JP2018039260A - 多層フィルムおよび包装体 - Google Patents
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Abstract
Description
層厚みが15μm以上あるようなフィルムであれば、特許文献2や3のような比較的粒径の大きなフィラーを使用することもできるが、トータルで薄肉化されたフィルムのごく薄い表面層では、粒径の大きな無機フィラーを用いると、無機フィラーによって形成される凹凸が大き過ぎるため、透明性の悪化や印刷抜けの発生などが懸念される。
このような状況から、薄い表面層でも、高湿度下で良好な滑り性を有し、フィルム外観や透明性も良好で、印刷抜けやコロナ処理不良等の後加工の不具合を発生させず、食品衛生上の基準も満足させられるフィルムが求められている。
すなわち、熱可塑性樹脂多層フィルムにおいて、少なくとも一方の表面層が、ポリアミド系樹脂(A)を主成分とし、無機フィラー(B)及び(C)を含み、無機フィラー(B)の粒子径が、レーザー回折法による体積累積分布における50%径(d50)が1μm以上6μm以下であり、10%径(d10)が0.1μm以上0.5μm以下であり、90%径(d90)と10%径(d10)との差が5μm以上10μm以下であり、無機フィラー(C)の粒子径が、レーザー回折法による体積累積分布における50%径(d50)が1.5μm以上3.5μm以下であり、10%径(d10)が0.3μm以上1.0μm以下であり、90%径(d90)と10%径(d10)との差が0.5μm以上5μm以下であり、無機フィラー(B)及び(C)が、各々、比表面積1m2/g以上200m2/g以下であり、且つアルコキシシラン化合物によって表面処理されたものであり、無機フィラー(B)と(C)の合計質量の含有比率が、表面層を構成する組成物の合計質量に対して0.01質量%以上0.50質量%以下であることを特徴とする多層フィルムによって達成される。
本フィルムに使用するポリアミド系樹脂(A)としては、3員環以上のラクタム、重合可能なω−アミノ酸、二塩基酸とジアミン等の重縮合によって得られるものを用いることができる。
上記3員環以上のラクタムの具体例としては、例えばε−カプロラクタム、γ−ウンデカンラクタム、ω−ラウリルラクタムなどを挙げることできる。
重合可能なω−アミノ酸の具体例としては、例えば、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノヘプタン酸、ω−アミノノナン酸、ω−アミノウンドデカン酸、ω−アミノドデカン酸などを挙げることができる。
上記のジカルボン酸の具体例としては、例えばグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ノナンジオン酸、デカンジオン酸、ウンデカンジオン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂環族カルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸(1,2−体、1,3−体、1,4−体、1,5−体、1,6−体、1,7−体、1,8−体、2,3−体、2,6−体、2,7−体)、スルホイソフタル酸金属塩などの芳香族ジカルボン酸を挙げることができる。
また、ポリアミド系樹脂(A)の相対粘度が1.0以上であると、得られるフィルムの機械的性質が良好となり、5.0以下であると、樹脂の溶融押出時の粘度が高くならず、表面層の形成や他の層と共押出する場合のフィルム成形が行いやすい。
本フィルムの表面層に含有する無機フィラー(B)及び(C)には、粒子径分布の体積累積分布において所定の粒子径を有するものを用いる。
無機フィラーの体積累積分布は、レーザー回折法により測定される。例えば、Malvern社製のレーザー回折式粒度分布計Mastersizersを用い、溶媒として水を用いて測定する。
一般に、集合体としての粒子である粉体の大きさは、多数個の測定値を粒子径ごとの存在比率の分布、すなわち粒子径分布として表される。存在比率の基準には、体積基準(体積分布)を用いる場合と、個数基準(個数分布)を用いる場合等があり、体積分布は、レーザー回折・散乱法によって測定される。また、粒子径分布は、各粒子径における頻度を表す場合と、粒子径に対して頻度を累積して表す場合とがある。図1に、粒子径の累積分布図の例を示す。
