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JP2018142528A - リチウム負極複合体の製造方法 - Google Patents

リチウム負極複合体の製造方法 Download PDF

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JP2018142528A JP2017129967A JP2017129967A JP2018142528A JP 2018142528 A JP2018142528 A JP 2018142528A JP 2017129967 A JP2017129967 A JP 2017129967A JP 2017129967 A JP2017129967 A JP 2017129967A JP 2018142528 A JP2018142528 A JP 2018142528A
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Abstract

【課題】Si含有負極活物質層にリチウム層を形成して、直接的ドープ法に好適なリチウム負極複合体を製造する新たな方法を提供すること。【解決手段】集電体の両面にSi含有負極活物質層を形成し、各々の前記負極活物質層上に同時にリチウム層を形成してリチウム負極複合体を得る複合体形成工程を有する、リチウム負極複合体の製造方法。【選択図】図2

Description

本発明は、Si含有負極活物質層上にリチウム層を形成して、リチウム負極複合体を製造する方法に関する。
リチウムイオン二次電池は、充放電容量が高く、高出力化が可能な二次電池である。リチウムイオン二次電池は、現在、主として携帯電子機器用の電源として用いられており、更に、今後普及が予想される電気自動車用の電源として期待されている。リチウムイオン二次電池は、リチウムを吸着及び放出できる活物質を正極及び負極にそれぞれ有する。そして、両極間に存在する電解液中を電荷担体であるリチウムイオンが移動することにより、リチウムイオン二次電池は動作する。
リチウムイオン二次電池の負極に用いる負極活物質として、Siを含有する負極活物質すなわちSi含有負極活物質を用いる技術が知られている。Siは、黒鉛などの負極活物質材料と比較して、理論上、1元素あたりのリチウムイオン吸蔵能力が高い。そのため、Si含有負極活物質を選択することで、リチウムイオン二次電池の高容量化を実現し得ると考えられる。
例えば、特許文献1及び特許文献2には、負極活物質がシリコンであるリチウムイオン二次電池が記載されている。特許文献3及び特許文献4には、負極活物質がSiOであるリチウムイオン二次電池が記載されている。
特許文献5には、CaSiを酸と反応させてCaを除去した層状ポリシランを主成分とする層状シリコン化合物を合成し、当該層状シリコン化合物を300℃以上で加熱して水素を離脱させたシリコン材料を製造したこと、及び、当該シリコン材料を負極活物質として具備するリチウムイオン二次電池が記載されている。
特開2014−203595号公報 特開2015−57767号公報 特開2015−185509号公報 特開2015−179625号公報 国際公開第2014/080608号
ところで、Si含有負極活物質は、高容量である反面、不可逆容量が大きいことも知られている。本発明の発明者は、Si含有負極活物質の不可逆容量をキャンセルするために、当該不可逆容量に相当する量のリチウムイオンをSi含有負極活物質に予め導入しておくことを考えた。以下、負極活物質にリチウムイオンを導入することを、リチウムをドープするという。また、以下、特に説明のない場合、負極活物質とはSi含有負極活物質を指し、負極活物質層とはSi含有負極活物質層を指す。
リチウムのドープ方法として、負極と、対極としての金属リチウムと、を用いたドープ用のリチウム電池を製造して当該負極にリチウムをドープする方法が知られている。以下、このドープ方法を電気的ドープ法という。当該電気的ドープ法においては、上記したドープ用のリチウム電池を充電することで、対極のリチウムイオンを負極に移動させて、負極にリチウムをドープする。リチウムがドープされた負極は、ドープ用のリチウム電池から取り外され、リチウムイオン二次電池用の負極として用いられる。
このような電気的ドープ法は、リチウムのドープ方法として有効ではあるが、多大な工数を要するため、リチウムイオン二次電池を工業的に生産するための方法としては現実的でない。
他のリチウムドープ方法として、集電体の片面に形成した負極活物質層上に更にリチウム層を形成して、リチウム層から負極活物質にリチウムイオンを直接ドープする方法も提案されている。リチウム層は、薄く圧延したリチウム箔で構成できる。以下、この種のドープ方法を直接的ドープ法と呼ぶ。当該直接的ドープ法を採用すれば、リチウムのドープに要する工数を低減できる可能性がある。
しかし、このような直接的ドープ法に用いるリチウム負極複合体、つまり、負極の負極活物質層上にリチウム層を形成した複合体を製造する方法について、現状では充分に検討が為されておらず、直接的ドープ法に好適なリチウム負極複合体の製造方法が望まれていた。
本発明はかかる事情に鑑みて為されたものであり、Si含有負極活物質層にリチウム層を形成して、直接的ドープ法に好適なリチウム負極複合体を製造する新たな方法を提供することを目的とする。
本発明の発明者は、直接的ドープ法用のリチウム負極複合体を様々な条件で実際に製造した。そして、リチウム負極複合体を製造する際の問題の一つとして、Si含有負極活物質の体積変化に着目した。
すなわち、Si含有負極活物質層の体積は、ドープされたリチウムイオンの分だけ増大する。負極は、集電体とSi含有負極活物質層とで構成されるが、リチウム層のリチウムイオンはSi含有負極活物質層にのみドープされ、集電体にはドープされない。このドープの際のSi含有負極活物質層と集電体との体積変化量の違いにより、場合によっては、負極に歪みや反りが生じる場合がある。具体的には、集電体の片面にのみSi含有負極活物質層を設ける場合や、集電体の両面に各々設けたSi含有負極活物質層の一方にのみリチウムをドープする場合には、特に、上記した負極の歪みや反りが生じ易い。
反りの生じた負極は電池を製造する際に破損等する可能性があるため、このような製造方法はリチウム負極複合体の製造方法として好適とは言い難い。
本発明のリチウム負極複合体の製造方法は、集電体の両面にSi含有負極活物質層を形成し、各々の前記負極活物質層上に同時にリチウム層を形成してリチウム負極複合体を得る複合体形成工程を有する、リチウム負極複合体の製造方法である。
本発明のリチウム負極複合体の製造方法は、Si含有負極活物質層にリチウム層を形成して、直接的ドープ法に好適なリチウム負極複合体を製造する新たな方法である。
実施例1のリチウム負極複合体の製造装置を模式的に表す説明図である。 実施例1のリチウム負極複合体の製造装置の要部を模式的に表す説明図である。 実施例1のリチウム負極複合体を模式的に表す説明図である。 実施例1のリチウム負極複合体の製造装置の要部を模式的に表す説明図である。 実施例1のリチウムドープ負極の製造方法を模式的に表す説明図である。 試験例1を説明する説明図である。 実施例2のリチウム負極複合体の製造装置を模式的に表す説明図である。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「x〜y」は、下限xおよび上限yをその範囲に含む。そして、これらの上限値および下限値、ならびに実施例中に列記した数値も含めてそれらを任意に組み合わせることで数値範囲を構成し得る。さらに数値範囲内から任意に選択した数値を新たな数値範囲の上限、下限の数値とすることができる。
本発明のリチウム負極複合体の製造方法は、集電体の両面にSi含有負極活物質層を形成し、各々の前記負極活物質層上に同時にリチウム層を形成してリチウム負極複合体を得る複合体形成工程を有する。
つまり、本発明のリチウム負極複合体の製造方法においては、集電体の両面にSi含有負極活物質層を形成し、各々の当該負極活物質層上に各々リチウム層を形成することで、直接的ドープ法に好適なリチウム負極複合体を製造する。
本発明のリチウム負極複合体の製造方法では、上記の複合体形成工程において、集電体の両面にSi含有負極活物質層を形成し、各々の当該Si含有負極活物質層上に同時にリチウム層を形成する。集電体の両側にSi含有負極活物質層が形成され、更に、何れのSi含有負極活物質層にもリチウムがドープされるため、本発明のリチウム負極複合体の製造方法で得られたリチウム負極複合体は、リチウムが負極活物質層にドープされても、反り等が生じ難い。このように、本発明のリチウム負極複合体の製造方法は、リチウム負極複合体の製造方法として非常に好適な方法といえる。以下、特に説明のない場合、Si含有負極活物質層を略して単に負極活物質層という。
本発明のリチウム負極複合体の製造方法において、複合体形成工程は、負極形成工程及びプレス工程を有し得る。
負極形成工程は、集電体の両面に負極活物質層を形成して負極とする工程であり、一般的な負極活物質層の形成方法を用い得る。
プレス工程は、リチウム箔を各々の負極活物質層上に積層し、2つのロール間でプレスして、集電体及び2層の負極活物質を有する負極と、2層のリチウム層と、を有するリチウム負極複合体を得る工程である。このような複合体形成工程を有する本発明のリチウム負極複合体の製造方法によると、2層の負極活物質層に略同時にリチウム箔を圧着し得る。負極活物質層へのリチウムのドープは、負極活物質層にリチウムが接触するだけでも徐々に進行するところ、上記のように各負極活物質層とリチウム箔とを同時にプレスし、両者を同時に圧着することで、2層の負極活物質層へのリチウムドープを略同時に行うことができ、上記した負極の反り等をより効率良く抑制し得る。
プレス工程は、集電体と負極活物質層とリチウム箔との負極積層体を2つのロール間でプレスすれば良く、ロールプレス装置と呼ばれるプレス装置を用いることができる。当該プレス装置におけるロールの数や各ロールから上記の負極積層体に作用する荷重等は、製造対象である負極の仕様に応じて適宜設定すれば良く、本発明では特に限定しない。
但し、ロールから負極積層体に作用する荷重が過少であれば、リチウム箔が負極活物質層に付着せず、負極活物質層へのリチウムドープが良好に為されない場合がある。また、ロールから負極積層体に作用する荷重が過大であれば、負極活物質層に破損等が生じる可能性がある。このような事情を考慮すると、ロールから負極積層体に作用する荷重は、0.01N/mm〜20N/mmの範囲内であるのが好ましく、0.1N/mm〜10N/mmの範囲内であるのがより好ましい。
プレス工程においては、上記のロールと負極積層体の間に、フィルムを介在させるのがより好ましい。ロールとリチウム箔とが強固に付着することを回避して、リチウム負極複合体を効率良く製造するためである。
リチウムは柔らかく変形し易い性質を有する。このようなリチウムを材料とするリチウム箔は取り扱い性に劣るため、負極活物質層上に変形や破損のないリチウム箔を積層することは非常に困難である。例えば、負極活物質層上に積層するためにリチウム箔を搬送する際には、リチウム箔が自重により変形等する可能性がある。また、例えば、リチウム箔が負極活物質層に積層された負極積層体をロールプレスする際には、リチウム箔がロールに強固に付着し、ロールが負極積層体から剥がれる際に、リチウム箔が変形又は破損する可能性がある。
破損したリチウム箔を有するリチウム負極複合体においては、負極活物質層上のリチウム層の厚さにむらが生じたり、負極活物質層上にリチウム層が形成されない部分が生じたりする。このようなリチウム負極複合体を直接的ドープ法に用いると、負極活物質にリチウムが一様にドープされず、リチウムドープを好適に行い難い。このため、プレス工程においてロールと負極積層体の間にフィルムを介在させ、リチウム箔とロールとの強固な付着を回避することは、リチウム負極複合体の製造上、非常に有用である。
また、プレス工程前においても、リチウム箔とフィルムとを重ねた状態で取り扱えば、例えば上記した搬送時におけるリチウム箔の自重による変形等を抑制でき、かつ、上記したとおりプレス工程においてロールと負極積層体の間にフィルムを介在させることができる。このため、当該態様はリチウム負極複合体の製造方法としてより一層好適であるといえる。
フィルムは特に限定しないが、リチウム箔を補強するという目的では、強度及び剛性に比較的優れる材料を選択するのが好ましい。また、コスト及びリチウム箔との反応性を考慮すると、フィルムは樹脂フィルムであるのが好ましい。例えば、ポリエチレン及びポリプロピレンに代表されるポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートに代表されるポリエステル等は、比較的安価であり、かつリチウム箔の補強用樹脂フィルムとして充分に機能し得るため、好ましく使用できる。
