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JP2018141140A - フタル酸系プラスチックのケミカルリサイクル方法、及び組成物 - Google Patents

フタル酸系プラスチックのケミカルリサイクル方法、及び組成物 Download PDF

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JP2018141140A JP2018023293A JP2018023293A JP2018141140A JP 2018141140 A JP2018141140 A JP 2018141140A JP 2018023293 A JP2018023293 A JP 2018023293A JP 2018023293 A JP2018023293 A JP 2018023293A JP 2018141140 A JP2018141140 A JP 2018141140A
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晋 千葉
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Takesuke Tsunoda
雄亮 角田
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Abstract

【課題】リサイクル製品を効率よく生成できる原料となる物質であって、熱分解反応装置内における配管の閉塞等の問題を生じにくい物質を高収率に生成することができる、フタル酸系プラスチィックのケミカルリサイクル方法の提供。【解決手段】フタル酸系プラスチックをニッケル触媒の存在下で熱分解することにより、芳香族化合物を得ることを特徴とするフタル酸系プラスチックのケミカルリサイクル方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、フタル酸系プラスチックのケミカルリサイクル方法、及び組成物に関する。
フタル酸系プラスチックは、様々な用途に用いられている。中でも芳香族ジカルボン酸を主たるジカルボン酸成分とするポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート(PET)は、強度、バリア性、及び光学透明度が優れることから衣類や飲料ボトルなど一般に広く使用されている。したがって、使用後廃棄される量も非常に多く、その処理方法が問題となっている。
これらフタル酸系プラスチックは使い捨てされる場合も多く、資源枯渇や最終処分場不足等の問題を解決するため、リサイクル技術の確立が望まれている。
現在、フタル酸系プラスチックのリサイクルは、廃プラスチックを再び同じ製品かまたは別のプラスチック製品の樹脂材料として利用する、いわゆるマテリアルリサイクルの手法が主になっている。しかし、このリサイクル手法は、高コストであることやリサイクル製品の市場規模が限界に近い状態であることから、新たなリサイクル技術の開発が求められている。
廃プラスチックのリサイクル方法として、上記マテリアルリサイクルの他に、高温で熱分解して合成ガスや分解油などの化学原料にしたり、または化学的に分解してモノマーに戻すなど、他の化学物質に転換して利用する、いわゆるケミカルリサイクルがある。
例えば、ケミカルリサイクル手法の一つとして、熱分解による油化が行われ、PETを熱分解することにより化学原料となるベンゼン等の芳香族炭化水素を得る方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、高温水を用いてPETを熱分解し、PETの原材料であるテレフタル酸を得ることができる方法も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、ケミカルリサイクルにおいて、熱分解により得られる原料がよりリサイクル製品の原材料に近い物質であるか、あるいは、熱分解反応中に装置内における配管閉塞の問題を生じさせない物質であるか等の観点からは、十分満足のいくケミカルリサイクル方法が提供できているとはいえなかった。
