JP2018168406A - 電解装置及びそれを用いた電解方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】専用デバイス等が不要の簡易な構造によって、電解液の給液量を高くしつつも電解殿物の巻き上げを抑えて、電解槽内の電解液の濃度を均一化させて電解処理を行う。【解決手段】電極板が設けられた電解槽内の長手方向の一端側から電解液供給部によって電解液を供給し、電解槽内の長手方向の他端側から電解液を排出する電解装置であって、電極板は複数のアノード板と複数のカソード板とが交互に板厚方向に間隔を空けて設けられており、且つ、電極板の下端が電解槽の底面から所定の間隔が空くように電解槽内に吊り下げられており、電解液供給部の電解液供給口が、電解槽の幅方向に間隔を空けて複数設けられており、且つ、電極板の下端の深さ位置に対して±100mmまでの深さ位置に設けられていることを特徴とする電解装置。【選択図】図1
Description
本発明は、電解装置及びそれを用いた電解方法に関する。
従来の電解装置では、電解槽の長手方向の一端の下部から電解液を供給し、電解槽の他端側の上部から排液される下入れ上抜き方式と呼ばれる電解液の給排液が行われている。電解槽内の液組成及び添加剤濃度を均一に保つことは、例えば電気銅の精製においては品質或いは電解成績を向上させるために重要な技術であり、これまで色々な方法が検討がなされている。
例えば、特許文献1では、上部と下部から電解液を給液する方法が提案されている。また、特許文献2では、電解槽の長手方向の一端の上部から電解液が側面に向けて給液され、他端の下部から排液される方法が提案されている。また、全く別の方法として、特許文献3及び特許文献4では、電解槽の底や電解槽脇から電解液を給液する方法が提案されている。
電解において電解液の給液量を高くすることは、電解液組成の均一化や、高電流密度化をするにあたって重要である。しかしながら特許文献1のように電解液組成や添加剤濃度を均一にするために電解液を上部と下部から給液して電解液の給液量を高くすると、電解槽の底に堆積している殿物(アノードスライム)を巻き上げてしまい、精製品(例えば製品電気銅等)の汚染やコブによる製品の品質悪化を招く恐れがある。
また、特許文献2では、電解液の給液量の3〜5%のみ上部から給液するため、給液量を上げた場合、特許文献1と同様に電解殿物の巻き上げが起こる。
また、特許文献3では、電解が進むと電解槽内では液の比重差による濃度ムラが生じる。具体的には、例えば電気銅の電解精製においては、電解槽の下に行けばいくほど、銅濃度の濃い比重の重い液ほど下に行くため電解液中の銅濃度が濃くなる。供給された電解液は電解槽の下部にある電解液より銅濃度が薄く比重が軽いため、特に給液側では電極下部まで新たに供給された電解液が行き渡らない。
また、特許文献4では、電解槽内に配管や、専用デバイスを設置する必要があり、また、その配管やデバイスがスケーリングしてしまうと、給液されなくなる。
そこで、本発明は、専用デバイス等が不要の簡易な構造によって、電解液の給液量を高くしつつも電解殿物の巻き上げを抑えて、電解槽内の電解液の濃度を均一化させて電解処理を行うことができる電解装置及びそれを用いた電解方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、電解槽へ電解液を供給するための電解液供給部の給液口の配置構成を制御することで、専用デバイス等が不要の簡易な構造によって、電解液の給液量を高くしつつも電解殿物の巻き上げを抑えて、電解槽内の電解液の濃度を均一化させて電解処理を行うことができることを見出した。
以上の知見を基礎として完成した本発明は一側面において、電極板が設けられた電解槽内の長手方向の一端側から電解液供給部によって電解液を供給し、前記電解槽内の長手方向の他端側から前記電解液を排出する電解装置であって、前記電極板は複数のアノード板と複数のカソード板とが交互に板厚方向に間隔を空けて設けられており、且つ、前記電極板の下端が前記電解槽の底面から所定の間隔が空くように前記電解槽内に吊り下げられており、前記電解液供給部の電解液供給口が、前記電解槽の幅方向に間隔を空けて複数設けられており、且つ、前記電極板の下端の深さ位置に対して±100mmまでの深さ位置に設けられている電解装置である。
本発明の電解装置は一実施形態において、前記電解液供給部の複数の電解液供給口が、それぞれ電解液を前記電極板の両脇方向に供給する向きに設けられている。
