以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。以下の説明に用いる各図面は模式的に示すものであり、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさで示すために、各部材の寸法関係や縮尺等を各構成要素毎に異ならせて示している場合がある。したがって、本発明は、各図面に記載された各構成要素の数量や各構成要素の形状や各構成要素の大きさの比率や各構成要素の相対的な位置関係等に関して、図示の形態のみに限定されるものではない。
[一実施形態]
図1,図2は、本発明の一実施形態の露光量調整装置を適用したレンズ鏡筒を示す図である。このうち、図1は当該レンズ鏡筒の要部分解斜視図である。図2は当該レンズ鏡筒を光軸を含む面で切断した拡大縦断面図である。
まず、本実施形態の露光量調整装置である絞り装置の詳細構成を説明する前に、当該露光量調整装置(絞り装置)を適用したレンズ鏡筒の全体構成を、以下に簡単に説明する。
本発明の一実施形態は、例えば複数の光学レンズによって形成される光学像を固体撮像素子を用いて光電変換し、これによって得られる画像信号を静止画像又は動画像を表わすデジタル画像データに変換し、こうして生成されたデジタルデータを記憶媒体に記録し、また記憶媒体に記録されたデジタル画像データに基いて静止画像又は動画像を表示装置に再生表示し得るように構成される撮像装置等に適用されるレンズ鏡筒を例示するものである。
また、本発明の一実施形態は、撮像装置本体に対してレンズ鏡筒が着脱自在に構成されるいわゆるレンズ交換式カメラに適用されるレンズ鏡筒を例示している。本発明は、この形態のレンズ鏡筒に限られることはなく、例えば撮像装置本体とレンズ鏡筒とが一体に構成されたいわゆるレンズ一体型カメラに対しても同様に適用することができる。
なお、本実施形態において、レンズ鏡筒における撮像光学系の光軸を符号Oで表すものとする。このレンズ鏡筒の光軸Oに沿う方向において、被写体に対向する面を前面というものとし、マウント部のある面を後面というものとする。
本実施形態の露光量調整装置(絞り装置)が適用されるレンズ鏡筒自体の構成は、基本的には、従来一般に実用化されているレンズ鏡筒と略同様の構成からなる。したがって、従来のレンズ鏡筒と同様の構成を有する部材については、その詳細説明を省略し、以下に簡単に説明する。
本実施形態の露光量調整装置であり絞り装置である絞りユニット19が適用されるレンズ鏡筒1は、図1,図2に示すように、前面装飾リング11と、フード取付リング12と、前側外装リング13と、1群レンズ枠A14と、1群レンズ枠B15と、第1レンズ群31等を含む前側ユニット群と、外装後筒16と、レンズ基板29(図1不図示;図2参照)と、レンズ側マウント部17と、接点保持リング18と、絞りユニット19と、弾性部材であるシボリユニットオサエイタ20(図1参照;図2不図示)と、フォーカスリング21と、2群レンズ枠22,3群レンズ枠23,4群レンズ枠24(図1不図示;図2参照)と、内部固定筒25(図1;図2参照)と、第2レンズ群32,第3レンズ群33,第4レンズ群34(図1不図示;図2参照)等を含む後側ユニット群等によって主に構成されている。
上記前面装飾リング11は、フード取付リング12の前面に対して両面テープ26(図1参照)等の接合部材を用いて固設されている。また、フード取付リング12は、前側外装リング13を挟んで内部固定筒25の前面側に複数のビス27a(図1参照)を用いてビス止め固定されている。
1群レンズ枠A14及び1群レンズ枠B15は、複数の光学レンズからなり当該レンズ鏡筒1の前面寄りに配設される第1レンズ群31を固定保持する保持枠部材である。1群レンズ枠A14は、内部固定筒25の内壁面の固定部に対して複数のビス27b(図1参照)を用いてビス止め固定されている。また、1群レンズ枠B15も同様に、内部固定筒25の内壁面の固定部に対して複数のビス27c(図1参照)を用いてビス止め固定されている。
そして、上記前側ユニット群を構成する各構成ユニットは、当該レンズ鏡筒1の前面側に取り出すことができるようになっている。換言すると、当該レンズ鏡筒1を組み立てる際には、上記前側ユニット群を構成するこれらの各構成ユニットを当該レンズ鏡筒1の前面側から順次所定の順番で挿入し、所定の部分にて組み付けるような形態としている。
内部固定筒25は、外面にフォーカスリング21が回転自在に配設される筒状部材である。この内部固定筒25の内部には、シボリユニットオサエイタ20(図1参照;図2不図示)と、絞りユニット19と、2群レンズ枠22,3群レンズ枠23,4群レンズ枠24(図1不図示;図2参照)の各枠部材に保持される第2レンズ群32,第3レンズ群33,第4レンズ群34(図1不図示;図2参照)等が配設されている。また、固定固定筒25の光軸方向の後方外周には環状の外装後筒16が装備されている。上記外装後筒16の後面には、レンズ基板29と、レンズ側マウント部17と、接点保持リング18等が固設されている。
