図1に概略構成を示す内視鏡10は医療分野で用いられるものであり、患者の体内に挿入される細径の挿入部11と、挿入部11の基部に接続された操作部12を有している。可撓性を有する管状体であるユニバーサルチューブ13が操作部12から延設され、ユニバーサルチューブ13の先端にビデオコネクタ14が設けられている。ビデオコネクタ14はプロセッサ15に着脱可能である。
挿入部11の先端には撮像レンズ系(図示略)と撮像素子(図示略)が設けられている。撮像レンズ系によって観察対象の像を形成して撮像素子で信号化する。この信号は画像信号用ケーブルを介してビデオコネクタ14に送られ、ビデオコネクタ14内とプロセッサ15内に設けた画像処理回路によって処理されて、モニタ(図示略)に画像を表示したり、記録媒体(図示略)に画像データを記録したりすることができる。内視鏡10とプロセッサ15はさらに、挿入部11の先端に設けた配光窓から照明光を配光する照明手段を備えている。
内視鏡10の内部に吸引管路(第1の管路)16が配設されている。吸引管路16は、挿入部11の先端に設けた吸引口18と、操作部12に設けた吸引操作装置19との間を接続している。内視鏡10の外部に設けた吸引源22と吸引操作装置19との間が吸引管路(第2の管路)23によって接続されている。
吸引源22を駆動すると吸引力が生じる。吸引操作装置19を操作しない状態では、吸引管路16と吸引管路23が連通しておらず、吸引管路23を通じて吸引源22から吸引操作装置19までの間だけで吸引力が働き、吸引管路16には吸引力が及ばない。吸引操作装置19を操作すると、吸引管路16と吸引管路23が連通して、吸引口18まで吸引力が及ぶようになり、吸引口18から体液や汚物などを吸引することができる。吸引操作装置19の具体的な構造については後述する。
操作部12にはさらに、複数の押しボタンスイッチ27が設けられている。押しボタンスイッチ27は、押圧操作に応じて電気的な信号を送って所定の動作(制御)を行わせる操作手段として設けられている。一例として、観察対象の撮影(画像記録)や、モニタ上の画像フリーズなどの操作を、押しボタンスイッチ27を用いて行うことができる。
以上の内視鏡10における吸引操作装置19が、本発明に係る着脱機器を適用したものである。図2以下を参照して吸引操作装置19の詳細を説明する。図2や図3に示すように、吸引操作装置19は、シリンダ(支持体)30、バルブ胴体(本体部材)31、ピストン(押圧操作部材)32、ボタン(押圧操作部材)33、圧縮バネ(付勢手段)34、スリーブ環(離脱操作部材)35を有している。詳細は後述するが、シリンダ30は操作部12に固定的に支持されており、バルブ胴体31、ピストン32、ボタン33、圧縮バネ34、スリーブ環35は、シリンダ30に対して着脱可能なボタンユニット(着脱体)80を構成している。
シリンダ30に対してボタンユニット80が挿入及び離脱される方向(図2から図8、図10から図14における上下方向)を挿脱方向とする。挿脱方向のうち、図中に矢線Uで示す方向を上方とし、矢線Dで示す方向を下方とする。下方がシリンダ30に対するボタンユニット80の挿入方向であり、上方がシリンダ30からのボタンユニット80の離脱方向である。また、ピストン32の中心を通り挿脱方向に延びる仮想線を軸線X(図2、図3)とし、軸線Xを基準とした放射方向をシリンダ30及びボタンユニット80の径方向とし、軸線Xを中心とする周回方向をシリンダ30及びボタンユニット80の周方向とする。なお、吸引操作装置19の向きは内視鏡10の保持状態によって変化するため、以下の説明において述べる挿脱方向(上方及び下方)は、必ずしも鉛直方向と一致するものではない。
ボタンユニット80をシリンダ30に装着(挿入)した状態では、バルブ胴体31はシリンダ30に対する相対移動が規制されて保持され、バルブ胴体31に対してピストン32とボタン33が下方へ押圧操作可能に支持される。スリーブ環35は軸線X(図2、図3)を中心として回転可能に支持される。
シリンダ30は、挿脱方向の上側に大径部(筒状部)40を有し、下側に小径部41を有している。シリンダ30の内部に、大径部40と小径部41に亘って挿脱方向に貫通するシリンダ内空間(支持体内空間)42が形成されている。大径部40の上端は内視鏡10の外面側に開放される上端開口30a(図2、図3)となっている。小径部41の下端には、挿脱方向で下方に進むにつれて徐々に径が小さくなる円錐状のテーパ部41aが形成されており、テーパ部41aの中央から下方に向けて円筒状の管路接続部43が突出している。シリンダ内空間42は、テーパ部41aと管路接続部43を除く部分で、略一定の内径サイズの円筒内面で囲まれている。
図2や図3に示すように、大径部40は小径部41よりも径方向の肉厚が大きく、大径部40の外周面は小径部41の外周面よりも外径方向に突出している。大径部40と小径部41の外径サイズの差によって、シリンダ30の外面に下方を向く段部44が形成されている。
図10に示すように、大径部40の周方向の一部に、シリンダ30を径方向に貫通する(大径部40の内周面と外周面を貫通する)側方貫通部45が形成されている。側方貫通部45は、上端部が上端開口30aに連通して開放され、この開放部分から挿脱方向に沿って下方に向けて凹設されており、上方から下方に向けて順に、導入部45a、定幅部45b、幅狭部(抵抗付与部)45c、嵌合保持部45dを有している。
