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JP2018152204A - 電気化学セル用空気極、およびそれを含む電気化学セル - Google Patents

電気化学セル用空気極、およびそれを含む電気化学セル Download PDF

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JP2018152204A
JP2018152204A JP2017046681A JP2017046681A JP2018152204A JP 2018152204 A JP2018152204 A JP 2018152204A JP 2017046681 A JP2017046681 A JP 2017046681A JP 2017046681 A JP2017046681 A JP 2017046681A JP 2018152204 A JP2018152204 A JP 2018152204A
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是史 久保田
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是史 久保田
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Abstract

【課題】電流−電圧特性に優れた電気化学セル用空気極、およびそれを含む電気化学セルの提供。【解決手段】空気極の断面において、該空気極と電解質層との界面から、該空気極の該電解質層が形成されていない面方向へ、該界面と垂直方向にW1以内の範囲において、該界面と平行方向に幅20μmで且つ該界面と垂直方向に長さW1である矩形領域1における、気孔と空気極成分領域との界面長さの合計値を気孔数で割った平均値d1が2.1μm以上3.0μm未満であり、該空気極の該電解質層の形成されていない面から、該空気極と該電解質層との上記界面方向へ上記面と垂直方向にW2以内の範囲において、上記面と平行方向に幅20μmで且つ上記面と垂直方向に長さW2である矩形領域2における、気孔と空気極成分領域との界面長さの合計値を気孔数で割った平均値d2が3.0μm以上5.0μm未満である。【選択図】なし

Description

本発明は、電気化学セル用空気極、およびそれを含む電気化学セルに関する。
近年、電気化学セルがクリーンエネルギー源として注目されている。電気化学セルのうち、電解質に固体のセラミックを使用している固体酸化物形燃料電池や固体酸化物形電解セルは、作動温度が高いため排熱を利用でき、さらに高効率で電力や水素燃料を得ることができる等の長所を有しており、幅広い分野での活用が期待されている。電気化学セルは、基本構造として、燃料極と空気極との間に電解質層が配置された構造を有する。
特許文献1には、電解質材料と電極材料との界面に効率良く十分な量の燃料ガスを供給できる燃料ガス供給パス又は効率良く十分な量の酸化性ガスを供給できる酸化性ガス供給パスを有し、その結果SOFCの発電性能を向上させることを目的として、空気極用塗膜の焼成時に、0.9〜6kPaの荷重をかけて製造した空気極が記載されている。この空気極では、周辺長が平均70μm程度の開口が観測されている。
しかしながら、固体酸化物形燃料電池や固体電解質形電気化学セル等の電気化学セルの効率(出力)については、さらなる改善の余地があった。
特開2017−10664号公報
従って、本発明の課題は、電流−電圧特性に優れた電気化学セル用空気極、およびそれを含む電気化学セルを提供することである。
本発明者らは、電気化学セル用空気極について、空気極の構造を制御することにより、電流−電圧特性に優れた電気化学セル用空気極、およびそれを含む電気化学セルを製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の電気化学セル用空気極は、燃料極、電解質層、空気極をこの順に配置してなる電気化学セル用空気極であって、
上記空気極の断面において、
上記空気極と上記電解質層との界面から、上記空気極の上記電解質層が形成されていない面方向へ、上記界面と垂直方向にW1以内の範囲において、上記界面と平行方向に幅20μmで且つ上記界面と垂直方向に長さW1である矩形領域1における、走査型電子顕微鏡で観測される反射電子像から読み取った気孔と空気極成分領域との界面長さの合計値を気孔数で割った平均値d1が2.1μm以上3.0μm未満であり、
上記空気極の上記電解質層の形成されていない面から、上記空気極と上記電解質層との上記界面方向へ上記面と垂直方向にW2以内の範囲において、上記面と平行方向に幅20μmで且つ上記面と垂直方向に長さW2である矩形領域2における、走査型電子顕微鏡で観測される反射電子像から読み取った気孔と空気極成分領域との界面長さの合計値を気孔数で割った平均値d2が3.0μm以上5.0μm未満である
但し、上記空気極の厚みが6μm以上の場合は上記W1,上記W2はそれぞれ3μmであり、上記空気極の厚みが6μm未満の場合は、上記W1,上記W2はそれぞれ上記空気極の厚みの50%とし、上記矩形領域1と上記矩形領域2とは、重ならないように設定する。
また、本発明の電気化学セル用空気極は、燃料極、電解質層、バリア層、空気極をこの順に配置してなる電気化学セル用空気極であって、
上記空気極の断面において、
上記空気極と上記バリア層との界面から、上記空気極の上記バリア層が形成されていない面方向へ、上記界面と垂直方向にW1以内の範囲において、上記界面と平行方向に幅20μmで且つ上記界面と垂直方向に長さW1である矩形領域1における、走査型電子顕微鏡で観測される反射電子像から読み取った気孔と空気極成分領域との界面長さの合計値を気孔数で割った平均値d1が2.1μm以上3.0μm未満であり、
上記空気極の上記バリア層の形成されていない面から、上記空気極と上記バリア層との上記界面方向へ上記面と垂直方向にW2以内の範囲において、上記面と平行方向に幅20μmで且つ上記面と垂直方向に長さW2である矩形領域2における、走査型電子顕微鏡で観測される反射電子像から読み取った気孔と空気極成分領域との界面長さの合計値を気孔数で割った平均値d2が3.0μm以上5.0μm未満である。
但し、上記空気極の厚みが6μm以上の場合は上記W1,上記W2はそれぞれ3μmであり、上記空気極の厚みが6μm未満の場合は、上記W1,上記W2はそれぞれ上記空気極の厚みの50%とし、上記矩形領域1と上記矩形領域2とは、重ならないように設定する。
好ましくは、上記矩形領域1において走査型電子顕微鏡で観測される上記気孔のうち、上記反射電子像から読み取った上記気孔と上記空気極成分領域との上記界面長さが1μm未満の気孔の個数割合が45%以下である。
また、好ましくは、上記矩形領域1において走査型電子顕微鏡で観測される上記気孔のうち、上記反射電子像から読み取った上記気孔と上記空気極成分領域との上記界面長さが1μm以上6μm未満の気孔の個数割合が50%以上である。
さらにまた、好ましくは、上記矩形領域1において上記反射電子像から読み取った上記気孔の上記空気極成分領域との上記界面長さを1.0μm刻みで横軸に、気孔数を縦軸にしたヒストグラムにおいて、上記界面長さが0.0μm以上1.0μm未満の範囲にピークを有する。
また、本発明の電気化学セルは、燃料極、電解質層、上記空気極をこの順に配置してなる。
また、本発明の電気化学セルは、燃料極、電解質層、バリア層、上記空気極をこの順に配置してなる
本発明によれば、電流−電圧特性に優れた固体酸化物形燃料電池や固体電解質形電気化学セル等の電気化学セル、ならびにそのような電気化学セルを構成する空気極を提供できる。
本発明の電気化学セルの一形態である。 本発明の電気化学セルの他の一形態である。 本発明の電気化学セル用空気極の一形態における断面において、空気極と電解質層またはバリア層との界面から、空気極の電解質層および/またはバリア層が形成されていない面方向Sへ、上記界面と垂直方向にW1以内の範囲において、上記界面と平行方向に幅20μmで且つ上記界面と垂直方向に長さW1である矩形領域1、ならびに、上記空気極の上記電解質層および/またはバリア層が形成されていない上記面から、上記空気極と上記電解質層またはバリア層との上記界面方向へ上記面と垂直方向にW2以内の範囲において、上記面と平行方向に幅20μmで且つ上記面と垂直方向に長さW2である矩形領域2を模式的に表す図である。 本発明の電気化学セル用空気極の他の一形態における断面において、空気極と電解質層またはバリア層との界面に接する空気極の厚みの50%の領域における上記界面と平行方向に幅20μmである矩形領域1、ならびに、空気極の厚みの残り50%の領域における上記界面と平行方向に幅20μmである矩形領域2を模式的に表す図である。 実施例の電気化学セル用空気極の矩形領域2を含む断面の走査型電子顕微鏡で観測される反射電子像の一例を示す図である。 実施例の電気化学セル用空気極の断面の走査型電子顕微鏡で観測される反射電子像から読み取った上記矩形領域1の気孔と空気極成分領域との界面長さの分布を表すヒストグラムである。 実施例の電気化学セル用空気極の断面の走査型電子顕微鏡で観測される反射電子像から読み取った上記矩形領域2の気孔と空気極成分領域との界面長さの分布を表すヒストグラムである。
1.電気化学セル
本発明の電気化学セルは、燃料極、電解質層、空気極をこの順に配置してなる。上記空気極の断面において、