プレス工程においては、上記の樹脂フィルムと負極積層体の間に、潤滑剤や剥離層等を介在させるのがより好ましい。リチウム箔と樹脂フィルムとが強固に付着することを回避して、リチウム負極複合体を効率良く製造するためである。
以下、剥離層及び潤滑剤について説明する。
剥離層及び潤滑剤は、プレス工程において、樹脂フィルムと負極積層体の間に介在して、両者の強固な付着を抑制できれば良い。なお、樹脂フィルムを用いない場合にも、剥離層及び/又は潤滑剤がプレス工程において、ロールと負極積層体の間に介在すれば、リチウム箔とロールとの強固な付着を抑制でき、リチウム箔の破損等を抑制し得る。何れの場合にも、剥離層及び潤滑剤は上記の機能を発揮できれば良く、その材料は特に限定しない。
ここで、本明細書において、剥離層とは剥離剤を含有する層であり、剥離剤とはある程度の潤滑機能を発揮し得る材料でありかつ層として形をなし得る程度に流動性の低いものを指す。潤滑剤とは、剥離剤よりも流動性の高いもの、層として形をなし得ない程度の流動性を有するものを指す。
樹脂フィルムと負極積層体の間には、剥離層と潤滑剤との少なくとも一方を介在させれば良いが、少なくとも剥離層を介在させるのが好ましく、剥離層と潤滑剤との両方を介在させるのがより好ましい。
剥離層を樹脂フィルムと負極積層体との間に介在させる場合、剥離層は、上記の樹脂フィルムに一体に設けても良いし、プレス工程前に負極積層体と樹脂フィルムとの間に形成しても良い。樹脂フィルムとリチウム箔とを重ねて取り扱う場合には、当然乍ら、剥離層を予め樹脂フィルムに一体に設けておくのが好ましい。
また、剥離層をロールと負極積層体との間に介在させる場合、剥離層は、ロールに一体に設けても良いし、プレス工程前に負極積層体とロールとの間に形成しても良いが、プレス工程の作業効率を考慮すると、この場合の剥離層はロールに一体に設けるのが好ましい。
剥離層は、既知の剥離剤を含有するもので良く、特に限定しないが、シリコーンを含有する層であるのが好ましい。以下、必要に応じて、シリコーンを含有する剥離層をシリコーン層という。
シリコーン層を構成するシリコーンは、シロキサン結合による主骨格を持つ化合物であり、主として当該シロキサン結合に由来する各種の特性を有する。シリコーンの特性のうち、特に、相手材と固着し難い性質は、樹脂フィルム又はロールとリチウム箔とを圧着させることなく負極積層体をプレスすることに大きく寄与すると考えられる。本発明の発明者が、実際に、ロールとリチウム箔との間にシリコーン層を介在させた状態でリチウム箔の圧延を行ったところ、ロールとリチウム箔との間に他の剥離剤を介在させた場合に比べて、ロールとリチウム箔との強固な付着が大きく抑制された。また、樹脂フィルムとリチウム箔との間にシリコーン層と潤滑剤とを介在させてリチウム箔の圧延を行った場合には、樹脂フィルムとリチウム箔との間に潤滑剤のみを介在させた場合に比べて、樹脂フィルムとリチウム箔との強固な付着が大きく抑制された。
シリコーン層は、比較的変形し易く、相手材に対する一定程度の粘着性を示し、かつ、相手材に強固に固着し難いシリコーン材料で構成するのが好ましい。具体的には、シリコーン材料は、後述するシリコーンレジンでも良いが、付加硬化型又は過酸化物硬化型のシリコーン粘着剤であるのが好ましい。この種のシリコーン粘着剤は、優れた感圧粘着作用を示すことから、ラベル及びマスキングテープに代表される粘着テープ用の粘着剤として用いられている。
付加硬化型のシリコーン粘着剤は、下記一般式(1)で表されるシロキサン単位を繰り返し単位とするものが好ましく、当該繰り返し単位を主鎖とする直鎖構造を有しても良い。
SiO(4−y)×0.5 (1)
(式中Rは、それぞれ独立に、置換されていても良い炭素数1〜20の一価又は二価の
炭化水素基であり、yは1.0〜3.0である。)
上式(1)におけるyとしては1.5〜2.05が挙げられる。
上式(1)においてRで表される一価又は二価の炭化水素基の炭素数として、1〜14、1〜12の範囲を挙げることができる。当該炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基又はアルキレン基から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。Rの2以上はアルケニル基であっても良い。当該アルキル基の具体例としてはメチル基が挙げられる。当該アルケニル基の具体例としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基又はヘプテニル基から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。当該アリール基の具体例としてはフェニル基が挙げられる。
付加硬化型のシリコーン粘着剤としては、アルケニル基を有するオルガノポリシロキサンと、オルガノハイドロジェンポリシロキサンとを含むシリコーン粘着剤原料が付加反応により硬化したものが挙げられる。当該付加反応の速度を高めるため、付加反応触媒を用いても良い。
付加硬化型のシリコーン粘着剤が上式(1)で表されるシロキサン単位を繰り返し単位とする場合、オルガノポリシロキサンとしては下記一般式(1−1)で表されるシロキサン単位を含む化合物が挙げられる。
SiO(4−y)×0.5 (1−1)
(式中Rはそれぞれ独立にアルケニル基でありyは1.0〜3.0である。)
オルガノポリシロキサンとしては、上記一般式(1−1)で表されるシロキサン単位を繰り返し単位とするものが好ましく、当該繰り返し単位を主鎖とする直鎖構造を有しても良い。オルガノポリシロキサンは直鎖状であっても良いし、直鎖状の部分構造とともに分岐状及び/又は環状の部分構造を有しても良い。オルガノポリシロキサンの分子量は特に問わない。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、分子中にSiH基を有するものであり、その有機基については特に限定されない。オルガノハイドロジェンポリシロキサン1分子中のSiH基の数は特に限定せず、2〜300、3〜200、4〜150の範囲を挙げることができる。当該SiH基はオルガノポリシロキサンにおけるRのアルケニル基と反応し、付加硬化型のシリコーン粘着剤の硬化に寄与する。このため、オルガノハイドロジェンポリシロキサン1分子中におけるSiH基の数は2以上であるのが好ましい。オルガノハイドロジェンポリシロキサンは直鎖状であっても良いし分岐状であっても良い。
付加硬化型のシリコーン粘着剤の原料としては、KS−774、KS−775、KS−778、KS−779H、KS−847H、KR3700、KR3701、X−40−3237−1、X−40−3240、X−40−3291−1、X−40−3229、X−40−3270、X−40−3306(以上、信越化学工業株式会社製)、SD4584、SD4585、SD4560、SD4570、SD4600PFC、SD4593、(以上、東レ・ダウコ−ニング株式会社製)、TSR1512、TSR1516、XR37−B9204(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)等が挙げられる。付加硬化型のシリコーン粘着剤としては、これらを単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。2種以上のシリコーン粘着剤を併用する場合の具体的な組み合わせとして、信越化学工業株式会社製のKS−847Hと、東レ・ダウコ−ニング株式会社製のSD4584と、の組み合わせを挙げることができるが、これに限定されない。
また、後述するシリコーンレジンの原料をシリコーン粘着剤の原料と組み合わせてシリコーン層を形成しても良い。なお、東レ・ダウコ−ニング株式会社製のSD4584は3官能性又は4官能性のシロキサン単位を含むものであり、当該原料を用いて得られたシリコーン粘着剤は、シリコーンレジンと共通する特性を発揮し、粘着性と剥離性とのバランスの良いシリコーン層を形成し得ると考えられる。
付加反応触媒としては、上記の付加反応の触媒として機能し得るものを使用すれば良く、例えば、白金や白金化合物、白金の各種錯体等の各種白金系触媒、塩化ロジウム等のロジウム系触媒、パラジウム、塩化パラジウム等のパラジウム系触媒等を例示できる。
過酸化物硬化型のシリコーン粘着剤は、上記した付加硬化型のシリコーン粘着剤と異なり、有機過酸化物の存在下でオルガノポリシロキサンの硬化反応を行うものである。過酸化物硬化型のシリコーン粘着剤の材料となるオルガノポリシロキサンは、上記した付加硬化型のシリコーン粘着剤で説明したオルガノポリシロキサンと同様のものを用いても良いが、Rがアルキル基のものが好ましい。
有機過酸化物としては、分解して遊離酸素ラジカルを発生するものを用いれば良く、特に限定はない。過酸化物硬化型のシリコーン粘着剤の原料として使用可能な有機過酸化物の一例を挙げると、ジベンゾイルパーオキサイド、4,4’−ジメチルベンゾイルパーオキサイド、3,3’−ジメチルベンゾイルパーオキサイド、2,2’−ジメチルベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。
上記の各シリコーン粘着剤により、シリコーン層を形成するためには、上記の各原料を必要に応じて有機溶媒等の溶剤とともに混合し、樹脂フィルムに塗布して硬化反応を行えば良い。硬化反応と前後して、樹脂フィルム上のシリコーン粘着剤又はシリコーン粘着剤の原料を加熱しても良い。加熱により、溶剤の除去や、硬化反応の促進が可能である。
樹脂フィルムに設けるシリコーン層の材料としては、上記のシリコーン粘着剤以外にも、以下のシリコーンレジンを用いることもできる。既述したように、シリコーンレジンはシリコーン粘着剤と併用しても良い。シリコーンレジンを含有するシリコーン層は、シリコーン粘着剤を含有するシリコーン層に比べて、変形し難く粘着性の低い剥離層を構成し得る。また、当該性質により、シリコーンレジンはロールに一体に設けるシリコーン層の材料として好適である。更には、シリコーンレジンを材料とするシリコーン層は、後述するリチウム箔圧延工程で用いるロールの表面に形成しても良い。ドープ用のリチウム箔には薄く破損のないことが要求されるため、リチウム箔を圧延し薄いリチウム箔を得る際に、リチウム箔とロールとの強固な付着を抑制することは、リチウム負極複合体の製造上、非常に有用である。
以下、シリコーンレジンについて説明する。
シリコーンレジンは、既述したように、比較的変形し難く粘着性の低い特性を有する。具体的には、シリコーンレジンは、下記一般式(2)で表される2官能性のシロキサン単位、下記一般式(3)で表される3官能性のシロキサン単位、又は、下記一般式(4)で表される4官能性のシロキサン単位を含むポリオルガノシロキサン材料を含むのが好ましい。
SiO(0.5×2) (2)
SiO(0.5×3) (3)
SiO(0.5×4) (4)
(式中R、Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキル基、フェニル基、ビニル基、及び、アミノ基の何れかである。R、Rは同一であっても良いし異なっていても良い。)
上記一般式(2)〜(4)のシロキサン単位の何れかを含むポリオルガノシロキサン材料は、三次元網目構造の比較的硬いシリコーン層を構成し得る。
上記一般式(2)〜(4)のシロキサン単位の何れかを含むポリオルガノシロキサン材料の原料としては、それぞれ、下記一般式(2−1)〜(4−1)で表される化合物が挙げられる。
Si(OR (2−1)
Si(OR (3−1)
Si(OR (4−1)
(式中R、Rは、それぞれ独立に、H、炭素数1〜3のアルキル基、フェニル基、ビニル基、及び、アミノ基の何れかである。Rは炭素数1〜3のアルキル基である。R〜Rはそれぞれ同一であっても良いし異なっていても良い。)
当該ポリオルガノシロキサン材料の原料としては、上記一般式(2−1)で表される2官能性の化合物、上記一般式(3−1)で表される3官能性の化合物、又は、上記一般式(4−1)で表される4官能性の化合物の何れを用いても良く、当該原料において2官能性の化合物、3官能性の化合物及び4官能性の化合物の占める割合は特に問わない。当該原料に含まれるこれらの化合物のうち、2官能性の化合物の占める割合が多いとシリコーン層の可撓性が高まり、3官能性の化合物の占める割合が多いとシリコーン層が硬くなり、4官能性の化合物の占める割合が多いとシリコーン層がより硬くなるとされている。
ロール用のシリコーンレジンは3官能性のシロキサン単位を含むのが好ましく、3官能性のシロキサン単位及び2官能性のシロキサン単位を含むのがより好ましい。R、R及びRとしては、それぞれ、メチル基、プロピル基又はフェニル基を挙げることができる。また、シリコーンレジンの質量平均分子量としては300以上30000以下の範囲を挙げることができ、シリコーンレジン中の残存アルコキシ量としては2質量%以上50質量%以下の範囲を挙げることができる。
上記一般式(2)のシロキサン単位を含むシリコーンレジンの原料としては、メチルハイドロジェンジメトキシシラン、メチルハイドロジェンジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、メチルプロピルジメトキシシラン、メチルプロピルジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン等を例示できる。これらは2官能性のアルコキシシランである。