体積累積分布における50%径(d50)とは、粒子径の累積体積分布において、粉体をある粒子径で粒子径が大きい側と小さい側とに二分化した場合に、粒子径の大きい側の分布と小さい側の分布とが等量の50%ずつとなる径のことである。同様に、10%径(d10)は小さい側が10%となる径であり、90%径(d90)は小さい側が90%となる径である。従って、90%径(d90)と10%径(d10)の差は粒子径分布の広さを意味し、その差が大きい程、粒子径の異なる一次粒子を有していることを意味する。
また、粒径分布指標の異なる無機フィラー(B)と(C)とを併用することにより、透明性と高湿下の滑り性が大きく向上することが分かり、それぞれの粒子径の体積累積分布における50%径、10%径、90%径を特定した。そのように特定された無機フィラー(C)は、主にフィルムに滑り性を付与する効果を持ち、無機フィラー(B)は、比較的粒子が細かいものから大きいものまでを広く含んだ粒子径によって、無機フィラー(C)による滑り性を補完すると共にフィルムに高い透明性を付与する効果を持つ。
本フィルムの表面層に含有する無機フィラー(B)は、レーザー回折法による体積累積分布における50%径(d50)が1μm以上6μm以下であり、10%径(d10)が
0.1μm以上0.5μm以下であり、90%径(d90)と10%径(d10)との差が5μm以上10μm以下である。
50%径(d50)は、上限は4μm以下が好ましく、下限は2μm以上が好ましい。また、10%径(d10)は、上限は0.4μm以下が好ましく、下限は0.2μm以上が好ましい。90%径(d90)と10%径(d10)との差の上限は8μm以下が好ましく、下限は6μm以上が好ましい。
また、無機フィラー(B)は、粒子径分布指標の異なる無機フィラー(C)と併用することにより、透明性と高温高湿下の滑り性が大きく向上する。
本発明に使用される無機フィラー(C)は、レーザー回折法による体積累積分布における50%径(d50)が1.5μm以上3.5μm以下であり、10%径(d10)が0.3μm以上1.0μm以下であり、90%径(d90)と10%径(d10)との差が0.5μm以上5μm以下である。
50%径(d50)の上限は好ましくは3.0μm以下であり、2.5μm以下がより好ましく、下限は2.0μm以上がより好ましい。また、10%径(d10)の下限は0.4μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましい。90%径(d90)と10%径(d10)との差は、上限は3μm以下が好ましく、2μm以下がより好ましく、下限は1.0μm以上が好ましい。
また、無機フィラー(C)は、粒径分布指標の異なる無機フィラー(B)と併用することにより、透明性と高温高湿下の滑り性が大きく向上する。
本フィルムに使用する無機フィラー(B)と(C)は、表面処理されていることが望ましい。無機フィラー表面が、好適な表面処理剤で覆われることにより、マトリックスであるポリアミド系樹脂(A)との相溶性が良好となり、無機フィラーの分散性が向上する。そのため、例えばフィルムを延伸した場合でも、ボイドによる白化や、フィラーの凝集による印刷抜けの起因となるような粗大な突起の発生を抑制することができ、グラビア印刷を行った際の印刷抜けなどの不具合も生じることがない。
これらの中でも、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基含有アルコキシシラン化合物や、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有アルコキシシラン化合物が好ましく、中でも3−アミノプロピル−トリエトキシシランが好適に用いられる。
本発明においては、上記の粒径分布指標の異なる2種の無機フィラー(B)と無機フィラー(C)とを併用することにより、透明性にも優れ、高湿度下においても滑り性が大幅に向上したフィルムを得ることができ、昨今のパッケージの薄肉化に対応すべく、フィルム表面層を薄くしても、効果を得ることができる。また、フィッシュアイの発生も抑制でき、印刷抜けやコロナ処理などの後加工での不良なども起こらない。すなわち、無機フィラー(B)と(C)の配合は、このような様々な良好な特性を兼ね備え、包装用フィルムの要求品質を満たすことができるものである。
