JP2018157147A - 固体接合型光電変換素子 - Google Patents
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Abstract
Description
[2] 前記第一導電層が前記群から選ばれる少なくとも1種を含み、且つ前記第一導電層のシート抵抗が10Ω/□以下であるか、或いは、前記第二導電層が前記群から選ばれる少なくとも1種を含み、且つ前記第二導電層のシート抵抗が10Ω/□以下である、[1]に記載の固体接合型光電変換素子。
[3] 前記第一導電層が前記光吸収層に接する側から低拡散導電層、補助導電層の順で積層された積層構造を有し、且つ前記積層構造のうち少なくとも前記低拡散導電層に前記群から選ばれる少なくとも1種を含むか、或いは、前記第二導電層が前記光吸収層に接する側から低拡散導電層、補助導電層の順で積層された積層構造を有し、且つ前記積層構造のうち少なくとも前記低拡散導電層に前記群から選ばれる少なくとも1種を含む、[1]または[2]に記載の固体接合型光電変換素子。
[4] 前記補助導電層のシート抵抗Rsh1と、前記低拡散導電層のシート抵抗Rsh2とが、Rsh1<Rsh2の関係である、[3]に記載の固体接合型光電変換素子。
[5] 前記第一導電層が前記群から選ばれる少なくとも1種を含む層のみからなるか、或いは、前記第二導電層が前記群から選ばれる少なくとも1種を含む層のみからなる、[1]または[2]に記載の固体接合型光電変換素子。
本発明にかかる固体接合型光電変換素子は、第一導電層と、任意で設けられるブロック層と、有機無機ペロブスカイト化合物を含む光吸収層と、P型半導体層と、第二導電層とが、この順で積層された固体太陽電池である。
上記の各層の相対的な順序が維持される限り、本発明の趣旨を損なわない範囲で、何れかの層間に他の層が挿入されても構わない。
第一導電層が複数層である場合、複数層を構成する1つ以上の層が前記群から選ばれる少なくとも1種を含む。第二導電層が複数層である場合も同様である。
前記元素(α)は金属元素であり、前記化合物は金属化合物であることが好ましい。
前記元素(β)は非金属元素又は半金属元素であることが好ましい。
前記元素(α)及び前記元素(β)はともに非金属元素又は半金属元素であってもよい。
第二導電層が前記群から選ばれる少なくとも1種を含む場合、その第二導電層のシート抵抗は、10Ω/□以下が好ましく、8Ω/□以下がより好ましく、5Ω/□以下がさらに好ましい。
第一導電層と第二導電層の各々のシート抵抗の合計は、50Ω/□以下であることが好ましく、48Ω/□以下がより好ましく、45Ω/□以下がさらに好ましい。
上記のように各導電層のシート抵抗が低いと、固体太陽電池10の抵抗を低減し、光電変換効率をより高めることができる。
ここでシート抵抗は、JIS K 7194:1994「導電性プラスチックの4探針法による抵抗率試験方法」に準拠して測定された値である。
すなわち、第一導電層が光吸収層に接する側から低拡散導電層、補助導電層の順で積層された積層構造を有し、且つ前記積層構造のうち少なくとも前記低拡散導電層に前記群から選ばれる少なくとも1種を含む構成;第二導電層が光吸収層に接する側から低拡散導電層、補助導電層の順で積層された積層構造を有し、且つ前記積層構造のうち少なくとも前記低拡散導電層に前記群から選ばれる少なくとも1種を含む構成;等が挙げられる。
すなわち、第一導電層が前記群から選ばれる少なくとも1種を含む層のみからなる構成;第二導電層が前記群から選ばれる少なくとも1種を含む層のみからなる構成;等が挙げられる。
本発明にかかる固体太陽電池の第一実施形態として、例えば、図1に示す積層構造を有する固体太陽電池10が挙げられる。
固体太陽電池10は、絶縁性の基材8と、第一導電層1と、ブロック層2と、ペロブスカイト化合物を含む下地層3及びアッパー層4と、P型半導体層5と、第二導電層6を構成する低拡散導電層6B及び補助導電層6Aと、が順に積層された積層構造を有する。
