(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、本明細書では、特に断らない限り、前後方向は、車両の前進時の前後方向に沿う方向を基準とし、左右の方向は、車両の前進時の方向(前方)を向いた状態での左右の方向に沿う方向を基準とする。
本発明の第1実施形態における車両用非乗員保護装置1は、図1および図2に示すように、エアバッグ装置2と、車両Vの車幅方向に配置される左右一対のフードパネル跳ね上げ装置6(左側フードパネル跳ね上げ装置6L、右側フードパネル跳ね上げ装置6R)と、を備えて構成されている。エアバッグ装置2は、図4および図5に示すように、エアバッグ3と、エアバッグ3に膨張用ガスGを供給するガス発生器4(第1実施形態では、車幅方向に左右一対のガス発生器4(左側ガス発生器4L、右側ガス発生器4R)が配置されている)と、折り畳んだエアバッグ3とガス発生器4とを収納する収納部5と、で構成されており、車両VのフードパネルHPの後端部の下方側であって、車幅方向のほぼ全域に亘って、フロントガラスFGの前方側のカウル部COの部位に配置されている。また、フードパネル跳ね上げ装置6(左側フードパネル跳ね上げ装置6L、右側フードパネル跳ね上げ装置6R)は、ヒンジ部材7(左側ヒンジ部材7L、右側ヒンジ部材7R)と、ポップアップアクチュエータ8(左側ポップアップアクチュエータ8L、右側ポップアップアクチュエータ8R)と、で構成され、図1に示すように、左端側では、左側フードパネル跳ね上げ装置6Lが、フードパネルHPと左側フェンダFDLに跨った下方側の車体部分に固定されて配置されている。また、右端側でも同様に、フードパネルHDと右側フェンダFDRに跨った下方側には、右側フードパネル跳ね上げ装置6Rが、配置されている。
収納部5は、図5乃至図8に示すように、車両Vの前後方向に沿う断面が、上方に向けて開口した略U字状の、板金部材であって、折り畳んだエアバッグ3を収容可能なハウジング50と、ハウジング50の上方側の開口を閉塞可能なカバー部材51と、から形成されている。ハウジング50は、板金部材をプレス加工で、図5乃至図8に示すように、上方が開口した断面略U字状の略箱型形状に形成し、前方壁50F、後方壁50R、底壁50D及び、左右端を構成する、左側壁と右側壁と、を備えている。底壁50Dは、図示しない締結手段(第1実施形態では、ボルト締め)によって車体側に固定されることで、ハウジング50を、車体側に取り付けている。また、車両Vの上下方向について、前方壁50Fは、後方壁50Rより上端の位置が高くされている。言い換えれば、上下方向の寸法について、前方壁50Fは後方壁50Rより大きくされている。カバー部材51は、ハウジング50に、図示しない固定手段で取り付けられ、前壁部51Fおよび後壁部51Rと、ハウジング50の開口を上方から覆う上壁部51Uと、から構成されており、オレフィン系エラストマーやポリプロピレン等の樹脂材料部材で、射出成形等の成形法で形成されている。なお、本実施形態では、ハウジング50は、材質SPFC440からなる鋼板部材を、板金加工で折り曲げて形成した板金部材とされており、一方、カバー部材51は、オレフィン系エラストマーを射出成形することで形成されている。
図5乃至図7に示すように、カバー部材51の上壁部51Uは、前後方向の略中央部分を頂点として、前側部51UFが前方に向けて傾斜し、後側部51URが後方に向けて傾斜する、略山形形状とされており、前側部51UFと後側部51URとの境界部であるの山形形状の頂点が、厚みが小さい薄肉とされて、エアバッグ3の展開膨張時に破断する破断予定部51UTとされている。さらに、後側部51URと後壁部51Rとの境界部は、展開膨張するエアバッグ3によって、収納部5の内方側から押圧された上壁部51Uが、破断予定部51UTで破断して、後側部51URが後方に向けて回転してエアバッグ3が膨出する開口を形成するためのヒンジ部51UHとされている。すなわち、後側部51URは、展開膨張するエアバッグ3が、収納部5から斜め後方に向けて膨出するための扉部として機能する。なお、第1実施形態では、図5乃至図8に示すように、エアバッグ装置2は、折り畳んだ状態のエアバッグ3が収納された収納部5は、前方部分が、フードパネルHPの後端部の下方側に配置され、後方部分は、フードパネルHPの後端より後方側となるように配置されている。即ち、収納部5の後方部分は、フードパネルHPの後端とフロントガラスFGの前端との間に配置されている。さらに、フロントガラスFGの前方側と、収納部5との間には、車両構成体としてのワイパー(図示しない)の回転軸部9が配置されている。回転軸部9の内部には、ワイパーを回動させるための図示しないモーター等が配置されている。
次に、図4に示すように、エアバッグ3は、ポリアミドやポリエステル等の2枚の布帛を重ね合わせ、外周縁を、縫製線(2点鎖線で示す)30で縫製することによって袋状に形成されている。そして、エアバッグ3は、折り畳まれておらず平らに展開した状態で、後述する、展開膨張時に、車両VのフロントガラスFGとフロントピラーFPの前面側を車外側から覆う主膨張部31と、主膨張部31の前方側中間部分の左右両側の離隔した部位に連通される左右一対の連通路部35(左側連通路部35L、右側連通路部35R)と、主膨張部31の中央部に前方に向けて突出するように連通される補助膨張部34と、で構成されている。
主膨張部31は、展開膨張の完了状態で、フロントガラスFGの前方側の下方部分を、車幅方向ほぼ全域を覆うフロントガラス被覆部32と、フロントガラス被覆部32の左右両側に配置され、フロントガラス被覆部32より前後方向の長さが大きくなるよう後方に向けて凸形状とされ、車両Vの後方側までを覆い可能とされて、フロントピラーFPの前方で上下方向の下端から中間部分までを覆う左右一対のフロントピラー被覆部33(左側フロントピラー被覆部33L、右側フロントピラー被覆部33R)とで構成され、全体的には、フロントガラスFGとフロントピラーFPの前方側の形状に合わせ、車幅方向に沿った形状が略凹形状とされている。
左右一対の連通路部35(左側連通路部35L、右側連通路部35R)は、図4に示すように、主膨張部31の車両Vの前方側(図示左方側)の中央部から左右方向に所定距離離れた位置に一端側が連通されており、その全体形状は、L字状に屈曲した鉤状とされて、他端側は、開口して、ガス発生器4(左側ガス発生器4L、右側ガス発生器4R)を挿入可能に挿入口36(左側挿入口36L、右側挿入口36R)とされている。また、挿入口36(左側挿入口36L、右側挿入口36R)には、ガス発生器4(左側ガス発生器4L、右側ガス発生器4R)が挿入された状態で、外周部が図示しないかしめ部材で締結されてガスシールされている。
ガス発生器4(左側ガス発生器4L、右側ガス発生器4R)は、図4に示すように、略筒状の本体部41(左側本体部41L、右側本体部41R)と、本体部41(左側本体部41L、右側本体部41R)の一端側に設けられたガス噴出口42(左側ガス噴出口42L、右側ガス噴出口42R)と、から構成されており、ガス噴出口42(左側ガス噴出口42L、右側ガス噴出口42R)と、ガス噴出口42(左側ガス噴出口42L、右側ガス噴出口42R)寄りの本体部41(左側本体部41L、右側本体部41R)が、挿入口36(左側挿入口36L、右側挿入口36R)から、挿入されて連通路部35(左側連通路部35L、右側連通路部35R)の内方側に配置され、本体部41(左側本体部41L、右側本体部41R)で、ガス噴出口42(左側ガス噴出口42L、右側ガス噴出口42R)の設けられていない他端側は、連通路部35(左側連通路部35L、右側連通路部35R)の外方側に配置されている。なお、第1実施形態では、本体部41(左側本体部41L、右側本体部41R)の車幅方向の長さの約半分が、連通路部35(左側連通路部35L、右側連通路部35R)の内方側に配置されている。
