[go: up one dir, main page]

JP2018148678A - モータ制御装置及び空気調和装置 - Google Patents

モータ制御装置及び空気調和装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018148678A
JP2018148678A JP2017041031A JP2017041031A JP2018148678A JP 2018148678 A JP2018148678 A JP 2018148678A JP 2017041031 A JP2017041031 A JP 2017041031A JP 2017041031 A JP2017041031 A JP 2017041031A JP 2018148678 A JP2018148678 A JP 2018148678A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
axis current
motor
command value
current command
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017041031A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7042028B2 (ja
Inventor
学 川上
Manabu Kawakami
学 川上
豪 宮尾
Takeshi Miyao
豪 宮尾
泰聖 松野
Taisei Matsuno
泰聖 松野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Corona Corp
Original Assignee
Corona Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Corona Corp filed Critical Corona Corp
Priority to JP2017041031A priority Critical patent/JP7042028B2/ja
Publication of JP2018148678A publication Critical patent/JP2018148678A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7042028B2 publication Critical patent/JP7042028B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Air Conditioning Control Device (AREA)
  • Control Of Ac Motors In General (AREA)

Abstract

【課題】モータを安定して動作させることができるモータ制御装置及び空気調和装置を提供する。【解決手段】空気調和装置は、インバータを介してモータを駆動するモータ制御装置を備える。モータ制御装置は、モータの目標回転速度に応じて決定されたq軸電流指令値に基づき、d軸電流指令値を決定するd軸電流制御手段を備える。d軸電流制御手段は、モータを弱め磁束制御により駆動するとされた場合であっても、q軸電流指令値の補正が行われた場合などの所定条件下においては、取得したq軸電流指令値に関わらない所定値にd軸電流指令値を決定する。所定値は、モータが電圧飽和しない値であり、好ましくは、電流制限曲線C3と弱め磁束制御曲線C2の交点N2に応じた値I2で決定される。【選択図】図8

