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JP2018167864A - 原材料シート及び発泡性紙製容器 - Google Patents

原材料シート及び発泡性紙製容器 Download PDF

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JP2018167864A JP2017066811A JP2017066811A JP2018167864A JP 2018167864 A JP2018167864 A JP 2018167864A JP 2017066811 A JP2017066811 A JP 2017066811A JP 2017066811 A JP2017066811 A JP 2017066811A JP 2018167864 A JP2018167864 A JP 2018167864A
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Abstract

【課題】環境への影響が少ないインキを含有し、印刷層表面が平滑で外観に優れた発泡性紙製品が得られる原材料シート及び該原料シートを用いた発泡性紙製容器の提供。
【解決手段】本発明は、発泡性紙製品に用いる原材料シートであって、少なくとも片面に1層以上のインキ塗装部を有する熱可塑性樹脂層を加熱してなる発泡層を備える紙基材からなり、前記インキが着色剤及びバインダー樹脂を含み、且つ塩化物を実質的に含まず、前記バインダー樹脂がウレタン系樹脂、又はウレタン系樹脂及び硝化綿を含む。本発明の発泡性紙製容器は、前記原材料シートからなる。
【選択図】なし

Description

本発明は、原材料シート及び発泡性紙製容器に関する。
一般的に、発泡性紙製シート及び発泡性紙製容器は、原紙の片面に低密度ポリエチレン、反対側の片面に高密度又は中密度ポリエチレンをラミネート加工し、オーブンで加熱してなる。前記低密度ポリエチレンの表面には、装飾模様、商品名、社名、バーコード等の印刷パターンを含む印刷層を有する。
印刷層を形成するためのインキには、従来から、バインダー成分としてポリアミド樹脂等とセルロース誘導体とを含むことが知られている。前記インキは、低密度ポリエチレンの発泡を著しく抑制し、印刷層の印刷部と非印刷部とにおいて、又は印刷部とこの印刷部の上にさらに印刷を施した重ね刷り部とにおいて、発泡後の低密度ポリエチレンの厚さに差が生じる。これにより、前記印刷部、又は前記重ね塗り部が凹部となり、段差が生じ、印刷が不鮮明になるという課題を有する。
前記印刷層表面の凹凸を改善するインキとして、特許文献1には、着色剤、バインダー樹脂及び溶剤を含み、前記バインダー樹脂が、ウレタン樹脂と、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体とを含み、前記ウレタン樹脂及び塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体の全重量を基準として、ウレタン樹脂:塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体の混合比が50:50〜99:1であり、且つ前記バインダー樹脂の伸長率が400%〜3,000%であるインキが開示されている。
特許第4619455号公報
特許文献1に開示されているインキでは、塩化物を含んでおり、安全性及び環境面でより良いインキが求められていた。
従って、本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、環境への影響が少ないインキを含有し、印刷層表面が平滑で外観に優れた発泡性紙製品が得られる原材料シート及び該原料シートを用いた発泡性紙製容器を提供する。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、インキの配合成分について、必要に応じて、塩化物の代わりに硝化綿を使用することにより、塩化物を実質的に含まないインキを用いて、発泡性が良好な発泡性紙製品が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の態様を含む。
[1]発泡性紙製品に用いる原材料シートであって、少なくとも片面に1層以上のインキ塗装部を有する熱可塑性樹脂層を加熱してなる発泡層を備える紙基材からなり、前記インキが着色剤及びバインダー樹脂を含み、且つ塩化物を実質的に含まず、前記バインダー樹脂がウレタン系樹脂、又はウレタン系樹脂及び硝化綿を含むことを特徴とする原材料シート。
[2]前記ウレタン系樹脂のガラス転移点が−20℃以上30℃以下である[1]に記載の原材料シート。
[3]前記ウレタン系樹脂がポリエーテルウレタン樹脂である[1]又は[2]に記載の原材料シート。
[4]前記バインダー樹脂の樹脂固形分中の前記ウレタン系樹脂の含有量が50%以上である[1]〜[3]のいずれか一つに記載の原材料シート。
[5]前記バインダー樹脂が、さらに二酸化珪素を含む[1]〜[4]のいずれか一つに記載の原材料シート。
[6][1]〜[5]のいずれか一つに記載の原材料シートからなることを特徴とする発泡性紙製容器。
本発明によれば、環境への影響が少ないインキを含有し、印刷層表面が平滑で外観に優れた発泡性紙製品が得られる原材料シート及び該原料シートを用いた発泡性紙製容器を提供することができる。
本発明の原材料シート(発泡前)の一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の原材料シート(発泡後)の一実施形態を模式的に示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」と称する場合がある。)について詳細に説明する。以下に示す本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