本発明の電解装置は別の一実施形態において、電解液供給部の複数の電解液供給口が、電解槽の幅方向の両端からそれぞれ100mm内側までの間に設けられている。
本発明の電解装置は更に別の一実施形態において、前記電解槽内の電解液供給部による電解液の供給流量が30〜90L/分である。
本発明の電解装置は更に別の一実施形態において、前記電解槽内の前記電極板の下端部近傍の液温を60℃以上に制御する。
本発明は別の一側面において、本発明の電解装置を用いて前記電解液を電気分解することにより前記複数のカソード板に金属を電着させることを特徴とする電解方法である。
本発明によれば、専用デバイス等が不要の簡易な構造によって、電解液の給液量を高くしつつも電解殿物の巻き上げを抑えて、電解槽内の電解液の濃度を均一化させて電解処理を行うことができる電解装置及びそれを用いた電解方法を提供することができる。
〔電解装置〕
図1(A)は、本発明の一実施形態で示す電解装置の模式図である。具体的には、図1(A)の左図は本発明の一実施形態で示す電解装置の外観模式図であり、図1(A)の右図は本発明の一実施形態で示す電解装置の幅方向で切った断面図である。
また、図1(B)は、従来の電解装置の模式図である。具体的には、図1(B)の左図は従来の電解装置の外観模式図であり、図1(B)の右図は従来の電解装置の幅方向で切った断面図である。
図1(A)は、本発明の一実施形態で示す電解装置の模式図である。具体的には、図1(A)の左図は本発明の一実施形態で示す電解装置の外観模式図であり、図1(A)の右図は本発明の一実施形態で示す電解装置の幅方向で切った断面図である。
また、図1(B)は、従来の電解装置の模式図である。具体的には、図1(B)の左図は従来の電解装置の外観模式図であり、図1(B)の右図は従来の電解装置の幅方向で切った断面図である。
本発明の一実施形態で示す電解装置は、電極板が設けられた直方体状の電解槽内の長手方向の一端側から電解液供給部によって電解液を供給し、電解槽内の長手方向の他端側の電解液排出口から電解液を排出する。電解槽のサイズの一例として、直方体状の電解槽の長さ(長手方向の距離)が5200〜5900mm、幅が1095〜1111mm、深さが1275〜1510mmに形成されている。
電極板は複数のアノード板と複数のカソード板とが交互に板厚方向に間隔を空けて設けられており、且つ、電極板の下端が電解槽の底面から所定の間隔が空くように電解槽内に吊り下げられており、電解槽内に貯留する電解液に浸漬される。電極板の下端は、電解槽の底面から、例えば140〜370mmの間隔が空くように設けることができる。
電解槽及び電極板の構成は特に限定されない。アノード板は、電気製錬を行う際の陽極となり、粗金属製の板材で構成される。例えば粗銅を精錬する場合は、アノード板は純度が99mass%程度の粗銅の板材で構成することができる。また、カソード板は、電気製錬を行う際の陰極となり、純度が99.99mass%程度の銅の板材等の、導電性に優れた板状の金属で構成される。
電解槽に貯留される電解液は、精製する金属を含む酸性の水溶液で、カソード板表面に電着する金属の表面を平滑化させるための添加剤を含有していてもよい。銅を電解精錬する場合には、電解液として、硫酸銅及び硫酸の混合水溶液に、ニカワやチオ尿素等の添加剤を混合させたものを使用することができる。
電解槽の電解液供給口が設けられた一端側とは反対側にある他端の上部には、電解液排出口が形成されている。電解液供給部の電解液供給口から供給された電解液が、電解槽内を進み、電解液の液面近傍からオーバーフローして電解液排出口から排出される。
電解装置には不図示の電解液の還流機構が設けられている。当該還流機構は、電解槽の電解液排出口から排出された電解液にニカワやチオ尿素等の添加剤を追加するとともに、必要な成分調整と温度調整を行う。電解液の還流機構は、その電解液の流入側が電解槽の電解液排出口に、電解液の流出側が電解槽の電解液供給部の電解液供給口に、それぞれ接続されている。
電解装置には不図示の給電機構が設けられている。当該給電機構は、アノード板とカソード板との間に直流電流を印加する電源装置と配線とを備えている。
電解液供給部の電解液供給口は、電解槽の幅方向に間隔を空けて複数設けられている。このような構成によれば、複数の電解液供給口から電解液を電解槽へ供給することができるため、より電解槽内を流れる電解液の濃度が均一化される。電解液供給部の電解液供給口について、当該電解槽の幅方向に間隔を空けて複数設ける構成としては、特に限定されないが、例えば電解槽の幅方向に等間隔で2個、3個、4個等と設ける構成が挙げられる。また、電解槽の幅方向の中心線から幅方向の両端へ向かって同じ距離だけそれぞれ離して電解液供給口を設けると、より電解槽内を流れる電解液の濃度が均一化されるため好ましい。