Description

本発明は、モータ制御装置及び空気調和装置に関する。
従来からインバータを制御してモータを駆動するモータ制御装置が知られている。永久磁石によって界磁磁束を得るモータでは、回転数が上がるにつれて逆起電力が増加するため、ある回転数を超えると電機子電流・磁束の低下によりトルクが急激に低下してしまう。このようなトルクの低下を防ぐために、高回転域で印加電圧を弱める弱め磁束制御(弱め界磁制御)を行うモータ制御装置が、例えば、特許文献1に開示されている。
特許第5056106号公報
弱め磁束制御として、弱め磁束制御の理論式に従って、回転数指令に応じて算出されたq軸電流指令値に対応したd軸電流指令値を決定・出力する手法がある。しかしながら、図10(a)に示すように、算出されたq軸電流指令値にバラツキ(ΔIq*参照)が生じると、弱め磁束制御の理論式(曲線C2を表す式)に従って算出されるd軸電流指令値に予期せぬ変動(ΔId*参照)が生じる。
また、弱め磁束制御の理論式は、変数として最大電圧Vam(モータの端子電圧の上限値)とモータの回転速度ωを含むため、当該理論式に基づいて算出されるd軸電流指令値はこれらの変数にも依存する。このため、図10(b)に示すように、最大電圧Vamや回転速度ωの入力値にバラツキが生じることによっても、弱め磁束制御理論に従って算出されるd軸電流指令値に予期せぬ変動(ΔId*参照)が生じる。
これらの要因により、算出されるd軸電流指令値にモータの安定動作が困難となる程の変動が生じる可能性がある。
本発明は、上記実状を鑑みてなされたものであり、モータを安定して動作させることができるモータ制御装置及び空気調和装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るモータ制御装置は、
モータの目標回転速度に応じて決定したd軸電流指令値及びq軸電流指令値に従いインバータを介して前記モータを駆動するモータ制御装置であって、
決定されたq軸電流指令値を取得し、取得したq軸電流指令値に基づいてd軸電流指令値を決定するd軸電流制御手段と、
前記モータを弱め磁束制御により駆動するか否かを判別する判別手段と、を備え、
前記d軸電流制御手段は、前記判別手段が前記モータを弱め磁束制御により駆動すると判別した場合であっても、所定条件下においては、取得したq軸電流指令値に関わらない所定値にd軸電流指令値を決定し、
前記所定値は、前記モータが電圧飽和しない値である。
また、前記モータ制御装置は、前記モータの回転速度変動を抑制するためにq軸電流指令値を補正する補正手段を備え、
前記d軸電流制御手段は、前記所定条件として、前記補正手段がq軸電流指令値を補正した場合に、d軸電流指令値を前記所定値に決定してもよい。
また、前記所定値は、電流制限曲線と弱め磁束制御理論に従う曲線との交点に応じた値であってもよい。
また、前記d軸電流制御手段は、d軸電流指令値を前記所定値に決定すると、d軸電流指令値を現在値から前記所定値まで徐々に変化させてもよい。
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る空気調和装置は、
前記モータ制御装置と、
前記インバータと、前記モータと、前記モータによって駆動されるコンプレッサと、前記コンプレッサにより圧縮された冷媒を利用して室温を調整する空調部と、を備える。
本発明によれば、モータを安定して動作させることができる。
本発明の一実施形態に係る空気調和装置の構成を示す模式図である。 (a)〜(d)は、モータの各角度におけるコンプレッサの断面図である。 モータの角度に対する負荷トルクの変動を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係るモータ制御部の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るトルク制御部の構成を示すブロック図である。 トルク制御を実行しない場合における(a)はモータの角度に対する負荷トルクの変動を示すグラフであり、(b)はモータの角度に対する出力トルクの変動を示すグラフであり、(c)はモータの角度に対する回転速度の変動を示すグラフである。 トルク制御を実行する場合における(a)はモータの角度に対する負荷トルクの変動を示すグラフであり、(b)はモータの角度に対する出力トルクの変動を示すグラフであり、(c)はモータの角度に対する回転速度の変動を示すグラフである。 電流ベクトルの制御範囲などを示すグラフである。 本発明の一実施形態に係るd軸電流制御処理を示すフローチャートである。 (a)及び(b)は、弱め磁束制御時に発生するd軸電流指令値の変動要因を説明するための図である。
本発明に係るモータ制御装置及び空気調和装置の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、空気調和装置1は、制御部10と、インバータ20と、モータ30と、コンプレッサ40と、電源50と、シャント抵抗19と、電流センサ35v,35wと、空調部60と、を備える。
電源50は、図示しない商用電源から直流電圧を生成し、生成された直流電圧をインバータ20に印加する。
シャント抵抗19は、過電流検出のために、電源50とインバータ20との間の接続線に介挿されている。シャント抵抗19は、この接続線に流れる電流を検出する電流検出信号Sp1をインバータ20に出力する。
インバータ20は、制御部10からのPWM信号Su,Sv,Swに基づき、電源50から供給された直流電流を、3相、すなわちU相、V相、W相の交流電流Iu,Iv,Iwに変換し、その変換した交流電流Iu,Iv,Iwをモータ30に供給する。インバータ20は、例えば、IPM(Intelligent Power Module)から構成されている。インバータ20は、シャント抵抗19からの電流検出信号Sp1を受けて過電流の有無を表す過電流検知信号Sp2を制御部10に出力する。
モータ30は、3相ブラシレスモータである。モータ30は、インバータ20から交流電流Iu,Iv,Iwを受けることで回転し、これによりコンプレッサ40を駆動する。
電流センサ35vは、モータ30に流れるV相の電流Ivの値を検出し、検出値を示す信号を制御部10に出力する。電流センサ35wは、モータ30に流れるW相の電流Iwの値を検出し、検出値を示す信号を制御部10に出力する。電流センサ35v、35wの各々は、例えば、CT(変流器)センサ又はホール素子から構成されている。
コンプレッサ40は、モータ30により駆動されることで、吸入した冷媒を圧縮し、その圧縮した冷媒を排出する。コンプレッサ40の具体的構成については後述する。
空調部60は、コンプレッサ40により圧縮された冷媒を利用して室内温度を調整する。詳しくは、空調部60は、室内空気と熱交換する室内用熱交換器63と、室外空気と熱交換する室外用熱交換器64と、冷媒の減圧を行う膨張弁65と、コンプレッサ40により圧縮された冷媒の流路を室外用熱交換器64及び室内用熱交換器63の何れかに切り替える四方弁66と、を備える。
冷房運転時について説明すると、四方弁66は、コンプレッサ40により圧縮された冷媒を室外用熱交換器64に送り込む。室外用熱交換器64は、冷房運転時には冷媒を冷却するガスクーラとして機能し、室外空気と冷媒との間で熱交換させることで冷媒の熱を室外に排出する。その後、この冷媒は、膨張弁65で減圧膨張されたうえで室内用熱交換器63に送られる。室内用熱交換器63は、冷房運転時には蒸発器として機能し、冷媒を蒸発させることで室内空気と冷媒との間で熱交換させ、室内空気の温度を低下させる。これにより、室内温度の調整を図る。そして、室内用熱交換器63を経た冷媒は、四方弁66を介してコンプレッサ40に戻る。
暖房運転時について説明すると、四方弁66は、コンプレッサ40により圧縮された冷媒を室内用熱交換器63に送り込む。室内用熱交換器63は冷媒を冷却するガスクーラとして機能し、室内空気と冷媒との間で熱交換させることで、室内空気の温度を上昇させる。これにより、室内温度の調整を図る。そして、膨張弁65は、室内用熱交換器63を経た冷媒を減圧膨張させたうえで室外用熱交換器64に送り込む。室外用熱交換器64は、蒸発器として機能し、冷媒を蒸発させることで室外空気と冷媒との間で熱交換させる。その後、四方弁66は、熱交換された冷媒をコンプレッサ40に戻す。
コンプレッサ40は、本例では、シングルロータリー式で、スライドベーン型のコンプレッサである。詳しくは、図2(a)〜(d)に示すように、コンプレッサ40は、円筒状のシリンダ41と、モータ30によりシリンダ41内を偏心回転する円柱状の一つのロータ42と、ロータ42の偏心回転に伴いシリンダ41内を吸入室46a及び圧縮室46bに区切るベーン43と、を備える。
