JP2018161190A - 洗濯機 - Google Patents
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Abstract
【課題】モータの巻線及び駆動回路のスイッチング素子の温度異常からの保護を効果的に行う。【解決手段】実施形態の洗濯機は、モータと、前記モータを駆動するスイッチング素子を備えるインバータ回路と、前記モータを制御して洗い行程を含んだ洗濯運転を実行する制御装置と、前記スイッチング素子の温度を検出する素子温度検出装置と、前記モータの温度を判定するモータ温度判定手段とを備え、前記制御装置は、前記素子温度検出装置が検出した素子温度、及び、前記モータ温度判定手段が判定したモータ温度に基づいて、前記モータを制御する。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、洗濯機に関する。
洗濯機においては、三相ブラシレスDCモータを駆動源とし、インバータ回路により前記モータを駆動するものが供されている。この種の洗濯機では、運転中に温度上昇が問題となる部位として、モータの巻線や、インバータ回路のスイッチング素子がある。そこで、従来では、モータ制御装置において、モータの巻線やインバータ回路の温度を検出し、検出温度がしきい値を超えた場合に、インバータ回路に流れる電流を制限することにより、モータの巻線やインバータ回路の温度上昇を抑えることが提案されている(例えば特許文献1参照)。
洗濯機のモータの巻線と、インバータ回路のスイッチング素子とは、温度変化の特性が異なる。例えば、モータの巻線は、温まりやすく、また冷めやすい特性があり、一方、スイッチング素子は、温まりにくく、冷めにくいといった特性がある。また、洗濯機においては、洗い、すすぎ、脱水といった行程が進められるが、特に洗い行程では他の行程に比べてモータの温度上昇が起こりやすいといった特有の事情もある。そのため、洗濯機における、モータの巻線及びインバータ回路のスイッチング素子の両方の保護を効果的に行うことが望まれる。
そこで、モータの巻線及びインバータ回路のスイッチング素子の温度異常からの保護を効果的に行うことができる洗濯機を提供する。
実施形態の洗濯機は、モータと、前記モータを駆動するスイッチング素子を備えるインバータ回路と、前記モータを制御して洗い行程を含んだ洗濯運転を実行する制御装置と、前記スイッチング素子の温度を検出する素子温度検出装置と、前記モータの温度を判定するモータ温度判定手段とを備え、前記制御装置は、前記素子温度検出装置が検出した素子温度、及び、前記モータ温度判定手段が判定したモータ温度に基づいて、洗濯運転を制御する。
以下、いわゆる縦軸型の洗濯機(全自動洗濯機)に適用した一実施形態について、図面を参照しながら説明する。まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る洗濯機1の全体構成について述べる。洗濯機1は、例えば鋼板からなり全体として矩形状をなす外箱2を備えている。この外箱2の底部には、4個の脚部3を有する台板4が設けられている。また、外箱2の背面板は、矩形枠状に構成され、その内側に点検用の開口部2aが形成されている。この開口部2aは、蓋板5(図1参照)により着脱可能に塞がれる。
前記外箱2内には、図2にも一部示すように、洗濯水を溜める水槽6が、周知構成の弾性吊持機構7(図1参照)により弾性的に吊り下げ支持されて設けられている。図1に示すように、前記水槽6の底部には、排水口8が形成されており、この排水口8には、電子制御式の排水弁9を備えた排水路10が接続されている。尚、詳しく図示はしないが、水槽6の底部にはエアトラップが設けられ、このエアトラップに接続されたエアチューブを介して、水槽6(回転槽11)内の水位を検出する水位センサ(図示せず)が設けられている。
