JP2018141138A - 極性基含有オレフィン共重合体、及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、オレフィン重合体は極性基を持たないため、他の材料との接着性や印刷適性、或はフィラーなどとの相溶性の物性が要求される用途への適用は困難であった。これを改良した材料として、高圧ラジカル法重合プロセスによって製造されたエチレンと極性基含有ビニルモノマーとの共重合体が、単体もしくは他の樹脂との組成物として用いられてきた(特許文献1及び特許文献2)。しかし、ポリマー多分岐構造に由来して、低弾性率や機械物性に劣り、単体で用いる場合はもちろんのこと、他の樹脂との組成物として用いる場合においても、その応用範囲は限られたものとなっていた。
ところで、近年において、いわゆるポストメタロセンと称される、後周期遷移金属錯体触媒を用い、有機アルミニウム化合物などのマスク化剤を使用することなく、オレフィンと極性コモノマーを共重合する試みが精力的に進められている。これまでに、コポリマー構造として分岐の少ない直線状共重合体を得られる特徴を有しつつ、極性コモノマーとして、アクリル酸エステル(特許文献5〜10)、アクリロニトリル(非特許文献1)、ビニルエーテル(非特許文献2)などが報告されてきた。
このような事情に鑑み、本発明の目的は、新規な直鎖状のビニリデンコモノマーを用いた極性基含有オレフィン共重合体、及びその製造方法を提供することにある。
その結果、特定構造の重合触媒に用い、かつ、特定のビニリデンコモノマーを用いることで、上記の課題を解決することを見いだして、発明を完成するに至った。これらの成果に基づいて、次の発明を提供する。
ここで、[1]における、特定構造を有する極性基含有オレフィン共重合体が、基本発明[1]として構成され、[2]以下の各発明は、基本発明に付随的な要件を加え、或いはその実施の態様を示すものである。そして、[4]〜[16]の発明は、本発明の特定構造を有する極性基含有オレフィン共重合体の製法に係り付加的な要件を規定している。なお、全発明単位をまとめて発明群と称す。
エチレン及び/又は炭素数3〜10のα−オレフィンに由来する構造単位と、
下記一般式(1)、(2)及び(3)で示される極性基含有モノマーからなる群より選ばれた少なくとも1種に由来する構造単位20〜0.001mol%と、を含む極性基含有オレフィン共重合体であり、
かつ、
13C−NMR分析により算出されるメチル分岐度がコポリマー1,000炭素当たり、20以下の直鎖状ランダム共重合体であることを特徴とする極性基含有オレフィン共重合体。
[式(1)、(2)及び(3)中、FGは、ハロゲン原子、水酸基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数1〜20のアルキルチオ基、炭素原子数1〜20の炭化水素基を有する置換アミノ基、シアノ基、カルボキシル基、炭素原子数1〜20の炭化水素基を有するエステル基、または炭素原子数1〜20の炭化水素基を有するアシルオキシ基である。
Rは、炭素原子数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素原子数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子、またはシアノ基であり、FGとの間で環状構造を形成しても良い。]
前記FGが、ハロゲン原子、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数1〜20の炭化水素基を有する置換アミノ基、シアノ基、炭素原子数1〜20の炭化水素基を有するエステル基、または炭素原子数1〜20の炭化水素基を有するアシルオキシ基であることを特徴とする[1]に記載の極性基含有オレフィン共重合体。
前記FGが、ハロゲン原子、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数1〜20の炭化水素基を有するエステル基、または炭素原子数1〜20の炭化水素基を有するアシルオキシ基であることを特徴とする[2]に記載の極性基含有オレフィン共重合体。
[1]〜[3]のいずれか1項に記載の極性基含有オレフィン共重合体の製造方法であって、
8〜10族の遷移金属を含む化合物を用いて重合することを特徴とする、極性基含有オレフィン共重合体の製造方法。
前記8〜10族の遷移金属を含む化合物が、カルベン前駆体化合物と8〜10族の遷移金属化合物の錯体前駆体とを反応させて得られる金属錯体であることを特徴とする、[4]に記載の極性基含有オレフィン共重合体の製造方法。
前記カルベン前駆体化合物が、下記一般式(4)又は一般式(5)で表されることを特徴とする、[5]に記載の極性基含有オレフィン共重合体の製造方法。
[一般式(4)及び一般式(5)において、Zは、OR3、SR3、SO3R3、N=CR3R4、CR3=NR4、N(R3)2、P(R3)2、CO2R3、CO2M’、C(O)N(R3)2、C(O)R3、SO2R3、SOR3、OSO2R3、P(O)(OR3)2−y(R4)y、SO3M’、PO3M’2、P(O)(OR3)2M’、P(R3)2(O)を表す。(ここで、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、M’は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、4級アンモニウム又はホスホニウムを表し、yは0〜2の整数を表す)。R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子又はヘテロ原子を含有してもよい炭素数1〜40の炭化水素基である。X1は、炭素数3〜9の飽和又は不飽和な二価の炭化水素基を表し、X1が形成する環上に置換基を有していてもよい。Raは、水素原子又はヘテロ原子を含有してもよい炭素数1〜10の炭化水素基であり、X1から成る環の一部と縮環してもよい。A−は、カウンターアニオンを表し、任意の陰イオンを表す。E1及びE2は、それぞれ独立に、炭素原子又は窒素原子を表す。nは、0又は1の整数を表す。]
前記カルベン前駆体化合物が、下記一般式(6)又は一般式(7)で表されることを特徴とする、[6]に記載の極性基含有オレフィン共重合体の製造方法。