レンズ側マウント部17は、内部固定筒25の後面の固定部に対して複数のビス27e(図1参照)を用いてビス止め固定されている。また、接点保持リング18は、内部固定筒25の後面の固定部に対して複数のビス27f(図1参照)を用いてビス止め固定されている。
2群レンズ枠22は、複数の光学レンズからなる第2レンズ群32を固定保持する保持枠部材である。同様に、3群レンズ枠23は、複数の光学レンズからなる第3レンズ群33を固定保持する保持枠部材である。そして、4群レンズ枠24は、光学レンズからなる第4レンズ群34を固定保持する保持枠部材である。
なお、上記3群レンズ枠23は、不図示の駆動原及び駆動機構によって光軸Oに沿う方向に進退移動することができるように構成されている。即ち、上記第3レンズ群33は、例えばフォーカシング動作を行うための可動レンズ群である。
上記絞りユニット19は、撮像光学系を透過する光量の調整を行う露光量調整装置であり、単一のユニットからなる絞り装置である。
そのために、上記絞りユニット19は、図3等に示すように、略円形状の開口19hを有し、全体として略円環形状に形成された構成ユニットである。この絞りユニット19は、上記円形開口の中心軸が撮像光学系の光軸Oと略一致するように配設されている。
本実施形態の露光量調整装置(絞り装置)である絞りユニット19が適用されるレンズ鏡筒1は、以上のように概略構成されている。その他、説明を省略した構成については、従来一般に実用化されているレンズ鏡筒と略同様の構成を具備しているものとする。
次に、本実施形態の露光量調整装置(絞り装置)である絞りユニット19の詳細な構成を図3〜図16を参照しながら、以下に説明する。
図3〜図7は、本実施形態の露光量調整装置(絞り装置)である絞りユニット19の詳細な構成を示す図である。また、図8〜図16は、本実施形態の露光量調整装置(絞り装置)である絞りユニット19の作用を示す図である。
このうち、図3は、上記レンズ鏡筒1から本実施形態の露光量調整装置(絞り装置)である絞りユニット19のみを取り出して示す外観斜視図である。図4は、本実施形態の露光量調整装置(絞り装置)である絞りユニット19を分解して示す分解斜視図である。図5は、本実施形態の露光量調整装置(絞り装置)である絞りユニット19の主要構成部材を示す要部分解斜視図である。
なお、図3〜5において、矢印符号Fで示す側を前面というものとし、同様に矢印符号Rで示す側を後面というものとする。ここで、絞りユニット19の前面Fは、当該絞りユニット19を適用するレンズ鏡筒1に組み込んだときに被写体(不図示)に対向する面である。また、図5においては、当該絞りユニット19に付属するべき細かな部品、例えば絞り駆動モータや電気部品等(図4参照)及びビス類等の図示は省略している。
図6は、本実施形態の露光量調整装置(絞り装置)である絞りユニット19の組み立て完了後の状態を後面側から見た際の平面図である。図7は、図6の矢印[7]−[7]線に沿う断面を示す要部拡大断面図である。具体的には、図7は、回転規制凸部64aの近傍の構成を主に示している。
上記絞りユニット19は、図3〜図5等に示すように、基台61と、羽根駆動回転板62と、複数の羽根部材63と、羽根オサエ部材64と、絞り駆動モータ28等の電気的構成部品及びフレキシブルプリント基板30等によって構成されている。
上記絞りユニット19は、基台61と羽根オサエ部材64とによって形成される筐体の内部に、羽根駆動回転板62と複数の羽根部材63とがそれぞれ所定の回転、回動を行うことができる状態(可動状態)で配設されている。また、基台61の外周側には、絞り駆動モータ28等をはじめとした電気部品等やフレキシブルプリント基板30等が配設されている。
ここで、上記絞り駆動モータ28は、複数の羽根部材63をそれぞれ回動させる駆動源である。この絞り駆動モータ28は、絞りユニット19の前面Fの所定の位置に対して例えば複数のビス27h(図3,図4参照)を用いて固定されている。
上記絞りユニット19からは、当該絞りユニット19の電気的構成部品と、撮像装置本体(不図示)とを電気的に接続するフレキシブルプリント基板30が延出している。このフレキシブルプリント基板30には、絞り駆動モータ28等が接続されていると共に、各種の電気部品、例えば当該絞り駆動モータ28によって駆動される複数の羽根部材63の位置を検出する位置検出センサ(PI;フォトインタラプタ等;不図示)等が実装されている。
