対をなす歯列によって記録材束を挟む記録材綴じ装置において、記録材束が薄い場合と厚い場合の双方に対応するために、異なる噛み合い重なり量を有する2対の歯列を並列に設けた場合、それぞれの歯列の対は、対応する厚さの記録材束の綴じにのみ貢献する。
本発明は、ある厚さの記録材束に対応した噛み合い重なり量を有する歯列が他の厚さの記録材束の綴じにも貢献する記録材綴じ装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、歯並び方向に並んだ複数の歯を有する第1歯列と、歯並び方向に並んだ複数の歯を有し、第1歯列と噛み合う第2歯列であって、第1歯列と協働して記録材束を挟み記録材を綴じる、第2歯列と、を含み、第1歯列と第2歯列は、第1歯列と第2歯列が噛み合ったときに、歯丈方向において第1歯列に属する歯と第2歯列に属する歯が重なる噛み合い重なり量が第1噛み合い重なり量である、第1領域と、歯並び方向において第1領域に隣接し、噛み合い重なり量が、第1噛み合い重なり量より大きい第2噛み合い重なり量である、第2領域と、を含む、記録材綴じ装置である。
請求項2に係る発明は、歯並び方向において中央に第1領域が位置し、第1領域に隣接する両側に第2領域が位置する、請求項1に記載の記録材綴じ装置である。
請求項3に係る発明は、2つの第2領域に属する歯の数が第1領域に属する歯の数より少ない、請求項2に記載の記録材綴じ装置である。
請求項4に係る発明は、第2領域に属する歯の連続数が第1領域に属する歯の連続数より少ない、請求項2に記載の記録材綴じ装置である。
請求項5に係る発明は、歯並び方向において中央に第2領域が位置し、第2領域に隣接する両側に第1領域が位置する、請求項1に記載の記録材綴じ装置である。
請求項6に係る発明は、2つの第1領域に属する歯の数が第2領域に属する歯の数より少ない、請求項5に記載の記録材綴じ装置である。
請求項7に係る発明は、第1領域に属する歯の連続数が第2領域に属する歯の連続数より少ない、請求項5に記載の記録材綴じ装置である。
請求項8に係る発明は、歯並び方向に並んだ複数の歯を有する第1歯列と、歯並び方向に並んだ複数の歯を有し、第1歯列と噛み合う第2歯列であって、第1歯列と協働して記録材束を挟み記録材を綴じる、第2歯列と、を含み、第1歯列と第2歯列の少なくとも一方は、第1歯丈を有する歯から形成された低歯領域と、第1歯丈より高い第2歯丈を有する歯から形成された高歯領域と、を有する、記録材綴じ装置である。
請求項9に係る発明は、低歯領域が歯並び方向において中央に位置し、高歯領域が歯並び方向において低歯領域に隣接する両側に位置する、請求項8に記載の記録材綴じ装置である。
請求項10に係る発明は、2つの高歯領域に属する歯の数が低歯領域に属する歯の数より少ない、請求項9に記載の記録材綴じ装置である。
請求項11に係る発明は、高歯領域に属する歯の連続数が低歯領域に属する歯の連続数より少ない、請求項9に記載の記録材綴じ装置である。
請求項12に係る発明は、高歯領域が歯並び方向において中央に位置し、低歯領域が歯並び方向において高歯領域に隣接する両側に位置する、請求項8に記載の記録材綴じ装置である。
請求項13に係る発明は、2つの低歯領域に属する歯の数が高歯領域に属する歯の数より少ない、請求項12に記載の記録材綴じ装置である。
請求項14に係る発明は、低歯領域に属する歯の連続数が高歯領域に属する歯の連続数より少ない、請求項12に記載の記録材綴じ装置である。
請求項1に係る発明によれば、ある厚さの記録材束に対応した噛み合い重なり量を有する歯列が他の厚さの記録材束の綴じにも貢献することができる。
請求項2および5に係る発明によれば、第1領域と第2領域が1つずつの場合に比べ、第1領域と第2領域の境界の数を増やすことができる。
請求項3、4、6および7に係る発明によれば、第1領域に属する歯と第2領域に属する歯が同数の場合に比べて歯列を小さくすることができる。
請求項8に係る発明によれば、ある厚さの記録材束に対応した歯丈を有する歯列が他の厚さの記録材束の綴じにも貢献することができる。
