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JP2018039866A - 筐体材料及びその製造方法、ウエアラブル筐体及びその製造方法 - Google Patents

筐体材料及びその製造方法、ウエアラブル筐体及びその製造方法 Download PDF

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JP2018039866A JP2016172770A JP2016172770A JP2018039866A JP 2018039866 A JP2018039866 A JP 2018039866A JP 2016172770 A JP2016172770 A JP 2016172770A JP 2016172770 A JP2016172770 A JP 2016172770A JP 2018039866 A JP2018039866 A JP 2018039866A
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表 孝司
Koji Omote
孝司 表
木村 浩一
Koichi Kimura
浩一 木村
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Abstract

【課題】例えば緻密に編む場合であっても、編み目のとびや心材の飛び出しを抑制できるようにする。【解決手段】筐体材料3を、糸状の心材1と、心材の周囲を覆う樹脂膜2とを備え、断面が楕円形になっているものとする。【選択図】図1

Description

本発明は、筐体材料及びその製造方法、ウエアラブル筐体及びその製造方法に関する。
従来から、繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)は、種々の用途で用いられている。
また、FRPの製造方法も、種々の方法が提案されている。
例えば、熱可塑性樹脂層で被覆した補強繊維糸条を、三次元繊維構造体に製織し、これを金型に入れて加熱・加圧し、冷却硬化させて、FRP成形体を得ることが提案されている。
また、例えば、熱可塑性樹脂で被覆された繊維束を編織して得られた含浸糸布を熱プレスして繊維強化樹脂の成形体を得ることも提案されている。
特開2013−163870号公報 特開昭63−60738号公報 実開平2−99995号公報
ところで、近年、ウエアラブル機器の開発が進められている。
例えばリストバンドや衣類などの編物に電子部品を搭載してウエアラブル機器とすることが考えられる。
この場合、ウエアラブル機器の筐体(ウエアラブル筐体)は、編み部と、電子部品を搭載する部品搭載部とを備えるものとなる。
そして、編み部を、例えば、繊維糸を樹脂糸でカバリングしたカバリング繊維糸で編まれたものとすることが考えられる。
しかしながら、カバリングしている樹脂糸から繊維糸が針状に飛び出して、人体に刺さってしまうおそれがあるため、好ましくない。
そこで、これを防止すべく、ウエアラブル筐体材料として心材を樹脂でコートした糸を用い、これを編んで編み部とすることが考えられる。
しかしながら、例えば10ゲージ程度に緻密に編んで編み部を作製する場合、心材を樹脂でコートした糸を編み針で引っ掛けて引き出す際に、心材が開繊し、糸がつぶれ、編み目がとんで編み目を乱す場合がある。
また、例えば15ゲージ程度にさらに緻密に編んで編み部を作製する場合、心材を樹脂でコートした糸を編み針で引っ掛けて引き出す際に、曲げで断裂し、心材が飛び出してしまう場合がある。
なお、ここでは、ウエアラブル筐体の編み部を緻密に編んで作製する場合の課題として説明しているが、例えばスマートフォンやタブレットなどのモバイル機器の筐体を、上述のような編物を基材として作製されるFRP成形体とする場合に、緻密に編んで編物を作製するときにも、同様の課題がある。
本発明は、例えば緻密に編む場合であっても、編み目のとびや心材の飛び出しを抑制できるようにすることを目的とする。
1つの態様では、筐体材料は、糸状の心材と、心材の周囲を覆う樹脂膜とを備え、断面が楕円形になっている。
1つの態様では、ウエアラブル筐体は、糸状の心材と、心材の周囲を覆う樹脂膜とを備え、断面が楕円形になっている筐体材料で編まれた編み部と、編み部に設けられ、電子部品を搭載する部品搭載部とを備える。