この積層構造において、第一導電層1を陰極と呼ぶことがあり、下地層3及びアッパー層4を併せて光吸収層7と呼ぶことがあり、第二導電層6を陽極と呼ぶことがある。
以下、各層について順に説明する。
絶縁性の基材8を構成する材料の種類は特に制限されず、例えば従来の太陽電池に使用される透明基材が挙げられる。前記透明基材としては、例えばガラス又は合成樹脂からなる基板、合成樹脂製の可撓性を有するフィルム等が挙げられる。
第一導電層1としては、例えば、金属酸化物からなる透明導電層が挙げられる。この透明導電層により、基材8の透明性を損なうことなく、その表面に導電性を付与することができる。金属酸化物としては、公知の太陽電池の透明導電層に使用される化合物が適用可能であり、例えば、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化亜鉛、酸化スズ、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、酸化インジウム/酸化亜鉛(IZO)、酸化ガリウム/酸化亜鉛(GZO)等が挙げられる。前記金属酸化物からなる透明導電層の層数は、1でもよく、2以上でもよい。
ブロック層2は必須の構成ではないが、ブロック層2が第一導電層1と光吸収層7の間に配置されていることが好ましい。ブロック層2が配置されていると、第一導電層1と光吸収層7のペロブスカイト化合物とが直接に接触することが防止される。これにより、起電力の損失が防止され、光電変換効率が向上する。
ブロック層2は、上記接触を確実に防ぐために、非多孔性の緻密層であることが好ましく、N型半導体によって形成された緻密層であることがより好ましい。
ブロック層2を構成するN型半導体の種類は、1種類でもよく、2種類以上でもよい。
ブロック層2の合計の厚みは特に限定されないが、例えば1nm〜1μm程度が挙げられる。1nm以上であると上記損失を防止する効果が充分に得られ、1μm以下であると内部抵抗を低く抑えることができる。
光吸収層7は、ブロック層2の表面に積層されている。光吸収層7は、N型半導体又は絶縁体によって形成された、ペロブスカイト化合物を含む下地層3と、下地層3の表面にペロブスカイト化合物によって形成されたアッパー層4と、が積層された積層構造を有する。ここで、アッパー層4は必須の構成ではなく、ペロブスカイト化合物を含む下地層3が単独で光吸収層7を形成していてもよい。また、下地層3も必須の構成ではなく、ペロブスカイト化合物からなるアッパー層4のみで光吸収層7を形成してもよい。つまり、光吸収層7は、下地層3及びアッパー層4の少なくとも一方によって形成される。
下地層3は、ブロック層2の表面に積層されている。なお、ブロック層2が設けられていない場合には第一導電層1の表面に下地層3が積層されてもよい。
下地層3の内部及び表面の少なくとも一方に、ペロブスカイト化合物が担持(支持)されている。
下地層3は、多孔質膜であってもよく、非多孔質の緻密膜であってもよく、多孔質膜であることが好ましい。下地層3の多孔質構造によって、ペロブスカイト化合物が担持されていることが好ましい。下地層3が緻密膜である場合にも、当該緻密膜にペロブスカイト化合物が含まれることが好ましい。緻密膜は、N型半導体によって形成されていることが好ましい。
下地層3を形成するN型半導体は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
下地層3を形成する絶縁体は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
上記範囲の下限値以上であると、細孔内にペロブスカイト化合物が充分に担持される。
上記範囲の上限値以下であると多孔質膜の強度がより高められる。
平均細孔径は、公知のガス吸着試験又は水銀圧入試験によって測定することができる。
上記範囲の下限値以上であると、アッパー層4を構成するペロブスカイト化合物の結晶化に適した足場になる。さらに、下地層3における光の吸収効率が高まり、より優れた光電変換効率が得られる。
