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JP2018157538A - プログラム、撮像システム、情報処理装置 - Google Patents

プログラム、撮像システム、情報処理装置 Download PDF

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JP2018157538A
JP2018157538A JP2017208677A JP2017208677A JP2018157538A JP 2018157538 A JP2018157538 A JP 2018157538A JP 2017208677 A JP2017208677 A JP 2017208677A JP 2017208677 A JP2017208677 A JP 2017208677A JP 2018157538 A JP2018157538 A JP 2018157538A
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吉田 和弘
Kazuhiro Yoshida
和弘 吉田
啓一 河口
Keiichi Kawaguchi
啓一 河口
浩 水藤
Hiroshi Mizufuji
浩 水藤
浅井 貴浩
Takahiro Asai
貴浩 浅井
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Abstract

【課題】広角画像に重畳される平面画像を適切に補正できるプログラムを提供する。
【解決手段】第1の射影方式によって得られた広角画像に対し、第2の射影方式によって得られた平面画像を重畳する情報処理装置を、広角画像において平面画像が対応する対応領域を算出する射影方式逆変換手段と、広角画像の視線方向と平面画像の中心との変位量に応じて、広角画像と平面画像の少なくとも一方を補正する補正手段と、補正手段により補正された広角画像の対応領域に、補正手段により補正された平面画像を重畳する画像作成手段、として機能させる。
【選択図】図16

Description

本発明は、プログラム、撮像システム、及び情報処理装置に関する。
広角の平面画像のうちの一部の領域に、広角の平面画像とは別に撮像することで得られた平面画像を嵌め込むことで、全体的な画像と共に一部の領域の鮮明な画像を提供することができる。
また、近年、一度の撮像で、360°の全天球画像を得る特殊なデジタルカメラが提供されている。この全天球画像等の広角画像の一部に、平面画像を重畳する場合、両画像の明るさが異なるため、広角画像の中で平面画像が目立ってしまう場合がある。このような不都合に対し画像の明るさを調整する技術が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、互いに異なる露光条件で撮像された画像データの指定領域を、輝度特性に基づき表示部に出力する画像処理方法が開示されている。
しかしながら、広角画像の一部が表示された状態で単に平面画像の明るさを補正すると露出が過剰(露出オーバー)又は不足(露出アンダー)することがあるという問題がある。
広角画像は撮像範囲が広いため、ディスプレイなどの表示装置は広角画像の一部のみを表示する場合が多いが、広角画像の露出は撮像範囲全体を考慮して決定されるため、一部の領域の明るさが適正でなく、オーバーだったりアンダーだったりする場合がある。このような場合に、平面画像の明るさ値や色値を広角画像の明るさ値に近づけるように画素値を補正すると、平面画像の明るさ値もオーバーだったりアンダーだったりに補正されてしまう。
本発明は、上記課題に鑑み、広角画像に重畳される平面画像を適切に補正できるプログラムを提供することを目的とする。
本発明は、第1の射影方式によって得られた広角画像に対し、第2の射影方式によって得られた平面画像を重畳する情報処理装置を、前記広角画像において前記平面画像が対応する対応領域を算出する射影方式逆変換手段と、前記広角画像の視線方向と前記平面画像の中心との変位量に応じて、前記広角画像と前記平面画像の少なくとも一方を補正する補正手段と、前記補正手段により補正された前記広角画像の前記対応領域に、前記補正手段により補正された前記平面画像を重畳する画像作成手段、として機能させることを特徴とするプログラムを提供する。
広角画像に重畳される平面画像を適切に補正できるプログラムを提供することができる。
(a)は特殊撮像装置の左側面図であり、(b)は特殊撮像装置の背面図であり、(c)は特殊撮像装置の平面図であり、(d)は特殊撮像装置の底面図である。 特殊撮像装置の使用イメージ図である。 (a)は特殊撮像装置で撮像された半球画像(前)、(b)は特殊撮像装置で撮像された半球画像(後)、(c)は正距円筒図法により表された画像を示した図である。 (a)は正距円筒射影画像で球を被う状態を示した概念図、(b)は全天球画像を示した図である。 全天球画像を3次元の立体球とした場合の仮想カメラ及び所定領域の位置を示した図である。 (a)は図5の立体斜視図、(b)は通信端末のディスプレイに所定領域の画像が表示されている状態を示す図である。 所定領域情報と所定領域Tの画像との関係を示した図である。 本発明の実施形態に係る撮像システムの概略図である。 アダプタの斜視図である。 撮像システムの使用イメージ図である。 特殊撮像装置のハードウェア構成図である。 一般撮像装置のハードウェア構成図である。 スマートフォンのハードウェア構成図である。 撮像システムの機能ブロック図である。 (a)は連携撮像装置管理テーブルの概念図、(b)連携撮像装置設定画面を示す概念図である。 画像・音処理部の詳細な機能ブロック図である。 重畳表示メタデータの構成図である。 (a)は第2の対応領域における各格子領域を示した概念図、(b)は第3の対応領域における各格子領域を示した概念図である。 撮像方法を示したシーケンス図である。 重畳表示パラメータの作成処理の過程における画像の概念図である。 周辺領域画像を特定する際の概念図である。 第2の対応領域を複数の格子領域に分割する際の概念図である。 正距円筒射影画像ECにおいて第3の対応領域を示す概念図である。 補正パラメータの作成処理の過程における画像の概念図である。 重畳表示の処理の課程における画像の概念図である。 全天球画像に平面画像を重畳した場合の二次元の概念図である。 全天球画像に平面画像を重畳した場合の三次元の概念図である。 本実施形態の位置パラメータを用いずに、全天球画像に平面画像を重畳した場合の二次元の概念図である。 本実施形態の位置パラメータを用いて、全天球画像に平面画像を重畳した場合の二次元の概念図である。 (a)重畳表示しない場合のワイド画像の表示例、(b)重畳表示しない場合のテレ画像の表示例、(c)重畳表示する場合のワイド画像の表示例、(d)重畳表示する場合のテレ画像の表示例を示した概念図である。 補正処理の過程における画像の概念図である。 平面画像の補正処理の過程における画像の概念図である。 正距円筒射影画像の補正処理の過程における画像の概念図である。 画像合成割合の変更方法について説明する図である。 仮想カメラの視線方向と重畳画像の中心点との関係について説明する図の一例である。 仮想カメラの視線方向と重畳画像の中心点との関係について説明する図の一例である。 全天球画像がオーバー露出の場合の補正の効果を示す図である。 全天球画像がアンダー露出の場合の補正の効果を示す図である。 正距円筒射影画像の補正処理の過程における画像の概念図である(第二の実施形態)。 露出の異なる複数枚の正距円筒射影画像を用いた場合の位置パラメータと補正パラメータの関係について説明する図である。 明るさ値(又は色値)が補正された補正画像C2、D2の作成方法を説明する図である。 複数枚の重畳画像が重畳された所定領域Tの一例を示す図である。 所定領域Tに複数枚の重畳画像が重畳される場合の説明図である。 平面画像の補正処理の過程における画像の概念図である。 目標対象が1枚の平面画像の場合の明るさ値(又は色値)の補正画像の作成に関する概念図である。 目標対象が1枚の画像の場合の明るさ値(又は色値)の補正画像の作成に関する概念図である。 目標対象が2枚の画像の割合で算出された場合の明るさ値(又は色値)の補正画像の作成に関する概念図である。 正距円筒射影画像の補正処理の過程における画像の概念図である(第三の実施形態)。 図48に示されている正距円筒射影画像ECの補正処理(ステップ500)について説明する図の一例である。 補正部が、参照領域画像と合成するための異なる露出で撮像された正距円筒射影画像を選択する手順を説明する一例のフローチャート図である。 画像の合成の具体例について説明する図の一例である(オーバー露出画像と合成)。 画像の合成の具体例について説明する図の一例である(アンダー露出画像と合成)。 正距円筒射影画像の補正処理の過程における画像の概念図である(第四の実施形態)。 補正画像Dと補正画像Cの関係を示す図である。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について説明する。
<<実施形態の概要>>
以下、本実施形態の概要について説明する。
まずは、図1乃至図7を用いて、全天球画像の生成方法について説明する。
まず、図1を用いて、特殊撮像装置1の外観を説明する。特殊撮像装置1は、全天球(360°)パノラマ画像の元になる撮像画像を得るためのデジタルカメラである。なお、図1(a)は特殊撮像装置の左側面図であり、図1(b)は特殊撮像装置の背面図であり、図1(c)は特殊撮像装置の平面図であり、図1(d)は特殊撮像装置の底面図である。
図1(a),図1(b),図1(c),図1(d)に示されているように、特殊撮像装置1の上部には、正面側(前側)に魚眼型のレンズ102a及び背面側(後側)に魚眼型のレンズ102bが設けられている。特殊撮像装置1の内部には、後述の撮像素子(画像センサ)103a,103bが設けられており、それぞれレンズ102a、102bを介して被写体や風景を撮像することで、半球画像(画角180°以上)を得ることができる。特殊撮像装置1の正面側の面には、シャッターボタン115aが設けられている。また、特殊撮像装置1の側面には、電源ボタン115b、Wi-Fi(Wireless Fidelity)ボタン115c、及び撮像モード切替ボタン115dが設けられている。電源ボタン115b、及びWi-Fiボタン115cは、いずれも押下される度に、オンとオフが切り替えられる。また、撮像モード切替ボタン115dは、押下される度に、静止画の撮像モードと動画の撮像モードが切り替えられる。なお、シャッターボタン115a、電源ボタン115b、Wi-Fiボタン115c、及び撮像モード切替ボタン115dは、操作部115の一部であり、操作部115は、これらのボタンに限られない。
また、特殊撮像装置1の底部150の中央には、カメラ用三脚や一般撮像装置3に特殊撮像装置1を取り付けるための三脚ねじ穴151が設けられている。また、底部150の左端側には、Micro USB(Universal Serial Bus)端子152が設けられている。底部150の右端側には、HDMI(登録商標。High-Definition Multimedia Interface)端子153が設けられている。
次に、図2を用いて、特殊撮像装置1の使用状況を説明する。なお、図2は、特殊撮像装置の使用イメージ図である。特殊撮像装置1は、図2に示されているように、例えば、ユーザが手に持ってユーザの周りの被写体を撮像するために用いられる。この場合、図1に示されている撮像素子103a及び撮像素子103bによって、それぞれユーザの周りの被写体が撮像されることで、2つの半球画像を得ることができる。
次に、図3及び図4を用いて、特殊撮像装置1で撮像された画像から正距円筒射影画像EC及び全天球画像CEが作成されるまでの処理の概略を説明する。なお、図3(a)は特殊撮像装置1で撮像された半球画像(前側)、図3(b)は特殊撮像装置で撮像された半球画像(後側)、図3(c)は正距円筒図法により表された画像(以下、「正距円筒射影画像」という)を示した図である。図4(a)は正距円筒射影画像で球を被う状態を示した概念図、図4(b)は全天球画像を示した図である。
図3(a)に示されているように、撮像素子103aによって得られた画像は、後述の魚眼レンズ102aによって湾曲した半球画像(前側)となる。また、図3(b)に示されているように、撮像素子103bによって得られた画像は、後述の魚眼レンズ102bによって湾曲した半球画像(後側)となる。そして、半球画像(前側)と、180度反転された半球画像(後側)とは、特殊撮像装置1によって合成され、図3(c)に示されているように、正距円筒射影画像ECが作成される。
そして、OpenGL ES(Open Graphics Library for Embedded Systems)等が利用されることで、図4(a)に示されているように、正距円筒射影画像が球面を覆うように貼り付けられ、図4(b)に示されているような全天球画像CEが作成される。このように、全天球画像CEは、正距円筒射影画像ECが球の中心を向いた画像として表される。なお、OpenGL ESは、2D(2-Dimensions) 及び3D(3-Dimensions)のデータを視覚化するために使用するグラフィックスライブラリである。なお、全天球画像CEは、静止画であっても動画であってもよい。
以上のように、全天球画像CEは、球面を覆うように貼り付けられた画像であるため、人間が見ると違和感を持ってしまう。そこで、全天球画像CEの一部の所定領域(以下、「所定領域画像」という)を湾曲の少ない平面画像として表示することで、人間に違和感を与えない表示をすることができる。これに関して、図5及び図6を用いて説明する。
なお、図5は、全天球画像を三次元の立体球とした場合の仮想カメラ及び所定領域の位置を示した図である。仮想カメラICは、三次元の立体球として表示されている全天球画像CEに対して、その画像を見るユーザの視点の位置に相当するものである。また、図6(a)は図5の立体斜視図、図6(b)はディスプレイに表示された場合の所定領域画像を表す図である。また、図6(a)では、図4に示されている全天球画像が、三次元の立体球CSで表わされている。このように生成された全天球画像CEが、立体球CSであるとすると、図5に示されているように、仮想カメラICが全天球画像CEの内部に位置している。全天球画像CEにおける所定領域Tは、仮想カメラICの撮像領域である。所定領域Tのズームは、画角αの範囲(円弧)を広げたり縮めたりすることで表現することができる。また、所定領域Tのズームは、仮想カメラICを全天球画像CEに近づいたり、遠ざけたりすることで表現することもできる。所定領域画像Qは、全天球画像CEにおける所定領域Tの画像である。従って、所定領域Tは画角αと、仮想カメラICから全天球画像CEまでの距離fにより特定できる(図7参照)。
そして、図6(a)に示されている所定領域画像Qは、図6(b)に示されているように、所定のディスプレイに、仮想カメラICの撮像領域の画像として表示される。図6(b)に示されている画像は、初期設定(デフォルト)された所定領域情報によって表された所定領域画像である。以下では、仮想カメラICの撮像方向(ea,aa)と画角(α)を用いて説明する。なお、所定領域Tは、画角αと距離fではなく、所定領域Tである仮想カメラICの撮像領域(X,Y,Z)によって示してもよい。
次に、図7を用いて、所定領域情報と所定領域Tの画像の関係について説明する。なお、図7は、所定領域情報と所定領域Tの画像の関係との関係を示した図である。図7に示されているように、「ea」はelevation angle、「aa」はazimuth angle、「α」は画角(Angle)を示す。即ち、撮像方向(ea,aa)で示される仮想カメラICの注視点が、仮想カメラICの撮像領域である所定領域Tの中心点CPとなるように、仮想カメラICの姿勢を変更することになる。所定領域画像Qは、全天球画像CEにおける所定領域Tの画像である。fは仮想カメラICから中心点CPまでの距離である。Lは所定領域Tの任意の頂点と中心点CPとの距離である(2Lは対角線)。そして、図7では、一般的に以下の式(1)で示される三角関数が成り立つ。
L/f=tan(α/2)・・・(式1)
<撮像システムの概略>
続いて、図8を用いて、本実施形態の撮像システムの構成の概略について説明する。図8は、本実施形態の撮像システムの構成の概略図である。
図8に示されているように、本実施形態の撮像システムは、特殊撮像装置1、一般撮像装置3、スマートフォン5、及びアダプタ9によって構成されている。特殊撮像装置1はアダプタ9を介して一般撮像装置3に接続されている。
これらのうち、特殊撮像装置1は、上記のように、被写体や風景等を撮像して全天球(パノラマ)画像の元になる2つの半球画像を得るための特殊なデジタルカメラである。
一般撮像装置3は、デジタル一眼レフカメラであるが、コンパクトデジタルカメラであってもよい。一般撮像装置3には、後述の操作部315の一部であるシャッターボタン315aが設けられている。
スマートフォン5は、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信技術を利用して、特殊撮像装置1及び一般撮像装置3と無線通信を行なう情報処理装置である。また、スマートフォン5では、自装置に設けられた後述のディスプレイ517に、特殊撮像装置1及び一般撮像装置3からそれぞれ取得した画像を表示することができる。
なお、スマートフォン5は、近距離無線通信技術を利用せずに、有線ケーブルによって特殊撮像装置1及び一般撮像装置3と通信を行なうようにしてもよい。また、スマートフォン5は、通信端末の一例であり、通信端末には、タブレット型PC(Personal Computer:パーソナルコンピュータ)、ノートPC、デスクトップPCも含まれる。なお、スマートフォンは、画像処理端末の一例でもある。
また、図9は、アダプタの斜視図である。図9に示されているように、アダプタ9は、シューアダプタ901、ボルト902、上部アジャスタ903、及び下部アジャスタ904によって構成されている。これらのうち、シューアダプタ901は、一般撮像装置3のアクセサリシューにスライドして取り付けられる。このシューアダプタ901の中心に、三脚ねじ穴151に回転して取り付けられるボルト902が設けられている。このボルト902には、回転可能な上部アジャスタ903及び下部アジャスタ904が設けられている。上部アジャスタ903は、ボルト902に取り付けた物(例えば、特殊撮像装置1)を固定する役割を果たす。下部アジャスタ904は、シューアダプタ901を取り付けた物(例えば、一般撮像装置3)を固定する役割を果たす。
図10は、撮像システムの使用イメージ図である。図10に示されているように、ユーザは、スマートフォン5を衣服のポケットに入れ、アダプタ9を用いて特殊撮像装置1を取り付けた一般撮像装置3で被写体等の撮像を行なう。なお、スマートフォン5は、衣服のポケットに入れずに、特殊撮像装置1や一般撮像装置3と無線通信可能な範囲に置いてもよい。
