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JP2018153285A - バルーンコーティング方法 - Google Patents

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JP2018153285A JP2017050832A JP2017050832A JP2018153285A JP 2018153285 A JP2018153285 A JP 2018153285A JP 2017050832 A JP2017050832 A JP 2017050832A JP 2017050832 A JP2017050832 A JP 2017050832A JP 2018153285 A JP2018153285 A JP 2018153285A
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悠乃 北川
後藤 博
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Abstract

【課題】バルーンの表面に均一にコーティング液を分散させることのできるバルーンコーティング方法を提供する。
【解決手段】シャフト10の先端部にバルーン11を有するカテーテル1におけるバルーン11の表面にコート層30を形成するバルーンコーティング方法であって、細径で柔軟性を有するチューブ体101をバルーン11の軸方向に沿って多数配置し、チューブ体101の先端部をシャフト10の軸心を中心に回転するバルーン11の表面に接触させ、各チューブ体101をバルーン11の表面に追従するように変形させつつ、チューブ体101の先端からコーティング液を吐出して、バルーン11の表面に塗布する塗布工程を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、バルーンカテーテルのバルーンの表面に薬剤をコーティングする方法に関する。
生体管腔内に生じた病変部(狭窄部)改善のため、バルーンカテーテルが広く用いられている。バルーンカテーテルは、通常、長尺なカテーテルシャフトと、このカテーテルシャフトの先端側に設けられて径方向に拡張可能なバルーンとを備えている。収縮されているバルーンを、細い生体管腔を経由して体内の目的場所まで到達させた後に拡張させることで、病変部を押し広げることができる。
一方、病変部をバルーンにより強制的に押し広げると、内皮細胞が過剰に増殖して病変部に新たな狭窄(再狭窄)を発症する場合がある。このため、最近では、バルーンの表面に狭窄を抑制するための薬剤をコーティングした薬剤溶出性バルーン(Drug Eluting Balloon;DEB)が用いられている。薬剤溶出性バルーンは、拡張することで表面にコーティングされている薬剤を病変部に放出し、薬剤を生体組織へ移行させることができ、これにより、再狭窄を抑制することができる。
バルーンに薬剤を含むコート層を形成する方法として、例えば、スプレー法、ドロップ法、糸引き法などがある。スプレー法は、薬剤を含むコーティング液を、バルーンに対して接触しないノズルから霧状に吹き付けた後、コーティング液を乾燥させて、バルーンの表面にコート層を形成する方法である。ドロップ法は、コーティング液を、バルーンに対して接触しないノズルから滴下した後、コーティング液を乾燥させて、バルーンの表面にコート層を形成する方法である。糸引き法は、コーティング液を、バルーンに接触する糸等を介してバルーンの表面上に供給した後、コーティング液を乾燥させて、バルーンの表面にコート層を形成する方法である。
上述した種々の方法によってバルーンにコーティング液を塗布する際には、バルーンを回転させつつ、コーティング液を供給するノズルや糸等の器具をバルーンの軸方向へ移動させることで、バルーンの表面の全体にコーティング液を塗布することができる(例えば特許文献1を参照)。
特許第4906926号明細書
バルーンに対するコーティングの過程では、コーティング液がバルーンの表面において均一に分散することが必要である。コーティング液の分布が不均一であると、コーティング液を乾燥させた後に、バルーンの表面における薬剤の分布にむらが生じる。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、バルーンの表面に均一にコーティング液を分散させることのできるバルーンコーティング方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明に係るバルーンコーティング方法は、シャフトの先端部にバルーンを有するカテーテルにおける前記バルーンの表面にコート層を形成するバルーンコーティング方法であって、
細径で柔軟性を有するチューブ体を前記バルーンの軸方向に沿って多数配置し、前記チューブ体の先端部を前記シャフトの軸心を中心に回転するバルーンの表面に接触させ、各チューブ体を前記バルーンの表面に追従するように変形させつつ、前記チューブ体の先端からコーティング液を吐出して、前記バルーンの表面に塗布する塗布工程を有する。
上記のように構成したバルーンコーティング方法は、バルーンの軸方向に沿って多数配置されたチューブ体が、バルーンの表面形状に合わせて変形しつつコーティング液を吐出するので、バルーンの軸方向に沿って均一にコーティング液を塗布することができる。また、バルーンの軸方向全体に対し一度にコーティング液を塗布できるので、コーティングに要する時間を短縮し、生産効率を向上させると共に、外的要因の変動の影響を小さくすることができる。
本発明のバルーンコーティング方法は、前記チューブ体により前記バルーンの表面にコーティング液を塗布した後、前記チューブ体で塗布された前記コーティング液を撹拌するステップを有する。このため、コーティング液の濃度がバルーンの表面において均一化され、薬剤をバルーンの表面で均一に分散させることができる。
本発明のバルーンコーティング方法は、前記チューブ体により前記バルーンの表面にコーティング液を塗布した後、前記チューブ体により前記コーティング液を前記バルーンの表面上で広げるステップを有する。このため、コーティング液がバルーンの表面で均一に広げられ、薬剤を均一に分散させることができる。
