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JP2018165383A - 無方向性電磁鋼板 - Google Patents

無方向性電磁鋼板 Download PDF

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伸一 松井
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佑輔 完戸
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Abstract

【課題】非常に低い鉄損が求められる用途に適した無方向性電磁鋼板を提供する。【解決手段】無方向性電磁鋼板において、ヒステリシス損失を低減するためにAl含有量を制限し、そのため低下する固有抵抗を補う目的でMnを多く含有させ、Mnによって顕在化した表面窒化を抑制するために、Mn含有量に応じてSnを微量添加し、さらに、鋼板の地鉄部分の最表面から20μmまでの深さの部分の含有する窒素量[N]sは、0.0040質量%以下とする。【選択図】図4

Description

本発明は、鉄損の小さい無方向性電磁鋼板に関する。本発明で得られる無方向性電磁鋼板は、非常に低い鉄損が求められる用途、例えば大型電気機機器の鉄心などに好適である。
無方向性電磁鋼板に対する鉄損低減の要求は継続している。鉄損低減のために、鋼中不純物の低減、結晶粒径の最適化、集合組織の改善、固有抵抗の上昇、板厚薄手化など様々な手段がとられる。それらを実現する上で最も重要なことは、合金の成分設計である。成分調整による鉄損改善については、単に固有抵抗を上昇させるだけでなく、析出物の無害化や、集合組織を改善する技術など多くの技術が提案されている。
特許文献1では、Sn添加によって鉄損を低下させる技術が提案されている。
特許文献2では、鋼の含有するSが非常に低い場合、鋼板表面に窒化層が形成され鉄損が劣化するが、それを抑制するためにSnやSbを添加する技術が提案されている。
特許文献3では、REM添加により、微細な介在物を無害化する技術が提案されている。
特開昭55−158252号公報 特開平10−317111号公報 特開2005−336503号公報
無方向性電磁鋼板の鉄損は着実に低減されてきたが、本発明は、さらにこれを低減することを目的とする。そして、例えば大型回転機など、非常に低い鉄損が求められる用途に適した材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、無方向性電磁鋼板の鉄損を低減するための成分組成について鋭意検討した。その結果、Al、Mn、Snの含有量により、鉄損の低減が可能であることを見出した。本発明においては、ヒステリシス損失を低減するためにAl含有量を制限し、そのため低下する固有抵抗を補う目的でMnを多く含有させる。ただし、Mnの含有は、冷延再結晶させる最終焼鈍時に、鋼板表面に窒化物を生成し鉄損を劣化させやすくする。この窒化を抑制するために、Mn含有量に応じてSnを微量添加する。
本発明は上記の知見に基づきなされたものであって、その要旨は以下のとおりである。
[1]質量%で、C:0.0030%以下、Si:2.7〜3.3%、Al:0.2〜0.5%、Mn:0.5〜2.0%、S:0.0040%以下、及びN:0.0040%以下を含有し、さらに、式(1)を満足する量のSnを含有し、残部がFe及び不純物からなり、式(2)で求められる鋼板の地鉄部分の最表面から20μmまでの深さの部分の含有する窒素量[N]が、0.0040質量%以下であることを特徴とする無方向性電磁鋼板。
0.04−(0.01/[Mn])≦[Sn]≦0.1 ・・・ 式(1)
[N]=(t×[N]−(t−40)×[N])/40 ・・・ 式(2)
ここで、[Sn]、[Mn]は、それぞれ、SnとMnの含有量(質量%)、tは絶縁コーティングを除く鋼板の板厚(μm)、[N]は絶縁コーティングを除く鋼板全体の窒素含有量(質量%)、[N]は両方の表面を各々20μm(絶縁コーティングを除く)除去した後の鋼板が含む窒素量(質量%)である。
[2]前記Feの一部に代えて、B:0〜0.0005%、REM:0〜0.03%、及びCa:0〜0.005%の少なくとも一つを含有する、前記[1]の無方向性電磁鋼板。
本発明によれば、無方向性電磁鋼板の低鉄損化を図ることができる。