そこで、本発明は、リサイクル製品を効率よく生成できる原料となる物質であって、熱分解反応装置内における配管の閉塞等の問題を生じにくい物質を得ることができるケミカルリサイクル方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
本発明のケミカルリサイクル方法は、
フタル酸系プラスチックをニッケル触媒の存在下で熱分解することにより、芳香族化合物を得ることを特徴とする。
本発明によると、リサイクル製品を効率よく生成できる原料となる物質であって、熱分解反応装置内における配管の閉塞等の問題を生じにくい物質を得ることができるケミカルリサイクル方法を提供することができる。
図1は、本発明で使用する熱分解反応装置の一例を示す概略図である。
上記特許文献1に記載の方法でPETを熱分解すると、ベンゼンが生成される。しかし、ベンゼンを原料としてポリマーなどの最終製品を得ようとすると、多段階の反応を経て最終製品の前駆体へ変換する必要がある。つまり、ベンゼンを原料とした場合、リサイクル製品への生成効率は悪い。そこで、よりリサイクル製品の原材料に近い物質が生成できるケミカルリサイクル方法が望まれている。
上記特許文献2に記載の方法でPETを熱分解すると、PETの原材料であるテレフタル酸が生成される。しかし、テレフタル酸は高融点かつ昇華性を持つ物質であることから、分解反応中に大量に生成された場合、熱分解反応装置における配管の閉塞を引き起こす。したがって、テレフタル酸の生産量を制御する必要がある。
(ケミカルリサイクル方法)
本発明のケミカルリサイクル方法は、上述したとおり、フタル酸系プラスチックをニッケル触媒の存在下で熱分解する工程を含むことを特徴とする。
本発明の方法により、ベンゼンの生成を抑え、テレフタル酸と安息香酸とを主に生成することができる。さらに、本発明によれば、安息香酸を高収率で生成できるため、テレフタル酸の生成量を、得られる分解生成物に対し30質量%以下に抑えることができ、熱分解反応中における配管の閉塞の問題を有効に防止することができる。
本発明のケミカルリサイクル方法は、より具体的には、フタル酸系プラスチックと、ニッケル触媒を混合する工程、及び前記混合工程で得られた混合物を加熱してフタル酸系プラスチックを分解する工程とを有する。
<ニッケル触媒>
ニッケル触媒としては、純粋のニッケルのみに限られず、酸化ニッケル、水酸化ニッケルであってもよい。また、シリカやアルミナ等の担体を用いたシリカ担持ニッケルやアルミナ担持ニッケルであってもよい。
ニッケルは単独で用いるとシンタリングにより凝集するため表面積の減少すなわち活性点の減少が懸念されることから表面積の増大すなわち活性点を増大することができる担持ニッケルであることが好ましい。担体としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、熱、化学的に安定であり、毒性がないシリカ、アルミナであることが好ましい。
ニッケル触媒は、1種類単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
また、ニッケル触媒の他に他の金属触媒を用い、これらを併用してもよい。
前記シリカ担持ニッケル、及び前記アルミナ担持ニッケルにおいて、ニッケルを担持する、シリカ担体及びアルミナ担体のBET比表面積としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。但し、100m/g〜700m/gであると好ましく、300m/g〜600m/gであるとより好ましい。
比表面積が小さいと触媒の活性点減少してしまい、十分に触媒効果を得ることができないため、テレフタル酸の生成率が増加し、配管閉塞を引き起こす可能性がある。大きすぎる場合は活性点の増大による過剰な触媒効果により熱分解が進行しすぎてしまい、芳香族化合物が十分得られない。
担体のBET比表面積が100m/g以上であれば、十分に触媒効果を得ることができ、700m/g以下であれば、過剰な触媒効果により熱分解反応が進行しすぎてしまい、テレフタル酸、安息香酸の収率が低下し、ベンゼンが生成されてしまうという問題を有効に防止することができる。
