JP2018039166A - 複合部材および複合部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属部材としてアルミニウム材を用いた場合に、樹脂被膜とアルミニウム材との接合力を高く維持することができる複合部材および複合部材の製造方法を提供する。【解決手段】ステアリングシャフト3を構成するロアーシャフト13の端部17は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアルミニウム基材41と、該アルミニウム基材41の表面に形成され、酸素を含む酸素含有被膜43と、該酸素含有被膜43の表面に接合され、樹脂からなる樹脂接合体45と、を有する。樹脂接合体45は、酸素含有被膜43の表面に、アルミニウム基材41の周方向の全周に亘って環状に繋がって形成されている。【選択図】図7
Description
本発明は、複合部材および複合部材の製造方法に関する。
従来から、金属部材の外周面を樹脂被膜で覆った複合部材が公知である(特許文献1参照)。
この特許文献1に記載された複合部材は、ステアリングシャフトを構成するシャフト部材であり、このシャフト部材の下側の端部は、金属部材として鋼材を用い、この鋼材の外周面を樹脂被膜で被覆している。ここで、金属部材として鋼材を用いるのは、樹脂被膜と鋼材との接合力を高くするためである。
しかしながら、近年は重量を軽減するために、ステアリングシャフトを鋼材からアルミニウム製に変更する傾向にある。しかしながら、樹脂被膜とアルミニウム材との接合力は、樹脂被膜と鋼材との接合力よりも低くなるおそれがある。
本発明は、前記問題に鑑みて成されたものであり、その目的は、金属部材としてアルミニウム材を用いた場合に、樹脂被膜とアルミニウム材との接合力を高く維持することができる複合部材および複合部材の製造方法を提供することである。
本発明に係る複合部材は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアルミニウム基材と、該アルミニウム基材の表面に形成され、酸素を含む酸素含有被膜と、該酸素含有被膜の表面に接合され、樹脂からなる樹脂接合体と、を有する。前記樹脂接合体は、前記酸素含有被膜の表面に、前記アルミニウム基材の周方向の全周に亘って環状に繋がって形成されている。
本発明に係る複合部材の製造方法は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアルミニウム基材の表面に、酸素を含む酸素含有被膜を形成する被膜形成工程と、この酸素含有被膜の表面に、アルミニウム基材の周方向に沿って環状に繋がった樹脂接合体を形成する樹脂形成工程と、を有する。
本発明によれば、金属部材としてアルミニウム材を用いた場合であっても、樹脂被膜とアルミニウム材との接合力が高い複合部材を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図1を参照して、本発明の実施形態に係るステアリングシャフトを備えたステアリングシステムの構成を説明する。
図1に示すように、本発明の実施形態に係るステアリングシステム1は、斜め下方に向けて延在するステアリングシャフト3と、自動車の車体部材4にブラケット5を介して結合されるステアリング本体7と、ステアリング本体7に設けられて回動可能に保持されるステアリングホイール9と、を備える。ステアリング本体7には、上下方向に搖動可能なチルトレバー11が設けられる。
図2,3に示すように、ステアリングシャフト3は、下側に配置されるロアーシャフト13(第1シャフト)と、上側に配置されるアッパーシャフト15(第2シャフト)と、から構成される。なお、本発明では、ロアーシャフト13(第1シャフト)が複合部材となる。ロアーシャフト13における上端の端部17をアッパーシャフト15における下端の端部19の挿通孔20(図8を参照)に挿入することにより、ロアーシャフト13およびアッパーシャフト15の端部同士17,19が図2の矢印S方向に沿って摺動可能に組み付けられる。このように、本発明に係るステアリングシャフト3は、車両が衝突してステアリングシャフト3に荷重が入力された場合に、ロアーシャフト13とアッパーシャフト15とが互いに摺動してステアリングシャフト3の全体の長さが短くなることで衝突エネルギーを吸収する衝撃吸収ステアリングである。
図4に示すように、ロアーシャフト13(第1シャフト)は、長手方向の下端に配置されたジョイント部21と、ジョイント部21から斜め上方に向けて延びる円筒状の本体部23と、本体部23の上端に配置された端部17と、から一体に構成されている。
ジョイント部21は、アルミニウム材を鍛造して作成され、側方から見た場合にU字状に形成されている。
本体部23は、アルミニウム材を押出成形で成形した円筒体であり、本体部23と端部17とは一体になっている。また、ジョイント部21は、例えば摩擦圧接によって本体部23に接合される。
端部17は、アルミニウム材を押出成形で成形した円筒体の表面に酸素含有被膜および樹脂接合体を設けたものであり、図6に示すように、外周面が第1の凹凸部25に形成されている。この端部17の詳細な構造については後述する。