ベーン43は、シリンダ41の周壁を貫通しており、その先端はシリンダ41の内部に位置する。ベーン43は、図示しないばね等の付勢部材により先端がロータ42の周面に圧接する。シリンダ41には、ベーン43を挟んで位置する排出口41o及び吸入口41iが形成される。吸入口41iは冷媒をシリンダ41内に吸入するための孔である。排出口41oは圧縮した冷媒をシリンダ41内から排出するための孔である。排出口41oには、排出口41oを開閉する排出弁47oが設けられている。吸入口41iには、吸入口41iを開閉する吸入弁47iが設けられている。ロータ42は、モータ30の回転に伴い、自転しつつ、シリンダ41の内周面に沿って公転する。
図2(a)に示すように、モータ30の角度θが0°にあるとき、ロータ42はベーン43の先端をシリンダ41の内周面に一致させる位置まで退避させる。このとき、シリンダ41内には吸入された冷媒が充填されている。
図2(b)に示すように、吸入弁47iが開いた状態で、かつ排出弁47oが閉じた状態で、モータ30の角度θが120°まで回転すると、ロータ42がシリンダ41の内周面に沿って図中の反時計回りに120°回転する。この際、吸入室46a内に吸入口41iを介して冷媒が吸入されるとともに、圧縮室46b内の冷媒は圧縮される。図2(c)に示すように、さらにモータ30の角度θが180°まで回転すると、圧縮室46b内の冷媒がさらに圧縮されることで冷媒の温度は上昇する。図2(d)に示すように、モータ30の角度θが240°程度まで回転すると、圧縮室46b内の圧力が高まることで排出弁47oが開く。これにより、圧縮された冷媒は排出される。
このように、モータ30が1回転する間に、コンプレッサ40は、吸入、圧縮及び排出を行う。このため、図3のグラフに示すように、モータ30の負荷トルクは、モータ30の1回転の間に大きく変動する。この負荷トルクの変動をトルク脈動とも呼ぶ。このトルク脈動は、各種コンプレッサのなかでもスライドベーン型のコンプレッサにおいて顕著に発生する。また、図3に例示するように、空気調和装置1における動作負荷等により、それぞれ異なる負荷トルクの変動パターンA1〜A3となる。この例では、変動パターンA1は、変動パターンA2,A3よりも動作負荷が大きく、変動パターンA2は、変動パターンA3よりも動作負荷が大きい。変動パターンA1〜A3は、それぞれ負荷トルクが最大となるピーク値が異なるとともに、ピーク値をとるモータ30の角度θであるピーク位置が異なる。トルク脈動による変動パターンは、この変動パターンA1〜A3に限らず、コンプレッサ40の吐出圧及び吸入圧、コンプレッサ40の経年変化等の種々の要因により無数に存在する。
図1に示す制御部10は、インバータ20を介してモータ30の動作を制御するものであり、マイクロコンピュータから構成され、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有する。ROMは、CPUの処理手順を規定する動作プログラム(後述のd軸電流制御処理を実行するためのプログラムを含む)やテーブルデータなどの固定データを予め記憶する。RAMは、各種の演算結果などを一時的に記憶する。例えば、RAMには、後述のd軸電流制御処理における判別結果や決定結果を示すデータなどが記憶される。
制御部10は、機能部として、運転指令部11と、モータ制御部12とを備える。
運転指令部11は、例えばユーザによるリモコンの操作に応じて空気調和装置1の運転を指令する。運転指令部11は、例えば、図示しないセンサにより取得される室内温度及び室外温度、ユーザにより設定される目標温度に基づきモータ30の目標回転速度ω0(回転数指令)を演算し、演算した目標回転速度ω0をモータ制御部12に出力する。
モータ制御部12は、ベクトル制御によりモータ30を制御する。
図4に示すように、モータ制御部12は、機能部として、3相電流演算部121と、電流変換部122と、位置推定部123と、速度制御部124と、d軸電流制御部125と、電流制御部126と、電圧変換部127と、PWM信号生成部128と、トルク制御部13と、を備える。
3相電流演算部121は、電流センサ35v、35wを通じてV相、W相の電流Iv,Iwの値を取得する。そして、3相電流演算部121は、その取得した電流Iv,Iwの値に基づき、3相の電流Iu,Iv,Iwの和がゼロとなることを利用してU相の電流Iuの値を演算する。この際、3相電流演算部121は、例えば、複数回にわたって電流Iv,Iwの値を取得し、その平均値をとる。また、3相電流演算部121は、例えば、インバータ20からの過電流検知信号Sp2に基づき過電流が発生しているときにはそのときの電流Iv,Iwの値を含めずに平均値をとる。
電流変換部122は、3相電流演算部121によって演算された3相の電流Iu,Iv,Iwを2相のq軸電流Iqとd軸電流Idに座標変換する。なお、q軸電流Iqはモータ30のトルク成分であり、d軸電流Idはモータ30の磁束成分である。
位置推定部123は、電流変換部122により変換されたq軸電流Iq及びd軸電流Idと、後述する電流制御部126により演算されるq軸電圧指令値Vq及びd軸電圧指令値Vdとに基づき、モータ30の角度θ(回転位置)を推定する。また、位置推定部123は、推定されたモータ30の角度θを微分することで回転速度情報であるモータ30の回転速度ω(回転数)を推定する。
速度制御部124は、モータ30の回転速度ωを運転指令部11からの目標回転速度ω0に一致させるべくq軸電流指令値Iq*(目標となるq軸電流)を演算するフィードバック制御を行う。例えば、速度制御部124は、目標回転速度ω0と回転速度ωとの偏差ωe(ωe=ω0−ω)を求める。そして、速度制御部124は、偏差ωeに基づくPI制御により、q軸電流指令値Iq*を、Iq*=k1・ωe+k2∫ωedtにより求める。なお、k1は比例要素のフィードバックゲインであり、k2は積分要素のフィードバックゲインである。また、速度制御部124が行うフィードバック制御は、PI制御に限られず、P(比例)、I(積分)、D(微分)のうち少なくともいずれかを用いた制御であってもよい。
トルク制御部13は、位置推定部123が推定した回転速度ωと、電流変換部122により変換されたq軸電流Iq及びd軸電流Idとに基づき、トルク補正電流Iq*’を演算する。加算器14は、このトルク補正電流Iq*’と、速度制御部124によって演算されたq軸電流指令値Iq*とを加算する。これにより補正後のq軸電流指令値Iq*’’が演算される。このトルク補正電流Iq*’は、トルク脈動による負荷変動に関わらずモータ30の回転速度ωを安定させる値に設定される。
この実施形態では、後述するように、トルク制御部13によるトルク制御(q軸電流指令値Iq*の補正)が行われる場合と行われない場合がある。トルク制御部13によるトルク制御が行われない場合は、後述するようにトルク補正電流Iq*’は0(Iq*’=0)となり、加算器14から出力されるq軸電流値Iq*’’は、速度制御部124によって演算されたq軸電流指令値Iq*そのままの値となる。トルク制御部13の具体的な構成及び処理内容については後述する。
d軸電流制御部125は、加算器14から出力されたq軸電流指令値Iq*’’に応じてd軸電流指令値Id*を決定し、電流制御部126に出力する。また、d軸電流制御部125は、位置推定部123が推定した回転速度ωを取得するとともに、図示せぬ電圧センサから最大電圧Vam(モータ30の端子電圧の上限値)を取得する。これらの回転速度ωと最大電圧Vamもd軸電流指令値Id*の決定に用いられる。
詳細には、d軸電流制御部125は、条件に応じて、下記の第1〜第3制御モードのいずれかを選択し、選択したモードに応じた手法(下記(数1)〜(数3)の式に基づく手法)でd軸電流指令値Id*を算出する。d軸電流制御部125は、予めROM内に記憶されている、下記(数1)〜(数3)の式を示すデータやテーブルを用いて、d軸電流指令値Id*を算出する。以下に、第1〜第3制御モードについて説明する。
(第1制御モード:最大トルク制御)
モータ30の駆動開始時には、d軸電流制御部125は、加算器14から取得したq軸電流指令値Iq*’’と下記(数1)式に基づき、d軸電流指令値Id*を算出する。これにより、第1制御モードとしての最大トルク制御が実行される。最大トルク制御では、下記(数1)式が表す最大トルク制御曲線C1(図8参照)に従って、電流ベクトルを最小の電流で最大のトルクが得られるように制御する。なお、K1は、K1=Kf/{2(ρ−1)}により求められる係数であり、Kfは、Kf=Ψ/Ldにより求められる係数である。ρは突極係数(ρ=Lq/Ld)、Lq,Ldはq,d軸電機子自己インダクタンス、Ψは磁束鎖交数である。また、下記(数1)における「Iq」は加算器14から取得するq軸電流指令値Iq*’’に、「Id」はd軸電流制御部125が算出するd軸電流指令値Id*に相当する。