そして、上記フレキシブルプリント基板30は、絞りユニット19から当該レンズ鏡筒1の後方に向けて延出しており、その先端は、上記レンズ基板29上に実装されたコネクタ29a(図2参照)に接続されている。
レンズ基板29には、接点保持リング18に設けられている複数の電気接点(不図示)が接続されている。この接点保持リング18の電気接点(不図示)は、当該レンズ鏡筒1が撮像装置(不図示)に対して互いのマウント部を介して連結されたとき、当該撮像装置が電気接点(不図示)と接触することで、レンズ鏡筒1と撮像装置(不図示)との間で電気的な接続が確立されるように構成されている。
したがって、上記絞りユニット19から延出されるフレキシブルプリント基板30は、撮像装置側からの出力信号(絞り駆動モータ28を駆動するための駆動制御信号等)や駆動電力等を受けると共に、絞りユニット19側から撮像装置(不図示)側へと位置検出センサ(不図示)等の出力信号を送信したりするのに利用される。
上記絞りユニット19は、内部固定筒25の内部に、光軸方向の前方から後方に向けて挿入された後、後面側の所定の部位が、上記内部固定筒25の光軸方向の略中央にあり、光軸と直交する面を有する当接部位25a(図2参照)に当接して位置決めされた状態で配設されている。
上記絞りユニット19における複数の羽根部材63は、回動中心となる回動孔63aと回動の駆動を受ける為のピン63bがそれぞれに設けられている。撮像光学系を透過する光量を調整するために、それぞれが回動して面積が変位して撮影光束が通過する可変開口63hを形成する部材である。なお、羽根部材63自体の構成については、従来一般に実用化されている絞り装置における絞り羽根と略同様構成からなるものが適用されているものとして、その詳細説明は省略する。
上記羽根駆動回転板62は、複数の羽根部材63のそれぞれを回動駆動させるための構成部材である。この羽根駆動回転板62は、中心に略円形状の開口62h(第1の開口)を有する略円環形状に形成されている。また、羽根駆動回転板62は、基台61に対して開口62hを中心とする円周方向に正逆回転が自在となるように配設されている。
尚、本明細書において、これ以前も、これ以降も、羽根駆動回転板62の回転を「回転」と表記し、羽根部材63の回転を「回動」と表記することにする。この「回転」、「回動」は互いに意味として本質的な差異は無く、本願明細書及び特許請求の範囲において理解の容易さ、部材の作用の判別のために敢えて行うものである。更に付け加えれば、或る文献においては、「回転」は一方向にのみ回転する場合にこの文言を使用し、「回動」は、両方向に回転する場合に使用するとの記載があるが本願明細書はこのような意味合いは排除するものとしている。本願明細書及び特許請求の範囲においては「回転」、「回動」の両者ともに両方向に回転する意味を持つ文言と定義する。
そのために、当該羽根駆動回転板62は、基台61に対する回転方向への所定の範囲内での回転を確保しつつ基台61に対する光軸O方向への離脱を阻止する複数(本例では3つ)のバヨネット係止爪62a(図4,図5,図8参照)と、後述するコイルバネ65の他端を係止する係止腕部62b(図4,図5参照)と、外径方向に延伸するように形成された回転被規制凸部62cとを有して構成されている。
さらに、上記羽根駆動回転板62は、前面F側に、絞り駆動モータ28からの回転駆動力を受けるセクタギア62d(図3,図5参照)が設けられている。このセクタギア62dには、絞り駆動モータ28の駆動軸に固設されたピニオンギア28a(図4参照)が螺噛合している。これにより、絞り駆動モータ28の回転駆動力は、羽根駆動回転板62へと伝達される。そして、上記絞り駆動モータ28が、例えば撮像装置(不図示)がわの制御部によって回転駆動制御されることによって、上記羽根駆動回転板62が光軸O周りに回転する。羽根駆動回転板62には複数の羽根部材63を回動駆動するためのカム溝が開口62hを取り囲むように円周方向に互いに離間して配置され、それぞれのカムには羽根部材63に設けられたピン63bが嵌合し、羽根駆動回転板62が回転することにより、これらのカム溝が複数の羽根部材63それぞれを後述の羽根支軸61g周りに回動させる。
したがって、これにより、複数の羽根部材63の回動駆動制御を実現している。
このようにして、本実施形態の絞りユニット19においては、複数の羽根部材(63)を回動させることにより、可変開口63hを、「開放径」状態から「所望の最小径」状態を経て当該「所望の最小径」状態を越えた「過大小径」状態までの間で変位させることができるように構成されている。
