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JP2018150282A - 口腔用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】新規な口腔用組成物、特に、歯周病菌の動物細胞への付着阻害や、歯周病菌の線毛発現の抑制に有効な口腔用組成物の提供。
【解決手段】本発明によれば、カカオ豆抽出物を含んでなる、口腔用組成物が提供される。本発明の口腔用組成物は、歯周病菌の動物細胞への付着阻害剤や、歯周病菌の線毛発現抑制剤等として用いることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は口腔用組成物に関し、詳細には歯周病菌の動物細胞への付着阻害や、歯周病菌の線毛発現の抑制に有効な口腔用組成物に関する。
う蝕および歯周病などの歯科疾患は、その進行度合いが歯の喪失に繋がるため、食生活や社会生活に支障をきたし、ひいては、全身の健康に影響を与えるとされている。このうち歯周病は、ポルフィロモナス・ジンジバリス等の歯周病菌により引き起こされる歯周組織の疾患である。歯周病菌が形成するプラークは歯周組織に炎症を引き起こし、やがては歯を支えている骨を溶かし、最終的には歯の喪失を引き起こす。軽度な歯周病の場合には歯周病菌を殺菌、除去し、プラークを除去することで炎症が改善され、歯周組織は健全な状態に戻ることが知られている。このため歯周病は予防と初期の処置が重要といえ、歯周病の予防や初期の処置に有効な様々な殺菌剤や抗菌剤が開発されている。
これまで開発されてきた歯周病菌に対する殺菌成分や抗菌成分のうち、天然由来の成分としては発酵カカオ豆から作られるココア抽出物およびカカオマス抽出物(特許文献1)や、カカオ豆の外殻粉砕物に由来するカカオハスク抽出物(非特許文献1〜3)が知られている。カカオ豆に含まれる各種成分は発酵によって変化することが知られているが(非特許文献4)、発酵カカオ豆から作られるカカオマスやココア抽出物については歯周病菌の殺菌効果の報告があるのに対して、未発酵カカオ豆からの抽出物についてはこれまで歯周病菌の殺菌効果の報告はなされていない。
また、近年になって歯周病菌が動物上皮細胞に侵入する際に、歯周病菌が持つ線毛の重要性が示されているが(非特許文献5)、カカオ抽出物による歯周病菌の線毛発現や動物上皮細胞への付着に対する抑制効果はこれまでに報告されていない。
国際公開第2003/099304号
桑島治博等、医学と生物学、123巻1号33-38頁、1991年 Osawa K et al., J DENT RES 80: pp2000-2004(2001) Osawa K et al., Bull Tokyo Dent Coll. 31: pp125-128(1990) 後藤泰信等、日本食品科学工学会誌、49巻11号731-735(2002) Chinmay K. Mantri et al., Microbiology Open 4(1), 53-65(2015)
本発明は新規な口腔用組成物、特に、歯周病菌の動物細胞への付着阻害や、歯周病菌の線毛発現の抑制に有効な口腔用組成物を提供することを目的とする。本発明はまた、歯周病菌および口臭原因菌に対して有効な口腔用組成物を提供することを目的とする。本発明はさらに、歯周病菌等の口腔細菌の生体内侵入が一因となる血管障害、早産、糖尿病等の様々な疾患等の予防や軽減ができる口腔用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは今般、未発酵のカカオ豆抽出物が歯周病菌の線毛発現を抑制するとともに、未発酵のカカオ豆抽出物と発酵カカオ豆抽出物が歯周病菌の動物細胞への付着を阻害することを見出した。本発明者らはまた、未発酵のカカオ豆抽出物が歯周病菌に対して優れた抗菌活性を有すること、歯周病菌が形成したバイオフィルムに対して優れた抗菌活性を有することを見出した。本発明者らはさらに、未発酵のカカオ豆抽出物を歯周炎モデルラットに投与したところ、歯周炎が改善されることを見出した。本発明はこれらの知見に基づくものである。
本発明によれば以下の発明が提供される。
[1]カカオ豆抽出物を含んでなる、口腔用組成物。
[2]歯周病菌の動物細胞への付着阻害剤である、上記[1]に記載の組成物。
[3]歯周病菌の線毛発現抑制剤である、上記[1]に記載の組成物。
[4]カカオ豆抽出物が未発酵のカカオ豆抽出物である、上記[1]に記載の組成物。
[5]歯周病菌および/または口臭原因菌に対する抗菌剤である、上記[4]に記載の組成物。
