本発明の空気入りタイヤは、カーカスと、該カーカスにタイヤ半径方向内側において隣接するインスレーションと、該インスレーションにタイヤ半径方向内側において隣接するインナーライナーとを有する空気入りタイヤであって、
上記インナーライナーは、熱可塑性エラストマーと、ブチル系ゴムとを含むインナーライナー用ゴム組成物からなり、
上記インスレーションは、ブチル系ゴムと、イソプレン系ゴムとを含むインスレーション用ゴム組成物からなる。
本発明では、以下の作用効果により、エア保持性と、インナーライナーとインスレーションとの界面(特に、ジョイント部)における接着性(以下においては、単に接着性ともいう)とを両立できるものと推察される。
本発明では、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体等の熱可塑性エラストマーを配合したインナーライナーに、ブチル系ゴム、イソプレン系ゴムを含有するインスレーションを組み合わせることで、両部材の接着性を向上させることができ、インナーライナーとインスレーションとの界面(特に、ジョイント部)における接着性が改善し、ジョイント界面における剥離を抑制できる。
このように、本発明では、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体等の熱可塑性エラストマーを配合したインナーライナーを用いても、上記特定のインスレーションを組み合わせることにより、両部材の接着性を向上させることができるため、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体等の熱可塑性エラストマーを配合したエア保持性に優れたインナーライナーを採用できる。
更に、本発明では、インナーライナーに配合したスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体等の熱可塑性エラストマー、ブチル系ゴムに起因する良好なエア保持性に加えて、インスレーションもブチル系ゴムを含有するため、より良好なエア保持性が得られる。
このように、本発明では、特定のインナーライナーと特定のインスレーションの相乗作用により、エア保持性、接着性を相乗的に改善できる。
本発明の空気入りタイヤは、カーカスと、該カーカスにタイヤ半径方向内側において隣接するインスレーションと、該インスレーションにタイヤ半径方向内側において隣接するインナーライナーとを有する。
カーカスとは、タイヤコード及びタイヤコード被覆ゴム層からなる部材であり、具体的には、特開2008−75066号公報(それら全てを参照して引用する)の図1等に示される部材である。
インスレーションとは、インナーライナーとカーカスとの間に配設される部材である。具体的には、インスレーションは、特開2008−150523号公報の図1〜2、特開2007−269876号公報の図1に示される部材である。
インナーライナーとは、タイヤ内腔面をなすように形成される部材であり、この部材により、空気透過量を低減して、タイヤ内圧を保持することができる。具体的には、特開2008−291091号公報の図1、特開2007−160980号公報の図1〜2などに示される部材である。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。
図1において、上下方向がタイヤ半径方向であり、左右方向が軸方向であり、紙面との垂直方向が周方向である。一点鎖線CLは、空気入りタイヤ2の赤道面を表す。空気入りタイヤ2のトレッド部4は、タイヤ半径方向内側から順に、インナーライナー14、インスレーション16、カーカス10(第一プライ28、第二プライ30)、ブレーカー12(内側層44、外側層46)、バンド15が設けられている。本発明の一実施形態において、上記インスレーション用ゴム組成物は、カーカス10にタイヤ半径方向内側において隣接するインスレーション16に使用され、上記インナーライナー用ゴム組成物は、インスレーション16にタイヤ半径方向内側において隣接するインナーライナー14に使用される。
本発明において、インナーライナー、インスレーションは、それぞれインナーライナー用ゴム組成物、インスレーション用ゴム組成物からなる。
次に、本発明において使用されるインナーライナー用ゴム組成物、インスレーション用ゴム組成物について説明する。
(インナーライナー用ゴム組成物)
インナーライナー用ゴム組成物は、ポリマー成分として、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)等の熱可塑性エラストマーと、ブチル系ゴムとを含む。
なお、本明細書において、ポリマー成分とは、ゴム組成物の基材となるエラストマー成分を意味し、具体的には、タイヤ工業においてゴム成分として使用されるジエン系ゴム、インナーライナー用(ゴム)組成物の基材として使用される熱可塑性エラストマーを意味する。
熱可塑性エラストマーとしては特に限定されず、例えば、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−イソブチレンブロック共重合体(SIB)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン・ブテン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)、スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(SBBS)等が挙げられる。なかでも、SIBSが好ましい。
SIBSのイソブチレンブロックにより、優れたエア保持性が発揮される。したがって、SIBSを含むゴム組成物をインナーライナーに用いた場合、エア保持性に優れた空気入りタイヤを得ることができる。
更に、SIBSは芳香族以外の分子構造が完全飽和であることにより、劣化硬化が抑制され、優れた耐久性を有する。したがって、SIBSを含むゴム組成物をインナーライナーに用いた場合、耐久性に優れた空気入りタイヤを得ることができる。
SIBSの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは5万〜40万、より好ましくは7万〜20万である。重量平均分子量が上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
なお、SIBSの重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めることができる。
