JP2018039350A - ステアリング制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで従来、ハンドルを中立位置に戻す方向の補正トルクを演算しアシストトルクに付加する「戻し制御」を実行するステアリング制御装置が知られている。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、戻し制御において、ドライバの操舵に応じて戻し制御量を適切に調整するステアリング制御装置を提供することにある。
このステアリング制御装置は、基本アシストトルク(Tb)を演算する基本アシストトルク演算部(11)と、戻し制御部(13)と、を備える。
戻し制御部は、基本アシストトルクに付加される補正トルクとして、ハンドル(91)が中立位置に戻るようにアシストする戻し制御量(Tr*)を演算する。
例えばハンドルが中立位置に対し左側にあるとき、ハンドル位置関連情報の値を正とし、ハンドルが中立位置に対し右側にあるとき、ハンドル位置関連情報の値を負とする。
ハンドル位置関連情報には、ハンドルの回転量を直接的に示す操舵角(θ)の他、操舵角と相関するモータ回転角や伝達系ギアの回転角、タイヤの舵角、ヨーレート等の情報が含まれる。
よって、本発明のステアリング制御装置は、ドライバの操舵に応じて戻し制御量を適切に調整することができる。
具体的には、ドライバ操舵補正部は、符号乗算後操舵トルクが0のときの戻し制御量を基準として、操舵トルクの符号の定義により、以下のように補正量を演算する。
ハンドル位置関連情報の符号が示す方向と共通の方向で操舵トルクの符号を定義した場合、符号乗算後操舵トルクが負のとき、戻し制御量を維持し又は増加させ、符号乗算後操舵トルクが正であって絶対値が臨界値以上のとき、戻し制御量を減少させる。
ハンドル位置関連情報の符号が示す方向と反対の方向で操舵トルクの符号を定義した場合、符号乗算後操舵トルクが正のとき、戻し制御量を維持し又は増加させ、符号乗算後操舵トルクが負であって絶対値が臨界値以上のとき、戻し制御量を減少させる。
[電動パワーステアリングシステムの構成]
図1に示すように、電動パワーステアリングシステム1はドライバによるハンドル91の操作を操舵アシストモータ80のトルクによってアシストするものである。
インターミディエイトシャフト93のトルクセンサ94と反対側の端部には、ピニオンギア961及びラック962を含むギアボックス96が設けられている。
また、車両の所定の部位には、車速Vを検出する車速センサ71が設けられている。
モータ80の回転は、ウォームギア86及びウォームホイール87を含む減速機構85を経由してインターミディエイトシャフト93に伝達される。また、タイヤ99側からのセルフアライニングトルクや路面反力によってインターミディエイトシャフト93が回転すると、この回転が減速機構85を経由してモータ80に伝達される。
また、他の実施形態では、操舵アシストモータとして、3相以外の多相交流モータや、ブラシ付DCモータを用いてもよい。
ECU10における各種演算処理は、ROM等の実体的なメモリ装置に予め記憶されたプログラムをCPUで実行することによるソフトウェア処理であってもよいし、専用の電子回路によるハードウェア処理であってもよい。
基本アシストトルク演算部11は、操舵トルクTs及び操舵速度ωに基づいて、基本アシストトルクTbを演算する。
補正トルク演算部13は、基本アシストトルクTbに付加される各種補正トルクを演算する。ただし本実施形態では、補正トルクとして、戻し制御における戻し制御量Tr*のみに着目し、その他の補正トルクには言及しない。そこで、以下、「補正トルク演算部」を具体的に「戻し制御部13」として説明する。
なお、各量について記した[Nm]、[deg]、[deg/s]の単位は、各量の次元を表すためのものであり、その単位での使用を限定する意図ではない。例えば角度単位として[rad]を用いてもよい。以下の図でも同様に解釈する。
さらに、「操舵角θ」及び「操舵速度ω」の用語は、ドライバの積極的な操舵によってハンドル91が回転する場合のみでなく、ドライバが手を放した状態でのハンドル91の位置及び回転速度についても拡張して用いる。