<<実施形態のハードウェア構成>>
次に、図11及び図13を用いて、本実施形態の特殊撮像装置1、一般撮像装置3及びスマートフォン5のハードウェア構成を詳細に説明する。
<特殊撮像装置のハードウェア構成>
まず、図11を用いて、特殊撮像装置1のハードウェア構成を説明する。図11は、特殊撮像装置1のハードウェア構成図である。以下では、特殊撮像装置1は、2つの撮像素子を使用した全天球(全方位)特殊撮像装置とするが、撮像素子は2つ以上いくつでもよい。また、必ずしも全方位撮像専用の装置である必要はなく、通常のデジタルカメラやスマートフォン等に後付けの全方位の撮像ユニットを取り付けることで、実質的に特殊撮像装置1と同じ機能を有するようにしてもよい。
図11に示されているように、特殊撮像装置1は、撮像ユニット101、画像処理ユニット104、撮像制御ユニット105、マイク108、音処理ユニット109、CPU(Central Processing Unit)111、ROM(Read Only Memory)112、SRAM(Static Random Access Memory)113、DRAM(Dynamic Random Access Memory)114、操作部115、ネットワークI/F116、通信部117、アンテナ117a、電子コンパス118、ジャイロセンサ119、及び、加速度センサ120なども接続される。
このうち、撮像ユニット101は、各々半球画像を結像するための180°以上の画角を有する広角レンズ(いわゆる魚眼レンズ)102a,102bと、各広角レンズに対応させて設けられている2つの撮像素子103a,103bを備えている。撮像素子103a,103bは、魚眼レンズ102a,102bによる光学像を電気信号の画像データに変換して出力するCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサやCCD(Charge Coupled Device)センサなどの画像センサ、この画像センサの水平又は垂直同期信号や画素クロックなどを生成するタイミング生成回路、この撮像素子の動作に必要な種々のコマンドやパラメータなどが設定されるレジスタ群などを有している。
撮像ユニット101の撮像素子103a,103bは、各々、画像処理ユニット104とパラレルI/Fバスで接続されている。一方、撮像ユニット101の撮像素子103a,103bは、撮像制御ユニット105とは別に、シリアルI/Fバス(I2Cバス等)で接続されている。画像処理ユニット104、撮像制御ユニット105及び音処理ユニット109は、バス110を介してCPU111と接続される。更に、バス110には、ROM112、SRAM113、DRAM114、操作部115、ネットワークI/F116、通信部117、及び電子コンパス118なども接続される。
画像処理ユニット104は、撮像素子103a,103bから出力される画像データをパラレルI/Fバスを通して取り込み、それぞれの画像データに対して所定の処理を施した後、これらの画像データを合成処理して、図3(c)に示されているような正距円筒射影画像のデータを作成する。
撮像制御ユニット105は、撮像素子103aをマスタデバイス,103bをスレーブデバイスとして、I2Cバスを利用して、撮像素子103a,103bのレジスタ群にコマンド等を設定する。必要なコマンド等は、CPU111から受け取る。また、撮像制御ユニット105は、同じくI2Cバスを利用して、撮像素子103a,103bのレジスタ群のステータスデータ等を取り込み、CPU111に送る。
また、撮像制御ユニット105は、操作部115のシャッターボタンが押下されたタイミングで、撮像素子103a,103bに画像データの出力を指示する。特殊撮像装置1によっては、ディスプレイ(例えば、スマートフォン5のディスプレイ517)によるプレビュー表示機能や動画表示に対応する機能を持つ場合もある。この場合は、撮像素子103a,103bからの画像データの出力は、所定のフレームレート(フレーム/分)によって連続して行われる。
また、撮像制御ユニット105は、後述するように、CPU111と協働して撮像素子103a,103bの画像データの出力タイミングの同期をとる同期制御手段としても機能する。なお、本実施形態では、特殊撮像装置1にはディスプレイが設けられていないが、表示部を設けてもよい。
マイク108は、音を音(信号)データに変換する。音処理ユニット109は、マイク108から出力される音データをI/Fバスを通して取り込み、音データに対して所定の処理を施す。
CPU111は、特殊撮像装置1の全体の動作を制御すると共に必要な処理を実行する。ROM112は、CPU111のための種々のプログラムを記憶している。SRAM113及びDRAM114はワークメモリであり、CPU111で実行するプログラムや処理途中のデータ等を記憶する。特にDRAM114は、画像処理ユニット104での処理途中の画像データや処理済みの正距円筒射影画像のデータを記憶する。
操作部115は、シャッターボタン115aなどの操作ボタンの総称である。ユーザは操作部115を操作することで、種々の撮像モードや撮像条件などを入力する。
ネットワークI/F116は、SDカード等の外付けのメディアやパーソナルコンピュータなどとのインターフェース回路(USBI/F等)の総称である。また、ネットワークI/F116としては、無線、有線を問わない。DRAM114に記憶された正距円筒射影画像のデータは、このネットワークI/F116を介して外付けのメディアに記録されたり、必要に応じてネットワークI/F116を介してスマートフォン5等の外部端末(装置)に送信されたりする。
通信部117は、特殊撮像装置1に設けられたアンテナ117aを介して、Wi-Fi 、NFC(Near Field radio Communication)、Bluetooth等の近距離無線通信技術によって、スマートフォン5等の外部端末(装置)と通信を行う。この通信部117によっても、正距円筒射影画像のデータをスマートフォン5等の外部端末(装置)に送信することができる。
電子コンパス118は、地球の磁気から特殊撮像装置1の方位を算出し、方位情報を出力する。この方位情報はExif(Exchangeable image file format)に沿った関連情報(メタデータ)の一例であり、撮像画像の画像補正等の画像処理に利用される。なお、関連情報には、画像の撮像日時、及び画像データのデータ容量の各データも含まれている。
ジャイロセンサ119は、特殊撮像装置1の移動に伴う角度の変化(ロール角、ピッチング角、ヨー角)を検出する。角度の変化はExifに沿った関連情報(メタデータ)の一例であり、撮像画像の画像補正等の画像処理に利用される。
加速度センサ120は3軸方向の加速度を検出する。検出した加速度に基づいて特殊撮像装置1の姿勢(重力方向に対する角度)を検出する。ジャイロセンサ119と加速度センサ120は両方を有することで画像補正の精度が向上する。
<一般撮像装置のハードウェア構成>
次に、図12を用いて、一般撮像装置のハードウェアについて説明する。図12は、一般撮像装置3のハードウェア構成図である。図12に示されているように、一般撮像装置3は、撮像ユニット301、画像処理ユニット304、撮像制御ユニット305、マイク308、音処理ユニット309、バス310、CPU311、ROM312、SRAM313、DRAM314、操作部315、ネットワークI/F316、通信部317、アンテナ317a、電子コンパス318、及びディスプレイ319によって構成されている。画像処理ユニット304及び撮像制御ユニット305は、バス310を介してCPU311と接続される。
各構成(304、310、311、312、313、314、315、316、317、317a、318)は、それぞれ、図11の特殊撮像装置1における各構成(104、110、111、112、113、114、115、116、117、117a、118)と同様の構成であるため、その説明を省略する。
更に、一般撮像装置3の撮像ユニット301は、図12に示されているように、撮像素子303の前面にレンズユニット306、及びメカニカルシャッタ307が外部から撮像素子303の方向に順に設けられている。
撮像制御ユニット305は、基本的に撮像制御ユニット105と同様の構成及び処理を行なうが、更に、操作部315によって受け付けられたユーザの操作に基づいて、レンズユニット306、及びメカニカルシャッタ307の駆動を制御する。
また、ディスプレイ319は、操作メニュー、撮像中又は撮像後の画像を表示させる表示手段の一例である。
<スマートフォンのハードウェア構成>
次に、図13を用いて、スマートフォンのハードウェアについて説明する。図13は、スマートフォンのハードウェア構成図である。図13に示されているように、スマートフォン5は、CPU501、ROM502、RAM503、EEPROM504、撮像素子I/F505a、加速度・方位センサ506、メディアI/F508、GPS受信部509を備えている。
これらのうち、CPU501は、スマートフォン5全体の動作を制御する。ROM502は、CPU501やIPL(Initial Program Loader)等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。EEPROM504は、CPU501の制御に従って、スマートフォン用プログラム等の各種データの読み出し又は書き込みを行う。撮像素子I/F505aはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ505と接続され、CPU501の制御に従って被写体(主に自画像)を撮像し画像データを得る。加速度・方位センサ506は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F508は、フラッシュメモリ等の記録メディア507に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部509は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
また、スマートフォン5は、遠距離通信回路511、アンテナ511a、CMOSセンサ512、撮像素子I/F513、マイク514、スピーカ515、音入出力I/F516、ディスプレイ517、外部機器接続I/F518、近距離通信回路519、近距離通信回路アンテナ519a、及びタッチパネル521を備えている。
これらのうち、遠距離通信回路511は、後述の通信ネットワークを介して、他の機器と通信する回路である。CMOSセンサ512は、CPU501の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F513は、CMOSセンサ512の駆動を制御する回路である。マイク514は、音声を入力する内蔵型の集音手段の一種である。音入出力I/F516は、CPU501の制御に従ってマイク514及びスピーカ515との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイ517は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機ELなどの表示手段の一種である。外部機器接続I/F518は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。近距離通信回路519は、Wi-Fi 、NFC、Bluetooth等の通信回路である。タッチパネル521は、ユーザがディスプレイ517を押下することで、スマートフォン5を操作する入力手段の一種である。
また、スマートフォン5は、バスライン510を備えている。バスライン510は、CPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
なお、上記各プログラムが記憶されたHD(Hard Disk)やCD−ROM等の記録媒体は、いずれもプログラム製品(Program Product)として、国内又は国外へ提供されることができる。
<<実施形態の機能構成>>
次に、図11乃至図14を用いて、本実施形態の機能構成について説明する。図14は、本実施形態の撮像システムの一部を構成する、特殊撮像装置1、一般撮像装置3、及びスマートフォン5の各機能ブロック図である。
<特殊撮像装置の機能構成>
まず、図11及び図14を用いて、特殊撮像装置1の機能構成について詳細に説明する。図14に示されているように、特殊撮像装置1は、受付部12、撮像部13、集音部14、画像・音処理部15、判断部17、近距離通信部18、及び記憶・読出部19を有している。これら各部は、図11に示されている各構成要素のいずれかが、SRAM113からDRAM114上に展開された特殊撮像装置用のプログラムに従ったCPU111からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。
また、特殊撮像装置1は、図11に示されているROM112、SRAM113、及びDRAM114によって構築される記憶部1000を有している。
(特殊撮像装置の各機能構成)
次に、図11及び図14を用いて、特殊撮像装置1の各機能構成について更に詳細に説明する。
特殊撮像装置1の受付部12は、主に、図11に示されている操作部115及びCPU111の処理によって実現され、ユーザからの操作入力を受け付ける。
撮像部13は、主に、図11に示されている撮像ユニット101、画像処理ユニット104、及び撮像制御ユニット105、並びにCPU111の処理によって実現され、被写体や風景等を撮像し、撮像画像データを得る。この撮像画像データは、図3(a),(b)に示されているように、全天球画像データの元になる2つの半球画像データである。
集音部14は、図11に示されているマイク108及び音処理ユニット109、並びにCPU111の処理によって実現され、特殊撮像装置1の周囲の音を集音する。
画像・音処理部15は、主にCPU111からの命令によって実現され、撮像部13によって得られた撮像画像データ、又は集音部14によって得られた音データに対して、各種処理を行なう。例えば、画像・音処理部15は、2つの撮像素子103a,103bのそれぞれによって得られた2つの半球画像データ(図3(a),(b)参照)に基づいて、正距円筒射影画像データ(図3(c)参照)を作成する。
判断部17は、CPU111の処理によって実現され、各種判断を行なう。
近距離通信部18は、主に、CPU111の処理、並びに通信部117及びアンテナ117aによって実現され、スマートフォン5の近距離通信部58等と、Wi-Fi等による近距離無線通信技術によって通信することができる。
記憶・読出部19は、主に、図11に示されているCPU111の処理によって実現され、記憶部1000に各種データ(又は情報)を記憶したり、記憶部1000から各種データ(又は情報)を読み出したりする。
<一般撮像装置の機能構成>
続いて、図12及び図14を用いて、一般撮像装置3の機能構成について詳細に説明する。図14に示されているように、一般撮像装置3は、受付部32、撮像部33、集音部34、画像・音処理部35、表示制御部36、判断部37、近距離通信部38、及び記憶・読出部39を有している。これら各部は、図12に示されている各構成要素のいずれかが、SRAM313からDRAM314上に展開された特殊撮像装置用のプログラムに従ったCPU311からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。
また、一般撮像装置3は、図12に示されているROM312、SRAM313、及びDRAM314によって構築される記憶部3000を有している。
(一般撮像装置の各機能構成)
一般撮像装置3の受付部32は、主に、図12に示されている操作部315及びCPU311の処理によって実現され、ユーザからの操作入力を受け付ける。
撮像部33は、主に、図12に示されている撮像ユニット301、画像処理ユニット304、及び撮像制御ユニット305、並びにCPU311の処理によって実現され、被写体や風景等を撮像し、撮像画像データを得る。この撮像画像データは、透視射影方式で撮像された平面画像データである。
集音部34は、図12に示されているマイク308及び音処理ユニット309、並びにCPU311の処理によって実現され、一般撮像装置3の周囲の音を集音する。
画像・音処理部35は、主にCPU311からの命令によって実現され、撮像部33によって得られた撮像画像データ、又は集音部34によって得られた音データに対して、各種処理を行なう。
表示制御部36は、図12に示されているCPU311の処理によって実現され、ディスプレイ319に、撮像中又は撮像後の撮像画像データに係る平面画像Pを表示させる。
判断部37は、CPU311の処理によって実現され、各種判断を行なう。例えば、判断部37は、ユーザによって、シャッターボタン315aが押下されたかを判断する。
近距離通信部38は、主に、CPU311、並びに通信部317及びアンテナ317aによって実現され、スマートフォン5の近距離通信部58等と、Wi-Fi等による近距離無線通信技術によって通信することができる。
記憶・読出部39は、主に、図12に示されているCPU311の処理によって実現され、記憶部3000に各種データ(又は情報)を記憶したり、記憶部3000から各種データ(又は情報)を読み出したりする。
<スマートフォンの機能構成>
次に、図13乃至図16を用いて、スマートフォン5の機能構成について詳細に説明する。スマートフォン5は、図14に示されているように、スマートフォン5は、遠距離通信部51、受付部52、撮像部53、集音部54、画像・音処理部55、表示制御部56、判断部57、近距離通信部58、及び記憶・読出部59を有している。これら各部は、図13に示されている各構成要素のいずれかが、EEPROM504からRAM503上に展開されたスマートフォン5用プログラムに従ったCPU501からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。
また、スマートフォン5は、図13に示されているROM502、RAM503、及びEEPROM504によって構築される記憶部5000を有している。この記憶部5000には、連携撮像装置管理DB5001が構築されている。この連携撮像装置管理DB5001は、図15(a)連携撮像装置管理テーブルによって構成されている。図15(a)は連携撮像装置管理テーブルの概念図である。
(連携撮像装置管理テーブル)