[一般式(6)又は一般式(7)において、X2は、炭素数3〜9の飽和又は不飽和な二価の炭化水素基を表す。X2が形成する環上に置換基を有していてもよい。A−、Z、R1、R2、X1、E1及びE2は、[6]に記載した通りである。]
前記カルベン前駆体化合物が、下記一般式(8)又は一般式(9)で表されることを特徴とする、[7]に記載の極性基含有オレフィン共重合体の製造方法。
[一般式(8)又は一般式(9)において、R5〜R9は、ハロゲン原子又はヘテロ原子含有基又はヘテロ原子を含有していてもよい炭素数1〜40の炭化水素基を表す。A−、Z、R1、R2、E1及びE2は、[6]に記載した通りである。]
前記記載のカルベン前駆体化合物が、下記一般式(10)又は一般式(11)で表されることを特徴とする、[6]に記載の極性基含有オレフィン共重合体の製造方法。
[一般式(10)又は一般式(11)において、R10は、ハロゲン原子又はヘテロ原子含有基又はヘテロ原子を含有していてもよい炭素数1〜40の炭化水素基を表す。A−、Z、R1、R2、R5、R6、E1及びE2は、[6]又は[8]に記載した通りである。]
一般式(4)〜(11)において、前記Zが、OR3、SR3、SO3R3、N=CR3R4、CR3=NR4、N(R3)2、P(R3)2、P(O)(OR3)2−y(R4)yであることを特徴とする、[6]〜[9]のいずれ1項に記載の極性基含有オレフィン共重合体の製造方法。
前記8〜10族の遷移金属を含む化合物が、下記一般式(12)又は一般式(13)で表されることを特徴とする、[4]に記載の極性基含有オレフィン共重合体の製造方法。
[一般式(12)又は一般式(13)において、M1は、周期表の8〜10族に属する遷移金属を表す。L1及びL2は、M1に配位子したリガンドを表し、それぞれ独立に、ハロゲン原子、水素原子、ヘテロ原子を含有する炭素数1〜20の炭化水素基を表す。L1及びL2は、互いに連結して環を形成してもよい。
Zは、OR3、SR3、SO3R3、N=CR3R4、CR3=NR4、N(R3)2、P(R3)2、CO2R3、CO2M’、C(O)N(R3)2、C(O)R3、SO2R3、SOR3、OSO2R3、P(O)(OR3)2−y(R4)y、SO3M’、PO3M’2、P(O)(OR3)2M’、P(R3)2(O)を表す。(ここで、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、M’は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、4級アンモニウム又はホスホニウムを表し、yは0〜2の整数を表す)。R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子又はヘテロ原子を含有してもよい炭素数1〜40の炭化水素基である。X1は、炭素数3〜9の飽和又は不飽和な二価の炭化水素基を表し、X1が形成する環上に置換基を有していてもよい。Raは、水素原子又はヘテロ原子を含有してもよい炭素数1〜10の炭化水素基であり、X1から成る環の一部と縮環してもよい。A−は、カウンターアニオンを表し、任意の陰イオンを表す。E1及びE2は、それぞれ独立に、炭素原子又は窒素原子を表す。nは、0又は1の整数を表す。A+はカウンターカチオンを表し、任意の陽イオンを表す。]
前記M1が、周期表第10族に属する遷移金属であることを特徴とする、[11]に記載の極性基含有オレフィン共重合体の製造方法。
前記8〜10族の遷移金属を含む化合物が、下記一般式(C1)で表される金属錯体であることを特徴とする、[4]に記載の極性基含有オレフィン共重合体の製造方法。
[式(C1)中、
Mは周期表第10族の金属原子を表し、
Xはリン原子(P)または砒素原子(As)を表し、
Y1は、水酸基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数2〜10のエステル基、シリル基、及びハロゲン原子から選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよい炭素原子数1〜70の2価の炭化水素基を表し、
Qは、Y1[−S(=O)2−O−]M、Y1[−C(=O)−O−]M、Y1[−P(=O)(−OH)−O−]MまたはY1[−S−]Mの「[ ]」の中に示される2価の基を表し(ただし、両側のY1、Mは基の結合方向を示すために記載している。)、
R15は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜30の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素原子数1〜30の炭化水素基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基で置換された炭素原子数2〜30の炭化水素基、炭素原子数6〜20のアリールオキシ基で置換された炭素原子数7〜30の炭化水素基、炭素原子数2〜10のアミド基で置換された炭素原子数3〜30の炭化水素基、炭素原子数1〜30のアルコキシ基、炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、及び炭素原子数2〜10のアシロキシ基からなる群より選ばれる置換基を表し、
R16及びR17はそれぞれ独立して、水素原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリル基、アミノ基、またはハロゲン原子、アルコキシ基及びアリールオキシ基から選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよい炭素原子数1〜120の炭化水素基を表し、R16及びR17の少なくとも一方が、炭素原子数1〜10のアルキル基または炭素原子数4〜106のシクロアルキル基である。また、R16またはR17はY1と結合して環構造を形成してもよい。
Lは電子供与性配位子を表し、
qは0、1/2、1または2である。]
一般式(C1)中、Qが−S(=O)2−O−である(ただし、SはY1に結合し、OはMに結合する。)、[13]に記載の極性基含有オレフィン共重合体の製造方法。
一般式(C1)で示される化合物が、一般式(C2)
[式(C2)中、R112〜R115は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、シリル基またはハロゲン原子で置換された炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。M、X、R15、R16、R17、L及びqは一般式(C1)の記載と同じ意味を表す。]
