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JP2018154574A - 点眼ワクチン及び免疫誘導方法 - Google Patents

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JP2018154574A
JP2018154574A JP2017051188A JP2017051188A JP2018154574A JP 2018154574 A JP2018154574 A JP 2018154574A JP 2017051188 A JP2017051188 A JP 2017051188A JP 2017051188 A JP2017051188 A JP 2017051188A JP 2018154574 A JP2018154574 A JP 2018154574A
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Hitoshi Watarai
仁 渡来
西川 茂
Shigeru Nishikawa
茂 西川
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Abstract

【課題】歯周病に対する点眼ワクチン、及び点眼ワクチンを犬や猫のような非ヒト哺乳動物に点眼投与する免疫誘導方法を提供することを課題とする。【解決手段】本発明の点眼ワクチンは、(1)歯周病菌由来の抗原性物質と、(2)リポソームとを含むものである。なお、(1)歯周病菌由来の抗原性物質としては、ポルフィロモナス・ジンジバリスのホルマリン不活化破砕菌体が例示できる。また、(2)リポソームとしては、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジオレイルホスファチジルエタノールアミン、モノホスホリルリピッドA、3-メチルグルタリル化ポリグリシドールの組み合わせから構成されるpH感受性リポソームが例示できる。本発明の免疫誘導方法は、本発明の点眼ワクチンを、犬、猫等の非ヒト哺乳動物に点眼投与する方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、点眼ワクチン及びそれを使用する免疫誘導方法に関する。
主に犬、猫を対象とした獣医療の小動物臨床領域では、歯周病は罹患率が非常に高い口腔内疾患である。現在、一般的な歯周病予防法は、歯磨きやデンタルガムを与えることである。ただ、これらの方法は、いやがる犬、猫が多いため、飼主の負担が大きい。
また、歯周病に罹患した場合には、麻酔下で行われる歯石除去が一般的な治療法である。ただ、歯周病が好発するのは比較的高齢な飼育動物である。そのため、多くの飼主は、飼育動物の負担を考えて、麻酔による治療を躊躇する。そこで、飼主と飼育動物双方への負担が少ない予防及び治療法の開発が求められている。
歯周病は、黒色色素産生菌と呼ばれる嫌気性菌群により引き起こされる。嫌気性細菌群の中でも、ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)は、人の歯周病の病変部で高頻度に検出され、同菌体の病原因子や宿主の免疫応答性等から、慢性歯周病の病原細菌として最も注目されている。また、ポルフィロモナス・ジンジバリスは、マウス、ラット、ヒト以外の霊長類でも、同様に歯肉縁下で増殖し、歯周病の発症と悪化に関わっている。
多くの感染症では、病原体が一番初めに粘膜面に侵入増殖する。歯周病においても、ポルフィロモナス・ジンジバリスが粘膜面である歯周の上皮細胞表面へ付着することが感染の開始に必要である。そのため、歯周病を予防・治療するためには、抗ポルフィロモナス・ジンジバリス抗体を粘膜面で誘導すること(粘膜免疫応答の誘導)が効果的であると考えられている(非特許文献1を参照)。
免疫応答を誘導するためには、ワクチンの投与が一般的であり、中でも、筋肉注射に代表される全身ルートからのワクチン投与が一般的である。ただ、全身ルートからのワクチン投与は、全身免疫応答は誘導できるものの、粘膜免疫応答は誘導できない。そのため、全身ルートでの投与法を採用した犬の歯周病予防ワクチンは、過去に上市されたものの、粘膜免疫応答が誘導できず、予防効果が不十分であるため、ほどなく市場から撤退した。
粘膜免疫応答を誘導するためには、全身ルートではなく、経粘膜ルートでのワクチン投与が必要である。また、粘膜免疫応答で主体となるのは、経粘膜ルートでのワクチン投与や微生物侵入によって誘導される分泌型IgA抗体及び局所型IgG抗体であり、これらの抗体は病原体の粘膜細胞への付着を効果的に阻止する。さらに、全身ルートからのワクチン投与とは異なって、経粘膜ルートでのワクチン投与は、抗原特異的な粘膜免疫応答だけではなく、全身免疫応答も同時に誘導できる。
なお、粘膜免疫応答を誘導するためには、抗原だけを粘膜に投与しても、十分な抗原特異的免疫応答を誘導することはできない。そのため、粘膜免疫応答を効果的に誘導する抗原投与法の確立が求められている。
ところで、リポソームは、内部に抗原を封入して目的とする場所まで効率よく運搬できるため、近年、ワクチンのキャリアとして注目されている。また、従来の研究によって、リポソームは、脂質組成、ゼータ電位、粒子径によって異なる薬物動態を持つことが知られており、その組成を調製することによって抗原を安定して粘膜免疫誘導組織まで運搬、放出し、樹状細胞が積極的に取り込めることが分かっている。
そこで、従来から、経粘膜ワクチン、中でも点眼ワクチンが開発・実用化されている。具体的には、以下のものが例示できる。
まず、「不活化した鳥インフルエンザウイルスを抗原として含み、且つ、オイルアジュバントを含まない不活化ワクチン。」が挙げられる(特許文献1参照。)。
また、「大腸菌のホルマリン不活化全菌体またはその破砕物と、リポソームまたはリポソーム様の形態を示す脂質を基材とするアジュバントを含有することを特徴とする家禽大腸菌症ワクチン。」が挙げられる(特許文献2参照。)。
また、「アジュバントを伴わないコポリマー1を含む、全身性の神経保護を付与しそれによって緑内障患者に治療的免疫を付与するための点眼ワクチン。」が挙げられる(特許文献3参照。)。
さらに、「ネコヘルペスウイルスgB抗原等をコードする異種ポリヌクレオチドを含むウイルスベクターと、薬学的または獣医学的に許容される担体とを含み、点眼により投与できるワクチン。」が挙げられる(特許文献4参照。)。
加えて、「免疫化のために投与すべきペプチドまたは蛋白質の免疫原を、サクシニル化ポリグリシドールを含むリポソームから構成されるワクチン担体中に含ませた点眼ワクチン。」が挙げられる(特許文献5参照。)。
しかし、犬や猫のような哺乳動物の歯周病に対する点眼ワクチンは、実用化されていなかった。
特開2013−1686号公報 特許4161736号公報 特許5291878号公報 特許5913316号公報 特許5054546号公報
阿座上弘行ら、「歯周病原性細菌は口腔内にどのように定着するか」、化学と生物Vol.35, No.12, 1997
歯周病に対する点眼ワクチン、及び点眼ワクチンを犬や猫のような非ヒト哺乳動物に点眼投与する免疫誘導方法を提供することを課題とする。