次に、図15(a)を用いて、連携撮像装置管理テーブルについて説明する。図15(a)に示されているように、撮像装置毎に、各撮像装置の連携関係を示す関連関係情報、撮像装置のIPアドレス、及び撮像装置の装置名が関連付けて管理されている。このうち、関連関係情報は、自装置のシャッターが押下されることで撮像を開始する一の撮像装置を「メイン」とし、「メイン」の撮像装置でシャッターが押下されることに応じて撮像を開始する他の撮像装置を「サブ」として示している。なお、IPアドレスは、Wi-Fiによる通信の場合であって、USBの有線ケーブルを用いた通信の場合には製造者ID(Identification)及び製品IDに代わり、Bluetoothを用いた無線通信の場合には、BD(Bluetooth Device Address)に代わる。
(スマートフォンの各機能構成)
スマートフォン5の遠距離通信部51は、主に、図13に示されている遠距離通信回路511及びCPU501の処理によって実現され、インターネット等の通信ネットワークを介して、他の装置(特殊撮像装置1、一般撮像装置3等)、スマートフォン、又はサーバとの間で各種データ(又は情報)の送受信を行う。
受付部52は、主にタッチパネル521及びCPU501の処理によって実現され、ユーザから各種の選択又は入力を受け付ける。タッチパネル521はディスプレイ517と共用であってもよい。また、タッチパネル以外の入力手段(ボタン)等でもよい。
撮像部53は、主に、図13に示されているCMOSセンサ505,512、及びCPU501の処理によって実現され、被写体や風景等を撮像し、撮像画像データを得る。この撮像画像データは、透視射影方式で撮像された平面画像データである。
集音部54は、図13に示されているマイク514、及びCPU501の処理によって実現され、スマートフォン5の周囲の音を集音する。
画像・音処理部55は、主にCPU501からの命令によって実現され、撮像部53によって得られた撮像画像データ、又は集音部54によって得られた音データに対して、各種処理を行なう。また、画像・音処理部55は、重畳表示メタデータを利用して、後述の平面画像Pの各格子領域LA0を、位置パラメータで示された位置、並びに補正パラメータで示された明るさ値及び色値に合わせることで、全天球画像CEに平面画像Pを重畳する。
表示制御部56は、図13に示されているCPU501の処理によって実現され、ディスプレイ517に、撮像部53による撮像中又は撮像後の撮像画像データに係る平面画像Pを表示させる。表示制御部56は、平面画像Pが重畳された全天球画像CEをディスプレイに表示する。なお、平面画像Pを全天球画像CEに合成しないで、平面画像Pを全天球画像CEに重畳するのは、平面画像Pを1つの表示形態に限定されない様々な表示(ズーム倍率の変更、射影方式を変更して表示するなど)ができるようにするためである。
また、位置パラメータは「位置情報」の一例である。補正パラメータは「補正情報」の一例である。
判断部57は、図13に示されているCPU501の処理によって実現され、各種判断を行なう。
近距離通信部58は、主に、CPU501の処理、並びに近距離通信回路519及びアンテナ519aによって実現され、特殊撮像装置1の近距離通信部18、一般撮像装置3の近距離通信部38等と、Wi-Fi等による近距離無線通信技術によって通信することができる。
記憶・読出部59は、主に、図13に示されているCPU501の処理によって実現され、記憶部5000に、重畳表示メタデータ等の各種データ(又は情報)を記憶したり、記憶部5000から重畳表示メタデータ等の各種データ(又は情報)を読み出したりする。また、記憶・読出部59は、記憶部5000から各種データを取得する取得部の役割を果たす。
(画像・音処理部の詳細な各機能構成)
ここで、図16を用いて、画像・音処理部55の各機能構成について詳細に説明する。図16は、画像・音処理部の詳細な機能ブロック図である。
画像・音処理部55は、大きく分けて、エンコードを行うメタデータ作成部55aとデコードを行う重畳部55bを有している。メタデータ作成部55aは、図19に示されている後述のステップ22の処理を実行する。また、重畳部55bは、図19に示されている後述のステップ23の処理を実行する。
{メタデータ作成部の各機能構成}
まずは、メタデータ作成部55aの各機能構成について説明する。メタデータ作成部55aは、抽出部550、第1の対応領域算出部552、注視点特定部554、射影方式変換部556、第2の対応領域算出部558、領域分割部560、射影方式逆変換部562、形状変換部564、補正パラメータ作成部566、及び重畳表示メタデータ作成部570を有している。なお、明るさや色の補正をする必要がない場合、形状変換部564及び補正パラメータ作成部566は不要である。また、以下に説明する画像や領域を示す符号は図20に示されている。図20は、重畳表示パラメータの作成処理の過程における画像の概念図である。
抽出部550は、各画像の局所特徴に基づき特徴点を抽出する。局所特徴とはエッジやブロブなど画像内に見られるパターンや構造で、局所特徴を数値化したものが特徴量である。本実施形態では、抽出部550は、異なる画像で各特徴点を抽出する。抽出部550が用いられる2つの画像は、歪みが著しく大きくない限り、異なる射影方式であってもよい。例えば、抽出部550は、正距円筒射影方式によって得られた長方形の正距円筒射影画像ECと、透視射影方式によって得られた長方形の平面画像Pとの間、及び、平面画像Pと、射影方式変換部556によって変換された後の周辺領域画像PIとの間で用いられる。なお、正距円筒射影方式は第1の射影方式の一例であり、透視射影方式は第2の射影方式の一例である。また、正距円筒射影画像は第1の射影画像の一例であり、平面画像Pは第2の射影画像の一例である。
第1の対応領域算出部552は、最初に正距円筒射影画像ECにおける複数の特徴点fp1に基づいた各特徴量fv1を求めると共に、平面画像Pにおける複数の特徴点fp2に基づいた各特徴量fv2を求める。特徴量の記述方法はいくつかの方式が提案されているが、本実施形態においては、スケールや回転に対して不変又は頑強であることが望ましい。第1の対応領域算出部552は、続いて算出した正距円筒射影画像ECの複数の特徴点fp1の特徴量fv1と、平面画像Pにおける複数の特徴点fp2に対する特徴量fv2の類似度に基づき画像間の対応点を算出し、算出した画像間の対応点の関係から、正距円筒射影画像ECにおいて、平面画像Pに対応するホモグラフィを算出し、このホモグラフィを変換に用いることで、第1のホモグラフィ変換を行なう。その結果、第1の対応領域算出部552は、第1の対応領域CA1を算出する。この場合、平面画像Pの4頂点から成る四角形(矩形)の中心点CP1とすると、第1のホモグラフィ変換行列によって、正距円筒射影画像ECにおける注視点GP1に変換される。なお、平面画像Pの4頂点の頂点座標を、p1=(x1,y1)、p2=(x2,y2)、p3=(x3,y3)、p4=(x4,y4)とすると、第1の対応領域算出部552は、以下に示す(式2)に基づいて、中心点CP1(x,y)を定めることができる。
(式2)
S1={(x4−x2)*(y1−y2)−(y4−y2)*(x1−x2)}/2
S2={(x4−x2)*(y2−y3)−(y4−y2)*(x2−x3)}/2
x=x1+(x3−x1)*S1/(S1+S2)
y=y1+(y3−y1)*S1/(S1+S2)
図20では平面画像Pの画像形状が長方形であるが、対角線の交点を用いることによって正方形、台形、菱形等、さまざまな四角形の部分画像に対しても中心点を算出することができる。平面画像Pの画像形状が、長方形、正方形に限定される場合は、計算の省略化のため、対角線の中点を中心点CP1としてよい。対角線p1p3の中点の算出する場合の(式3)を以下に示す。
(式3)
x=(x1+x3)/2
y=(y1+y3)/2
注視点特定部554は、平面画像Pの中心点CM1が第1のホモグラフィ変換後に位置する正距円筒射影画像EC上の点(本実施形態では「注視点」という)を特定する。
ところで、注視点GP1の座標は、正距円筒射影画像EC上の座標であるため、緯度及び経度の表現に変換及び規格化すると都合が良い。具体的には、正距円筒射影画像ECの垂直方向を−90度(−0.5π)から+90度(+0.5π)の緯度座標として表現し、水平方向を−180度(−π)から+180度(+π)の経度座標として表現する。このようにすることで、緯度・経度座標から、正距円筒射影画像ECの画像サイズに対応した画素位置座標を算出することができる。
射影方式変換部556は、正距円筒射影画像EC内の注視点GP1を中心とした周辺領域PAを、平面画像Pと同じ透視射影方式に変換することで、周辺領域画像PIを作成する。この場合、注視点GP1が変換された後の点を中心点CP2として、平面画像Pの対角画角αと同じ画角を垂直画角(又は水平画角)とした場合に特定できる正方形の周辺領域画像PIの射影方式変換前の領域である周辺領域PAを特定する。以下、更に詳細に説明する。
(射影方式の変換)
射影方式の変換について説明する。図3乃至図5を用いて説明したように、正距円筒射影画像ECによって立体球CSを被うことで、全天球画像CEを作成している。よって、正距円筒射影画像ECの各画素データは、3次元の全天球画像の立体球CSの表面における各画素データに対応させることができる。そこで、射影方式変換部556による変換式は、正距円筒射影画像ECにおける座標を(緯度,経度)=(ea,aa)と表現し、3次元の立体球CS上の座標を直交座標(x,y,z)で表わすと、以下の(式4)で表わすことができる。
(x, y, z) = (cos(ea) × cos(aa), cos(ea) × sin(aa), sin(ea)) ・・・(式4)
但し、このときの立体球CSの半径は1とする。
一方で、透視射影画像である平面画像Pは2次元画像であるが、これを2次元の極座標(動径,偏角)=(r,a)で表現すると、動径rは対角画角αに対応し、取り得る範囲は0 ≦ r ≦ tan(対角画角α/2)となる。また、平面画像Pを2次元の直交座標系(u,v)で表わすと、極座標(動径,偏角)=(r,a)との変換関係は、以下の(式5)で表わすことができる。
u = r × cos(a), v = r × sin(a) ・・・(式5)
次に、(式5)を3次元の座標(動径,極角,方位角)に対応させることを考えると、立体球CSの表面のみを考えているため、3次元極座標における動径は「1」である。また、立体球CSの表面に張り付けた正距円筒射影画像ECを透視投影変換する射影は、立体球CSの中心に仮想カメラICがあると考えると、上記の2次元極座標(動径,偏角)=(r,a)を使うと、以下の(式6)、(式7)で表わすことができる。
r = tan(極角) ・・・(式6)
a = 方位角 ・・・(式7)
ここで極角をtすると、t = arctan(r)となるため、3次元極座標(動径、極角、方位角)は、(動径、極角、方位角)=(1, arctan(r), a)と表現することができる。また3次元極座標から、直交座標系(x,y,z)へ変換するための変換式は、以下の(式8)で表わすことができる。
(x, y, z) = (sin(t) × cos(a), sin(t) × sin(a), cos(t)) ・・・(式8)
上記の(式8)により、正距円筒射影方式による正距円筒射影画像ECと、透視射影方式による平面画像Pの相互変換ができる。即ち、作成すべき平面画像Pの対角画角αに対応する動径rを用いることで、平面画像Pの各画素が、正距円筒射影画像ECのどの座標に対応するかを表す変換マップ座標を算出でき、この変換マップ座標に基づいて、正距円筒射影画像ECから、透視射影画像である周辺領域画像PIを作成することができる。上記射影方式の変換は、正距円筒射影画像ECの(緯度,経度)が(90°,0°)となる位置が、透視射影画像である周辺領域画像PIの中心点CP2となるような変換を示している。そこで、正距円筒射影画像ECの任意の点を注視点として透視投影変換をする場合は、正距円筒射影画像ECを貼り付けた立体球CSを回転させることで、注視点の座標(緯度、経度)が(90°,0°)の位置に配置されるような座標回転を行えば良い。この立体球CSの回転に関する変換公式は、一般の座標回転公式であるため、説明を省略する。
(周辺領域画像PIの特定)
次に、図21を用いて、周辺領域画像PIの領域を特定する方法について説明する。図21は、周辺領域画像を特定する際の概念図である。
第1の対応領域算出部552が、平面画像Pにおける複数の特徴点と周辺領域画像PIにおける複数の特徴点との類似度を判断するにあたって、周辺領域画像PI内に第2の対応領域CA2ができるだけ広く含まれていることが望ましい。よって、周辺領域画像PIを広い領域に設定すれば、第2の対応領域CA2が含まれないという事態は生じない。しかし、周辺領域画像PIを、あまりにも広い領域に設定すると、その分だけ類似度を算出する対象の画素が増えるため、処理に時間が掛かってしまう。そのため、極力、周辺領域画像PIの領域は第2の対応領域CA2を含む範囲内で小さい方が良い。そこで、本実施形態では、以下に示すような方法で、周辺領域画像PIを特定する。
本実施形態では、周辺領域画像PIの特定に平面画像の35mm換算焦点距離を使用し、これは撮像時に記録されるExifデータから取得する。35mm換算焦点距離は、いわゆる24mm x 36mmのフィルムサイズを基準とした焦点距離であるため、このフィルムの対角と、焦点距離から以下の算出式(式9)、(式10)で対応する対角画角を算出することができる。
フィルム対角 = sqrt(24*24 + 36*36) ・・・(式9)
重畳用画像画角/2 = arctan((フィルム対角/2)/重畳用画像35mm換算焦点距離)・・(式10)
ところで、この画角をカバーする画像は円形となるのだが、実際の撮像素子(フィルム)は長方形なので円に内接する長方形画像となっている。本実施形態では、周辺領域画像PIの垂直画角αを、平面画像Pの対角画角αと同じになるように設定する。これにより、図21(b)に示されている周辺領域画像PIは、図21(a)に示されている平面画像Pの対角画角αをカバーする円に外接する正方形となり、垂直画角αは、下記(式11)、(式12)で示すように、正方形対角と平面画像Pの焦点距離から算出できる。
正方形対角=sqrt(フィルム対角*フィルム対角+フィルム対角*フィルム対角)・・・(式11)
垂直画角α/2 = arctan((正方形対角/2) / 平面画像Pの35mm換算焦点距離))・・・(式12)
このような垂直画角αで射影方式変換することで、注視点を中心に平面画像Pの対角画角αにおける画像をできるだけ広くカバーでき、かつ垂直画角αが大きくなりすぎない周辺領域画像PI(透視射影画像)を作成することができる。
(位置パラメータの算出)
続いて、図16に戻り、第2の対応領域算出部558は、平面画像Pにおける複数の特徴点fp2と周辺領域画像PIにおける複数の特徴点fp3の特徴量fv3を算出する。←fv2を出す。算出された各特徴量fv2,fv3の類似度に基づき画像間の対応点を算出し、算出した画像間の対応点の関係から、周辺領域画像PIにおいて、平面画像Pに対応するホモグラフィを算出し、このホモグラフィを変換に用いることで、第2のホモグラフィ変換を行なう。その結果、第2の対応領域算出部558は、第2の対応領域CA2を算出する。
なお、第1のホモグラフィ変換の前に、第1のホモグラフィの算出時間を早めるために、平面画像P及び正距円筒射影画像ECのうちの少なくとも一方の画像サイズをリサイズしてもよい。例えば、平面画像Pが4000万画素で、正距円筒射影画像ECが3000万画素の場合、平面画像Pを3000万画素にリサイズしたり、両画像を1000万画素になるようにそれぞれの画像をリサイズしたりする。同様に、第2のホモグラフィ変換行列算出前に、平面画像P及び周辺領域画像PIの少なくとも一方の画像サイズをリサイズしてもよい。
また、本実施形態でのホモグラフィ変換行列は、正距円筒射影画像ECと平面画像Pとの射影関係を表す変換行列であり、平面画像Pにおける座標にホモグラフィ変換行列を乗算することで、正距円筒射影画像EC(全天球画像CE)上での対応座標を算出することができる。領域分割部560は、画像における一部の領域を複数の格子領域に分割する。ここで、図22を用いて、第2の対応領域を複数の格子領域に分割する方法を詳細に説明する。なお、図22は、第2の対応領域を複数の格子領域に分割する際の概念図である。
領域分割部560は、図22(a)に示されているように、第1の対応領域算出部552が第2のホモグラフィ変換により算出した第2の対応領域CA2の頂点座標の4つの頂点から成る四角形を、図22(b)に示されているように、複数の格子領域LA2に分割する。例えば、水平方向に30、垂直方向に20で均等分割する。
次に、複数の格子領域LA2の具体的な分割方法について説明する。
まず、第2の対応領域CA2を均等に分割する算出式を示す。2点をA(X1,Y1)、B(X2,Y2)として、その2点間の線分を等間隔にn個に分割する場合、Aからm番目にあたる点Pmの座標は、以下に示す(式13)によって算出される。
Pm = ( X1 + (X2 − X1) ×m / n, Y1 + (Y2 − Y1) × m / n )・・・(式13)
上記の(式13)によって、線分を均等に分割した座標が算出できるため、四角形の上辺、下辺をそれぞれ分割した座標を求め、分割した座標から成る線分を更に分割すればよい。四角形の左上、右上、右下、左下の各座標をそれぞれTL,TR,BR,BLとした場合、線分TL−TR及び線分BR−BLを均等に30分割した座標を求める。次に、0から30番目まで分割された各座標において、同じ順番に対応する座標同士から成る線分に対し、均等に20分割した座標を求める。これにより、四角形領域を30×20個の小領域に分割するための座標を求めることができる。図22(b)では、座標一例として、TRの座標(LO00,00,LA00,00)を示している。
続いて、図16及び図20に戻り、射影方式逆変換部562は、第2の対応領域CA2の射影方式を、正距円筒射影画像ECと同じ正距円筒射影方式に逆変換することで、正距円筒射影画像ECにおいて、第2の対応領域CA2に対応する第3の対応領域CA3を算出する。具体的には、射影方式逆変換部562は、正距円筒射影画像ECにおいて、第2の対応領域CA2における複数の格子領域LA2に対応する各格子領域LA3から成る第3の対応領域CA3を算出する。第3の対応領域CAは、図20に示されているが、拡大図として、図23にも示している。なお、図23は、正距円筒射影画像ECにおいて第3の対応領域を示す概念図である。これにより、平面画像Pは、最終的に第3の対応領域CA3に合わせるように(マッピングするように)、正距円筒射影画像ECによって作成された全天球画像CEに重畳表示される。この射影方式逆変換部562の処理により、各格子領域LA3の各格子点の座標を示す位置パラメータが作成される。位置パラメータは、図17及び図18(b)に示されている。なお、格子点は複数の点の一例である。
以上、位置パラメータを作成することにより、正距円筒射影画像ECと平面画像Pの位置関係を算出することができる。
(補正パラメータの算出)