導入部45aは、上端開口30aに臨む上方から下方に進むにつれて周方向の幅が小さくなる。定幅部45bは周方向の幅が略一定である。幅狭部45cは、定幅部45bよりも周方向に幅狭に絞り込まれた形状である。嵌合保持部45dは、側方貫通部45の底部を構成しており、幅狭部45cに接続する上側の一部分が開かれた円形状になっている。
シリンダ30にはさらに、ガイドカム46が設けられている。ガイドカム46は、大径部40の上端側に設けた凸型の端面カムであり、周方向に位置を異ならせて3箇所のガイドカム46が設けられている。図10、図11(A)、図12(A)には、このうち2箇所のガイドカム46が表されている。図2や図3に示すように、ガイドカム46は大径部40の外周面側に形成されており、ガイドカム46の内径側には大径部40の一部である内側円筒部40aが設けられている。内側円筒部40aの内周面は平滑な円筒面であり、ガイドカム46を形成したことによるシリンダ内空間42側の凹凸が生じていない。
各ガイドカム46は、大径部40の上端側を向く頂面46aと、頂面46aの周方向の両側に位置する挿脱方向面46b及び傾斜面46cを有している。頂面46aは周方向に延びる面であり、挿脱方向への傾き成分を含んでいない。挿脱方向面46bは挿脱方向に延びる面であり、周方向への傾き成分を含んでいない。傾斜面46cは、頂面46aから離れて下方に進むにつれて挿脱方向面46bとの間隔を大きくする傾き成分を有している。筒状体であるシリンダ30を平面状に展開した場合、傾斜面46cは全体に亘って傾斜角が略一定の斜面になる。3つのガイドカム46のうち1つのガイドカム46の挿脱方向面46bは、側方貫通部45の定幅部45bの内面と重なる関係にある(図10参照)。
図2と図3に示すように、バルブ胴体31は、挿脱方向に延びる挿入支持部(挿入部)50と、挿入支持部50から径方向に突出する側方管部(側方突出部)51を有している。挿入支持部50には挿脱方向に貫通する内部空間(着脱体内空間)52が形成され、側方管部51には径方向に貫通する内部空間(着脱体内空間)53が形成され、内部空間53の一端が内部空間52に連通している。挿入支持部50の下端には、下方に進むにつれて内径を大きくする円錐状の内面形状を有するテーパ内面54が形成されている。
図2と図3に示すように、バルブ胴体31における挿入支持部50の上端に、シリンダ内空間42の内径よりも径が大きい外方突出部56が設けられている。外方突出部56の上面には、上方に向けて開放された環状のバネ支持溝57が、内部空間52を囲む位置に形成されている。外方突出部56の外周面には、外径側を向く嵌合凹部58(図2、図3)と、外径方向へ突出する回転規制突起59(図2、図3)が形成されている。
図2から図4、図7、図8、図10、図11(A)、図12(A)、図13に示すように、バルブ胴体31における側方管部51は内部空間53を囲む円筒状の断面形状を有している。側方管部51の先端には吸引源接続口60(図2、図3)が設けられている。
側方管部51には、挿入支持部50に接続している基端に近い位置に、脆弱部81が形成されている。シリンダ30からボタンユニット80を取り外す前の状態における脆弱部81を、図4、図6、図8、図9に拡大して示した。脆弱部81は、側方管部51の外周面上に凹設された凹部82内に、橋絡部(第1の被破壊部)83、薄肉部(第2の被破壊部)84及び溝部85を有する構成となっている。
凹部82は、側方管部51の外周面よりも側方管部51の半径方向の中心に近く位置する底面82aと、底面82aと側方管部51の外周面とを接続する立壁状の一対の対向面(凹部の内面)82b、82cとを有している。対向面82bと対向面82cは、側方管部51の延設方向(ボタンユニット80の径方向)に離間して対向している。凹部82の底面82aと内部空間53の内周面との間には、側方管部51の他の部分(凹部82が形成されていない部分)よりも肉厚が小さい薄肉部84が存在する。
脆弱部81には、凹部82の深さ方向(側方管部51の半径方向)に並列する3つの橋絡部83が設けられている。各橋絡部83は、側方管部51の延設方向に延びて対向面82bと対向面82cを接続する薄板状の部位である。3つの橋絡部83は凹部82の深さ方向に間隔を空けて配置されており、互いの間に隙間86がある。また、側方管部51の半径方向の最も内側に位置する橋絡部83と薄肉部84(底面82a)との間にも隙間86がある。つまり、側方管部51の半径方向において、3つの橋絡部83と1つの薄肉部84が、互いの間を隙間86で隔てられて間欠的に配置されている。半径方向の最も外側に位置する橋絡部83の外面は、側方管部51の外周面と略面一の関係にある(図9参照)。
図9に示すように、各橋絡部83のうち対向面82cに接続する側の端部が、各橋絡部83の他の部分よりも幅が小さい(断面積が小さい)細幅部83aとなっている。
側方管部51の周方向において、凹部82の略中央に3つの橋絡部83が位置している。図8や図9に示すように、凹部82は、橋絡部83が設けられている周方向の中央部分で深さ(対向面82bと対向面82cの高さ)が最大で、周方向で橋絡部83から離れるにつれて徐々に浅くなっている。従って、各橋絡部83と並ぶ部分で薄肉部84の肉厚が小さく、周方向で橋絡部83から離れるにつれて薄肉部84の肉厚が徐々に大きくなる(図8参照)。凹部82のうち、橋絡部83が設けられている部分の深さQ1を図8に示した。
溝部85は、底面82a(薄肉部84の表面)上に形成された長溝であり、側方管部51の周方向に向けて延びている。図6に示すように、側方管部51の延設方向において凹部82の略中央に溝部85が位置している。また、上方から凹部82を平面視すると、溝部85の長手方向の中央付近を各橋絡部83が横切る関係となる。