1つの態様では、筐体材料の製造方法は、糸状の心材の周囲を樹脂膜で覆う工程と、断面を楕円形にする工程とを含む。
1つの態様では、ウエアラブル筐体の製造方法は、糸状の心材と、心材の周囲を覆う樹脂膜とを備え、断面が楕円形になっている筐体材料を編んで編み部を形成する工程と、編み部に、電子部品を搭載する部品搭載部を設ける工程とを含む。
1つの側面として、例えば緻密に編む場合であっても、編み目のとびや心材の飛び出しを抑制できるという効果を有する。
本実施形態にかかる筐体材料の構成例を示す模式図である。 (A)、(B)は、本実施形態にかかる筐体材料の製造方法の一例を説明するための模式図である。 本実施形態にかかるウエアラブル筐体の構成例を示す模式図である。 本実施形態にかかるウエアラブル筐体の製造方法を説明するための模式図である。 本発明の課題を説明するための模式図である。
以下、図面により、本発明の実施の形態にかかる筐体材料及びその製造方法、ウエアラブル筐体及びその製造方法について、図1〜図5を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる筐体材料は、ウエアラブル筐体材料であって、例えばウエアラブルPCなどのウエアラブル機器の筐体に用いられる材料である。
本実施形態のウエアラブル筐体材料は、図1に示すように、糸状の心材1と、心材1の周囲を覆う樹脂膜2とを備え、断面が楕円形(扁平形)になっている。このウエアラブル筐体材料3は、心材1の周囲を樹脂膜2で覆った糸である。このため、ウエアラブル筐体材料3を、ウエアラブル筐体用糸ともいう。また、筐体材料3を、筐体用糸ともいう。なお、糸状の心材1を心材糸ともいう。
ここでは、心材1の周囲が樹脂膜2で覆われた糸(ウエアラブル筐体材料)3は、断面が楕円形になっているが、糸状の心材1も断面が楕円形になっている。
本実施形態では、樹脂膜2は、例えばポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂からなる。
熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、AS樹脂(アクリロニトリルスチレン)、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル(塩化ビニル樹脂)、アクリル樹脂(メタクリル樹脂)、PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート)、PVA樹脂(ポリビニルアルコール)、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ナイロン6(ポリアミド)、ナイロン66(ポリアミド)、ナイロン12(ポリアミド)、アセタール樹脂(ポリアセタール)、ポリカーボネート、PBT樹脂(ポリブチレンテレフタレート)、ポリフェニレンスルファイド、ポリエーテルイミド、ポリスルフォン(ポリスルホン)、ポリテトラフルオロエチレン(フッ素樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(フッ素樹脂)、ポリアミドイミド、アセチルセルロース(酢酸セルロース)、ニトロセルロース(硝酸セルロース)、プロピオン酸セルロース、エチルセルロースなどを挙げることができる。
ここで、ポリエチレンは、記号:PE、融点(℃):低密度ポリエチレンの場合95℃〜130℃、高密度ポリエチレンの場合120℃〜140℃、耐熱温度(℃):低密度ポリエチレンの場合70℃〜90℃、高密度ポリエチレンの場合90℃〜110℃である。
ポリプロピレンは、記号:PP、融点(℃):168℃、耐熱温度(℃):100℃〜140℃である。
ポリスチレンは、記号:PS、融点(℃):100℃、耐熱温度(℃):70℃〜90℃である。
AS樹脂(アクリロニトリルスチレン)は、記号:SAN,AS、融点(℃):115℃、耐熱温度(℃):80℃〜100℃である。
ABS樹脂は、記号:ABS、融点(℃):耐高衝撃性ABS樹脂の場合100℃〜110℃、耐燃性ABS樹脂の場合100℃〜125℃、グラスファイバー(GF)を充填したものの場合110℃〜125℃、耐熱温度(℃):70℃〜100℃である。
