しかしながら、従来行われているマニュアルによる出口部ケアの場合、上記のように作業工数が多く煩雑であり、特に、消毒と乾燥の作業は丁寧に反復する必要があると共に、腹部に液体(シャワー等)を当てて洗浄するので準備や後始末も大変に面倒であるため、作業者(看護師等)及び患者本人の負担が大きく、少なくともこの点で医療経済性が極めて悪い療法である。しかも、例えば多数の入院患者の出口部ケアは同一時期に行われる場合が有り、患者以外が行う場合は基本的に患者一人に対して作業者一人が就いて行う必要があるため、作業効率が極めて悪く看護師の不足により要ケア患者が渋滞する事態も招きかねない。
また、消毒液や石鹸等を使用した場合、皮膚に垢や皮脂の付着物や、カブレを生じる事があり、問題となっている。これは、消毒液等は正常皮膚に対して少なからず組織障害性を有していると共に、正常皮膚の所謂皮膚バリアの形成に有効な常在菌への殺菌性も有していることから、消毒液等を皮膚に塗布すると、正常皮膚が本来有している皮膚バリア機能までもが大きく損なわれ、病原菌の増殖が容易となることに起因するものと考えられている。このため近年は、滅菌性のフィルム材や消毒液等を使用せずに、皮膚バリア機能を適切に維持可能な出口部ケアへの要望が高まっている。
一方で、特許文献1の包囲体や、特許文献2の保護用具は、基本的には常時装身することにより出口部においてカテーテルを固定する固定用具であると共に、出口部の外部からの隔離を適切に維持することに主眼が置かれたものであるが、このような固定用具を常時装身していれば、物理的には多かれ少なかれ常に身体の動きの邪魔となり、また、精神的にも常に異物感や過度な配慮など固定用具の存在を意識して活動せねばならなくなるので、煩雑で不便であると言わざるを得ない。特に、透析の負担を軽減して自由な時間・活動の範囲を拡げるために研究・開発されている腹膜透析の意義は大きく損なわれかねない。しかも、長時間皮膚に密着させる部位を有するから、この部位に皮膚疾患を生じやすくなり、ひいては出口部感染の原因となるおそれもある。
また、何れも出口部の洗浄・除菌は、滅菌ガスや薬剤などを使用するものであるから、殺菌はできても出口部の皮膚バリア機能まで損なわれるおそれがあると共に、洗浄ケア装置としての使用性やコスト性も悪くなる。さらに、何れの被覆構造もフィルタや蓋・分割片など、複雑な構造となっているから、製品としての生産性も良いとは言えず、また、組立・取り付けや消毒作業なども工程が多数とならざるを得ない。よって、何れも医療経済性が良好であるとは言えない。
他方で、特許文献3、4、或はこの種の技術は、あくまで、表皮や傷口を洗浄する技術に過ぎないから、上記のようなカテーテル出口部のまわりをケア・洗浄するために不可欠となる、各種の構造・工夫などの情報が一切開示されていない。よって、出口部のケア・洗浄技術として利用することは全く不可能である。また、真空源や電解水生成装置など、複雑かつ高価に構成されているから生産性も悪いと共に使用場面も限定されたものである。
そこで本発明は、本願出願人が上記問題点を解決するため鋭意研究した結果開発されたものであり、その目的は、消毒液等を使用することなく皮膚本来の機能を適切に維持しながら確実にカテーテル出口部の皮膚疾患・感染症を予防することができ、しかも簡易かつ使い捨て可能に構成したことにより作業性及び生産性を大幅に向上させ、もって極めて高い医療作業性・経済性を備えたカテーテル出口部の洗浄ケア装置とこれを用いた洗浄ケア方法を提供することにある。
上記の目的を達成するため、請求項1における発明は、開口部を有する膨出形状の容体と、この容体には、少なくとも、容体内の排水等を容体外に流出するための流出部と、ケア領域の出口部より取り出したカテーテルを容体の外部に挿出するための挿通部と、を有し、容体には、マイクロバブル・ナノバブルを噴出するためのバブル噴出ユニットを備えると共に、開口部には、出口部周囲のケア領域を開口部が包囲して容体を気密状態に当接保持させるための環状シール部を備え、ケア領域をマイクロバブル・ナノバブルを噴出させて洗浄ケアを施すようにしたカテーテル出口部の洗浄ケア装置である。
請求項2における発明は、バブル噴出ユニットは、容体とは別体の噴出ノズルユニットからなり、この噴出ノズルユニットを容体の固定部に封止状に固定したカテーテル出口部の洗浄ケア装置である。
請求項3における発明は、容体は、透明又は半透明の樹脂で一体に成形したカテーテル出口部の洗浄ケア装置である。
請求項4における発明は、前記噴出ユニットには、噴出ノズルを設け、この噴出ノズルの途中に設けたオリフィスでマイクロバブル・ナノバブルを生成するように構成して、バブル噴出ユニット自体をバブル生成器としたカテーテル出口部の洗浄ケア装置である。
請求項5における発明は、バブル生成器は、ノズルから噴出されるバブルとして容体内の気体を圧縮した状態で給水された液体内に取り込ませて容体内を外気に対して負圧状態にしたカテーテル出口部の洗浄ケア装置である。
請求項6における発明は、環状シール部は、ゲル状エラストマー樹脂で形成したカテーテル出口部の洗浄ケア装置である。
請求項7における発明は、容体の外周面に、吊下状の紐状体又は身体に巻き回して容体を固定するためのバンドを取り付ける取付部を設けたカテーテル出口部の洗浄ケア装置である。
請求項8における発明は、給排水ユニットには、バブル噴出ユニットに給水するための給水タンク及び給水ポンプと、流出部から排水管を介して排水される排水タンクと、制御用コントローラとを内蔵したカテーテル出口部の洗浄ケア装置である。
請求項9における発明は、バブル噴出ユニットに給水するための給水管の途中にバブル生成器を設け、このバブル生成器でマイクロバブル・ナノバブルを生成するカテーテル出口部の洗浄ケア装置である。
請求項10における発明は、給水管の周囲に滅菌用の紫外線照射部を設けたカテーテル出口部の洗浄ケア装置である。
請求項11における発明は、マイクロバブル・ナノバブルは、オゾン水、洗浄水又は水道水を用いて生成するようにしたカテーテル出口部の洗浄ケア装置である。
請求項12における発明は、出口部より取り出したカテーテルを挿通部を介して容体外に挿出させ、環状シール部がケア領域を包囲した状態で容体を気密状態に当接保持させる容体セット工程と、ケア領域をマイクロバブル・ナノバブルを噴出させて洗浄ケアを施す洗浄ケア工程と、流出部を介して容体内の排水等を容体外に流出させる流出工程と、を含む洗浄ケア装置を用いたカテーテル出口部の洗浄ケア方法である。