図5に示すように、アッパーシャフト15(第2シャフト)は、長手方向の上端に配置されたジョイント部27と、ジョイント部27から斜め下方に向けて延びる円筒状の本体部29と、本体部29の下端に配置された端部19と、から一体に構成されている。
ジョイント部27は、アルミニウム材を鍛造して作成され、側方から見た場合にU字状に形成されている。
本体部29は、アルミニウム材を押出成形で成形した円筒体であり、本体部29と端部19とは一体になっている。また、ジョイント部27は、例えば摩擦圧接によって本体部29に接合される。なお、本体部29は、アルミニウム材を押出成形したのち、機械加工をして形成してもよい。さらには、本体部29は、アルミニウム材を押出成形したのち、引抜加工をして形成してもよい。
端部19は、アルミニウム材を押出成形で成形した円筒体であり、図8に示すように、内周面31が第2の凹凸部33に形成されている。この第2の凹凸部33は、ロアーシャフト13の第1の凹凸部25に対応する形状に形成されており、第2の凹凸部33は第1の凹凸部25に係合される。なお、端部19は、アルミニウム材を押出成形したのち、機械加工をして形成してもよい。さらには、端部19は、アルミニウム材を押出成形したのち、引抜加工をして形成してもよい。
図6,7に示すように、ロアーシャフト13の上側の端部17は、円筒状に形成されており、内方には中空部35が形成され、外周面37は、第1の凹凸部25に形成されている。第1の凹凸部25は、径方向断面が径方向の外側に突出する断面円弧状の凸部39と、周方向に隣接する凸部同士39,39の間に設けられて径方向の内側にへこむ断面円弧状の凹部40と、からなる。つまり、凸部39は、周方向に沿って等間隔に複数設けられており、凹部40も周方向に沿って等間隔に複数設けられている。以下に、ロアーシャフト13の上側の端部17の断面構造を詳細に説明する。
ロアーシャフト13の上側の端部17は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアルミニウム基材41と、アルミニウム基材41の表面に形成され、酸素を含む酸素含有被膜43と、酸素含有被膜43の表面に接合され、樹脂からなる樹脂接合体45と、から構成されている。樹脂接合体45は、酸素含有被膜43の表面に、アルミニウム基材41の周方向の全周に亘って環状に繋がって形成されている。なお、本実施形態では、アルミニウム基材41の周方向の全周に亘って連続して酸素含有被膜43が形成され、樹脂接合体45もアルミニウム基材41の周方向の全周に亘って酸素含有被膜43の表面上に連続して繋がって形成されている。
図8に示すように、アッパーシャフト15の下側の端部19は、円筒状に形成されており、内周面31は、第2の凹凸部33に形成されている。この第2の凹凸部33は、ロアーシャフト13の第1の凹凸部25に係合する形状に形成されている。具体的には、径方向断面が径方向の内側に突出する断面円弧状の複数の凸部47と、周方向に隣接する前記凸部同士47,47の間に設けられて径方向の外側にへこむ断面円弧状の凹部49と、からなる。また、凸部47は、周方向に沿って等間隔に複数設けられており、凹部49も周方向に沿って等間隔に複数設けられている。なお、アッパーシャフト15の外周面51は、断面円形状に形成されており、内方には挿通孔20が形成されている。
次いで、図7に示すロアーシャフト13の上側の端部17の製造方法(具体的には、酸素含有被膜43および樹脂接合体45の形成方法)について説明する。
まず、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアルミニウム基材41を押出成形によって図6に示す円筒状の形状に成形する(アルミニウム基材41の成形工程)。
次に、図7に示すように、アルミニウム基材41の表面に、後述する方法で酸素を含む酸素含有被膜43を形成する(被膜形成工程)。
そして、この酸素含有被膜43の表面に、後述する方法で、アルミニウム基材41の周方向に沿って環状に繋がった樹脂接合体45を形成する(樹脂形成工程)。これにより、図7に示す酸素含有被膜43および樹脂接合体45を得ることができる。
<酸素含有被膜および樹脂接合体>
次に、本実施形態に係る酸素含有被膜43および樹脂接合体45について、詳細に説明する。
次に、本実施形態に係る酸素含有被膜43および樹脂接合体45について、詳細に説明する。
上述のように、ロアーシャフト13の上側の端部17の表面に樹脂接合体45を設けることにより、他の部材であるアッパーシャフト15の下側の端部19との間で摺動が生じる場合の摩耗の低減、並びに摩擦抵抗の低減及び調整を行うことができる。また、熱伝導率の調整、電気抵抗値の調整、及び外観色調の調整も行うことができる。ただ、アルミニウム基材41に樹脂接合体45を直接接合させたとしても、材質の違いにより十分な接合力を得ることが難しい。そのため、本実施形態では、アルミニウム基材41の表面に酸素含有被膜43を設け、さらに酸素含有被膜43の表面に樹脂接合体45を接合させている。このような構成により、アルミニウム基材41と樹脂接合体45との接合力を高め、上記効果を容易に得ることが可能となる。
アルミニウム基材41に設けられる酸素含有被膜43は、アルミニウム基材41と樹脂接合体45との密着性を高めるものであれば、特に限定されない。具体的には、酸素含有被膜は、亜鉛イオン含有アルカリ水溶液を用いた亜鉛被膜形成処理で得られ、亜鉛元素を含有する被膜とすることができる。