その含有比率は、表面層の質量、すなわち表面層を構成する組成物の合計質量に対する無機フィラー(B)及び(C)の合計質量の比として、0.01質量%以上0.50質量%以下であり、0.05質量%以上0.40質量%以下であることが好ましく、0.10質%以上0.30質量%以下であることがより好ましい。含有比率が0.01質量%以上であれば、得られるフィルムの滑り性改良効果は十分であり、一方、含有比率が0.50質量%以下であれば、フィルムの透明性、外観等が損なわれることもなく好ましく、またフィルム表面の凹凸が多過ぎる故の印刷抜けやコロナ処理不良などが発生し難い。
本フィルムの表面層はさらに、有機系滑剤として、脂肪酸アミドを含有してもよい。脂肪酸アミドの具体例としては、例えば、ベヘン酸アミド、ステアリン酸アミド、モンタン酸アミド、エルカ酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、リシノール酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、メチロールステアリン酸アミド等のモノアミド系化合物や、エチレンビスラウリル酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N−ジステアリルイソフタル酸アミド等のビスアミド化合物等が挙げられる。中でも、エチレンビスステアリン酸アミドが好適に用いられる。
本フィルムの表面層は、本発明の効果を損なわない範囲で、更にその他の樹脂を適宜添加することもできる。
本フィルムの各々の層は、その物性を損なわない範囲内で、更に熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候剤、滑剤、フィラー、核剤、可塑剤、発泡剤、ブロッキング防止剤、防雲剤、難燃剤、染料、顔料、安定剤、カップリング剤、耐衝撃改良材等を適宜含有することができる。
本フィルムの構成は、多層フィルムにおいて、上記のポリアミド系樹脂(A)、無機フィラー(B)、無機フィラー(C)を含有する表面層を少なくとも1つ有すればよく、層数の限定はなく、必要に応じてその他の層を適宜組み合わせた層構成とすることができる。その他の層は少なくとも1層あればよく、必要に応じて2層以上の複数層を積層することもできる。例えば、3層フィルム構成の例を図2に、5層フィルム構成の例を図3に示す。
また、上記組成の表面層をフィルムの両面に有すると、本フィルムのロールの巻取り、巻出しの滑り性の点でより好ましく、本フィルムを用いた二次加工時に有用である。
なお本フィルムには必要に応じてさらに、粘着層やシーラント、金属箔、紙などを、ドライラミネート法、ウェットラミネート法、サンドラミネート法、押出ラミネート法などにより積層することもできる。
また本フィルムは必要に応じて、コロナ処理、印刷、コーティング、蒸着などの表面処理や表面加工を行うこともできる。
本フィルムの製造方法は、多層フィルムとすることができる方法であれば、特に限定されるものではないが、共押出法が好ましく、共押出多層延伸法がより好ましい。例えば、フィードブロックもしくはマルチマニホールドダイにより共押出した未延伸多層フィルムを作製し、テンター式同時二軸延伸法による二軸延伸フィルムを作製しても良い。またロール式縦延伸機により、縦方向に延伸した後、テンター式延伸機で横延伸する逐次二軸延伸法により延伸フィルムとしても良い。更には環状ダイより成形したチューブ状シートを気体の圧力でインフレーション式に縦横同時に延伸するチューブラー延伸法を実施することも可能である。延伸工程は、未延伸フィルムの製造に続いて連続して実施しても良いし、未延伸フィルムを一旦巻き取り、別工程として実施しても良い。
延伸工程の後に、引き続き端部をテンタークリップで保持し、テンターオーブンにて200℃以上、かつポリアミド系樹脂(A)の融解開始温度+10℃以下の温度で、1秒〜2分程度、好ましくは1秒〜30秒、より好ましくは3秒〜15秒の時間で熱処理を行うことが好ましい。
本フィルムの表面層の厚みは、特に限定されるものではないが、一般的には1μm以上15μm以下程度である。なお本発明は、薄い表面層であっても、透明性に優れ、かつ高湿度下の滑り性にも優れるという顕著な効果を有する点を特徴としており、例えば10μm以下、さらには5μm以下とした場合でも、十分な効果を発現することができる。
また本フィルムの総厚みは、特に限定されるものではないが、例えば加工性、実用性を考慮した場合、下限値は8μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましく、15μm以上が更に好ましい。上限値としては50μm以下であることが好ましく、30μm以下がより好ましい。本フィルムの総厚みが上記範囲内であれば、フィルムの剛性は十分であり、耐ピンホール性、耐衝撃性などの機械特性にも優れたものとなる。
