JP2018154230A - ハイブリッド車両の制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】ハイブリッド車両の制御システムにおいて、バッテリの充電量を確保しつつ、走行時における燃費を向上させることである。【解決手段】制御システム10は、エンジン12、発電機、バッテリ16、駆動モータ、クラッチ22、及び制御装置を含む。制御装置は、走行モードとして、EVモード、シリーズモード、及びパラレルモードを切り換えて車両を走行させる。制御装置は、パラレルモードが選択された場合に、車速に対応するエンジン回転数に対し最高効率または高効率領域の動作点でエンジンを運転させ、かつ、バッテリのSOCが低くなるほどパラレルモードにおいてエンジンを動作させる回転数範囲を、エンジンの熱効率を用いて定義される効率の下限が低くなる方向で広くすることにより、パラレルモードの選択条件を変更する。【選択図】図1
Description
本発明は、ハイブリッド車両の制御システムに関する。
特許文献1には、エンジンと駆動モータとが搭載されたハイブリッド車両において、走行モードとしてEVモード、シリーズモード及びパラレルモードを切り換えて走行する車両が記載されている。ここで、EVモードは、エンジンを作動させずにバッテリからの電力により駆動モータを駆動させて走行するモードである。シリーズモードは、エンジンにより発電機を駆動して発電し、駆動モータで走行駆動するモードである。パラレルモードは、エンジン及び駆動モータの両方によって走行可能なモードである。
また、特許文献1には、車両の走行速度を検出する手段と、バッテリの充電率を検出する手段と、走行モードの切換を行う切替制御手段とを含む走行モード切替制御装置も記載されている。切替制御手段は、検出された充電率が所定値以下の際には、低車速でパラレルモード以外のモードからパラレルモードに切り換え、検出された充電率が所定値を上回る際には、高車速でパラレルモード以外のモードからパラレルモードに切り換える。
特許文献1に記載された切替制御装置では、パラレルモード以外のモードからパラレルモードへの切換が車両の走行速度によって行われる。この切替制御装置では、エンジンの効率に無関係に、モード切替が行われる。これにより、走行時における燃費向上の面から改良の余地がある。
本発明のハイブリッド車両の制御システムの目的は、バッテリの充電量を確保しつつ、走行時における燃費を向上させることである。
本発明の1つの態様は、エンジンと、前記エンジンにより駆動される発電機と、前記発電機から電力を供給されて充電されるバッテリと、前記バッテリから供給される電力で車両の駆動輪を駆動する駆動モータと、前記エンジン及び前記駆動輪の間の動力伝達を断接するクラッチと、制御装置と、を備え、前記制御装置は、走行モードとして、前記クラッチを開放するとともに前記エンジンの駆動を停止し、前記バッテリから供給された電力により前記駆動モータを駆動して前記駆動輪を駆動するEVモードと、前記クラッチを開放するとともに前記エンジンにより前記発電機を駆動して発電した電力により前記駆動モータを駆動して前記駆動輪を駆動するシリーズモードと、前記クラッチを接続して前記エンジンの駆動により前記駆動輪を駆動するパラレルモードと、を切り換えて車両を走行させるハイブリッド車両の制御システムであって、前記制御装置は、前記パラレルモードが選択された場合に、車速に対応するエンジン回転数に対し最高効率または高効率領域の動作点で前記エンジンを運転させ、かつ、前記バッテリの設定された満充電量に対する充電割合であるSOCが低くなるほど前記パラレルモードにおいて前記エンジンを動作させる回転数範囲を、前記エンジンの熱効率を用いて定義される効率の下限が低くなる方向で広くすることにより、前記パラレルモードの選択条件を変更する。
本発明によれば、パラレルモードでは、車速に対応するエンジン回転数に対し効率のよい最高効率または高効率領域の動作点でエンジンが運転される。また、バッテリのSOCが低くなるほど、パラレルモードにおいてエンジンを動作させる回転数範囲が、エンジンの熱効率を用いて定義される効率の下限が低くなる方向で広がる。これにより、SOCに余裕がある場合には、その効率が高くなる回転数範囲のみとなるように、パラレルモードにおけるエンジンの運転可能な回転数範囲が狭くなり、燃費が向上する。また、SOCが低下する場合には、エンジンの運転可能な回転数範囲が広がることにより、バッテリの充電量を確保できる。したがって、バッテリの充電量を確保しつつ、走行時における燃費向上を図れる。
図1は、実施形態のハイブリッド車両の制御システム10の構成図である。以下では、同様の要素には同一の符号を付して説明する。ハイブリッド車両は、エンジン12と、第2モータジェネレータ14とを備え、エンジン12及び第2モータジェネレータ14の一方または両方を駆動源として走行する。第2モータジェネレータ14は、車両の減速時に制動力を吸収して回生電力として発電させ、発電した電力をバッテリ16に供給してバッテリ16を充電させる機能も有する。第2モータジェネレータ14は、駆動モータに相当する。
さらに、ハイブリッド車両は、エンジン12により増速歯車機構18を介して駆動され発電する第1モータジェネレータ20を備える。第1モータジェネレータ20で発電した電力はバッテリ16に供給されてバッテリ16が充電される。第1モータジェネレータ20は、バッテリ16から電力が供給された場合に駆動して、走行用またはエンジン12の始動用のモータとしても機能する。第1モータジェネレータ20は、発電機に相当する。
なお、以下では、第1及び第2モータジェネレータ20,14を備えるハイブリッド車両を説明するが、ハイブリッド車両はこれに限定しない。例えば、ハイブリッド車両は、第1及び第2モータジェネレータの代わりに駆動モータとしての機能を持たない発電機と、発電機の機能を持たない駆動モータとを備える構成としてもよい。以下では、第1モータジェネレータ20は、第1MG20と記載し、第2モータジェネレータ14は第2MG14と記載する場合がある。
制御システム10は、上記のエンジン12、第1MG20、バッテリ16、及び第2MG14と、クラッチ22、変速機24、メインコントローラ26、PCU28及びECU30とを備える。バッテリ16は、第1MG20から電力を供給されて充電される。第2MG14は、バッテリ16から供給される電力で、車両の駆動輪32を駆動する。駆動輪32は、車軸に接続される。クラッチ22は、エンジン12の出力軸及び駆動輪32の間の動力伝達部21に配置され、後述のメインコントローラ26による制御によって、エンジン12及び駆動輪32の間の動力伝達を断接する。動力伝達部21は、クラッチ22、差動歯車機構23、変速機24及び車軸を含む。例えばクラッチ22は、メインコントローラ26により制御され、クラッチ22を断接するための電動式または油圧式のアクチュエータを含む。