ポリ塩化ビニル(塩化ビニル樹脂)は、記号:PVC、融点(℃):85℃〜210℃、耐熱温度(℃):60℃〜80℃である。
アクリル樹脂(メタクリル樹脂)は、記号:PMMA、融点(℃):90℃〜105℃、耐熱温度(℃):70℃〜90℃である。
PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート)は、記号:PET、融点(℃):255℃、耐熱温度(℃):延伸フィルムの場合200℃程度、無延伸シートの場合60℃、耐熱ボトルの場合85℃)である。
PVA樹脂(ポリビニルアルコール)は、記号:PVAL、融点(℃):200℃、耐熱温度(℃):40℃〜80℃である。
ポリ塩化ビニリデンは、記号:PVDC、融点(℃):210℃、耐熱温度(℃):130℃〜150℃である。
ポリフッ化ビニリデンは、記号:PVDF、融点(℃):134℃〜169℃、耐熱温度(℃):150℃前後である。
ナイロン6(ポリアミド)は、記号:PA6、融点(℃):225℃、耐熱温度(℃):80℃〜140℃、エンプラである。
ナイロン66(ポリアミド)は、記号:PA66、融点(℃):265℃、エンプラである。 ナイロン12(ポリアミド)は、記号:PA12、融点(℃):176℃、エンプラである。
アセタール樹脂(ポリアセタール)は、記号:POM、融点(℃):181℃、耐熱温度(℃):80℃〜120℃、エンプラである。
ポリカーボネートは、記号:PC、融点(℃):150℃、耐熱温度(℃):120℃〜130℃、エンプラである。
PBT樹脂(ポリブチレンテレフタレート)は、記号:PBT、融点(℃):232℃〜267℃、耐熱温度(℃):60℃〜140℃、エンプラである。
ポリフェニレンスルファイドは、記号:PPS、融点(℃):290℃、耐熱温度(℃):220℃〜240℃前後、スーパーエンプラである。
ポリエーテルイミドは、記号:PEI、融点(℃):215℃〜217℃、耐熱温度(℃):170℃前後、スーパーエンプラである。
ポリスルフォン(ポリスルホン)は、記号:PSF,PSU、融点(℃):200℃、耐熱温度(℃):150℃、スーパーエンプラである。
ポリテトラフルオロエチレン(フッ素樹脂)は、記号:PTFE、融点(℃):327℃、耐熱温度(℃):260℃、スーパーエンプラである。
ポリクロロトリフルオロエチレン(フッ素樹脂)は、記号:PCTFE、融点(℃):220℃、耐熱温度(℃):120℃前後、スーパーエンプラである。
ポリアミドイミドは、記号:PAI、融点(℃):300℃、耐熱温度(℃):275℃前後、スーパーエンプラである。
アセチルセルロース(酢酸セルロース)は、記号:CA、融点(℃):230℃、繊維素系)である。
ニトロセルロース(硝酸セルロース)は、記号:CN、融点(℃):171℃、繊維素系)である。
プロピオン酸セルロースは、記号:CP、融点(℃):190℃付近、繊維素系である。
エチルセルロースは、記号:EC、融点(℃):135℃〜240℃、繊維素系である。
なお、樹脂膜2は、熱可塑性樹脂以外の樹脂(例えば熱硬化性樹脂など)からなるものとしても良い。
熱硬化性樹脂には、以下に例示するものを用いれば良い。
熱硬化性樹脂の具体例としては、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、ポリウレタン(ウレタン樹脂)、アリル樹脂(ジアリルフタレート)、シリコン樹脂(シリコーン)、エポキシ樹脂、フラン樹脂(フラン−ホルムアルデヒド樹脂)などを挙げることができる。
ここで、ポリイミド樹脂は、記号:PI、耐熱温度(℃):500℃以上、スーパーエンプラである。
フェノール樹脂は、記号:PF、耐熱温度(℃):150℃である。
ユリア樹脂は、記号:UF、耐熱温度(℃):90℃である。
メラミン樹脂は、記号:MF、耐熱温度(℃):110℃〜130℃である。
不飽和ポリエステルは、記号:UP、耐熱温度(℃):130℃〜150℃である。
ポリウレタン(ウレタン樹脂)は、記号:PU、耐熱温度(℃):90℃〜130℃である。
アリル樹脂(ジアリルフタレート)は、記号:PDAP、耐熱温度(℃):270℃前後である。
シリコン樹脂(シリコーン)は、記号:SI、融点(℃):300℃前後、耐熱温度(℃):200℃以上、条件により400℃、一般に常用温度は−65℃〜315℃程度である。