水素中箱焼鈍により作製した試料における、MnとAlの鉄損への影響。 連続焼鈍により作製した試料における、Mn、Alの鉄損への影響。 焼鈍方法による窒素含有量の差に対する、Mn、Alの影響。 Sn添加による鉄損の変化。 Sn添加による、表層の窒素含有量の変化。 表層窒素含有量に対するMnとSnの影響。
はじめに、本件を発明するに至った実験について説明する。
<実験1>
表1に示す狙いの、AlとMnの含有率の異なる成分組成の合金を真空溶解によって溶製し、熱延(加熱温度1150℃、仕上げ温度850℃、仕上げ板厚2.3mm)、熱延板焼鈍(均熱温度870℃、均熱時間60秒)、冷延を施し0.5mmの冷延板を得た。次に評価用の試料を得るために、冷延板に、水素100%、DRY雰囲気の箱焼鈍を施した。
Figure 2018165383
磁気測定用に、磁気測定の試料サイズである55mm×55mmにせん断してから、試料に面圧をかけて結束し焼鈍に供するとともに、断面組織観察用の小試料も同時に焼鈍に供した。均熱温度は800〜1000℃、均熱時間は2時間とした。このような方法で焼鈍を行うことにより、窒化や酸化の影響がなく、残留歪のない、磁気特性を評価する上で、理想的な試料を得ることができる。
JIS C 2556「電磁鋼板単板磁気特性試験方法」に基づき、交流の磁気測定を行うとともに、Cioffi型の磁気測定装置を用いて、直流磁気測定を行った。その際、密度は表中の値を用いた。また、JIS G 0551「鋼−結晶粒度の顕微鏡試験方法」に基づき、それぞれの試料の平均結晶粒径を求めた。これらのデータをもとに、各合金における平均結晶粒径と鉄損の関係を得ることができる。
その関係図によると、概ねどの合金においても、平均結晶粒径が140μmの時に、全鉄損W15/50が最も小さかった。図1には、平均結晶粒径が140μmの時の、全鉄損、ヒステリシス損失、渦電流損失を求め、それらに対するMnとAlの影響を示した。
この図を見ると、ヒステリシス損失に対しては、Mn濃度の影響は小さく、Al濃度が上昇するにつれて増加することが分かる。一方、渦電流損失は、Mn、Alとも増加するほど低下する。Al増加に伴ってヒステリシス損失が増加する原因は定かではない。また、渦電流損失は、固有抵抗の変化を反映していると考えられる。この二つを足し合わせた全鉄損は、Mnが多いほど低下する傾向を持ち、Al量が0.2〜0.5%程度のところで最も小さくなった。
<実験2>
実験1は、理想的な焼鈍(箱焼鈍)を行ったときの磁気特性の評価結果であった。実験2では、実験1と同様の方法で作製した0.5mmの冷延板を、実機焼鈍を模擬できる連続焼鈍炉で焼鈍した。鋼板に付与する張力は0.3kgf/mmとし、雰囲気は、窒素70%、水素30%、DRY、均熱温度850〜1050℃、均熱時間は30秒とした。焼鈍後の材料から、55mm×55mmの磁気測定用試料と断面観察用の小片を切り出し、磁気特性と結晶組織を評価した。評価の方法は、実験1と同様である。
図2に平均結晶粒径が140μmの時の全鉄損に対するMn含有量及びAl含有量の影響を示す。図1の全鉄損に比較して、全体的に鉄損値は大きくなっており、また、Mnを0.2%、0.5%、0.7%と高くすることによる鉄損の劣化量が、大きくなっている。各合金について、実験1の理想焼鈍(箱焼鈍)の場合と、実験2の実機模擬焼鈍(連続焼鈍)の場合との窒素量を測定し、その差に対する、Mn含有量、Al含有量の影響を図3に示す。
窒素含有量の測定は、JIS G 1228「鉄および鋼‐窒素定量方法」に準拠した。この図から、実機模擬焼鈍(連続焼鈍)を行うと、Mn含有量が多いほど窒化しやすくなることが分かる。したがって、Mnとともに鉄損の劣化量が大きくなったのは、焼鈍時の鋼板表面の窒化が原因だと言える。
<実験3>
次に、窒化に伴う鉄損劣化を防止法として、表面偏析しやすい元素で、磁性に与える悪影響が少ないと考えられるSnの添加効果を調査した。表2に示す成分組成の合金を溶製し、実験1と同じ方法で0.5mmの冷延板を得、連続焼鈍炉での焼鈍に供した。均熱温度は1050℃、均熱時間30秒、雰囲気は窒素70%、水素30%、DRYである。図4に鉄損W15/50のSnによる変化を示す。Sn添加により鉄損が改善された。
Figure 2018165383