なお、第1実施形態では、ガス発生器4(左側ガス発生器4L、右側ガス発生器4R)は、図4に示すように、左右に並列に2個のガス発生器4(左側ガス発生器4L、右側ガス発生器4R)が配置されている。それぞれのガス発生器4(左側ガス発生器4L、右側ガス発生器4R)は、内部で膨張用ガスGを発生させる筒状でシリンダー状の本体部41(左側本体部41L、右側本体部41R)と、本体部41(左側本体部54L、右側本体部41R)の一方の端部(左側ガス発生器4Lでは左端、右側ガス発生器4Rでは右端)に設けられたガス噴出口42(左側ガス噴出口42L、右側ガス噴出口42R)とで構成され、さらに、ガス噴出口42(左側ガス噴出口42L、右側ガス噴出口42R)が設けられていない、他方の端部は、上述のように、連通路部35(左側連通路部35L、右側連通路部35R)の外方側に配置されて、車両Vからの信号を受信する、図示しないワイヤーハーネスとのコネクタ部とされている。
補助膨張部34は、図4に示すように、主膨張部31の前方側のほぼ中央部から前方に向けて突出する略長方形状で、図8に示すように、展開膨張の完了状態では、後端部を除いた、車両前後方向についての前方側のほぼ全域が、フードパネルHPの下方側となるように設けられ、補助膨張部34の後端は、主膨張部31の前端に、主膨張部31から膨張用ガスGが供給可能に連通されている。なお、主膨張部31と補助膨張部34との連通部は、所謂テザー等の隔壁は用いずに、補助膨張部34の車幅方向の全域で膨張用ガスGが連通可能とされており、主膨張部31から流入する膨張用ガスG(一点鎖線の矢印で示す)は、流動抵抗は小さく円滑に補助膨張部34内に流入することができる。そして、補助膨張部34は、展開膨張の完了状態では、収納部5(ハウジング50)の上面側の前後方向の全域を覆い可能な前後方向の長さを備えている。すなわち、補助膨張部34の前後方向の長さは、収納部5(ハウジング50)の前後方向の長さより大きくされており、補助膨張部34について、その後端は、収納部5(ハウジング50)の後端より後方側に配置されており、一方、前端は、収納部5(ハウジング50)の前縁より前方側となるように設けられている。
また、補助膨張部34の左右方向(車幅方向)の長さは、図4に示すように、主膨張部31の左右方向の長さより小さくされており、補助膨張部34の左右側で、離隔して設けられた、左側挿入口36Lと右側挿入口36Rとの間を埋めるように、この間隙の左右(車幅)方向の長さとほぼ同じ左右長さとされている。すなわち、補助膨張部34について、左端が、左側挿入口36Lの近傍に配置され、右端が、右側挿入口36Rの近傍に配置されている。なお、補助膨張部34の左右方向の長さは、前述の左側挿入口36Lと右側挿入口36Rとの間の離隔距離より大きくして、連通路部35(左側連通路部35L、右連通路部35R)の端部の上方にまで延設することができる。すなわち、補助膨張部34は、上方側から見て、ガス発生器4(左側ガス発生器4L、右側ガス発生器4R)の、挿入口36(左側挿入口36L、右側挿入口36R)より外側に配置される部位を、上方から覆い隠す左右方向の長さを有することが好ましい。しかし、エアバッグ3の展開膨張の完了時に、補助膨張部34の左縁と左側挿入口36Lとの干渉、及び、補助膨張部34の右縁と右側挿入口36Rとの干渉を考慮すると、補助膨張部34の左・右端と左側挿入口36L、右側挿入口36Rとの間には、エアバッグ3の円滑な展開膨張を考慮して、若干の隙間を設けても良い。
次に、フードパネル跳ね上げ装置6が、図1に示すように、フードパネルHPの後端部近傍の下方側に配置されている。フードパネル跳ね上げ装置6は、右端側と左端側に2個(左側フードパネル跳ね上げ装置6L、右側フードパネル跳ね上げ装置6R)配置されている。それぞれのフードパネル跳ね上げ装置6(左側フードパネル跳ね上げ装置6L、右側フードパネル跳ね上げ装置6R)は、図5乃至図8に示すように、ヒンジ部材7(左側ヒンジ部材7L、右側ヒンジ部材7R)とポップアップアクチュエータ8(左側ポップアップアクチュエータ8L、右側ポップアップアクチュエータ8R)とで構成されており、左側フードパネル跳ね上げ装置6L、右側フードパネル跳ね上げ装置6Rは、車両Vの左右方向で車両Vの前後方向の中心線に対して線対称となる位置に配置されている。
以下フードパネル跳ね上げ装置6の詳細について説明するが、左側フードパネル跳ね上げ装置6Lと右側フードパネル跳ね上げ装置6Rとは、上述の通り、左右対称となっていること以外は同一なので、右側フードパネル跳ね上げ装置6Rについてのみ説明する。
右側フードパネル跳ね上げ装置6Rは、図1および図5乃至図8に示すように、右側ヒンジ部材7Rと右側ポップアップアクチュエータ8Rとで構成されている。図5乃至図8に示すように、右側ヒンジ部材7Rは、車体にボルト締めで固定(第1実施形態の場合、2個のボルトで固定)される右側ベース部材71Rと、右側ベース部材71Rの後端側の軸支部74Rに回転可能に軸支される右側アーム部材70Rと、で構成されている。
図5に示すように、右側ベース部材71Rは、車体に2個のボルトで締結されて固定されるベース部72Rと、右側ベース部72Rの車幅方向の車内側の端部からほぼ垂直に立ち上がる右側縦壁部73Rとで構成され、右側縦壁部73Rの後端部には右側軸支部74Rが設けられている。右側アーム部材70Rは、前端部が、フードパネルHP後端部の下方側にボルト(第1実施形態の場合2個)で締結・固定される板状の締結部75Rと、締結部75Rから後方に向けて下方に向けて湾曲する形状の右側アーム部70Rと、で構成され、右側アーム部70Rの後端は、右側軸支部74Rに回転可能に取り付けられている。なお、右側ベース部材71Rと右側アーム部70Rは、ともに、鋼板部材を、鍛造処理等で形成することができる。
次に、右側ポップアップアクチュエータ8Rは、図5乃至図8に示すように、筒状の右側シリンダ80Rと、図5示す右側シリンダ80R内の格納状態から、図6乃至図8に示すように、右側シリンダ80Rから上方に向けて突出する右側ロッド部材81Rと、を備えている。さらに、右側シリンダ80Rの底部には、図示しないガス発生器が取付けられており、ガス発生器の作動用ガスが右側シリンダ80R内に噴出されることで、右側ロッド部材81Rが、右側シリンダ80R内から上方に向けて突出させられる。また、右側ポップアップアクチュエータ8Rは、右側シリンダ80Rの外周を把持する右側ブラケット84Rを、ボルト(図示せず)で車体に締結することによって車体に取付・固定されている。
次に、第1実施形態の、車両用非乗員保護装置1の作動の態様について説明する。
車両Vの前端部には、図示しない衝突センサーあるいは近接センサーまたはその両方が配置されており、これらセンサーが、歩行者等の非乗員との衝突や、衝突が回避できないと判断した接近を検知すると、図示しないECUを経由して、車両用非乗員保護装置1に作動用信号を送信する。
作動用信号を受信した車両用非乗員保護装置1は、先ず、ポップアップアクチュエータ8(右側ポップアップアクチュエータ8R、左側ポップアップアクチュエータ8L)が作動を開始する。ポップアップアクチュエータ8の作動の態様も、右側ポップアップアクチュエータ8Rと、左側ポップアップアクチュエータ8Lとは、左右対称で同時に作動を開始するため、右側ポップアップアクチュエータ8Rについてのみ説明する。