溝部85はV字状の断面形状を有している。図4に示すように、溝部85が形成されている部分では、薄肉部84の肉厚がさらに小さくなる。先に述べたように、薄肉部84は、3つの橋絡部83と並ぶ部分で肉厚が最も小さくなっている(図8参照)。従って、上方から凹部82を平面視したときに各橋絡部83と溝部85が交差する部分では、凹部82の深さQ1(図8)に溝部85の深さが加わって、薄肉部84の肉厚が最小となる。別言すれば、凹部82では、溝部85に沿う部分が薄肉で強度が低くなっており、さらに、溝部85に沿う部分のうち、橋絡部83と重なる(交差する)領域が最も薄肉で最も強度が低くなっている。
図2と図3に示すように、ピストン32は、挿脱方向に延びる円柱状の軸部61と、軸部61の上端に設けた頭部62と、軸部61の途中に設けた環状のフランジ部63と、軸部61の下端に設けた可動弁64を有している。頭部62は軸部61よりも大径であり、フランジ部63は頭部62よりも大径である。可動弁64は、下方に進むにつれて外径を大きくする円錐状の外面形状を有している。
図2と図3に示すように、ボタン33は、円筒状の中心部65と、中心部65の上端から外径方向に広がる上壁部66と、上壁部66の周縁から下方に延びて中心部65を囲む外周壁部67を有している。中心部65の下端には、内径方向に突出する抜け止め部65aが形成されている。
図2と図3に示すように、スリーブ環35は、バルブ胴体31の外方突出部56を囲む環状体である。図5、図7、図10、図11(A)、図12(A)、図14に示すように、スリーブ環35の外周部分には、周方向に位置を異ならせて、複数の把持面70が設けられている。各把持面70は、軸線X(図2、図3)を中心とする円筒面よりも平坦な形状の面である。スリーブ環35はさらに、各把持面70と異なる周方向位置に厚肉部71を有している。厚肉部71は外径方向への突出量を大きくした部分である。
図7、図8、図10から図14に示すように、スリーブ環35の厚肉部71の下端には下方突起(破壊誘発部)72が突設されている。下方突起72の下方への突出量は、側方管部51において橋絡部83が設けられている部分の凹部82の深さQ1(図8)よりも大きく設定されている。下方突起72の側部には、後述する取り外し方向F1(図11(B))に進むにつれて徐々に肉厚を小さくする当接部72a(図6、図8)が形成されている。
スリーブ環35の内周面には、周方向へ延びる回転範囲制限溝73(図2、図3)と、内径方向へ突出する嵌合突起74(図2、図3)が設けられている。
スリーブ環35にはさらに、ガイドカム75が設けられている。ガイドカム75は、スリーブ環35の下端部に設けた凹状の端面カムであり、周方向に位置を異ならせて3箇所のガイドカム75が設けられている。図7、図10、図11(A)、図12(A)には、このうち2箇所のガイドカム75が表されている。
各ガイドカム75は、スリーブ環35の下端側を向く頂面75aと、頂面75aの周方向の両側に位置する挿脱方向面75b及び傾斜面75cを有している。頂面75aは周方向に延びる面であり、挿脱方向への傾き成分を含んでいない。挿脱方向面75bは、挿脱方向に延びる面であり、周方向への傾き成分を含んでいない。傾斜面75cは、頂面75aから離れて下方に進むにつれて挿脱方向面75bとの間隔を大きくする傾斜成分を有している。環状体であるスリーブ環35を平面状に展開した場合、傾斜面75cは全体に亘って傾斜角が略一定の斜面になる。
図11(A)に示すように、スリーブ環35に設けた各ガイドカム75と、シリンダ30に設けた各ガイドカム46は、互いに嵌合する凹凸形状になっている。より詳しくは、互いの頂面46a、75aの長さ、互いの挿脱方向面46b、75bの長さ、互いの傾斜面46c、75cの傾斜角と長さがそれぞれ略一致している。
以上の吸引操作装置19の構成要素のうち、シリンダ30はバルブ胴体31とスリーブ環35よりも剛性の高い材質で形成されている。具体的には、シリンダ30を金属製とし、バルブ胴体31とスリーブ環35はポリエチレンやポリプロピレンのような樹脂材料で形成することができる。
吸引操作装置19の組み立てについて説明する。図10に示すように、吸引操作装置19は、内視鏡10の本体部分に対して固定的に支持されるシリンダ30と、シリンダ30に対して挿脱可能なボタンユニット80に大きく分けられる。吸引操作装置19の組み立ての際は、バルブ胴体31、ピストン32、ボタン33、圧縮バネ34及びスリーブ環35を組み合わせてボタンユニット80を形成し、シリンダ30に対してボタンユニット80を挿入する。
シリンダ30は、内視鏡10の操作部12に固定される。操作部12には図示を省略するシリンダ挿入開口が形成されており、シリンダ挿入開口にシリンダ30を挿入する。シリンダ30は小径部41の全体と大径部40の途中までが操作部12内に埋入され、シリンダ挿入開口内に形成した段部に対して段部44が当接することで、シリンダ30の挿入が規制される。具体的には、大径部40のうちガイドカム46の形成箇所よりも上方(図10に一点鎖線で示す埋入境界ラインL1よりも上方)の部分が操作部12の外面上に露出する。所定の固定手段(ネジや接着など)によって、操作部12に対してシリンダ30を固定する。
操作部12内では、シリンダ30の管路接続部43に吸引管路16(図1)が接続する。管路接続部43への吸引管路16の接続は、操作部12にシリンダ30を挿入する前の段階で行うことが可能である。