変速機24は、動力伝達部21において、エンジン12とクラッチ22との間に配置される。例えば変速機24は、車両の前進用の変速段について、低速段及び高速段の2段のみを含む。変速機24は、メインコントローラ26による制御によって、低速段及び高速段の一方が選択されて動力伝達部21のエンジン側とクラッチ側とを、選択した変速段で接続する。これにより、エンジン12は、変速機24及びクラッチ22を介して車軸に動力の伝達可能に連結される。この車軸には、第2MG14の出力軸も、動力の伝達可能に連結される。
メインコントローラ26は、CPU及びメモリ等の記憶装置を含む。メインコントローラ26は制御装置に相当する。メインコントローラ26には、クラッチ22、変速機24、図示を省略するアクセルペダルセンサ、車速センサ、レバーセンサ、PCU28のモータコントローラ、及びECU30が接続され、これらの機器から検出値及び作動状態を表す信号が入力される。
アクセルペダルセンサは、車両のアクセルペダルの操作量を検出する。車速センサは車両の速度を検出する。
メインコントローラ26は、アクセルペダルセンサの検出値から車両要求駆動力及び走行要求トルクを算出する。車両要求駆動力及び走行要求トルクは、車速センサの検出値及びアクセルペダルセンサの検出値の両方に基づいて算出されてもよい。
レバーセンサは、運転者により操作される変速レバー(図示せず)の操作位置を検出する。メインコントローラ26は、レバーセンサの操作位置の情報に基づいて、変速機24に変速のための制御信号を出力する。メインコントローラ26は、車速センサの検出値及び変速レバーの操作位置に基づいて、エンジン回転数を算出する。なお、車両において、エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサが設けられてもよい。このとき、エンジン回転数センサの検出値を表す信号はメインコントローラ26に入力される。
メインコントローラ26は、走行要求トルクと、検出されたエンジン回転数とから予め設定された関係式またはマップに応じて、車両の動作点を算出する。また、メインコントローラ26は、予め設定されたエンジン動作線と検出されたエンジン回転数とから、後述のパラレルモード選択時におけるエンジン12の動作点を算出する。
メインコントローラ26には、電流センサ(図示せず)からバッテリ16の入出力電流の検出値が入力され、電圧センサ(図示せず)からバッテリ16の両端電圧の検出値が入力される。メインコントローラ26は、電流センサ及び電圧センサの検出値の一方または両方を用いて、バッテリ16の充電割合であるSOC(State Of Charge)を算出する。SOCは、バッテリ16において設定された満充電量に対する充電割合である。ハイブリッド車両がバッテリ監視ユニット(図示せず)を備え、このバッテリ監視ユニットがバッテリ16のSOCを検出し、検出したSOCを表す信号がメインコントローラ26に入力される構成としてもよい。
メインコントローラ26は、PCU28に対し、第1MG20及び第2MG14それぞれの駆動用、発電用の制御信号を出力する。
さらに、メインコントローラ26は、走行モードとして、EVモード、シリーズモード、及びパラレルモードを切り換えて車両を走行させる。これについては後で説明する。
PCU28は、モータコントローラと、第1インバータ及び第2インバータとを有する。各インバータは、複数のスイッチング素子を有する。第1インバータは、スイッチング素子のスイッチングにより、バッテリ16からの直流電流を交流電流に変換して、第1MG20に供給し、第1MG20を駆動させる。第2インバータは、スイッチング素子のスイッチングにより、バッテリ16からの直流電流を交流電流に変換して、第2MG14に供給し、第2MG14を駆動させる。モータコントローラは、メインコントローラ26からの制御信号を受け取って第1及び第2MG20、14の駆動及び発電を、対応するインバータを介して制御する。第2MG14の出力は、差動歯車機構23を介して前輪または後輪である左右の駆動輪32に伝達される。これにより、第2MG14は、バッテリ16から供給される電力で駆動輪32を駆動する。エンジン12の出力は、変速機24、クラッチ22及び差動歯車機構23を介して左右の駆動輪32に伝達される。このため、クラッチ22が開放された状態では、エンジン12及び第2MG14のうち、第2MG14のみの出力が駆動輪32に伝達される。
ECU30は、エンジンコントローラであり、メインコントローラ26から出力される制御信号によってエンジン12の運転状態を制御する。メインコントローラ26は、モータコントローラ及びECU30の一方または両方と統合して、1つの制御装置を構成することもできる。
次に、メインコントローラ26による走行モードの切換について説明する。EVモードは、クラッチ22を開放するとともに、エンジン12の駆動を停止し、バッテリ16から供給された電力により第2MG14を駆動することにより駆動輪32を駆動して、車両を走行させるモードである。
シリーズモードは、クラッチ22を開放するとともに、エンジン12により第1MG20を駆動して発電した電力により第2MG14を駆動することにより駆動輪32を駆動して、車両を走行させるモードである。このとき、クラッチ22が開放されているので、エンジン12の動力はクラッチ22で遮断され、駆動輪32には伝達されない。第1MG20で発電された電力はバッテリ16に供給されバッテリ16が充電され、バッテリ16から第2MG14に電力が供給されて第2MG14が駆動される。シリーズモードでは、エンジン12を高効率で運転させる回転数で回転させて、燃費を良好な範囲に維持する。例えば、エンジン12は後述のようにエンジン回転数及びエンジントルクから定まる点bp(図2)で熱効率が最大となる。シリーズモードでは、点bpまたは点bpの近傍の点に対応する回転数でエンジンを回転させることができる。
パラレルモードは、クラッチ22を接続してエンジン12の駆動力を変速機24、クラッチ22、差動歯車機構23を介して駆動輪32に伝達することにより、駆動輪32を駆動して、車両を走行させるモードである。このとき、エンジン12の出力の一部により第1MG20が駆動され、発電した電力がバッテリ16に供給され、バッテリ16が充電されることが可能である。また、パラレルモードにおいて、バッテリ16から供給された電力により第2MG14が駆動され、その第2MG14の駆動力がエンジン12の駆動力とともに、駆動輪32に伝達されてもよい。このようなパラレルモードでは、車両の要求駆動力を実現しやすい。
メインコントローラ26は、パラレルモードが選択された場合に、車速に対応するエンジン回転数に対し最高効率の動作点としての負荷点でエンジン12を運転させる。図2は、実施形態において、パラレルモードでエンジン12を運転する際のエンジン動作線の範囲であるエンジン駆動範囲を示す図である。図2では、線a1がエンジン12の全負荷トルクを示し、線a2がエンジン動作線を示す。また、図2の線b1、b2、b3は、エンジン12の等熱効率線を示し、点bpはエンジン12の熱効率が最大となる点である。図2に示すようにエンジン動作線a2は、パラレルモードでのエンジン駆動範囲において、点bpを含んでおり、エンジン回転数に対して最も熱効率が高くなる点を通るように設定される。なお、パラレルモードにおいて、図2に一点鎖線a3の枠で示すようにa2のエンジン動作線を中心として所定トルクの幅を持った、高効率領域の動作点でエンジン12を運転させてもよい。