右側ポップアップアクチュエータ8Rは、作動用信号を受信すると、ガス発生器(図示せず)が作動して、作動用ガス(図示せず)を右側シリンダ80R内で、下端側から上方の右側ロッド部材81Rの底面に向けて噴出する。すると、右側ロッド部材81Rは、図5に示す右側シリンダ80R内の格納状態から、図6乃至図8に示すように、右側シリンダ80Rから上方に向けて押し出される。右側ロッド部材81Rは、図6乃至図8に示すように、右側棒状部82Rと、右側棒状部82Rの頭頂部で球面部が上方に向けた略半球状の右側頭部83Rとを備えており、右側頭部83Rは、図5に示すように、ガス発生器の作動前には、右側締結部75Rの下方で、右側締結部75Rから所定の距離離隔して配置されている。なお、この状態では、エアバッグ装置2は作動を開始していない。
次に、図6に示すように、作動用ガスによって、右側ロッド部材81Rが上方に向けて押し出され、右側シリンダ80Rの頂部から突出した右側ロッド部材81Rは、右側頭部83Rが、右側締結部75Rに当接するとともに、さらに、上昇を続け、フードパネルHPの後端部が上方に向けて押し上げられる(即ち、フードパネルHPの後端部がポップアップする)。
なお、フードパネルHPは、図示しない前端側が、ストライカによって車体に脱着可能に取り付けられている。即ち、ポップアップアクチュエータ8(右側ポップアップアクチュエータ8R、左側ポップアップアクチュエータ8L)の非作動時である通常時には、ヒンジ部材7(右側ヒンジ部材7R、左側ヒンジ部材7L)の右側アーム部材70Rと右側縦壁部73Rとは、図示しないシェアピン等で固定されており、車両Vのエンジンルームを上方から覆っているフードパネルHPは、ストライカの車体への取り付けを取り外すことにより、ヒンジ部材7Rを中心に回動して、フードパネルHPの前端部が、上方に向けて展開可能となり、エンジンルームを開放することができる。
右側ロッド部材81Rは、続いて、図7、図8に示すように、上方に向けて押し上げられて、フードパネルHPの後端部を、上方に向けて押し上げる。なお、右側ロッド部材81Rの押し上げに際して、右側ヒンジ部材7Rは、後端に配置された右側軸支部74Rを中心に、右側アーム部材70Rが回動することとなるが、通常時においては、右側アーム部材70Rと、右側縦壁部73Rとは、図示しないシェアピンで固定されて、上述の通り、エンジンルームの上方側を覆って、開閉可能とされているが、右側ロッド部材81Rの押し上げによってシェアピンの固定が解除されて、右側ロッド部材81Rの押し上げが可能となる。
次に、エアバッグ装置2の作動の態様について、図6乃至図8を用いて説明する。
エアバッグ装置2は、図6に示すように、ポップアップアクチュエータ8(右側ポップアップアクチュエータ8R、左側ポップアップアクチュエータ8L)の作動開始時には、まだ作動を開始しておらず、第1実施形態の場合、ポップアップアクチュエータ8(右側ポップアップアクチュエータ8R、左側ポップアップアクチュエータ8L)は、エアバッグ装置2に先駆けること、15ms(ミリ秒)早く作動を開始する。なお、ポップアップアクチュエータ8(右側ポップアップアクチュエータ8R、左側ポップアップアクチュエータ8L)の作動のタイミングは、補助膨張部34が展開膨張を開始する前に作動を開始すればよく、その作動のタイミングは、エアバッグ装置2と同時に作動を開始してもよく、エアバッグ装置2より、早く作動を開始することが好ましく、好適には、0.1ms(ミリ秒)〜30ms(ミリ秒)早く作動を開始することが好ましく、さらに、10ms(ミリ秒)〜20ms(ミリ秒)とすることがさらに好ましい。なお、補助膨張部34は、ガス発生器4(右側ガス発生器4R、左側ガス発生器4L)が、膨張用ガスGを発生して、エアバッグ3が展開膨張を開始しても、エアバッグ3は、最初に、連通路部35(右側連通路部35R、左側連通路部35L)が展開膨張を開始し、次いで、連通路部35(右側連通路部35R、左側連通路部35L)から膨張用ガスGが供給される主膨張部31が展開膨張し、補助膨張部34は、主膨張部31から膨張用ガスGが供給されるので、エアバッグ3の作動開始より遅れて展開膨張を開始することになる。従って、補助膨張部34の展開膨張の開始時に、ポップアップアクチュエータ8(右側ポップアップアクチュエータ8R、左側ポップアップアクチュエータ8L)が、フードパネルHPの後端部の押し上げを開始していればよく、この点を考慮すれば、フードパネル跳ね上げ装置6(右側フードパネル跳ね上げ装置6R、左側フードパネル跳ね上げ装置6L)と、エアバッグ装置2との作動開始のタイミングを同時としてもよい。
エアバッグ3は、上述の通り、通常時には、図5に示すように、収納部5の内部に折り畳んだ状態で、収納されている。図6に示すように、ポップアップアクチュエータ8(右側ポップアップアクチュエータ8R、左側ポップアップアクチュエータ8L)の作動開始に遅れること15ms(ミリ秒)で、エアバッグ装置2は、ガス発生器4が膨張用ガスGを発生して、作動を開始する。
図6に示すように、エアバッグ装置2は、ガス発生器4(右側ガス発生器4R、左側ガス発生器4L)が、ポップアップアクチュエータ8(右側ポップアップアクチュエータ8R、左側ポップアップアクチュエータ8L)の作動開始に遅れること15ms(ミリ秒)経過後に作動用信号を受信すると、本体部41(右側本体部41R、左側本体部41L)内で発生した膨張用ガスGが、ガス噴出口42(右側ガス噴出口42R、左側ガス噴出口42L)からエアバッグ3内に供給される。膨張用ガスGは、ガス噴出口42(右側ガス噴出口42R、左側ガス噴出口42L)から噴出すると、先ず、エアバッグ3の連通路部35(右側連通路部35R、左側連通路部35L)内に供給される。この時、右側ガス発生器4Rは、右側連通路部35Rの右側挿入口36Rに挿入されて右連通路部35R内に膨張用ガスGを供給し、左側ガス発生器4Lは、左側挿入口36Lから左側連通路部35Lに挿入されて左側連通路部35L内に膨張用ガスGを供給して、連通路部35(右側連通路部35R、左側連通路部35L)が膨張させられる。
連通路部35(右側連通路部35R、左側連通路部35L)は、膨張用ガスGの供給によってハウジング50の内部で膨張し、カバー部材51の上壁部51Uを下方側から上方側に向けて押圧する。すると、上壁部51Uは、前側部51UFと後側部51URとの境界部(頂部)で、薄肉とされた破断予定部51UTで破断し、後壁部51Rと後側部51URとの境界部がヒンジ部51UHとなって、後側部51URが後方側に向けてヒンジ部51UHを中心として回動し、エアバッグ3が、収納部5から膨出する開口が形成される。即ち、後側部51URは、エアバッグ3が膨出するエアバッグドアとして機能する。ここで、後側部51URは、図5、図6に示すように、エアバッグ3が、後方上方側の、フロントガラスFGおよびフロントピラーFPに向けて効果的に展開膨張ができるよう、前方側が高く、後方側に向けて傾斜している。また、エアバッグ3は、連通路部35(右側連通路部35R、左側連通路部35L)が収納部5の内側で膨張する際に、連通路部35(右側連通路部35R、左側連通路部35L)の前方側が、図5乃至図8に示すように、ハウジング50の前方壁50Fに圧接する。即ち、連通路部35(右側連通路部35R、左側連通路部35L)は、前方壁50Fに前方側を支持されて収納部5に形成された開口から車両斜め上方を向いた後方側に向けて適確に膨張することとなる。従って、前方壁50Fは、膨張する際のエアバッグ3(連通路部35(右側連通路部35R、左側連通路部35L)で押圧された時に、エアバッグ3を適確に後方側へ膨張させることのできる強度(剛性)を有している必要がある。なお、前方壁50Fと前壁部51Fとは、収納部5の前縁を構成する。