(1)透明性
本フィルムは、JIS K7136に基づき測定される全ヘーズの値が10%以下であることが好ましく、5.0%以下がより好ましく、4.5%未満がさらに好ましい。全ヘーズの値が係る範囲であれば、本フィルムは特に透明性に優れたものとなり、外観性がよく、包装内容物の視認性が良好となる。
本フィルムは、JIS K7125に基づき23℃相対湿度50%の条件下で測定される静摩擦係数と動摩擦係数の値が、共に0.50未満であることが好ましく、0.40以下がより好ましく、0.35以下がさらに好ましい。
また、本フィルムは、表面層の主成分がポリアミド系樹脂であるにも係わらず、高湿下での滑り性が良好であるという優れた効果を発揮する。JIS K7125に基づき23℃相対湿度80%の条件下で測定される静摩擦係数と動摩擦係数が、共に0.50未満であることが好ましく、0.40以下がより好ましく、0.35以下がさらに好ましい。
静摩擦係数と動摩擦係数の値が係る範囲であれば、本フィルムが特に滑り性に優れるものとなり、フィルム作製時の巻き取りや、スリット、巻き替えなどの工程においてブロッキングを生じにくい。また、ポリアミド系樹脂フィルムは、引張伸び、引張強度、耐ピンホール性が良好である特性から、液体充填包装用途等に多用されている中で、本フィルムは高湿下でのフィルム滑り性が良いという特徴から、ブロッキングトラブルが発生せず、更に高速充填を可能とすることができ、包装生産効率向上に有効である。
本フィルムは、無機フィラーによって形成される表面凹凸が適度であるので、例えば、コロナ処理の不具合やグラビア印刷のドット抜け等が生じにくく、フィルムの二次加工を良好に行うことが出来る。
本フィルムは、透明性、滑り性に優れ、機械特性等にも優れているため、そのような品質が求められる用途であれば特に制限されるものではないが、例えば、食品包装用、各種蓋材用、雑貨包装用、トイレタリー製品包装用、化粧品包装用、医薬品包装用、工業製品包装用等に好適に使用できる。本フィルムの特性から特には、ボイル・レトルト食品包装用、各種真空包装用などに好適に用いることができる。
本フィルムは、製袋加工等を施すことにより、包装体とすることができる。包装体の形状は特に制限されるものではないが、例えば、二方シール袋、三方シール袋、合掌袋、ガゼット袋、スタンド袋、サイドシール袋、ボトムシール袋などの包装袋、容器、容器等の蓋材などが挙げられる。
(1)全ヘーズ
実施例で得られたフィルムについて、JIS K7136:2000に基づき、厚み18μmのフィルムの値(%)を測定した。
実施例で得られたフィルムについて、JIS K7125:1999に基づき、23℃相対湿度50%、および23℃相対湿度80%の各条件下にて、静摩擦係数と動摩擦係数を測定した。
実施例で得られたフィルムについて、セルピッチ100μm、階調度30%のグラビア印刷版を用い、グラビア印刷を行った。インキには、東洋インキ社製「リオアルファS R39藍」と専用No.2溶剤を用い、ザーンカップ#3で17秒の粘度に調整したものを用いた。次いで、印刷したフィルムから、15mmx30mmの大きさ10点を切り出し、インキが乗っていない印刷が抜けした箇所を数えた。10点の印刷抜け箇所数の平均が、20箇所以下の場合を「〇」、21箇所以上の場合を「×」と評価した。
実施例で得られたフィルムについて、JIS K7126−2法に基づいて、23℃相対湿度50%の雰囲気の条件下における酸素透過率(cc/m2/24h/atm)を測定した。
<ポリアミド系樹脂(A)>
(a)−1: ポリアミド6樹脂、相対粘度3.34(溶媒96%硫酸)
<無機フィラー(B)>
(b)−1: 非定型シリカ、d50=3.5μm、d10=0.4μm、d90=6.6μm、d90−d10=6.2μm、平均粒径=2.0μm、比表面積=55m2/g
(b)−2: 非定型シリカ、d50=5.1μm、d10=0.45μm、d90=9.8μm、d90−d10=9.35μm、平均粒径=3μm、比表面積=40m2/g
(b)−3: タルク、d50=3μm、d10=0.3μm、d90=8.0μm、d90−d10=7.7μm、比表面積=30m2/g
(b)−4: カオリン、d50=2.2μm、d10=0.4μm、d90=7.8μm、d90−d10=7.4μm、平均粒径=1.3μm、比表面積=13m2/g