≪原材料シート≫
一実施形態において、本発明は、発泡性紙製品に用いる原材料シートであって、少なくとも片面に1層以上のインキ塗装部を有する熱可塑性樹脂層を加熱してなる発泡層を備える紙基材からなり、前記インキが着色剤及びバインダー樹脂を含み、且つ塩化物を実質的に含まず、前記バインダー樹脂がウレタン系樹脂、又はウレタン系樹脂及び硝化綿を含む原材料シートを提供する。
本実施形態の原材料シートによれば、印刷層表面が平滑で外観に優れた発泡性紙製品が得られる。また、本実施形態の原材料シートが備えるインキ塗装部は塩化物を実質的に含まないため、環境負荷が少なく、より食品用途での使用に適している。
なお、本明細書において、「塩化物を実質的に含まない」とは、塩化物を全く含まない、又は、塩化物を環境に影響を与えない程度の微量しか含んでいない状態を意味する。
<構造>
図1A及び図1Bは、本発明の原材料シートの一実施形態を模式的に示す断面図である。図1Aは、加熱して発泡させる前の原材料シートを示し、図1Bは加熱して発泡させた後の原材料シートを示す。
本実施形態の発泡前の原材料シート10は、平面視して隣接して配置されたインキ非塗装領域Aと、インキ塗装領域Bとを有し、非発泡熱可塑性樹脂層2a、紙基材3、発泡熱可塑性樹脂層2b、並びに印刷層1(第1のインキ塗装部1a及び第2のインキ塗装部1b)がこの順で積層されている。
また、本実施形態の発泡後の原材料シート20において、発泡層2b’は、印刷層1(第1のインキ塗装部1a及び第2のインキ塗装部1b)を有する発泡熱可塑性樹脂2bを加熱してなり、インキ非塗装領域Aに存在する通常発泡部4と、インキ塗装領域Bに存在する印刷発泡部5とからなる。インキの塗装により、印刷発泡部5は、通常発泡部4と比較して、発泡が多少抑制される。さらに、印刷発泡部5は、第1のインキ塗装部が表面に露出している領域、すなわち、1層のインキ塗装部において形成された第1の印刷発泡部5aと、第2のインキ塗装部が表面に露出している領域、すなわち、2層のインキ塗装部において形成された第2の印刷発泡部5bとからなる。
本実施形態の発泡後の原材料シート20において、前記インキ非塗装部(通常発泡部4)における発泡厚をX、前記1層のインキ塗装部(第1の印刷発泡部5a)における発泡厚をYとしたとき、下記式(1)で表される発泡抑制率が54%以下であり、53%以下であることが好ましく、52%以下であることがより好ましい。
発泡抑制率(%)=(1−Y/X)×100 (1)
発泡抑制率が上記範囲内であることにより、インキ非塗装領域とインキ塗装領域との境が平滑な印刷物となり、印刷を鮮明に視認することができる。
前記X及びYは、前記インキ非塗装部(通常発泡部4)又は前記1層のインキ塗装部(第1の印刷発泡部5a)における発泡厚の測定値の平均値を用いればよい。
また、図1A及び図1Bでは、2層のインキ塗装部を備える原材料シートを例示したが、2層以上、例えば、3層、4層等のインキ塗装部における発泡厚についても、各層のインキ塗装部における発泡厚を測定し、その平均値を用いて、上記式(1)に数値を当てはめて発泡抑制率を計算すればよい。
例えば、図1Bにおいて、2層のインキ塗装部における発泡厚をZとしたとき、上記式(1)のおけるYの代わりにZを用いて、発泡抑制率を計算すればよい。すなわち、通常発泡部4に対する第2の印刷発泡部5bにおける発泡抑制率は、下記式(2)で表される。
発泡抑制率(%)=(1−Z/X)×100 (2)
また、第1のインキ塗装部及び第2のインキ塗装部に用いられるインキの色は同じ色であってもよく、異なる色であってもよい。
また、本実施形態の発泡後の原材料シート20において、前記1層のインキ塗装部(第1の印刷発泡部)における発泡厚をY、前記2層のインキ塗装部(第2の印刷発泡部)における発泡厚をZとしたとき、下記式(3)で表される発泡抑制率が54%以下であり、53%以下であることが好ましく、52%以下であることがより好ましい。
発泡抑制率(%)=(1−Z/Y)×100 (3)
発泡抑制率が上記範囲内であることにより、印刷層表面が平滑で、印刷を鮮明に視認することができる。
本発明の原材料シートは、図1A〜図1Bに示すものに限定されず、本発明の効果を損なわない範囲内において、図1A〜図1Bに示すものの一部の構成が変更又は削除されたものや、これまでに説明したものにさらに他の構成が追加されたものであってもよい。
例えば、図1A〜図1Bに示す原材料シートにおいては、2層以上、例えば、3層、4層のインキ塗装部を備えていてもよい。中でも、インキ塗装部は、2層以上8層以下であることが好ましい。
また、図1A〜図1Bに示す原材料シートにおいては、片面全体にインキが塗装され印刷層で覆われたもの、すなわち、インキ非塗装部を備えないものであってもよい。
また、図1A〜図1Bに示す原材料シートにおいては、発泡熱可塑性樹脂層を両面に備えるものであってもよい。
<構成材料>
本実施形態の原材料シートを構成する材料について以下に説明する。
[印刷層]
本実施形態の原材料シートにおいて、加熱前のインキ塗装部の乾燥後の厚さは、1層当たり2μm以下であることが好ましい。2μm以下であることにより、発泡を抑制せず、平滑な印刷表面を得ることができる。
インキ塗装部が、例えば2層である場合、乾燥後の印刷層は4μm以下であることが好ましく、例えば、インキ塗装部が、例えば3層である場合、乾燥後の印刷層は6μm以下であることが好ましい。
(インキ)
本実施形態の印刷層に用いられるインキは、乾燥状態のインキ塗装部の構成に溶剤を加えたものである。すなわち、インキは、着色剤、バインダー樹脂、及び溶剤を含有する。
また、本実施形態の印刷層に用いられるインキは、塩化物を実質的に含まないため、環境負荷が少ない。
◎着色剤
前記着色剤は塩化物を実質的に含まないものであればよく、無機系着色剤又は有機系着色剤であればよい。