なお、上記可変開口63hの各状態については、概略以下の通りである。即ち「開放径」状態とは、複数の羽根部材63によって形成される可変開口63hが最も開いた(開放された)状態をいうものとする。また、「所望の最小径」状態は、複数の羽根部材63によって形成される可変開口63hの最も小さい絞り径(最小絞り状態)となるように設定した状態をいうものとする。そして、「過大小径」状態は、上記「所望の最小径」状態からさらに小絞り状態とされた状態をいうものとする。そして、当該絞りユニット19においては、上記「開放径」状態から上記「所望の最小径」状態の間で可変開口63hを変位させることで露出調整が行われる。この場合において、上記「開放径」状態と上記「所望の最小径」状態との間における任意の位置、即ち中間位置を「中間絞り」状態というものとする。
基台61は、当該絞りユニット19の主要部を構成する部材である。この基台61は、中心に略円形状の開口61h(第2の開口)を有する円環形状部61aと、この円環形状部61aの外周縁を囲うように形成される光軸と平行に延伸した周壁部61bとを有して形成されている(図3〜図5参照)。
上記基台61の開口61hの周囲において前面F側(図3,図5参照)には、上記絞り駆動モータ28やフレキシブルプリント基板30等のほかコイルバネ65等が配設されている。また、上記基台61の開口61hの周囲において後面R側(図4参照)には、複数の羽根部材63のそれぞれが回動可能に配置されている(図4参照)。
ここで、上記コイルバネ65は、一端が基台61の固定部61c(図3参照)に係止され、他端が羽根駆動回転板62から伸びる係止腕部62bに係止されている。これにより、上記コイルバネ65は、基台61(固定部)に対して羽根駆動回転板62を所定の一方の回転方向に付勢している。上述したように、羽根駆動回転板62は、開口62hを中心として正逆方向に回転することによって、上記複数の羽根部材63を駆動する部材である。したがって、羽根駆動回転板62がコイルバネ65によって常に一方向に付勢されることによって、複数の羽根部材63は、可変開口63hの最小径が維持されるように構成されている。
さらに、基台61は、開口61hの周囲において後面R側(図4参照)の面内には、開口61hを中心とする円周方向及び光軸と平行方向に凹状に延在し、羽根駆動回転板62の回転範囲を規制する回転範囲規制凹部61dを有している。そして、この回転範囲規制凹部61dの円周方向一端部には、上記回転範囲規制凹部61dからさらに径方向に凹状に延在し、羽根オサエ部材64の後述する回転規制凸部64aが光軸Oに平行な方向で進入する開口部61eが形成されている(図4,図8参照)。
さらにまた、基台61は、開口61hの周囲において後面R側(図4参照)の面内には、上記開口部61eの配設されている位置とは干渉しない位置に、当該絞りユニット19の組み立て工程時に、上記羽根駆動回転板62の複数のバヨネット係止爪62aが光軸Oに平行な方向でそれぞれ進入し配置されるための複数のバヨネット開口61fが形成されている(図8の符号[B1]で示す部位(三箇所)参照)。これら複数のバヨネット開口61fに続く円周方向には、上記回転範囲規制凹部61dと略同様の形態に形成され、上記バヨネット係止爪62aの光軸O周りの回転を許容し、光軸O方向の移動を阻止するバヨネット溝(不図示)が設けられている。
ここで、本実施形態の絞りユニット19においては、上記回転範囲規制凹部61dの円周方向一端部に回転被規制凸部62cが配置されたとき、上記羽根部材63によって形成される可変開口63hは、「所望の最小径」状態よりも、さらに絞り込んだ「過大小径」状態となるように構成している。
また、同様に、上記回転範囲規制凹部61dの円周方向他端部に回転被規制凸部62cが配置されたとき、上記羽根部材63によって形成される可変開口63hは、「開放径」状態となるように構成されている。
そして、基台61の後面R側(図4参照)の面内の外周縁部近傍には、複数の羽根支軸61gが円周方向において略等間隔となるように配置されている(図4等参照)。複数の羽根支軸61gは、複数の羽根部材63と同数設けられている。複数の羽根部材63は、当該羽根支軸61gを回動中心として回動するように配設される。
このように、本実施形態の絞りユニット19においては、回転範囲規制凹部61dの円周方向一端部と円周方向他端部との間で、羽根駆動回転板62の回転被規制凸部62cが移動することで、羽根部材63による可変開口63hの面積が変位するように構成されている。そして、この場合において、羽根駆動回転板62の回転被規制凸部62cが、回転範囲規制凹部61dの両端部のいずれかに当接する位置において、上記羽根駆動回転板62の回転範囲が規制されるように構成されている。
上記羽根オサエ部材64は、中心に開口64h(第3の開口)を有する略円環形状の環状部64bを有して形成されている。この環状部64bは、上記基台61の外周縁部の所定の位置に対して複数のビス27gによって固定されている。そして、このとき、上記羽根オサエ部材64の環状部64bと上記基台61との間には、上記複数の羽根部材63と上記羽根駆動回転板62とが、それぞれ可動状態で挟持されている。