[6]歯周病およびその関連疾患の治療、予防または改善に用いるための、上記[4]または[5]に記載の組成物。
[7]口臭抑制に用いるための、上記[4]または[5]に記載の組成物。
[8]歯周病菌が、ポルフィロモナス・ジンジバリス、プレボテラ・インターメディア、プレボテラ・ニグレセンス、トレポネーマ・デンティコーラ、タンネレラ・フォーサイセンシス、アグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンス、カンピロバクター・レクタスおよびフロバクテリウム・ヌクレイタムからなる群から選択される1種または2種以上である、上記[2]、[3]または[5]に記載の組成物。
[9]口臭原因菌が、フソバクテリウム・ヌクレアタムおよびベイロネラ・ディスパー並びに上記[8]に記載された歯周病菌からなる群から選択される1種または2種以上である、上記[5]に記載の組成物。
[10]食品組成物である、上記[1]〜[9]のいずれかに記載の組成物。
本発明の口腔用組成物はカカオ豆抽出物を有効成分とするものである。カカオ豆抽出物は人類が長年食品の原料として使用してきた天然素材であることから、本発明によれば副作用の懸念がなく、安全な口腔用組成物を提供することができる。
ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis ATCC 33277株)の線毛(Mfa1、FimA)の発現に対する未発酵カカオ豆抽出物(CBP、HP−PW)の阻害効果を示した図(SDSポリアクリルアミド電気泳動の写真)である。図中の「Pg」は、未発酵カカオ豆抽出物非添加培地でポルフィロモナス・ジンジバリスを培養した対照群の結果を示す。 ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis ATCC 33277株)の動物細胞への付着性に対するカカオ豆抽出物の阻害効果を示した図である。 未発酵のカカオ豆抽出物の歯周病菌に対する効果を、CBP濃度およびHP−PW濃度と、ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis ATCC 33277株)の生残細菌数との関係から示した図である。 未発酵のカカオ豆抽出物の歯周病菌に対する効果を、CBP濃度およびHP−PW濃度と、ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis ATCC 33277株)の生残率との関係から示した図である。 ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis ATCC 33277株)が形成したバイオフィルムに対する未発酵カカオ豆抽出物(CBPおよびHP−PW)の殺菌効果を示した図(顕微鏡写真)である。写真中の数字(%)は、生菌の割合を示す。なお、図3中の「PW−VE−R」は「HP−PW」と同義である。 ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis ATCC 33277株)の歯槽骨吸収に対する未発酵カカオ豆抽出物の抑制効果を示した図である(*P<0.05)。 ラット口腔内のポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis ATCC 33277株)をPCRにより検出した結果を示した図(写真)である。
発明の具体的説明
本発明の口腔用組成物はカカオ豆抽出物を含んでなるものである。本発明において「カカオ豆抽出物」は、発酵カカオ豆抽出物のみならず、未発酵のカカオ豆抽出物をも含む意味で用いられるものとする。
本発明の口腔用組成物は発酵カカオ豆抽出物を含んでなるものである。発酵カカオ豆抽出物は、発酵処理されたカカオ豆を加工処理して得られた素材をそのまま用いるか、あるいは、後述の抽出処理の原料として用いることができる。加工処理後の素材としては、カカオ豆からセパレーターにより皮を取り除いたもの、例えば、カカオニブ、カカオマス、脱脂カカオマスおよびココアパウダーが挙げられる。すなわち、本発明においては、カカオニブ、カカオマス、脱脂カカオマスおよびココアパウダー並びにこれらの抽出物を発酵カカオ豆抽出物として用いることができる。また、カカオ豆の発酵処理は、常法に従って自然発酵により実施することができる。