無機系着色剤としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、タルク、クレー、カオリン、酸化クロム、シリカ、カーボンブラック、アルミニウム、マイカ(雲母)等が挙げられる。
着色力、隠ぺい力、耐薬品性、耐候性の点から、白色着色剤には酸化チタンが好ましく、さらに、顔料表面が塩基性である酸化チタンがより好ましい。アルミニウムは粉末又はペースト状であるが、取扱い性及び安全性の面からペースト状で使用するのが好ましく、リーフィング又はノンリーフィングを使用するかは輝度感及び濃度の点から適宜選択される。
硫酸バリウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、タルク、クレー、カオリンは体質顔料と呼ばれ、流動性、強度、光学的性質の改善のために増量剤として使用される。
一方、有機系着色剤としては、一般のインキ、塗料及び記録剤等に使用されている有機顔料や染料を挙げることができる。例えば、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、ジクトピロロピロール系、イソインドリン系等が挙げられる。
但し、着色剤としては、塩化物を含むフタロシアニングリーン等のものは除く。
これら着色剤の含有量は、所望とするインキの色調等を考慮して適宜選択することができるが、一般的にインキの全重量を基準として、50重量%以下であればよく、前記上限値以下であることにより、必要な着肉濃度が得られる着色剤の含有量となる。
本実施形態の印刷層に用いられるインキが白色である場合、白色顔料の含有量は、一般的にインキの全重量を基準として、20重量%以上50重量%以下であればよく、前記範囲内であることにより、必要な着肉濃度が得られる顔料の含有量となる。隠蔽性、顔料濃度、及び耐光性の観点から、白色顔料は二酸化チタンであることが好ましい。
また、本実施形態に用いられるインキが有色である場合、含まれる有色顔料としては、例えば、有色の有機顔料、及びベンガラ、紺青、群青、カーボンブラック、黒鉛等の有色の無機顔料等が挙げられる。発色性、及び耐光性の観点からは、有色顔料は有機顔料であることが好ましい。有色顔料の含有量は、一般的にインキの全重量を基準として、10重量%以上30重量%以下であればよく、前記範囲内であることにより、必要な着肉濃度が得られる顔料の含有量となる。
◎バインダー樹脂
前記バインダー樹脂は、ウレタン系樹脂、又はウレタン系樹脂及び硝化綿を含む。
本実施形態の印刷層に用いられるインキが白色である場合、顔料の分散性が優れるため、インキは、バインダー樹脂としてウレタン系樹脂のみを含んでいればよい。一方、本実施形態に用いられるインキが有色である場合、顔料の分散性を向上させるために、インキは、バインダー樹脂としてウレタン系樹脂に加えて、硝化綿を含むことが好ましい。
○ウレタン系樹脂
前記ウレタン系樹脂は、ガラス転移点が−20℃以上30℃以下、好ましくは−15℃以上0℃以下である。前記ウレタン系樹脂のガラス転移点が上記下限値以上であることにより、ブロッキングの発生を抑制し、上記上限値以下であることにより、発泡の抑制を抑えることができる。
なお、一般に、「ブロッキング」とは、インキの印刷、乾燥、続いて巻き取りを行う際に、原材料シートの印刷層を有する面と反対側の面とがくっつくことを意味する。
また、本明細書において、「ウレタン系樹脂」とは、従来から当技術分野で使用される一般的なウレタン樹脂又はウレタンウレア樹脂等の変性ウレタン樹脂を含む広義のウレタン樹脂を意味する。また、本実施形態においてバインダー樹脂として用いられるウレタン系樹脂は、その製造方法によって、特に限定されるものではなく、ウレタン系樹脂に関する公知又は周知の方法を適用して得られる様々なウレタン系樹脂であればよい。具体的には、例えば、ポリエーテルウレタン樹脂等のウレタン樹脂(上述の「一般的なウレタン樹脂」)、ポリウレタンウレア樹脂等が挙げられる。中でも、本実施形態においてバインダー樹脂として用いられるウレタン系樹脂としては、ポリエーテルウレタン樹脂が好ましい。
・ウレタン樹脂
前記ウレタン樹脂は、ポリオール化合物と有機ジイソシアネートとを反応させて製造することができる。
1.ポリオール化合物
前記ウレタン樹脂の製造に用いられる前記ポリオール化合物としては、例えば、以下に示すような公知の各種ポリオールが挙げられる。
(1)酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロフラン等の重合体又は共重合体等のポリエーテルポリオール類;
(2)その他ポリカーボネートジオール類、ポリブタジエングリコール類、ビスフェノールA酸化エチレン又は酸化プロピレンを付加して得られるグリコール類;
(3)ダイマージオール類。
これらの各種ポリオールは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ポリオールの数平均分子量は、反応生成物として得られるウレタン樹脂の溶解性、乾燥性、及び耐ブロッキング性等の特性を考慮して適宜決定される。例えば、通常、500以上10,000以下の範囲が好ましく、500以上6,000以下の範囲がより好ましい。数平均分子量が上記下限値以上であることにより、溶解性が低下せず、印刷適性が低下することを防ぐことができる。また、数平均分子量が上記上限値以下であることにより、乾燥性及び耐ブロッキング性が低下することを防ぐことができる。
2.有機ジイソシアネート
前記ウレタン樹脂の製造に用いられる前記有機ジイソシアネートとしては、芳香族、脂肪族、又は脂環族の各種公知のジイソシアネート類であってよい。具体的には、例えば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4、4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネートやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等が挙げられる。