発明者らは、鋭意検討の結果、歯周病菌由来の抗原性物質を点眼投与することによって、犬や猫のような小動物の歯周病に対する免疫誘導し、歯周病を予防、治療できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の点眼ワクチンは、(1)歯周病菌由来の抗原性物質と、(2)リポソームとを含むものである。なお、(1)歯周病菌由来の抗原性物質としては、ポルフィロモナス・ジンジバリスのホルマリン不活化破砕菌体が例示できる。また、(2)リポソームとしては、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジオレイルホスファチジルエタノールアミン、モノホスホリルリピッドA、3-メチルグルタリル化ポリグリシドールの組み合わせから構成されるpH感受性リポソームが例示できる。さらに、本発明の免疫誘導方法は、本発明の点眼ワクチンを、犬、猫等の非ヒト哺乳動物に点眼投与する方法である。
本発明の点眼ワクチン及び免疫誘導方法によって、より少ないストレスで飼育動物の歯周病の予防及び治療ができるようなった。これにより、飼育動物が歯周病に罹患し難くなり、飼育動物及びその飼主の苦痛を低減できる。
図1は、点眼ワクチン投与前後の血清中抗OVA-IgG抗体価の変化を示すグラフである。 図2は、点眼ワクチン投与後の唾液中抗OVA-IgA抗体価の変化を示すグラフである。 図3は、点眼ワクチン投与後の血清、唾液における免疫誘導について調べた結果を示すグラフである。 図4は、ポルフィロモナス・ジンジバリスの生菌を使用して、血清、唾液の凝集試験した結果を示すグラフである。 図5は、培養細胞へのポルフィロモナス・ジンジバリス付着に対する唾液の抑制活性を示すグラフである。 図6は、ポルフィロモナス・ジンジバリスとアクチノマイセス・ネスルンディとの共凝集に対する唾液の抑制活性を調べた結果を示すグラフである。 図7Aは、ポルフィロモナス・ジンジバリス細胞傷害能に対する唾液の抑制活性を調べた結果を示すグラフである。図7Bは、培養細胞の顕微鏡写真である。 図8は、歯周病罹患犬に対する点眼ワクチンの治療効果を示すグラフである。 図9は、歯周病罹患猫に対する点眼ワクチンの治療効果を示すグラフである。
本発明の点眼ワクチンは、(1)歯周病菌由来の抗原性物質及び(2)リポソームを含むものである。また、本発明の免疫誘導方法は、本発明の点眼ワクチンを非ヒト哺乳動物に点眼投与する方法である。そこで、これらの詳細について以下に説明する。
1.点眼ワクチン
(1) 歯周病菌由来の抗原性物質
(a)歯周病菌
本発明の点眼ワクチンの対象となる歯周病菌は、歯周病の原因菌であれば特に限定されない。具体的には、アグリゲイティバクター属(Aggregatibacter、旧称アクチノバシルス属(Actinobacillus))、アクチノマイセス属(Actinomyces)、ポルフィロモナス(Porphyromonas)属、プレボテラ(Prevotella)属、フゾバクテリウム(Fusobacterium)属、スピロヘータ、グラム陽性球菌、グラム陰性桿菌、嫌気ビブリオ等に含まれる歯周病菌が挙げられる。
このうち、アグリゲイティバクター属に含まれる歯周病菌としては、アグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンス(Aggregatibacter actinomycetemcomitans、旧称アクチノバシルス・アクチノミセテムコミタンス(Actinobacillus actinomycetemcomitans))等が挙げられる。
また、アクチノマイセス属に含まれる歯周病菌としては、アクチノマイセス・ネスルンディ(Actinomyces naeslundii)等が挙げられる。
また、ポルフィロモナス属に含まれる歯周病菌としては、ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)、ポルフィロモナス・アサッカロリティカ(Porphyromona sasaccharolytica)、ポルフィロモナス・エンドドンタリス(Porphyromonas endodontalis)等が挙げられる。
また、プレボテラ属に含まれる歯周病菌としては、プレボテラ・インテルメディア(Prevotella intermedia)、プレボテラ・ニグレセンス(Prevotella nigrescens)、プレボテラ・メラニノゲニカ(Prevotella melaninogenica)等が挙げられる。
また、フゾバクテリウム属に含まれる歯周病菌としては、フソバクテリウム・ヌクレアタム(Fusobaeterium nucleatum)、フソバクテリウム・ネクロフォルム(Fusobacterium necrophorum)、フソバクテリウム・ナビフォルム(Fusobacterium naviforme)等が挙げられる。
また、スピロヘータに含まれる歯周病菌としては、トレポネーマ・デンティコラ(Treponema denticola)等が挙げられる。
さらに、グラム陰性桿菌に含まれる歯周病菌としては、タネレラ・フォーサイシア(Tannerella forsythia、旧称タネレラ・フォーサイセンシス(Tannerella forsythensis))等が挙げられる。
この他にも、バクテロイデス・フォーシンサス(Bacteroides forsythus)、エイケネラ・コローデンス(Eikenella corrodens)、キャプノサイトファガ・ジンジバリス(Capnocytophaga gingivalis)、ウォリネラ・レクタ(Wolinella recta)等が挙げられる。
中でも、歯周病患部で高頻度に検出され、同菌体の病原因子や宿主の免疫応答性等から慢性歯周病の病原細菌であるポルフィロモナス・ジンジバリス、タネレラ・フォーサイシア、及びポルフィロモナス・ジンジバリスと共凝集してバイオフィルムを形成するアクチノマイセス・ネスルンディやトレポネーマ・デンティコラが、点眼ワクチンの対象となる歯周病菌として好ましい。
(b)歯周病菌由来の抗原性物質
本発明の歯周病菌由来の抗原性物質としては、歯周病菌の破砕菌体又は菌体可溶化物、歯周病菌の不活化全菌体、その破砕菌体又は菌体可溶化物が挙げられる。ここで、不活化とは、ホルマリンやその他の化学処理により感染力を失わせ、歯周病菌としての機能(感染や増殖する機能等)を失っている状態を意味する。また、破砕菌体とは菌体を超音波処理等によって物理的に破砕したものであり、菌体可溶化物とは菌体を界面活性剤等によって可溶化したものである。
歯周病菌由来の抗原性物質としては、歯周病菌の線毛又は鞭毛、歯周病菌のリポポリサッカライド(LPS)、歯周病菌の外膜小胞(Outer membrane vesicles : OMVs)、歯周病菌の蛋白質分解酵素(ジンジパイン等)、歯周病菌の外膜蛋白質も挙げられる。
点眼ワクチンにおける抗原性物質の含有量は、使用する抗原性物質の種類、投与対象、その体重、年齢等に応じて、適宜調節することができる。なお、抗原性物質は、一種類単独で又は複数を組み合わせて使用することができる。
(2) リポソーム