上記空気極と上記電解質層との界面から、上記空気極の上記電解質層が形成されていない面方向へ、上記界面と垂直方向にW1以内の範囲において、上記界面と平行方向に幅20μmで且つ上記界面と垂直方向に長さW1である矩形領域1における、走査型電子顕微鏡で観測される反射電子像から読み取った気孔と空気極成分領域との界面長さの合計値を気孔数で割った平均値d1が2.1μm以上3.0μm未満であり、
上記空気極の上記電解質層の形成されていない面から、上記空気極と上記電解質層との上記界面方向へ上記面と垂直方向にW2以内の範囲において、上記面と平行方向に幅20μmで且つ上記面と垂直方向に長さW2である矩形領域2における、走査型電子顕微鏡で観測される反射電子像から読み取った気孔と空気極成分領域との界面長さの合計値を気孔数で割った平均値d2が3.0μm以上5.0μm未満である。
また、本発明の電気化学セルは、燃料極、電解質層、バリア層、空気極をこの順に配置してなり、上記空気極の断面において、
上記空気極と上記バリア層との界面から、上記空気極の上記バリア層が形成されていない面方向へ、上記界面と垂直方向にW1以内の範囲において、上記界面と平行方向に幅20μmで且つ上記界面と垂直方向に長さW1である矩形領域1における、走査型電子顕微鏡で観測される反射電子像から読み取った気孔と空気極成分領域との界面長さの合計値を気孔数で割った平均値d1が2.1μm以上3.0μm未満であり、
上記空気極の上記バリア層の形成されていない面から、上記空気極と上記バリア層との上記界面方向へ上記面と垂直方向にW2以内の範囲において、上記面と平行方向に幅20μmで且つ上記面と垂直方向に長さW2である矩形領域2における、走査型電子顕微鏡で観測される反射電子像から読み取った気孔と空気極成分領域との界面長さの合計値を気孔数で割った平均値d2が3.0μm以上5.0μm未満である。
上記本発明の電気化学セルにおいて、上記空気極の厚みが6μm以上の場合は上記W1,上記W2はそれぞれ3μmであり、上記空気極の厚みが6μm未満の場合は、上記W1,上記W2はそれぞれ上記空気極の厚みの50%とし、上記矩形領域1と上記矩形領域2とは、重ならないように設定する。この場合に、上記矩形領域1と上記矩形領域2とがこれら2つの矩形領域の境界線を共有することになる場合は、該境界線は矩形領域1に含め、矩形領域2には含めない。
本発明の電気化学セルとしては、例えば固体酸化物形燃料電池や固体酸化物形電解セルが挙げられ、固体酸化物形燃料電池が好ましい形態である。上記電気化学セルは、燃料極を支持体とする燃料極支持型セル、電解質層を支持体とする固体電解質支持型セル、空気極を支持体とする空気極支持型セルであってもよい。また、上記電気化学セル用単セルは、金属隔壁から構成され複数の貫通孔を備えた支持基板上に、燃料極と電解質層と上記空気極とが、この順に配置されたメタルサポートセルであってもよいし、あるいは燃料極と、電解質層とバリア層と上記空気極とが、この順に配置されたメタルサポートセルであっても良い。
本発明の電気化学セルは、固体酸化物形燃料電池として用いた場合には、好ましくは、空気極における過電圧が低く、固体酸化物形燃料電池の出力を高めることができる。また、本発明の電気化学セルは、固体酸化物形電解セルとして用いた場合には、好ましくは、低消費電力で高効率の電気分解反応を進めることができる。
図1に、本発明の電気化学セルの一形態としての電気化学セル10を示す。電気化学セル10は、燃料極18、電解質層16、空気極12をこの順に配置してなる電気化学セルである。
また、図2に、本発明の電気化学セルの他の一形態としての電気化学セル20を示す。電気化学セル20は、燃料極28、電解質層26、バリア層24、空気極22をこの順に配置してなる電気化学セルである。
1−1 電解質層
上記電解質層16、26を構成する電解質成分としては、特に限定されず公知の酸化物イオン伝導性材料が使用できるが、ジルコニア系酸化物を主成分として含んでいることが好ましい。本明細書においては、「主成分として含む」とは、電解質100質量%中、例えば50質量%以上、好ましくは60質量%以上含んでいることを指す。
上記電解質層16、26を構成する酸化物イオン伝導性材料としては、例えば、Mg、Ca、Sr、Baなどのアルカリ土類金属元素、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Ybなどの希土類元素、Inなどのその他の金属元素などを1種または2種以上含有するジルコニア、好ましくはこれらの元素の1種または2種以上を安定化剤として固溶している安定化ジルコニア;さらには、上記ジルコニア(好ましくは安定化ジルコニア)に、Al、TiO、Ta、Nbなどが分散強化剤として添加されたジルコニア等のジルコニア系酸化物;イットリウム、サマリウム、ガドリニウム、イッテルビウム等を含有するセリア等のセリア系酸化物、中でも好ましくはこれらの元素の1種または2種以上が固溶しているドープドセリア;ランタンガレート、およびランタンガレートのランタンまたはガリウムの一部がストロンチウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、インジウム、コバルト、鉄、ニッケル、銅等で置換されたランタンガレート型ペロブスカイト構造酸化物;などを例示することができる。
上記の中でも、ジルコニア系酸化物が好適であり、より高度な熱的特性、機械的特性、化学的特性および酸化物イオン伝導特性を有する安定化ジルコニアとして、スカンジウム、イットリウム、セリウム、およびイッテルビウムから選択される少なくとも1種の元素で安定化されたものがより好ましい。また、結晶構造として正方晶または立方晶を含む(部分)安定化ジルコニアが好ましい。
ジルコニア系酸化物の中でも、イットリウム、スカンジウム、イッテルビウム等の希土類元素の少なくとも1種の元素(安定化元素ともいう)が固溶することにより結晶構造が安定化されている安定化ジルコニアが好ましい。
より好ましい形態としては、安定化ジルコニアを構成するジルコニウムの原子数100モル%に対し、スカンジウムを原子数換算で7.0〜27.5モル%の割合で含有するジルコニア(スカンジア安定化ジルコニア)、原子数換算でスカンジウムを17.0〜25.0モル%、セリウムを0.5〜2.5モル%の割合で含有するジルコニア(スカンジア、セリア安定化ジルコニア)、イットリウムを原子数換算で6.0〜28.0モル%の割合で含有するジルコニア(イットリア安定化ジルコニア)、又はイッテルビウムを原子数換算で6.0〜35.5モル%の割合で含有するジルコニア(イッテルビア安定化ジルコニア)が挙げられる。
さらに好ましい形態としては、安定化ジルコニアを構成するジルコニウムの原子数100モル%に対し、スカンジウムを原子数換算で13.0〜25.0モル%の割合で含有するジルコニア、原子数換算でスカンジウムを17.0〜24.0モル%、セリウムを0.5〜2.0モル%の割合で含有するジルコニア(スカンジア、セリア安定化ジルコニア)、イットリウムを原子数換算で12.0〜28.0モル%の割合で含有するジルコニア、イッテルビウムを原子数換算で12.0〜28.0モル%の割合で含有するジルコニアが好ましい。
特に安定化ジルコニアを構成するジルコニウムの原子数100モル%に対し、イッテルビウムを原子数換算で12.0〜28.0モル%の割合で含有するジルコニアが好ましい。
上記電解質層16、26は、ジルコニア系酸化物(好ましくは安定化ジルコニア)を50質量%以上含んでいることが好ましく、80質量%以上含んでいることがより好ましく、85質量%以上含んでいることが一層好ましく、90質量%以上含んでいることが特に好ましい。
上記電解質層16、26の膜厚は、例えば1〜1000μm、好ましくは1〜500μm、より好ましくは1〜300μmである。電極支持型セルまたは金属支持型セルに使用する場合には、1〜50μmが好ましく、1〜30μmがより好ましく、1〜20μmがさらに好ましい。膜厚を薄くすることにより、酸化物イオン伝導性をより向上できる。
1−2 燃料極
上記燃料極18、28は、ニッケル、コバルト、銅、鉄、ルテニウム等の、電気化学セルで燃料極触媒活性を有する金属やその前駆体である金属酸化物のうち1種類以上を含む層であれば、特に制限はされない。燃料極触媒活性を有する金属の前駆体である金属酸化物は、電気化学セルの運転雰囲気下では還元されて、該層は燃料極触媒活性を有する金属が含まれる層となる。燃料極は、さらに、上記ジルコニア系酸化物(好ましくは安定化ジルコニア)、セリア系酸化物(好ましくはドープドセリア)、安定化ビスマスやランタンガレートなどの酸化物イオン伝導性金属酸化物や酸化物イオンと電子との混合伝導性金属酸化物のうち1種類以上が混合された層であることが好ましい。
燃料極18、28としては、NiまたはNiOとジルコニア系酸化物とが混合された層;または、NiまたはNiOとセリア系酸化物とが混合された層がより好ましい。NiまたはNiOと酸化物(ジルコニア系酸化物またはセリア系酸化物)との体積比は、NiまたはNiOについてはNiO換算でNiO/酸化物=40/60〜70/30が好ましい。これらの体積比は、NiOと各酸化物のバルクの比重から重量比に換算できる。燃料極は、直接に接している電解質層と共通する化合物を含んでいることが好ましい。
燃料極18、28は、燃料ガス透過性が高いという観点から、運転時の条件において気孔を有する層であることが好ましい。膜厚は3〜30μmが好ましく、4〜25μmがより好ましい。
1−3 空気極