前記水槽6内には、ほぼ有底円筒状をなし洗濯槽及び脱水槽を兼用する縦軸型の回転槽11が回転可能に設けられている。この回転槽11の上端部には、例えば液体封入形の回転バランサ12が取付けられている。また、この回転槽11の周壁部には、脱水孔11aが形成されている。この回転槽11の内底部には、撹拌体(パルセータ)13が配設されている。回転槽11内には、図示しない洗濯物が収容されるようになっており、その洗濯物の洗い、すすぎ、脱水、乾燥が行われる。
前記水槽6の上部には、水槽カバー14が装着されている。この水槽カバー14には、ほぼ中央部に洗濯物出し入れ用の開口部14aが設けられていると共に、その開口部14aを開閉する内蓋15が取付けられている。水槽カバー14の上面における後部には、給水用の給水口16が設けられている。また、図1に示すように、前記水槽6の下部(外底部)には、駆動機構部17が配設されている。
この駆動機構部17は、アウタロータ形のDC三相ブラシレスモータからなるモータ18、中空の槽軸19、該槽軸19を貫通する撹拌軸20、モータ18の回転駆動力をそれら軸19,20に選択的に伝達するクラッチ機構21(図3にのみ図示)等を備えている。前記槽軸19の上端には、前記回転槽11が連結されており、前記撹拌軸20の上端には、前記撹拌体13が連結されている。
前記クラッチ機構21は、例えばソレノイドを駆動源とした周知構成を備えており、後述する制御装置により切替え制御される。前記クラッチ機構21は、洗い時及びすすぎ時(洗い行程)には回転槽11の固定(停止)状態で、モータ18の駆動力を撹拌軸20を介して撹拌体13に伝達して撹拌体13を低速で直接正逆回転駆動する。また、脱水時(脱水行程)には、槽軸19と撹拌軸20との連結状態で、モータ18の駆動力を槽軸19を介して回転槽11に伝達し、回転槽11(及び撹拌体13)を一方向に高速で直接回転駆動するようになっている。
一方、前記外箱2の上部には、図2にも示すように、薄形の中空箱状をなす合成樹脂製のトップカバー22が装着されている。このトップカバー22の上面中央には、前記回転槽11の上方に位置して、ほぼ円形の洗濯物出入口(図示せず)が形成され、その洗濯物出入口を開閉するための二つ折りタイプの蓋23(図1にのみ図示)が設けられている。図示はしないが、前記トップカバー22の前部上面部には、ユーザが洗濯運転のコースの選択や、運転開始を指示するための操作パネルが設けられている。
このトップカバー22の後部には、水槽6内への給水を行うための給水機構24が設けられている。給水機構24は、給水弁25、注水ケース26、可撓性を有する給水ホース27を備えており、給水ホース27の先端部が前記給水口16に接続されている。給水弁25は給水受け口25aを備えていて、その給水受け口25aには、図示しない水道の蛇口に接続された接続ホースの先端部が接続される。給水弁25が開放されると、水道から供給される水が、注水ケース26及び給水ホース27を介して給水口16から回転槽11内及び水槽6内に供給される。
そして、本実施形態では、外箱2内の背壁側の下部、この場合前記開口部2aの下部に位置して、電子ユニット30が設けられている。詳しく図示はしないが、この電子ユニット30は、前後方向に薄型の横長矩形状をなすケース31(図4参照)内に、電源回路32、モータ18駆動用のインバータ回路33、制御装置34等を備えて構成されている。制御装置34は、CPU、ROM、RAM等からなるコンピュータを主体として構成され、洗濯機1全体を制御するようになっている。
詳しい説明は省略するが、制御装置34は、操作パネルからの操作信号や各種センサからの信号に基づいて、給水弁25、排水弁9、クラッチ機構21、モータ18等を制御し、洗い、すすぎ。脱水の行程からなる洗濯運転を実行する。洗い行程においては、モータ18は、1秒から数秒毎に、100rpm〜150rpmで正逆回転する。この洗い行程では、比較的低回転であるが負荷トルクが大きく、モータ電流は大きくなる。脱水行程においては、モータ18は最大900rpm程度で回転する。この脱水行程では、回転数は大きいが負荷トルクは小さく、モータ電流が小さくなる。