上記範囲の上限値以下であると、光吸収層7で発生した光電子が下地層3を介してブロック層2及び第一導電層1に到達する効率が高まり、より優れた光電変換効率が得られる。
下地層3の表面に積層されたアッパー層4は、ペロブスカイト化合物によって形成されている。下地層3の内部にペロブスカイト化合物が担持されている場合には、アッパー層4は必須の構成ではない。アッパー層4が積層されていると、光吸収層7に含まれるペロブスカイト化合物の総量が増加し、光電変換効率がより高められる。
上記範囲の下限値以上であると、光電変換効率をより高めることができる。
上記範囲の上限値以下であると、アッパー層4が下地層3及びP型半導体層5に対して充分に密着し、剥離することが防止される。
光吸収層7の表面に形成されたP型半導体層5は、P型半導体によって構成されている。
ホール(正孔)を有するP型半導体層5が光吸収層7の表面に配置されていると、逆電流の発生を抑制し、光吸収によって光吸収層7で発生した正孔を第二導電層6へ容易に輸送することが可能になる。この結果、光電変換効率及び電圧が高められる。
前記無機材料としては、例えば、CuI、CuSCN、CuO、Cu2O等の銅化合物やNiOなどのニッケル化合物などが挙げられる。
これらの材料のうち、発電性能をより向上させる観点から、有機半導体が好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、光吸収層7と第二導電層6の接触を確実に防止してリーク電流の発生を防ぐことができる。
上記範囲の上限値以下であると、内部抵抗をより低減することができる。
本実施形態のP型半導体層5の表面に積層された第二導電層6は、周期表4族〜15族の金属を2種以上含む合金、及び周期表4族〜15族の元素(α)と周期表13族〜16族の元素(β)(但し、前記元素(α)及び酸素を除く。)をそれぞれ1種以上含む化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む。
前記金属化合物としては、金属酸化物以外の金属化合物が挙げられ、例えば、金属窒化物、シリサイド、金属炭化物、金属ホウ化物等が挙げられる。具体的には、例えば、TiN、NbN、TaN等の金属窒化物、NiSi、TiSi等のシリサイド、TiC、WC等の金属炭化物、TiB2、NiB等の金属ホウ化物、等が挙げられる。
低拡散導電層6Bに前記材料が含まれることにより、補助導電層6Aの材料(成分)が電界や熱によってP型半導体層5へ拡散(マイグレーション)する手前で、低拡散導電層6Bがその拡散を抑制する効果が高まり、固体太陽電池10の長期使用による光電変換効率の低下を抑制することができる。
上記の銀等の金属材料はマイグレーションを起こしやすいが、低拡散導電層6Bによってマイグレーションを抑制できるので、補助導電層6Aの材料として好適である。
上記下限値以上であると、抵抗が減って光電変換効率がより高まり、上記上限値以下であると、材料の無駄が省ける。
上記下限値以上であると、上記マイグレーションを抑制する効果がより高まり、上記上限値以下であると、材料の無駄が省ける。
補助導電層6Aの高い導電性を活かして抵抗を減らし、光電変換効率をより高め、低拡散導電層6Bによって上記マイグレーションを抑制する観点からすると、H1>H2の関係であることが好ましい。
固体太陽電池10において、光吸収層7にペロブスカイト化合物が含まれている。基材8及び第一導電層1側から光が入射し、ペロブスカイト化合物の結晶が光を吸収すると、結晶内で光電子及び正孔が発生する。光電子は下地層3又はブロック層2に受容され、第一導電層1(陽極)に移動する。正孔はP型半導体層5を介して第二導電層6(陰極)に移動する。固体太陽電池10によって発電された電流は、陽極及び陰極に接続された引出電極を介して外部回路へ取り出される。
第一実施形態の変形例として、図1に示す固体太陽電池10から補助導電層6Aを除いた固体太陽電池が挙げられる。この構成においては、第二導電層6は単一の低拡散導電層6Bのみからなる。この変形例の固体太陽電池の説明は、補助導電層6Aを除いたこと以外は前述の固体太陽電池10の説明と同じであるので省略する。