上記一般式(3)のシロキサン単位を含むシリコーンレジンの原料としては、KR220L、KR242A、KR271、KR282、KR300、KR311、KC89、KR500、KR212、KR213、KR9218、KR251、KR400、KR255、KR216、KR152(以上、信越化学工業株式会社製)、804RESIN、805RESIN、806ARESIN、840RESIN、SR2400、3037INTERMEDIATE、3074INTERMEDIATE、Z−6018、217FLAKE、220FLAKE、233FLAKE、249FLAKE、QP8−5314、SR2402、AY42−161、AY42−162、AY42−163(以上、東レ・ダウコーニング株式会社製)、SY231、SY550、SY300、SY409、SY430、IC836(以上、旭化成ワッカー株式会社製)を例示できる。これらは3官能性のアルコキシシラン及び/又はその誘導体を含有する。
上記一般式(4)のシロキサン単位を含むシリコーンレジンの原料としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシランを例示できる。その他、Mシリケート51、シリケート35、シリケート45、FR−3(以上、多摩化学工業株式会社製)、MSI51、ESI40、ESI48、EMSi48(以上、コルコート社製)、MS51、MS56(以上、三菱化学株式会社製)を例示できる。これらは4官能性のアルコキシシラン及び/又はその誘導体を含有する。
シリコーン層を構成するシリコーンレジンは、シリコーンレジンの原料つまりアルコキシシラン及び/又はその誘導体が脱水縮合反応することで生成する。シリコーンレジンの原料としては、上記(2−1)〜(4−1)のアルコキシシラン及び/又はその誘導体を1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
ロールや樹脂フィルムにシリコーン層を設ける方法は特に限定されず、既知のコート方法を用いれば良い。また、シリコーン層の厚さは、プレス時にリチウム箔に作用する応力に応じて適宜設定すれば良い。
ロールにシリコーン層を設ける場合、シリコーン層は、一方のロールにのみ設けても良いし両方のロールに設けても良い。但し、樹脂フィルムを用いずに負極積層体をプレスするプレス工程を行う場合や、後述するリチウム箔圧延工程においてリチウム箔を圧延する場合に、リチウム箔の破損等を抑制することを考慮すると、シリコーン層を両方のロールに設けるのが好ましい。
シリコーン層はロールと樹脂フィルムとの両方に設けても良い。つまり、本発明のリチウム負極複合体の製造方法のプレス工程において樹脂フィルムを用いる場合にも、負極積層体をプレスするためのロールとして、シリコーン層を有するロールを用いても良い。例えば、一方の負極活物質層上に形成したリチウム層は直接ロールに接触し、他方の負極活物質層上に形成したリチウム層の上には更に樹脂フィルムが重ねられた状態で、負極積層体をプレスする場合には、リチウム箔に接触するロールとしてシリコーン層を有するものを用いるのが好ましい。また、リチウム箔を圧延する場合に、シリコーン層を設けた樹脂フィルムをリチウム箔の一方の表面だけに重ねて圧延を行う場合には、リチウム箔の2表面のうち樹脂フィルムが重ねられていない側の表面に、シリコーン層を有するロールが面すると良い。
ところで、上記したように、ロールに設けるシリコーン層としては、シリコーンレジンを用いるのが好ましく、樹脂フィルムに設けるシリコーン層としては、シリコーン粘着剤を用いるのが好ましい。ロールに設けるシリコーン層と、樹脂フィルムに設けるシリコーン層とでは、リチウム箔から剥がされるタイミングが異なるためである。以下、必要に応じて、ロールとリチウム箔との間に樹脂フィルムを介在させるプレス方法をフィルムプレスといい、ロールとリチウム箔との間に樹脂フィルムを介在させないプレス方法を直接プレスという。
リチウム箔を有する負極積層体を2つのロールによりプレスする際に、2つのロールからリチウム箔に作用する圧縮応力は、2つのロールの距離が最も近くなる位置(以下、必要に応じて近接位置と呼ぶ)で最大となると考えられる。直接プレスの場合、リチウム箔が近接位置に到達する際に、上記の圧縮応力によりリチウム箔とロールとが密着する。そして、リチウム箔が近接位置を通過すると、リチウム箔に密着していたロールがリチウム箔から剥がれ、リチウム箔にはその際の応力が作用すると考えられる。
リチウム箔の任意の点を基準に考えると、直接プレスの場合には、ロールに設けられているシリコーン層にリチウム箔が接する時間は非常に短く、かつ、圧縮応力とロールが剥がれる際の応力とは比較的短い間隔でリチウム箔に作用する。このためロールに設けるシリコーン層は、リチウム箔の変形や破損を抑制すべく、リチウム箔に対する粘着力が小さくかつリチウム箔から容易に剥離するシリコーン材料、つまり、シリコーンレジンで構成するのが好ましい。
他方、フィルムプレスの場合には、ロールからリチウム箔に作用する圧縮応力は上記の近接位置において最大となるものの、その直後にリチウム箔に作用する応力は、上記した直接プレスの場合に比べて小さい。つまり、フィルムプレスの場合には、少なくとも一方のロールとリチウム箔との間にシリコーン層を有する樹脂フィルムが介在し、樹脂フィルムはプレス後にリチウム箔から剥がせば良い。したがってこの場合には、直接プレスの場合のように、圧縮応力が作用した直後に、樹脂フィルムがリチウム箔から剥がれる応力がリチウム箔に作用することはない。このため、樹脂フィルムに形成するシリコーン層には、ロールに形成するシリコーン層ほどに、粘着力の小ささやリチウム箔からの剥離し易さは要求されない。寧ろフィルムに形成するシリコーン層には、プレス時から樹脂フィルムを剥がすに至るまで、樹脂フィルムとリチウム箔との間に留まり得る程度の粘着力が望まれる。その点、シリコーン粘着剤は、上記したシリコーンレジンに比べて大きな粘着力を有するために、フィルムに形成するシリコーン層用のシリコーン材料として好適だと考えられる。
ところで、リチウム箔等の相手材に粘着したシリコーン粘着剤は、高速で相手材から剥がす場合には粘着力が比較的大きく、低速で相手材から剥がす場合には粘着力が比較的小さくなる性質を有する。このため、プレス後に、樹脂フィルムを低速でリチウム箔から剥がす場合には、リチウム箔に作用する応力すなわち樹脂フィルムがリチウム箔から剥がれる応力は過大にならず、リチウム箔の変形や破損は充分に抑制されると考えられる。このことによっても、シリコーン粘着剤は、フィルムに形成するシリコーン層用のシリコーン材料として好適だと考えられる。
本発明のリチウム負極複合体の製造方法において、Si含有負極活物質層上に積層するリチウム箔の厚さ、すなわち、Si含有負極活物質層にドープするリチウム量は、Si含有負極活物質層の不可逆容量に基づいて設定すれば良い。また、リチウム箔はSi含有負極活物質層上に積層するため、当該リチウム量とSi含有負極活物質層の不可逆容量とは、両者の単位面積あたりの量として設計すれば良い。
つまり、単位面積あたりのリチウム箔のリチウム量は、単位面積あたりのSi含有負極活物質層の不可逆容量をキャンセルし得るリチウム量に相当する量であるのが好ましい。
単位面積あたりのリチウム箔のリチウム量は、リチウム箔の厚さと相関する。リチウム箔の厚さが過小であれば、単位面積あたりのリチウム箔のリチウム量は過小となり、当該リチウム箔が重ねられたSi含有負極活物質層の不可逆容量が充分にキャンセルされず、リチウムイオン二次電池の容量が充分に向上しない。一方、リチウム箔の厚さが過大であれば、余分なリチウムがリチウムイオン二次電池内で異物となるおそれがあり、また、リチウムイオン二次電池のコストが高くなる。
Si含有負極活物質層の不可逆容量等を考慮し、かつ、余剰のリチウムをなるべく低減するためには、当該リチウム箔の厚さは1μm〜25μmであるのが好ましく、3〜20μmであるのがより好ましく、5〜15μmであるのが更に好ましい。
本発明のリチウム負極複合体の製造方法が、リチウム箔を圧延するリチウム箔圧延工程を有する場合、当該リチウム箔圧延工程で得られるリチウム箔の好適な厚さもまた、上記範囲のとおりである。
なお、上記した「単位面積あたりのSi含有負極活物質層の不可逆容量をキャンセルし得るリチウム量」は、以下のように算出すれば良い。
先ず、「単位面積あたりのSi含有負極活物質層の不可逆容量」は、Si含有負極活物質層を有する負極を参照極とし、金属リチウムを対極として実際に製造した試験用のリチウム二次電池(所謂ハーフセル)の測定値を基に算出すれば良い。具体的には、(初回充電容量)−(初回放電容量)で算出したハーフセルの負極活物質層の不可逆容量を基にSi含有負極活物質の質量あたりの不可逆容量を算出する。そして、その算出結果から、本発明のリチウムドープ負極における負極活物質層の単位面積あたりの不可逆容量を算出する。
なお、初回充電容量とは、リチウム対極と負極との電位差が0.01Vとなるまで初回充電したときの容量をいう。初回放電容量とは、初回充電後のハーフセルを、リチウム対極と負極との電位差が0.8Vとなるまで放電したときの容量をいう。ここでいう充電とは対極のリチウムイオンが参照極に移動することをいい、放電とは充電後の参照極から対極にリチウムイオンが移動することをいう。また、このとき充放電は0.01C〜0.05C程度の低電流で行うものとする。1Cとは一定電流において1時間で電池を完全充電又は完全放電させるために要する電流値を意味する。
上記した「単位面積あたりのSi含有負極活物質層の不可逆容量をキャンセルし得るリチウム量」は、上記の「単位面積あたりのSi含有負極活物質層の不可逆容量」と等量の容量となるリチウム量である。リチウムの容量としては、金属リチウムの理論容量である3861mAh/gを用いれば良い。
さらに、単位面積あたりのリチウム箔のリチウム量を(A)とし、単位面積あたりのSi含有負極活物質層の不可逆容量をキャンセルし得るリチウム量を(B)とすると、当該(A)と(B)との関係は、0.8<(A)/(B)<1.2を満たすのが良い。
また、一般に、リチウムイオン二次電池では、リチウムイオン二次電池内で異物となる余分なリチウムが生じないように電池設計を行っている。具体的には、負極が受け入れ得るリチウム量を(C)とし、正極が放出し得るリチウム量を(D)とすると、C>Dの関係を満たせば良い。
これを考慮し、本発明のリチウムドープ負極を有する本発明のリチウムイオン二次電池では、1.05<C/(D+リチウム箔のリチウム量)<1.5の関係を満たすよう電池設計を行うのが好ましい。
ここで、負極が受け入れ得るリチウム量(C)は、上記したハーフセルの初回充電容量から算出される単位質量あたりの負極活物質の容量を基に算出できる。正極が放出し得るリチウム量(D)は、製造対象であるリチウムイオン二次電池に使用する正極を具備するリチウムイオン二次電池を製造し、当該正極が可逆的に充放電できる最大容量とすれば良い。
プレス工程に用いるロールの材料は特に限定されないが、リチウム箔に充分な荷重を作用させるためには、硬い材料を用いるのが好ましい。2つのロールの各々は、異なる材料で構成されても良いし異なる大きさであっても良いが、荷重やロールの回転速度等の設定を容易に行うためには同じ材料で構成され同じ大きさであるのが好ましい。
具体的にはロールの材料は、ビッカース硬さ50HV以上であるのが好ましく、70HV以上であるのがより好ましく、100HV以上であるのが更に好ましく、150HV以上であるのがなお好ましい。ビッカース硬さ50HV以上の材料を例示すると、ステンレス鋼、ニッケル、ニッケル鋼、ニッケルモリブデンクロム系合金、ニッケルクロム鉄系合金、タングステン、タングステン鋼、モリブデン、チタン、チタン合金、アルミニウム青銅、真鍮、銅合金、炭素鋼等の金属材料が挙げられる。価格、加工性等を勘案すると、このうちステンレス鋼を用いるのが特に好ましい。
なお、ここでいうロールの材料とは、ロールにシリコーン層等の剥離層を設ける場合には、剥離層以外の部分の材料を指す。つまり、剥離層を一体に有するロールは、ロール基材と当該ロール基材上に設けられた剥離層とで構成されるということができ、この場合、上記のロールの材料とはロール基材の材料を指す。
プレス工程において、上述した剥離層と併用するか或いは剥離層にかえて、潤滑剤を使用しても良い。潤滑剤は、ロールとリチウム箔との間、又は、樹脂フィルムとリチウム箔との間に介在するのが良く、何れの場合にも、剥離層とリチウム箔との間に介在するのが好ましい。剥離層と潤滑剤とを併用することで、ロールや樹脂フィルムへのリチウム箔の圧着を抑制でき、プレスによるリチウム箔の変形や破損をさらに抑制できると考えられる。特に剥離層としてシリコーン層を用いる場合に、剥離層と潤滑剤とを併用することで、リチウム箔の破損抑制効果をより高め得る。潤滑剤としては、シリコーン層等の剥離層となじみが良く、かつ、リチウムに対する反応性の低いものを用いるのが好ましい。