ここで、車両の走行上要求される車両走行要求出力がエンジン出力未満の場合には、第1MG20が負荷となり発電を行うことにより、エンジン12の走行上の余剰出力を用いてバッテリ16の充電が行われる。この際、エンジン出力に対する車両走行要求出力の割合をαとし、エンジン12の熱効率をηeとし、第1MG20の発電効率をηMGとした場合に、パラレルモードでは、(1−α)の割合でエンジン出力の一部によって、発電が行われる。この場合、パラレルモードにおけるシステム効率ηSを次の(1)式のように定義する。
ηS=ηe×{α+(1−α)×ηMG} ・・・(1)
(1)式から理解されるように、システム効率ηSはエンジン12の熱効率ηeに割合αを乗じたものと、エンジン12の熱効率ηeに割合(1−α)と発電効率ηMGとを乗じたものとの和である。発電効率ηMGは、第1MG20の回転数と吸収トルクの大きさとから決定される。
図3は、実施形態において、第1MG20の回転数及び吸収トルクに対する発電効率の等効率線を示す図である。図3で示すように、発電効率は矢印cで示す方向に高くなる。図3から理解されるように発電効率ηMGは、第1MG20の回転数及び吸収トルクから算出される。第1MG20の回転数は、エンジン回転数の検出値から求められる。
図4は、実施形態において、パラレルモードにおけるシステム効率ηS及びエンジントルクの分配を説明するための図である。図4に示すように、エンジン12の出力が、割合αで車軸に伝達され、割合(1−α)で第1MG20に伝達される。このとき、エンジン12の熱効率ηeに対して、車軸に伝達される際の効率はηeであり、エンジン12で駆動される第1MG20の発電効率はηe×ηMGである。これらの効率にトルクの分配割合を乗じた値の和が(1)式のシステム効率ηSである。
エンジントルクTeは、車軸に伝達されるトルク(α×Te)と、第1MG20に伝達されるトルク((1−α)×Te)とに分けられる。第1MG20に伝達されるトルクが吸収トルクとなるので、この吸収トルクと第1MG20の回転数とを用いて、第1MG20の発電効率が求められる。
上記の制御システム10において、メインコントローラ26は、パラレルモード以外のモードと、パラレルモードとの間の運転切換を、バッテリ16のSOCに応じて、パラレルモードでエンジン12を動作させる回転数範囲を変化させることにより制御する。具体的には、メインコントローラ26は、バッテリ16のSOCが低くなるほど、パラレルモードにおいてエンジン12を動作させる回転数範囲であるエンジン駆動範囲を、エンジン12の熱効率ηeを用いて定義される効率の下限が低くなる方向で広くする。ここでは、エンジン12の熱効率ηeを用いて定義される効率を、システム効率ηsとする。これにより、メインコントローラ26は、パラレルモードの選択条件を変更する。この構成により、後述のように、バッテリ16の充電量を確保しつつ、走行時における燃費向上を図れる。
また、メインコントローラ26は、検出されたSOCが予め設定された第1閾値SOC1以上であれば、強制的にEVモードを選択するように走行モードを切り換える。これにより、バッテリ16の電力が第2MG14に供給されて駆動することにより、バッテリ16が過充電となることを効率よく防止できる。
図5は、実施形態において、エンジン回転数及び走行要求トルクの関係でパラレルモードの選択域を示す図である。上記の(1)式で示したパラレルモードにおけるシステム効率ηSについて、エンジン回転数と走行要求トルクとの関係で、等効率線が、図5のD1,D2,D3のように表される。これにより、パラレルモードにおいてエンジン12を動作させるエンジン回転数範囲は、システム効率により規定することが合理的であることが分かる。具体的には、システム効率ηSの下限をシステム効率下限ηS_limとした場合に、パラレルモードにおいてエンジン12を動作させる回転数範囲を、システム効率下限ηS_lim以上の効率に対応する回転数範囲とする。パラレルモードにおけるシステム効率ηSの上限は、予め設定された上限値ηS_max(図6参照)に設定される。
図6は、実施形態において、SOCに対するシステム効率下限ηS_limの関係を示す図である。ここで、図6に示すように、システム効率下限ηS_limとSOCとの関係が、SOCが小さくなるのに従ってシステム効率下限ηS_limが低くなるように予め設定され、メインコントローラ26の記憶部にこの関係が記憶される。図6に示す関係では、システム効率下限ηS_limがSOCの増大にしたがって直線的に増加する。メインコントローラ26は、SOCが予め設定された第1閾値SOC1以上の場合に、システム効率下限ηS_limをシステム効率ηSの予め設定された上限値ηS_max以上とし、エンジン12の運転を禁止する。このときには、走行モードはEVモードに選択され、車両が第2MG14の駆動力で駆動される。
図6に示すように、システム効率下限ηS_limには、パラレルモードにおけるシステム効率の下限値ηS_minが設定されている。メインコントローラ26は、SOC及びシステム効率下限ηS_limの関係と、検出されたSOCとからシステム効率下限ηS_limを算出する。そして、メインコントローラ26は、検出されたSOCが予め設定された第2閾値SOC2を下回ることにより、算出されたシステム効率下限ηS_limが予め設定された下限値ηS_minを下回る場合には、走行モードをシリーズモードに切り換える。これにより、燃費効率が高いシリーズモードで車両を走行させることができる。このとき、下限値ηS_minは、エンジン12の熱効率の最大効率である上限値ηe_max、及び第1MG20の発電効率ηMGの積の最大値(最大発電効率)と等しくなるように設定することが好ましい。この好ましい構成によれば、シリーズモードの方が、パラレルモードより高効率となることが補償される。
図6では、検出されたSOCが第2閾値SOC2と一致した場合を示している。この場合には、図6のシステム効率下限ηS_limとSOCとの関係を表す線であるシステム効率下限線上の第2閾値SOC2に対応する点E1から、現在のシステム効率下限ηS_limが設定される。図6では、システム効率下限線を、ηS_lim線と示している(図10も同様である)。この場合には、システム効率下限ηS_limは下限値ηS_minとなり、パラレルモードの選択域が最大となる。このときには、図5で、システム効率下限ηS_limがD1となり、パラレルモードにおけるエンジン駆動範囲が図5に矢印で示す範囲となり、広がっている。図6のシステム効率下限線は、下限値ηS_min及び上限値ηS_maxを結ぶ直線の線分が、下限値ηS_minの下側、及び上限値ηS_maxの上側に直線状に延長されるように伸びている。