で示される金属錯体である、[13]に記載の極性基含有オレフィン共重合体の製造方法。
一般式(C2)で示される化合物が、R112がシリル基である一般式(C3)
[式(C3)中、3つのR116はそれぞれ独立して、水素原子または炭素原子数1〜8の炭化水素基を表し、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。M、X、R15、R16、R17、R113、R114、R115、L及びqは一般式(C2)の記載と同じ意味を表す。]
で示される金属錯体である、[15]に記載の極性基含有オレフィン共重合体の製造方法。
また、本発明では、特定構造のポストメタロセン錯体触媒を用いて、極性基含有オレフィン共重合体を製造することが可能である。
本発明により提供される極性基含有オレフィン共重合体は、応用範囲が広く非常に有用である。
[1]本発明の極性基含有モノマー
(1)極性基含有モノマーについて
本発明で用いられる極性基含有モノマーは、
下記一般式(1)、(2)及び(3)で示される極性基含有モノマーからなる群より選ばれた少なくとも1種である。
Rは、炭素原子数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素原子数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子、またはシアノ基であり、FGとの間で環状構造を形成しても良い。]
式(1)、(2)及び(3)中、FGは、好ましくは、ハロゲン原子、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数1〜20の炭化水素基を有する置換アミノ基、シアノ基、炭素原子数1〜20の炭化水素基を有するエステル基、または炭素原子数1〜20の炭化水素基を有するアシルオキシ基であり、より好ましくは、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアリール基、炭素原子数1〜20の炭化水素基を有するエステル基、または炭素原子数1〜20の炭化水素基を有するアシルオキシ基である。
ハロゲン原子は、特に限定されない。ハロゲン原子は、好ましくは、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
式(1)、(2)及び(3)中、Rは、炭素原子数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素原子数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子、またはシアノ基であり、FGとの間で環状構造を形成しても良い。
炭素原子数1〜10のアルキル基であるRは、具体的には、メチル基、エチル基、1−プロピル基、1−ブチル基、1−ペンチル基、1−ヘキシル基、1−ヘプチル基、1−オクチル基、1−ノニル基、1−デシル基、t−ブチル基、トリシクロヘキシルメチル基、イソプロピル基、1−ジメチルプロピル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,1−ジエチルプロピル基、イソブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−ヘプチル基、3−ヘプチル基、4−ヘプチル基、2−プロピルヘプチル基、2−オクチル基、3−ノニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、メチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基等を好適に挙げることができる。
ハロゲン原子で置換された炭素原子数1〜10のアルキル基であるRは、好ましくは、前述の炭素数1〜20の炭化水素基を、ハロゲン原子で置換した構造体が挙げられる。具体的に好ましい例として、トリフルオロメチル基が挙げられる。
ハロゲン原子であるRの好ましい具体例は、フッ素、塩素、臭素である。これらの中で、更に好ましい置換基は、塩素である。
本発明に用いられるα−オレフィンは、エチレン及び/又は炭素数3〜10のα−オレフィンである。好ましい具体例として、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンが挙げられ、特に好ましい具体例として、エチレンが挙げられる。また、α−オレフィンは、一種類を使用してもよいし、複数を併用してもよい。
本発明における極性基含有オレフィン共重合体は、極性基含有オレフィン共重合体中の極性基含有モノマーに由来する構造単位量が0.001〜10.000mol%であることが好ましい。これらのうちで特に、0.010〜5.000mol%の範囲で選択されることが好ましい。
この構造単位量は、触媒の選択や、重合時に添加する極性基含有モノマー量、重合時の圧力や温度で制御することが可能である。共重合体中の極性基含有モノマーに由来する構造単位量を増加させる具体的手段として、重合時に添加する極性基含有モノマー量の増加、重合時のオレフィン圧力の低減、重合温度の増加が有効である。例えば、これらの因子を調節して、目的とするコポリマー領域に制御することが求められる。
Mw/Mnがこの範囲を満たすと、積層体の成形を始めとして各種加工性が十分となり、接着強度が優れたものとなる。Mw/Mnは、使用する触媒の選択で制御することが可能である。
この融点は、使用する触媒の選択や、重合時に添加する極性基含有モノマー量で制御することが可能である。極性基含有オレフィン共重合体の融点を増加させる具体的手段として、重合時に添加する極性基含有モノマー量の低減、重合時のオレフィン圧力の増加、重合温度の低下が有効である。例えば、これらの因子を調節して、目的とするコポリマー領域に制御することが求められる。
メチル分岐がこの数値を満たすと弾性率が高く、成形体の機械強度も高くなる。
このメチル分岐度は、使用する触媒の選択や、重合温度で制御することが可能である。共重合体のメチル分岐度を低下させる具体的手段として、重合温度の低下が有効である。例えば、これらの因子を調節して、目的とするコポリマー領域に制御することが求められる。