本発明のリポソームとしては、医薬品等に使用でき、生物に無害な両親媒性脂質からなるリポソームであれば、特に限定することなく使用できる。このようなリポソームとしては、例えば、pH応答性リポソームや陽性荷電リポソームが挙げられる。
ここで、pH応答性リポソームとは、中性環境下では安定であるが、弱酸性環境下では、リポソーム膜が著しく不安定化し、膜融合を誘起することにより、リポソーム膜で囲まれた閉鎖空間に内包された物質の一部又は全部をリポソーム膜外に放出できるリポソームのことである。ここで、「弱酸性環境下」とは、具体的には、生体内で生じ得るpH条件を考えると、pH6.9以下、pH4以上である。
なお、この内包物の放出は、リポソーム膜自体を不安定化するリポソームの能力、リポソーム膜が別の脂質二重膜等と融合することによるリポソームの膜融合性の増加、の何れか又は両方によるものであると考えられている。
pH応答性リポソームとしては、具体的には、特許文献5に記載のような脂質とカルボキシル基修飾ポリグリシドールとを含むものが挙げられる。
pH応答性リポソームを構成する脂質としては、例えば、ホスファチジルコリン類、ホスファチジルエタノールアミン類、ホスファチジルセリン類、ホスファチジン酸類、長鎖アルキルリン酸塩類、ホスファチジルグリセロール類、コレステロール等が挙げられる。なお、これらの脂質は、一種類単独で又は複数を組み合わせて使用することができる。
ここで、ホスファチジルコリン類としては、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジオレイルホスファチジルコリン(DOPC)、卵黄レシチン(eggPC)等が挙げられる。
また、ホスファチジルエタノールアミン類としては、ジオレイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(DSPE)等が挙げられる。
また、ホスファチジルセリン類としては、ジオレイルホスファチジルセリン(DOPS)、ジパルミトイルホスファチジルセリン(DPPS)等が挙げられる。
また、ホスファチジン酸類又は長鎖アルキルリン酸塩類としては、ジミリストイルホスファチジン酸、ジパルミトイルホスファチジン酸、ジステアロイルホスファチジン酸、ジセチルリン酸等が挙げられる。
また、ホスファチジルグリセロール類としては、ジミリストイルホスファチジルグリセロール、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール、ジステアロイルホスファチジルグリセロール等が挙げられる。
さらに、pH応答性リポソームを構成するカルボキシル基修飾ポリグリシドールとしては、サクシニル化ポリグリシドール(SucPG)、3-メチルグルタリル化ポリグリシドール(MGluPG)等が挙げられる。なお、これらカルボキシル基修飾ポリグリシドールは、一種類単独で又は複数を組み合わせて使用することができる。
中でも、高い免疫応答を誘導できる理由から、DPPC、DOPE、MPL、MGluPGを含むpH応答性リポソームが好ましい。
一方、陽性荷電リポソームとは、陰性荷電を帯びた物質と相互作用して、安定な複合体を形成するリポソームである。陽性荷電リポソームは、具体的には、前記のpH応答性リポソームを構成する脂質と陽性荷電脂質とを含むものが挙げられる。なお、陽性荷電脂質としては、塩化N-(α-トリメチルアンモニオアセチル)-ジドデシル-D-グルタメートクロライド(TMAG)、3β[N-(N',N'-ジメチルアミノエタン)-カルバモイル]コレステロール(DC-Chol)、ジデシルジメチルアンモニウムブロミド(DDAB)が挙げられる。なお、これらの脂質及び陽性荷電脂質は、一種類単独で又は複数を組み合わせて使用することができる。
一般に、リポソームは、その構造又は調製法によって、多重層リポソーム(multilamellar vesicles)、再水和リポソーム(dehydration-rehydration vesicles)、大きな単層リポソーム(large unilamellar vesicles)又は小さな単層リポソーム(small unilamellar vesicles)に分類されるが、本発明のリポソームはこれらの何れでもよい。
本発明のリポソームは、公知のリポソーム調製法により、特に限定することなく調製できる。例えば、特許文献5に記載のように、脂質を適当な有機溶媒(例えば、クロロホルム、メタノール)に溶解させ、これらの溶媒を減圧下にて留去して脂質薄膜を形成させたのち、この脂質薄膜を機械的撹拌手段により水に水和又は膨潤させる方法が挙げられる。
(3)その他の成分
本発明の点眼ワクチンは、その免疫誘導効果を損なわない範囲で、公知の溶媒、アジュバンド(抗原性補強剤)、増粘剤、緩衝剤、等張化剤、防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤、安定化剤、キレート剤、保存剤、溶解補助剤、pH調整剤、界面活性剤等を含んでいてもよい。
具体的には、水やエタノール等の溶媒、モノホスホリルリピッドA(MPL)、αガラクトシルセラミド,ポリI:C、トレハロースジミコレート、イミダゾキノリン誘導体(イミキモドor R-848)、非メチル化CpG、サイトカイン、レクチン等のアジュバンド、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース等の増粘剤、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ砂、クエン酸等の緩衝剤、塩化ナトリウム、濃グリセリン等の等張化剤、塩化ベンザルコニウム、パラベン等の防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤、クエン酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム等の安定化剤、エチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミン四酢酸等のキレート剤、クロロブタノール、チメロサール等の保存剤、グリセリン、プロピレングリコール等の溶解補助剤、塩酸、水酸化ナトリウム等のpH調整剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ステアリン酸ポリオキシル等の界面活性剤を含んでいてもよい。
(4)点眼ワクチンの調製方法
本発明の点眼ワクチンは、リポソームに薬剤等を含ませる公知の方法により調製できる。例えば、リポソームの構成成分を溶媒と混合して容器内に入れ、溶媒を除去して容器の内壁面に脂質フィルムを形成したのち、抗原性物質やアジュバンド等を含む溶液を容器に投入して両者を撹拌・混合することによって、抗原性物質等をリポソーム膜に封入する方法等が挙げられる。
2.免疫誘導方法
本発明の免疫誘導方法は、本発明の点眼ワクチンを非ヒト哺乳動物に点眼投与する方法である。本発明の方法は、非ヒト哺乳動物であれば特に限定することなく適用できるが、飼主に与える影響等を考えると、牛、豚、馬等の家畜、犬、猫等のペットへの適用が好ましく、犬又は猫への適用がより好ましい。また、点眼投与とは、眼窩に前記不活化ワクチンを投与し、目の粘膜を介して抗原性物質を体内に導入する投与方法である。