ボタンユニット80を形成する際には、バルブ胴体31における挿入支持部50の外方突出部56の外側にスリーブ環35が取り付けられる。外方突出部56に対してスリーブ環35を上方から下方に向けて挿入すると、嵌合突起74が嵌合凹部58に嵌合して、バルブ胴体31に対してスリーブ環35が挿脱方向に移動規制される(図2、図3参照)。図4から図8などに示すように、この状態では、挿脱方向でスリーブ環35の下端部が側方管部51の上部に接近した位置にある。
続いて、バルブ胴体31の挿入支持部50の内部空間52にピストン32を挿入し、バネ支持溝57に圧縮バネ34を挿入する。さらに、ピストン32の頭部62をボタン33の中心部65内に挿入する。この挿入によって、ピストン32とボタン33は径方向への相対移動が規制される。また、抜け止め部65aが頭部62とフランジ部63の間の溝状部分に嵌合して、ピストン32とボタン33は挿脱方向への相対移動が規制される。つまり、ピストン32とボタン33が一体化される。さらに、必要に応じてピストン32とボタン33を接着剤などで固定する。
ピストン32とボタン33を結合させると、圧縮バネ34の上端部がボタン33の上壁部66に当接し、上壁部66の下面とバネ支持溝57の底面の間に圧縮バネ34が保持される(図2参照)。圧縮バネ34は、バネ支持溝57の内側の筒状部と中心部65とを囲むことにより、座屈を生じずに挿脱方向に伸縮可能に支持される。圧縮バネ34は、バルブ胴体31に対してピストン32とボタン33を上方に向けて付勢し、この付勢力によって可動弁64がテーパ内面54に当接する(図2参照)。テーパ内面54に当接する可動弁64の位置を遮断位置とし、テーパ内面54から下方に離れる可動弁64の位置を連通位置とする。スリーブ環35は、ボタン33の外周壁部67と共に圧縮バネ34の外径側に位置して、外部への圧縮バネ34の露出を防ぐ(図2、図3参照)。
以上のようにボタンユニット80を組んだ状態で、スリーブ環35は、外方突出部56の外周面に対して、軸線X(図2、図3)を中心として回転可能に支持される。回転範囲制限溝73内に回転規制突起59が進入し、回転範囲制限溝73の一方と他方の端部(図示略)に回転規制突起59が当接するまでの範囲で、スリーブ環35の回転が可能である。
また、ボタンユニット80の組み立てにおいてスリーブ環35をバルブ胴体31に組み付ける際には、厚肉部71と側方管部51が挿脱方向に並ぶように回転方向の位置を定める(図7参照)。この位置関係でスリーブ環35を組み付けると、厚肉部71から下方に突出する下方突起72の一部が凹部82内に進入する(図6、図8参照)。
図7と図8の状態から、図11(B)に矢線F1で示す取り外し方向にスリーブ環35を回転させようとすると、側方管部51に形成した凹部82の底面82aに対して下方突起72が当接する。図8に示すように、底面82aは、橋絡部83に近づくにつれて上方への突出量が大きくなる湾曲形状を有しているため、橋絡部83に接近する方向である取り外し方向F1(図11(B))に下方突起72が進もうとすると、下方突起72に対して抵抗が作用する。すなわち、バルブ胴体31に対してスリーブ環35を、図7及び図8に示す周方向の位置関係で取り付けると、挿脱方向の移動が規制された段階(嵌合突起74が嵌合凹部58に嵌合した段階)で、バルブ胴体31に対するスリーブ環35の回転にも抵抗が加わる状態になり、各部材の位置関係が安定した状態のボタンユニット80になる。バルブ胴体31の側方管部51とスリーブ環35の厚肉部71を指標として位置合わせすることで、この適切なスリーブ環35の取り付け位置を容易に識別することができる。
図10に示すように、側方貫通部45に対して側方管部51と厚肉部71の周方向位置を一致させた状態で、シリンダ30に対してボタンユニット80を挿入する。ボタンユニット80は、バルブ胴体31の挿入支持部50のうち外方突出部56と反対側の端部を先頭にして、シリンダ30の上端開口30aから下方に向けて挿入される。挿入支持部50は、外方突出部56よりも下方の部分の外径サイズが、シリンダ内空間42の内径サイズよりも僅かに大きい。そのため、挿入支持部50はシリンダ内空間42の内部へ所定の負荷を伴って圧入され、シリンダ内空間42と挿入支持部50の間が密封される。なお、挿入支持部50の外周面(図2から図5、図7、図10、図14に表れている挿入支持部50の下端付近の環状の溝部分など)に、弾性材からなるOリングを取り付けて、Oリングを介してシリンダ内空間42との間を密封する構成を採用してもよい。
シリンダ30に対してボタンユニット80を所定量挿入すると、側方管部51が側方貫通部45に進入する。側方貫通部45における導入部45aの開口幅は側方管部51の外径サイズよりも大きく、シリンダ30とボタンユニット80が周方向に多少位置ずれしていても、導入部45aによって側方管部51を案内して、側方貫通部45内へ側方管部51を導くことができる。定幅部45bの開口幅は側方管部51の外径サイズと略同じであり、側方管部51は定幅部45bに沿って下方に進む。幅狭部45cの開口幅は側方管部51の外径サイズよりも小さく、側方管部51が幅狭部45cまで達すると下方へ挿入に対する抵抗が加わる。この抵抗に抗する力を付与して挿入を継続すると、シリンダ30よりも剛性の低い材質からなる側方管部51が、縮径方向に弾性変形ながら幅狭部45cを通過する。定幅部45bから幅狭部45cにかけての側方貫通部45の内面は、側方管部51の外周面に沿うテーパ形状になっているため、縮径方向への側方管部51の弾性変形をスムーズに生じさせることができる。