SIBS中のスチレン単位の含有量は、好ましくは10〜40質量%、より好ましくは15〜30質量%である。スチレン単位の含有量が上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
SIBSは、イソブチレン単位とスチレン単位のモル比(イソブチレン単位/スチレン単位)が、該共重合体のゴム弾性の点から40/60〜95/5であることが好ましい。SIBSにおいて、各ブロックの重合度は、ゴム弾性と取り扱い(重合度が10,000未満では液状になる)の点からイソブチレンブロックでは10,000〜150,000程度、またスチレンブロックでは5,000〜30,000程度であることが好ましい。
なお、本明細書において、SIBSのイソブチレン単位の含有量、スチレン単位の含有量は、H1−NMR測定により算出される。
SIBSは、一般的なビニル系化合物の重合法により得ることができる。たとえば、リビングカチオン重合法により得ることができる。
特開昭62−48704号公報および特開昭64−62308号公報には、イソブチレンと他のビニル化合物とのリビングカチオン重合が可能であり、ビニル化合物にイソブチレンと他の化合物を用いることでポリイソブチレン系のブロック共重合体を製造できることが開示されている。このほかにも、リビングカチオン重合法によるビニル化合物重合体の製造法が、たとえば、米国特許第4,946,899号、米国特許第5,219,948号、特開平3−174403号公報などに記載されている。
SIBSとしては、例えば、カネカ(株)等の製品(SIBSTARシリーズ等)を使用できる。
ポリマー成分100質量%中の熱可塑性エラストマー(好ましくはSIBS)の含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上である。下限以上にすることで、良好なエア保持性、接着性(特に、エア保持性)が得られる傾向がある。また、該含有量は、好ましくは95質量%以下である。上限以下にすることで、良好なエア保持性、接着性(特に、接着性)が得られる傾向がある。
ブチル系ゴムとしては、例えば、臭素化ブチルゴム(BR−IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)などのハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、Cl−IIRなどのX−IIRが好ましく、Cl−IIRがより好ましい。
ブチル系ゴムとしては、例えば、エクソンモービル社、JSR(株)、日本ブチル(株)等の製品を使用できる。
ポリマー成分100質量%中のブチル系ゴムの含有量は、好ましくは5質量%以上である。下限以上にすることで、良好なエア保持性、接着性(特に、接着性)が得られる傾向がある。また、該含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。上限以下にすることで、良好なエア保持性が得られる傾向がある。
インナーライナー用ゴム組成物に使用できる熱可塑性エラストマー、ブチル系ゴム以外のポリマー成分としては特に限定されず、天然ゴム(NR)やイソプレンゴム(IR)などのイソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等のジエン系ゴム等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本明細書において、イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、改質NR、変性NR、変性IR等が挙げられる。NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。IRとしては、特に限定されず、例えば、IR2200等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。改質NRとしては、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(UPNR)等、変性NRとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等、変性IRとしては、エポキシ化イソプレンゴム、水素添加イソプレンゴム、グラフト化イソプレンゴム等、が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、NRが好ましい。
ポリマー成分100質量%中のブチル系ゴム、熱可塑性エラストマー(好ましくはSIBS)の合計含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは100質量%である。
インナーライナー用ゴム組成物にはカーボンブラックが配合されることが好ましい。これにより、良好なエア保持性、接着性が得られる傾向がある。
カーボンブラックとしては、特に限定されないが、N134、N110、N220、N234、N219、N339、N330、N326、N351、N550、N762等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、5m2/g以上が好ましく、10m2/g以上がより好ましく、15m2/g以上が更に好ましい。下限以上にすることで、良好なエア保持性、接着性が得られる傾向がある。また、上記N2SAは、300m2/g以下が好ましく、150m2/g以下がより好ましく、40m2/g以下が更に好ましい。上限以下にすることで、良好なエア保持性、接着性が得られる傾向がある。
なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217−2:2001によって求められる。
カーボンブラックのジブチルフタレート吸油量(DBP)は、好ましくは5ml/100g以上、より好ましくは40ml/100g以上、更に好ましくは70ml/100g以上である。下限以上にすることで、良好なエア保持性、接着性が得られる傾向がある。また、上記DBPは、好ましくは300ml/100g以下、より好ましくは200ml/100g以下、更に好ましくは120ml/100g以下である。上限以下にすることで、良好なエア保持性、接着性が得られる傾向がある。
なお、カーボンブラックのDBPは、JIS K6217−4:2001の測定方法によって求められる。
カーボンブラックとしては、例えば、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱化学(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。
