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JP2018163218A - 液晶硬化フィルム及びその製造方法 - Google Patents

液晶硬化フィルム及びその製造方法 Download PDF

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JP2018163218A JP2017059327A JP2017059327A JP2018163218A JP 2018163218 A JP2018163218 A JP 2018163218A JP 2017059327 A JP2017059327 A JP 2017059327A JP 2017059327 A JP2017059327 A JP 2017059327A JP 2018163218 A JP2018163218 A JP 2018163218A
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俊平 中島
Shumpei Nakajima
俊平 中島
菜津美 藤原
Natsumi Fujiwara
菜津美 藤原
池田 顕
Akira Ikeda
顕 池田
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Abstract

【課題】液晶性化合物の分子のチルト角が厚み方向において不連続に異なり、配向欠陥が抑制された液晶硬化層を備える液晶硬化フィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】逆波長分散性の複屈折を発現できる第一液晶性化合物と、前記第一液晶性化合物以外の磁場応答性を有する第二液晶性化合物と、を含む液晶組成物の硬化物で形成された液晶硬化層を備える液晶硬化フィルムの製造方法であって、前記液晶組成物の層を形成する工程と、前記液晶組成物の層に磁界を印加した状態で、前記液晶組成物の層に含まれる前記第一液晶性化合物及び前記第二液晶性化合物を配向させる工程と、前記液晶組成物の層を硬化させる工程と、を含む、液晶硬化フィルムの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶硬化フィルム及びその製造方法に関する。
従来、液晶性化合物を含む液晶組成物の膜を硬化させた液晶硬化層を備えるフィルムが知られていた。通常、このようなフィルムでは、液晶性化合物の分子は均一に配向しており、液晶性化合物の分子が層平面に対してなすチルト角は、厚み方向において一定であった。
しかし、近年では、特定の液晶組成物を用いて、液晶硬化層における液晶性化合物の分子のチルト角を、厚み方向において不均一にする技術が開発されている(特許文献1〜3参照)。
特許第5363022号公報 特開2015−161714号公報 特開2016−110153号公報
特許文献1〜3に記載の技術で得られる液晶硬化層では、一般に、当該液晶硬化層の厚み方向において、液晶性化合物の分子のチルト角は連続的に異なっていた。具体的には、従来の液晶硬化層では、通常、液晶硬化層の一側に近いほどチルト角が小さく、他側に近いほどチルト角が大きくなっていた。よって、液晶性化合物の分子のチルト角が厚み方向において不連続に異なる液晶硬化層は、従来、知られていなかった。
液晶硬化層は、液晶表示装置用の視野角補償フィルム等の光学用途において用いることが期待される。しかし、光学用途においては多様な光学設計を可能にするため、従来とは異なる構造の液晶硬化層の開発が求められている。
本発明は、前記の課題に鑑みて創案されたもので、液晶性化合物の分子のチルト角が厚み方向において不連続に異なり、配向欠陥が抑制された液晶硬化層を備える液晶硬化フィルム及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、逆波長分散性の複屈折を発現できる液晶性化合物と、磁場応答性を有する液晶性化合物とを組み合わせて含む液晶組成物に、磁界を印加した状態で配向処理を施すことによって、前記の課題を解決できることを見い出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下のものを含む。
〔1〕 逆波長分散性の複屈折を発現できる第一液晶性化合物と、前記第一液晶性化合物以外の磁場応答性を有する第二液晶性化合物と、を含む液晶組成物の硬化物で形成された液晶硬化層を備える液晶硬化フィルムの製造方法であって、
前記液晶組成物の層を形成する工程と、
前記液晶組成物の層に磁界を印加した状態で、前記液晶組成物の層に含まれる前記第一液晶性化合物及び前記第二液晶性化合物を配向させる工程と、
前記液晶組成物の層を硬化させる工程と、を含む、液晶硬化フィルムの製造方法。
〔2〕 前記液晶組成物の層に印加される磁界の磁束密度が0.2テスラ以上である、〔1〕記載の液晶硬化フィルムの製造方法。
〔3〕 前記液晶組成物の層に印加される磁界の向きが、前記液晶組成物の層の厚み方向に平行である、〔1〕又は〔2〕記載の液晶硬化フィルムの製造方法。
〔4〕 前記第一液晶性化合物及び前記第二液晶性化合物の合計100重量部に対する前記第二液晶性化合物の量が、0.1重量部以上40重量部以下である、〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の液晶硬化フィルムの製造方法。
〔5〕 液晶性化合物を含む液晶組成物の硬化物で形成された液晶硬化層を備える液晶硬化フィルムであって、
前記液晶硬化層が、配向状態が固定されていてもよい前記液晶性化合物を含む、第一層、第二層及び第三層を、この順に含み、
前記第一層に含まれる前記液晶性化合物の分子が層平面に対してなす第一チルト角が、前記第一層において一定であり、
前記第二層に含まれる前記液晶性化合物の分子が層平面に対してなす第二チルト角が、前記第二層において一定であり、且つ、前記第一チルト角とは不連続に異なり、
前記第三層に含まれる前記液晶性化合物の分子が層平面に対してなす第三チルト角が、前記第三層において一定であり、且つ、前記第一チルト角及び第二チルト角とは不連続に異なる、液晶硬化フィルム。
〔6〕 前記液晶組成物が、逆波長分散性の複屈折を発現できる第一液晶性化合物と、前記第一液晶性化合物以外の磁場応答性を有する第二液晶性化合物と、を含む、〔5〕記載の液晶硬化フィルム。
〔7〕 前記第一層、前記第二層及び前記第三層の合計厚み100%に対する、前記第一層の厚みの割合が、14%以上66%以下であり、
前記第一層、前記第二層及び前記第三層の合計厚み100%に対する、前記第二層の厚みの割合が、1%以上80%以下であり、
前記第一層、前記第二層及び前記第三層の合計厚み100%に対する、前記第三層の厚みの割合が、6%以上33%以下である、〔5〕又は〔6〕記載の液晶硬化フィルム。
〔8〕 前記第一チルト角が、0°以上20°以下であり、
前記第二チルト角が、20°以上70°以下であり、
前記第三チルト角が、70°以上90°以下である、〔5〕〜〔7〕のいずれか一項に記載の液晶硬化フィルム。
本発明によれば、液晶性化合物の分子のチルト角が厚み方向において不連続に異なり、配向欠陥が抑制された液晶硬化層を備える液晶硬化フィルム及びその製造方法を提供できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る液晶硬化フィルムを、その厚み方向に平行な平面で切った断面を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の実施例1で偏光顕微鏡によって観察した液晶硬化層の断面の写真である。 図3は、図2の各部分を説明する説明図である。
以下、例示物及び実施形態を示して本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す例示物及び実施形態に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、用語「偏光板」及び用語「波長板」は、別に断らない限り、樹脂フィルム等の可撓性を有するフィルム及びシートを包含する。
以下の説明において、固有複屈折値が正の樹脂とは、延伸方向の屈折率がそれに直交する方向の屈折率よりも大きくなる樹脂を意味する。また、固有複屈折値が負の樹脂とは、延伸方向の屈折率がそれに直交する方向の屈折率よりも小さくなる樹脂を意味する。固有複屈折値は、誘電率分布から計算しうる。
以下の説明において、ある層のレターデーションとは、別に断らない限り、面内レターデーションReを表す。この面内レターデーションReは、別に断らない限り、Re=(nx−ny)×dで表される値である。ここで、nxは、層の厚み方向に垂直な方向(面内方向)であって最大の屈折率を与える方向の屈折率を表す。nyは、層の前記面内方向であってnxの方向に直交する方向の屈折率を表す。dは、層の厚みを表す。レターデーションの測定波長は、別に断らない限り、550nmである。
以下の説明において、ある層の遅相軸の方向とは、別に断らない限り、面内方向の遅相軸の方向をいう。
以下の説明において、要素の方向が「平行」及び「垂直」とは、別に断らない限り、本発明の効果を損ねない範囲内、例えば±5°、好ましくは±3°、より好ましくは±1°の範囲内での誤差を含んでいてもよい。
以下の説明において、別に断らない限り、ある層に含まれる液晶性化合物の分子の「チルト角」とは、その液晶性化合物の分子が層平面に対してなす角度を表す。このチルト角は、液晶性化合物の分子の屈折率楕円形において最大の屈折率の方向が層平面となす角度のうち、最大の角度に相当する。
[1.液晶硬化フィルムの製造方法の概要]
本発明の液晶硬化フィルムの製造方法では、液晶性化合物を含む液晶組成物の硬化物で形成された液晶硬化層を備える液晶硬化フィルムを製造する。この製造方法は、通常、逆波長分散性の複屈折を発現できる第一液晶性化合物と、第一液晶性化合物以外の磁場応答性を有する第二液晶性化合物と、を含む液晶組成物を用いて、液晶硬化フィルムを製造する。具体的には、この製造方法は、
(i)液晶組成物の層を形成する工程と;
(ii)液晶組成物の層に磁界を印加した状態で、液晶組成物の層に含まれる液晶性化合物を配向させる工程と;
(iii)液晶組成物の層を硬化させる工程と;
を含む。前記の製造方法によれば、液晶性化合物の分子のチルト角が厚み方向において不連続に異なり、配向欠陥が抑制された液晶硬化層を備える液晶硬化フィルムを得ることができる。
[2.第一液晶性化合物]
第一液晶性化合物は、逆波長分散性の複屈折を発現できる液晶性化合物である。以下の説明において、逆波長分散性の複屈折を発現できる液晶性化合物を、適宜「逆分散液晶性化合物」ということがある。第一液晶性化合物は、液晶性を有する化合物であり、通常、当該第一液晶性化合物を配向させた場合に、液晶相を呈することができる化合物である。
また、第一液晶性化合物は、前記の通り、逆波長分散性の複屈折を発現できる逆分散液晶性化合物である。ここで、逆波長分散性の複屈折を発現できる液晶性化合物とは、当該液晶性化合物の層を形成し、その層において液晶性化合物を配向させた際に、逆波長分散性の複屈折を発現する液晶性化合物をいう。通常は、液晶性化合物をホモジニアス配向させた場合に、液晶性化合物の層が逆波長分散性の複屈折を示すかどうかを調べることで、その液晶性化合物が逆波長分散性の複屈折を発現するかどうかを確認できる。ここで、液晶性化合物をホモジニアス配向させる、とは、当該液晶性化合物を含む層を形成し、その層における液晶性化合物の分子のメソゲン骨格の長軸方向を、前記層の面に平行なある一の方向に配向させることをいう。液晶性化合物が配向方向の異なる複数種類のメソゲン骨格を含む場合は、それらのうち最も長い種類のメソゲンが配向する方向が、前記の配向方向となる。
また、逆波長分散性の複屈折とは、波長450nmにおける複屈折ΔN(450)及び波長550nmにおける複屈折ΔN(550)が、下記式(N1)を満たす複屈折をいう。このような逆波長分散性の複屈折を発現できる液晶性化合物は、通常、測定波長が長いほど、大きい複屈折を発現できる。
ΔN(450)<ΔN(550) (N1)
逆分散液晶性化合物は、当該逆分散液晶性化合物の分子中に、主鎖メソゲンと、前記主鎖メソゲンに結合した側鎖メソゲンとを含む化合物でありうる。主鎖メソゲン及び側鎖メソゲンを含む前記の逆分散液晶性化合物は、当該逆分散液晶性化合物が配向した状態において、側鎖メソゲンが主鎖メソゲンと異なる方向に配向できる。そのため、このように配向した逆分散液晶性化合物の層においては、主鎖メソゲン及び側鎖メソゲンは、異なる方向に配向しうる。このような場合、その層の複屈折は主鎖メソゲンに対応する屈折率と側鎖メソゲンに対応する屈折率との差として発現するので、結果として、逆波長分散性の複屈折を発現できる。
前記のように主鎖メソゲン及び側鎖メソゲンを有する化合物の立体形状は、一般的な順分散液晶性化合物の立体形状とは異なる特異的な形状である。逆分散液晶性化合物がこのように特異的な立体形状を有するので、一般に、逆分散液晶性化合物を含む液晶組成物は、順分散液晶性化合物のみを含む液晶組成物とは異なる性状を示すことがある。例えば、単独ではチルト角が一定の液晶硬化層しか得られない逆分散液晶性化合物を第一液晶性化合物として用いた場合でも、磁場応答性を有する第二液晶性化合物と組み合わせることで、液晶性化合物の分子のチルト角が厚み方向において不連続に異なるという特異的な構造の液晶硬化層を実現できる。本発明者らの検討によれば、例えば、単独ではチルト角が一定の液晶硬化層しか得られない逆分散液晶性化合物としての第一液晶性化合物を用いた場合であっても前記の特異的な構造の液晶硬化層を実現できる一因には、逆分散液晶性化合物が前記のような特異的な立体形状を有することが含まれているものと推察される。ただし、本発明の技術的範囲は、前記の推察によって制限されるものでは無い。
第一液晶性化合物は、重合性を有することが好ましい。よって、第一液晶性化合物は、その分子が、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びエポキシ基等の重合性基を含むことが好ましい。重合性を有する第一液晶性化合物は、液晶相を呈した状態で重合し、液晶相における分子の配向状態を維持したまま重合体となることができる。よって、液晶硬化層において第一液晶性化合物の配向状態を固定したり、液晶性化合物の重合度を高めて液晶硬化層の機械的強度を高めたりすることが可能である。
第一液晶性化合物の分子量は、好ましくは300以上、より好ましくは700以上、特に好ましくは1000以上であり、好ましくは2000以下、より好ましくは1700以下、特に好ましくは1500以下である。このような範囲の分子量を有する第一液晶性化合物を用いることにより、液晶組成物の塗工性を特に良好にできる。
測定波長550nmにおける第一液晶性化合物の屈折率異方性Δnは、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上であり、好ましくは0.15以下、より好ましくは0.10以下である。このような範囲の屈折率異方性Δnを有する第一液晶性化合物を用いることにより、液晶性化合物の分子のチルト角が厚み方向において不連続に異なり、且つ、配向欠陥の少ない液晶硬化層を、容易に得ることができる。さらに、通常は、このような範囲の屈折率異方性Δnを有する第一液晶性化合物を用いることにより、逆波長分散性の高い液晶硬化層を得やすい。