図3は、前記モータ18の制御系の構成を概略的に示しており、モータ18は、三相の巻線18u、18v、18wを有して構成され、PWM方式のインバータ回路33により駆動制御される。前記インバータ回路33は、半導体スイッチング素子である6個のIGBT35a〜35fを三相ブリッジ接続して構成されており、各IGBT35a〜35fのコレクタ−エミッタ間には、フライホイールダイオード36a〜36fが接続されている。インバータ回路51の各相出力端子37u、37v、37wは、モータ18の各相端子(各相巻線18u、18v、18w)に接続されている。
このインバータ回路33の下アーム側のIGBT35d、35e、35fのエミッタは、夫々、シャント抵抗(電流検出抵抗)38u、38v、38wを介して、直流電源線39b(グランド)に接続されている。IGBT35d、35e、35fのエミッタとシャント抵抗24u、24v、24wの相互接続点は、レベルシフト回路40及び過電流比較回路41に接続されている。
前記レベルシフト回路40は、シャント抵抗38u、38v、38wの端子電圧のレベルシフト及び増幅を行い、前記制御装置34に対して電流検出信号として与えるように構成されている。この場合、下アーム側のIGBT35d、35e、35fの導通時に、シャント抵抗38u、38v、38wの端子電圧を制御装置34に読込むようになっている。本実施形態では、制御装置34は、モータ18の各相巻線に流れる電流値から、モータ18(巻線)の温度を判定するようになっており、温度判定手段が構成される。また、前記過電流比較回路41は、例えばインバータ回路33の上下アームが短絡した場合などに生じる過電流を検出するために設けられており、シャント抵抗38u、38v、38wの端子電圧に基づいて過電流状態を検出すると、制御装置34に対し過電流検出信号を出力する。
そして本実施形態では、各IGBT35a〜35f部分には、それらIGBT35a〜35fの温度を直接的に検出するための素子温度検出装置42a〜42fが設けられている。素子温度検出装置42a〜42fは、例えばサーミスタ等からなり、その温度検出信号が制御装置34に入力されるようになっている。尚、前記モータ18には、ロータの回転位置を検出する3個のホールICからなる位置センサ43が配置されている。これら位置センサ43の検検出信号は制御装置34に入力され、制御装置34はそのセンサ信号から、モータ18の回転方向及び回転位置を検知することが可能となっている。
前記インバータ回路33の入力側には、電源回路32が接続されている。この電源回路32は、100Vの交流電源44を、ダイオードブリッジで構成される全波整流回路45及び直列接続された2個のコンデンサ46a、46bにより倍電圧全波整流し、直流電源線39a、39bに約280Vの直流電圧を出力するように構成されている。直流電源線39bはグランドに接続されている。直流電源線39a、39b間に前記インバータ回路33が接続されている。
第1電源回路47は、インバータ回路33に供給される約280Vの駆動用電源を降圧して15V電源を生成し、制御装置34及び駆動回路48に供給する。また、第2電源回路49(制御電源回路)は、上記駆動用電源を降圧して3.3Vの制御用電源を生成し、制御装置34に供給する三端子レギュレータである。高圧ドライバ回路50は、インバータ回路33における上アーム側のIGBT35a〜35cを駆動するために配置されている。また、直流電源線39a、39b間には、抵抗素子51a,51bの直列回路が接続されており、両者の共通接続点は、制御装置34の入力端子に接続されている。
前記制御装置34は、レベルシフト回路40を介して、インバータ回路33の各相に流れる電流、つまりモータ18の各相巻線に流れる電流を検出し、その検出した電流値及び外部より与えられる速度指令などに基づいて、モータ18のベクトル制御を行う。このとき、制御装置34は、電圧・位相制御を行うことで電圧率が正弦波状に変化する三相上下分のPWM信号(通電制御信号)を生成し、インバータ回路33を制御する。この場合、制御装置34は、生成したPWM信号を、駆動回路48及び上側については高圧ドライバ回路50を介して、インバータ回路33の各IGBT35a〜35fのゲートに出力する。