カーボンブラックを含有する場合、カーボンブラックの含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは30質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは65質量部以下である。カーボンブラックの含有量を上記含有量とすることにより、より良好なエア保持性、接着性が得られる。また、走行時のクラックの発生も抑制できると共に、良好な低燃費性も得られる。
インナーライナー用ゴム組成物には酸化亜鉛が配合されることが好ましい。これにより、良好なエア保持性、接着性が得られる傾向がある。
酸化亜鉛としては、従来公知のものを使用でき、例えば、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を使用できる。
酸化亜鉛を含有する場合、酸化亜鉛の含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは5.0質量部以下、より好ましくは4.0質量部以下、更に好ましくは2.5質量部以下である。酸化亜鉛の含有量を上記含有量とすることにより、より良好なエア保持性、接着性が得られる。また、走行時のクラックの発生も抑制できる。
インナーライナー用ゴム組成物には硫黄が配合されることが好ましい。これにより、良好なエア保持性、接着性が得られる傾向がある。
硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硫黄としては、例えば、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。
硫黄を含有する場合、硫黄の含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは0.4質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは5.0質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下、更に好ましくは2.0質量部以下、特に更に好ましくは1.5質量部以下である。硫黄の含有量を上記含有量とすることにより、より良好なエア保持性、接着性が得られる。
(インスレーション用ゴム組成物)
インスレーション用ゴム組成物は、ポリマー成分として、ブチル系ゴムと、イソプレン系ゴムとを含む。
ポリマー成分100質量%中のブチル系ゴムの含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上である。下限以上にすることで、良好なエア保持性、接着性が得られる傾向がある。また、該含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下である。上限以下にすることで、良好なエア保持性、接着性が得られる傾向がある。
なお、ブチル系ゴムは、前記と同様のものを同様の態様にて好適に使用できる。
ポリマー成分100質量%中のイソプレン系ゴムの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。下限以上にすることで、良好なエア保持性、接着性が得られる傾向がある。また、該含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。上限以下にすることで、良好なエア保持性、接着性が得られる傾向がある。
なお、イソプレン系ゴムは、前記と同様のものを同様の態様にて好適に使用できる。
ポリマー成分100質量%中のブチル系ゴム、イソプレン系ゴムの合計含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは100質量%である。
インスレーション用ゴム組成物に使用できるブチル系ゴム、イソプレン系ゴム以外のポリマー成分としては特に限定されないが、インナーライナー用ゴム組成物と同様のものを同様の態様にて好適に使用できる。
インスレーション用ゴム組成物にはカーボンブラックが配合されることが好ましい。これにより、良好なエア保持性、接着性が得られる傾向がある。
また、インナーライナー用ゴム組成物およびインスレーション用ゴム組成物が共にカーボンブラックを含有することが好ましい。これにより、接着界面が好適に補強され、より良好な接着性が得られる。
カーボンブラックとしては、特に限定されないが、インナーライナー用ゴム組成物と同様のものを同様の態様にて好適に使用できる。
カーボンブラックを含有する場合、カーボンブラックの含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、好ましくは50質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは80質量部以下、より好ましくは70質量部以下である。カーボンブラックの含有量を上記含有量とすることにより、より良好なエア保持性、接着性が得られる。また、走行時のクラックの発生も抑制できると共に、良好な低燃費性も得られる。
インスレーション用ゴム組成物には硫黄が配合されることが好ましい。これにより、良好なエア保持性、接着性が得られる傾向がある。
硫黄としては、特に限定されないが、インナーライナー用ゴム組成物と同様のものを同様の態様にて好適に使用できる。
硫黄を含有する場合、硫黄の含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは0.4質量部以上、更に好ましくは0.8質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは5.0質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下、更に好ましくは2.0質量部以下、特に好ましくは1.5質量部以下である。硫黄の含有量を上記含有量とすることにより、より良好なエア保持性、接着性が得られる。
インスレーション用ゴム組成物には酸化亜鉛が配合されることが好ましい。これにより、良好なエア保持性、接着性が得られる傾向がある。
酸化亜鉛としては、特に限定されないが、インナーライナー用ゴム組成物と同様のものを同様の態様にて好適に使用できる。