具体的な点眼投与方法としては、例えば、本発明の点眼ワクチンをポリエチレンテレフタレート製等の点眼容器に充填して、点眼ワクチンの雫を上方から非ヒト動物の片方の目(好ましくは両方の目)に一滴ずつ落下し、投与する方法が挙げられる。なお、シリンジ、水鉄砲、スプレー等を使用して、点眼ワクチンを目に噴射してもよい。これによって、一度に多数の非ヒト哺乳動物に点眼投与できる。
点眼ワクチンの投与量は、投与対象である非ヒト哺乳動物の種類、年齢、体重等に応じて適宜調節すればよい。また、本発明の免疫誘導方法では、十分な免疫を付与するため、2週間〜2ヶ月又はそれ以上の間隔を空け、2回以上投与することが好ましい。
以下、本発明について、実施例に基づいてより詳細に説明する。なお、本発明の特許請求の範囲は、以下の実施例によって如何なる意味においても制限されない。
I.pH感受性リポソーム封入抗原の点眼投与による免疫応答の解析
モデル抗原やポルフィロモナス・ジンジバリス破砕抗原をpH感受性リポソームに封入し、これらを犬に点眼投与して、粘膜免疫応答が誘導できるかについて調べた。具体的には、以下のようにして調べた。
I−1.卵白アルブミン封入pH感受性リポソームの点眼投与による免疫応答の解析
モデル抗原として卵白アルブミン(OVA)を封入したpH感受性リポソームを調製して、これを犬に点眼投与し、血清中及び唾液中における免疫応答を調べた。具体的には、以下のようにして調べた。
1.材料と方法
(1)供試動物
動物実験は、大阪府立大学大学院生命環境科学研究科動物実験指針に従った。10月齢のビーグル(雌、体重約10kg)を北山ラベス株式会社から購入し、動物科学教育研究センターにて飼育管理した。給餌はドライタイプのドッグフードを1日1回与え、飲水は水道水を自由に摂取させた。また、照明は12時間の明期及び12時間の暗期下とした。
(2)OVA封入pH感受性リポソームの調製
OVA封入pH感受性リポソームは以下の手順で調製した。DPPC(15μmol, Sigma-Aldrich Co.,LTd.)、DOPE(15μmol, Sigma-Aldrich Co.,LTd.)、MPL(60μg, Sigma-Aldrich Co.,LTd.)、MGluPG(9.6mg, lipids/polymer=7/3, w/w)をそれぞれ有機溶媒に溶解した。なお、DPPC及びDOPEはクロロホルム:メタノール=2:1(v/v)で、MPLはククロロホルム:メタノール1:2(v/v)で、MGluPGはメタノールで溶解した。
これらを梨型フラスコ内で混和させ、ロータリーエバポレーターにより溶媒を除去し、脂質フィルムを調製した。真空ポンプで有機溶媒を完全に除去(室温30分)したのち、OVAのリン酸緩衝食塩水(PBS)溶液(5mg/ml)を1ml加え、室温で3分間静置し、ボルテックスミキサーにて強く攪拌して、リポソームにOVAを封入した。その後、14,000×g、4℃、30分間で3回遠心洗浄した。このリポソームをPBSに懸濁し、OVA封入pH感受性リポソームとして使用した。
リポソームに封入されたOVA量は以下の方法で評価した。OVA封入pH感受性リポソーム懸濁液60μlに等量のイソプロパノールを加えてよく混和し、リポソーム内のOVAを遊離させ、溶液中の蛋白質濃度から推定した。溶液中の蛋白質は、牛血清アルブミンを標準蛋白質とし、Bio-Rad protein assay kit(Bio-Rad Laboratories, Inc.)を使用して定量した。また、同様の脂質組成と手順で、PBSのみを封入したPBS封入pH感受性リポソームを調製した。
(3)実験動物へのOVA封入pH感受性リポソーム投与
ビーグルを4頭ずつの2群に分け、OVA封入pH感受性リポソーム(1mg OVA/100μl/eye)を投与した群をOVA封入pH感受性リポソーム投与群とし、PBS封入pH感受性リポソーム(100μl/eye)を投与した群をコントロール群とした。各リポソームは2週間毎に合計2回投与した。
(4)血清及び唾液の採取
各リポソームの投与前と2回目投与の2週間後に、橈側皮静脈より末梢血を採取した。採取した末梢血を37℃で60分間インキュベートしたのち、750×g、10分間遠心し、血清を分離した。唾液は、各リポソームの2回目投与後2週間目に綿棒を使用して採取した。唾液を含んだ綿棒を15mlのプラスチックチューブに入れ、1,000×g、10分間遠心し、唾液を分離した。得られた血清及び唾液は解析するまで-30℃で保存した。
(5)ELISA法による血清中ならび唾液中の抗体価測定
OVA溶液(20μg/ml in PBS)をELISAプレートに、1ウェルあたり50μlずつ加えて、4℃で一晩静置した。その後、プレート中の溶液を除き、5%スキムミルク加PBSを1ウェル当たり100μl加え、37℃で1時間インキュベートしブロッキングした。ブロッキング後、プレートを0.05% Tween 20加PBSで2回洗浄し、2倍階段希釈したサンプル(血清又は唾液)を1ウェル当たり50μl加え、4℃で一晩静置し反応させた。
反応後、プレートを0.1% Tween 20加PBSで3回洗浄し、HRP標識抗犬IgG抗体(PBSにて10,000倍希釈;Bethyl Laboratories)又はHRP標識抗犬IgA抗体(PBSにて10,000倍希釈;Bethyl Laboratories)を2次抗体として1ウェル当たり50μl加え、37℃で1時間インキュベートした。
その後、0.1% Tween 20加PBSで5回洗浄し、ペルオキシダーゼ用発色キットML-1130 O(Sumitomo Bakelite Co.,LTd.)を使用して10分間発色させた。発色を停止させたのち、マイクロプレートリーダー(Model 450, Bio-Rad Laboratories, Inc.)を使用して、490nmの波長における吸光度を測定した。バックグラウンドの2.5倍以上の吸光度を示す最高希釈倍率をサンプルの抗体価とした。
(6)統計処理
実験データから平均値±標準偏差(SD)を算出した。また、統計学的有意差はWelch's t-testを使用して検定した。なお、p値が0.05以下の場合に有意差があるとした。
2.結果
点眼投与前後の血清中抗OVA-IgG抗体価を図1に示す。この図に示すように、血清中抗OVA-IgG抗体価は、各リポソームの投与前からやや高い値を示し、投与後に増加傾向はみられたものの、コントロール群との間に有意な差はなかった。このように、OVA投与の有無で抗原特異的抗体価に差は見られなかった。
また、点眼投与後の唾液中抗OVA-IgA抗体価を図2に示す。この図に示すように、2回目投与後2週間目には、OVA封入pH感受性リポソーム投与群において、コントロール群と比べて有意に高い抗OVA-IgA抗体の誘導が確認された(p<0.05)。
I−2.ポルフィロモナス・ジンジバリス破砕抗原封入pH感受性リポソーム点眼ワクチン投与による免疫応答の解析
I−1の結果より、pH感受性リポソームが点眼投与によって、歯周病菌の感染部位である粘膜局所に、免疫応答を誘導できる可能性があることが明らかになった。そこで、歯周病菌であるポルフィロモナス・ジンジバリスを不活化・破砕した抗原を封入したpH感受性リポソームを調製して、これを犬に点眼投与し、血清中及び唾液中における免疫応答を調べた。具体的には、以下のようにして調べた。