請求項1に係る発明によると、マイクロバブル・ナノバブルで洗浄するから、消毒液等で洗浄した場合のように皮膚が本来備えている皮膚バリア機能を損なうことなく、皮膚の修復・創傷回復機能を活かしたまま、超微細なバブルが短時間でカブレ等の患部全体の隅々まで行き渡ると共に、患部との衝突・破壊により生じるマイナス電位の効果と相俟って、患部の汚れを短時間で確実に吸着・除去可能であり、また、高い殺菌・除菌効果も発揮可能となる。よって、カテーテル出口部の確実で良質なケア・洗浄はもとより、感染症の予防技術としても利用価値が高い。しかも薬剤等を使用しないから、安価で使い易く、装置としての生産性・使用性も高い。さらに、副作用やアレルギー等が生じるおそれもなく安全性の高い洗浄ケア手段を提供できる。
また、カテーテル挿通部でカテーテルの揺動を確実に係止した状態を維持しながら開口部がケア領域を密封包囲し、膨出形状の容体がケア領域を適切に被覆しながらケア領域へバブルを噴射させることができる。よって、出口部を傷つけることなくケア領域に良質なスキンケア或は洗浄を施すことが可能である。
さらに、本発明の容体は、少なくとも、カテーテルの挿通部と容体内の排水等を流出する流出部と開口部の環状シール部から成る簡易構成であるから、カテーテル出口部の洗浄ケア装置としての生産性・使用性も極めて良好であり、また、樹脂製容体としてコンパクトかつ一体的に成形することも可能となる。この場合は、容体の生産性・使用性は極めて高まり、かつ軽量化も可能となり、例えば簡単な取り扱い方法を習得後誰でも使用可能な使い捨て容体として安価に大量生産することもできる。使い捨て容体の場合は洗浄・ケアの作業工程が更に簡素化し、患者はもとより作業者の負担も軽減すると共に、細菌の伝染等の二次的被害が発生するおそれもなく安全性も高い。よって、極めて医療経済性の高いカテーテル出口部の洗浄ケア手段の提供が可能となる。
請求項2に係る発明によると、バブル噴出ユニットが噴出ノズルユニットであるから、簡易な構成で容体内にバブルを特定方向に集中的に噴出可能となり、マイクロバブル・ナノバブルの適切な流れを生み出すことができ、特に、ケア領域方向に向けてバブルを集中的に噴射することによりケア洗浄効果と洗浄効率とを高めることも可能となると共に、容体に別体かつ封止状に固定可能なユニットであるから、これらを別々に生産、使用、管理することができ、洗浄ケア装置の生産性・メンテナンス性・使用性が向上すると共に、使用に応じて設計変更等も容易となる。
請求項3に係る発明によると、容体を透明又は半透明の樹脂で一体成形したから、容体内における液体の流出入の状態やケア領域・患部の様子を外部から確認しながら操作することが可能となり、視認される容体内の状況に応じた患部の洗浄・ケアができるから、洗浄・ケアの作業能率を高めることができる。また、容体の一体成形により、ケア洗浄措置の生産性・コスト性が大幅に向上すると共に、使い捨て製品として大量生産も可能となり、極めて医療経済性も向上する。
請求項4に係る発明によると、噴出ノズルの途中に設けたオリフィスでマイクロバブル・ナノバブルを生成するように構成してバブル噴出ユニット自体をバブル生成器としたから、容体とは別に用意されるバブル生成器を省略し、洗浄ケア装置の構成を極めて簡素化することが可能となる。よって、装置のコスト性・生産性はもとより、使用性や医療作業性・経済性も極めて向上する。
請求項5に係る発明によると、バブル生成器は、ノズルより噴出したバブルにより容体内の気体を圧縮した状態で給水された液体内に取り込ませて、容体内の気圧を降下させることにより、容体内を負圧状態にしたから、容体内部から外部への流体の漏出を効果的に抑制できる。特に、容体内部空間が負圧となるから、軟らかい人体表皮を適切に環状シール部の内方へ向けて僅かに変形・追随するように容体内側へ向けて吸引せしめ、半割椀形状の容体を表皮に吸着させる効果を生じるので、環状シール部と表皮との間の密着シール性を高めることができる。
請求項6に係る発明によると、環状シール部をゲル状エラストマー樹脂で形成したから、人体表皮と直接密着して最も消耗し易い部位である環状シール部の耐久性を高めると共に、表皮と容体との密着性及び流体シール性も向上する。特に、ゲル状樹脂が人体表皮の複雑な凹凸形状を効果的に追随・吸収し、患者或は表皮の状態の差異による影響を抑えつつ貼り付いて良好な密着性を発揮すると共に、剥離性も良好であり、さらに人体表皮との相性も良好な素材であるから、装置の使用性・安全性・汎用性も向上する。
請求項7に係る発明によると、取付部を設けて容体をバンドや紐状体で身体に固定可能となるから、洗浄・ケアの作業が簡便化されると共に安心・安全性も向上する。特に、容体が身体に固定されるから、洗浄ケアの最中は作業者の両手が空くので、洗浄ケアの省人化にも大幅に寄与する。
請求項8に係る発明によると、給水タンク及び給水ポンプと、排水タンクと、制御用コントローラとを給排水ユニットに内蔵したから、本発明の洗浄ケア装置が容易に持ち運び・携行可能となると共に、アダプタや部品等の共通化により電源・水源等も様々な場所で使用可能となるから、自宅はもとより、入院先や旅行・外出先など、様々な場面におけるカテーテル出口部の洗浄ケアが容易化され、もって患者の行動範囲を更に広めて豊かで快適な透析生活が実現できると共に、装置としてコンパクトにユニット化・規格化することができ、製品の生産性・市場流通性も高めることができる。
また、制御用コントローラの操作により患部・ケア領域に応じた洗浄ケア作業を適切に自動化することができ、洗浄ケア作業の汎用性・作業性を大幅に高めることが可能となる。さらに、給排水ユニット1台に対して複数の容体を連結することも可能となるから、例えば病院内において複数人が収容された大部屋にこの給排水ユニットを搬入すれば、多数の患者に対して同時にケア洗浄を施すとこが可能となり、しかも多くの工程を自動化できるから、カテーテル出口部の洗浄ケアの作業効率を極めて高めることが可能となる。
請求項9に係る発明によると、給水管の途中にバブル生成器を設けてマイクロバブル・ナノバブルを生成するようにしたから、容体とは別にバブル生成源が確保されることにより、高品質で安定したバブルの供給が可能となると共に、洗浄ケア装置としての使用性・管理性・メンテナンス性、さらには生産性も向上し得る。
請求項10に係る発明によると、給水管の周囲に滅菌用の紫外線照射部を設けたから、マイクロバブル洗浄水の清浄度がさらに高まると共に、短時間の照射で確実に殺菌・滅菌することができ、また、洗浄水に悪影響・残留の痕跡等が残ることが無く、しかも管理が容易で自動運転に適した殺菌手段である。
請求項11に係る発明によると、マイクロバブル・ナノバブルを、オゾン水、洗浄水又は水道水を用いて生成するようにしている。オゾン水の場合は、人体に対する安全性を確実に確保しながら、高い洗浄・殺菌効果を得られ、しかも臭いや残留性もないので患者への負担も皆無である。また、洗浄水や水道水の場合でも、高い清浄度を確保しつつ極めて安価且つ容易に洗浄ケア装置の使用が可能となる。