また、上記羽根オサエ部材64の環状部64bには、上記可変開口63h(開口61h,開口62h,開口64h,開口19h)の中心軸(光軸O)と平行な方向に延伸するように回転規制凸部64aが形成されている。回転規制凸部64aは、光軸Oと平行方向に延伸する長腕部と、この長腕部の先端から当該羽根オサエ部材64の環状部64bの径方向において中心軸(光軸O)に向けて延出する短腕部とを有する略L字形状に形成されている(図5,図7参照)。
この回転規制凸部64aは、当該羽根オサエ部材64が基台61に対して正規の位置に取付固定されたときに、基台61の回転範囲規制凹部61dの円周方向一端部に形成される開口部61eに光軸O方向から進入して配置される。この状態において(即ち絞りユニット19が組み立てられた状態において)、当該回転規制凸部64aは、回転被規制凸部62cが回転範囲規制凹部61dの円周方向一端部の円周方向側面61d1に当接することを阻止している。
つまり、回転規制凸部64aは、羽根オサエ部材64が基台61に対して正規の位置に取付固定されて、当該絞りユニット19が組み立てられた状態となったとき、回転範囲規制凹部61dの円周方向一端部の開口部61eに配置されている。
この状態で、羽根駆動回転板62が開口62hを中心とする円周方向において回転範囲規制凹部61dの円周方向一端部に向けて回転したとき、回転被規制凸部62cは、回転範囲規制凹部61dの円周方向一端部の円周方向側面61d1に当接する前に、回転規制凸部64aに当接するように構成されている。
したがって、回転規制凸部64aは、絞りユニット19の組み立てられた状態では、上記回転被規制凸部62cが円周方向一端部の円周方向側面61d1に当接することを防ぎ、よって、羽根部材63の可変開口63hが「過大小径」となることを防いでいる。そして、これにより、回転規制凸部64aは可変開口63hが開放径から所望の最小径までの範囲で、上記羽根駆動回転板62の回転範囲を規制している。
なお、図6に示すように、羽根オサエ部材64は、回転規制凸部64aの形成されている近傍部位であって、上記回転範囲規制凹部61dの円周方向一端部の開口部61eに対向する部位に窓部64cが形成されている。
したがって、当該絞りユニット19が組み立てられた状態において、複数の羽根部材63によって形成される可変開口63hが「開放径」となった時、複数の羽根部材63の一つは少なくとも回転範囲規制凹部61dの円周方向一端部、即ち上記窓部64cを覆うように配置される(図6参照)。
本実施形態の絞りユニット19の構成は以上である。上述の説明で詳述しなかった部分については、従来一般的な構成の絞り装置と略同様の構成を有するものとする。
次に、本実施形態の絞りユニット19の作用を、主に図6〜図16を用いて以下に説明する。
まず、本実施形態の絞りユニット19を組み立て状態としたときのようすは、図3,図6に示すようになっている。この状態における絞りユニット19において、複数の羽根部材63によって形成される可変開口63hは、図6に示すように、「開放径」状態となっている。このとき、羽根オサエ部材64の窓部64c、即ち回転範囲規制凹部61dの円周方向一端部の開口部61eは、複数の羽根部材63の一つによって覆われている。
また、このときの絞りユニット19において、羽根オサエ部材64の回転規制凸部64aは、図7に示すように、回転範囲規制凹部61dの円周方向一端部の開口部61eに配置されていて、図示していないが、回転規制凸部64aには、羽根駆動回転板62の回転被規制凸部62cが回転方向において当接している。これにより、羽根駆動回転板62の回転が規制され、これと同時に、羽根部材63の可変開口63hの「開放径」状態が維持されている。
本実施形態の絞りユニット19を組み立てる際の手順は概略以下のようになる。まず、図8は、上記絞りユニット19において、基台61に羽根駆動回転板62を組み付けた状態を後面R側から見た平面図である。また、図9は、図8の符号[9]で示す部分を拡大して、さらに絞り羽根を組み付けた状態を示す要部拡大図である。なお、図9においては、図8の状態に対して、さらに羽根部材63を組み付けた状態を示している。
本実施形態の絞りユニット19において、基台61に羽根駆動回転板62を組み付けて図8の状態とするには、まず、基台61に対して羽根駆動回転板62を、光軸Oに沿う方向(平行方向)から近付ける。このとき、基台61の複数のバヨネット開口61fのそれぞれに対して羽根駆動回転板62の複数のバヨネット係止爪62aのそれぞれを対応させて配置する。これと同時に、基台61の回転範囲規制凹部61dの円周方向一端部の開口部61eに羽根駆動回転板62の回転被規制凸部62cを配置する。そして、回転被規制凸部62cを回転範囲規制凹部61dの円周方向一端部に当接させた状態とする(図8参照)。