前述のように位置パラメータは算出されたが、このまま重畳表示を行う場合、正距円筒射影画像ECと平面画像Pとで明るさや色味が大きく異なる場合に、不自然な重畳表示となることがある。そのため、以下に示す形状変換部564及び補正パラメータ作成部566は、明るさや色味が大きく異なる場合であっても、不自然な重畳表示となることを防止する役割を果たす。
形状変換部564は、後述の色合わせに先立って、第2の対応領域CA2の4頂点を平面画像Pの4頂点に射影することで、第2の対応領域CA2を平面画像Pと同じ形状に変換する。具体的には、図24(a)に示されている第2の対応領域CA2の各格子領域LA2を、図24(c)に示されている平面画像Pの各格子領域LA0に合わせるために、第2の対応領域CA2の形状を平面画像Pと同じ形状に変換する。これにより、図24(a)に示されている第2の対応領域CA2は、図24(b)に示されている第2の対応領域CA2'に形状が変換される。これに伴い、格子領域LA2が格子領域LA2'に変換されるため、平面画像Pの格子領域LA0と同じ形状となる。
補正パラメータ作成部566は、同じ形状に変換後の第2の対応領域CA2'における各格子領域LA2'の明るさ値及び色値に対して、各格子領域LA2'と同じ形状である平面画像Pの各格子領域LA0の明るさ値及び色値を合わせるための補正パラメータを作成する。具体的には、補正パラメータ作成部566は、各格子点LA0の1点を共通に格子点として持つ4つの格子領域内の全ての画素の明るさ値及び色値(R,G,B)の平均値a= (Rave,Gave,Bave)を算出し、各格子点LA2'の1点を共通に格子点として持つ4つの格子領域内の全ての画素の明るさ値及び色値(R',G',B')の平均値a' = (R'ave,G'ave,B'ave)を算出する。なお、上記各格子点LA0の1点及び各格子点LA2'の1点が第2の対応領域CA2及び第3の対応領域CA3の4隅の位置となる場合、補正パラメータ作成部566は、1つの格子領域から明るさ値及び色値の平均値a及び平均値a'を算出する。また、上記各格子点LA0の1点及び各格子点LA2'の1点が第2の対応領域CA2及び第3の対応領域CA3の外周の位置となる場合、補正パラメータ作成部566は、内側2つの格子領域から明るさ値及び色値の平均値a及び平均値a'を算出する。そして、補正パラメータは、本実施形態では、平面画像Pの明るさ値及び色値を補正するためのゲインデータとなるため、以下の(式14)に示されているように、平均値a'を平均値aで除算することで、補正パラメータPaを求める。
Pa = a'/ a・・・(式14)
これにより、後述の重畳表示において、補正パラメータが示すゲイン値を、格子領域LAO毎に乗算することで、平面画像Pの明るさ及び色味が、正距円筒射影画像EC(全天球画像CE)の画素値と近くなり、見た目が違和感なく重畳表示することが可能となる。なお、補正パラメータは、平均値から算出されるだけでなく、平均値に代えて又は平均値に加えて、中央値、最頻値等を使って算出されるようにしてもよい。
また、本実施形態では明るさ値及び色値の補正値の算出に画素値(R,G,B)を使用したが、輝度及び色差信号であるYUVフォーマットや、JPEGのsYCC(YCbCr)フォーマット等における輝度値、色差値を用いて、同様の方法にて格子領域を構成する全ての画素の輝度値及び色差値の平均値を求め、その平均値を除算することにより後述の重畳表示における補正パラメータとしてもよい。なお、RGB値からYUV、sYCC(YCbCr)に変換する方法は公知であるため詳細は省略するが、参考として(式15)を用いて、JPEG圧縮画像のフォーマットJFIF(JPEG file interchange format)形式のRGBからYCbCrへ変換する例を挙げる。
重畳表示メタデータ作成部570は、位置パラメータ及び補正パラメータ等を用いて、全天球画像CEに対して平面画像Pを重畳する際の位置、並びに明るさ値及び色値の補正値を示す重畳表示メタデータを作成する。
(重畳表示メタデータ)
続いて、図17を用いて、重畳表示メタデータのデータ構造について説明する。図17は、重畳表示メタデータのデータ構造である。
図17に示されているように、重畳表示メタデータは、正距円筒射影画像情報、平面画像情報、重畳表示情報、及びメタデータ作成情報によって構成されている。
これらのうち、正距円筒射影画像情報は、特殊撮像装置1から撮像画像データと共に送られてきた情報である。正距円筒射影画像情報は、画像識別情報及び付属情報を含んでいる。正距円筒射影画像情報における画像識別情報は、正距円筒射影画像を識別するための画像識別情報である。図17では、正距円筒射影画像情報における画像識別情報の一例として、画像のファイル名が示されているが、画像を識別するための画像IDであってもよい。
また、正距円筒射影画像情報における付属情報は、正距円筒射影画像情報に付属する関連情報である。図17では、付属情報の一例として、特殊撮像装置1で撮像された際に得られた正距円筒射影画像データの姿勢補正情報(Pitch,Yaw,Roll)が示されている。この姿勢補正情報は、特殊撮像装置1の画像記録フォーマットとして規格化されているExifで格納されている場合があり、GPano(Google Photo Sphere schema)で提供されている各種フォーマットで格納されている場合もある。全天球画像は、同じ位置で撮像すれば、姿勢が異なっていても360°全方位の画像が撮像できるという特徴があるが、全天球画像CEを表示する場合に、姿勢情報や、どこを画像の中心にするか(注視点)を指定しなければ表示位置が決まらない。そのため、一般的には天頂が撮像者の真上に来るように全天球画像CEを補正して表示する。これにより、水平線が真っ直ぐに補正された自然な表示が可能となる。
次に、平面画像情報は、一般撮像装置3から撮像画像データと共に送られてきた情報である。平面画像情報は、画像識別情報及び付属情報を含んでいる。平面画像情報における画像識別情報は、平面画像Pを識別するための画像識別情報である。図17では、画像識別情報の一例として、画像のファイル名が示されているが、画像を識別するための画像IDであってもよい。
また、平面画像情報における付属情報は、平面画像情報に付属する関連情報である。図17では、平面画像情報における付属情報の一例として、35mm換算焦点距離の値が示されている。35mm換算焦点距離の値は、全天球画像CEに平面画像Pを重畳して表示するために必須ではないが、重畳表示を行う場合に表示する画角を決めるための参考情報となるため、例として挙げている。
次に、重畳表示情報は、スマートフォン5で作成された情報であり、領域分割数情報、各格子領域の格子点の位置(位置パラメータ)、及び明るさ値及び色値の補正値(補正パラメータ)を含んでいる。これらのうち、領域分割数情報は、第1の対応領域CA1を複数の格子領域に分割する際の水平(経度)方向の分割数及び垂直(緯度)方向の分割数を示している。
また、位置パラメータは、平面画像Pを格子状の複数の領域に分割した場合の各格子点が、正距円筒射影画像EC(全天球画像CE)のどの位置に配置されるかを示す頂点マッピング情報である。補正パラメータは、本実施形態では、平面画像Pの色値を補正するためのゲインデータである。なお、補正対象がモノクロ画像の場合もあるため、補正パラメータは、明るさ値及び色値のうち少なくとも明るさ値を合わせるためのパラメータである。
全天球画像CEを得る場合、平面画像Pと同じ射影方式である透視射影方式を用いると、360°の全方位の撮像ができない。そのため、全天球画像CEの一部の領域に、全天球画像CEとは別に撮像することで得られた平面画像Pを重畳しようとしても、正距円筒射影画像ECと平面画像Pは射影方式が異なるため、正距円筒射影画像EC(全天球画像CE)と平面画像Pが合わず、平面画像Pが全天球画像CEに上手く溶け込まないため、全天球画像のように広い画角の画像は、射影方式の1つとして、正距円筒射影方式で作成されることが多い。しかし、正距円筒射影方式を用いると、いわゆるメルカトル図法のように標準緯線から離れるほど横方向の長さが拡大されるため、一般的なカメラで採用されている透視射影方式の画像とは大きく異なった画像となる。よって、単純に画像の縮尺だけを変更して重ね合わせても画像が一致せず、平面画像Pが全天球画像CEに上手く溶け込まない。そこで、本実施形態では、図20に示されている処理により、位置パラメータを作成する。
ここで、図18を用いて、位置パラメータ及び補正パラメータについて詳細に説明する。図18(a)は第2の対応領域における各格子領域を示した概念図である。図18(b)は第3の対応領域における各格子領域を示した概念図である。
図18(a)に示されているように、正距円筒射影画像ECの一部の領域である第1の対応領域CA1が平面画像Pと同じ透視射影方式に変換されることで得られる第2の対応領域CA2は、本実施形態では、水平分割数が30、垂直分割数が20の複数の格子領域に分割される。図18(a)には、各格子領域の格子点の座標(LO00,00,LA00,00),(LO01,00,LA01,00),…,(LO30,20,LA30,20)、及び、各格子領域の格子点における明るさ値及び色値の補正値(R00,00,G00,00,B00,00),(R01,00,G01,00,B01,00),…,(R30,20,G30,20,B30,20)が示されている。なお、図面を簡略化するため、4頂点における格子点の座標、並びに明るさ値及び色値の補正値が示されているが、実際には、全ての格子点の座標、並びに明るさ値及び色値の補正値が存在する。また、各明るさ値及び色値の補正値R,G,Bは、それぞれ赤色の補正ゲイン、緑色の補正ゲイン、青色の補正ゲインを示している。各明るさ値及び色値の補正値R,G,Bは、実際には、各格子点の座標を中心とする所定範囲(隣の格子点の所定範囲と重ならない範囲)内の画像の明るさ値及び色値の補正値を示している。
一方、図18(b)に示されているように、第2の対応領域CA2が正距円筒射影画像ECと同じ正距円筒射影方式に逆変換されることで得られた第3の対応領域CA3は、本実施形態では、同じく水平分割数が30、垂直分割数が20の複数の格子領域に分割される。図18(b)には、各格子領域の格子点の座標(LO'00,00,LA'00,00),(LO'01,00,LA'01,00),…,(LO'30,20,LA'30,20)の座標、及び、第2の対応領域CA2の各補正値と同じ値の明るさ値及び色値の補正値が示されている。この場合も、図面を簡略化するため、4頂点における格子点の座標及び明るさ値及び色値の補正値が示されているが、実際には、全ての格子点の座標と明るさ値及び色値の補正値が存在する。
次に、メタデータ作成情報は、重畳表示メタデータのバージョンを示すバージョン情報を示している。
なお、上記のように、位置パラメータは、平面画像Pと正距円筒射影画像EC(全天球画像CE)のそれぞれの位置対応関係を示すものである。しかし、位置パラメータで、平面画像Pの全ての画素位置が正距円筒射影画像EC(全天球画像CE)のどの座標に対応付けられるかの情報を表わそうとすると、一般撮像装置3が高画素数のデジタルカメラの場合、約4000万画素数分の情報を表わさなければならない。そのため、位置パラメータのデータ量が多くなり、データ記憶等の扱いが大変である。そこで、本実施形態の位置パラメータは、平面画像Pを600個(30×20)の領域に分割することで、平面画像の格子点の座標が、正距円筒射影画像EC(全天球画像CE)のどこに対応するかを示すだけのデータを示している。また、スマートフォン5は重畳表示する場合には、格子点の座標から各領域内の画像の位置を補間することで、重畳表示を実現することができる。
{重畳部の機能構成}
図16を用い、重畳部55bの機能構成について説明する。重畳部55bは、貼付領域作成部582、補正部584、画像作成部586、画像重畳部588、及び射影方式変換部590を有している。
これらのうち、貼付領域作成部582は、仮想の立体球CSにおいて、第3の対応領域CA3に対応する領域部分(以下、「部分立体球」という)PSを作成する。
補正部584は、重畳表示メタデータ内の補正パラメータに基づいて、平面画像Pの明るさ値及び色値を、正距円筒射影画像ECの明るさ値及び色値に合わせる補正を行なう。なお、補正部584は、必ずしも明るさや色の補正を行なう必要はない。また、補正パラメータが補正を行なう場合、明るさの補正を行なっても、色の補正を行なわなくてもよい。
画像作成部586は、部分立体球PSに対して、平面画像P(又は、平面画像Pを補正した後の補正画像C)を貼り付けることで、重畳画像Sを作成する。また、画像作成部586は、部分立体球PSの領域に基づいて、マスクデータMを作成する。更に、画像作成部586は、立体球CSに対して、正距円筒射影画像ECを貼り付けることで全天球画像CEを作成する。
ここで、重畳画像Sを全天球画像CEに重畳する場合に用いることが可能な透過比率データである。マスクデータMは、重畳画像Sを全天球画像CEに重畳した場合の境界周辺の明るさ及び色を、内側の重畳画像S側から外側の全天球画像CE側に徐々に近づけるために、マスク周辺の透過度が、内側から外側に向けて徐々に重畳画像S寄りから全天球画像CE寄りに高くなっている。これにより、全天球画像CEに重畳画像Sが重畳されても、極力、重畳されたことが分からないようにすることができる。なお、マスクデータMの作成は、必須ではない。
画像重畳部588は、全天球画像CEに対して重畳画像S及びマスクデータMを重畳する。これにより、境目が目立たないように高精細の重畳画像Sが重畳された低精細の全天球画像CEが完成する。
射影方式変換部590は、図7に示されているように、予め定められた仮想カメラICの視線方向(所定領域Tの中心点CP)と所定領域Tの画角αに基づいて、重畳画像Sが重畳された状態の全天球画像CEにおける所定領域Tをディスプレイ517で見ることができるように射影方式変換する。また、射影方式変換部590は、射影方式変換する際に、所定領域Tをディスプレイ517における表示領域の解像度に合わせる処理も行う。具体的には、所定領域Tの解像度がディスプレイ517の表示領域の解像度よりも小さい場合には、射影方式変換部590は、所定領域Tをディスプレイ517の表示領域に合わせるように拡大する。一方、所定領域Tの解像度がディスプレイ517の表示領域の解像度よりも大きい場合には、射影方式変換部590は、所定領域Tをディスプレイ517の表示領域に合わせるように縮小する。これにより、表示制御部56は、ディスプレイ517の表示領域の全体に亘って、所定領域Tを示す所定領域画像Qを表示することができる(ステップS24)。ここでは、所定領域画像Q内に、平面画像Pが重畳された状態の平面画像P'である重畳画像Sが含まれている。
<<実施形態の処理又は動作>>
続いて、図19乃至図30を用いて、本実施形態の処理又は動作について説明する。まず、図19を用いて、撮像システムが実行する撮像方法を説明する。図19は、撮像方法を示したシーケンス図である。なお、以下では、被写体や風景等の撮像を行なう場合について説明するが、撮像と同時に集音部14によって周囲の音を録音してもよい。
図19に示されているように、スマートフォン5の受付部52は、ユーザから連携撮像開始を受け付ける(ステップS11)。この場合、図15(b)に示されているように、表示制御部56が、図15(b)に示されている連携撮像装置設定画面をディスプレイ517に表示させる。この画面には、撮像装置毎に、連携撮像する際のメインの撮像装置を指定するためのラジオボタン、連携撮像する際のサブの撮像装置を指定(選択)するためのチェックボックスが表示されている。更に、撮像装置毎に、撮像装置の装置名及び電波の受信強度が表示されている。そして、ユーザが所望の撮像装置をメイン及びサブとして指定(選択)して、「確定」ボタンを押下することで、受付部が連携撮像開始を受け付ける。なお、サブの撮像装置は複数であってもよいため、チェックボックスにして複数の撮像装置を指定(選択)することができるようになっている。
そして、スマートフォン5の近距離通信部58は、一般撮像装置3の近距離通信部38に対して、ポーリングにより、撮像開始の問い合わせを示す撮像開始問合せ情報を送信する(ステップS12)。これにより、一般撮像装置3の近距離通信部38は、撮像開始問合せ情報を受信する。
次に、一般撮像装置3の判断部37は、受付部32がユーザからシャッターボタン315aの押下を受け付けるか否かにより、撮像開始を行なったか否かを判断する(ステップS13)。
次に、一般撮像装置3の近距離通信部38は、スマートフォン5に対して、ステップS13による判断結果に応じた応答内容を示す応答情報を送信する(ステップS14)。ステップS13によって撮像が開始されたと判断された場合には、応答情報は、撮像開始を示す撮像開始情報を含む。この場合、応答情報は、一般撮像装置3の画像識別情報も含んでいる。一方、ステップS13によって撮像が開始されたと判断されない場合には、応答情報は、撮像待機を示す撮像待機情報を含む。これにより、スマートフォン5の近距離通信部58は、応答情報を受信する。
続いて、ステップS13によって、撮像が開始されたと判断された場合、及びステップS14によって受信された応答情報が撮像開始情報を含む場合について説明する。
まず、一般撮像装置3は、撮像を開始する(ステップS15)。この撮像の処理は、シャッターボタン315aが押下された後、撮像部33が被写体や風景等を撮像することで撮像画像データ(ここでは、平面画像データ)し、記憶・読出部39が記憶部3000に撮像画像データを記憶するまでの処理である。
次に、スマートフォン5では、近距離通信部58が、特殊撮像装置1に対して、撮像開始の要求を示す撮像開始要求情報を送信する(ステップS16)。これにより、特殊撮像装置1の近距離通信部18は撮像開始要求情報を受信する。
一方、特殊撮像装置1は、撮像を開始する(ステップS17)。この撮像の処理は、撮像部13が被写体や風景等を撮像して撮像画像データ(図3(a),(b)に示されているような2つの半球画像データ)を生成し、画像・音処理部15が、2つの半球画像データに基づいて、図3(c)に示されているような単一の正距円筒射影画像データを作成して、記憶・読出部19が記憶部1000に正距円筒射影画像データを記憶するまでの処理である。
次に、スマートフォン5では、近距離通信部58が、一般撮像装置3に対して、撮像画像を要求する旨を示す撮像画像要求情報を送信する(ステップS18)。この撮像画像要求情報には、ステップS14で受信された画像識別情報が含まれている。これにより、一般撮像装置3の近距離通信部38は撮像開始要求情報を受信する。
次に、一般撮像装置3の近距離通信部38は、スマートフォン5に対して、ステップS15によって得られた平面画像データを送信する(ステップS19)。この際、送信される平面画像データを識別するための画像識別情報、及び付属情報も送信される。画像識別情報及び付属情報は、図17に平面画像情報として示されている。これにより、スマートフォン5の近距離通信部58は、平面画像データ、画像識別情報、及び付属情報を受信する。