本発明のバルーンコーティング方法は、前記チューブ体により前記バルーンの表面にコーティング液を塗布した後、前記コーティング液が前記チューブ体間の空間に毛細管現象により進入し、前記コーティング液に含まれる溶媒が揮発するステップを有する。このため、コーティング液の溶媒を揮発させやすく、短時間に薬剤の結晶を生成することができる。
前記多数のチューブ体は、共通のコーティング液供給容器から前記コーティング液の供給を受ける。これにより、チューブ体の位置によらず、コーティング液が均等に吐出されるので、バルーンの表面に対し均一にコーティング液を塗布することができる。
前記多数のチューブ体は、複数列を形成するように配置されているようにすれば、バルーンの回転方向に沿って複数箇所でコーティング液が塗布されるので、コーティング液をより均一に塗布できる。
前記多数のチューブ体のうち少なくとも2つは、前記バルーンの軸方向において同位置で、前記バルーンの周方向において異なる位置に配置されるようにすれば、チューブ体で塗布されたコーティング液がバルーンの回転に伴い別のチューブ体で刺激され、結晶化を促すことができる。
細径で柔軟性を有する内実体を前記チューブ体と並設し、前記内実体を前記チューブ体と共に軸心を中心に回転するバルーンの表面に接触させるようにすれば、チューブ体で塗布されたコーティング液が内実体で刺激され、結晶化を促すことができる。
前記多数のチューブ体のうち少なくとも1つと前記内実体のうち少なくとも1つは、前記バルーンの軸方向において同位置で、前記バルーンの周方向において異なる位置に配置されるようにすれば、バルーンの回転に伴いチューブ体から吐出されたコーティング液を内実体で刺激し、結晶化を促すことができる。
前記コーティング液に含まれる薬剤は、ラパマイシン、パクリタキセル、ドセタキセル、またはエベロリムスのいずれかであるようにすれば、血管内の狭窄部の再狭窄を良好に抑制できる。
バルーンカテーテルを示す正面図である。 バルーンカテーテルの先端部の断面図である。 バルーンの外表面の概略断面図である。 バルーンコーティング装置の全体構成図である。 供給部の正面拡大図である。 図5のA−A断面図である。 回転するバルーンの表面とチューブ体との関係を表した拡大斜視図である。 バルーンの折り畳み前状態(図8(a))、バルーンに羽根部を形成した状態(図8(b))、バルーンを折り畳んだ状態(図8(c))の断面図である。 バルーンカテーテルにより血管の狭窄部を押し広げた状態を示す断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図面の寸法比率は、説明の都合上、誇張されて実際の比率とは異なる場合がある。
まず、カテーテル1の構造を説明する。図1,2に示すように、カテーテル1は、長尺なシャフト10と、シャフト10の先端部に設けられるバルーン11と、バルーン11の外表面に設けられる薬剤を含むコート層30と、シャフト10の基端に固着されたハブ12とを有している。
シャフト10は、先端および基端が開口した管体である外管20と、外管20の内部に配置される管体である内管21とを備えている。内管21は、外管20の中空内部に納められており、シャフト10は、先端部において二重管構造となっている。内管21の中空内部は、ガイドワイヤを挿通させるガイドワイヤルーメン23である。また、外管20の中空内部であって、内管21の外側には、バルーン11の拡張用流体を流通させる拡張ルーメン22が形成される。内管21は、開口部24において外部に開口している。内管21は、外管20の先端よりもさらに先端側まで突出している。
バルーン11は、基端側端部が外管20の先端部に固定され、先端側端部が内管21の先端部に固定されている。これにより、バルーン11の内部が拡張ルーメン22と連通している。拡張ルーメン22を介してバルーン11に拡張用流体を注入することで、バルーン11を拡張させることができる。拡張用流体は気体でも液体でもよく、例えばヘリウムガス、COガス、Oガス、Nガス、Arガス、空気、これらの混合ガス等の気体や、生理食塩水、造影剤等の液体を用いることができる。
バルーン11の軸心方向における中央部には、拡張させた際に外径が等しい円筒状のストレート部11a(拡張部)が形成され、ストレート部11aの軸心方向の両側に、外径が徐々に変化するテーパ部11bが形成される。そして、ストレート部11aの外表面の全体に、薬剤を含むコート層30が形成される。なお、バルーン11においてコート層30を形成する範囲は、ストレート部11aのみに限定されず、ストレート部11aに加えてテーパ部11bの少なくとも一部が含まれてもよく、または、ストレート部11aの一部のみであってもよい。
ハブ12は、外管20の拡張ルーメン22と連通して拡張用流体を流入出させるポートとして機能する基端開口部40が形成されている。
バルーン11の軸心方向の長さは特に限定されないが、好ましくは5〜500mm、より好ましくは10〜300mm、さらに好ましくは20〜200mmである。
バルーン11の拡張時の外径は、特に限定されないが、好ましくは1〜10mm、より好ましくは2〜8mmである。
バルーン11のコート層30が形成される前の外表面は、平滑であり、非多孔質である。バルーン11のコート層30が形成される前の外表面は、膜を貫通しない微小な孔があってもよい。または、バルーン11のコート層30が形成される前の外表面は、平滑であって非多孔質である範囲と、膜を貫通しない微小な孔がある範囲の両方を備えてもよい。微小な孔の大きさは、例えば、直径が0.1〜5μm、深さが0.1〜10μmであり、1つの結晶に対して、1つまたは複数の孔を有してもよい。また、微小な孔の大きさは、例えば、直径が5〜500μm、深さが0.1〜50μmであり、1つの孔に対して、1つまたは複数の結晶を有してもよい。