(b)−5: 非定型シリカ、d50=5.5μm、d10=0.4μm、d90=6.2μm、d90−d10=5.8μm、平均粒径=4.0μm、比表面積=330m2/g
(c)−1: 球状ゼオライト、d50=2.2μm、d10=0.7μm、d90=3.6μm、d90−d10=2.9μm、平均粒径=2.0μm、比表面積=9m2/g
(c)−2: 球状シリカ、d50=2.3μm、d10=0.9μm、d90=3.7μm、d90−d10=2.8μm、平均粒径=1.6μm、比表面積=149m2/g
(c)−3: 非定型シリカ、d50=7.6μm、d10=0.8μm、d90=10.2μm、d90−d10=9.4μm、平均粒径=6.0μm、比表面積=360m2/g
(s)−1: 3−アミノプロピルトリエトキシシラン
(s)−2: γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(s)−3: ステアリン酸ナトリウム
無機フィラー(B)として、5質量%濃度で(s)−1で表面処理した(b)−1を用いた。無機フィラー(C)として、0.5質量%濃度で(s)−1で表面処理した(c)−1を用いた。
5層の多層フィルム作製にあたり、表面層である第1層および第5層には、ポリアミド系樹脂(A)と無機フィラー(B)と(C)を表1に記載の含有比率で混合した樹脂組成物を用いた。第2層、第3層、第4層には、(a)−1を用いた。
フィルムは、5層のフィードブロック、マルチマニホールドダイにより、第1層、第5層に直径40mm単軸押出機を用い、第2層、第3層、第4層に直径32mm単軸押出機を用い、250℃で第1層〜第5層を共押出して未延伸多層フィルムを得た。得られた未延伸多層フィルムを55℃の条件下でロール式延伸機にて縦方向に3倍延伸し、次いで、この縦延伸フィルムの端部をテンタークリップで保持し、テンターオーブン内で120℃の条件下で横方向に3.5倍に延伸した後、220℃で熱固定をし、7%の横弛緩を行った。その後、室温まで冷却し、クリップの把持部に相当する両端部分はトリミングし、トリミング後の多層延伸フィルムをロール状に巻き取った。
得られた5層延伸フィルムの各層厚は、第1層および第5層(表面層)が約4.2μm、第2層および第4層が約2.4μm、第3層(中層)が約4.8μm、総厚が約18μmであった。
得られた多層フィルムについて評価を行った結果を表1に示す。
無機フィラー(B)として、5質量%濃度で(s)−2で表面処理した(b)−1を用いた。無機フィラー(C)として、(c)−1に(s)−2を0.5質量%濃度で(s)−2で表面処理した(c)−1を用いた。その他は、実施例1と同様の方法で多層フィルムを得て、評価を行った。
第3層にエチレン−ビニルアルコール樹脂を用いた他は、実施例1と同様にしてフィルムを得て、評価を行った。
第3層にポリアミドMXD6樹脂を用いた他は、実施例1と同様の方法でフィルムを得て、評価を行った。
無機フィラー(B)と(C)の含有率を表1に記載の比率に変更した他は、実施例1と同様の方法で多層フィルムを得て、評価を行った。
無機フィラー(C)として、5質量%濃度で(s)−1で表面処理した(c−2)を用いた他は、実施例1と同様の方法で多層フィルムを得て、評価を行った。
無機フィラー(B)として、5質量%濃度で(s)−1で表面処理した(b)−2を用いた他は、実施例1と同様の方法で多層フィルムを得て、評価を行った。
無機フィラー(B)と(C)の含有率を表1に記載の比率に変更した他は、実施例8と同様の方法で多層フィルムを得て、評価を行った。
無機フィラー(C)として、5質量%濃度で(s)−1で表面処理した(c)−2を用いた他は、実施例8と同様の方法で多層フィルムを得て、評価を行った。
無機フィラー(B)と(C)の含有率を表1に記載の比率に変更した他は、実施例11と同様の方法で多層フィルムを得て、評価を行った。
無機フィラー(B)として、5質量%濃度で(s)−1で表面処理した(b)−3を用いた他は、実施例1と同様の方法で多層フィルムを得て、評価を行った。
無機フィラー(B)として、5質量%濃度で(s)−1で表面処理した(b)−4を用いた他は、実施例1と同様の方法で多層フィルムを得て、評価を行った。
無機フィラー(C)を用いず、無機フィラー(B)の含有率を表1に記載の比率に変更した他は、実施例1と同様の方法で多層フィルムを得て、評価を行った。