請求項12に係る発明によると、容体をセットする工程と、出口部のケア領域をマイクロバブル・ナノバブルの噴出により洗浄・滅菌する洗浄ケア工程と、流出部を介して容体内の排水等を容体外に流出させる流出工程とを含むカテーテル出口部の洗浄ケア方法であるから、従来のマニュアルによるカテーテル出口部の洗浄ケア方法や従来製品を用いた洗浄ケア手段と比べて、洗浄ケアの質を同等以上に確保しつつ大幅に作業工程が簡略化され、カテーテル出口部を確実に洗浄ケアし、また、感染症の高い予防効果も確保しながら、患者・作業者の負担を大幅に軽減することができると共に、洗浄ケア装置の使用性・コスト性や汎用性も高いので、広範囲の患者に極めて容易に導入・適用可能な洗浄ケア方法の提供が可能となる。
以下、本発明の好ましい実施形態(本例)を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は、カテーテル6を挿通部7に挿通した状態における本例の容体1の外周面11側からの側面視による外観を示した外観斜視図であり、図3は、本例の容体1の固定部20に噴出ノズルユニット3を固定した状態で、外周面11側からの平面視による外観を示した外観平面図であり、図5は、図3において容体1を開口部2側から内側を底面視した外観図である。
図1、3、5に示すように、本例では、容体1の膨出形状は、略涙滴型(ティアドロップ型)の立体形状を呈する中空容体を、軸対称に2分割した半割形態を呈し、外周面11には、半球状面部11aと半テーパ状面部11bを有しており、この半割した切断面部が、開口部2となっている。若しくは、外周面11は、パソコンに使用されるマウス状の形態でもよい。このような形態であれば、ケア領域Wを包囲して内部に洗浄液を充填することでケア領域Wを洗浄すると共に、洗浄後には内部の洗浄液を外部に排水するにあたって、容体1の容積を最適化(必要洗浄液の最小化)することができる。
図1、3、5において、容体1には、マイクロバブル・ナノバブルを容体1内に向けて噴出するためのバブル噴出ユニット3が備えられている。また、少なくとも、容体1内の排水等を容体1外に流出するための流出部4と、ケア領域Wの出口部5より取り出したカテーテル6を容体1の外部に挿出するための挿通部7とを有している。
バブル噴出ユニット3は、容体1内部に向けて適切にバブルを噴出可能なユニットであれば実施に応じて任意に選択可能であるが、本例では、容体1とは別体の噴出ノズルユニット3からなり、この噴出ノズルユニット3を容体1の固定部20に封止状に固定するようにしている。
噴出ノズルユニット3も、マイクロバブル・ナノバブルを適切に噴出可能なノズルユニットであれば実施に応じて任意に選択可能であるが、本例では、噴出ノズル8を設け、この噴出ノズル8の途中に設けたオリフィス9でマイクロバブル・ナノバブルを生成するように構成して、バブル噴出ユニット3自体をバブル生成器としている。
図4は、筒状部30の軸心位置と1本の噴出ノズル8の軸心位置とを通過する平面にて、本例の噴出ノズルユニット3を切断視した断面図である。噴出ノズルユニット3は一体形成されており、有底の筒状部30に形成された内周面31には、給水管18の端部を、アタッチメントなどの接続部を介して容易に着脱自在となっており、外周面には、固定部20の内周面に形成された図示しない段部と嵌合可能な段部3aが形成されている。このため、本例の噴出ノズルユニット3を本例の容体1の固定部20内周面に取り付ける際は、噴出ノズルユニット3を容体1の開口部2側から内側へ入れ、段部3aを固定部20内周面の段部に嵌め込むだけで、簡単に容体1に封止状に取り付けることができる。また、筒状部30の底部には、図3に示すように、等間隔(120度間隔)に3つの流路部32の開口部32aが開けられている。また、一体成型する金属材料に銀や銅粉末を混入すれば、抗菌作用があるため好適である。
図4、5に示すように、筒状部30の下方には、噴出ノズル8が筒状部30から吊り下がるように設けられており、噴出ノズルユニット3に吊下げて構成する噴出ノズル8の本数や形状、或は固定部の固定・封止手段などの各構造も、実施に応じて任意に選択可能であるが、本例の容体1に取り付けた状態である図5に示すように、開口部32aの位置に応じて等間隔(120度間隔)に3本設けられている。また、内部に開口部32aから連通する流路部32を有し、噴出ノズルユニット3を容体1の固定部20に固定した際は、容体1外側の内周面31と容体1内側とを連通することができる。
また、図2に示すように、バブル生成器22としては、噴出ノズル8(オリフィス9)のほかに、給水管18の途中(末端部を含めて始点部から終点部の任意の箇所)に適宜設けるようにしてもよく、この場合におけるバブル生成は、このバブル生成器22のみで行いオリフィス9は省略して装置を簡易な構成としてもよいし、オリフィス9と、給水管18の途中のバブル生成器22との両者で行うようにしてもよく、さらにバブル生成器22は複数設けるようにしてもよい。なお同図では、給水管18の終端部付近、すなわち、容体1の固定部20付近に設けた例を示している。
図2のバブル生成器22は、適切なマイクロバブル・ナノバブルを生成可能であれば、バブルの発生方式や製品型式等によらず、実施に応じて任意に選択可能であるが、例えば市販製品をそのまま適用或は適宜改良して用いるようにしてもよく、シャワーヘッドや各種の液槽等に設けるノズルタイプとして市販されている類のマイクロバブル〜ナノバブル発生装置(適切なサイズ、流量、バブル生成能等)から選択して用いてもよい。
流出部4は、容体1の適宜位置に設けられている。図1、3に示すように、本例の流出部4は、外周面11の半球状面部11aにおいて、容体1の軸心対称位置に形成されている。後述の容体セット工程において、半テーパ状面部11bを上に向けて容体1を患者の表皮にセットした際に、容体1の最も下部付近となる位置に流出部4を設けておけば、容体1内側における流出部4の開口位置は、半球状面部11aの裏側となる凹半球状面の最下位置付近となるから、容体1内部の液体が凹半球状面に沿って自重で容体1外部へ流出し易くなるので好適である。また、排水管16端部のアタッチメントなどの接続部に簡単に接続可能なオネジ4aが形成されている。
挿通部7は、容体1の適宜位置に設けられている。図1、3、5に示すように、本例の挿通部7は、外周面11の軸心位置付近であって、半球状面部11aと半テーパ状面部11bとの境界位置付近に形成されており、容体1を患者にセットした際に、カテーテル6が表皮に対してやや傾斜した方向に挿通・保持可能となる位置となっている。