電解液供給部の複数の電解液供給口は、それぞれ電解液を電極板の両脇方向に供給する向きに設けられているのが好ましい。このような構成によれば、電極板の両脇方向(すなわち、電極板の外側(電解槽壁側)方向)からの電解液の回り込みが期待できるような電解液の流れを誘導することができる。このため、電解槽内を流れる電解液の濃度がより良好に均一化される。
電解液供給部の複数の電解液供給口は、電解槽の幅方向の両端からそれぞれ100mm内側までの間に設けられていてもよい。このような構成によれば、電極の幅方向からの電解液の回り込みが期待でき、より電解槽内を流れる電解液の濃度が均一化される。
また、電解液供給部の複数の電解液供給口は、それぞれが電極板の下端の深さ位置に対して±100mmまでの深さ位置に設けられている。すなわち、電解液供給部の複数の電解液供給口は、それぞれが電極板の下端の深さ位置に対して上方に100mmの位置から、下方に100mmの位置までの間の深さ位置に設けられている。電解液の供給量が多いと、電極板近傍の電解液の流れが速くなり、電極板近傍の拡散層の厚さが薄くなる。このように拡散層が薄くなることで電解の電流を強くして反応を速める(高電流密度化)ことができる。しかしながら、図1(B)に示されるような従来の電解装置は、電解液供給部の電解液供給口を電解槽の底部に設けているため、電解液の供給量が多いと電解槽底の殿物を巻き上げてしまい、電解槽の電解液に不純物が混ざり、良好な電解処理を行うことに問題が生じるおそれがあった。これに対し、本発明では、上記のように電解液供給部の電解液供給口を電極板の下端の深さ位置に対して±100mmまでの深さ位置に設けているため、電解液の供給量を多くしても、電解槽底の殿物を巻き上げることがなくなり、電解槽内の電解液の濃度を均一化させて良好な電解処理を行うことができる。また、その際に電解液を供給するための特別な専用デバイス等が不要となり、簡易な構造の電解装置とすることができる。また、電解液供給部の複数の電解液供給口は、電解槽の底部の殿物の巻き上げを良好に抑制するために、それぞれが電解槽の底から高さ方向に40mm以上離れた位置に設けるのが好ましい。
なお、上記「拡散層」は図2で示すネルンストの拡散層モデルで表されることが多い、電極の極近傍の層を示す。この拡散層の厚さは、電極板表面から反応成分濃度がバルク濃度(濃度一定)に達するまでの距離と定義されている。
カソード(銅が電着する側)では、電解液中の銅が還元されて金属銅として析出する。しかしながら、拡散層の厚さが厚い場合、カソード表面へのイオンの供給が追い付かなくなるため、どれだけ電流を強くしても析出速度が頭打ちとなり、反応を早めることができなくなる。
カソード(銅が電着する側)では、電解液中の銅が還元されて金属銅として析出する。しかしながら、拡散層の厚さが厚い場合、カソード表面へのイオンの供給が追い付かなくなるため、どれだけ電流を強くしても析出速度が頭打ちとなり、反応を早めることができなくなる。
電解液供給部の複数の電解液供給口は、それぞれが電極板の下端の深さ位置に対して±80mmまでの深さ位置に設けられているのが好ましく、±50mmまでの深さ位置に設けられているのがより好ましい。
電解槽内の電解液供給部による電解液の供給流量が30〜90L/分であるのが好ましい。電解液の供給流量が30L/分未満では電極板への金属の電着量が不十分となる恐れがあり、電解液の供給流量が90L/分超ではアノード表面の殿物巻き上げという問題が生じる恐れがある。電解槽内の電解液供給部による電解液の供給流量は40〜80L/分であるのがより好ましく、50〜80L/分であるのが更により好ましい。
〔電解方法〕
本発明の電解装置を用いて電解液を電気分解することにより複数のカソード板に金属を電着させることができる。本発明の電解装置を用いて電解液を電気分解する例として、粗銅を精錬する場合について説明する。
まず、例えば純度が99mass%程度の粗銅の厚板材をアノード板とし、純度が99.99mass%程度の銅の薄板材またはステンレス板をカソード板として、複数のアノード板と複数のカソード板とが交互に板厚方向に間隔を空けて、電極板の下端が電解槽の底面から所定の間隔が空くように電解槽内に吊り下げる。
本発明の電解装置を用いて電解液を電気分解することにより複数のカソード板に金属を電着させることができる。本発明の電解装置を用いて電解液を電気分解する例として、粗銅を精錬する場合について説明する。