本発明の極性基含有オレフィン共重合体の製造方法の一例として、8〜10族の遷移金属を含む化合物を用いて重合する方法がある。
好ましい遷移金属の具体例として、バナジウム原子、ニオビウム原子、タンタル原子、クロム原子、モリブデン原子、タングステン原子、マンガン原子、鉄原子、ルテニウム原子、コバルト原子、ロジウム原子、ニッケル原子、パラジウム原子等が挙げられる。これらの中で好ましくは、バナジウム原子、鉄原子、コバルト原子、ニッケル原子、パラジウム原子であり、特に好ましくは、ニッケル原子、パラジウム原子である。これらの金属は、単一であっても複数を併用してもよい。
炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜33の炭化水素基であり、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基である。好ましい具体例は、1−プロピル基、1−ブチル基、1−ペンチル基、1−ヘキシル基、1−ヘプチル基、1−オクチル基、1−ノニル基、1−デシル基、t−ブチル基、トリシクロヘキシルメチル基、1,1−ジメチル−2−フェニルエチル基、イソプロピル基、1−ジメチルプロピル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、2,6−ジベンズヒドリル−4−メチルフェニル基などである。
A−は、カウンターアニオンを表し、任意の陰イオンとして、COO−、Cl−、Br−が例示される。先述したZの中には、脱離基が外れてマイナス一価に荷電する置換基があり、この場合は分子内で電気的に中性となるため、A−を必要としない。
より具体的には、炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜30の炭化水素基であり、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基である。好ましい具体例は、1−プロピル基、1−ブチル基、1−ペンチル基、1−ヘキシル基、1−ヘプチル基、1−オクチル基、1−ノニル基、1−デシル基、t−ブチル基、トリシクロヘキシルメチル基、1,1−ジメチル−2−フェニルエチル基、イソプロピル基、1−ジメチルプロピル基、フェニル基、ビフェニル基、アントラセニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基などである。
[5.1]金属錯体(第1の例)
本発明に用いる金属錯体の第1の例は、一般式(4)〜(11)のいずれかにおけるカルベン前駆体化合物と、周期表8〜10族の遷移金属化合物の錯体前駆体とを反応させて得られることを特徴とする金属錯体である。
一般式(12)又は一般式(13)における、遷移金属のM1としては、Fe、Co、Ni、Pd、Ptが挙げられる。リガンドのL1及びL2としては、ハロゲン原子、メチル基、フェニル基、ベンジル基、ピリジン、2,6−ルチジンなどが挙げられる。
錯体合成反応は、α−オレフィンの重合又は共重合に使用する反応器中で行ってもよいし、該反応器とは別の容器中で行ってもよい。錯形成後に、金属錯体を単離抽出して触媒に用いてもよいし、単離せずに触媒に用いてもよい。
本発明に用いる金属錯体の第2の例について、以下説明する。
金属錯体の第2の例の構造は、一般式(C1)で示される。
Lは電子供与性配位子を表し、qは0、1/2、1または2である。
なお、本明細書では、「炭化水素」は飽和、不飽和の脂肪族炭化水素、及び芳香族炭化水素を含む。また、鎖状構造及び環状構造を含む。
Mは周期律表第10族の金属原子を表す。周期律表第10族の金属原子としては、Ni、Pd、Ptが挙げられるが、触媒活性や得られる重合体の分子量の観点からNi及びPdが好ましく、Pdがより好ましい。
Xはリン原子(P)または砒素原子(As)であり、中心金属Mに2電子配位している。Xとしては、入手が容易であることと触媒コストの面からPが好ましい。
好ましい具体例は、メチル基、エチル基、1−プロピル基、1−ブチル基、1−ペンチル基、1−ヘキシル基、1−ヘプチル基、1−オクチル基、1−ノニル基、1−デシル基、t−ブチル基、トリシクロヘキシルメチル基、1,1−ジメチル−2−フェニルエチル基、イソプロピル基、1−ジメチルプロピル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,1−ジエチルプロピル基、1−フェニル−2−プロピル基、イソブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−ヘプチル基、3−ヘプチル基、4−ヘプチル基、2−プロピルヘプチル基、2−オクチル基、3−ノニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、メチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、エキソ−ノルボルニル基、エンド−ノルボニル基、2−ビシクロ[2.2.2]オクチル基、ノピニル基、デカヒドロナフチル基、メンチル基、ネオメンチル基、ネオペンチル基、5−デシル基、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フルオレニル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基、及びp−エチルフェニル基などが挙げられる。
これらの中で、さらに好ましい置換基としては、メチル基、ベンジル基であり、特に好ましくはメチル基である。
これらの中で、さらに好ましい置換基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基であり、特に好ましくは、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基である。
前記アルキレン基Rとしては、炭素原子数が2〜6であるものが好ましく、炭素原子数が4であるものがより好ましい。
Y1上の置換基であるシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリブチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基などが挙げられ、特にトリメチルシリル基、トリエチルシリル基が好ましい。