Figure 2018148678
d軸電流制御部125は、モータ30の誘起電圧が印加電圧に達していない場合(電圧飽和が生じていない場合)、(数1)式によりd軸電流指令値Id*を算出し、最大トルク制御を実行する。具体的には、d軸電流制御部125は、位置推定部123から取得した回転速度ωが、モータ30が電圧飽和状態となる場合に相当する切替回転数ω1未満である場合に、最大トルク制御を実行する。なお、切替回転数ω1は、モータ30の負荷により変動する。一方、d軸電流制御部125は、回転速度ωが切替回転数ω1以上となった場合に、誘起電圧の増加によりトルクが低下してしまうことを防ぐために印加電圧を弱める、第2制御モードとしての弱め磁束制御を行う。
(第2制御モード:弱め磁束制御)
d軸電流制御部125は、弱め磁束制御実行時には、加算器14から取得したq軸電流指令値Iq*’’と、モータ30の端子電圧の上限値Vamと、下記(数2)式とに基づき、d軸電流指令値Id*を算出する。弱め磁束制御では、下記(数2)が表す弱め磁束制御曲線(電圧制限曲線)C2(図8参照)に従ってモータ30が電圧飽和しないように電流ベクトルを制御する。なお、下記(数2)における「Iq」は加算器14から取得するq軸電流指令値Iq*’’に、「Id」はd軸電流制御部125が算出するd軸電流指令値Id*に相当する。
Figure 2018148678
(第3制御モード)
d軸電流制御部125は、弱め磁束制御を実行する期間においても、トルク制御部13によりトルク制御が実行されている場合は、第3制御モードとして、d軸電流指令値Id*を、加算器14から取得するq軸電流指令値Iq*’’に関わらない所定値に決定する。なお、d軸電流制御部125は、後述するトルク制御実行中フラグを参照することで、現在、トルク制御が実行されているか否かを判別する。
第3制御モードでは、d軸電流制御部125は、上記(数2)式を表す弱め磁束制御曲線C2と、下記(数3)式を表す電流制限曲線C3との交点N2に応じた値I2をd軸電流指令値Id*に決定する。なお、Iamはモータ30の電機子電流の制限値であり、モータ30の定格電流あるいはインバータ20の最大出力電流によって決まる値である。このため、電流制限曲線C3と弱め磁束制御曲線C2との交点N2は、電流制限の下で弱め磁束制御時の発生トルクが最大となる電流ベクトルを表すことになる。
Figure 2018148678
具体的には、d軸電流制御部125は、(数2)式と(数3)式との一方のIqを他方に代入することで得られるIqに依存しない関数に、最大電圧Vamと回転数ωを代入することで得られるIdの値を、d軸電流指令値Id*に決定する。なお、この際、式中のωには、位置推定部123が推定した回転速度ωではなく、運転指令部11が出力した目標回転速度ω0を代入する。
以上から分かるように、第2制御モードでは、弱め磁束制御曲線C2を表す(数2)式に従って、入力されるq軸電流指令値Iq*’’に応じた値をd軸電流指令値Id*に決定する一方で、第3制御モードでは、入力されるq軸電流指令値Iq*’’に関わらず、前記の所定値I2をd軸電流指令値Id*に決定する。このように第3制御モード時に、d軸電流指令値Id*を、入力されるq軸電流指令値Iq*’’に関わらない所定値とする理由は、後述するトルク制御部13によるトルク制御が行われると、理論上はq軸電流指令値Iq*’’がバラツク要因とはならないが、実際にはq軸電流指令値Iq*’’のバラツキが生じ易いためである。また、当該所定値をI2とする理由は、d軸電流指令値Id*を、電流制限の下で弱め磁束制御時の発生トルクが最大となる交点N2に応じた値とすれば、入力されるq軸電流指令値Iq*’’によらず、弱め磁束効果を発揮できるからである。なお、第3制御モード時に決定されるd軸電流指令値Id*は、交点N2に応じたI2に限られず、後の変形例で述べるように、モータ30が電圧飽和しない値であれば、任意である。
図4に戻って、電流制御部126は、現在のq軸電流Iqをq軸電流指令値Iq*’’に一致させるためのq軸電圧指令値Vqを演算する。また、電流制御部126は、現在のd軸電流Idをd軸電流指令値Id*に一致させるためのd軸電圧指令値Vdを演算する。この際、電流制御部126は、上記速度制御部124と同様の計算手法でPI制御によるフィードバック制御を行ってもよいし、その他PD、PID等のフィードバック制御を行ってもよい。
電圧変換部127は、電流制御部126により演算されたq軸電圧指令値Vq及びd軸電圧指令値VdをU相、V相、W相の電圧指令値Vu,Vv,Vwに座標変換する。
PWM信号生成部128は、電圧変換部127により座標変換されたU相、V相、W相の電圧指令値Vu,Vv,Vwに応じて直流電圧をパルス幅変調することでPWM信号Su,Sv,Swを生成する。PWM信号生成部128は、このPWM信号Su,Sv,Swをインバータ20に出力する。
(トルク制御部13)
次に、トルク制御部13の具体的構成について説明する。
図5に示すように、トルク制御部13は、トルク脈動推定部13aと、ローパスフィルタ13eと、補正トルク電流演算部13fと、を備える。
トルク脈動推定部13aは、電流変換部122により変換されたq軸電流Iq及びd軸電流Idと、位置推定部123が推定した回転速度ωとに基づきトルク脈動による回転速度変動を抑制するために不足しているトルクを推定する。
詳しくは、トルク脈動推定部13aは、モータ出力トルク演算部13bと、モータ負荷トルク演算部13cと、減算器13dと、を備える。
モータ出力トルク演算部13bは、電流変換部122により変換されたq軸電流Iq及びd軸電流Idから推定されるモータ電流Iaとモータ30のトルク係数Kとの積によりモータ30の出力トルクTa(=K・Ia)を演算する。出力トルクTaはモータ30が実際に出力するトルクである。モータ電流Iaは、例えばq軸電流Iq及びd軸電流Idの合成電流である。なお、本実施形態では、モータ電流Iaをq軸電流Iq及びd軸電流Idから推定するものとしたが、制御を簡素化するためにq軸電流Iqのみからモータ電流Iaを推定するものとしてもよい。
モータ負荷トルク演算部13cは、モータ30の回転速度ωの時間微分により得られる角加速度α(=dω/dt)と、モータ30の出力軸の慣性モーメントJとの積によりモータ30の負荷トルクTb(=J・α)を演算する。負荷トルクTbは、モータ30の出力軸の回転を妨げるトルクであって、一般的には、遠心力、コリオリ力等のモータ30の出力軸が受ける内部干渉力による負荷と、上述したトルク脈動等の外力による負荷と、摩擦による負荷との総和により求められる。
減算器13dは、出力トルクTaから負荷トルクTbを差し引くことで差分トルクTc(=Ta−Tb)を演算する。この差分トルクTcは、回転速度ωを安定させるために不足しているトルクである。
ローパスフィルタ13eは、差分トルクTcに重畳する高周波数のノイズを除去する。ローパスフィルタ13eは、例えば1次遅れフィルタである。ローパスフィルタ13eの遮断周波数は、例えば実験等に基づき、トルク脈動による回転速度変動成分の周波数よりも高く、かつトルク脈動以外の回転速度変動成分の周波数よりも低く設定する。
補正トルク電流演算部13fは、ローパスフィルタ13eを経た差分トルクTcに基づき、差分トルクTcに応じた値のq軸電流値としてトルク補正電流Iq*’を演算する。詳しくは、トルク補正電流Iq*’は、差分トルクTcをトルク係数Kで除することにより求められる(Iq*’=Tc/K)。
また、補正トルク電流演算部13fは、所定の場合には、出力するトルク補正電流Iq*’の値を0(ゼロ)とする。つまり、この場合は、トルク制御部13によるトルク制御(q軸電流値Iq*の補正)が行われない。具体的には、補正トルク電流演算部13fは、目標回転速度ω0及び回転速度ωを取得可能となっており、算出した偏差Δω(Δω=|ω0−ω|)が、予めROMに記憶されている許容値を超えない場合に、トルク制御を実行しない(トルク補正電流Iq*’を0とする)。当該許容値は、例えば、機器として音や振動が許容できる範囲における最大の回転数変動値として予め定められている。このように、偏差Δωが許容値を超えず、回転数の変動が比較的小さいと見做せる回転域(例えば、負荷脈動が小さくなる高回転域)では、トルク制御を実行せずとも回転速度ωが安定するため、トルク制御を実行しない。