前記BET比表面積の範囲を実現するものであれば担体の形状としては特に制限はなく、球、ペレット、中空、ハニカム、多孔質等目的、反応スケールに合わせて選択することができる。
本発明において、BET比表面積は以下のようにして測定することができる。
[BET比表面積測定方法]
全自動BET比表面積測定装置(株式会社マウンテック製「Macsorb Model−1201」)を用いて、窒素吸着1点法により測定する。測定試料は200℃で2時間加熱する前処理を施す。
前記シリカ担持ニッケル触媒の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。但し、前記フタル酸系プラスチックに対し前記ニッケル触媒の添加量が2質量%〜40質量%であると好ましく、2質量%〜30質量%であるとより好ましい。
触媒添加量が少なすぎる場合、十分に触媒効果を得ることができないため、テレフタル酸の生成率が増加し、配管閉塞を引き起こす可能性がある。多すぎる場合は過剰な触媒効果により熱分解が進行しすぎてしまい、芳香族化合物を十分得ることができない。
シリカ担持ニッケル触媒の添加量が、2質量%以上であれば、反応速度の低下を防止でき、効率よく分解反応を行わせることができる。添加量が、40質量%以下であれば、熱分解反応が進行しすぎてしまいCO等気体成分、ベンゼンの生産量が増大し、芳香族化合物が十分得られないという問題を有効に防止することができる。また、2質量%〜30質量%であれば、ベンゼンの生産量を抑えながらも芳香族化合物を十分得ることができる。
<フタル酸系プラスチック>
フタル酸系プラスチックとしては、純粋なものに限らず、前記フタル酸系プラスチックを主成分として含む各物品を用いることができる。フタル酸系プラスチックの原料としては、芳香族ジカルボン酸を主たるジカルボン酸成分とする芳香族プラスチックが挙げられる。
芳香族プラスチックとしては、例えばエチレンテレフタレートを主たる繰返し単位としてなるポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ(エチレンテレフタレート/イソフタレート);テトラメチレンテレフタレートを主たる繰返し単位としてなるポリテトラメチレンテレフタレート;1,3−フェニレンテレフタレートを主たる繰返し単位としてなるポリ(1,3−フェニレンテレフタレート)等を挙げることができる。
これらは単独重合体でも共重合体のいずれでもよく、共重合体は芳香族ジカルボン酸を主たるジカルボン酸成分とするかぎり、脂肪族ジカルボン酸、例えばアジピン酸等をジカルボン酸成分として含有するものであってもよい。
前記フタル酸系プラスチックは添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、特に制限はなく、酸化防止剤、難燃剤、核剤など公知のものであれば何れを用いてもよい。
本発明はフタル酸系プラスチックを対象とするが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどフタル酸系プラスチック以外を含有するものであってもよい。
<混合工程、及び熱分解工程>
熱分解温度は、フタル酸系プラスチックを熱分解出来る温度であれば適宜設定することができるが、300℃〜700℃が好ましく、350℃〜600℃がより好ましい。熱分解温度が300℃以上であれば、熱分解生成物を生成でき、十分に芳香族化合物を回収することができる。一方、熱分解温度が700℃以下であれば、脱酸素及び脱水素反応が進行しすぎてしまい炭化物やベンゼンの生成量が増大し、十分に目的の芳香族化合物を回収することができないという問題を有効に防止することができる。
350℃〜600℃であれば、フタル酸系プラスチックが溶融し触媒と均一に接触することで、分解生成物の反応むらを抑制することができる。
熱分解時の圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、分解生成物の反応むらを抑制することができることから加圧状態であることが好ましい。加圧は、熱分解反応装置である反応容器に不活性気体を封入してもよいし、熱分解で発生した気体を反応容器内に留めることで行ってもよい。圧力は排圧弁を用いて制御することができる。