空気極12、22の組成としては、電気化学セルの反応時に空気極触媒活性を有する金属酸化物を含む層であれば、特に制限されない。空気極を構成する材料としては伝導性材料が好ましく、電子導電性材料を含むことがより好ましく、特に混合伝導性(イオン伝導性、電子導電性)を有する材料が好ましい。具体的には、La、Pr、Sm、Sr、Ba、Co、Fe、Mn、Ni等のうちの少なくとも1種を含有する各種の複合酸化物(例えば、ストロンチウムを固溶したランタンマンガナイト、ランタンフェライト、ランタンコバルトフェライトやランタンコバルタイト、ランタンストロンチウムコバルタイト等)が挙げられる。空気極は、さらに、上記安定化ジルコニア、ドープドセリア、安定化ビスマスやランタンガレートなどの酸化物イオン伝導性金属酸化物や酸化物イオンと電子との混合伝導性金属酸化物のうち1種類以上が混合された層であることが好ましいが、空気極に混合伝導性を有する材料を用いた場合で、酸化物イオン導電性が十分である場合には、無くても構わない。
混合伝導性材料の中でも、ペロブスカイト型酸化物が好ましく、SrとCoを含有する複合酸化物がより好ましい。Fe含有量は少ないことが好ましく、例えば、Fe/(Co+Fe)(原子比)が0.7未満が好ましく、0.5未満がより好ましく、0.3未満がさらに好ましく、0.1未満が特に好ましく、実質的に0であることが最も好ましい。Fe含有量を少なくすることにより、空気極触媒活性と焼結性を向上させることができる。
上記空気極12、22の膜厚は3μm以上であり、4μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましく、6μm以上がさらに好ましく、8μm以上が一層好ましく、10μm以上がより一層好ましい。また上限は特に限定されないが、100μm以下が好ましく、40μm以下がより好ましい。上記空気極は、好ましくは、2層以上の層から構成されていてもよい。上記2層以上の層の内、電解質層またはバリア層に隣接する層を第1層ということがある。また、上記第1層における電解質層および/またはバリア層が形成されていない面に隣接する層を第2層ということがある。
上記第1層と上記第2層は組成が同じ伝導性材料を含むことが好ましく、上記第1層と上記第2層は組成が同じであることがより好ましい。また、上記第1層と上記第2層とで構成する粒子や気孔についての形状や大きさが異なることが好ましい。
1−3−1 気孔と空気極成分領域との界面長さ
上記空気極12、22は、断面の矩形領域1において、走査型電子顕微鏡で観測される反射電子像から読み取った気孔と空気極成分領域との界面長さの合計値を気孔数で割った平均値d1が2.1μm以上3.0μm未満である。
ここで、矩形領域1とは、図3に参照符号1で示す矩形領域であり、上記空気極12、22と、上記電解質層16またはバリア層24との界面8から、上記空気極12、22の上記電解質層16および/またはバリア層24が形成されていない面9の方へ、黒塗り矢印Sで示す方向に、上記界面8と垂直方向にW1以内の範囲において、上記界面と平行方向に幅20μmで且つ上記界面と垂直方向に長さW1である矩形領域である。
また、上記空気極12、22は、断面の矩形領域2において、査型電子顕微鏡で観測される反射電子像から読み取った気孔と空気極成分領域との界面長さの合計値を気孔数で割った平均値d2が3.0μm以上5.0μm未満である。
ここで、矩形領域2とは、図3に参照符号2で示す矩形領域であり、上記空気極12、22の上記電解質層16および/またはバリア層24が形成されていない面9から、上記空気極12、22と、上記電解質層16またはバリア層24との界面8へ、黒塗り矢印Tで示す方向に、上記面9と垂直方向に上記面9からW2以内の範囲において、上記面9と平行方向に幅20μmで且つ上記面9と垂直方向に長さW2である矩形領域である。
上記W1,上記W2は、上記空気極の厚みが6μm以上の場合はそれぞれ3μmであり、上記矩形領域1と上記矩形領域2とは、重ならないように設定する。また、上記空気極の厚みが6μm未満の場合は、上記W1,上記W2はそれぞれ上記空気極の厚みの50%とし、上記矩形領域1と上記矩形領域2とは、重ならないように設定する。上記矩形領域1と上記矩形領域2とがこれら2つの矩形領域の境界線を共有することになる場合は、該境界線は上記矩形領域1に含め、上記矩形領域2には含めない。
図4に、上記空気極の厚みが6μm未満の場合を示すと、矩形領域1は参照符号100で示す矩形領域であり、上記界面8から上記空気極12、22の厚みの50%の範囲で、上記界面8と平行方向に幅20μmの矩形領域である。矩形領域2は、図4に参照符号200で示す領域であり、上記空気極12、22の上記電解質層16またはバリア層24が形成されていない面9から、上記空気極の厚みの残り50%の範囲で、上記面9と平行方向に幅20μmの矩形領域である。
具体的には、例えば、上記空気極12、22の厚みが4μmの場合、上記W1,上記W2はそれぞれ2μmとなる。
上記のように空気極が、電解質層またはバリア層に隣接する第1層と、上記第1層における電解質層および/またはバリア層が形成されていない面に隣接する第2層からなる場合には、上記矩形領域1は上記第1層にあり、上記矩形領域2は上記第2層にある。
ここで、上記第1層ならびに上記第2層の厚みがそれぞれ3μm以上の場合は上記W1及び上記W2はそれぞれ3μmであり、上記第1層ならびに上記第2層の厚みがそれぞれ3μm未満の場合は、上記W1及び上記W2はそれぞれの層の厚みとしてもよい。また、上記第1層ならびに上記第2層のどちらかの厚みが3μm未満の場合は、上記W1及び上記W2は薄い方の層の厚みとしてもよい。
上記空気極12、22と、上記電解質層16またはバリア層24との界面8は、例えば、空気極成分が最も電解質層16またはバリア層24へ入り込んでいる箇所と、その箇所から2μm以上離れて、空気極成分が電解質層16またはバリア層24へ入り込んでいる箇所の2ケ所を結んだ直線から求めることができる。
空気極における上記平均値d1,d2が上記範囲である場合には、空気極が電解質またはバリア層に接する第1層は三相界面が多数形成された良好な反応場として機能し、空気極が形成されていない面と接する第2層は空気極成分領域が連なった伝導パスが良好に形成された伝導場として機能するため、空気極として、電気化学セルに用いた場合に、電流−電圧特性に優れた電気化学セルとなる。
上記矩形領域1(参照符号1,100),矩形領域2(参照符号2,200)は、空気極全体の代表的な箇所を測定することを目的として、界面8と平行な方向において、空気極12、22の中央部付近7(図3、4参照)を含むように設定することが好ましい。また、端部から0.3mm以上、より好ましくは0.8mm以上、さらに好ましくは1.0mm以上中央部付近7方向へ離れている領域において設定することが好ましい。
上記「走査型電子顕微鏡で観測される反射電子像」は、サンプルを適当な大きさに破断し、樹脂包埋後に観察箇所まで研磨を行い、研磨面を走査型電子顕微鏡で観察して得られる。
矩形領域1における上記平均値d1は、該矩形領域1における「気孔と空気極成分領域との界面長さの合計値」を該矩形領域1に含まれる気孔数で割ることにより算出することができる。しかし、好ましくは、上記平均値d1としては、矩形領域1を任意に複数箇所選び、それぞれの矩形領域1(測定箇所)について「気孔と空気極成分領域との界面長さの合計値」を求め、その総和、すなわち、複数の矩形領域1の合計値の総和(総合計値)を、総気孔数(複数の矩形領域1における気孔数の総和)で割ることによって算出される値(d1平均値ともいう)を採用することが好ましい。
矩形領域2における上記平均値d2についても同様であり、d2平均値を採用することが好ましい。
d1平均値を求める場合に測定箇所としての矩形領域1の個数は、特に限定されないが、10カ所以上が好ましく、50カ所以下が好ましく、20カ所がより好ましい。
d2平均値を求める場合に測定箇所としての矩形領域2の個数についても同様である。
また上記総気孔数は、20カ所測定した場合には、例えば、矩形領域1では1200〜1800個程度、矩形領域2では700〜1200個程度であることが好ましい。
上記平均値d1,d2を上記範囲にするためには、本発明の空気極を形成する際、空気極前駆体層の焼成時に荷重をかけることが好ましい。空気極焼成時の荷重としては、0.5kPa以上240kPa以下が好ましい。より好ましくは、0.8kPa以上220kPa以下であり、さらに好ましくは1.2kPa以上200kPa以下、特に好ましくは6kPa超200kPa以下である。
また、上記平均値d1,d2を上記範囲にするためには、空気極が単層であっても複数の前駆体層を塗布、焼成することが好ましい。上記複数の前駆体層の内、電解質層側(電解質層の表面上またはバリア層の表面上)に形成する層(第1前駆体層ともいう)の形成に用いるスラリーとしては、該層を構成する空気極形成粒子の平均粒子径(D50)は、0.05μm以上0.7μm以下が好ましく、より好ましくは、0.07μm以上0.6μm以下であり、さらに好ましくは0.09μm以上0.5μm以下である。さらに、上記第1層上に形成する層(第2前駆体層ともいう)の形成に用いるスラリーとしては、該層を構成する空気極形成粒子の平均粒子径(D50)は、0.7μmより大きく3.5μm以下が好ましく、より好ましくは、0.8μm以上3.2μm以下であり、さらに好ましくは0.9μm以上3.0μm以下である。
なお、本発明で言う平均粒子径(D50)とは、体積積算50%における粒子径を意味する。スラリーに含まれる粒子の粒子径は、例えばレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製「型番LA−920」)を用いて測定することができる。体積基準の粒度分布を測定し、透過体積積算50%における粒子径を平均粒子径D50とする。