補正トルク電流演算部13fは、差分トルクTcに応じた値のq軸電流値としてトルク補正電流Iq*’を算出した場合、トルク制御が実行中である旨を、トルク制御実行中フラグをオン状態にセットすることでRAMに記憶する。一方、補正トルク電流演算部13fは、トルク補正電流Iq*’の値を0とした場合、現在、トルク制御が実行されていない旨を、トルク制御実行中フラグをオフ状態にクリアすることでRAMに記憶する。なお、トルク制御が実行中か否かは、後述のd軸電流制御処理における第2制御モードと第3制御モードのいずれに移行するかの判別基準となる。
トルク制御部13は、上述したように、トルク制御を実行する場合には、出力トルクTaと負荷トルクTbとを常時監視しつつ、出力トルクTaと負荷トルクTbとが釣り合うようにトルク補正電流Iq*’を調整する。この結果、出力トルクTaと負荷トルクTbが等しくなることでモータ30の回転速度ωが安定する。
トルク制御部13によるトルク制御(q軸電流指令値の補正)を行わない場合は、図6(a)に模式的に示すように、上述したトルク脈動により負荷トルクTbが変動するが、図6(b)に模式的に示すように、出力トルクTaは一定となる。このため、図6(c)に模式的に示すように、理論上は、トルク脈動によりモータ30の回転速度ωは変動して安定しないことになる。しかし、前述の通り、この実施形態では、回転数の偏差Δωが許容値を超えず、トルク制御を実行せずとも回転速度ωが安定すると見做せる場合(例えば、負荷脈動が小さくなる高回転域である場合)に、トルク制御を実行しないため、モータ30の回転速度ωの変動について実機としての問題は生じない。
一方で、例えば、負荷脈動が高回転域に比べて大きくなる低回転域では、回転数の偏差Δωが許容値を超えて、トルク制御部13によるトルク制御が行われる。トルク制御部13によるトルク制御が行われる場合、図7(a),(b)に模式的に示すように、出力トルクTaは、上述したトルク脈動により負荷トルクTbが変動するのに合わせて変動する。このため、図7(c)に模式的に示すように、トルク脈動に関わらず、モータ30の回転速度ωが安定する。以上がモータ制御部12の全体構成についての説明である。
続いて、d軸電流制御部125により実行され、条件に応じて第1〜第3制御モードのいずれかを選択するとともに、各モードに応じたd軸電流指令値を決定・出力するd軸電流制御処理を、図9のフローチャートを参照して説明する。d軸電流制御処理は、モータ30の駆動中に継続して実行される。なお、モータ30の駆動開始時は、d軸電流制御部125がデフォルトで第1制御モード(最大トルク制御)を実行する。
(d軸電流制御処理)
d軸電流制御処理を開始すると、まず、d軸電流制御部125は、q軸電流指令値Iq*’’、回転速度ω、最大電圧Vamを取得する(ステップS1)。
続いて、d軸電流制御部125は、弱め磁束制御を実行するか否かを判別する(ステップS2)。具体的には、d軸電流制御部125は、ステップS1で取得した回転速度ωが前記の切替回転速度ω1以上である場合に、弱め磁束制御を実行すると判別する。なお、モータ30の端子電圧、端子電流等により弱め磁束制御の実行可否を判別してもよい。
弱め磁束制御を実行しないと判別した場合は(ステップS2;No)、第1制御モードに移行する。第1制御モードでは、d軸電流制御部125は、ステップS1で取得したq軸電流指令値Iq*’’と、ROM内に記憶されている上記(数1)式とに基づき、d軸電流指令値Id*を算出・決定する(ステップS3)。そして、d軸電流制御部125は、決定したd軸電流指令値Id*を電流制御部126に出力する(ステップS4)。このようにして、インバータ20を介してモータ30を最大トルク制御で駆動する。
一方、弱め磁束制御を実行すると判別した場合(ステップS2;Yes)、d軸制御部125は、補正トルク電流演算部13fによってRAMに記憶されるトルク制御実行中フラグのオン・オフ状態を参照し、トルク制御部13によるトルク制御が実行中か否かを判別する(ステップS5)。
トルク制御が実行中で無い場合は(ステップS5;No)、第2制御モードに移行する。第2制御モードでは、d軸電流制御部125は、ステップS1で取得したq軸電流指令値Iq*’’及び最大電圧Vamと、ROM内に記憶されている上記(数2)式とに基づき、d軸電流指令値Id*を算出・決定する(ステップS6)。そして、d軸電流制御部125は、決定したd軸電流指令値Id*を電流制御部126に出力する(ステップS4)。このようにして、インバータ20を介してモータ30を弱め磁束制御で駆動する。
トルク制御が実行中の場合は(ステップS5;Yes)、第3制御モードに移行する。第3制御モードでは、d軸電流制御部125は、(数2)式と(数3)式との一方のIqを他方に代入することで得られるIqに依存しない関数に、最大電圧Vamと目標回転速度ω0を代入することで得られるIdの値を、d軸電流指令値Id*の目標値に決定する(ステップS7)。つまり、ステップS1で取得したq軸電流指令値Iq*’’に関わらず、前記したように、電流制限曲線C3と弱め磁束制御曲線C2との交点N2に応じた所定値I2をd軸電流指令値Id*の目標値に決定する。
続いて、d軸電流制御部125は、現在のd軸電流指令値Id*が、ステップS7で決定した目標値に到達したか否かを判別する(ステップS8)。目標値に到達していない場合は(ステップS8;No)、現在のd軸電流指令値Id*に変化量ΔI(負の変化量)を加算し(ステップS9)、Id*+ΔIを、d軸電流指令値Id*として電流制御部126に出力する(ステップS4)。
第3制御モードでは、現在のd軸電流指令値Id*が、ステップS7で決定した目標値に到達してステップS8でYesと判別されるまでは、ステップS8でNoと判別され続けることになり、現在のd軸電流指令値Id*に変化量ΔI(負の変化量)が加算され続ける(ステップS9)。つまり、目標値に到達するまでは、現在のd軸電流指令値Id*にΔIずつ加算される。このようにして、d軸電流指令値Id*を、ステップS7で決定した所定値I2に徐々に変化させる。これにより、d軸電流指令値Id*が急激に変化してモータ30に不安定動作が生じることを抑制することができる。
なお、ステップS9の処理毎に加算される変化量ΔIは、毎回同じ固定値でなくともよく、例えば、加算される回数や、現在のd軸電流指令値Id*の大きさなどに応じて変化する値であってもよい。当該値の変化の態様は、ROMに格納されたテーブルなどによって規定すればよい。また、第3制御モードの実行中に、トルク制御部13によるトルク制御動作が停止され、第3制御モードから第2制御モードに切り替わった場合にも、d軸電流指令値Id*が急激に変化してモータ30に不安定動作が生じることを抑制するために、現在のd軸電流指令値Id*から、決定された目標値に徐々に変化させることが好ましい。
以上の各処理がモータ30の駆動中に継続して実行される。d軸電流制御処理の説明は以上である。
続いて、再び図8を参照して、d軸電流制御処理に従う制御モード移行例を説明する。モータ30の駆動を開始すると、まず、第1制御モードとしての最大トルク制御を実行する。つまり、d軸電流制御部125は、取得したq軸電流指令値Iq*’’に対応する最大トルク制御曲線C1上の値をd軸電流指令値Id*に決定し、出力する。そして、目標回転速度ω0の増加に応じてq軸電流指令値Iq*’’が上昇し、誘起電圧が印加電圧を超えるような負荷状態となると、第2制御モードとしての弱め磁束制御を実行する(点P1〜点P2の区間を参照)。つまり、d軸電流制御部125は、取得したq軸電流指令値Iq*’’に対応する弱め磁束制御曲線C2上の値をd軸電流指令値Id*に決定し、出力する。
ここで、点P2において、トルク制御部13によるトルク制御の実行が開始されたとする(ステップS5;Yes)。すると、第2制御モードから第3制御モードへと移行し、d軸電流指令値Id*の目標値がI2に決定されるとともに、第3制御モードへ移行する直前に決定されたd軸電流指令値(この例では、点P2に対応したd軸電流指令値Id*)から徐々に目標値I2に変化する。このように、第3制御モードでは、d軸電流制御部125に入力されるq軸電流指令値Iq*’’に関わらず、d軸電流指令値をId*、弱め磁束制御曲線C2と電流制限曲線C3の交点N2に応じたI2に決定する。
