7とまったく同じ原料を使用しているものの、耐熱白化性は良好であった。
(実施例6)
熱可塑性樹脂Bとして、ジオール成分全体に対して、イソソルビド15mol%、シクロヘキサンジメタノール20mol%を共重合した、融点を持たない非晶性樹脂であるポリエチレンテレフタレート(PET/ISB・CHDM)と、イソフタル酸25mol%を共重合した極限粘度0.65のポリエチレンテレフタレート(PET/I25)を、重量比率で50/50で混合した原料を用いた。また、熱可塑性樹脂Aとして、極限粘度0.65のポリエチレンテレフタレート(PET)と、PET/ISB・CHDMを重量比率で75/25で混合した原料を用い、積層比A/Bが0.3になるよう吐出量にて調整した以外は、実施例3と同様の製膜条件にて25μmのフィルムを得た。得られた結果を表1に示す。
(実施例7)
積層比を0.17とした以外は実施例6と同様とした。また、このときのテンター内の熱風の風速は0.5m/秒とした。得られた結果を表1に示す。
(実施例8)
積層比を1とした以外は実施例6と同様とした。得られた結果を表1に示す。
(実施例9)
熱可塑性樹脂Bとして、ジオール成分全体に対してスピログリコール30mol%、ジカルボン酸成分全体に対してシクロヘキサンジカルボン酸15mol%を共重合した、融点を持たない非晶性樹脂であるポリエチレンテレフタレート(PET/SPG・CHDC)を用いた。また、熱可塑性樹脂Aとして、極限粘度0.65のポリエチレンテレフタレート(PET)と、PET/SPG・CHDCを重量比率で75/25で混合した原料を用い、積層比A/Bが0.3になるよう吐出量にて調整した以外は、実施例3と同様の製膜条件にて25μmのフィルムを得た。得られた結果を表1に示す。
(比較例8)
熱可塑性樹脂AとBに、ジオール成分全体に対してイソフタル酸が25mol%共重合された極限粘度0.72のポリエチレンテレフタレート(PET/I25)を使用した以外は、実施例3と同様の製膜を行った。結果、樹脂の耐熱不足によりフィルム形状を保つことができなかった。
Figure 2018171901
Figure 2018171901
本発明のフィルムは耐熱白化性に優れており、また、干渉色や干渉縞が少ないため液晶ディスプレイ等の表示装置に内蔵される偏光板の偏光板保護フィルムやタッチパネルに用いられるITO基材フィルムとして好適に用いることができる。

Claims (13)

  1. 熱可塑性樹脂Aからなる層(A層)と熱可塑性樹脂Bからなる層(層B)が厚み方向に交互に5層以上積層された積層フィルムであって、示差走査熱量測定(DSC)にて25℃から300℃の温度まで20℃/分で昇温したときに得られるDSC曲線において、130〜300℃の範囲の中で最もピークトップの温度が高い吸熱ピークが160〜246℃の範囲にあり、前記DSC曲線から求められる130〜300℃の範囲の結晶融解エンタルピー(ΔHm)が5〜19J/gであるフィルム。
  2. 波長313〜800nmの反射率を測定し、縦軸を反射率、横軸を波長としてプロットして得られる分光反射曲線をフーリエ解析して得られるスペクトルを、縦軸に周波数成分の強度、横軸に周波数成分をプロットしたとき、周波数成分が0.05以上0.3以下の範囲の周波数成分の強度和が12以下である請求項1に記載のフィルム。
  3. 彩度Cが4以下である請求項1または2に記載のフィルム。
  4. 前記熱可塑性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bがポリエステルである請求項1から3のいずれかに記載のフィルム。
  5. 熱可塑性樹脂Aおよび/または熱可塑性樹脂Bにイソソルビド成分を含む請求項1から4のいずれかに記載のフィルム。
  6. 正面位相差Reが400nm以下である請求項1から5のいずれかに記載のフィルム。
  7. 正面位相差Re(nm)、厚み位相差Rt(nm)およびフィルム厚みT(μm)が以下の式を満たす請求項1から6のいずれかに記載のフィルム。
    Re/T≦5・・・(1)
    Rt/T≦12・・・(2)
  8. 最表層を除く層の1層あたりの厚みがいずれも60nm以下である請求項1から7のいずれかに記載のフィルム。
  9. 温度100℃、相対湿度35RH%以下の雰囲気下に12時間保持した前後のヘイズ変化が1.0%以下である請求項1から8のいずれかに記載のフィルム。
  10. 弾性率が2700MPa以下である請求項1から8のいずれかに記載のフィルム。
  11. 制振材料に用いられる請求項1から10のいずれかに記載のフィルム。
  12. 偏光板保護に用いられる請求項1から10のいずれかに記載のフィルム。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載のフィルムの少なくとも片面に酸化インジウムスズ(ITO)膜を設けた積層体。
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