酸素含有被膜を形成するための亜鉛被膜形成処理としては、アルミニウム基材の表面に、酸化亜鉛(ZnO)、酸化亜鉛鉄(ZnFeO)、酸化亜鉛アルミニウム(ZnAlO)等、亜鉛元素と共に酸素を含有する被膜を形成する方法であればよい。これにより、酸素含有被膜と樹脂接合体との間を強固に接合することが可能となる。
亜鉛被膜形成処理に用いる亜鉛イオン含有アルカリ水溶液において、アルカリ金属水酸化物(MOH)と亜鉛イオン(Zn2+)とを質量比(MOH/Zn2+)が1以上100以下であることが好ましい。また、当該質量比は、2以上20以下であることがより好ましく、3以上10以下であることが特に好ましい。そして、当該亜鉛イオン含有アルカリ水溶液を、常温でアルミニウム基材の表面に接触させることにより、アルミニウム基材の表面に酸素を含む亜鉛含有被膜を形成することができる。
亜鉛イオン含有アルカリ水溶液中のアルカリ源(アルカリ金属水酸化物)は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化リチウムからなる群より選ばれる少なくとも一つを用いることが好ましい。また、亜鉛イオン含有アルカリ水溶液中の亜鉛イオン源は、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、過酸化亜鉛、塩化亜鉛、硫酸亜鉛及び硝酸亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも一つを用いることが好ましい。
亜鉛イオン含有アルカリ水溶液において、アルカリ金属水酸化物の濃度は、10g/L以上1000g/L以下であることが好ましく、50g/L以上300g/L以下であることがより好ましい。また、亜鉛イオン濃度は、1g/L以上200g/L以下であることが好ましく、10g/L以上100g/L以下であることがより好ましい。亜鉛イオン含有アルカリ水溶液の組成を上記の範囲内にすることにより、アルミニウム基材の表面ではアルミニウムと亜鉛イオンとが置換反応を起こし、アルミニウムは溶解し、亜鉛イオンは微細粒として析出する。その結果、アルミニウム基材の表面に亜鉛元素を含有する酸素含有被膜を形成することができる。すなわち、アルミニウムは溶解しながら凹部を形成し、この凹部内に亜鉛が析出し、亜鉛元素を含有する酸素含有被膜が形成される。
また、アルミニウム基材に設けられる酸素含有被膜は、アルミニウム被膜形成処理に由来し、アルミニウム化合物を含む被膜であることも好ましい。なお、アルミニウム化合物としては、Al(OH)3、AlO(OH)、Al2O3、Al(PO4)、Al2(HPO4)3及びAl(H2PO4)3からなる群より選ばれる少なくとも一つを挙げることができる。
このような酸素含有被膜を形成するためのアルミニウム被膜形成処理としては、温水浸漬処理、水蒸気処理、リン酸処理及び陽極酸化処理からなる群より選ばれる少なくとも一つを用いることができる。温水浸漬処理は、アルミニウム基材を、50℃以上の温水に60秒以上浸漬する処理である。水蒸気処理は、アルミニウム基材を、0.1MPa以上で1分間以上の加圧条件下の水蒸気雰囲気中に晒す処理である。リン酸処理は、アルミニウム基材をリン酸系水溶液中に30秒〜30分間浸漬した後に、80〜400℃の熱風で30秒〜30分間乾燥させる処理である。なお、リン酸系水溶液としては、リン酸イオン、リン酸一水素イオン及びリン酸二水素イオンからなる群より選ばれる少なくとも一つを0.1〜100g/Lの範囲で含有するものを挙げることができる。
また、酸素含有被膜は、アルミニウム被膜形成処理に由来し、アルミニウム元素に結合した水酸基と、シラノール基との水素結合を含む被膜や、アルミニウム被膜形成処理に由来するAl−O−Siの結合を含む被膜であることも好ましい。
このような酸素含有被膜を形成するための処理としては、シランカップリング処理及びシリカ処理の少なくとも一方を用いることができる。シランカップリング処理としては、0.1〜100g/Lのシランカップリング剤を含有する溶液中に、アルミニウム基材を30秒〜30分間浸漬した後に、80〜400℃の熱風で30秒〜30分間乾燥させる処理とすることができる。また、シリカ処理としては、0.1〜100g/Lのコロイダルシリカを含有する溶液中に、アルミニウム基材を30秒〜30分間浸漬した後に、80〜400℃の熱風で30秒〜30分間乾燥させる処理とすることができる。
なお、上述の温水浸漬処理、水蒸気処理、リン酸処理、陽極酸化処理、シランカップリング処理及びシリカ処理は、いずれか一種の処理のみを行い、アルミニウム基材の表面に酸素含有被膜を形成してもよい。また、これらの処理を組み合わせ、アルミニウム基材の表面に必要な酸素含有被膜を形成してもよい。
また、アルミニウム基材に設けられる酸素含有被膜は、レーザー処理により表面に形成された被膜であることも好ましい。
このような酸素含有被膜を形成するためのレーザー処理は、アルミニウム基材の表面付近を、アルミニウム基材の溶融温度以上まで加熱して酸化させる。これにより、アルミニウム基材の表面付近に酸化アルミニウム(Al2O3)を生成し、酸化アルミニウムを含む酸素含有被膜を形成することができる。なお、当該レーザー処理は、例えば、レーザーエッチング装置等を用いて行うことができる。