発酵カカオ豆抽出物は、発酵処理されたカカオ豆(上記加工処理されたものを含む)を溶媒抽出することにより調製することができる。使用できる溶媒としては水、炭素数1〜6のアルコール(例えば、エタノール)、アルデヒドおよびケトンが挙げられ、それぞれを組み合わせてカカオ豆の品種に合った溶媒を抽出溶媒として用いてもよい。溶媒抽出工程に先立って搾油(エクスペラー)工程を実施してもよい。搾油工程を実施することにより脱脂された抽出物を得ることができる。溶媒抽出工程により得られた抽出液は、例えば、ろ過および濃縮した後、スプレードライ法やフリーズドライ法などの乾燥手段により乾燥させて、乾燥粉末の形態としてもよい。発酵カカオ豆抽出物の調製方法は公知であり、例えば、特開2001−69946号公報の記載に従って調製することができる。
本発明の口腔用組成物は未発酵のカカオ豆抽出物を含んでなるものである。未発酵のカカオ豆抽出物はカカオ豆(生豆)を溶媒抽出することにより調製することができる。使用できる溶媒としては水、炭素数1〜6のアルコール(例えば、エタノール)、アルデヒドおよびケトンが挙げられ、それぞれを組み合わせてカカオ豆の品種に合った溶媒を抽出溶媒として用いてもよい。溶媒抽出工程に先立ってカカオ豆を破砕する工程や搾油(エクスペラー)工程を実施してもよい。搾油工程を実施することにより脱脂された抽出物を得ることができる。溶媒抽出工程により得られた抽出液は、例えば、ろ過および濃縮した後、スプレードライ法やフリーズドライ法などの乾燥手段により乾燥させて、乾燥粉末の形態としてもよい。
未発酵のカカオ豆抽出物の調製方法は公知であり、例えば、特開2014−118369号公報の記載に従って調製することができる。また、未発酵のカカオ豆抽出物は市販されており、例えば、株式会社明治製の「カカオ豆抽出物CBP」や「HPカカオエキスPW」を本発明に用いることができる。
本発明の組成物におけるカカオ豆抽出物の含有量(固形分換算基準)は、後述する歯周病菌の動物細胞への付着阻害活性、歯周病菌の線毛発現抑制活性、歯周病菌および口臭原因菌に対する抗菌活性などの効果が発揮される限り特に限定されないが、上限を100質量%、30質量%あるいは10質量%とすることができ、下限を0.01質量%、0.1質量%、1質量%あるいは5質量%とすることができる。
本発明の組成物は口腔用組成物として用いることができ、具体的には、歯周病菌の動物細胞(特に、上皮細胞)への付着阻害剤および歯周病菌の線毛(特に、Mfa1線毛およびFimA線毛)の発現抑制剤として用いることができる。本発明による組成物はまた、歯周病菌および/または口臭原因菌に対する抗菌剤として用いることができる。
ここで、歯周病菌としては、ポルフィロモナス・ジンジバリス (Porphyromonas gingivalis)などのポルフィロモナス属細菌、プレボテラ・インターメディア (Prevotella intermedia)、プレボテラ・ニグレセンス(Prevotella nigrescens)などのプレボテラ属細菌、トレポネーマ・デンティコーラ(Treponema denticola)、タンネラ・フォーサイセンシス(Tannella forsythensis)、アグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンス(Aggregatibacter actinomycetemcomitans)、カンピロバクター・レクタス(Campylobacter rectus)、フソバクテリウム・ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)などが挙げられる。
また、口臭原因菌としては、フソバクテリウム・ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)などのフソバクテリウム属細菌、ベイロネラ・ディスパー(Veillonella dispar)などのベイロネラ属細菌、さらには前述の各種歯周病菌などが挙げられる。
本発明の組成物によれば歯周病菌の動物細胞(特に、上皮細胞)への付着を阻害することができ、また、歯周病菌の線毛(特に、Mfa1線毛およびFimA線毛)の発現を抑制することができる。歯周病菌の口腔内への定着は細胞への付着が足がかりとなっており、また、歯周病菌の口腔内への定着とバイオフィルムの形成には菌体上に発現する線毛が重要な役割を果たしている。従って、本発明の組成物によれば、歯周病菌の動物細胞への付着阻害や歯周病菌の線毛の発現抑制を通じて、歯周病やその関連疾患を治療、予防および改善することができる。