ステアリング制御装置における基本アシストトルク演算部11や電流フィードバック部70の構成は周知技術であるため、詳細な説明を省略する。
次に、戻し制御の概要について、図2を参照する。
車速の低い領域では、高速時に比べて相対的に車体やタイヤの横滑り角が小さくなり、同じ操舵角や横加速度において路面から受けるセルフアライニングトルクが小さくなる。
セルフアライニングトルクが操舵機構の摩擦と同程度以下になるとハンドルは中立位置に戻り難くなるため、ドライバが意識的にハンドルを戻す操作をしなければならなくなる。
具体的には、トー角やキャスタトレールが小さい車両や、低転がり抵抗のタイヤを装着した車両では、復元力が小さくなる。また、ラックピニオン機構の歯打ち音低減のために部材の接触圧を高く設定した車両では、摩擦が高くなる。これらは、いずれもハンドルの中立位置への復元を妨げる要因となる。
以下、本明細書では、ハンドルが中立位置から離れる方向を「切り込み方向」といい、ハンドルが中立位置に向かう方向を「戻し方向」という。つまり、ドライバの感覚にかかわらず、ハンドルと中立位置との関係で客観的に「戻し/切り込み方向」を定義する。
そして、切り込み方向及び戻し方向への操舵を、それぞれ、「切り込み操舵」及び「戻し操舵」という。また、ドライバが積極的にハンドルを戻す操作をしなくても、セルフアライニングトルク及び戻し制御によってハンドルが中立位置へ戻るときの速度を「戻り速度」という。
また、一点鎖線R2及び二点鎖線R3は、不適当な戻し制御の例を示す。一点鎖線R2の動作では、戻し制御の出力が過剰であり、戻り速度が速すぎるため、操舵を阻害する。二点鎖線R3の動作では、戻り速度が安定しないため、ドライバに違和感を与えるおそれがある。したがって戻し制御では、操舵を阻害せず、違和感の無い自然な速度でハンドルが戻る短破線R1の動作を実現することが制御目標となる。
ドライバがハンドルを切り込んでいる切り込み期には、操舵角θの絶対値が増加する。なお、図示上のカーブ形状は、一例を示すものに過ぎない。切り込み期には、操舵を阻害しないため戻し制御を実施しない。
ハンドルを戻し始めたとき、操舵角θはほぼ変化せず、操舵速度ωの絶対値が比較的小さい。この第1遷移期には、戻し制御を積極的に実施するとドライバが強い戻され感を感じることとなるため、戻し制御を徐々に開始する。
ハンドルが中立位置に近づいた第2遷移期には、操舵角θの絶対値が比較的小さい範囲で0に漸近する。この期間に、戻し制御を徐々に終了させる。
そして、戻し状態を定量的に示す情報が、後述する戻し状態判定部50により演算される「戻し状態量α」である。図2(b)の各期間における戻し状態量αは、切り込み期には「α=0」、戻し期には「α=1」、第1及び第2遷移期には「0<α<1」となる。
続いて、第1−第5実施形態による戻し制御部13の構成について順に説明する。各実施形態の戻し制御部の符号として、「13」に続く3桁目に実施形態の番号を付す。
(第1実施形態)
第1実施形態の戻し制御部131の全体構成を図3に示す。
戻し制御部131は、大きく、目標操舵速度演算部201、戻し制御量演算部301、戻し状態判定部50、及び、戻り速度安定化制御部60の4つのブロックで構成される。各ブロックの機能を簡単に記すと、目標操舵速度演算部201は、ハンドル戻り時の目標操舵速度ω*を演算する。戻し制御量演算部301は、ハンドルを中立位置に戻す復元力指令値を演算する。戻し状態判定部50は、ハンドルの切り込みと戻しとを判別する。戻り速度安定化制御部60は、ハンドル戻り速度を安定化させるものである。
図3を始めとする各実施形態の戻し制御部の全体構成図では、図の見やすさを考慮し、操舵角θの入力を一点鎖線、操舵速度ωの入力を二点鎖線、操舵トルクTsの入力を実線で示す。各ブロックから出力される演算結果は、いずれも実線で示す。
以下、目標操舵速度演算部の符号については「20」に続く3桁目、戻し制御量演算部の符号については「30」に続く3桁目に、実施形態の番号を付して区別する。ただし、前出の実施形態と実質的に同じ構成である場合には、前出の実施形態の符号を援用する。