酸素含有被膜が形成されたアルミニウム基材に関し、その最表面から3μmの深さまでの表層において、酸素量は0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましい。また、当該酸素量は、0.5質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上10質量%以下であるのが特に好ましい。酸素量が0.1質量%未満の場合、アルミニウム基材と樹脂接合体との間の接合強度が不十分となる可能性がある。また、酸素量が20質量%を超える酸素含有被膜は、製造上の困難が伴う。なお、アルミニウム基材の最表面から3μmの深さまでの表層における酸素量は、電子線マイクロアナライザ(EPMA)により測定することができる。
また、酸素含有被膜が形成されたアルミニウム基材に関し、当該酸素含有被膜が陽極酸化被膜である場合、その最表面から3μmの深さまでの表層において、酸素量は1質量%以上70質量%以下であることが好ましい。また、当該酸素量は、10質量%以上60質量%以下であることがより好ましく、25質量%以上55質量%以下であることが特に好ましい。酸素量が1質量%未満の場合、被膜が薄くなりすぎて均一な被膜を形成することが難しくなる恐れがある。また、酸素量が70質量%を超える酸素含有被膜は、製造上の困難が伴う。
酸素含有被膜が形成されたアルミニウム基材に関し、表面の酸素含有被膜は親水性であることが好ましい。具体的には、酸素含有被膜の表面において、水滴の接触角が70°以下であることが好ましく、10°以上50°以下であることがより好ましく、5°以上40°以下であることが特に好ましい。酸素含有被膜における水滴の接触角が70°を超えると、表面の疎水化により樹脂接合体との接合力が低下する虞がある。
酸素含有被膜は、その最表層にヒドロキシル基(OH基)を有することが好ましい。酸素含有被膜の最表層にOH基が存在することにより、後述する熱可塑性樹脂組成物中の熱可塑性樹脂及び/又は添加剤がOH基と水素結合することが可能となる。また、熱可塑性樹脂及び/又は添加剤がOH基と脱水縮合する置換基を有する場合、熱可塑性樹脂及び/又は添加剤と酸素含有被膜のOH基との脱水縮合反応により、エステル結合を形成することが可能となる。
本実施形態において、樹脂接合体を構成する樹脂としては、少なくとも熱可塑性樹脂を含有する熱可塑性樹脂組成物であることが好ましい。また、熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂に加え、添加剤を含有することも好ましい。なお、熱可塑性樹脂組成物は、繰返し単位中及び/又は末端に非共有電子対を持つ元素を有する熱可塑性樹脂、及び非共有電子対を持つ元素を含む添加剤のいずれか一方又は双方を含有することがより好ましい。熱可塑性樹脂及び/又は添加剤が非共有電子対を持つ元素を含む場合、酸素含有被膜との相互作用により、接合力を高めることが可能となる。
熱可塑性樹脂及び/又は添加剤が有する非共有電子対を持つ元素は、硫黄、酸素及び窒素からなる群より選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。なお、非共有電子対を持つ元素は、熱可塑性樹脂の繰返し単位の主鎖に含まれていてもよく、また側鎖に含まれていてもよい。
熱可塑性樹脂組成物に含有される熱可塑性樹脂としては、例えばポリフェニレンスルフィド(PPS)やサルフォン系樹脂等の硫黄原子を含有する樹脂が挙げられる。また、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂や、液晶ポリマー、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂等の酸素原子を含有する樹脂等が挙げられる。さらに、ポリアミド(PA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、ポリイミド、ポリエーテルイミド等の窒素原子を含有する樹脂等が挙げられる。この中でも、樹脂接合体としては、ポリアミド12を用いることが好ましい。
熱可塑性樹脂組成物に含まれ得る添加剤は、熱可塑性樹脂組成物を構成する熱可塑性樹脂以外の物質をいう。なお、非共有電子対を持つ元素を有する添加剤は、特に制限されるものではない。つまり、添加剤は、熱可塑性樹脂組成物の成形性及び加工性、熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる樹脂接合体の特性等を考慮して、様々な目的で添加される。このような添加剤としては、例えば、酸化防止剤、離型剤、可塑剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、帯電防止剤、染料、顔料、滑剤、シランカップリング剤、フィラー、エラストマー等を例示することができる。
非共有電子対を持つ元素を有する添加剤としては、非共有電子対を持つ元素が酸素であって炭素−酸素結合を有するものであることが好ましく、また炭素−酸素結合を有する添加剤がカルボニル化合物であることがより好ましい。具体的には、添加剤としては、カルボン酸類、エステル類、及びアミド類からなる群より選ばれる一種又は二種以上の化合物であることが好ましい。