本発明の組成物によれば歯周病菌や口臭原因菌などの口腔内病原菌の総菌数を減少させるか、あるいは、増殖を抑制することができ、ひいては、歯周病や口臭などの口腔内疾患を治療、予防または改善することができる。すなわち、本発明の組成物は口臭抑制に用いることができ、口臭抑制剤として用いることができる。ここで、「口臭」とは、呼気に含まれている口臭成分を人が感じるものをいい、呼気と共に口腔から発せられる悪臭の総称である。該悪臭の代表成分として硫化水素やメチルメルカプタンのような揮発性含硫化合物が挙げられる。
本発明の組成物は歯周病およびその関連疾患の治療、予防または改善のために用いることができる。すなわち、本発明によれば未発酵のカカオ豆抽出物を有効成分として含んでなる歯周病およびその関連疾患の治療、予防または改善剤が提供される。
本発明において「歯周病」とは歯肉炎および歯周炎を含む意味で用いられる。また、歯周病の関連疾患は、歯周病に起因して生じうる2次的な疾患を意味し、例えば、誤嚥性肺炎、口腔細菌の生体内侵入が一因となる血管障害(例えば、狭心症、心筋梗塞)、早産、糖尿病などが挙げられる。
本発明の組成物は歯周病菌や口臭原因菌に対する抗菌活性等が奏される限り、その形態や形状に特に制限はなく、固形状の形態であっても、液体、半液体、ゲル状、ペースト状、粉末状などの形態であってもよい。本発明の組成物としては、例えば、タブレット(例えば、トローチ、チュアブル錠)、ガム、グミ、キャンディ、錠菓、飲料、ゼリーなどの食品組成物や、可食性フィルム、歯磨剤、洗口剤、うがい剤、義歯洗浄剤、口腔内崩壊錠、ジェルなどの口腔ケア組成物が挙げられ、携帯性や口腔内滞留性の観点から、タブレット、ガム、グミ、キャンディが好ましい。本発明の組成物は、その剤型に応じ、カカオ豆抽出物以外に任意成分としてその他の公知の添加剤を配合することができる。
本発明の組成物をタブレットとして提供する場合には、カカオ豆抽出物以外に、糖質、賦形剤、甘味料、酸味料、香料、着色料、保存剤、安定化剤、乳化剤、植物抽出物、果汁パウダーなどから選択される1種または2種以上の成分を配合し、常法により製造することができる。
カカオ豆抽出物はそれ自体喫食可能な材料であり、後記実施例に示す通り歯周病菌や口臭原因菌に対する抗菌活性等を有するため、日常摂取する食品やサプリメントとして摂取する食品に含有させて提供することもできる。すなわち、本発明の組成物は食品組成物として提供することができる。本発明の組成物を食品組成物として提供する場合には、本発明の組成物は有効成分であるカカオ豆抽出物を配合する以外は、当該食品の通常の製造手順に従って製造することができる。
本発明の有効成分であるカカオ豆抽出物を食品組成物として提供する場合には、カカオ豆抽出物をそのまま食品に含有させることで調製することができ、該食品組成物はカカオ豆抽出物を有効量含有した食品である。ここで、カカオ豆抽出物を「有効量含有した」とは、個々の食品において通常喫食される量を摂取した場合に所定の範囲でカカオ豆抽出物が摂取されるような含有量をいう。なお、本発明の有効成分であるカカオ豆抽出物そのものあるいはそれを含む組成物を、摂取者において食品(例えば、飲料)に添加し食品組成物とするような態様も本発明の範囲に含まれるものとする。
本発明の組成物は、歯周病菌の動物細胞への付着阻害活性、歯周病菌の線毛発現抑制活性および歯周病菌に対する抗菌活性等に有効な1回分の摂取量のカカオ豆抽出物を含んでなる組成物として提供することができる。これらの活性に有効な1回分のカカオ豆抽出物の摂取量や、1日当たりの摂取回数は、摂取者の年齢、症状、体感に依存して決定することができる。例示をすれば、歯周病菌の動物細胞への付着阻害活性、歯周病菌の線毛発現抑制活性および歯周病菌に対する抗菌活性等に有効な1回分のカカオ豆抽出物の摂取量は固形分換算質量で0.1mg〜10mg/回であり、好ましくは1.0mg〜10mg/回である。また、これらの活性に効果的な1日当たりのカカオ豆抽出物の摂取回数は、1〜10回/日であり、好ましくは3〜5回/日である。
本発明の別の面によれば、有効量のカカオ豆抽出物をヒトまたは非ヒト動物に摂取させるか、或いは投与することを含んでなる、歯周病菌の動物細胞への付着阻害方法および歯周病菌の線毛発現の抑制方法が提供される。本発明によればまた、有効量の未発酵のカカオ豆抽出物をヒトまたは非ヒト動物に摂取させるか、或いは投与することを含んでなる、歯周病菌および/または口臭原因菌の殺菌方法が提供される。本発明の殺菌方法、阻害方法および抑制方法は、本発明の組成物に関する記載に従って実施することができる。