このようにして図8の状態にした後、コイルバネ65の一端が基台61の固定部61c(図3参照)に係止され、他端が羽根駆動回転板62から伸びる係止腕部62bに係止され、以降に装備される羽根部材63が閉じる方向へ、必要とされる力量で張架(引っ張り力を有して装備されること)される。即ち、予備張力を有して基台61と羽根駆動回転板62との間に装備される。その後、更に、複数の羽根部材63のそれぞれを、基台61の所定の位置、即ち羽根支軸61gによって回動自在に軸支されるように配置する。このとき複数の羽根部材63は、可変開口63hが「過大小径」状態となるように配置される(図9参照)。そして、このときの羽根部材63は、回転範囲規制凹部61dの円周方向一端部から退避した位置に配置される。尚、他部位の説明の為、図8では羽根部材63を非表示としている。また、図9においても説明の都合のため、羽根部材63を一つのみを表示した状態とした。
なお、ここで、図8の二点鎖線で示す符号BL線を羽根駆動回転板62の組み付け基準位置として示す。このとき、図8,図9に示すように、羽根駆動回転板62の回転被規制凸部62cは、上述したように、基台61の回転範囲規制凹部61dの開口部61eに対応する位置にあって、かつ回転範囲規制凹部61dの円周方向一端部の側面61d1に当接している。そして、この状態において、羽根部材63により形成される可変開口63hは、「所望の最小径」を越えた「過大小径」となっている(図12で示す絞りの開口63hより僅かに更に絞り込まれている。)。この状態では、羽根部材63は、回転範囲規制凹部61dの円周方向一端部から退避した位置に配置されている(図9参照)。
また、このとき、羽根駆動回転板62の複数(三つ)のバヨネット係止爪62aは、基台61のバヨネット開口61fに対応する位置に配置されている。したがって、この状態では、基台61に対する羽根駆動回転板62の着脱が可能となっている(図8の符号[B1]で示す部位を参照)。
次に、図8,図9に示す状態から、羽根駆動回転板62を図8の矢印R1方向に所定量だけ回転させる。すると、図10に示す状態になる。尚、ここでも説明の都合上、図10においても羽根部材63を非表示としている。
図10は、図8の状態から羽根駆動回転板62を所定方向に所定量だけ回転させた状態にある絞りユニット19を後面R側から見た平面図である。なお、図10においては、図8と同様に、羽根部材63と羽根オサエ部材64とは、まだ組み付けていない状態の図である。また、図11は、図10の符号[11]で示す部分を拡大して、さらに絞り羽根を組み付けた状態を示す要部拡大図である。
この場合において、羽根駆動回転板62の図8の矢印R1方向への所定量の回転は、図10においては、二点鎖線符号BL(基準位置)と同符号BL1とによって示している。即ち、羽根駆動回転板62が図10の二点鎖線符号BLの基準位置から、同図二点鎖線符号BL1の位置に移動する際の回転量[D1]である。
図10に示す状態になると、羽根駆動回転板62の回転被規制凸部62cは、回転範囲規制凹部61dの円周方向一端部から離れた位置に移動し、開口部61eは開放された状態となる。
また、羽根駆動回転板62のバヨネット係止爪62aは、バヨネット開口61fから円周方向に回転した位置に配置されている(図10の符号[B2]参照)。したがって、この状態になると、バヨネット係止爪62aが基台61の固定部分によって係止されるので、羽根駆動回転板62は円周方向には回転可能であり、かつ光軸O方向には移動し得ない状態となる。したがって、これにより、羽根駆動回転板62は、基台61から外れて脱落してしまうことのない状態とされる。
図10の状態において、複数の羽根部材63は、可変開口63hが「所望の最小径」状態となる(図11参照)。そして、このときの羽根部材63は、図9の状態と同様に、回転範囲規制凹部61dの円周方向一端部から退避した位置に配置される。
次に、図10,図11に示す状態において、基台61に対して羽根オサエ部材64をビス27gによって固定すると、図12に示す状態になる。
図12は、図11の状態にある基台61に対して羽根オサエ部材64を組み付けた状態の絞りユニット19を後面R側から見た平面図である。また、図13は、図12の矢印[13]−[13]に沿う断面を示す要部拡大断面図である。この図13は、回転規制凸部64aと回転被規制凸部62cとの当接している状態を主に示している。