上記の変形例において、第二導電層6に含まれる前記合金及び前記化合物は、比較的マイグレーションが起き難いので、第二導電層6の成分がP型半導体層5及び光吸収層7へ流入する恐れは殆ど無い。
本発明にかかる固体太陽電池の第二実施形態として、例えば、図2に示す積層構造を有する固体太陽電池20が挙げられる。
固体太陽電池20は、絶縁性の第一基材18と、第一導電層11を構成する補助導電層11Aと及び低拡散導電層11Bと、ブロック層12と、ペロブスカイト化合物を含む下地層13及びアッパー層14と、P型半導体層15と、第二導電層16と、絶縁性の第二基材19と、が順に積層された積層構造を有する。
この積層構造において、第一導電層11を陰極と呼ぶことがあり、下地層13及びアッパー層14を併せて光吸収層17と呼ぶことがあり、第二導電層16を陽極と呼ぶことがある。以下、各層について順に説明する。
絶縁性の第一基材18を構成する材料の種類は特に制限されず、例えば従来の太陽電池に使用される透明基材が挙げられる。第一基材18は透明である必要は無く、不透明であってもよい。第一基材18の具体的な説明は、第一実施形態の固体太陽電池10の基材8の説明と同様であるので省略する。
本実施形態の第一導電層11は、周期表4族〜15族の金属を2種以上含む合金、及び周期表4族〜15族の元素(α)と周期表13族〜16族の元素(β)(但し、前記元素(α)及び酸素を除く。)をそれぞれ1種以上含む化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む。
前記合金及び前記化合物の具体的な説明は、第一実施形態の固体太陽電池10の第二導電層6に含まれる前記合金及び前記化合物の説明と同様であるので省略する。
低拡散導電層11Bに前記材料が含まれることにより、補助導電層11Aの材料(成分)が電界や熱によってブロック層12へ拡散(マイグレーション)する手前で、低拡散導電層11Bがその拡散を抑制する効果が高まり、固体太陽電池20の長期使用による光電変換効率の低下を抑制することができる。
上記の銀等の金属材料はマイグレーションを起こしやすいが、低拡散導電層11Bによってマイグレーションを抑制できるので、補助導電層11Aの材料として好適である。
上記下限値以上であると、抵抗が減って光電変換効率がより高まり、上記上限値以下であると、材料の無駄が省ける。
上記下限値以上であると、上記マイグレーションを抑制する効果がより高まり、上記上限値以下であると、材料の無駄が省ける。
補助導電層11Aの高い導電性を活かして抵抗を減らし、光電変換効率をより高め、低拡散導電層11Bによって上記マイグレーションを抑制する観点からすると、H1’>H2’の関係であることが好ましい。
ブロック層12は必須の構成ではないが、ブロック層12が第一導電層11と光吸収層17の間に配置されていることが好ましい。ブロック層12の具体的な説明は、第一実施形態の固体太陽電池10のブロック層2の説明と同様であるので省略する。
光吸収層17は、ブロック層12の表面に積層されている。光吸収層17は、N型半導体又は絶縁体によって形成された、ペロブスカイト化合物を含む下地層13と、下地層13の表面にペロブスカイト化合物によって形成されたアッパー層14と、が積層された積層構造を有する。
光吸収層17、下地層13及びアッパー層14の具体的な説明は、第一実施形態の固体太陽電池10の光吸収層7、下地層3及びアッパー層4の説明と同様であるので省略する。
光吸収層17の表面に形成されたP型半導体層15は、P型半導体によって構成されている。P型半導体層15によって、逆電流の発生が抑制され、光吸収層17で発生した正孔を第二導電層16へ容易に輸送することが可能になる。さらに、第二導電層16から光吸収層17へ電子が移動する効率が高められる。この結果、光電変換効率及び電圧が高められる。P型半導体層15の具体的な説明は、第一実施形態の固体太陽電池10のP型半導体層5の説明と同様であるので省略する。