請求項9および12に係る発明によれば、低歯領域と高歯領域が1つずつの場合に比べ、低歯領域と高歯領域の境界の数を増やすことができる。
請求項10、11、13および14に係る発明によれば、低歯領域に属する歯と高歯領域に属する歯が同数の場合に比べて歯列を小さくすることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。図1は、本実施形態の記録材綴じ装置10を備えた画像形成システム12の概略構成を示す模式図である。画像形成システム12は、例えば電子写真方式による印刷機能や複写機能などを備えた画像形成装置14と、画像形成装置14にて画像形成された後の記録材に対して例えば穴あけや綴じなどの後処理を行う記録材後処理装置16を備えている。本実施形態の記録材綴じ装置10は、記録材後処理装置16に搭載され得るものである。
画像形成装置14は、取得した原稿情報に基づきトナー像を形成する画像形成部18を有する。原稿情報は、画像形成装置14が備えた原稿読取り部20により原稿を読み取って取得してもよく、また外部装置から取得してもよい。画像形成装置14は、更に記録材送り機構22を含む。送られる記録材は、長方形にカットされたシート状の記録材であり、材質は例えば紙である。記録材送り機構22は、積層された記録材を保持する供給トレイ24と、供給トレイ24から排出口26へと記録材を送る搬送路28を備える。搬送路28を送られる過程で記録材は画像形成部18で形成されたトナー像を受け取り、トナー像が定着される。排出口26から送り出された記録材は、記録材後処理装置16に受け取られる。
記録材後処理装置16において、受け取った記録材は、必要に応じて集積トレイ30上に積層され記録材束が形成される。集積が必要でない場合、記録材は排出トレイ32に送出される。記録材は、集積トレイ30上に予め定められた枚数が集積されると、記録材綴じ装置10により綴じられる。記録材綴じ装置10は、それぞれ配列された複数の歯を含む対をなす2個の歯型34,36を有する。2個の歯型を区別するために、便宜上、図1において上側に位置する歯型を上側歯型34,下側に位置する歯列を下側歯型36と記す。2個の歯型34,36は、綴じ対象となる記録材を挟んで対向するよう配置されればよく、左右に配置されてもよく、また上側歯型34を下に、下側歯型36を上に配置してもよい。
上側歯型34と下側歯型36は、一方または双方が駆動機構により相手側の歯型に向けて進退し、進出したときにはそれぞれの歯型の歯列同士が噛み合う。歯列が噛み合うことにより、挟まれた記録材は波形に変形し、相互に押し付けられて、記録材同士が結合して、綴じられる。綴じられた後、記録材束は、排出トレイ32に送り出される。
図2は、上側歯型34と下側歯型36を示す図である。図2中の左右方向に歯が並んでおり、歯列を形成している。上側歯型34の歯列を上側歯列38、下側歯型36の歯列を下側歯列40と記す。歯が並ぶ方向、すなわち左右方向を「歯並び方向」と記す。また、図2中の上下方向である歯丈の方向を「歯丈方向」と記し、歯並び方向と歯丈方向に直交する方向を「歯幅方向」として以下説明する。
図2において、上側歯型34と下側歯型36は互いに離れ、開いた状態にある。開いた状態にある上側歯型34と下側歯型36が記録材束42に相対するよう移動し、そして上側歯型34と下側歯型36が閉じられて、記録材束42が上側歯列38と下側歯列40に挟まれて、綴じられる。図2において記録材束42は、その一部が示されている。記録材束42が上側歯列38と下側歯列40に挟まれると、記録材束42を構成する積層された記録材は歯並び方向に引き伸ばされつつ波形に変形され、さらに押圧されて、相互に結着する。記録材の変形は、上側歯列38に属する歯と下側歯列40に属する歯が互いに噛み込む量に応じて変化する。この歯が互いに噛み込む量を、記録材束を挟まない状態で歯列38,40同士を噛み合わせたときの、歯列38,40に属する歯同士の重なり量として定める。図3に示すように、歯列38,40を記録材を挟まずに噛み合わせたとき、歯列38,40に属する歯の歯先の上下方向の距離を「噛み合い重なり量d」とする。