バルーン11は、ある程度の柔軟性を有するとともに、血管や組織等に到達した際に拡張されて、その外表面に有するコート層30から薬剤を放出できるようにある程度の硬度を有するものが好ましい。具体的には、バルーン11は、金属や、樹脂で構成されるが、コート層30が設けられるバルーン11の少なくとも外表面は、樹脂で構成されていることが好ましい。バルーン11の少なくとも外表面の構成材料は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、あるいはこれら二種以上の混合物等のポリオレフィンや、軟質ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ナイロンエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリウレタン、フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等が使用できる。そのなかでも、好適にはポリアミド類が挙げられる。すなわち、薬剤をコートするバルーン11の外表面の少なくとも一部がポリアミド類である。ポリアミド類としては、アミド結合を有する重合体であれば特に制限されないが、例えば、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリカプロラクタム(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカノラクタム(ナイロン11)、ポリドデカノラクタム(ナイロン12)などの単独重合体、カプロラクタム/ラウリルラクタム共重合体(ナイロン6/12)、カプロラクタム/アミノウンデカン酸共重合体(ナイロン6/11)、カプロラクタム/ω−アミノノナン酸共重合体(ナイロン6/9)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン6/66)などの共重合体、アジピン酸とメタキシレンジアミンとの共重合体、またはヘキサメチレンジアミンとm,p−フタル酸との共重合体などの芳香族ポリアミドなどが挙げられる。さらに、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12などをハードセグメントとし、ポリアルキレングリコール、ポリエーテル、または脂肪族ポリエステルなどをソフトセグメントとするブロック共重合体であるポリアミドエラストマーも、バルーン11の材料として用いられる。上記ポリアミド類は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。特に、バルーン11はポリアミドの滑らかな表面を有することが好ましい。
バルーン11は、その外表面上に、後述する方法によって、直接またはプライマー層等の前処理層を介してコート層30が形成される。コート層30は、図3に示すように、バルーン11の外表面に層状に配置される水溶性低分子化合物を含む添加剤130(賦形剤)と、独立した長軸を有して延在する水不溶性の薬剤結晶131とを有している。薬剤結晶131の端部は、バルーン11の外表面と直接接触してもよいが、直接接触せずに、薬剤結晶131の端部とバルーン11の外表面との間に添加剤130が存在してもよい。薬剤結晶131の端部が添加剤130の層の表面に位置して、薬剤結晶131が添加剤130から突出してもよい。複数の薬剤結晶131は、バルーン11の外表面に規則的に配置されてもよい。または、複数の薬剤結晶131は、バルーン11の外表面に不規則に配置されてもよい。
コート層30に含まれる薬剤量は、特に限定されないが、0.1μg/mm〜10μg/mm、好ましくは0.5μg/mm〜5μg/mmの密度で、より好ましくは0.5μg/mm〜3.5μg/mm、さらに好ましくは1.0μg/mm〜3μg/mmの密度で含まれる。コート層30の結晶の量は、特に限定されないが、好ましくは5〜500、000[crystal/(10μm)](10μm当たりの結晶の数)、より好ましくは50〜50、000[crystal/(10μm)]、さらに好ましくは500〜5、000[crystal/(10μm)]である。
薬剤結晶131は、各々独立した長軸を有する形態であってもよい。また、薬剤結晶131は、他の形態型であってもよい。複数の薬剤結晶131は、これらが組み合された状態で存在していてもよいし、隣接する複数の薬剤結晶131同士が異なる角度を形成した状態で接触して存在してもよい。複数の薬剤結晶131はバルーン表面上で空間(結晶を含まない空間)をおいて位置していてもよい。バルーン11の表面に、組み合された状態の複数の薬剤結晶131と、互いに離れて独立した複数の薬剤結晶131の両方が存在してもよい。複数の薬剤結晶131は、異なる長軸方向を有して円周状にブラシ状として配置されてもよい。各々の前記薬剤結晶131は独立して存在しており、ある長さを有し、その長さ部分の一端(基端)が、添加剤130またはバルーン11に固定されている。薬剤結晶131は隣接する薬剤結晶131と複合的な構造を形成せず、連結していない。前記結晶の長軸は、ほぼ直線状である。薬剤結晶131はその長軸が交わる基部が接する表面に対して所定の角度を形成している。
薬剤結晶131は、互いに接触せずに独立して立っていることが好ましい。薬剤結晶131の基部は、バルーン11の基材上で他の基部と接触していてもよい。または、薬剤結晶131の基部は、バルーン11の基材上で他の基部と接触せずに独立していてもよい。
薬剤結晶131は、中空である場合と、中実である場合がある。バルーン11の表面に、中空の薬剤結晶131と、中実の薬剤結晶131の両方が存在してもよい。薬剤結晶131は、中空である場合、少なくともその先端付近が中空である。薬剤結晶131の長軸に直角な(垂直な)面における薬剤結晶131の断面は中空を有する。当該中空を有する薬剤結晶131は長軸に直角な(垂直な)面における薬剤結晶131の断面が多角形である。当該多角形は、例えば3角形、4角形、5角形、6角形などである。したがって、薬剤結晶131は先端(または先端面)と基端(または基端面)とを有し、先端(または先端面)と基端(または基端面)との間の側面が複数のほぼ平面で構成された長尺多面体として形成される。この結晶形態型(中空長尺体結晶形態型)は基部が接する表面において、ある平面の全体または少なくとも一部を構成する。
長軸を有する薬剤結晶131の長軸方向の長さは5μm〜20μmが好ましく、9μm〜11μmがより好ましく、10μm前後であるのがさらに好ましい。長軸を有する薬剤結晶131の径は、0.01μm〜5μmであるのが好ましく、0.05μm〜4μmであるのがより好ましく、0.1μm〜3μmであるのがさらに好ましい。長軸を有する薬剤結晶131の長軸方向の長さと径の組み合わせの例として、長さが5μm〜20μmのときに径が0.01〜5μmである組み合わせ、長さが5〜20μmのときに径が0.05〜4μmである組み合わせ、長さが5〜20μmのときに径が0.1〜3μmである組み合わせが挙げられる。長軸を有する薬剤結晶131は、長軸方向に直線状であるが、曲線状に湾曲してもよい。バルーン11の表面に、直線状の薬剤結晶131と、曲線状の薬剤結晶131の両方が存在してもよい。