液晶性化合物の屈折率異方性は、例えば、下記の方法により測定できる。
液晶性化合物の膜を作成し、その膜に含まれる液晶性化合物をホモジニアス配向させる。その後、その膜のレターデーションを測定する。そして、「(膜のレターデーション)÷(膜の光学厚み)」から、液晶性化合物の屈折率異方性を求めることができる。この際、レターデーション及び光学厚みの測定を容易にするために、ホモジニアス配向させた液晶性化合物の膜は、硬化させてもよい。
第一液晶性化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
第一液晶性化合物の例としては、下記式(Ia)で表される化合物が挙げられる。以下の説明において、式(Ia)で表される化合物を、適宜「化合物(Ia)」ということがある。
前記式(Ia)において、A1aは、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群より選ばれる少なくとも1つの芳香環を有する炭素数1〜67の有機基を置換基として有する芳香族炭化水素環基;または、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群より選ばれる少なくとも1つの芳香環を有する炭素数1〜67の有機基を置換基として有する芳香族複素環基;を表す。
1aの具体例としては、式:−RC(=N−NR)、あるいは式:−RC(=N−N=Rf1)で表される基で置換されたフェニレン基;1−ベンゾフラン−2−イル基で置換されたベンゾチアゾール−4,7−ジイル基;5−(2−ブチル)−1−ベンゾフラン−2−イル基で置換されたベンゾチアゾール−4,7−ジイル基;4,6−ジメチル−1−ベンゾフラン−2−イル基で置換されたベンゾチアゾール−4,7−ジイル基;6−メチル−1−ベンゾフラン−2−イル基で置換されたベンゾチアゾール−4,7−ジイル基;4,6,7−トリメチル−1−ベンゾフラン−2−イル基で置換されたベンゾチアゾール−4,7−ジイル基;4,5,6−トリメチル−1−ベンゾフラン−2−イル基で置換されたベンゾチアゾール−4,7−ジイル基;5−メチル−1−ベンゾフラン−2−イル基で置換されたベンゾチアゾール−4,7−ジイル基;5−プロピル−1−ベンゾフラン−2−イル基で置換されたベンゾチアゾール−4,7−ジイル基;7−プロピル−1−ベンゾフラン−2−イル基で置換されたベンゾチアゾール−4,7−ジイル基;5−フルオロ−1−ベンゾフラン−2−イル基で置換されたベンゾチアゾール−4,7−ジイル基;フェニル基で置換されたベンゾチアゾール−4,7−ジイル基;4−フルオロフェニル基で置換されたベンゾチアゾール−4,7−ジイル基;4−ニトロフェニル基で置換されたベンゾチアゾール−4,7−ジイル基;4−トリフルオロメチルフェニル基で置換されたベンゾチアゾール−4,7−ジイル基;4−シアノフェニル基で置換されたベンゾチアゾール−4,7−ジイル基;4−メタンスルホニルフェニル基で置換されたベンゾチアゾール−4,7−ジイル基;チオフェン−2−イル基で置換されたベンゾチアゾール−4,7−ジイル基;チオフェン−3−イル基で置換されたベンゾチアゾール−4,7−ジイル基;5−メチルチオフェン−2−イル基で置換されたベンゾチアゾール−4,7−ジイル基;5−クロロチオフェン−2−イル基で置換されたベンゾチアゾール−4,7−ジイル基;チエノ[3,2−b]チオフェン−2−イル基で置換されたベンゾチアゾール−4,7−ジイル基;2−ベンゾチアゾリル基で置換されたベンゾチアゾール−4,7−ジイル基;4−ビフェニル基で置換されたベンゾチアゾール−4,7−ジイル基;4−プロピルビフェニル基で置換されたベンゾチアゾール−4,7−ジイル基;4−チアゾリル基で置換されたベンゾチアゾール−4,7−ジイル基;1−フェニルエチレン−2−イル基で置換されたベンゾチアゾール−4,7−ジイル基;4−ピリジル基で置換されたベンゾチアゾール−4,7−ジイル基;2−フリル基で置換されたベンゾチアゾール−4,7−ジイル基;ナフト[1,2−b]フラン−2−イル基で置換されたベンゾチアゾール−4,7−ジイル基;5−メトキシ−2−ベンゾチアゾリル基で置換された1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン−4,7−ジイル基;フェニル基で置換された1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン−4,7−ジイル基;4−ニトロフェニル基で置換された1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン−4,7−ジイル基;または、2−チアゾリル基で置換された1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン−4,7−ジイル基;等が挙げられる。ここで、RおよびRf1は、それぞれ独立して、後述するQと同じ意味を表す。Rは、後述するAと同じ意味を表し、Rは、後述するAと同じ意味を表す。
前記式(Ia)において、Y1a〜Y8aは、それぞれ独立して、化学的な単結合、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−O−C(=O)−NR−、−NR−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−NR−、−O−NR−、又は、−NR−O−を表す。ここで、Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
前記式(Ia)において、G1a及びG2aは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい、炭素数1〜20の二価の脂肪族基を表す。また、前記脂肪族基には、1つの脂肪族基当たり1以上の−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−NR−、又は、−C(=O)−が介在していてもよい。ただし、−O−又は−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く。ここで、Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
前記式(Ia)において、Z1a及びZ2aは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2〜10のアルケニル基を表す。
前記式(Ia)において、A2a及びA3aは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数3〜30の二価の脂環式炭化水素基を表す。
前記式(Ia)において、A4a及びA5aは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい、炭素数6〜30の二価の芳香族基を表す。
前記式(Ia)において、k及びlは、それぞれ独立に、0又は1を表す。
中でも、好適な具体例としては、下記式(I)で表される化合物が挙げられる。以下の説明において、式(I)で表される化合物を、適宜「化合物(I)」ということがある。
化合物(I)は、通常、下記式で表すように、基−Y−A−(Y−A−Y−A−Y−(A−Y−A−Y−からなる主鎖メソゲン1a、及び、基>A−C(Q)=N−N(A)Aからなる側鎖メソゲン1bの2つのメソゲン骨格を含む。また、これらの主鎖メソゲン1a及び側鎖メソゲン1bは、互いに交差している。上記の主鎖メソゲン1a及び側鎖メソゲン1bをあわせて1つのメソゲンとすることもできるが、本発明では、2つのメソゲンに分けて表記する。
主鎖メソゲン1aの長軸方向における屈折率をn1、側鎖メソゲン1bの長軸方向における屈折率をn2とする。この際、屈折率n1の絶対値及び波長分散性は、通常、主鎖メソゲン1aの分子構造に依存する。また、屈折率n2の絶対値及び波長分散性は、通常、側鎖メソゲン1bの分子構造に依存する。ここで、液晶相において液晶性化合物の分子は、主鎖メソゲン1aの長軸方向を回転軸として回転運動を行うので、ここでいう屈折率n1及びn2とは、回転体としての屈折率を表している。
主鎖メソゲン1a及び側鎖メソゲン1bの分子構造に由来して、屈折率n1の絶対値は屈折率n2の絶対値より大きい。さらに、屈折率n1及びn2は、通常、順波長分散性を示す。ここで、順波長分散性の屈折率とは、測定波長が大きいほど当該屈折率の絶対値が小さくなる屈折率を表す。主鎖メソゲン1aの屈折率n1は、小さい程度の順波長分散性を示す。よって、長波長で測定した屈折率n1は、短波長で測定した屈折率n1よりも小さくなるが、それらの差は小さい。これに対し、側鎖メソゲン1bの屈折率n2は、大きな程度の順波長分散性を示す。よって、長波長で測定した屈折率n2は、短波長で測定した屈折率n2よりも小さくなり、且つ、それらの差は大きい。そのため、測定波長が短いと屈折率n1と屈折率n2との差Δnは小さく、測定波長が長いと屈折率n1と屈折率n2との差Δnが大きくなる。このようにして、主鎖メソゲン1a及び側鎖メソゲン1bに由来して逆波長分散性の複屈折が発現できる。
前記式(I)において、Y〜Yは、それぞれ独立して、化学的な単結合、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−O−C(=O)−NR−、−NR−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−NR−、−O−NR−、又は、−NR−O−を表す。
ここで、Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
の炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−へキシル基が挙げられる。
としては、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
化合物(I)においては、Y〜Yは、それぞれ独立して、化学的な単結合、−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、又は、−O−C(=O)−O−であることが好ましい。
前記式(I)において、G及びGは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい、炭素数1〜20の二価の脂肪族基を表す。
炭素数1〜20の二価の脂肪族基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のアルケニレン基等の鎖状構造を有する二価の脂肪族基;炭素数3〜20のシクロアルカンジイル基、炭素数4〜20のシクロアルケンジイル基、炭素数10〜30の二価の脂環式縮合環基等の二価の脂肪族基;が挙げられる。
及びGの二価の脂肪族基の置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−へキシルオキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;が挙げられる。なかでも、フッ素原子、メトキシ基及びエトキシ基が好ましい。
また、前記脂肪族基には、1つの脂肪族基当たり1以上の−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−NR−、又は、−C(=O)−が介在していてもよい。ただし、−O−又は−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く。ここで、Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
前記脂肪族基に介在する基としては、−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−C(=O)−が好ましい。
これらの基が介在する脂肪族基の具体例としては、例えば、−CH−CH−O−CH−CH−、−CH−CH−S−CH−CH−、−CH−CH−O−C(=O)−CH−CH−、−CH−CH−C(=O)−O−CH−CH−、−CH−CH−C(=O)−O−CH−、−CH−O−C(=O)−O−CH−CH−、−CH−CH−NR−C(=O)−CH−CH−、−CH−CH−C(=O)−NR−CH−、−CH−NR−CH−CH−、−CH−C(=O)−CH−が挙げられる。
これらの中でも、本発明の所望の効果をより良好に発現させる観点から、G及びGは、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のアルケニレン基等の鎖状構造を有する二価の脂肪族基が好ましく、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基〔−(CH10−〕等の、炭素数1〜12のアルキレン基がより好ましく、テトラメチレン基〔−(CH−〕、ヘキサメチレン基〔−(CH−〕、オクタメチレン基〔−(CH−〕、及び、デカメチレン基〔−(CH10−〕が特に好ましい。
前記式(I)において、Z及びZは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2〜10のアルケニル基を表す。
該アルケニル基の炭素数としては、2〜6が好ましい。Z及びZのアルケニル基の置換基であるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられ、塩素原子が好ましい。
及びZの炭素数2〜10のアルケニル基の具体例としては、CH=CH−、CH=C(CH)−、CH=CH−CH−、CH−CH=CH−、CH=CH−CH−CH−、CH=C(CH)−CH−CH−、(CHC=CH−CH−、(CHC=CH−CH−CH−、CH=C(Cl)−、CH=C(CH)−CH−、CH−CH=CH−CH−が挙げられる。
なかでも、本発明の所望の効果をより良好に発現させる観点から、Z及びZとしては、それぞれ独立して、CH=CH−、CH=C(CH)−、CH=C(Cl)−、CH=CH−CH−、CH=C(CH)−CH−、又は、CH=C(CH)−CH−CH−が好ましく、CH=CH−、CH=C(CH)−、又は、CH=C(Cl)−がより好ましく、CH=CH−が特に好ましい。
前記式(I)において、Aは、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表す。「芳香環」は、Huckel則に従う広義の芳香族性を有する環状構造、すなわち、π電子を(4n+2)個有する環状共役構造、及びチオフェン、フラン、ベンゾチアゾール等に代表される、硫黄、酸素、窒素等のヘテロ原子の孤立電子対がπ電子系に関与して芳香族性を示す環状構造を意味する。
の、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基は、芳香環を複数個有するものであってもよく、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環の両方を有するものであってもよい。