他にも、上記平均値d1,d2を制御する方法として、空気極を焼成する際の焼成条件(昇降温の速度、焼成温度や焼成時間等)をコントロールする方法や、針状(球状でない)気孔形成材を添加する方法、などを挙げることができる。空気極性焼成時の温度は、950℃以上1150℃以下が好ましい。より好ましくは、970℃以上1125℃以下であり、990℃以上1100℃以下がさらに好ましい。
1−3−2 上記界面長さが1μm未満の気孔の個数割合
好ましくは、本発明の電気化学セル用空気極では、上記矩形領域1において走査型電子顕微鏡で観測される上記気孔のうち、上記反射電子像から読み取った上記気孔と上記空気極成分領域との上記界面長さが1μm未満の気孔の個数割合が45%以下である。これにより、三相界面と伝導パスがよりバランスよく形成されたより好適な構造が得られる。上記個数割合は、上記平均値d1の算出時と同様に、一つの矩形領域1に含まれる気孔についての割合であってもよいが、上記d1平均値の場合と同様に矩形領域1を任意に複数箇所選んで測定し、複数の矩形領域1(測定箇所)での各気孔と空気極成分領域との界面長さの個数を100%として、そのうちの上記個数割合を算出することが好ましい。この場合、測定箇所としての矩形領域1の好ましい個数は上記d1平均値の場合と同様である。
1−3−3 上記界面長さが1μm以上6μm未満の気孔の個数割合
好ましくは、本発明の電気化学セル用空気極では、上記矩形領域1において走査型電子顕微鏡で観測される上記気孔のうち、上記反射電子像から読み取った上記気孔と上記空気極成分領域との上記界面長さが1μm以上6μm未満の気孔の個数割合が50%以上である。これにより、三相界面と伝導パスがよりバランスよく形成されたより好適な構造が得られる。上記個数割合は、上記平均値d1の算出時と同様に、一つの矩形領域1に含まれる気孔についての割合であってもよいが、上記d1平均値の場合と同様に矩形領域1を任意に複数箇所選んで測定し、複数の矩形領域1(測定箇所)での各気孔と空気極成分領域との界面長さの個数を100%として、そのうちの上記個数割合を算出することが好ましい。この場合、測定箇所としての矩形領域1の好ましい個数は上記d1平均値の場合と同様である。
1−3−4 上記界面長さのピーク位置
好ましくは、本発明の電気化学セル用空気極では、上記矩形領域1において上記反射電子像から読み取った上記気孔の上記空気極成分領域との上記界面長さを1.0μm刻みで横軸に、気孔数を縦軸にしたヒストグラムにおいて、上記界面長さが0.0μm以上1.0μm未満の範囲にピークを有する。これにより、三相界面と伝導パスがよりバランスよく形成されたより好適な構造が得られる。上記界面長さとしては、上記個数割合の算出時と同様に、一つの矩形領域1について測定した各気孔と空気極成分領域との界面長さを用いることができるが、上記d1平均値の場合と同様に矩形領域1を任意に複数箇所選んで測定し、複数の矩形領域1(測定箇所)での各気孔と空気極成分領域との界面長さを用いることが好ましい。この場合、測定箇所としての矩形領域1の好ましい個数は上記d1平均値の場合と同様である。
1−4 バリア層
本発明の電気化学セルは、電気化学セルの作製時や反応時に、空気極と電解質層とが直接接していることで絶縁物質を作りやすく、この絶縁物質の生成を抑制することを目的として、バリア層を備えていてもよい。上記バリア層は、上記電解質層と上記燃料極ならびに上記空気極の少なくとも一方との間に配置されることが好ましい。本発明の電気化学セルの一形態としての電気化学セル20では、図2に示すように、上記電解質層26と上記空気極22との間に配置される。絶縁層の生成が十分に抑制されている場合には、本発明の電気化学セルの一形態としての電気化学セル10(図1参照)のように、バリア層は無くても構わない。
上記バリア層を構成する成分としては特に制限はされないが、酸化物イオン伝導性材料であり、電気化学セルの作製時や反応時にバリア層と空気極あるいは、電解質層との間で酸素イオン伝導性を阻害する成分を生成しにくい成分であることが好ましい。
上記バリア層を構成する成分としては特に制限はされないが、セリア系酸化物を主成分として含むことが好ましく、Sc、Y、La、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Ybなどの希土類元素を含有するセリア系酸化物を主成分として含むことが好ましく、該セリア系酸化物がこれらの元素と固溶体を構成していることがより好ましい。上記希土類元素は1種または2種以上含まれていてもよい。該セリアを主成分として含むとは、バリア層100質量%中、該セリアを50質量%以上含むことを意味し、好ましくは60質量%以上含み、70質量%以上含んでいることがさらに好ましい。また、バリア層において、希土類元素/Ceのモル比が0.01〜0.40であることが好ましく、0.05〜0.30であることがより好ましい。
上記希土類元素としては、Y、Gd、Sm、Ybがより好ましく、Gd、Smがさらに好ましい。また、Gd、Smに加えて、2種目の希土類元素としてYbが含まれていることが特に好ましい。
上記バリア層は、上記希土類元素を、セリウム元素100モル%に対して、合計で、5〜50モル%含んでいることが好ましく、7〜40モル%含んでいることがより好ましく、8〜35モル%含んでいることがさらに好ましい。
バリア層の厚みは特に限定されないが、例えば0.2〜20μmであることが好ましい。
1−5 支持体
本発明における好ましくは支持体を有する電気化学セルとしては、燃料極を支持体とする形態(燃料極支持型セル)、電解質層を支持体とする形態(固体電解質支持型セル)、空気極を支持体とする形態(空気極支持型セル)、あるいは金属隔壁から構成され複数の貫通孔を備えた支持基板を支持体とする形態(メタルサポートセル)、セラミックス材料を基材として導電物質を混合、または修飾したものを支持体とする形態、等が挙げられる。
中でも好ましい支持体の形態としては、燃料極支持基板が挙げられ、一般的に、安定化ジルコニアと導電性成分とを含むものが好ましく使用できる。燃料極支持基板における安定化ジルコニアと導電性成分の割合は適宜調整すればよいが、例えば、安定化ジルコニアと導電性成分の合計に対する導電性成分の質量割合で40質量%以上80質量%以下程度とすることができる。
燃料極支持基板を構成する安定化ジルコニアとしては、イットリウム、スカンジウム、イッテルビウム、カルシウム、マグネシウムおよびランタンからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素(安定化元素ともいう)が固溶することにより結晶構造が安定化しているジルコニア(安定化ジルコニア)が好ましい。
当該安定化ジルコニアにおけるイットリウム等の元素の含有割合、好ましくは固溶量としては、原子数換算で、安定化ジルコニアに含まれるジルコニウム100モル%に対して4.0モル%以上35.5モル%以下であることが好ましい。当該割合が4.0モル%以上であれば、結晶相の安定化効果などの効果がより確実に得られる。一方、当該割合が過剰になると強度が低下するおそれがあり得るので、当該割合としては35.5モル%以下が好ましい。当該割合としては、5.0モル%以上27.0モル%以下がより好ましい。
電解質層、燃料極、燃料極支持基板に使用される安定化ジルコニアは、イットリウム、スカンジウム、イッテルビウム等の特に好ましい安定化元素に加えてさらに他の金属元素を含んでいてもよい。さらなる金属元素の添加により、酸素イオン伝導性、強度、耐久性などの特性がより一層向上する可能性がある。かかる金属元素としては、例えば、Mg、Ca、Sr、Baなどのアルカリ土類金属元素;Ce、La、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Erなどの希土類元素;Al、Inなどの第13族元素;Si、Ge、Snなどの第14族元素;Bi、Sbなどの第15族元素;Ti、Hfなどの第4族元素;Nb、Taなどの第5族元素などを挙げることができる。これらの中でも、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、アルミニウム(Al)およびチタン(Ti)からなる群より選択される1種以上の金属元素が特に好ましい。これらその他の金属元素は、いずれか1種のみであってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。また、これらの他の金属元素の割合としてはこれらの合計含有量が、原子数換算で、安定化ジルコニアに含まれるジルコニウム100モル%に対して0.05モル%以上5.0モル%以下が好ましい。
燃料極支持基板は、燃料極へ水素などの燃料ガスを不均一にならないよう供給し、反応により生じる電子をインターコネクタへ受け渡し、電解質層やカソード層を支持する役割を有する。よって、燃料極支持基板は、安定化ジルコニアに加え、発電時の還元的条件下で還元されて導電性を示す導電性成分を含むことが好ましい。かかる導電性成分としては、酸化ニッケル、酸化鉄、酸化銅などを用いることができ、酸化ニッケルが最も一般的である。
上記燃料極支持基板の厚さは、特に限定されないが、例えば100μm以上が好ましく、120μm以上がより好ましく、150μm以上がさらに好ましい。また、燃料極支持基板の厚さは、3mm以下が好ましく、2mm以下がより好ましく、1mm以下がさらに好ましい。燃料極支持基板の厚さが上記範囲内であれば、燃料極支持基板の機械的強度とガス通過性とをバランス良く両立しやすくなる。
2.電気化学セルの製造方法
本発明の電気化学セルにおいて、燃料極、電解質層、空気極をこの順に配置して、または燃料極、電解質層、バリア層、空気極をこの順に配置して製造する方法としては、特に限定されず、公知の方法が使用できる。
好ましくは、本発明の電気化学セルの製造方法(A)は、