熱分解反応装置における熱分解槽の加熱方法としては、所定の熱分解温度まで昇温が可能であり且つその温度を保持出来る方法であれば、特に制限はなく、公知の何れの方法も使用することができる。例えば、気体あるいは液体燃料を燃焼させて燃焼熱を利用するバーナ方式や、抵抗加熱、誘電加熱、アーク加熱などの電気加熱を用いることができる。
熱分解時に原料化合物への熱効率向上を目的として鉱油などの液体、砂などの粉体等の熱媒体を混合してもよい。熱媒体を混合した場合、熱分解反応時に局所加熱を防止することができ、炭化物の生成抑制効果が得られる。
前記熱分解にて生成された熱分解物は、気化された後、凝縮槽で回収することができる。凝縮槽には排圧弁を連結させ、テドラーバッグを用いて気体成分を回収することができる。気体成分には二酸化炭素など不燃性気体と一酸化炭素、メタン、ブタンなど可燃性気体が含有される。
凝縮槽の冷却方法としては、熱分解物を冷却することが可能である限り、特に制限は無く、冷却ファンなどを用いた空冷方式、冷却媒体及び熱交換器を用いた方式、ペルチェ効果を利用し電圧差から温度勾配を作り出す冷却する方法等、公知の何れの方法を用いてもよい。
<生成される芳香族化合物>
本発明のケミカルリサイクル法により、前記フタル酸系プラスチックの熱分解で得られる芳香族化合物としては、特に制限はなく、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、安息香酸、ベンゼン、トルエン、ビフェニル、トルイル酸などが挙げられる。
但し、本発明によると、ベンゼンの生成を抑えることができ、主としてテレフタル酸や安息香酸を得ることができる。
化学製品の原材料として芳香族化合物を使用する場合、例えばベンゼンを原材料としてポリスチレンを製造する場合には、ベンゼンからエチルベンゼン、エチルベンゼンからスチレンを合成し、さらに重合反応を経由する必要がある。各反応には、ベンゼン以外の物質やエネルギーの供給が必要となる。このような多段階の反応を経由せずに化学製品を得るためには、PETや添加剤である安息香酸ナトリウムなどの化学製品の原材料として直接利用可能であるテレフタル酸、安息香酸を得ることが好ましい。
本発明により、ベンゼンの生成を抑え、テレフタル酸や安息香酸を主に生成させることができる。よりリサイクル製品の原材料に近い物質が生成できるという点で、本発明の方法は、より実用的なケミカルリサイクル方法となっている。
さらに、本発明では、安息香酸をより高収率で得ることができ、得られる分解生成物に対しテレフタル酸の生成率を30%以下に抑えることができる。
テレフタル酸は、高融点かつ昇華性を持つため、熱分解生成物中に大量に含まれた場合、熱分解反応装置の配管を閉塞するおそれがある。そのため、比較的融点が低い安息香酸が生成されることが好ましい。テレフタル酸の生成量としては、配管閉塞が生じなければ特に制限はない。しかし、配管閉塞が発生した場合、熱分解で発生する可燃性ガスが発火することで装置が爆発する危険性があるため、配管閉塞が生じ難い発生量、即ち熱分解生成物中の含有量が30%以下であることが好ましい。
比較的融点が低い安息香酸がより高収率で得られる本発明の方法は、熱分解反応中における配管の閉塞の問題を有効に防止できるケミカルリサイクル方法となっている。
<生成される分解生成物>
フタル酸系プラスチックに対して、本発明のケミカルリサイクル方法を適用すると、ベンゼンの生成は抑えられる。また、テレフタル酸や安息香酸は、好ましいバランスの生成量で生成される。安息香酸の生成が高められることで、テレフタル酸の生成量は、配管が閉塞するおそれがない程度に抑えられる。
フタル酸系プラスチックを熱分解すると、得られる分解生成物は、テレフタル酸、安息香酸、ビフェニル、トルイル酸、ベンゼン等の芳香族化合物や、ガス、残渣、揮発分、及びその他の成分等を含む。
本発明のケミカルリサイクル方法でフタル酸系プラスチックを熱分解すると、得られる本発明の分解生成物の構成は、以下のとおりとなる。
本発明の分解生成物は、テレフタル酸、及び安息香酸の芳香族化合物を含む。
本発明の分解生成物において、ベンゼンの占める割合は、5質量%以下である。より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは検出限界値(0.05質量%)以下である。