前記芳香族炭化水素環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等が挙げられる。前記芳香族複素環としては、ピロール環、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環等の単環の芳香族複素環;ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、キノリン環、フタラジン環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾピラゾール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、チアゾロピリジン環、オキサゾロピリジン環、チアゾロピラジン環、オキサゾロピラジン環、チアゾロピリダジン環、オキサゾロピリダジン環、チアゾロピリミジン環、オキサゾロピリミジン環等の縮合環の芳香族複素環;が挙げられる。
が有する芳香環は置換基を有していてもよい。かかる置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;シアノ基;メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基、アリル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;トリフルオロメチル基等の炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基;ジメチルアミノ基等の置換アミノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;ニトロ基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;−C(=O)−R;−C(=O)−OR;−SO;等が挙げられる。ここで、Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、又は、炭素数3〜12のシクロアルキル基を表し、Rは、後述するRと同様の、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、フェニル基、又は、4−メチルフェニル基を表す。
また、Aが有する芳香環は、同一又は相異なる置換基を複数有していてもよく、隣り合った二つの置換基が一緒になって結合して環を形成していてもよい。形成される環は単環であってもよく、縮合多環であってもよく、不飽和環であってもよく、飽和環であってもよい。
さらに、Aの炭素数2〜30の有機基の「炭素数」は、置換基の炭素原子を含まない有機基全体の総炭素数を意味する(後述するAにて同じである。)。
の、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基としては、例えば、芳香族炭化水素環基;芳香族複素環基;芳香族炭化水素環及び複素環の組み合わせを含む基;芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数3〜30のアルキル基;芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数4〜30のアルケニル基;芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数4〜30のアルキニル基;が挙げられる。
の好ましい具体例を以下に示す。但し、Aは以下に示すものに限定されるものではない。なお、下記式中、「−」は環の任意の位置からのびる結合手を表す(以下にて同じである。)。
(1)芳香族炭化水素環基
(2)芳香族複素環基
上記式中、Eは、NR6a、酸素原子又は硫黄原子を表す。ここで、R6aは、水素原子;又は、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基を表す。
上記式中、X及びYは、それぞれ独立して、NR、酸素原子、硫黄原子、−SO−、又は、−SO−を表す(ただし、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO−が、それぞれ隣接する場合を除く。)。Rは、前記R6aと同様の、水素原子;又は、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基を表す。
(上記式中、Xは前記と同じ意味を表す。)
〔各式中、Xは、−CH−、−NR−、酸素原子、硫黄原子、−SO−または−SO−を表し、Eは、−NR−、酸素原子または硫黄原子を表す。ここで、Rは、水素原子、または、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基を表す。(但し、各式中において酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO−は、それぞれ隣接しないものとする。)〕
(3)芳香族炭化水素環及び複素環の組み合わせを含む基
(上記式中、X、及びYは、それぞれ独立して、前記と同じ意味を表す。また、上記式中、Zは、NR、酸素原子、硫黄原子、−SO−、又は、−SO−を表す(ただし、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO−が、それぞれ隣接する場合を除く。)。)
(4)芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、アルキル基
(5)芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、アルケニル基
(6)芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、アルキニル基
上記したAの中でも、炭素数6〜30の芳香族炭化水素環基、炭素数4〜30の芳香族複素環基、又は、芳香族炭化水素環及び複素環の組み合わせを含む炭素数4〜30の基であることが好ましく、下記に示すいずれかの基であることがより好ましい。
さらに、Aは、下記に示すいずれかの基であることが更に好ましい。
が有する環は、置換基を有していてもよい。かかる置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;シアノ基;メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基、アリル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;トリフルオロメチル基等の炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基;ジメチルアミノ基等の置換アミノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;ニトロ基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;−C(=O)−R;−C(=O)−OR;−SO;が挙げられる。ここでRは、メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;又は、フェニル基等の炭素数6〜14のアリール基;を表す。なかでも、置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基、及び炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。
が有する環は、同一又は相異なる置換基を複数有していてもよく、隣り合った二つの置換基が一緒になって結合して環を形成していてもよい。形成される環は、単環であってもよく、縮合多環であってもよい。
の炭素数2〜30の有機基の「炭素数」は、置換基の炭素原子を含まない有機基全体の総炭素数を意味する(後述するAにて同じである。)。
前記式(I)において、Aは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルキニル基、−C(=O)−R、−SO−R、−C(=S)NH−R、又は、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表す。ここで、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基、又は、炭素数5〜12の芳香族炭化水素環基を表す。Rは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、フェニル基、又は、4−メチルフェニル基を表す。Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基、又は、置換基を有していてもよい炭素数5〜20の芳香族基を表す。
の、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基の炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、1−メチルペンチル基、1−エチルペンチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基が挙げられる。置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基の炭素数は、1〜12であることが好ましく、4〜10であることが更に好ましい。
の、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基の炭素数2〜20のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基が挙げられる。置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基の炭素数は、2〜12であることが好ましい。
の、置換基を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基の炭素数3〜12のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基が挙げられる。
の、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルキニル基の炭素数2〜20のアルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロピニル基、2−プロピニル基(プロパルギル基)、ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、ペンチニル基、2−ペンチニル基、ヘキシニル基、5−ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、2−オクチニル基、ノナニル基、デカニル基、7−デカニル基が挙げられる。
の、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、及び置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基の置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;シアノ基;ジメチルアミノ基等の置換アミノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜20のアルコキシ基;メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基等の、炭素数1〜12のアルコキシ基で置換された炭素数1〜12のアルコキシ基;ニトロ基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3〜8のシクロアルキル基;シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の炭素数3〜8のシクロアルキルオキシ基;テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、ジオキソラニル基、ジオキサニル基等の炭素数2〜12の環状エーテル基;フェノキシ基、ナフトキシ基等の炭素数6〜14のアリールオキシ基;トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、−CHCF等の、少なくとも1個がフッ素原子で置換された炭素数1〜12のフルオロアルコキシ基;ベンゾフリル基;ベンゾピラニル基;ベンゾジオキソリル基;ベンゾジオキサニル基;−C(=O)−R7a;−C(=O)−OR7a;−SO8a;−SR10;−SR10で置換された炭素数1〜12のアルコキシ基;水酸基;が挙げられる。ここで、R7a及びR10は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、又は、炭素数6〜12の芳香族炭化水素環基を表す。R8aは、前記Rと同様の、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、フェニル基、又は、4−メチルフェニル基を表す。
の、置換基を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基の置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;シアノ基;ジメチルアミノ基等の置換アミノ基;メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;ニトロ基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3〜8のシクロアルキル基;−C(=O)−R7a;−C(=O)−OR7a;−SO8a;水酸基;が挙げられる。ここでR7a及びR8aは、前記と同じ意味を表す。
の、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルキニル基の置換基としては、例えば、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、及び、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基の置換基と同様な置換基が挙げられる。
の、−C(=O)−Rで表される基において、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基、又は、炭素数5〜12の芳香族炭化水素環基を表す。これらの具体例は、前記Aの、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、及び、置換基を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基;並びに、前記Aで説明した芳香族炭化水素環基のうち炭素数が5〜12のものの例として挙げたものと同様のものが挙げられる。
の、−SO−Rで表される基において、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、フェニル基、又は、4−メチルフェニル基を表す。Rの、炭素数1〜20のアルキル基、及び炭素数2〜20のアルケニル基の具体例は、前記Aの、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基の例として挙げたものと同様のものが挙げられる。