記録材束42は、何枚かの記録材が重ねられたものであり、記録材束42の厚さは、重ねられた記録材の枚数が少ない場合は薄く、多い場合は厚くなる。歯列の噛み合い重なり量dは、記録材束の厚さに応じて適した値がある。記録材束42が薄い場合、噛み合い重なり量dが大きいと、歯列により挟持されたとき記録材は引き伸ばされて破れ、記録材束を綴じられないことがある。よって、記録材束42が薄い場合は、小さい重なり噛み合い量が適切である。一方、記録材束42が厚い場合、重なり噛み合い量dが小さいと、記録材を十分に波形に変形させることができず、記録材同士が結合せずに記録材束を綴じられないことがある。よって、記録材束42が厚い場合は、大きい重なり噛み合い量dが適切である。
この記録材綴じ装置10においては、厚さの異なる記録材束42に対応するために、下側歯型36において、異なる歯丈の歯により下側歯列40を構成している。下側歯列40の中央部には、低い歯丈hsを有する歯(低歯)46が配列される。低歯46の両側には高い歯丈htを有する歯(高歯)48が配列される(hs<ht)。上側歯型34においては、共通の歯丈の歯50により上側歯列38が構成されている。上側歯列38の歯50の歯丈は、下側歯列の高歯48の歯丈htとすることができる。以下、下側歯列40の低歯46を下側低歯46、高歯48を下側高歯48、上側歯列38の歯を上側高歯50と記す。なお、各歯の歯幅については共通である。
図4は、上側歯列38と歯丈の異なる歯を有する下側歯列40とを噛み合わせた状態を示す図である。噛み合わせたとき、上側高歯50と下側低歯46は小さい重なり噛み合い量dsを形成し、上側高歯50と下側高歯48は、重なり噛み合い量dsより大きな重なり噛み合い量dtを形成する(ds<dt)。したがって、上側高歯50と下側低歯46の組合せは記録材束42が薄い場合に適し、上側高歯50と下側高歯48の組合せは記録材束42が厚い場合に適する。
歯並び方向において下側低歯46が存在する範囲は、上側歯列38と下側歯列40を噛み合わせたとき、小さい重なりかみ合い量hsとなる領域であり、この領域は薄い記録材束42に対応した領域である。この下側低歯46により規定される領域を低歯領域52と記す。また、歯並び方向において下側高歯48が存在する範囲は、大きい重なりかみ合い量htとなる領域であり、この領域は厚い記録材束42に対応した領域である。この下側高歯48により規定される領域を高歯領域54と記す。低歯領域52と高歯領域54の境界は、下側歯列40においては隣接する下側低歯46と下側高歯48の間の歯底で規定され、上側歯列38においては、前記の歯底に対応する歯の歯先(頂点)または歯並び方向における歯の中心線で規定される。高歯領域54のもう一方の境界は、下側歯列40の両端の歯の歯先(頂点)または歯並び方向における歯の中心線で規定される。下側歯列40の両端の歯の外側の歯面は、記録材束42の挟持に関係しないので、この歯面は高歯領域54に含まない。図2の例において、低歯領域52に属する歯の数は6歯であり、2つある高歯領域54の一方に属する歯の数は2.5歯である。高歯領域54全体としては、5(=2.5+2.5)歯である。
低歯領域を形成するために、上側歯列38と下側歯列40の双方の歯の歯丈を低くしてもよい。図5には、上側歯列38と下側歯列40に歯丈hmの歯56,58を設けた例が示されている。噛み合い重なり量dmは、歯56、歯58のそれぞれの歯先間の歯丈方向の距離となる。
下側低歯46と下側高歯48の歯丈の差は、例えば0.2〜0.3mmである。図5のように、歯列38,40の双方に歯丈の低い歯56,58を設ける場合、一方の歯列のみ低歯を設けた場合の寸法差を上下の歯列38,40の歯に振り分ける。双方に等しく(例えば0.15mmずつ)振り分けてもよく、また0.1mmと0.2mmなど異なる値で振り分けてもよい。
また、歯列38,40の双方に歯丈の低い歯56,58を設ける場合、図6に示すように噛み合い重なり量dが異なる3つの領域が形成される。高歯48,50の歯面で噛み合い重なり量が規定される高歯領域54と、低歯56,58で噛み合い重なり量が規定される低歯領域52との間に遷移領域60が形成される。遷移領域60は、図6に示す高歯50の右側の歯面の歯先と歯底で規定される。遷移領域60の噛み合い重なり量は、低歯領域52と高歯領域54の中間的な噛み合い重なり量となる。この場合には、便宜的に遷移領域60の歯並び方向における中央を低歯領域52と高歯領域54の境界とする。