潤滑剤には、剥離層、ロール及び樹脂フィルムへのリチウム箔の強固な付着を抑制できるものが用いられる。また潤滑剤は、プレス時には剥離層、ロール又はフィルムとリチウム箔との間に留まる程度に揮発性が低く、かつ、リチウム負極複合体から容易に除去できる程度に揮発性の高い性質を有するのが好ましい。これらを満たす潤滑剤としては、非プロトン性有機溶媒が挙げられる。具体的には、20℃における蒸気圧が0.3〜65.0kPaの範囲にあるか、又は、25℃における蒸気圧が0.5〜100kPaの範囲にあるものを用いるのが好ましい。
潤滑剤として、具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、エチルメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、フルオロメチルメチルカーボネート、ジフルオロメチルメチルカーボネート、2,2,2−トリフルオロエチルメチルカーボネート、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネート、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、アクリロニトリル、ジメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,2−ジオキサン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、2−メチルテトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン、N,N−ジメチルアセトアミド、イソプロピルイソシアネート、n−プロピルイソシアネート、クロロメチルイソシアネート、ジメチルアセタール、ジエチルエーテル、メチルイソブチルケトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、プロピオン酸メチル、酢酸ビニル、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、グリシジルメチルエーテル、エポキシブタン、2−エチルオキシラン、オキサゾール、2−エチルオキサゾール、オキサゾリン、2−メチル−2−オキサゾリン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、無水酢酸、1−ニトロプロパン、2−ニトロプロパン、フラン、γ−ブチロラクトン、チオフェン、ピリジン、1−メチルピロリジン、N−メチルモルフォリン等が挙げられる。本発明のリチウム負極複合体の製造方法においては、これらの非プロトン性有機溶媒を1種又は2種以上組み合わせて、潤滑剤として用いれば良い。
潤滑剤としては、上記の非プロトン性有機溶媒のうち、20℃における蒸気圧が0.5〜10kPaの範囲にあるか、又は、25℃における蒸気圧が1.0〜20kPaの範囲にあるものを用いるのが特に好ましい。また、潤滑剤としては、炭素数7以下の飽和炭化水素を用いるのが特に好ましい。
具体的には、潤滑剤としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、メチルイソブチルケトン、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネートから選ばれる少なくとも1種を用いるのが特に好ましい。なお、これらの非プロトン性有機溶媒は、上記の条件を満たすだけでなく、リチウムイオン二次電池の電解液に用いられているものであるか、或いは、充分に揮発せずリチウムイオン二次電池に持ち込まれたとしてもリチウムイオン二次電池の性能を悪化させ難い利点がある。
また、潤滑剤には、上記した2つのロールの近接箇所においてロールとリチウム箔との間又は樹脂フィルムとリチウム箔との間に一様に広がることができる程度の流動性を示すことが期待される。本明細書においては、当該潤滑剤の流動性を潤滑剤の粘度によって規定する。潤滑剤は、20℃における粘度が2.00パスカル秒以下であるのが好ましく、1.00パスカル秒以下であるのがより好ましい。なお、20℃におけるヘキサンの粘度は0.0003パスカル秒程度、20℃におけるエチルメチルカーボネートの粘度は0.0007パスカル秒程度とされている。
プレス工程に用いるリチウム箔としては、市販のものを用いても良いが、本発明のリチウム負極複合体の製造方法においては薄いリチウム箔を用いるのが好ましいため、市販のリチウム箔を更に圧延して用いても良い。つまり、本発明のリチウム負極複合体の製造方法は、薄いリチウム箔を得るためのリチウム箔圧延工程を有しても良い。リチウム箔圧延工程は、比較的厚いリチウム箔を圧延して、薄いリチウム箔を得る工程である。以下、必要に応じて、圧延前のリチウム箔をリチウム原箔といい、圧延後のリチウム箔を圧延リチウム箔という。
リチウム箔圧延工程に用いる圧延装置としては、上記したプレス工程と同様のプレスロールを用いれば良い。負極積層体の圧延の際に問題となるロールとリチウムとの強固な付着については、リチウム箔の圧延の際にも生じる問題であるため、リチウム箔圧延工程においても、ロールとリチウム箔との間に樹脂フィルムを介在させるのが好ましく、ロール又は樹脂フィルムとリチウム箔との間に剥離層及び/又は潤滑剤を介在させるのが好ましい。ロール、樹脂フィルム、剥離層及び潤滑剤については既述したとおりである。以下、必要に応じて、樹脂フィルムを重ねたリチウム原箔をロールで圧延する態様をフィルム圧延といい、樹脂フィルムを重ねないリチウム原箔をそのままロールで圧延する態様を直接圧延という。
既述したように、リチウムは柔らかく変形し易い性質を有する。本発明の発明者は、このような性質を有するリチウム箔を薄く加工するために、様々な条件でリチウム箔の圧延を繰り返し、リチウムドープの使用に耐える薄くかつ破損の抑制されたリチウム箔の製造を試みた。その過程で、プレスロールにより圧延した場合に、リチウム箔の圧延方向におけるリチウム箔の変形量は大きいが、当該圧延方向と直交するリチウム箔の幅方向においては当該変形量は殆どないことを見出した。ここでいうリチウム箔の圧延方向とは、2つのロールにより圧延されるリチウム箔が搬送される方向ともいえる。さらに換言すると、当該圧延方向は、後述する図1中の後側−先側方向ともいえる。また、リチウム箔の幅方向とは、同じく後述する図1中の紙面奥側−紙面手前側方向といえる。発明者は、この発見を基に、リチウム箔圧延工程を最適化することに到達した。
つまり、圧延前後でリチウム箔の幅が変わらないことから、負極活物質層の幅を基に、リチウム原箔の幅を設定できる。これは以下の理由による。
巻き出しロールに巻かれた材料を巻き出しつつ処理を施して巻き取りロールに巻き取る、所謂ロール・ツー・ロール(Roll to Roll)方式が知られている。本発明のリチウム負極複合体の製造方法におけるプレス工程にも、例えば後述する実施例1のように、巻き出しロールから負極を巻き出しつつ、当該負極の負極活物質層上に圧延リチウム箔を積層しプレスしてリチウム負極複合体とし、再び巻き取りロールに巻き取るロール・ツー・ロール方式を採用できる。当該ロール・ツー・ロール方式でプレス工程を行う際には、巻き出しロールに巻いておく負極活物質層の幅と、当該負極活物質層上に積層する圧延リチウム箔の幅と、を精密に設定しておく必要がある。
つまり、例えば負極活物質層の幅に対して圧延リチウム箔の幅が過大であれば、圧延リチウム箔が負極活物質層から大きくはみ出す。このため、余剰のリチウムつまり負極活物質層にドープされないリチウムをリチウムイオン二次電池に持ち込まないためには、当該はみ出した圧延リチウム箔を切断する等の工程が必要となる。圧延リチウム箔の幅は、具体的には、負極活物質層の幅よりも僅かに小さくするのが良い。
また、例えば負極活物質層の幅に対して圧延リチウム箔の幅が過少であれば、負極活物質層のなかでリチウムがドープされない部分が多くできるため、余剰の負極活物質層を切断する等の工程が必要となる。
圧延リチウム箔が負極に積層されたリチウム負極複合体の状態で上記の切断を行うと、負極活物質層やリチウム箔が破損して製造ロスが生じる可能性があるため、このような工程はリチウム負極複合体やリチウムイオン二次電池の製造上、好ましいとは言い難い。
この問題を回避するためには、プレス工程前に、圧延リチウム箔の幅及び負極活物質層の幅を適宜整形しておく必要があり、具体的には、プレス工程前に圧延リチウム箔又は負極を切断等する工程が必要だと考えられる。
しかしながら、上記したように、圧延前後でリチウム箔の幅が変わらなければ、製造しようとする負極活物質層の幅に応じた幅のリチウム原箔を準備すれば良く、上記した圧延リチウム箔又は負極を切断する工程が不要となる。そして、リチウム負極複合体をこのような方法で製造すれば、リチウム負極複合体の製造コスト低減に多大な効果がある。
なお、参考までに、正極における正極活物質層の幅は、圧延リチウム箔の幅よりも僅かに小さいのが良い。これは、後述するようにリチウム負極複合体と正極とを重ねて電池容器内に入れ、当該電池容器に電解液を注液するドープ工程によって負極活物質層へのリチウムのドープを行う場合に、特に有用である。この場合には、リチウムイオン二次電池の製造時において、リチウムドープされた負極活物質層に正極活物質層の全面が対面するリチウムイオン二次電池を容易に製造できる利点がある。
リチウム原箔の幅は、負極活物質層の幅以下であり、かつ、リチウム原箔の幅と負極活物質層の幅との差は5mm以内であるのが好ましい。リチウム原箔の幅は、負極活物質層の幅未満であり、リチウム原箔の幅と負極活物質層の幅との差は3mm以内であるのがより好ましく、1mm以内であるのが更に好ましい。更に、リチウム原箔の幅は、正極活物質層の幅以上であり、かつ、リチウム原箔の幅と正極活物質層の幅との差は5mm以内であるのが好ましい。リチウム原箔の幅は、正極活物質層の幅を超え、リチウム原箔の幅と負極活物質層の幅との差は3mm以内であるのがより好ましく、1mm以内であるのが更に好ましい。
リチウム箔圧延工程において、ロールからリチウム原箔に作用する荷重は0.1kN〜3.0kNであるのが好ましい。当該荷重がこの範囲を超えると、圧延時にリチウム原箔がロールに圧着してしまい、圧延リチウム箔に変形又は破損が生じるおそれがある。また、当該荷重がこの範囲を下回る場合には、何度もロールプレスを行う必要があり、圧延リチウム箔の製造コストが高くなる可能性がある。なお、圧延時にロールからリチウム原箔に作用する荷重は0.5kN〜2.0kNであるのがより好ましく、1.0kN〜1.5kNであるのが更に好ましい。
また、リチウム箔圧延工程においてロールからリチウム原箔に作用する荷重は1.0N/mm〜30N/mmであるのが好ましく、0.5N/mm〜20N/mmであるのが更に好ましい。
ところで、リチウム箔圧延工程において、二つのロールの間で圧延されるリチウム原箔は、二つのロールによって圧縮されるだけでなく、二つのロールの回転に伴って搬送される。つまり、このときリチウム原箔には、厚さ方向の圧縮力だけでなく、搬送方向の張力が作用するといえる。
既述したように、リチウム箔は非常に柔らかく延び変形し易いため、直接圧延において非常に薄いリチウム原箔を用いる場合には、圧延時の張力に当該リチウム原箔が抗し得ず、破損するおそれがある。
更に、取り扱い性を考慮すると、リチウム箔圧延工程により得られた圧延リチウム箔は巻き取りロールに巻き取るのが良いと考えられる。しかし、直接圧延において非常に薄い圧延リチウム箔を巻き取りロールに巻き取る際や、当該巻き取った圧延リチウム箔を巻き出して使用する際には、巻き取り時又は巻き出し時の張力に当該圧延リチウム箔が抗し得ず、破損するおそれがある。
これに対して、フィルム圧延を行う場合には、樹脂フィルムによってリチウム原箔が裏打ちされるため、上述したリチウム原箔や圧延リチウム箔の張力による破損を抑制できる利点がある。
なお、ここでいう非常に薄いリチウム原箔の厚さ及び非常に薄い圧延リチウム箔の厚さとしては、厚さ20μm以下、厚さ10μm以下が例示される。つまり、フィルム圧延によるリチウム箔圧延工程は、厚さ20μm以下又は厚さ10μm以下等のリチウム原箔を圧延する工程、及び、当該厚さの圧延リチウム箔を製造する工程として有用であるといえる。さらに、フィルム圧延によるリチウム箔圧延工程は、当該厚さの圧延リチウム箔を樹脂フィルムとともに巻き取る工程を備え得る。
リチウム箔を圧延するためのロールとしては、上記した金属製のロールの他にも、樹脂製のロールが挙げられる。樹脂製のロールは金属製のロールに比べてリチウム箔とのなじみ性が低いために、樹脂製のロールを用いることでリチウム箔圧延工程におけるロールへのリチウム箔の圧着を抑制し得る。
しかしその一方で、樹脂製のロールは、金属製のロールに比べて成形精度が低いために、偏心した形状となり易い。ロールが偏心していれば、当該ロールによってリチウム箔を寸法精度高く圧延することは困難である。