基本目標操舵速度演算部21は、操舵角θに基づいて、ハンドル戻り時の目標操舵速度の基本値である基本目標操舵速度ω*_0を演算する。乗算器23では、基本目標操舵速度ω*_0に対して、ドライバ操舵補正部401が演算した補正ゲインK1が乗算され、目標操舵速度ω*が演算される。目標操舵速度演算部201は、こうして演算された目標操舵速度ω*を出力する。ドライバ操舵補正部401の詳細な構成については後述する。
以下、本明細書では、複数種類の演算値について、語頭に「基本」を付した用語を用いる。これらは、最終的に出力される演算値に対し、補正量が加算又は乗算される前の値であることを意味する。
操舵速度偏差算出部31は、目標操舵速度ω*と操舵速度ωとの偏差Δωを算出する。
操舵速度サーボ制御器32は、操舵速度偏差Δωが0になるように、つまり、操舵速度ωを目標操舵速度ω*に追従させるようにサーボ制御を実行し、基本戻し制御量Tr*_0を演算する。
操舵速度判定部51は、操舵速度ωに基づいて、−1から+1までの値を取る速度状態量αωを演算する。操舵角判定部52は、操舵角θに基づいて、−1から+1までの値を取る角度状態量αθを演算する。乗算器53は、速度状態量αωと角度状態量αθとを乗算し、−1から+1までの値を取る制限前戻し状態量α0を演算する。
出力制限部54は、制限前戻し状態量α0のうち、−1から0までの負の値を除外し、0から+1までの正の値のみを戻し状態量αとして出力する。
戻り速度安定化制御部60は、戻し状態量α及び操舵速度ωに基づいて、戻り速度安定化トルクTω_stbを演算する。戻し制御量演算部301が出力した戻し制御量Tr*に、乗算器39で戻り速度安定化トルクTω_stbが乗算されることで、戻し制御量最終指令値Tr**が演算される。
なお、本実施形態では、戻し状態量αや戻り速度安定化トルクTω_stbに係る構成に関する詳しい説明を省略する。
ドライバ操舵補正部401は、符号判定部(図中「sgn」)411、符号乗算器412、及びマップ42を有する。
符号判定部411は、操舵角θの符号を判定し、操舵角θが正のとき「+1」、操舵角θが負のとき「−1」を演算する。なお、操舵角θが0のときは、−1から+1までの間の任意の値としてよい。符号乗算器412は、操舵角θの符号と操舵トルクTsとを乗算し符号乗算後操舵トルクTs_sgnを算出する。マップ42は、符号乗算後操舵トルクTs_sgnと補正ゲインK1との関係を規定する。
上述の通り、ドライバ操舵補正部401が出力した補正ゲインK1は、乗算器23にて基本目標操舵速度ω*_0に対して乗算され、目標操舵速度ω*が算出される。
また、第1実施形態では、補正ゲインK1が「いずれかの演算量に対して出力する補正量」に相当する。なお、記号「K1」は、第1実施形態の補正ゲインであることを意味する。これに対応し、第2実施形態における補正ゲインの記号を「K2」のように記す。
図6における一点鎖線Nの方向はハンドル91(以下、符号91の記載を省略する)の中立位置を示し、破線Dの方向は現在のハンドル位置を示す。操舵角θについては、中立位置に対し左側の操舵角θを正、中立位置に対し右側の操舵角θを負と定義する。また、左回転方向、すなわち反時計回り方向の操舵速度ω及び操舵トルクTsを正と定義し、右回転方向、すなわち時計回り方向の操舵速度ω及び操舵トルクTsを負と定義する。
なお、他の実施形態では、上記とは逆に、中立位置に対し右側の操舵角θ、右回転方向の操舵速度ω及び操舵トルクTsを正と定義し、中立位置に対し左側の操舵角θ、左回転方向の操舵速度ω及び操舵トルクTsを負と定義してもよい。
さらに、上述の通り、ハンドルが中立位置に向かう方向を「戻し方向」と定義し、ハンドルが中立位置から離れる方向を「切り込み方向」と定義する。
一方、操舵角θが負領域にある場合、操舵トルクTsが正のとき、戻し方向にトルクが加わっており、操舵トルクTsが負のとき、切り込み方向にトルクが加わっている。