なお、第1実施形態では、後側部51URは、エアバッグ3が斜め上方を向いた後方側に向けて適確に展開膨張できるように、45度の傾斜を有しているが、エアバッグ3の適確な展開膨張を考慮すれば、30〜60度の角度とすること好ましい。30度未満では、エアバッグ3の後方上方側に円滑な展開膨張が困難となり、60度を越えると、収納部5の全高が大きくなり、エアバッグ装置2の配置が困難となる。また、エアバッグ3の斜め上方を向いた後方側に向けての円滑な展開膨張のためには、エアバッグ3は、後側部51URを扉部として、後方側に向けて展開膨張するのが好ましい。この観点から前側部51UFの部位からエアバッグ3が膨出するのは好ましくないため、変形強度は、前側部51UFは、後側部51URより高強度としてある。高強度とするためには、第1実施形態では、前側部51UFに厚みを後側部51URの厚みより厚く設定しているが、これに限らず、前側部51UFの下方側(収納状態の折り畳み状態のエアバッグ3に面した側)に補強リブを設ける方法や、2色成形法で、前側部51UFを後側部51URより高強度の合成樹脂を用いて形成することもできる。
次いで、連通路部35(右側連通路部35R、左側連通路部35L)を膨張させた膨張用ガスGは、主膨張部31内に流入する。主膨張部31内に流入した膨張用ガスGは、図4に一点鎖線矢印で示すように、車幅方向の左右方向に向けて分流する。即ち、右側連通路部35Rからの膨張用ガスGは、分流した一方は、車幅方向の中央側のフロントガラス被覆部32向けて流入し、他方の分流は、右方向の車幅方向の右端方向に向け、フロントガラス被覆部32の右方向側から右フロントピラー被覆部33Rへ流入して、フロントガラス被覆部32の右方側部分と右フロントピラー被覆部33Rと、を膨張させることとなる。また、左側連通路部35Lからの膨張用ガスGは、右側連通路部35Rからの膨張用ガスGと、左右対称に、フロントガラス被覆部32の左方側部分と左側フロントピラー被覆部33Lと、を膨張させることとなる。
図4及び図7に示すように、右側連通路部35Rと左側連通路部35Lと、から車幅方向の中央側のフロントガラス被覆部32に向けて分流した膨張用ガスGは、続いて、フロントガラス被覆部32の中央部から車両前方側に向けて突出するように連通された補助膨張部34内に流入して、補助膨張部34を膨張させる。即ち、連通路部35(右側連通路部35R、左側連通路部35L)から分流した膨張用ガスGは、補助膨張部34の前方側の主膨張部31(フロントガラス被覆部32)から補助膨張部34内に流入する。
図7および図8に示すように、膨張用ガスGが流入した補助膨張部34は、後端である、主膨張部31(フロントガラス被覆部32)との連通部から前方に向けて展開膨張する。この際に、補助膨張部34は、エアバッグ3の展開膨張に先んじて作動を開始した、フードパネル跳ね上げ装置6(右側フードパネル跳ね上げ装置6R、左側フードパネル跳ね上げ装置6L)の作動によって、後端部が上方に向けて移動させられているフードパネルHPの下方側と、収納部5の上方側との間に形成された間隙Sに向けて、後方側から前方側に向けて展開膨張する。膨張が完了した状態での補助膨張部34は、図8に示すように、フードパネルHPの下面側に対向する上面側34Uと、収納部5の上面側に対向する下面側34Dとを備えて、袋状とされている。そして、補助膨張部34の前端は、前方壁50Fと前壁部51Fとで構成される収納部5の前縁より前方側となるよう配置され、補助膨張部34の後端は、後方壁50Rと後壁部51Rとで構成される収納部5の後縁より後方側となるよう配置されている。即ち、補助膨張部34の車両前3後方向についての長さL1は、収納部5及びハウジング50の前後方向の長さL2より大きくされている。なお、図8に示すように、第1実施形態では、展開膨張を完了したエアバッグ3は、フロントガラスFPの車両前後方向の傾斜面に沿って車両後方側が高くなるように傾斜しており、主膨張部31と補助膨張部34との連通部について、下面側34Dが上面側34Uより車両後方側となるように配置されて、車両前後方向について、収納部5の上方側の全域を覆う構成としているが、下面側34Dより前方側に配置される上面側34Uは、車両前後方向について、収納部5の上方側(第1実施形態では、ほぼ中央部)に配置されている。
また、図8に示すように、補助膨張部34は、上面側34Uの主膨張部31との連通部を上端部として、上面側がフードパネルHPの下面側に対向するように、その全体がフードパネルHPの後端より下方側になるように形成されているが、車両前後方向については、上面側34Uと下面側34Dの後端は、フードパネルHPの後端より後方側とされている。さらに、主膨張部31については、上端が、フードパネルHPの後端より、車両上下方向では上方となるよう形成されているが、補助膨張部34の上面側34Uの後端(即ち、主膨張部31の前端)が、フードパネルHPの後端より後方側とされているので、主膨張部31は、フードパネル跳ね上げ装置6(右側フードパネル跳ね上げ装置6R、左側フードパネル跳ね上げ装置6L)によって、上方側に跳ね上げられてポップアップしたフードパネルHPの後端縁とは干渉を抑制できるよう配置されている。
なお、上述の通り、第1実施形態の車両用非乗員保護装置1では、フードパネル跳ね上げ装置6(右側フードパネル跳ね上げ装置6R)が、エアバッグ装置2より早く(第1実施形態では、15ms(ミリ秒))作動を開始するが、図8に示すように、フードパネル跳ね上げ装置6(右側フードパネル跳ね上げ装置6R)とエアバッグ装置2との作動完了のタイミングは、ほぼ同時(第1実施形態では、エアバッグ装置2の作動開始から30ms(ミリ秒))としている。
図4に示すように、補助膨張部34についての、車幅方向である左右方向の長さは、右側連通路部35Rの左端で右側ガス発生器4Rの右側挿入口36Rと、左側連通路部35Lの右端で、左側ガス発生器4Lの左側挿入口36Lとの間の間隙とほぼ同じ寸法を有している。シリンダ形状のガス発生器4(右側ガス発生器4R、左側ガス発生器4L)は、ガス噴出口42(右側ガス噴出口42R、左側ガス噴出口42L)と、本体部41(右側本体部41R、左側本体部41L)のガス噴出口42(右側ガス噴出口42R、左側ガス噴出口42L)寄りの少なくとも一部(第1実施形態では、本体部41の長さの約半分)が、挿入口36(右側挿入口36R、左側挿入口36L)から連通路部35(右側連通路部35R、左側連通路部351L)内に挿入されて配置されている。そして、ガス発生器4(右側ガス発生器4R、左側ガス発生器4L)の、ガス噴出口42(右側ガス噴出口42R、左側ガス噴出口42L)から離隔した部位の本体部41(右側本体部41R、左側本体部41L)が、挿入口36(右側挿入口36R、左側挿入口36L)から外側に露出して、連通路部35(右側連通路部35R、左側連通路部35L)の外方側に配置されている。
第1実施形態の、エアバッグ装置2では、主膨張部31の前方側に、膨張用ガスGが主膨張部31から流入可能に連結されて、主膨張部31から膨張用ガスGが供給され、フードパネルHPの下方側で、上面側が、フードパネルHPの下面側に対向し、下面側が、収納部5の上面側に対向して、収納部5を車両Vの上面側から覆うように、車両Vにおける前後方向長さについて、収納部5を構成するハウジング50の前後方向の長さL2より大きな長さL1を有する補助膨張部34を備えた構成である。