の、−C(=S)NH−Rで表される基において、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基、又は、置換基を有していてもよい炭素数5〜20の芳香族基を表す。これらの具体例は、前記Aの、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基;並びに、前記Aで説明した芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基等の芳香族基のうち炭素数が5〜20のものの例として挙げたものと同様のものが挙げられる。
の、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基としては、前記Aで説明したのと同様のものが挙げられる。
これらの中でも、Aとしては、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルキニル基、−C(=O)−R、−SO−R、又は、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基で表される基が好ましい。さらに、Aとしては、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルキニル基、置換基を有してもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素環基、置換基を有していてもよい炭素数3〜9の芳香族複素環基、置換基を有していてもよく芳香族炭化水素環及び複素環の組み合わせを含む炭素数3〜9の基、−C(=O)−R、−SO−Rで表される基が更に好ましい。ここで、R及びRは、前記と同じ意味を表す。
の、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルキニル基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基で置換された炭素数1〜12のアルコキシ基、フェニル基、シクロヘキシル基、炭素数2〜12の環状エーテル基、炭素数6〜14のアリールオキシ基、水酸基、ベンゾジオキサニル基、フェニルスルホニル基、4−メチルフェニルスルホニル基、ベンゾイル基、−SR10が好ましい。ここで、R10は前記と同じ意味を表す。
の、置換基を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素環基、置換基を有していてもよい炭素数3〜9の芳香族複素環基、置換基を有していてもよく芳香族炭化水素環及び複素環の組み合わせを含む炭素数3〜9の基の置換基としては、フッ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、シアノ基が好ましい。
また、AとAは、一緒になって、環を形成していてもよい。かかる環としては、例えば、置換基を有していてもよい、炭素数4〜30の不飽和複素環、炭素数6〜30の不飽和炭素環が挙げられる。
前記炭素数4〜30の不飽和複素環、及び、炭素数6〜30の不飽和炭素環は、特に制約はなく、芳香族性を有していても有していなくてもよい。
とAが一緒になって形成される環としては、例えば、下記に示す環が挙げられる。なお、下記に示す環は、式(I)中の
として表される部分を示すものである。
(式中、X、Y、Zは、前記と同じ意味を表す。)
また、これらの環は置換基を有していてもよい。かかる置換基としては、Aが有する芳香環の置換基として説明したのと同様のものが挙げられる。
とAに含まれるπ電子の総数は、本発明の所望の効果をより良好に発現させる観点から、好ましくは4以上、より好ましくは6以上であり、好ましくは24以下、より好ましくは20以下、特に好ましくは18以下である。
とAの好ましい組み合わせとしては、下記の組み合わせ(α)及び組み合わせ(β)が挙げられる。
(α)Aが炭素数4〜30の、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基、又は、芳香族炭化水素環及び複素環の組み合わせを含む基であり、Aが水素原子、炭素数3〜8のシクロアルキル基、(ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、若しくは炭素数3〜8のシクロアルキル基)を置換基として有していてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素環基、(ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、シアノ基)を置換基として有していてもよい炭素数3〜9の芳香族複素環基、(ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、シアノ基)を置換基として有していてもよく芳香族炭化水素環及び複素環の組み合わせを含む炭素数3〜9の基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルケニル基、又は、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルキニル基であり、当該置換基が、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基で置換された炭素数1〜12のアルコキシ基、フェニル基、シクロヘキシル基、炭素数2〜12の環状エーテル基、炭素数6〜14のアリールオキシ基、水酸基、ベンゾジオキサニル基、ベンゼンスルホニル基、ベンゾイル基及び−SR10のいずれかである組み合わせ。
(β)AとAが一緒になって不飽和複素環又は不飽和炭素環を形成している組み合わせ。
ここで、R10は前記と同じ意味を表す。
とAのより好ましい組み合わせとしては、下記の組み合わせ(γ)が挙げられる。
(γ)Aが下記構造を有する基のいずれかであり、Aが水素原子、炭素数3〜8のシクロアルキル基、(ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、若しくは炭素数3〜8のシクロアルキル基)を置換基として有していてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素環基、(ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、シアノ基)を置換基として有していてもよい炭素数3〜9の芳香族複素環基、(ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、シアノ基)を置換基として有していてもよく芳香族炭化水素環及び複素環の組み合わせを含む炭素数3〜9の基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルケニル基、又は、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルキニル基であり、当該置換基が、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基で置換された炭素数1〜12のアルコキシ基、フェニル基、シクロヘキシル基、炭素数2〜12の環状エーテル基、炭素数6〜14のアリールオキシ基、水酸基、ベンゾジオキサニル基、ベンゼンスルホニル基、ベンゾイル基、−SR10のいずれかである組み合わせ。ここで、R10は前記と同じ意味を表す。
(式中、X、Yは、前記と同じ意味を表す。)
とAの特に好ましい組み合わせとしては、下記の組み合わせ(δ)が挙げられる。
(δ)Aが下記構造を有する基のいずれかであり、Aが水素原子、炭素数3〜8のシクロアルキル基、(ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、若しくは炭素数3〜8のシクロアルキル基)を置換基として有していてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素環基、(ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、シアノ基)を置換基として有していてもよい炭素数3〜9の芳香族複素環基、(ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、シアノ基)を置換基として有していてもよく芳香族炭化水素環及び複素環の組み合わせを含む炭素数3〜9の基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルケニル基、又は、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルキニル基であり、当該置換基が、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基で置換された炭素数1〜12のアルコキシ基、フェニル基、シクロヘキシル基、炭素数2〜12の環状エーテル基、炭素数6〜14のアリールオキシ基、水酸基、ベンゾジオキサニル基、ベンゼンスルホニル基、ベンゾイル基、及び、−SR10のいずれかである組み合わせ。下記式中、Xは前記と同じ意味を表す。ここで、R10は前記と同じ意味を表す。
前記式(I)において、Aは、置換基を有していてもよい三価の芳香族基を表す。三価の芳香族基としては、三価の炭素環式芳香族基であってもよく、三価の複素環式芳香族基であってもよい。本発明の所望の効果をより良好に発現させる観点から、三価の炭素環式芳香族基が好ましく、三価のベンゼン環基又は三価のナフタレン環基がより好ましく、下記式に示す三価のベンゼン環基又は三価のナフタレン環基がさらに好ましい。なお、下記式においては、結合状態をより明確にすべく、置換基Y、Yを便宜上記載している(Y、Yは、前記と同じ意味を表す。以下にて同じ。)。
これらの中でも、Aとしては、下記に示す式(A11)〜(A25)で表される基がより好ましく、式(A11)、(A13)、(A15)、(A19)、(A23)で表される基がさらに好ましく、式(A11)、(A23)で表される基が特に好ましい。
の、三価の芳香族基が有していてもよい置換基としては、前記Aの芳香環の置換基として説明したのと同様のものが挙げられる。Aとしては、置換基を有さないものが好ましい。
前記式(I)において、A及びAは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数3〜30の二価の脂環式炭化水素基を表す。炭素数3〜30の二価の脂環式炭化水素基としては、例えば、炭素数3〜30のシクロアルカンジイル基、炭素数10〜30の二価の脂環式縮合環基が挙げられる。
炭素数3〜30のシクロアルカンジイル基としては、例えば、シクロプロパンジイル基;シクロブタン−1,2−ジイル基、シクロブタン−1,3−ジイル基等のシクロブタンジイル基;シクロペンタン−1,2−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基等のシクロペンタンジイル基;シクロヘキサン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基等のシクロへキサンジイル基;シクロヘプタン−1,2−ジイル基、シクロヘプタン−1,3−ジイル基、シクロヘプタン−1,4−ジイル基等のシクロへプタンジイル基;シクロオクタン−1,2−ジイル基、シクロオクタン−1,3−ジイル基、シクロオクタン−1,4−ジイル基、シクロオクタン−1,5−ジイル基等のシクロオクタンジイル基;シクロデカン−1,2−ジイル基、シクロデカン−1,3−ジイル基、シクロデカン−1,4−ジイル基、シクロデカン−1,5−ジイル基等のシクロデカンジイル基;シクロドデカン−1,2−ジイル基、シクロドデカン−1,3−ジイル基、シクロドデカン−1,4−ジイル基、シクロドデカン−1,5−ジイル基等のシクロドデカンジイル基;シクロテトラデカン−1,2−ジイル基、シクロテトラデカン−1,3−ジイル基、シクロテトラデカン−1,4−ジイル基、シクロテトラデカン−1,5−ジイル基、シクロテトラデカン−1,7−ジイル基等のシクロテトラデカンジイル基;シクロエイコサン−1,2−ジイル基、シクロエイコサン−1,10−ジイル基等のシクロエイコサンジイル基;が挙げられる。
炭素数10〜30の二価の脂環式縮合環基としては、例えば、デカリン−2,5−ジイル基、デカリン−2,7-ジイル基等のデカリンジイル基;アダマンタン−1,2−ジイル基、アダマンタン−1,3−ジイル基等のアダマンタンジイル基;ビシクロ[2.2.1]へプタン−2,3−ジイル基、ビシクロ[2.2.1]へプタン−2,5-ジイル基、ビシクロ[2.2.1]へプタン−2,6−ジイル基等のビシクロ[2.2.1]へプタンジイル基;が挙げられる。
これらの二価の脂環式炭化水素基は、任意の位置に置換基を有していてもよい。置換基としては、前記Aの芳香環の置換基として説明したものと同様のものが挙げられる。
これらの中でも、A及びAとしては、炭素数3〜12の二価の脂環式炭化水素基が好ましく、炭素数3〜12のシクロアルカンジイル基がより好ましく、下記式(A31)〜(A34)で表される基がさらに好ましく、下記式(A32)で表される基が特に好ましい。
前記炭素数3〜30の二価の脂環式炭化水素基は、Y及びY(又はY及びY)と結合する炭素原子の立体配置の相違に基づく、シス型及びトランス型の立体異性体が存在しうる。例えば、シクロヘキサン−1,4−ジイル基の場合には、下記に示すように、シス型の異性体(A32a)とトランス型の異性体(A32b)が存在し得る。
前記炭素数3〜30の二価の脂環式炭化水素基は、シス型であってもよく、トランス型であってもよく、シス型及びトランス型の異性体混合物であってもよい。中でも、配向性が良好であることから、トランス型あるいはシス型であるのが好ましく、トランス型がより好ましい。
前記式(I)において、A及びAは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい、炭素数6〜30の二価の芳香族基を表す。A及びAの芳香族基は、単環のものであっても、多環のものであってもよい。A及びAの好ましい具体例としては、下記のものが挙げられる。
上記A及びAの二価の芳香族基は、任意の位置に置換基を有していてもよい。当該置換基としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ニトロ基、−C(=O)−OR8b基;が挙げられる。ここでR8bは、炭素数1〜6のアルキル基である。なかでも、置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基が好ましい。また、ハロゲン原子としては、フッ素原子がより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基がより好ましく、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基がより好ましい。