なお、この制御モード移行例では、第1、第2、第3制御モードと、順に移行する例を説明したが、図9から分かるように、第1制御モード実行中に、ステップS2でYes、ステップS5でYesと判別されれば、第1制御モードから第3制御モードに切り替わることになる。また、第3制御モード実行中に、トルク制御部13によるトルク制御動作が停止すれば、ステップS2でYes、ステップS5でNoとなるので、第3制御モードから第2制御モードに切り替わることになる。
以上に説明したように、トルク制御部13によるトルク制御時には第3制御モードに移行し、入力されるq軸電流指令値Iq*’’には関わらない所定値I2にd軸電流指令値Id*を決定する。このため、q軸電流指令値Iq*’’のバラツキや(図10(a)参照)、Vam、ωのバラツキによる弱め制御曲線C2の変化(図10(b)参照)に起因するd軸電流指令値Id*の変動を回避することができる。結果として、モータ30及びコンプレッサ40を安定して動作させることができる。また、d軸電流指令値Id*を、電流制限の下で弱め磁束制御時の発生トルクが最大となる交点N2に応じた所定値I2としたため、入力されるq軸電流指令値Iq*’’によらず、弱め磁束効果を発揮できる。
なお、本発明は以上の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜、変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。以下に変形の一例を説明する。
(変形例)
第3制御モード時に決定されるd軸電流指令値Id*は、交点N2に応じたI2に限られず、モータ30が電圧飽和しない値であればよい。例えば、第3制御モード時に決定されるd軸電流指令値Id*は、図8に示すI1からIamの範囲D(|I1|<D<|Iam|)内における任意の値であってもよい。ここで、理論上は、d軸電流指令値Id*をI1〜I2の範囲内とした場合には、入力されるq軸電流指令値Iq*’’によっては弱め磁束効果が不足する場合がある。一方、d軸電流指令値Id*をI2〜Iamの範囲内とした場合には、入力されるq軸電流指令値Iq*’’によっては、電流制限を超えてしまう。しかしながら、実機のシステムを考えた場合は、交点N2に対応したI2から、I1とIamとのいずれかに偏在した値とすることも可能である。当該値は、実験により求めればよい。
また、トルク制御部13によるトルク制御は、上記実施形態で説明した手法に限られない。例えば、予め想定される負荷トルクの変動パターンに合わせて、モータ30やコンプレッサ40の各回転位置θに関連づけられた補正値を予めテーブルとして記憶する方式(プロファイル方式と呼ぶ)によりトルク制御を実行してもよい。プロファイル方式では、取得した回転位置θに応じて補正値をテーブルから読み出し、この補正値によりトルク制御を行う。この手法を採用した場合、例えば、位置推定部123が推定した回転数ωが、予めROM内に記憶されている閾値以上となった場合に、トルク制御部13によるトルク制御を実行しないようにすればよい。当該閾値は、プロファイル方式による制御限界に応じた回転数として予め定めればよい。また、プロファイル方式においても、回転数の偏差Δωが、前記の許容値を超えない場合にトルク制御を実行しないようにしてもよい。
上記実施形態では、トルク制御部13によるトルク制御が実行されている場合に、第3制御モードでの動作を実行する例を示したが、これに限られない。例えば、d軸電流制御部125は、取得可能なq軸電流指令値Iq*’’、最大電圧Vam、回転速度ωなどのパラメータに基づき、d軸電流指令値Id*に変動が生じる要因(例えば、パラメータの変動量が予め定めた閾値を超えた場合やエラー値を取得した場合など)が存在すると判別した場合に、第3制御モードによりd軸電流指令値Id*を前記の所定値に決定し、出力してもよい。
上記実施形態においては、モータ制御部12は、電流センサ35v、35wの検出結果に基づきモータ30を制御していたが、電流センサ35v、35wを省略してもよい。この場合、モータ制御部12は、シャント抵抗19からの電流検出信号Sp1とPWMスイッチングパターンとに基づき3相の交流電流Iu,Iv,Iwを復元してもよい。
上記実施形態においては、モータ30は回転角度センサレスであったが、回転角度センサが設けられていてもよい。
上記実施形態においては、コンプレッサ40はスライドベーン型のコンプレッサであったが、この種類以外のコンプレッサであってもよく、例えば、ツインロータリー式、レシプロ式、斜板式、ダイアフラム式、ツインスクリュー式、シングルスクリュー式、スクロール式、ロータリーピストン式等であってもよい。
(1)以上に説明した空気調和装置1の制御部10(モータ制御装置の一例)は、モータ30の目標回転速度ω0に応じて決定したd軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*’’に従いインバータ20を介してモータ30を駆動する。制御部10が有するd軸電流制御部125は、決定されたq軸電流指令値Iq*’’を取得し、取得したq軸電流指令値Iq*’’に基づいてd軸電流指令値Id*を決定するd軸電流制御手段と、モータ30を弱め磁束制御により駆動するか否かを判別する判別手段としての機能を備える。d軸電流制御手段は、判別手段がモータ30を弱め磁束制御により駆動すると判別した場合であっても、所定条件下においては、取得したq軸電流指令値Iq*’’に関わらない所定値にd軸電流指令値Id*を決定する。この所定値は、モータ30が電圧飽和しない値である。
このようにしたから、前述したようにd軸電流指令値Id*の変動を回避することができ、結果として、モータ30及びコンプレッサ40を安定して動作させることができる。
(2)また、制御部10は、モータ30の回転速度変動を抑制するために、q軸電流指令値Iq*を補正する(トルク補正電流Iq*’を出力することで、q軸電流指令値をIq*’’(Iq*’’=Iq*+Iq*’)とする)トルク制御部13(補正手段の一例)を備え、d軸電流制御手段は、前記所定条件として、トルク制御部13がq軸電流指令値Iq*を補正した場合に、d軸電流指令値Id*を前記所定値に決定する。
このように、q軸電流指令値Iq*’’のバラツキが生じる蓋然性が高いトルク制御実行時に、d軸電流指令値Id*を前記所定値に決定するようにしたから、より効果的にd軸電流指令値Id*の変動を回避することができ、結果として、モータ30及びコンプレッサ40を安定して動作させることができる。
また、変形例で述べた通りトルク制御の手法は限られないが、前記の実施形態のトルク制御によれば、種々の要因によりコンプレッサ回転時の負荷の変動パターンが変化した場合であっても、それに合わせてリアルタイムで異なる値にトルク補正電流Iq*’が設定される。このため、モータ30の回転速度ωを安定させることができる。また、これによりコンプレッサ40の振動、騒音等も低減させることができる。また、無数に存在する負荷の変動パターンに応じてトルク補正電流Iq*’を予め記憶させる必要がないため、トルク制御部13の設計も容易であり、トルク補正電流Iq*’を記憶させるメモリの負担も小さい。
(3)また、前記所定値は、電流制限曲線C3と弱め磁束制御曲線C2との交点N2に応じた値I2とすることが好ましい。
このように、d軸電流指令値を、電流制限の下で弱め磁束制御時の発生トルクが最大となる交点N2に応じた所定値I2とすれば、入力されるq軸電流指令値Iq*’’によらず、弱め磁束効果を発揮できるからである。
(4)また、d軸電流制御手段は、d軸電流指令値Id*を前記所定値に決定すると、d軸電流指令値Id*を現在値から前記所定値まで徐々に変化させることが好ましい。
こうすれば、d軸電流指令値Id*が急激に変化してモータ30に不安定動作が生じることを抑制することができるからである。
(5)また、空気調和装置1は、モータ制御装置と、インバータ20と、モータ30と、モータ30によって駆動されるコンプレッサ40と、コンプレッサ40により圧縮された冷媒を利用して室温を調整する空調部60と、を備える。
変形例で述べたようにコンプレッサ40の種別は限られないが、他種類のコンプレッサに比べて1回転中における負荷変動及び回転速度変動が大きいスライドベーン型を採用した場合は、第3制御モードでのd軸電流指令値の決定手法や、トルク制御部13によるトルク制御がより効果的である。
1…空気調和装置
10…制御部
11…運転指令部
12…モータ制御部
124…速度制御部
125…d軸電流制御部(判別手段、d軸電流制御手段の一例)
C1…最大トルク制御曲線、C2…弱め磁束制御曲線、C3…電流制限曲線
13…トルク制御部(補正手段の一例)
20…インバータ
30…モータ
40…コンプレッサ
50…電源
60…空調部