一方、図6で、検出されたSOCが第2閾値SOC2より大きくなると、図6のシステム効率下限線上で、SOCに対応するシステム効率下限ηS_limが下限値ηS_minより大きくなる。例えば、検出されたSOCがE2(図6)に対応する値である場合には、システム効率下限ηS_limは図6の一点鎖線Fで表わす値となる。この場合には、パラレルモード選択域は、矢印βで示すように最大のパラレルモードの選択域より狭くなる。
図7は、実施形態において、システム効率下限ηS_limが高くなる場合における図5に対応する図である。図7は、システム効率下限ηS_limが図6の一点鎖線Fと、図5のD3とで表す値となった場合に対応する。この場合には、パラレルモード選択域が図5で示した場合より狭くなる。これによって、パラレルモードにおいてエンジン12を駆動させる回転数範囲(エンジン駆動範囲)も、図5で示した場合より狭くなる。このため、パラレルモードが選択される機会が少なくなる。一方、この場合にはパラレルモードにおけるエンジン駆動範囲が、システム効率ηSが高くなる回転数範囲のみとなるので、パラレルモードにおける燃費の向上を図れる。
図8は、実施形態において、走行要求トルク及びエンジン回転数に応じた車両及びエンジン12の動作点を、パラレルモード選択域との関係で示す図である。
メインコントローラ26は、パラレルモードでエンジン12を駆動する場合のエンジントルクと、走行要求トルクとの関係で、現在の車両の動作点がパラレルモード選択域に入るか否かを判定する。メインコントローラ26は、その選択域に動作点が入らない場合には、EVモードまたはシリーズモードを選択する。以下では、変速機24の変速段が1つに固定される場合を説明する。この場合、エンジン回転数の増加にしたがって車速が高くなる。なお、以下ではパラレルモードにおいて第2MG14を駆動しない構成で説明するが、第2MG14を駆動させてもよい。このときには、バッテリのSOCが減少する一方、第2MG14の駆動力分、エンジンにおいて走行に必要なトルクが小さくなる。または、エンジンのトルク以上の走行トルクを第2MG14が賄うことができる。
例えば、図8において、低速側で走行要求トルクが小さい点A1に車両の動作点がある場合には、システム効率ηSがシステム効率下限ηS_limより低いので、パラレルモードとはせずに、EVモードまたはシリーズモードが選択される。このとき、図6のシステム効率下限線で示す関係と、検出されたSOCとから、SOCに対応するシステム効率下限ηS_limが決定される。そして、決定されたシステム効率下限ηS_limが下限値ηS_minを下回る場合、すなわちSOCが第2閾値SOC2より低い場合にはシリーズモードが選択される。シリーズモード及びEVモードの選択については、後で図10を用いて説明する。
図8において、点A1と同じエンジン回転数で、走行要求トルクが点A1より高い点A2に車両の動作点がある場合には、パラレルモード選択域に入るので、パラレルモードで運転される。このとき、エンジン12は、図9で「エンジントルク」として示した高効率のエンジン動作線上で、点A1とエンジン回転数が同じである動作点Aで運転される。この場合、エンジン12が発生するトルクのうち、走行に必要なトルクを除いた残りが第1MG20に吸収トルクとして吸収され、第1MG20が発電する。
図8において、点A1、A2より車速が高い点B1、点B2に車両の動作点がある場合には、パラレルモードで運転される。このとき、エンジン12は高効率のエンジン動作線上で、点B1、B2とエンジン回転数が同じである動作点Bで運転される。
図9は、図8の2つの動作点B1,B2において、エンジン出力に対する車両走行要求出力の割合αに対するシステム効率ηSの関係を示す図である。図9に示すように、エンジントルクに対する走行要求トルクが高くなるほど、システム効率は高くなる。
図10は、実施形態において、SOCに対するシステム効率下限ηS_limとシステム効率ηSとの関係を示す図である。図10に示すように、EVモード、シリーズモード、及びパラレルモードの選択域が設定される。図10の砂地部分は、システム効率下限線とSOC及び上限値ηS_maxと、SOCの上限値としての上限SOCとの関係から設定される第1EVモード選択域である。図10のグレー部分は、システム効率下限線、システム効率ηS、SOC及び第2閾値SOC2と、上限SOCとの関係から設定される第2EVモード選択域である。
図10の斜線部は、システム効率下限線とSOC及び下限値ηS_minとの関係から設定される第1シリーズモード選択域である。図10の斜格子部は、SOCと、予め設定され第2閾値SOC2より低く、パラレルモードで許容されるSOCの下限値としての下限SOCと、上限値ηS_maxとの関係から設定される第2シリーズモード選択域である。そして、図10の台形状の白抜き部が、パラレルモードにおける選択域である。図10に示したEVモード、シリーズモード、及びパラレルモードの選択域は1例であり、これに限定されるものではない。
図11は、実施形態において、走行モードの選択方法を示すフローチャートである。図11のフローチャートに示す選択方法における選択は、メインコントローラ26により実行され、その選択に応じた走行モードで、ECU30、PCU28、及びクラッチ22が制御される。
図11のステップS10では、システム効率下限ηS_lim及びシステム効率ηSが算出される。以下、ステップSはSと記載する。システム効率ηSは、(1)式を用いて算出される。S12では、システム効率下限ηS_limが上限値ηS_maxを上回るか否かが判定され、その判定結果が肯定、すなわちYESであればS14でEVモードが選択される。このときに選択されるEVモードは、第1EVモード選択域に対応する。
S12の判定結果が否定、すなわちNOであればS16に移行する。S16では、システム効率ηSがシステム効率下限線(ηS_lim線)より低く、かつ、SOCが第2閾値SOC2以上か否かが判定される。S16の判定結果がYESであればS14でシリーズモードが選択される。このときに選択されるEVモードは、第2EVモード選択域に対応する。
S16の判定結果がNOであればS18でシステム効率下限ηS_limが下限値ηS_minを下回るか否かが判定され、その判定結果がYESであればS20でシリーズモードが選択される。このときに選択されるシリーズモードは、第1シリーズモード選択域に対応する。
S18の判定結果がNOであればS22に移行する。S22では、SOCが下限SOC以下か否かが判定され、その判定結果がYESであればS20でシリーズモードが選択される。このときに選択されるシリーズモードは、第2シリーズモード選択域に対応する。
S22の判定結果がNOであればS24でパラレルモードが選択される。S14,S20,S24でモードの選択が終了した場合には、再度S10に戻ってS10からS24の処理が繰り返される。