これらの中でも、本発明の所望の効果をより良好に発現させる観点から、A及びAは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい、下記式(A41)、(A42)又は(A43)で表される基がより好ましく、置換基を有していてもよい式(A41)で表される基が特に好ましい。
前記式(I)において、Qは、水素原子、又は、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基としては、前記Aで説明した置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基のうち、炭素数が1〜6のものが挙げられる。これらの中でも、Qは、水素原子及び炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、水素原子及びメチル基がより好ましい。
前記式(I)において、m及びnは、それぞれ独立に、0又は1を表す。中でも、mは好ましくは1であり、また、nは好ましくは1である。
化合物(I)は、例えば、下記に示す反応により製造しうる。
(式中、Y〜Y、G、G、Z、Z、A、A、A〜A、Q、m及びnは、前記と同じ意味を表す。)
前記の反応式に示したように、式(3)で表されるヒドラジン化合物と式(4)で表されるカルボニル化合物とを反応させることにより、化合物(I)を製造することができる。以下、式(3)で表されるヒドラジン化合物を、適宜「ヒドラジン化合物(3)」ということがある。また、式(4)で表されるカルボニル化合物を、適宜「カルボニル化合物(4)」ということがある。
前記の反応において、「ヒドラジン化合物(3):カルボニル化合物(4)」のモル比は、好ましくは1:2〜2:1、より好ましくは1:1.5〜1.5:1である。このようなモル比で反応させることにより、高選択的かつ高収率で、目的とする化合物(I)を製造できる。
この場合、反応系は、(±)−10−カンファースルホン酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸;塩酸、硫酸等の無機酸;等の酸触媒を含んでいてもよい。酸触媒を用いることで、反応時間が短縮され、収率が向上する場合がある。酸触媒の量は、カルボニル化合物(4)1モルに対して、通常0.001モル〜1モルである。また、酸触媒は、反応系にそのまま配合してもよく、適切な溶液に溶解させた溶液として配合してもよい。
この反応に用いる溶媒としては、反応に不活性なものを用いうる。溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル等のエステル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄系溶媒;及びこれらの2種以上からなる混合溶媒;等が挙げられる。これらの中でも、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、及び、アルコール系溶媒とエーテル系溶媒の混合溶媒が好ましい。
溶媒の使用量は、特に限定されず、用いる化合物の種類及び反応規模等を考慮して設定しうる。溶媒の具体的な使用量は、ヒドラジン化合物(3)1gに対し、通常1g〜100gである。
反応は、通常、−10℃以上、用いる溶媒の沸点以下の温度範囲で、円滑に進行しうる。各反応の反応時間は、反応規模によるが、通常、数分から数時間である。
ヒドラジン化合物(3)は、次のようにして製造しうる。
(式中、A及びAは、前記と同じ意味を表す。Xは、ハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基等の脱離基を表す。)
前記の反応式に示したように、式(2a)で表される化合物とヒドラジン(1)とを、適切な溶媒中で反応させることで、対応するヒドラジン化合物(3a)を得ることができる。この反応における「化合物(2a):ヒドラジン(1)」のモル比は、好ましくは1:1〜1:20、より好ましくは1:2〜1:10である。さらに、ヒドラジン化合物(3a)と式(2b)で表される化合物とを反応させることで、ヒドラジン化合物(3)を得ることができる。
ヒドラジン(1)としては、通常1水和物のものを用いうる。ヒドラジン(1)は、市販品をそのまま使用することができる。
この反応に用いる溶媒としては、反応に不活性なものを用いうる。溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄系溶媒;及びこれらの2種以上からなる混合溶媒;が挙げられる。これらの中でも、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、及び、アルコール系溶媒とエーテル系溶媒の混合溶媒が好ましい。
溶媒の使用量は、特に限定されず、用いる化合物の種類及び反応規模等を考慮して設定しうる。溶媒の具体的な使用量は、ヒドラジン1gに対し、通常1g〜100gである。
反応は、通常、−10℃以上、用いる溶媒の沸点以下の温度範囲で、円滑に進行しうる。各反応の反応時間は、反応規模によるが、通常、数分から数時間である。
また、ヒドラジン化合物(3)は、次のように、公知の方法を用いて、ジアゾニウム塩(5)を還元することによっても製造しうる。
式(5)中、A及びAは、前記と同じ意味を表す。Xb−は、ジアゾニウムに対する対イオンである陰イオンを示す。Xb−としては、例えば、ヘキサフルオロリン酸イオン、ホウフッ化水素酸イオン、塩化物イオン、硫酸イオン等の無機陰イオン;ポリフルオロアルキルカルボン酸イオン、ポリフルオロアルキルスルホン酸イオン、テトラフェニルホウ酸イオン、芳香族カルボン酸イオン、芳香族スルホン酸イオン等の有機陰イオン;が挙げられる。
上記反応に用いる還元剤としては、例えば金属塩還元剤が挙げられる。金属塩還元剤とは、一般に、低原子価金属を含む化合物、もしくは金属イオンとヒドリド源からなる化合物である(「有機合成実験法ハンドブック」1990年社団法人有機合成化学協会編 丸善株式会社発行810ページを参照)。
金属塩還元剤としては、例えば、NaAlH、NaAlH(Or)(p及びqは、それぞれ独立して1〜3の整数を表し、p+q=4である。rは、炭素数1〜6のアルキル基を表す。)、LiAlH、iBuAlH、LiBH、NaBH、SnCl、CrCl、TiClが挙げられる。ここで「iBu」は、イソブチル基を表す。
還元反応においては公知の反応条件を採用しうる。例えば、特開2005−336103号公報、新実験化学講座 1978年 丸善株式会社発行 14巻、実験化学講座 1992年 丸善株式会社発行 20巻、等の文献に記載の条件で反応を行いうる。
また、ジアゾニウム塩(5)は、アニリン等の化合物から常法により製造しうる。
カルボニル化合物(4)は、例えば、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−C(=O)−O−、−O−C(=O)−)、カーボネート結合(−O−C(=O)−O−)及びアミド結合(−C(=O)−NH−、−NH−C(=O)−)の形成反応を任意に組み合わせて、所望の構造を有する複数の公知化合物を適切に結合及び修飾することにより、製造しうる。
エーテル結合の形成は、以下のようにして行いうる。
(i)式:D1−hal(halはハロゲン原子を表す。以下にて同じ。)で表される化合物と、式:D2−OMet(Metはアルカリ金属(主にナトリウム)を表す。以下にて同じ。)で表される化合物とを、混合して縮合させる(ウイリアムソン合成)。なお、式中、D1及びD2は任意の有機基を表す(以下にて同じ。)。
(ii)式:D1−halで表される化合物と、式:D2−OHで表される化合物とを、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基存在下、混合して縮合させる。
(iii)式:D1−J(Jはエポキシ基を表す。)で表される化合物と、式:D2−OHで表される化合物とを、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基存在下、混合して縮合させる。
(iv)式:D1−OFN(OFNは不飽和結合を有する基を表す。)で表される化合物と、式:D2−OMetで表される化合物とを、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基存在下、混合して付加反応させる。
(v)式:D1−halで表される化合物と、式:D2−OMetで表される化合物とを、銅あるいは塩化第一銅の存在下、混合して縮合させる(ウルマン縮合)。
エステル結合及びアミド結合の形成は、以下のようにして行いうる。
(vi)式:D1−COOHで表される化合物と、式:D2−OH又はD2−NHで表される化合物とを、脱水縮合剤(N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド等)の存在下に脱水縮合させる。
(vii)式:D1−COOHで表される化合物にハロゲン化剤を作用させることにより、式:D1−CO−halで表される化合物を得て、このものと式:D2−OH又はD2−NHで表される化合物とを、塩基の存在下に反応させる。
(viii)式:D1−COOHで表される化合物に酸無水物を作用させることにより、混合酸無水物を得た後、このものと式:D2−OH又はD2−NHで表される化合物とを反応させる。
(ix)式:D1−COOHで表される化合物と、式:D2−OH又はD2−NHで表される化合物とを、酸触媒あるいは塩基触媒の存在下に脱水縮合させる。
カルボニル化合物(4)は、より具体的には、下記反応式に示す方法により製造しうる。
(式中、Y〜Y、G、G、Z、Z、A〜A、Q、m及びnは、前記と同じ意味を表す。L及びLは、それぞれ独立に、水酸基、ハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基等の脱離基を表す。−Y1bは、−Lと反応して−Y−となりうる基を表し、−Y2bは、−Lと反応して−Y−となりうる基を表す。)
前記の反応式に示したように、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−C(=O)−O−、−O−C(=O)−)、又は、カーボネート結合(−O−C(=O)−O−)の形成反応を用いることにより、式(6d)で表される化合物に、式(7a)で表される化合物、次いで、式(7b)で表される化合物を反応させて、カルボニル化合物(4)を製造することができる。
具体例として、Yが、式:Y11−C(=O)−O−で表される基であり、且つ、式:Z−Y−G−Y−A−(Y−A−Y−で表される基が、式:Z−Y−G−Y−A−(Y−A−Y−で表される基と同一である、化合物(4’)の製造方法を以下に示す。
(式中、Y、Y、Y、G、Z、A、A、A、Q、n及びLは、前記と同じ意味を表す。Y11は、Y11−C(=O)−O−がYとなる基を表す。Yは前記と同じ意味を表す。)
前記の反応式に示したように、式(6)で表されるジヒドロキシ化合物(化合物(6))と式(7)で表される化合物(化合物(7))とを反応させることにより、化合物(4’)を製造し得る。この反応における「化合物(6):化合物(7)」のモル比は、好ましくは1:2〜1:4、より好ましくは1:2〜1:3である。このようなモル比で反応させることにより、高選択的かつ高収率で目的とする化合物(4’)を得ることができる。
化合物(7)が、Lが水酸基である化合物(カルボン酸)である場合には、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、ジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水縮合剤の存在下に反応させることにより、目的物を得ることができる。脱水縮合剤の使用量は、化合物(7)1モルに対し、通常1モル〜3モルである。
また、化合物(7)が、Lが水酸基である化合物(カルボン酸)である場合には、メタンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリド等のスルホニルハライド、及びトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン等の塩基の存在下に反応させることによっても、目的物を得ることができる。スルホニルハライドの使用量は、化合物(7)1モルに対し、通常1モル〜3モルである。また、塩基の使用量は、化合物(7)1モルに対し、通常1モル〜3モルである。この場合、前記式(7)中、Lがスルホニルオキシ基の化合物(混合酸無水物)を単離して、次の反応を行ってもよい。
さらに、化合物(7)が、Lがハロゲン原子である化合物(酸ハライド)である場合には、塩基の存在下に反応させることにより、目的物を得ることができる。塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基;水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(7)1モルに対し、通常1モル〜3モルである。
上記反応に用いる溶媒としては、例えば、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶媒;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等のアミド系溶媒;1,4−ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン等のエーテル溶媒;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素系溶媒;及びこれらの溶媒の2種以上からなる混合溶媒;等が挙げられる。
溶媒の使用量は、特に限定されず、用いる化合物の種類及び反応規模等を考慮して設定しうる。溶媒の具体的な使用量は、ヒドロキシ化合物(6)1gに対し、通常1g〜50gである。
化合物(6)の多くは公知物質であり、公知の方法により製造しうる。例えば、下記反応式に示す方法により製造しうる(国際公開第2009/042544号、及び、The Journal of Organic Chemistry,2011,76,8082−8087等参照。)。化合物(6)として市販されているものを、所望により精製して用いてもよい。
(式中、A及びQは、前記と同じ意味を表し、A1bは、ホルミル化又はアシル化されることによりAになりうる2価の芳香族基を表し、R’は、メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、メトキシメチル基等の炭素数2〜6のアルコキシアルキル基等の、水酸基の保護基を表す。)
前記の反応式に示したように、式(6a)で表されるジヒドロキシ化合物(1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジヒドロキシナフタレン等)の水酸基をアルキル化して、式(6b)で表される化合物を得る。その後、OR’基のオルト位を、公知の方法により、ホルミル化又はアシル化することにより、式(6c)で表される化合物を得る。そして、このものを脱保護(脱アルキル化)することにより、目的とする化合物(6)を製造しうる。
また、化合物(6)として、市販されているものをそのまま、又は所望により精製して用いてもよい。