これを基準とし、符号乗算後操舵トルクTs_sgnが負方向に小さくなるほど補正ゲインK1は1から大きくなり、基本目標操舵速度ω*_0よりも大きい目標操舵速度ω*が出力される。その結果、戻し制御量演算部301により演算される戻し制御量Tr*が増加する。これにより、ドライバが戻し方向に操舵トルクTsを加えているとき、戻し制御のアシスト量が大きくなり、操舵負荷を低減することができる。
これにより、ドライバが切り込み方向に操舵トルクTsを加えているとき、戻し制御のアシスト量が小さくなり、ドライバの操舵阻害感、すなわち、切り込み動作に反してハンドルが戻されるように感じる違和感を低減することができる。
図8(a)、(b)、(c)、及び、図9(d)、(e)の各横軸は、共通の時間軸を示す。各図の縦軸は、図8(a)操舵角θ、(b)操舵トルクTs、(c)符号乗算後操舵トルクTs_sgn、図9(d)補正ゲインK1乗算後の目標操舵速度ω*、(e)戻し制御量Tr*である。
詳しくは、時刻t1の直後、時刻t2までの期間は、依然、操舵トルクTsが負方向に加わっており、時刻t2にて操舵トルクTsが0になる。
時刻t0から時刻t3までの期間を通じて操舵角θの符号が負であるため、(c)符号乗算後操舵トルクTs_sgnは、(b)操舵トルクTsを正負反転した形状となる。
図9(d)のd1部、及び(e)のe1部に示すように、時刻t1から時刻t2までの期間、ドライバ操舵補正有りの場合、補正無しの場合に比べて、補正ゲインK1乗算後の目標操舵速度ω*、及び戻し制御量Tr*が小さくなる。このように、ドライバが切り込み方向に操舵トルクTsを加えているとき、戻し制御量Tr*を小さくすることで、操舵阻害感が低減される。
よって、本実施形態のステアリング制御装置は、ドライバの操舵に応じて戻し制御量を適切に調整することができる。
このドライバ操舵補正では、符号乗算後操舵トルクTs_sgnの演算において操舵角θの符号を乗算するため、操舵角θが0[deg]のとき戻し制御量Tr*が0に近い値でないと、出力に値飛びが生じる、言い換えれば出力が不連続になるという問題がある。そこで、ドライバ操舵補正部401は、操舵角θが0[deg]に漸近するとき、戻し制御量Tr*を0に漸近させることで、出力の連続性を確保することができる。
第1実施形態と同様に、各実施形態におけるマップは、車速V毎に異なるマップが用いられてもよく、車速Vから演算されるゲインに基づいて選択されてもよい。
第2実施形態の戻し制御部132について、図10〜図12を参照して説明する。
図10に示す第2実施形態の戻し制御部132は、戻し制御量演算部302において、補正ゲインK2を演算するドライバ操舵補正部402が設けられる。ドライバ操舵補正部402が出力した補正ゲインK2は、乗算器36にて、舵角基準トルク演算部33が出力した基本舵角基準トルクTθ_0に対して乗算され、その結果、舵角基準トルクTθが算出される。
第2実施形態では、舵角基準トルクTθが「戻し制御量の演算過程におけるいずれかの演算量」に相当し、補正ゲインK2が「補正量」に相当する。
第2実施形態に関しては、従来技術として特許文献1に加え特許第4959212号公報が参照される。
第3実施形態の戻し制御部133について、図13〜図15を参照して説明する。
図13に示す第3実施形態の戻し制御部133は、戻し制御量演算部303において、舵角基準トルク演算部33と並列に、戻し制御量補正トルクTr*_compを演算するドライバ操舵補正部403が設けられる。ドライバ操舵補正部403が出力した戻し制御量補正トルクTr*_compは、舵角基準トルク演算部33が出力した舵角基準トルクTθと共に、加算器38で基本戻し制御量Tr*_0に加算され、その結果、戻し制御量Tr*が算出される。
第3実施形態では、舵角基準トルクTθ及び戻し制御量Tr*が「戻し制御量の演算過程におけるいずれかの演算量」に相当し、戻し制御量補正トルクTr*_compが「補正量」に相当する。