図3、5に示すように、本例の挿通部7にはゴムパッキン7aが備えられ、このゴムパッキン7aにカテーテル6を挿通・嵌着させることにより、カテーテル6と容体1との間をシールしている。このシール構造としては、ゴムパッキン7aの他に、図示していないが、容体1と挿通部7に挿通・保持された状態のカテーテル6との間を密嵌シール可能な構造であれば、各種の公知の手段を適用可能であり、特にカテーテル6の外周面と密嵌するような樹脂部材であれば好適である。例えば、十字状に切り込みを入れた簡易なパッキン等を用いてもよい。特に、カテーテル6の挿通及び抜き取りが簡単である点と、適切な流体シール性及びカテーテルの保持性を備える点、さらに、容器1を使い捨て容器可能とするにあたって安価である点を備えると好適である。なお、図5の7bは、挿通したカテーテルを案内する案内部である。
固定部20も、容体1の適宜位置に設けられている。図1、3に示すように、本例の固定部20は、外周面11の軸心位置付近であって、半球状面部11aの頂部位置付近に形成されており、容体1を患者にセットした際に、カテーテル6の出口部5に対向する真上付近となる位置である。この際、上記した挿通部7の位置との関係で、挿通部7は出口部5から挿出したカテーテル6を表皮に対してやや傾斜した状態で保持する一方、固定部20に固定された噴出ノズルユニット3(噴出ノズル8)は、出口部5に対し略垂直方向に対向することになるから、特に洗浄ケアが必要となる出口部5付近に向けて噴出ノズルユニット3を直接臨ませることが可能となる。
また、固定部20は、噴出ノズルユニット3を、容体1に封止状に固定可能となっている。図4、5に示すように、本例の封止固定構造は、固定部20の内周面に設けられた図示しない段部と、噴出ノズルユニット3の外周面に設けられた段部3aとが密着して、固定部20の内周面と噴出ノズルユニット3の外周面とが形状が適合して嵌合することにより、十分なシール性を備えつつ極めて簡易に着脱可能となっている。容体1と噴出ノズルユニット3とが簡易に着脱自在な封止構造であれば適宜選択可能であり、例えば、ネジ部同士の螺着やOリングを介装した構造でもよい。
本例では、容体1に流出部4と挿通部7と固定部20とを、透明又は半透明の樹脂で一体に成形している。一体成形するための素材や方法は、実施に応じて各種の技術を適用可能であるが、人体表皮に直接当てて使用される医療器具として適切な安全性を備えた素材であることが前提であり、特に容体1を使い捨てにする場合は、安価に大量生産可能な手段である点を備えれば好適である。
さらに、図示していないが、噴出ノズルユニット3も、容体1に一体成型するようにしてもよい。すなわち、噴出ノズルユニット3に対応する形状・構造を、固定部20の内側の空間部に容体1に一体形成するようにしてもよい。この場合、例えば、固定部20を有底状に形成し、この底部に適宜構造の噴出ノズルを容体1に一体成型するようにすれば、噴出ノズルユニット3の代用となり得る。
さらに、図示していないが、容体1の内側容積を減容するため、開口部2を含んだ適切な領域を蛇腹構造としてもよい。この場合、例えば本例では、容体1の外周面11を開口部2に沿って適宜間隔で周回させた複数の段部からなる蛇腹構造を形成し、この蛇腹構造が収縮することで、容体1が潰れて減容化が可能となる。容体1の蛇腹構造は、ポリエチレン等を素材としたブロー成形により薄肉に形成して柔軟性と軽量性を持たせると好適である。このような蛇腹構造により、歪な形状で収容しにくい容体1を、不使用時においても多数をコンパクトに収容可能となる。
図1、3、5に示すように、開口部2には、出口部5の周囲のケア領域W(図2)を開口部2が包囲して容体1を、少なくとも気密状態に当接保持させるための、環状シール部10が備えられている。環状シール部10のシール構造は、洗浄ケア装置の使用条件に応じて、適切に表皮に密着して容体1内部の液体をシール可能であれば特に制限されない。
本例の環状シール部10は、ゲル状エラストマー樹脂で形成している。本例のゲル状エラストマーとしては、低反発性(適切な硬度或は反発力)、すなわち押圧によって自在に弾性変形すると共に変形から復帰しにくいゲル状であって、人体表皮への悪影響のない軟質性樹脂素材であれば、様々な素材が適用可能である。また、人体表皮に対して摩擦性が高いほど、表皮に密着固定し易いため好適である。素材としては、軟質ウレタン系のほか、ゲル状シリコン、ゲル状ポバール、ゲル状ポリエステル、ゲル状ポリエチレン、ゲル状ポリアミド、ゲル状アクリルアミド等からなる素材が挙げられる。環状シール部10をこのように形成しておけば、人体表皮の細かい凹凸等に良好に追随して確実にフィットし、容易に高いシール性を持って密着するため好適である。なお、この環状シール部10に両面テープなどの接着手段を設けて密着固定性を高めるようにしてもよい。
図1、3、5に示すように、容体1の外周面11には、身体に巻き回して容体1を固定するためのバンドを取り付ける取付部12aや、容体1を身体の頸から真下方向へ吊下げて保持できる紐状体(図示せず)を取り付ける取付部12bを設けている。後述の容体1のセット工程においては、取付部12aがバンドの取付部となり、取付部12bが紐状体の取付部となる。バンドは、人体胴部に水平方向に巻き回すために、患者にセットした際に容体1の横側の位置となる半球状面部11aに設けられている。一方、紐状体は、容体1を患者にセットした際に頸に掛けるようにするため、容体1の縦側となる半テーパ状面部11bの頂部に設けられている。ただし、取付部の位置や構造、さらに身体に固定する手段は、実施に応じて任意に選択可能である。
次に、図2において、本例のカテーテル6の出口部5の洗浄ケア装置の一例を説明する。同図は、本例の洗浄ケア装置の一例を示した回路図である。給排水ユニット13には、バブル生成器3に給水するための給水タンク14及び給水ポンプ15と、流出部4から排水管16を介して排水される排水タンク17と、制御用コントローラ21とを内蔵している。また、これらの他、給水を温めるヒータ(給水タンク14または給水管18を加熱可能なヒータ)や送風機(図示せず)なども、適宜内蔵できる。所定容量に設けられた給水タンク14には、水道水や所定の洗浄水等が、予め貯蔵され、又は適宜補充される。
給水ポンプ15は、特に制限なく実施に応じて任意に選択可能であるが、例えば、図示しないインペラ、モータ、ケーシングから成る渦巻き型遠心ポンプが使用できる。この場合、インペラの中心部はポンプ駆動モータに取り付けられ、モータが回転駆動することにより、給水タンク14から配管を介してポンプの給水口から液体を吸い込むと共に吐出口から給水管18側へ吐出される。