1.材料と方法
(1)供試動物
動物実験は、大阪府立大学大学院生命環境科学研究科動物実験指針に従った。10月齢のビーグル(雌、体重約10kg)を北山ラベス株式会社から購入し、動物科学教育研究センターにて飼育管理した。給餌はドライタイプのドッグフードを1日1回与え、飲水は水道水を自由に摂取させた。また、照明は12時間の明期及び12時間の暗期下とした。
(2)ポルフィロモナス・ジンジバリス破砕抗原の調製
ポルフィロモナス・ジンジバリス(ATCC 33277)は、The American Type Culture Collectionから入手した。ポルフィロモナス・ジンジバリスはブレインハートインフュージョン培地(Nissui Pharmaceutical Co.,LTd.)にヘミン(4μg/ml)とメナジオン(0.4μg/ml)を加えた培地中で、アネロパック・ケンキ(MITSUBISHI GAS CHEMICAL COMPANY, INC)を使用して、37℃、80%N2、10%H2、10%CO2の嫌気条件下で培養した。
ポルフィロモナス・ジンジバリス破砕抗原は、以下の手順で調製した。ポルフィロモナス・ジンジバリスを37℃の嫌気条件下で72時間培養した。ホルマリンを最終濃度が0.5%となるように培地に加え、一晩置くことで不活化した。得られた細菌懸濁液は、10,000×gで30分間遠心分離して上清を除去したのち、PBSで合計3回遠心洗浄し、ホルマリンを除去した。得られた不活化細菌は、超音波発生機(BRANSON Sonifier 250, Emerson Japan)を使用して15分間超音波処理(20kHz、50W)し、ポルフィロモナス・ジンジバリス破砕物を得た。なお、ポルフィロモナス・ジンジバリス破砕物の主な内容物は、線毛を含む細菌の細胞壁、リポポリサッカライド(LPS)、莢膜、蛋白質分解酵素(主にジンジパイン)、ヘマグルチニン、細菌外膜蛋白質等である。
(3)ポルフィロモナス・ジンジバリス破砕抗原封入pH感受性リポソームワクチンの調製
I−1でOVA封入pH感受性リポソームを調製した際の方法と同様の方法で、ポルフィロモナス・ジンジバリス破砕物を封入し、ポルフィロモナス・ジンジバリス破砕抗原封入pH感受性リポソームワクチンを調製した。また、PBS封入pH感受性リポソームも、I−1と同様に調製した。
(4)実験動物へのワクチン投与
ビーグルを4頭ずつの2群に分け、ポルフィロモナス・ジンジバリス破砕抗原封入pH感受性リポソームワクチン(1mg protein/100μl/eye)を投与した群をワクチン投与群とした。なお、ワクチンは2週間毎に合計3回投与した。また、PBS封入pH感受性リポソーム(100μl/eye)を投与した群をコントロール群とした。
(5)血清及び唾液の採取
ワクチン投与前と1回目ワクチン投与2週間後、2回目ワクチン投与2週間後、3回目ワクチン投与2週間後の合計4回血清及び唾液を採取した。血清及び唾液は、I−1と同じ方法で採取した。
(6)ELISA法による血清中ならび唾液中の抗体価測定
ポルフィロモナス・ジンジバリス破砕抗原溶液(20μg/ml in PBS)をELISAプレートに、1ウェルあたり50μlずつ加えて、4℃で一晩静置した。その後、プレート中の溶液を除き、5%スキムミルク加PBSを1ウェル当たり100μl加え、37℃で1時間インキュベートしブロッキングした。ブロッキング後、プレートを0.05% Tween 20加PBSで2回洗浄し、2倍階段希釈したサンプル(血清又は唾液)を1ウェル当たり50μl加え、4℃で一晩静置し反応させた。
反応後、プレートを0.1% Tween 20加PBSで3回洗浄し、HRP標識抗犬IgG抗体(PBSにて10,000倍希釈;Bethyl Laboratories)、又はHRP標識抗犬IgA抗体IgA(PBSにて10,000倍希釈;Bethyl Laboratories)を2次抗体として1ウェル当たり50μl加え、37℃で1時間インキュベートした。
その後、0.1% Tween 20加PBSで5回洗浄し、ペルオキシダーゼ用発色キットML-1130 O(Sumitomo Bakelite Co. ,Ltd.)を使用して10分間発色させた。発色を停止させたのち、マイクロプレートリーダー(Model 450, Bio-Rad Laboratories, Inc.)を使用して、490nmの波長における吸光度を測定した。バックグラウンドの2.5倍以上の吸光度を示す最高希釈倍率をサンプルの抗体価とした。
(7)凝集試験による凝集素価測定
pH感受性リポソームワクチンの点眼ルートでの投与によって誘導された抗原特異的抗体が、ポルフィロモナス・ジンジバリス破砕抗原だけでなくポルフィロモナス・ジンジバリス菌体表面を認識できるかを明らかにするため、生菌を使用する凝集試験をした。具体的には、以下のようにして調べた。
不活化及び超音波処理していないポルフィロモナス・ジンジバリスの生菌をPBSで2回洗浄してOD600=1(1x109 CFU/ml相当)となるように希釈し、ポルフィロモナス・ジンジバリス懸濁液を調製した。その後、様々な倍率で希釈した血清又は唾液50μlとポルフィロモナス・ジンジバリス懸濁液(50μl)を96ウェルのV底プレート(AGC Techno Glass Co.,LTd.)に加えてよく攪拌した。湿環境下で37℃、1時間静置したのち凝集を観察し、凝集が起こった最大希釈倍率を凝集素価とした。
(8)統計処理
実験データから平均値±標準偏差(SD)を算出した。また、統計学的有意差はWelch's t-testを使用して検定した。なお、p値が0.05以下の場合に有意差があるとした。
2.結果
(1)全身(血清)及び口腔粘膜(唾液)における抗体誘導
pH感受性リポソームワクチン点眼投与後の血清、唾液における免疫誘導(抗原特異的IgG抗体、IgA抗体の誘導)について調べた結果を図3に示す。なお、図3Aは、血清抗ポルフィロモナス・ジンジバリス-IgG抗体価の結果を示し、図3Bは、唾液抗ポルフィロモナス・ジンジバリス-IgA抗体価の結果を示している。
これらの図に示すように、血清では、ワクチン投与群で投与2回目の2週間後から抗ポルフィロモナス・ジンジバリス-IgG抗体価がコントロール群に比べて有意に上昇した(p<0.05)。また、唾液でも、血清と同様に、ワクチン投与群で投与2回目の2週間後から抗ポルフィロモナス・ジンジバリス-IgA抗体価がコントロール群に比べて有意に上昇した(p<0.05)。一方、コントロール群では、抗ポルフィロモナス・ジンジバリス-IgA、抗ポルフィロモナス・ジンジバリス-IgG共に抗体価の変動は認められなかった。
(2)ポルフィロモナス・ジンジバリス菌体表面の認識
ポルフィロモナス・ジンジバリス菌体表面を認識できるかを明らかにするため、生菌を使用して凝集試験した結果を図4に示す。なお、図4Aは、血清抗ポルフィロモナス・ジンジバリス凝集素価に関する結果を示し、図4Bは、唾液抗ポルフィロモナス・ジンジバリス凝集素価を示している。