化合物(7)の多くは公知化合物であり、例えば、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−C(=O)−O−、−O−C(=O)−)、カーボネート結合(−O−C(=O)−O−)及びアミド結合(−C(=O)−NH−、−NH−C(=O)−)の形成反応を任意に組み合わせて、所望の構造を有する複数の公知化合物を適切に結合及び修飾することにより、製造しうる。
例えば、化合物(7)が、下記式(7’)で表される化合物(化合物(7’))である場合には、式(9’)で表されるジカルボン酸(化合物(9’))を用いて、下記のようにして製造することができる。
(式中、Y、Y、G、Z、A、A及びY11は、前記と同じ意味を表す。Y12は、−O−C(=O)−Y12がYとなる基を表す。Rは、メチル基、エチル基等のアルキル基;フェニル基、p−メチルフェニル基等の置換基を有していてもよいアリール基;を表す。)
先ず、化合物(9’)に、式(10)で表されるスルホニルクロライドを、トリエチルアミン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン等の塩基存在下で反応させる。次いで、反応混合物に、化合物(8)と、トリエチルアミン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン等の塩基を加えて反応を行う。
スルホニルクロライドの使用量は、化合物(9’)1当量に対して、通常0.5当量〜0.7当量である。
また、化合物(8)の使用量は、化合物(9’)1当量に対して、通常0.5当量〜0.6当量である。
塩基の使用量は、化合物(9’)1当量に対して、通常0.5当量〜0.7当量である。
反応温度は、20℃〜30℃であり、反応時間は反応規模等にもよるが、数分から数時間である。
上記反応に用いる溶媒としては、前記化合物(4’)を製造する際に用いうる溶媒として例示したものが挙げられる。なかでも、エーテル溶媒が好ましい。
溶媒の使用量は、特に限定されず、用いる化合物の種類及び反応規模等を考慮して設定しうる。溶媒の具体的な使用量は、化合物(9’)1gに対し、通常1g〜50gである。
いずれの反応においても、反応終了後は、有機合成化学における通常の後処理操作を行いうる。また、所望により、カラムクロマトグラフィー、再結晶法、蒸留法等の公知の分離精製法を施すことにより、目的物を単離しうる。
目的とする化合物の構造は、NMRスペクトル、IRスペクトル、マススペクトル等の測定、元素分析等により、同定できる。
[3.第二液晶性化合物]
第二液晶性化合物は、第一液晶性化合物以外の化合物であって、磁場応答性を有する液晶性化合物である。ここで、磁場応答性を有する液晶性化合物とは、液晶化温度において磁界を印加された場合に、その磁界によって配向状態が変化できる化合物である。液晶性化合物が磁場応答性を有するか否かは、その分子構造から判定することは難しいが、下記の方法で判定できる。
試料としての液晶性化合物を、無配向状態で加温して、液晶相にする。この加温された液晶性化合物を偏光顕微鏡のステージに設置し、クロスニコル下で観察を行い、像を観察する。
その後、加温を続けながら、ステージに平行な水平方向の磁界を、前記の液晶性化合物に対して印加する。この際の磁界の磁束密度は、液晶硬化フィルムの製造方法において液晶性化合物を配向させる工程で液晶組成物の層に印加する磁界の磁束密度と同じに設定する。そして、磁界の印加を続けた状態で、液晶性化合物を観察する。磁界の印加後に観察される液晶性化合物の像が、磁界を印加する前の無配向状態の像と異なる場合、磁場応答性が有ると判定できる。また、磁界の印加後に観察される液晶性化合物の像が、磁界を印加する前の無配向状態の像と同じである場合、磁場応答性が無いと判定できる。
第二液晶性化合物としては、逆波長分散性の複屈折を発現できない液晶性化合物を通常は用い、例えば、順分散液晶性化合物を用いてもよい。ここで、前記の順分散液晶性化合物とは、順波長分散性の複屈折を発現できる液晶性化合物をいう。順波長分散性の複屈折を発現できる液晶性化合物とは、当該液晶性化合物の層を形成し、その層において液晶性化合物を配向させた場合に、順波長分散性の複屈折を発現する液晶性化合物をいう。通常は、液晶性化合物をホモジニアス配向させた場合に、液晶性化合物の層が順波長分散性の複屈折を示すかどうかを調べることで、その液晶性化合物が順波長分散性の複屈折を発現するかどうかを確認できる。
また、順波長分散性の複屈折とは、波長450nmにおける複屈折ΔN(450)及び波長550nmにおける複屈折ΔN(550)が、下記式(N2)を満たす複屈折をいう。このような順波長分散性の複屈折を発現できる液晶性化合物は、通常、測定波長が長いほど、小さい複屈折を発現できる。
ΔN(450)>ΔN(550) (N2)
第二液晶性化合物の分子量は、好ましくは1000以下、より好ましくは800以下、特に好ましくは600以下である。第二液晶性化合物の分子量が、前記のように小さいことにより、所望の液晶硬化層を安定して得ることができる。分子量の下限は、特段の制限は無いが、好ましくは100以上である。
第二液晶性化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
第二液晶性化合物としては、例えば、下記のものが挙げられる。
第一液晶性化合物及び第二液晶性化合物の合計100重量部に対する第二液晶性化合物の量は、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは1重量部以上、特に好ましくは3重量部以上であり、好ましくは40重量部以下、より好ましくは30重量部以下、特に好ましくは20重量部以下である。第二液晶性化合物の量を前記の範囲に収めることにより、液晶性化合物の分子のチルト角が厚み方向において不連続に異なり、且つ、配向欠陥の少ない液晶硬化層を、容易に得ることができる。
[4.液晶組成物が含みうる任意の成分]
液晶組成物は、第一液晶性化合物及び第二液晶性化合物以外に、更に任意の成分を含んでいてもよい。これらの任意の成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
液晶組成物は、例えば、界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤の中でも、所望の液晶硬化層を安定して得る観点から、分子中にフッ素原子を含む界面活性剤が好ましい。以下の説明において、分子中にフッ素原子を含む界面活性剤を、適宜「フッ素系界面活性剤」ということがある。フッ素系界面活性剤は、フルオロアルキル基を含んでいてもよい。このフルオロアルキル基としては、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、パーフルオロアルキル基が好ましく、特に−C13基が好ましい。
界面活性剤はノニオン系界面活性剤であることが好ましい。界面活性剤がイオン性基を含まないノニオン系界面活性剤である場合に、液晶硬化層の面状態及び配向性を、特に良好にすることができる。
界面活性剤は、重合性を有さなくてもよく、重合性を有していてもよい。重合性を有する界面活性剤は、液晶組成物の層を硬化させる工程で重合できるので、通常は、液晶硬化層においては重合体の分子の一部に含まれる。
界面活性剤としては、例えば、AGCセイミケミカル社製のサーフロンシリーズ(S420など)、ネオス社製のフタージェントシリーズ(251、FTX209など)などのフッ素系界面活性剤が挙げられる。また、界面活性剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
界面活性剤の量は、第一液晶性化合物及び第二液晶性化合物の合計100重量部に対して、好ましくは0.11重量部以上、より好ましくは0.12重量部以上であり、好ましくは0.29重量部以下、より好ましくは0.25重量部以下、さらに好ましくは0.20重量部以下である。界面活性剤の量が前記の範囲にあることにより、所望の液晶硬化層を安定して得ることができる。
液晶組成物は、例えば、重合開始剤を含みうる。重合開始剤の種類は、液晶組成物に含まれる重合性の化合物の種類に応じて選択しうる。例えば、重合性の化合物がラジカル重合性であれば、ラジカル重合開始剤を使用しうる。また、重合性の化合物がアニオン重合性であれば、アニオン重合開始剤を使用しうる。さらに、重合性の化合物がカチオン重合性であれば、カチオン重合開始剤を使用しうる。重合開始剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
重合開始剤の量は、第一液晶性化合物及び第二液晶性化合物の合計100重量部に対して、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.5重量部以上であり、好ましくは30重量部以下、より好ましくは10重量部以下である。重合開始剤の量が前記範囲に収まることにより、重合を効率的に進行させることができる。
液晶組成物は、例えば、溶媒を含みうる。溶媒としては、第一液晶性化合物及び第二液晶性化合物を溶解できるものが好ましい。このような溶媒としては、通常、有機溶媒を用いる。有機溶媒の例としては、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒;酢酸ブチル、酢酸アミル等の酢酸エステル溶媒;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒;1,4−ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル溶媒;及びトルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素系溶媒;が挙げられる。また、溶媒は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
溶媒の沸点は、取り扱い性に優れる観点から、好ましくは60℃〜250℃、より好ましくは60℃〜150℃である。
溶媒の量は、第一液晶性化合物及び第二液晶性化合物の合計100重量部に対して、好ましくは200重量部以上、より好ましくは250重量部以上、特に好ましくは300重量部以上であり、好ましくは650重量部以下、より好ましくは550重量部以下、特に好ましくは450重量部以下である。溶媒の量を、前記範囲の下限値以上にすることにより異物発生の抑制ができ、前記範囲の上限値以下にすることにより乾燥負荷の低減ができる。
液晶組成物は、例えば、第一液晶性化合物及び第二液晶性化合物以外に任意の液晶性化合物を含んでいてもよい。また、任意の液晶性化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
任意の液晶性化合物の量は、第一液晶性化合物及び第二液晶性化合物の合計100重量部に対して、好ましくは70重量部以下、より好ましくは50重量部以下、特に好ましくは20重量部以下である。液晶組成物が任意の液晶性化合物を含む場合、その任意の液晶性化合物の量の下限は、制限は無い。例えば、任意の液晶性化合物の量は、第一液晶性化合物及び第二液晶性化合物の合計100重量部に対して、0.1重量部以上でありうる。
さらに、任意の成分としては、例えば、金属;金属錯体;酸化チタン等の金属酸化物;染料、顔料等の着色剤;蛍光材料、燐光材料等の発光材料;レベリング剤;チキソ剤;ゲル化剤;多糖類;紫外線吸収剤;赤外線吸収剤;抗酸化剤;イオン交換樹脂;等が挙げられる。これらの成分の量は、第一液晶性化合物及び第二液晶性化合物の合計100重量部に対して、各々0.1重量部〜20重量部としうる。
[5.液晶組成物の層を形成する工程]
液晶硬化フィルムの製造方法では、液晶組成物の層を形成する工程を行う。通常は、適切な支持面に液晶組成物の層を形成する。
支持面としては、液晶組成物の層を支持できる任意の面を用いうる。この支持面としては、液晶硬化層の面状態を良好にする観点から、通常、凹部及び凸部の無い平坦面を用いる。液晶硬化層の生産性を高める観点から、前記の支持面としては、長尺の基材の表面を用いることが好ましい。ここで「長尺」とは、幅に対して、5倍以上の長さを有する形状をいい、好ましくは10倍若しくはそれ以上の長さを有し、具体的にはロール状に巻き取られて保管又は運搬される程度の長さを有するフィルムの形状をいう。
基材としては、通常、樹脂フィルムを用いる。樹脂としては、通常、熱可塑性樹脂を用いる。中でも、配向規制力の高さ、機械的強度の高さ及びコストの低さといった観点から、樹脂としては、正の固有複屈折値を有する樹脂が好ましい。更には、透明性、低吸湿性、寸法安定性及び軽量性に優れることから、ノルボルネン系樹脂等の、脂環式構造含有重合体を含む樹脂を用いることが好ましい。基材に含まれる樹脂の好適な例を商品名で挙げると、ノルボルネン系樹脂として、日本ゼオン社製「ゼオノア1420」及び「ゼオノア1420R」を挙げうる。
支持面としての基材の表面には、液晶組成物の層における液晶性化合物の配向を促進するため、配向規制力を付与するための処理が施されていることが好ましい。配向規制力とは、液晶組成物中の液晶性化合物を配向させることができる、支持面の性質をいう。支持面に配向規制力を付与するため処理としては、例えば、光配向処理、ラビング処理、配向膜形成処理、イオンビーム配向処理、延伸処理などが挙げられる。
液晶組成物の層を形成する工程において、液晶組成物は、通常、流体状で用意される。そのため、通常は、支持面に液晶組成物を塗工して、前記液晶組成物の層を形成する。液晶組成物を塗工する方法としては、例えば、カーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ロールコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法、印刷コーティング法、グラビアコーティング法、ダイコーティング法、ギャップコーティング法、及びディッピング法が挙げられる。
[6.液晶性化合物を配向させる工程]
液晶組成物の層を形成した後で、液晶組成物の層に磁界を印加した状態で、当該液晶組成物の層に含まれる第一液晶性化合物及び第二液晶性化合物等の液晶性化合物を配向させる工程を行う。これにより、液晶組成物の層の面内方向においては、液晶性化合物は、通常、支持面の配向規制力に応じた方向に配向する。また、磁界を印加された状態で配向させることにより、液晶性化合物は、層の厚み方向においては、不連続に異なるチルト角を有するように配向する。
液晶組成物の層に印加される磁界の向きは、通常は、液晶組成物の層の厚み方向に垂直ではない方向であり、好ましくは、液晶組成物の層の厚み方向に平行な方向である。このような向きの磁界を印加することにより、所望の液晶硬化層を安定して得ることができる。
液晶組成物の層に印加される磁界の磁束密度は、好ましくは0.2テスラ以上、より好ましくは0.5テスラ以上、特に好ましくは0.8テスラ以上である。このような向きの磁界を印加することにより、所望の液晶硬化層を安定して得ることができる。磁界の磁束密度の上限に制限は無く、例えば20.0テスラ以下としうる。