例えば、目標とする圧延リチウム箔の厚さが20μmである場合、金属製のロールによると厚さ20μm±1〜2μm程度の圧延リチウム箔を得ることができるが、樹脂製のロールにより得られる圧延リチウム箔の厚さは20μm±5μm程度に留まる。
このため従来は、ロールへのリチウム箔の圧着を考慮すると樹脂製のロールを用いるのが好ましい反面、圧延リチウム箔の寸法精度を考慮すると金属製のロールを用いるのが良いという背反した事情があった。
リチウム箔圧延工程において、ロールとリチウム箔との間にシリコーン層を介在させることで、ロールへのリチウム箔の圧着を抑制できるため、金属製のロールを使用でき、寸法精度の高い圧延リチウム箔を製造し得る利点がある。なお、ここでいう金属製のロールとは、フィルム圧延に用いるロールであっても良いし、直接圧延に用いるロール基材であっても良い。つまり、リチウム箔圧延工程における圧延方法がフィルム圧延の場合にも、直接圧延の場合にも、金属製のロールまたは金属製のロール基材を用いることで、寸法精度高く圧延リチウム箔を製造できる利点がある。
本発明のリチウム負極複合体の製造方法で得られたリチウム負極複合体におけるリチウムのドープは、リチウム負極複合体をそのまま放置しておくだけでも徐々に進行する。しかし、リチウム負極複合体を電解液に接触させることで、リチウムのドープ速度を早めることができる。
具体的には、電解液としては、有機溶媒とリチウム塩とを含むものを用いれば良い。有機溶媒及びリチウム塩については、後述するリチウムイオン二次電池用の電解液に使用できるものを用いれば良い。リチウム負極複合体を電解液に接触させる工程をドープ工程と呼ぶ。ドープ工程により、負極活物質層上に設けられたリチウム層のリチウムは負極活物質層に移行する。したがって、ドープ工程後のリチウム負極複合体においては、実質的に、リチウム層が消失し、集電体上にはリチウムが一体化した一層構造の負極活物質層のみが残存する。したがって、ドープ工程後のリチウム負極複合体は、リチウムの剥離等を考慮しなくても良くなり、取り扱い性が向上する。
なお、この技術思想を基に、本発明を、当該ドープ工程を有するリチウムドープ負極の製造方法に関する発明と捉えることもできる。
ドープ工程において、リチウム負極複合体は、それ単体で電解液に接触させても良いし、正極等の負極以外の電池構成材料とともに電池容器内で電解液に接触させても良い。
リチウム負極複合体を単体で電解液に接触させてドープ工程を行う場合には、上記したようにリチウム負極複合体の取り扱い性が向上し、リチウムイオン二次電池の組立作業が容易になる。また、負極活物質層は多数の細孔を有する多孔質であり、当該細孔の体積分だけ密度の増大を許容し得ると考えられる。したがって、ドープ工程においてリチウムがドープされた負極活物質層は、実質的に、消失したリチウム層の分だけ外形が小さくなり、その一方で密度が高まると考えられる。その結果、ドープ工程後のリチウムドープ負極の厚さは、ドープ工程前のリチウム負極複合体の厚さに比べて薄くなると考えられる。
このため、同じ大きさの電池容器に入れることのできるリチウムドープ負極の量は、リチウム負極複合体の量に比べて多い。換言すると、リチウムドープ負極は、リチウム負極複合体に比べて、電池容器に高密度で充填できる。よって、この場合には、容量の大きなリチウムイオン二次電池を製造できるといえる。
一方、リチウム負極複合体を、正極等の負極以外の電池構成材料とともに電池容器内で電解液に接触させる場合には、リチウムイオン二次電池の製造工数が低減する。また、上述したように、リチウムドープ後のリチウムドープ負極の体積は、リチウムドープ前のリチウム負極複合体の体積に比べて減少する。したがって、電池容器内でリチウム負極複合体を電解液と接触させてリチウムドープを進行させる場合には、リチウムドープ前のリチウム負極複合体の体積とリチウムドープ後のリチウムドープ負極との差の分、電池容器内に空間的な余裕が生じる。よってこの場合には、負極の膨張時にも、負極等の電池構成要素に大きな応力が作用し難く、充放電に伴う負極の膨張に長期間耐え得るリチウムイオン二次電池、すなわち、耐久性に優れるリチウムイオン二次電池が得られるといえる。
ところで、プレス工程においてロールとリチウム箔との間にフィルムを介在させて負極積層体をプレスする場合、プレス後のリチウム負極複合体の表面にはフィルムが重ねられたまま残存する。上記したように、このフィルムをリチウム負極複合体から剥がす際には、リチウム箔からなるリチウム層に応力が作用するため、当該応力が過大であれば、リチウム層の破損等が生じる可能性がある。
しかし、当該フィルムを重ねたままでリチウム負極複合体をドープ工程に供すれば、上記のリチウム層の破損等を抑制することができる。つまり、ドープ工程によってリチウム層のリチウムは負極活物質層に移動するため、ドープ工程後のフィルムはリチウム箔を欠き、当該フィルムと負極活物質層との密着性も低い。このため、ドープ工程後のフィルムはリチウム負極複合体から容易に剥がれる。また、リチウム箔は負極活物質層にドープされ消失しているため、リチウム箔の破損も生じ得ない。
本発明のリチウム負極複合体を有する本発明のリチウムイオン二次電池は、当該リチウム負極複合体、正極体、電解液及び必要に応じてセパレータを具備する。正極体は、正極用集電体と、当該正極用集電体上に設けられた正極活物質層と、を有する。リチウム負極複合体は、負極用集電体と、当該負極用集電体の両面に各々設けられた負極活物質層と、各々の負極活物質層上に設けられたリチウム層と、を有する。また、負極活物質層はSi含有負極活物質層であり、負極活物質層に含まれるSiは負極活物質に由来する。
Si含有負極活物質としては、ケイ素単体、ケイ素単体と二酸化ケイ素に不均化するSiO(0.3≦x≦1.6)などのケイ素系材料、ケイ素単体若しくはケイ素系材料と後述する炭素系材料等を組み合わせた複合体が挙げられる。更には、ケイ素系材料として、特許文献5に開示されるシリコン材料を用いることも好ましい。特許文献5には、複数枚の板状シリコン体が厚さ方向に積層されてなる構造を有するシリコン材料が開示されている。そして当該特許文献5には、CaSiと酸とを反応させてCaを除去したポリシランを主成分とする層状シリコン化合物を合成し、当該層状シリコン化合物を300℃以上で加熱して水素を離脱させたシリコン材料を製造したこと、及び、当該シリコン材料を活物質として具備するリチウムイオン二次電池が記載されている。
Si含有負極活物質層には、その他の負極活物質を併用しても良い。当該その他の負極活物質としては、一般的な負極活物質、すなわち、炭素、ゲルマニウム、錫などの14族元素、アルミニウム、インジウムなどの13族元素、亜鉛、カドミウムなどの12族元素、アンチモン、ビスマスなどの15族元素、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、銀、金などの11族元素の少なくとも1種の単体、化合物または合金を選択すれば良い。上記合金又は化合物の具体例としては、Ag−Sn合金、Cu−Sn合金、Co−Sn合金等の錫系材料、各種黒鉛などの炭素系材料、が挙げられる。また、負極活物質として、Nb、TiO、LiTi12、WO、MoO、Fe等の酸化物、又は、Li3−xN(M=Co、Ni、Cu)で表される窒化物を採用しても良い。負極活物質として、これらの一種以上を使用することができる。
負極活物質層は、Si含有負極活物質の他に、必要に応じて、導電助剤、結着剤、分散剤等の添加剤を適宜適当な量で含有し得る。なお、正極活物質層もまた同様に、後述する正極活物質の他に、これらの添加剤を適宜適当な量で含有し得るため、以下の項では負極活物質層及び正極活物質層を包括して説明する。以下、必要に応じて、負極及び正極を包括して電極といい、負極活物質及び正極活物質を包括して活物質といい、負極活物質層及び正極活物質層を包括して活物質層という。
導電助剤は、電極の導電性を高めるために添加される。導電助剤は化学的に不活性な電子高伝導体であれば良く、炭素質微粒子であるカーボンブラック、黒鉛、気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber)、及び各種金属粒子等が例示される。カーボンブラックとしては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、ファーネスブラック、チャンネルブラック等が例示される。これらの導電助剤を単独または二種以上組み合わせて活物質層に添加することができる。
結着剤は、活物質等を集電体の表面に繋ぎ止める役割を果たすものである。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂を例示することができる。また、結着剤として、親水基を有するポリマーを採用してもよい。親水基を有するポリマーの親水基としては、カルボキシル基、スルホ基、シラノール基、アミノ基、水酸基、リン酸基が例示される。親水基を有するポリマーの具体例として、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポリメタクリル酸、ポリ(p−スチレンスルホン酸)を挙げることができる。
導電助剤及び結着剤以外の分散剤などの添加剤は、公知のものを採用することができる。
集電体は、リチウムイオン二次電池の放電又は充電の間、電極に電流を流し続けるための化学的に不活性な電子高伝導体をいう。集電体としては、銀、銅、金、アルミニウム、マグネシウム、タングステン、コバルト、亜鉛、ニッケル、鉄、白金、錫、インジウム、チタン、ルテニウム、タンタル、クロム、モリブデンから選ばれる少なくとも一種、並びにステンレス鋼などの金属材料を例示することができる。
集電体は公知の保護層で被覆されていても良い。集電体の表面を公知の方法で処理したものを集電体として用いても良い。
また、集電体は箔、シート、フィルム、線状、棒状、メッシュなどの形態をとることができる。そのため、集電体として、例えば、銅箔、ニッケル箔、アルミニウム箔、ステンレス箔などの金属箔を好適に用いることができる。
集電体の表面に活物質層を形成するには、ロールコート法、ダイコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法、カーテンコート法などの従来から公知の方法を用いて、集電体の表面に活物質を有する電極合材を塗布すればよい。具体的には、活物質、溶剤、並びに必要に応じて結着剤及び導電助剤を混合してスラリー状の電極合材とし、当該スラリー状の電極合材を集電体の表面に塗布後、乾燥する。溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、メタノール、メチルイソブチルケトン、水を例示できる。電極密度を高めるべく、乾燥後のものを圧縮しても良い。
なお、本発明のリチウムイオン二次電池が複数の負極を有する場合、少なくとも一つの負極が本発明のリチウムドープ負極であれば良い。つまり本発明のリチウムイオン二次電池は、本発明のリチウムドープ負極以外の負極を有しても良い。当該負極は、集電体の片面にだけ負極活物質層を有するものであっても良いし、更にはリチウムドープされたものでなくても良い。
正極に用いる正極活物質については特に限定されず、リチウムイオン二次電池用の一般的な正極活物質を使用し得る。
リチウムイオン二次電池用の一般的な正極活物質としては、層状岩塩構造の一般式:LiNiCoMn(0.2≦a≦2、b+c+d+e=1、0≦e<1、DはW、Mo、Re、Pd、Ba、Cr、B、Sb、Sr、Pb、Ga、Al、Nb、Mg、Ta、Ti、La、Zr、Cu、Ca、Ir、Hf、Rh、Fe、Ge、Zn、Ru、Sc、Sn、In、Y、Bi、S、Si、Na、K、P、Vから選ばれる少なくとも1の元素、1.7≦f≦3)で表されるリチウム複合金属酸化物、LiMnOを挙げることができる。また、正極活物質として、LiMn等のスピネル構造の金属酸化物、スピネル構造の金属酸化物と層状化合物の混合物で構成される固溶体、LiMPO、LiMVO又はLiMSiO(式中のMはCo、Ni、Mn、Feのうちの少なくとも一種から選択される)などで表されるポリアニオン系化合物を挙げることができる。さらに、正極活物質として、LiFePOFなどのLiMPOF(Mは遷移金属)で表されるタボライト系化合物、LiFeBOなどのLiMBO(Mは遷移金属)で表されるボレート系化合物を挙げることができる。正極活物質として用いられるいずれの金属酸化物も上記の組成式を基本組成とすればよく、基本組成に含まれる金属元素を他の金属元素で置換したものも使用可能である。
上記した本発明のリチウム負極複合体又はリチウムドープ負極は、正極及び必要に応じて既知のセパレータとともに電池容器に入れ、電解液を注入してリチウムイオン二次電池とすれば良い。
電解液は、有機溶媒と当該有機溶媒に溶解されたリチウム塩とを含む。