図7は、上側歯列38と下側歯列40の歯先が記録材束42に当たったときの状態を示している。この状態から噛み合い状態が更に進むと、高歯領域54内の記録材が歯列38,40に押されて引き伸ばされ、また変形する。このとき、低歯領域52との境界62付近では、高歯領域54内の記録材束42が低歯領域52内の記録材束42を高歯領域54内に引き込もうとする(矢印A参照)。この結果、高歯領域54における境界62近傍においては、高歯のみで構成された歯列の場合に比べ、記録材の伸びが少なくなる。このため、薄い記録材束42を綴じるとき、記録材束42を構成する記録材の破れが抑制され、厚い記録材束42を綴じるための高歯領域54でも、その一部において薄い記録材束42の綴じに貢献するようになる。
一方、低歯領域52における境界62近傍においては、高歯領域54内の記録材束42に引き寄せられて、下側低歯46と上側高歯50に噛み込まれる前に記録材束42の伸びが始まる。このため、低歯領域52の境界62近傍においては、低歯のみで構成された歯列の場合に比べ、記録材束42の伸びが多くなる。厚い記録材束42を綴じるとき、本来低歯では記録材を十分に伸ばせないところ、より伸ばせるようになり、低歯領域52でも、その一部において厚い記録材束42の綴じに貢献するようになる。
このように、低歯領域52と高歯領域54を歯並び方向に隣接させることにより、薄い記録材束42のための低歯領域52が厚い記録材束42の綴じにおいても貢献するようになり、また厚い記録材束42のための高歯領域54が薄い記録材束42の綴じにおいても貢献するようになる。したがって、低歯領域52よりも広い領域が薄い記録材束42における記録材同士の結着に寄与し、高歯領域54よりも広い領域が厚い記録材束42における記録材同士の結着に寄与することになる。これは、低歯領域と高歯領域が歯並び方向において隣接しない場合と同等の結着に寄与する領域を得るための歯列の歯並び方向の長さが短くて済むことを意味する。
図2に示す実施形態のように、中央部に低歯領域52が、両側端部に高歯領域54が配置される場合、記録材束42を綴じる際に、まず両側端部にて記録材束42が挟まれるので、低歯領域52内から高歯領域54内に引き込まれる記録材は少ない。このため、薄い記録材束42の綴じに対する高歯領域54の貢献は、一方の端部のみに高歯領域54を配置した歯列の構成に比べて少なくなる。一方、高歯領域54では、より外側、つまり低歯領域52とは反対側から記録材束42が引き込まれるので、結着に関係する記録材の長さは十分に確保される。つまり、記録材束42は、低歯領域52よりも高歯領域54に引き込まれやすく、結着に関連する記録材の長さに関して、高歯領域54の方が有利となる。このため、高歯領域54に属する歯の数を、低歯領域52に属する歯の数より少なくし得る。また、上側歯列38と下側歯列40の一方または両方の歯並び方向の長さを短くし得る。
また、記録材同士の結着には、歯の連続数が寄与する場合がある。前述のように中央部に低歯領域52が形成される場合、高歯領域54の方が結着に関して相対的に有利であるから、高歯領域54における歯の連続数を低歯領域52における歯の連続数よりも小さくし得る。また、上側歯列38と下側歯列40の一方または両方の歯並び方向の長さを短くし得る。
図8は、下側歯型の他の形態を示す図である。上側歯型は前述の上側歯型34と同じであり、上側歯型34に属する構成要素については、前述の符号を流用して説明する。この形態の下側歯型64は、異なる歯丈の歯を有する下側歯列66を有する。下側歯列66の中央部には、高い歯丈htを有する歯(高歯)68が配列される。高歯68の両側には低い歯丈hsを有する歯(低歯)70が配列される(hs<ht)。以下、下側歯列66の高歯68を下側高歯68、低歯70を下側低歯70と記す。また、各歯の歯幅は共通である。