上記の制御システム10によれば、パラレルモードでは、車速に対応するエンジン回転数に対し効率のよい最高効率の動作点でエンジン12が運転される。また、バッテリ16のSOCが低くなるほど、パラレルモードにおいてエンジン12を動作させる回転数範囲が、エンジン12の熱効率を用いて定義されるシステム効率の下限が低くなる方向で広がる。これにより、SOCに余裕がある場合には、そのシステム効率が高くなる回転数範囲のみとなるように、パラレルモードにおけるエンジン12の運転可能な回転数範囲が狭くなり、燃費が向上する。また、SOCが低下する場合には、システム効率が低下する方向であってもエンジン12の運転可能な回転数範囲が広がることにより、バッテリ16の充電量を確保できる。このときには、パラレルモードから、バッテリ16の電力を多く消費するEVモードへの切換が生じにくくなる。また、パラレルモードでの運転における燃費を向上できることで、効率の悪い運転状態を少なくできる。したがって、バッテリ16の充電量を確保しつつ、走行時における燃費向上を図れる。
さらに、SOCが高い場合には、充電要求が低いので、パラレルモードにおけるエンジン12の回転数についての駆動範囲を狭くすることにより、EVモードがより多くの機会で選択されやすくなる。
図12は、実施形態の別例において、図6に対応する図である。SOCとシステム効率下限ηS_limとの関係を表すシステム効率下限線は、図6のように直線状のものに限定せず、図12のように折れ曲がった特性を有する線としてもよい。図12のシステム効率下限線では、第1閾値SOC1でシステム効率下限が上限値に達せず、SOCの増大にしたがって予め設定される上限SOC付近まで一定に維持される。システム効率下限線は、上限SOC付近で上限値ηS_maxを超えるようにステップ状に変化する。図12のシステム効率下限線を用いる場合、第1閾値SOC1から上限SOC付近まで高いシステム効率のパラレルモードで運転して、システム効率ηSをパラレルモードにおける最大効率付近に維持することができる。
図13は、実施形態の別例において、図6に対応する図である。SOCとシステム効率下限ηS_limとの関係を表すシステム効率下限線は、図13のように曲線状の特性を有する線としてもよい。図13のシステム効率下限線では、上限値ηS_maxと交わる場合のSOCである第1閾値SOC1が上限SOCに近づく。また、このシステム効率下限線では、第2閾値SOC2から第1閾値SOC1の近くまでシステム効率下限を低く維持する。これにより、パラレルモード選択域を広くできるので、エンジン運転機会を増やすことができる。このため、パワーモード運転を行いやすい。
メインコントローラ26は、第1閾値SOC1を固定値とするのではなく、運転者の選択に応じて、上限SOCと第2閾値SOC2との間で変更可能とする構成としてもよい。例えば、ハイブリッド車両の運転者が、操作部(図示せず)によりパワーモード運転を指示した場合に、図13のシステム効率下限線を用い、パワーモード運転の指示がない場合には図6のシステム効率下限線を用いて通常運転を行う構成としてもよい。
一方、ハイブリッド車両の運転者が操作部によりEV優先モードを指示した場合に、運転で使用するシステム効率下限線を、図6のシステム効率下限線から、第1閾値SOC1を第2閾値SOC2に近づけたシステム効率下限線に変更する構成としてもよい。この場合には、SOCの変化でEVモードに移行する機会が増える。
また、実施形態の別例として、メインコントローラ26は、第1閾値SOC1を車両の運転状況の履歴に応じて変更可能とする、すなわち学習によって第1閾値SOC1を変更可能としてもよい。例えば、車両が、バッテリ16を外部から充電可能なプラグイン型ハイブリッド車両である場合に、運転時のSOCの履歴と、外部充電の頻度の履歴とがメインコントローラ26で記憶されてもよい。メインコントローラ26は、その履歴から第1閾値SOC1を変化させる。例えば、運転時にSOCの減少の頻度が多いことと、外部充電の頻度が多いこととの一方または両方がある場合に、第1閾値SOC1を上限SOC側に近づけることができる。これにより、パラレルモードでのエンジンの運転機会を多くできる。一方、運転時にSOCの減少の頻度が少なく、かつ、外部充電の頻度が少ない場合に、車両の走行要求トルクが低い状態が多いと判断して、第1閾値SOC1を第2閾値SOC2側に近づけることもできる。これによりEVモードに移行する機会が増える。
図14は、実施形態の別例において、エンジン回転数に対してエンジン12の動作線上の熱効率ηeを表す動作線上効率線Lと、パラレルモードでのエンジン駆動範囲とを示す図である。図15は、実施形態の別例において、SOCに対するエンジン12の熱効率ηeの下限である熱効率下限ηe_limの関係を示す図である。
図14、図15に示す別例では、パラレルモード選択域を決定するために、システム効率ではなく、エンジン12の熱効率ηeを、エンジン12の熱効率を用いて定義される効率として用いている。上記の図2を用いて説明したように、パラレルモードにおいてエンジン動作線a2は、エンジン回転数に対して最も熱効率ηeが高くなる点を通るように設定される。図14で熱効率ηeが最大効率である上限値ηe_maxとなる点Gは、図2の点bpに対応する。これにより、パラレルモードにおいてエンジン12を動作させるエンジン回転数範囲は、熱効率ηeにより規定することが合理的であることが分かる。具体的には、熱効率ηeの下限を熱効率下限ηe_limとした場合に、パラレルモードにおいてエンジン12を動作させる回転数範囲を、熱効率下限ηe_lim以上の効率に対応する回転数範囲(エンジン駆動範囲)とする。
図15に示すように、熱効率下限ηe#limとSOCとの関係が、SOCが小さくなるのに従って熱効率下限が低くなるように予め設定され、メインコントローラ26の記憶部にこの関係が記憶される。図15に示す関係では、熱効率下限ηe_limがSOCの増大にしたがって直線的に増加する。メインコントローラ26は、SOCが予め設定された第1閾値SOC1a以上の場合に、熱効率下限ηe#limを熱効率の最大効率である上限値ηe_max以上とし、エンジン12の運転を禁止する。このときには、走行モードはEVモードに選択され、車両が第2MG14の駆動力で駆動される。
図15に示すように、熱効率下限ηe_limには、パラレルモードにおける熱効率の下限値ηe_minが設定されている。メインコントローラ26は、SOC及び熱効率下限ηe_limの関係と、検出されたSOCとから熱効率下限ηe_limを算出する。そして、メインコントローラ26は、検出されたSOCが予め設定された第2閾値SOC2aを下回ることにより、算出された熱効率下限ηe_limが予め設定された下限値ηe_minを下回る場合には、走行モードをシリーズモードに切り換える。これにより、燃費効率が高いシリーズモードで車両を走行させることができる。このとき、下限値ηe_minは、エンジン12の熱効率の上限値ηe_max、及び第1MG20の発電効率ηMGの積の最大値(最大発電効率)と等しくなるように設定することが好ましい。この好ましい構成によれば、シリーズモードの方が、パラレルモードより高効率となることが補償される。