即ち、図12に示す状態は、基台61に羽根駆動回転板62を組み込み(図8の状態)、その状態で羽根部材63を取り付け(図9の状態)、図8の状態から羽根駆動回転板62を所定量(図10の符号[D1])だけ回転させた状態(図10状態)、また、図10の状態から羽根部材63を取り付けた状態(図11の状態)の後に、羽根オサエ部材64さらに取り付けた状態である。
この場合において、羽根駆動回転板62と複数の羽根部材63とが取り付けられた状態の基台61に対し、羽根オサエ部材64を取り付ける。そのためには、まず、羽根駆動回転板62,複数の羽根部材63が取り付けられた基台61に対して羽根オサエ部材64を、光軸Oに沿う方向(平行方向)から近付ける。このとき、基台61の開口部61eに対して羽根オサエ部材64の回転規制凸部64aを対応させて配置する。このとき、回転規制凸部64aに回転被規制凸部62cが当接した状態になる(図12,図13参照)。
これにより、回転規制凸部64aは、羽根駆動回転板62の回転を規制する。したがって、複数の羽根部材63による可変開口63hは「所望の最小径」状態に維持される(図12参照)。そして、この状態において、ビス27gを用いて、基台61に対し羽根オサエ部材64を固定する(図12参照)。このようにして、本実施形態の絞りユニット19の組み立ては完了する。尚、この図12の状態で、機械的余裕や制御の余裕を見込んで「所望の最小径」状態より僅かに絞り込まれた状態にしておいてもよい。
そして、本実施形態の絞りユニット19においては、羽根駆動回転板62の回転制御を行って複数の羽根部材63をそれぞれ回動させることによって、図1可変開口63hを変位させて、当該可変開口63hを通過する光量の調整を行うことができる。
なお、図12の状態からさらに羽根駆動回転板62を、所定量だけ矢印R1方向に回転させると、図14に示す状態となる。図14は、図10,図12の状態からさらに羽根駆動回転板62を所定方向に所定量だけ回転させて、「所望の最小径」状態としたようすを示している。なお、図14では、複数の羽根部材63のようすを示すために羽根オサエ部材64の図示を省略している。
ここで、羽根駆動回転板62の矢印R1方向への所定量の回転は、図14において、二点鎖線符号BL1と同符号BL2とによって示している。即ち、羽根駆動回転板62が図14の二点鎖線符号BL1の位置から、同図二点鎖線符号BL2の位置に移動する際の回転量[D2]である。この回転量[D2]が、可変開口63hの「過大小径」状態から「所望の最小径」状態へと変位させる際の羽根駆動回転板62の回転量である。
したがって、本実施形態の絞りユニット19は、図14に示す「所望の最小径」状態と図6に示す「開放径」状態との間で、可変開口63hの変位の制御が行われる。
ところで、可変開口63hが「所望の最小径」状態とされるとき、複数の羽根部材63は互いに重なり合った状態が最大となっている一方、可変開口63hが「開放径」状態のときの複数の羽根部材63の互い重なりは最も少ない状態である。
一般に、絞りユニットを組み立てる際には、複数の絞り羽根の重なりが少ない状態で行うのが望ましいとされている。したがって、従来の絞りユニットでは、絞り羽根を開放した状態で組み立てが行われているのが普通である。そのために、絞り羽根を開放状態とした時には、絞り羽根と回転規制凸部との干渉を避けるための構成として、回転規制凸部を絞りユニットの外形側に突出させて形成されており、絞りユニット自体が大型化する傾向があった。
本実施形態の絞りユニット19においては、複数の羽根部材63による可変開口63hが「開放径」状態として時には、図6に示すように、羽根部材63の一部が、回転範囲規制凹部61dの円周方向一端部の開口部61eを覆うように配置して、ユニットの大型化を避けている。
そして、ユニット組み立て時において、回転規制凸部64aを基台61の所定位置(開口部61e)に組み込む際には、羽根部材63の一部が開口部61eを覆う状態が解除される状態、即ち複数の羽根部材63による可変開口63hが「中間絞り」状態となったときに行うようにしている。
図15は、図14の状態(「所望の最小径」状態)からさらに羽根駆動回転板62を矢印R1方向へ所定量だけ回転させて、可変開口63hの「中間絞り」状態としたようすを示している。なお、この図15においても、複数の羽根部材63のようすを示すために羽根オサエ部材64の図示を省略している。図16は、図15の状態に羽根オサエ部材64を組み付けて、組み立てが完了した状態の当該絞りユニット19を後面R側から見た平面図である。
ここで、羽根駆動回転板62の矢印R1方向への所定量の回転は、図15において、二点鎖線符号BL2と同符号BL3とによって示している。即ち、羽根駆動回転板62が図15の二点鎖線符号BL2の位置から、同図二点鎖線符号BL3の位置に移動する際の回転量[D3]である。この回転量[D3]が、可変開口63hの「所望の最小径」状態から「中間絞り」状態へと変位させる際の羽根駆動回転板62の回転量である。この場合において、「中間絞り」状態は、上述したように「所望の最小径」状態と「開放径」状態との間の任意の位置であるから、図15に示す状態は、「中間絞り」状態の一例を示しているのに過ぎない。