制御用コントローラ21は、各種の運転を制御可能に構成されていれば特に制限なく任意の技術を適用可能であるが、例えば、各種の制御機能に対応したボタン等から成る操作部と、この操作部と電気的に接続されて、操作部や各種のセンサ・スイッチからの信号を変換する入力処理回路や演算結果に応じた信号を出力する出力処理回路、或は、制御プログラムの記憶や、これに基づいた各種演算処理を実行する演算処理部・記憶部(CPU、ROM、RAM、タイマ等)などから成る制御部から構成し、この制御部は、給水タンク14や給水ポンプ15、排水タンク17等の給排水ユニット13に内蔵された各要素や、各センサ(温度センサ、圧力センサ、流量センサ等)、或は電源スイッチ等に電気的に接続され、各種の容易な運転制御を可能に構成してもよい。
上記のように制御用コントローラ21や各種のセンサ・スイッチを構成することで、各種の運転制御が可能となる。給排水ユニット13の運転制御としては、患部の状態などに応じて予め給水の温度や時間を設定して洗浄ケアする基本制御のほか、例えば、給水ポンプ15等をタイマー制御することにより、所定間隔で断続的に給水を行い間欠的に洗浄ケアを施すようにする制御や、洗浄ケアの終了後に図示しない送風機に供給回路を切り替えて噴出ノズルユニット3のノズルから温風を供給して温風乾燥を施すようにする制御等も可能であり、また、操作パネル部により給水や送風の温度設定、或は、流量・給水圧等の調整も可能に構成できる。さらに、ガス混合装置を給水側回路内に適宜内蔵すれば、洗浄ケア終了後に、滅菌ガス(不活性ガス)を患部に吹き付けることも可能である。
また、給排水ユニット13を軽量コンパクト且つ安定して搬送しやすくするため、内蔵される要素の収容される位置関係を適切に組み合わせると共に、床に載置した際に安定するように最適に配置することが推奨される。
図2において、バブル生成器22に給水するための給水管18の周囲に、滅菌用の紫外線照射部19を設けている。紫外線照射部19の構成も、実施に応じて任意に選択可能であるが、例えば、紫外線照射部19を設ける給水管18の一部に透明部材を用い、この透明管部の周囲に、UV発光ダイオード(LED)モジュールを設けることができる。この際、LEDを適切なアレイ状に並べて配置する等により、給水管18内部に効率的な線量分布や波長範囲(200nm〜320nm等)を得られるように構成し、殺菌作用を高めるようにすると好適である。また、LEDモジュールは、制御用コントローラに電気的に接続して制御可能に構成すると好適である。
バブル生成器22(又はオリフィス9)においては、オゾン水を用いてマイクロバブル・ナノバブルを生成するようにしても良い。この場合、例えば図示しないオゾン発生装置を給排水ユニット13に内蔵しておいて、このオゾン発生装置により給水タンク14から供給される液体にオゾンを給水管16側において混合するようにしてもよい。この場合、オゾン発生装置の構成も実施に応じて任意に選択可能であるが、例えば、制御用コントローラ21に電気的に接続された放電素子回路及び電極板を有し、吸気管から取り込んだ外気に対して電極板が放電(沿面放電、無声放電等)することによりオゾンを発生させ、このオゾンを供給管を介して所定のオゾン混合器に供給し、このオゾン混合器において給水にオゾンが混合されるように構成される。
また、洗浄ケア装置の運転制御の容易化やバリエーションの幅を広げたり、装置の組立・解体等の作業性を向上させるため、図2に示すように、排水管16の途中や給水管18の適宜位置に、1つ又は複数の適宜構造からなるバルブ又はカプラ(16a、18a)を設けてもよい。さらに、図示しないヒータは、給水管18の適宜位置において給水管18の外周に巻き回すようにして加熱可能に構成したセラミックヒータとしてもよい。
図7は、本例の容体1の他例を示した外観斜視図である。また、図10は、図7に示した他例の容体1において、開口部2に代えて鍔状の開口部2’を形成し、かつ、この開口部2’に環状シール部10’を設けた別例であり、同図は、この環状シール部10’を拡大した部分拡大断面図を示している。同図の例において、上記容体1における同一箇所には同一符号を付してその説明を省略する。
図7、8に示すように、この他例の容体1も、開口部2と、容体1内の排水等を容体1外に流出するための流出部4と、ケア領域Wの出口部5より取り出したカテーテル6を容体1の外部に挿出するための挿通部7とを有しており、少なくともこれらは容体1と樹脂で一体に形成される。また、容体1の外周側面にはバンドの取付部12aと、先端部側には紐状体の取付部12bが設けられている。また、同図の他例の容体1の固定部20には、後述する他例(図6、9)の噴出ノズルユニット40を容体1の外側から着脱自在となっており、このため、固定部20内側には平面部20aが設けられており、この平面部20aの中心位置には、穴部として挿通部7が開けられ、固定部20内周底面部には、他例の噴出ノズルユニット40の突設部47と係合可能なL字状の係合溝48が設けられると共に噴射ノズル43を挿入保持可能な長穴49が設けられている。
なお、図7の容体1の他例は、図1、3の本例の場合よりも全体がやや薄肉に形成されており、また、開口部2には、環状シール部が備えられておらず、本例の場合に比べて簡易に構成されている。
一方、図10は、図7に示した開口部2に代えて開口部2’を形成した別例において、この開口部2’に環状シール部10’を備えた場合の一例を示しており、この環状シール部10’を拡大した断面図である。この例では、開口部2’の端部は鍔状に外側に張り出して皮膚との当接面積が確保され、この張り出し部に環状シール部10’が設けられている。
続いて、本例のカテーテル6の出口部5の洗浄ケア装置の作用を、これを用いたケア洗浄方法と共に説明する。なお、容体1は、図2に示した給排水ユニット13に接続されているものとする。
容体セット工程においては、出口部5より取り出したカテーテル6を挿通部7を介して容体1外に挿出させ、環状シール部10がケア領域Wを包囲した状態で、容体1を気密状態に当接保持させるようにしている。
具体的には、先ず、患者の出口部5から挿出しているカテーテル6の端部を把持し、容体1の挿通部7に挿通させると共に、容体1がケア領域Wを適切に包囲・被覆した状態で、環状シール部10を表皮に適度に密着当接させるようにする。この際、表皮固定側であるカテーテル6と、可動側である容体1の挿通部7との間を摺動させる際、出口部5付近の損傷に留意すべきである。すなわち、カテーテル6を過度に引っ張り過ぎないようにすべきであり、また、挿通部7に挿通して挟持された状態のカテーテル6が、過度に出口部5付近を突っ張らせた状態にならないようにすべきである。逆に、カテーテル6の長さが容体1内部に過度に余った状態にならないようにすべきである。また、図示していないが、キャップなどにより、本発明の洗浄ケア装置(洗浄ケア方法)を使用する際は、カテーテル6の挿出側端部は、適宜液密に密封しておく必要がある。なお、使用前の容体1や、容体1を使用する部屋や外部環境、或はケア領域W等の部位は、事前に適切に洗浄・浄化されていることが推奨されることは勿論である。