本実施形態の樹脂接合体の製造方法は、特に限定されない。例えば、酸素含有被膜を有するアルミニウム基材に対し、射出成形により熱可塑性樹脂組成物を接触させることで、樹脂接合体を得ることができる。また、まず熱可塑性樹脂組成物の射出成形により樹脂接合体を形成し、得られた樹脂接合体をアルミニウム基材の酸素含有被膜に一体的に接合してもよい。なお、樹脂接合体と酸素含有被膜との接合は、レーザー溶着、振動溶着、超音波溶着、ホットプレス溶着、熱板溶着、非接触熱板溶着、又は高周波溶着等の熱圧着により行うことができる。
なお、本実施形態では、ロアーシャフトの一部である上側の端部のみに酸素含有被膜および樹脂接合体を設けたが、アルミニウム基材の表面全体に酸素含有被膜を形成し、得られたアルミニウム基材の必要な箇所にのみ樹脂接合体を接合してもよい。あるいは、コスト性を考慮して、アルミニウム基材の表面の一部のみに酸素含有被膜を形成し、得られたアルミニウム基材の必要な箇所に樹脂接合体を接合してもよい。なお、アルミニウム基材の表面の一部に酸素含有被膜を形成する際には、酸素含有被膜を形成する部分以外の部分を、マスキングテープ等でマスキングした後に酸素含有被膜を形成する処理を行い、最後にマスキングテープ等を除去すればよい。
本実施形態では、必要により、酸素含有被膜を形成する前にアルミニウム基材の表面の前処理を行ってもよい。前処理としては、例えば、脱脂処理、エッチング処理、デスマット処理、化学研磨処理、及び電解研磨処理からなる群より選ばれる少なくとも一つを行うことができる。
前処理として行う脱脂処理としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、界面活性剤等からなる通常の脱脂浴を用いて行うことができる。処理条件としては、通常、浸漬温度が15℃以上55℃以下、好ましくは25℃以上40℃以下であって、浸漬時間が1分以上10分以下、好ましくは3分以上6分以下である。
前処理として行うエッチング処理としては、通常、水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液が用いられる。そして、アルカリ水溶液を用いる場合には、濃度が20g/L以上200g/L以下、好ましくは50g/L以上150g/L以下のものを用いる。そして、浸漬温度が30℃以上70℃以下、好ましくは40℃以上60℃以下であり、処理時間が0.5分以上5分以下、好ましくは1分以上3分以下の条件で浸漬処理を行う。
また、エッチング処理としては、硫酸−リン酸混合水溶液等の酸水溶液も用いることができる。そして、硫酸−リン酸混合水溶液を用いる場合には、硫酸濃度が10g/L以上500g/L以下、好ましくは30g/L以上300g/L以下で、リン酸濃度が10g/L以上1200g/L以下、好ましくは30g/L以上500g/Lのものを用いる。そして、浸漬温度が30℃以上110℃以下、好ましくは55℃以上75℃以下であり、浸漬時間が0.5分以上15分以下、好ましくは1分以上6分以下の条件で浸漬処理を行う。
前処理として行うデスマット処理としては、例えば1〜30%濃度の硝酸水溶液からなるデスマット浴を用いることができる。そして、浸漬温度が15℃以上55℃以下、好ましくは25℃以上40℃以下であり、浸漬時間が1分以上10分以下、好ましくは3分以上6分以下の処理条件で浸漬処理を行う。
なお、前処理として行う化学研磨処理や電解研磨処理については、従来公知の方法を採用することができる。
本実施形態におけるアルミニウム基材と樹脂接合体との間の接合メカニズムは、実験から次のように推測される。なお、本実施形態のアルミニウム基材及び樹脂接合体が他のメカニズムにより接合していたとしても、本発明の技術的範囲は何ら影響を受けることはない。
まず、アルミニウム基材の表面に酸素含有被膜を有する、複数の表面処理済アルミニウム基材を形成した。そして、一部の表面処理済アルミニウム基材については、射出成形により、その表面にカルボニル基(C=O)を有するポリアミド12(PA12)を接合した。
また、残りの表面処理済アルミニウム基材については、まず、100℃に保持した電気炉中でステアリン酸を揮発させ、その中に表面処理済アルミニウム基材を24時間暴露した。これにより、酸素含有被膜の上にステアリン酸の単分子膜を有するステアリン酸処理済アルミニウム基材を作製した。さらに、ステアリン酸処理済アルミニウム基材の表面に、射出成形によりPA12を接合した。そして、ステアリン酸処理による接合強度の違いを測定した。
その結果、ステアリン酸処理を行ったアルミニウム基材の接合強度は、ステアリン酸処理を行わなかったアルミニウム基材の接合強度に比べて明確に低下していた。
ステアリン酸は親水基であるカルボキシル基(COOH)と疎水基であるアルキル基(C17H35)とを併せ持ち、1分子の厚みをもつ単分子膜を形成する性質がある。ステアリン酸処理を行った場合には、アルミニウム基材の酸素含有被膜とステアリン酸のカルボキシル基側が化学結合してしまい、アルキル基側がPA12と接触する。そのため、アルミニウム基材とPA12の化学結合を阻害され、接合強度が低下したものと考えられる。