ここで、図4に示すように、車幅方向について、補助膨張部34は、主膨張部31の中央部分に配置されて、車幅方向の長さ(左右方向)は、主膨張部31の長さより小さくされている。詳細には、互いに離隔して配置された、右側連通路部35Rの左端の右側ガス発生器4Rの右側挿入口36Rと左側連通路部35Lの右端の左側ガス発生器4Lの左側挿入口36Lとの間の離隔距離にほぼ等しい長さM1であって、この右側連通路部35Rの左端と左側連通路部35Lの右端との間隙を埋めるように配置されて、その下方側に配置されているガス発生器4(右側ガス発生器4R、左側ガス発生器4L)と、ハウジング50の上方側を覆う構成である。こうすることにより、強度の高い板金部材のハウジング50は、フードパネルHPの上方から歩行者等の非乗員が干渉して、フードパネルHPが下方に変位或いは変形させられても、補助膨張部34がその上方側で膨張することにより、適確に衝撃を受止めることができる。特に、補助膨張部34の車両前後方向の長さL1を、ハウジング50の前後方向の長さL2より大きくしたので、補助膨張部34は、車両前後方向について、ハウジング50の全域を覆うことができるため、展開膨張するエアバッグ3(連通路部35(右側連通路部35R、左側連通路部35L))を受止めて支持するために高剛性とされた前方壁50Fの上方側からの衝撃も適確に受け止めて、衝撃を緩和することができる。
なお、第1実施形態では、補助膨張部34の車幅方向の長さを、右側連通路部35Rの左端側の右側挿入口36Rと左側連通路部35Lの右端の左側挿入口36Lとの間の長さにほぼ等しくしている。具体的には、膨張完了状態では、補助膨張部34の左端側と、対抗する右側連通路部35Rの左端側とは当接しており、補助膨張部34の右端側と、左側連通路部35Lの右端側とは当接する構成としている。但し、フードパネルHPの上面に干渉する歩行者等の非乗員との緩衝効果を損なわない範囲で、補助膨張部34の車幅方向の長さを小さくして、右側挿入口36Rと補助膨張部34の左端側との間、および、左側挿入口36Lと補助膨張部34の右端側との間に、若干の間隙を設けてもよい。
さらに、図8に示すように、エアバッグ3の膨張完了状態について、車両Vの上下方向の最大の厚みは、補助膨張部34の厚みT1は、主膨張部31の厚みT2より小さくされている。こうすることで、補助膨張部34は、ポップアップアクチュエータ8(右側ポップアップアクチュエータ8R、左側ポップアップアクチュエータ8L)の作動によって、上方移動させられたフードパネルHPの下方側と、収納部5(ハウジング50)との間の間隙Sに向けて円滑に、潜り込むように展開膨張することができる。
以上で説明したように、第1実施形態の車両用非乗員保護装置1では、車幅方向の中央部分で、特に、剛性が高く、上方からの押圧力に対して変形荷重の大きい、ガス発生器4(右ガス発生器4R、左側ガス発生器4L)の内、連通路部35(右連通路部35R、左側連通路部35L)の内側には配置されず、挿入口36(右側挿入口36R、左側挿入口36L)の外方側に配置された部位と、収納部5の内、板金部材等の硬質部材で形成されているハウジング50の内、特に高強度とされて、収納部5の前縁をカバー部材51の前壁部51Fと協同で構成する前方壁50Fの上方側を、直接覆うことにより、歩行者等の非乗員による上方からの衝撃を効果的に緩和することができる。特に、フードパネルHPは、車幅方向の左右両端に配置されたフードパネル跳ね上げ装置6(右側フードパネル跳ね上げ装置6R、左側フードパネル跳ね上げ装置6L)から離隔し、ガス発生器4が配置された中央側部分が、非乗員の衝突などによる下方に向けての変形応力が大きくなり、この部位に補助膨張部34を設けることで、より効果的な緩衝効果を発揮することができる。
また、第1実施形態の非乗員保護装置1では、エアバッグ装置2に加え、フードパネル跳ね上げ装置6(左側フードパネル跳ね上げ装置6L、右側フードパネル跳ね上げ装置6R)を備えた構成である。フードパネル跳ね上げ装置6(左側フードパネル跳ね上げ装置6L、右側フードパネル跳ね上げ装置6R)は、ポップアップアクチュエータ8(右側ポップアップアクチュエータ8R、左側ポップアップアクチュエータ8L)が、補助膨張部34の膨張に先んじて作動を開始して、フードパネルHPの後端部を上方へ押し上げる構成である。このため、補助膨張部34の展開膨張の開始時または、エアバッグ装置2の作動開始時には、フードパネルHPの後端部が、非作動時の状態より上方へ変位した状態であるので、エアバッグ3の、補助膨張部34より先に膨張する主膨張部31から後方に向けて突出するよう連通され、主膨張部31から膨張用ガスGが供給される補助膨張部34は、膨張の開始時は、図6に示すように、フードパネルHPの後端より後方側に位置するものの、フードパネルHPの下方側と収納部5(ハウジング50)との間に形成された間隙S内に潜り込むように、効果的な展開膨張が可能となる。
さらに、第1実施形態の非乗員保護装置1では、図8に示すように、展開膨張を完了したエアバッグ3について、上述の通り、フロントガラスFGの前方側と、収納部5との間には、車両構成体としてのワイパー(図示しない)の回転軸部9が配置されている。エアバッグ3は、収納部5の後縁である、後方壁50Rと後壁部51Rとを、車両後方側に押圧しながら展開膨張をするが、この時、収納部5の後縁が、車両後方側に向けて大きく変位または変形すると、エアバッグ3が、ワイパーの回転軸部9等の車両構成体と干渉して、円滑な展開膨張が阻害される恐れがある。このため、第1実施形態では、後方壁50Rを、前方壁50Fと同じ板金材料を用いて高剛性とすることで、変位または変形を抑制し、展開膨張するエアバッグ3の回転軸部9との干渉を抑制している。
この場合においても、収納部5の前縁の上方部は、展開膨張したエアバッグ3(前縁に関しては、補助膨張部34に加え、補助膨張部34より後方側の主膨張部31と、展開膨張の初期に膨張用ガスGが供給されて収納部5から突出する連通路部35も、前縁の上方側となるように配置される)に覆われる構成であるので、フードパネルHPの下方に向けての変位または変形に対して効果的に衝撃吸収することが可能となる。
但し、エアバッグ装置2で、補助膨張部34が展開膨張を開始する前に、膨張用ガスGが供給されて展開膨張する、連通路部35(右側連通路部35R、左側連通路部35L)および主膨張部31によって、フードパネルHPの後端部が、予め上方に向けて押し上げられ、補助膨張部34が、フードパネルHP後端の下方側と、収納部5の上方側との間に、円滑に展開膨張することができれば、車両用非乗員保護装置1は、フードパネル跳ね上げ装置6(左側フードパネル跳ね上げ装置6L、右側フードパネル跳ね上げ装置6R)を設けない構成とすることもできる。
(第2実施形態)
続いて、本発明の第2実施形態の車両用非乗員保護装置12について説明する。第2実施形態についても、車両用非乗員保護装置12は、エアバッグ装置22とフードパネル跳ね上げ装置6(右側フードパネル跳ね上げ装置6R、左側フードパネル跳ね上げ装置6L)と収納部5とで構成されている。但し、フードパネル跳ね上げ装置6(右側フードパネル跳ね上げ装置6R、左側フードパネル跳ね上げ装置6L)と収納部5は、第1実施形態と同一であるので、第1実施形態と同一の符号を用い、詳細説明を省略し、エアバッグ装置22についてのみ、平面図である図9用いて説明を行う。なお、第2実施形態の一般断面は、第1実施形態の図5乃至図8と同様であるので、詳細な説明を省略する。