一方、特殊撮像装置1の近距離通信部18は、スマートフォン5に対して、ステップS17によって得られた正距円筒射影画像データを送信する(ステップS20)。この際、送信される正距円筒射影画像データを識別するための画像識別情報、及び付属情報も送信される。画像識別情報及び付属情報は、図17に正距円筒射影画像情報として示されている。これにより、スマートフォン5の近距離通信部58は、正距円筒射影画像データ、画像識別情報、及び付属情報を受信する。
次に、スマートフォン5の記憶・読出部59は、ステップS19によって受信された平面画像データの電子ファイルと、及びステップS20によって受信された正距円筒射影画像データの電子ファイルを同一の電子フォルダに格納して、記憶部5000に記憶する(ステップS21)。
次に、スマートフォン5の画像・音処理部55は、全天球画像CEの一部の領域に平面画像Pを重畳して表示する際に利用する、重畳表示メタデータを作成する(ステップS22)。この際、記憶・読出部59が、記憶部5000に重畳表示用メタデータを記憶する。
ここで、主に、図20乃至図24を用いて、重畳表示メタデータの作成処理について詳細に説明する。なお、一般撮像装置3と特殊撮像装置1の撮像素子の解像度が、たとえ同じであっても、特殊撮像装置1の撮像素子は360°全天球画像CEの元になる正距円筒射影画像を全て網羅しなければならないため、撮像画像における一定領域あたりの精細度が低くなる。
{重畳表示メタデータの作成処理}
まず、低精細な正距円筒射影画像ECによって作成される全天球画像CEに対して、高精細な平面画像Pを重畳してディスプレイ517に表示するための重畳表示メタデータの作成処理について説明する。重畳表示メタデータは、図17に示されているように、位置パラメータ及び補正パラメータを含んでいるため、主に、位置パラメータ及び補正パラメータの作成方法について図20を用いて説明する。
抽出部550は、正距円筒射影方式によって得られた長方形の正距円筒射影画像ECにおける複数の特徴点、及び透視射影方式によって得られた長方形の平面画像Pにおける複数の特徴点を抽出する(ステップS110)。
次に、第1の対応領域算出部552は、第1のホモグラフィ変換によって、正距円筒射影画像ECにおける複数の特徴点と平面画像Pにおける複数の特徴点との類似度に基づき、図20に示されているように、正距円筒射影画像ECにおいて、平面画像Pに対応する四角形の第1の対応領域CA1を算出する(ステップS120)。より具体的には、第1の対応領域算出部552は、算出した正距円筒射影画像ECの複数の特徴点fp1の特徴量fv1と、平面画像Pにおける複数の特徴点fp2の特徴量fv2の類似度に基づき画像間の対応点を算出し、正距円筒射影画像ECにおいて、平面画像Pに対応するホモグラフィを求めることで得られる第1のホモグラフィ変換によって、図20に示されているように、正距円筒射影画像ECにおいて、平面画像Pに対応する四角形の第1の対応領域CA1を算出する。この処理は、正距円筒射影画像ECに対して射影方式が異なる平面画像Pを正確に対応付けることができないが、ひとまず大まかに対応位置を推定するための処理(仮決め処理)である。
次に、注視点特定部554は、平面画像Pの中心点CM1が第1のホモグラフィ変換後に位置する正距円筒射影画像EC上の点(注視点GP1)を特定する(ステップS130)。
次に、射影方式変換部556は、図21に示されているように、周辺領域画像PIの垂直画角αが平面画像Pの対角画角αと同じになるようにすることで、結果的に周辺領域画像PIが作成できるように、正距円筒射影画像EC内で注視点GP1を中心とした周辺領域PAを、平面画像Pと同じ透視射影方式に変換する(ステップS140)。
次に、抽出部550は、射影方式変換部556によって得られた周辺領域画像PIにおける複数の特徴点を抽出する(ステップS150)。
次に、第1の対応領域算出部552は、第2のホモグラフィ変換によって、平面画像Pにおける複数の特徴点と周辺領域画像PIにおける複数の特徴点との類似度に基づき、周辺領域画像PIにおいて、平面画像Pに対応する四角形の第2の対応領域CA2を算出する(ステップS160)。なお、平面画像Pは、例えば4000万画素の高精細な画像であるため、予め適切な大きさにリサイズしておく。
次に、領域分割部560は、図22(b)に示されているように、第2の対応領域CA2を複数の格子領域LA2に分割する(ステップS170)。
次に、射影方式逆変換部562は、図20に示されているように、第2の対応領域CA2の射影方式を、正距円筒射影画像ECと同じ正距円筒射影方式に変換(逆変換)する(ステップS180)。これにより、射影方式逆変換部562は、図23に示されているように、正距円筒射影画像ECにおいて、第2の対応領域CA2内の複数の格子領域LA2に対応する各格子領域LA3から成る第3の対応領域CA3を算出する。なお、図23は、正距円筒射影画像ECにおいて第3の対応領域を示す概念図である。この射影方式逆変換部562の処理により、各格子領域LA3の各格子点の座標を示す位置パラメータが作成される。位置パラメータは、上記のように、図17及び図18(b)に示されている。
続いて、図20及び図24を用いて、補正パラメータの作成処理について説明する。図24は、補正パラメータの作成処理の過程における画像の概念図である。
ステップS180の処理後、形状変換部564は、図24(a)に示されているような第2の対応領域CA2の4頂点を平面画像Pの4頂点に射影することで、第2の対応領域CA2を平面画像Pと同じ形状に変換し、図24(b)に示されているような第2の対応領域CA2'を得る(ステップS190)。
次に、領域分割部560は、図24(c)に示されているように、平面画像Pを、変換後の第2の対応領域CA2'における各格子領域LA2'と同じ形状で同じ数である複数の格子領域LA0に分割する(ステップS200)。
次に、補正パラメータ作成部566は、第2の対応領域CA2'における各格子領域LA2'の色値に対して、各格子領域LA2'に対応する平面画像Pの各格子領域LA0の明るさ値及び色値を合わせるための補正パラメータを作成する(ステップS210)。
最後に、重畳表示メタデータ作成部570は、図17に示されているように、特殊撮像装置1から取得した正距円筒射影画像情報、一般撮像装置3から取得した平面画像情報、予め定められている領域分割数情報、射影方式逆変換部562によって作成された位置パラメータ、補正パラメータ作成部566によって作成された補正パラメータ、及びメタデータ作成情報に基づいて、重畳表示メタデータを作成する(ステップS220)。
この重畳表示メタデータは、記憶・読出部59によって、記憶部5000に記憶される。
以上より、図19に示されているステップS23の処理が終了する。そして、記憶・読出部59及び表示制御部56は、重畳表示メタデータを用いて、重畳表示の処理を行なう(ステップS23)。
{重畳表示の処理}
続いて、図25乃至図30を用いて、重畳表示の処理について詳細に説明する。図25は、重畳表示の処理の過程における画像の概念図である。
まず、図14に示されている記憶・読出部59(取得部)が、予め、記憶部5000から、正距円筒射影方式によって得られた正距円筒射影画像ECのデータ、透視射影方式によって得られた平面画像Pのデータ、及び重畳表示メタデータを読み出して取得しておく。
次に、貼付領域作成部582は、図25に示されているように、位置パラメータに基づき、仮想の立体球CSにおいて、第3の対応領域CA3に対応する部分立体球PSを作成する(ステップS310)。この際、位置パラメータで示されていない格子点以外の画素に関しては、例えば、線形補間を用いて補間する。
次に、補正部584は、重畳表示メタデータ内の補正パラメータに基づいて、平面画像Pの明るさ値及び色値を、正距円筒射影画像ECの明るさ値及び色値に合わせる補正を行なう(ステップS320)。以降、補正後の平面画像Pは、「補正画像C」という。
次に、画像作成部586は、部分立体球PSに対して、補正画像Cを貼り付けることで、重畳画像Sを作成する(ステップS330)。この際、位置パラメータで示されていない格子点以外の画素に関しては、例えば、線形補間を用いて補間する。また、画像作成部586は、部分立体球PSに基づいて、マスクデータMを作成する(ステップS340)。更に、画像作成部586は、立体球CSに対して、正距円筒射影画像ECを貼り付けることで全天球画像CEを作成する(ステップS350)。そして、画像重畳部588は、全天球画像CEに対して重畳画像S及びマスクデータMを用いて重畳画像Sを重畳する(ステップS360)。これにより、境目が目立たないように高精細の重畳画像Sが重畳された低精細の全天球画像CEが完成する。
次に、射影方式変換部590は、図7に示されているように、予め定められた仮想カメラICの視線方向(所定領域Tの中心点CP)と所定領域Tの画角αに基づいて、重畳画像Sが重畳された状態の全天球画像CEにおける所定領域Tをディスプレイ517で見ることができるように射影方式変換する(ステップS370)。この際、射影方式変換部590は、所定領域Tをディスプレイ517における表示領域の解像度に合わせる処理も行なう。これにより、表示制御部56は、ディスプレイ517の表示領域の全体に亘って、所定領域Tを示す所定領域画像Qを表示することができる。ここでは、所定領域画像Q内に、平面画像Pが重畳された状態の平面画像P'である重畳画像Sが含まれている。
続いて、図26乃至図30を用いて、重畳表示された状態について詳細に説明する。図26は、全天球画像に平面画像を重畳した場合の二次元の概念図である。ここでは、図5に対して、平面画像Pを重畳している場合を示している。図26に示されているように、高精細な重畳画像Sは、立体球CSに張り付けられた低精細な全天球画像CEに対し、位置パラメータに従って、立体球CSの内側に重畳されている。
図27は、全天球画像に平面画像を重畳した場合の三次元の概念図である。図27では、立体球CSに全天球画像CE及び重畳画像Sが貼り付けられ、重畳画像Sを含む画像が所定領域画像Qとなっている状態を表している。
図28は、本実施形態の位置パラメータを用いずに、全天球画像に平面画像を重畳した場合の二次元の概念図である。図29は、本実施形態の位置パラメータを用いて、全天球画像に平面画像を重畳した場合の二次元の概念図である。
図28(a)に示されているように、仮想カメラICが立体球CSの中心点に位置している場合を基準にすると、被写体P1は、全天球画像CE上で像P2として表され、重畳画像S上で像P3として表されている。図28(a)に示されているように、像P2及び像P3は、仮想カメラICと被写体P1とを結ぶ直線上に位置しているため、全天球画像CEに重畳画像Sが重畳された状態で表示されても、全天球画像CEと重畳画像Sにズレが生じない。しかし、図28(b)に示されているように、仮想カメラICが立体球CSの中心点から離れると、仮想カメラICと被写体P1とを結ぶ直線上に、像P2は位置しているが、像P3はやや内側に位置している。このため、仮想カメラICと被写体P1とを結ぶ直線上における重畳画像S上の像を像P3'とすると、全天球画像CEと重畳画像Sに、像P3と像P3'との間のズレ量g分のズレが生じてしまう。これにより、全天球画像CEに対して重畳画像Sがズレて表示されてしまう。
これに対して、本実施形態では、複数の格子領域によって示された位置パラメータを用いているため、図29(a)、(b)に示されているように、重畳画像Sを全天球画像CEに沿って重畳することができる。これにより、図29(a)に示されているように、仮想カメラICが立体球CSの中心点に位置する場合だけでなく、図29(b)に示されているように、仮想カメラが立体球CSの中心点から離れた場合であっても、像P2及び像P3は、仮想カメラICと被写体P1とを結ぶ直線上に位置することになる。よって、全天球画像CEに重畳画像Sが重畳された状態で表示されても、全天球画像CEと重畳画像Sにズレが生じない。
図30(a)は重畳表示しない場合のワイド画像の表示例、図30(b)は重畳表示しない場合のテレ画像の表示例、図30(c)は重畳表示する場合のワイド画像の表示例、図30(d)は重畳表示する場合のテレ画像の表示例を示した概念図である。なお、図中の波線は、説明の便宜上表しただけであり、実際にディスプレイ517上には表示されてもよく、表示されなくてもよい。
図30(a)に示されているように、全天球画像CEに対して平面画像Pを重畳して表示しない場合、図30(a)における波線で示される領域まで拡大表示すると、図30(b)に示されているように、低精細の画像のままとなっており、ユーザは鮮明でない画像を見ることになってしまう。これに対して、図30(c)に示されているように、全天球画像CEに対して平面画像Pを重畳して表示する場合、図30(c)における波線で示される領域まで拡大表示すると、図30(d)に示されているように、高精細の画像が表示され、ユーザは鮮明な画像を見ることができる。特に、波線で示されている領域に、文字が描かれた看板等が表示されている場合、高精細な平面画像Pを重畳表示しなければ、拡大表示させても文字がぼやけてしまい、何が書かれてあるのか分からない。しかし、高精細な平面画像Pを重畳表示すれば、拡大表示させても文字が鮮明に見えるため、ユーザは何が書かれているのかを把握することができる。
〔第一の実施形態〕
<平面画像Pと正距円筒射影画像ECの明るさ値と色値の補正>
図25のステップS320では明るさ値と色値が補正されたが、これだけでは、全天球画像CEの一部が表示された場合に、重畳画像Sの明るさ値と色値が適正でなくなる場合がある。全天球画像などの広角画像は360度の画像全体を考慮して適正な露出が決定されるため、一部の領域の明るさが適正でなく、露出オーバーだったり露出アンダーだったりする場合がある。そこで、以下では、平面画像Pと正距円筒射影画像ECの明るさ値と色値を補正すると共に、平面画像Pと正距円筒射影画像ECの明るさ値と色値のそれぞれの補正量を適切に制御するスマートフォン5の処理について説明する。
図31は、実施形態である補正処理の過程における画像の概念図である。図25と比較して説明する。図31では、ステップS400に新たに正距円筒射影画像ECの明るさと色を補正する補正処理が追加されている。ステップS400では、補正部584が重畳表示メタデータ内の補正パラメータに基づいて、正距円筒射影画像ECの明るさ値及び色値を、平面画像Pの明るさ値及び色値に合わせる補正を行なう。以降、ステップS400の補正後の正距円筒射影画像ECを「補正画像D」という。
また、図31のステップS320の補正は、図25の補正と異なっている。図31では視線方向と平面画像Pの中心点との角度βに応じて、平面画像Pの明るさ値と色値の補正量を制御する。これと同様の処理がステップS400の処理で正距円筒射影画像ECにも行われる。
<<S320 平面画像Pの明るさ値と色値の補正>>
図32は、平面画像Pの補正処理の過程における画像の概念図である。図31に示されている平面画像Pの補正処理(S320)を詳細に説明する。
ステップS321では、重畳表示メタデータ内の補正パラメータに基づいて、補正部584が平面画像Pの明るさ値及び色値を正距円筒射影画像ECの明るさ値及び色値に補正した補正画像C1を作成する。
ステップS322では、予め定められている仮想カメラICの視線方向(所定領域Tの中心点)と平面画像Pの中心点までの角度βに基づき、補正部584が補正画像C1と補正前の平面画像Pの合成割合を変更して合成して、新たに補正画像C2を作成する。合成割合を変更した合成について図34にて説明する。
ステップS330では、画像作成部586が部分立体球PSに対して、補正画像C2を貼り付けることで重畳画像Sを作成する。
<<S400 正距円筒射影画像ECの明るさ値と色値の補正>>
図33は、正距円筒射影画像ECの補正処理の過程における画像の概念図である。図31に示されている正距円筒射影画像ECの補正処理(ステップS400)を詳細に説明する。
ステップS411では、正距円筒射影画像ECの明るさ値及び色値を、補正部584が平面画像Pの明るさ値及び色値に補正した補正画像D1を作成する。重畳表示メタデータ内の補正パラメータには、平面画像Pの明るさ値及び色値を、正距円筒射影画像ECの明るさ値及び色値に合わせるゲインデータが格納されているが、補正部584がゲインデータの逆数を正距円筒射影画像ECに乗算することで上記の補正処理が可能となる。また、重畳表示メタデータ内の補正パラメータは、重畳画像S(平面画像P')の領域における明るさ値及び色値を合わせる補正データであるが、正距円筒射影画像ECの全体領域に適用することで、重畳画像S(平面画像P')の領域より精度は劣るが違和感なく重畳画像S(平面画像P')以外の領域も補正することが可能となる。
ステップS412では、補正部584が予め定められている仮想カメラICの視線方向(所定領域Tの中心点)とユーザの操作で定まる平面画像Pとの角度βに基づき、補正画像D1及び補正前の正距円筒射影画像ECの割合を変更して合成して、新たに補正画像D2を作成する。
ステップS350では、画像作成部586が立体球CSに対して、補正画像D2を貼り付けることで全天球画像CEを作成する。
<画像合成割合の変更>
図34は、画像合成割合の変更方法について説明する図である。図34(a)は、視線方向と重畳画像S(平面画像P')の中心との変位量として角度βを示している。図7に示されているように、予め定められた仮想カメラICの視線方向(所定領域Tの中心点CP)と重畳画像Sの中心点CMとの角度を角度βとする。角度βは0から180°までの値をとる。
図34(b)は、仮想カメラICの視線方向(所定領域Tの中心点)と平面画像Pとの角度βに基づいて、重畳画像Sと正距円筒射影画像ECのそれぞれの補正処理(S320,S400)の合成処理における合成割合の変更方法を示した図である。図34(b)の(b−1)に示すように、所定領域T(所定領域画像Q)の中心点CPを中心に角度βがth1となる領域より内側の領域をエリア1とし、角度βがth2となる領域よりも内側でエリア1を含まない領域をエリア2とする。また、所定領域Tの領域内でエリア1、2に含まれない領域をエリア3とする。
まず、補正画像C1と平面画像Pの合成割合の算出方法について説明する。図34(b)の(b−2)は、角度βに対する補正画像C1と平面画像Pの合成割合の関係を示している。縦軸の重畳画像のSの合成割合は0.0から1.0の値をとる。重畳画像Sの合成割合とは、図32で示したように平面画像Pの明るさ値と色値を正距円筒射影画像ECに合わせた補正画像C1と平面画像Pの合成割合を示す。例えば合成割合が0.3の場合、平面画像Pが0.7(=1−0.3)、補正画像C1が0.3の割合で合成される。よって、合成割合が0.0の場合、補正画像C2は平面画像Pとなり、合成割合が1.0の場合、補正画像C2は補正画像C1となる。このように合成割合は平面画像Pをどの程度、補正画像C1に近づけるかという補正量を制御する。