第二導電層16としては、例えば、金属酸化物からなる透明導電層が挙げられる。第二導電層16が透明導電層であると、第二導電層16側から光吸収層17へ光を入射させることができる。金属酸化物としては、公知の太陽電池の透明導電層に使用される化合物が適用可能であり、例えば、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化亜鉛、酸化スズ、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、酸化インジウム/酸化亜鉛(IZO)、酸化ガリウム/酸化亜鉛(GZO)等が挙げられる。前記金属酸化物からなる透明導電層の層数は、1でもよく、2以上でもよい。
絶縁性の第二基材19を構成する材料は、透明基材であることが好ましい。第二基材19及び第二導電層16が透明であることにより、第二導電層16側から光吸収層17へ光を入射させることができる。前記透明基材としては、例えば従来の太陽電池に使用される透明基材が挙げられ、例えば、ガラス又は合成樹脂からなる基板、合成樹脂製の可撓性を有するフィルム等が挙げられる。
透明基材の具体的な説明は、第一実施形態の固体太陽電池10の基材8の説明と同様であるので省略する。
固体太陽電池20において、光吸収層17にペロブスカイト化合物が含まれている。第二基材19及び第二導電層16側から光が入射し、ペロブスカイト化合物の結晶が光を吸収すると、結晶内で光電子及び正孔が発生する。光電子は下地層13又はブロック層12に受容され、第一導電層11(陽極)に移動する。正孔はP型半導体層15を介して第二導電層16(陰極)に移動する。固体太陽電池20によって発電された電流は、陽極及び陰極に接続された引出電極を介して外部回路へ取り出される。
第二実施形態の変形例として、図2に示す固体太陽電池20から補助導電層11Aを除いた固体太陽電池が挙げられる。この構成においては、第一導電層11は単一の低拡散導電層11Bのみからなる。この変形例の固体太陽電池の説明は、補助導電層11Aを除いたこと以外は前述の固体太陽電池20の説明と同じであるので省略する。
上記の変形例において、第一導電層11に含まれる前記合金及び前記化合物は、比較的マイグレーションが起き難いので、第一導電層11の成分がブロック層12及び光吸収層17へ流入する恐れは殆ど無い。
図1に例示した固体太陽電池10の製造方法の一例を以下に説明する。
第一導電層1及び基材8を備えた導電性基材は常法により作製可能であり、市販品を使用してもよい。
ブロック層2の形成方法は特に限定されず、第一導電層1の表面に所望の厚みでN型半導体からなる緻密層を形成可能な公知方法が適用できる。例えば、スパッタ法、蒸着法、N型半導体の前駆体を含む分散液を塗布するゾルゲル法等が挙げられる。
下地層3を形成する方法は、特に限定されず、例えば、従来の色素増感太陽電池の増感色素を担持する半導体層の形成方法が適用できる。
上記範囲の下限値以上において大きい程、ペロブスカイト化合物を下地層3の多孔質構造を構成する細孔内に充分に挿入することが容易である。上記範囲の上限値以下において小さい程、ペロブスカイト化合物とN型半導体微粒子との界面が増加し、光電子の取り出しが容易になるとともに、下地層3とP型半導体層5が接触して起電力の損失を防止できる。
下地層3を形成する際に、予めペロブスカイト化合物が付着した材料を使用すると、ペロブスカイト化合物が含まれた下地層3からなる光吸収層7が得られる。この下地層3の内部又は表面に、ペロブスカイト化合物をさらに挿入又は積層することにより、より多くのペロブスカイト化合物が含まれた光吸収層7が得られる。
一方、ペロブスカイト化合物を含まない下地層3を形成した場合、この下地層3の内部及び表面にペロブスカイト化合物を挿入又は積層することにより、充分な量のペロブスカイト化合物が含まれた光吸収層7が得られる。
ABX3 ・・・(1)
で表されるペロブスカイト化合物が好ましい。