まず、例えば純度が99mass%程度の粗銅の厚板材をアノード板とし、純度が99.99mass%程度の銅の薄板材またはステンレス板をカソード板として、複数のアノード板と複数のカソード板とが交互に板厚方向に間隔を空けて、電極板の下端が電解槽の底面から所定の間隔が空くように電解槽内に吊り下げる。
次に、電解槽の内部に、電解液供給部の複数の電解液供給口から硫酸銅及び硫酸の混合水溶液にニカワやチオ尿素等の添加剤を添加した電解液を供給して満たし、電極板を電解槽内に貯留する電解液に浸漬させる。
次に、還流機構を動作させ、電解液を循環させ、アノード板とカソード板との間に給電機構から直流電流を印加することで、アノード板の銅を電解液にイオンとして溶出させ、カソード板に電着させる。このとき、電解槽内の電極板の下端部近傍の液温を60℃以上に制御することが好ましい。このように電極板の下端部近傍の液温を60℃以上に制御することで、良好な電着状態が得られる。電解槽内の電極板の下端部近傍の液温は、60〜70℃に制御してもよく、65〜70℃に制御してもよい。なお、電解槽内の電極板の下端部近傍の液温は、電解液供給部の電解液供給口から供給する電解液の温度を60℃以上とし、且つ、電解槽内の電解液の液温を管理して調節することで、60℃以上に保持することができる。
電解に使用された電解液は、液面近傍からオーバーフローして電解液排出口から排出される。電解液排出口から排出された電解液は、還流機構に入る。その後、電解液に必要であれば添加剤を追加投入し、さらに必要な成分や温度の調整を実施した後、電解液を再度電解液供給部の複数の電解液供給口から電解槽内に供給する。
このような本発明の電解方法において、電解液供給部の電解液供給口が、電解槽の幅方向に間隔を空けて複数設けられている。このため、複数の電解液供給口から電解液を電解槽へ供給することができ、より電解槽内を流れる電解液の濃度が均一化される。また、電解液供給部の複数の電解液供給口が、それぞれ電極板の下端の深さ位置に対して±100mmまでの深さ位置に設けられている。このため、電解液の供給量を多くしても、電解槽底の殿物を巻き上げることがなくなり、電解槽内の電解液の濃度を均一化させて良好な電解処理を行うことができる。また、その際に電解液を供給するための特別な専用デバイス等が不要となり、簡易な構造の電解装置とすることができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、実施例は例示目的であって発明が限定されることを意図しない。
実施例1、及び、比較例1、2として、それぞれ以下の構成の透明電解槽を準備し、電解液の給液量を高くしつつも電解殿物の巻き上げを抑えて、電解槽内の電解液の濃度を均一化させて電解処理を行うことができるか否かを検討した。
実施例1、及び、比較例1、2として、それぞれ以下の構成の透明電解槽を準備し、電解液の給液量を高くしつつも電解殿物の巻き上げを抑えて、電解槽内の電解液の濃度を均一化させて電解処理を行うことができるか否かを検討した。
(実施例1)
図1(A)で示したような電解装置を準備した。電解槽は内部の電解液の色が判別可能なように、透明材料で構成した。実施例1の電解装置は、電極板が設けられた直方体状の電解槽内の長手方向の一端側から電解液供給部によって電解液を供給し、電解槽内の長手方向の他端側の電解液排出口から電解液を排出する。電解槽のサイズは、実機のスケールの1/10としており、直方体状の電解槽の長さ(長手方向の距離)が620mm、幅が110mm、深さが150〜170mmであった。
図1(A)で示したような電解装置を準備した。電解槽は内部の電解液の色が判別可能なように、透明材料で構成した。実施例1の電解装置は、電極板が設けられた直方体状の電解槽内の長手方向の一端側から電解液供給部によって電解液を供給し、電解槽内の長手方向の他端側の電解液排出口から電解液を排出する。電解槽のサイズは、実機のスケールの1/10としており、直方体状の電解槽の長さ(長手方向の距離)が620mm、幅が110mm、深さが150〜170mmであった。
電極板は複数のアノード板と複数のカソード板とが交互に板厚方向に間隔を空けて設けられており、且つ、電極板の下端が電解槽の底面から所定の間隔が空くように電解槽内に吊り下げられており、電解槽内に貯留する電解液に浸漬される。電極板の下端は、電解槽の底面から、30〜50mmの間隔が空くように設けた。
アノード板は純度が99.99mass%程度の銅の板材を用い、カソード板は厚さ2mmのステンレスの板材を用いた。