図34(b)の(b−2)によればエリア1(角度β≦th1)の領域では画像の合成割合0.0であるため補正画像C2が平面画像Pとなり、エリア2(th1<角度β≦th2)の領域では合成割合が変動しエリア2の外周側に行く(角度βがth2に近づく)のに従って補正画像C1の合成割合が高くなる。エリア3(角度β>th2)の領域では合成割合が1.0であるため補正画像C2が補正画像C1の状態となる。
このような合成割合を用いることで、所定領域Tに重畳画像Sが表示される場合、重畳画像Sが所定領域Tの中心に位置すると(重畳画像Sの中心点CMが所定領域Tの中心点CPに近づく)、平面画像Pの元々の明るさ値及び色値の状態で表示され、重畳画像Sが所定領域Tの中心から離れていく(重畳画像の中心点CMが所定領域Tの中心点CPから遠ざかる)に従って、正距円筒射影画像ECの明るさ値及び色値の状態に近づき、最終的には正距円筒射影画像ECの明るさ値及び色値の状態となる。
図34(b)の(b−3)は、角度βと正距円筒射影画像ECの合成割合の関係を示している。縦軸の正距円筒射影画像ECの合成割合は0.0から1.0の値をとる。正距円筒射影画像ECの合成割合とは、図33で説明したように、正距円筒射影画像ECの明るさ値と色値を平面画像Pに合わせた補正画像D1と、正距円筒射影画像ECとを合成する割合のことを指す。例えば合成割合が0.3の場合、正距円筒射影画像ECが0.7(=1−0.3)、補正画像D1が0.3の割合で合成される。よって、合成割合が0.0の場合、補正画像D2は正距円筒射影画像ECとなり、合成割合が1.0の場合、補正画像D2は補正画像D1となる。このように合成割合は正距円筒射影画像ECをどの程度、補正画像D1に近づけるかという補正量を制御する。
図34の(b−2)と(b−3)で角度βの領域は同じで、合成割合が重畳画像Sと反転していることが異なっている(逆位相)。エリア2の合成割合は合計すると1になる場合がある。
図34の(b−3)で、エリア1(角度β≦th1)の領域では画像の合成割合が1.0であるため補正画像D2は補正画像D1となり、エリア2(th1<角度β≦th2)の領域では合成割合が変動しエリア2の外周側に行く(角度βがth2に近づく)のに従って正距円筒射影画像ECの合成割合が高くなる。エリア3(角度β>th2)の領域では合成割合が0.0であるため補正画像D2は正距円筒射影画像ECとなる。
これにより、所定領域Tに重畳画像Sが表示される場合、重畳画像Sが所定領域Tの中心に位置すると(重畳画像の中心点CMが所定領域Tの中心点CPに近づく)、平面画像Pに合わせた補正画像D1の状態で正距円筒射影画像ECが表示され、重畳画像Sが所定領域Tの中心から離れていく(重畳画像の中心点CMが所定領域Tの中心点CPから遠ざかる)に従って、正距円筒射影画像ECの明るさ値及び色値の状態に近づき、最終的には正距円筒射影画像ECの明るさ値及び色値の状態となる。
従って、正距円筒射影画像ECに対する視線方向と重畳画像Sの中心との変位量が小さくなるほど、平面画像の画素値の補正量が小さくなり、正距円筒射影画像ECの画素値が平面画像Pの画素値に近づくように正距円筒射影画像ECの画素値が補正される。正距円筒射影画像ECの視線方向と重畳画像Sの中心との変位量が大きくなるほど、正距円筒射影画像ECの画素値が正距円筒射影画像ECの画素値に近づくように正距円筒射影画像ECの画素値が補正される。
<仮想カメラICの視線方向と重畳画像Sと中心点の具体的な例>
図35及び図36を用いて、仮想カメラICの視線方向(所定領域Tの中心点CP)と重畳画像Sの中心点との関係について説明する。図35(d)は、全天球画像CEの所定の視線方向における所定領域T(所定領域画像Q)の表示例を示している。所定領域Tの中心点CPは仮想カメラICの視線方向に該当し、黒丸で示されている。また、全天球画像CEに重畳された重畳画像Sの領域が点線で示され、重畳画像Sの中心点CMが白丸で示されている。なお、中心点CPの黒丸、中心点CPの白丸は説明のために表示されており実際は表示されない。このように、所定領域Tの中心点CPに対する重畳画像Sの中心点CMの位置はユーザの操作により任意に変更されうる。
図35(a)、図35(b)、図35(c)は、全天球画像CEに対してユーザが仮想カメラICの視線方向を変更した場合の所定領域Tの表示例を示している。また、図36(a)、図36(b)、図36(c)は、図35(a)〜(c)に対応した所定領域Tと重畳画像Sとの領域の関係を示したものである。
図35(a)及び図36(a)は、仮想カメラICの視線方向(所定領域Tの中心点CP)に対し重畳画像Sの中心点CMが所定領域Tに対し右方向に大きく外れた場合の表示例である。図36(a)に示すように視線方向と重畳画像Sの中心点CMとの角度β(=β2)が大きい。
図35(b)及び図36(b)は、仮想カメラICの視線方向(所定領域Tの中心点CP)に対し重畳画像Sの中心点CMが所定領域Tの領域で右方向にずれた場合の表示例である。図36(b)に示すように視線方向と重畳画像Sの中心点CMとで角度β(=β1)が小さくなる。
図35(c)及び図36(c)は、仮想カメラICの視線方向(所定領域Tの中心点CP)と重畳画像Sの中心点CMが一致した場合の表示例である。図36(c)に示すように視線方向と重畳画像Sの中心点CMとの角度βは0である。
図35(a)のように重畳画像Sの中心点CMが所定領域Tの中心点CPに対し離れている場合、ユーザは全天球画像を閲覧していることが多いため、全天球画像の露出に基づく明るさ値及び色値が優先されても違和感は生じにくい。一方、図35(c)のように重畳画像Sの中心点CMが所定領域Tの中心点CPとほぼ一致している場合、ユーザは重畳画像Sを閲覧していることが多いため、重畳画像Sの露出に基づく明るさ値及び色値が優先されることで高画質な重畳画像Sを閲覧できる。補正部584が図34の合成割合で補正画像C2と補正画像D2の明るさ値と色値を補正することで、重畳画像Sの中心点CMと所定領域Tの中心点CPの関係に応じて適切な明るさ値と色値に補正できる。
<補正の効果>
図37及び図38は、本実施形態の補正の有無による効果を示す図の一例である。図37は、全天球画像CEがオーバー露出の場合の補正の効果を示す図であり、図35及び図36で説明したように仮想カメラICの視線方向が変更された場合に所定領域Tがどのように補正されるかを示している。なお、全天球画像CEへ重畳される平面画像Pは適正な露出で撮像されているものとする。
図37(a−1)、図37(b−1)、図37(c−1)は、重畳画像Sの明るさ値と色値が全天球画像CEの明るさ値と色値に補正された場合の表示例を示す。図面からは分かりにくいが全天球画像CEはオーバー露出により全体が明るくなっている。オーバー露出の全天球画像CEの明るさ値及び色値に近づくように重畳画像Sの明るさ値及び色値が補正されるため、仮想カメラICの視線方向を変更しても(重畳画像Sが所定領域Tの中心に来ても)表示される画像はオーバー露出のままとなる。図面からは分かりにくいが図37(a−1)、図37(b−1)、図37(c−1)の全てでオーバー露出のままとなる。
図37(a−2)、図37(b−2)、図37(c−2)は、オーバー露出の全天球画像CEの明るさ値及び色値に近づくように重畳画像Sの明るさ値及び色値が補正されない場合の所定領域Tの表示を示している。重畳画像Sは補正されていないため、適正な露出で撮像されている平面画像Pの明るさ値及び色値で表示されている。しかし、図37(a−1)、図37(b−1)、図37(c−1)と比較すると、重畳画像Sは適正な露出となっているが、全天球画像CEと重畳画像Sで明るさ値及び色値に差が生じ重畳画像Sが全天球画像CEに上手く溶け込んでいない(重畳画像Sに違和感が生じている)。図面からは分かりにくいが図37(a−2)、図37(b−2)、図37(c−2)の適正な露出の重畳画像Sが目立ってしまう。
図37(a−3)、図37(b−3)、図37(c−3)は、本実施形態の補正が実施された場合の表示例を示す。図37(a−3)では、重畳画像Sの中心点CMが仮想カメラICの視線方向(所定領域Tの中心点CP)から大きく外れているため図37(a−1)の従来の補正による表示例と変わらない。図37(b−3)では、重畳画像Sの中心点CMが仮想カメラICの視線方向(所定領域Tの中心点CP)に近づくに従って、全天球画像CE及び重畳画像Sは、適正な露出で撮像されている平面画像Pの明るさ値及び色値を基準とする合成割合が高くなる。このため、図34で説明したように全天球画像CEは平面画像Pの明るさ値及び色味に合わせた補正画像D1の合成割合が高くなり、重畳画像Sは平面画像Pの合成割合が高くなることで、所定領域Tのオーバー露出が低減される。
図37(c−3)では、重畳画像Sの中心点CMが仮想カメラICの視線方向(所定領域Tの中心点CP)に近づき、重畳画像Sの中心点CMが所定領域Tの中心付近にあるため、適正な露出で撮像されている平面画像Pの明るさ値及び色値を基準とする合成割合が最大となり、所定領域Tは平面画像Pの明るさ値及び色値となり適正な露出で表示されている。
図面からは分かりにくいが図37(a−3)→図37(b−3)→図37(c−3)の順で、全天球画像CEの明るさと色値が平面画像Pに近づいている。
また、図37(a−3)、図37(b−3)、図37(c−3)では、全天球画像CEと重畳画像Sと両方の画像を補正しているため、図37(a−2)、図37(b−2)、図37(c−2)のように全天球画像CEと重畳画像Sで明るさ値及び色値に差が生じることはなく、重畳画像Sが全天球画像CEに上手く溶け込んでいる。
図38は、全天球画像CEがアンダー露出の場合の補正の効果の一例であり、図35及び図36で説明したように仮想カメラICの視線方向が変更された場合に所定領域Tがどのように補正されるかを示している。全天球画像CEに重畳される平面画像Pは適正な露出で撮像されているものとする。
図38(a−1)、図38(b−1)、図38(c−1)は、重畳画像Sの明るさ値と色値が全天球画像CEの明るさ値と色値に補正された場合の表示例を示す。図面が暗いのはアンダー露出を意図したものである。アンダー露出の全天球画像CEの明るさ値及び色値に近づくように重畳画像Sの明るさ値及び色値が補正されるため、仮想カメラICの視線方向を変更しても(重畳画像Sが所定領域Tの中心に来ても)表示される画像はアンダー露出のままとなる。
図38(a−2)、図38(b−2)、図38(c−2)は、アンダー露出の全天球画像CEの明るさ値及び色値に近づくように重畳画像Sの明るさ値及び色値が補正されない場合の所定領域Tの表示を示している。重畳画像Sは適正な露出となっているが、全天球画像CEと重畳画像Sで明るさ値及び色値に差が生じ重畳画像Sが全天球画像CEに上手く溶け込んでいない(重畳画像Sに違和感が生じている)。
図38(a−3)、図37(b−3)、図37(c−3)は、本実施形態の補正が実施された場合の表示例を示す。図38(a−3)では、重畳画像Sの中心点CMが仮想カメラICの視線方向(所定領域Tの中心点CP)から大きく外れているため図38(a−1)の従来の補正による表示例と変わらない。図38(b−3)では、重畳画像Sの中心点CMが仮想カメラICの視線方向(所定領域Tの中心点CP)に近づくに従って、全天球画像CE及び重畳画像Sは、適正な露出で撮像されている平面画像Pの明るさ値及び色値を基準とする合成割合が高くなる。このため、図34で説明したように全天球画像CEは平面画像Pの明るさ値及び色味に合わせた補正画像D1の合成割合が高くなり、重畳画像Sは平面画像Pの合成割合が高くなることで、所定領域Tのアンダー露出が低減される。
図38(c−3)では、重畳画像Sの中心点CMが仮想カメラICの視線方向(所定領域Tの中心点CP)に近づき、重畳画像Sの中心点CMが所定領域Tの中心付近にあるため、適正な露出で撮像されている平面画像Pの明るさ値及び色値を基準とする合成割合が最大となり、所定領域Tは平面画像Pの明るさ値及び色値となり適正な露出で表示されている。このように、アンダー露出の全天球画像CEの場合においても、オーバー露出のときと同様の効果が得られる。
〔第二の実施形態〕
第二の実施形態では、明るさ値と色値の補正方法が異なる2つの正距円筒射影画像ECを用いた補正方法について説明する。
図39は、正距円筒射影画像の補正処理の過程における画像の概念図である。図39は、図31に示されている正距円筒射影画像ECの補正処理(ステップS400)について説明している。
第二の実施形態では、正距円筒射影画像ECとは別に異なる露出で撮像された複数枚の正距円筒射影画像(図ではEC1, EC2)が必要である。特殊撮像装置1は正距円筒射影画像ECと同じ構図で露出のみを変更して複数枚の正距円筒射影画像EC1, EC2を撮像することが好ましい。少なくとも、正距円筒射影画像ECの露出よりもオーバー露出の正距円筒射影画像EC1、アンダー露出の正距円筒射影画像EC2の2枚が必要である。図39では、正距円筒射影画像ECの露出よりもオーバー露出の正距円筒射影画像EC1、及び、アンダー露出の正距円筒射影画像EC2が示されているが、露出が異なる正距円筒射影画像は3枚以上でもよい。
ステップS421では、補正部584が、正距円筒射影画像ECと合成して補正画像D1を作成するために必要な画像の選択を行う。画像の選択には、重畳表示メタデータ内の補正パラメータを使用する。重畳表示メタデータ内の補正パラメータは、平面画像Pを正距円筒射影画像ECの明るさ値及び色値に合わせるゲインデータであるが、ゲインデータの逆数を算出すると、正距円筒射影画像ECを平面画像Pの明るさ値及び色値に合わせるゲインデータ(以降、逆ゲインデータという)となる。補正部584は、ここで算出した逆ゲインデータが1.0以上の場合は正距円筒射影画像ECを明るく補正し、1.0より小さいときは正距円筒射影画像ECを暗く補正する。
ステップS422では、補正部584が、平面画像Pの明るさ値及び色値に合わせた補正画像D1を作成するため、逆ゲインデータが1.0以上の場合は、正距円筒射影画像ECよりもオーバー露出である正距円筒射影画像EC1を選択し、1.0より小さい場合は、正距円筒射影画像ECよりもアンダー露出である正距円筒射影画像EC2を選択する。補正画像D2の作成方法は第一の実施形態と同様である。
図40は、露出の異なる複数枚の正距円筒射影画像EC1,EC2を用いた場合の位置パラメータと補正パラメータの関係について説明する図である。重畳表示メタデータ作成によって、平面画像Pと正距円筒射影画像ECに対応した位置パラメータと補正パラメータが重畳表示メタデータに格納されている。
正距円筒射影画像EC、正距円筒射影画像EC1、及び正距円筒射影画像EC2は、同じ構図で露出のみ異なる関係であるため、位置パラメータは共通で使用可能であり、補正パラメータは正距円筒射影画像ECのみに使用可能である。補正部584は、位置パラメータにより正距円筒射影画像ECの第3の対応領域CA3に対応する、正距円筒射影画像EC、正距円筒射影画像EC1、正距円筒射影画像EC2の第3の対応領域CA3を特定し、それぞれの第3の対応領域CA3の明るさ値及び色値を測定することができる。
まず、補正部584は、正距円筒射影画像ECと、正距円筒射影画像EC1及び正距円筒射影画像ECの第3の対応領域CA3における、明るさ値及び色値の比率を算出する。
例えば、正距円筒射影画像ECの第3の対応領域CA3の明るさ値をY、正距円筒射影画像EC1の明るさ値をY1、正距円筒射影画像EC2の明るさ値をY2とすると、正距円筒射影画像ECに対する正距円筒射影画像EC1の明るさ値の比率はY1/Y、正距円筒射影画像ECに対する正距円筒射影画像EC2の明るさ値の比率はY2/Yとなる。補正パラメータにこの比率を乗算することで平面画像Pを正距円筒射影画像EC1又は正距円筒射影画像EC2の明るさ値に補正する補正パラメータを算出することができる。
色値に対しても同様にして比率を算出すれば、正距円筒射影画像EC1又は正距円筒射影画像EC2の色値の補正パラメータも算出することができる。
なお、上記方法を用いず、重畳表示メタデータ作成時に正距円筒射影画像EC1と正距円筒射影画像EC2に対して正距円筒射影画像ECと同様の方法で補正パラメータを作成してもよい。
補正部584は以上のようにして求めた補正パラメータを用いてステップS422の補正画像作成(補正画像D1を作成)を行う。
図39に戻り、ステップS422の補正画像作成について説明する。正距円筒射影画像ECの補正パラメータをPC、正距円筒射影画像EC1の補正パラメータをPC1、正距円筒射影画像EC2の補正パラメータをPC2とする。補正パラメータPCは平面画像Pを正距円筒射影画像ECの明るさ値及び色値に近づけるゲインデータである。補正パラメータが1.0となる場合、平面画像Pと正距円筒射影画像は同じ明るさ値及び色値となる。
ステップS422では、露出の異なる複数枚の正距円筒射影画像EC1、EC2から平面画像Pと同じ明るさ値及び色値となる補正画像D1を作成する。例えば、補正パラメータの値がPC=1.2、PC1=1.6、PC2=0.8とすると、逆ゲインデータは、1/PC=0.833となり1.0よりも小さいのでステップS421の画像の選択処理では、正距円筒射影画像ECを暗く補正するため正距円筒射影画像EC2を選択する。
次に、ステップS422の補正画像作成では、正距円筒射影画像ECとステップS421で選択された正距円筒射影画像EC2との合成割合を算出する。ここで正距円筒射影画像ECとステップS421で選択された画像との合成割合k(kは0.0〜1.0)とすると、以下の(式16)又は(式17)によって合成割合を算出することができる。
k/PC+(1−k)/PC1=1.0・・・(式16)
k/PC+(1−k)/PC2=1.0・・・(式17)
但し、画像の選択(ステップS421)で(式16)は正距円筒射影画像EC1が選択された場合、(式17)は正距円筒射影画像EC2が選択された場合に使用する。正距円筒射影画像EC2が選択された場合の(式17)を使用して合成割合kを算出するとk=0.60となり、合成割合は正距円筒射影画像ECが0.60、正距円筒射影画像EC2が(1−k)=0.40となる。算出した合成割合で画像を合成することで平面画像Pと同じ明るさ値及び色値となる補正画像D1を作成することができる。ステップS412以降の処理は前述と同様であるため説明を省略する。
図41は、明るさ値(又は色値)が補正された補正画像C2、D2の作成方法を説明する図である。図41は、正距円筒射影画像EC、平面画像Pの明るさ値(又は色値)の違いを示している。上方向に値が大きく、下方向に値が小さくなる。正距円筒射影画像ECと補正画像D1から合成割合に応じて補正画像D2が作成され、平面画像Pと補正画像C1から合成割合に応じて補正画像C2が作成される。図34に示したように、補正画像を作成する合成割合は、正距円筒射影画像と重畳画像で反転している(逆位相)ため、図41のように補正画像D2と補正画像C2の明るさ値(又は色値)が一致する。
<複数枚の平面画像が重畳した場合>