本発明の分解生成物において、テレフタル酸の占める割合は、30質量%以下である。より好ましくは、20質量%以上25質量%未満の範囲内である。
本発明の分解生成物において、テレフタル酸の占める割合が、20質量%以上25質量%未満の範囲内であるか、安息香酸の占める割合が、10質量%以上であると、テレフタル酸及び安息香酸の生成量のバランスがよく、より好ましい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
熱分解対象であるフタル酸系プラスチックには、PETを用い、熱分解反応装置としては、図1に示す装置を用いた。図1中、符号Xは試料・触媒を、符号1は熱分解槽を、符号2は電気炉を、符号3は撹拌機を、符号4は凝縮槽を、符号5は排圧弁を、符号6はテドラーバックを示す。
(製造例1)
<Ni/SiO−1の調整>
200mLビーカーにギ酸ニッケル(II)二水和物 1.5質量部、純水98.5質量部を量り取り、80℃に加熱し溶解させ0.08mol/Lギ酸ニッケル水溶液を得た。300mLナスフラスコにギ酸ニッケル水溶液96質量部とシリカゲル4質量部(BET比表面積300m/g、粒径40〜75μm)を加え、80℃で6時間含浸させ、その後減圧蒸留にて乾固し、乾固物を120℃で6時間乾燥した。
上記で調整した触媒を管状電気炉に封入し、窒素雰囲気下、550℃で2時間焼結させた。焼結後、系内気体を水素に変更し、500℃で2時間還元させ、シリカ担持ニッケルNi/SiO−1を得た。
(製造例2)
<Ni/SiO−2の調整>
製造例1においてシリカゲル(BET比表面積300m/g、粒径40〜75μm)をシリカゲル(BET比表面積300m/g、粒径75〜150μm)に代えた以外は同様にして、シリカ担持ニッケルNi/SiO−2を得た。
(製造例3)
<Ni/SiO−3の調整>
製造例1においてシリカゲル(BET比表面積300m/g、粒径40〜75μm)をシリカゲル(BET比表面積550m/g、粒径75〜150μm)に代えた以外は同様にして、シリカ担持ニッケルNi/SiO−3を得た。
(製造例4)
<Ni/SiO−4の調整>
製造例1においてシリカゲル(BET比表面積300m/g、粒径40〜75μm)をシリカゲル(BET比表面積700m/g、粒径75〜150μm)に代えた以外は同様にして、シリカ担持ニッケルNi/SiO−4を得た。
(製造例5)
<Ni/SiO−5の調整>
製造例1においてシリカゲル(BET比表面積300m/g、粒径40〜75μm)をシリカゲル(BET比表面積80m/g、粒径40〜75μm)に代えた以外は同様にして、シリカ担持ニッケルNi/SiO−5を得た。
(製造例6)
<Ni/Alの調整>
製造例1において、シリカゲル(BET比表面積300m/g、粒径40〜75μm)をアルミナ(BET比表面積200m/g、粒径75μm)に変更した以外は同様にして、アルミナ担持ニッケルNi/Alを得た。
(実施例1)
凝縮器、テドラーバッグを備えた熱分解反応装置に、PETを30g、Ni/SiO−1を対PET質量部で5質量%封入し、350℃で1時間反応させた。反応終了後直ちに空冷し、分解生成物は凝集槽、熱分解槽、テドラーバッグにて捕集した。
凝集槽、熱分解槽で捕集した分解生成物をアセトンで抽出し、アセトン可溶分をGC−FID、GC−MSにより定性、定量分析を行った。アセトン不溶分は水酸化ナトリウム水溶液により抽出、固液分離を行った。固相は残渣とし、液相に塩酸を添加し生成した析出物をテレフタル酸(TPA)として捕集した。
実施例1の触媒、熱分解温度条件、及び得られた分解生成物のGC−FID、GC−MSによる定性、定量分析を行った結果を下記表1に示す。
表1の定量結果におけるテレフタル酸(TPA)、安息香酸、ベンゼンの評価基準は以下の通りである。
分解生成物における、テレフタル酸(TPA)の占める割合が、30質量%以上であると配管が閉塞するおそれがある。また、テレフタル酸の占める割合が、5質量%未満であると、他の芳香族化合物、特にベンゼンの占める割合が高くなるため、好ましくない。一方、テレフタル酸の占める割合が20質量%以上25質量%未満であると、安息香酸との生成量のバランスがよく、最も好ましい。テレフタル酸、安息香酸、ベンゼン等の芳香族化合物間での生成量のバランスを考慮し、評価基準を以下のように設定した。