図15,図16に示すように、本実施形態の絞りユニット19においては、可変開口63hが「中間絞り」状態にあるときには、羽根部材63の一部によって開口部61eが覆われている状態が解除されている。したがって、この状態にある時、羽根オサエ部材64の回転規制凸部64aを基台61の開口部61eに配置することができ、よって、当該絞りユニット19を組み立てるのに支障はない。
以上説明したように上記一実施形態によれば、露光量調整装置であり単一のユニットからなる絞り装置である絞りユニット19において、
撮像光学系を透過する被写体光束の通過光量を調整するために、それぞれが回動して面積が変位する可変開口63hを形成する複数の羽根部材63と、
第1の開口62hと、この第1の開口62hを中心とする円周方向に回転し外径方向に延伸して設けられた回転被規制凸部62cとを有し、上記複数の羽根部材63を回動させて上記可変開口63hの開放径から所望の最小径を経て当該所望の最小径を越えた過大小径までの間で上記複数の羽根部材63をそれぞれ回動駆動する羽根駆動回転板62と、
上記複数の羽根部材63のそれぞれが回動可能に周囲に配置された第2の開口61hと、この第2の開口61hを中心とする円周方向に凹状に延在し、上記羽根駆動回転板62の回転範囲を規制する回転範囲規制凹部61dとを有した基台61と、
第3の開口64hを有し、上記複数の羽根部材63と上記羽根駆動回転板62とをそれぞれ可動状態で上記基台61との間に挟持する環状部64bと、上記可変開口63hの中心軸Oと平行な方向に延伸し上記回転範囲規制凹部61d内の上記円周方向一端部に進入して上記回転被規制凸部62cが当接したとき上記可変開口63hが上記過大小径となることを防ぎ、上記可変開口63hが上記開放径から上記所望の最小径までの範囲で上記羽根駆動回転板62の回転範囲を規制する回転規制凸部64aとが形成された羽根オサエ部材(64)と、を具備し、
上記回転範囲規制凹部61dは、円周方向一端部に上記回転被規制凸部62cが配置されたときには上記可変開口63hを上記過大小径とし、円周方向他端部に上記回転被規制凸部62cが配置されたときには上記可変開口63hを上記開放径とする。そして、上記可変開口63hが上記開放径となった時に、上記複数の羽根部材63の一つが少なくとも上記回転範囲規制凹部61dの円周方向一端部を覆うように配置される。
このような構成により、羽根オサエ部材64に設けた回転規制凸部64aを、羽根駆動回転板62の回転被規制凸部62cに当接させることで、羽根駆動回転板62の回動範囲を規制すると共に、当該羽根駆動回転板62の光軸O周りの回動を確保しつつ光軸O方向への脱落を防止する形態の露光量調整装置であり絞り装置である絞りユニット19において、部品点数を増やすことなく、絞りユニット19の径方向への小型化を実現することができる。
この構成においては、複数の羽根部材63による可変開口63hを開放状態としたとき、回転規制凸部64aと羽根部材63とが干渉する構成となるために、羽根オサエ部材64を基台61に組み込むことができない。
そのために、本実施形態の絞りユニット19においては、複数の羽根部材63によって形成される可変開口63hを、開放径から少し絞った状態とした上で、つまり、「開放径」状態と「所望の最小径」状態との間の「中間絞り」状態とした上でユニットの組み立てを行うようにしている。このことは、「中間絞り」状態では、回転規制凸部64aと羽根部材63との干渉を避けることができるためである。
このような構成の工夫をした上で、組み立て手順の工夫を行うことで、従来と略同様の構成をとりながら、部品点数を増加させることなく、また構成の複雑化を避けつつ、より一層の小型化を実現することのできる露光量調整装置である絞りユニット19(絞り装置)を提供することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用を実施し得ることが可能であることは勿論である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせによって、種々の発明が抽出され得る。例えば、上記一実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題が解決でき、発明の効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。この発明は、添付のクレームによって限定される以外にはそれの特定の実施態様によって制約されない。