本発明のさらに別の面によれば、有効量の未発酵のカカオ豆抽出物をヒトまたは非ヒト動物に摂取させるか、或いは投与することを含んでなる、歯周病およびその関連疾患の治療、予防または改善方法が提供される。本発明の治療、予防または改善方法は本発明の組成物に関する記載に従って実施することができる。
ここで、本発明におけるカカオ豆抽出物のヒトおよび非ヒト動物に対する使用については治療的使用と非治療的使用のいずれもが意図される。ここで、「非治療的」とはヒトを手術、治療または診断する行為(すなわち、ヒトに対する医療行為)を含まないことを意味し、具体的には、医師または医師の指示を受けた者がヒトに対して手術、治療または診断を行う方法を含まないことを意味する。
本発明のさらにまた別の面によれば、歯周病菌の動物細胞への付着阻害剤および歯周病菌の線毛発現抑制剤の製造のための、カカオ豆抽出物の使用と、歯周病菌の動物細胞への付着阻害剤および歯周病菌の線毛発現抑制剤としての、カカオ豆抽出物の使用が提供される。本発明によればまた、歯周病菌および/または口臭原因菌に対する抗菌剤の製造のための、未発酵のカカオ豆抽出物の使用と、歯周病菌および/または口臭原因菌に対する抗菌剤としての、未発酵のカカオ豆抽出物の使用が提供される。本発明の使用は本発明の組成物に関する記載に従って実施することができる。
以下の例に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
例1:歯周病菌の線毛の発現に対する未発酵カカオ豆抽出物の影響
(1)未発酵カカオ豆抽出物含有培地の調製
被検試料として、カカオ豆抽出物(ポリフェノール濃度82質量%、以下「CBP」という)(株式会社明治製)およびHPカカオエキスPW(ポリフェノール濃度17質量%、以下「HP−PW」という)(株式会社明治製)を用いた。CBPおよびHP−PWは、それぞれ抽出方法の異なる未発酵カカオ豆抽出物である。CBP粉末およびHP−PW粉末はそれぞれ50%エタノール溶解液に溶解し、CBP含有50%エタノール溶解液およびHP−PW含有50%エタノール溶解液とした。BHI−YHK培地は、ブレインハートインフュージョン培地(ベクトンディキンソン社製、以下「BHI培地」という)に5mg/mLの酵母エキス(ベクトンディキンソン社製)、5μg/mLのヘミン(和光純薬社製)および0.5μg/mLのビタミンK(和光純薬社製)を添加して調製した(以下、同様)。次いで、表1に示すCBPおよびHP−PW濃度となるように、BHI−YHK培地にCBP含有50%エタノール溶解液およびHP−PW含有50%エタノール溶解液をそれぞれ添加することにより、CBPを含有するBHI−YHK培地およびHP−PWを含有するBHI−YHK培地を調製した。また、対照群として、BHI−YHK培地にCBP含有50%エタノール溶解液およびHP−PW含有50%エタノール溶解液のいずれも添加しない試験区を設けた。
(2)歯周病菌の調製
歯周病菌として、ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis ATCC 33277株、以下同様)を用いた。ポルフィロモナス・ジンジバリスをBHI−YHK培地に接種し、嫌気ガス(70%N、15%H、15%CO)を満たしたAnaerobox(テーハー式・アナエロ・ボックスANX-3型、株式会社ヒラサワ社製)内で、37℃で18時間培養した。培養後、遠心分離処理により集菌し、550nmの波長で吸光度1.0であるポルフィロモナス・ジンジバリス菌液を調製した。
(3)線毛の発現阻害の測定
上記(1)で調製したCBP含有BHI−YHK培地およびHP−PW含有BHI−YHK培地に、上記(2)で調製したポルフィロモナス・ジンジバリス菌液10μLを接種し、嫌気条件下、室温で1時間または24時間作用させた後、培養後の各BHI−YHK培地を線毛発現阻害測定試験に供した。具体的には、培養後の各BHI−YHK培地に1mLのSDSサンプルバッファーを添加して100℃、5分間保持し各溶菌液サンプルを調製した。各溶菌液サンプルをSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動に供し、FimA(41kDa)およびMfa1(67kDa)の各線毛タンパク質の発現を調べた。
(4)結果