<<テレフタル酸(TPA)>>
◎:20質量%以上25質量%未満
○:15質量%以上20質量%未満 又は 25質量%以上30質量%未満
△:5質量%以上15質量%未満
×:5質量%未満 又は 30質量%以上
<<安息香酸>>
◎:10質量%以上25質量%未満
○:5質量%以上10質量%未満 又は 25質量%以上30質量%未満
△:5質量%未満
×:未検出
<<ベンゼン>>
○:未検出(検出限界(0.05質量%))以下
△:測定可能値以上5質量%未満
×:5質量%以上
(実施例2)
実施例1において、反応温度を350℃から400℃に代えた以外は、実施例1と同様にして分解生成物を得た。得られた分解生成物の分析結果を下記表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、Ni/SiO−1をNi/SiO−2に代えた以外は、実施例1と同様にして分解生成物を得た。得られた分解生成物の分析結果を下記表1に示す。
(実施例4)
実施例1において、Ni/SiO−1をNi/SiO−3に代えた以外は、実施例1と同様にして分解生成物を得た。得られた分解生成物の分析結果を下記表1に示す。
(実施例5)
実施例1において、Ni/SiO−1をNi/SiO−4に代えた以外は、実施例1と同様にして分解生成物を得た。得られた分解生成物の分析結果を下記表1に示す。
(実施例6)
実施例1において、Ni/SiO−1をNi/Alに代えた以外は、実施例1と同様にして分解生成物を得た。得られた分解生成物の分析結果を下記表1に示す。
(実施例7)
実施例1において、Ni/SiO−1の添加量を5質量%から2質量%に代えた以外は、実施例1と同様にして分解生成物を得た。得られた分解生成物の分析結果を下記表1に示す。
(実施例8)
実施例1において、Ni/SiO−1の添加量を5質量%から10質量%に代えた以外は、実施例1と同様にして分解生成物を得た。得られた分解生成物の分析結果を下記表1に示す。
(実施例9)
実施例1において、Ni/SiO−1の添加量を5質量%から20質量%に代えた以外は、実施例1と同様にして分解生成物を得た。得られた分解生成物の分析結果を下記表1に示す。
(実施例10)
実施例1において、Ni/SiO−1の添加量を5質量%から30質量%に代えた以外は、実施例1と同様にして分解生成物を得た。得られた分解生成物の分析結果を下記表1に示す。
(実施例11)
実施例1において、Ni/SiO−1の添加量を5質量%から40質量%に代えた以外は、実施例1と同様にして分解生成物を得た。得られた分解生成物の分析結果を下記表1に示す。
(実施例12)
実施例1において、Ni/SiO−1の添加量を5質量%から50質量%に代えた以外は、実施例1と同様にして分解生成物を得た。得られた分解生成物の分析結果を下記表1に示す。
(実施例13)
実施例1において、Ni/SiO−1をニッケル単体に代えた以外は、実施例1と同様にして、分解生成物を得た。得られた分解生成物の分析結果を下記表1に示す。
(実施例14)
実施例1において、Ni/SiO−1をNi/SiO−5に代えた以外は、実施例1と同様にして分解生成物を得た。得られた分解生成物の分析結果を下記表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、Ni/SiO−1を添加しない以外は、実施例1と同様にして分解生成物を得た。得られた分解生成物の分析結果を下記表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、Ni/SiO−1をCa(OH)に、添加量を5質量%から50質量%に、反応温度を350℃から700℃に代えた以外は、同様にして分解生成物を得た。得られた分解生成物の分析結果を下記表1に示す。

上記実施例の結果から、ニッケル触媒を使用するとベンゼンの生成が抑えられ、安息香酸を高収率で回収できることが確認できた。テレフタル酸(TPA)の生成量は配管閉塞が起こる可能性の少ない30質量%以下に抑えることができる。