Y1上の置換基である炭素原子数1〜10のアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基である。好ましい具体例は、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、フェノキシ基などが挙げられ、特にメトキシ基、フェノキシ基が好ましい。
Y1上の置換基である炭素原子数2〜10のエステル基としては、好ましくは炭素数2〜8のエステル基であり、好ましい具体例は、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、(4−ヒドロキシブトキシ)カルボニル基、(4−グリシジルブトキシ)カルボニル基、フェノキシカルボニル基、スクシン酸無水物基、スクシン酸イミド基が挙げられる。好ましくは、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、(4−ヒドロキシブトキシ)カルボニル基、スクシン酸無水物基が挙げられ、特に好ましくは、メトキシカルボニル基、スクシン酸無水物基である。
Y1上の置換基であるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素等が挙げられ、特に、フッ素、塩素が好ましい。
炭素原子数1〜70の炭化水素基としては、好ましくは、炭素原子数1〜12の炭化水素基であり、好ましくはアルキレン基、アリーレン基等が挙げられ、特にアリーレン基が好ましい。
で示される。
電子供与性配位子(L)としては、硫黄原子を有するものとしてジメチルスルホキシド(DMSO)が挙げられる。窒素原子を有するものとして、アルキル基の炭素原子数1〜10のトリアルキルアミン、アルキル基の炭素原子数1〜10のジアルキルアミン、ピリジン、2,6−ジメチルピリジン(別名:2,6−ルチジン)、アニリン、2,6−ジメチルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)、アセトニトリル、ベンゾニトリル、キノリン、2−メチルキノリンなどが挙げられる。酸素原子を有するものとして、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタンが挙げられる。金属錯体の安定性及び触媒活性の観点から、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ピリジン、2,6−ジメチルピリジン(別名:2,6−ルチジン)、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)が好ましく、ジメチルスルホキシド(DMSO)、2,6−ジメチルピリジン(別名:2,6−ルチジン)がより好ましい。
本発明における重合用触媒は、触媒活性が良好で、分子量が高くコモノマー含量も高い、エチレンなどのα−オレフィンと(メタ)アクリル酸エステル又はアリルモノマーとの共重合体の製造を可能となす触媒である。
この触媒は、前記した金属錯体を主要な触媒成分(A)とするものであり、成分(B)として、成分(A)と反応してイオン対を形成する化合物又はイオン交換性層状珪酸塩を用い、必要に応じて成分(C)の有機アルミニウム化合物を使用する。
(B−1)アルミニウムオキシ化合物
(B−2)成分(A)と反応して成分(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物又はルイス酸
(B−3)固体酸
一般式の三番目で表される化合物は、一種類のトリアルキルアルミニウム又は二種類以上のトリアルキルアルミニウムと、一般式RbB(OH)2で表されるアルキルボロン酸との10:1〜1:1(モル比)の反応により得ることができる。一般式中、Rbは、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6の炭化水素基を示す。
また、上記のようなルイス酸としては、種々の有機ホウ素化合物、例えばトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素などが例示される。或いは、塩化アルミニウム、塩化マグネシウムなどの金属ハロゲン化合物が例示される。
なお、上記のルイス酸のある種のものは、成分(A)と反応して成分(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物として把握することもできる。
触媒組成物の合成は、一般に、8〜10族の遷移金属化合物と、新規なカルベン前駆体化合物またはリンスルホン酸化合物とを溶液又はスラリー中で接触して行うことができる。
遷移金属化合物として好ましくは、10族の遷移金属化合物であり、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、硫酸パラジウム、酢酸パラジウム、ビス(アリルパラジウムクロライド)、塩化パラジウム、臭化パラジウム、(シクロオクタジエン)パラジウム(メチル)クロライド、ジメチル(テトラメチルエチレンジアミン)パラジウム、ビス(シクロオクタジエン)ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、(テトラメチルエチレンジアミン)ニッケル(メチル)クロライド、ジメチル(テトラメチルエチレンジアミン)ニッケル、(シクロオクタジエン)ニッケル(メチル)クロライドなどを使用して合成する。
また、本発明の触媒組成物は、一種類を単独で用いてもよいし、複数種の触媒組成物を併用してもよい。特に、分子量分布やコモノマー含量分布を広げる目的には、こうした複数種の触媒組成物の併用が有用である。
一般に、無機酸化物やポリマー担体が好適に使用できる。具体的には、SiO2、Al2O3、MgO、ZrO2、TiO2、B2O3、CaO、ZnO、BaO、ThO2など又はこれらの混合物が挙げられ、SiO2−Al2O3、SiO2−V2O5、SiO2−TiO2、SiO2−MgO、SiO2−Cr2O3などの混合酸化物も使用することができ、無機ケイ酸塩、ポリエチレン担体、ポリプロピレン担体、ポリスチレン担体、ポリアクリル酸担体、ポリメタクリル酸担体、ポリアクリル酸エステル担体、ポリエステル担体、ポリアミド担体、ポリイミド担体などが使用可能である。
これらの担体については、粒径、粒径分布、細孔容積、比表面積などに特に制限はなく、任意のものが使用可能である。