次に焼鈍した試料について、表層での窒素含有量を調べた。表層の領域は、片面20μmの範囲とし、その部分の含有窒素量を[N]とする。表層での窒素含有量を求めるためには、まず焼鈍後の試料の窒素含有量[N]を測定し、次に両表面を20μmずつ、化学研磨により除去し、除去後の試料の窒素含有量[N]を測定する。測定した[N]、[N]と、板厚t=500μmを用いて、次式によって[N]を求める。
[N]=(t×[N]−(t−40)×[N])/40・・・式(2)
このようにして求めた[N]のSnによる変化を図5に示す。Sn添加によって、表面の窒素濃度が低下している。すなわち、Sn添加により、冷延後の焼鈍時の窒化が防止され、鉄損の劣化が抑制された。
<実験4>
表3の様に、MnとSn量を変化させた合金を真空溶解し、実験1と同様の方法で冷延板を作製し、実験2、3と同様の連続焼鈍を施した。得られた各試料について、実験3と同様の方法で、鋼板表面の窒化[N]を求め、40ppm以下の場合を○、以上の場合を×として、図6にMnとSnの関係として示した。40ppm以下にするためには、Mn量が多くなるほど、Snの添加量を多くする必要があることが分かる。○と×の境界を数式でフィッティングすると、概ね、[Sn]=0.04−0.01/[Mn]と表せる。
Figure 2018165383
これらの実験に基づき、さらに検討を進め、本発明に至ったが、以降、各種要件の規定について詳細に説明する。
まず、本発明の無方向性電磁鋼板が含有する成分組成の限定理由を述べる。以下、成分についての「%」は、「質量%」を意味する。
C:0.0030%以下
Cは、鋼内に炭化物を形成し鉄損を劣化させるので、含有量を0.0030%以下とする。一方、仕上げ焼鈍時の表面の窒化を抑制し鉄損を改善する作用を持つので、0.0005%以上の添加をしてもよい。添加する場合の好ましい範囲は、0.0005〜0.0025%であり、より好ましくは0.0005〜0.0020%、さらに好ましくは0.0005〜0.0015%である。
Si:2.7〜3.3%
Siは鋼の固有抵抗を増加させ鉄損を低下させるために有効な元素である。本発明では2.7%以上とする。一方、多すぎると鋼の靭性が劣化し製造が困難となるので3.3%以下とする。好ましい範囲は2.8〜3.2%であり、さらに好ましくは2.9〜3.1%である。
Al:0.2〜0.5%
Alは、AlNの溶体化温度を上昇させ、スラブ加熱以降の工程でAlNの微細析出を抑制し、鉄損低減に寄与する。その効果を享受するため下限を0.2%とする。一方で、実験1で明らかになった様に、Alはヒステリシス損失を増加させる影響を持つので、本発明では、上限を0.5%とする。好ましい範囲は0.2〜0.4%、より好ましくは0.2〜0.3%である。
Mn:0.5〜2.0%
本発明では先に示した様にAl含有量の上限を制限するため、固有抵抗が不足する傾向にある。Mnも固有抵抗を上昇させる作用を持つので、本発明では、不足する固有抵抗を上昇させるため、Mnを0.5%以上添加する。ただし過剰な添加は、鋼を脆化させるので上限は2.0%とする。好ましい範囲は0.5〜1.5%、より好ましくは0.5〜1.3%、さらに好ましくは0.5〜1.0%である。
S:0.0040%以下
Sは析出物を形成して鉄損を劣化させるので、0.0040%以下とする。好ましくは0.002%以下、さらに好ましくは0.001%以下である。
N:0.0040%以下
Nは析出物を形成して鉄損を劣化させるので、0.0040%以下とする。好ましくは0.002%以下、さらに好ましくは0.001%以下である。
Sn:0.04−(0.01/[Mn])≦[Sn]≦0.10
先の実験2〜4で示した様に、Mn含有量が増えると、仕上げ焼鈍時に鋼板表面が窒化しやすくなり、鉄損が劣化するが、Snを添加すると、表面窒化が抑制され、鉄損も改善される。その時の必要なSn添加量はMn添加量に依存して増加する。図6に示した様に、Snの必要な添加量は、SnとMnの含有量(質量%)をそれぞれ[Sn]、[Mn]とした時に、0.04−(0.01/[Mn])≦[Sn]である。一方、Snの過剰な含有は、鋼の靭性を劣化させたり、絶縁コーティングの剥離を助長したりする。したがって上限を0.10%とする。好ましくは0.08%以下であり、さらに好ましくは0.06%以下である。
B:0〜0.0005%