シリンダ30に対してボタンユニット80を挿入させるときに、側方管部51は側方貫通部45の幅狭部45cの通過に伴う抵抗を受ける。この抵抗によって脆弱部81に対して負荷がかかるが、脆弱部81は、溝部85を含む薄肉部84の外側が複数(3つ)の橋絡部83で補強されて所定の強度が保たれた状態にあるため、側方貫通部45への挿入時の抵抗では破壊されない。
図4に示すように、側方管部51に設けられた脆弱部81は、側方管部51の延設方向において、側方貫通部45と重なる(側方貫通部45内に収まる)領域に位置している。より詳しくは、脆弱部81の最も外径側の部分(対向面82c)が、側方貫通部45を有する大径部40の外周面よりも内径側(図2及び図3に示す軸線Xに近い側)に位置しており、この位置の差S1を図4に示した。このように側方貫通部45に対する脆弱部81の位置を設定することによって、シリンダ30にボタンユニット80を挿入するとき(特に側方管部51が幅狭部45cを通過するとき)に、脆弱部81に対する過大な負荷がかからず、脆弱部81の破壊を防ぐことができる。
また、脆弱部81は、側方管部51のうち、シリンダ30へのボタンユニット80の挿入方向と反対側(離脱方向)を向く領域に形成されている(図4参照)。この配置も、シリンダ30へのボタンユニット80の挿入時における脆弱部81の破壊を防ぐことに寄与している。
挿入支持部50は、外方突出部56よりも下方の部分がシリンダ内空間42に挿入可能であり、外方突出部56がシリンダ30の上端に当て付く位置(図2、図3参照)でシリンダ内空間42への挿入が規制される。この状態で、外方突出部56はシリンダ内空間42から上方に突出している。
側方管部51は、挿入時の抵抗に抗して幅狭部45cを通過すると、図11(A)に示すように嵌合保持部45d内に嵌合する。嵌合保持部45dは、側方管部51の外周面に沿う内面形状を有するため、側方管部51は嵌合保持部45d内に安定した状態で嵌合する。周方向や下方への側方管部51の移動は、嵌合保持部45dの内面によって規制される。また、嵌合保持部45dの上方の開口部分に幅狭部45cが設けられているため、嵌合保持部45dから上方への側方管部51の離脱に対して抵抗が加わる。
側方管部51が嵌合保持部45dに嵌合するまでシリンダ30に対してボタンユニット80を挿入すると、図11(A)と図11(B)に示すように、ボタンユニット80側に設けた3つのガイドカム75がそれぞれ、シリンダ30側に設けた3つのガイドカム46に嵌合する。より詳しくは、頂面75aが頂面46aに対面し、挿脱方向面75bが挿脱方向面46bに対面し、傾斜面75cが傾斜面46cに対面する。このように、バルブ胴体31の側方管部51とスリーブ環35の厚肉部71は、各ガイドカム46と各ガイドカム75を嵌合させるための位置指標としても機能する。図11(A)と図11(B)に示す段階で、シリンダ30へのボタンユニット80の組み付けが完了する。この状態で、ボタン33とスリーブ環35は埋入境界ラインL1(図10)よりも上方に位置しており、外部から操作可能な状態にある。
図11(A)の組み付け完了状態では、側方貫通部45(嵌合保持部45d)の内面に対する側方管部51の当接によって、バルブ胴体31の回転が規制される。また、ガイドカム46、75の挿脱方向面46b、75bの当接(図11(A)、図11(B)参照)や、回転範囲制限溝73の一端部と回転規制突起59との当接(図示略)によって、取り外し方向F1(図11(B))と反対方向へのスリーブ環35の回転が規制される。さらに、側方管部51の凹部82の底面82a(薄肉部84)に対する下方突起72の当接によって、取り外し方向F1へのスリーブ環35の回転に対する抵抗が付与される。従って、ボタンユニット80のうち、バルブ胴体31はシリンダ30に対して正逆いずれの回転も規制され、スリーブ環35は、取り外し方向F1への回転に抵抗が加わった状態になる。
図11(A)の組み付け完了状態における吸引操作装置19の内部構造を図2に示す。吸引操作装置19内では、シリンダ内空間42と内部空間52によって挿脱方向への流路が形成され、内部空間53によって径方向への流路が形成されている。
ボタンユニット80をシリンダ30に組み付けた状態で、側方管部51が側方貫通部45(嵌合保持部45d)を通して操作部12の側方に突出する。具体的な図示を省略するが、吸引源接続口60(図2、図3)には吸引管路23(図1)が接続し、吸引管路23を通じて吸引源22の吸引力を内部空間53に及ぼすことができる。
ピストン32及びボタン33を押圧操作していないとき、吸引操作装置19は図2及び図11(A)に示す状態にある。この状態では、圧縮バネ34の付勢力を受けたピストン32及びボタン33が上方への突出量を大きくしており、圧縮バネ34の付勢力によって、可動弁64がテーパ内面54に押し付けられた遮断位置に保持される。この遮断位置にある可動弁64によって、シリンダ内空間42と内部空間52の間の流体流通が遮断されている。一方、ボタン33の外周壁部67とスリーブ環35の間や、ピストン32の軸部61と挿入支持部50の内周面との間には、リーク用の隙間が形成されており、内部空間53に働く吸引力によって、リーク用の隙間から外気が吸引される。
図3に示すように、圧縮バネ34の付勢力に抗して、ピストン32及びボタン33を下方に向けて押圧操作すると、可動弁64が、テーパ内面54に当接する遮断位置からテーパ内面54に対して下方に離間する連通位置に移動して、シリンダ内空間42と内部空間52の間が連通して流体流通可能になる。一方、ボタン33の中心部65の下端面が内部空間52の上端近くを塞ぎ、ボタン33とスリーブ環35の隙間から内部空間52への外気の流入が遮断される。従って、吸引源22の吸引力が、内部空間53、内部空間52、シリンダ内空間42及び管路接続部43を経て吸引管路16に及ぶようになり、吸引口18からの吸引を行うことができる。