電解槽の電解液供給口が設けられた一端側とは反対側にある他端の上部には、電解液排出口を設けた。電解液供給部の電解液供給口から供給された電解液が、電解槽内を進み、電解液の液面近傍からオーバーフローして電解液排出口から排出される。また、電解装置には還流機構と給電機構とを設けた。
電解液供給部の電解液供給口は、電解槽の幅方向を中心として幅方向の両端側へそれぞれ45mm(実機換算450mm)だけ離して2つ設け、それぞれ電極板の下端の深さ位置に対して10mm(実機換算100mm)だけ高い位置に設けた。また、電解液供給部の電解液供給路として管径3mmφのチューブコネクターを用い、電解槽の壁面に穴を開けて当該チューブコネクターを取り付けて、口径3mmφの電解液供給口とした。
電解液として、硫酸銅及び硫酸の混合水溶液をメチルオレンジで着色したものを用いた。本実施例は、電解槽中の液の混合状態を確認するための試験を行うことが目的である。電解液にはトレーサーとしてNiを溶解し、液中のNi濃度を確認することで、液の混合状態を評価する。
還流機構を動作させ、電解液を循環させた。電解槽内の電解液供給部による電解液の供給流量は150mL/分(実機換算88L/分)とした。また、電解槽内の電極板の下端部近傍の液温を60℃以上に制御した。電解に使用された電解液は、液面近傍からオーバーフローして電解液排出口から排出させた。ここで、電解槽内の電解液供給部による電解液の供給流量は、「電解液の供給流量=電解槽内電解液量/電解槽内液滞留時間」となるように調整された数値である。なお、実機換算は、「実機の電解液の供給流量=実機の電解槽内電解液量×実施例で使用した電解液の供給流量÷実施例で使用した電解槽内電解液量」の式によって計算することができる。
その後、経過時間ごとに、電解槽内の電解液をサンプリングしてNi濃度割合(%)を測定した。なお、当該Ni濃度割合は、供給電解液のNi濃度に対する電解液供給開始後の電解槽内の電解液のNi濃度の比を示す。電解液のサンプリングは、電解槽の給液側(電解液供給口付近)、電解槽の真ん中(長さ方向の真ん中)、電解槽の排液側(電解液供給口付近)の、それぞれ電極板間の上部(液面付近)、中部(電極板の真ん中の深さ)、下部(電極板の下端の深さ)で実施した。
当該試験で得られた電解液の供給開始からの時間と、電解槽内の電解液中のNi濃度割合(%)との関係を、図3に示す。
図3において、Ni濃度割合を見ると、電極板間の上部(液面付近)、中部(電極板の真ん中の深さ)、下部(電極板の下端の深さ)でのバラツキが小さく、電解液の混合状態が良好であり、実機でも殿物の巻き上げが起きないことが予想される結果となった。
当該試験で得られた電解液の供給開始からの時間と、電解槽内の電解液中のNi濃度割合(%)との関係を、図3に示す。
図3において、Ni濃度割合を見ると、電極板間の上部(液面付近)、中部(電極板の真ん中の深さ)、下部(電極板の下端の深さ)でのバラツキが小さく、電解液の混合状態が良好であり、実機でも殿物の巻き上げが起きないことが予想される結果となった。
(比較例1)
比較例1の電解装置として、実施例1で用いた電解装置において、電解液供給部の電解液供給口を1つのみとし、且つ、電極板の下端の深さ位置に対して15mm(実機換算150mm)だけ深い位置に設け、且つ、電解槽内の電解液供給部による電解液の供給流量は60mL/分(実機換算35L/分)とした。また、電解液供給部の電解液供給路として管径10mmφの塩ビ管を用い、電解液供給口の口径は3mmφであった。それら以外は、実施例1で用いた電解装置と同様の構成とし、同様に実験を行った。
当該試験で得られた電解液の供給開始からの時間と、電解槽内の電解液中のNi濃度割合(%)との関係を、図4に示す。
図4において、Ni濃度割合を見ると、電極板間の上部(液面付近)、中部(電極板の真ん中の深さ)、下部(電極板の下端の深さ)でのバラツキが大きく、電解液の混合状態が不良であった。
比較例1の電解装置として、実施例1で用いた電解装置において、電解液供給部の電解液供給口を1つのみとし、且つ、電極板の下端の深さ位置に対して15mm(実機換算150mm)だけ深い位置に設け、且つ、電解槽内の電解液供給部による電解液の供給流量は60mL/分(実機換算35L/分)とした。また、電解液供給部の電解液供給路として管径10mmφの塩ビ管を用い、電解液供給口の口径は3mmφであった。それら以外は、実施例1で用いた電解装置と同様の構成とし、同様に実験を行った。
当該試験で得られた電解液の供給開始からの時間と、電解槽内の電解液中のNi濃度割合(%)との関係を、図4に示す。