(i) 支持体または支持体前駆体層上へ、電極前駆体層を形成する工程と、
(ii) 上記電極前駆体層上へ、電解質層前駆体層を形成する工程と、
(iii)上記工程で形成した電解質層前駆体層上へ、バリア層前駆体層を形成する工程と、
(iv) 上記支持体または支持体前駆体層と、上記電極前駆体層と、上記電解質層前駆体層とバリア層前駆体層を共焼成する焼成工程と、
(v) 上記工程で形成したバリア層上へ、他の電極前駆体層を形成する工程と、
(vi) 上記支持体と、上記電極と、上記電解質層と、上記バリア層と、上記他の電極前駆体層とを共焼成する焼成工程と
を含んでいてもよい。
上記電極と他の電極とは、それぞれ燃料極と空気極のどちらでもよいが、上記電極が燃料極で、上記他の電極が空気極であることが好ましい。空気極前駆体層としての他の電極前駆体層は、組成は同一で平均粒子径(D50)の異なる原料粒子を用いた2種以上の空気極前駆体層用ペーストを重ね塗りして形成してもよい。また、空気極の前駆体層の焼結時には、上述の荷重をかけることが好ましい。これらの点は、以下の製造方法においても同様である。
なお、上記製造方法において、本発明の燃料極と電解質層と空気極とをこの順に配置してなる電気化学セルでは、電解質層と空気極との間のバリア層前駆体層及びバリア層の形成は省略する。この点は、以下の製造方法においても同様である。
上記の電気化学セルの製造方法(A)は、支持体を有する電気化学セルの製法として、好ましく採用し得る。
また好ましくは、本発明の電気化学セルの製造方法(B)は、
(1)電極または電極前駆体層上へ、電解質層前駆体層を形成する工程と、
(2)上記電極または電極前駆体層と、上記電解質層前駆体層とを共焼成する焼成工程と、
(3)上記工程で形成した電解質層上へ、バリア層前駆体層を形成する工程と、
(4)上記工程で形成したバリア層前駆体層上へ、他の電極前駆体層を形成する工程と、
(5)上記電極と、上記電解質層と、上記バリア層前駆体層と、上記他の電極前駆体層とを共焼成する焼成工程と
を含むか、または、
(11)電極または電極前駆体層上へ、電解質層前駆体層を形成する工程と、
(12)上記工程で形成した電解質層前駆体層上へ、バリア層前駆体層を形成する工程と、
(13)上記工程で形成したバリア層前駆体層上へ、他の電極前駆体層を形成する工程と、
(14)上記電極または電極前駆体層と、上記電解質層前駆体層と、上記バリア層前駆体層と、上記他の電極前駆体層とを共焼成する焼成工程と
を含んでいてもよい。
上記電極前駆体層、上記電解質層前駆体層、および上記バリア層前駆体層の焼成は、工程(12)と工程(13)の間に行って、上記電極前駆体層、上記電解質層前駆体層、および上記バリア層前駆体層を工程(13)の前に、電極、電解質層およびバリア層としておいてもよい。
上記電極前駆体層、上記電解質層前駆体層、および上記バリア層前駆体層の焼成は、工程(12)と工程(13)の間に行なうことが好ましい。
上記の電気化学セルの製造方法(B)は、燃料極または空気極を支持体とする電極支持型セル(燃料極支持型セル、空気極支持型セル)の製法として、またメタルサポートセルの製法として、好ましく採用し得る。
また好ましくは、本発明の電気化学セルの製造方法(C)は、
(20)電解質スラリーをドクターブレード法などにより電解質層前駆体層を作製する工程と、
(21)電解質層前駆体層を焼成して電解質層を製造する工程と、
(22)上記電解質層上に電極前駆体層を形成する工程と、
(23)上記電解質層の上記電極前駆体層が形成された面とは反対側の表面上にバリア層前駆体層を形成する工程と、
(24)上記バリア層前駆体層の表面上に他の電極前駆体層を形成する工程と、
(25)上記電解質層と、上記電極前駆体層と、上記バリア層前駆体層と、上記他の電極前駆体層とを焼成する工程と
を含んでいてもよい。
上記電極前駆体層、および上記バリア層前駆体層の焼成は、工程(23)と工程(24)の間に行って、上記電極前駆体層、および上記バリア層前駆体層を工程(24)の前に、電極、およびバリア層としておいてもよい。
上記電極前駆体層、および上記バリア層前駆体層の焼成は、工程(23)と工程(24)の間に行なうことが好ましい。
また好ましくは、本発明の電気化学セルの製造方法(D)は、
(31)電解質層前駆体層を製造する工程と、
(32)上記電解質層前駆体層上に電極前駆体層を形成する工程と、
(33)上記電解質層前駆体層の上記電極前駆体層が形成された面とは反対側の表面上にバリア層前駆体層を形成する工程と、
(34)上記バリア層前駆体層上に他の電極前駆体層を形成する工程と、
(35)上記電解質層前駆体層と、上記電極前駆体層と、上記バリア層前駆体層と、上記他の電極前駆体層とを焼成する工程と
を含んでいてもよい。
上記電解質層前駆体層、上記電極前駆体層、および上記バリア層前駆体層の焼成は、工程(33)と工程(34)の間に行って、上記電解質層前駆体層、上記電極前駆体層、および上記バリア層前駆体層を工程(34)の前に、電解質層、電極、およびバリア層としておいてもよい。
上記電解質層前駆体層、上記電極前駆体層、および上記バリア層前駆体層の焼成は、工程(33)と工程(34)の間に行なうことが好ましい。
上記の電気化学セルの製造方法(C)、(D)は、固体電解質支持型セルの製法として、特に好ましく採用し得る。
上記の各前駆体層(グリーン層)の形成方法としては、各原料粉末を、公知のバインダーおよび/または溶剤(分散媒)、必要により更に分散剤や可塑剤等と混合して塗布用インク(ペースト、スラリーとも言う)とし、これら塗布用インクを、ドクターブレード法、カレンダーロール法、押出し法等によってポリエステルシート等の平滑な基板上に塗布し、乾燥して分散媒を揮発除去することによって、シート(グリーンシート)を形成してもよい。また、上記塗布用インクをブレードコート、スリットダイコート等のコーティング法やスクリーン印刷等により塗布し、乾燥して分散媒を揮発除去することによって塗膜を形成してもよい。
また、上記各層は溶射法やパウダージェットデポジション法等の粉体成膜法を用いて層形成してもよく、この場合には、前駆体層形成工程、脱脂工程および焼成工程を省略できる。
本発明の電気化学セル用空気極の製造では、上記1−3 空気極12、22のところで記載した金属酸化物の粉体材料を原料として使用できる。上記金属酸化物の粉体材料は、市販の金属酸化物の粉末を所定の組成になるように混合して使用してもよく、また、所定の金属を含む溶液を乾燥・焼成することにより製造してもよい。なかでも、本発明の電気化学セル用空気極において、より確実に、上記矩形領域1,2における「気孔と空気極成分領域との界面長さの合計値を気孔数で割った平均値d1,d2」を所定の長さ範囲となるようにするために、以下の所定の方法により乾燥・焼成することにより製造することが好ましい。
具体的には、本発明の空気極を形成する際、空気極が単層であっても複数の前駆体層を塗布、焼成することが好ましい。
空気極を構成する上記複数の前駆体層の内、電解質層側(電解質層の表面上またはバリア層の表面上)に形成する層の形成に用いるスラリー(第1層用スラリー)として、「平均粒子径(D50)が、0.05μm以上0.7μm以下の粒子を含むスラリー」を用いることが好ましい。上記平均粒子径(D50)としては、より好ましくは、0.07μm以上0.6μm以下であり、さらに好ましくは0.09μm以上0.5μm以下である。
また好ましくは、上記スラリーから形成された前駆体層の上に形成する前駆体層の形成に用いるスラリー(第2層用スラリー)として、「平均粒子径(D50)が、0.7μmより大きく3.5μm以下の粒子を含むスラリー」を用いて形成することが好ましい。上記平均粒子径(D50)としては、より好ましくは、0.8μm以上3.2μm以下であり、さらに好ましくは0.9μm以上3.0μm以下である。
第1層用スラリーと第2層用スラリーは、組成が同じ伝導性材料を含むことが好ましく、第1層用スラリーと第2層用スラリーに含まれる伝導性材料の原料粉末は、組成が同じであることがより好ましい。
空気極用スラリーの調製で使用するバインダーおよび/または溶剤としては、公知のものを公知の使用量で使用できる。
空気極用スラリーの塗工方法は特に制限されず、ドクターブレード法、カレンダーロール法、印刷法などの常法を用いることができる。空気極用スラリーの塗布は、空気極前駆体層1用スラリー(第1層用スラリー)と空気極前駆体層2用スラリー(第2層用スラリー)との2種のスラリーを重ねて塗布し、空気極前駆体層1と空気極前駆体層2を隙間なく密着させることが好ましい。たとえば、電解質層またはバリア層の表面に第1層用スラリーをスクリーン印刷法により塗布し乾燥した後、第2層用スラリーをスクリーン印刷法により塗布し乾燥することにより2層からなる空気極前駆体層が得られる。空気極前駆体層1を形成後に空気極前駆体層2を重ねて塗布し、2層からなる空気極前駆体層の層と層の間に剥離が少ないと、電子導電性のより高い空気極となり、内部抵抗がより削減される。
空気極用スラリーの乾燥条件は、使用した溶媒の種類などに応じて適宜調整すればよいが、通常は40℃以上150℃以下程度とする。乾燥は一定温度で行ってもよいし、50℃、80℃、120℃の様に順次連続的に昇温して加熱乾燥してもよい。