BもCと同様、仕上げ焼鈍時の表面の窒化を抑制し鉄損を改善する作用を持つので、添加することができる。Bは本発明に必須の元素ではないが、本作用を享受するためには、0.0001%以上の添加が好ましい。一方、過剰な添加は鉄損を劣化させるので、上限を0.0005%とする。過剰な添加で鉄損が劣化する原因は定かではないが、Bを含む微細な化合物が形成されるためと推定される。添加する場合のより好ましい範囲は0.0001〜0.0003%であり、さらに好ましくは0.0001〜0.0002%である。
[N]:0.0040質量%以下
実験3で分かったように、鋼板の地鉄部分の最表面から20μmまでの深さの部分が含有する平均の窒素量[N]が大きくなるほど鉄損W15/50が劣化する。図4と図5から、[N]が、0.0040%以下であれば、鉄損の劣化はない。したがって本発明では、[N]は0.0040%以下とする。好ましくは、0.0030%以下である。
ここで[N]は、鋼板全体の窒素含有量を、[N]、両表面を20μm除去した後の試料の窒素含有量[N]、鋼板の板厚をtとした時に、次式によって求める。その際、窒素含有量の測定は、JIS G 1228「鉄および鋼‐窒素定量方法」に準拠して行う。また、絶縁コーティングの厚さ、及びそれが含有する窒素量は、含まない。
[N]=(t×[N]−(t−40)×[N])/40・・・式(2)
<その他の元素>
粗大な硫酸化物や硫化物を形成することでSを固定し、微細な硫化物の生成を抑制させるために、REMを0.03%以下の範囲で添加してもよい。REMとは、原子番号が57のLaから71のLuまでの15元素に原子番号が21のScと原子番号が39のYを加えた合計17元素の総称である。Caも同様の効果を持つので、0.005%以下の範囲で含有させてもよい。
その他有害な不純物元素は、極力低減することが好ましく、特にTi、Nb、Vは、0.005%以下にすることが好ましい。
残部は、不可避不純物とFeである。
次に、本発明を実現するための製造方法について述べる。
本発明の無方向性電磁鋼板は、規定範囲の成分組成のスラブに熱間圧延を施し熱延板とし、その熱延板に熱延板焼鈍を施し熱延焼鈍板とし、その熱延焼鈍板に一回又は中間焼鈍をはさむ二回以上の冷間圧延を施し冷延板とし、その冷延板に仕上げ焼鈍を施すことで製造することができる。熱延板焼鈍を、熱延後に巻き取ったコイルの熱で自己焼鈍することに代えても構わない。
熱延板焼鈍を行う場合、熱間圧延は、スラブ加熱温度1100〜1200℃、仕上げ温度800〜950℃、巻き取り温度550〜650℃の範囲とすることで、最終製品の磁気特性が良好となる。自己焼鈍を行う場合は、仕上げ温度を900〜1000℃、巻き取り温度は750〜850℃が好ましい。熱延後の板厚は、最終製品の板厚に応じて、冷延圧下率が75%以上、90%以下となる様にする。この範囲とすることで、高い磁束密度を得ることができる。
熱延焼鈍板の平均フェライト結晶粒径は、大きい方が冷延再結晶後の集合組織が改善され磁束密度が上昇するので、60μm以上が好ましい。ただし大きすぎると鋼の靭性が低下するので200μm以下が好ましい。80〜120μmがより好ましい。
冷延後の最終焼鈍(仕上げ焼鈍)では、最終製品板において、最適な平均フェライト結晶粒径を得るため、また鋼板表面の窒化と酸化を抑制するために、最適な条件が存在する。
製品板の平均フェライト粒径は、低い鉄損を得るため、80〜250μmが好ましい。より好ましくは100〜180μmである。そのため、最終焼鈍の均熱時の温度は、950℃以上とすることが望ましい。
一方、鋼板表面の窒化は、鋼が含有する成分を規制することで防止でき、製品の鉄損は良好ものとすることができるが、最適な条件で製造することにより、より窒化が抑制され、低い鉄損を安定して得ることができる。そのためには、均熱時の鋼板の温度は1050℃以下が好ましく、さらには1025℃以下が好ましい。
また、雰囲気ガスは窒素と水素の混合ガスとし、窒素の体積割合は少ないほど、表面窒化は抑制される。混合ガス中の窒素割合は、90%以下が好ましく、さらには80%以下、またさらには70%以下、さらには60%以下が好ましい。ただし窒素の割合を低くすると、必然的に水素の割合を高くしなければならず、安全性を確保するための設備仕様、操業条件が厳しくなる。現実的なコスト範囲で安全性を確保するためには、窒素の割合は50%以上が好ましい。
また、均熱時の雰囲気露点が低すぎると、鋼板表面が窒化しやすくなるので−30℃以上、さらには−20℃以上、またさらには−15℃以上、さらには−10℃以上が好ましい。一方雰囲気露点が高すぎると、鋼板表面が酸化しやすくなり、鋼板表面の酸化によって磁束密度が低下する。したがって、均熱時の雰囲気露点は0℃以下とする必要がある。