上述した長軸を有する結晶を有する結晶形態型は、バルーン11の外表面の薬剤結晶全体に対して50体積%以上、より好ましくは70体積%以上である。長軸を有する結晶粒子である薬剤結晶131は、バルーン11または添加剤130の外表面に対して寝ておらず立っているように形成される。添加剤130は、薬剤結晶131がある領域に存在し、薬剤結晶131がない領域にはなくてもよい。
添加剤130は、林立する複数の薬剤結晶131の間の空間に分配されて存在する。コート層30を構成する物質の割合は、水不溶性の薬剤結晶131の方が、添加剤130よりも大きい体積を占めることが好ましい。添加剤130は、マトリックスを形成しない。マトリックスとは、比較的高分子の物質(ポリマーなど)が連続して構成された層であり、網目状の三次元構造を形成し、その中に微細な空間が存在する。したがって、結晶を構成する水不溶性薬剤はマトリックス物質中に付着していない。結晶を構成する水不溶性薬剤は、マトリックス物質中に埋め込まれてもいない。なお、添加剤130は、マトリックスを形成してもよい。
添加剤130はバルーン11の外表面で溶媒に溶けた状態でコートされた後、乾燥して層として形成される。添加剤130はアモルファスである。添加剤130は、結晶粒子であってもよい。添加剤130は、アモルファスおよび結晶粒子の混合物として存在してもよい。図3の添加剤130は、結晶粒子及び/または粒子状アモルファスの状態である。または、添加剤130は、フィルム状アモルファスの状態であってもよい。添加剤130は、水不溶性薬剤を含んだ層として形成されている。または、添加剤130は、水不溶性薬剤を含まない独立した層として形成されてもよい。添加剤130の厚みは、0.1〜5μm、好ましくは0.3〜3μm、より好ましくは0.5〜2μmである。
長尺な結晶形態型の薬剤結晶131を含む層は、体内に送達する際に、毒性が低く、狭窄抑制効果が高い。中空長尺体結晶形態を含む水不溶性薬剤は、薬剤が組織に移行した時に結晶の一つの単位が小さくなるために組織への浸透性が良く、かつ、良好な溶解性を有するため、有効に作用して狭窄を抑制できる。また、薬剤が大きな塊として組織に残留することが少ないために毒性が低くなると考えられる。
また、長尺な結晶形態型の薬剤結晶131を含む層は、組織に移行する結晶の大きさ(長軸方向の長さ)が約10μmと小さい。そのために病変患部に均一に作用し、組織浸透性が高まる。さらに、移行する薬剤結晶131の寸法が小さいために過剰量の薬剤が、過剰時間、患部に留まることがなくなるために、毒性を発現することなく、高い狭窄抑制効果を示すことが可能であると考える。
バルーン11の外表面にコーティングされる薬剤は、非晶質(アモルファス)型を含んでもよい。薬剤結晶131や非晶質は、コート層30において規則性を有するように配置されてもよい。または、結晶や非晶質は、不規則に配置されてもよい。
次に、バルーン11にコート層30を形成するためのバルーンコーティング装置2について説明する。バルーンコーティング装置2は、バルーン11にコート層30を形成することができる。バルーンコーティング装置2は、図4に示すように、カテーテル1を回転させる回転機構50と、カテーテル1を支持する支持台70とを有する。バルーンコーティング装置2は、さらに、バルーン11の表面にコーティング液を供給する供給部95を有する塗布機構80と、バルーンコーティング装置2を制御する制御部120とを有する。
回転機構50は、カテーテル1のハブ12を保持し、内蔵されるモーター等の駆動源により、シャフト10の軸心を中心としてカテーテル1を回転させる。カテーテル1は、ガイドワイヤルーメン23内に芯材51が挿通されて保持されるとともに、芯材51によってコーティング液のガイドワイヤルーメン23内への流入が防止されている。また、カテーテル1は、拡張ルーメン22への流体の流通を操作するために、ハブ12の基端開口部40に、流路の開閉を操作可能な三方活栓が接続される。
支持台70は、シャフト10を内部に収容して回転可能に支持する管状の基端側支持部71と、芯材51を回転可能に支持する先端側支持部72とを備えている。なお、先端側支持部72は、可能であれば、芯材51ではなくシャフト10の先端部を回転可能に支持してもよい。
塗布機構80は、コーティング液を収容する貯留部90と、貯留部90に圧力を加えてコーティング液を吐出させる加圧部91と、コーティング液をバルーン11に塗布する供給部95とを備えている。
貯留部90には、加圧部91が有するロッド部91aが挿入されている。加圧部91が押圧されることで、ロッド部91aが貯留部90内の圧力を上昇させてコーティング液を押し出す。押し出されたコーティング液は、供給管96を経て供給部95に供給される。
加圧部91は、支持台70に固定されている基台部94に挿通されたネジ部92によって押圧される。ネジ部92は、当該ネジ部92を回転駆動するネジ送り部93に接続されている。ネジ送り部93が回転することにより、ネジ部92は下方に移動し、加圧部91を下方に向かって押圧する。それに伴い、各ロッド部91aが押圧される。ネジ送り部93は、制御部120によって制御される。このように、ネジ送りの機構により加圧部91が押圧されることにより、貯留部90に対する圧力を正確に調整できる。
供給部95は、供給部支持部73によって支持されている。供給部支持部73は、供給部95を上下方向に移動させることができる。供給部95は、バルーン11が支持台70に設置される際には、バルーン11より上方に位置し、コーティング液をバルーン11に塗布する際に下降する。
図3に示すように、供給部95は、供給管96に接続されコーティング液が充填されているコーティング液供給容器100と、コーティング液供給容器100の下面に多数設けられる細径のチューブ体101とを有している。コーティング液供給容器100は、単一の空間部100aを有し、この空間部100aにコーティング液が充填される。