結果は図1に示される通りであった。図1の結果より、0.01mg/mLおよびこれよりも高い濃度のCBP含有BHI−YHK培地はFimAおよびMfa1線毛の発現に対して阻害作用を有することが確認された。また、0.01mg/mLおよびこれよりも高い濃度のHP−PW含有BHI−YHK培地はMfa1線毛の発現に対して阻害作用を有すること、0.1mg/mLおよびこれよりも高い濃度のHP−PW含有BHI−YHK培地はFimA線毛の発現に対して阻害作用を有することが確認された。
例2:歯周病菌の動物細胞への付着性に対するカカオ豆抽出物の影響
(1)カカオ豆抽出物含有培地の調製
CBP含有BHI−YHK培地およびHP−PW含有BHI−YHK培地は、例1(1)に記載の手順に従って、CBPとHP−PWの最終培地濃度がそれぞれ0.001、0.01、0.1mg/mLであるBHI−YHK培地と、対照群としてCBPおよびHP−PWのいずれも添加しないBHI−YHK培地を調製した。また、被験試料として、Natsume et al., Biosci Biotechnol Biochem., 64, 2581-2587(2000)に記載された手順で調製した発酵カカオ豆抽出物であるCLPr(ポリフェノール濃度71質量%)を用いて、例1(1)に記載の手順に従ってCLPr含有50%エタノール溶解液を調製し、次いでCLPrの最終培地濃度がそれぞれ0.001、0.01、0.1mg/mLであるCLPr含有BHI−YHK培地を調製した。
(2)歯周病菌の調製
歯周病菌は、550nmの波長で吸光度0.3であるポルフィロモナス・ジンジバリス菌液(10CFU/mL)とした以外は、例1(2)に記載の手順に従って調製した。
(3)歯周病菌の細胞付着性に対する阻害効果の測定
動物細胞として、ヒト歯肉上皮細胞(HGEC細胞)を用いた。ヒト歯肉上皮細胞を24ウェルプレートに1ウェルあたり1mLのKGM培地(LONZA社製)を用いて5%CO・37℃の条件下で48時間培養した。培養後のヒト歯肉上皮細胞に、上記(1)で調製したCBP含有BHI−YHK培地、HP−PW含有BHI−YHK培地およびCLPr含有BHI−YHK培地を0.0001mg/mL、0.001mg/mL、0.01mg/mL、0.1mg/mLのカカオ豆抽出物濃度となるように添加し、次いで上記(2)で調製したポルフィロモナス・ジンジバリス菌液10μLを接種し、5%CO・37℃の条件下で1時間処理した。処理後のヒト歯肉上皮細胞をPBSで3回洗浄後、水1mLで室温下20分放置することで上皮細胞を破壊して調製したポルフィロモナス・ジンジバリス菌液を適当に希釈し、希釈液0.1mLをBHI血液寒天培地に塗抹し、37℃で5日間培養後、生菌数を測定した。BHI血液寒天培地はBHI−YHK培地に1.5%バクトアガー(ベクトンディキンソン社製)を添加して滅菌後、5%羊脱繊血(日本バイオテスト研究所)を加えて作製した。
(4)結果
結果は図2に示される通りであった。図2の結果より、CBP、HP−PWおよびCLPrは歯周病菌であるポルフィロモナス・ジンジバリスの動物細胞への付着に対して阻害効果を有することが確認された。
例3:未発酵のカカオ豆抽出物の歯周病菌に対する効果
(1)未発酵カカオ豆抽出物含有培地の調製
CBP含有BHI−YHK培地およびHP−PW含有BHI−YHK培地は、例1(1)に記載の手順に従って、CBPおよびHP−PWの最終培地濃度がそれぞれ0.01、0.1、1.0、10mg/mLであるBHI−YHK培地と、対照群としてCBPおよびHP−PWのいずれも添加しないBHI−YHK培地を調製した。
(2)歯周病菌の調製
歯周病菌は、例1(2)に記載の手順に従って調製した。
(3)殺菌効果の測定
上記(1)で調製したCBP含有BHI−YHK培地およびHP−PW含有BHI−YHK培地に、上記(2)で調製したポルフィロモナス・ジンジバリス菌液10μLを入れ、嫌気条件下、室温で1時間処理した後、処理後の各BHI−YHK培地を生菌数測定試験に供した。具体的には、処理後の各BHI−YHK培地を適当に希釈した希釈液0.1mLを、実施例2で用いたBHI血液寒天培地に塗抹し、37℃で5日間培養後、生菌数を測定し、下記式(1)に従って生残率を求めた。
Figure 2018150282
(4)結果
結果は図3および図4に示される通りであった。図3および図4の結果より、CPBおよびHP−PWは歯周病菌であるポルフィロモナス・ジンジバリスに対して殺菌効果を有することが確認された。
例4:未発酵のカカオ豆抽出物がバイオフィルムに与える影響
(1)未発酵カカオ豆抽出物含有培地の調製
CBP含有BHI−YHK培地およびHP−PW含有BHI−YHK培地は、例1(1)に記載の手順に従って、CBPおよびHP−PWの最終培地濃度がそれぞれ0.1、1.0、10mg/mLであるBHI−YHK培地と、対照群としてCBPおよびHP−PWのいずれも添加しないBHI−YHK培地を調製した。