また、本例の容体1の場合は、半テーパ状面部11bの頂部を真上方向に向けて(半球状面部11aを真下側にして)ケア領域Wにセットすれば、流出部4が真下側となって排水性が良くなるため好適である。環状シール部10を表皮に適切に密着当接させた状態となった後は、この容体1を、取付部に設けたバンド又は紐状体(図示せず)で、患者の身体に適切に固定する。この際、取付部12aに設けられたバンドを身体に巻き回して固定すると、簡易な手段でありながら、容体1が身体表皮に対して確実に静止・固定されるため好適である。
続いて、洗浄ケア工程においては、ケア領域Wをマイクロバブル・ナノバブルを噴出させて洗浄ケアを施すようにしている。具体的には、制御用コントローラ21の操作・制御により、所定のケア洗浄制御(時間、温度、噴射態様、給水量〜等)で洗浄ケア装置を運転制御させるようにすることも可能である。基本的には、容体セット工程後の装置の起動により、容体1の噴射ノズルユニット3のノズルから容体1内部へマイクロバブル・ナノバブルを含有した所定の洗浄水が流入し、この洗浄水が環状シール部10を介してケア領域Wを有する表皮と容体1内周面との間の空間を適切に充填しつつケア領域Wを適切に洗浄ケアする。
マイクロバブルは気泡の直径が数十マイクロメートル以下程度の微細な気泡であり、ナノバブルは気泡の直径が数百ナノメートル以下程度の超微細な気泡である。また、マイクロバブルとナノバブルの中間、すなわち、気泡の直径が数百ナノメートルから十マイクロメートル程度の微細な気泡はマイクロナノバブルと呼ばれる。気泡径がマイクロサイズ以下の場合は、通常肉眼で視認される程度の大きなサイズの気泡とは異なる特有の性質を有し、この点が幾つかの極めて有益な効果を引き起こすことが知られている。
例えば、通常のサイズの気泡に比べて、浮上速度が極めて遅い点が挙げられる。気泡体積が極めて微細なため、上昇速度が極めて小さくなり、液中に極めて長期間残存する。一例として、マイクロバブルの浮上速度は1分間に数ミリ〜数センチ程度であり、ナノバブルは液中に消滅することなく数か月程度も残存することが知られている。また、マイクロバブルやナノバブルは、コロイド粒子としての側面から、マイナスに帯電している。
このため、プラスの電荷を帯びた微細粒子(汚濁物質など)と吸着して極めて効果的な液体の洗浄効果が得られると共に、マイナスに帯電した気泡同士は反発しあうことから、気泡同士が合体して凝集・膨張による微細気泡の減少・消滅が起こりにくく、気泡濃度が保たれて長期間の洗浄効果が得られる。さらに、極めて微細なため、気泡表面に極めて高い圧力が加わっており、収縮後の自己圧壊の際には、超音波を発生しながら局部的な高温高圧を生じる。このため、異物粒子が有効に粉砕され、特に有機物は適切に分解されることから、極めて高い水質浄化効果が得られる。とりわけ、ナノサイズの気泡の場合は、内部に酸素を保ったまま細胞表面を透過して細胞内部に浸透し易い性質も知られている。しかも、高い殺菌作用のあるラジカル(OH−)の発生効果も知られている。
上記のような性質から、水質浄化効果や微生物(菌・ウイルス)不活性・殺菌効果のほか、生理活性効果、細胞保護効果、さらに成長促進効果なども知られ、広い分野において様々な形態で応用されている。このような有効な効果により、上記洗浄ケア工程では、容体1内部においてケア領域Wがマイクロバブル乃至ナノバブルに十分適切に暴露・浸漬されることにより、高い患部の洗浄効果が得られる。
マイクロバブル乃至ナノバブルの生成方式としては、エジェクター方式、加圧溶解放式、旋回流方式等種々の方式が知られており、本発明の洗浄ケア装置(バブル生成器22)においては任意に選択可能であるが、本例においては、簡単な構造からなる絞り部(ベンチュリ管、オリフィス等)を介して効率よく大量に生成できる所謂ベンチュリ方式、或はキャビテーション方式と呼ばれる方式を導入している。つまり、バブルを生成する絞り部を噴出ノズルユニット3自身に設けるようにしており、図4に示すように、噴出ノズル8に設けたオリフィス9で生成するようにしている。
図4において、本例の絞り部であるオリフィス9は、テーパ形状の縮径部9aと、この縮径部9aと繋がって流路径が絞られた喉部9bとから成り、また、この喉部9bの内周面部と噴出ノズル8の外周面部とを連通する気体流入路90が設けられている。
噴出ノズルユニット3は、噴出ノズル8から噴出されるバブルとして容体1内の気体を圧縮した状態で給水された液体内に取り込ませて容体1内を外気に対して負圧状態にしている。
本例において具体的には、給水ポンプ15による加圧により、給水タンク14より給水管18を介して供給された液体は、流路部32を介してオリフィス9に到達し、縮径部9aから喉部9bへ流入する際に、流路断面積が絞られていることにより流速が増大する。この流速増加により一旦液体の静圧が低下し、喉部9bを通過して噴射ノズル8の外部へ噴出する際に再び静圧が増加する。この際、オリフィス9内には噴出ノズル8の外部より相対的に負圧となった負圧領域が形成されることから、オリフィス9内周面側に開口している気体流入路90を介して気体が噴出ノズル8内部側へ流入する。このように流入した気体は、圧縮されながら微小な気泡となって流路中の液体に混合される。気泡となった気体は、喉部9bとの静圧差により液中への溶解が促進されてさらに微細化される。このようにしてオリフィス9をマイクロバブル乃至ナノバブルの生成器とすることができる。
また、気体流入路90を介して、噴出ノズル8内方へ向かって容体1内部の気体は、連続的に圧縮されながら取り込まれて微細なバブル内に消費されるので、容体1の内部空間においては、同容積・同温の外気に対して気体分子の数が減少した状態が維持されることになる。このため、容体1内部の空間は、容体1外部の静圧(外気圧)に対してやや低下した負圧状態にすることができる。負圧による容体1内部空間への吸引効果により、容体1の内部から外部への流体の流出が起こりにくくなり、特に、環状シール部10と表皮との間の密着性を高めることができる。
さらに、図示していないが、容体1内における上記のような負圧状態を適切に形成・維持するために、容体1内の洗浄水が排水される系統に適宜の逆止め構造を設けると好適である。具体的には、図1、2において、例えば、流出部4のオネジ4a端部に、簡易な逆止めフラップゲートを設け、排水管16と連通させた際に排水の容体1内への逆流を防止したり、或は、排水管16の途中に逆止め弁又は簡易なトラップ構造を設けてもよい。このような逆止め構造により、流出部4を介して流体の容体1内への吸引が防がれ、容体1内の負圧状態が破壊されることなく良好に保たれる。
