JP2018152439A - 軟磁性複合材料、軟磁性複合材料を使用した磁性コア、及び軟磁性複合材料を使用したリアクトル - Google Patents
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Abstract
Description
[1−1.構成]
本実施形態の軟磁性複合材料は、磁性粉末と樹脂とを含み構成される。軟磁性複合材料に含まれる樹脂としては、220℃で40時間の雰囲気に晒した際の減少率(以下、加熱減量)が0.1%以下の樹脂を使用する。樹脂は、高温の雰囲気に長時間晒すことで体積や重量が変化する。加熱減量は、高温に晒した前後の樹脂の重量または体積の変化率を示す値であり、加熱減量は高温に晒した前後の樹脂の重量または体積に基づいて算出する。以下では、加熱減量を樹脂の重量変化に基づいて算出するが、体積変化に基づいて算出しても良い。加熱減量を、重量変化及び体積変化に基づいて算出した場合でも、本実施形態では、220℃で40時間の雰囲気に晒した際の加熱減量が0.1%以下の樹脂を使用する。
磁性粉末としては、平均粒子径の異なる複数の磁性粉末を使用しても良い。例えば、平均粒子径の異なる2種類の磁性粉末から構成しても良い。以下では、種類の軟磁性粉末を混合した混合粉末を例に説明する。ただし、必ずしも2種類の粉末を混合したものでなくてもよい。例えば、1種類の軟磁性粉末を用いてもよいし、3種類以上の軟磁性粉末を混合してもよい。
樹脂は、混合粉末に混合され、第1粉末と第2粉末が均質に混合された状態で保持する機能を有する。樹脂は、磁性粉末と混合し、混合した磁性粉末を保持する。磁性粉末が平均粒子径の異なる種類の粉末で構成される場合、各粉末を均質に混合した状態で保持する。樹脂としては、220℃で40時間加熱した際の加熱減量が0.1%以下、望ましくは0.08%以下の樹脂を使用する。樹脂としては、硬化性樹脂が使用できる。加熱減量が0.1%以下であれば、樹脂としては、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、又は熱可塑性樹脂が使用できる。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂などが使用できる。紫外線硬化性樹脂としては、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系、アクリレート系、エポキシ系の樹脂を使用できる。熱可塑性樹脂としては、ポリイミドやフッ素樹脂などの耐熱性に優れた樹脂を使用することが好ましい。硬化剤を添加することにより硬化するエポキシ樹脂は、硬化剤の添加量などによってその粘度を調整できることから、本発明に適している。熱可塑性のアクリル樹脂やシリコーン樹脂も使用可能である。
コイルは、絶縁被覆が施された導線であり、線材として銅線やアルミニウム線を用いることができる。コイルは、コアの少なくとも一部に導線が巻回されて形成され或いは装着されており、コアの少なくとも一部の周囲に配置される。コイルの巻き方や線材の材料、形状は特に限定されない。
本実施形態に係るメタルコンポジットコアの製造方法について、図面を参照しつつ説明する。本メタルコンポジットコアの製造方法は、図1に示すように、(1)混合工程、(2)成型工程、(3)加圧工程、及び(4)硬化工程を備える。
混合工程は、磁性粉末と樹脂とを混合する工程である。混合工程は、第1の磁性粉末と、第1の磁性粉末より平均粒子径の小さい第2の磁性粉末とを混合し、磁性粉末を構成する磁性粉混合工程と、磁性粉末に対して3〜5wt%の樹脂を添加し、磁性粉末と樹脂とを混合する樹脂混合工程とを有する。
成型工程は、複合磁性粉末を所定形状の容器に入れて所定の形状に成型する工程である。成型工程では、複合磁性粉末とともにコイルを入れて成型しても良い。
加圧工程は、成型工程時に、複合磁性材料を押圧部材で押圧する工程である。容器に入れられた粘土状の複合磁性材料を、押圧部材で押圧することにより、容器の形状に複合磁性材料を押し広げるとともに、複合磁性材料に含まれていた空隙を減少させ、見かけ密度、及び初透磁率を向上させる。
硬化工程は、成型工程で得た成型体中の樹脂を硬化させる工程である。成型体中の樹脂の乾燥により硬化させる場合、乾燥雰囲気は、大気雰囲気とすることができる。硬化工程では、樹脂の乾燥状態に基づいて乾燥温度及び時間を制御する乾燥プロファイルにより、樹脂を硬化させる。乾燥時間は、樹脂の種類、含有量、乾燥温度等に応じて適宜変更可能であるが、例えば、1時間〜4時間とすることができるが、これに限定されない。乾燥温度は、樹脂の種類、含有量、乾燥時間等に応じて適宜変更可能であるが、例えば、85℃〜150℃とすることができるが、これに限定されない。なお、乾燥温度は、乾燥雰囲気の温度である。
(1)本実施形態の磁性コアに使用する樹脂として、当該樹脂を220℃の雰囲気に40時間晒した際の減少率が0.1%以下、望ましくは0.08%以下である樹脂とする。減少率は、樹脂を高温下の雰囲気晒した場合の重量の減少率である。本実施形態の軟磁性複合材料より作成した磁性コアでは、長時間高温下で使用した場合においても、磁性コア内部の磁性粉末同士の接触を抑制することができる。磁性コアにおいては、内部に含まれる軟磁性粉末の大きさに応じた渦電流が発生する。磁性コアを長時間高温下に晒すと、磁性コアに含まれる樹脂の減少率が0.1%超の場合には、樹脂が熱の影響により、分解、消失する。樹脂により隔てられた磁性粉末同士が、樹脂の消失により接触することで、より大きな渦電流が発生する。
本発明の実施例を、表1〜表3及び図3を参照して、以下に説明する。
加熱減量が異なる4種類の樹脂A〜Dを用意し、樹脂A〜Dを使用してサンプルとなる試験片を作製し、各樹脂の加熱減量の測定を行った。樹脂の加熱減量は、以下の方法により測定した。樹脂の加熱減量は、サンプルの寸法によって異なるため、比較する樹脂のサンプルの寸法は統一する必要がある。本実施例では、「直径40×高さ10(mm)」の円柱サンプルを使用して樹脂A〜Dの加熱減量を計測した。