図15では、検出されたSOCが第2閾値SOC2aと一致した場合を示している。この場合には、図15の熱効率下限ηe_limとSOCとの関係を表す線である熱効率下限線上の第2閾値SOC2aに対応する点E1aから、現在の熱効率下限ηe_limが設定される。図15では熱効率下限線をηe_lim線と示している(図16も同様である)。この場合には、熱効率下限ηe_limは下限値ηe_minとなり、パラレルモードの選択域が最大となる。このときには、図14で、熱効率下限ηe#limがD1aとなり、パラレルモードにおけるエンジン駆動範囲が図14に矢印γ1で示す範囲となり、広がっている。図15の熱効率下限線は、下限値ηe_min及び上限値ηe_maxを結ぶ直線の線分が、下限値ηe_minの下側、及び最大効率である上限値ηe_maxの上側に直線状に延長されるように伸びている。
一方、図15で、検出されたSOCが第2閾値SOC2aより大きくなると、図15の熱効率下限線上で、SOCに対応する熱効率下限ηe_limが下限値ηe_minより大きくなる。この場合には、図14において、熱効率下限ηe_limが、一点鎖線D2aとなる。このとき、パラレルモード選択域のエンジン回転数範囲は、図14に矢印γ2で示す範囲となり、最大のパラレルモードの選択域のエンジン回転数範囲(矢印γ1範囲)より狭くなる。これにより、矢印γ2で示す選択域では、パラレルモードが選択される機会が少なくなる。一方、この場合にはパラレルモードにおけるエンジン駆動範囲が、熱効率ηeが高くなる回転数範囲のみとなるので、パラレルモードにおける燃費の向上を図れる。
図16は、実施形態の別例において、SOCに対する熱効率下限ηe_limと熱効率ηeとの関係を示す図である。図16に示すように、EVモード、シリーズモード、及びパラレルモードの選択域が設定される。図16の砂地部分は、熱効率下限線とSOC及び上限値ηe_maxと、上限SOCとの関係から設定される第1EVモード選択域である。図16のグレー部分は、熱効率下限線、熱効率ηe、SOC及び第2閾値SOC2aと、上限SOCとの関係から設定される第2EVモード選択域である。
図16の斜線部は、熱効率下限線とSOC及び下限値ηe_minとの関係から設定される第1シリーズモード選択域である。図16の斜格子部は、SOCと、予め設定され第2閾値SOC2aより低い下限SOCとの関係から設定される第2シリーズモード選択域である。そして、図16の台形状の白抜き部が、パラレルモードにおける選択域である。図16に示したEVモード、シリーズモード、及びパラレルモードの選択域は1例であり、これに限定されるものではない。
図17は、実施形態の別例において、走行モードの選択方法を示すフローチャートである。図17のS30では、熱効率下限ηe_lim及び熱効率ηeが算出される。熱効率ηeは、予め設定された動作線上効率線L(図14)とエンジン回転数とから算出される。S32では、熱効率下限ηe_limが上限値ηe_maxを上回るか否かが判定され、その判定結果がYESであればS34でEVモードが選択される。このときに選択されるEVモードは、第1EVモード選択域に対応する。
S32の判定結果がNOであればS36に移行する。S36では、熱効率ηeが熱効率下限線(ηe_lim線)より低く、かつ、SOCが第2閾値SOC2a以上か否かが判定される。S36の判定結果がYESであればS34でシリーズモードが選択される。このときに選択されるEVモードは、第2EVモード選択域に対応する。
S36の判定結果がNOであればS38で熱効率下限ηe_limが下限値ηe_minを下回るか否かが判定され、その判定結果がYESであればS40でシリーズモードが選択される。このときに選択されるシリーズモードは、第1シリーズモード選択域に対応する。
S38の判定結果がNOであればS42に移行する。S42では、SOCが下限SOC以下か否かが判定され、その判定結果がYESであればS40でシリーズモードが選択される。このときに選択されるシリーズモードは、第2シリーズモード選択域に対応する。
S42の判定結果がNOであればS44でパラレルモードが選択される。S34,S40,S44でモードの選択が終了した場合には、再度S30に戻ってS30からS44の処理が繰り返される。
上記の構成の場合も、図1から図11の構成と同様に、パラレルモードでは、エンジン回転数に対し効率のよい最高効率の動作点でエンジン12が運転される。また、バッテリ16のSOCが低くなるほど、パラレルモードにおいてエンジン12を動作させる回転数範囲が、エンジン12の熱効率の下限が低くなる方向で広がる。これにより、SOCに余裕がある場合には、熱効率が高くなる回転数範囲のみとなるように、パラレルモードにおけるエンジン12の運転可能な回転数範囲が狭くなり、燃費が向上する。また、SOCが低下する場合には、熱効率が低下する方向であってもエンジン12の運転可能な回転数範囲が広がることにより、バッテリ16の充電量を確保できる。このときには、パラレルモードからEVモードへの切換が生じにくくなる。また、パラレルモードでの運転における燃費を向上できることで、効率の悪い運転状態を少なくできる。したがって、バッテリ16の充電量を確保しつつ、走行時における燃費向上を図れる。
さらに、SOCが高い場合には、充電要求が低いので、パラレルモードにおけるエンジン12の回転数についての駆動範囲を狭くすることにより、EVモードがより多くの機会で選択されやすい。
また、本例の構成によれば、図1から図11の構成のようにシステム効率を用いる場合と異なり、発電効率及び走行要求トルクを求める必要がないので、計算を簡略化できる。一方、図1から図11の構成で制御する方が、本例の構成で制御する場合より車両の効率を高く維持できる可能性がある。本例において、その他の構成及び作用は、図1から図11の構成と同様である。
図18は、実施形態の別例において、図12に対応する図であり、図19は、実施形態の別例において、図13に対応する図である。図18、図19に示す別例の2例のように、SOCと熱効率下限ηe_limとの関係を表す熱効率下限線は、図15のように直線状のものに限定せず、図18のように折れ曲がった特性を有する線としてもよい。また、熱効率下限線は、図19のように曲線状の特性を有する線としてもよい。この場合には、例えば図12、図13で、SOCとシステム効率下限の関係を、SOCと熱効率下限の関係に置き換えたものと同様である。図18の熱効率下限線を用いる場合には、第1閾値SOC1aから上限SOC付近まで高い熱効率のパラレルモードで運転して、熱効率ηeをパラレルモードにおける最大効率付近に維持することもできる。また、図19の熱効率下限線を用いる場合には、第2閾値SOC2aから第1閾値SOC1aの近くまで熱効率下限を低く維持する。これにより、パラレルモード選択域を広くできるので、エンジン運転機会を増やすことができるので、パワーモード運転を行いやすい。