エポキシ樹脂は、記号:EP、耐熱温度(℃):150℃〜200℃である。
フラン樹脂(フラン−ホルムアルデヒド樹脂)は、記号:FF、耐熱温度(℃):200℃前後である。
また、本実施形態では、心材1は、炭素繊維(カーボンファイバ(CF))、無機系繊維[例えばガラスファイバ(GF)、セラミックファイバなど]、有機系繊維(樹脂系繊維;例えば上述の例示した熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂)又は金属繊維(例えば銅などの金属繊維)からなる。なお、繊維からなる糸状の心材を、線材又は繊維糸ともいう。
例えば、心材1は、炭素繊維、無機系繊維、有機系繊維又は金属繊維の繊維束からなるものとすれば良い。また、例えば、心材1は、炭素繊維、無機系繊維、有機系繊維若しくは金属繊維のより線(より線糸)、又は、炭素繊維、無機系繊維、有機系繊維及び金属繊維の少なくとも2つを混合した混合より線(混合より線糸)からなるものとしても良い。
このように、本実施形態では、ウエアラブル筐体材料3を、繊維からなる硬質な心材1の周囲を樹脂膜2で覆った構造を有する糸としている。これを、FRP糸ともいう。
次に、このように構成される筐体材料(ウエアラブル筐体材料)の製造方法について説明する。
本実施形態では、筐体材料の製造方法は、糸状の心材1の周囲を樹脂膜2で覆う工程と、断面を楕円形にする工程とを含む(例えば図1参照)。
例えば、樹脂膜2で覆う工程と断面を楕円形にする工程とが同一工程で行なわれるようにすれば良い。
具体的には、押出成形機のノズル部の断面を楕円形にし、このノズル部を通過するように糸状の心材1を走行させながら、溶融状態の樹脂を供給し、その後に冷却、硬化させることで、糸状の心材1の断面を楕円形に成形すると同時に糸状の心材1の周囲を樹脂膜2で覆うようにすれば良い。
このようにして、樹脂の溶融コート時に断面が楕円形になるように成形することで、筐体材料3としての糸を、断面が楕円形になっているものとすることができる。
また、例えば、断面を楕円形にする工程として、糸状の心材1の断面を楕円形にする工程を行ない、糸状の心材1の断面を楕円形にする工程の後に樹脂膜2で覆う工程が行なわれるようにしても良い。
具体的には、図2(A)に示すように、糸状の心材1を予め開繊し、糸状の心材1の断面を楕円形にした後、図2(B)に示すように、この断面が楕円形になっている糸状の心材1の周囲を樹脂膜2で覆うようにすれば良い。この場合、押出成形機のノズル部の断面を楕円形にし、このノズル部を通過するように糸状の心材1を走行させながら、溶融状態の樹脂を供給し、その後に冷却、硬化させることで、断面が楕円形になっている糸状の心材1の周囲を樹脂膜2で覆うようにすれば良い。
このようにして、別工程で予め断面が楕円形になるように成形した糸状の心材1に樹脂をコートすることで、筐体材料3としての糸を、断面が楕円形になっているものとすることができる。
なお、この方法の場合、溶融状態で貯留された樹脂槽の中を、糸状の心材1を走行させ、その後に冷却・硬化させることで、樹脂膜2で糸状の心材1の周囲を覆うようにしても良い。
また、例えば、樹脂膜2で覆う工程の後に断面を楕円形にする工程が行なわれるようにしても良い。
具体的には、押出成形機のノズル部を通過するように糸状の心材1を走行させながら、溶融状態の樹脂を供給し、その後に冷却、硬化させることで、糸状の心材1の周囲を樹脂膜2で覆った後、糸状の心材1の周囲を樹脂膜2で覆ったものをローラで圧延することで、断面を楕円形にすれば良い。
このようにして、糸状の心材1に樹脂をコートしたものを、別工程で楕円形になるように成形することで、筐体材料3としての糸を、断面が楕円形になっているものとすることができる。
なお、この方法の場合、溶融状態で貯留された樹脂槽の中を、糸状の心材1を走行させ、その後に冷却・硬化させることで、樹脂膜2で糸状の心材1の周囲を覆うようにしても良い。
このようにして、硬質な心材1を溶融した樹脂でコートし、断面が楕円形(扁平形)になっている糸構造(FRP糸構造)が得られる。
ところで、本実施形態にかかるウエアラブル筐体は、例えば図3に示すように、上述のように構成される筐体材料(ウエアラブル筐体材料)3で編まれた編み部4と、編み部4に設けられ、電子部品6を搭載する部品搭載部5とを備える。