焼成条件は適宜調整すればよいが、例えば、十分量の酸素の存在下、所定の荷重下(好ましくは0.5kPa以上240kPa以下、より好ましくは0.8kPa以上220kPa以下、さらに好ましくは1.2kPa以上200kPa以下、特に好ましくは6kPa超200kPa以下)で、950℃以上1150℃以下で焼成することが好ましい。より好ましくは、970℃以上1125℃以下であり、990℃以上1100℃以下がさらに好ましい。上記荷重下で950℃以上で焼結すれば十分な焼成効果が得られ、十分な強度が得られるため、より好ましい。また、荷重が小さすぎると、十分な強度が得られない場合がある。一方、焼成温度が高過ぎたり、荷重が大きすぎると焼結が進行し粒子の粒径が過大となったり、気孔が大きくなりすぎ、空気極の上記矩形領域1,2における「気孔と空気極成分領域との界面長さの合計値を気孔数で割った平均値d1,d2」を所定の長さ範囲とすることが難しくなるおそれがある。
本発明の電気化学セルが有していてもよい支持体の形成は従来公知の方法を採用できるが、たとえば、上記燃料極支持基板の製造では、上記安定化ジルコニアの粉末と上記導電性成分の粉末とを含むものが好ましく使用できる。スラリーを基材上に塗工した後に乾燥することにより作製する。当該スラリーは、少なくとも、安定化ジルコニア粉末、導電性成分粉末、溶媒およびバインダーを含み、その他に、例えば可塑剤、分散剤、空孔形成材、消泡剤などを添加してもよい。
スラリー調製に用いる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、1−ヘキサノール、α−テルピネオールなどのアルコール類;アセトン、2−ブタノンなどのケトン類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル類などを例示することができ、これらから適宜選択して使用する。これらの溶媒は単独で使用し得る他、2種以上を混合して使用することができる。
溶媒の使用量は、グリーンシート成形時におけるスラリーの粘度を加味して調節するのがよく、好ましくはスラリー粘度が1Pa・s以上80Pa・s以下、より好ましくは1Pa・s以上50Pa・s以下の範囲となるように調整するのがよい。
スラリーを製造する際に用いられるバインダーの種類は、焼成により分解したり燃焼することで除去されるものであれば格別の制限はなく、従来から知られた有機質のバインダーを適宜選択して使用することができる。有機質バインダーとしては、例えばエチレン系共重合体、スチレン系共重合体、(メタ)アクリレート系共重合体、酢酸ビニル系共重合体、マレイン酸系共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ビニルアセタール系樹脂、ビニルホルマール系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、ワックス類、エチルセルロースなどのセルロース類などが例示される。
これらの中でも特に好ましいのは、数平均分子量が5,000以上200,000以下、より好ましくは10,000以上100,000以下の(メタ)アクリレート系共重合体である。これらの有機質バインダーは、単独で使用し得る他、必要により2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。特に好ましいのは、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレートおよび/または2−エチルヘキシルアクリレートを60質量%以上含むモノマーの重合体である。
バインダーの使用量は適宜調整すればよいが、安定化ジルコニア粉末と導電性成分粉末の合計100質量部に対して10質量部以上50質量部以下程度が好ましい。
可塑剤を、グリーンシートに柔軟性を付与するために添加してもよい。可塑剤としては、例えば、低分子可塑剤、コオリゴマー可塑剤および高分子可塑剤がある。低分子可塑剤としては、例えば、フタル酸ジブチルやフタル酸ジオクチルなどフタル酸エステル類を挙げることができる。コオリゴマー可塑剤および高分子可塑剤としては、ポリエステル類が挙げられる。可塑剤の配合量は、使用するバインダーのガラス転移温度にもよるが、安定化ジルコニア粉末と導電性成分粉末の合計100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下程度とすることが好ましい。
スラリーの調製に当たっては、固体電解質材料の解膠や分散を促進し、スラリーの流動性を増加せしめ、スラリー中での固体電解質材料の沈降を抑制するため、分散剤を添加してもよい。分散剤の配合量は、安定化ジルコニア粉末と導電性成分粉末の合計100質量部に対して0.5質量部以上5質量部以下程度とすることが好ましい。
空孔形成材は、支持体や電極における気孔の形成を促進し、支持体や電極内部のガスの拡散を促進するために添加されるものであり、焼成により分解したり燃焼することで除去されたりするものであれば特に制限はない。従来から知られた空孔形成材としては、例えばカーボンブラック、有機微粒子等の公知の炭素材料を挙げることができる。空孔形成材の配合量は、安定化ジルコニア粉末と導電性成分粉末の合計100質量部に対して0.01質量部以上20質量部以下程度とすることが好ましいが、支持体や電極内部におけるガスの拡散が十分である場合には添加しなくても良い。
上記各成分は、常法により混合すればよい。例えば、ディスパーなどを用いて混合したり、或いはボールミルなどを用いて原料粉末の凝集粒子を解砕しつつ混合してもよい。
基材上へのスラリーの塗工方法は特に制限されず、ドクターブレード法、カレンダーロール法、印刷法などの常法を用いることができる。具体的には、例えば、スラリーを塗工ダムへ輸送し、ドクターブレードやスクリーン印刷機などにより均一な厚さとなるようPETフィルムなどの基材上にキャスティングし、乾燥することにより、燃料極支持基板グリーンシートとする。
グリーンシートの乾燥条件は、使用した溶媒の種類などに応じて適宜調整すればよいが、通常は40℃以上150℃以下程度とする。乾燥は一定温度で行ってもよいし、50℃、80℃、120℃の様に順次連続的に昇温して加熱乾燥してもよい。
燃料極支持基板グリーンシートは、所望の形状に切断してもよい。燃料極支持基板グリーンシートの形状は特に制限されず、例えば、目的のハーフセルまたは単セルの形状に合わせればよい。例えば、円形、楕円形、R(アール)を持った角形などとすることができ、また、これらのシート内に円形、楕円形、Rを持った角形などの穴を有するものであってもよい。
上記燃料極支持基板グリーンシートは、焼成することにより単独の燃料極支持基板としてもよい。但し本発明では、この段階で燃料極支持基板グリーンシートを焼成せず、その上に燃料極用グリーン層などを形成するなどし、所望の形状に切断した上でまとめて共焼成してもよい。また、以降の工程の説明において、グリーン層の上に別のグリーン層を形成することのみが記載されていても、グリーン層を適宜焼成した上で別のグリーン層を形成してもよいものとする。以降の焼成条件は、いずれの層の焼成や共焼成にも適用することができる。
焼成条件は適宜調整すればよいが、例えば、十分量の酸素の存在下、1200℃以上1500℃以下程度で焼成する。1200℃以上で焼結すれば十分な焼成効果が得られ、十分な強度が得られる。一方、焼成温度が高過ぎると各層の粒子の粒径が過大となって靭性がかえって低下するおそれがあるため、上限を1500℃とする。より好ましくは1250℃以上1450℃以下である。
焼成温度に至るまでの加熱速度は適宜調整すればよいが、通常、0.05℃/分以上4℃/分以下程度とすることができる。
以下では、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
<粉体の粒子径の評価>
ピロリン酸ナトリウム[和光純薬工業(株)製、商品名「ピロリン酸ナトリウム+水和物」]を0.2重量部になるように純水に溶解し、分散媒とした。この分散媒に粉体を分散させ、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置[(株)堀場製作所製、型番LA−920]を用いて、粉体の粒子径を測定した。
<原料粉末の作製>
製造例1
(8YbSZ原料粉末の作製)
塩化イッテルビウム(III)水和物[和光純薬工業(株)製]および、塩化ジルコニウム(IV)[和光純薬工業(株)製]、を、焼成後にイッテルビウムをジルコニウムに対して17モル%含むジルコニア系酸化物(8モル%イッテルビア安定化ジルコニア[8YbSZ:(Yb0.08(ZrO0.92]になるように計量した。超純水を用意し、加温機能付きのマグネチックスターラーを用いて水温が20℃になるようにコントロールし、上記塩化物を溶解させた。なお、30分経っても溶解しない場合には、さらに超純水を加え、目視で、塩化物が溶解するまで溶解させた。目視で塩化物が溶解したことを確認した後、それまで溶解に必要とした超純水の1割に当たる量を加え、さらに、水溶液を25℃になるように加温・保温しながら、1時間撹拌し、塩化物を完全に溶解させた。
得られた水溶液をアンモニア水に滴下して得られた沈殿を洗浄、乾燥後、800℃で1時間仮焼した。仮焼した粉末にエタノールを加え、ボールミルで10時間粉砕混合してから乾燥させて、さらに乳鉢にて、解砕を行い、解砕した粉を1200℃で焼成して8YbSZ原料粉末を得た。ポリ容器に得られた原料粉末とエタノールとYSZボールを入れ、回転数と時間を調整しながらボールミルで粉砕し、乾燥させることで、平均粒子径が0.49μmの8YbSZ原料粉末を得た。
製造例2
(YbGdDC原料粉末の作製)
塩化イッテルビウム(III)水和物[和光純薬工業(株)製]および、塩化ガドリニウム(III)水和物[和光純薬工業(株)製]、塩化セリウム(III)水和物[和光純薬工業(株)製]を、焼成後にイッテルビウムをセリウムに対して13モル%、ガドリニウムをセリウムに対して13モル%含むセリア系酸化物(10モル%イッテルビア10モル%ガドリニアを固溶させたセリア[YbGdDC:(YbO1.50.10(GdO1.50.10(CeO0.80、別表記:Yb0.10Gd0.10Ce0.80]になるように計量した。