メインコントローラ26は、第1閾値SOC1aを固定値とするのではなく、運転者の選択に応じて、上限SOCと第2閾値SOC2aとの間で変更可能とする構成としてもよい。例えば、ハイブリッド車両の運転者が、操作部によりパワーモード運転を指示した場合に、図19の熱効率下限線を用い、パワーモード運転の指示がない場合に図15の熱効率下限線を用いて通常運転を行う構成としてもよい。
一方、ハイブリッド車両の運転者が操作部によりEV優先モードを指示した場合に、運転で使用する熱効率下限線を、図15の熱効率下限線から、第1閾値SOC1aを第2閾値SOC2aに近づけた熱効率下限線に変更する構成としてもよい。この場合には、SOCの変化でEVモードに移行する機会が増える。
また、実施形態の別例として、メインコントローラ26は、第1閾値SOC1aを車両の運転状況の履歴に応じて変更可能とすることによって、第1閾値SOC1aを変更可能としてもよい。例えば、車両がプラグイン型ハイブリッド車両である場合に、運転時のSOCの履歴と、外部充電の頻度の履歴とがメインコントローラ26で記憶されてもよい。メインコントローラ26は、その履歴から第1閾値SOC1aを変化させる。例えば、運転時にSOCの減少の頻度が多いことと、外部充電の頻度が多いこととの一方または両方がある場合に、第1閾値SOC1aを上限SOC側に近づけることができる。一方、運転時にSOCの減少の頻度が少なく、かつ、外部充電の頻度が少ない場合に、車両の走行要求トルクが低い状態が多いと判断して、第1閾値SOC1aを第2閾値SOC2a側に近づけることもできる。
図20は、実施形態の別例において、車速及び車両要求駆動力の関係で、低速段及び高速段についてのパラレルモード選択域を示す図である。本例の構成では、上記の図1から図11の構成において、変速時の衝撃を低減するとともに、変速機24の変速段を切り換える場合における燃費向上を図ることを目的とする。図20の構成において、メインコントローラ26以外のハイブリッド車両及び制御システムの構成は、図1の構成と同様である。
具体的には、エンジン12の出力軸と駆動輪32との間の動力伝達部に変速機24を持つ構成では、車速の変化に応じて変速機24の変速段を変えることが、車両の走行をスムーズにする面から好ましい。この場合において、変速機24の変速段を切り換える場合にエンジン12の出力軸と駆動輪32とがクラッチ22を介して接続されていると、変速時の急劇な加減速感が衝撃、すなわち変速ショックとして車両の乗員に伝わる。図20の構成の場合には、この変速ショックを低減するために、メインコントローラ26は、1つの変速段におけるパラレルモードでの走行中において、別の変速段に切り換える際にクラッチ22を開放し、EVモードまたはシリーズモードに切り換える。そして、メインコントローラ26は、その切り換えの終了後に、変速機24を上記の別の変速段に切り替え、その後、クラッチ22を接続して別の変速段に対応するパラレルモードに切り替える。
このように構成するために、メインコントローラ26は、車速及び車両要求駆動力について、低速段及び高速段とそれらに対応するパラレルモード選択域との関係を、図20に示すように設定する。具体的には、メインコントローラ26は、車速と車両の要求駆動力との関係において、第1領域と第2領域とを設定する。
第1領域は、車速と車両の要求駆動力との関係において、低速段においてパラレルモードが選択される領域の最大領域である。第1領域は、低速段の高効率のエンジン動作線H1と、低速段に対応しシステム効率が下限値ηe_minとなるシステム下限を表す線とで囲まれる領域であり、図20においてパラレルモード選択域1と示す領域である。
第2領域は、車速と車両の要求駆動力との関係において、高速段においてパラレルモードが選択される領域の最大領域である。第2領域は、高速段の高効率のエンジン動作線H2と、高速段に対応しシステム効率が下限値ηe_minとなるシステム下限を表す線とで囲まれる領域であり、図20においてパラレルモード選択域2と示す領域である。第1領域と第2領域とは交わることなく離れている。
メインコントローラ26は、車両要求駆動力と車速とから算出される車両の動作点が第1領域(パラレルモード選択域1)にある場合には、変速機24の変速段を低速段とし、かつ、パラレルモードを選択して車両を走行させる。また、メインコントローラ26は、車両要求駆動力と車速とから算出される車両の動作点が第2領域(パラレルモード選択域2)にある場合には、変速機24の変速段を高速段とし、かつ、パラレルモードを選択して車両を走行させる。
一方、メインコントローラ26は、算出された車両の動作点が、第1領域及び第2領域から離れた領域にある場合に、EVモードまたはシリーズモードを選択して車両を走行させる。このとき、EVモード及びシリーズモードの選択は、例えば図12で示したように、検出されたSOC及び算出されたシステム効率ηSを用いて選択される。例えばSOCが低く、充電要求が高い場合にはシリーズモードを選択する。
このとき、1つの変速段のパラレルモードでの走行中において、運転者が変速レバーを操作して別の変速段に操作することを指示する場合がある。この場合には、メインコントローラ26は、クラッチ22を開放することと略同期して、変速前のエンジンからの発生トルクと同じトルクを第2MG14に発生させて、走行モードをEVモードまたはシリーズモードに切り換える。その後に、メインコントローラ26は、エンジン12に結合された第1MG20を用いて、次の変速段である高速段に合うようにエンジン回転数を調整する。このとき、高速段側へのシフトアップの場合には、エンジン回転数を低下させ、低速段側へのシフトダウンの場合には、エンジン回転数を増大させる。このようにエンジン12の回転同期を行った後、変速を完了させ、EVモードまたはシリーズモードを終了して、クラッチ22を接続してパラレルモードに復帰させる。
以上の動作において、EVモードまたはシリーズモードは、変速後に必ずしも速やかに終了させる必要はなく、車両の運転状態に応じてパラレルモードが選択されるまでEVモードまたはシリーズモードを続けてもよい。本例の構成でも、図1から図11の構成と同様に、パラレルモードにおける運転を、システム効率が下限値ηe_min以上となる高い効率の走行に限定できる。また、SOCが高くなるにしたがって、パラレルモードにおけるシステム効率をより高いものに限定できる。このため、パラレルモードでの運転における燃費を向上でき、かつ、バッテリ16の充電量を確保できる。パラレルモードでの燃費を向上できることで、効率の悪い運転状態を少なくできる。また、変速の際にパラレルモードから別の変速段に対応するパラレルモードに移行するまでにEVモードまたはシリーズモードとするので、変速ショックを低減できる。これにより、変速ショックの低減と、効率向上とを図れる。その他の構成及び作用は、図1から図11の構成と同様である。
また、変速機24が、車両の前進用の変速段について低速段及び高速段の2段のみを含むので、変速機24の小型化と低コスト化とを図れる。なお、変速機の前進用の変速段は2段に限定するものではなく、3段以上としてもよい。また、図1から図19の各例の構成において、変速機24は前進用の変速段として1段のみを持つ構成としてもよい。