3.製造方法
上記ウレタン樹脂の製造方法は、従来から公知又は周知の方法であってよく、特に制限されない。例えば、ポリオール化合物と有機ジイソシアネートとを反応させる場合には、上記有機ジイソシアネートを上記ポリオール化合物に対して過剰に使用することを除き、その他の条件については限定されない。ウレタン樹脂の合成方法において、イソシアネート基/水酸基のモル当量比を1.2/1〜3/1の範囲内にすることが好ましい。イソシアネート基/水酸基のモル当量比が上記下限値以上であることにより、得られるウレタン樹脂が脆弱となることを防ぐことができる。一方、イソシアネート基/水酸基のモル当量比が上記上限値以下であることにより、ウレタン樹脂の製造時の粘度の増加を抑制し、反応中にゲル化が起こることを防ぐことができる。
ウレタン樹脂製造時のポリウレタン化反応の温度は、通常、80℃以上200℃以下の範囲であり、90℃以上150℃以下の範囲であることが好ましい。
上記ポリウレタン化反応は、溶剤中で実施しても、又は無溶剤雰囲気下で実施してもよい。溶剤を使用する場合は、反応温度及び粘度、副反応を制御する観点で、後述の「◎溶剤」において例示されたものと同様のものを適宜選択することができる。
また、無溶剤雰囲気下で上記ポリウレタン化反応をする場合には、均一なウレタン樹脂を得るために、十分な攪拌ができる程度に温度を上げて粘度を下げて実施することが好ましい。上記ポリウレタン化反応の反応時間は、10分以上5時間以下とすることが好ましい。反応の終点は、粘度測定、IR測定によるNCOピークの確認、滴定によるNCO%測定等の方法によって判断することができる。
・ポリウレタンウレア樹脂
前記ポリウレタンウレア樹脂は、上述のポリオール化合物と上述の有機ジイソシアネートとを反応させて末端にイソシアネート基を有するウレタン樹脂を合成した後に、アミン化合物又はアミド化合物を鎖延長剤及び反応停止剤として使用して上記ウレタン樹脂中に尿素結合を導入することによって得られる樹脂である。
1.鎖延長剤
尿素結合を導入するために使用できる前記鎖延長剤としては、各種公知のアミン類等が挙げられる。例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等の分子内に水酸基を有するジアミン類、ダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマージアミン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
2.反応停止剤
前記反応停止剤としては、C8以上C22以下の長鎖アルキル基を有する脂肪族アミン化合物又は脂肪酸アミド化合物等が挙げられる。
前記脂肪族アミン化合物としては、例えば、オクチルアミン、ラウリルアミン、ココナットアミン、ミリスチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、パルミチルアミン、ジブチルアミン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
前記脂肪酸アミド化合物としては、例えば、オクタン酸アミド、デカン酸アミド、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リノール酸アミド、リノレン酸アミド等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
3.製造方法
ウレタン樹脂の製造方法は、上述のとおりである。さらに、ウレタン樹脂中に尿素結合を導入する製造方法としては、特に限定されない。
例えば、上記ウレタン樹脂の両末端に存在する遊離イソシアネート基の数を1とした場合、使用する鎖延長剤及び反応停止剤におけるアミノ基の合計数を0.5以上1.3以下の範囲内とすることが好ましい。上記アミノ基の合計数が上記下限値以上であることにより、乾燥性、耐ブロッキング性、及び塗膜強度の向上効果を充分に得ることができる。一方、上記アミノ基の合計数が上記上限値以下であることにより、鎖延長剤及び反応停止剤が未反応のまま残存することなく、印刷層に臭気が残ることを防ぐことができる。
前記バインダー樹脂の樹脂固形分中、前記ウレタン系樹脂を50%以上含有することが好ましく、60%以上含有することがより好ましく、70%以上含有することがさらに好ましく、80%以上含有することが特に好ましく、90%以上含有することが最も好ましい。
バインダー樹脂中におけるウレタン系樹脂の含有量が上記範囲内であることにより、熱可塑性樹脂の発泡をほとんど抑制せず、平滑な印刷表面の原材料シートを得ることができる。
○硝化綿
前記硝化綿は、通常ニトロセルロースと呼ばれ、精製した天然のセルロースを混酸でエステル化し、セルロース中の水酸基を硝酸基に置換する方法などの公知の方法で得ることができる。
一般に、硝化綿は高い塗膜強度、弾性率、及び表面硬度を有するため、様々な用途に使用され、さらに、窒素分で溶解性を、重合度で溶液粘度を選択することができる。
本明細書において、「窒素分」とは、樹脂中の窒素原子の重量%のことを意味し、セルロースの水酸基を硝酸基に置換する量が多くなるほど大きな数値となる。工業用の硝化綿の場合、窒素分が10.7以上12.2以下のものが一般的である。なお、本実施形態において使用される硝化綿は、窒素分が10.7以上11.5以下であるL綿やLタイプと呼ばれる低窒素分タイプであってもよく、窒素分が11.5以上12.2以下であるH綿やHタイプと呼ばれる高窒素分タイプであってもよく、特別な限定はない。