図4Aに示すように、血清では、ワクチン投与群で経時的に凝集素価の上昇傾向を示し、投与2回目の2週間後から上昇はコントロール群に比べて有意であった(p<0.05)。また、図4Bに示すように、唾液でも、血清と同様に、ワクチン投与群で投与2回目の2週間後から凝集素価の上昇傾向が観察され、3回目のワクチン投与2週間後から凝集素価がコントロール群に比べて有意に上昇した(p<0.05)。一方、コントロール群では血清、唾液共に凝集素価の変動は認められなかった。
II.ポルフィロモナス・ジンジバリス破砕抗原封入pH感受性リポソームワクチンを点眼投与した犬の唾液に誘導された病原因子中和活性の解析(in vitro)
ポルフィロモナス・ジンジバリスは、複合的な要因によって歯周病を発症させ増悪化させることが知られている。具体的には、以下の要因が挙げられる。まず、ポルフィロモナス・ジンジバリスは感染成立段階において口腔上皮細胞へ付着し、直接細胞を傷害し炎症を引き起こす。その結果、組織破壊に伴って組織液や血液成分等他の原因菌の発育を促進する成分の漏出が始まり、歯周病が悪化する。
また、ポルフィロモナス・ジンジバリスは、口腔内細菌の一種であるアクチノマイセス・ネスルンディと共凝集することでバイオフィルムを形成し、口腔内環境において唾液等の抗菌性自然免疫物質や薬剤に対する抵抗性を獲得する。さらに、細菌性の因子の刺激によって上皮系細胞の傷害を進行させる。
そこで、ポルフィロモナス・ジンジバリス破砕抗原封入pH感受性リポソームワクチンによって誘導された抗体が、ポルフィロモナス・ジンジバリスの(II−1)上皮系細胞への付着、(II−2)アクチノマイセス・ネスルンディとの共凝集、(II−3)上皮系細胞への傷害を抑制できるか、についてそれぞれ解析した。具体的には以下のようにして調べた。
II−1.ポルフィロモナス・ジンジバリスのHeLa細胞への付着性に対する抑制活性の解析
歯周病は、歯肉上皮細胞へポルフィロモナス・ジンジバリスが付着・増殖することにより発症するため、付着を抑制できれば、歯周病の発症抑制につながるものと考えられる。そこでヒト上皮系細胞株HeLa細胞を歯肉上皮細胞のモデルとして使用し、唾液中に誘導された抗体が、ポルフィロモナス・ジンジバリスのHeLa細胞への付着を抑制できるかについて解析した。具体的には、以下のようにして調べた。
1.材料と方法
(1)使用細胞株
HeLa細胞は10% fetal bovine serum(FBS)加Dulbecco's Modified Eagle medium(Nissui PHARMACEUTICAL Co.,LTd.)で培養した。また、ポルフィロモナス・ジンジバリスは、実施例1と同様に入手し培養した。
(2)唾液によるポルフィロモナス・ジンジバリスの上皮細胞付着抑制試験
ポルフィロモナス・ジンジバリスによる上皮細胞への付着抑制試験は、下記のNakagawaらの方法を一部改変して行った。具体的には、以下のようにして調べた。
Nakagawa,I.,Inaba,H.,Yamamura,T.,Kato,T.,Kawai,S.,Ooshima,T.andAmano,A.2006.InvasionofepithelialcellsandproteolysisofcellularfocaladhesioncomponentsbydistincttypesofPorphyromonasgingivalisfimbriae.Infect.Immun.74:3773-3782.
まず、HeLa細胞を、24ウェルのプレート(1×104 cells/well, AGC Techno Glass Co.,LTd.)を使用して、37℃、5%CO2、95%空気の条件下で、一晩培養した。その後、細胞をPBSで3回洗浄した。実施例1のI-2の実験で得られた唾液を最終濃度が1:2、1:4、1:8、1:16となるように希釈してポルフィロモナス・ジンジバリスと混合し、単層となったHeLa細胞にポルフィロモナス・ジンジバリスの感染多重度(multiplicity of infection)が500となるよう加えた。なお、ポルフィロモナス・ジンジバリスに唾液の代わりにPBSを加えたものをコントロール群とした。
5%CO2存在下37℃で90分間静置したのち、HeLa細胞に付着していないポルフィロモナス・ジンジバリスをPBSで3回洗浄して除去した。これらをギムザ染色し、HeLa細胞の数を光学顕微鏡下で1,000個観察し、そのうち細菌が付着している細胞数を数えた。抑制率は以下の計算式に基づき求めた。
(3)統計処理
実験データから平均値±標準偏差(SD)を算出した。また、統計学的有意差はWelch's t-testを使用して検定した。なお、p値が0.05以下の場合に有意差があるとした。
2.結果
唾液の培養細胞へのポルフィロモナス・ジンジバリス付着抑制活性を図5に示す。この図に示すように、ワクチン投与群では、唾液の濃度依存的にポルフィロモナス・ジンジバリスのHeLa細胞への付着が抑制された。一方、コントロール群では、抑制活性はほとんど認められなかった。より具体的には、ワクチン投与群の唾液では最終希釈倍率が1:2で35.8±5.6%の付着抑制が、最終希釈倍率が1:4でも28.0±5.8%の付着抑制が認められた(共にコントロール群に対してp<0.05で有意差あり。)。
II-2.ポルフィロモナス・ジンジバリスとアクチノマイセス・ネスルンディの共凝集に対する抑制活性の解析
ポルフィロモナス・ジンジバリスは、口腔内細菌の一種であるアクチノマイセス・ネスルンディと共凝集することでバイオフィルムを形成し、口腔内環境において薬剤に対する抵抗性を獲得する。また、自身やバイオフィルム内に共存する細菌が産生するさまざまな病原因子の刺激によって歯周病を進行させる。そのため、バイオフィルムの抑制は、歯周病の進行予防につながるものと考えられている。
そこで、ポルフィロモナス・ジンジバリス破砕抗原封入pH感受性リポソームワクチン投与によって得られた唾液が、ポルフィロモナス・ジンジバリスとアクチノマイセス・ネスルンディの共凝集を抑制できるかについて解析した。具体的には以下のようにして調べた。
1.材料と方法
(1)使用細菌株
ポルフィロモナス・ジンジバリスは実施例1と同様に入手し培養した。アクチノマイセス・ネスルンディ(ATCC 12104)は、The American Type Culture Collectionから入手した。アクチノマイセス・ネスルンディは、ATCC medium 1490を一部改変(Grilled BeefをBeef extract powder(Sigma-Aldrich Co.,Ltd.)に変更)した培地中で、アネロパック・ケンキ(MITSUBISHI GAS CHEMICAL COMPANY, INC)を使用して、37℃、80%N2、10%H2、10%CO2の条件下で培養した。
(2)唾液によるポルフィロモナス・ジンジバリスとアクチノマイセス・ネスルンディの共凝集抑制試験
共凝集抑制試験は、これまでに報告された下記の方法を一部改変して行った。具体的には、以下のようにして調べた。
Cisar,J.O.,Kolenbrander,P.E.andMcIntire,F.C.1979.SpecificityofcoaggregationreactionbetweenhumanoralstreptococciandstrainsofActinomycesviscosusandActinomycesnaeslundii.Infect.Immun.24:742-752.