有機溶媒としては、環状エステル類、鎖状エステル類、エーテル類等が使用できる。環状エステル類としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ガンマブチロラクトン、ビニレンカーボネート、2−メチル−ガンマブチロラクトン、アセチル−ガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトンを例示できる。鎖状エステル類としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル等を例示できる。エーテル類としては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタンを例示できる。電解液には、これらの有機溶媒を単独で用いてもよいし、又は、複数を併用してもよい。
リチウム塩としては、LiClO、LiAsF、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO等を例示できる。
電解液としては、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネートなどの有機溶媒に、LiClO、LiPF、LiBF、LiCFSOなどのリチウム塩を0.5mol/lから1.7mol/l程度の濃度で溶解させた溶液を例示できる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。また、実施形態及び以下の実施例を含む本明細書に示した各構成要素は、それぞれ任意に抽出し組み合わせて実施することができる。
以下に、試験例及び実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
(リチウム負極複合体の製造)
実施例1のリチウム負極複合体の製造装置を用いる実施例1のリチウム負極複合体の製造方法を模式的に表す説明図を図1に示し、図1におけるA部分の要部拡大図を図2に示す。実施例1のリチウム負極複合体の製造方法で得られる実施例1のリチウム負極複合体を模式的に表す説明図を図3に示す。図1におけるB部分の要部拡大図を図4に示す。実施例1のリチウムドープ負極の製造方法を模式的に表す説明図を図5に示す。以下、上、下、先、後とは、図1に示す上、下、先、後を指す。
実施例1のリチウム負極複合体の製造方法は、図1に示すロールプレス装置1を用いて行う。
図1に示すように、ロールプレス装置1は、ロールプレス部2、搬送部3、及びリチウム箔供給部4を備える。
ロールプレス部2は、第1ロール21及び第2ロール22と、第1ロール21及び第2ロール22を回転駆動する図略のプレス駆動部とを有する。第1ロール21及び第2ロール22は、ステンレス鋼製であり、互いに平行になるよう上下に配列している。
図略のプレス駆動部は、電動モータで構成されている。当該プレス駆動部に駆動されて、第1ロール21は図1中反時計回りに回転し、第2ロール22は図1中時計回りに回転する。
搬送部3は、負極巻き出しロール31と、負極巻き取りロール32と、負極巻き出しロール31及び負極巻き取りロール32を回転駆動する図略の搬送駆動部と、4つの補助ロール(第1補助ロール33、第2補助ロール34、第3補助ロール35、第4補助ロール36)と、で構成されている。負極巻き出しロール31には負極90が巻かれている。負極巻き取りロール32は、後述するとおり、負極90を有するリチウム負極複合体95を巻き取る。したがって、負極巻き出しロール31と負極巻き取りロール32との間には、負極90が架け渡される。
図2に示すように、負極90は、負極用集電体91と、負極用集電体91の一方の面に形成されている第1負極活物質層92と、負極用集電体91の他方の面に形成されている第2負極活物質層93と、を有する。負極巻き出しロール31と負極巻き取りロール32との間に架け渡された負極90は、第1負極活物質層92を上に向け、第2負極活物質層93を下に向ける。
負極巻き出しロール31はロールプレス部2よりも後側に配置され、負極巻き取りロール32はロールプレス部2よりも先側に配置されている。負極巻き出しロール31及び負極巻き取りロール32には、電動モータからなる図略の搬送駆動部が接続されている。搬送駆動部に駆動され、負極巻き出しロール31及び負極巻き取りロール32は図1中時計回りに回転する。つまり、負極巻き出しロール31は図1中後側から先側に向けて負極90を巻き出し、負極巻き取りロール32は後側から先側に向けてリチウム負極複合体95を巻き取る。第1補助ロール33〜第4補助ロール36については後述する。
負極巻き出しロール31とロールプレス部2との間には、リチウム箔供給部4が配置されている。リチウム箔供給部4は、第1箔巻き出し部41と、第2箔巻き出し部42と、図略の箔巻き出し駆動部と、で構成されている。第1箔巻き出し部41は、負極巻き出しロール31とロールプレス部2との間で負極90の上側に配置されている。第2箔巻き出し部42は、負極巻き出しロール31とロールプレス部2との間で負極90の下側に配置されている。
第1箔巻き出し部41は、第1巻き出しロール41aと、第1巻き取りロール41bと、を有する。第2箔巻き出し部42は、第2巻き出しロール42aと、第2巻き取りロール42bと、を有する。第1巻き出しロール41aには第1フィルムリチウム積層体61が巻かれており、第2巻き出しロール42aには第2フィルムリチウム積層体62が巻かれている。詳細は後述するが、第1フィルムリチウム積層体61及び第2フィルムリチウム積層体62は同じものであり、各々、圧延リチウム箔65と、当該圧延リチウム箔65の両面にそれぞれ重ねられた2つのフィルム68と、で構成されている。
第1フィルムリチウム積層体61の一方のフィルム68は、第1巻き出しロール41aの巻き出し方向の先側において、第1フィルムリチウム積層体61から剥がされ、第1補助ロール33を経由して第1巻き取りロール41bに巻き取られる。第1フィルムリチウム積層体61における当該フィルム68以外の部分、つまり、他方のフィルム68と圧延リチウム箔65とを有する第1フィルムリチウム積層本体61aは、第2補助ロール34を経由し、圧延リチウム箔65を下方に向けて負極90の上面に重ねられる。
第2フィルムリチウム積層体62の一方のフィルム68は、第2巻き出しロール42aの巻き出し方向の先側において、第2フィルムリチウム積層体62から剥がされ、第3補助ロール35を経由して第2巻き取りロール42bに巻き取られる。第2フィルムリチウム積層体62における当該フィルム68以外の部分、つまり、他方のフィルム68と圧延リチウム箔65とを有する第2フィルムリチウム積層本体62aは、第4補助ロール36を経由し、圧延リチウム箔65を上方に向けて負極90の下面に重ねられる。第1フィルムリチウム積層本体61a及び第2フィルムリチウム積層本体62aは、負極90とともに、第1ロール21と第2ロール22との間に通され、さらに、負極巻き取りロール32に巻き取られる。
図略の箔巻き出し駆動部は、電動モータからなり、第1巻き出しロール41a、第1巻き取りロール41b、第2巻き出しロール42a及び第2巻き取りロール42bに接続されている。第1巻き出しロール41a、第1巻き取りロール41b、第2巻き出しロール42a及び第2巻き取りロール42bは各々同期して回転する。より具体的には、箔巻き出し駆動部に駆動され、第1巻き出しロール41aは図1中反時計回りに回転し、第1巻き取りロール41bは図1中時計回りに回転し、第2巻き出しロール42aは図1中時計回りに回転し、第2巻き取りロール42bは図1中反時計回りに回転する。
以下、実施例1のリチウム負極複合体の製造装置を用いた実施例1のリチウム負極複合体の製造方法を説明する。実施例1のリチウム負極複合体の製造方法は、リチウム箔圧延工程と、複合体形成工程と、を有する。複合体形成工程は、負極形成工程とプレス工程と、を有する。
(リチウム箔圧延工程)
圧延リチウム箔65の材料であるリチウム原箔としては、厚さ100μmのリチウム箔を用いた。このリチウム原箔の両面に、各々潤滑剤を塗布し、更にその上に各々フィルム68を重ね、ロールプレス装置で圧延して、厚さ20μmの圧延リチウム箔65を得た。
具体的には、潤滑剤としてはヘキサンを用いた。
フィルム68としては、リンテック株式会社製、厚さ約25μmのフィルム68を用いた。当該フィルム68は、ポリエチレンテレフタレート製の樹脂フィルム上に、シリコーン層が形成されたものである。当該シリコーン層の原料は、付加硬化型のシリコーン粘着剤であるKS−847H(信越化学工業株式会社製)を固形分換算で30質量部、同じく付加硬化型のシリコーン粘着剤であるSD4584(東レ・ダウコ−ニング株式会社製)を固形分換算で18質量部、及び白金触媒であるPL−50T(信越化学工業株式会社製)を1.6質量部に、溶剤としてのトルエンを加えて、固形分濃度を約30質量%としたものである。当該シリコーン層の原料を、上記した樹脂フィルム上に塗布し、130℃で2分間加熱し硬化させるとともに溶剤を揮発させることで、シリコーン層を形成した。シリコーン層の厚さは0.05μm、樹脂フィルムの厚さは25μmである。このようにして得たフィルム68を、シリコーン層をリチウム原箔に向けて、潤滑剤を充分に塗布したリチウム原箔の両面にそれぞれ重ね、リチウム原箔とフィルム68との積層体を得た。
この状態で、図略のロールプレス装置の2つのロールによって、当該積層体を所定の荷重で挟み込んで圧延した。圧延後の当該積層体を、各々、第1フィルムリチウム積層体61及び第2フィルムリチウム積層体62としてロール芯に巻き取り、リチウム箔供給部4の第1巻き出しロール41a及び第2巻き出しロール42aに用いた。なお、第1フィルムリチウム積層体61及び第2フィルムリチウム積層体62は、各々、圧延リチウム箔65と、当該圧延リチウム箔65の両面にそれぞれ重ねられたフィルム68と、で構成される。
(複合体形成工程)
(負極形成工程)
(シリコン材料の製造)
1質量%のフッ化水素を含有する濃塩酸を準備し、0℃の氷浴下、20mlの当該濃塩酸に5gのCaSiを加えて1時間攪拌し、その後水を加えて更に5分間攪拌して反応液を得た。当該反応液を濾過して得られた黄色の固形分を、水及びエタノールで洗浄し、これを減圧乾燥することにより、層状ポリシランを得た。この層状ポリシランを、アルゴン雰囲気下、500℃で加熱することにより、ポリシランから水素が離脱したシリコン材料を得た。
当該シリコン材料をSi含有負極活物質として用い、以下の方法で負極90を製造した。
(負極の製造)
Si含有負極活物質として上記のシリコン材料を70質量部、その他の負極活物質として天然黒鉛を15質量部、導電助剤としてアセチレンブラック5質量部、及び結着剤としてポリアミドイミド15質量部を混合するとともに、この混合物に適量のN−メチル−2−ピロリドンを加えてスラリー状の負極合材を得た。負極用集電体91として、20μmの電解銅箔を準備し、ドクターブレードを用いて当該負極用集電体91の両面に各々負極合材を塗布し、負極合材を材料とする負極合材層と、負極用集電体91と、を有する負極前駆体を得た。この負極前駆体を乾燥させ、負極合材中のN−メチル−2−ピロリドンを揮発させた。乾燥後の負極前駆体を、図略のロールプレス装置により、負極合材層の厚さが70μmとなるように圧延した。なお、この圧延によって、負極合材層と負極用集電体91とが強固に一体化した。このときの負極合材層の密度は1.2g/cmであった。
圧延後の負極前駆体を更に減圧下にて200℃で2時間加熱して、負極用集電体91と、負極用集電体91の一方の面に形成されている第1負極活物質層92と、負極用集電体91の他方の面に形成されている第2負極活物質層93と、を有する負極90を得た。当該負極90をロール芯に巻き取り、負極巻き出しロール31に用いた。当該負極90は、上記した第1フィルムリチウム積層体61及び第2フィルムリチウム積層体62とともに、以下のプレス工程に供した。
(プレス工程)
図1に示すロールプレス装置1を用いて、以下のプレス工程により実施例1のリチウム負極複合体95を製造した。
先ず、負極巻き出しロール31から、上記の負極形成工程で得られた負極90を巻き出し、第1ロール21及び第2ロール22の間に通した。また、図4に示すように、第1箔巻き出し部41の第1巻き出しロール41aから、第1フィルムリチウム積層体61の一方のフィルム68を剥がして第1巻き取りロール41bに巻き取った。図1及び図2に示すように、残りの第1フィルムリチウム積層本体61aを、圧延リチウム箔65を第1負極活物質層92に向けつつ負極90の上面に重ねた。同様に、第2箔巻き出し部42の第2巻き出しロール42aから、第2フィルムリチウム積層体62の一方のフィルム68を剥がして第2巻き取りロール42bに巻き取り、残りの第2フィルムリチウム積層本体62aは、圧延リチウム箔65を第2負極活物質層93に向けつつ、負極90の下面に重ねた。第1フィルムリチウム積層本体61a及び第2フィルムリチウム積層本体62aは、負極90とともに、第1ロール21と第2ロール22との間に通して、負極巻き取りロール32に巻き取った。第1ロール21及び第2ロール22の間を通過する際に、負極90と第1フィルムリチウム積層本体61aと第2フィルムリチウム積層本体62aとの積層体(フィルム負極積層体94と呼ぶ)には、第1ロール21及び第2ロール22からの荷重が作用した。第1フィルムリチウム積層本体61aの圧延リチウム箔65、及び、第2フィルムリチウム積層本体62aの圧延リチウム箔65は、各々、当該荷重により第1負極活物質層92、第2負極活物質層93に圧着されて一体化された。