また、本実施形態において使用される硝化綿の平均重合度は例えば30以上150以下であればよい。硝化綿の平均重合度が上記下限値以上であることにより、皮膜の強靭さを確保でき、さらに耐アルコールブリード性及び耐ブロッキング性が優れたインキとなる。一方、硝化綿樹脂の平均重合度が上記上限値以下であることにより、硝化綿溶液やインキの粘度が上昇するのを防ぐことができる。
インキが有色である場合、バインダー樹脂の樹脂固形分中、硝化綿を50%以下含有することが好ましく、10%以上40%以下含有することがより好ましく、20%以上30%以下含有することがさらに好ましい。
バインダー樹脂中における硝化綿の含有量が上記範囲であることにより、顔料の分散性を向上させることができ、且つ発泡抑制率を小さくすることができる。また、発泡後の原材料シートのインキ塗装部において、インキ表面の割れを防ぐことができる。
○バインダー樹脂の含有量
本実施形態において、インキの全質量を基準として、バインダー樹脂の含有量は15質量%以上25重量%以下であることが好ましい。バインダー樹脂の含有量が上記下限値以上であることにより、適度なインキ粘度が得られ、また、上記上限値以下であることにより、インキ流動性が低下することを防ぎ、インキ製造及び印刷時の作業効率を高めることができる。
◎溶剤
本実施形態の印刷層に用いられるインキに含まれる溶剤としては、通常、印刷インキ用の溶剤として使用できる公知の化合物であればよい。例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル系有機溶剤;n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素系有機溶剤;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の脂環族炭化水素系有機溶剤等が挙げられる。バインダー樹脂の溶解性や乾燥性等を考慮すると、上述の各種溶剤を混合して利用することが好ましい。
本実施形態において、インキの全質量を基準として、溶剤の含有量は、例えば、30質量%以上であればよい。
◎体質顔料
本実施形態の印刷層に用いられるインキはさらに、体質顔料を含むことが好ましい。体質顔料を含むことにより、発泡性がより良好なインキが得られる。
前記体質顔料としては、例えば、二酸化珪素、タルク、カオリン、酸化マグネシウム等が挙げられる。中でも、本実施形態におけるインキに含まれる体質顔料としては、二酸化珪素であることが好ましい。
前記二酸化珪素は、例えば、既知の方法で製造される「合成シリカ」として知られる化合物であってよい。合成シリカの代表的な製造法は、高純度珪砂を原料とした珪酸ソーダと酸とを反応させることによって超微粉含水珪酸を生成する湿式法、又は四塩化珪素を気相中で燃焼加水分解することによる乾式法がある。
本実施形態において用いられる二酸化珪素は、合成法によって特別に限定されず、例えば、未処理の二酸化珪素(未処理シリカ)等が挙げられる。
本実施形態において用いられる二酸化珪素の粒子径は、2μm以上20μm以下であることが好ましく、3μm以上10μm以下であることがより好ましい。粒子径が上記下限値以上の二酸化珪素を使用することで、インキの粘度が高くなることを防ぎ、インキ状態を低下させることを防ぐことができる。また、粒子径が上記上限値以下の二酸化珪素を使用することで、容器製造時の加熱処理時に発泡熱可塑性樹脂として用いられる低融点樹脂フィルムの発泡に対するインキ皮膜の発泡追随性が劣ることを防ぐことができる。
なお、二酸化珪素の粒子径は、一般に、電気抵抗変化を利用したコールターカウンター法、光散乱を利用したレーザー法等で測定される。本実施形態においては、レーザー法を利用した測定によって得られる平均粒子径を意味している。
本実施形態において二酸化珪素を含有する場合、インキの全質量を基準として、二酸化珪素の含有量は0.2質量%以上5重量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上3.5質量%以下であることがより好ましい。二酸化珪素の含有量が上記範囲であることにより、発泡性がより良好なインキが得られる。
◎その他成分
また、本実施形態の印刷層に用いられるインキは、その他に、助剤(例えば、ポリエチレンワックス等のポリオレフィン系ワックス;脂肪酸アマイド、脂肪酸エステル、パラフィンワックス、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ワックス、カルナバワックス等の既知の各種ワックス類)、消泡剤、レべリング剤、顔料分散剤、可塑剤等の各種インキ用添加剤を含有していてもよい。
[発泡熱可塑性樹脂層]
本実施形態の原材料シートにおいて、発泡層は熱可塑性樹脂層を加熱してなる。すなわち、発泡層は発泡した熱可塑性樹脂層(発泡熱可塑性樹脂層)である。発泡熱可塑性樹脂層に用いられる熱可塑性樹脂としては、押出しラミネートが可能で且つ発泡可能であれば特に限定されず、結晶性樹脂、非結晶性樹脂のどちらの熱可塑性樹脂も使用することができる。結晶性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂;ポリエステル系樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、PPS樹脂等を挙げることができる。非結晶性樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、アクリル樹脂、変性PPE、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、非結晶性ポリエチレンテレフタレート(PET)等を挙げることができる。これらの熱可塑性樹脂の融点としては、80℃以上120℃以下程度が好ましい。また、これらの熱可塑性樹脂は単一の樹脂を単層で使用しても、複数の樹脂を複層で使用しても良いが、発泡性の点から単層であることが好ましい。