第2実施形態のエアバッグ装置22は、図9に示すように、エアバッグ32を備えており、主膨張部321は、連通路部325と補助膨張部324との連通の態様を除いて、第1実施形態と同様である。そして、連通路部325と、ガス発生器24は、共に1個だけが用いられている。また、第1実施形態と同じものを用いる場合には、同じ部材番号としている(但し、右側を示す「R」と、左側を示す「L」の記号は、省略する)。また、第2実施形態のエアバッグ32は、第1実施形態と同様に、ポリアミドやポリエステル等の2枚の基布を重ね合わせ、外周を縫製することにより袋状に形成しているが、第2実施形態では、縫製線は省略している。
エアバッグ装置22は、エアバッグ32とガス発生器24と、で構成され、非作動時には、折り畳まれたエアバッグ32とガス発生器24が、第1実施形態と同様に、収納部5内に収納されている。この内、収納部5(ハウジング50、カバー部材51)は、第1実施形態とは実質的に同一のため、同一符号を附し、詳細説明は省略する(第1実施形態とは、後述するガス発生器24の配置位置が異なるため、図示しない固定のための締結ボルトの位置が異なるのみである)。また、ガス発生器24は、外形形状は、第1実施形態とは同じであるが、第2実施形態では、1個しか用いられていないので、第1実施形態で用いたものより多くの膨張用ガスG’を発生する他、ハウジング50内の車幅方向での配置位置が異なる。なお、ハウジング50と、ガス発生器24は、図示していないが、共に、底面部がボルト等の締結手段で、車両の所定箇所に固定されている。
エアバッグ32は、図9に示すように、主膨張部321と、補助膨張部324と、連通路部325と、で構成されている。主膨張部321の態様は、上述の通り、前方側の補助膨張部324と連通路部325との連通の態様を除いては、第1実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
補助膨張部324は、主膨張部321の前方側であって、車幅方向の中央部から右方側の部位に、主膨張部321から膨張用ガスG’が流入可能に連通されており、その車幅方向の長さは、主膨張部321の凡そ1/3程度とされている。但し、この車幅方向の長さは、車両VのフードパネルHPの下方側で、障害物に干渉しない範囲で適宜調整することができ、最大では、ハウジング50の右方側全体の上方側の全体を覆う態様とすることができるが、歩行者等の非乗員との干渉を考慮して、主膨張部321の1/2〜1/4の長さとすることが好ましい。
第2実施形態の車両用非乗員保護装置12では、第1実施形態と同様に、エアバッグ装置22に先駆けること15ms(ミリ秒)で、フードパネル跳ね上げ装置6(右側フードパネル跳ね上げ装置6R、左側フードパネル跳ね上げ装置6L)が作動を開始して、フードパネルHPの後端部を上方に向けて押し上げる(図示せず)。
次いで、フードパネル跳ね上げ装置6(右側フードパネル跳ね上げ装置6R、左側フードパネル跳ね上げ装置6L)の作動開始後15ms(ミリ秒)経過すると、エアバッグ装置22が作動信号を受信して、ガス発生器24が、膨張用ガスG’を発生する。エアバッグ32は、図9に示すように、主膨張部321と、主膨張部321の前方側に、膨張用ガスG’が流通可能に、補助膨張部324と連通路部325が、車幅方向に並列に連通されている。
補助膨張部324は、上述の通り、車幅方向の長さが、主膨張部321の凡そ1/3の長さとされた横長の略長方形形状であり、第1実施形態と同様に、主膨張部321と補助膨張部324との連通部は、テザー等の隔壁による膨張用ガスG’の流動の制約は行わず、主膨張部321から補助膨張部324への膨張用ガスG’の流入は円滑である。また、補助膨張部324は、左端が主膨張部321の車幅方向のほぼ中央部に配置され、主膨張部321のほぼ中央部から右方側に配置される構成である。
次に、図9に示すように、連通路部325は、補助膨張324の左方側で主膨張部321に連通されている。連通路部325は、一端側(膨張用ガスG’の下流側)が主膨張部321に、膨張用ガスG’が流通可能に連通されるとともに、全体が略L字状の鉤状をなしており、他端側(膨張用ガスG’の上流側)は開口したガス発生器24の挿入口326とされている。この挿入口326には、ガス発生器24が挿入されて、第1実施形態と同様にガスシールされている。
ガス発生器24は、外形形状は、第1実施形態のものと同様であるが、第2実施形態では、1個しか用いないので、1個当たりの膨張用ガスG’の発生量は、第1実施形態のものより大きくされている。ガス発生器24は、図9に示すように、収納部5内では、左方側をガス噴出口242、右方側が内側で膨張用ガスG’を発生可能な本体部241となるように配置され、ガス噴出口242と本体部241の一部が、連通路部325の内側となるように配置されている。具体的には、ガス発生器24の本体部241とガス噴出口242の併せた全長のほぼ1/2が連通路部325の内側に配置され、残りのほぼ1/2が連通路部325の外方側で、ハウジング50の内側に配置されている。また、第1実施形態と同様に、連通路部325の外側に配置された本体部241の右側端部には、衝突センサーや近接センサーからの信号を受信する図示しないワイヤーハーネスが連結されている。
第2実施形態では、フードパネル跳ね上げ装置6(右側フードパネル跳ね上げ装置6R、左側フードパネル跳ね上げ装置6L)が、第1実施形態と同様に、衝突センサーや近接センサーからの信号によって、エアバッグ装置22に先駆けること15ms(ミリ秒)で作動を開始して、フードパネルHPの後端部を上方に向けて押し上げる。フードパネル跳ね上げ装置6(右側フードパネル跳ね上げ装置6R、左側フードパネル跳ね上げ装置6L)の作動開始後15ms(ミリ秒)経過すると、エアバッグ装置22が作動を開始する。
エアバッグ装置22は、ガス発生器24の本体部241内で膨張用ガスG’が発生すると、ガス噴出口242から膨張用ガスG’が噴出されて、連通路部325内に流入して、先ず、連通路部325が膨張する。第2実施形態では、第1実施形態と同じ収納部5(ハウジング50、カバー部材51)を用いているので、膨張した連通路部325は、カバー部材51を、上方に向けて押し上げ、山形形状とされたカバー部材51の頂部となる後壁部51Rと前壁部51Fとの境界部の薄肉とされた破断予定部51UTを破断させて、後壁部51Rは、後方側の後壁部51Rとの境界部をヒンジ部51UHとして、後方側へ回動して、エアバッグ32の膨出する開口を形成する。そして、膨張した連通路部325の前方側が、図示はしないが、第1実施形態と同様に、ハウジング50の前方壁50Fに圧接・支持されて、エアバッグ32が、円滑に車両後方側に向けて展開膨張することとなる。
連通路部325の膨張により、収納部5から突出したエアバッグ32は、膨張用ガスG’が、連通路部325から主膨張部321内に流入し、主膨張部321が、展開膨張を開始する。主膨張部321は、第1実施形態と同様に、フロントガラス被覆部322と、フロントガラス被覆部322の車幅方向の両側に配置され、フロントガラス被覆部322より、前後方向の長さが大きいフロントピラー被覆部323(右側フロントピラー被覆部323R、左側フロンピラー被覆部323L)と、から構成されている。そして、膨張用ガスG’は、連通路部325から主膨張部321内に流入すると、左右方向に分流し、右側に向けて分流した膨張用ガスG’は、右側フロントピラー被覆部323Rに到達する前に、主膨張部321と補助膨張部324との連通部から、補助膨張部324内に流入して補助膨張部324の膨張を開始させる。また、左側に向けて分流した膨張用ガスG’は、フロントガラス被覆部322の左方側から左側フロントピラー被覆部323L流入して、これらを膨張させる。