10 制御システム、12 エンジン、14 第2モータジェネレータ(第2MG)、16 バッテリ、18 増速歯車機構、20 第1モータジェネレータ(第1MG)、21 動力伝達部、22 クラッチ、23 差動歯車機構、24 変速機、26 メインコントローラ、28 PCU、30 ECU、32 駆動軸。
Claims (14)
- エンジンと、
前記エンジンにより駆動される発電機と、
前記発電機から電力を供給されて充電されるバッテリと、
前記バッテリから供給される電力で車両の駆動輪を駆動する駆動モータと、
前記エンジン及び前記駆動輪の間の動力伝達を断接するクラッチと、
制御装置と、を備え、
前記制御装置は、走行モードとして、
前記クラッチを開放するとともに前記エンジンの駆動を停止し、前記バッテリから供給された電力により前記駆動モータを駆動して前記駆動輪を駆動するEVモードと、
前記クラッチを開放するとともに前記エンジンにより前記発電機を駆動して発電した電力により前記駆動モータを駆動して前記駆動輪を駆動するシリーズモードと、
前記クラッチを接続して前記エンジンの駆動により前記駆動輪を駆動するパラレルモードと、を切り換えて車両を走行させるハイブリッド車両の制御システムであって、
前記制御装置は、前記パラレルモードが選択された場合に、車速に対応するエンジン回転数に対し最高効率または高効率領域の動作点で前記エンジンを運転させ、かつ、前記バッテリの設定された満充電量に対する充電割合であるSOCが低くなるほど前記パラレルモードにおいて前記エンジンを動作させる回転数範囲を、前記エンジンの熱効率を用いて定義される効率の下限が低くなる方向で広くすることにより、前記パラレルモードの選択条件を変更する、ハイブリッド車両の制御システム。 - 請求項1に記載のハイブリッド車両の制御システムにおいて、
前記制御装置は、エンジン出力に対する車両走行要求出力の割合をαとし、前記エンジンの熱効率をηeとし、前記発電機の発電効率をηMGとして、前記エンジンの熱効率ηeを用いて定義される効率である、前記パラレルモードにおけるシステム効率ηSを、
ηe×{α+(1−α)×ηMG}と定義し、
前記システム効率ηSの下限をシステム効率下限ηS_limとした場合に、
前記パラレルモードにおいて前記エンジンを動作させる回転数範囲を、前記システム効率下限ηS_lim以上の効率に対応する回転数範囲とし、かつ、SOCが小さくなるのにしたがって前記システム効率下限ηS_limが低くなるように、SOCに対して前記システム効率下限ηS_limを変化させることにより、前記パラレルモードにおける前記エンジンの運転可能な回転数範囲を広くする、ハイブリッド車両の制御システム。 - 請求項2に記載のハイブリッド車両の制御システムにおいて、
前記制御装置は、SOCが予め設定された第1閾値SOC1以上の場合には、前記システム効率下限ηS_limを前記システム効率ηSの予め設定された上限値ηS_max以上とし、前記エンジンの運転を禁止する、ハイブリッド車両の制御システム。 - 請求項2に記載のハイブリッド車両の制御システムにおいて、
前記制御装置は、SOCと前記システム効率下限ηS_limとの関係を予め設定し、前記関係及びSOCから算出された前記システム効率下限ηS_limが予め設定された下限値ηS_minを下回る場合には、前記走行モードを前記シリーズモードに切り換える、ハイブリッド車両の制御システム。 - 請求項3に記載のハイブリッド車両の制御システムにおいて、
前記制御装置は、前記第1閾値SOC1を運転者の選択に応じて変更可能とする、ハイブリッド車両の制御システム。 - 請求項3に記載のハイブリッド車両の制御システムにおいて、
前記制御装置は、前記第1閾値SOC1を車両の運転状況の履歴に応じて変更可能とする、ハイブリッド車両の制御システム。 - 請求項1に記載のハイブリッド車両の制御システムにおいて、
前記制御装置は、
前記エンジンの熱効率を用いて定義される効率である前記エンジンの熱効率の下限を熱効率下限ηe_limとした場合に、
前記パラレルモードにおいて前記エンジンを動作させる回転数範囲を、前記熱効率下限ηe_lim以上の効率に対応する回転数範囲とし、かつ、SOCが小さくなるのにしたがって前記熱効率下限ηe_limが低くなるように、SOCに対して前記熱効率下限ηe_limを変化させることにより、前記パラレルモードにおける前記エンジンの運転可能な回転数範囲を広くする、ハイブリッド車両の制御システム。 - 請求項7に記載のハイブリッド車両の制御システムにおいて、
前記制御装置は、SOCが予め設定された第1閾値SOC1a以上の場合には、前記熱効率下限ηe_limを前記熱効率の予め設定された上限値ηe_max以上とし、前記エンジンの運転を禁止する、ハイブリッド車両の制御システム。 - 請求項7に記載のハイブリッド車両の制御システムにおいて、
前記制御装置は、SOCと前記熱効率下限ηe_limとの関係を予め設定し、前記関係及びSOCから算出された前記熱効率下限ηe_limが予め設定された下限値ηe_minを下回る場合には、前記走行モードを前記シリーズモードに切り換える、ハイブリッド車両の制御システム。 - 請求項8に記載のハイブリッド車両の制御システムにおいて、
前記制御装置は、前記第1閾値SOC1aを運転者の選択に応じて変更可能とする、ハイブリッド車両の制御システム。 - 請求項8に記載のハイブリッド車両の制御システムにおいて、
前記制御装置は、前記第1閾値SOC1aを車両の運転状況の履歴に応じて変更可能とする、ハイブリッド車両の制御システム。 - 請求項1に記載のハイブリッド車両の制御システムにおいて、
前記エンジンの出力軸と前記駆動輪との間の動力伝達部に配置され、複数の変速段として前進用の低速段及び高速段を含む変速機を備え、
前記制御装置は、1つの前記変速段における前記パラレルモードでの走行中において、別の前記変速段に切り換える際に、前記クラッチを開放し、前記EVモードまたは前記シリーズモードに切り換えた後、前記変速機を別の前記変速段に切り換え、その後、前記クラッチを接続して別の前記変速段に対応する前記パラレルモードに切り換える、ハイブリッド車両の制御システム。 - 請求項12に記載のハイブリッド車両の制御システムにおいて、
車速と車両の駆動力との関係において、前記低速段において前記パラレルモードが選択される領域の最大領域である第1領域と、前記第1領域から離れた領域であり、前記高速段において前記パラレルモードが選択される領域の最大領域である第2領域とが設定され、前記第1領域及び前記第2領域から離れた領域で前記EVモードまたは前記シリーズモードが選択される、ハイブリッド車両の制御システム。 - 請求項12または請求項13に記載のハイブリッド車両の制御システムにおいて、
前記複数の変速段は、前進用の前記変速段について、前記低速段及び前記高速段の2段のみを含む、ハイブリッド車両の制御システム。
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