実施例1のリチウム負極複合体の製造方法においては、圧延リチウム箔65をフィルム68で補強しつつプレス工程に供したために、圧延リチウム箔65の破損等を抑制しつつリチウム負極複合体95を製造できる。
また、実施例1のリチウム負極複合体の製造方法においては、圧延リチウム箔65と第1ロール21及び第2ロール22との間にフィルム68を介在させてプレス工程を行ったために、圧延リチウム箔65と第1ロール21及び第2ロール22との強固な付着を抑制でき、プレス工程における圧延リチウム箔65の破損等をさらに抑制できる。
図3に示すように、プレス工程後のフィルム負極積層体94からフィルム68を剥がすことで、負極90と当該負極90に一体化された圧延リチウム箔65の層(すなわちリチウム層66)とを有するリチウム負極複合体95を得ることができる。
実施例1のリチウム負極複合体の製造方法においては、フィルム68にはシリコーン層が形成されている。つまり、実施例1のリチウム負極複合体の製造方法において、フィルム68と圧延リチウム箔65との間には剥離層が介在している。このため、プレス工程におけるフィルム68と圧延リチウム箔65との強固な付着がより一層抑制され、さらに、プレス工程後にフィルム68を剥がす際にも、リチウム層66の破損等を抑制できる。
実施例1のリチウム負極複合体の製造方法においては、シリコーン層を有するフィルム68を図略のロールとリチウム原箔との間に介在させるフィルム圧延により、リチウム箔圧延工程を行った。このことにより、圧延時における図略のロールへのリチウム原箔の圧着が抑制されるため、リチウム箔圧延工程用のロールとして、成形精度の高い金属製のロールを使用することが可能である。そして、当該金属製のロールを使用することにより、寸法精度の高い圧延リチウム箔65を得ることが可能になるため、実施例1のリチウム負極複合体の製造方法によると、狙い通りの量のリチウムが積層されたリチウム負極複合体を製造できるといえる。更には、当該実施例1のリチウム負極複合体の製造方法を含む実施例1のリチウムドープ負極の製造方法によると、狙い通りの量のリチウムがドープされたリチウムドープ負極を製造できるといえる。
また、リチウム箔圧延工程において、圧延リチウム箔65をフィルム68とともに圧延しかつ巻き取ることで、圧延リチウム箔65をフィルム68によって補強でき、圧延時及び巻き取り時に作用する搬送方向の張力に抗し、破損の抑制された圧延リチウム箔65を得ることができる。なお、当該圧延リチウム箔65はフィルム68とともに第1巻き出しロール41a及び第2巻き出しロール42aに巻かれ、プレス工程に供される。このため、第1巻き出しロール41a及び第2巻き出しロール42aから巻き出す際にも、圧延リチウム箔65はフィルム68により補強されるため、圧延リチウム箔65の破損は抑制される。
以下、実施例1のリチウム負極複合体の製造方法で得られた実施例1のリチウム負極複合体95を用いた、実施例1のリチウムドープ負極の製造方法について説明する。
実施例1のリチウムドープ負極の製造方法は、ドープ工程を有する。
(ドープ工程)
上記のプレス工程後のフィルム負極積層体94を、フィルム68を剥がさないままで、電解液に接触させることで、リチウムのドープを行なった。電解液としては、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを体積比1:1で混合した混合溶媒に、LiPFを1Mの濃度で溶解させたものを用いた。図5に示すように、フィルム負極積層体94のリチウム層66に含まれるリチウムは、電解液の存在下で第1負極活物質層92及び第2負極活物質層93に急速にドープされると考えられ、その結果、フィルム負極積層体94のリチウム層66は消失すると考えられる。フィルム68から剥がす際に変形や破損が懸念されるリチウム層66が消失すれば、フィルム68を剥がす工程は容易であるため、フィルム68の存在下でリチウム負極複合体95を電解液に接触させドープを行うことで、品質に優れるリチウムドープ負極99を容易に製造できる。なお、ドープ工程後のリチウムドープ負極99は歪みや反りの抑制されたものであった。
実施例1のリチウム負極複合体の製造方法によると、負極用集電体91の両面に各々第1負極活物質層92及び第2負極活物質層93を設け、当該第1負極活物質層92及び第2負極活物質層93上に各々リチウム層66を形成してリチウム負極複合体95とした。負極活物質層92、93及びリチウム層66をこのように配置することで、リチウム負極複合体95をドープ工程に供した際にも、歪みや反りの抑制されたリチウムドープ負極99を得ることができる。
以下、試験例を挙げ、本発明のリチウム負極複合体の製造方法、リチウムドープ負極の製造方法、及び電池の製造方法の効果を検討する。
(試験例1)
図6に示すロールプレス装置を用い、荷重を変えた種々の条件でリチウム原箔64を圧延し、圧延前後でのリチウム箔の形状及び搬送状態を測定した。圧延に際し、リチウム原箔64の両面には、充分な量のヘキサンを塗布した。ロールプレス装置の2つのロール28、29としては、シリコーン層を一体に有するものを用いた。
具体的には、シリコーン層の原料としては、シリコーンレジンであるKR216(信越化学工業株式会社製)を用いた。当該原料をスプレーガンにてステンレス鋼製のロール基材上にそれぞれ塗布し、室温で24時間保持して、シリコーン層を硬化させた。その後、シリコーン層の表面粗さを測定し、必要に応じて、表面粗さRaが1.0μm程度となるようにサンドペーパによりシリコーン層の表面を研磨した。
以上のようにして得たシリコーン層を一体に有するロール28、29を用い、リチウム原箔64の圧延を行った。
ロールプレス装置の荷重、すなわち、2つのロール28、29からリチウム原箔64に作用する荷重は、0.5トン、1トン、2トン、4トンの4通りとした。リチウム原箔64としては厚さt1が100μm、幅w1が80mm、密度が0.53g/cmのものを用いた。さらに、図6に示すように2つのロール28、29よりも搬送方向の後側におけるリチウム箔の搬送速度、つまりリチウム原箔64の搬送速度s1を測定した。リチウム原箔64の搬送速度s1は0.5m/分とした。なお、圧延リチウム箔65には各々一定の張力が生じるように、ロール28、29の基点速度及びリチウム箔の搬送速度を調整した。
上記の方法で圧延されたリチウム箔、すなわち、圧延リチウム箔65の厚さt2、幅w2及び密度を測定した。更に、圧延リチウム箔65の搬送速度s2、すなわち、2つのロール28、29よりも搬送方向の先側におけるリチウム箔の搬送速度を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2018142528
表1に示すように、リチウム箔の幅及び密度は圧延の前後で変化しなかった。その代わり、圧延後のリチウム箔の搬送速度s2は、圧延前のリチウム箔の搬送速度s1に比べて速くなった。
このように、リチウム箔の幅及び密度が圧延の前後で変化しないことから、圧延リチウム箔65に存在するリチウム量は、圧延リチウム箔65の圧延方向における長さ及び圧延リチウム箔65の厚さを基にほぼ正確に把握できる。このため、圧延リチウム箔65の厚さ及び長さを計測し、リチウムを狙い通りの量、つまり不可逆容量に相当する量だけ含むように圧延リチウム箔65を整形すれば、狙い通りの量のリチウムを負極活物質層にドープできる。
(試験例2)
実施例1のリチウム負極複合体を、電解液と接触させた場合、電解液に接触させずそのまま放置しておいた場合、及び、電解質を含まない有機溶媒に接触させた場合、につき、それぞれ、リチウムドープの程度について評価した。電解液としては上記のドープ工程で用いたものと同じ電解液を用いた。この電解液に用いた有機溶媒を、有機溶媒として用いた。
電解液に接触させずそのまま放置したリチウム負極複合体を試験例2−1とし、電解液に接触させたリチウム負極複合体を試験例2−2とし、有機溶媒に接触させたリチウム負極複合体を試験例2−3として、各リチウム負極複合体につき、リチウム層の厚さの経時変化を測定した。なお、試験後のリチウム負極複合体は、リチウムがドープされたものであるため、リチウムドープ負極ともいえる。
試験例2−1及び試験例2−2につき、結果を表2に示す。
Figure 2018142528
表2に示すように、電解液に接触させず放置した試験例2−1のリチウム負極複合体においては、リチウム層の減少速度が非常に遅く、試験開始から48時間後に漸くリチウム層が消失した。これに対して、電解液に接触させた試験例2−2のリチウム負極複合体においてはリチウム層の減少速度が非常に速く、試験開始の3時間後にはリチウム層が消失した。消失したリチウム層は、負極活物質層にドープされたものと考えられるため、この結果から、電解液の存在下ではリチウムドープが迅速に進行するといえる。また、電解液の非存在下においても非常に緩やかではあるがリチウムドープが進行するといえる。
これに対して、試験例2−3のリチウム負極複合体においては、電解液に接触させず放置した試験例2−1のリチウム負極複合体と同様に、試験開始から48時間後に漸くリチウム層が消失した。この結果から、リチウムのドープは電解液中のリチウムイオンを介して進行することが示唆される。
リチウムドープの前後におけるリチウム負極複合体の層の厚さを測定した。その結果、試験例2−1及び試験例2−2のリチウム負極複合体の両方において、経過時間0時間における負極活物質層の厚さは70μm、リチウム層の厚さは20μmであり、リチウム負極複合体の層の厚さ、つまり、負極活物質層とリチウム層との厚さの合計は90μmであった。一方、リチウム層の厚さが0μmとなったときのリチウム負極複合体の層の厚さ、つまり、負極活物質層の厚さは、試験例2−1のリチウム負極複合体では88μmであり、試験例2−2のリチウム負極複合体では80μmであった。
電解液に接触させつつリチウムドープを行った試験例2−2のリチウム負極複合体においては、ドープ後のリチウム負極複合体の層の厚さがドープ前よりも大きく低減したといえる。また、電解液に接触させずリチウムドープを行った試験例2−2のリチウム負極複合体においては、ドープ後のリチウム負極複合体の層の厚さはドープ前と略同じであったといえる。リチウム負極複合体を電解液に接触させつつリチウムドープを行う場合には、リチウムが多孔質の負極活物質層の全体に分散してドープされ、リチウムドープにより負極活物質が膨張するものの、当該膨張により増大した負極活物質の体積は、負極活物質層における細孔の容積によってキャンセルされたと推測される。また、電解液に接触させずにリチウムドープを行う場合には、リチウムが負極活物質層の表層部分に多くドープされたため、リチウムドープにより増大した負極活物質層の体積はキャンセルされ難かったものと推測される。つまり、この結果から、リチウム負極複合体を電解液に接触させつつリチウムドープを行う場合には、リチウム負極複合体を電解液に接触させずにリチウムドープを行う場合に比べて、負極活物質層へのリチウムドープが均一に為されると推測される。
(試験例3)
ロールプレス装置による圧延時における剥離層及び潤滑剤の効果を評価した。具体的には、2つのロールの隙間及び2つのロールによる荷重を種々に変更しつつ、リチウム原箔をそのまま又は樹脂フィルムに挟んでロールで圧延し、変形や破損のない圧延リチウム箔の厚さの限界値を測定した。当該測定を、剥離層及び/又は潤滑剤の存在下若しくは非存在下で行うことで、剥離層及び/又は潤滑剤の効果を評価した。
(試験例3−1)
試験例3−1では、剥離層を有するフィルムで厚さ100μmのリチウム原箔を挟み、かつ、フィルムの剥離層とリチウム原箔との間に潤滑剤としてのヘキサンを介在させて、フィルムリチウム積層体を構成した。ロールとしては、ステンレス鋼製のものを用いた。当該フィルムリチウム積層体を圧延し、得られた圧延リチウム箔の厚さは10μmであった。試験例3−1の結果を、後述する試験例3−2〜3−10の結果とともに、表3に示す。
なお、フィルムとしては、上記した実施例1のリチウム箔圧延工程と同様に、リンテック株式会社製、厚さ25μmのフィルムを用いた。当該フィルムは、剥離層にシリコーン粘着剤を含む。
(試験例3−2)
試験例3−2では、フィルムを用いず、剥離層を設けたロールを用いてリチウム原箔を圧延したこと以外は、試験例3−1と同じ方法でリチウム箔を圧延した。2つのロールとしては、試験例1で用いたものと同じ、シリコーンレジンを含むシリコーン層を一体に有するロールを用いた。
試験例3−2で測定した圧延リチウム箔の厚さは、10μmであった。
(試験例3−3)
試験例3−3では、フィルムとして剥離層を有さず樹脂フィルムのみで構成されたものを用い、一方のフィルムとリチウム原箔との間にだけ潤滑剤を存在させ、他方のフィルムはリチウム原箔に直接接触させた。それ以外は、試験例3−1と同じ方法でリチウム箔を圧延した。試験例3−3で測定した圧延リチウム箔の厚さは、80μmであった。