膨張用ガスG’が流入した補助膨張部324は、第1実施形態と同様に、フードパネル跳ね上げ装置6(右側フードパネル跳ね上げ装置6R、左側フードパネル跳ね上げ装置6L)によって押し上げが開始されているフードパネルHPの後端部の下方側と、収納部5(ハウジング50)との間の間隙Sの方向である、後方側に向けて膨張する。
第2実施形態の車両用非乗員保護装置12においては、補助膨張部324は、膨張完了状態において、車幅方向の長さは、上述の通り、主膨張部321の車幅方向の長さの凡そ1/3の長さを有しており、その左端が主膨張部321のほぼ中央部に位置する一方、右端は、右側フロントピラー被覆部323Rの左端近傍とされている。補助膨張部324は、車幅方向において、収納部5のハウジング50の上方を覆うと共に、ガス発生器24の本体部241の、連通路部325の挿入口326の外方側に配置されている部位の上方の大部分を覆う構成である。第2実施形態では、挿入口326と補助膨張部324の左端に、膨張した際の、補助膨張部324と連通路部325との干渉を回避するために、若干の間隙を設けた構成であるが、この間隙は、フードパネルHPの上面側への歩行者等の非乗員との干渉を考慮して、小さくすることが好ましく、補助膨張部324の左端側と連通路部325の右端側とを当接させる構成としても良い。
第2実施形態おいても、第1実施形態と同様に、剛性の高く、上方からの押圧力に対して変形荷重の大きい、ガス発生器24の内、挿入口326から連通路部325の内方側に挿入されない本体部241(本体部241と噴出口3242とを併せたガス発生器24の車幅方向の全長の凡そ1/2の長さ)と、収納部5の内、金属製等の硬質部材で形成されているハウジング50の内、ハウジング50内で、後方に向けて膨張するエアバッグ32を適確に支持するために、高強度(変形荷重が大)とされている前方壁50Fの上方側を、直接覆うことにより、歩行者等の非乗員による、上方からの衝撃を、効果的に緩和することができる。特に、ハウジング50の前方壁50Fについては、車幅方向の左右両端に配置されたフードパネル跳ね上げ装置6(右側フードパネル跳ね上げ装置6R、左側フードパネル跳ね上げ装置6L)から離隔した、中央側部分に配置することで、より緩衝効果を発揮することができる。
(第3実施形態)
続いて、本発明の第3実施形態の車両用非乗員保護装置13について説明する。第3実施形態についても、非乗員保護装置13は、エアバッグ装置23とフードパネル跳ね上げ装置6(右側フードパネル跳ね上げ装置6R、左側フードパネル跳ね上げ装置6L)と収納部5とで構成されている。但し、フードパネル跳ね上げ装置6(右側フードパネル跳ね上げ装置6R、左側フードパネル跳ね上げ装置6L)と収納部5は、第1実施形態および第2実施形態と同一であるので、第1実施形態と同一の符号を用い、詳細説明を省略し、エアバッグ装置23についてのみ、平面図である図10用いて説明を行う。なお、第3実施形態の一般断面は、第1実施形態の図5乃至図8と同様であるので、説明を省略する。
第3実施形態のエアバッグ装置23は、図10に示すように、エアバッグ33を備えており、主膨張部331は、連通路部335と補助膨張部334との連通の態様を除いて、第1実施形態と同様である。そして、連通路部335と、ガス発生器24は、共に1個だけが用いられているが、補助膨張部334は2個の補助膨張部334(右側補助膨張部334R、左側補助膨張部334L)が用いられる点が、第1実施形態および第2実施形態とは異なる。また、第1実施形態および第2実施形態と同じものを用いる場合には、同じ部材番号としている(但し、右側を示す「R」と、左側を示す「L」の記号は、省略する)。また、第3実施形態のエアバッグ33は、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、ポリアミドやポリエステル等の2枚の基布を重ね合わせ、外周を縫製することにより袋状に形成しているが、第3実施形態では、縫製線は省略している。
エアバッグ装置23は、エアバッグ33とガス発生器24と、で構成され、非作動時には、折り畳まれたエアバッグ33とガス発生器24が、第1実施形態と同様に、収納部5内に収納されている。この内、収納部5(ハウジング50、カバー部材51)は、第1実施形態とは実質的に同一のため、同一符号を附し、詳細説明は省略する(第1実施形態および第2実施形態とは、後述するガス発生器24の配置位置が異なるため、図示しない固定のための締結ボルトの位置が異なるのみである)。また、ガス発生器24は、第2実施形態と同じものを用いているので、同一の符号を用いて説明するが、車幅方向についてのハウジング50内での配置位置が異なっている。また、ハウジング50と、ガス発生器24とは、図示していないが、共に、底面部がボルト等の締結手段で、車両の所定位置に固定されている。
エアバッグ33は、図10に示すように、主膨張部331と、左右一対の補助膨張部334(右側補助膨張部334R、左側補助膨張部334L)と、連通路部335と、で構成されている。主膨張部331の態様は、前方側の補助膨張部334(右側補助膨張部334R、左側補助膨張部334L)と連通路部335との連通の態様を除いては、第1実施形態および第2実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
連通路部335は、略鉤状とされ、車幅方向に沿って配置された水平部の右端の端部が開口して、ガス発生器24の挿入口336とされ、車両前後方向に沿った垂直部の後方側の端部が主膨張部331の前端部の車幅方向のほぼ中央部に、ガス発生器24で発生した膨張用ガスG’’が流通可能に連結されている。
補助膨張部334(右側補助膨張部334R、左側補助膨張部334L)は、連通路部335の車幅方向の左右両側に一対の補助膨張部334(右側補助膨張部334R、左側補助膨張部334L)が、主膨張部331の前方側に、膨張用ガスG’’が流通可能に連結されている。そして、右側補助膨張部334Rと左側補助膨張部334Lとは、車幅方向に長い略長方形状で、両者は同形状である。
次いで、フードパネル跳ね上げ装置6(右側フードパネル跳ね上げ装置6R、左側フードパネル跳ね上げ装置6L)の作動開始後15ms(ミリ秒)経過すると、エアバッグ装置23が作動信号を受信して、ガス発生器24が、膨張用ガスG’’を発生する。エアバッグ33は、図10に示すように、主膨張部331と、主膨張部331の前方側に、膨張用ガスG’’が流通可能に、補助膨張部334(右側補助膨張部334R、左側補助膨張部334L)と連通路部335が、連通されている。
ガス発生器24は、筒状の本体部241と、本体部241の先端部に設けられたガス噴出口242とで、構成され、収納部5内で、噴出口3242が車幅方向の左側に向く方向に配置されている。ガス発生器24は、噴出口3242と、本体部241の左側部分が、挿入口336から連通路部335内に挿入され、挿入口336は、ガスシール構造とされている(図示せず)。ガス発生器24は、ガス噴出口242寄りの本体部241とガス噴出口242とを併せた長手方向の凡そ1/2が、挿入口336から連通路部335内に挿入されて配置され、残りの本体部241が、連通路部335の外方側に配置されている。そして、連通路部335の外方側に配置された端部(図10の左端部)には、上述の衝突センサーや近接センサーからの信号を受信するワイヤーハーネスの結合部とされている。
補助膨張部334(右側補助膨張部334R、左側補助膨張部334L)は、上述の通り、左右一対の補助膨張部334(右側補助膨張部334R、左側補助膨張部334L)が、主膨張部331の前方側で、図10に示すように、右側補助膨張部334Rが連通路部335の右方側に、左補助膨張部334Lが連通路部335の右方側で、後方側が主膨張部331の前方側に膨張用ガスG’’が流通可能に連結されている。