これまでは1つの正距円筒射影画像ECに1つの重畳画像Sが重畳される例が説明されていたが、1つの正距円筒射影画像ECに2つ以上の重畳画像Sが重畳される場合がある。
図8の撮像システムでは、特殊撮像装置1と一般撮像装置3とが1台ずつの構成であり、1組の正距円筒射影画像ECと平面画像Pが同時に撮像される。被写体が静止物体である場合、ユーザが同じ位置から一般撮像装置3の撮像方向又は画角の少なくとも一方を変更して2つめの平面画像P2を撮像することができる。スマートフォン5は、正距円筒射影画像ECと同時に撮像した平面画像Pだけでなく、追加で撮像した平面画像P2も正距円筒射影画像ECに重畳することができる。
また、一般撮像装置3が1台ではなく複数台あり、それぞれが異なる撮像方向を向いているか又は異なる画角である場合、撮像システムは同時に複数枚の平面画像を取得することができる。例えば、スマートフォン5ではフロントカメラとリアカメラの2つのカメラを有しているため、同時に2つの平面画像を取得できる。
以下、正距円筒射影画像ECに複数枚の重畳画像Sを重畳する場合の処理について説明する。
図42は、複数枚の重畳画像Sが重畳された所定領域Tの一例を示す図である。図42(d)では、所定領域Tに2枚の重畳画像S1、S2が重畳されている。
図42(a)、図42(b)、図42(c)は、全天球画像CEに対する仮想カメラICの視線方向をユーザが変更した場合の所定領域Tの表示例である。所定領域Tの中心点CPを黒丸で示し、2つの重畳画像S1,S2の中心点CM1、CM2を白丸で示す。なお、中心点CPの黒丸、中心点CMの白丸は説明のために表示しており実際は表示されない。
また、図43(a)、図43(b)、図43(c)は、図42(a)、図42(b)、図42(c)のそれぞれに対応した視線方向と重畳画像S1又は重畳画像S2の中心点CMの角度の関係を示したものである。
所定領域Tに複数枚の重畳画像Sが重畳される場合、複数枚の重畳画像Sの明るさ値及び色値を近づける目標対象となる画像は1つの正距円筒射影画像ECだけである。しかし、正距円筒射影画像ECの明るさ値及び色値を近づける目標対象となる画像は複数枚存在することになる。以下では、いくつかの処理方法を挙げて目標対象の決定方法について説明する。
<<第1の処理方法>>
第1の処理方法は、視線方向(所定領域Tの中心点CP)と重畳画像Sとの角度βを基準として目標対象を決定する。
(1−1)第1の処理方法の更に1つ目の方法は、視線方向(所定領域Tの中心点CP)と重畳画像Sとの角度βが最小となる重畳画像を目標対象とする。例えば、図42(a)及び図43(a)の場合、視線方向と重畳画像S1との角度β1、重畳画像S2との角度β2とすると、β1>β2の状態となっており、補正部584は角度βが最小となる重畳画像S2を目標対象とする。図42(b)及び図43(b)の場合、β1<β2であるため補正部584は重畳画像S1を目標対象とする。図42(c)及び図43(c)の場合、β1<β2であり補正部584は重畳画像S1を目標対象とする。
(1−2)第1の処理形態の2つ目の方法は、視線方向(所定領域Tの中心点CP)と重畳画像Sとの角度βの値に応じて対象とする重畳画像の割合を変更すると共に、角度βが小さい方の割合が高くなるような加重平均から割合を算出する。
例えば、図42(a)及び図43(a)の場合、視線方向と重畳画像S1との角度β1、重畳画像S2との角度β2とすると、重畳画像S1の割合はβ2/(β1+β2)、重畳画像S2の割合はβ1/(β1+β2)となる。図42(b)及び図43(b)の場合、及び、図42(c)及び図43(c)の場合も同じ式で割合を算出できる。この割合で複数の平面画像P1,P2の画素値を正距円筒射影画像EC1の画素値に反映させる。算出した割合から目標対象の明るさ値(又は色値)を算出する方法については後述する。
<<第2の処理方法>>
第2の処理形態は、所定領域Tに表示された重畳画像Sの面積が占める割合を基準として目標対象を決定する。
(2−1)第2の処理方法の1つ目の方法は、所定領域Tに表示された重畳画像Sの面積が占める割合が最大となる重畳画像を目標対象とする。例えば、図42(a)及び図43(a)の場合、所定領域Tに表示された重畳画像S1の面積をSS1、重畳画像S1の面積をSS2とすると、SS1<SS2であるため重畳画像S2を目標対象とする。図42(b)及び図43(b)の場合、SS1<SS2であるため重畳画像S2を目標対象とする。図42(c)及び図43(c)の場合、重畳画像S2が所定領域Tに全て表示されておらずSS1>SS2であるため重畳画像S1を目標対象とする。
(2−2)第2の処理方法の2つ目の方法は、所定領域Tに表示された重畳画像の面積が占める割合に応じて対象とする重畳画像の割合を変更するようにし、面積が占める割合が大きい方の割合が高くなるような加重平均で割合を算出する。
例えば、図42(a)及び図43(a)の場合、所定領域Tに表示された重畳画像S1の面積をSS1、重畳画像S1の面積をSS2とすると、重畳画像S1の割合はSS1/(SS1+SS2)、重畳画像S2の割合はSS2/(SS1+SS2)となる。図42(b)及び図43(b)の場合、図42(c)及び図43(c)の場合も同じ式で割合を算出できる。この割合で複数の平面画像P1,P2の画素値を正距円筒射影画像EC1の画素値に反映させる。算出した割合から目標対象の明るさ値(又は色値)を算出する方法については後述する。
<<第3の処理方法>>
第3の処理方法は、第1と第2の処理方法を組合せた方法である。補正部584は、第1の処理方法の視線方向(所定領域Tの中心点CP)と重畳画像との角度βと、第2の処理方法の所定領域Tに表示された2つの重畳画像Sの面積が占める割合とを組合せる。例えば、角度βが所定の角度以下の重畳画像Sで、所定領域Tに表示された重畳画像Sの面積が占める割合が最大の重畳画像Sを目標対象とする。
あるいは、角度βが所定の角度以下の重畳画像Sで、所定領域Tに表示された重畳画像Sの面積が占める割合に応じて対象とする重畳画像Sの割合を変更する。これらの他、様々な組合せが考えられる。
(正距円筒射影画像EC及び平面画像Pの補正画像の作成方法)
次に、決定した目標対象に対して、正距円筒射影画像EC及び平面画像Pの補正画像の作成方法について説明する。
図44は、平面画像P1,P2の補正処理の過程における画像の概念図である。図44(a)は図32と同様である。図44(b)は目標対象でない平面画像(図44では平面画像P2を目標対象でないとした)の補正処理の過程における画像の概念図である。補正画像C12は正距円筒射影画像ECに明るさと色値が合わせられた画像を示し、補正画像C32は平面画像P1に明るさと色値が合わせられた画像を示す。
補正部584は、重畳画像Sとなる補正画像C22を補正画像C12と補正画像C32との合成割合を変更して作成する(ステップS322)。
以下では、目標対象が1枚の画像の場合と、複数の重畳画像Sの視線方向までの距離や面積で算出された場合のそれぞれについて説明する。
(1)図45及び図46は、目標対象が1枚の重畳画像Sの場合に明るさ値(又は色値)が補正された補正画像C2の作成方法を説明する図である。図45(a)は、正距円筒射影画像ECと平面画像P1、平面画像P2の明るさ値(又は色値)の違いを示している。縦軸に画像の明るさ値(又は色値)を示しており、上方向に値が大きく、下方向に値が小さくなることを示している。図45(a)では正距円筒射影画像ECの明るさ値(又は色値)が2枚の平面画像P1,P2よりも小さい状態であることを示している。
図45(b)は、図45(a)の状態で目標対象を平面画像P1とした場合の補正画像C21,C22の関係を示した図である。補正画像C1,C3の作成では、正距円筒射影画像ECと各平面画像P1,P2との間で作成された補正パラメータを使用する。補正パラメータは、平面画像の明るさ値(又は色値)を正距円筒射影画像ECに近づけるゲインデータであるため、逆ゲインデータを正距円筒射影画像ECに乗算することで正距円筒射影画像ECを平面画像P1,P2の明るさ値(又は色値)に近づけることができる。
平面画像P1のゲインデータをg1、平面画像P2のゲインデータをg2、平面画像P1の逆ゲインデータをG1(=1/g1)、平面画像P2の逆ゲインデータをG2(=1/g2)とする。まず、目標対象の平面画像P1の明るさ値(又は色値)に近づけた補正画像C1の作成について説明する。正距円筒射影画像ECでは、正距円筒射影画像ECに逆ゲインデータG1を乗算することで、平面画像P1の明るさ値(又は色値)に近づけた補正画像D1を作成できる。平面画像P2では、平面画像P2にゲインデータg2/g1を乗算することで平面画像P1の明るさ値(又は色値)に近づけた補正画像C32を作成できる。
次に、正距円筒射影画像ECの明るさ値(又は色値)に近づけた補正画像の作成について説明する。平面画像P1では平面画像P1にゲインデータg1を、平面画像P2では平面画像P2にゲインデータg2を乗算することで、補正画像C11と、補正画像C12を作成できる。そして、正距円筒射影画像ECでは、図33で示したように正距円筒射影画像ECと補正画像D1から補正画像D2を作成する。また、平面画像P1では、図32で示したように平面画像P1と補正画像C11から補正画像C21を作成する。平面画像P2では、図44に示したように補正画像C32と補正画像C12から補正画像C22を作成する。
図45(c)は、図45(a)の状態で目標対象を平面画像P2とした場合の補正画像C21、C22の関係を示した図である。目標対象の平面画像P2の明るさ値(又は色値)に近づけた補正画像として、正距円筒射影画像ECに逆ゲインデータG2を乗算した補正画像D1と、平面画像P1にゲインデータg1/g2を乗算した補正画像C31を作成する。また、正距円筒射影画像ECの明るさ値(又は色値)に近づけた補正画像として、平面画像P1にゲインデータg1を乗算した補正画像C11と、平面画像P2にゲインデータg2を乗算した補正画像C12を作成する。
そして、正距円筒射影画像ECでは、図33で示したように正距円筒射影画像ECと補正画像D1から補正画像D2を作成する。また、平面画像P2では、図32で示したように平面画像P2と補正画像C12から補正画像C22を作成する。平面画像P1では、図44に示したように補正画像C31と補正画像C11から補正画像C21を作成する。
図46(a)は、正距円筒射影画像の明るさ値(又は色値)が2枚の平面画像P1,P2の間にある状態を示している。図46(b)は、図46(a)の状態のとき、目標対象を平面画像P1とした場合の補正画像C21、C22の関係を示した図である。図46(c)は、図46(a)の状態のとき、目標対象を平面画像P2とした場合の補正画像C21、C22の関係を示した図である。図45で示した方法と同様にして補正画像C21,C22を作成することができる。
(2)図47は、目標対象が2枚の重畳画像Sの場合に明るさ値(又は色値)が補正された補正画像C2の作成方法を説明する図である。目標対象が複数の重畳画像Sの割合で算出された場合には、算出された割合及び正距円筒射影画像ECと各平面画像P1,P2との間で作成された補正パラメータを使用する。
図47(a)は、正距円筒射影画像の明るさ値(又は色値)が2枚の平面画像の間にある状態を示している。図47(b)は、図47(a)の状態で目標対象を平面画像P1の割合をa、平面画像P2の割合を1−aとした場合の補正画像C21、C22の関係を示した図である。
ここで、平面画像P1のゲインデータをg1、平面画像P2のゲインデータをg2とする。なおaの値の求め方は上記の(1−2)(2−2)にて説明した。
補正部584は目標対象の明るさ値(又は色値)に近づけた以下の補正画像を作成する。
補正画像D1=正距円筒射影画像ECにa/g1+(1−a)/g2を乗算
補正画像C31=平面画像P1に{a/g1+(1−a)/g2}*g1を乗算
補正画像C32=平面画像P2に{a/g1+(1−a)/g2}*g2を乗算
このように、目標対象の明るさ値(又は色値)は、平面画像P1と平面画像P2の明るさ値(又は色値)を算出した割合の比率で加重平均した値となる。
また、正距円筒射影画像ECの明るさ値(又は色値)に近づけた補正画像として、平面画像P1にゲインデータg1を乗算した補正画像C11と、平面画像P2にゲインデータg2を乗算した補正画像C12を作成する。そして、正距円筒射影画像ECでは、図33で示したように正距円筒射影画像ECと補正画像D1から補正画像D2を作成する。平面画像P1に関し、図44(b)に示したように補正画像C31と補正画像C11から補正画像C21を作成する。また、平面画像P2に関し、図44(b)で示したように補正画像C32と補正画像C12から補正画像C22を作成する。
所定領域Tに2枚の重畳画像Sが重畳された場合について説明を行ったが、2枚に限らず2枚以上の重畳画像Sにおいても同様の処理を行うことで対応することができる。
上記のように処理することで、所定領域Tに複数枚の重畳画像Sが重畳された場合でも、補正部584は複数枚の重畳画像Sから自動的に目標対象を選択し、目標対象に明るさ値及び色値を近づけた正距円筒射影画像及び平面画像Pの補正画像を作成し、全天球画像及び重畳画像を作成できる。所定領域Tを最適な明るさ値及び色値で表示することができると共に、全天球画像に複数枚の重畳画像Sを上手く溶け込ませた表示を行うことが可能となる。
<変形例>
〔第三の実施形態〕
本実施形態では、第二の実施形態において、視線方向(中心点)及び画角によって所定領域T内に平面画像が存在しない場合、すなわち、目標対象がない場合について説明する。
図48は、本実施形態において、正距円筒射影画像ECの補正処理の過程における画像の概念図である。図48の説明では主に図31との相違を説明する。図48では図31と異なり、所定領域画像Qに重畳画像Sが存在しない。
図49は、図48に示されている正距円筒射影画像ECの補正処理(ステップ500)について説明する図の一例である。本実施形態では、第二の実施形態と同様に、正距円筒射影画像ECとは別に異なる露出で撮像された複数枚の正距円筒射影画像(図ではEC1,EC2)が必要である。
特殊撮像装置1は正距円筒射影画像ECと同じ機構で露光条件のみを変更して複数枚の正距円筒射影画像EC1、正距円筒射影画像EC2を撮像することが好ましい。少なくとも、正距円筒射影画像ECの露出よりもオーバー露出の正距円筒射影画像EC1、及び、アンダー露出の正距円筒射影画像EC2が必要である。図49では、正距円筒射影画像ECの露出より、オーバー露出の正距円筒射影画像EC1、及び、アンダー露出の正距円筒射影画像EC2が示されているが、露出の異なる正距円筒射影画像は3枚以上でもよい(オーバー露出の正距円筒射影画像EC1とアンダー露出の正距円筒射影画像EC2の少なくとも一方が2枚以上)。
図49では、画像作成部586が立体球CSに対して、正距円筒射影画像ECを貼り付けることで全天球画像CEを作成したのち射影方式変換部590が射影方式変換で参照領域画像Rを作成しているが、正距円筒射影画像EC上で所定領域Tに対応する領域を求めてもよい。
図49のステップS510では、画像作成部586が補正していない正距円筒射影画像ECをステップS350と同様に立体球CSに対して張り付けることで全天球画像CEを作成する。
ステップS520では、ステップS370と同様に、視線方向(中心点)・画角等で指定される所定領域Tがディスプレイで見られるように、射影方式変換部590が射影方式変換する。この際、作成された画像を参照領域画像Rとする。本実施形態では、平面画像Pがない正距円筒射影画像ECの部分が参照領域画像Rとして作成される場合を説明する。
ステップS530では、補正部584が参照領域画像Rの全体の明るさ値の平均値に応じて、正距円筒射影画像ECと合成する異なる露出で撮像された正距円筒射影画像EC1、又は、正距円筒射影画像EC2を選択する。
図50を用いて、正距円筒射影画像EC1又は正距円筒射影画像EC2の選択について説明する。図50は、補正部584が、参照領域画像Rと合成するための異なる露出で撮像された正距円筒射影画像を選択する手順を説明する一例のフローチャート図である。
例えば、補正部584は、参照領域画像Rの目標とする明るさ値を決め、それに対して参照領域画像Rの全体の明るさ値の平均(輝度情報)とを比べる(S531)。目標とする明るさ値とは、一例として予め定められているものとする。例えばRGBの各色が8bitの場合、256階調なので、中間は128である。補正部584は、128と参照領域画像Rの明るさ値の平均とを比較する。なお、本実施例では画素値が0〜1の値に正規化されているため0.5が目標とする明るさ値となる。取り得る明るさの中間値と比較するのでなく、256段階の100や150等を目標とする明るさ値としてもよい。
参照領域画像Rの全体の明るさ値の平均の方が大きい場合、処理はステップS532に進む。この場合、目標とする明るさ値より参照領域画像Rの方がオーバー露出なので、アンダー露出画像と合成するために補正部584はアンダー露出画像を選択する(S532)。
参照領域画像Rの全体の明るさ値の平均の方が小さい場合、目標とする明るさ値より参照領域画像Rの方がアンダー露出なので、補正部584はオーバー露出画像を選択する(S533)。なお、参照領域画像Rの明るさ値と目標とする明るさ値が等しい場合はどちらを選択してもよい。
ここでは一例として、参照領域画像Rの全体の明るさ値の平均を使用したが、中央部分など一部だけの明るさ値を使用してもよい。また、明るさ値の平均の代わりにヒストグラム等の明るさの特性値を使用してもよい。
図49に戻って説明する。ステップS540では、補正部584がステップS530で選択した正距円筒射影画像EC1又は正距円筒射影画像EC2と、正距円筒射影画像ECとの合成を行う。参照領域画像Rの明るさ値の平均をref(refは0.0〜1.0の値を取る)とし、目標とする明るさ値をaim(aimは0.0〜1.0)とすると、補正値adjは以下の(式18)で求められる。
adj=|(aim−ref)× 補正係数|
但し 0.0≦adj≦1.0にクリップ (式18)
クリップとは、値が範囲未満であれば範囲の下限値に、範囲超であれば範囲の上限値に置き換えることをいう。補正係数は目標とする明るさ値に対して参照領域画像Rの明るさ値の平均との離れ具合に応じて、どのくらいオーバー露出、又は、アンダー露出画像に近づかせるかを決める値である。画像を見てユーザが指定するか、撮像時の露出変更値から自動的に計算してもよい。予め決まっている場合、補正係数を例えば3.0とする。
ステップS530で選択された正距円筒射影画像をECSとした場合、補正画像Dの各画素値D(u,v)は下記の(式19)によって求められる。
D(u,v) = ECS(u,v)×adj + EC(u,v)×(1.0−adj)
(式19)