液晶性化合物を配向させる前記工程では、通常は、前記のように液晶組成物の層に磁界を印加した状態で、液晶組成物の層の温度を所定の配向温度に調整する配向処理を行う。配向温度は、液晶組成物の液晶化温度以上の温度としうる。この際、配向温度は、基材に含まれる樹脂のガラス転移温度未満の温度であることが好ましい。これにより、配向処理による基材の歪みの発生を抑制できる。
配向処理の条件の具体例を挙げると、50℃〜160℃の温度条件において、30秒間〜5分間処理する条件としうる。
第一液晶性化合物及び第二液晶性化合物を含む液晶組成物の層では、前記の磁界を印加された状態での配向によって、液晶性化合物の分子の配向状態は、面内方向においては均一になるが、厚み方向においては不連続に異なる。具体的には、液晶組成物の層の部分のうち、支持面に近い部分においては、液晶性化合物の分子は、通常、支持面に平行又は平行に近い方向に均一に配向する。また、液晶組成物の層の部分のうち、支持面とは反対側の界面(通常、液晶組成物の層の空気界面)に近い部分においては、液晶性化合物の分子は、通常、支持面に垂直又は垂直に近い方向に均一に配向する。さらに、液晶組成物の層の部分のうち、前記の2つの部分の間にある中間部分においては、液晶性化合物の分子は、通常、支持面に平行でなく垂直でもない方向に均一に配向する。そして、このように各部分の配向状態が不連続に異なるので、液晶性化合物の分子のチルト角が厚み方向において不連続に異なった液晶組成物の層が得られる。
[7.液晶組成物の層を硬化させる工程]
液晶性化合物を配向させた後で、前記液晶組成物の層を硬化させて、液晶硬化層を得る工程を行う。この工程では、通常、液晶性化合物の一部又は全部を重合させて、液晶組成物の層を硬化させる。重合の際、液晶性化合物は、通常、その分子の配向を維持したままで重合する。よって、前記の重合により、重合前の液晶組成物に含まれていた液晶性化合物の配向状態を固定できるので、所望の液晶硬化層が得られる。
液晶性化合物の重合方法としては、液晶組成物に含まれる成分の性質に適合した方法を選択しうる。重合方法としては、例えば、活性エネルギー線を照射する方法、及び、熱重合法が挙げられる。中でも、加熱が不要であり、室温で重合反応を進行させられるので、活性エネルギー線を照射する方法が好ましい。ここで、照射される活性エネルギー線には、可視光線、紫外線、及び赤外線等の光、並びに電子線等の任意のエネルギー線が含まれうる。
なかでも、操作が簡便なことから、紫外線等の光を照射する方法が好ましい。紫外線照射時の温度は、基材のガラス転移温度以下とすることが好ましく、好ましくは150℃以下、より好ましくは100℃以下、特に好ましくは80℃以下である。紫外線照射時の温度の下限は、15℃以上としうる。紫外線の照射強度は、好ましくは0.1mW/cm以上、より好ましくは0.5mW/cm以上であり、好ましくは1000mW/cm以下、より好ましくは600mW/cm以下である。
[8.任意の工程]
上述した製造方法により、支持面上に形成された液晶硬化層が得られる。基材上に形成された液晶硬化層が得られた場合には、基材及び液晶硬化層を含む複層フィルムを、液晶硬化フィルムとして用いてもよい。
また、液晶硬化フィルムの製造方法は、液晶硬化層を支持面から剥離する工程を含んでいてもよい。この場合、液晶硬化層自体を、液晶硬化フィルムとして用いることができる。
さらに、液晶硬化フィルムの製造方法は、基材上に形成された液晶硬化層を、任意のフィルム層に転写する工程を含んでいてもよい。よって、例えば、液晶硬化フィルムの製造方法は、基材上に形成された液晶硬化層と任意のフィルム層とを貼り合わせた後で、必要に応じて基材を剥離して、液晶硬化層及び任意のフィルム層を含む液晶硬化フィルムを得る工程を含んでいてもよい。この際、貼り合わせには、適切な粘着剤又は接着剤を用いてもよい。この場合、液晶硬化層及び任意のフィルム層を含む液晶硬化フィルムを得ることができる。
また、液晶硬化フィルムの製造方法は、前記の工程に組み合わせて、更に別の任意の工程を含んでいてもよい。例えば、液晶硬化フィルムの製造方法は、液晶組成物の層を硬化させる工程の前に、液晶組成物の層を乾燥させる工程を含んでいてもよい。かかる乾燥は、自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥、減圧加熱乾燥等の乾燥方法で達成しうる。かかる乾燥により、液晶組成物の層から、溶媒を除去することができる。
[9.液晶硬化フィルム]
上述した製造方法により、液晶性化合物の分子のチルト角が厚み方向において不連続に異なり、配向欠陥が抑制された液晶硬化層を備える液晶硬化フィルムが得られる。
図1は、本発明の一実施形態に係る液晶硬化フィルム10を、その厚み方向に平行な平面で切った断面を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、液晶硬化フィルム10は、液晶硬化層100を備えるフィルムである。図1には、液晶硬化層100のみを含む液晶硬化フィルム10を示すが、液晶硬化フィルム10は、液晶硬化層100に組み合わせて任意の層(図示せず。)を備えていてもよい。
液晶硬化層100は、第一液晶性化合物及び第二液晶性化合物等の液晶性化合物を含む液晶組成物の硬化物で形成された層であって、第一層110、第二層120及び第三層130を、厚み方向においてこの順に含む。上述した製造方法で製造された場合、液晶硬化層は、通常、第一層、第二層及び第三層を、支持面側からこの順に含む。液晶組成物の硬化物で形成されているので、液晶硬化層100並びに当該液晶硬化層100に含まれる第一層110、第二層120及び第三層130は、液晶性化合物を含む。
液晶硬化層100に含まれる液晶性化合物の一部又は全部は、その配向状態を固定されていてもよい。通常、重合により、液晶性化合物は、その液晶性化合物の配向状態を維持したまま重合体となりうる。よって、配向状態を固定された液晶性化合物としては、例えば、重合した液晶性化合物が挙げられる。したがって、用語「配向状態が固定された液晶性化合物」には、液晶性化合物の重合体が包含される。第一液晶性化合物及び第二液晶性化合物を含む上述した液晶組成物を用いて液晶硬化層100を製造した場合には、その液晶硬化層100並びに当該液晶硬化層100に含まれる第一層110、第二層120及び第三層130は、配向状態を固定されていてもよい第一液晶性化合物及び第二液晶性化合物を含む。
前記の第一層110と第二層120とは、通常、その間に任意の層を介することなく直接に接している。また、前記の第二層120と第三層130とは、通常、その間に任意の層を介することなく直接に接している。したがって、液晶硬化層100は、図1に示すように、通常は第一層110、第二層120及び第三層130のみを含む3層構造の層である。
第一層110に含まれる液晶性化合物の分子が層平面に対してなす第一チルト角は、通常、第一層110において一定である。
また、第二層120に含まれる液晶性化合物の分子が層平面に対してなす第二チルト角は、通常、第二層120において一定である。さらに、第二チルト角は、第一チルト角とは、不連続に異なる。
また、第三層130に含まれる液晶性化合物の分子が層平面に対してなす第三チルト角は、通常、第三層130において一定である。さらに、第三チルト角は、第一チルト角及び第二チルト角とは不連続に異なる。
このように不連続に異なるチルト角を有する液晶性化合物の分子を含む第一層110、第二層120及び第三層130を含むので、液晶硬化層100は、液晶性化合物の分子のチルト角が厚み方向において不連続に異なるという特異的な構造を有することができる。
ここで、あるチルト角と別のチルト角とが不連続に異なる、とは、それらのチルト角の間の差が10°以上であることを表す。
第一層110、第二層120及び第三層130のような、液晶硬化層100に含まれる各層における液晶性化合物の分子のチルト角(第一チルト角、第二チルト角及び第三チルト角)は、下記の測定方法によって測定できる。
液晶硬化層100をエポキシ樹脂で包埋して、試料片を用意する。この試料片を、ミクロトームを用いて、液晶硬化層100の厚み方向に平行にスライスして、観察サンプルを得る。前記のスライスは、液晶硬化層100の面内遅相軸方向と断面とが平行となるように行う。その後、観察サンプルを偏光顕微鏡のステージに置き、ステージを回転させながら、スライスにより現れた断面を観察する。断面に現れた液晶硬化層100の第一層110、第二層120及び第三層130それぞれが消光位になったときのステージの回転角度から、第一層110、第二層120及び第三層130に含まれる液晶性化合物の分子のチルト角を測定できる。
また、第一層110、第二層120及び第三層130それぞれにおける液晶性化合物の分子のチルト角が一定であるか否かは、下記の判定方向で判定できる。
液晶硬化層100をエポキシ樹脂で包埋して、試料片を用意する。この試料片を、ミクロトームを用いて、液晶硬化層100の厚み方向に平行にスライスして、観察サンプルを得る。前記のスライスは、液晶硬化層100の面内遅相軸方向と断面とが平行となるように行う。その後、スライスにより現れた断面を偏光顕微鏡を用いて観察する。この観察は、観察サンプルと偏光顕微鏡の対物レンズとの間に波長板を挿入して、観察サンプルのレターデーションに応じた色を呈した像が見られるように行う。この観察で見られる像では、液晶硬化層100の各部分は、その部分の液晶性化合物の分子のチルト角に対応した色に呈色する。観察された第一層110の色が第一層110内のどの位置でも同じである場合、第一層110に含まれる液晶性化合物の分子のチルト角(第一チルト角)が一定であると判定できる。また、観察された第二層120の色が第二層120内のどの位置でも同じである場合、第二層120に含まれる液晶性化合物の分子のチルト角(第二チルト角)が一定であると判定できる。さらに、観察された第三層130の色が第三層130内のどの位置でも同じである場合、第三層130に含まれる液晶性化合物の分子のチルト角(第三チルト角)が一定であると判定できる。
具体例を挙げると、本発明者らが行った実験では、第一層110が均一な黄色、第二層120が均一な赤紫色、第三層130が均一な青色で観察されたことから、第一層110、第二層120及び第三層130それぞれにおける液晶性化合物の分子のチルト角が一定であることを確認した事例がある。
第一チルト角、第二チルト角及び第三チルト角の大きさは、液晶硬化フィルム10の用途に応じて求められる液晶硬化層100の光学特性に対応して、適切に設定しうる。好適な範囲を具体的に示すと、以下のようにしうる。
第一チルト角は、好ましくは0°以上であり、好ましくは20°以下、より好ましくは10°以下である。このような範囲の第一チルト角を有する第一層110は、通常、前記の液晶硬化フィルムの製造方法において、支持面側の層として得ることができる。
第二チルト角は、好ましくは20°以上であり、好ましくは70°以下、より好ましくは60°以下である。
また、第一チルト角と第二チルト角との差は、好ましくは10°以上、より好ましくは15°以上、特に好ましくは20°以上であり、好ましくは70°以下、より好ましくは60°以下である。
第三チルト角は、好ましくは70°以上、より好ましくは80°以上であり、好ましくは90°以下である。このような範囲の第三チルト角を有する第三層130は、通常、前記の液晶硬化フィルムの製造方法において、支持面とは反対側の界面側の層として得ることができる。
また、第二チルト角と第三チルト角との差は、好ましくは10°以上、より好ましくは15°以上、特に好ましくは20°以上であり、好ましくは70°以下、より好ましくは60°以下である。
第一層110、第二層120及び第三層130それぞれの厚みは、液晶硬化フィルム10の用途に応じて求められる液晶硬化層100の光学特性に対応して、適切に設定しうる。好適な範囲を具体的に示すと、以下のようにしうる。
第一層110、第二層120及び第三層130の合計厚み100%に対する、第一層110の厚みの割合は、好ましくは14%以上、より好ましくは18%以上であり、好ましくは66%以下である。
第一層110、第二層120及び第三層130の合計厚み100%に対する、第二層120の厚みの割合は、好ましくは1%以上であり、好ましくは80%以下、より好ましくは64%以下である。
第一層110、第二層120及び第三層130の合計厚み100%に対する、第三層130の厚みの割合は、好ましくは6%以上、より好ましくは18%以上であり、好ましくは33%以下である。
第一層110、第二層120及び第三層130のような、液晶硬化層100に含まれる各層の厚みは、下記の測定方法によって測定できる。
液晶硬化層100をエポキシ樹脂で包埋して、試料片を用意する。この試料片を、ミクロトームを用いて、液晶硬化層100の厚み方向に平行にスライスして、観察サンプルを得る。前記のスライスは、液晶硬化層100の面内遅相軸方向と断面とが平行となるように行う。その後、スライスにより現れた断面を偏光顕微鏡を用いて観察して、第一層110、第二層120及び第三層130それぞれの厚みを測定できる。
液晶硬化層100では、通常、配向欠陥の発生が抑制されている。そのため、液晶硬化層100における配向欠陥の数は、少ない。具体的には、1mm当たりの配向欠陥の数を、好ましくは10本未満、より好ましくは1本未満にすることが可能である。このような液晶硬化層100を含む液晶硬化フィルム10は、面内における光学特性の均一性に優れるので、高品質な光学フィルムとして用いることが可能である。
液晶硬化層100の配向欠陥の数は、偏光顕微鏡を用いて、クロスニコル下において液晶硬化層100を透過観察することによって測定できる。
第一チルト角、第二チルト角及び第三チルト角が異なるので、三次元的に見ると、第一層110に含まれる液晶性化合物の分子の配向方向と、第二層120に含まれる液晶性化合物の分子の配向方向と、第三層130に含まれる液晶性化合物の分子の配向方向とは、非平行である。しかし、液晶硬化層100の面内方向においては、第一層110に含まれる液晶性化合物の分子の配向方向と、第二層120に含まれる液晶性化合物の分子の配向方向と、第三層130に含まれる液晶性化合物の分子の配向方向とは、通常、平行である。よって、液晶硬化層100は、通常、液晶硬化層100を厚み方向から見た液晶性化合物の分子の配向方向に平行な面内遅相軸を有する光学異方性層でありうる。
液晶硬化層100は、逆波長分散性のレターデーションを有する光学異方性層でありうる。ここで、逆波長分散性のレターデーションとは、波長450nmにおけるレターデーションRe(450)及び波長550nmにおけるレターデーションRe(550)が、通常下記式(N3)を満たすレターデーションをいう。逆波長分散性のレターデーションを有することにより、前液晶硬化層100は、1/4波長板又は1/2波長板等の光学用途において、広い波長帯域において均一に機能を発現できる。
Re(450)<Re(550) (N3)
液晶硬化層100の具体的なレターデーションの範囲は、液晶硬化層の用途に応じて任意に設定しうる。例えば、液晶硬化層100を1/4波長板として機能させたい場合には、液晶硬化層100のレターデーションRe(550)は、好ましくは80nm以上、より好ましくは100nm以上、特に好ましくは120nm以上であり、好ましくは180nm以下、より好ましくは160nm以下、特に好ましくは150nm以下である。また、例えば、液晶硬化層100を1/2波長板として機能させたい場合には、液晶硬化層100のレターデーションRe(550)は、好ましくは245nm以上、より好ましくは265nm以上、特に好ましくは270nm以上であり、好ましくは305nm以下、より好ましくは285nm以下、特に好ましくは280nm以下である。