超純水を用意し、加温機能付きのマグネチックスターラーを用いて水温が20℃になるようにコントロールし、上記塩化物を溶解させた。なお、30分経っても溶解しない場合には、さらに超純水を加え、目視で塩化物が溶解するまで溶解させた。目視で塩化物が溶解したことを確認した後、それまで溶解に必要とした超純水の1割に当たる量を加え、さらに、水溶液を25℃になるように加温・保温しながら、1時間撹拌し、塩化物を完全に溶解させた。得られた水溶液をアンモニア水に滴下し、得られた沈殿を洗浄し乾燥させた後、800℃で1時間仮焼した。仮焼した粉末にエタノールを加え、ボールミルで10時間粉砕混合した後乾燥させ、さらに乳鉢にて解砕を行い、解砕した粉を1200℃で焼成して焼成粉末を得た。得られた焼成粉末にエタノールを加え、ボールミルで0.5μm以下になるように回転数と時間を調整し粉砕し、乾燥させてYbGdDC原料粉末を得た。
製造例3
(NiO/8YbSZ混合粉末の調製)
ポリ容器に、酸化ニッケル粉末[日興リカ(株)製、商品名「高純度化酸化ニッケルF」]60質量部、上記製造例1で作製した8YbSZ粉末40質量部、さらに分散剤としてエタノールを加えボールミルで混合粉砕した後乾燥させ、NiO/8YbSZ混合粉末を得た。
製造例4
(LSCの原料粉末の作製)
LSC空気極の原料となる粉体材料として、硝酸ランタン(III)水和物、硝酸ストロンチウム、硝酸コバルト(II)水和物[いずれも和光純薬工業(株)製]を、焼成後にLa0.6Sr0.4CoOxとなるように計量して超純水に溶解させた。溶解後、この溶液を0.1mol/Lになるように超純水を加えて調整した(溶液:A)。調整した溶液Aに対する量論比が1.2倍のシュウ酸アンモニウム水和物[関東化学(株)製]を超純水に溶かした溶液(溶液:B)を用意し、スターラーにて攪拌させた状態の溶液:Bに溶液:Aを滴下させた。
滴下後の混合溶液をロータリーエバポレータにてある程度の水分を留去した後、蒸発皿に移して100℃で乾燥を行った。得られた固形物について、乳鉢で粉砕した後、400℃・4時間で熱分解、800℃・6時間で仮焼、1100℃・7時間で焼成を行ない粉末を得た。
得られた粉末にエタノールを加え、さらにこれをボールミルで粉砕混合してから乾燥させて、LSC(6−4−10)粉末を得た。なお、得られた粉末は、X線回折によって、ペロブスカイトからなる単一相であることが確認された。
(LSCの原料粉末の粉砕)
ボールミルの回転数と回転時間を調製しながら粉砕し、平均粒子径(D50)が0.39μm、0.54μm、1.2μm、2.7μmの各LSC粉末を得た。
<実施例1>
電池性能評価用電気化学セルの作製
(支持基板グリーンシートの作製)
酸化ニッケル粉末[正同化学工業(株)製、平均粒子径:1.2μm]60質量部、ジルコニア粉末[東ソー(株)製、TZ−3Y20A]40質量部を混合し無機紛体を得た。次に、無機紛体100質量部に対して、空孔形成剤としてのカーボンブラック[日本カーボン(株)製、MPX−F]3質量部、市販の(メタ)アクリル樹脂からなるバインダー(数平均分子量2万)15質量部、分散剤として市販のαオレフィン・無水マレイン酸共重合物2質量部、可塑剤として市販のカルボキシル基含有ポリマー変性物2質量部、及び分散媒としてトルエン30質量部及び酢酸エチル24質量部を、ボールミルにより無機紛体と混合して、スラリーを調製した。得られたスラリーを使用し、ドクターブレード法によりシート成形し、80℃で2時間乾燥させて、燃料極支持基板グリーンシートを作製した。なお、作製したグリーンシートの厚みについては、焼成後の厚みが300μmになるように調整した。
(燃料極用ペーストの作製)
作製する燃料極用ペーストを100質量部とし、上記製造例3で得たNiO/8YbSZ混合粉末60質量部、溶剤としてα―テルピネオール[和光純薬工業(株)製]28質量部、バインダーとしてエチルセルロース[和光純薬工業(株)製]7質量部、可塑剤としてジブチルフタレート[和光純薬工業(株)製]2質量部及び分散剤として市販のソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤3質量部、さらに、燃料極用ペースト100質量部に対し、空孔形成剤としてのカーボンブラック[SECカーボン(株)製、SGP−3]3質量部を加え、予備混合した後、3本ロールミル(EXAKT technologies社製、型式「M−80S」、ロール材質:アルミナ)を用いて混練し、燃料極用ペーストを作製した。なお、このペースト化処理では、3本ロールミルのギャップと回転速度を調整し、グラインドメーターで計測される粒子の大きさを10μm以下になるまで解砕/混練した。
(電解質層用ペーストの作製)
作製する電解質層用ペーストを100質量部とし、製造例1で製造した8YbSZ粉末55質量部、溶剤としてα―テルピネオール[和光純薬工業(株)製]36質量部、バインダーとしてエチルセルロース[和光純薬工業(株)製]4質量部、可塑剤としてジブチルフタレート[和光純薬工業(株)製]2質量部及び分散剤として市販のソルビタン酸エステル系界面活性剤3質量部を、予備混合した後、3本ロールミル(EXAKT technologies社製、型式「M−80S」ロール材質:アルミナ)を用いて解砕し、電解質層用ペーストを作製した。なお、このペースト化処理では、3本ロールミルのギャップと回転速度を調整し、グラインドメーターで計測される粒子の大きさを10μm以下になるまで解砕/混練した。
(反応防止層用ペーストの作製)
作製する反応防止層用ペーストを100質量部とし、セラミックス質として上記製造例2で作製したYbGdDC粉末を55質量部、溶剤としてα―テルピネオール[和光純薬工業(株)製]32質量部、バインダーとしてエチルセルロース[和光純薬工業(株)製]5質量部、可塑剤としてジブチルフタレート[和光純薬工業(株)製]3質量部及び分散剤として市販のソルビタン酸エステル系界面活性剤5質量部を、予備混合した後、3本ロールミル(EXAKT technologies社製、型式「M−80S」ロール材質:アルミナ)を用いて解砕し、反応防止層用ペーストを作製した。なお、このペースト化処理では、3本ロールミルのギャップと回転速度を調整し、グラインドメーターで計測される粒子の大きさを10μm以下になるまで解砕/混練した。
(空気極用ペーストの作製)
作製する空気極用ペーストを100質量部として、上記製造例4で作製した平均粒子径(D50)が0.39μmであるLSC粉末を80質量部、バインダーとしてのエチルセルロースを4質量部、溶剤としてのα−テルピネオールを5質量部、可塑剤としてジブチルフタレート[和光純薬工業(株)製]10質量部及び分散剤として市販のソルビタン酸エステル系界面活性剤1質量部を、予備混合した後、3本ロールミル(EXAKT technologies社製、型式「M−80S」、ロール材質:アルミナ)を用いて混練し、空気極用ペースト:Aを得た。
同様に、製造例4で製造した平均粒子径(D50)が1.2μmであるLSC粉末を用いた以外は同様の方法で、空気極用ペースト:Bを得た。
(燃料極用グリーン層の形成)
上記で得た燃料極用ペーストをスクリーン印刷により、上記で得た燃料極支持基板グリーンシート上に、焼成後の厚さが20μmとなるように印刷し、100℃で30分間乾燥させ、燃料極用グリーン層を形成した。
(電解質層用グリーン層の形成)
上記で得た電解質層用ペーストをスクリーン印刷により、上記で得た燃料極グリーン層上に、焼成後の厚さが7μmとなるように印刷し、100℃で30分間乾燥させ、電解質層用グリーン層を形成した。
(反応防止層用グリーン層の形成)
上記で得た反応防止層用ペーストをスクリーン印刷により、上記で得た電解質層グリーン層上に、焼成後の厚さが3μm以下となるように印刷し、100℃で30分間乾燥させ、反応防止層用グリーン層を形成した。
(焼成)
上記で得た、燃料極用グリーン層、電解質層用グリーン層及び反応防止層用グリーン層が順に塗布されて積層された燃料極支持基板グリーンシート(積層体)を、焼成後の1辺が6cmの正方形になるように打ち抜いた。打ち抜いた後、1300℃2時間焼成し、燃料極支持型ハーフセルを得た。
(空気極の形成)
上記で得られた燃料極支持型ハーフセルの反応防止層上に、スクリーン印刷により、焼成後の厚さが10μmとなるように、上記で得られた空気極用ペースト:Aを1cm×1cmの正方形に塗布し、90℃で1時間乾燥させた。乾燥後に、得られた空気極A上に、スクリーン印刷により、焼成後の厚さが10μmとなるように、上記で得られた空気極用ペースト:Bを1cm×1cmの正方形に塗布し、90℃で1時間乾燥させ、2層からなる空気極用グリーン層を形成した。この空気極用グリーン層に49KPaの荷重をかけ、1000℃で2時間焼成し、実施例1の電気化学セルを得た。
(実施例2)
空気極焼成時にかける荷重を147KPaにする以外は、実施例1と同様にして実施例2の電気化学セルを得た。
(実施例3)
平均粒子径(D50)が0.54μmであるLSC粉末を用いて実施例1と同様の方法で空気極用ペースト:Cを作製し、さらに、平均粒子径(D50)が2.7μmであるLSC粉末を用いて実施例1と同様の方法で空気極用スラリー:Dを作製した。空気極形成時に空気極用ペースト:Aを空気極用ペースト:Cに、空気極用ペースト:Bを空気極用ペースト:Dに、空気極焼成時にかける荷重を147KPaにそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして実施例3の電気化学セルを得た。