ピストン32及びボタン33に対する押圧を解除すると、圧縮バネ34の付勢力によって上方に移動して、可動弁64がテーパ内面54に当接する遮断位置(図2)に戻る。これにより、吸引源22からの吸引力が吸引管路16及び吸引口18に及ばなくなる。
側方管部51のうち脆弱部81よりも先端側の部分に対して、下方から上方へ押し上げようとする力(図4の矢印F2)が加わると、側方管部51に対して、脆弱部81の対向面82bと対向面82cを接近させる方向の曲げ荷重が作用する。脆弱部81が備える橋絡部83は、このような長手方向への圧縮荷重に対しては特に高い強度を有している。しかも、側方管部51の延設方向に延びる複数の橋絡部83を並べた構成であるため、より強度が高くなっている。また、対向面82bと対向面82cを接近させようとする方向の曲げに対しては、溝部85はV字状の内面の幅を狭くすることで吸収できる。従って、内視鏡10の操作時に、側方管部51に対して多少の負荷(特に、図4の矢印F2へ曲げようとする負荷)が加わっても脆弱部81は破壊されない。
吸引操作装置19では、内視鏡10の使用後にボタンユニット80を取り外して、シリンダ30と吸引管路16の洗浄や、ボタンユニット80の交換を行うことができる。ボタンユニット80の取り外しは、スリーブ環35を図11(B)に示す取り外し方向F1に回転させて行う。
先に述べたように、スリーブ環35を取り外し方向F1に回転させようとすると、下方突起72と側方管部51の凹部82(底面82a)の当接により抵抗を受ける。この抵抗に抗して取り外し方向F1に所定以上の力を加えると、底面82aに沿って下方突起72を移動させながら、スリーブ環35が回転を開始する。
取り外し方向F1へのスリーブ環35の回転により、図12(A)と図12(B)に示すように、ガイドカム75の傾斜面75cがガイドカム46の傾斜面46cに対する当接位置を変化させる。傾斜面46cと傾斜面75cはそれぞれ、取り外し方向F1に進むにつれて上方(離脱方向)に位置を変化させる傾斜形状を有しているため、シリンダ30に対してスリーブ環35が取り外し方向F1に回転しながら上方に移動する。
シリンダ30のガイドカム46とスリーブ環35のガイドカム75はそれぞれ、周方向に位置を異ならせて3つ設けられている。また、各ガイドカム76と各ガイドカム75は、互いに略平行な傾斜面46cと傾斜面75cの摺接によって上方への力を生じさせる。そのため、スリーブ環35の回転操作時に、傾きを生じずに高い安定性で効率良く上方に移動させることができる。
嵌合凹部58と嵌合突起74の嵌合関係によって、バルブ胴体31がスリーブ環35と共に上方へ移動する。また、バルブ胴体31に伴ってピストン32及びボタン33も上方へ移動する。すなわち、ボタンユニット80全体が上方へ移動する。バルブ胴体31の上方への移動は、側方管部51が幅狭部45cに当接して抵抗を受ける。この抵抗に抗して取り外し方向F1へのスリーブ環35の回転を継続すると、図12(A)及び図13に示すように、シリンダ30よりも剛性の低い材質からなる側方管部51が縮径方向に弾性変形しながら幅狭部45cを通過する。側方管部51が幅狭部45cを完全に通過して定幅部45b内に入ると、側方管部51に対する移動抵抗が小さくなり、シリンダ30の上端開口30aを通してボタンユニット80を上方へ引き抜くことができる。
以上のようにしてボタンユニット80を取り外すことで、吸引管路16やシリンダ30の内部を容易に洗浄することができる。ボタンユニット80において、スリーブ環35は、シリンダ30から突出する外方突出部56の外側に支持されている。また、ボタンユニット80の離脱方向(上方)にスリーブ環35を移動させるためのガイドカム46は、シリンダ30の上端部分に設けた端面カムである。従って、スリーブ環35を設けた影響でシリンダ30の内周面に凹凸が形成されることはなく、シリンダ30の内側は洗浄しやすい平滑な形状になっている(図2、図3参照)。
本実施の形態のボタンユニット80は、使用毎に交換されるタイプである。シリンダ30から取り外したボタンユニット80は廃棄され、吸引管路16やシリンダ30の洗浄後に、新たなボタンユニット80をシリンダ30に取り付ける。ボタンユニット80の取り外し動作を行うと、図14に示すように脆弱部81が破壊された状態になり、使用後の廃棄すべき状態であることを識別できる。
脆弱部81は以下のように破壊される。まず、図11(A)と図11(B)に示すボタンユニット80の取り付け状態から、スリーブ環35が取り外し方向F1に所定量回転すると、下方突起72が各橋絡部83に接近して当接する。このとき、ガイドカム75の傾斜面75cとガイドカム46の傾斜面46cの関係によって、ボタンユニット80が僅かに上方に移動しながら下方突起72と各橋絡部83の当接が生じる。図8に示すように、下方突起72の下方への突出量は、橋絡部83が設けられている部分の凹部82の深さQ1(図8)よりも大きいため、ボタンユニット80が上方に移動しながら回転する状態において、下方突起72を全ての橋絡部83に対して確実に当接させることができる。