ここで、均熱時の板温が高いと窒化しやすくなるのは、雰囲気の窒素分子が分解され原子状窒素となり、鋼板内に拡散しやすくなるためであると考えられる。また混合ガスの窒素の割合が高いと窒化しやすくなるのは、窒素濃度が鋼板窒化の律速となる条件があるためと考えられる。一方、雰囲気露点が低いと窒化しやすくなる理由は、表面の酸化物形成との関連が推定されるが、不明である。
仕上げ焼鈍の後は、必要に応じて、絶縁皮膜を表面に形成させ、本発明の無方向性電磁鋼板とすることができる。
<実施例1>
表4に示す成分組成の鋼を真空溶解し、得られたインゴットに、加熱温度1150℃の粗圧延を施し、厚さ40mmの粗バーを得、その後、加熱温度1150℃、仕上げ温度850℃、巻き取り温度400℃、仕上げ厚2.0mmの仕上げ圧延を行い、熱延板を得た。得られた熱延板に、均熱温度870℃、均熱時間60秒の熱延板焼鈍を施してから、冷間圧延に供し、0.5mmの冷延板を得た。それら冷延板に、実機製造ラインを摸擬した連続焼鈍炉を用いて仕上げ焼鈍を施した。鋼板に付与する張力は0.3kgf/mmとし、炉内雰囲気は窒素70%、水素30%、露点−30℃とし、均熱温度は1025℃、均熱時間は30秒とした。
Figure 2018165383
得られた鋼板の窒素含有量[N]1と、鋼板の両表面を20μmずつ除去した後の窒素含有量[N]2、及び除去前の鋼板板厚t(=0.5mm)を用いて、式(2)から表面の窒素量[N]sを求めた。各試料の[N]sを表4に示した。また、断面組織観察を行い、フェライト結晶粒径を求め、これも表4に示した。さらに55mm×55mmの磁気測定用試料を切り出し、単板磁気測定装置にて、磁気測定を行った。その際、各試料の密度は、成分組成から計算される表4の値を用いた。鉄損W15/50と磁束密度B50を表4に示す。W15/50が2.4W/kg以下を良好な特性とした。本発明によって、良好な鉄損を得ることができた。
<実施例2>
実施例1の表4、D12の試験で用いた熱延焼鈍板を冷延に供し、板厚0.3mm、0.35mm、0.5mmの冷延板を得た。得られた冷延板に、表5に示す種々の条件で仕上げ焼鈍を施し、無方向性電磁鋼板を得た。実施例1と同様の方法で、得られた鋼板の[N]sと鉄損W15/50を求め、表5に示した。均熱温度が高いほど、表面窒素量が多くなり、鉄損が劣化する傾向が見られた。また、雰囲気露点が−15℃以上、5℃以下の範囲で、W15/50が2.3W/kg以下の非常に良好な特性が得られる。ただし露点5℃では、磁束密度が低下した。また、混合ガスの窒素の体積割合が低いほど、表面窒素量は少なく、鉄損が良好になる傾向があった。
Figure 2018165383
本発明によれば、無方向性電磁鋼板の低鉄損化を図ることができ、特に、大型回転機器など、低鉄損が求められる機器の鉄心に好適である。

Claims (2)

  1. 質量%で、
    C :0.0030%以下、
    Si:2.7〜3.3%、
    Al:0.2〜0.5%、
    Mn:0.5〜2.0%、
    S :0.0040%以下、及び
    N :0.0040%以下、
    を含有し、
    さらに、式(1)を満足する量のSnを含有し、
    残部がFe及び不純物からなり、
    式(2)で求められる鋼板の地鉄部分の最表面から20μmまでの深さの部分の含有する窒素量[N]が、0.0040質量%以下である
    ことを特徴とする無方向性電磁鋼板。
    0.04−(0.01/[Mn])≦[Sn]≦0.1 ・・・ 式(1)
    [N]=(t×[N]−(t−40)×[N])/40 ・・・ 式(2)
    ここで、[Sn]、[Mn]は、それぞれ、SnとMnの含有量(質量%)、tは絶縁コーティングを除く鋼板の板厚(μm)、[N]は絶縁コーティングを除く鋼板全体の窒素含有量(質量%)、[N]は両方の表面を各々20μm(絶縁コーティングを除く)除去した後の鋼板が含む窒素量(質量%)である。
  2. 前記Feの一部に代えて、
    B :0〜0.0005%、
    REM:0〜0.03%、及び
    Ca:0〜0.005%
    の少なくとも一つを含有する、請求項1に記載の無方向性電磁鋼板。
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