図4において、Ni濃度割合を見ると、電極板間の上部(液面付近)、中部(電極板の真ん中の深さ)、下部(電極板の下端の深さ)でのバラツキが大きく、電解液の混合状態が不良であった。
(比較例2)
比較例2の電解装置として、実施例1で用いた電解装置において、電解液供給部の電解液供給口を1つのみとし、且つ、電極板の下端の深さ位置に対して15mm(実機換算150mm)だけ深い位置に設けた。また、電解液供給部の電解液供給路として管径10mmφの塩ビ管を用い、電解液供給口の口径は3mmφであった。それら以外は、実施例1で用いた電解装置と同様の構成とし、同様に実験を行った。
当該試験で得られた電解液の供給開始からの時間と、電解槽内の電解液中のNi濃度割合(%)との関係を、図5に示す。
図5において、Ni濃度割合を見ると、電極板間の上部(液面付近)、中部(電極板の真ん中の深さ)、下部(電極板の下端の深さ)でのバラツキは比較例1よりは改善されているが、それでも電解液の混合状態が不良であり、実機でも殿物の巻き上げが起きることが予想される結果となった。
比較例2の電解装置として、実施例1で用いた電解装置において、電解液供給部の電解液供給口を1つのみとし、且つ、電極板の下端の深さ位置に対して15mm(実機換算150mm)だけ深い位置に設けた。また、電解液供給部の電解液供給路として管径10mmφの塩ビ管を用い、電解液供給口の口径は3mmφであった。それら以外は、実施例1で用いた電解装置と同様の構成とし、同様に実験を行った。
当該試験で得られた電解液の供給開始からの時間と、電解槽内の電解液中のNi濃度割合(%)との関係を、図5に示す。
図5において、Ni濃度割合を見ると、電極板間の上部(液面付近)、中部(電極板の真ん中の深さ)、下部(電極板の下端の深さ)でのバラツキは比較例1よりは改善されているが、それでも電解液の混合状態が不良であり、実機でも殿物の巻き上げが起きることが予想される結果となった。
Claims (6)
- 電極板が設けられた電解槽内の長手方向の一端側から電解液供給部によって電解液を供給し、前記電解槽内の長手方向の他端側から前記電解液を排出する電解装置であって、
前記電極板は複数のアノード板と複数のカソード板とが交互に板厚方向に間隔を空けて設けられており、且つ、前記電極板の下端が前記電解槽の底面から所定の間隔が空くように前記電解槽内に吊り下げられており、
前記電解液供給部の電解液供給口が、前記電解槽の幅方向に間隔を空けて複数設けられており、且つ、前記電極板の下端の深さ位置に対して±100mmまでの深さ位置に設けられていることを特徴とする電解装置。 - 前記電解液供給部の複数の電解液供給口が、それぞれ電解液を前記電極板の両脇方向に供給する向きに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電解装置。
- 電解液供給部の複数の電解液供給口が、電解槽の幅方向の両端からそれぞれ100mm内側までの間に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の電解装置。
- 前記電解槽内の電解液供給部による電解液の供給流量が30〜90L/分であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電解装置。
- 前記電解槽内の前記電極板の下端部近傍の液温を60℃以上に制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電解装置。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の電解装置を用いて前記電解液を電気分解することにより前記複数のカソード板に金属を電着させることを特徴とする電解方法。
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|---|---|---|---|---|
| CN113699561A (zh) * | 2021-08-04 | 2021-11-26 | 中国瑞林工程技术股份有限公司 | 一种电解或电积装置及其安装方法 |
| JP2024106897A (ja) * | 2023-01-27 | 2024-08-08 | Jx金属株式会社 | 電気銅の製造方法及び電気銅の製造装置 |
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2017
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