中でも、発泡熱可塑性樹脂層に用いられる熱可塑性樹脂としては、ラミネート適性、発泡性に優れることからポリエチレンが好ましい。ポリエチレンは、大きくは直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンに区分される。
密度としては、直鎖状低密度ポリエチレンは888kg/m以上910kg/m以下、低密度ポリエチレンは910kg/m以上925kg/m以下、中密度ポリエチレンは925kg/m以上940kg/m以下、さらに高密度ポリエチレンは940kg/m以上970kg/m以下である。
融点としては、直鎖状低密度ポリエチレンは55℃以上120℃以下、低密度ポリエチレンは105℃以上120℃以下、中密度ポリエチレンは120℃以上125℃以下、さらに高密度ポリエチレンは125℃以上135℃以下である。
発泡層(発泡熱可塑性樹脂層)の厚さとしては、所望の断熱性又は意匠性のうち少なくともいずれかを付与するのに十分な厚さであればよく特に限定されないが、例えば、通常発泡部、第1の印刷発泡部、及び第2の印刷発泡部において0.01mm以上4mm以下であればよく、発泡抑制部において0mm以上1mm以下であればよい。
[非発泡熱可塑性樹脂層]
本実施形態の原材料シートにおいて、発泡効率を高めるために、胴部材の発泡熱可塑性樹脂層を有する壁面の反対壁面側を、発泡熱可塑性樹脂層よりも融点の高い熱可塑性樹脂からなるとともに加熱処理した際に発泡しない熱可塑性樹脂層(非発泡熱可塑性樹脂層)、或いはアルミ箔等で被覆することが好ましい。紙基材の片面が地のまま(ラミネート、塗工層に被覆されていない状態)だと、加熱処理の際にこの未被覆面から紙中の水分が大気中に蒸散してしまい、十分確実に発泡させることが難しくなる。従って、このような被覆層を設けることにより、紙中の水分を効率良く発泡に寄与させることができる。なお、当該原材料シートを発泡性紙製容器として使用する場合、これらの非発泡熱可塑性樹脂層やアルミ箔等は、胴部材の内壁面側に存在すると、充填液体等が紙中へ浸透することを防止でき好ましい。
本実施形態の原材料シートの非発泡熱可塑性樹脂層に用いられる熱可塑性樹脂は、発泡熱可塑性樹脂層と同一であっても異なっていてもよい。同一の場合は、密度に差を持たせることにより融点に差を生じさせることができる。例えば、両者の熱可塑性樹脂としてポリエチレンを選択する場合、発泡熱可塑性樹脂層は低密度ポリエチレンとし、非発泡熱可塑性樹脂層は中密度又は高密度ポリエチレンとする。発泡熱可塑性樹脂層と非発泡熱可塑性樹脂層の熱可塑性樹脂における融点の差は5℃以上あることが好ましく、非発泡熱可塑性樹脂層の熱可塑性樹脂の融点としては、加熱の際に融解せず蒸発水分の拡散を防止できればよく特に限定されないが、125℃以上が好ましい。
[紙基材]
本実施形態の原材料シートに用いられる紙基材としては、例えば、木材より得られた化学パルプ、機械パルプを主体とし、これにケナフ、竹等の非木材パルプを必要に応じて配合し、通常の抄紙工程により抄造して得られる紙基材が挙げられ、これに限定されない。中でも、本実施形態の原材料シートに用いられる紙基材としては、化学パルプを含有するものであることが好ましい。化学パルプを含有するものであることにより機械パルプを使用する場合と比較して、密度を高くしやすく、光を長時間浴びた場合又は高温で長時間保管された場合に黄変を抑制することができ、さらに容器に使用することを想定した場合の強度、剛性が高くなる。
紙基材に用いられる全原料パルプに対する化学パルプの配合率は80重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましく、95重量%以上がさらに好ましい。
また、化学パルプは針葉樹由来の繊維を多く含む方が、発泡性が高いので好ましい。
紙基材に用いられる全原料パルプに対する針葉樹由来の化学パルプの配合率は5%以上が好ましく、10%以上がより好ましく、20%以上がさらに好ましい。
紙基材の原紙坪量は、例えば25g/m以上500g/m以下であればよい。また、本実施形態の原材料シートを容器に使用する場合、紙基材の原紙坪量は、発泡性を考慮して例えば30g/m以上400g/m以下であればよい。
本実施形態の原材料シートの原紙坪量が上記下限値以上であることにより、発泡による断熱性及び意匠性付与に必要な水分量を充分に担保することができる。また、本実施形態の原材料シートの原紙坪量が上記上限値以下であることにより、発泡後に加工しやすく、紙基材のコストを適正な範囲内に抑えることができる。
紙基材に用いられるパルプの濾水度(“Canadian Standard”freeness;CSF)は、150mL以上600mL以下であることが好ましく、200mL以上580mL以下であることがより好ましい。前記パルプのCSFが600mL以下である場合、紙基材内部を水蒸気が透過し難く、紙基材の端面から水蒸気が逃げ難くなるので、発泡厚さが大きくなる。前記パルプのCSFが200mL以上である場合、パルプを叩解して濾水度を下げるための消費電力が大きくならずコスト面で優れている。またパルプ叩解能力増強のための設備対応を緩和することができる。
紙基材の密度は、0.6g/cm以上であることが好ましく、0.7g/cm以上であることがより好ましく、0.8g/cm以上であることがさらに好ましい。
紙基材の厚さは、例えば、20μm以上500μm以下であればよい。
紙基材の製造方法としては、一般的に、上記のパルプ、水、及び必要に応じて填料やその他薬品等を添加して調成した紙料を抄紙機のワイヤー上に噴射し、ワイヤーパートで脱水、プレスパートで搾水、ドライヤーパートで乾燥した後、また必要に応じて紙に強度や耐水性を付与するサイズプレスや、紙の表面の凹凸を整えるカレンダー処理を施して抄紙し、仕上がった紙を巻取り所定の巻取寸法に仕上げて完成される。また、紙に紙力や耐水性を付与するため、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol;PVA)、澱粉、表面サイズ剤等の薬品を単独で、又は適宜2種類以上を組み合わせて使用してもよい。なお、本実施形態における紙基材の製造はこれに限定されるものではない。