Bサイトを構成する金属カチオンは1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
Xサイトを構成するハロゲンイオンは1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
Aサイトを構成する有機カチオンは1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
RNH3PbX3 ・・・(2)
で表されるアルキルアミノ鉛ハロゲン化物が挙げられる。組成式(2)において、Rはアルキル基を表し、Xはハロゲンイオンを表す。この組成式を有するペロブスカイト化合物は、その吸収波長域が広く、太陽光の広い波長範囲を吸収できるので、優れた光電変換効率が得られる。
ハロゲン化物(AX)及びハロゲン化物(BX)が含まれた単一の原料溶液を下地層3に塗布してもよいし、各ハロゲン化物が個別に含まれた2つの原料溶液を順に下地層3に塗布してもよい。
下地層3に対する前記原料溶液の塗布は、1回で終えてもよいし、乾燥後に2回目以降の塗布を繰り返してもよい。2回目以降の塗布量は、1回目の塗布量と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
下地層3に塗布した前記原料溶液の乾燥温度は、ペロブスカイト化合物の結晶化が充分に進行する温度であればよく、例えば40〜150℃の範囲が挙げられる。
P型半導体層5の形成方法は特に限定されず、例えば、光吸収層7を構成するペロブスカイト化合物を溶解しにくい溶媒に、P型半導体を溶解又は分散した溶液を調製し、この溶液を光吸収層7の表面に塗布し、乾かすことにより、P型半導体層5を得る方法が挙げられる。
前記溶液を光吸収層7に塗布する量は特に限定されず、形成するP型半導体層5の厚みに応じて、塗布量を適宜調整すればよい。
前記溶液を光吸収層7に塗布する方法、及び乾燥する方法は特に限定されず、例えば、下地層3にペロブスカイト化合物の原料溶液を塗布して乾燥する方法と同様の方法が挙げられる。
第二導電層6を構成する低拡散導電層6B及び補助導電層6Aの形成方法は特に限定されず、例えば、目的の導電層の組成と同じ又は近い組成のターゲットを使用したスパッタ法、蒸着法等の公知の製膜方法が適用できる。
ITOからなる透明導電層が表面に形成された透明樹脂基板(PEN基板)を準備した。このITO層の不要な部分を塩酸によってエッチングした。このエッチングの目的は、後工程において、ITO層からなる第一導電層(陰極)と第二導電層(陽極)を有する導電材とを対向させて配置し、さらに端子等を接続した際に、第一導電層と第二導電層が意図せずに短絡(リーク)することを防ぐためである。
次に、第一導電層(ITO層)の表面にバフを擦り付けることで、その表面を疎化した。
続いて、エタノール中に酸化チタン粒子(平均粒子径10nmと30nmとの混合物)を分散させたスラリーを第一導電層の上にスピンコート法により塗布した後、100℃で5分間乾燥させ、厚み200nmの多孔質状のブロック層を形成した。その後、1MのCH3NH3IとPbI2が溶解したDMF溶液をブロック層の上にスピンコートし、100℃で60分加熱乾燥させることで、ペロブスカイト結晶を含む厚み400nmの光吸収層を形成した。さらに、光吸収層の上に、Spiro−OMETAD(メルク社製)の9wt%クロロベンゼン溶液をスピンコートすることにより、厚み200nmのP型半導体層を形成した。
最後に、P型半導体層の上に、Ni/Mo/Fe合金(ハステロイB)からなる厚み200nmの単層の第二導電層(低拡散導電層)をDCスパッタ法によって形成した。
上記の方法により、図1に示した固体太陽電池10から補助導電層6Aを除いた構成の固体太陽電池を得た。
ハステロイBに代えて、表1に記載の合金又は化合物からなる厚み200nmの単層の第二導電層(低拡散導電層)をDCスパッタ法によって形成した以外は、実施例1と同様に固体太陽電池を製造した。