本実施形態では、前記インバータ回路33、駆動回路48、高圧ドライバ回路50等は、例えば1個のパワーモジュール(IPM)52として構成されている。前記各素子温度検出装置42a〜42fも、パワーモジュール52に組み込まれている。図4に示すように、電子ユニット30のケース31内において、パワーモジュール52は回路基板53に実装されて設けられている。これと共に、パワーモジュール52の外面の放熱面には、図示しない放熱用シリコンが塗布され、該放熱用シリコンを介して例えばアルミ製の放熱フィン54が取付けられている。また、詳しく図示はしないが、ケース31内には、前記放熱フィン54等に向けて冷却風を供給するための冷却ファン55(図3参照)が組み込まれている。
さて、本実施形態では、前記制御装置34は、図3に示すように、インバータ回路33を介してモータ18を制御すると共に、排水弁9、クラッチ機構21、給水弁25、冷却ファン55等を制御する。このとき、制御装置34は、主としてそのソフトウエア的構成(運転制御プログラムの実行)により、各センサからの入力信号などに基づき、上記各機構を制御して、例えば洗い、すすぎ、脱水の行程からなる洗濯運転を実行する。
次の作用説明でも述べるように、本実施形態では、制御装置34には、前記素子温度検出装置42a〜42fの検出したIGBT35a〜35fの温度(以下、素子温度)が入力される。これと共に、制御装置34は、モータ18の各相巻線18u、18v、18wに流れる電流値から、モータ18(巻線)の温度(以下、モータ温度)を判定する。そして、制御装置34は、それら素子温度及びモータ温度に基づいて、洗濯運転を制御する。具体的には、制御装置34は、素子温度及びモータ温度のいずれか一方又は両方がしきい値以上の高温となったときに、モータ18の動作を弱めるように制御を変更する。
しきい値としては、素子温度に関しては例えば100℃、モータ温度に関しては例えば110℃とされる。また、モータ温度がしきい値以上となった場合には、モータ18の動作を弱める制御として、モータ18の休止(停止)時間を設ける、運転時間を短くする、脱水行程を長く実行する等が実行される。素子温度がしきい値以上となった場合には、モータ18の動作を弱める制御として、モータ18の休止(停止)時間を長くする、冷却ファン55の風量を増加させるなどが実行される。
そして、本実施形態では、制御装置34は、洗い行程の初期における前記素子温度及びモータ温度から、該洗い行程終了までにモータ18及びインバータ回路33のIGBT35a〜35fの少なくともいずれか一方が制限値を超えるかどうかを推定する。制限値を超えると予測される場合には、制御装置34は、洗い行程の途中から該制限値を超えないようにモータ18の動作を制御する。この場合、制御装置34がモータ18及びインバータ回路33のIGBT35a〜35fの温度上昇値を推定するにあたっては、洗い行程において予想されるモータ18及びIGBT35a〜35fの各々の温度変動のデータが、予め記憶部56(図3参照)に記憶されている。
制御装置34は、記憶部56に記憶されているIGBT35a〜35fの温度変動データに基づいて、洗い行程の初期において検出された素子温度から、洗い行程終了までに素子温度がどの程度上昇するかを推定する。同様に、制御装置34は、記憶部56に記憶されているモータ18の温度変動データに基づいて、洗い行程の初期において検出されたモータ温度から、洗い行程終了までにモータ温度がどの程度上昇するかを推定する。また、前記制限値としては、上記したしきい値と同等の数値を用いることができ、素子温度に関しては例えば100℃、モータ温度に関しては例えば110℃とされる。モータ18の動作を弱める制御としても、モータ18の休止(停止)時間を長くする等、上記と同様の制御を採用することができる。