第1マップ44は、符号乗算後操舵トルクTs_sgnと、戻し制御量補正トルク基本値Tr*_comp_0との関係を規定する。図15(a)に示す第1マップの例では、符号乗算後操舵トルクTs_sgnが正の値「+E」以上の区間では、補正トルク基本値Tr*_comp_0は0に設定される。符号乗算後操舵トルクTs_sgnが負領域、及び「+E」未満の正領域では、符号乗算後操舵トルクTs_sgnが小さくなるほど、略一定の傾きで小さくなるように補正トルク基本値Tr*_comp_0が設定される。
ドライバ操舵補正部403は、図15(a)のような第1マップ44を用いることで、ドライバが戻し方向に操舵トルクTsを加えている領域での戻し制御量補正トルクTr*_compを増加させる。また、図15(b)のような第2マップ47を用いることで、ハンドル中立位置付近では、戻し制御量補正トルクTr*_compを0にする。
第4実施形態の戻し制御部134について、図16、図17を参照して説明する。
図16に示す第4実施形態の戻し制御部134は、戻し制御量演算部304において、補正ゲインK4を演算するドライバ操舵補正部404が設けられる。ドライバ操舵補正部404が出力した補正ゲインK4は、乗算器34にて、舵角基準トルクTθが加算される前の基本戻し制御量Tr*_0に対して乗算される。
第4実施形態では、戻し制御量Tr*が「戻し制御量の演算過程におけるいずれかの演算量」に相当し、補正ゲインK4が「補正量」に相当する。
さらに、第1又は第4実施形態の構成に限らず、符号乗算後操舵トルクTs_sgnに応じた補正ゲインを乗算する箇所は、戻し制御量Tr*を増減させられる箇所であれば、どこでもよい。例えば、操舵速度サーボ制御器32の直前において、目標操舵速度ω*と操舵速度ωとの速度偏差Δωに対して補正ゲインを乗算するようにしてもよい。
第5実施形態の戻し制御部135について、図18〜図20を参照して説明する。
図18に示す第5実施形態の戻し制御部135は、目標操舵速度演算部205において、補正目標戻し速度ω5を演算するドライバ操舵補正部405が設けられる。ドライバ操舵補正部405が出力した補正目標戻し速度ω5は、加算器24にて、基本目標操舵速度ω*_0に対して加算される。
第5実施形態では、目標操舵速度ω*が「戻し制御量の演算過程におけるいずれかの演算量」に相当し、補正目標戻し速度ω5が「補正量」に相当する。
マップ45は、符号乗算後操舵トルクTs_sgnと、符号調整前の補正目標戻し速度基本値ω5_0との関係を規定する。図20に示すマップ45の例では、符号乗算後操舵トルクTs_sgnのI−Vの5つの区間で、補正目標戻し速度基本値ω5_0との関係が規定されている。
符号乗算後操舵トルクTs_sgnが負の値「−A」未満の区間Iでは、補正目標戻し速度基本値ω5_0は、負の下限値「−ω5LIM」で一定である。
符号乗算後操舵トルクTs_sgnが負の値「−B」以上0以下の区間III、及び、0を超え正の値「+C」未満の区間IVでは、補正目標戻し速度基本値ω5_0は、0で一定である。
符号乗算後操舵トルクTs_sgnが正の値「+C」以上の区間Vでは、補正目標戻し速度基本値ω5_0は、符号乗算後操舵トルクTs_sgnの増加に従い、0から増加する。
図20に示すマップを用いる場合、ドライバ操舵補正部405は、絶対値が臨界値以上の操舵トルクTsが切り込み方向に加わっているとき戻し制御量Tr*を減少させるように補正目標戻し速度ω5を演算する。なお、前述の図7、図12のマップを用いる場合、臨界値は0に設定されているものと解釈される。
目標操舵速度演算部205は、ドライバ操舵補正部405が出力した補正目標戻し速度ω5が加算された補正後の目標操舵速度ω*を戻し制御量演算部301に出力する。戻し制御量演算部301が補正後の目標操舵速度ω*に基づいて戻し制御量Tr*を演算することで、戻し制御量Tr*を適切に調整することができる。
(1)上記実施形態でドライバ操舵補正部401−405の制御に用いられる操舵角θは、ハンドルが中立位置にあるときの値が0であり、中立位置を基準としたハンドル位置に応じて正又は負の値を取る「ハンドル位置関連情報」の典型例である。他の実施形態では、全部又は一部のハンドル位置関連情報として、操舵角θと相関するモータ回転角や伝達系ギアの回転角、タイヤの舵角、ヨーレート等の情報を用いてもよい。その場合、上記実施形態におけるブロック図やマップの操舵角θを、適宜、他のハンドル位置関連情報に置き換えればよい。