チューブ体101は、柔軟性を有する材料によって形成された管状の部材である。本実施形態においてチューブ体101は、ポリエチレンによって形成される。また、チューブ体101は、内径が0.1〜1mm、外径が0.4〜2mmである。チューブ体101が柔軟性を有する材料で細径に形成されていることにより、チューブ体101の先端部は、バルーン11の表面に当接した際に、バルーン11の表面形状に応じて変形することができる。なお、チューブ体101の材料は、ポリエチレンに限られず、その他の柔軟性を有する樹脂材等を用いることができる。
コーティング液は、コーティング液供給容器100から連通するチューブ体101に供給されるが、チューブ体101の内径が細いため、コーティング液供給容器100内が加圧されていない状態では、コーティング液はチューブ体101から吐出されない。コーティング液供給容器100が貯留部90から圧力を受けることで、コーティング液はチューブ体101の先端から吐出される。
チューブ体101は、バルーン11の軸方向にほぼ等間隔に配列されている。それぞれのチューブ体101は、力を受けていない状態で、先端の向きにばらつきを有している。このため、一部のチューブ体101は、隣接するチューブ体101と交差している。このようにチューブ体101がコーティング液供給容器100の下面に多数配置されていることで、全体としてブラシ状となっている。なお、チューブ体101同士が交差しないようにチューブ体101を設けてもよい。
図4に示すように、チューブ体101は、コーティング液供給容器100の下面において、列をなすように配置されている。コーティング液供給容器100の下面には、チューブ体101の列と平行な列をなすように、多数の内実体102が配置されている。各内実体102は、バルーン11の軸方向において隣接するチューブ体101と同位置であって、バルーン11の周方向において異なる位置に配置されている。
内実体102は、チューブ体101と同様、柔軟性を有する材料により細径状に形成されている。本実施形態では、内実体102はチューブ体101と同じ材料で、同じ外径を有するように形成される。ただし、内実体102はチューブ体101と異なる材料、外径を有していてもよい。
内実体102は、チューブ体101と同じ長さを有しており、チューブ体101がバルーン11の表面に当接してコーティング液を塗布する際に、バルーン11の表面に当接する。内実体102がバルーン11の表面に当接することで、コーティング液の結晶化を促すことができる。
供給部95について、本実施形態ではチューブ体101と内実体102を設けているが、チューブ体101のみを配置してもよい。チューブ体101の配置について、一列に配置してもよいし、二列以上を形成するように配置してもよい。チューブ体101をバルーン11の周方向に沿って複数列設けた場合に、バルーン11の軸方向において隣接するチューブ体101と同位置であって、バルーン11の周方向において異なる位置に配置することができる。また、チューブ体101を列状ではなく、ランダム状に配置してもよい。
制御部120は、例えばコンピュータにより構成され、回転機構50及び塗布機構80を統括的に制御する。したがって、制御部120は、バルーン11の回転速度、供給部95からのコーティング液の吐出速度等を、統括的に制御することができる。
コーティング液は、コート層30の構成材料を含む溶液または懸濁液であり、水不溶性薬剤、賦形剤、有機溶媒及び水を含んでいる。コーティング液がバルーン11の表面に供給された後、有機溶媒及び水が揮発することで、バルーン11の表面に、独立した長軸を有して延在する水不溶性薬剤の結晶である多数の長尺体を有するコート層30が形成される。コーティング液の粘度は、0.2〜500cP、好ましくは0.2〜50cP、より好ましくは0.2〜10cPである。
水不溶性薬剤とは、水に不溶または難溶性である薬剤を意味し、具体的には、水に対する溶解度が、pH5〜8で5mg/mL未満である。その溶解度は、1mg/mL未満、さらに、0.1mg/mL未満でもよい。水不溶性薬剤は脂溶性薬剤を含む。
いくつかの好ましい水不溶性薬剤の例は、免疫抑制剤、例えば、シクロスポリンを含むシクロスポリン類、ラパマイシン等の免疫活性剤、パクリタキセル等の抗がん剤、抗ウイルス剤または抗菌剤、抗新生組織剤、鎮痛剤及び抗炎症剤、抗生物質、抗てんかん剤、不安緩解剤、抗麻痺剤、拮抗剤、ニューロンブロック剤、抗コリン作動剤及びコリン作動剤、抗ムスカリン剤及びムスカリン剤、抗アドレナリン作用剤、抗不整脈剤、抗高血圧剤、ホルモン剤ならびに栄養剤を含む。
水不溶性薬剤は、パクリタキセルおよびパクリタキセル誘導体、タキサン、ドセタキセルならびにラパマイシンおよびラパマイシン誘導体、例えば、バイオリムスA9、ピメクロリムス、エベロリムス、ゾタロリムス、タクロリムス、ファスジルおよびエポチロンが好ましく、パクリタキセルおよびラパマイシン、ドセタキセル、エベロリムスが特に好ましい。本明細書においてラパマイシン、パクリタキセル、ドセタキセル、エベロリムスとは、同様の薬効を有する限りそれらの類似体及び/またはそれらの誘導体を含む。例えば、パクリタキセルとドセタキセルは類似体の関係にある。ラパマイシンとエベロリムスは誘導体の関係にある。これらのうちでは、パクリタキセルがさらに好ましい。
賦形剤は、バルーン11上で水不溶性薬剤の結晶である長尺体が立設される基層を構成する。賦形剤は、水溶性の低分子化合物を含む。水溶性の低分子化合物の分子量は、50〜2000であり、好ましくは50〜1000であり、より好ましくは50〜500であり、さらに好ましくは50〜200である。水溶性の低分子化合物は、水不溶性薬剤100質量部に対して、好ましくは5〜10000質量部、より好ましくは5〜200質量部、さらに好ましくは8〜150質量部である。水溶性の低分子化合物の構成材料は、セリンエチルエステル、クエン酸エステル、ポリソルベート、水溶性ポリマー、糖、造影剤、アミノ酸エステル、短鎖モノガルボン酸のグリセロールエステル、医薬として許容される塩及び界面活性剤等、あるいはこれら二種以上の混合物等が使用できる。水溶性の低分子化合物は、親水基と疎水基を有し、水に溶解することを特徴とする。水溶性の低分子化合物は、非膨潤性または難膨潤性であることが好ましい。賦形剤は、バルーン11上でアモルファス(非晶質)であることが好ましい。水溶性の低分子化合物を含む賦形剤は、バルーン11の表面上で水不溶性薬剤を均一に分散させる効果を有する。さらに、血管内でのバルーン11の拡張時に基層が溶解しやすくなることで、バルーン11の表面上の水不溶性薬剤の長尺体を放出しやすくなり、血管への薬剤の付着量を増加させる効果を有する。