酸化亜鉛を含有する場合、酸化亜鉛の含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは5.0質量部以下、より好ましくは4.0質量部以下、更に好ましくは2.5質量部以下である。酸化亜鉛の含有量を上記含有量とすることにより、より良好なエア保持性、接着性が得られる。また、走行時のクラックの発生も抑制できる。
(インナーライナー用ゴム組成物、インスレーション用ゴム組成物)
インナーライナー用ゴム組成物、インスレーション用ゴム組成物には、加硫促進剤を配合することが好ましい。これにより、良好なエア保持性、接着性が得られる傾向がある。
加硫促進剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT−N)等のチウラム系加硫促進剤;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、チアゾール系加硫促進剤が好ましく、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドがより好ましい。
インナーライナー用ゴム組成物、インスレーション用ゴム組成物において、加硫促進剤を含有する場合、加硫促進剤の含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、ポリマー成分100質量部に対して、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下、更に好ましくは2.0質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる傾向がある。
インナーライナー用ゴム組成物、インスレーション用ゴム組成物には、ステアリン酸を配合することが好ましい。これにより、良好なエア保持性、接着性が得られる傾向がある。
ステアリン酸としては、従来公知のものを使用でき、例えば、日油(株)、NOF社、花王(株)、和光純薬工業(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。
インナーライナー用ゴム組成物、インスレーション用ゴム組成物において、ステアリン酸を含有する場合、ステアリン酸の含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下、更に好ましくは2.0質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる傾向がある。
インナーライナー用ゴム組成物、インスレーション用ゴム組成物には、老化防止剤を配合してもよい。
老化防止剤としては、例えば、フェニル−α−ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4′−ビス(α,α′−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等のp−フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、p−フェニレンジアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤が好ましく、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物がより好ましい。
老化防止剤としては、例えば、精工化学(株)、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)、フレクシス社等の製品を使用できる。
インナーライナー用ゴム組成物、インスレーション用ゴム組成物において、老化防止剤を含有する場合、老化防止剤の含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下、更に好ましくは2.0質量部以下である。
インナーライナー用ゴム組成物、インスレーション用ゴム組成物には、シリカを配合してもよい。
シリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水シリカ)、湿式法シリカ(含水シリカ)などが挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)は、好ましくは90m2/g以上、より好ましくは120m2/g以上、更に好ましくは150m2/g以上である。上記N2SAは、好ましくは400m2/g以下、より好ましくは200m2/g以下、更に好ましくは180m2/g以下である。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
シリカとしては、例えば、デグッサ社、ローディア社、東ソー・シリカ(株)、ソルベイジャパン(株)、(株)トクヤマ等の製品を使用できる。
インナーライナー用ゴム組成物、インスレーション用ゴム組成物において、シリカを含有する場合、シリカの含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは30質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは100質量部以下である。
インナーライナー用ゴム組成物、インスレーション用ゴム組成物において、カーボンブラック及びシリカの合計含有量は、本発明の効果がより良好に得られるという理由から、ポリマー成分100質量部に対して、好ましくは20〜250質量部、好ましくは40〜120質量部、更に好ましくは50〜80質量部である。
インナーライナー用ゴム組成物、インスレーション用ゴム組成物には、シランカップリング剤を配合してもよい。
シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、などのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、Momentive社製のNXT、NXT−Zなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、などのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシランなどのクロロ系などがあげられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シランカップリング剤としては、例えば、デグッサ社、Momentive社、信越シリコーン(株)、東京化成工業(株)、アヅマックス(株)、東レ・ダウコーニング(株)等の製品を使用できる。