他の実施形態では、操舵角θの符号が示す方向と反対の方向で操舵トルクTsの符号を定義し、符号乗算後操舵トルクTs_sgnを演算してもよい。その場合、ドライバ操舵補正部は、符号乗算後操舵トルクTs_sgnが正のとき、戻し制御量Tr*を維持し又は増加させ、符号乗算後操舵トルクTs_sgnが負であって絶対値が臨界値以上のとき、戻し制御量Tr*を減少させるように補正量を演算する。
(4)各実施形態の制御ブロック図において、ドライバ操舵補正部以外の構成については、適宜、削除又は変更してもよい。例えば戻し状態判定部50や戻り速度安定化制御部60を設けなくてもよい。或いは、別の種類の補正制御を追加してもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
11・・・基本アシストトルク演算部
13(131−135)・・・戻し制御部
401−405・・・ドライバ操舵補正部
80 ・・操舵アシストモータ
91 ・・ハンドル
Claims (5)
- ドライバの操舵トルク(Ts)に基づいて操舵アシストモータ(80)が出力するアシストトルクを制御するステアリング制御装置であって、
基本アシストトルク(Tb)を演算する基本アシストトルク演算部(11)と、
前記基本アシストトルクに付加される補正トルクとして、ハンドル(91)が中立位置に戻るようにアシストする戻し制御量(Tr*)を演算する戻し制御部(13)と、
を備え、
ハンドルが中立位置にあるときの値が0であり、中立位置を基準としたハンドル位置に応じて正又は負の値を取る情報をハンドル位置関連情報と定義すると、
前記戻し制御部は、
操舵トルクがハンドル中立位置に向かう戻し方向に加わっているとき前記戻し制御量を維持し又は増加させ、絶対値が所定の臨界値以上の操舵トルクがハンドル中立位置から離れる切り込み方向に加わっているとき前記戻し制御量を減少させるように、前記戻し制御量の演算過程におけるいずれかの演算量に対して出力する補正量を、操舵トルク及び前記ハンドル位置関連情報に基づいて演算するドライバ操舵補正部(401−405)を含むステアリング制御装置。 - 前記ドライバ操舵補正部は、
前記ハンドル位置関連情報の符号と操舵トルクとを乗算して得られる符号乗算後操舵トルク(Ts_sgn)に基づいて、
前記符号乗算後操舵トルクが0のときの前記戻し制御量を基準として、
前記ハンドル位置関連情報の符号が示す方向と共通の方向で操舵トルクの符号を定義した場合、前記符号乗算後操舵トルクが負のとき、前記戻し制御量を維持し又は増加させ、前記符号乗算後操舵トルクが正であって絶対値が前記臨界値以上のとき、前記戻し制御量を減少させるように補正量を演算し、
前記ハンドル位置関連情報の符号が示す方向と反対の方向で操舵トルクの符号を定義した場合、前記符号乗算後操舵トルクが正のとき、前記戻し制御量を維持し又は増加させ、前記符号乗算後操舵トルクが負であって絶対値が前記臨界値以上のとき、前記戻し制御量を減少させるように補正量を演算する請求項1に記載のステアリング制御装置。 - 前記ドライバ操舵補正部は、
前記ハンドル位置関連情報が0に漸近するとき、前記戻し制御量を0に漸近させる請求項2に記載のステアリング制御装置。 - 前記戻し制御部は、操舵速度(ω)の目標値である目標操舵速度(ω*)を演算する目標操舵速度演算部(201、205)を含み、
前記ドライバ操舵補正部(401、405)は、
前記符号乗算後操舵トルクに基づいて演算した補正量を、前記目標操舵速度に対して乗算又は加算する請求項2または3に記載のステアリング制御装置。 - 前記戻し制御部は、操舵角(θ)に応じた舵角基準トルク(Tθ)を演算する舵角基準トルク演算部(33)を含み、
前記ドライバ操舵補正部(402、403)は、
前記符号乗算後操舵トルクに基づいて演算した補正量を、前記舵角基準トルクに対して乗算又は加算する請求項2または3に記載のステアリング制御装置。
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