本実施形態では、樹脂膜2は、熱可塑性樹脂からなり、部品搭載部5は、熱可塑性樹脂が平板状に成形された部分である。
なお、部品搭載部5を、硬化部、台座部、機器本体部、FRP部ともいう。また、編み部4の部品搭載部5以外の部分を、柔軟部、人体取付部ともいう。
次に、このように構成されるウエアラブル筐体7の製造方法について説明する。
本実施形態では、ウエアラブル筐体7の製造方法は、上述のように構成される筐体材料(ウエアラブル筐体材料;ここでは糸)3を編んで編み部4を形成する工程と、編み部4に、電子部品6を搭載する部品搭載部5を設ける工程とを含む(例えば図3参照)。
本実施形態では、樹脂膜2は、熱可塑性樹脂からなり、部品搭載部5を設ける工程において、編み部4を部分的に加熱及び加圧して熱可塑性樹脂を平板状に成形し、編み部4に部品搭載部5を設ける。
そして、本実施形態では、図4に示すように、編み部4を形成する工程において、編み針8で筐体材料としての糸3を編む際に、編み針8を糸3の楕円形の長辺に沿う面(長辺面;長手面;図4中、符号Xで示す箇所を参照)に接触させて引っ掛けて糸3を引き出す。つまり、筐体材料としての糸(FRP糸)3を編み針8で引き出す際に、編み針8を糸3の楕円形の長辺に沿う面に接触させて引っ掛けて、編み針8で糸3を編む。
このように、編み針8を糸3の楕円形の長辺に沿う面に引っ掛けることで、編み針8で糸3を引き出す方向の糸3の厚さが薄く、編み針8で引き出される糸3が曲がり易くなり、糸3に作用する応力の集中が減少するため、糸3のつぶれや断裂を防止することができる。
これに対し、糸3の断面が楕円形になっておらず、編み針8で糸3を引き出す方向の糸3の厚さが厚いと、糸3が曲がり難いため、編み針8で引き出す際に糸3に大きな力を作用させて強引に曲げることになり、この結果、糸3のつぶれや断裂が生じてしまうことになる。
なお、樹脂膜2は、熱可塑性樹脂以外の樹脂(例えば上述の例示した熱硬化性樹脂など)からなるものとしても良いが、その場合、部品搭載部5となる部分に別に樹脂を塗って硬くして平板状の部分を形成するなど、部品搭載部5を設ける工程として、上述の加熱・加圧工程以外の工程を行なうことになる。
ところで、上述のようにしているのは、以下の理由による。
例えば、ウエアラブル機器(例えばウエアラブルPC)は、主にベースの衣類、サポータ等、支持の無い生地面(綿、麻、化繊、革材等)と、電子部品(外部機器)を取り付けるための部分とからなる。
これに、硬質な心材を樹脂糸のより糸もしくはリリアン編みで保護した糸(FRP糸)を用いて作製した編物を用いる場合、樹脂糸(繊維束)から硬質な心材が針状に飛び出し、人体へ刺さるおそれがある。
このような心材の飛び出しを防止するために、樹脂を溶融して心材にコートした糸を用いて作製した編物を用いることが考えられる。
しかしながら、樹脂を溶融して心材にコートした糸(FRP糸)を用いて編物を作製した場合、緻密に(例えば10ゲージ)編むと、編み針で糸を引っ掛けて引き出す際に、心材が開繊し、糸がつぶれ、編み目がとんで、編み目を乱すことがあることがわかった。
また、さらに緻密に(例えば15ゲージ)編むと、糸が曲げで断裂し、内部の心材が飛び出すことがあることがわかった(例えば図5参照)。
なお、樹脂の厚さを厚くすると、緻密に編むことが難しくなり、また、編み針がはずれやすくなり、編み目がとんだりすることになる。
そこで、上述のように、断面が楕円形になっている糸(FRP糸)3を用い、糸3の楕円形の長辺に沿う面に編み針8を引っ掛けて編むことで、緻密に編んだ際に生じる編み目のとびや断裂による心材の飛びだしを抑制できるようにしている。これにより、例えば自動編み機での製造が可能となり、コスト及び量産性に優れたものとなる。
したがって、本実施形態にかかる筐体材料及びその製造方法、ウエアラブル筐体及びその製造方法は、例えば緻密に編む場合であっても、編み目のとびや心材の飛び出しを抑制できるという効果を有する。これにより、緻密に編むことが可能となるため、編物を複数枚重ねる必要がなくなり、筐体の軽量化を図ることが可能となる。
実際に、上述の実施形態のものとして、CF糸(1K)を断面が楕円形になっているPA(ポリアミド)樹脂膜で覆った糸(長辺700μm、短辺10μm)を用い、編み条件天竺スムース、7ゲージで、編物(CFRTP材からなる編物)を作製した。なお、楕円形の糸を用いており、糸の面積が広がり、7ゲージで編んでも隙間ができずに緻密に編むことが可能である。