一方、触媒を用いない比較例1については、TPA、安息香酸の生成が認められるものの、TPAの生成量が30質量%を超えており、熱分解反応中に配管の閉塞を起こす危険性が高いものとなっていた。
また、特許文献1に記載の「水酸化カルシウムの存在下、600℃から900℃の高温下で熱分解する」方法に類する比較例2の場合には、ベンゼンが多く生成されていた。TPAや安息香酸は得られなかった。
以上示したように本発明によれば、リサイクル製品を効率よく生成できる原料となる物質であって、熱分解反応装置内における配管の閉塞等の問題を生じにくい物質を高収率に生成することができる。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> フタル酸系プラスチックをニッケル触媒の存在下で熱分解することにより、芳香族化合物を得ることを特徴とするフタル酸系プラスチックのケミカルリサイクル方法。
<2> 前記ニッケル触媒が、シリカ担持ニッケル、アルミナ担持ニッケル、及びニッケルの少なくともいずれかを含有する前記<1>に記載のフタル酸系プラスチックのケミカルリサイクル方法である。
<3> 前記ニッケル触媒が、シリカ担持ニッケル、及びアルミナ担持ニッケルの少なくともいずれかである担持ニッケルを含有し、
前記担持ニッケルにおける担体のBET比表面積が、100m/g〜700m/gである前記<2>に記載のフタル酸系プラスチックのケミカルリサイクル方法である。
<4> 前記シリカ担持ニッケル触媒の添加量が、前記フタル酸系プラスチックに対して2質量%〜40質量%である前記<1>から<3>のいずれかに記載のフタル酸系プラスチックのケミカルリサイクル方法である。
<5> テレフタル酸、及び安息香酸を含有する組成物であって、
前記組成物のうち、ベンゼンの占める割合が、5質量%以下であり、テレフタル酸の占める割合が、30質量%以下であることを特徴とする組成物である。
<6> 前記組成物のうち、テレフタル酸の占める割合が、20質量%以上25質量%未満である、又は安息香酸の占める割合が、10質量%以上である前記<5>に記載の組成物である。
<7> フタル酸系プラスチックの熱分解物である前記<5>から<6>のいずれかに記載の組成物である。
前記<1>から<4>のいずれかに記載のケミカルリサイクル方法、及び前記<5>から<7>のいずれかに記載の組成物によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
特許第4565223号公報 特許第5099416号公報

Claims (7)

  1. フタル酸系プラスチックをニッケル触媒の存在下で熱分解することにより、芳香族化合物を得ることを特徴とするフタル酸系プラスチックのケミカルリサイクル方法。
  2. 前記ニッケル触媒が、シリカ担持ニッケル、アルミナ担持ニッケル、及びニッケルの少なくともいずれかを含有する請求項1に記載のフタル酸系プラスチックのケミカルリサイクル方法。
  3. 前記ニッケル触媒が、シリカ担持ニッケル、及びアルミナ担持ニッケルの少なくともいずれかである担持ニッケルを含有し、
    前記担持ニッケルにおける担体のBET比表面積が、100m/g〜700m/gである請求項2に記載のフタル酸系プラスチックのケミカルリサイクル方法。
  4. 前記シリカ担持ニッケル触媒の添加量が、前記フタル酸系プラスチックに対して2質量%〜40質量%である請求項1から3のいずれかに記載のフタル酸系プラスチックのケミカルリサイクル方法。
  5. テレフタル酸、及び安息香酸を含有する組成物であって、
    前記組成物のうち、ベンゼンの占める割合が、5質量%以下であり、テレフタル酸の占める割合が、30質量%以下であることを特徴とする組成物。
  6. 前記組成物のうち、テレフタル酸の占める割合が、20質量%以上25質量%未満である、又は安息香酸の占める割合が、10質量%以上である請求項5に記載の組成物。
  7. フタル酸系プラスチックの熱分解物である請求項5から6のいずれかに記載の組成物。
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