さらなる取り外し方向F1へのスリーブ環35の回転に伴い、下方突起72は、細長の薄板形状である各橋絡部83に対して、その横幅方向に押圧しながら剪断荷重を与える。この剪断荷重が所定以上になると、各橋絡部83の破断が生じる(図12(A)、図13参照)。特に、各橋絡部83は断面積の小さい細幅部83aを部分的に有しているので、下方突起72の押圧によって破断されやすくなっている。また、下方突起72は、取り外し方向F1に進むにつれて肉厚が小さくなる形状の当接部72a(図6、図8、図13)を各橋絡部83に当接させる。これにより、下方突起72から各橋絡部83に対して、破断させるための荷重を付与しやすくなっている。
各橋絡部83の強度は、取り外しの意図をもってスリーブ環35を回転させたときに下方突起72により破断され、内視鏡10の使用時の(取り外しの意図を伴わない)スリーブ環35のぐらつきなどでは破断されないように設定されている。このような強度設定は、各橋絡部83の断面形状と配置に応じて適宜変更することが可能である。より詳しくは、スリーブ環35の回転方向への各橋絡部83の幅の大きさ、側方管部51の半径方向への各橋絡部83の肉厚(橋絡部83と隙間86の大きさの比率)、細幅部83aの数や位置、といった要素を変化させることで実現できる。例えば、各橋絡部83や各細幅部83aの断面積(幅や肉厚)を小さくすれば、破断させるために必要な力が小さくなる。また、各橋絡部83における細幅部83aの数を増やしたり、細幅部83aの形成範囲を拡大させたりすることでも、破断させるために必要な力が小さくなる。逆に、各橋絡部83の断面積(幅や肉厚)を大きくしたり、橋絡部83の数を増やしたり、各橋絡部83における細幅部83aの形成範囲を小さくする(あるいは細幅部83aを設けない)ことで、破断させるために必要な力が大きくなる。
さらに、内視鏡10の使用時に各橋絡部83の強度が確保できることを前提として、各橋絡部83のうち下方突起72に対向する側の側部を、当接部72aが嵌合する凹形状にすることなども可能である。このようにすると、各橋絡部83に対して下方突起72を当接させたときの位置が安定し、効率的に各橋絡部83を破断させやすくなる。
なお、スリーブ環35を回転させる前の状態で、下方突起72と凹部82の底面82aとの当接によって取り外し方向F1への回転に対する抵抗を与える代わりに、バルブ胴体31とスリーブ環35との間に設けたクリックストップ機構の嵌合によってスリーブ環35を保持するような構成を採用することも可能である。クリックストップ機構は、下方突起72と凹部82の形状を変更(例えば、凹部82側にクリック用の凹部を追加し、下方突起72側にクリック用の凸部を追加する)して構成してもよいし、下方突起72や凹部82とは別の箇所に設けてもよい。所定以上の力で取り外し方向F1へスリーブ環35を回転させることにより、クリックストップ機構による保持が解除されて、下方突起72を各橋絡部83に当接させることが可能となる。
図12(A)と図13は、下方突起72の当接部72aによって各橋絡部83を破断させている途中のスリーブ環35の回転位置を示している。スリーブ環35が図12(A)と図13に示す位置よりも取り外し方向F1(図11(B))に回転すると、下方突起72が各橋絡部83の位置を通過して、各橋絡部83が完全に破断された状態になる。
先に述べたように、ボタンユニット80がシリンダ30から上方に引き抜かれるときに、脆弱部81を有する側方管部51は、幅狭部45cに当接して抵抗を受ける。この抵抗に抗してボタンユニット80を上方に移動させると、スリーブ環35と共に上方に引き上げられようとする挿入支持部50と、幅狭部45cによる移動抵抗を受ける側方管部51との関係によって、側方管部51の基端部分、すなわち脆弱部81に負荷がかかる。この負荷によって、凹部82内の溝部85に沿って薄肉部84の破断が生じる(図14参照)。
より詳しくは、スリーブ環35の回転動作によって各橋絡部83が破断すると、脆弱部81の強度が弱まる。特に、各橋絡部83は、薄肉部84の肉厚が最も小さい部分に対応する位置で対向面82bと対向面82cを橋絡しているので(図8、図13参照)、各橋絡部83の破断は脆弱部81の強度低下に大きな影響を及ぼす。この状態でボタンユニット80が離脱方向に移動しようとすると、脆弱部81において、凹部82の対向面82bと対向面82cの間隔を広げる方向へ側方管部51を屈曲させようとする力が働く。ここで、薄肉に形成されている薄肉部84のうちでも、特に肉厚が小さくなっている溝部85の形成部分に応力が集中し、V字状の断面形状である溝部85の底部(V字の頂点部分)に沿って薄肉部84の破断が生じる。
図4に示すように、軸線X(図2、図3)を中心とするボタンユニット80の径方向で、脆弱部81の最も外径側の部分(対向面82c)が、大径部40の外周面よりも内径側(軸線Xに近い側)に位置する(図4におけるS1の差が生じる)構成にすることで、シリンダ30に対してボタンユニット80を挿入する際には脆弱部81が破壊されにくく、シリンダ30からボタンユニット80を取り外す際に脆弱部81を破壊させやすくなる。
以上のようにして、シリンダ30から取り外されたボタンユニット80は、脆弱部81が破壊されて側方管部51が曲がった状態になる(図14参照)。これにより、ボタンユニット80が使用後の状態であることを外観で容易に識別することが可能になる。なお、本実施の形態の構造では、図14のように溝部85に沿って薄肉部84が割断される破壊状態になりやすいが、脆弱部81の破壊の形態はこれに限定されるものではない。