また、φ50mmの金型及び高温プレスを用い、プレス温度210℃、圧力5MPa、時間5min、取り出し温度80℃のプレス条件でプリフォームして、編物に硬化部(部品搭載部)を形成した。なお、楕円形の糸を用いており、幅広で薄肉であるため、プリフォームの際に、緻密でかつ薄肉の硬化部を形成することが可能である。
そして、編み及びプレス後、外観を確認したところ、糸のつぶれ、編みの目飛び及び断線は確認されなかった。また、プリフォームした編物のCF糸の飛び出し及び亀裂等の欠陥は確認されなかった。
これに対し、比較例として、CF糸(1K)にPA樹脂をコートした糸(φ0.5mm)を用い、編み条件天竺スムース、10及び15ゲージで、編物(CFRTP材からなる編物)を作製し、編み及びプレス後、外観を確認した結果、10ゲージでは編みの糸とびが生じ、15ゲージでは心材の断裂部が被覆樹脂から飛び出ていることが確認された。
なお、上述の実施形態では、筐体材料をウエアラブル機器の筐体材料として用いる場合を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではなく、上述の実施形態の筐体材料は、例えばスマートフォンやタブレットなどのモバイル機器の筐体を、編物を基材として作製されるFRP成形体とする場合には、モバイル機器の筐体材料として用いることもできる。この場合、上述の実施形態の筐体材料としての糸を編んで編物を作製し、加熱・加圧し、冷却硬化させて、モバイル機器の筐体として用いられるFRP成形体が作製されることになる。
なお、本発明は、上述した実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
以下、上述の実施形態に関し、更に、付記を開示する。
(付記1)
糸状の心材と、
前記心材の周囲を覆う樹脂膜とを備え、
断面が楕円形になっていることを特徴とする筐体材料。
(付記2)
前記樹脂膜は、熱可塑性樹脂からなることを特徴とする、付記1に記載の筐体材料。
(付記3)
前記心材は、炭素繊維、無機系繊維、有機系繊維又は金属繊維からなることを特徴とする、付記1又は2に記載の筐体材料。
(付記4)
前記心材は、炭素繊維、無機系繊維、有機系繊維又は金属繊維の繊維束からなることを特徴とする、付記1又は2に記載の筐体材料。
(付記5)
前記心材は、炭素繊維、無機系繊維、有機系繊維若しくは金属繊維のより線、又は、炭素繊維、無機系繊維、有機系繊維及び金属繊維の少なくとも2つを混合した混合より線からなることを特徴とする、付記1又は2に記載の筐体材料。
(付記6)
糸状の心材と、前記心材の周囲を覆う樹脂膜とを備え、断面が楕円形になっている筐体材料で編まれた編み部と、
前記編み部に設けられ、電子部品を搭載する部品搭載部とを備えることを特徴とするウエアラブル筐体。
(付記7)
前記樹脂膜は、熱可塑性樹脂からなり、
前記部品搭載部は、前記熱可塑性樹脂が平板状に成形された部分であることを特徴とする、付記6に記載のウエアラブル筐体。
(付記8)
前記心材は、炭素繊維、無機系繊維、有機系繊維又は金属繊維からなることを特徴とする、付記6又は7に記載のウエアラブル筐体。
(付記9)
前記心材は、炭素繊維、無機系繊維、有機系繊維又は金属繊維の繊維束からなることを特徴とする、付記6又は7に記載のウエアラブル筐体。
(付記10)
前記心材は、炭素繊維、無機系繊維、有機系繊維若しくは金属繊維のより線、又は、炭素繊維、無機系繊維、有機系繊維及び金属繊維の少なくとも2つを混合した混合より線からなることを特徴とする、付記6又は7に記載のウエアラブル筐体。
(付記11)
糸状の心材の周囲を樹脂膜で覆う工程と、
断面を楕円形にする工程とを含むことを特徴とする筐体材料の製造方法。
(付記12)
前記樹脂膜で覆う工程と前記断面を楕円形にする工程とが同一工程で行なわれることを特徴とする、付記11に記載の筐体材料の製造方法。
(付記13)
前記断面を楕円形にする工程として、前記糸状の心材の断面を楕円形にする工程を行ない、
前記糸状の心材の断面を楕円形にする工程の後に前記樹脂膜で覆う工程が行なわれることを特徴とする、付記11に記載の筐体材料の製造方法。
(付記14)