なお、オリフィス9の構造としては、上記の他、例えば、縮径部9aをテーパ形状とせず喉部9bの絞り形状と滑らかな形状で繋げるように形成したり、オリフィスの下流側に拡径部を設けキャビテーション発生室を形成した構造や、噴出ノズル8の噴出側先端の開口部を拡径構造と組み合わせる等、容体1内の気体を圧縮してバブルに取り込み、容体1内の気圧を外気圧に対して相対的に降下させることができるような、様々な絞り部構造(ベンチュリ管構造やキャビテーション発生構造等)を、実施に応じて任意に選択可能である。また、このような絞り部構造は、単数のほか、複数箇所に多段に構成するなどしてもよい。
ここで、容体が患者の表皮に良好に密着して環状シール部が適切に密封シールされ、ケア領域の洗浄中において容体内の流体が容体外へ漏洩しない点が、迅速かつ簡易な洗浄ケア作業に重要となるが、本発明の洗浄ケア装置では、上記のように、噴射ノズル8からのバブル噴射により容体1内を負圧状態にすると共に、環状シール部10を表皮と良好に密着し易い素材で形成し、或は、環状シール部10に両面テープなどの接着部材を設けて密着固定性を向上させ、さらに、取付部に取り付けたバンドや紐状体で身体に容体1を適切に固定維持できるようにしている。これらの相乗効果により、容体1の表皮との間の密封シール性が極めて良好に保たれるようにしている。例えば、洗浄ケアの最中において、噴射ノズル8からの噴射反力や給水管18の揺動などにより容体1に多少の外力が作用しても、環状シール部10と表皮との密着性を確実に維持可能であり、通常の使用状況においては容体からの流体漏洩の問題は生じるおそれがない。
図6、9は、噴出ノズルユニット3の他例40の構造を示した外観斜視図であり、図9は、図6において、この噴出ノズルユニット40の環状体42の軸心方向と噴射ノズル43の1本の軸心方向を通過するA−A線断面による断面図である。
図6、9において、噴出ノズルユニット40は、断面矩形状の環状空間41を内部に有した中空筒状の環状体42から成り、この環状体42の内部には、流入路45と連通した環状空間41が形成されている。この流入路45は、環状空間41の周回の接線方向に直線状に繋がるように接続されているので、環状空間41に流入した洗浄液が旋回流を形成可能となっている。また、環状体42の底面側は、前述の他例の容体1に取り付けた際に、固定部20の平面部20aと密着して当接する底面部42aであり、この底面部42aには、内部に環状空間41と連通した流路43bを有する噴射ノズル43が設けられている。この他例の噴射ノズル43は、環状空間41に対して均等位置に3本設けられ、それぞれ環状体42と一体に延設され、容体1に噴出ノズルユニット40を取り付けた際には、垂下状にケア領域Wに向かうように形成されている。
図6(b)は、同図(a)に示したP部を拡大して正面視した拡大図である。同図や図9に示すように、噴射ノズル43には気体流入路43aが形成されており、前述の噴出ノズル8(オリフィス9)と同様に、内部に所定のオリフィス構造が確保され、洗浄液の噴射に伴い、マイクロバブル・ナノバブルを生成可能となっている。
図6、9において、環状体42の内周側は、カテーテルの外周面と密着嵌合して、容体1の使用時にカテーテルを挿通保持可能な内周面部44であり、この内周面部44の上端部には、カテーテルの保持性や洗浄液のシール性を高めるため、縁部46が環状体42と一体又は別体に設けられている。この内周面部44には、カテーテルとの間をシールするシール部材などを別途設けるようにしてもよい。一方、環状体42の外周側は、固定部20の内周面と嵌合して当接する外周面部42bであり、このため、固定部20に均等に3箇所設けられている係合溝48に対応して係合可能な突設部47が均等に3箇所設けられている。
図8は、他例の容体1の固定部20に、他例の噴出ノズルユニット40を取り付けた状態を示した外観斜視図である。取り付けの際には、先ず、固定部20の上側から噴出ノズルユニット40の3本の噴射ノズル43を、これに対応するように設けられている3個の長穴49に差し込んで底面部42aを平面部20aに当接させる。この状態では、突設部47と係合溝48の縦溝との位置が一致して係合しており、外周面部42bが固定部20の内周面部と密着嵌合している。次いで、環状体42を僅かに回転させると、突設部47が係合溝48の横溝に係合して突設部47の縦方向の動きを係止し、これにより、噴出ノズルユニット40が固定部20に抜け止め固定される。
図11、12は、さらに別例の噴出ノズルユニット50を示しており、図11は、噴出ノズルユニット50の外観斜視図を、図12は、図11において、この噴出ノズルユニット50の環状体52の軸心方向と噴射ノズル53の1本の軸心方向を通過するB−B線断面による断面図である。
図11、12において、噴出ノズルユニット50は、前出の環状体42よりも縦長に形成された中空筒状の環状体52から成り、この環状体52の内部には、流入路55と連通した断面縦長矩形状の環状空間51が形成され、前出の環状空間41より大きな容量となっている。環状体52の内周側は、カテーテルの外周面と密着嵌合して、容体の使用時にカテーテルを挿通保持可能な内周面部54であり、前出の内周面部44より長く確保されている。この内周面部54の上端部には、カテーテルの保持性や洗浄液のシール性を高めるため、縁部56が環状体52と一体又は別体に設けられている。この内周面部44には、カテーテルとの間をシールするシール部材などを別途設けるようにしてもよい。
一方、環状体52の外周側は、図12に示すように、上部側には円柱面状の外周面部52bが形成され、下部側には、この外周面部52bと繋がって底面側に向けて縮径するテーパ状面部52cが形成されている。
なお、図11、12に示した別例の噴出ノズルユニット50を取り付ける容体は、図示していないが、固定部の構造以外は前出の容体1と同様の構造でよい。その固定部は、噴出ノズルユニット50の外周面部と密着嵌合して固定保持可能な構造であればよく、例えば、テーパ状面部52cの形状に適合してこれを嵌合固定可能な凹テーパ状部と、外周面部52bの形状に適合して嵌合保持可能な筒状の内周面部とを有し、容体の内外を連通するような簡易な穴構造に形成されていればよい。この場合、前出の平面部20aのような部位を有していないため、このような固定部に取り付ける際には、この固定部の上側から噴出ノズルユニット50のテーパ状面部52cと前記凹テーパ状部とを密着嵌合させるだけで取り付け可能となる。よって、噴出ノズルユニット50は、このような構造の固定部に抜き差しするだけの極めて簡易な作業で容体から着脱可能となる。なお、適当な抜け止め手段を設けて取り付け状態を強化するようにしてもよい。