即ち、成分(A)及び(B)と必要に応じて成分(C)を重合槽に別々に導入してもよいし、成分(A)及び(B)を予め接触させた後に重合槽に導入してもよい。また、成分(A)及び(B)の混合物を成分(C)に含浸させた後に重合槽へ導入してもよい。
上記の各成分の接触は、窒素などの不活性ガス中において、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレンなどの不活性炭化水素溶媒中で行ってもよい。接触温度は、−20℃から溶媒の沸点の範囲の温度、特に、室温から溶媒の沸点の範囲の温度が好ましい。この様にして調製された触媒は、調製後に洗浄せずに使用してもよく、また、洗浄した後に使用してもよい。更には、調製後に必要に応じて新たに成分を組み合わせて使用してもよい。
本発明における共重合反応は、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの炭化水素溶媒や液化α−オレフィンなどの液体、また、ジエチルエ−テル、エチレングリコ−ルジメチルエ−テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、安息香酸メチル、アセトン、メチルエチルケトン、ホルミルアミド、アセトニトリル、メタノ−ル、イソプロピルアルコ−ル、エチレングリコ−ルなどのような極性溶媒の存在下或いは非存在下に行われる。また、ここで記載した液体化合物の混合物を溶媒として使用してもよい。なお、高い重合活性や高い分子量を得るうえでは、上記の炭化水素溶媒がより好ましい。
具体的には、モノメチルエ−テルハイドロキノンや、2,6−ジ−t−ブチル4−メチルフェノ−ル(BHT)、トリメチルアルミニウムとBHTとの反応生成物、4価チタンのアルコキサイドとBHTとの反応生成物などが使用可能である。
また、添加剤として、無機及び又は有機フィラーを使用し、これらのフィラーの存在下で重合を行ってもよい。
また、重合様式としては、バッチ重合、セミバッチ重合、連続重合のいずれの様式でもよい。
即ち、共重合温度は、通常−20℃から290℃、好ましくは0℃から250℃、共重合圧力は、0.1MPaから100MPa、好ましくは、0.3MPaから90MPa、共重合時間は、0.1分から50時間、好ましくは、0.5分から40時間、更に好ましくは1分から30時間の範囲から選ぶことができる。
本発明において、共重合は、一般に不活性ガス雰囲気下で行われる。例えば、窒素、アルゴン雰囲気が使用でき、窒素雰囲気が好ましく使用される。なお、少量の酸素や空気の混入があってもよい。
共重合体の分子量制御には、従来公知の方法を使用することができる。即ち、重合温度を制御して分子量を制御する方法、モノマー濃度を制御して分子量を制御する方法、連鎖移動剤を使用して分子量を制御する方法、遷移金属錯体中の配位子構造の制御により分子量を制御するなどが挙げられる。
連鎖移動剤を使用する場合には、従来公知の連鎖移動剤を用いることができる。例えば、水素、メタルアルキルなどを使用することができる。
[1−1]共重合体のコモノマー含有率
実施例で得た共重合体のコモノマー含有率は、Bruker社製Ascend500を用いたNMR解析により決定した。溶媒として1,1,2,2−テトラクロロエタン−d2を使用し、120℃における1H−NMR測定により、エチレン:コモノマーのモル比を決定し、incorp.(%)という表記で表1に記載した。incorp.(%)は、コモノマー含量(mol%)を意味する。
[1−2]メチル分岐量
試料200mgをo−ジクロロベンゼン/重水素化臭化ベンゼン(C6D5Br)=4/1(体積比)2.4mlおよび化学シフトの基準物質であるヘキサメチルジシロキサンと共に内径10mmφのNMR試料管に入れて窒素置換した後封管し、加熱溶解して均一な溶液としてNMR測定に供した。NMR測定は10mmφのクライオプローブを装着したブルカー・バイオスピン(株)のNMR装置AVANCEIII400を用いた。
メチル分岐量は13C−NMRスペクトルで10〜180ppmの範囲のシグナルの積分強度の総和を1,000に規格化した時の20.0ppm、33.2ppmの特性シグナルの積分強度の平均をもって1,000C当たりのメチル分岐の個数として求めた。
東ソー(株)製・TSKgel・GMHHR−H(S)HTカラム(7.8mmI.D.×30cmを2本直列)を備えた東ソー(株)製高温GPC装置、HLC−8121GPC/HTを用い、単分散ポリスチレンを分子量の標準物質とするサイズ排除クロマトグラフィー(溶媒:1,2−ジクロロベンゼン、温度:145℃)により算出した。
なお、後述する表1においては、Mw/MnをPDIという表記で示している。
アルゴン雰囲気下、下記の触媒(金属錯体1)を所定量(表1に記載の量)含む耐圧硝子工業(株)製50mLオートクレーブ中に、所定量(表1に記載の量)のトルエンと、所定量(表1に記載の量)の各コモノマー(表1中に記載)を加えた。所定量(表1に記載の量)のエチレンを充填した後、オートクレーブを所定の温度(表1中に記載の温度)で、所定時間(表1中に記載の時間)撹拌した。室温に冷却後、オートクレーブ中にメタノール(約20mL)を加えた。生じた共重合体をろ過によって回収した。共重合体をODCB(オルト-ジクロロベンゼン)に溶解させた後、メタノール中で再沈殿させた。その後、減圧下で乾燥させて、共重合体を得た。
アルゴン雰囲気下、金属錯体1を所定量(表1に記載の量)含む耐圧硝子工業(株)製50mLオートクレーブ中に、所定量(表1に記載の量)のトルエンと、所定量(表1に記載の量)の各コモノマー(表1中に記載)を加えた。所定量(表1に記載の量)のエチレンを充填した後、オートクレーブを所定の温度(表1中に記載の温度)で、所定時間(表1中に記載の時間)撹拌した。室温に冷却後、オートクレーブ中にメタノール(約20mL)を加えた。生じた共重合体をろ過によって回収した。共重合体をソックスレー抽出器に入れ、メチルエチルケトンを用いて5日間、洗浄した。その後、減圧下で乾燥させて、共重合体を得た。
アルゴン雰囲気下、下記の触媒(金属錯体2)を所定量(表1に記載の量)含む耐圧硝子工業(株)製50mLオートクレーブ中に、所定量(表1に記載の量)のトルエンと、所定量(表1に記載の量)の各コモノマー(表1中に記載)を加えた。所定量(表1に記載の量)のエチレンを充填した後、オートクレーブを所定の温度(表1中に記載の温度)で、所定時間(表1中に記載の時間)撹拌した。室温に冷却後、オートクレーブ中にメタノール(約20mL)を加えた。生じた共重合体をろ過によって回収した。共重合体をODCB(オルト-ジクロロベンゼン)に溶解させた後、メタノール中で再沈殿させた。その後、減圧下で乾燥させて、共重合体を得た。