また、ステアリン酸処理後のアルミニウム基材に水滴を垂らし、その接触角を測定すると、接触角は120°に近くなり、液滴はほぼ球形になった。このことは、ステアリン酸のアルキル基側がアルミニウム基材の最表層側に偏在していることを裏付ける結果である。
以上から、酸素含有被膜と樹脂接合体との間において、酸素含有被膜の酸素と樹脂中のカルボニル基との間に化学的な結合が生じ、この化学的な結合による作用がアルミニウム基材と樹脂接合体との間の接合強度を高めているものと考えられる。
<効果>
以上説明したように、本発明の実施形態に係るステアリングシャフト3によれば、以下の作用効果が得られる。
以上説明したように、本発明の実施形態に係るステアリングシャフト3によれば、以下の作用効果が得られる。
(1)複合部材となるロアーシャフト13(第1シャフト)の端部17は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアルミニウム基材41と、該アルミニウム基材41の表面に形成され、酸素を含む酸素含有被膜43と、該酸素含有被膜43の表面に接合され、樹脂からなる樹脂接合体45と、を有する。樹脂接合体45は、酸素含有被膜43の表面に、アルミニウム基材41の周方向の全周に亘って環状に繋がって形成されている。
このように、樹脂接合体45は、アルミニウム基材41の周方向の全周に亘って環状に繋がって形成されている。したがって、樹脂接合体45は酸素含有被膜43を介してアルミニウム基材41を周囲から締め付けるため、樹脂接合体45のアルミニウム基材41への付着力(結合力)が大きくかつ確実になる。
以下、具体的に説明する。まず、製造工程において、樹脂接合体45を設ける前は、アルミニウム基材41の表面には酸素含有被膜43が形成されている。そして、酸素含有被膜43が形成されたアルミニウム基材41を金型にセットする。次いで、溶融した高温の樹脂を金型内に注入すると、金型とアルミニウム基材41との間のキャビティに溶融樹脂が流れ込む。すると、酸素含有被膜43を介してアルミニウム基材41の全周に亘って溶融樹脂が充填される。この状態で、溶融樹脂およびアルミニウム基材41が冷却されると、溶融樹脂が硬化して収縮することにより、酸素含有被膜43を介してアルミニウム基材41を外周から締め付ける。このように、樹脂接合体45は、常時、酸素含有被膜43を介してアルミニウム基材41を外周から締め付ける物理的な締結力が作用する。よって、軽量化のために金属部材としてアルミニウム基材41を用いて場合でも、樹脂接合体45のアルミニウム基材41への付着力(結合力)を大きくすることができる。
また、アルミニウム基材41の表面には酸素含有被膜43が形成されているため、アルミニウム基材41と樹脂接合体45との接合力を高めることができる。
(2)ロアーシャフト13を構成するアルミニウム基材41は、図6に示すように筒状体に形成されているため、ロアーシャフト13の質量が軽減される。なお、ロアーシャフト13を柱状体に形成してもよい。柱状体にすることによって、ロアーシャフト13の強度が向上するという効果がある。
(3)ロアーシャフト13(第1シャフト)の端部17を筒状に形成されたアッパーシャフト15(第2シャフト)の端部19の挿通孔20に挿入することにより、ロアーシャフト13およびアッパーシャフト15の端部同士17,19が摺動可能に組み付けられて構成されたステアリングシャフト3について、ロアーシャフト13の端部17は、アルミニウム基材41の表面に酸素含有被膜43および樹脂接合体45を形成して構成される。
このように、ロアーシャフト13およびアッパーシャフト15の端部同士17,19は互いに摺動するため、摺動によって摩耗が生じやすい部位にも樹脂接合体45を強固に付着させることができる。
(4)ロアーシャフト13(第1シャフト)の端部17の外周面37は、端部17の周方向に沿っていく場合に端部17の径方向の外側および内側に起伏する第1の凹凸部25に形成され、アッパーシャフト15(第2シャフト)の端部19の内周面31は、ロアーシャフト13の第1の凹凸部25に係合する第2の凹凸部33に形成されている。
ロアーシャフト13の端部17とアッパーシャフト15の端部19とは、第1の凹凸部25および第2の凹凸部33で係合されるため、アッパーシャフト15を回転させるトルクをロアーシャフト13に確実に伝達することができる。
(5)ロアーシャフト13(第1シャフト)の第1の凹凸部25は、径方向断面が径方向の外側に突出する断面円弧状の複数の凸部39と、周方向に隣接する凸部同士39,39の間に設けられて径方向の内側にへこむ断面円弧状の凹部40と、からなる。
このように、ロアーシャフト13の第1の凹凸部25は、断面形状が比較的に単純であるため、機械加工を施して第1の凹凸部25を形成する場合は、機械加工の作業性が容易になる。
(6)樹脂接合体45を形成する樹脂は、ポリアミド12である。ポリアミド12は、アミド基の水素結合により優れた強靭性、耐衝撃性、柔軟性を示すため、ロアーシャフト13の端部17とアッパーシャフト15の端部19との間の摺動により生じる摩耗を抑制することができる。
(7)酸素含有被膜43は、亜鉛イオン含有アルカリ水溶液を用いた亜鉛被膜形成処理で得られた亜鉛元素を含有した被膜である。このように、酸素含有被膜43を亜鉛含有被膜とすることにより、酸素含有被膜と樹脂接合体との間を強固に接合することが可能となる。