さらに、本実施形態では、制御装置34は、例えば操作パネルにおける操作指示に基づき、検査モードを実行するように構成されている。この検査モードにあっては、制御装置34は、エージング運転動作を実行し、素子温度及びモータ温度の上昇度合いから、異常の有無を判断する。異常の有無は、素子温度、モータ温度の各々が、予め設定されている所定範囲を超えたかどうかにより判断される。制御装置34は、異常があると判断した場合には、例えば操作パネルにおいてその異常種類に応じた報知を行うように構成されている。
より具体的には、IGBT35a〜35fの場合、−30〜130℃の範囲で使用されることを想定し、その範囲が所定範囲とされる。モータ18の場合、−30〜150℃の範囲で使用されることを想定し、その範囲が所定範囲とされる。そして、素子温度のみが所定範囲を超えた場合には、パワーモジュール52或いは放熱フィン54の取付不良(放熱用シリコンの塗布不良)の異常と判断されてその旨が報知される。モータ温度のみが所定範囲を超えた場合には、モータ18において巻線の短絡等の異常があると判断されてその旨が報知される。素子温度及びモータ温度の両方が所定範囲を超えた場合には、駆動機構部17のベアリング等に不具合(不良)があると判断され、その旨が報知される。
次に、上記構成の洗濯機1の作用について、図5〜図8も参照して述べる。上記構成の洗濯機1においては、インバータ回路33のIGBT35a〜35fの素子温度が検出され、また、制御装置34によりモータ18のモータ温度が判定される。制御装置34は、それら素子温度及びモータ温度に基づいて、モータ18を制御しながら洗濯運転を実行する。このとき、素子温度及びモータ温度の双方を利用して制御が可能となるので、制御装置34は、IGBT35a〜35fやモータ18の巻線の異常な温度上昇を防止しつつも、各温度が制限ぎりぎりになるまでIGBT35a〜35f及びモータ18を最大限の性能で動作させることができる。
ここで、洗濯機1においては、次のような特有の事情があり、そのような事情を考慮した制御が可能となる。即ち、モータ18の巻線は、温まりやすく、また冷めやすい特性があり、一方、インバータ回路33のIGBT35a〜35fは、温まりにくく、冷めにくいといった特性がある。また、洗濯運転においては、洗い、すすぎ、脱水といった行程が進められるが、特に洗い行程では脱水行程に比べてモータ18の温度上昇が起こりやすく、脱水行程においては、回転槽11の回転によってモータ18がいわば冷却風を受け、むしろ洗い行程で上昇した温度を低下させることができるといった事情もある。
図5は、洗濯機1において、標準の洗濯運転コースを3回連続して繰り返した場合の、素子温度及びモータ温度の変化の様子を調べた結果の一例を示している。この図5からも、洗い行程でモータ18の温度上昇が起こりやすいこと、脱水行程では、モータ温度が低下すること、1回目よりも2回目、2回目よりも3回目の方が、素子温度及びモータ温度の両方に関して温度が高くなること等が理解できる。
この場合、洗濯機1においては、3回連続運転しても、素子温度はしきい値(100℃)以下に抑えられ、モータ温度は、しきい値(110℃)以下に抑えられるような設計がなされている。しかし、外部環境や、部品の経年による劣化、故障、ユーザによる使い方等によって、素子温度やモータ温度がしきい値以上となるケースがある。例えば、ユーザが洗い行程のみを行った後、続けて洗い行程を行うといった使い方をした場合、図5に比較して更にモータ温度の上昇が著しくなる虞がある。
そこで、制御装置34は、素子温度及びモータ温度の少なくとも一方がしきい値以上となった場合、洗濯運転の制御を変更する、主としてモータ18の動作を弱めるような制御を行う。例えば、モータ温度が高くなった場合には、脱水行程の時間を長くとったり、モータ18の休止時間を長くとったりすることで、モータ温度を効果的に低下させることができる。素子温度が高くなった場合には、給水時間を長くとる等、モータ18に通電しない時間を長くしたり、パワーモジュール52を冷却するための冷却ファン55の風量を上げたりして、IGBT35a〜35fの温度を効果的に低下させることができる。