Claims (5)

  1. モータの目標回転速度に応じて決定したd軸電流指令値及びq軸電流指令値に従いインバータを介して前記モータを駆動するモータ制御装置であって、
    決定されたq軸電流指令値を取得し、取得したq軸電流指令値に基づいてd軸電流指令値を決定するd軸電流制御手段と、
    前記モータを弱め磁束制御により駆動するか否かを判別する判別手段と、を備え、
    前記d軸電流制御手段は、前記判別手段が前記モータを弱め磁束制御により駆動すると判別した場合であっても、所定条件下においては、取得したq軸電流指令値に関わらない所定値にd軸電流指令値を決定し、
    前記所定値は、前記モータが電圧飽和しない値である、
    モータ制御装置。
  2. 前記モータの回転速度変動を抑制するためにq軸電流指令値を補正する補正手段を備え、
    前記d軸電流制御手段は、前記所定条件として、前記補正手段がq軸電流指令値を補正した場合に、d軸電流指令値を前記所定値に決定する、
    請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記所定値は、電流制限曲線と弱め磁束制御理論に従う曲線との交点に応じた値である、
    請求項1又は2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記d軸電流制御手段は、d軸電流指令値を前記所定値に決定すると、d軸電流指令値を現在値から前記所定値まで徐々に変化させる、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のモータ制御装置と、
    前記インバータと、前記モータと、前記モータによって駆動されるコンプレッサと、前記コンプレッサにより圧縮された冷媒を利用して室温を調整する空調部と、を備える、
    空気調和装置。
JP2017041031A 2017-03-03 2017-03-03 モータ制御装置及び空気調和装置 Active JP7042028B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017041031A JP7042028B2 (ja) 2017-03-03 2017-03-03 モータ制御装置及び空気調和装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017041031A JP7042028B2 (ja) 2017-03-03 2017-03-03 モータ制御装置及び空気調和装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018148678A true JP2018148678A (ja) 2018-09-20
JP7042028B2 JP7042028B2 (ja) 2022-03-25