表1に実験結果を示す。いずれの実施例においても極性基含有オレフィン共重合体が得られることが確認された。本実施例によれば、接着性や印刷適性、或はフィラーなどとの相溶性の物性を発現する、新規な極性基含有オレフィン共重合体が提供される。また、本実施例によれば、極性基含有オレフィン共重合体が効率よく製造される。
なお、13C−NMR分析により算出されるオレフィン共重合体のメチル分岐度が、コポリマー1,000炭素当たり20以下の直鎖状ランダム共重合体であることが確認された。
特に、本発明のオレフィン共重合体は、他材料との接着性、印刷適性、又はフィラーなどとの相溶性の物性が要求される用途に好適に用いることができる。
Claims (16)
- エチレン及び/又は炭素数3〜10のα−オレフィンに由来する構造単位と、
下記一般式(1)、(2)及び(3)で示される極性基含有モノマーからなる群より選ばれた少なくとも1種に由来する構造単位20〜0.001mol%と、を含む極性基含有オレフィン共重合体であり、
かつ、
13C−NMR分析により算出されるメチル分岐度がコポリマー1,000炭素当たり、20以下の直鎖状ランダム共重合体であることを特徴とする極性基含有オレフィン共重合体。
[式(1)、(2)及び(3)中、FGは、ハロゲン原子、水酸基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数1〜20のアルキルチオ基、炭素原子数1〜20の炭化水素基を有する置換アミノ基、シアノ基、カルボキシル基、炭素原子数1〜20の炭化水素基を有するエステル基、または炭素原子数1〜20の炭化水素基を有するアシルオキシ基である。
Rは、炭素原子数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素原子数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子、またはシアノ基であり、FGとの間で環状構造を形成しても良い。] - 前記FGが、ハロゲン原子、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数1〜20の炭化水素基を有する置換アミノ基、シアノ基、炭素原子数1〜20の炭化水素基を有するエステル基、または炭素原子数1〜20の炭化水素基を有するアシルオキシ基であることを特徴とする請求項1に記載の極性基含有オレフィン共重合体。
- 前記FGが、ハロゲン原子、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数1〜20の炭化水素基を有するエステル基、または炭素原子数1〜20の炭化水素基を有するアシルオキシ基であることを特徴とする請求項2に記載の極性基含有オレフィン共重合体。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の極性基含有オレフィン共重合体の製造方法であって、8〜10族の遷移金属を含む化合物を用いて重合することを特徴とする、極性基含有オレフィン共重合体の製造方法。
- 前記8〜10族の遷移金属を含む化合物が、カルベン前駆体化合物と、8〜10族の遷移金属化合物の錯体前駆体とを反応させて得られる金属錯体であることを特徴とする、請求項4に記載の極性基含有オレフィン共重合体の製造方法。
- 前記カルベン前駆体化合物が、下記一般式(4)又は一般式(5)で表されることを特徴とする、請求項5に記載の極性基含有オレフィン共重合体の製造方法。
[一般式(4)及び一般式(5)において、Zは、OR3、SR3、SO3R3、N=CR3R4、CR3=NR4、N(R3)2、P(R3)2、CO2R3、CO2M’、C(O)N(R3)2、C(O)R3、SO2R3、SOR3、OSO2R3、P(O)(OR3)2−y(R4)y、SO3M’、PO3M’2、P(O)(OR3)2M’、P(R3)2(O)を表す。(ここで、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、M’は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、4級アンモニウム又はホスホニウムを表し、yは0〜2の整数を表す)。R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子又はヘテロ原子を含有してもよい炭素数1〜40の炭化水素基である。X1は、炭素数3〜9の飽和又は不飽和な二価の炭化水素基を表し、X1が形成する環上に置換基を有していてもよい。Raは、水素原子又はヘテロ原子を含有してもよい炭素数1〜10の炭化水素基であり、X1から成る環の一部と縮環してもよい。A−は、カウンターアニオンを表し、任意の陰イオンを表す。E1及びE2は、それぞれ独立に、炭素原子又は窒素原子を表す。nは、0又は1の整数を表す。] - 前記カルベン前駆体化合物が、下記一般式(6)又は一般式(7)で表されることを特徴とする、請求項6に記載の極性基含有オレフィン共重合体の製造方法。
[一般式(6)又は一般式(7)において、X2は、炭素数3〜9の飽和又は不飽和な二価の炭化水素基を表す。X2が形成する環上に置換基を有していてもよい。A−、Z、R1、R2、X1、E1及びE2は、請求項6に記載した通りである。] - 前記カルベン前駆体化合物が、下記一般式(8)又は一般式(9)で表されることを特徴とする、請求項7に記載の極性基含有オレフィン共重合体の製造方法。
[一般式(8)又は一般式(9)において、R5〜R9は、ハロゲン原子又はヘテロ原子含有基又はヘテロ原子を含有していてもよい炭素数1〜40の炭化水素基を表す。A−、Z、R1、R2、E1及びE2は、請求項6に記載した通りである。] - 前記記載のカルベン前駆体化合物が、下記一般式(10)又は一般式(11)で表されることを特徴とする、請求項6に記載の極性基含有オレフィン共重合体の製造方法。