(比較例1)
空気極形成時の荷重を0KPaにする以外は、実施例1と同様にして比較例1の電気化学セルを得た。
(比較例2)
空気極形成時に平均粒子径(D50)が0.39μmであるLSC粉末を用いて作製した空気極用ペースト:Aのみを用い、スクリーン印刷により、焼成後の厚さが20μmとなるように塗布し、かける荷重を147KPaに変更した以外は、実施例1と同様にして比較例2の電気化学セルを得た。
(比較例3)
空気極形成時に平均粒子径(D50)が2.7μmであるLSC粉末を用いて作製した空気極用ペースト:Dのみを用い、スクリーン印刷により、焼成後の厚さが20μmとなるように塗布し、かける荷重を147KPaに変更した以外は、実施例1と同様にして比較例3の電気化学セルを得た。
(空気極成分領域/気孔界面長の測定)
実施例及び比較例で得られたSOFCの空気極断面を走査型電子顕微鏡(SEM)(JEOL社製、JSM−7600F)を用い、空気極と反応防止層との界面から、空気極の反応防止層が形成されていない面方向へ、上記界面と垂直方向に3μm、平行方向に20μmの矩形領域1と、空気極の反応防止層が形成されていない面から、空気極と反応防止層との界面方向へ上記面と垂直方向に3μm、平行方向に幅20μmの矩形領域2をそれぞれ5000倍で20視野ずつ観察し、反射電子像を得た。なお、断面観察用のサンプルは、エポキシ樹脂で樹脂包埋後、イオンミリング法を用いて研磨したものを使用した。図5に矩形領域2を含む断面のSEM像(反射電子像)の一例を示す。
得られた反射電子像を、画像解析ソフトウェア(Image Pro Plus、Media Cybemetics社製)を用い、1視野毎に画像解析し上記矩形領域1および2中の気孔と空気極成分領域との界面長さ(空気極成分領域/気孔界面長)をそれぞれ測定した。この際、3μm×20μmの矩形領域内から矩形領域外まで伸びている空気極成分領域/気孔界面長は、3μm×20μmの矩形領域内から矩形領域の境界までの長さを空気極成分領域/気孔界面長とした。
各実施例および各比較例における20視野の空気極成分領域/気孔界面長の平均値を表1に示す。矩形領域1における空気極成分領域/気孔界面長の合計を、矩形領域1における気孔数で除した値を平均値d1;矩形領域2における空気極成分領域/気孔界面長の合計を、矩形領域2における気孔数で除した値を平均値d2として示した。
表2には、各実施例および各比較例における、0μm以上10μm未満の空気極成分領域/気孔界面長を階級幅1μmとし10階級に分けヒストグラムを作成した際の、0μm以上1μm未満の20視野の空気極成分領域/気孔界面長の平均個数割合、1μm以上6μm未満の20視野の空気極成分領域/気孔界面長の平均個数割合、6μm以上10μm未満の20視野の空気極成分領域/気孔界面長の平均個数割合をそれぞれ示す。
また、図6に実施例1の矩形領域1のヒストグラムを、図7に実施例1の矩形領域2のヒストグラムをそれぞれ示す。図6,7中の横軸の「0.0−1.0」等の目盛りは、「0.0μm以上1.0μm未満」等を表す。なお、空気極成分領域及び気孔は、SEMの反射電子像における明暗で区別し、SEMの反射電子像における灰色領域が空気極成分であり、黒色領域が気孔としてそれぞれ区別する事ができる。
(電池性能評価試験)
各実施例及び各比較例の電気化学セルについて、以下の方法で電池性能を評価した。SOFCの燃料極に100mL/分の窒素を、空気極に100mL/分の空気を供給しつつ、100℃/時間の速度で測定温度(750℃)まで昇温した。昇温後、燃料極、空気極の出口側のガスについて、流量計で、流量を測定し、漏れが無いことを確認した。次いで、水素を6mL/分、窒素を194mL/分の加湿した混合ガスを燃料極へ、200mL/分の空気を空気極へ供給した。1時間以上経過後に起電力が発生し、漏れが無いことを再度確認した後、燃料極側のガスについて、加湿器を流通後のガスが、水素と水蒸気が合計で200mL/分の流量になるように調整して供給し、起電力が安定してから10分以上経過後に、起電力が理論起電力の95%〜100%の範囲にあることを確認してから、電流−電圧特性による電池性能評価試験を実施した。電流値=1.0Aの際の出力密度を表3に示す。
実施例1〜3の電気化学セルは比較例1〜3の電気化学セルに比べ出力密度が向上している事を確認した。
本発明の電気化学セルは、電流−電圧特性に優れている。したがって、本発明の電気化学セル用空気極、およびそれを含む電気化学セルは、電気化学セルの高性能化および高信頼性化に寄与できるものである。
10、20 電気化学セル
12、22 空気極
24 バリア層
16、26 電解質層
18、28 燃料極
1、100 矩形領域1
2、200 矩形領域2
7 空気極の、電解質層またはバリア層との界面方向での中央部付近
8 空気極と、電解質層またはバリア層との界面
9 空気極の、電解質層および/またはバリア層が形成されていない面
S 空気極と電解質層またはバリア層との界面から、空気極の電解質層および/またはバリア層が形成されていない面方向へ、上記界面と垂直な方向
T 空気極の電解質層および/またはバリア層が形成されていない面から、空気極と電解質層またはバリア層との界面方向へ、上記面と垂直な方向
W1 空気極と電解質層またはバリア層との界面から、空気極の電解質層および/またはバリア層が形成されていない面方向へ、界面と垂直方向に離れた距離
W2 空気極の電解質層および/またはバリア層が形成されていない面から、空気極と電解質層またはバリア層との界面方向へ、面と垂直方向に離れた距離

Claims (7)

  1. 燃料極、電解質層、空気極をこの順に配置してなる電気化学セル用空気極であって、
    前記空気極の断面において、
    前記空気極と前記電解質層との界面から、前記空気極の前記電解質層が形成されていない面方向へ、前記界面と垂直方向にW1以内の範囲において、前記界面と平行方向に幅20μmで且つ前記界面と垂直方向に長さW1である矩形領域1における、走査型電子顕微鏡で観測される反射電子像から読み取った気孔と空気極成分領域との界面長さの合計値を気孔数で割った平均値d1が2.1μm以上3.0μm未満であり、
    前記空気極の前記電解質層の形成されていない面から、前記空気極と前記電解質層との前記界面方向へ前記面と垂直方向にW2以内の範囲において、前記面と平行方向に幅20μmで且つ前記面と垂直方向に長さW2である矩形領域2における、走査型電子顕微鏡で観測される反射電子像から読み取った気孔と空気極成分領域との界面長さの合計値を気孔数で割った平均値d2が3.0μm以上5.0μm未満である
    電気化学セル用空気極。
    但し、前記空気極の厚みが6μm以上の場合は前記W1及び前記W2はそれぞれ3μmであり、前記空気極の厚みが6μm未満の場合は、前記W1及び前記W2はそれぞれ前記空気極の厚みの50%とし、前記矩形領域1と前記矩形領域2とは、重ならないように設定する
  2. 燃料極、電解質層、バリア層、空気極をこの順に配置してなる電気化学セル用空気極であって、
    前記空気極の断面において、
    前記空気極と前記バリア層との界面から、前記空気極の前記バリア層が形成されていない面方向へ、前記界面と垂直方向にW1以内の範囲において、前記界面と平行方向に幅20μmで且つ前記界面と垂直方向に長さW1である矩形領域1における、走査型電子顕微鏡で観測される反射電子像から読み取った気孔と空気極成分領域との界面長さの合計値を気孔数で割った平均値d1が2.1μm以上3.0μm未満であり、
    前記空気極の前記バリア層の形成されていない面から、前記空気極と前記バリア層との前記界面方向へ前記面と垂直方向にW2以内の範囲において、前記面と平行方向に幅20μmで且つ前記面と垂直方向に長さW2である矩形領域2における、走査型電子顕微鏡で観測される反射電子像から読み取った気孔と空気極成分領域との界面長さの合計値を気孔数で割った平均値d2が3.0μm以上5.0μm未満である
    電気化学セル用空気極。
    但し、前記空気極の厚みが6μm以上の場合は前記W1及び前記W2はそれぞれ3μmであり、前記空気極の厚みが6μm未満の場合は、前記W1及び前記W2はそれぞれ前記空気極の厚みの50%とし、前記矩形領域1と前記矩形領域2とは、重ならないように設定する
  3. 前記矩形領域1において走査型電子顕微鏡で観測される前記気孔のうち、前記反射電子像から読み取った前記気孔と前記空気極成分領域との前記界面長さが1μm未満の気孔の個数割合が45%以下である、請求項1または2に記載の空気極。
  4. 前記矩形領域1において走査型電子顕微鏡で観測される前記気孔のうち、前記反射電子像から読み取った前記気孔と前記空気極成分領域との前記界面長さが1μm以上6μm未満の気孔の個数割合が50%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気極。
  5. 前記矩形領域1において前記反射電子像から読み取った前記気孔の前記空気極成分領域との前記界面長さを1.0μm刻みで横軸に、気孔数を縦軸にしたヒストグラムにおいて、前記界面長さが0.0μm以上1.0μm未満の範囲にピークを有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気極。
  6. 燃料極、電解質層、請求項1ならびに3〜5のいずれか1項に記載の空気極をこの順に配置してなる電気化学セル。
  7. 燃料極、電解質層、バリア層、請求項2〜5のいずれか1項に記載の空気極をこの順に配置してなる電気化学セル。

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