また、上記のように、制御装置34は、洗い行程の初期(例えば洗い行程全体の時間に対し初期の1/3の時間帯)において検出された素子温度及びモータ温度と、記憶部56に記憶されている温度変動のデータから、洗い行程終了までのモータ18及びインバータ回路33のIGBT35a〜35fの温度上昇度合いを推定する。モータ18及びIGBT35a〜35fの少なくともいずれか一方制限値(しきい値)を超えると予測される場合には、制御装置34は、洗い行程の途中(例えば洗い行程全体の時間に対し1/3の時間の経過後)から、該制限値を超えないようにモータ18の動作を弱める制御を行う。
今、図6は、例えば1回目の洗い行程を行う場合の、約15分間にわたる洗い行程における、素子温度及びモータ温度の変動の様子を示している。洗い行程の初期における、素子温度、モータ温度が共に約30℃であり、この温度からは、素子温度及びモータ温度の両方に関して、通常の制御で問題なく洗い行程を進めていくことができると判断される。従って、この場合には、モータ18の動作を弱める制御は行われることはない。
これに対し、図7は、例えば洗濯運転を繰り返し行った場合の、複数回目の洗い行程における、素子温度及びモータ温度の変動の様子を示している。ここでは、洗い行程の初期において、モータ温度が約40℃と比較的高く、また、素子温度も約50℃近くと高いものとなっている。このような場合には、通常の制御を続けると、例えばモータ温度が制限値(110℃)を超えてしまうことが予測される。従って、制御装置34は、洗い行程の途中、例えば図に符合Aで示す5分程度経過後から、モータ18の動作を弱める制御、例えばモータ18の休止(停止)時間を通常よりも長くする等の制御が行われる。これにより、洗い行程の初期におけるモータ温度(又は素子温度)が高い場合でも、モータ18及びIGBT35a〜35fの異常な温度上昇を防止することができる。
更に本実施形態では、例えば製品出荷前の検査工程において、作業者の操作パネルの入力操作に基づき、制御装置34は、モータ18及びIGBT35a〜35fの温度上昇を調べる検査モードを実行する。図8のフローチャートは、検査モードにおいて制御装置34が実行する処理手順を示している。即ち、ステップS1にて検査モードが入力されると、ステップS2にてエージング運転動作が実行されて、動作後の素子温度及びモータ温度が確認される。
次のステップS3では、素子温度のみが予め設定されている所定範囲(例えば−30〜130℃の範囲)を超えたかどうかが判断される。素子温度が所定範囲を超えている場合には(ステップS3にてYes)、ステップS4にて、パワーモジュール52或いは放熱フィン54の取付不良がある旨が、例えば操作パネルの表示により報知される。ステップS5では、モータ温度のみが予め設定されている所定範囲(例えば−30〜150℃の範囲)を超えたかどうかが判断される。モータ温度が所定範囲を超えている場合には(ステップS5にてYes)、ステップS6にて、モータ18或いはリード線に不具合がある旨が、例えば操作パネルの表示により報知される。
ステップS7では、素子温度及びモータ温度の両方が所定範囲を超えているかどうかが判断される。素子温度及びモータ温度の両方が所定範囲を超えている場合には(ステップS7にてYes)、ステップS8にて、駆動機構部17のベアリングや組立てに不具合がある旨が、例えば操作パネルの表示により報知される。上記したいずれにも該当しない、つまり素子温度及びモータ温度のどちらも所定範囲を超えていない場合には(ステップS7にてNo)、正常であると判断され、そのまま検査モードが終了する。このように、検査モードでは、異常が判断された場合には、異常種類に応じた報知が行われるので、作業者は速やかに適切な対処を行うことができる。
このように本実施形態の洗濯機1によれば、次のような効果を得ることができる。即ち、本実施形態においては、制御装置34は、モータ18のモータ温度及びインバータ回路33のIGBT35a〜35fの素子温度の双方を利用して、洗濯運転を制御するので、異常な温度上昇を防止しつつも、各温度が制限ぎりぎりになるまでインバータ回路33及びモータ18を最大限の性能で動作させることができる。この結果、本実施形態によれば、モータ18の巻線及びインバータ回路33のIGBT35a〜35fの温度異常からの保護を効果的に行うことができる。