溶媒は、特に限定されないが、テトラヒドロフラン、アセトン、グリセリン、エタノール、メタノール、ジクロロメタン、ヘキサン、エチルアセテート、水、中でもテトラヒドロフラン、エタノール、アセトン、水のうち、これらのいくつかの混合溶媒が好ましい。例えば、テトラヒドロフランと水、テトラヒドロフランとエタノールと水、テトラヒドロフランとアセトンと水、アセトンとエタノールと水、テトラヒドロフランとアセトンとエタノールと水といった組み合わせが挙げられる。
次に、上述したバルーンコーティング装置2を用いて、バルーン11の表面に水不溶性薬剤の結晶を形成する方法を説明する。
初めに、ハブ12の基端開口部40に接続した三方活栓を介して、拡張用の流体をバルーン11内に供給する。次に、バルーン11を拡張させた状態で三方活栓を操作して拡張ルーメン22を密封し、バルーン11を拡張させた状態を維持する。バルーン11は、血管内での使用時の圧力(例えば8気圧)よりも低い圧力(例えば4気圧)で拡張される。
次に、カテーテル1を支持台70に回転可能に設置し、ハブ12を回転機構50に連結する。このとき、供給部95はバルーン11より上方に位置している。次に、供給部95のコーティング液供給容器100にコーティング液を充填した状態とする。続いて、回転機構50によりカテーテル1の軸心方向への回転を開始する。バルーン11を回転状態としたら、供給部95を降下させてチューブ体101及び内実体102をバルーン11の表面に接触させる。内実体102は、バルーン11の回転方向において、チューブ体101の後方に位置するように配置されている。
続いて、加圧部91で貯留部90を加圧し、コーティング液供給容器100の内圧を上昇させる。これにより、コーティング液供給容器100からチューブ体101を通じてコーティング液が吐出される。吐出されたコーティング液は、バルーン11の表面に塗布される。コーティング液の吐出量は、加圧部91の貯留部90に対する圧力で調整できる。前述のように、加圧部91の貯留部90に対する圧力はネジ送りの機構により正確に調整できるので、コーティング液の吐出量も正確に制御することができる。全てのチューブ体101は、単一の空間部100aを有するコーティング液供給容器100からコーティング液の供給を受けるので、チューブ体101の場所によらずコーティング液の吐出量は同じとなる。
バルーン11が回転した状態で、多数のチューブ体101からコーティング液を吐出することにより、コーティング液はバルーン11の表面の全周に塗布される。図5に示すように、チューブ体101及び内実体102は、回転するバルーン11の表面に対し、先端部が撓んで当接している。チューブ体101及び内実体102は、柔軟な材料により細径状に形成されているので、バルーン11の表面形状に合わせて柔軟に変形できる。また、チューブ体101及び内実体102は、ある程度の間隔を有して配置されているので、先端部が互いに干渉することなく、バルーン11の表面で変形することができる。
このように、バルーン11の軸方向に沿って多数配置されたチューブ体101が、バルーン11の表面形状に合わせて変形しつつコーティング液を吐出するので、バルーン11の軸方向に沿って均一にコーティング液を塗布することができる。また、バルーン11の軸方向全体に対し一度にコーティング液を塗布できるので、コーティングに要する時間を短縮し、生産効率を向上させると共に、外的要因の変動の影響を小さくすることができる。
チューブ体101からはコーティング液が吐出され、その回転方向後方に位置する内実体102がバルーン11の表面に接触していることにより、塗布されたコーティング液に対して刺激が与えられ、薬剤の結晶化が促進される。バルーン11の表面に対し、チューブ体101及び内実体102は多数接触しているので、結晶化がより促進される。また、内実体102は、バルーン11の軸方向において隣接するチューブ体101と同位置であって、バルーン11の周方向において異なる位置に配置されているので、チューブ体101から塗布されたコーティング液が、バルーン11の回転に伴いすぐに内実体102に接触し、コーティング液の塗布直後から結晶化を促すことができる。なお、チューブ体101をバルーン11の周方向に複数列設けた場合も、隣接するチューブ体101同士が、バルーン11の軸方向において同位置であって、バルーン11の周方向において異なる位置となるように配置することで、塗布されたコーティング液に対し、隣接するチューブ体101の先端部で刺激を与え、結晶化を促すことができる。
多数のチューブ体101は、回転するバルーン11の表面に接触していることで、吐出したコーティング液をバルーン11の表面において撹拌する。これにより、コーティング液の濃度がバルーン11の表面において均一化され、薬剤をバルーン11の表面で均一に分散させることができる。また、多数のチューブ体101は、吐出したコーティング液をバルーン11の表面において広げる作用も有する。これにより、コーティング液がバルーン11の表面で均一に広げられ、薬剤を均一に分散させることができる。また、チューブ体101同士は狭い間隔で隣接しているので、バルーン11の表面に吐出されたコーティング液は、チューブ体101間の空間に毛細管現象により進入する。これにより、コーティング液の表面積が大きくなるので、コーティング液に含まれる溶媒が揮発しやすくなり、短時間に薬剤の結晶を生成することができる。
コーティング液をバルーン11の表面に塗布した後、前処理液及びコーティング液に含まれる有機溶媒が、水よりも先に揮発する。したがって、バルーン11の表面に、水不溶性薬剤、水溶性低分子化合物及び水が残された状態で、有機溶媒が揮発する。このように、水が残された状態で有機溶媒が揮発すると、水不溶性の薬剤が、水を含む水溶性低分子化合物の内部で析出し、結晶核から結晶が徐々に成長して、図3に示すように、バルーン11の表面に、結晶が各々独立した長軸を有する複数の薬剤結晶131を含む形態型(morphological form)の薬剤結晶が形成される。この状態の薬剤結晶131は、バルーン11の表面に対して立った状態となっている。薬剤結晶131の基端は、バルーン11の表面、添加剤130の表面または内部に位置する可能性がある。有機溶媒が揮発して薬剤結晶が複数の薬剤結晶131として析出した後、水が有機溶媒よりもゆっくり蒸発し、水溶性低分子化合物を含む添加剤130が形成される。水が蒸発するまでの時間は、薬剤の種類、水溶性低分子化合物の種類、有機溶媒の種類、材料の比率、コーティング液の塗布量等に応じて適宜設定されるが、例えば、1〜600秒程度である。