以上のように、本実施の形態の吸引操作装置19では、吸引用の流路を構成するバルブ胴体31は、回転を規制した状態でシリンダ30に支持されており、バルブ胴体31とは別に設けたスリーブ環35を回転操作することで、バルブ胴体31を含むボタンユニット80の取り外しを行う。スリーブ環35は、バルブ胴体31の外方突出部56を囲む環状体であり、バルブ胴体31の側方管部51や吸引源接続口60のように径方向へ長く突出する部分を有していない。また、スリーブ環35は、吸引管路23のような外部装置に接続しておらず、内視鏡10の取り回し時に外部から強い力が加わるおそれがない。従って、スリーブ環35が意図せずに取り外し方向F1に回転することがなく、内視鏡10の使用時においてボタンユニット80の組み付け状態を確実に維持させることができる。
また、スリーブ環35自体も、下方突起72と側方管部51(凹部82)との当接によって取り外し方向F1への回転に抵抗を受けるように構成されているので、スリーブ環35の意図しない回転操作を防ぎ、ボタンユニット80の組み付け状態をより確実に維持させることができる。
さらに、先に述べたように、ボタンユニット80を構成するバルブ胴体31は、シリンダ30からの取り外し動作によって破壊される脆弱部81を備えている。脆弱部81の破壊によってボタンユニット80が使用済みであることを識別できるので、取り外した後のボタンユニット80を再度装着してしまうおそれを低減できる。脆弱部81は、シリンダ30にボタンユニット80を取り付ける際の動作(下方への挿入)では破損せず、シリンダ30からボタンユニット80を取り外す際の動作(スリーブ環35の回転と上方への引き抜き)により破損する構成である。そのため、ボタンユニット80に対する煩雑な操作を要さずに、通常の着脱を行うのみで効果を得ることができる。
以上、図示実施形態に基づいて説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではない。本発明は、内視鏡の本体に設けられる支持体(実施形態のシリンダ30に相当)と、支持体に着脱可能な着脱体(実施形態のボタンユニット80に相当)を備え、支持体への装着動作では破損せずに、支持体からの取り外し動作で破損する脆弱部を着脱体に備えるという基本構成を有するものであればよく、細部の構造や適用する装置の種類については任意に選択可能である。
例えば、上記の実施形態は、吸引操作装置19に適用したものであるが、送気送水用の操作装置を適用対象とすることも可能である。送気送水用の操作装置は、吸引操作装置19のバルブ胴体31とピストン32の関係のように、外部からの押圧操作によって開閉状態が変化する弁構造を有しており、この弁構造を構成する部分の装着と取り外しに、上記実施形態のような脆弱部を有する構成を用いることができる。
より詳しくは、送気送水用の操作装置は、内視鏡の操作部に支持されるシリンダに対して押圧操作可能な送気送水ボタンを有する。内視鏡内には、挿入部の先端に設けたノズルとシリンダを接続する送気送水管路と、送気総水源とシリンダを接続する送気管路及び送水管路とが配設される。送気送水ボタンにはリーク穴が形成され、送気送水ボタンに触れない(リーク穴を塞がない)状態では、送気送水源から送気管路を経てシリンダに送られた空気がリーク穴から外部に抜ける。送気送水ボタンのリーク穴を指などで塞ぐと送気送水管路に送気され、ノズルから空気を噴出させることができる。また、送気送水ボタンを押し込まない状態では、送水管路から送気送水管路への送水が遮断され、送気送水ボタンを押し込むと、送水管路と送気送水管路が連通してノズルから水を噴出させることができる。ノズルは、撮像レンズ系の最前部に設けた対物窓や、照明手段の最前部に設けた配光窓に向いており、ノズルから洗浄水を噴出させて対物窓や配光窓を洗浄し、洗浄後にノズルから空気を噴出させて対物窓や配光窓から水滴を除去することができる。このような送気送水系を構成する送気送水用の操作装置において、送気送水ボタンを含むボタンユニットに脆弱部を設けてもよい。
また、吸引操作装置19や送気送水操作装置のような、押圧操作によって流体の流通状態を変化させるタイプの操作装置以外にも、本発明を適用することができる。
このような吸引操作装置以外の着脱機器に本発明を適用する場合、着脱体の構成や形状が上記の実施形態のボタンユニット80とは異なるものとなる。そのため、脆弱部を設ける位置や脆弱部の形態は、着脱体の構成に応じて任意に変更することができる。具体的には、脆弱部を設ける位置は、実施形態のようなバルブ胴体31から突出する側方管部51の基端部分に限定されるものではなく、脆弱部の形態は、実施形態の脆弱部81とは異なっていてもよい。
脆弱部は、上記の実施形態のように、異なる複数の方向の動作(スリーブ環35の回転と、ボタンユニット80の引き抜き)によって段階的に破壊されるものであると、意図しない破壊が生じるリスクを低減しつつ、取り外し時にのみ破壊されるという要求を満たしやすい。但し、本発明は、着脱体を取り外すときの一つの動作のみで破壊される形態の脆弱部を排除するものではない。
例えば、ボタンユニット80の挿入時と引き抜き時では、側方管部51に作用する負荷の方向が異なる。この挿脱方向の負荷の方向の違いに応じた強度のコントロールができるように、凹部82の開口方向、薄肉部84の肉厚や断面形状、溝部85の断面形状や形成方向といった条件を設定することで、ボタンユニット80の挿入動作では破壊されないという条件を満たしつつ、ボタンユニット80の引き抜き方向の移動のみで完全に破壊される脆弱部を得ることもできる。すなわち、実施形態における橋絡部83を省略して、破壊に際してスリーブ環35の回転による破断を要さないタイプの脆弱部にすることもできる。逆に、スリーブ環35の回転による破断のみで破壊が完了し、ボタンユニット80の引き抜き方向の動作を破壊の要件に含まないタイプの脆弱部を採用することもできる。