前記樹脂膜で覆う工程の後に前記断面を楕円形にする工程が行なわれることを特徴とする、付記11に記載の筐体材料の製造方法。
(付記15)
糸状の心材と、前記心材の周囲を覆う樹脂膜とを備え、断面が楕円形になっている筐体材料を編んで編み部を形成する工程と、
前記編み部に、電子部品を搭載する部品搭載部を設ける工程とを含むことを特徴とするウエアラブル筐体の製造方法。
(付記16)
前記樹脂膜は、熱可塑性樹脂からなり、
前記部品搭載部を設ける工程において、前記編み部を部分的に加熱及び加圧して前記熱可塑性樹脂を平板状に成形し、前記編み部に前記部品搭載部を設けることを特徴とする、付記15に記載のウエアラブル筐体の製造方法。
(付記17)
前記編み部を形成する工程において、編み針で前記筐体材料を編む際に、前記編み針を前記筐体材料の楕円形の長辺に沿う面に接触させて前記筐体材料を引き出すことを特徴とする、付記15又は16に記載のウエアラブル筐体の製造方法。
1 糸状の心材
2 樹脂膜
3 ウエアラブル筐体材料(筐体材料、糸)
4 編み部
5 部品搭載部
6 電子部品
7 ウエアラブル筐体
8 編み針

Claims (14)

  1. 糸状の心材と、
    前記心材の周囲を覆う樹脂膜とを備え、
    断面が楕円形になっていることを特徴とする筐体材料。
  2. 前記樹脂膜は、熱可塑性樹脂からなることを特徴とする、請求項1に記載の筐体材料。
  3. 前記心材は、炭素繊維、無機系繊維、有機系繊維又は金属繊維からなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の筐体材料。
  4. 前記心材は、炭素繊維、無機系繊維、有機系繊維又は金属繊維の繊維束からなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の筐体材料。
  5. 前記心材は、炭素繊維、無機系繊維、有機系繊維若しくは金属繊維のより線、又は、炭素繊維、無機系繊維、有機系繊維及び金属繊維の少なくとも2つを混合した混合より線からなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の筐体材料。
  6. 糸状の心材と、前記心材の周囲を覆う樹脂膜とを備え、断面が楕円形になっている筐体材料で編まれた編み部と、
    前記編み部に設けられ、電子部品を搭載する部品搭載部とを備えることを特徴とするウエアラブル筐体。
  7. 前記樹脂膜は、熱可塑性樹脂からなり、
    前記部品搭載部は、前記熱可塑性樹脂が平板状に成形された部分であることを特徴とする、請求項6に記載のウエアラブル筐体。
  8. 糸状の心材の周囲を樹脂膜で覆う工程と、
    断面を楕円形にする工程とを含むことを特徴とする筐体材料の製造方法。
  9. 前記樹脂膜で覆う工程と前記断面を楕円形にする工程とが同一工程で行なわれることを特徴とする、請求項8に記載の筐体材料の製造方法。
  10. 前記断面を楕円形にする工程として、前記糸状の心材の断面を楕円形にする工程を行ない、
    前記糸状の心材の断面を楕円形にする工程の後に前記樹脂膜で覆う工程が行なわれることを特徴とする、請求項8に記載の筐体材料の製造方法。
  11. 前記樹脂膜で覆う工程の後に前記断面を楕円形にする工程が行なわれることを特徴とする、請求項8に記載の筐体材料の製造方法。
  12. 糸状の心材と、前記心材の周囲を覆う樹脂膜とを備え、断面が楕円形になっている筐体材料を編んで編み部を形成する工程と、
    前記編み部に、電子部品を搭載する部品搭載部を設ける工程とを含むことを特徴とするウエアラブル筐体の製造方法。
  13. 前記樹脂膜は、熱可塑性樹脂からなり、
    前記部品搭載部を設ける工程において、前記編み部を部分的に加熱及び加圧して前記熱可塑性樹脂を平板状に成形し、前記編み部に前記部品搭載部を設けることを特徴とする、請求項12に記載のウエアラブル筐体の製造方法。
  14. 前記編み部を形成する工程において、編み針で前記筐体材料を編む際に、前記編み針を前記筐体材料の楕円形の長辺に沿う面に接触させて前記筐体材料を引き出すことを特徴とする、請求項12又は13に記載のウエアラブル筐体の製造方法。
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