(2)バイオフィルム形成
BHI−YHK培地1mLを添加した24ウェルマイクロプレートに円形カバーガラスを入れ、これに例1(2)で調製したポルフィロモナス・ジンジバリス菌液10μLを接種し、嫌気条件下、37℃で16.5時間培養した。培養後、リン酸緩衝液(pH7.2)でウェル内の浮遊菌を除去し、新鮮なBHI−YHK培地に交換し、37℃で24時間培養して、カバーガラス上にポルフィロモナス・ジンジバリスのバイオフィルムを形成させた。
形成されたバイオフィルムに、上記(1)で得られたCBP含有BHI−YHK培地およびHP−PW含有BHI−YHK培地を添加し、嫌気条件下、室温で1時間作用させた後、LIVE/DEAD(商標名)BacLight(商標名) Bacterial Vaibility Kit(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を用いてバイオフィルムを染色し、蛍光顕微鏡(BZ−X700、キーエンス社製)で観察した。生菌は緑色で標識され、死菌は赤色で標識されるため、顕微鏡観察下では両者を識別することができる。また、蛍光顕微鏡写真を画像解析し、写真全体面積に対する緑色面積の割合(生菌の割合)を算出した。なお、緑色は図5では白ないし灰色で示された部分に対応し、赤色は図5では濃い灰色ないし黒で示された部分に対応する。
(3)結果
結果は図5に示される通りであった。図5の結果より、CBPおよびHP−PW(図5中では「PW−VE−R」と表記)をそれぞれ作用させたポルフィロモナス・ジンジバリスのバイオフィルムでは、CBPおよびHP−PWの濃度に依存してバイオフィルム形成細菌の死滅が観察された。すなわち、CBPおよびHP−PWを添加しない「Control」では観察面全体が緑色に染色され、CBPおよびHP−PWをそれぞれ0.1mg/mL添加すると赤色にやや染色された部分が観察面に出現し、CBPおよびHP−PWをそれぞれ1.0mg/mL添加すると赤色に染色された部分が観察面に複数箇所出現し、CBPおよびHP−PWをそれぞれ1.0mg/mL添加すると観察面全体が赤色に染色された。また、写真全体面積に対する緑色面積(図5では白ないし灰色で示された部分)の割合(生菌の割合)も、未発酵カカオ豆抽出物の添加濃度が増加するにつれて減少傾向を示した。以上から、CBPおよびHP−PWは歯周病菌であるポルフィロモナス・ジンジバリスのバイオフィルムに対して殺菌効果を有することが確認された。
例5:未発酵のカカオ豆抽出物の歯周病に対する効果
(1)実験的歯周炎モデルの作製
3週齢のSprague−Dawley雄ラット(日本クレア社より入手)を群分けした。具体的には、コントロール群(以下、「I群」という)、ポルフィロモナス・ジンジバリス感染群(以下、「II群」という)、未発酵カカオ豆抽出物摂取群(以下、「III群」という)および未発酵カカオ豆抽出物摂取かつポルフィロモナス・ジンジバリス感染群(以下、「IV群」という)の4群(各群n=6)に分けた。未発酵カカオ豆抽出物はCBPを用いた。口腔常在菌を減少させる目的で、各群に最終濃度1mg/mLのサルファメトキサゾールと200μg/mLのトリメトプリムをイオン交換水中に混合したものを飲料水として4日間与え、その後3日間は抗生物質を含まないイオン交換水を与えた後、1日目、3日目、5日目に以下の処理を行った。すなわち、I群は5%カルボキシメチルセルロース溶液(以下、「CMC」)という)を、II群は5%CMCで調製したポルフィロモナス・ジンジバリス菌液(10CFU/mL)を、それぞれラット口腔内へ投与した。I群とII群の投与を行った2時間後に、III群は最終濃度が10mg/mLとなるように5%CMCで調製したCBP溶液をI群の処理を行ったラット口腔内へ投与し、IV群は最終濃度が10mg/mLとなるように5%CMCで調製したCBP溶液をII群の処理を行ったラット口腔内に投与した。すべてのラットは、食事および飲料水を自由に摂取できるようにし、温度23℃、湿度60%および明暗12時間のサイクルの環境下で飼育した。また、体重をポルフィロモナス・ジンジバリス感染直後(4週齢)、ポルフィロモナス・ジンジバリス感染1週間後(5週齢)および屠殺時(11週齢)に測定し、各群の体重の平均値を求めた。最終投与日より40日目にすべてのラットをエーテル麻酔下で断頭潟血により屠殺した。本動物感染実験は神奈川歯科大学実験動物倫理委員会の承認を得て実施した。