<原材料シートの製造方法>
本実施形態の原材料シートの製造方法としては、例えば、以下に示す方法等により、製造することができる。
すなわち、一実施形態において、本発明は、紙基材の少なくとも片面に熱可塑性樹脂層を形成させる熱可塑性樹脂層形成工程と、前記熱可塑性樹脂層形成工程後の前記紙基材のうち、前記熱可塑性樹脂層が形成された面に、上述のインキを塗布し、乾燥させてインキ塗装部を形成させるインキ塗装部形成工程と、前記インキ塗装部形成工程後に、前記該熱可塑性樹脂層を発泡させて、通常発泡部及び印刷発泡部からなる発泡層を形成させる発泡工程と、を備える原材料シートの製造方法を提供する。
本実施形態の製造方法によれば、平滑な印刷表面であり、断熱性及び意匠性が優れた原材料シートを得ることができる。
以下、各工程について詳細に説明する。
[熱可塑性樹脂層形成工程]
まず、紙基材の少なくとも片面に熱可塑性樹脂層を形成させる。
熱可塑性樹脂層の形成方法としては、特別な限定はなく、例えば、押出しラミネート法、ウェットラミネート法、ドライラミネート法等の予めフィルム状にしたものと貼合する方法を適宜使用して積層すればよい。中でも、熱可塑性樹脂層の形成方法としては、紙基材との密着性、発泡性等の点から、押出しラミネート法が好ましい。押出しラミネートは、例えば、紙基材の発泡促進剤が塗布された面に、Tダイから熱可塑性樹脂層を溶融樹脂膜の状態で押出し、クーリングロールとこれに対向するニップロールとの間で冷却しつつ圧着する方法である。押出しラミネートにおいて、樹脂の溶融温度、積層速度等の操業条件は、用いる樹脂の種類や装置によって適宜設定すればよく特に限定されないが、一般に、例えば、溶融温度は200℃以上350℃以下、積層速度は50m/分以上200m/分以下である。また、ニップロールとしては硬度70度以上(JIS K−6253)のものを用い、線圧は15kgf/cm以上で押圧及び圧着を行うことが好ましい。
必要に応じて紙基材や熱可塑性樹脂の接着性を向上させるために、コロナ処理、オゾン処理等を行ってもよい。
熱可塑性樹脂層(加熱前の発泡熱可塑性樹脂層)の厚さとしては、加熱後に発泡層(発泡熱可塑性樹脂層)を形成させたときに、所望の断熱性を付与するのに十分な厚さであればよく特に限定されないが、例えば、20μm以上90μm以下であればよい。
また、加熱前の非発泡熱可塑性樹脂層の厚さについては、蒸発水分の飛散を防止するのに十分な厚さであればよく、例えば、20μm以上50μm以下である。
[インキ塗装部形成工程]
次いで、形成された熱可塑性樹脂層の上に、インキを塗布し、インキ塗装部を形成させる。
インキとしては、上述の(インキ)に例示されたものと同様のものを使用すればよい。
インキを熱可塑性樹脂層の上に塗布する方法としては、特別な限定はなく、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等が挙げられる。
[発泡工程]
次いで、熱可塑性樹脂層を加熱処理して、該熱可塑性樹脂層を発泡させて、通常発泡部、及び印刷発泡部からなる発泡層を形成させる。
加熱温度及び加熱時間は使用する紙基材及び熱可塑性樹脂の種類に応じて変化し、使用する熱可塑性樹脂に対する最適な加熱温度と加熱時間の組み合わせは適宜決定することができるが、加熱温度は発泡する熱可塑性樹脂の融点よりもやや高い温度(融点+5℃以上30℃以下の範囲)が適し、一般的に、加熱温度は110℃以上200℃以下、加熱時間は1分間以上6分間以下である。加熱手段は特に限定されず、例えば、熱風、電熱、電子線等、任意の手段を使用できる。コンベヤによる搬送手段を備えたトンネル内で、熱風又は電熱等によって加熱すれば、安価に大量生産することができる。
<用途>
本実施形態の原材料シートは、断熱性及び平滑な印刷表面を有する紙製品に用いられるものであって、具体的には、例えば、発泡性紙製カップ、発泡性紙製容器、パンフレット、ファンシーペーパー、包装紙、壁紙等に用いることができる。
[発泡性紙製容器]
一実施形態において、本発明は、上述の原材料シートからなる発泡性紙製容器を提供する。
本実施形態の発泡性紙製容器は、平滑な印刷表面を有し、手に熱さが伝わりにくく、実用上において優れた断熱性を有するものである。
本実施形態の発泡性紙製容器は、例えば、以下の方法によって製造することができる。
まず、巻き取りロールから原材料シートを繰り出す。次いで、原材料シートから胴部材用ブランクと底板部材用ブランクを打ち抜き、常用のカップ成型機で容器の形に組み立てる。ここで、発泡熱可塑性樹脂層は、胴部材の外壁面側及び内壁面側のどちらか片方又は両方に存在すればよく、断熱性、手触り、外観審美性等、所望に応じて適宜決定すればよいが、容器内部を発泡面とした場合、飲食の際に発泡樹脂が箸やフォーク等により傷付いて口の中に入り込むおそれがあるため、外壁面側になるように存在することが好ましい。そこで、例えば、胴部材は発泡熱可塑性樹脂層が容器外側に、非発泡熱可塑性樹脂層が容器内側に向くようにして、組み立てる。底板部材は、紙基材の少なくとも容器内面側の片面に発泡していない熱可塑性樹脂層を設けたものが好ましく使用される。これは紙中への液体等の浸透防止のためである。底板部材に用いられる熱可塑性樹脂は、胴部材と同じであっても異なっていてもよく、積層方法も押出しラミネート法の他、ウェットラミネート法、ドライラミネート法等の予めフィルム状にしたものと貼合する方法が適宜使用できる。