インナーライナー用ゴム組成物、インスレーション用ゴム組成物において、シランカップリング剤を含有する場合、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、3質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。3質量部以上であると、シランカップリング剤を配合したことによる効果が得られる傾向がある。また、上記含有量は、20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。20質量部以下であると、配合量に見合った効果が得られ、良好な混練時の加工性が得られる傾向がある。
インナーライナー用ゴム組成物、インスレーション用ゴム組成物には、樹脂を配合してもよい。ここで、樹脂には、上記ポリマー成分に該当するものは除かれる。
樹脂としては、タイヤ工業において一般的に用いられているものであれば特に限定されないが、例えば、クマロンインデン樹脂、テルペン系樹脂、p−t−ブチルフェノールアセチレン樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂としては、例えば、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、Rutgers Chemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、JXエネルギー(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業(株)等の製品を使用できる。
インナーライナー用ゴム組成物、インスレーション用ゴム組成物において、樹脂を含有する場合、樹脂の含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは15質量部以下である。
インナーライナー用ゴム組成物、インスレーション用ゴム組成物には、オイルを配合してもよい。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はその混合物が挙げられる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどを用いることができる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生湯、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
オイルとしては、例えば、出光興産(株)、三共油化工業(株)、(株)ジャパンエナジー、オリソイ社、H&R社、豊国製油(株)、昭和シェル石油(株)、富士興産(株)等の製品を使用できる。
インナーライナー用ゴム組成物、インスレーション用ゴム組成物において、オイルを含有する場合、オイルの含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは80質量部以下、より好ましくは60質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。なお、オイルの含有量には、ゴム(油展ゴム)に含まれるオイルの量も含まれる。
インナーライナー用ゴム組成物、インスレーション用ゴム組成物には、軟化剤として、液状ジエン系重合体を配合してもよい。
液状ジエン系重合体は、常温(25℃)で液体状態のジエン系重合体である。液状ジエン系重合体は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、1.0×103〜2.0×105であることが好ましく、3.0×103〜1.5×104であることがより好ましい。
液状ジエン系重合体としては、液状スチレンブタジエン共重合体(液状SBR)、液状ブタジエン重合体(液状BR)、液状イソプレン重合体(液状IR)、液状スチレンイソプレン共重合体(液状SIR)などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
インナーライナー用ゴム組成物、インスレーション用ゴム組成物において、液状ジエン系重合体を含有する場合、液状ジエン系重合体は、例えば、ポリマー成分100質量部に対して、50質量部以下で配合される。
インナーライナー用ゴム組成物、インスレーション用ゴム組成物には、ワックスを配合してもよい。
ワックスとしては、特に限定されず、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;植物系ワックス、動物系ワックス等の天然系ワックス;エチレン、プロピレン等の重合物等の合成ワックスなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ワックスとしては、例えば、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、精工化学(株)等の製品を使用できる。
インナーライナー用ゴム組成物、インスレーション用ゴム組成物において、ワックスを含有する場合、ワックスの含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下である。
前記ゴム組成物には、前記成分の他、タイヤ工業において一般的に用いられている添加剤を配合することができ、炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、クレー、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、マイカなどの充填剤;可塑剤、滑剤などの加工助剤;オイル、液状ジエン系重合体以外の軟化剤;硫黄以外の加硫剤(例えば、有機架橋剤、有機過酸化物);等を例示できる。
また、インナーライナー用ゴム組成物、インスレーション用ゴム組成物(特に、インナーライナー用ゴム組成物)には、板状無機充填剤を配合してもよい。これにより、より良好なエア保持性が得られる。
板状無機充填剤としては、クレー、タルク、ベントナイト、モンモリロナイト等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
インナーライナー用ゴム組成物、インスレーション用ゴム組成物において、板状無機充填剤を含有する場合、板状無機充填剤の含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、好ましくは5〜85質量部、より好ましくは10〜70質量部である。
(空気入りタイヤ)
本発明の空気入りタイヤは、以下の方法など、従来公知の方法で製造できる。