まず、培養したポルフィロモナス・ジンジバリスとアクチノマイセス・ネスルンディをそれぞれPBSで3回洗浄し、OD600=1となるように希釈して懸濁液を得た。つぎに、ポルフィロモナス・ジンジバリス懸濁液50μlを96ウェルV底プレートに加え、1:2から2倍階段希釈した唾液希釈液を同容量加え攪拌したのち、37℃の湿潤環境下で1時間培養した。さらに、50μlのアクチノマイセス・ネスルンディ懸濁液を加え、さらに37℃の湿潤環境下で1時間培養したのち、共凝集の抑制活性を光学顕微鏡下で観察した。なお、共凝集抑制抗体価は、共凝集を抑制した最も高い希釈倍率の逆数とした。
(3)統計処理
実験データから平均値±標準偏差(SD)を算出した。また、統計学的有意差はWelch's t-testを使用して検定した。なお、p値が0.05以下の場合に有意差があるとした。
2.結果
得られた唾液のポルフィロモナス・ジンジバリスとアクチノマイセス・ネスルンディとの共凝集抑制活性を調べた結果を、図6に示す。この図に示すように、ポルフィロモナス・ジンジバリス破砕抗原封入pH感受性リポソームワクチン投与群では、2回目投与の2週後である4週目で共凝集抑制抗体価の上昇が認められ(コントロール群に対してp<0.05で有意差有り)、3回目ワクチン投与2週後である6週でも共凝集抑制抗体価のさらなる上昇傾向が観察された(コントロール群に対してp<0.05で有意差有り)。一方、コントロール群では共凝集抑制抗体価の上昇は認められなかった。
II−3.ポルフィロモナス・ジンジバリスの口腔上皮細胞傷害に対する抑制効果の解析
歯周病に関連する様々な病態は、ポルフィロモナス・ジンジバリスが産生する蛋白質分解酵素等により口腔上皮細胞が傷害されることによって引き起こされる。そのため、ポルフィロモナス・ジンジバリスの口腔上皮細胞に対する細胞傷害の抑制は、歯周病の予防及び病態改善に繋がるものと考えられる。
そこで、ヒトの口腔上皮細胞であるFaDu細胞(ヒト口腔内上皮細胞)を歯肉細胞のモデルとして使用し、ポルフィロモナス・ジンジバリス破砕抗原封入pH感受性リポソームワクチン投与によって得られた唾液が、ポルフィロモナス・ジンジバリスのFaDu細胞に対する細胞傷害を抑制できるかについて解析した。具体的には以下のようにして調べた。
1.材料と方法
(1)使用細胞株及び使用細菌株
FaDu細胞は、10% FBS加Eagle's minimum essential medium(Nissui PHARMACEUTICAL CO.,Ltd.)で培養した。また、ポルフィロモナス・ジンジバリスは実施例1と同様に入手し培養した。
(2)細胞傷害試験
細胞傷害試験は、これまでに報告された下記の手法を一部改変して行った。具体的には、以下のようにして調べた。
Eick,S.,Rodel,J.,EinaxJ.W.andPfister,W.2002.InteractionofPorphyromonasgingivaliswithKBcells:comparisonofdifferentclinicalisolates.OralMicrobiol.Immunol.17:201-208.
まず、FaDu細胞を24ウェルの培養プレート(AGC Techno Glass Co.,LTd.)に5×103 cells/wellとなるように播種し、実験前に24時間培養した。つぎに、さまざまな濃度の唾液サンプルと混合処理したポルフィロモナス・ジンジバリス又は未処理のポルフィロモナス・ジンジバリスを含んだ培地(1x104 cells/well)をウェルに加え、37℃湿潤環境下で24時間培養した。さらに、プレートをPBSで3回洗浄して、プレートから剥がれた細胞を除き、プレートに付着したままの細胞を生細胞として数えた。なお、FaDu細胞にポルフィロモナス・ジンジバリスを加えずPBSのみを加えたものをコントロール群とした。また、生細胞数のコントロール群の細胞数に対する割合(細胞生存率)は、以下の計算式に従って計算した。
(3)統計処理
実験データから平均値±標準偏差(SD)を算出した。また、統計学的有意差はWelch's t-testを使用して検定した。なお、p値が0.05以下の場合に有意差があるとした。
2.結果
ワクチン投与によって得られた唾液のポルフィロモナス・ジンジバリス細胞傷害抑制活性を調べた結果を図7Aに示す。この図に示すように、ワクチン投与群の唾液で処理したFaDu細胞の生存率は、唾液の希釈倍率が1:2と1:4でコントロール群と比べて有意に高かった(p<0.05)。また、唾液の希釈倍率が1:2における培養細胞の顕微鏡写真(400倍)を図7Bに示す。図7Bに示すように、コントロール群に比べ、ワクチン投与群の唾液で処理したFaDu細胞では、多くの生細胞が観察できた。
III.歯周病罹患動物へのポルフィロモナス・ジンジバリス破砕抗原封入pH感受性リポソームワクチン投与による治療効果の評価
実施例2では、ポルフィロモナス・ジンジバリス破砕抗原封入pH感受性リポソームワクチンを点眼投与した犬の唾液に誘導された病原因子中和活性について解析した。その結果、唾液中の抗体がポルフィロモナス・ジンジバリスの持つ歯周病発症に関わる因子(上皮細胞への付着、アクチノマイセス・ネスルンディとの共凝集、口腔内上皮細胞に対する細胞傷害)を抑制することが示された。そこで、前記ワクチンを歯周病罹患動物に点眼投与して、ワクチン投与による歯周病治療効果について評価した。具体的には以下のようにして調べた。
III−1.歯周病罹患犬に対する治療効果の評価
ポルフィロモナス・ジンジバリス破砕抗原封入pH感受性リポソームワクチンを歯周病罹患犬に点眼投与し、ワクチン投与による治療効果について評価した。具体的には以下のようにして調べた。
1.材料と方法
(1)供試動物
野田阪神動物病院に来院し、飼主に十分なインフォームドコンセントを実施した歯周病罹患犬のうち、口臭が中程度(明らかに臭う)以上である犬を選んだ。なお、選ばれた犬の犬種はミニチュアダックスフント又はチワワで、年齢は7〜15歳または年齢不詳(飼育歴5年以上)、体重は3.7〜5.2kgであった。
(2)ポルフィロモナス・ジンジバリス破砕抗原封入pH感受性リポソームワクチンの調製
実施例1に記載の方法で、ポルフィロモナス・ジンジバリス破砕物及びポルフィロモナス・ジンジバリス破砕抗原封入pH感受性リポソームワクチンを調製した。
(3)歯周病罹患犬へのワクチン投与
歯周病罹患犬を4頭ずつの2群に分け、ポルフィロモナス・ジンジバリス破砕抗原封入pH感受性リポソームワクチン(1mg protein/100μl/eye)を点眼投与した群をワクチン投与群とし、無処置群をコントロール群とした。ワクチンは2週間毎に合計2回投与した。
(4)臨床スコアの評価
歯周病の臨床スコアは、下記の文献に記載の基準に従って判定した。基準の詳細を表1に記載する。また、総合臨床スコアは各項目のスコアを積算して求めた。
Immunology Research Institute in Gifu.「抗ジンジパイン抗体添加ドライペットフードの8週間投与による歯周病罹患犬に対する有効性及び安全性評価試験」http://www.igy-research.com/Data3(PETPG).pdf[Accessed 29 December 2016].