バルーン11を回転させつつコーティング液を多数のチューブ体101から塗布することで、バルーン11においてコート層30を形成する範囲の全体に、コーティング液が塗布される。バルーン11の表面に薬剤結晶131を有するコート層30が形成された後、回転機構50及び塗布機構80を停止させる。
この後、カテーテル1をバルーンコーティング装置2から取り外して、バルーン11のコーティングが完了する。
バルーン11は、図8(a)に示すように、内部に拡張用流体が注入された状態で断面略円形状を有する。この状態から、バルーン11は、突出する羽根部140が形成されることで、図8(b)に示すように、羽根部140の外側面を構成する羽根外側部140bと、羽根部140の内側面を構成する羽根内側部140aと、羽根外側部140bと羽根内側部140aの間に位置する中間部140cとが形成される。この状態から、図8(c)に示すように、径方向外側へ突出する羽根部140が、周方向へ折り畳まれる。バルーン11の羽根部140が折り畳まれると、羽根内側部140aと中間部140cが重なって接触し、バルーン11の外表面同士が対向して重なる重複部141が形成される。そして、中間部140cの一部および羽根外側部140bは、羽根内側部140aに覆われず、外側に露出する。また、バルーン11が折り畳まれた状態では、羽根部140の根元部と中間部140cとの間に、根元側空間部142が形成される。根元側空間部142の領域では、羽根部140と中間部140cとの間に、微小な隙間が形成される。一方、羽根部140の根元側空間部142よりも先端側の領域は、中間部140cに対して密接した状態となっている。羽根部140の周方向長さに対する根元側空間部142の周方向長さの割合は、1〜95%の範囲である。バルーン11の羽根外側部140bは、バルーン11を折り畳むためのブレードから周方向に擦れるような押圧力を受け、さらに加熱される。これにより、羽根外側部140bに設けられる長尺な薬剤結晶131がバルーン11の表面に倒れて寝やすい。なお、薬剤結晶131の全てが寝る必要はない。
また、バルーン11の重複部141において重なる外表面は、外部に露出しないため、折り畳む際に、ブレードから押圧力が間接的に作用する。このため、バルーン11の重複部141において重なる外表面に設けられる薬剤結晶131に作用する力を、強くなり過ぎないように調節することが容易である。したがって、バルーン11の重複部141において重なる外表面に設けられる薬剤結晶131を寝かせるために望ましい力を作用させることができる。また、互いに対向する羽根内側部140aと中間部140cの領域のうち、根元側空間部142に面する領域、すなわち羽根内側部140aと中間部140cとが密接しない領域では、薬剤結晶131は押圧力を受け難い。したがって、この領域では、薬剤結晶131が寝にくい。また、互いに対向する羽根内側部140aと中間部140cの領域のうち、根元側空間部142に面しない領域、すなわち羽根内側部140aと中間部140cとが密接している領域では、薬剤結晶131は押圧力を受けやすい。したがって、この領域では、薬剤結晶131が倒れて寝やすい。
次に、カテーテル1の使用方法を、血管内の狭窄部を治療する場合を例として説明する。
まず、術者は、セルジンガー法等の公知の方法により、皮膚から血管を穿刺し、イントロデューサ(図示せず)を留置する。次に、カテーテル1のプライミングを行った後、ガイドワイヤルーメン23内にガイドワイヤ200(図9を参照)を挿入する。この状態で、ガイドワイヤ200およびカテーテル1をイントロデューサの内部より血管内へ挿入する。続いて、ガイドワイヤ200を先行させつつカテーテル1を進行させ、バルーン11を狭窄部へ到達させる。なお、カテーテル1を狭窄部300まで到達させるために、ガイディングカテーテルを用いてもよい。
次に、ハブ12の基端開口部40より、インデフレーターまたはシリンジ等を用いて拡張用流体を所定量注入し、拡張ルーメン22を通じてバルーン11の内部に拡張用流体を送り込む。これにより、図9に示すように、折り畳まれたバルーン11が拡張し、狭窄部300が、バルーン11によって押し広げられる。このとき、バルーン11の外表面に設けられるコート層30が、狭窄部300に接触する。
バルーン11を拡張させてコート層30を生体組織に押し付けると、コート層30に含まれる水溶性の低分子化合物である添加剤130が徐々にまたは速やかに溶けつつ、薬剤結晶131が生体へ送達される。コート層30の薬剤結晶131は、上述した製造方法によって、均一に形成されている。このため、薬剤を生体へばらつきなく良好に作用させることができる。
この後、拡張用流体をハブ12の基端開口部40より吸引して排出し、バルーン11を収縮させて折り畳まれた状態とする。この後、イントロデューサを介して血管よりガイドワイヤ200およびカテーテル1を抜去し、手技が終了する。
以上のように、本実施形態に係るバルーンコーティング方法は、シャフト10の先端部にバルーン11を有するカテーテル1におけるバルーン11の表面にコート層30を形成するバルーンコーティング方法であって、細径で柔軟性を有するチューブ体101をバルーン11の軸方向に沿って多数配置し、チューブ体101の先端部をシャフト10の軸心を中心に回転するバルーン11の表面に接触させ、各チューブ体101をバルーン11の表面に追従するように変形させつつ、チューブ体101の先端からコーティング液を吐出して、バルーン11の表面に塗布する塗布工程を有する。このように構成したバルーンコーティング方法は、バルーン11の軸方向に沿って多数配置されたチューブ体101が、バルーン11の表面形状に合わせて変形しつつコーティング液を吐出するので、バルーン11の軸方向に沿って均一にコーティング液を塗布することができる。また、バルーン11の軸方向全体に対し一度にコーティング液を塗布できるので、コーティングに要する時間を短縮し、生産効率を向上させると共に、外的要因の変動の影響を小さくすることができる。