Family

ID=63591821

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017041031A Active JP7042028B2 (ja) 2017-03-03 2017-03-03 モータ制御装置及び空気調和装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7042028B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114608158A (zh) * 2022-02-18 2022-06-10 青岛海尔空调器有限总公司 用于控制直流空调器的方法及装置、空调器
CN114811880A (zh) * 2022-02-28 2022-07-29 青岛海尔空调器有限总公司 用于直流空调器除霜的方法及装置、直流空调器
KR20230075896A (ko) * 2021-11-23 2023-05-31 주식회사 브이씨텍 전기자동차용 영구자석 동기전동기의 고효율 운전 제어 장치 및 그 제어 방법

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011172450A (ja) * 2010-02-22 2011-09-01 Sanyo Electric Co Ltd インバータ装置
JP2013038925A (ja) * 2011-08-08 2013-02-21 Aisin Aw Co Ltd 制御装置
JP2015192473A (ja) * 2014-03-27 2015-11-02 日本電産サンキョー株式会社 サーボモータ制御システムおよびサーボモータ制御方法
JP2016226270A (ja) * 2015-06-02 2016-12-28 エルエス産電株式会社Lsis Co., Ltd. 同期機の運転方法
JP2017046430A (ja) * 2015-08-26 2017-03-02 ジョンソンコントロールズ ヒタチ エア コンディショニング テクノロジー(ホンコン)リミテッド モータ制御装置、流体機械、空気調和機およびプログラム

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011172450A (ja) * 2010-02-22 2011-09-01 Sanyo Electric Co Ltd インバータ装置
JP2013038925A (ja) * 2011-08-08 2013-02-21 Aisin Aw Co Ltd 制御装置
JP2015192473A (ja) * 2014-03-27 2015-11-02 日本電産サンキョー株式会社 サーボモータ制御システムおよびサーボモータ制御方法
JP2016226270A (ja) * 2015-06-02 2016-12-28 エルエス産電株式会社Lsis Co., Ltd. 同期機の運転方法
JP2017046430A (ja) * 2015-08-26 2017-03-02 ジョンソンコントロールズ ヒタチ エア コンディショニング テクノロジー(ホンコン)リミテッド モータ制御装置、流体機械、空気調和機およびプログラム

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20230075896A (ko) * 2021-11-23 2023-05-31 주식회사 브이씨텍 전기자동차용 영구자석 동기전동기의 고효율 운전 제어 장치 및 그 제어 방법
KR102586189B1 (ko) * 2021-11-23 2023-10-06 주식회사 브이씨텍 전기자동차용 영구자석 동기전동기의 고효율 운전 제어 장치 및 그 제어 방법
CN114608158A (zh) * 2022-02-18 2022-06-10 青岛海尔空调器有限总公司 用于控制直流空调器的方法及装置、空调器
CN114608158B (zh) * 2022-02-18 2024-02-20 青岛海尔空调器有限总公司 用于控制直流空调器的方法及装置、空调器
CN114811880A (zh) * 2022-02-28 2022-07-29 青岛海尔空调器有限总公司 用于直流空调器除霜的方法及装置、直流空调器
CN114811880B (zh) * 2022-02-28 2024-04-05 青岛国创智能家电研究院有限公司 用于直流空调器除霜的方法及装置、直流空调器

Also Published As

Publication number Publication date
JP7042028B2 (ja) 2022-03-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2012005199A (ja) モータ制御装置、圧縮機およびヒートポンプ装置
JP2013230060A (ja) モータ制御装置及び冷蔵庫
JP6364463B2 (ja) モータ駆動装置、及びこれを備える冷凍サイクル装置、並びにモータ駆動方法
JP7058562B2 (ja) モータ制御装置および空気調和装置
WO2016067665A1 (ja) インバータ制御装置及びインバータ圧縮機
JP7042028B2 (ja) モータ制御装置及び空気調和装置
JP6010071B2 (ja) モータ制御装置及び冷凍・空調装置
TWI355477B (ja)
JP6838999B2 (ja) モータ制御装置及び空気調和装置
JP5752546B2 (ja) モータ制御装置、圧縮機およびヒートポンプ装置
JP2018148592A (ja) モータ制御装置
JP2012249355A (ja) モータ制御装置、及び、それを利用したモータの起動方法
JP5344946B2 (ja) 電動コンプレッサ制御装置
JP5868564B1 (ja) インバータ制御装置及びインバータ圧縮機
JP4804100B2 (ja) モータ駆動装置及びその制御方法、空気調和装置
JP2008295204A (ja) モータ制御装置及びモータ制御方法
KR101918058B1 (ko) 브러시리스 모터의 구동 장치, 구동 방법, 및 이를 포함한 공기 조화기
JP2018129957A (ja) モータ制御装置及び空気調和装置
JP7118274B2 (ja) 駆動装置、流体利用装置及び空気調和機
EP3355466B1 (en) Motor control device, rotary compressor system and motor control method
JP6093606B2 (ja) モータ駆動装置
JP7705757B2 (ja) 空気調和機
WO2023162106A1 (ja) モータ駆動装置及び冷凍サイクル装置
CN118160212A (zh) 电动机驱动装置和制冷循环应用设备
JP2003209998A (ja) モータ駆動方法およびその装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190808

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200825

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201006

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210323

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210519

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211116

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220301

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220314

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7042028

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250