先ず、バンバリーミキサー、オープンロールなどのゴム混練装置に前記加硫剤及び加硫促進剤以外の成分を配合(添加)して混練りした後(ベース練り工程)、得られた混練物に、更に前記加硫剤及び加硫促進剤を配合(添加)して混練することにより、インナーライナー用、インスレーション用未加硫ゴム組成物をそれぞれ作製する。
混練条件としては、加硫剤及び加硫促進剤以外の添加剤を配合する場合、混練温度は、通常50〜200℃であり、好ましくは80〜190℃であり、混練時間は、通常30秒〜30分であり、好ましくは1分〜30分である。
加硫剤、加硫促進剤を配合する場合、混練温度は、通常100℃以下であり、好ましくは室温〜80℃である。
次いで、それぞれの未加硫ゴム組成物をインナーライナー、インスレーションの形状に合わせて押し出し加工する。そして、タイヤ成型機上にてそれらを、更に他のタイヤ部材とともに貼り合わせて、未加硫タイヤ(=生カバー)を作製した後、その未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することで、空気入りタイヤを製造できる。
なお、例えば、シート状にしたゴム組成物を所定の形状に張り合わせる方法や、2本以上の押出し機にゴム組成物を装入して押出し機のヘッド出口で2層に形成する方法など、公知の方法に従って、インナーライナー、インスレーションからなるシートを作製してから、タイヤ成型機上にて該シートを他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを作製してもよい。
本発明の空気入りタイヤにおいて、インナーライナーの厚み(未加硫時の厚み)は、好ましくは0.1〜5.0mm、より好ましくは0.3〜2.0mmである。インナーライナーの厚みが上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
ここで、インナーライナーの厚みとは、赤道面におけるインナーライナーの厚み(タイヤ半径方向の長さ)を意味する。
本発明の空気入りタイヤにおいて、インスレーションの厚み(未加硫時の厚み)は、好ましくは0.1〜5.0mm、より好ましくは0.3〜2.0mmである。インスレーションの厚みが上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
ここで、インスレーションの厚みとは、赤道面におけるインスレーションの厚み(タイヤ半径方向の長さ)を意味する。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、大型乗用車用、大型SUV用タイヤ、トラック、バスなどの重荷重用タイヤ、ライトトラック用タイヤ、二輪自動車用タイヤに好適に使用可能である。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下に、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
天然ゴム:天然ゴム
ブチル系ゴム:Cl−IIR
熱可塑性エラストマー:スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体(SIBS、重量平均分子量:100,000、スチレン単位含有量:25質量%、ショアA硬度:25)
カーボンブラック:カーボンブラック(N2SA:27m2/g、DBP吸収量:87ml/100g)
老化防止剤:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
オイル:アロマオイル
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド
<実施例及び比較例>
(インナーライナー用ゴム組成物、インスレーション用ゴム組成物)
表1、2に示す配合内容に従い、(株)神戸製鋼所製のバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
(空気入りタイヤ)
また、得られた未加硫の各インナーライナー用ゴム組成物、各インスレーション用ゴム組成物を用いて、表3に従って、それぞれの部材の形状に押出し成形し、タイヤ成形機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、170℃の条件下で10分間プレス加硫し、試験用タイヤ(サイズ:195/65R15)を製造した。なお、表3中の厚みは未加硫タイヤにおける厚みを意味する。
得られた試験用タイヤを使用して、下記の評価を行った。評価結果を表3に示す。
(ジョイント部での接着性)
試験用タイヤを、リム組みせず、80℃、相対湿度95%の湿熱オーブンにいれ、4週間劣化させた。JIS規格の最大荷重(最大空気圧条件)に対して、140%である荷重オーバーロード条件で、劣化させた試験用タイヤをドラム走行させたときの、ジョイント部での接着性(インナーライナーとインスレーションの界面における剥離)を評価した。結果は、比較例1を基準(100)として、指数で表示した。指数が大きいほど、インナーライナーとインスレーションとの界面(特に、ジョイント部)における接着性に優れることを示す。指数が130以上の場合に、良好であると判断した。
(エア保持性)
試験用タイヤをJIS規格リム15×6JJに組み付け、初期空気圧200Kpaを封入し、90日間室温で放置し、空気圧の低下率(%/月間)を計算した。結果は、比較例1を基準(100)として、指数で表示した。指数が大きいほど、エア保持性に優れることを示す。指数が130以上の場合に、良好であると判断した。
カーカスと、該カーカスにタイヤ半径方向内側において隣接するインスレーションと、該インスレーションにタイヤ半径方向内側において隣接するインナーライナーとを有する空気入りタイヤであって、上記インナーライナーは、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体等の熱可塑性エラストマーと、ブチル系ゴムとを含むインナーライナー用ゴム組成物からなり、上記インスレーションは、ブチル系ゴムと、イソプレン系ゴムとを含むインスレーション用ゴム組成物からなる実施例の空気入りタイヤは、エア保持性と、インナーライナーとインスレーションとの界面(特に、ジョイント部)における接着性に優れていた。
また、比較例1、5、7、実施例2の比較、比較例1、6、7、実施例3の比較により、特定のインナーライナーと、特定のインスレーションとを併用することにより、エア保持性、接着性を相乗的に改善できることが明らかとなった。