以上により図48の補正画像Dが作成された。この後の処理は図31と同様である。ステップS360で全天球画像CEに重畳画像Sが重畳され、視線方向(中心点)及び画角により射影方式変換され所定領域画像Qがディスプレイ517に表示される。本実施形態では所定領域画像Qに平面画像Pが含まれないので、平面画像Pは図34のエリア3に存在することになる。すなわち、重畳画像Sと補正画像Cの合成割合は1.0となり、補正画像C2は補正画像C1(正距円筒射影画像ECの明るさ・色値)となる。逆に、正距円筒射影画像ECと補正画像D1の合成割合は0.0となり、補正画像D2は補正画像D1(正距円筒射影画像ECの明るさ・色値)となる。補正画像Dにより明るさ値及び色値が適正な値に補正されているので、所定領域Tを最適な明るさ値及び色値で表示することができる。
<オーバー側の画像又はアンダー側の画像が複数ある場合>
一例として、オーバー側の画像が2枚、アンダー側の画像が2枚ある場合について説明する。正距円筒射影画像EC(参照領域画像R)を含めると5枚の画像がある。それぞれの画像の露出を−2.0、-1.0、0.0、+1.0、+2.0とする。この露出の値はEV値であり、+1.0、+2.0がオーバー側、−1.0、-2.0がアンダー側を示している。正距円筒射影画像ECの露出をEv0.0とすると±2.0の露出範囲で撮像した画像を使用する。
合成値blend求め方は(式19)でよい。ただし、クリップされる値の範囲が異なる。
0.0≦blend≦2.0にクリップ (式20)
補正部584は、オーバー側又はアンダー側に複数の露出変更画像がある場合はクリップの範囲を変更することで、合成値blendに応じて合成する画像を切り替える。ここでは説明のため、参照領域画像Rを暗くする場合を説明する。
(i) 0.0 ≦ blend ≦ 1.0 の場合
adj=blend
I1=露出が-1.0の画像
I2=露出が0.0の画像(参照領域画像R)
(ii) 1.0 < blend ≦ 2.0 の場合
adj=blend-1.0
I1=露出が-2.0の画像
I2=露出が-1.0の画像
補正画像Dの各画素値D(u,v)は(式21)によって求められる。
D(u,v) = I1(u,v)×adj + I2(u,v)×(1.0 − adj) (式21)
このように合成値blendが大きい場合は参照領域画像Rと次に暗い画像を合成し、合成値blendが小さい場合は参照領域画像Rよりも暗い2枚の画像を合成する。これにより、参照領域画像Rを暗くしたい場合は、暗くしたい程度(合成値blend)に応じて参照領域画像R及びアンダー側の2枚の画像から2枚の画像を選択して合成値blendに応じて合成できる。
<合成例>
図51を用いて画像の合成の具体例について説明する。図51(a)では、基準となる露出で撮像された正距円筒射影画像ECを示す。明暗の差が大きいため、図51(a)の所定領域Tの中央部分は黒つぶれしている。
図51(b)は、図51(a)と同じ場所がオーバー露出で撮像された正距円筒射影画像EC1の所定領域Tを示す。図51(b)の中央部の露出はほぼ適正である。図51(c)は、第三の実施形態を用いて図51(a)の正距円筒射影画像ECと図51(b)の正距円筒射影画像EC1が合成された補正画像Dを示す。
このように、目標対象が無くとも、所定領域Tの明るさに応じてオーバー露出の画像と合成することにより、所定領域Tのアンダー露出を低減することができる。
図52(a)は、基準となる露出で撮像された正距円筒射影画像ECを示す。明暗の差が大きいため、図52(a)の所定領域Tの中央部分は白とびしている。
図52(b)は、図52(a)と同じ場所がアンダー露出で撮像された正距円筒射影画像EC2の所定領域Tを示す。図52(b)の中央部の露出はほぼ適正である。図52(c)は、第三の実施形態を用いて、図52(a)の正距円筒射影画像ECと図52(b)の正距円筒射影画像EC2が合成された補正画像Dを示す。
このように、目標対象が無くとも、所定領域Tの明るさに応じてアンダー露出の画像と合成することにより、所定領域Tのオーバー露出を低減することができる。
なお、本実施形態では広角画像に重畳される平面画像を適切に補正できる手法のうち、視線方向(中心位置)及び画角によって重畳画像が所定領域内に無い場合についての全天球画像の明るさ値補正について記述したが、平面画像が全くなく広角画像だけの場合にも適応可能である。
〔第四の実施形態〕
図53及び図54を用いて、第四の実施形態について説明する。図53は、第四の実施形態における正距円筒射影画像ECの補正処理の過程における画像の概念図である。図53の説明では主に図48との相違を説明する。
図53に示されている正距円筒射影画像ECの補正処理(ステップS500)は、第三の実施形態で説明した方法と同様であり、露出の異なる複数枚の正距円筒射影画像EC1、EC2から、ユーザが見ている画像全体の目標とする明るさ値(又は色値)に近づけた補正画像Dが作成されている。
第三の実施形態では所定領域Tに平面画像が存在しない場合でも適切な露出に補正できる実施形態を説明したが、第四の実施形態では平面画像Pを正距円筒射影画像の明るさ値及び色値に近づくように補正する。従って、所定領域Tに平面画像Pが存在しても平面画像Pを適切な明るさ値及び色値に補正できるようにする。
第四の実施形態はステップ600を有しており、補正部584が、補正画像Dの明るさ値(又は色値)に近づくように平面画像Pを補正した補正画像Cを作成する。
図54は、補正画像Dと補正画像Cの関係を示す図である。図54では上方向に信号値が大きく、下方向に信号値が小さいことを示している。正距円筒射影画像ECの補正処理(ステップ500)では、正距円筒射影画像ECと正距円筒射影画像EC1又は正距円筒射影画像EC2(図では、正距円筒射影画像EC1)から目標とする明るさ値(又は色値)に近づけた補正画像Dが作成された。
平面画像Pの補正処理(ステップ600)では、補正部584が補正画像Dの明るさ値(又は色値)に近づけるように平面画像Pを補正した補正画像Cを作成する。
補正画像Cの作成方法の具体例を説明する。補正画像Dは正距円筒射影画像ECの明るさ値(又は色値)を補正した画像であるので、補正部584で正距円筒射影画像ECと補正画像Dの第3の対応領域CA3における明るさ値(又は色値)の比率を算出する。
例えば、正距円筒射影画像ECの第3の対応領域CA3の明るさ値をY、補正画像Dの明るさ値をYDとすると、正距円筒射影画像ECに対する補正画像Dの明るさ値の比率はYD/Yとなる。重畳表示メタデータ内の補正パラメータには、平面画像Pの明るさ値及び色値を、正距円筒射影画像ECの明るさ値及び色値に合わせるゲインデータが格納されているため、重畳表示メタデータ内の補正パラメータにこの比率を乗算することで平面画像Pを補正画像Dの明るさ値に補正する補正パラメータを算出することができる。色値に対しても同様にして比率を算出すれば、平面画像Pを補正画像Dの色値に補正する補正パラメータを算出することができる。このようにして算出した補正パラメータを使用して、平面画像Pに補正パラメータを乗算することで、補正画像Dの明るさ値(又は色値)に近づけるように補正した補正画像Cを作成することができる。
図54によれば、正距円筒射影画像ECがオーバー露出の正距円筒射影画像EC1と合成されることで明るさ値及び色値が調整された補正画像Dが得られる。また、平面画像Pの明るさ値及び色値が調整され補正画像Cが得られる。
補正画像Cは補正画像Dの明るさ値及び色値に補正されているので、所定領域に平面画像Pが含まれているか否かに関係なく、スマートフォン5は補正画像Dの明るさ値及び色値で所定領域画像Qを表示できる。
以上のように作成した補正画像Dと補正画像Cを使用することで、ディスプレイ等に表示された領域において最適な露出、色味で重畳表示を行うことができる。
第四の実施形態では、第一、第二の実施形態よりも補正後の明るさ値及び色値の自由度が高い。すなわち、第一、第二の実施形態では最終的に表示される明るさ値及び色値は図41に示すように正距円筒射影画像ECと平面画像Pの間で生成される明るさ値及び色値に限定されていた。第四の実施形態では、正距円筒射影画像ECを目標とする明るさ値及び色値に変換して、平面画像Pをその目標とする明るさ値及び色値に近づけるため、第一、第二の実施形態のような制限がなく、最終的に表示される画像の明るさ値及び色値を表示するのに適正な明るさ値及び色値にすることができる。
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、変位量として角度βを例示したが、変位量は視線方向と平面画像Pの距離で表してもよい。
また、全天球画像の表示はブラウザソフトウェアで行ってもよいし、全天球画像を表示するためのアプリケーションソフトで行ってもよい。
また、スマートフォン5が行っていた処理をサーバが行い、スマートフォン5は主に操作を受け付けたり全天球画像CEを表示したりするのみでもよい。この場合、スマートフォン5がネットワークを介してサーバに画像データを送信し、サーバが所定領域画像を作成してスマートフォン5に送信する。サーバは本実施形態で説明したスマートフォン5の機能の一部又は全体を有する。
また、本実施形態の全天球画像は所定領域Tに表示しきない画角の画像データであればよい。例えば、水平方向にだけ180度〜360度の画角を有する広角画像でもよい。すなわち、全天球画像に限られない。
また、特許請求の範囲の「重畳する」とは、一方の画像に優先して他方の画像が見られることをいう。2枚の画像は独立に存在しても、1枚に画像の一部に置き換わることで一体化されていてもよい。「重畳する」を、貼り付ける、合成する、又は、配置するなどと表現してもよい。
また、スマートフォン5が有しているか又はスマートフォン5に外部接続されるカメラの数は3つ以上でもよい。
また、図14、図16などの構成例は、特殊撮像装置1、一般撮像装置3、及びスマートフォン5による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。特殊撮像装置1、一般撮像装置3、及びスマートフォンの処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
なお、特殊撮像装置1は第1の撮像装置の一例であり、スマートフォン5は第2の撮像装置の一例であり、近距離通信部58は取得手段の一例であり、補正部584は補正手段の一例であり、射影方式逆変換部562は射影方式逆変換手段の一例であり、画像作成部586は画像作成手段の一例であり、射影方式変換部590は射影方式変換手段の一例であり、記憶部5000は記憶手段の一例である。
補正画像C1は第1の補正画像の一例であり、補正画像D1は第2の補正画像の一例であり、図34の重畳画像Sの合成割合は第1の合成割合の一例であり、図34の正距円筒射影画像ECの合成割合は第2の合成割合の一例であり、図39の正距円筒射影画像EC1は第2の広角画像の一例であり、正距円筒射影画像EC2は第三の広角画像の一例であり、図34の閾値th1は第1の閾値の一例であり、図34の閾値th2は第2の閾値の一例である。第三の実施形態の正距円筒射影画像ECは第四の広角画像の一例であり、正距円筒射影画像EC1又はEC2は第五の広角画像の一例であり、補正画像Dは第三の補正画像の一例であり、第四の実施形態の補正画像Cは第四の補正画像の一例である。
th1は第1の閾値の一例であり、th2は第2の閾値の一例である。
1 特殊撮像装置(第1の撮像装置の一例)
5 スマートフォン(第2の撮像装置の一例)
52 受付部
55 画像・音処理部
56 表示制御部
58 近距離通信部(取得手段の一例)
550 抽出部
584 補正部(補正手段の一例)
562 射影方式逆変換部(射影方式逆変換手段の一例)
586 画像作成部(画像作成手段の一例)
588 画像重畳部
590 射影方式変換部(射影方式変換手段の一例)
5000 記憶部(記憶手段の一例)
特許5745134号公報

Claims (15)

  1. 第1の射影方式によって得られた広角画像に対し、第2の射影方式によって得られた平面画像を重畳する情報処理装置を、
    前記広角画像において前記平面画像が対応する対応領域を算出する射影方式逆変換手段と、
    前記広角画像の視線方向と前記平面画像の中心との変位量に応じて、前記広角画像と前記平面画像の少なくとも一方を補正する補正手段と、
    前記補正手段により補正された前記広角画像の前記対応領域に、前記補正手段により補正された前記平面画像を重畳する画像作成手段、
    として機能させることを特徴とするプログラム。
  2. 前記補正手段は、前記広角画像の視線方向と前記平面画像の中心との変位量が小さくなるほど、前記平面画像の画素値の補正量を小さくし、
    前記広角画像の画素値が前記平面画像の画素値に近づくように前記広角画像の画素値を補正する請求項1に記載のプログラム。
  3. 前記補正手段は、前記広角画像の視線方向と前記平面画像の中心との変位量が大きくなるほど、前記平面画像の画素値が前記広角画像の画素値に近づくように前記平面画像の画素値を補正し、
    前記広角画像の画素値の補正量を小さくする請求項1又は2に記載のプログラム。
  4. 前記補正手段は、前記広角画像の視線方向と前記平面画像の中心との変位量が第1の閾値より小さい場合、前記平面画像の画素値を補正せず、
    前記広角画像の画素値が前記平面画像の画素値に近づくように前記広角画像の画素値を補正する請求項1〜3のいずれか1項に記載のプログラム。
  5. 前記補正手段は、前記広角画像の視線方向と前記平面画像の中心との変位量が第1の閾値より大きい第2の閾値を超える場合、前記平面画像の画素値が前記広角画像の画素値に近づくように前記平面画像の画素値を補正し、
    前記広角画像の画素値を補正しない請求項1〜4のいずれか1項に記載のプログラム。
  6. 前記補正手段は、前記平面画像の画素値を前記広角画像の画素値に近づくように補正するための補正パラメータにより、前記平面画像の画素値を補正して第1の補正画像を作成し、
    前記変位量が大きくなるほど大きくなる前記平面画像の画素値と前記第1の補正画像の画素値の第1の合成割合を参照し、
    前記変位量に対応した前記第1の合成割合で、前記平面画像の画素値と前記第1の補正画像の画素値を合成することで前記平面画像の画素値を補正する請求項2〜5のいずれか1項に記載のプログラム。
  7. 前記補正手段は、前記補正パラメータの逆数により、前記広角画像の画素値を補正して第2の補正画像を作成し、
    前記変位量が小さくなるほど大きくなる前記広角画像の画素値と前記第2の補正画像の画素値の第2の合成割合を参照し、前記変位量に対応した前記第2の合成割合で、前記広角画像の画素値と前記第2の補正画像の画素値を合成することで前記広角画像の画素値を補正する請求項6に記載のプログラム。
  8. 前記補正手段は、前記広角画像と同じ構図で露出が異なる第2の広角画像と第三の広角画像から、前記補正パラメータに基づきいずれかを選択し、
    前記補正パラメータにより算出される合成割合により、選択した前記第2の広角画像又は前記第三の広角画像と前記広角画像を合成することで、前記第2の補正画像を作成する請求項7に記載のプログラム。
  9. 前記広角画像が表示された際の所定領域に複数の前記平面画像が重畳される場合、
    前記補正手段は、前記視線方向と前記平面画像の中心点との変位量が最も小さい前記平面画像との前記変位量に応じて前記広角画像の画素値を補正するか、又は、
    前記所定領域における面積が最も大きい前記平面画像との前記変位量に応じて前記広角画像の画素値を補正する請求項1〜8のいずれか1項に記載のプログラム。
  10. 前記広角画像が表示された際の所定領域に複数の前記平面画像が重畳される場合、
    前記補正手段は、前記視線方向と複数の前記平面画像の中心点との変位量の加重平均から割合を算出し、前記割合で複数の前記平面画像の画素値を前記広角画像の画素値に反映させることで前記広角画像の画素値を補正するか、又は、
    前記所定領域における複数の前記平面画像の面積の加重平均から割合を算出し、前記割合で複数の前記平面画像の画素値を前記広角画像の画素値に反映させることで前記広角画像の画素値を補正する請求項1〜8のいずれか1項に記載のプログラム。
  11. 前記補正手段は、前記第1の射影方式によって撮像された第四の広角画像の明るさ値又は色値と、前記第四の広角画像とは異なる露光条件の第五の広角画像の明るさ値又は色値とを、前記第四の広角画像の所定領域の輝度情報に応じた割合で合成して第三の補正画像を生成し、
    前記変位量が第2の閾値を超える場合、前記平面画像を補正せず、
    前記画像作成手段は前記第三の補正画像で表示用の画像を作成する請求項1に記載のプログラム。
  12. 前記補正手段は、前記第1の射影方式によって撮像された第四の広角画像の明るさ値又は色値と、前記第四の広角画像とは異なる露光条件の第五の広角画像の明るさ値又は色値とを前記第四の広角画像の所定領域の輝度情報に応じた割合で合成して第三の補正画像を生成し、
    前記平面画像を前記第三の補正画像の明るさ値又は色値に近づけた第四の補正画像を生成し、
    前記画像作成手段は、前記第三の補正画像の前記対応領域に、前記第四の補正画像を重畳する請求項1に記載のプログラム。
  13. 前記補正手段は、視線方向と画角により指定される前記第四の広角画像の所定領域の輝度情報に基づいて、前記第四の広角画像の所定領域より明るい前記第五の広角画像又は前記第四の広角画像の所定領域より暗い前記第五の広角画像を選択し、
    前記第四の広角画像と選択した前記第五の広角画像とを合成する請求項11又は12に記載のプログラム。
  14. 第1の射影方式によって得られた広角画像に対し、第2の射影方式によって得られた平面画像を重畳する情報処理装置を、
    前記広角画像において前記平面画像が対応する対応領域を算出する射影方式逆変換手段と、
    前記広角画像の視線方向と前記平面画像の中心との変位量に応じて、前記広角画像と前記平面画像の少なくとも一方を補正する補正手段と、
    前記補正手段により補正された前記広角画像の前記対応領域に、前記補正手段により補正された前記平面画像を重畳する画像作成手段、
    として機能させることを特徴とするプログラムと、
    第1の撮像装置から前記広角画像を取得し、第2の撮像装置から前記平面画像を取得する取得手段と、を有する前記情報処理装置と、
    を有する撮像システム。
  15. 第1の射影方式によって得られた広角画像に対し、第2の射影方式によって得られた平面画像を重畳する情報処理装置であって、
    前記広角画像において前記平面画像が対応する対応領域を算出する射影方式逆変換手段と、
    前記広角画像の視線方向と前記平面画像の中心との変位量に応じて、前記広角画像と前記平面画像の少なくとも一方を補正する補正手段と、
    前記補正手段により補正された前記広角画像の前記対応領域に、前記補正手段により補正された前記平面画像を重畳する画像作成手段と、
    を有する情報処理装置。
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