無機フィラー(B)として、それぞれ5質量%濃度で(s)−1で表面処理した(b)−1と(b)−2を用いた他は、実施例1と同様の方法で多層フィルムを得て、評価を行った。
無機フィラー(B)を用いず、無機フィラー(C)の含有率を表1に記載の変更した以外は、実施例7と同様の方法で多層フィルムを得て、評価を行った。
無機フィラー(C)として、0.5質量%濃度で(s)−1で表面処理した(c)−1と、5質量%濃度で(s)−1で表面処理した(c)−2とを用いた他は、実施例7と同様の方法で多層フィルムを得て、評価を行った。
無機フィラー(B)と(C)の含有率を表1に記載の比率に変更した他は、実施例1と同様の方法で多層フィルムを得て、評価を行った。
無機フィラー(B)と(C)の含有率を表1に記載の比率に変更した他は、実施例11と同様の方法で多層フィルムを得て、評価を行った。
無機フィラー(B)として、5質量%濃度で(s)−1で表面処理した(b)−5を用いた他は、実施例1と同様の方法で多層フィルムを得て、評価を行った。
無機フィラー(C)として、5質量%濃度で(s)−1で表面処理した(c)−3を用いた他は、実施例1と同様の方法で多層フィルムを得て、評価を行った。
無機フィラー(B)として、5質量%濃度で(s)−3で表面処理した(b)−1を用いた。無機フィラー(C)として、0.5質量%濃度で(s)−3で表面処理した(c)−1を用いた。その他は、実施例1と同様にしてフィルムを得て、評価を行った。
無機フィラー(B)と(C)として、表面処理を行わっていない(b)−1と(c)−1を用いた他は、実施例1と同様の方法で多層フィルムを得て、評価を行った。
比較例3、4は、無機フィラー(B)を用いず、ヘーズが高かった。
比較例5、6は、無機フィラーの合計含有率が高く、ヘーズが高く、また印刷抜けも発生した。
比較例7、8は、無機フィラーの比表面積が大きく、ヘーズが高く、また印刷抜けも発生した。
比較例9は、無機フィラーの表面処理剤がステアリン酸ナトリウムであり、ヘーズが高く、高湿度下の摩擦係数が大きく、印刷抜けも発生した。
比較例10は、表面処理を施さない無機フィラーを用い、ヘーズが高く、印刷抜けも発生した。
2; 中層、第2層
3; 表面層、第3層
10; 多層フィルム
11; 表面層、第1層
12; 中層、第2層
13; 中層、第3層
14; 中層、第4層
15; 表面層、第5層
20; 多層フィルム
Claims (6)
- 熱可塑性樹脂多層フィルムにおいて、
少なくとも一方の表面層が、ポリアミド系樹脂(A)を主成分とし、無機フィラー(B)及び(C)を含み、
無機フィラー(B)の粒子径が、レーザー回折法による体積累積分布における50%径(d50)が1μm以上6μm以下であり、10%径(d10)が0.1μm以上0.5μm以下であり、90%径(d90)と10%径(d10)との差が5μm以上10μm以下であり、
無機フィラー(C)の粒子径が、レーザー回折法による体積累積分布における50%径(d50)が1.5μm以上3.5μm以下であり、10%径(d10)が0.3μm以上1.0μm以下であり、90%径(d90)と10%径(d10)との差が0.5μm以上5μm以下であり、
無機フィラー(B)及び(C)が、各々、比表面積1m2/g以上200m2/g以下であり、且つアルコキシシラン化合物によって表面処理されたものであり、
無機フィラー(B)と(C)の合計質量の含有比率が、表面層を構成する組成物の合計質量に対して0.01質量%以上0.50質量%以下である
ことを特徴とする多層フィルム。 - 前記ポリアミド系樹脂(A)のJIS K6920−2:2009(溶媒:96%硫酸)に準じて測定した相対粘度が1.0以上5.0未満であり、且つ前記表面層の厚みが5μm以下である請求項1に記載の多層フィルム。
- 23℃相対湿度80%環境下における静摩擦係数および動摩擦係数が共に0.50未満である請求項1または2に記載の多層フィルム。
- ヘーズが5.0%以下である請求項1〜3の何れかに記載の多層フィルム。
- 前記熱可塑性樹脂多層フィルムにおいて、ポリアミドMXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)樹脂またはエチレン−ビニルアルコール樹脂を主成分としてなる中層を有する請求項1〜4の何れかに記載の共押出多層延伸フィルム。
- 請求項1〜5の何れかに記載の多層フィルムを用いた包装体。
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