(5)統計処理
臨床スコアから平均値±標準偏差(SD)を算出した。また、統計学的有意差はWelch's t-testを使用して検定した。なお、p値が0.05以下の場合に有意差があるとした。
2.結果
歯周病の臨床症状である歯肉充血、歯肉出血、歯肉腫脹及び口臭について、個体別にそれぞれの臨床スコア判定基準に基づいて評価し、個体別の各臨床スコアを積算した総合臨床スコアについても評価した。その結果を図8に示す。
図8に示すように、ワクチン投与群では、歯肉充血、歯肉腫脹、口臭の各スコアが2回投与後2週目で有意に改善したものの(p<0.05)、歯肉出血スコアには有意な改善は見られなかった。一方、コントロール群ではいずれの臨床スコアにおいても改善が見られず、歯肉出血スコアにおいては有意に悪化した(p<0.05)。
また、同じく図8に示すように、総合臨床スコアにおいてもワクチン投与群では2回投与後2週目で有意な改善が認められた(p<0.05)。一方、コントロール群において改善は認められず、むしろ悪化する傾向がみられた。
これらの結果から、ポルフィロモナス・ジンジバリス破砕抗原封入pH感受性リポソーム点眼ワクチンが、犬の歯周病に対して治療効果又は症状の進行を抑える効果を持つことが示された。
III−2.歯周病罹患猫に対する治療効果の評価
不活化ポルフィロモナス・ジンジバリス破砕抗原封入pH感受性リポソームワクチンを歯周病罹患猫に点眼投与し、ワクチン投与による治療効果について評価した。
1.材料と方法
(1)供試動物
野田阪神動物病院に来院し、飼主に十分なインフォームドコンセントを実施した歯周病罹患猫のうち、口臭が中程度(明らかに臭う)以上である猫を選んだ。選ばれた猫の猫種は雑種で、年齢は2〜15歳、体重は2.6〜5.2kgであった。
(2)不活化ポルフィロモナス・ジンジバリス破砕抗原封入pH感受性リポソームワクチンの調製
実施例1に記載の方法で、ポルフィロモナス・ジンジバリス破砕物及びポルフィロモナス・ジンジバリス破砕抗原封入pH感受性リポソームワクチンを調製した。
(3)歯周病罹患猫へのワクチン投与
歯周病罹患猫を2群に分け、ポルフィロモナス・ジンジバリス破砕抗原封入pH感受性リポソームワクチン(0.5mg protein/50μl/eye)を点眼投与した群をワクチン投与群(4頭)とし、無処置群をコントロール群(9頭)とした。ワクチンは、2週間毎に合計2回投与した。
(4)臨床スコアの評価
歯周病の臨床スコアは、表1に示す基準に従って判定した。また、総合臨床スコアは各項目のスコアを積算して求めた。
(5)統計処理
臨床スコアから平均値±標準偏差(SD)を算出した。また、統計学的有意差はWelch's t-testを使用して検定した。なお、p値が0.05以下の場合に有意差があるとした。
2.結果
歯周病の臨床症状である歯肉充血、歯肉出血、歯肉腫脹及び口臭について、個体別にそれぞれの臨床スコア判定基準に基づいて評価し、個体別の各臨床スコアを積算した総合臨床スコアについても評価した。その結果を図9に示す。
図9に示すように、ワクチン投与群では、歯肉充血スコアでは1回免疫後2週目で、歯肉出血、口臭の各スコアでは2回免疫後2週目で有意に改善した(p<0.05)ものの、歯肉腫脹スコアに有意な改善は見られなかった。一方、コントロール群ではいずれの臨床スコアにおいても改善が見られず、口臭スコアにおいては有意に悪化した(p<0.05)。
また、同じく図9に示すように、総合臨床スコアにおいても、ワクチン投与群では、1回免疫後2週目で有意な改善が認められた(p<0.01)。一方、コントロール群では、改善は認められず、むしろ悪化する傾向がみられた。
これらの結果から、ポルフィロモナス・ジンジバリス破砕抗原封入pH感受性リポソーム点眼ワクチンが、猫の歯周病に対して治療効果又は症状の進行を抑える効果を持つことが示された。

Claims (10)

  1. (1)歯周病菌由来の抗原性物質と、(2)リポソームとを含む点眼ワクチン。
  2. 歯周病菌が、アグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンス、アクチノマイセス・ネスルンディ、ポルフィロモナス・ジンジバリス、ポルフィロモナス・アサッカロリティカ、ポルフィロモナス・エンドドンタリス、プレボテラ・インテルメディア、プレボテラ・ニグレセンス、プレボテラ・メラニノゲニカ、フソバクテリウム・ヌクレアタム、フソバクテリウム・ネクロフォルム、フソバクテリウム・ナビフォルム、トレポネーマ・デンティコラ、タネレラ・フォーサイシア、バクテロイデス・フォーシンサス、エイケネラ・コローデンス、キャプノサイトファガ・ジンジバリス、ウォリネラ・レクタからなる群れから選ばれた少なくとも一種以上の菌である請求項1に記載の点眼ワクチン。
  3. 歯周病菌が、アクチノマイセス・ネスルンディ又はポルフィロモナス・ジンジバリスである請求項2に記載の点眼ワクチン。
  4. 抗原性物質が、歯周病菌の破砕菌体又は菌体可溶化物、歯周病菌の不活化全菌体、その破砕菌体又は菌体可溶化物、歯周病菌の線毛又は鞭毛、歯周病菌のリポポリサッカライド、歯周病菌の外膜小胞、歯周病菌の蛋白質分解酵素、歯周病菌の外膜蛋白質からなる群れより選ばれた少なくとも一種以上の物質である請求項1に記載の点眼ワクチン。
  5. 抗原性物質が、歯周病菌のホルマリン不活化破砕菌体である請求項4に記載の点眼ワクチン。
  6. リポソームが、pH感受性リポソームである請求項1に記載の点眼ワクチン。
  7. リポソームが、
    ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジオレイルホスファチジルコリン、卵黄レシチン、ジオレイルホスファチジルエタノールアミン、ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン、ジオレイルホスファチジルセリン、ジパルミトイルホスファチジルセリン、ジミリストイルホスファチジン酸、ジパルミトイルホスファチジン酸、ジステアロイルホスファチジン酸、ジセチルリン酸、ジミリストイルホスファチジルグリセロール、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール、ジステアロイルホスファチジルグリセロール、コレステロールからなる群より選ばれた少なくとも一種以上の脂質と、
    サクシニル化ポリグリシドール、3-メチルグルタリル化ポリグリシドールからなる群れより選ばれた少なくとも一種以上のカルボキシル基修飾ポリグリシドールと、
    を含む請求項6に記載の点眼ワクチン。
  8. リポソームが、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジオレイルホスファチジルエタノールアミン、モノホスホリルリピッドA、3-メチルグルタリル化ポリグリシドールの組み合わせから構成される請求項7に記載の点眼ワクチン。
  9. 請求項1から請求項8に記載の点眼ワクチンを、非ヒト哺乳動物に点眼投与する免疫誘導方法。
  10. 非ヒト哺乳動物が、犬又は猫である請求項9に記載の免疫誘導方法。
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