(8)複合部材となるロアーシャフト13(第1シャフト)の製造方法は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアルミニウム基材41の表面に、酸素を含む酸素含有被膜43を形成する被膜形成工程と、この酸素含有被膜43の表面に、アルミニウム基材41の周方向に沿って環状に繋がった樹脂接合体45を形成する樹脂形成工程と、を有する。このような被膜形成工程及び樹脂形成工程により、酸素含有被膜43の表面に、接合力が高い樹脂接合体45を容易に形成することができる。
前述のように、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。例えば、酸素含有被膜43は、アルミニウム基材41の全周に亘って連続して形成しているが、全周のうち一部に酸素含有被膜43が形成されていなくてもよい。また、ロアーシャフト13の本体部23および端部17は、円筒体に形成したが、内方が中実状に形成された円柱体であってもよい。また、ロアーシャフト13の上端の端部17およびアッパーシャフト15の下端の端部19は、ともに係合されて摺動可能であればよく、例えばそれぞれ角筒状に形成してもよい。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
まず、市販のアルミニウム板材(6061−T6;板厚2.0mm)から縦40mm横40mmの大きさのアルミニウム基材を切り出した。また、被膜形成処理剤として、水酸化ナトリウム濃度が100g/Lで酸化亜鉛濃度が25g/L(Zn2+として20g/L)の亜鉛イオン含有ナトリウム水溶液を調製した。次に、この亜鉛イオン含有ナトリウム水溶液中に上記のアルミニウム基材を室温下に3分間浸漬し、その後水洗し、表面に亜鉛元素を含有する酸素含有被膜が形成されたアルミニウム基材を作製した。
まず、市販のアルミニウム板材(6061−T6;板厚2.0mm)から縦40mm横40mmの大きさのアルミニウム基材を切り出した。また、被膜形成処理剤として、水酸化ナトリウム濃度が100g/Lで酸化亜鉛濃度が25g/L(Zn2+として20g/L)の亜鉛イオン含有ナトリウム水溶液を調製した。次に、この亜鉛イオン含有ナトリウム水溶液中に上記のアルミニウム基材を室温下に3分間浸漬し、その後水洗し、表面に亜鉛元素を含有する酸素含有被膜が形成されたアルミニウム基材を作製した。
次に、熱可塑性樹脂としてポリアミド12(宇部興産株式会社製、商品名:UBESTA(登録商標)3014U)を用い、射出成形により、図9に示す試験用のアルミニウム樹脂接合体200を作製した。具体的には、上述のように表面処理を行ったアルミニウム基材を射出成形機の金型内にセットし、金型温度150℃、樹脂温度320℃、射出速度100mm/s、保圧50MPa、保圧時間3秒の射出成形条件で、ポリアミド12の射出成形を行った。これにより、図9に示すように、5mm×10mm×30mmの大きさのポリアミド成形体202を成形した。さらに、ポリアミド成形体202を5mm×10mmの面積でアルミニウム基材201の亜鉛含有被膜上に接合させた。
[実施例2]
アルミニウム基材として、実施例1と同じアルミニウム板材を使用した。次に、アルミニウム基材を、30wt%の硝酸水溶液に常温で5分間浸漬した後に、イオン交換水で十分に水洗した。さらに、5wt%水酸化ナトリウム溶液に50℃で1分間浸漬した後に水洗し、30wt%硝酸水溶液に常温で3分間浸漬した後に水洗した。次に、91℃の熱水で5分間浸漬させる水和処理をすることにより、アルミニウム基材の表面にアルミニウム化合物(AlO(OH))を含む酸素含有被膜を形成した。これ以外は、実施例1と同様にして、試験用のアルミニウム樹脂接合体200を作製した。
アルミニウム基材として、実施例1と同じアルミニウム板材を使用した。次に、アルミニウム基材を、30wt%の硝酸水溶液に常温で5分間浸漬した後に、イオン交換水で十分に水洗した。さらに、5wt%水酸化ナトリウム溶液に50℃で1分間浸漬した後に水洗し、30wt%硝酸水溶液に常温で3分間浸漬した後に水洗した。次に、91℃の熱水で5分間浸漬させる水和処理をすることにより、アルミニウム基材の表面にアルミニウム化合物(AlO(OH))を含む酸素含有被膜を形成した。これ以外は、実施例1と同様にして、試験用のアルミニウム樹脂接合体200を作製した。
[評価]
実施例1,2で得られたアルミニウム樹脂接合体に関し、ポリアミド成形体のせん断強度を測定した。具体的には、図10に示すように、実施例1,2で得られたアルミニウム樹脂接合体200におけるアルミニウム基材201を冶具210に固定し、ポリアミド成形体202の上端にその上方から1mm/min.の速度で荷重211を印加した。このように、アルミニウム基材201とポリアミド成形体202との間の接合部分を破壊する方法で、アルミニウム樹脂接合体の接合部のせん断強度を評価した。
実施例1,2で得られたアルミニウム樹脂接合体に関し、ポリアミド成形体のせん断強度を測定した。具体的には、図10に示すように、実施例1,2で得られたアルミニウム樹脂接合体200におけるアルミニウム基材201を冶具210に固定し、ポリアミド成形体202の上端にその上方から1mm/min.の速度で荷重211を印加した。このように、アルミニウム基材201とポリアミド成形体202との間の接合部分を破壊する方法で、アルミニウム樹脂接合体の接合部のせん断強度を評価した。