噛み合わせたとき、上側高歯50と下側低歯70は小さい重なり噛み合い量dsを形成し、上側高歯50と下側高歯68は、重なり噛み合い量dsより大きな重なり噛み合い量dtを形成する(ds<dt)。したがって、上側高歯50と下側低歯70の組合せは記録材束42が薄い場合に適し、上側高歯50と下側高歯68の組合せは記録材束42が厚い場合に適する。図8に示す実施形態においては、歯列38,66の中央に大きい噛み合い重なり量dtの高歯領域72が形成され、歯並び方向において高歯領域72の両側に隣接して小さい噛み合い重なり量dsの低歯領域74が形成される。高歯領域72と低歯領域74の境界は、下側歯列66においては隣接する下側高歯68と下側低歯70の間の歯底で規定され、上側歯列38においては前記の歯底に対応する歯の歯先(頂点)または歯並び方向における歯の中心線で規定される。低歯領域74のもう一方の境界は、下側歯列66の両端の歯の歯並び方向における歯の中心線で規定される。下側歯列66の両端の歯の外側の歯面は、記録材束42の挟持に関係しないので、この歯面は低歯領域に含まない。前述のように、高歯領域72は厚い記録材束42に対応した領域であり、低歯領域74は薄い記録材束42に対応した領域である。
図8の例において、高歯領域72に属する歯の数は6歯であり、2つある低歯領域74の一方に属する歯の数は2.5歯である。低歯領域74全体としては、5(=2.5+2.5)歯である。
下側高歯68と下側低歯70の歯丈の差は、例えば0.2〜0.3mmである。低歯領域を形成するために、図5に関して前述したのと同様に、上側歯列38と下側歯列66の双方の歯の歯丈を低くしてもよい。この場合、一方の歯列のみ低歯を設けた場合の寸法差を上下の歯列38,66の歯に振り分ける。双方に等しく(例えば0.15mmずつ)振り分けてもよく、また0.1mmと0.2mmなど異なる値で振り分けてもよい。
上下の歯列38,66の双方に低歯を設ける場合、前述のように噛み合い重なり量が異なる3つの領域が形成される。中間の噛み合い重なり量を有する遷移領域の歯並び方向における中央を便宜的に高歯領域72と低歯領域74の境界とする。
図8に示す実施形態のように、中央部に高歯領域72が、両側端部に低歯領域74が配置される場合、記録材束42を綴じる際に、まず中央部の高歯領域72において記録材束42が挟持され、記録材の変形が始まる。高歯領域72の記録材の変形により、低歯領域74内の記録材束42の一部が高歯領域72に引き込まれる。低歯領域74内および低歯領域74より更に外側にある記録材束42は拘束されていないため、拘束を受けているときよりも多くの量の記録材束42が高歯領域72内に引き込まれる。このため、高歯領域72における隣接する低歯領域74との境界付近の記録材の伸びが抑制され、薄い記録材束42を綴じるとき破れが抑制され、厚い記録材束42を綴じるための高歯領域72でも、その一部において薄い記録材束42の綴じに貢献するようになる。一方で、低歯領域74における隣接する高歯領域72との境界付近の記録材は、反対側の境界、または歯列38,66の外側にて拘束されていないため、拘束されている場合に比べ伸びず、厚い記録材束42の綴じへの貢献は限定的となる。つまり、記録材の伸びに関し、高歯領域72の端部での伸びの抑制が有利に作用し、薄い記録材束42を綴じる際に、実質的に綴じに貢献する領域が、物理的な低歯領域74より大きくなる。このため、低歯領域74に属する歯の数を、高歯領域72に属する歯の数より少なくし得る。また、上側歯列38と下側歯列66の一方または両方の歯並び方向の長さを短くし得る。
また、記録材同士の結着には、歯の連続数が寄与する場合がある。前述のように中央部に高歯領域72が形成される場合、高歯領域72の一部が薄い記録材束42の綴じに貢献することから、薄い記録材束42に対応する低歯領域74における歯の連続数を高歯領域72における歯の連続数よりも小さくし得る。また、上側歯列38と下側歯列66の一方または両方の歯並び方向の長さを短くし得る。
上述の実施形態においては、各歯の歯底をそろえ歯先の位置により歯丈および噛み合い重なり量の定めたが、これに限らず、例えば歯先をそろえ、歯底に位置により歯丈及び噛み合い重なり量を定めてもよい。