液晶硬化層100の厚みは、レターデーション等の特性を所望の範囲にできるように、適切に設定しうる。具体的には、液晶硬化層100の厚みは、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1.0μm以上であり、好ましくは10μm以下、より好ましくは7μm以下である。
液晶硬化フィルム10が液晶硬化層100と組み合わせて備えうる任意の層としては、液晶硬化層100の製造に用いた基材;位相差フィルム;直線偏光子としての偏光フィルム;他の部材と接着するための接着剤層;フィルムの滑り性を良くするマット層;耐衝撃性ポリメタクリレート樹脂層などのハードコート層;反射防止層;防汚層;等が挙げられる。
上述した液晶硬化フィルム10が含む液晶硬化層100は、液晶性化合物の分子のチルト角が厚み方向において不連続に異なるという特異的な構造を有するので、その特異的な構造に対応した光学特性を有することができる。そのため、液晶硬化フィルム10を用いれば、多様な光学設計が可能となるので、光学設計の自由度を高めることができる。さらに、別々に製造した複数の液晶硬化層を接着して得られる光学フィルムとは異なり、前記の液晶硬化フィルム10は接着剤層を備える必要が無いので、従来よりも薄くすることが可能である。
[10.用途]
液晶硬化フィルムは、例えば、位相差フィルム、光学補償フィルム、直線偏光板、円偏光板等の光学フィルムとして、好適に用いることができる。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、別に断らない限り、重量基準である。また、以下に説明する操作は、別に断らない限り、常温常圧大気中において行った。
[液晶性化合物の説明]
後述する実施例及び比較例で使用した液晶性化合物の構造は、下記のとおりである。
[評価方法]
(1.液晶硬化層に含まれる各層における液晶性化合物の分子のチルト角の測定方法)
液晶硬化層及び基材フィルムを含む液晶硬化フィルムをエポキシ樹脂で包埋して、試料片を用意した。この試料片を、ミクロトームを用いて、液晶硬化層の厚み方向に平行にスライスして、観察サンプルを得た。前記のスライスは、液晶硬化層の面内遅相軸方向と断面とが平行となるように行った。その後、観察サンプルを偏光顕微鏡のステージに置き、ステージを回転させながら、スライスにより現れた断面を観察した。断面に現れた液晶硬化層の第一層、第二層及び第三層それぞれが消光位になったときのステージの回転角度から、前記第一層、第二層及び第三層に含まれる液晶性化合物の分子のチルト角を測定した。
(2.液晶硬化層に含まれる各層の厚みの測定方法)
液晶硬化層及び基材フィルムを含む液晶硬化フィルムをエポキシ樹脂で包埋して、試料片を用意した。この試料片を、ミクロトームを用いて、液晶硬化層の厚み方向に平行にスライスして、観察サンプルを得た。前記のスライスは、液晶硬化層の面内遅相軸方向と断面とが平行となるように行った。その後、スライスにより現れた断面を偏光顕微鏡を用いて観察して、前記第一層、第二層及び第三層それぞれの厚みを測定した。
(3.液晶硬化層に含まれる各層での液晶性化合物の分子のチルト角が一定であることの確認方法)
液晶硬化層及び基材フィルムを含む液晶硬化フィルムをエポキシ樹脂で包埋して、試料片を用意した。この試料片を、ミクロトームを用いて、液晶硬化層の厚み方向に平行にスライスして、観察サンプルを得た。前記のスライスは、液晶硬化層の面内遅相軸方向と断面とが平行となるように行った。その後、スライスにより現れた断面を偏光顕微鏡を用いて観察した。この観察は、観察サンプルと偏光顕微鏡の対物レンズとの間に波長板を挿入して、観察サンプルのレターデーションに応じた色を呈した像が見られるように行った。観察された第一層の色が第一層内のどの位置でも同じである場合、第一層に含まれる液晶性化合物の分子のチルト角が一定であると判定した。また、観察された第二層の色が第二層内のどの位置でも同じである場合、第二層に含まれる液晶性化合物の分子のチルト角が一定であると判定した。さらに、観察された第三層の色が第三層内のどの位置でも同じである場合、第三層に含まれる液晶性化合物の分子のチルト角が一定であると判定した。
(4.逆波長分散性の評価方法)
位相差計(Axometrics社製「AxoScan」)を用いて、評価用の複層体の液晶硬化層の波長450nm及び550nmでの正面(入射角0°)のレターデーションRe(450)及びRe(550)を測定した。測定したレターデーションRe(450)及びRe(550)の値から、液晶硬化層の逆波長分散性を、以下の基準で評価した。
○:Re(450)/Re(550)<0.9
△:0.9≦Re(450)/Re(550)≦1.0
×:Re(450)/Re(550)>1.0
(5.液晶硬化層の配向欠陥の評価方法)
評価用の複層体の液晶硬化層を、偏光顕微鏡を用いて、クロスニコル下において、透過観察した。この観察の際、対物レンズは20倍に設定した。観察の結果から、下記の基準によって液晶硬化層の配向欠陥を評価した。
○:配向欠陥の数が、1本未満/mm
△:配向欠陥の数が、1本以上〜10本未満/mm
×:配向欠陥の数が、10本以上/mm以上。
(6.液晶硬化層の傾斜配向性の評価方法)
位相差計(Axometrics社製「AxsoScan」)を用いて、評価用の複層体の液晶硬化層のレターデーションを、入射角−50°〜50°の範囲で測定した。測定されたレターデーションから、前記の位相差計に付属の解析ソフトウェア(AxsoMetrics社製の解析ソフトウェア「Malti−Layer Analsis」;解析条件は、解析波長590nm、層分割数20層(約0.1μmごとに分割))により、液晶硬化層に含まれる液晶性化合物の分子の平均チルト角を解析した。測定された平均チルト角に基づいて、下記の基準によって液晶硬化層の傾斜配向性を評価した。
○:平均チルト角が、25°以上。
△:平均チルト角が、5°以上25°未満。
×:平均チルト角が、5°未満。
[実施例1〜14及び比較例1〜5]
(液晶組成物の調製)
第一液晶性化合物、第二液晶性化合物、任意の液晶性化合物、フッ素系界面活性剤(AGCセイミケミカル社製「S420」)0.15重量部、光重合開始剤(BASF社製「IrgacureOXE04」)4.3重量部、溶媒としての溶媒シクロペンタノン162.3重量部、及び、溶媒としての1,3−ジオキソラン243.5重量部を混合して、液晶組成物を得た。この際、第一液晶性化合物、第二液晶性化合物及び任意の液晶性化合物の種類及び量は、表1に示す通りであった。
(基材フィルムの用意)
基材フィルムとして、片面にマスキングフィルムが貼り合わせられた熱可塑性のノルボルネン樹脂からなる樹脂フィルム(日本ゼオン社製「ゼオノアフィルム ZF14」;厚み100μm)を用意した。この基材フィルムからマスキングフィルムを剥離し、マスキング剥離面にコロナ処理を施した。次いで、基材フィルムのコロナ処理面にラビング処理を施した。
(液晶組成物の層の形成)
基材フィルムのラビング処理面に、#5のワイヤーバーを使用して、液晶組成物を塗工して、液晶組成物の層を形成した。
(配向処理)
その後、液晶組成物の層に厚み方向の磁界を印加しながら、当該液晶組成物の層を110℃で4分間加熱して、乾燥処理及び配向処理を行った。この際、印加する磁界の磁束密度は、表1に示す通りであった。これにより、液晶組成物の層に含まれる液晶性化合物が配向した。
(硬化処理)
配向処理を施された液晶組成物の層に、窒素雰囲気下で、500mJ/cmの紫外線を照射して、液晶組成物の層を硬化させて、厚さ2μmの液晶硬化層を形成した。これにより、液晶硬化層/基材フィルムの層構成を有する液晶硬化フィルムを得た。
(液晶硬化層のスライドガラスへの転写)
粘着剤を付与したスライドガラスに、液晶硬化フィルムの液晶硬化層側の面を貼合した。その後、基材フィルムを剥離した。これにより、液晶硬化層/粘着層/スライドガラスの層構成を有する評価用の複層体を得た。
得られた複層体を用いて、液晶硬化層の逆波長分散性、配向欠陥及び傾斜配向性を評価した。
また、特に実施例1では、液晶硬化フィルムを用いて、液晶硬化層に含まれる第一層、第二層及び第三層に含まれる液晶性化合物の分子のチルト角及び厚みを評価した。
[比較例6及び7]
第一液晶性化合物の代わりに、表1に示す種類の順分散液晶性化合物を用いた。また、順分散液晶性化合物の使用量についても表1に示す通りとした。以上の事項以外は、実施例1と同じ操作により、液晶硬化フィルムの製造及び液晶硬化層の評価を行った。
[結果]
実施例及び比較例の第一液晶性化合物、第二液晶性化合物及び任意の液晶性化合物の組み合わせ及び量、並びに、印加した磁界の磁束密度を、表1に示す。表1において磁束密度が0テスラである比較例は、当該比較例において磁界を印加しなかったことを示す。また、液晶硬化層の逆波長分散性、配向欠陥及び傾斜配向性の評価結果を表2に示す。さらに、実施例1で測定した第一層、第二層及び第三層に含まれる液晶性化合物の分子のチルト角及び厚みの結果を、表3に示す。ここで、いずれの実施例においても、液晶硬化層に含まれる第一層、第二層及び第三層それぞれでのチルト角は、一定であり、第一チルト角、第二チルト角及び第三チルト角は不連続に異なっていた。
また、特に実施例1で偏光顕微鏡によって観察した液晶硬化層の断面の写真を、図2に示す。さらに、図2の各部分を説明する説明図を、図3に示す。図3において、符号「210」は基材フィルム、符号「220」は液晶硬化層、符号「221」は第一層、符号「222」は第二層、符号「223」は第三層、符号230はエポキシ樹脂を、それぞれ示す。また、符号240、250、260及び270で示される部分は、エポキシ樹脂の成型時の配向による輝点を示すと考えられる。
下記の表において、略称の意味は、下記のとおりである。
逆波長1:逆分散液晶性化合物1。
逆波長2:逆分散液晶性化合物2。
逆波長3:逆分散液晶性化合物3。
逆波長4:逆分散液晶性化合物4。
LC1057:順分散液晶性化合物「LC1057」。
MLC3011:順分散液晶性化合物「MLC3011」。
A:磁場応答性液晶性化合物「A」。
B:磁場応答性液晶性化合物「B」。
C:磁場応答性液晶性化合物「C」。
D:磁場応答性液晶性化合物「D」。
K35:任意の液晶性化合物「K35」。
[参考例]
上述した実施例及び比較例で用いた磁場応答性液晶性化合物が磁場応答性を有することを確認するため、下記の実験を行った。
試料としての液晶性化合物を、ネマチック温度に加温した。加温された液晶性化合物を偏光顕微鏡のステージに設置し、クロスニコル下で観察した。ステージを回転させながら観察を行い、透過光強度を測定した。そして、ステージを回転させても、透過光強度が変化しないことを確認した。このように透過光強度が変化しないことは、その液晶性化合物が無配向状態であることを示す。
その後、加温を続けながら、ステージに平行な水平方向の磁界(磁束密度0.8テスラ又は1.6テスラ)を、前記の液晶性化合物に対して印加した。そして、磁界の印加を続けた状態で、液晶性化合物を観察した。下記の基準で、当該液晶性化合物が磁場応答性を有するか否かを判定した。
磁場応答性「有」:磁界の印加後に観察される液晶性化合物の像が、磁界を印加する前の無配向状態の像と異なる。
磁場応答性「無」:磁界の印加後に観察される液晶性化合物の像が、磁界を印加する前の無配向状態の像と同じである。
上述した実施例で使用した磁場応答性液晶性化合物「A」、「B」、「C」及び「D」について、それぞれ、前記の方法で磁場応答性の有無を評価した。その結果、磁界の磁束密度が0.8テスラ及び1.6テスラのいずれの場合も、どの磁場応答性液晶性化合物も、磁界の印加後に観察される液晶性化合物の像が、磁界を印加する前の無配向状態の像と異なっていた。さらに、ステージを回転させたところ、どの磁場応答性液晶性化合物も、回転角度45°ごとに透過光強度が消光位と対角位で変化し、その消光位は磁界の向きと一致していた。これらの結果から、磁場応答性液晶性化合物「A」、「B」、「C」及び「D」が、いずれも磁場応答性を有することが確認された。
10 液晶硬化フィルム
100 液晶硬化層
110 第一層
120 第二層
130 第三層

Claims (8)

  1. 逆波長分散性の複屈折を発現できる第一液晶性化合物と、前記第一液晶性化合物以外の磁場応答性を有する第二液晶性化合物と、を含む液晶組成物の硬化物で形成された液晶硬化層を備える液晶硬化フィルムの製造方法であって、
    前記液晶組成物の層を形成する工程と、
    前記液晶組成物の層に磁界を印加した状態で、前記液晶組成物の層に含まれる前記第一液晶性化合物及び前記第二液晶性化合物を配向させる工程と、
    前記液晶組成物の層を硬化させる工程と、を含む、液晶硬化フィルムの製造方法。
  2. 前記液晶組成物の層に印加される磁界の磁束密度が0.2テスラ以上である、請求項1記載の液晶硬化フィルムの製造方法。
  3. 前記液晶組成物の層に印加される磁界の向きが、前記液晶組成物の層の厚み方向に平行である、請求項1又は2記載の液晶硬化フィルムの製造方法。
  4. 前記第一液晶性化合物及び前記第二液晶性化合物の合計100重量部に対する前記第二液晶性化合物の量が、0.1重量部以上40重量部以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶硬化フィルムの製造方法。
  5. 液晶性化合物を含む液晶組成物の硬化物で形成された液晶硬化層を備える液晶硬化フィルムであって、
    前記液晶硬化層が、配向状態が固定されていてもよい前記液晶性化合物を含む、第一層、第二層及び第三層を、この順に含み、
    前記第一層に含まれる前記液晶性化合物の分子が層平面に対してなす第一チルト角が、前記第一層において一定であり、
    前記第二層に含まれる前記液晶性化合物の分子が層平面に対してなす第二チルト角が、前記第二層において一定であり、且つ、前記第一チルト角とは不連続に異なり、
    前記第三層に含まれる前記液晶性化合物の分子が層平面に対してなす第三チルト角が、前記第三層において一定であり、且つ、前記第一チルト角及び第二チルト角とは不連続に異なる、液晶硬化フィルム。
  6. 前記液晶組成物が、逆波長分散性の複屈折を発現できる第一液晶性化合物と、前記第一液晶性化合物以外の磁場応答性を有する第二液晶性化合物と、を含む、請求項5記載の液晶硬化フィルム。
  7. 前記第一層、前記第二層及び前記第三層の合計厚み100%に対する、前記第一層の厚みの割合が、14%以上66%以下であり、
    前記第一層、前記第二層及び前記第三層の合計厚み100%に対する、前記第二層の厚みの割合が、1%以上80%以下であり、
    前記第一層、前記第二層及び前記第三層の合計厚み100%に対する、前記第三層の厚みの割合が、6%以上33%以下である、請求項5又は6記載の液晶硬化フィルム。
  8. 前記第一チルト角が、0°以上20°以下であり、
    前記第二チルト角が、20°以上70°以下であり、
    前記第三チルト角が、70°以上90°以下である、請求項5〜7のいずれか一項に記載の液晶硬化フィルム。
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