(試験例3−4)
試験例3−4では、フィルムとして剥離層を有さず樹脂フィルムのみで構成されたものを用いたこと以外は、試験例3−1と同じ方法でリチウム箔を圧延した。
試験例3−4で測定した圧延リチウム箔の厚さは、30μmであった。
(試験例3−5)
試験例3−5では、ロールとして剥離層を有さない高密度ポリエチレン製のロールを用いたこと以外は、試験例3−2と同じ方法でリチウム箔を圧延した。
試験例3−5で測定した圧延リチウム箔の厚さは、50μmであった。
(試験例3−6)
試験例3−6では、ロールとして剥離層を有さないポリアセタール製のロールを用いたこと以外は、試験例3−2と同じ方法でリチウム箔を圧延した。
試験例3−6で測定した圧延リチウム箔の厚さは、30μmであった。
(試験例3−7)
試験例3−7では、ロールとして剥離層を有さないエポキシ樹脂とガラス繊維とで構成されるFRP(繊維強化プラスチック)製のロールを用いたこと以外は、試験例3−2と同じ方法でリチウム箔を圧延した。
試験例3−7で測定した圧延リチウム箔の厚さは、90μmであった。
(試験例3−8)
試験例3−8では、ロールとして剥離層を有さないポリエーテルエーテルケトン樹脂製のロールを用いたこと以外は、試験例3−2と同じ方法でリチウム箔を圧延した。
試験例3−8で測定した圧延リチウム箔の厚さは、90μmであった。
(試験例3−9)
試験例3−9では、ロールとして剥離層を有さないステンレス鋼製のロールを用いたこと以外は、試験例3−2と同じ方法でリチウム箔を圧延した。
試験例3−9で測定した圧延リチウム箔の厚さは、90μmであった。
(試験例3−10)
試験例3−10では、剥離層としてDLC(ダイヤモンドライクカーボン)層を有するロールを用いたこと以外は、試験例3−2と同じ方法でリチウム箔を圧延した。
試験例3−10で測定した圧延リチウム箔の厚さは、80μmであった。
Figure 2018142528
表3に示すように、ロールとリチウム箔との間に剥離層としてのシリコーン層を介在させて圧延した試験例3−1では、ロールとリチウム箔との間に樹脂フィルムを介在させただけで剥離層を介在させなかった試験例3−4に比べて、薄い圧延リチウム箔を得ることができた。また、ロールの表面に剥離層としてのシリコーン層を設け、ロールとリチウム箔との間に当該シリコーン層を介在させて圧延した試験例3−2では、剥離層のないロールを用い、ロールとリチウム箔との間に剥離層を介在させなかった試験例3−9に比べて著しく薄い圧延リチウム箔を得ることができた。この結果から、ロールとリチウム箔との間に剥離層としてシリコーン層を介在させて圧延することで、リチウム箔とロールとの強固な付着を抑制しつつリチウム箔の圧延を行い得ることがわかる。更に、リチウム箔を有する負極積層体をプレスしてリチウム負極複合体を製造する本発明のリチウム負極複合体の製造においても、ロールとリチウム箔との間にシリコーン層を介在させることで、リチウム層に破損等のない良好なリチウム負極複合体を製造し得るといえる。
また、シリコーン層を一体に設けたロールで圧延を行った試験例3−2では、各種の樹脂材料で構成したロールで圧延を行った試験例3−5〜試験例3−8や、DLC層を一体に設けたロールで圧延を行った試験例3−10に比べても、非常に薄い圧延リチウム箔を得ることができるといえる。つまり、圧延時にロールとリチウム箔との間に介在させる剥離層として、シリコーン層は非常に優秀であるといえる。
(参考例)
実施例1の(負極の製造)の項で製造した、プレス工程前の負極90を用いて電池を製造した。対極は金属リチウム箔(厚さ500μm)であり、電解液は上記のドープ工程に用いたものと同じ電解液であった。
対極をφ13mm、リチウムドープ負極をφ11mmに裁断し、セパレータ(ヘキストセラニーズ社製ガラスフィルター及びCelgard社製「Celgard2400」)を両極の間に介装して電極体とした。この電極体を電池容器(CR2032型コイン電池用部材、宝泉株式会社製)に入れた。電池容器に電解液を注液し、電池容器を密閉して、参考例のリチウムイオン二次電池を製造した。
参考例のリチウムイオン二次電池につき、0.2mAの定電流充放電を行なった。その結果、初回放電容量は1200mAh/g、初回充電容量は803mAh/g、(初回充電容量/初回放電容量)×100で算出される初期効率は66.9%であった。この結果から、リチウムドープを行わないSi含有負極においては、不可逆容量が大きいことが実証される。
(実施例2)
実施例2のリチウム負極複合体の製造方法を模式的に表す説明図を図7に示す。
実施例2のリチウム負極複合体の製造方法に用いたロールプレス装置は、搬送部に第5補助ロール及び第6補助ロールを有し、リチウム箔供給部に第3巻き取りロール及び第4巻き取りロールを有すること以外は、実施例1のリチウム負極複合体の製造方法に用いたロールプレス装置と概略同じである。
また、実施例2のリチウム負極複合体の製造方法は、プレス工程後かつ巻き取り前のフィルム負極積層体からフィルムを剥がし、リチウム負極複合体として負極巻き取りロールに巻き取ったこと以外は、実施例1のリチウム負極複合体の製造方法と概略同じである。
以下、実施例2のロールプレス装置及びリチウム負極複合体の製造方法について、実施例1との相違点を中心に説明する。
図7に示すように、実施例2のロールプレス装置1は、搬送部3に第5補助ロール37及び第6補助ロール38を有し、リチウム箔供給部4に第3巻き取りロール43及び第4巻き取りロール44を有する。
第5補助ロール37及び第3巻き取りロール43は、第1ロール21の先側かつ負極巻き取りロール32の後側にて、フィルム負極積層体94の上側に配置されている。第6補助ロール38及び第4巻き取りロール44は、第2ロール22の先側かつ負極巻き取りロール32の後側にて、フィルム負極積層体94の下側に配置されている。第3巻き取りロール43及び第4巻き取りロール44は、図略の箔巻き出し駆動部に接続され、第1巻き出しロール41a、第1巻き取りロール41b、第2巻き出しロール42a及び第2巻き取りロール42bと同期して回転する。なお、第3巻き取りロール43は図7中の反時計回りに回転し、第4巻き取りロール44は図7中の時計回りに回転する。
第1巻き出しロール41aに巻かれている第1フィルムリチウム積層体61は、圧延リチウム箔65a、フィルム68a及び68bで構成されている。このうち一方のフィルム68aについては、圧延リチウム箔65aが負極90に重ねられプレスされる前、つまり、ロールプレス部2よりも後側において、圧延リチウム箔65aから剥がされ、第1巻き取りロール41bに巻き取られる。他方のフィルム68bについては、圧延リチウム箔65aとともに負極90の上面に重ねられ、ロールプレス部2にてプレスされて、圧延リチウム箔65a及び負極90とともにフィルム負極積層体94を構成する。
同様に、第2フィルムリチウム積層体62を構成する圧延リチウム箔65b、フィルム68c及び68dのうち一方のフィルム68cについては、圧延リチウム箔65bから剥がされ第2巻き取りロール42bに巻き取られるが、他方のフィルム68dは、フィルム68b、負極90及び2枚の圧延リチウム箔65a、65bとともにフィルム負極積層体94を構成する。
フィルム負極積層体94に含まれるフィルム68b及び68dは、リチウムイオン二次電池に不要であるため、何れかの段階でフィルム負極積層体94から剥がす必要がある。実施例2においては、ロールプレス部2によるプレス工程後かつ負極巻き取りロール32による巻き取り前のフィルム負極積層体94からフィルム68b及び68dを剥がした。詳しくは、フィルム68bについては、第5補助ロール37を経由して第3巻き取りロール43に巻き取った。また、フィルム68dについては、第6補助ロール38を経由して第4巻き取りロール44に巻き取った。フィルム68b及び68dが剥がされたフィルム負極積層体94、すなわち、リチウム負極複合体95については、負極巻き取りロール32に巻き取った。
実施例2のリチウム負極複合体の製造方法においては、フィルム68b及び68dを剥がしたリチウム負極複合体95を負極巻き取りロール32に巻き取った。リチウム負極複合体95における圧延リチウム箔65a、65bは、銅箔からなる負極用集電体91に重ねられているため、比較的強度が高く変形し難い。このためリチウム負極複合体95は、フィルム68b及びフィルム68dの補強がなくても、破損なく負極巻き取りロール32に巻き取ることができる。リチウム負極複合体95の使用時、つまり、ドープ工程の際やリチウムイオン二次電池の製造時にリチウム負極複合体95を負極巻き取りロール32から巻き出す際にも、同様に、負極用集電体91により補強されたリチウム負極複合体95は破損し難い。
1:ロールプレス装置 2:ロールプレス部
3:搬送部 4:リチウム箔供給部
21:第1ロール
22:第2ロール 31:負極巻き出しロール
32:負極巻き取りロール 33:第1補助ロール
34:第2補助ロール 35:第3補助ロール
36:第4補助ロール 37:第5補助ロール
38:第5補助ロール 41:第1箔巻き出し部
41a:第1巻き出しロール 41b:第1巻き取りロール
42:第2箔巻き出し部 42a:第2巻き出しロール
42b:第2巻き取りロール 43:第3巻き取りロール
44:第4巻き取りロール 61:第1フィルムリチウム積層体
61a:第1フィルムリチウム積層本体 62:第2フィルムリチウム積層体
62a:第2フィルムリチウム積層本体 64:リチウム原箔
65、65a、65b:圧延リチウム箔 66:リチウム層
68、68a、68b、68c、68d:フィルム
90:負極
91:負極用集電体 92:第1負極活物質層
93:第2負極活物質層 94:フィルム負極積層体
95:リチウム負極複合体 98:潤滑剤

Claims (11)

  1. 集電体の両面にSi含有負極活物質層を形成し、各々の前記負極活物質層上に同時にリチウム層を形成してリチウム負極複合体を得る複合体形成工程を有する、リチウム負極複合体の製造方法。
  2. 前記複合体形成工程は、
    前記集電体の両面に前記負極活物質層を形成して負極とする負極形成工程と、
    リチウム箔を各々の前記負極活物質層上に積層し、2つのロール間でプレスして、前記負極と2層のリチウム層とを有するリチウム負極複合体を得るプレス工程と、を有する、請求項1に記載のリチウム負極複合体の製造方法。
  3. 前記プレス工程において、
    前記リチウム箔はフィルムを重ねた状態でプレスされる、請求項2に記載のリチウム負極複合体の製造方法。
  4. 前記フィルムは、樹脂フィルムと前記樹脂フィルムに積層された剥離層とで構成され、前記剥離層を前記リチウム箔に向けて前記リチウム箔に重ねられる、請求項3に記載のリチウム負極複合体の製造方法。
  5. 単位面積あたりの前記リチウム箔のリチウム量を(A)とし、単位面積あたりの負極活物質層の不可逆容量をキャンセルし得るリチウム量を(B)とすると、0.8<(A)/(B)<1.2を満たす、請求項2〜請求項4の何れか一項に記載のリチウム負極複合体の製造方法。
  6. 請求項1〜請求項5の何れか一項に記載のリチウム負極複合体の製造方法で得られた前記リチウム負極複合体を、有機溶媒とリチウム塩とを含む電解液に接触させてリチウムドープ負極を得るドープ工程を有する、リチウムドープ負極の製造方法。
  7. 請求項3〜請求項5の何れか一項に記載のリチウム負極複合体の製造方法で得られた前記リチウム負極複合体を、前記フィルムを重ねたままで有機溶媒とリチウム塩とを含む電解液に接触させてリチウムドープ負極を得るドープ工程を有する、リチウムドープ負極の製造方法。
  8. 請求項1〜請求項5の何れか一項に記載のリチウム負極複合体の製造方法で得られた前記リチウム負極複合体と、集電体及び正極活物質層を有する正極体と、を収容した電池容器に電解液を注液する、リチウムイオン二次電池の製造方法。
  9. 請求項6又は請求項7に記載のリチウムドープ負極の製造方法で得られたリチウムドープ負極と、集電体及び正極活物質層を有する正極体と、を収容した電池容器に電解液を注液する、リチウムイオン二次電池の製造方法。
  10. リチウム箔を圧延して圧延リチウム箔を得るリチウム箔圧延工程を有し、
    前記リチウム箔の幅は、前記負極活物質層の幅以下、かつ、前記リチウム箔に対向する前記正極活物質層の幅以上であり、
    前記リチウム箔の幅と前記負極活物質層の幅との差は1mm以内である、請求項8又は請求項9に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
  11. 前記負極が受け入れ得るリチウム量を(C)とし、正極が放出し得るリチウム量を(D)とすると、1.05<C/(D+リチウム箔のリチウム量)<1.5の関係を満たす、請求項8〜請求項10の何れか一項に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
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