(a)試験片の準備
初めに、所定の寸法の内径を有する金型や容器を用意した。本実施例では、所定の寸法を「直径40×高さ10(mm)」の内径を有する金型とした。樹脂A〜Dの材料となる、成形材料を金型内部に投入し、金型を150℃に加熱した。加えられた熱により成形材料は融解し、その後化学反応が起きて金型の形に合わせて固化する。サンプル作成の際の樹脂A〜Dの加熱時間は、4時間とする。
固化した樹脂A〜Dを金型より取り出し、試験片A〜Dとした。この試験片A〜Dの質量を1mgまで計測した。この値をM0とした。
試験片A〜Dを、220℃まで加熱させる。加熱時間は、20時間または40時間とする。
所定時間経過した試験片A〜Dを、取り出し、放熱後、質量を1mgまで計測した。この値をM1とした。
以下の式により、加熱減量を計算した。
(M0−M1)÷M0×100=加熱減量(%)
第1の特性比較では、加熱減量が異なる樹脂A〜Dを使用し作成したリアクトルの特性の比較を行う。
測定項目は、鉄損である。作製された各コアのサンプルに対して、φ1.2mmの銅線で1次巻線40ターン、2次巻線3ターンの巻線を施してリアクトルを作製した。各コアのサンプルの形状は、外径35mm、内径20mm、高さ11mmのトロイダル形状とした。また、作製したリアクトルの鉄損を下記の条件で算出した。
鉄損の測定条件は、周波数20kHz、最大磁束密度Bm=30mTとした。鉄損は、磁気計測機器であるBHアナライザ(岩通計測株式会社:SY−8232)を用いて算出した。この算出は、鉄損の周波数曲線を次の(1)〜(3)式で最小2乗法により、ヒステリシス損係数、渦電流損失係数を算出することで行った。
Phv =Kh×f…(2)
Pev =Ke×f2…(3)
Pcv:鉄損
Kh :ヒステリシス損失係数
Ke :渦電流損失係数
f :周波数
Phv:ヒステリシス損失
Pev:渦電流損失
会社名:Malvern
装置名:morphologi G3S
比表面積は、BET法により測定した。
コアのサンプルは、第1の磁性粉末として平均粒子径が123μmのFe6.5Siを使用する。次に、第2の磁性粉末として平均粒子径が5.1μmのFe6.5Siを用意する。そして、第1の磁性粉末と第2の磁性粉末とを、重量比率70:30の割合で混合し、平均粒子径が異なる2つの磁性粉末の混合物を得る。
次に実施例1、2及び比較例1、2のサンプルを用いて高温放置試験を行った。高温放置試験は、実施例1、2及び比較例1、2のサンプルを155℃の雰囲気下に、24時間〜1000時間晒し、その後の鉄損Pcvを測定した。
(Pcv1−Pcv0)÷Pcv0×100=Pcvの変化率(%)
鉄損Pcvは、ヒステリシス損失Phvと渦電流損失Pevとの合計の値である。表1及び図3における高温放置試験において、鉄損Pcvが上昇する原因として、渦電流損失Pevを挙げた。以下では、樹脂Aを使用した比較例1及び実施例2のサンプルを例にとり、Pcvの変化率(%)の上昇と、ヒステリシス損失Phv及び渦電流損失Pevの変化量について検証する。
以上より、220℃で40時間加熱した際の加熱減量が0.1%以下である樹脂を含む軟磁性複合材料より作成した磁性コアは、155℃で長時間使用しても、鉄損Pcvの変化率(%)が小さく抑えられることがわかる。これは、220℃で40時間加熱した際の加熱減量が小さい樹脂は、高温の雰囲気下に長時間晒しても樹脂が分解または消失しないため、磁性粉末同士の接触を抑制することができるためであり、このことにより低渦電流損失を実現することが可能となる。
本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。
Claims (11)
- 磁性粉末と樹脂とを混合してなる軟磁性複合材料であって、
当該樹脂を220℃の雰囲気に40時間晒した際の減少率が0.1%以下であることを特徴とする軟磁性複合材料。 - 前記減少率が、0.08%以下であることを特徴とする請求項1に記載の軟磁性複合材料。
- 前記減少率は、前記樹脂の重量の減少率であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の軟磁性複合材料。
- 前記磁性粉末は、
所定の平均粒子径の第1の磁性粉末と、
平均粒子径が前記第1の磁性粉末より小さい第2の磁性粉末と、
を含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の軟磁性複合材料。 - 前記第1の磁性粉末の平均粒子径は100〜200μmであり、
前記第2の磁性粉末の平均粒子径は5〜10μmであることを特徴とする請求項4に記載の軟磁性複合材料。 - 前記磁性粉末における前記第1の磁性粉末の添加量が60〜80wt%、前記第2の磁性粉末が20〜40wt%であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の軟磁性複合材料。
- 前記樹脂は、熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の軟磁性複合材料。
- 前記樹脂は、エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の軟磁性複合材料。
- 前記請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の軟磁性複合材料によって構成された磁性コア。
- 前記磁性体コアを、155℃の雰囲気に500時間以上晒した際の鉄損の変化率が10%以下であることを特徴とする請求項9に記載の磁性コア。
- 前記請求項9または請求項10に記載の磁性コアと、コイルを備えるリアクトル。
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