また、本実施形態のバルーンコーティング方法は、チューブ体101によりバルーン11の表面にコーティング液を塗布した後、チューブ体101で塗布されたコーティング液を撹拌するステップを有する。このため、コーティング液の濃度がバルーン11の表面において均一化され、薬剤をバルーン11の表面で均一に分散させることができる。
また、本実施形態のバルーンコーティング方法は、チューブ体101によりバルーン11の表面にコーティング液を塗布した後、チューブ体101によりコーティング液をバルーン11の表面上で広げるステップを有する。このため、コーティング液がバルーン11の表面で均一に広げられ、薬剤を均一に分散させることができる。
また、本実施形態のバルーンコーティング方法は、チューブ体101によりバルーン11の表面にコーティング液を塗布した後、コーティング液がチューブ体101間の空間に毛細管現象により進入し、コーティング液に含まれる溶媒が揮発するステップを有する。このため、コーティング液の溶媒を揮発させやすく、短時間に薬剤の結晶を生成することができる。
また、多数のチューブ体101は、共通のコーティング液供給容器100からコーティング液の供給を受ける。これにより、チューブ体101の位置によらず、コーティング液が均等に吐出されるので、バルーン11の表面に対し均一にコーティング液を塗布することができる。
また、多数のチューブ体101は、複数列を形成するように配置されているようにすれば、バルーン11の回転方向に沿って複数箇所でコーティング液が塗布されるので、コーティング液をより均一に塗布できる。
また、多数のチューブ体101のうち少なくとも2つは、バルーン11の軸方向において同位置で、バルーン11の周方向において異なる位置に配置されるようにすれば、チューブ体101で塗布されたコーティング液がバルーン11の回転に伴い別のチューブ体101で刺激され、結晶化を促すことができる。
また、細径で柔軟性を有する内実体102をチューブ体101と並設し、内実体102をチューブ体101と共に軸心を中心に回転するバルーン11の表面に接触させるようにすれば、チューブ体101で塗布されたコーティング液が内実体102で刺激され、結晶化を促すことができる。
また、多数のチューブ体101のうち少なくとも1つと内実体102のうち少なくとも1つは、バルーン11の軸方向において同位置で、バルーン11の周方向において異なる位置に配置されるようにすれば、バルーン11の回転に伴いチューブ体101から吐出されたコーティング液を内実体102で刺激し、結晶化を促すことができる。
また、コーティング液に含まれる薬剤は、ラパマイシン、パクリタキセル、ドセタキセル、またはエベロリムスのいずれかであるようにすれば、血管内の狭窄部の再狭窄を良好に抑制できる。
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。例えば、上述のバルーンカテーテル10は、ラピッドエクスチェンジ型(Rapid exchange type)であるが、オーバーザワイヤ型(Over−the−wire type)であってもよい。
1 カテーテル
2 バルーンコーティング装置
10 シャフト
11 バルーン
12 ハブ
15 バルーン
30 コート層
50 回転機構
70 支持台
71 基端側支持部
72 先端側支持部
73 供給部支持部
80 塗布機構
90 貯留部
91 加圧部
92 ネジ部
93 ネジ送り部
94 基台部
95 供給部
96 供給管
100 コーティング液供給容器
101 チューブ体
102 内実体
120 制御部

Claims (10)

  1. シャフトの先端部にバルーンを有するカテーテルにおける前記バルーンの表面にコート層を形成するバルーンコーティング方法であって、
    細径で柔軟性を有するチューブ体を前記バルーンの軸方向に沿って多数配置し、前記チューブ体の先端部を前記シャフトの軸心を中心に回転するバルーンの表面に接触させ、各チューブ体を前記バルーンの表面に追従するように変形させつつ、前記チューブ体の先端からコーティング液を吐出して、前記バルーンの表面に塗布する塗布工程を有するバルーンコーティング方法。
  2. 前記チューブ体により前記バルーンの表面にコーティング液を塗布した後、前記チューブ体で塗布された前記コーティング液を撹拌するステップを有する請求項1に記載のバルーンコーティング方法。
  3. 前記チューブ体により前記バルーンの表面にコーティング液を塗布した後、前記チューブ体により前記コーティング液を前記バルーンの表面上で広げるステップを有する請求項1または2に記載のバルーンコーティング方法。
  4. 前記チューブ体により前記バルーンの表面にコーティング液を塗布した後、前記コーティング液が前記チューブ体間の空間に毛細管現象により進入し、前記コーティング液に含まれる溶媒が揮発するステップを有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のバルーンコーティング方法。
  5. 前記多数のチューブ体は、共通のコーティング液供給容器から前記コーティング液の供給を受ける請求項1〜4のいずれか1項に記載のバルーンコーティング方法。
  6. 前記多数のチューブ体は、複数列を形成するように配置されている請求項1〜5のいずれか1項に記載のバルーンコーティング方法。
  7. 前記多数のチューブ体のうち少なくとも2つは、前記バルーンの軸方向において同位置で、前記バルーンの周方向において異なる位置に配置される請求項1〜6のいずれか1項に記載のバルーンコーティング方法。
  8. 細径で柔軟性を有する内実体を前記チューブ体と並設し、前記内実体を前記チューブ体と共に軸心を中心に回転するバルーンの表面に接触させる請求項1〜7のいずれか1項に記載のバルーンコーティング方法。
  9. 前記多数のチューブ体のうち少なくとも1つと前記内実体のうち少なくとも1つは、前記バルーンの軸方向において同位置で、前記バルーンの周方向において異なる位置に配置される請求項8に記載のバルーンコーティング方法。
  10. 前記コーティング液に含まれる薬剤は、ラパマイシン、パクリタキセル、ドセタキセル、またはエベロリムスのいずれかである請求項1〜9のいずれか1項に記載のバルーンコーティング方法。
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