(2)歯槽骨吸収量の測定
歯槽骨の吸収量は、上記(1)で屠殺したラットの上顎臼歯部のセメントエナメル境から歯槽骨頂までの距離を7か所測定して行った。具体的には、頭蓋骨を2気圧下で10分間加熱後、3%次亜塩素酸ナトリウム溶液に浸漬して軟組織を除去後、1%メチレンブルー溶液で歯槽骨を染色乾燥させたものを試料として、実体顕微鏡下、倍率40倍で測定した。7か所の測定値の平均値を個体あたりの骨吸収量とし、各群6匹の平均値を各実験群の骨吸収量としてミリメートルで表し標準偏差(SD)を求めた。統計学的分析は、Tukey法を用いて行った。
(3)PCRによるラット口腔内の歯周病菌の検出
ラット口腔内のプラーク細菌の採取は、水で湿らせた綿棒でラット口腔内を拭って行い、水0.5ml中で綿棒についた菌を懸濁させ、遠心分離(15000rpm、21,500×gで3分間、)して得られる沈殿画分をプラーク細菌とした。ポルフィロモナス・ジンジバリス標準菌株および採取したプラーク細菌からのDNA抽出は、ISOPLANT(ニッポン・ジーン社製)を用い、添付の手順書に従って実施した。抽出したDNAを30μLのT10溶液に溶解して保存した。PCR反応には、ポルフィロモナス・ジンジバリス 16S rRNA遺伝子から作製されたAshimoto等(Ashimoto A. et al., Oral Microbiol Immunol. 1996;11(4):266-73)が報告したプライマー(5’−AGG CAG CTT GCC ATA CTG CG−3’(配列番号1)および5’−ACT GTT AGC AAC TAC CGA TGT−3’(配列番号2)、増幅断片長は404bp)を用いた。DNAの増幅は、95℃5分間加熱した後、95℃30秒、60℃1分、72℃1分を36サイクル行った。PCR試薬はGoTaq(商標名) Green Master Mix Gene(Promega社製)を使用し、遺伝子の増幅はiCycler(Bio−Rad社製)を用いて行った。PCR反応終了後のDNAサンプルおよび分子量マーカーとしてSmart Ladder(和光純薬工業社製)を1.5%アガロースゲル電気泳動後、写真撮影を行い、増幅DNA断片を検出した。
(4)結果
結果は図6および7に示される通りであった。図6の結果より、歯周病菌感染群(II群)は歯周病菌未投与群(I群)に比較して有意な歯槽骨吸収が確認されたが、歯周病菌感染後に未発酵カカオ豆抽出物を投与した群(IV群)では、歯槽骨吸収量が抑制され、未発酵カカオ豆抽出物投与群(III群)とほぼ同様の骨吸収量となることが確認された。また、図7の結果より、歯周病菌感染後に未発酵カカオ豆抽出物を投与した群(IV群)では、歯周病菌感染群(II群)と比較して口腔内の歯周病菌が低減されることが確認された。なお、実験期間中の各群の体重には違いは認められなかった(データ示さず)。

Claims (10)

  1. カカオ豆抽出物を含んでなる、口腔用組成物。
  2. 歯周病菌の動物細胞への付着阻害剤である、請求項1に記載の組成物。
  3. 歯周病菌の線毛発現抑制剤である、請求項1に記載の組成物。
  4. カカオ豆抽出物が未発酵のカカオ豆抽出物である、請求項1に記載の組成物。
  5. 歯周病菌および/または口臭原因菌に対する抗菌剤である、請求項4に記載の組成物。
  6. 歯周病およびその関連疾患の治療、予防または改善に用いるための、請求項4または5に記載の組成物。
  7. 口臭抑制に用いるための、請求項4または5に記載の組成物。
  8. 歯周病菌が、ポルフィロモナス・ジンジバリス、プレボテラ・インターメディア、プレボテラ・ニグレセンス、トレポネーマ・デンティコーラ、タンネレラ・フォーサイセンシス、アグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンス、カンピロバクター・レクタスおよびフロバクテリウム・ヌクレイタムからなる群から選択される1種または2種以上である、請求項2、3または5に記載の組成物。
  9. 口臭原因菌が、フソバクテリウム・ヌクレアタムおよびベイロネラ・ディスパー並びに請求項8に記載された歯周病菌からなる群から選択される1種または2種以上である、請求項5に記載の組成物。
  10. 食品組成物である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
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