このとき、制御装置34は、素子温度及びモータ温度のいずれか一方又は両方がしきい値以上の高温となったときに、モータ18の動作を弱めるように制御を変更する。これにより、モータ18やインバータ回路33のIGBT35a〜35fの温度を効果的に低下させることができ、モータ18やインバータ回路33の保護を図ることができる。
特に本実施形態では、制御装置34は、洗い行程の初期における素子温度及びモータ温度から、洗い行程終了までに素子温度及びモータ温度の少なくともいずれか一方が制限値を超えるかどうかを推定し、制限値を超えると予測される場合には、洗い行程の途中からモータの動作を弱めるように制御を変更するように構成した.これにより、モータ18及びIGBT35a〜35fの異常な温度上昇を防止することができながら、洗い行程を高い能力で効率的に行うことが可能となる。
更に、特に本実施形態では、制御装置34は、検査モードにおいて、素子温度及びモータ温度の上昇度合いから、異常を判断し、異常種類に応じた報知を行うように構成した。これにより、素子温度及びモータ温度の上昇度合いから、異常を十分な確かさで判断することができ、異常が判断された場合には、異常種類に応じた報知が行われるので、速やかに適切な対処を行うことができる。
尚、上記実施形態では、モータ(巻線)に流れる電流値から制御装置がモータ温度を判定するように構成したが、センサ等によりモータの温度を直接的に検出する構成としても良い。制限値としきい値とを同等の温度に設定したが、制限値よりもしきい値の方をより小さい値に設定しても良い。上記実施形態では、縦軸型の洗濯機に適用したが、横軸型(いわゆるドラム式)の洗濯機に適用しても良い。上記実施形態で説明した、温度や時間等の具体的数値は、一例を示したものに過ぎず、適宜変更して実施し得る。
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本実施形態およびその変形は、発明の範囲および要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
図面中、1は洗濯機、2は外箱、6は水槽、11は回転槽、13は撹拌体、17は駆動機構部、18はモータ、21はクラッチ機構、30は電子ユニット、33はインバータ回路、34は制御装置(モータ温度判定手段)、35a〜35fはIGBT(スイッチング素子)、42は素子温度検出装置、52はパワーモジュール、54は放熱フィン、55は冷却ファン、56は記憶部を示す。
Claims (4)
- モータと、
前記モータを駆動するスイッチング素子を備えるインバータ回路と、
前記モータを制御して洗い行程を含んだ洗濯運転を実行する制御装置と、
前記スイッチング素子の温度を検出する素子温度検出装置と、
前記モータの温度を判定するモータ温度判定手段とを備え、
前記制御装置は、前記素子温度検出装置が検出した素子温度、及び、前記モータ温度判定手段が判定したモータ温度に基づいて、洗濯運転を制御する洗濯機。 - 前記制御装置は、前記素子温度及びモータ温度のいずれか一方又は両方がしきい値以上の高温となったときに、前記モータの動作を弱めるように制御を変更する請求項1記載の洗濯機。
- 前記制御装置は、洗い行程において予想される前記モータ及び前記スイッチング素子の各々の温度変動に基づき、洗い行程の初期における前記素子温度及びモータ温度から、該洗い行程終了までに前記モータ温度及び素子温度の少なくともいずれか一方が制限値を超えるかどうかを推定し、制限値を超えると予測される場合には、該洗い行程の途中から該制限値を超えないように前記モータの動作を制御する請求項1又は2記載の洗濯機。
- 前記制御装置は、前記素子温度及びモータ温度の上昇度合いから、異常を判断し、異常種類に応じた報知を行う請求項1から3のいずれか一項に記載の洗濯機。
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