ハステロイBに代えて、表1に記載の合金又は化合物からなる厚み50nmの低拡散導電層をDCスパッタ法によって形成し、さらに低拡散導電層の上に厚み50nmの補助導電層をDCスパッタ法によって形成し、低拡散導電層及び補助導電層からなる第二導電層を形成した以外は、実施例1と同様に固体太陽電池を製造した。
ハステロイBに代えて、表1に記載の材料からなる厚み50nm〜200nmの第二導電層を形成した以外は、実施例1と同様に固体太陽電池を製造した。
実施例及び比較例で得た太陽電池について、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)シート抵抗(Ω/□)の測定
固体太陽電池の第二導電層のシート抵抗を4探針法の抵抗率計(三菱化学アナリック社製、MCP−T610)を用いて測定した。
(2)光電変換効率の測定
固体太陽電池の製造直後、使用前の太陽電池の電極間に電源(KEITHLEY社製、236モデル)を接続し、強度100mW/cm2のソーラーシミュレーションシミュレーター(山下電装社製)を用いて光電変換効率を測定し、得られた光電変換効率を初期変換効率とした。
測定値が10%以上である場合を「○」、10%未満である場合を「×」として評価した。
(3)長期間電圧を印加したときの耐久性評価
固体太陽電池の電極間に電源(KEITHLEY社製、236モデル)を接続し、強度100mW/cm2のソーラーシミュレーションシミュレーター(山下電装社製)を用いて照射しながら25℃で0.7Vの電圧を印加し、24時間経過後の光電変換効率を測定し、得られた光電変換効率を光照射後の変換効率とした。
維持率を(光照射後の変換効率)/(初期変換効率)として求めた。維持率が90%以上である場合を「○」、90%未満である場合を「×」として評価した。
一方、比較例の固体太陽電池は、使用後光電変換効率が実施例に比べて顕著に低下していた。
11…第一導電層、11A…補助導電層、11B…低拡散導電層、12…ブロック層、13…下地層、14…アッパー層、15…P型半導体層、16…第二導電層、17…光吸収層、18…第一基材、19…第二基材、20…固体接合型光電変換素子(固体太陽電池)
Claims (5)
- 第一導電層と、有機無機ペロブスカイト化合物を含む光吸収層と、P型半導体層と、第二導電層とが、この順で設けられた固体接合型光電変換素子であって、
前記第一導電層または前記第二導電層の少なくともいずれかが、周期表4族〜15族の金属を2種以上含む合金、及び周期表4族〜15族の元素(α)と周期表13族〜16族の元素(β)(但し、前記元素(α)及び酸素を除く。)をそれぞれ1種以上含む化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする、固体接合型光電変換素子。 - 前記第一導電層が前記群から選ばれる少なくとも1種を含み、且つ前記第一導電層のシート抵抗が10Ω/□以下であるか、或いは、
前記第二導電層が前記群から選ばれる少なくとも1種を含み、且つ前記第二導電層のシート抵抗が10Ω/□以下である、
請求項1に記載の固体接合型光電変換素子。 - 前記第一導電層が前記光吸収層に接する側から低拡散導電層、補助導電層の順で積層された積層構造を有し、且つ前記積層構造のうち少なくとも前記低拡散導電層に前記群から選ばれる少なくとも1種を含むか、或いは、
前記第二導電層が前記光吸収層に接する側から低拡散導電層、補助導電層の順で積層された積層構造を有し、且つ前記積層構造のうち少なくとも前記低拡散導電層に前記群から選ばれる少なくとも1種を含む、
請求項1または2に記載の固体接合型光電変換素子。 - 前記補助導電層のシート抵抗Rsh1と、前記低拡散導電層のシート抵抗Rsh2とが、Rsh1<Rsh2の関係である、請求項3に記載の固体接合型光電変換素子。
- 前記第一導電層が前記群から選ばれる少なくとも1種を含む層のみからなるか、或いは、
前記第二導電層が前記群から選ばれる少なくとも1種を含む層のみからなる、
請求項1または2に記載の固体接合型光電変換素子。
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