カップ麺等、湯を注入後しばらく放置するものは、容器底面からの放熱を防止する上で底部材にも発泡熱可塑性樹脂層を設けることが有効である。特に、屋外での用途や冬場や寒冷地では好ましい。また、蓋材も同様に発泡熱可塑性樹脂層を有するものを使用してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]発泡性紙製シートの製造
280g/m (厚さ310μm、密度0.90g/cm、化学パルプ100%、含水率7.8%)の紙基材の片面に低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン株式会社製 銘柄名:LC701、密度0.918g/cm、融点106℃)を厚さ50μmで押出ラミネートした。紙基材の反対面には中密度ポリエチレンン(東ソー株式会社製 銘柄名:LW04、密度0.940g/cm、融点131℃)を厚さ40μmで押出ラミネートした。この低密度ポリエチレンラミネートフィルム面に、以下の表1に示す配合割合であるインキAの各色を用いて、表2に示す各印刷パターンに従いグラビアオートプルファー(印刷試験機)(印刷シリンダー版式:彫刻(ヘリオ)175線 ベタ)を用いて、グラビア印刷した。印刷後、オーブンに入れ、120℃で5分間加熱し、発泡させた。各インキ塗装部における発泡厚を表2に示す。
[実施例2]発泡性紙製シートの製造
280g/m (厚さ310μm、密度0.90g/cm、化学パルプ100%、含水率7.2%)の紙基材、及び以下の表1に示す配合割合であるインキBの各色を用いたこと、並びにグラビア印刷(実機)(印刷シリンダー版式:彫刻(ヘリオ)150線 ベタ)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により、発泡性紙製シートを製造した。各インキ塗装部における発泡厚を表2に示す。
[実施例3]発泡性紙製シートの製造
以下の表1に示す配合割合であるインキCの各色を用いたこと、及びグラビア校正機(印刷試験機)(印刷シリンダー版式:彫刻(ヘリオ)150線 ベタ)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により、発泡性紙製シートを製造した。各インキ塗装部における発泡厚を表2に示す。
[実施例4]発泡性紙製シートの製造
以下の表1に示す配合割合であるインキDの各色を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により、発泡性紙製シートを製造した。各インキ塗装部における発泡厚を表3に示す。
[参考例1]発泡性紙製シートの製造
バインダー樹脂としてウレタン樹脂と塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体とを含むインキ(東洋インキ社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により、発泡性紙製シートを製造した。各インキ塗装部における発泡厚を表3に示す。なお、表3において、バインダー樹脂、二酸化珪素、着色剤、及び溶剤の配合量を加算しても100%とならないのは、その他添加剤を含有するためである。
Figure 2018167864
Figure 2018167864
Figure 2018167864
実施例1〜4から、インキ中のウレタン系樹脂の含有量が多いほど、発泡厚が大きく、発泡抑制率が低い傾向であった。
また、二酸化珪素を含むインキA及びBを用いた印刷層は、二酸化珪素を含まないインキC及びDを用いた印刷層よりも発泡厚が大きく、発泡抑制率が低い傾向であった。
また、インキAでは、従来の塩化物を含むインキと同等の発泡厚及び発泡抑制率であった。
以上のことから、本発明の原材料シートから得られる発泡性紙製シートは、印刷層表面が平滑で外観に優れていることが示された。
本発明によれば、環境への影響が少ないインキを含有し、印刷層表面が平滑で外観に優れた発泡性紙製品が得られる原材料シート及び前記原材料シートからなる発泡性紙製容器を提供することができる。
A…インキ非塗装領域、B…インキ塗装領域、X…インキ非塗装部(通常発泡部4)における発泡厚、Y…1層のインキ塗装部における発泡厚、Z…2層のインキ塗装部における発泡厚、1…印刷層、1a…第1のインキ塗装部、1b…第2のインキ塗装部、2a…非発泡熱可塑性樹脂層、2b…発泡熱可塑性樹脂層、2b’…発泡層(加熱後の発泡熱可塑性樹脂層)、3…紙基材、4…通常発泡部、5…印刷発泡部、5a…第1の印刷発泡部、5b…第2の印刷発泡部、10…発泡前の原材料シート、20…発泡後の原材料シート。

Claims (6)

  1. 発泡性紙製品に用いる原材料シートであって、
    少なくとも片面に1層以上のインキ塗装部を有する熱可塑性樹脂層を加熱してなる発泡層を備える紙基材からなり、
    前記インキが着色剤及びバインダー樹脂を含み、且つ塩化物を実質的に含まず、
    前記バインダー樹脂がウレタン系樹脂、又はウレタン系樹脂及び硝化綿を含むことを特徴とする原材料シート。
  2. 前記ウレタン系樹脂のガラス転移点が−20℃以上30℃以下である請求項1に記載の原材料シート。
  3. 前記ウレタン系樹脂がポリエーテルウレタン樹脂である請求項1又は2に記載の原材料シート。
  4. 前記バインダー樹脂の樹脂固形分中の前記ウレタン系樹脂の含有量が50%以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の原材料シート。
  5. 前記バインダー樹脂が、さらに二酸化珪素を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の原材料シート。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の原材料シートからなることを特徴とする発泡性紙製容器。
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