第3実施形態の車両用非乗員保護装置13では、第1実施形態および第2実施形態と同様に、エアバッグ装置23に先駆けること15ms(ミリ秒)で、フードパネル跳ね上げ装置6(右側フードパネル跳ね上げ装置6R、左側フードパネル跳ね上げ装置6L)が作動を開始して、フードパネルHPの後端部を上方に向けて押し上げる(図示せず)。
フードパネル跳ね上げ装置6(右側フードパネル跳ね上げ装置6R、左側フードパネル跳ね上げ装置6L)が作動を開始して15ms(ミリ秒)経過後に、エアバッグ装置23が、作動用信号を受信し、ガス発生器24が本体部241内で膨張用ガスG’’を発生させる。この膨張用ガスG’’は、ガス噴出口242から連通路部335内に噴出されて、連通路部335が膨張を開始する。
膨張した連通路部335(エアバッグ33)は、第1実施形態および第2実施形態と同様に、前方側が、ハウジング50の前方壁50Fに圧接・支持されて、車両前後方向の後方側に向けて円滑に展開膨張することができる。
図10に示すように、連通路部335を膨張させた膨張用ガスG’’は、車両前後方向の後方側の主膨張部331内に流入する。主膨張部331内に流入した膨張用ガスG’’は、矢印で示すように、車幅方向の左右方向に向けて分流し、フロントガラス被覆部332を膨張させながら、主膨張部331の左右両端のフロントピラー被覆部333(右側フロントピラー被覆部333R、左側フロントピラー被覆部333L)に到達して、膨張させることができる。さらに、左右に分流した膨張用ガスG’’は、フロントピラー被覆部333(右側フロントピラー被覆部333R、左側フロントピラー被覆部333L)の部位に到達する前に、連通路部335と、主膨張部331の左右両端との中間部(第3実施形態では、ほぼ中央)で、主膨張部331の前方側に連通された補助膨張部334(右側補助膨張部334R、左側補助膨張部334L)内に流入し、補助膨張部334(右側補助膨張部334R、左側補助膨張部334L)を膨張させる。
第3実施形態でも、フードパネルHPは、膨張用ガスG’’の補助膨張部334(右側補助膨張部334R、左側補助膨張部334L)内への流入以前に、フードパネル跳ね上げ装置6(右側側フードパネル跳ね上げ装置6R、左側フードパネル跳ね上げ装置6L)によってフードパネルHPの後端が、上方に向けて所定量移動させられているので、補助膨張部334(右側補助膨張部334R、左側補助膨張部334L)は、フードパネルHPの後端部の下方側と収納部5(ハウジング50)の上方側との間の間隙Sに、円滑に潜り込むように膨張することができる。
さらに、第3実施形態では、図10に示すように、膨張を完了した補助膨張部334(右側補助膨張部334R、左側補助膨張部334L)は、前端が、収納部5(ハウジング50)の前端より前方側に配置され、主膨張部331と連通された後端が、収納部5(ハウジング50)より後方側に配置されている。即ち、補助膨張部334(右側補助膨張部334R、左側補助膨張部334L)は、膨張完了状態で、ガス発生器24が内部に配置された収納部5(ハウジング50)の上方側を、車両前後方向の全域に亘って覆う構成である。
さらに、補助膨張部334(右側補助膨張部334R、左側補助膨張部334L)は、その車幅方向の左右長さは、連通路部335が連結された主膨張部331の左右方向の中央部と、主膨張部331の左右端との間の長さ(即ち、主膨張部331の左右方向長さの1/2)に対する凡そ1/2の長さを有している(即ち、主膨張部331の1/4の長さ)。そして、右側補助膨張部334Rは、連通路部335の右方側で、連通路部335の右方側の外方側のガス発生器24の本体部241の上方の、車幅方向のほぼ全域と、収納部5(ハウジング50)と、の上方側を覆って、車両に衝突した歩行者等の非乗員によるフードパネルHPの上方側からの衝撃を効果的に緩和することできる。また、左側補助膨張部334Lは、連通路部335の左方側で、連通路部335の右方側の収納部5(ハウジング50)の上方側を覆って、車両に衝突した歩行者等の非乗員によるフードパネルHPの上方側からの衝撃を効果的に緩和することできる。なお、右側補助膨張部334Rについて、その左端と連通路部335の右端とには、エアバッグ33の膨張時の干渉を考慮して、両者を離隔して配置しているが、この離隔の間隙は、フードパネルHPに加えられる衝撃を吸収するために支障のない最小の間隙としているが、両者の車幅方向の長さを最適化することで、膨張完了時に、右側補助膨張部334Rの左端と連通路部335の右端とを当接させることもできる。
以上説明したように、第3実施形態の、車両非乗員保護装置13においても、第1実施形態および第2実施形態と同様に、剛性が高く、上方からの変形荷重の大きいガス発生器24の内、連通路部335内に挿入されない本体部241(本体部241と噴出口3242とを併せたガス発生器24の車幅方向の全長の凡そ1/2の長さ)と、収納部5の内、金属製等の硬質部材で形成されているハウジング50の内、ハウジング50内で、後方に向けて膨張するエアバッグ33を適確に支持するために、高強度(変形荷重が大)とされている前方壁50Fの上方側を、直接覆うことにより、歩行者等の非乗員による、上方からの衝撃を、効果的に緩和することができる。特に、ハウジング50の前方壁50Fについては、主膨張部331の中央部の前方側に連結された連通路部335の車幅方向の左右両側で、車幅方向の左右両端に配置されたードパネル跳ね上げ装置6(右側フードパネル跳ね上げ装置6R、左側フードパネル跳ね上げ装置6L)から離隔した、連通路部335と車両Vの両端との中間部分に、補助膨張部334(右側補助膨張部334R、左側補助膨張部334L)を配置することで、効果的な緩衝効果を奏することができる。
(変形例)
なお、上記実施形態は、これを以下のように変更した変形例として実施することもできる。
<フードパネル跳ね上げ装置6について>
・第1実施形態乃至第3実施形態では、フードパネル跳ね上げ装置6を、エアバッグ装置2、22、23より前に作動させて、予め、フードパネルHPの下方側に、エアバッグ3、32、33が突出する間隙を設ける構成としたが、この間隙を確保できれば、フードパネル跳ね上げ装置6とエアバッグ装置2、22、23とを同時に作動を開始させてもよい。
・フードパネルHPの下面側と収納部5の上面側との間に、予め十分な間隙が形成されている場合や、エアバッグ3、32、33の初期に展開膨張する連通路部34、324、334によって、フードパネルHPを上方に押し上げて、フードパネルHPの下面側と収納部5の上面側との間に十分な間隙を形成することができる場合は、フードパネル跳ね上げ装置6を配置しない構成とすることもできる。
・フードパネル跳ね上げ装置6を、ポップアップアクチュエータ8を用いる構成としたが、フードパネルHPを持ち上げることのできる構成であれば、これに限らず、例えば、エアバッグ3、32、33とは別に、フードパネルHPを持ち上げるエアバッグを配置する構成とすることもできる。
<補助膨張部34、324、334について>
・補助膨張部34、324、334は、第1実施形態と第2実施形態ではそれぞれ1個だけ配置し、第3実施形態では2個配置する態様としたが、非乗員と衝突して、下方側に変位または変形するフードパネルの底付きをより効果的に抑制することができるように3個以上の補助膨張部を配置することができる。
・補助膨張部34、324、334は、収納部5の上方側の要部だけを覆う構成としたが、連通路部35、325、335の配置されていない部位のハウジング50の上方側の車幅方向の全域を覆う構成にすることができる。