また、図11、12に示すように、前出の流入路45と同様に、流入路55も、環状空間51の周回の接線方向に直線状に繋がるように接続されており、環状空間51に流入した洗浄液が旋回流を形成可能となっている。また、環状体52の底面部52aには、内部に環状空間51と連通した流路53bを有する噴射ノズル53が設けられている。この別例の噴射ノズル53も、環状空間51に対して均等位置に3本設けられ、それぞれ環状体52と一体に延設され、容体の固定部に噴出ノズルユニット50を取り付けた際には、垂下状にケア領域Wに向かうように形成されている。なお、噴出ノズル53も、前出の噴出ノズル43と同様に、気体流入路53aと共に内部に所定のオリフィス構造が確保され、洗浄液の噴射に伴い、マイクロバブル・ナノバブルを生成可能となっている。
上記噴出ノズルユニット40(他例)、噴出ノズルユニット50(別例)の作用を説明すると、流入路45、55から環状空間41、51に流入された洗浄水は、環状空間41、51内に沿ってスパイラル状に回転しながら底面に下降していく流れとなり、底面では噴射ノズル43、53に圧入される。噴射ノズル43、53では、マイクロバブル・ナノバブルを生じながら環状体42、52の底面側へ向けてバブルを混入した流体を噴射することになる。より具体的には、環状空間41、51の底面側から噴射ノズル43、53に流入した流体は、小さく絞られた径の流路43b、53bを通過した後急激に開放されることで流体内部にキャビテーションを生じ、このキャビテーションにより気体流入路43a、53aから外気を吸引してバブルを生成すると共に、溶解していた空気や蒸気から微細な気泡が析出することにより、持続時間が長く、且つ、酸化力の強いマイクロバブル・ナノバブルを液体中に多量に発生させることができる。また、キャビテーションにより発生する微細な気泡は液体の流量・流速を加減することで容易に調整可能である。
また、図6〜12に示した容体1(他例)や噴出ノズルユニット40(他例)、噴出ノズルユニット50(別例)は、図1〜5に示した本例と比較して次のような利点を有する為、本発明の実施にあたり更に好適である。すなわち、他例や別例(図6〜12)では、本例(図1〜4)と異なり、カテーテルを容体から挿出するための挿通部を、固定部に設けており、これに応じて、バブル噴出ユニットにもカテーテル挿通部(内周面部44、54)が設けられている。このため、容体に挿通部を別途設ける必要が無くなり構造を簡易化・小型化できると共に、外気との連通箇所が減るので、表皮に対する容体内部の密封性も向上させることができる。具体的には、上記構造のように、噴出ノズルユニットを環状の固定部に嵌合可能な環状体から構成すると共に、この環状体の内側にカテーテルを包囲するように挿通部の構造を確保し、挿通部をコンパクトかつ確実なシール性(密着性)を発揮可能に構成している。また、カテーテルを環状体の軸心位置に保持するので、カテーテルを出口部に対して略垂直方向に保持しながら、カテーテルの周りに対称的に配置された噴射ノズルから出口部廻りへ向けて均等且つ直接的に洗浄水を集中噴射できる。しかも、噴出ノズルユニット3に比べて噴射可能な洗浄水が大容量である。
流出工程においては、流出部4を介して容体1内の排水等を容体1外に流出させるようにしている。
具体的には、所定時間、所定量の給水によりケア領域Wの洗浄ケアを終え、容体1内部に残留した使用後の排水等を、流出部4に接続された排水管16を介して給排水ユニット13に内蔵された排水タンク17に流出させる。流出工程の制御としては、例えば、予め制御用コントローラ21に設けられたタイマに設定したケア洗浄時間の経過後、排水管16に設けた図示しない弁を開けて自動的に排水タンク17に排水等が流出されるようにしてもよく、また、図示していないが、排水の流出先として、アタッチメントなどの接続部を介して流出部4に簡単に着脱自在な使い捨ての排水用バッグを容体1に取り付けて、ケア洗浄後に取り外して廃棄するようにしてもよい。
さらに、上記流出工程の後、或は流出工程内において、空気や不活性ガスをケア領域Wに吹き付けるようにしてもよい。この場合、例えば、給水管18を給排水ユニット13に内蔵された図示しない送風機に接続するように回路を切り替え制御して、噴出ノズル8から温風又は不活性ガスを吐出するように構成してもよい。
さらに、本発明の洗浄ケア装置は、適切な構成によりIOT(Internet Of Things)化することも可能である。例えば、所定のデバイス(センサ・通信モジュールを有し、搭載した対象物からの所定のデータを取得可能な装置)を給排水ユニット13に内蔵してこのユニット内の所定の装置を自動制御・データ通信可能に接続し、このデバイスからのデータをモバイルや有線等を介して所定のネットワークに通信可能に構成すれば、クラウドにおけるビッグデータ解析により、例えば、患者の個性や症状に応じたケア洗浄装置の最適な運転パターンや、病院内におけるケア洗浄効率の最適化など、IOT化特有の成果を得ることも可能である。
本発明の実施の一例として、前記本例の容体1を、半球状面部11aの外径が約Φ100mm、肉厚が2mmとなるように形成し、また、オリフィス9に設けた気体流入路90の径を約Φ0.4mmに形成すると共に、給水タンク14及び排水タンク17の容積を1500mlとし、一方、給水タンク14からの給水は、ヒータにより約30度の温水とし、1回当たりのケア洗浄時間は約2分、給水量は約200mlとし、1人1日当たり2〜3回の洗浄を行う例が挙げられる。
図7に示した容体1の他例の寸法形成として、全幅(両側の取付部12a外端部間の距離)を109.60mm、全長(取付部12b先端部からオネジ4a先端部までの距離)を145mm、半球状面部11aの半径を約50mmに形成した。これに対し、図6、9に示した他例の噴出ノズルユニット40の寸法形成として、環状体42の外径をΦ28mm、内周面部44の内径をΦ10mm、上下の厚みを9.8mm、縁部46の頂部から底面部42aまでの高さを13.9mmに形成し、流入路45の内径をΦ3mm、外形をΦ6mmに形成した。また、周方向に均等に3箇所設けている突設部47の配置は、そのうちの一つが、この噴出ノズルユニット40を平面視した際に、流入路45の軸心方向に対して環状体42の中心から角度が10°となる方向に配置した。
更に、本発明は、前記実施の形態の記載に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲に記載されている発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。