せん断強度の測定結果を図11に示す。図11に示すように、酸素含有被膜上にポリアミド成形体を接合することにより、高いせん断強度が得られることが分かる。
図12では、実施例1における、酸素含有被膜が形成されたアルミニウム基材の表面を走査型電子顕微鏡で観察した結果を示している。図12に示すように、粒子状の酸素含有被膜203がアルミニウム基材の表面全体を被覆していることが分かる。図13では、実施例1のアルミニウム樹脂接合体200の断面を走査型電子顕微鏡で観察した結果を示している。図13に示すように、ポリアミド成形体202が酸素含有被膜203に密着していることが分かる。さらに、ポリアミド成形体202の一部が酸素含有被膜203の内部に侵入し、アンカー部204を形成していることが分かる。このように、酸素含有被膜203を設けることにより、上述の化学結合に加え、アンカー部204による物理的結合によっても接合力が増加することが分かる。
以上、実施例に沿って本発明の内容を説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
13 ロアーシャフト(第1シャフト)(複合部材)
15 アッパーシャフト(第2シャフト)
17,19 端部
20 挿通孔
25 第1の凹凸部
31 内周面
33 第2の凹凸部
37 外周面
39 凸部
40 凹部
41 アルミニウム基材
43 酸素含有被膜
45 樹脂接合体
15 アッパーシャフト(第2シャフト)
17,19 端部
20 挿通孔
25 第1の凹凸部
31 内周面
33 第2の凹凸部
37 外周面
39 凸部
40 凹部
41 アルミニウム基材
43 酸素含有被膜
45 樹脂接合体
Claims (9)
- アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアルミニウム基材と、該アルミニウム基材の表面に形成され、酸素を含む酸素含有被膜と、該酸素含有被膜の表面に接合され、樹脂からなる樹脂接合体と、を有し、
前記樹脂接合体は、前記酸素含有被膜の表面に、前記アルミニウム基材の周方向の全周に亘って環状に繋がって形成されたことを特徴とする複合部材。 - 請求項1に記載の複合部材であって、
前記アルミニウム基材は、筒状体または柱状体に形成されたことを特徴とする複合部材。 - 請求項1または2に記載の複合部材であって、
第1シャフトの端部を筒状に形成された第2シャフトの端部の挿通孔に挿入することにより、第1および第2シャフトの端部同士が摺動可能に組み付けられて構成されたステアリングシャフトについて、
前記第1シャフトの端部は、前記アルミニウム基材の端部の表面に前記酸素含有被膜および樹脂接合体を形成して構成されることを特徴とする複合部材。 - 請求項3に記載の複合部材であって、
前記第1シャフトの端部の外周面は、当該端部の周方向に沿っていく場合に端部の径方向の外側および内側に起伏する第1の凹凸部に形成され、
前記第2シャフトの端部の内周面は、前記第1シャフトの第1の凹凸部に係合する第2の凹凸部に形成されたことを特徴とする複合部材。 - 請求項4に記載の複合部材であって、
前記第1シャフトの前記第1の凹凸部は、径方向断面が径方向の外側に突出する断面円弧状の複数の凸部と、周方向に隣接する前記凸部同士の間に設けられて径方向の内側にへこむ断面円弧状の凹部と、からなることを特徴とする複合部材。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合部材であって、
前記樹脂接合体を形成する樹脂は、ポリアミド12であることを特徴とする複合部材。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合部材であって、
前記酸素含有被膜は、亜鉛イオン含有アルカリ水溶液を用いた亜鉛被膜形成処理で得られた亜鉛元素を含有した被膜であることを特徴とする複合部材。 - アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアルミニウム基材の表面に、酸素を含む酸素含有被膜を形成する被膜形成工程と、
この酸素含有被膜の表面に、アルミニウム基材の周方向に沿って環状に繋がった樹脂接合体を形成する樹脂形成工程と、
を有することを特徴とする複合部材の製造方法。 - 請求項8に記載された製造方法を用いて作製したことを特徴とする複合部材。
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Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20200082093A (ko) * | 2018-12-28 | 2020-07-08 | 남양넥스모 주식회사 | 경량형 유니버셜 조인트 어셈블리 |
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-
2016
- 2016-09-06 JP JP2016174018A patent/JP2018039166A/ja active Pending
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