[一般式(10)又は一般式(11)において、R10は、ハロゲン原子又はヘテロ原子含有基又はヘテロ原子を含有していてもよい炭素数1〜40の炭化水素基を表す。A−、Z、R1、R2、R5、R6、E1及びE2は、請求項6又は8に記載した通りである。] - 一般式(4)〜(11)において、前記Zが、OR3、SR3、SO3R3、N=CR3R4、CR3=NR4、N(R3)2、P(R3)2、P(O)(OR3)2−y(R4)yであることを特徴とする、請求項6〜9のいずれ1項に記載の極性基含有オレフィン共重合体の製造方法。
- 前記8〜10族の遷移金属を含む化合物が、下記一般式(12)又は一般式(13)で表されることを特徴とする、請求項4に記載の極性基含有オレフィン共重合体の製造方法。
[一般式(12)又は一般式(13)において、M1は、周期表の8〜10族に属する遷移金属を表す。L1及びL2は、M1に配位子したリガンドを表し、それぞれ独立に、ハロゲン原子、水素原子、ヘテロ原子を含有する炭素数1〜20の炭化水素基を表す。L1及びL2は、互いに連結して環を形成してもよい。
Zは、OR3、SR3、SO3R3、N=CR3R4、CR3=NR4、N(R3)2、P(R3)2、CO2R3、CO2M’、C(O)N(R3)2、C(O)R3、SO2R3、SOR3、OSO2R3、P(O)(OR3)2−y(R4)y、SO3M’、PO3M’2、P(O)(OR3)2M’、P(R3)2(O)を表す。(ここで、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、M’は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、4級アンモニウム又はホスホニウムを表し、yは0〜2の整数を表す)。R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子又はヘテロ原子を含有してもよい炭素数1〜40の炭化水素基である。X1は、炭素数3〜9の飽和又は不飽和な二価の炭化水素基を表し、X1が形成する環上に置換基を有していてもよい。Raは、水素原子又はヘテロ原子を含有してもよい炭素数1〜10の炭化水素基であり、X1から成る環の一部と縮環してもよい。A−は、カウンターアニオンを表し、任意の陰イオンを表す。E1及びE2は、それぞれ独立に、炭素原子又は窒素原子を表す。nは、0又は1の整数を表す。A+はカウンターカチオンを表し、任意の陽イオンを表す。] - 前記M1が、周期表第10族に属する遷移金属であることを特徴とする、請求項11に記載の極性基含有オレフィン共重合体の製造方法。
- 前記8〜10族の遷移金属を含む化合物が、下記一般式(C1)で表される金属錯体であることを特徴とする、請求項4に記載の極性基含有オレフィン共重合体の製造方法。
[式(C1)中、
Mは周期表第10族の金属原子を表し、
Xはリン原子(P)または砒素原子(As)を表し、
Y1は、水酸基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数2〜10のエステル基、シリル基、及びハロゲン原子から選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよい炭素原子数1〜70の2価の炭化水素基を表し、
Qは、Y1[−S(=O)2−O−]M、Y1[−C(=O)−O−]M、Y1[−P(=O)(−OH)−O−]MまたはY1[−S−]Mの「[ ]」の中に示される2価の基を表し(ただし、両側のY1、Mは基の結合方向を示すために記載している。)、
R15は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜30の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素原子数1〜30の炭化水素基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基で置換された炭素原子数2〜30の炭化水素基、炭素原子数6〜20のアリールオキシ基で置換された炭素原子数7〜30の炭化水素基、炭素原子数2〜10のアミド基で置換された炭素原子数3〜30の炭化水素基、炭素原子数1〜30のアルコキシ基、炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、及び炭素原子数2〜10のアシロキシ基からなる群より選ばれる置換基を表し、
R16及びR17はそれぞれ独立して、水素原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリル基、アミノ基、またはハロゲン原子、アルコキシ基及びアリールオキシ基から選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよい炭素原子数1〜120の炭化水素基を表し、R16及びR17の少なくとも一方が、炭素原子数1〜10のアルキル基または炭素原子数4〜106のシクロアルキル基である。また、R16またはR17はY1と結合して環構造を形成してもよい。
Lは電子供与性配位子を表し、
qは0、1/2、1または2である。] - 一般式(C1)中、Qが−S(=O)2−O−である(ただし、SはY1に結合し、OはMに結合する。)、請求項13に記載の極性基含有オレフィン共重合体の製造方法。
- 一般式(C1)で示される化合物が、一般式(C2)
[式(C2)中、R112〜R115は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、シリル基またはハロゲン原子で置換された炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。M、X、R15、R16、R17、L及びqは一般式(C1)の記載と同じ意味を表す。]
で示される金属錯体である、請求項13に記載の極性基含有オレフィン共重合体の製造方法。 - 一般式(C2)で示される化合物が、R112がシリル基である一般式(C3)
[式(C3)中、3つのR116はそれぞれ独立して、水素原子または炭素原子数1〜8の炭化水素基を表し、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。M、X、R15、R16、R17、R113、R114、R115、L及びqは一般式(C2)の記載と同じ意味を表す。]
で示される金属錯体である、請求項15に記載の極性基含有オレフィン共重合体の製造方法。
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